JP4233253B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関し、より詳しくは、抽選処理において大入賞に当選することで、遊技者に対して有利な特別遊技状態に移行し得るパチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、遊技球を遊技盤の遊技領域に打ち出し、この遊技球が始動口に入球したことに応じて抽選処理を実行し、その抽選結果が大入賞に当選すれば、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生する、より詳細に言えば、遊技球の始動口への入球に応じて図柄表示部における例えば三つの図柄表示領域が変動表示され、所定時間後に例えば左、右、中の表示領域の順に停止し、各図柄表示領域における各停止図柄の組み合わせが例えば「7−7−7」等のゾロ目といった特定の組み合わせ図柄(いわゆる「大当たり図柄」)となれば、大入賞が成立(いわゆる「大当たり」)して特別遊技状態へ移行するといったパチンコ機が知られている。
【0003】
この種のパチンコ機では、図柄表示領域の変動表示が順に停止される過程で、最後に停止される図柄を除き、残りの図柄が大当り発生の可能性の高い停止態様になっている(例えば、「7−↓−7」(「↓」は変動表示中であることを表す)、いわゆる「リーチ状態」)と、最後に停止される図柄の停止時間が延長されると共に、この図柄が停止するまでの間、所定のリーチ演出が実行されて、遊技者の大当たり発生への期待感が急激に高められるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年のパチンコ機においては、リーチ演出を予め複数種類用意し、リーチ演出を実行するに当たっては、その中から抽選処理により選択された一のリーチ演出を実行することに加え、大当たりの期待度が低いリーチ演出の演出内容を前段部分に有し、該部分の演出が終了する時点で、例えば、リーチ状態を構成する図柄表示領域における図柄表示数を増加させ、リーチラインをシングルラインからマルチラインに切り替えて展開し、何れかのリーチライン上に大当たり図柄が停止すれば、大当たりが発生するといった、大当たりの期待度がより高くなることを表すリーチ演出(いわゆる「リーチの発展形」)を採用して、遊技の興趣性をより向上させんとする機種が多々提供されるようになってきている。
【0005】
このように、各パチンコ機メーカーは、変化に富んだリーチ演出の創作に主たる力を注いでいるが、それに比べて、リーチ状態となる前の段階においては、一の図柄表示領域に不規則な変動表示の停止パターンが発生するケース(いわゆる「図柄のすべり」、「図柄の戻り」、「図柄の切り替わり」等)、あるいはリーチ状態や大当たりが発生する可能性がある旨を示す表示が発生するケース(いわゆる「リーチ予告」や「大当たり予告」)といった演出が用意されていることがあると言えども、図柄変動表示態様に関しては、三つの図柄表示領域が単純に図柄変動表示を開始し、所定時間後に例えば左、右の図柄表示領域の順に停止するといった画一的なものであり、この点に関して、遊技者の興味心を引き付けることができていないのが現状である。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、図柄変動表示の開始からリーチ状態となる可能性がある第二停止が行われるまでの間であっても、従来とは別の施策により遊技者の興味心を引き付けることができるような遊技機を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る遊技機は、複数種類の図柄を図柄表示領域毎に変動表示した後、停止させて任意の組み合わせ図柄を表示する図柄表示部を備え、特定の組み合わせ図柄の停止態様とするか否かの第1抽選を行い、第1抽選に当選することにより、特定の組み合わせ図柄を表示して遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生し、最後に停止される図柄次第で停止態様が前記特定の組み合わせ図柄となり得るリーチ状態となれば、所定のリーチ演出が実行される遊技機において、図柄変動表示の開始から最後に停止される図柄表示領域のみが図柄変動表示している状態となるまでの間に、前記リーチ状態を構成する図柄表示領域における図柄表示数を所定条件下で変更して該図柄表示数に応じた図柄を表示するように構成されると共に、リーチ状態を構成する図柄表示領域における図柄表示数の変更が行われた場合に、図柄表示領域に表示されるべき図柄の配列を図柄変動表示の開始前における図柄の配列と異なる停止態様とするか否かの第2抽選を行い、第2抽選に当選することにより、図柄変動表示の開始前における図柄の配列と異なる図柄の配列の停止態様を表示すると共に、その後に再度図柄の変動表示が行われ、前記第2抽選は、前記第1抽選が当選した場合には落選した場合よりも当選確率が高くなるように設定されていることを特徴とする。
【0008】
上記構成からなる遊技機によれば、遊技者は、図柄変動表示の開始から最後に停止される図柄表示領域のみが図柄変動表示している状態となるまでの間に、図柄表示数の変更及びこれに基づく図柄の表示が行われることで、遊技者は、その不規則な図柄変動表示態様に意外性を感じ、リーチ状態が発生するのではないか、あるいは停止態様が特定の組み合わせ図柄となるのではないか、と期待感を抱くようになる。尚、「停止態様」とは、各図柄表示領域の図柄が完全に停止状態にある態様にのみ限定されるわけではなく、例えば当該図柄の一部が微小に動いていたり、図柄全体が微小に動いている態様をも含めることができる。要は、図柄変動表示が行われていない、当該図柄を一定時間以上連続的に視認することが可能な態様という意味である。これは、現行のパチンコ機における、再変動表示前の停止態様は、完全停止状態であってはいけないという取り決めに符合するものである。
【0009】
また、本発明に係る遊技機は、複数種類の図柄を図柄表示領域毎に変動表示した後、順に停止させて任意の組み合わせ図柄を表示する図柄表示部を備え、特定の組み合わせ図柄の停止態様とするか否かの第1抽選を行い、第1抽選に当選することにより、特定の組み合わせ図柄を表示して遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生する遊技機において、最後に停止される図柄表示領域よりも先に変動表示を停止する少なくとも一つの図柄表示領域について、図柄表示領域に表示されるべき図柄の配列を図柄変動表示の開始前における図柄の配列と異なる停止態様とするか否かの第2抽選を行い、第2抽選に当選することにより、図柄変動表示の開始前における図柄の配列と異なる図柄の配列の停止態様を表示すると共に、その後に再度図柄の変動表示が行われ、前記第2抽選は、前記第1抽選が当選した場合には落選した場合よりも当選確率が高くなるように設定されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施形態にかかるパチンコ機の概略的な外観構成図を示す。パチンコ機は、略長方形の四辺をなすように枠組みされた四つの枠片からなる外枠(図示省略)と、この外枠に開閉自在に取り付けられた前面扉2と、該前面扉2の裏面に取り付けられた遊技盤3とを備えている。
【0011】
前面扉2には、大きな矩形状の開口部が形成され、この開口部には、ガラス板等の透明板4が取り付けられており、本実施形態に係るパチンコ機は、この透明板4を介して、内部の遊技盤3が視認可能に構成されている。また、前面扉2には、遊技盤3に向けて遊技球を発射させるための発射装置(図示省略)を操作するためのハンドル5と、発射装置に供給すべき遊技球を貯留しておくための上皿6と、この上皿6に貯留しきれない遊技球を貯留しておくための下皿7とが設けられている。
【0012】
遊技盤3には、略円弧状に形成された外側ガイドレール8と、これより半径の小さな略円弧状に形成された内側ガイドレール9とが配設されている。そして、本実施形態に係るパチンコ機においては、発射装置から発射された遊技球が、これらのガイドレール8,9に案内されて遊技盤3の上部に導かれ、遊技盤3内(遊技領域内)を転動することによって遊技が行われる。尚、この遊技盤3には、遊技球と当接することによって遊技球を様々な方向に転動させるための複数の遊技釘が配設されているが、ここでは、図面の複雑化を避けるために遊技釘の記載を省略している。つまり、本実施形態に係るパチンコ機においては、遊技盤3の上部に導かれた遊技球は、遊技盤3に打ち込まれた複数本の遊技釘に当接し、あるいはこれらの遊技釘間を通って、下方へ落下すべく構成されている。
【0013】
遊技盤3の略中央部には、例えば液晶表示器を組み込んだ図柄表示部10が配設され、この図柄表示部10の下方位置には、遊技球を入球可能な始動口11及び複数の入賞口12,…が配置される。この始動口11及び入賞口12,…に遊技球が入球すると、その旨が入球後の遊技球の通過経路に設けられたセンサによって検出され、入球した部位について予め定められた個数の賞球が球払出し部(図示省略)から上皿6に払い出される。
【0014】
図柄表示部10の表示画面は、例えば左、中、右の三つの図柄表示領域10a,10b,10cが区画されており、各表示領域10a,10b,10cは、それぞれ文字、数字、記号、図形、キャラクタ等の図柄(本実施形態では、縦方向に順に並ぶ「0」〜「9」の数字)が単独あるいは複合的に表示可能に構成されている。遊技球が始動口11に入球すると、特別遊技状態を発生させるか否か(「大当たり」か「はずれ」か)を決定する抽選処理)が実行されると共に、左図柄表示領域10aは、一旦下から上に向かってカウントアップスクロールした後、上から下に向かってカウントダウンスクロールするようにして、中及び右図柄表示領域10b,10cは、一旦下から上に向かってカウントダウンスクロールした後、上から下に向かってカウントアップスクロールするようにして、それぞれ図柄変動表示され(図2(イ)〜(ハ)参照)、所定時間経過後に左、右、中の順に停止するようになっている。
【0015】
図柄増幅処理(これについては後述する)が実行された場合、左図柄表示領域10aは、縦方向に圧縮されるように一旦下から上に向かってカウントアップスクロールした後、上から下に向かってカウントダウンスクロールするようにして、右図柄表示領域10b,10cは、縦方向に圧縮されるように一旦下から上に向かってカウントダウンスクロールした後、上から下に向かってカウントアップスクロールするようにして、それぞれ図柄変動表示され(図2(ロ)参照)、最初に停止する(第一停止の)左図柄表示領域10a、そして、次に停止する(第二停止の)右図柄表示領域10cに、それぞれ一つ又は連続する二つ以上の図柄(群)が表示される。左右図柄表示領域10a,10cに表示される図柄(群)は、中図柄表示領域10bの中央位置を中心とした点対称となっており、従って、リーチ状態になると、図柄表示部10には、中図柄表示領域10bの中央位置を通る一本又は複数本のリーチライン(群)が展開されることとなる(図2(ハ)参照、本図では、三本のリーチライン)。リーチ状態となれば、中図柄表示領域10bは、ゆっくりとしたスクロールに移行するが、抽選結果が大入賞当選であれば、所定時間経過後、左右の図柄表示領域10a,10cに表示される一つ又は連続する二つ以上の図柄(群)のうちの何れかの図柄が中図柄表示領域10bの中央位置に停止するようになっている。
【0016】
始動口11の下方位置には、大入賞口14が設けられており、この大入賞口114は、通常は幅広な開閉板13によって閉塞されている。そして、抽選処理を行った結果、大入賞に当選すると、ソレノイドの作動によって開閉板13が傾動して、大入賞口14が開放される。大入賞口14には、特定領域(いわゆるVゾーン)を経由する第一経路と、特定領域を経由しない第二経路の二つの経路とが設けられており、それぞれの経路には、入球した遊技球をカウントするカウンタが設けられている。例えば、特別遊技では、非特定領域(第二経路)に所定個数の遊技球が入球するまで大入賞口14が開放され、その間、特定領域(第一経路)に遊技球が1つでも入球すれば、継続権が発生して、大入賞口14が再度開放され、この一連の動作が所定回数繰り返されることとなる。そして、本実施形態に係るパチンコ機は、大入賞口14に入球した遊技球の数(カウンタにてカウントされた遊技球の数)に応じて、予め定められた個数の賞球が球払出し部から上皿6に払い出される。
【0017】
遊技盤3の下部には、始動口11、入賞口12及び大入賞口14等に入球しなかった遊技球を機内に回収するための取込口15が形成されている。また、遊技盤3の遊技領域の周辺部には、遊技中に点滅表示される飾りランプ、賞球を払い出すときに点灯する賞球ランプ、補給が切れたときに点灯する球切れランプ等の各種ランプ16が配置されており、外枠1の左右位置には、効果音を発する二つのスピーカ17,17が配置されている。
【0018】
図3は、本実施形態にかかるパチンコ機の概略的な電気的構成のブロック図を、そして、図4は、遊技機内の主制御部の概略図を示す。本実施形態にかかるパチンコ機は、制御、演算の主体であるCPU21、遊技制御プログラム等が記憶されているROM22、データの読み書きに用いられるRAM23、及び乱数発生器24等を有する主制御部20を備えている(図4参照)。
【0019】
ROM22は、判定処理に用いられるテーブルとして、大入賞に当選するか否かの判定処理に用いられる大入賞判定用テーブル(約300分の1の確率で大入賞に当選するように設定されたテーブル)22a、リーチ演出を実行するか否かの判定処理に用いられるリーチ判定用テーブル(約10分の1の確率でリーチ演出実行に当選するように設定されたテーブル)22b、リーチ演出実行と判定された場合、それぞれ左右の図柄表示領域10a,10cに表示される図柄の数を増やすや否かの判定処理に用いられる図柄増幅数判定用テーブル22c、図柄増幅有りと判定された場合、停止図柄をどの停止ライン上に表示するかの判定処理に用いられる停止ライン判定用テーブル22d、リーチ目を表示するか否かの判定処理に用いられるリーチ目判定用テーブル22eを備えている。尚、リーチ目とは、再図柄変動表示後に大当たり図柄が表示される可能性が高い組み合わせ図柄の停止態様を言う。
【0020】
RAM23は、図柄表示部10の各図柄表示領域10a,10b,10cにおける停止図柄に関する情報を記憶する停止図柄情報記憶部23a、停止図柄の図柄増幅数(図柄表示数)に関する情報を記憶する図柄増幅数情報記憶部23b、停止ラインに関する情報を記憶する停止ライン情報記憶部23c、リーチ目に関する情報を記憶するリーチ目情報記憶部23dを備えている。
【0021】
乱数発生器24は、「0」から始まって所定上限値となるまで、所定周期(例えば2msec)で順次1ずつカウントアップ動作が行われ、このカウント値が所定上限値に達した場合には、初期値「0」から再度カウント動作が繰り返される構成(いわゆる「無限ループカウンタ」)であり、大入賞判定用乱数発生器24a(所定上限値が例えば「315」)、各図柄表示領域10a,10b,10cにおける停止図柄を決定する停止図柄決定用乱数発生器24b(所定上限値が例えば「9」であり、全図柄「0」〜「9」に一対一対応)、リーチ判定用乱数発生器24c(所定上限値が例えば「9」)、図柄増幅数判定用乱数発生器24d(所定上限値が例えば「99」)、停止ライン判定用乱数発生器24e(所定上限値が例えば「9」であり、全図柄「0」〜「9」に一対一対応)、リーチ目判定用乱数発生器24f(所定上限値が例えば「49」)を備えている。
【0022】
主制御部20のCPU21には、バスを介して各種の入出力部が接続されている。入力部としては、始動口11に入球した遊技球を検出する検出手段としての始動口センサ25、入賞口12に入球した遊技球を検出する入賞口センサ26、下皿7内に遊技球が満杯になったことを検出する下皿センサ27、大入賞口14の一般領域に入球した遊技球をカウントするカウンタ28、大入賞口14の特定領域に入球した遊技球をカウントするVゾーンカウンタ29等が接続されている。また、出力部としては、表示制御部30、電源制御部31、音声制御部32、ランプ制御部33及び払出制御部34が接続されている。
【0023】
表示制御部30は、主制御部20から送られる制御信号(RAM23a内の記憶情報(停止図柄に関する情報)、RAM23b内の記憶情報(図柄増幅数に関する情報)、RAM23c内の記憶情報(停止ラインに関する情報)、RAM23d内の記憶情報(リーチ目に関する情報)等)に基づいて図柄表示部10の図柄表示領域10a,10b,10cを制御する。
【0024】
また、音声制御部32及びランプ制御部33は、主制御部20からの制御信号に基づいて各種ランプ16の点灯状態及びスピーカ17,17からの音声を制御する。主制御部20から払出制御部34には、賞球個数信号が適宜送信される。そして、払出制御部34は、この賞球個数信号に基づいて球払出し部35を制御する。
【0025】
以上の如く、本実施形態に係るパチンコ機は、始動口11に遊技球が入球するのに応じて、大入賞判定用乱数発生器24a、停止図柄決定用乱数発生器24b、リーチ判定用乱数発生器24c、図柄増幅数判定用乱数発生器24d、停止ライン判定用乱数発生器24e、リーチ目判定用乱数発生器24fを用いてそれぞれ乱数の取得処理が実行され、各乱数に基づいて、大入賞判定、停止図柄決定、リーチ判定、図柄増幅数判定、停止ライン判定、リーチ目判定が行われる。
【0026】
図5は、パチンコ機の遊技の流れに関するフローチャートを示す。本実施形態に係るパチンコ機は、遊技球が始動口11へ入球する毎に大入賞判定用の乱数を取得し(取得処理)、この乱数を大入賞判定用テーブル22a(当選値が例えば「0」)と比較して、各回毎に大入賞に当選したか否かの判定を行う(判定処理)という、いわゆる「完全確率方式」を採用している。まず、遊技状態において、始動口11への入球があったか否かがチェックされ(S10)、これがYESの場合、大入賞判定用乱数発生器24aから乱数が取得され、その乱数と大入賞判定用テーブル22aとが比較され、取得された乱数と大入賞判定用テーブル22a内の当選値とが一致するか否か、即ち大入賞に当選したか否かの判定が行われる(S20)。
【0027】
次に、停止図柄決定用乱数発生器24bから三つの乱数が取得され、それぞれの乱数に基づいて左停止図柄、右停止図柄、中停止図柄が決定される(S30)。停止図柄決定用乱数発生器24bは、上述の如く、全図柄「0」〜「9」に一対一対応した乱数を備え、例えば、左停止図柄用の乱数が「7」であれば、左停止図柄は「7」となり、右停止図柄用の乱数が「3」であれば、右停止図柄は「3」となり、中停止図柄用の乱数が「1」であれば、中停止図柄は「1」となり、停止図柄の組み合わせは「7−1−3」となる。尚、S20にて大入賞当選と判定された場合であって、S30にて「7−1−3」といった大入賞が成立し得ない停止図柄の組み合わせが決定された場合、S30では、何れかの停止図柄(例えば左停止図柄)を残りの停止図柄(例えば右、中停止図柄)に複写し、停止図柄の組み合わせを例えば「7−7−7」にする処理が実行される。一方、S20にて大入賞非当選と判定された場合であって、S30にて「7−7−7」といった大入賞が成立する停止図柄の組み合わせが決定された場合、S30では、何れかの停止図柄(例えば右停止図柄)に例えば1を加え、停止図柄の組み合わせを例えば「7−7−8」にする処理が実行される。
【0028】
次に、リーチ判定用乱数発生器24cから乱数が取得され、その乱数とリーチ判定用テーブル22b(当選値が例えば「0」)とが比較され、取得された乱数とリーチ判定用テーブル22b内の当選値とが一致するか否か、即ちリーチ演出を実行するか否かの判定が行われる(S40)。尚、S20にて大入賞当選と判定された場合、停止図柄の組み合わせは当然にリーチ状態を包含するから、リーチ演出を実行するか否かの判定は行われない。また、S20にて大入賞非当選と判定され且つS40にてリーチ演出実行と判定された場合であって、S30にて「7−1−3」といったリーチ状態が成立し得ない停止図柄の組み合わせが決定された場合、S40では、何れかの停止図柄(例えば左停止図柄)を他の一の停止図柄(例えば右停止図柄)に複写し、停止図柄の組み合わせを例えば「7−1−7」にする処理が実行される。一方、S20にて大入賞非当選と判定され且つS40にてリーチ演出不実行と判定された場合であって、S30にて「7−1−7」といったリーチ状態が成立する停止図柄の組み合わせが決定された場合、S40では、何れかの停止図柄(例えば右停止図柄)に例えば1を加え、停止図柄の組み合わせを例えば「7−1−8」にする処理が実行される。
【0029】
次に、図柄増幅数抽選処理が実行される(S50)。この図柄増幅数抽選処理は、図6に示す如く、まず、図柄増幅数判定用乱数発生器24dから乱数が取得される(S5010)。次に、S20にて大入賞当選と判定されたか否かがチェックされ(S5020)、これがYESの場合、S5010にて取得された乱数と図柄増幅数判定用テーブル1(図7(イ)参照)とが比較され、取得された乱数と図柄増幅数判定用テーブル1内の何れの当選値とが一致するか否か、即ち増幅数を幾らにしてそれぞれ左右の図柄表示領域10a,10cに幾つの図柄を表示するかの判定が行われる(S5030)。
【0030】
S5020がNOの場合、S40にてリーチ演出実行と判定されたか否かがチェックされ(S5040)、これがYESの場合、即ちリーチ演出を実行するが、大入賞は成立しない場合、図柄増幅数判定用テーブル2(図7(ロ)参照)を用いて判定が行われる(S5050)。S5040がNOの場合、即ちリーチ状態は成立しない場合、図柄増幅数判定用テーブル3(図7(ハ)参照)を用いて判定が行われる(S5060)。
【0031】
次に、リーチ目判定用乱数発生器24fから乱数が取得され、その乱数とリーチ目判定用テーブル22e(図8参照)とが比較され、取得された乱数とリーチ目判定用テーブル22e内の当選値とが一致するか否か、即ちリーチ目表示を実行するか否かを含め、どのリーチ目を表示するかの判定が行われる(S5070)。尚、図8の判定テーブルは、大当たり用(図8(イ)参照)とはずれ用(図8(ロ)参照)とに分かれており、大当たり用では、リーチ目表示の当選確率が高くなるように設定されている。
【0032】
図柄増幅数抽選処理が完了すると、停止ライン判定用乱数発生器24eから乱数が取得され、その乱数と停止ライン判定用テーブル22dとが比較され、取得された乱数と停止ライン判定用テーブル22d内の何れの停止ラインの当選値とが一致するか否か、即ちS30又はS40にて決定された停止図柄を何れの停止ラインに展開するかの判定が行われる(S60)。具体的には、S60では、停止ライン判定用乱数が「0」であれば、例えば左停止図柄は最下位置となるように設定し、乱数値の増加に伴って左停止図柄の位置が上方に転移するように設定する処理が実行される。但し、停止ライン判定用乱数がS50にて判定された図柄増幅数を上回る場合は、図柄増幅数に応じて構成される複数の停止ラインのうちの真ん中の停止ラインにS30にて決定された停止図柄を展開する処理が実行される。
【0033】
停止ライン判定が行われた後、図柄の変動表示が開始される(S70)。S70では、S50にて図柄増幅実行と判定された場合、上述の如く、左図柄表示領域10aは、S50にて決定された図柄増幅数情報に基づいて縦方向に圧縮されるように一旦下から上に向かってカウントアップスクロールした(即ち、左図柄表示領域10aは、下から図柄を順次押し上げ、S50にて決定された図柄表示数分だけ表示した)後、上から下に向かってカウントダウンスクロールするようにして変動表示を開始する一方、右図柄表示領域10b,10cは、縦方向に圧縮されるように一旦下から上に向かってカウントダウンスクロールした(即ち、右図柄表示領域10cは、下から図柄を順次押し上げ、S50にて決定された図柄表示数分だけ表示した)後、上から下に向かってカウントアップスクロールするようにして図柄変動表示を開始する処理が実行される。
【0034】
そして、次に、停止図柄情報、図柄増幅数情報、停止ライン情報、リーチ目情報に基づき左右の停止図柄が表示され(S80)、しかる後、最終的に中図柄表示領域10bの変動表示が停止した結果、停止図柄情報に対応した停止図柄の組み合わせが表示される(S90)。S6050にてリーチ目表示を行うか否かがチェックされ(S100)、これがYESの場合、しばらくして、全図柄表示領域10a,10b,10cが一斉に再図柄変動表示を行う結果(S110)、停止図柄情報に対応した停止図柄の組み合わせが表示される。そして、S100がNOの場合の停止図柄の組み合わせ、あるいはS110の再変動表示後の停止図柄の組み合わせが大入賞成立であるか否かがチェックされ(S120)、これがYESの場合、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行することとなる(S170)。
【0035】
図9(イ)は、リーチラインが全図柄数に応じて展開されたリーチ状態となり、中図柄表示領域10bに大当たり図柄が停止して大入賞が成立した場合の表示パターンを示す。本実施形態に係るパチンコ機は、図7からわかるように、展開されるリーチラインの数が多くなればなるほど、即ち図柄の増幅数が多くなればなるほど、大当たりの期待度が高くなるように設定されている。しかも、図7(ロ)からわかるように、大入賞に当選しない場合、MAXリーチラインを展開するリーチ状態の当選はあり得ないから、MAXリーチラインを展開するリーチ状態が成立した場合、大当たりの期待度は100%となる。
【0036】
図9(ロ)は、四本のリーチラインが展開されたリーチ状態となり、中図柄表示領域10bに大当たり図柄が停止して大入賞が成立した場合の表示パターンを示す。本実施形態に係るパチンコ機は、図7からわかるように、図柄変動表示開始時にそれぞれ左右図柄表示領域10a,10cに表示される図柄表示数が三つまでは、その数が多くなればなるほど、リーチ状態となる期待度が高くなるように設定されている。しかも、図7(ハ)からわかるように、リーチ演出実行に当選しない場合、三つ以上の図柄増幅数の当選はあり得ないから、図柄変動表示開始時にそれぞれ左右図柄表示領域10a,10cに四つ以上の図柄が表示された場合、リーチ状態となる期待度は100%である。
【0037】
図10は、全図柄表示領域10a,10b,10cの停止後、リーチ目が表示され(例えば左図柄表示領域10aが全て同一図柄、図10(イ))、再図柄変動表示(図10(ロ))によって大入賞が成立する(図10(ハ))場合の表示パターンを示す。本実施形態に係るパチンコ機は、図8からわかるように、リーチ目の表示が行われる場合、大当たりの期待度が高くなるような設定である。
【0038】
このように、本実施形態に係るパチンコ機によれば、図柄変動表示の開始後から、リーチ状態を構成する図柄表示領域10a,10cにおける図柄表示数の変更及びこれに基づく図柄の表示が行われることで、図柄変動表示態様を変化に富んだものとすることができ、その結果、遊技者は、その不規則な変動表示態様の変化に意外性を感じ、リーチ状態となる前の段階においても、遊技者の興味心を引き付けることができるようになるという効果を奏する。
【0039】
しかも、本実施形態に係るパチンコ機によれば、左右図柄表示領域10a,10cの図柄変動表示は、図柄増幅数抽選処理により決定された図柄表示数に応じて図柄配列の形態が変更された状態(各図柄がスクロール方向に圧縮され及び/又は図柄同士の間隔が狭められた状態、あるいは各図柄が全体的に縮小され及び/又は図柄同士の間隔が狭められた状態)で行われるものであるため、図柄変動表示中における該図柄変動表示態様の違いを認識することにより、リーチ状態となる前の段階においても、大当たりの期待度の違いをある程度把握することができるようになるという効果を奏し、併せて、大当たりの期待度が高い図柄変動表示態様であればあるほど、遊技の興趣性の増大を図柄変動表示開始から最終的に全図柄が停止するまでの長期間に亘って作用させることができるという効果を奏する。
【0040】
また、本実施形態に係るパチンコ機は、上記図柄変動表示態様の変更とは別にして、リーチ目の表示により、再図柄変動表示後における大当たりの期待度が高くなるようにするものであり、且つそのリーチ目は、その図柄配列の形態が通常の図柄変動表示とは全く異なるものであり、その結果、遊技者は、その不規則な変動表示態様の変化に意外性を感じ、リーチ状態が発生しなくとも、遊技者の興味心を引き付けることができるようになるという効果を奏する。
【0041】
尚、本発明に係る遊技機は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0042】
例えば、図柄変動表示態様の変更パターン、リーチ目の表示パターン、各種抽選処理内容、各種テーブルの構成等は、本発明の意図する範囲内で種々の変更が可能である。
【0043】
また、上記実施形態においては、リーチ状態を構成する図柄表示領域(即ち最初に停止する図柄表示領域及び次に停止する図柄表示領域)を左右に設定し、その図柄変動表示の停止順序を「左−右−中」としているが、何れの図柄表示領域をリーチ状態を構成する図柄表示領域に設定するか、即ち何れの図柄表示領域を最終的に停止する図柄における図柄表示領域に設定するかは、特に限定されないし、また、各図柄表示領域における図柄総数も特に限定されない。
【0044】
そして、上記実施形態においては、大入賞非当選であって且つリーチ状態非当選の場合においても、図柄増幅数抽選処理が実行されるようになっているが、これに限定されず、停止図柄がリーチ状態となる場合にのみ、図柄増幅数抽選処理が実行されるようにしてもよい。この時、停止図柄がリーチ状態とならない場合における図柄表示部の停止ラインは、例えばデフォルトでシングルラインに設定され、停止図柄がリーチ状態となる場合に実行される図柄増幅数抽選処理の結果に応じて、マルチラインに変更されるようにしてもよく、あるいは、停止図柄がリーチ状態とならない場合における図柄表示部の停止ラインは、例えばデフォルトでマルチラインに設定され、停止図柄がリーチ状態となる場合に実行される図柄増幅数抽選処理の結果に応じて、デフォルトよりライン数が増えたマルチライン、デフォルトよりライン数が減ったマルチラインあるいはシングルラインに変更されるようにしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態においては、図柄増幅数抽選処理の結果に応じて、図柄変動表示態様が変更されるまでは、前回実行された図柄増幅数抽選処理の結果に応じた図柄変動表示態様が維持されるようになっているが、これに限定されず、図柄増幅数抽選処理の結果の如何に関わらず、図柄変動表示の開始に先立って、一旦停止ラインをデフォルト(例えばシングルライン)に戻した状態にするようにしてもよい。
【0046】
さらに、上記実施形態においては、図柄変動表示を開始してからリーチ状態を介して大当たりか否かが確定するまでの間、リーチ状態を構成する図柄表示領域の図柄変動表示態様の変更を継続させるようにしているが、例えばリーチ状態となる際に、リーチ状態を構成する図柄変動表示領域における図柄表示数を変更するようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態においては、「遊技者にとって有利な特別遊技状態の成立条件」として「大当たり」を採用しているが、特別遊技状態は、これらに限定されず、要は、通常遊技状態に比して遊技者にとって有利な遊技内容(いわゆる「時短モード」等)であれば、本発明の意図する範囲内である。
【0048】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、図柄変動表示の開始から最後に停止される図柄表示領域のみが図柄変動表示している状態となるまでの間に、リーチ状態を構成する図柄の表示領域における図柄表示数の変更が行われることで、図柄変動表示を変化に富んだものとすることができ、その結果、遊技者は、その不規則な変動表示態様に意外性を感じ、リーチ状態となる前の段階においても、遊技者の興味心を引き付けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の概略的な外観構成図を示す。
【図2】図柄の変動表示を開始してからリーチ状態になるまでの間における表示の具体的態様の説明図を示す。
【図3】同実施形態に係るパチンコ機の概略的な電気的構成のブロック図を示す。
【図4】図3の主制御部の概略図を示す。
【図5】同実施形態に係る遊技の流れに関するフローチャートを示す。
【図6】同実施形態に係る図柄増幅抽選処理に関するフローチャートを示す。
【図7】同実施形態に係る図柄増幅判定用テーブルの構成図を示す。
【図8】同実施形態に係るリーチ目判定用テーブルの構成図を示す。
【図9】(イ)は、リーチラインが最大限に展開されたリーチ状態が成立し、大当たりが発生した状態の表示の具体的態様の説明図、(ロ)は、四本のリーチラインが展開されたリーチ状態が成立し、大当たりが発生した状態の表示の具体的態様の説明図を示す。
【図10】リーチ目が発生し、再変動表示後に大当たりが発生した状態の表示の具体的態様の説明図を示す。
【符号の説明】
10…図柄表示部、10a,10b,10c…図柄表示領域、11…始動口、14…大入賞口、20…主制御部、22…ROM、22a…大入賞判定用テーブル、22b…リーチ判定用テーブル、22c…図柄増幅数判定用テーブル、22d…停止ライン判定用テーブル、22e…リーチ目判定用テーブル、23…RAM、23a…停止図柄情報記憶部、23b…図柄増幅数情報記憶部、23c…停止ライン情報記憶部、23d…リーチ目情報記憶部、24…乱数発生器、24a…大入賞判定用乱数発生器、24b…停止図柄決定用乱数発生器、24c…リーチ判定用乱数発生器、24d…図柄増幅数判定用乱数発生器、24e…停止ライン判定用乱数発生器、24f…リーチ目判定用乱数発生器
Claims (4)
- 複数種類の図柄を図柄表示領域毎に変動表示した後、停止させて任意の組み合わせ図柄を表示する図柄表示部を備え、特定の組み合わせ図柄の停止態様とするか否かの第1抽選を行い、第1抽選に当選することにより、特定の組み合わせ図柄を表示して遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生し、最後に停止される図柄次第で停止態様が前記特定の組み合わせ図柄となり得るリーチ状態となれば、所定のリーチ演出が実行される遊技機において、
図柄変動表示の開始から最後に停止される図柄表示領域のみが図柄変動表示している状態となるまでの間に、前記リーチ状態を構成する図柄表示領域における図柄表示数を所定条件下で変更して該図柄表示数に応じた図柄を表示するように構成されると共に、
リーチ状態を構成する図柄表示領域における図柄表示数の変更が行われた場合に、図柄表示領域に表示されるべき図柄の配列を図柄変動表示の開始前における図柄の配列と異なる停止態様とするか否かの第2抽選を行い、第2抽選に当選することにより、図柄変動表示の開始前における図柄の配列と異なる図柄の配列の停止態様を表示すると共に、その後に再度図柄の変動表示が行われ、前記第2抽選は、前記第1抽選が当選した場合には落選した場合よりも当選確率が高くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。 - 複数種類の図柄を図柄表示領域毎に変動表示した後、順に停止させて任意の組み合わせ図柄を表示する図柄表示部を備え、特定の組み合わせ図柄の停止態様とするか否かの第1抽選を行い、第1抽選に当選することにより、特定の組み合わせ図柄を表示して遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生する遊技機において、
最後に停止される図柄表示領域よりも先に変動表示を停止する少なくとも一つの図柄表示領域について、図柄表示領域に表示されるべき図柄の配列を図柄変動表示の開始前における図柄の配列と異なる停止態様とするか否かの第2抽選を行い、第2抽選に当選することにより、図柄変動表示の開始前における図柄の配列と異なる図柄の配列の停止態様を表示すると共に、その後に再度図柄の変動表示が行われ、前記第2抽選は、前記第1抽選が当選した場合には落選した場合よりも当選確率が高くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。 - 第1乱数発生器と、第1乱数発生器から取得された乱数と比較され、第1抽選の判定処理に用いられる第1判定テーブルとを備えると共に、第2乱数発生器と、第2乱数発生器から取得された乱数と比較され、第2抽選の判定処理に用いられる第2判定テーブルとを備え、さらに、第2判定テーブルは、第1抽選に当選した際に用いられる当選用判定テーブルと、第2抽選に落選した際に用いられる落選用判定テーブルとを備える請求項1又は2に記載の遊技機。
- 図柄変動表示の開始前における図柄の配列と異なる図柄の配列の停止態様は、所定の図柄表示領域が全て同一図柄である請求項1又は3に記載の遊技機。
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