JP6379619B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1)。
特開2005−074175号公報
近年では、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては遊技への注目度の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を好適に向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
複数の変動表示領域が設定された表示画面において、同変動表示領域に各々対応する絵柄列をスクロール表示させる絵柄表示手段と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を順次行う付与判定手段と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記取得条件の成立に基づく1回の遊技回において、前記複数の変動表示領域にて前記絵柄の変動表示が開始されたのち当該絵柄を停止表示又は仮停止表示させる単位表示が少なくとも1回行われるようにし、各遊技回において前記付与判定の判定結果に対応した結果を停止表示させるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と、
前記遊技回制御手段により特定の絵柄組合せを停止表示又は仮停止表示させて特別報知を行う特別報知手段と
を備え、
前記特定の絵柄組合せの停止表示又は仮停止表示の態様には、
前記特定の絵柄組合せを構成する各絵柄の前記スクロール方向における散らばりの度合いが相対的に小さくなるように設定された第1表示態様と、
前記特定の絵柄組合せを構成する各絵柄の前記スクロール方向における散らばりの度合いが相対的に大きくなるように設定された第2表示態様と
が含まれており、
前記特別報知が実行される遊技回又は当該遊技回よりも後の遊技回にて前記付与対応結果となる場合には、前記第1表示態様及び前記第2表示態様のうち前記第2表示態様が選択されやすく、前記特別報知が実行される遊技回又は当該遊技回よりも後の遊技回にて前記付与対応結果とならない場合には、前記第1表示態様及び前記第2表示態様のうち前記第1表示態様選択されやすくなるように設定された選択手段を備えていることを特徴とする。
遊技への注目度を好適に向上させることができる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 遊技盤ユニットを主要な構成毎に分解して示す分解斜視図である。 遊技盤の構成を示す斜視図である。 遊技盤の分解斜視図である。 遊技盤及び演出ユニットの位置関係を示す概略図である。 遊技盤及び演出ユニットの位置関係を示す概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための概略図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための概略図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための概略図である。 振分テーブルを示す概略図である。 主制御装置のMPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される遊技回制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される変動開始処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 表示演出に係る電気的構成を示すブロック図である。 図柄の変動表示の態様について説明するための概略図である。 再変動演出を説明するための概略図である。 再変動演出を説明するための概略図である。 保留予告演出を説明するための概略図である。 保留予告演出を説明するための概略図である。 煽り演出を説明するための概略図である。 演出制御装置のMPUにて実行される変動表示制御処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される変動開始用処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される大当たり用の演出設定処理を示すフローチャートである。 (a)最終停止ラインテーブルを説明するための概略図、(b)再変動用テーブルを説明するための概略図である。 演出制御装置のMPUにて実行されるリーチ発生用の演出設定処理を示すフローチャートである。 非有効揃い演出用の停止結果テーブルを示す概略図である。 演出制御装置のMPUにて実行される通常外れ用の演出設定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される変動中用処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される変動終了用処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される保留予告制御処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される保留予告設定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される大当たり用予告設定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される外れ用予告設定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される保留予告用の演出設定処理を示すフローチャートである。 (a)通常保留予告用の停止結果テーブルを説明するための概略図、(b)特別保留予告用の停止結果テーブルを説明するための概略図である。 演出制御装置のMPUにて実行される差し替え用処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される停止結果修正処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される第1修正処理を示すフローチャートである。 修正用テーブルを示す概略図である。 演出制御装置のMPUにて実行される第2修正処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される第3修正処理を示すフローチャートである。 第2の実施の形態における演出制御装置のMPUにて実行される外れ用予告設定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される保留予告用の演出設定処理を示すフローチャートである。 第3の実施の形態における段階演出を説明するための概略図である。 演出制御装置のMPUにて実行される大当たり用予告設定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される外れ用予告設定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される保留予告用の演出設定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行されるリーチ用の演出設定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される差し替え用処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される第2修正処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される第3修正処理を示すフローチャートである。 重複予告演出を説明するための概略図である。 重複予告演出を説明するための概略図である。 重複予告演出を説明するための概略図である。 重複予告演出を説明するための概略図である。 演出制御装置のMPUにて実行される重複予告設定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される重複予告用修正処理を示すフローチャートである。 修正用テーブルを示す概略図である。 保留情報の数と段階演出の関係を説明するための概略図である。 第4の実施の形態における各保留予告演出を説明するための概略図である。 リーチ表示を説明するための概略図である。 中図柄列停止結果情報テーブルを説明するための概略図である。 スーパーリーチへの発展ポイントを説明するための概略図である。 表示制御装置のMPUにて実行されるリーチ時の中図柄列制御処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される保留予告用の演出設定処理を示すフローチャートである。 予告種類抽選テーブルを示す概略図である。 演出制御装置のMPUにて実行されるリーチ用の演出設定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される第1保留予告用の停止結果決定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される第2保留予告用の停止結果決定処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される第3保留予告用の停止結果決定処理を示すフローチャートである。 リーチ図柄の停止箇所とスーパーリーチへの発展ポイントと保留予告との関係を示す概略図である。 リーチ図柄の停止箇所とスーパーリーチへの発展ポイントと保留予告との関係を示す概略図である。 第5の実施の形態における各種演出パターンテーブルを示す概略図である。 リーチ図柄の停止箇所とスーパーリーチの発展ポイントと保留予告との関係を示す概略図である。 第6の実施の形態における遊技盤を示す正面図である。 演出制御装置のMPUにて実行される変動中用処理を示すフローチャートである。 演出制御装置のMPUにて実行される球通過用処理を示すフローチャートである。 第7の実施の形態における可動役物装置の構成を示す正面図である。 可動役物装置の構成を示す正面図である。 第1可動役物の構成を示す正面図である。 ギアの構成を説明するための概要図である。 上下の可動役物の位置関係を示す概略図である。 上下の可動役物と表示画面の図柄との関係を示す概略図である。 第8の実施の形態における図柄の停止態様を示す概略図である。 第9の実施の形態における図柄の停止態様を示す概略図である。 (a)第10の実施の形態における遊技盤を示す概略図、(b)遊技盤の部分拡大図である。 (a)遊技盤の背面図、(b)遊技盤と可動役物装置との関係を示す概略図である。 (a)第11の実施の形態における遊技盤と可動役物装置との関係を示す概略図、(b)図97(a)のX−X線部分断面図である。 可動役物装置の動作態様を示す概略図である。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11、及び外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12により構成されている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
図2に示すように、内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。内枠13には前扉枠14が回動可能に取り付けられており、前扉枠14は遊技機正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として前方へ回動可能となっている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に取り付けられており、裏パックユニット15は遊技機正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として後方へ回動可能となっている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端側の端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
図1に示すように、前扉枠14は内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓開口56が形成されている。窓開口56は、略楕円形状をなし、透明性を有する窓パネル57が嵌め込まれている。窓開口56の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として発光部58が窓開口56の上方に設けられている。また、発光部58の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部59が設けられている。
前扉枠14における窓開口56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。上皿61aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部62の右方には、手前側へ突出するようにして発射ハンドル55が設けられている。発射ハンドル55が操作されることにより、内枠13の下部に搭載された遊技球発射機構51(図2参照)から遊技球が発射される。遊技球発射機構51には駆動部として発射ソレノイド54及び球送り装置53が設けられており、発射ハンドル55が操作されることに基づいて、当該発射ソレノイド54及び球送り装置53が駆動状態となり0.6sec毎に遊技球が発射される。
<遊技盤ユニット90>
内枠13には、遊技盤ユニット90が着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤ユニット90は、内枠13(樹脂ベース21)に形成された中央開口を通じて窓パネル57に対向する略平板状の遊技盤100と、遊技盤100の背面部に取り付けられた背面ブロック160(図3参照)とを有している。ここで、図4及び図5を参照して遊技盤ユニット90について説明する。図4は遊技盤ユニット90の正面図、図5は遊技盤ユニット90の分解斜視図である。
図5に示すように、背面ブロック160は、演出ユニットを構成する図柄表示装置161及び可動役物装置162と当該演出ユニットが搭載されるベース体163(図3参照)とを有している。ベース体163が遊技盤100に固定されることで、遊技盤100と背面ブロック160とが一体化されている。遊技盤ユニット90を構成する遊技盤100は無色透明な合成樹脂材料(詳しくはポリカーボネート樹脂)を用いて形成されており、遊技盤100を通じて背面ブロック160の一部(図柄表示装置161等の演出ユニット)が視認可能となっている(図4の破線参照)。なお、図5では背面ブロック160のうち演出ユニット以外の図示を省略している。
<遊技盤100>
ここで、図4〜図7を参照して遊技盤100について説明する。図6は遊技盤100の背面斜視図、図7は遊技盤100から主要な構成を分解して示す分解斜視図である。
図4に示すように、遊技盤100の前面には、遊技球発射機構51から発射された遊技球を遊技盤100上部へ案内する内レール部材101及び外レール部材102が取り付けられている。これらレール部材101,102は円弧状をなしており、レール部材101,102により区画形成された略円形状の領域が上述した遊技領域103となっている。この遊技領域103は、窓開口56を介して(窓パネル57を通じて)そのほぼ全域がパチンコ機10の前方から視認可能となっている。また、上記図柄表示装置161は、その表示画面Gが遊技領域103の略中央に位置するように配置されており、遊技盤100を通じて表示画面Gの視認性が担保されている。
遊技盤100において遊技領域103が形成されている部分には、前後方向に貫通する大小複数の貫通孔が形成されており、各貫通孔には一般入賞口113、可変入賞装置114、作動口115、スルーゲート116及びセンターフレーム130が配設されている。
各部材の配置について補足説明すると、センターフレーム130が図柄表示装置161の表示画面Gを上下から囲うように遊技領域103の略中央に設けられている。センターフレーム130の下方には、作動口115が配置され、さらにその下方に可変入賞装置114が配置されている。また、センターフレーム130の左右両側にはスルーゲート116が配置され、遊技領域103の下部両側には一般入賞口113が配置されている(詳しくは左側に3個配置され、右側に1個配置されている)。一般入賞口113、可変入賞装置114、作動口115に遊技球が入ると検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて上皿61a(場合によっては下皿62a)に所定数の賞品球が払い出される。
その他に、遊技領域103の上部右側には特図表示部117及び普図表示部118が設けられており、遊技領域103の下端にはアウト口119が設けられている。各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口119を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技領域103には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘120や風車121等が配設されている。遊技盤100を形成するポリカーボネート樹脂は比較的高い弾性を有しているため、表面に打ち込まれた釘120などに遊技球が衝突した場合や釘120の角度調整などが行われた場合に、遊技盤100に割れなどが発生しにくい構成となっている。また、可変入賞装置114や作動口115などを遊技盤100に固定するためのねじの長さ寸法や、釘120の遊技盤100内に打ち込まれている長さ寸法は遊技盤100の厚み寸法よりも小さくなっており、ねじ及び釘120が遊技盤100背面側に突出することが回避されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域103から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域103から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口119への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口113、可変入賞装置114、作動口115又はスルーゲート116への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技盤100には、赤、緑、青の3色発光タイプのLEDが内蔵された特図表示部117が設けられている。この特図表示部117は主制御装置81に電気的に接続されており、作動口115への入賞をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、作動口115への入賞をトリガとして、赤色光が点灯され、その状態で所定時間が経過すると緑色光に発光色が切り替えられる。そして、緑色光が点灯された状態で前記所定時間が経過すると青色光に発光色が切り替えられる。その後、発光色の切り替え停止時期がくるまで、赤色、緑色、青色という順序で発光色の切り替えが繰り返し行われる。これにより、特図表示部117には、赤色、緑色、青色が、この順序で繰り返し表示されることとなる。そして、大当たりに当選している場合には、最終的に赤色又は緑色が停止表示され、大当たりに当選していない場合には最終的に青色が停止表示される。
本実施の形態においては有利度合いの異なる複数種の大当たりが設定されており、相対的に有利な大当たりに当選している場合には最終的に赤色で停止表示され、相対的に不利な大当たりに当選している場合には最終的に緑色で停止表示されることとなる。
可変入賞装置114は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。可変入賞装置114の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置114が繰り返し開放されるものが一般的である。特図表示部117における内部抽選の結果の表示は、その後に内部抽選がさらに行われるまでは継続される。つまり、開閉実行モード中は当該開閉実行モードの契機となった結果の表示が継続されることとなる。
なお、可変入賞装置114の閉状態については、必ずしも入賞が不可能である必要は必ずしもなく、開状態よりも入賞が困難な状態であればよい。このような事情を配慮すれば、上記開状態を「第1状態」、上記閉状態を第1状態よりも入球が困難な「第2状態」と称することも可能である。
また、特図表示部117における表示態様についても上記態様に限定されるものでない、例えば複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成等を採用してもよい。
遊技盤100には、赤、緑の2色発光タイプのLEDランプが内蔵された普図表示部118が設けられている。この普図表示部118は主制御装置81に電気的に接続されており、スルーゲート116への遊技球の入賞(通過)をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、遊技球がスルーゲート116に入賞すると、赤色光の点灯と緑色光の点灯とが交互に行われる。これにより、普図表示部118には、赤色、緑色が交互に表示されることとなる。そして、赤色が停止表示された場合には、作動口115に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。
センターフレーム130は、当該センターフレーム130の上部を構成する屋根フレーム131と、センターフレーム130の下部を構成するステージフレーム140とで構成されている。これら屋根フレーム131及びステージフレーム140は、アクリル樹脂などといった透明性を有する材料により形成されている。屋根フレーム131は表示画面Gの上方に配置され、ステージフレーム140は表示画面Gの下方に配置され、遊技機正面視にて表示画面Gが各フレーム131,140によって上下に挟まれている。
屋根フレーム131は、その全体が後方に開放された溝形状をなしており、遊技盤100に固定されることで後方への開放部分が塞がれ手前側球通路134が形成されている。手前側球通路134は、屋根フレーム131の上部に形成された開口135を入口として左右に形成されている。屋根フレーム131は下方に開放されており、手前側球通路134を通過した遊技球は下方に落下する。また屋根フレーム131の上面は左右両側へ下り傾斜させて形成されており、遊技領域103を流下する遊技球は、屋根フレーム131の開口135から手前側球通路134へ入球するか、屋根フレーム131の傾斜によって表示画面Gの左右に振り分けられるか、して流下することになる。
遊技盤100において屋根フレーム131の下方には、前方に突出形成された球受け部132が左右に形成されている。当該球受け部132は、屋根フレーム131の上面によって左右に振り分けられて流下する遊技球を下方から受ける役割を果たす。遊技盤100には球受け部132に連通させて前後方向に貫通孔が形成されており、球受け部132によって受けられた遊技球は当該貫通孔によって遊技盤100の後側へ導出される。
図7に示すように、ステージフレーム140は前側ステージ部材141と後側ステージ部材142とから構成されており、両者が遊技盤100に形成された貫通孔を介して組み付けられている。前側ステージ部材141は前後に開口されているのに対して、後側ステージ部材142はその全体が前方に開放された溝形状をなしている。後側ステージ部材142における左右両側部の開放部分が遊技盤100の背面により塞がれ、奥側球通路143が形成されている。奥側球通路143の左右の上流部は、上記の球受け部132からの貫通孔とそれぞれ連通されており、上記の球受け部132によって受けられた遊技球は奥側球通路143へ導出される。また、前側ステージ部材141と後側ステージ部材142とにより、奥側球通路143を通過した遊技球が左右方向に転動するステージ144が形成されている。
ここで、上記の球受け部132は、屋根フレーム131よりも遊技盤100の中央から見て外方に配置されている(図4参照)。換言すると、屋根フレーム131の手前側球通路134から導出された遊技球は、そのまま略鉛直に落下しても球受け部132には到達しない。一方で、ステージ144の下方には多数の釘120が植設されており、手前側球通路134から導出された遊技球は、当該ステージ144の下方に植設された釘120に跳ね返ることで、ステージ144に飛び乗ることも可能となっている。
ステージ144には、その中央に後方案内部145が形成されており、さらに後方案内部145を挟むようにして前方案内部146が形成されている。十分に減速されて後方案内部145に到達した遊技球は後側ステージ部材142に形成された誘導部147に案内され、誘導部147から遊技領域103内に排出される。この場合に、誘導部147の出口は作動口115の鉛直上方に位置しており、両者の間に釘120などの障害となる部材が配設されていない。よって、誘導部147を通過した遊技球は作動口115に入球し易くなっている。一方、十分に減速されて前方案内部146に到達した遊技球はそのまま遊技領域103内に排出される。
センターフレーム130における遊技球の動きを簡単に説明すると、屋根フレーム131によって左右に振り分けられた遊技球の一部は、左右いずれかの球受け部132により受けられて奥側球通路143に到達する。奥側球通路143に到達した遊技球は当該奥側球通路143を通過して、ステージ144に到達する。また、屋根フレーム131の開口135から手前側球通路134へ入球した遊技球は、当該手前側球通路134を通過して表示画面Gの前面を落下し、釘120と衝突することでステージ144に到達する。ステージ144に到達した遊技球は当該ステージ144上を左右に転動する。そして、転動の結果、後方案内部145に到達した遊技球は誘導部147を通過することで作動口115に向けて誘導される。一方、前方案内部146に到達した遊技球は作動口115に向けて誘導されることなく、遊技領域103内に排出される。
以上の構成において、遊技領域103に打ち出され、一般入賞口113、可変入賞装置114及び作動口115に入った遊技球は、遊技盤100に形成された貫通孔を通って遊技盤100の奥側へと導かれる。可変入賞装置114、作動口115、及びセンターフレーム130のステージフレーム140は、遊技盤100の背面から後方へと突出している(図6参照)が、図8の概略図に示すように、遊技盤100と演出ユニット(図柄表示装置161及び可動役物装置162)との間には所定のスペースが確保されており、後方へ突出した可変入賞装置114等と演出ユニットとの干渉が回避されている。
以下、図5及び図8を参照して、背面ブロック160に搭載された演出ユニット(図柄表示装置161及び可動役物装置162)について説明する。
<背面ブロック160>
図8に示すように、図柄表示装置161及び可動役物装置162は、可動役物装置162が前側、図柄表示装置161が後側となるように前後に並べて配置されている。すなわち、パチンコ機10の前方から、遊技盤100、可動役物装置162、図柄表示装置161の順で配置されている。図柄表示装置161は液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面Gの表示内容が制御される。図柄表示装置161では、作動口115への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、特図表示部117において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置161において変動表示が行われる。
なお、図柄表示装置161は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図5に示すように図柄表示装置161は所謂ワイド液晶であり、その表示画面Gが横長状をなしている。可動役物装置162は、表示画面Gの四隅に配置される4つの可動役物170〜173を有している。つまり、可動役物装置162は、表示画面Gの右上部に配置される第1可動役物170と、表示画面Gの右下部に配置される第2可動役物171と、表示画面Gの左上部に配置される第3可動役物172と、表示画面Gの左下部に配置される第4可動役物173とを有している。
図9に示すように各可動役物170〜173は、表示画面Gと前後方向に重なる遮蔽位置(遮蔽状態、第1位置)と、表示画面Gと前後方向に重ならない非遮蔽位置(非遮蔽状態、第2位置)と、にそれぞれ個別に移動可能に構成されている。可動役物170〜173は有色不透明な合成樹脂材料により形成されているため、可動役物170〜173が表示画面Gと重なる遮蔽位置に配置されることで、背後の表示画面Gの表示内容が視認不可又は困難となる。
可動役物装置162には、各可動役物170〜173に1対1で対応させて駆動部170a〜173aが設けられている。駆動部170a〜173aは後述する演出制御装置82に電気的に接続されており、当該演出制御装置82からの駆動信号に基づいて駆動することにより可動役物170〜173を動作させる。演出制御装置82では、遊技状態の状況に合わせて、各駆動部170a〜173aをそれぞれ駆動制御し、背後の表示画面Gの表示内容の視認性可能な範囲を変化させることで演出を行う。
なお、可動役物装置162については、表示画面Gにおける視認可能な範囲を変化させることが可能であれば足りる。つまり、表示画面Gと可動役物170〜173とが前後方向に重なる面積が大きい第1位置と、それよりも重なる面積の小さい第2位置とに移動可能であればよい。
このように可動役物装置162は、遊技盤100と図柄表示装置161との間に配置され、それら遊技盤100及び図柄表示装置161によって挟まれた領域が可動役物170〜173の動作領域となっている。上記のように、遊技盤100は無色透明の部材により形成されており、その背後の部材である可動役物170〜173や図柄表示装置161を視認性が確保されている。そのため、遊技盤100において可動役物170〜173と前後方向に重なる領域には、可動役物170〜173の視認性を確保するための貫通孔が形成されていない(奥側球通路143へ遊技球を導出する貫通孔のみが形成されている)。この場合、視認性を確保するための貫通孔が形成されておらず、遊技領域103と可動役物170〜173との間には常に遊技盤100が介在することとなる。これにより、可動役物170〜173の視認性の低下を抑制しつつ、可動役物170〜173に対して遊技球が衝突して遊技球の流下の軌道が変化したり、可動役物170〜173の動作が遊技球によって妨げられたりするといった不都合の発生を回避している。
特に、本パチンコ機10のように、遊技者が遊技領域を流下する遊技球を所定の開口部に入球させることで特典を得ることが可能となる遊技機においては、遊技の状況によって不規則な動作を行う役物等と遊技球が衝突することによってその流下の軌道が変化してしまうと、遊技者としては遊技への不信感を抱きかねない。そこで、一般的には、不規則な動作を行う役物等を備える構成の場合は、遊技盤前面部において遊技領域外で動作する構成や、遊技盤において液晶画面の前方に貫通孔を設けるとともに、当該貫通孔にセンターフレームを組み込み、同センターフレームよりも内側領域への遊技球の侵入を規制する構成とし、当該内側領域内において上記役物等を動作させる構成が一般的である。この場合、前者の場合、遊技機のサイズは限られているため、役物等の動作領域を確保しようとすると遊技領域がその分狭くなり、逆に遊技領域を広く確保しようとするとその分役物等の動作領域が狭くなるという問題が生じ得る。また後者の場合、近年の液晶画面の大型化に伴い、センターフレームも同様に大型化傾向にあり、その結果、遊技球が流下し得る遊技領域が狭くなるという問題が生じ得る。これに対して本パチンコ機10のような構成とすることで、可動役物170〜173がどのように動作しても遊技球と可動役物170〜173との衝突を回避できる。また、遊技領域103において可動役物170〜173の動作領域と前後方向に重なる領域にも遊技球は流下し得るため遊技領域を圧迫することもない。その結果、本パチンコ機10によれば、遊技球の移動範囲を十分に確保しつつ、役物動作による演出機能の向上を実現している。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(詳しくは遊技盤ユニット90のベース体163)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置81と、音声やランプ表示及び図柄表示装置161用の表示制御装置の制御を司る演出制御装置82とが搭載されている。
主制御装置81の基板ボックス71aには、その開放の痕跡を残すための各種痕跡手段が設けられている。痕跡手段としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が採用されている。
上記裏パックユニット15は、これら主制御装置81、演出制御装置82を内枠13の背面側から覆うようにして配置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。
払出機構部74は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク76と、当該タンク76に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。なお、払出機構部74には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット75は、払出装置96を制御する機能を有する払出制御装置97と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射ハンドル55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源・発射制御装置98と、を備えている。これら払出制御装置97と電源・発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202は、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211dなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源・発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211dの一部として、一般入賞口113、可変入賞装置114、作動口115及びスルーゲート116などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、作動口115への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート116への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び演出制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口113への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置114への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、作動口115への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置114の開閉扉を開閉動作させる可変入賞駆動部114a、作動口115の電動役物を開閉動作させる電動役物駆動部115a、特図表示部117、普図表示部118が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置114が開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部114aの駆動制御が実行される。また、作動口115の電動役物の開放状態当選となった場合には、電動役物が開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部115aの駆動制御が実行される。また、MPU202によって上述した特図表示部117及び普図表示部118の表示制御が実行される。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源・発射制御装置98とを中継し、また電源・発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置98は、遊技球発射機構51の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構51は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた発光部58やスピーカ部59を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、演出制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置161の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置161における図柄の変動表示パターン及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
ここで、各遊技回の図柄の変動表示に係る内容について、図11及び図12の概略図を用いて説明する。
表示制御装置212には、キャラクタROMが設けられている。当該キャラクタROMには、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータ(図11(a)〜(i)参照)と、数字が付されていない副図柄のデータ(図11(j)参照)とが予め記憶されている。
図12(a)に示すように、図柄表示装置161の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。
上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
本実施の形態に示す表示画面Gはそのほぼ全域が上記図柄れるZ1〜Z3の変動表示領域となっており、当該変動表示領域は図9に示したように可動役物装置162による遮蔽対象となっている領域(以下、副表示領域Rsという)と遮蔽対象となっていない領域(主表示領域Rm)とに大別される。変動表示方向(左右方向)にて主表示領域Rmを挟んだ左右両側が副表示領域Rsとなっており、具体的には表示画面Gにおける中央3/5が主表示領域Rm、それ以外(右1/5及び左1/5)が副表示領域Rsとして設定されている。
表示画面Gと各可動役物170〜173との関係を補足説明すると、各可動役物170〜173が遮蔽位置に配置される状況では、主表示領域Rmはパチンコ機10前方から視認可能、副表示領域Rsはパチンコ機10前方から視認困難又は不可となっている。一方、各可動役物170〜173が非遮蔽位置に配置される状況では、主表示領域Rm及び副表示領域Rsはいずれも遊技機前方から視認可能となる。
なお、各可動役物170〜173はそれぞれ個別に遮蔽位置及び非遮蔽位置の移動が行われるため、左右の副表示領域Rsについては個別に遮蔽状態/非遮蔽状態に切替可能となっている。以下、説明の便宜上、右側の副表示領域Rsを右側副表示領域Rs1、左側の副表示領域Rsを左側副表示領域Rs2として区別する。
図12(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に5個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×5の計15個の図柄が停止表示されるようになっている。このうち、主表示領域Rmには図柄列毎に3個の図柄が停止表示され、3×3の計9個の図柄が停止表示される。また左右それぞれの副表示領域Rs1,Rs2には、それぞれ1×3×2の計6個の図柄が停止表示される。本パチンコ機10では、これら表示画面Gに停止表示される15個の図柄に合わせて、5つの有効ラインと6つの非有効ラインとが設定されている。
具体的には、主表示領域Rmには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
非有効ラインとしては、副表示領域Rsに設定された非有効ラインL6,L9と、副表示領域Rsと主表示領域Rmとに跨るように設定された非有効ラインL7,L8,L10,L11とによって構成されている。詳しくは、右側副表示領域Rs1には右側非有効ラインL6が設定されており、また、右側副表示領域Rs1と主表示領域Rmとに亘って右側右下がりラインL7と右側右上がりラインL8とが設定されている。さらに、左側副表示領域Rs2には左側非有効ラインL9が設定されており、また、左側副表示領域Rs2と主表示領域Rmとに亘って左側右下がりラインL10と左側右上がりラインL11とが設定されている。これら非有効ラインL6〜L11は本パチンコ機10の演出において利用されるラインであり、遊技結果はあくまで上記有効ラインL1〜L5(主表示領域Rm)にて停止表示された図柄の組合せによって報知される。
各可動役物170〜173との位置関係を説明すると、右上の第1可動役物170が遮蔽位置に配置されている状況下では、右側非有効ラインL6の上段に停止表示される図柄と、中段に停止表示される図柄の一部とが当該第1可動役物170によって覆われ、それら図柄の目視による確認が妨げられることとなる。また左下の第2可動役物171が遮蔽位置に配置されている状況下では、右側非有効ラインL6の下段に停止表示される図柄と、中段に停止表示される図柄の一部とが当該第2可動役物171によって覆われ、それら図柄の目視による確認が妨げられることとなる。
つまり、右側副表示領域Rs1にて上段に停止表示される図柄は第1可動役物170が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することで視認可能となり、下段に停止表示される図柄は第2可動役物171が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することで視認可能となる。また、中段に停止表示される図柄は、第1可動役物170及び第2可動役物171が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することで全体が視認可能となる。
左側副表示領域Rs2においても各図柄列Z1〜Z3に停止表示される図柄と各可動役物172,173との位置関係は同様であり、左側非有効ラインL9の上段に停止表示される図柄は左上の第3可動役物172が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することで視認可能となり、下段に停止表示される図柄は左下の第4可動役物173が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することで視認可能となる。また、中段に停止表示される図柄は、第3可動役物172及び第4可動役物173が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することで全体が視認可能となる。
非有効ラインL6〜L11と可動役物170〜173との関係を説明すると、右側非有効ラインL6は第1可動役物170及び第2可動役物171が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することで視認可能となる。右側右下がりラインL7は、第2可動役物171が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することで視認可能となり、右側右上がりラインL8は、第1可動役物170が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することで視認可能となる。左側非有効ラインL9は第3可動役物172及び第4可動役物173が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することで視認可能となる。左側右下がりラインL10は、第3可動役物172が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することで視認可能となり、左側右上がりラインL11は、第4可動役物173が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することで視認可能となる。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列Z1を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列Z3を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列Z2を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置161における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。この場合、各可動役物170〜173の配置を図柄列の数や図柄の変動方向に対応させて変更するとよい。
<各種カウンタについて>
次に、主制御装置81のMPU202にて各種抽選を行うための電気的な構成について図13を用いて説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部117の表示の設定、図柄表示装置161の図柄表示の設定、普図表示部118の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図13に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置161が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部117及び図柄表示装置161における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、作動口115の電動役物を電役開放状態(サポート状態)とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、作動口115への入賞が発生した場合に、RAM204に取得情報記憶手段として設けられた保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、作動口115への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組み合わせが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、作動口115への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、作動口115への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには作動口115への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、特図表示部117の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
先ず、電動役物開放カウンタC4について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート116に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって作動口115の電動役物を電役開放状態(サポート状態)に制御するか否かの抽選が行われる。
ここで、本パチンコ機10では、作動口115の電動役物によるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域103に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、作動口115の電動役物が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に作動口115の電動役物が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり作動口115の電動役物の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部118における1回の表示継続時間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも作動口115への入賞が発生する確率が高くなる。そして、作動口115への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球の消費(投資)を抑えながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート116への入賞に基づき普図表示部118にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くする、のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
次に、大当たり乱数カウンタC1について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口115に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図14を用いて説明する。図14に示すように、当否テーブルとしては、図14(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図14(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図14(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口115に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232の保留用エリアREに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルでは、図14(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、及び確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、確変大当たり結果は、確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応している。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口115に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、作動口115に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の保留用エリアREに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置161を備え、可変入賞装置114の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置161の表示画面Gにて図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置161の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置161の表示画面G内の予め設定された有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図12を参照して上記リーチ表示時の表示態様について例示する。リーチ表示となる場合には、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され(停止表示され)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された(停止表示された)状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードへ移行する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
なお、本実施の形態では、非有効ラインL6〜L11においてはリーチ表示は行われない。但し、非有効ラインL6〜L11においてもリーチ表示を行う構成としてもよい。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体又は主表示領域Rmの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部117における変動表示時間と、図柄表示装置161における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄表示装置161による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
図柄表示装置161における変動表示時間を決定する場合にはリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSのバッファ値、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が参照される。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、特図表示部117における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、図15のフローチャートを参照し、タイマ割込み処理について説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種入賞検知センサの状態を読み込むと共に、当該入賞検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS104にて作動口115への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行してから、ステップS105にてスルーゲート116への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート116への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア233に記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア233に格納する。
ここで、ステップS104の作動口用の入賞処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
作動口用の入賞処理では、先ずステップS201にて、遊技球が作動口115に入賞したか否かを判定する。遊技球が作動口115に入賞していない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。遊技球が作動口115に入賞している場合には、ステップS202にて、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出し、保留用エリアREに保留記憶されている始動保留球数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。
始動保留球数Nが上限値以上である場合には、そのまま本入賞処理を終了する。始動保留球数Nが上限値未満である場合には、ステップS203に進み、始動保留球数Nを1インクリメント(加算)する。続くステップS204では、前回のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS203にて1インクリメントした保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS205では、作動口115に遊技球が入賞したことに基づく演出を実行するための保留予告用の確認処理を実行する。そしてステップS206にて、作動口115に遊技球が入賞したことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための保留コマンドの設定処理を実行してから、本作動口用の入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図17のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS301〜S306の各処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS308,S309のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS301では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、各種保留コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS302では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS303では、MPU202に接続された払出制御装置97からの各種信号を読み込む。その後、ステップS304では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置161による図柄の変動表示の設定、特図表示部117の表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS305では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS306では、作動口115に設けられた電動役物を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリア233に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて作動口115の電動役物を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には作動口115の電動役物の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、普図表示部118の表示制御を行う。
既に説明したとおり、作動口115の電動役物によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、ステップS305の遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM204に高頻度サポートフラグが格納されている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグが格納されていない場合には低頻度サポートモードとなる。
ステップS306の電役サポート用処理では、RAM204に高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、作動口115の電動役物が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり作動口115の電動役物の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM204に高頻度サポートフラグが格納されていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS307では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS308,S309)。つまり、ステップS308では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS309では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS301〜S306の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、図18及び図19のフローチャートを参照してステップS304の遊技回制御処理を説明する。
図18のフローチャートに示すように、遊技回制御処理においては先ずステップS401にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS402以降の処理、すなわちステップS403〜ステップS405の遊技回開始用処理及びステップS406〜ステップS409の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS402にて、特図表示部117が変動表示中であるか否かを判定する。特図表示部117が変動表示中でない場合には、ステップS403〜ステップS405の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS403にて、始動保留球数Nが「0」か否かを判定する。始動保留球数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
始動保留球数Nが「0」でない場合には、ステップS404にて保留球格納エリア232の保留用エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では先ず始動保留球数Nを1減算する。また、保留球格納エリア232における保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されているデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。これにより、第1保留エリアRE1のデータがクリアされ、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
さらにデータ設定処理では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。当該シフト時コマンドは、通常処理の外部出力処理(ステップS301)にて演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、保留個数の減少に対応する処理を実行する。
データ設定処理を実行した後は、ステップS405にて特図表示部117における変動表示及び図柄表示装置161における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、変動開始処理について説明する。変動開始処理では、図19に示すように、先ずステップS501にて今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。そして、当否抽選モードが低確率モードである場合には、ROM203における低確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定し、当否抽選モードが高確率モードである場合には、ROM203における高確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定する。
続くステップS502では、ステップS501における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS503にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM203における振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が確変大当たり結果に対応した情報に含まれているかを特定する。
続くステップS504では、ステップS503における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS505にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS506にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS502にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS507にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS505〜ステップS507の各停止結果設定処理では、特図表示部117に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS505及びステップS506では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204のその他フラグ格納エリア235に格納する(対応するエリアに「1」の情報を記憶する)。具体的には、ステップS505では確変大当たりフラグを格納し、ステップS506では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS505〜ステップS507のいずれかの処理を実行した後は、ステップS508にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理では、RAM204の抽選カウンタ用バッファ231における変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置161にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回がいずれかの大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの大当たり結果でない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM203に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタに格納する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM203に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタに格納する。ちなみに、リーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間と異なっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様の異なるノーマルリーチ表示とスーパーリーチ表示とが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ表示及びスーパーリーチ表示それぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留球数Nの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、始動保留球数Nやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に変動表示時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた変動表示時間の振分が行われることとなる。
リーチ非発生時における変動表示時間情報は、リーチ発生時における変動表示時間よりも変動表示時間が短くなるように設定されている。また、ノーマルリーチ表示における変動表示時間情報は、スーパーリーチ表示における変動表示時間よりも短くなるように変動表示時間が設定されている。すなわち、上記の各変動表示時間情報は、リーチ非発生時 < ノーマルリーチ表示時 < スーパーリーチ表示時の順で変動表示時間が長くなるように設定されている。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタCSの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
ステップS508にて、変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS509にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である演出制御装置82では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、通常大当たり結果の情報、確変大当たり結果の情報又は外れ結果の情報が含まれる。
ステップS509にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。ステップS509の処理を実行した後は、ステップS510にて特図表示部117において絵柄の変動表示を開始させてから、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図18)の説明に戻り、特図表示部117が変動表示中である場合には、ステップS406〜ステップS409の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS406にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(ステップS508)において格納される。また、この格納された変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図15)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS407にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、特図表示部117における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS408にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS505〜ステップS507のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が特図表示部117にて表示されるように当該特図表示部117を表示制御する。
続くステップS409では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS409にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドを受信することにより、図柄表示装置161による変動表示においてその遊技回の結果に対応する最終停止図柄の組合せを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、図20のフローチャートを参照して上記ステップS305の遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理においては先ず、ステップS601にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS602に進み、一の遊技回の特図表示部117における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS603にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS604にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられたラウンドカウンタエリアRCに、「15」を格納する。ラウンドカウンタエリアRCは、可変入賞装置114が開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中でない場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS605に進む。ステップS605では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、可変入賞装置114が閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタエリアRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部114aを駆動状態とすることで可変入賞装置114を開放させる。また、可変入賞装置114が開放中である場合には、当該可変入賞装置114の開放から所定時間が経過していること又は所定個数の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部114aの駆動状態を停止し、可変入賞装置114を閉鎖させる。
続くステップS606では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合には、ステップS607にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、RAM204に確変大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。また、RAM204に通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了され、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
その後、ステップS608にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのうち、格納されているフラグを消去する。
<演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について>
次に、図21のブロック図を参照して、演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について補足説明する。
演出制御装置82に設けられた演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242は、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243、ROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、各種保留コマンド、シフト時コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられた発光部58やスピーカ部59が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。また、MPU242の出力側には、可動役物装置162の各可動役物170〜173用の駆動部170a〜173aがそれぞれ接続されている。演出制御装置82のMPU242では、主制御装置81から受信した各種コマンドに基づいて、各遊技回の変動表示パターン(演出パターン)や図柄の停止結果を決定して発光部58、スピーカ部59及び駆動部170a〜173aの駆動制御を行い、またその決定した内容をコマンドとして表示制御装置212に送信する。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化された素子であるMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。なお、MPU252に対してプログラムROM253及びワークRAM254が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としても良い。
表示制御装置212のMPU252では、演出制御装置82を経由して主制御装置81からコマンドを受信することに基づき、VDP255においてビデオRAM257に対して描画処理が実行することにより、図柄表示装置161の表示画面Gにて各種の画像を表示する。
VDP255は、図柄表示装置161に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置161に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置161に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置161に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置161の表示内容が変更される。
<各遊技回の演出に関する説明>
ここで、各可動役物170〜173及び表示画面Gを利用した遊技演出(連動演出)の概要を説明する。
先ず、遊技回の変動表示について、図22を参照して説明する。
遊技回が開始されると、先ず全図柄列Z1〜Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が変動表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、図22(a)に示すように、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が変動表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り換わる。そして、図22(b)に示すように、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。そして、図22(c)に示すように、下図柄列Z3の変動表示が終了する。
全図柄列Z1〜Z3の変動終了後には、所定の期間に亘ってその停止表示を維持して待機する待機時間(待機期間)が設けられており(例えば2sec)、当該待機時間において今回の遊技回の遊技結果を遊技者に明示する確定表示が行われる。そして、いずれかの有効ラインL1〜L5に大当たり結果に対応する図柄(特定図柄又は非特定図柄)の組合せが停止表示された状態で待機時間が経過すると、大当たり結果の発生として、その後に開閉実行モードへ移行する。
この場合、例えば非有効ラインL6〜L11に大当たり結果に対応する図柄の組合せが停止表示された状態で待機期間が経過しても、大当たり結果の発生とはならない。一方で、本パチンコ機10においては、この待機期間中に、上記の非有効ラインL6〜L11上に停止表示された大当たり結果に対応する図柄の組合せが有効ラインL1〜L5へ移動して最終的に大当たり結果の発生に至る、再変動演出が設定されている。以下、図23及び図24の概略図を参照して再変動演出の流れについて例示する。なお、図23及び図24においては説明の便宜上、実際には可動役物170〜173によって視認不可となるように遮蔽されている部分についても擬似的に透過させた状態で表している。
図23(a)に示すように、副表示領域Rsに停止する図柄のみによって形成されるラインとして、例えば右側非有効ラインL6上に特定図柄の組合せが停止表示された状態で各図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了したとする。この場合、上記待機時間において、図23(b)に示すように、先ず右側非有効ラインL6を遮蔽する第1可動役物170及び第2可動役物171が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動するように駆動部170a,171aが駆動制御され、遮蔽されていた右側非有効ラインL6上の特定図柄の組合せの全部が視認可能となる。そして、図23(c)に示すように、当該特定図柄の組合せが有効ライン上(図では中ラインL2)へ移動するとともに、第1可動役物170及び第2可動役物171が非遮蔽位置から遮蔽位置に変位する。その後、上記待機時間が経過することで大当たり結果となった旨が明示され、開閉実行モードへ移行する。
また、主表示領域Rm及び副表示領域Rsの両方に跨る非有効ライン上に特定図柄の組み合せが停止した場合にも再変動演出が行われことがある。例えば、図24(a)に示すように、第2非有効ラインとして左側右下がりラインL10に特定図柄の組合せが停止表示して各図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了したとする。この場合、上記待機時間において、図24(b)に示すように、先ず左側右下がりラインL10の副表示領域Rs(左側副表示領域Rs2)を遮蔽する第3可動役物172が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動するように駆動部172aが駆動制御され、遮蔽されていた左側右下がりラインL10における特定図柄の組合せの全部が視認可能となる。そして、図24(c)に示すように、当該特定図柄の組合せが有効ライン上(図では右下がりラインL4)へ移動するとともに、第3可動役物172が非遮蔽位置から遮蔽位置に移動する。その後、上記待機時間が経過することで大当たり結果となった旨が明示され、開閉実行モードへ移行する。
本パチンコ機10においては、大当たり結果が発生する場合の一部で、一旦、非有効ライン上に大当たり結果に対応する図柄の組合せを停止させてから、再変動演出が行われるように設定されている。換言すれば、上記の再変動演出は、非有効ライン上に大当たり結果に対応する図柄の組合せが停止した場合に、所定の確率で発生する。図23及び図24に示すように、副表示領域Rsに停止する図柄の一部は可動役物170〜173からはみ出しており、当該はみ出した部分については遊技機前方からの視認が許容されている。このため、遊技者は、はみ出している部分を注視することにより、非有効ライン上に大当たり結果に対応する図柄の組合せが停止表示された場合に、それを認識することができる。
遊技者としては、停止表示がされてから(各図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了してから)待機時間が経過するまでの間、上記の再変動演出が行われることを期待する。このような表示演出を行うことにより、有効ライン上に大当たり結果に対応する図柄の組合せが停止しなかった場合であっても、最終的に遊技回が終了するまで(待機時間が経過するまで)大当たりに当選しているかもしれないという期待感を持続させることができ、遊技への注目度を好適に担保することが可能となる。
本パチンコ機10では、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。そこで以下、図25及び図26の概略図を参照して保留予告の流れについて例示する。なお、図26においては説明の便宜上、実際には可動役物170〜173によって視認不可となるように遮蔽されている部分についても擬似的に透過させた状態で表している。
保留予告は、その保留予告の対象となっている保留情報の遊技回が開始されるよりも前の遊技回における停止結果(停止図柄の組合せ)を利用して行われる。具体的には、保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回の停止結果として、有効ライン上に大当たり結果に対応する図柄の組合せを形成させずに、且つ、同一の図柄を全ての図柄列Z1〜Z3において停止表示させることで、保留予告の対象となっている保留情報の内容を示唆する構成となっている。
例えば保留予告の対象となっている保留情報が確変大当たり結果であれば、図25(a)に示すように、当該保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回にて保留予告用の表示演出が実行される。具体的には特定図柄の組合せを有効ライン上に停止させずに、且つ、同一の特定図柄を全ての図柄列Z1〜Z3に停止表示させて(主表示領域Rmに停止表示させて)遊技回を終了させる。その後、図25(b)に示すように、保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回にて、特定図柄の組合せを有効ライン上に停止表示させることにより確変大当たり結果となった旨が明示される。
また、保留予告の対象となっている保留情報が通常大当たり結果であれば、図25(c)に示すように、当該保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回にて保留予告用の表示演出が実行される。具体的には、非特定図柄の組合せを有効ライン上に停止させずに、且つ、同一の非特定図柄を全ての図柄列Z1〜Z3に停止表示させて(主表示領域Rmに停止表示させて)遊技回を終了させる。その後、図25(d)に示すように、保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回にて、非特定図柄の組合せを有効ライン上に停止表示させることにより通常大当たり結果となった旨が明示される。
保留予告は、主表示領域Rmだけでなく、主表示領域Rm及び副表示領域Rsの両方を利用して行われる場合もある。すなわち、図26(a)に示すように、例えば、中図柄列Z2及び下図柄列Z3において主表示領域Rmに同一の図柄をそれぞれ停止表示させるとともに、上図柄列Z1において副表示領域Rs(図では左側副表示領域Rs2の上段)に対応する図柄を停止表示させる。そして上記待機時間において、図26(b)に示すように、第3可動役物172を遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させることで、同一の図柄をそれぞれ視認可能とした後、第3可動役物172を遮蔽位置に移動させて遊技回を終了させる。その後、図26(c)に示すように保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回にて、特定図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させることにより確変大当たり結果となった旨が明示される。
図26(a)〜図26(c)に示した保留予告では左右の副表示領域Rsのうち一方(副表示領域Rs2)のみを利用する場合について例示したが、これ以外にも左右両方の副表示領域Rs1,Rs2を利用して保留予告を行う場合もあり、保留予告が多様なものとなっている。以下、図26(d)〜図26(f)を参照して、左右両側の副表示領域Rs1,Rs2を利用した保留予告について例示する。
図26(d)に示すように、右側副表示領域Rs1、左側副表示領域Rs2、主表示領域Rmに同一の図柄を停止表示させる(図では、上図柄列Z1における左側副表示領域Rs2と、中図柄列Z2における右側副表示領域Rs1と、下図柄列Z3における主表示領域Rmとに同一の図柄を停止表示させている)。そして上記待機時間において、図26(e)に示すように、第1可動役物170、第2可動役物171及び第3可動役物172を遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させることで、同一の図柄をそれぞれ視認可能とした後、第3可動役物172を遮蔽位置に移動させて遊技回を終了させる。その後、図26(f)に示すように保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回にて、特定図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させることにより確変大当たり結果となった旨が明示される。
このように保留予告では、有効ラインL1〜L5が設定されている主表示領域Rmだけでなく、可動役物170〜173による遮蔽対象となっている副表示領域Rsに停止表示される図柄も利用して演出が行われる。一方で、主表示領域Rm及び副表示領域Rsに同一の図柄が停止表示された場合であっても、対応する可動役物が移動してその図柄が視認可能とならない場合には、演出上、保留予告は有効とはならない(単なる外れ目となる)。つまり、副表示領域Rsを利用して保留予告については、対応する可動役物が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動して遮蔽対象となっている図柄の全体が視認可能となること当該保留予告の実行条件として設定されている。
また既に説明した上記の再変動演出においても同様に、非有効ライン上に大当たり結果に対応する図柄の組合せが停止表示されたとしても対応する可動役物が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動しなければ単なる外れ目が表示されるに留まり、大当たりとはならない。そのため、再変動演出においても、対応する可動役物が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することが当該再変動演出の実行条件として設定されている。
このように、本実施の形態においては、上述の如く表示画面Gにおける表示内容と可動役物170〜173の動きとが連動して再変動演出及び保留予告演出が行われる。このため、表示画面Gにて図柄が停止表示された場合には、その後の展開が対応する可動役物170〜173が遮蔽位置から非遮蔽位置へ移動するか否かによって大きく左右されることとなる。このような事情に鑑みて、本実施の形態では、可動役物170〜173の非遮蔽位置への動きを遊技者に期待させる演出として、可動役物170〜173のうち上記演出に対応するものを振動(上下動)させる煽り演出が設定されている。以下、図27の概略図を参照して煽り演出の流れについて説明する。なお、煽り演出は、再変動演出に係る煽り演出に対応するものと保留予告演出に係る煽り演出とに大別されるため、先ず再変動演出に係る煽り演出について説明し、その後保留予告演出に係る煽り演出について説明する。図27に示す例では、図27(a)〜図27(d)が保留予告演出に対応しており、図27(e)〜図27(h)が再変動演出に対応している。
<煽り演出>
図27(a)に示すように、例えば非有効ラインとして左側右下がりラインL10に大当たり結果に対応する図柄組合せが停止表示されたとすると、図27(b)に示すように、対応する可動役物として第3可動役物172が上下に振動し遮蔽位置から非遮蔽位置へ移動するかのような演出が行われる。そして、図27(c)に示すように第3可動役物172が非遮蔽位置に移動すれば、再変動演出として、その後、大当たり結果に対応する図柄組合せが有効ライン上に移動して大当たり結果が発生する。一方、図27(d)に示すように、第3可動役物172が非遮蔽位置に移動せず遮蔽位置のままで上記待機時間が経過すると、再変動演出とはならず、単なる外れ目となる。
また図27(e)に示すように、主表示領域Rm及び副表示領域Rsに亘って同一の図柄が所定数停止表示された場合(図では主表示領域Rmの左ラインL1の中段及び下段と、左側副表示領域Rs2の上段に同一の図柄がそれぞれ停止表示されている)に、図27(f)に示すように、対応する可動役物として第3可動役物172が上記同様に振動する演出が行われる。そして、図27(g)に示すように、第3可動役物172が非遮位置に移動すれば、保留予告が成立し、図27(h)に示すように、第3可動役物172が非遮蔽位置へ移動せずに遮蔽位置のままで上記待機時間が経過すると、保留予告とはならず、単なる外れ目となる。以下、これらの演出を行うために各種制御装置にて行われる処理について説明する。
<各種演出に関する処理について>
各種演出に関する処理について、再変動演出に関する処理を中心に先に説明し、その後、保留予告に関する処理について説明する。
<演出制御装置82にて行われる変動表示制御処理>
先ず、演出制御装置82のMPU242によって実行される変動表示制御処理について以下に説明する。変動表示制御処理は、所定の周期(例えば2msec)ごとに起動されるものである。そして、変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信している場合に、図柄表示装置161において1遊技回分の図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信している場合に、図柄の変動表示を最終停止表示させる処理を実行する。また、変動表示制御処理では、保留予告を行うための設定が行われたことに伴って、変動表示パターンを適宜修正する処理を実行する。
変動表示制御処理では、図28のフローチャートに示すように、ステップS701にて遊技回中であるか否か、すなわち図柄表示装置161にて1遊技回分の図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。1遊技回分の図柄の変動表示が行われていない場合にはステップS702にて、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動用コマンドを受信している場合には、ステップS703にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
一方、1遊技回分の図柄の変動表示が行われている場合には、ステップS704にて、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合には、ステップS705にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS706にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
以下、ステップS703の変動開始用処理、ステップS705の変動中用処理及びステップS706の変動終了用処理について、詳細に説明する。
<変動開始用処理>
先ずステップS703の変動開始用処理について説明する。変動開始用処理は、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信したことに基づき、遊技回用の演出を開始させるための処理である。変動開始用処理では、遊技回用の演出としてリーチ表示の有無の他に、再変動演出や保留予告演出の設定を行う。ここでは先ず、リーチ表示の設定及び再変動演出の設定に関する処理の説明をし、その後に保留予告演出の設定に関する処理の説明を行う。
図29のフローチャートに示すように、ステップS801にて、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81は変動用コマンドを送信する場合には種別コマンドも送信する。したがって、ステップS801では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS801では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU252のレジスタに記憶する。
続くステップS802では、ステップS801にて把握した情報に基づいて、今回開始する遊技回の遊技結果が大当たり結果に対応する遊技結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合、すなわち確変大当たり結果又は通常大当たり結果である場合には、続くステップS803にて、大当たり用の演出設定処理を実行する。
大当たり用の演出設定処理では、図30のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて大当たり用の停止結果決定処理を実行する。この停止結果決定処理では、確変大当たり結果である場合には、一の有効ラインL1〜L5上に同一の特定図柄(奇数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。また、通常大当たり結果である場合には、一の有効ラインL1〜L5上に同一の非特定図柄(偶数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。大当たり結果となった場合に停止表示される主図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選等によってランダムに決定される。
図31(a)に示すように、ROM243の各種テーブルエリア243aに記憶された最終停止ラインテーブルには、各有効ラインL1〜L5とアドレス情報とが記憶されており、ステップS901で決定した最終停止ラインはRAM244に設けられた最終停止ラインアドレス記憶エリア244cにアドレス情報として記憶される。また、ステップS901では、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリア244dに記憶する処理を実行する。なお、以下の説明でも各種停止結果決定処理にて決定した停止結果のアドレス情報がRAM244の停止結果アドレス記憶エリア244dに記憶されるため説明を援用する。
既に説明したとおり、大当たり結果が発生する遊技回においてはリーチ表示が実行され、また、ノーマルリーチ表示よりもスーパーリーチ表示のほうが変動表示時間が長く設定されている。そこで、続くステップS902では、今回実行する遊技回の変動表示時間を参照し、当該変動表示時間がノーマルリーチ表示に対応する変動表示時間であるか否かを判定する。
ステップS902にてノーマルリーチ表示ではなくスーパーリーチ表示に対応する変動表示時間であると判定した場合には、ステップS903にてスーパーリーチ用の演出パターン決定処理を実行した後、本大当たり用の演出設定処理を終了する。
スーパーリーチ用の演出パターン決定処理では、ROM243の各種テーブルエリア243aに記憶されているスーパーリーチ用の演出テーブルを取得し、今回受信している変動用コマンドの変動表示時間及び種別コマンドにおける遊技結果に対応したスーパーリーチ表示の演出パターンを決定する。また、ステップS903では、決定した演出パターンのアドレス情報をRAM244のパターンアドレス記憶エリア244eに記憶する処理を実行する。なお、以下の説明でも各種演出パターン決定処理ではROM243から対応する演出テーブルを取得して変動表示時間及び遊技結果に対応する演出パターンが決定され、各種演出パターン決定処理にて決定した演出パターンのアドレス情報は、RAM244のパターンアドレス記憶エリア244eに記憶されるため説明を援用する。
ステップS902にてノーマルリーチ表示に対応する変動表示時間である場合、ステップS904に進む。ステップS904では、再変動演出を実行するか否かを抽選する再変動演出抽選処理を実行する。かかる処理では、ROM243の各種テーブルエリア243aに記憶されている再変動演出抽選テーブルと、RAM244の各種カウンタエリア244aに設けられた再変動演出用カウンタと、を取得して再変動演出を実行するか否かの抽選を行う。そして続くステップS905にて、ステップS904の処理結果に基づいて再変動演出抽選に当選したか否かを判定する。因みに、本実施の形態においては、再変動演出抽選処理にて当選する確率は70%となっており、大当たり結果となるノーマルリーチ表示が選択されている遊技回の半数以上が、再変動演出に変更される。
再変動演出抽選に当選していなかった場合には、ステップS906に進み、ノーマルリーチ用の演出パターン決定処理を実行する。ステップS906の処理を実行した後は、本大当たり用の演出設定処理を終了する。一方、再変動演出抽選に当選している場合、ステップS907に進む。ステップS907では、ステップS801にてレジスタに記憶した情報を、リーチ発生の遊技回から再変動演出を行う遊技回である情報として書き換える処理を実行する。
続くステップS908では再変動演出用の演出パターンの決定処理を実行し、ステップS909では再変動演出における仮停止ラインの決定処理を実行する。かかる処理では、非有効ラインL6〜L11のうちのいずれにステップS901にて決定した停止結果に対応する図柄組合せを仮停止させるかを決定する。換言すれば、いずれの非有効ラインL6〜L11を利用して再変動演出を実行するかを決定する。この場合、ステップS901にて決定した最終停止ラインとしての有効ラインと、ステップS909にて決定する仮停止ラインとしての非有効ラインと、が平行となるように決定する。
図31(b)に示すように、ROM243の各種テーブルエリア243aに記憶されている再変動用テーブルには、各有効ラインL1〜L5に対して平行となる非有効ラインL6〜11のアドレス情報が記憶されている。ステップS909では、ステップS901にて記憶した最終停止ラインのアドレス情報を参照して仮停止ラインを決定するとともに、その仮停止ラインのアドレス情報をRAM244の仮停止ライン記憶エリア244fに記憶する。このように、再変動演出を、仮停止ラインに停止している図柄組合せを平行移動させる演出とすることで、図柄組合せを構成している図柄同士の位置関係の変更を伴わずスムーズな演出とすることができる。
なお、仮停止ラインと最終停止ラインとの関係については必ずしも平行とする必要はなく、平行とならないものを含む構成とすることも可能である。この場合、当該非平行となるライン間における再変動演出においては、各図柄列Z1〜Z3の図柄が平行移動せず、最終停止ラインにて大当たり結果に対応する図柄組合せとなるように再度各図柄列Z1〜Z3をそれぞれ変動表示する必要がある。そこで、各図柄列Z1〜Z3をそれぞれ変動表示する構成を利用して、例えば通常大当たり結果に対応する図柄組合せが非有効ラインに仮停止した後、最終停止ラインへ再変動する際に確変大当たり結果に対応する図柄組合せとして有効ライン上に最終停止させる表示演出(所謂昇格演出)を行う構成としてもよい。
ステップS909の処理を実行した後は、ステップS910にてRAM244の各種フラグ格納エリア244bに煽り演出フラグを格納する処理を実行し、ステップS911にてRAM244の各種フラグ格納エリア244bに開放フラグを格納する処理を実行する。煽り演出フラグは、今回の遊技回において煽り演出を実行すべきことをMPU242が把握するためのフラグである。また、開放フラグは、今回の遊技回において可動役物170〜173のうちのいずれかを開閉制御すべきことをMPU242が把握するためのフラグである。
そして、ステップS912にて、ステップS909の処理結果に基づいて、駆動制御すべき可動役物をRAM244に設けられた役物記憶エリア244gに記憶する処理を実行してから、本大当たり用の演出設定処理を終了する。図31(b)に示すように、再変動用テーブルには仮停止ラインに対応させて駆動制御すべき可動役物の情報が記憶されており、ステップS912ではステップS909にて記憶した仮停止ラインのアドレス情報を参照して、駆動すべき可動役物の情報を記憶する。
このように、再変動演出において最終停止ラインと仮停止ラインと駆動制御すべき可動役物とを対応付けて記憶しておくことで、表示画面Gでの演出と可動役物170〜173での演出とを同時に行う場合であっても、その処理構成の複雑化や必要とする記憶容量の増加を抑制することが可能となる。
変動開始用処理(図29)の説明に戻り、ステップS802にて大当たり結果ではないと判定した場合にはステップS803に進む。ステップS803では、今回の遊技回にてリーチが発生するか否かを把握する。リーチが発生する場合にはステップS805に進み、リーチ発生用の演出設定処理を実行する。
リーチ発生用の演出設定処理では、図32のフローチャートに示すように、先ずステップS1001にて、今回の遊技回にて発生するリーチ表示がノーマルリーチ表示であるか否かを判定する。ノーマルリーチ表示ではなくスーパーリーチ表示である場合には、ステップS1002に進み、スーパーリーチ用の停止結果決定処理を実行する。ステップS1002の処理は、上記ステップS901の処理を概ね同様の処理である。但し、ステップS1002で行う処理の場合は外れリーチに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せとならないように停止図柄を決定する。すなわち、一の有効ラインL1〜L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、この決定に際しては、いずれの有効ラインL1〜L5上にも同一の図柄の組合せが成立することなく、且つ、リーチラインを形成する図柄と同じ中図柄列Z2の図柄をリーチラインに対して前1ライン又は後1ラインずれた停止位置で最終停止させるように有効ライン上の停止結果が決定される。またステップS1002では、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリア244dに記憶する処理を実行する。
続くステップS1003では、スーパーリーチ用の演出パターン決定処理を実行する。この場合、ステップS903と同様にROM243の各種テーブルエリア243aに記憶されているスーパーリーチ用の演出テーブルを参照することで、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドに対応したスーパーリーチ表示の演出の内容を決定する。ステップS1003の処理を実行した後は、本リーチ発生用の演出設定処理を終了する。
ステップS1001の説明に戻り、当該ステップS1001にてノーマルリーチ表示であると判定した場合にはステップS1004に進む。ステップS1004では予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。予告条件成立フラグは、後述する保留予告用の処理にて予告条件が成立した際にRAM244の各種フラグ格納エリア244bに格納されるフラグである。予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS1005〜ステップS1011の保留予告用の処理を実行してから、本リーチ発生用の演出設定処理を終了する。かかる保留予告用の処理については、後に詳細に説明するが、この処理においてノーマルリーチ表示に対応する変動表示時間の遊技回における保留予告の停止結果と演出パターンとが決定される。
ステップS1004にて予告条件成立フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS1012に進む。ステップS1012では、再変動演出は行わないものの(大当たり結果とはならないものの)非有効ラインL6〜L11上に大当たり結果に対応する図柄組合せを停止させる非有効揃い演出を発生させるか否かの非有効揃い演出抽選処理を実行する。この非有効揃い演出抽選処理では、ROM243の各種テーブルエリア243aに記憶されている非有効揃い演出テーブルと、RAM244の各種カウンタエリア244aの非有効揃い演出カウンタから取得した値とを参照して非有効揃い演出を発生させるか否かを決定する。
続くステップS1013では、ステップS1012の処理結果に基づいて、非有効揃い演出を発生させるか否かを判定する。非有効揃い演出を発生させる場合には、ステップS1014に進み、ステップS801にてレジスタに記憶した情報を、リーチ発生の遊技回から非有効揃い演出を行う遊技回である情報として書き換える処理を実行する。
ステップS1014にて書き換え処理を実行した後はステップS1015に進み、非有効揃い用の停止結果決定処理を実行する。かかる処理では、非有効ラインL6〜L11のうちのいずれに大当たり結果に対応する図柄組合せを停止させるか否かを決定する。この場合、非有効ラインL6〜L11上に停止させる大当たり結果に対応する図柄組合せと、停止対象となる非有効ラインL6〜L11とは抽選等によってランダムに決定される。図33に示すように、ROM243の各種テーブルエリア243aに記憶された非有効揃い演出用の停止結果テーブルには、非有効揃い演出における停止情報を有効ラインである中ラインL2の停止図柄を基準としてアドレス情報が記憶されている。
図33の概略図には、各図柄列Z1〜Z3において主図柄と主図柄との間に配置される副図柄を、左右の主図柄に付される数字の中間の数字を用いて便宜的に示している。ステップS1015では、上記処理で決定した図柄組合せ及び非有効ラインの情報を非有効揃い演出テーブルに照らし合わせて、有効ライン上での停止図柄を記憶する。
ステップS1015の処理を実行した後は、ステップS1016にて非有効揃い用の演出パターン決定処理を実行する。そしてステップS1017にて、煽り演出フラグを格納する処理を実行し、ステップS1018にて、駆動制御すべき可動役物を役物記憶エリア244gに記憶する処理を実行してから、本リーチ発生用の演出設定処理を終了する。図33に示すように、非有効揃い演出テーブルには大当たり結果に対応する図柄組合せを停止させる非有効ラインL6〜L11に対応させて駆動制御すべき可動役物170〜173が記憶されており、ステップS1018ではステップS1015にて記憶したアドレス情報を参照して、駆動すべき可動役物の情報を記憶する。
ステップS1013にて非有効揃い演出を発生させない場合には、ステップS1019に進む。ステップS1019では、主表示領域Rm及び副表示領域Rsにおいて全図柄列Z1〜Z3に同一の主図柄を停止させるものの特別保留予告を実行しない(可動役物170〜173を遮蔽状態から非遮蔽状態へ変位させない)非有効予告演出を発生させるか否かを抽選する。この非有効予告演出抽選処理では、ROM243の各種テーブルエリア243aに記憶されている非有効予告演出テーブルと、RAM244の各種カウンタエリア244aのら非有効予告演出カウンタから取得した値とを参照して非有効予告演出を発生させるか否かを決定する。
続くステップS1020では、ステップS1019の処理結果に基づいて、非有効予告演出を発生させるか否かを判定する。非有効予告演出を発生させない場合には、ステップS1021に進み、ノーマルリーチ用の停止結果決定処理を実行する。ステップS1021の処理は、上記ステップS1002の処理を概ね同様の処理である。但し、スーパーリーチではリーチラインを形成する図柄と同じ中図柄列Z2の図柄をリーチラインに対して1ライン分左又は右にずれた停止位置で最終停止させるのに対して、ノーマルリーチ表示ではこのずれは1ラインに限られず、主制御装置81にて決定された変動表示時間に対応させて係る中図柄列Z2の停止結果が決定される。この場合、有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、この決定に際しては、いずれの有効ラインL1〜L5上にも、同一の図柄の組み合わせが成立することない停止結果が決定される。ステップS1021の処理を実行した後は、ステップS1022にて、ノーマルリーチ用の演出パターン決定処理を実行してから、本リーチ発生用の演出設定処理を終了する。なお、中図柄列Z2の停止結果を、大当たり結果に対応する図柄組合せとならない限りで抽選によってランダムに決定する構成としてもよい。
ステップS1020にて非有効予告演出を発生させると判定した場合には、ステップS1023〜ステップS1028にて非有効予告演出用の処理を実行してから本リーチ発生用の演出設定処理を終了する。かかる非有効予告演出用の処理については、後に詳細に説明するが、この処理においてノーマルリーチ表示に対応する変動表示時間の遊技回における非有効予告演出の停止結果と演出パターンとが決定される。
変動開始用処理(図29)の説明に戻り、ステップS804にてリーチ発生ではない場合は、ステップS806に進む。ステップS806では、予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。予告条件成立フラグが格納されている場合にはステップS807にて保留予告用の演出設定処理を実行し、予告条件成立フラグが格納されていない場合にはステップS808にて通常外れ用の演出設定処理を実行する。ここでは、通常外れ用の演出設定処理について説明し、保留予告用の演出設定処理については、後に詳細に説明する。なお、ステップS807の保留予告用の演出設定処理では、リーチ非発生時の変動表示時間の遊技回における保留予告用の停止結果と演出パターンが決定される。
通常外れ用の演出設定処理では、図34のフローチャートに示すように、先ずステップS1101にて非有効揃い演出抽選処理を実行する。かかる処理は、上記ステップS1011の処理と概ね同様である。但し、ステップS1011のリーチ発生時の変動表示時間の遊技回における非有効揃い演出抽選と、ステップS1101のリーチ非発生時の変動表示時間の遊技回における非有効揃い演出抽選とでは当選確率が異なり、ステップS1011のほうがステップS1101よりも非有効揃い演出に当選する確率が高くなっている。より具体的には、ステップS1011では10%の確率で非有効揃い演出を発生させ、ステップS1101では1%の確率で非有効揃い演出を発生させる。
続くステップS1102では、ステップS1101の処理結果に基づいて非有効揃い演出を発生させるか否かを判定する。非有効揃い演出を発生させる場合には、ステップS1103に進み、非有効揃い用の停止結果決定処理を実行する。かかる処理は、ステップS1015の処理と同様である。ステップS1103の処理を実行した後は、ステップS1105にて、非有効揃い用の演出パターン決定処理を実行してから、本通常外れ用の演出設定処理を終了する。すなわち、変動表示時間がリーチ発生時と比較して変動表示時間が短いため、通常外れ用の演出設定処理では、非有効揃い演出を行う場合であっても煽り演出フラグを格納しない(煽り演出を設定しない)。
ステップS1102にて非有効揃い演出を発生させないと判定した場合には、ステップS1105に進む。ステップS1105では、非有効予告演出抽選処理を実行する。かかる処理は、上記ステップS1019の処理と概ね同様である。但し、ステップS1019のリーチ発生時の変動表示時間の遊技回における非有効予告演出抽選と、ステップS1105のリーチ非発生時の変動表示時間の遊技回における非有効予告演出抽選と、では当選確率が異なり、ステップS1019のほうがステップS1105よりも非有効予告演出に当選する確率が高くなっている。より具体的には、ステップS1019では15%の確率で非有効予告演出を発生させ、ステップS1105では3%の確率で非有効予告演出を発生させる。
続くステップS1106では、ステップS1105の処理結果に基づいて非有効予告演出を発生させるか否かを判定する。非有効予告演出を発生させない場合には、ステップS1107に進み、リーチ非発生用の停止結果決定処理を実行する。かかる処理では、いずれの有効ラインL1〜L5上にも大当たり結果に対応する図柄組合せを停止させず、また外れリーチ図柄の組合せも停止させず、さらに、いずれの非有効ラインL6〜L11上にも大当たり結果に対応した図柄組合せを停止させず、そして主表示領域Rm及び副表示領域Rsにおいて全図柄列Z1〜Z3に同一の主図柄を停止させないように(保有予告に対応する停止結果とならないように)、今回の停止結果を決定する。その後、ステップS1108にてリーチ非発生用の演出パターン決定処理を実行してから、本通常外れ用の演出設定処理を終了する。
また、ステップS1106にて非有効予告演出を発生させると判定した場合には、ステップS1109〜ステップS1111にて非有効予告演出用の処理を実行してから、本通常外れ用の演出設定処理を終了する。非有効予告演出用の処理については、後に詳細に説明するが、この処理においてリーチ非発生時の変動表示時間の遊技回における非有効予告演出の停止結果と演出パターンとが決定される。
変動開始用処理(図29)の説明に戻り、ステップS803、ステップS805、ステップS807及びステップS808のいずれかの処理を実行した後は、ステップS809に進む。ステップS809では、ステップS803、ステップS805、ステップS807又はステップS808にて決定した停止結果及び演出パターンの情報を含むコマンドを、それぞれ停止結果コマンド、パターンコマンドとして表示制御装置212へ出力する処理を実行する。表示制御装置212のMPU252では、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づいて、図柄表示装置161に対して、今回の遊技回における演出を実行するための表示制御を行う。
ステップS809の処理を実行した後は、続くステップS810にて、遊技回用の演出を開始する処理を実行した後、本変動開始用処理を終了する。具体的には、上記ステップS803、ステップS805、ステップS807又はステップS808にて決定した演出パターンに基づいてスピーカ部59や発光部58の駆動制御を開始して、遊技回用の演出を開始する。
<変動中用処理>
次に、変動表示制御処理(図28)におけるステップS705の変動中用処理について説明する。変動中用処理は、変動開始用処理によって開始された遊技回において各種演出の実行又は変更を行う処理である。
図35のフローチャートに示すように、変動中用処理においては先ずステップS1201にてRAM244の各種フラグ格納エリアに244bに煽り演出フラグが格納されているか否かを判定する。煽り演出フラグが格納されている場合は、続くステップS1202にて煽り演出を開始すべきタイミングか否かを判定する。
ここで、MPU242では、RAM244の各種カウンタエリア244aに設けられた経過カウンタを用いて図柄表示装置161における図柄の変動表示の開始からの時間を計測している。詳細には、変動表示が開始された場合には、所定の周期(例えば、2msec)で経過カウンタの更新(加算)処理が実行される。また、ROM243の各種テーブルエリア243aに設けられた経過テーブルには、煽り演出を開始すべきタイミングに対応する各カウンタ値の情報が、遊技回の開始に際して設定され得る演出パターンの情報と1対1で対応付けられた状態で記憶されている。そしてステップS1202では、現状の経過カウンタに記憶されている値が、今回の遊技回の経過テーブルにおける煽り演出を開始すべきタイミングに対応するカウンタ値となっているか否かを判定する。
なお、遊技回における他の演出の実行タイミングか否かを把握する処理(後述するステップS1205,ステップS1209,ステップS1212等)についても、これら経過テーブルと経過カウンタとを参照することで、実行タイミングを把握する。
ステップS1202にて煽り演出の開始タイミングであると判定した場合には、ステップS1203にて煽り演出を開始する。この処理では、RAM244の役物記憶エリア244gに記憶されている駆動すべき可動役物170〜173の情報に基づいて、対応する可動役物170〜173の駆動部170a〜173aを駆動制御して可動役物170〜173を振動(上下動)させる処理を実行する。また、ステップS1204では煽り演出開始コマンドを表示制御装置212へ出力する。表示制御装置212のMPU252では、その受信した煽り演出開始コマンドに基づいて、図柄表示装置161に煽り演出用の表示を行わせるための表示制御を実行する。表示画面Gにおける煽り演出としては、例えば振動している可動役物の周囲の表示画面Gにおいてエフェクト等の演出が設定されている。
ステップS1202にて煽り演出を実行すべきタイミングではない場合、又はステップS1204の処理を実行した後は、ステップS1205に進む。ステップS1205では、煽り演出を終了すべきタイミングか否かを判定する。ステップS1205にて煽り演出を終了すべきタイミングである場合には、続くステップS1206にて煽り演出を終了する。この処理では、振動中の可動役物を停止させる処理を実行する。また、ステップS1207では煽り演出終了コマンドを表示制御装置212へ出力する。表示制御装置212のMPU252では、その受信した煽り演出終了コマンドに基づいて、図柄表示装置161に対して、表示画面Gにて実行中の煽り演出を終了させる制御を実行する。
ステップS1201にて煽り演出フラグが格納されていない場合、ステップS1205にて煽り演出の終了タイミングではない場合、又はステップS1207の処理を実行した後は、ステップS1208に進む。ステップS1208では、RAM244の各種フラグ格納エリア244bに開放フラグが格納されているか否かを判定する。既に説明したとおり、開放フラグは、再変動演出が実行される場合に上記ステップS911にてRAM244の各種フラグ格納エリア244bに格納されるフラグである。
開放フラグが格納されている場合には、ステップS1209にて可動役物170〜173の開放タイミングであるか否かを判定する。可動役物170〜173の開放タイミングであると判定した場合には、ステップS1210にて対応する可動役物170〜173の開放処理を実行する。この処理では、RAM244の役物記憶エリア244gに記憶されている駆動すべき可動役物170〜173の情報に基づいて、対応する可動役物170〜173の駆動部170a〜173aを駆動制御して、可動役物170〜173を非遮蔽位置に移動させる処理を実行する。また、ステップS1211では開放コマンドを表示制御装置212へ出力する。表示制御装置212のMPU252では、その受信した開放コマンドに基づいて、図柄表示装置161に対して、開放演出(再変動演出や特別保留予告演出)の表示制御を実行する。なお、表示制御装置212では、今回の開放演出が再変動演出であれば、上記のように仮停止ラインに停止している大当たり結果に対応する図柄組合せを、最終停止ラインへ移動させるように図柄表示装置161を制御する。
ステップS1209にて可動役物170〜173の開放タイミングではない場合、又はステップS1211の処理を実行した後は、ステップS1212に進む。ステップS1212では、可動役物170〜173の閉鎖タイミングであるか否かを判定する。閉鎖タイミングである場合には、ステップS1213にて対応する可動役物170〜173の閉鎖処理を実行する。この処理では、RAM244の役物記憶エリア244gに記憶されている駆動すべき可動役物170〜173の情報に基づいて、対応する可動役物170〜173の駆動部170a〜173aを駆動制御して、可動役物170〜173を遮蔽位置に移動させる処理を実行する。また、ステップS1214では閉鎖コマンドを表示制御装置212に出力する。表示制御装置212のMPU252では、その受信した閉鎖コマンドに基づいて、図柄表示装置161に対して、開放演出(再変動演出や特別保留予告演出)を終了させる処理を実行する。
ステップS1208にて開放フラグが格納されていない場合、ステップS1208にてシャッタ部材の閉鎖タイミングではない場合、又はステップS1214の処理を実行した後は、ステップS1215に進む。ステップS1215及びステップS1216は保留予告用の処理であるため、後に詳細に説明する。
<変動終了用処理>
次に、変動表示制御処理(図28)におけるステップS706の変動終了用処理について説明する。変動終了用処理は、変動開始用処理によって開始された遊技回において所定の演出を終了させる処理である。
変動終了用処理では、図36のフローチャートに示すように、ステップS1301にて遊技回の演出を今回の遊技結果に対応した確定停止とするための確定停止用処理を実行する。かかる処理では、スピーカ部59や発光部58を駆動制御して確定停止に対応する演出を行わせる。そして、ステップS1302にて確定コマンドを表示制御装置212に出力してから、本変動終了用処理を終了する。表示制御装置212のMPU252では、受信した確定コマンドに基づき図柄表示装置161にて図柄を確定停止させるよう制御する。
以上のように、各遊技回における変動表示は、主制御装置81から演出制御装置82に出力される変動用コマンドに基づいて、最終的にその遊技結果に対応する確定表示となるように実施される。そして、再変動演出は、遊技結果がいずれかの大当たり結果である場合に所定の確率で発生する。また、遊技結果が外れ結果であっても、所定の確率で再変動演出が発生するかのような演出、すなわち、非有効揃い演出が発生する。この場合、単に表示画面Gにおいて非有効ラインに大当たり結果に対応する図柄組合せが停止するだけではなく、その非有効ラインを遮蔽する可動役物との連動によって非有効揃い演出の演出効果が高められている。
具体的には、非有効揃い演出が発生する場合には、その大当たり結果に対応する図柄組合せが停止した非有効ラインを遮蔽している可動役物が、あたかも、もう少しで非遮蔽状態となり再変動演出が発生するかのような演出として煽り演出が発生し得る。そのため、遊技者としては、この煽り演出が発生することで、再変動演出の発生、すなわち遊技結果が大当たり結果であることを期待する。また、再変動演出は、対応する可動役物が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することがその発生の条件の一つとなっている。そのため、遊技者としては上記非有効揃い演出が発生した場合には、最終的に対応する可動役物が遮蔽位置から非遮蔽位置に移動することを期待する。
このように本パチンコ機10では、表示画面Gの図柄による演出と可動役物170〜173の動作による演出との演出を有機的に連携させ、よりダイナミックな演出を行う構成とし、遊技への注目度の向上が図られている。
<保留予告に関する処理の説明>
次に、保留予告に関する処理について説明する。
<主制御装置81にて行われる処理>
保留予告に関する処理としては、主制御装置81のMPU202にて実行される処理と、演出制御装置82にて実行される処理と、が設定されている。そこで、先ず主制御装置81側の処理について説明し、その後、演出制御装置82側の処理について説明する。
<保留予告用の確認処理>
先ず、主制御装置81のMPU202にて実行される保留予告用の確認処理について、図37のフローチャートを参照して説明する。既に説明したとおり、保留予告用の確認処理は、タイマ割込み処理(図15)の作動口用の入賞処理(図16)のステップS205にて実行される処理である。
保留予告用の確認処理では、ステップS1401にて、保留用エリアREにおける保留数記憶エリアNAに記憶されている保留個数の情報を読み出し、かかる保留個数の情報をMPU202のレジスタに記憶する。続くステップS1402では、作動口115への今回の入賞に基づき作動口用の入賞処理(図16)のステップS204にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1からラッチした情報を把握する。
続くステップS1403では、RAM204に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS1404にて、図14(a)に示す低確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1402にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合には、ステップS1405にて、図14(a)に示す高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1402にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1404又はステップS1405の後は、ステップS1406にて、ステップS1402にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応していると判定した場合には、ステップS1407にて、作動口115への今回の入賞に基づきステップS1404にて取得した保留情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2からラッチした情報を把握する。
続くステップS1408では、図14(b)に示す振分テーブルを参照して、ステップS1407にて把握した大当たり種別判定用の情報が通常大当たり結果として設定された情報又は確変大当たり結果として設定された情報のいずれに含まれているかを特定する。その後、ステップS1409では、ステップS1407にて把握した大当たり種別用の情報が通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。通常大当たり結果に対応している場合には、ステップS1410にて、MPU202のレジスタに通常大当たり情報を記憶し、確変大当たり結果に対応している場合には、ステップS1411にて、MPU202のレジスタに確変大当たり情報を記憶する。
ステップS1406にて否定判定をした場合、ステップS1410の処理を実行した場合又はステップS1411の処理を実行した場合には、ステップS1412に進む。ステップS1412では、作動口115への今回の入賞に基づきステップS1404にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわちリーチ乱数カウンタC3からラッチした情報を把握する。
続くステップS1413では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリア(リーチ判定用情報群記憶手段)に記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS1412にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。その後、ステップS1414において、ステップS1412にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1415にて、MPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
次に、作動口用の入賞処理(図16)におけるステップS206の保留コマンドの設定処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。
保留コマンドの設定処理では、ステップS1501にて、MPU202のレジスタに通常大当たり情報又は確変大当たり情報のいずれかが記憶されているか否かを判定することで、直前の保留予告用の確認処理(図37)において大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応していると特定されたか否かを判定する。通常大当たり情報又は確変大当たり情報のいずれかが記憶されている場合には、ステップS1502にて、それが確変大当たり情報であるか否かを判定することで、直前の保留予告用の確認処理(図37)において種別判定用の情報が確変大当たり結果に対応していると特定されたか否かを判定する。
確変大当たり情報である場合には、ステップS1503にて、確変対応保留コマンドを設定し、通常大当たり情報である場合には、ステップS1504にて、通常対応保留コマンドを設定する。なお、上記コマンドの設定や後述する各種コマンドの設定は、RAM204に設けられたコマンド設定エリアに対してコマンド情報を格納することにより行われる。
一方、ステップS1501にて、通常大当たり情報及び確変大当たり情報の両方が記憶されていないと判定した場合には、ステップS1505に進み、MPU202のレジスタにリーチ発生情報が記憶されているか否かを判定することで、直前の保留予告用の確認処理(図37)においてリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応していると特定されたか否かを判定する。リーチ発生情報が記憶されている場合には、ステップS1506にて、外れリーチ対応保留コマンドを設定し、リーチ発生情報が記憶されていない場合には、ステップS1507にて、完全外れ対応保留コマンドを設定する。
ステップS1503、ステップS1504、ステップS1506又はステップS1507のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1508にて、保留個数の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、自身が保留コマンドである旨の情報や保留コマンドの種別の情報が含まれているとともに、保留個数の情報が設定可能となっている。この場合に、ステップS1508では、先ず直前の保留予告用の確認処理(図37)におけるステップS1501にてMPU202のレジスタに記憶された保留個数の情報を読み出し、その後に、既に設定されている保留コマンドにおける保留個数の情報用のビットに対して、上記読み出した保留個数の情報を論理和などの演算処理によって格納する。これにより、ステップS1503、ステップS1504、ステップS1506又はステップS1507のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドに対応した保留情報が何個目のものであるかを特定するための情報が含まれる。
上記ステップS1508の処理を実行した後に、本設定処理を終了する。ステップS1508にて保留個数の情報が含められた保留コマンドは、次回の通常処理(図17)におけるステップS301の外部出力処理により、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。
なお、保留コマンドの設定の仕方は、演出制御装置82において保留コマンドによって、大当たり当選の有無、大当たり当選の場合にはその際の大当たり種別、大当たり当選でない場合にはリーチ発生の有無を特定することができるのであれば任意である。例えば、確変対応保留コマンド、通常対応保留コマンド、外れリーチ対応保留コマンド及び完全外れ対応保留コマンドの組み合わせが、各保留個数に対応させて個別に設定されており、保留コマンドの設定処理では、保留予告用の確認処理(図37)における確認結果に応じて一の保留コマンドを選択する構成としてもよい。
<演出制御装置82にて実行される保留予告制御処理について>
次に、演出制御装置82のMPU202にて実行される保留予告制御処理について、図39のフローチャートを参照しながら説明する。保留予告制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理であり、所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
先ずステップS1601にて、主制御装置81からいずれかの保留コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1601にて肯定判定をした場合には、ステップS1602にて、受信した保留コマンドに対応する処理として保留予告設定処理を実行する。
続くステップS1603では、RAM244の各種カウンタエリア244aに記憶されている演出側保留記憶数SNを1加算する。またステップS1603では、保留記憶数の増加に対応させた処理(例えば、表示画面Gにて保留情報を表示する場合には当該表示を変更する処理)を実行する。さらにステップS1603では、受信した保留コマンドの保留情報をRAM244に記憶する処理を実行する。RAM244には保留情報を記憶するエリアとして保留用エリア244hが設けられており、当該保留用エリア244hには主制御装置81側の保留球格納エリア232と対応させて第1単位エリア〜第4単位エリアが設けられている。ステップS1603ではこの対応するエリアに保留情報を記憶する処理を実行する。
ステップS1601にて否定判定をした場合又はステップS1603の実行後は、ステップS1604に進み、シフト時コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1604にて肯定判定をした場合には、ステップS1605にて演出側保留記憶数SNを1減算する。またステップS1605では、保留記憶数の減少に対応させた処理(例えば、表示画面Gにて保留情報を表示する場合には当該表示を変更する処理)を実行する。更にステップS1605では、シフト処理を実行する。このシフト処理では、保留用エリア244hの単位エリアに設定されている保留情報を下位エリア側に順にシフトさせる。具体的には、第1単位エリアの保留情報をクリアするとともに、第2単位エリア→第1単位エリア、第3単位エリア→第2単位エリア、第4単位エリア→第3単位エリアといった具合に各単位エリア内の保留表示情報がシフトされる。
ステップS1604にて否定判定をした場合又はステップS1605の処理の実行後は、本保留予告制御処理を終了する。ここで、図40のフローチャートを参照してステップS1602の保留予告設定処理について説明する。
保留予告設定処理では、先ずステップS1701にて演出側保留記憶数SNが「1」以上であるか否かを判定する。演出側保留記憶数SNが「0」である場合は、続くステップS1702にて現在遊技回を実行中であるか否かを判定する。ステップS1701にて演出側保留記憶数SNが「1」以上である場合であり今回の保留コマンドを受信した時点で遊技回を開始していない保留情報が存在する場合、又はステップS1702にて演出側保留記憶数SNが「0」であっても現在遊技回を実行中である場合は、ステップS1703に進む。
ステップS1703では、RAM244の各種フラグ格納エリア244bに当選フラグが格納されているか否かを判定する。当選フラグは、確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信している場合に後述するステップS1706にて格納されるフラグであり、今回受信した保留コマンドに対応する遊技回よりも前に実行される遊技回において、いずれかの大当たり結果が発生することをMPU202が特定するためのフラグである。
当選フラグが格納されていないと判定した場合にはステップS1704に進み、RAM244の各種フラグ格納エリア244bに予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。予告条件成立フラグは、上記のとおり予告条件が成立した際に格納されるフラグであり、より詳しくは、後述する大当たり用予告設定処理(ステップS1707)又は外れ用予告設定処理(ステップS1708)にて格納されるフラグである。
予告条件成立フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS1705にて、今回受信している保留コマンドが確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドであるか否かを判定する。これらの大当たり結果に対応する保留コマンドである場合には、続くステップS1706にて当選フラグを格納する処理を実行してから、ステップS1707にて大当たり用予告設定処理を実行する。また、ステップS1705にて、受信している保留コマンドが大当たり結果に対応する保留コマンドではない場合、すなわち外れリーチ対応保留コマンド又は完全外れ対応保留コマンドである場合には、ステップS1708にて外れ用予告設定処理を実行する。
ステップS1702にて遊技回を実行中ではないと判定した場合、ステップS1703にて当選フラグが格納されていると判定した場合、ステップS1704にて予告条件成立フラグが格納されていると判定した場合、又はステップS1707及びステップS1708のいずれかの処理を実行した後は、本保留予告設定処理を終了する。
ここで、図41のフローチャートを参照してステップS1707の大当たり用予告設定処理について説明する。
大当たり用予告設定処理では、先ずステップS1801にて大当たり用の保留予告抽選処理を実行する。かかる処理では、今回受信した保留コマンドに対応する保留情報において、保留予告を実行するか否かの抽選を実行する。具体的には、RAM244の各種カウンタエリア244aから取得した保留予告抽選カウンタの値と、ROM243の各種テーブルエリア243aに記憶された大当たり用の保留予告抽選テーブルを参照して保留予告を実行するか否かの抽選を行う。本実施の形態の大当たり用の保留予告抽選テーブルでは、保留予告抽選に当選する確率が75%に設定されており、大当たり結果に対応する保留情報においてその半数以上が保留予告抽選に当選するように設定されている。
続くステップS1802では、ステップS1801の処理結果に基づいて、保留予告抽選に当選したか否かを判定する。保留予告抽選に当選していない場合には、そのまま本大当たり用予告設定処理を終了する。保留予告抽選に当選している場合には、ステップS1803に進む。
ステップS1803では、今回受信した保留コマンドが通常対応保留コマンドであるか否かを判定する。通常対応保留コマンドである場合には、ステップS1804にて通常大当たり結果に対応する予告用図柄を把握する処理を実行する。予告用図柄は、保留予告にて全ての図柄列Z1〜Z3を停止表示させた場合に所定の位置に停止表示される共通の図柄を示す。かかる処理では、通常大当たり結果に対応する予告用図柄として、非特定図柄(偶数図柄)を予告用図柄として把握する。一方ステップS1803にて、通常対応保留コマンドではなく確変対応保留コマンドである場合には、ステップS1805にて、確変大当たり結果に対応する予告用図柄を把握する処理を実行する。かかる処理では、確変大当たり結果に対応する予告用図柄として、特定図柄(奇数が付された主図柄)を予告用図柄として把握する。
ステップS1804又はステップS1805の処理を実行した後は、ステップS1806に進む。ステップS1806では、ステップS1804又はステップS1805にて把握した予告用図柄をRAM244の予告用図柄記憶エリア244iに記憶する処理を実行する。そしてステップS1807にて、RAM244に予告条件成立フラグを格納する処理を実行してから、本大当たり用予告設定処理を終了する。
次に、図42のフローチャートを参照して保留予告設定処理(図40)のステップS1708の外れ用予告設定処理について説明する。
外れ用予告設定処理においては先ず、ステップS1901にて、今回受信している保留コマンドが外れリーチ対応保留コマンドであるか否かを判定する。今回受信しているコマンドが外れリーチ対応保留コマンドではなく完全外れ対応保留コマンドである場合には、そのまま本外れ用予告設定処理を終了する。
ステップS1901にて外れリーチ対応保留コマンドであると判定した場合には、ステップS1902にて外れ用の保留予告抽選処理を実行する。かかる処理では、今回受信した保留コマンドに対応する保留情報において、保留予告を実行するか否かの抽選を実行する。具体的には、RAM244の各種カウンタエリア244aから取得した保留予告抽選カウンタの値とROM243の各種テーブルエリア243aから外れ用の保留予告抽選テーブルとを参照して、保留予告を実行するか否かの抽選を行う。本実施の形態の外れ用の保留予告抽選テーブルでは、保留予告抽選に当選する確率が10%に設定されており、大当たり用の予告抽選処理よりも低く設定されている。
続くステップS1903では、ステップS1902の処理結果に基づいて、保留予告抽選に当選したか否かを判定する。保留予告抽選に当選していないと判定した場合には、そのまま本外れ用予告設定処理を終了する。保留予告抽選に当選していると判定した場合には、ステップS1904に進む。
ステップS1904では、外れリーチに対応する予告用図柄の決定処理を実行する。かかる処理では、受信している外れリーチ対応保留コマンドに基づいて、かかる保留コマンドの契機となった保留情報の遊技回においてリーチ表示を実行する際にリーチラインを形成する図柄を特定する。そして、このリーチラインを形成する図柄が特定図柄であれば外れリーチに対応する予告用図柄を特定図柄として決定し、リーチラインを形成する図柄が非特定図柄であれば外れリーチに対応する予告用図柄を非特定図柄として決定する。
そしてステップS1905にて、ステップS1904の処理結果に基づく予告用図柄を保留用エリア244hの対応する単位エリアに記憶する処理を実行し、ステップS1906にてRAM244に予告条件成立フラグを格納してから、本外れ用予告設定処理を終了する。
すなわち、保留予告設定処理の大当たり用予告設定処理(ステップS1707)又は外れ用予告設定処理(ステップS1708)において、受信した保留コマンドに基づいて保留予告を行うか否かが決定され、保留予告を行う場合にはRAM244に予告条件成立フラグが格納される。そして、この予告条件成立フラグが格納されることにより、その保留予告の対象となる遊技回よりも前に実行される遊技回にて保留予告の演出が変動表示制御処理(図28)において設定される。
既に説明したとおり保留予告用の演出としては、主表示領域Rmのみを利用した保留予告としての通常保留予告と、主表示領域Rm及び副表示領域Rsの両方を利用した保留予告としての特別保留予告が設定されている。そして特別保留予告には、煽り演出を伴う特別保留予告(以下、第1特別保留予告ともいう)と煽り演出を伴わない特別保留予告(以下、第2特別保留予告ともいう)とが設定されている。この第1,第2特別保留予告は、遊技回の変動表示時間の相違により設定される。具体的には、遊技回の変動表示時間としてリーチ発生時よりも短いリーチ非発生用の変動表示時間が設定されている場合には煽り演出を伴わない第1特別保留予告が実行され、それよりも長いリーチ発生時(ノーマルリーチ発生時)の変動表示時間が設定されている場合には煽り演出を伴う第2特別保留予告が実行される構成となっている。第1特別保留予告では、各図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了した後の待機時間中に対応する可動役物170〜173が非遮蔽位置に移動する。第2特別保留予告では、各図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了した後、煽り演出が行われてから対応する可動役物170〜173が非遮蔽位置に移動する。
このように変動表示時間の相違からいずれの特別保留予告を実行するかを決定するため、変動表示制御処理の変動開始用処理(図29)において、煽り演出を伴わない第1特別保留予告はリーチ非発生時(ステップS804:NO)の保留予告用の演出設定処理(ステップS807)にて設定され、煽り演出を伴う第2特別保留予告はリーチ発生用の演出設定処理(ステップS805,図29,図32)にて設定される。ここでは、第1特別保留予告の設定について先に説明し、その後、第2特別保留予告の設定について説明する。
保留予告用の演出設定処理では、図43のフローチャートに示すように、ステップS2001にて特別保留予告演出抽選処理を実行する。かかる処理では、RAM244の各種カウンタエリア244aから取得した特別保留予告用の抽選カウンタの値と、ROM243の各種テーブルエリア243aに格納されている特別保留予告用の抽選テーブルとを参照して特別保留予告を実行するか否かを決定する。特別保留予告用の抽選テーブルは、大当たり結果用の抽選テーブルと外れ結果用の抽選テーブルとが設定されており、保留予告の対象となっている保留情報によって対応する抽選テーブルが取得される。そしてこれら抽選テーブルと抽選カウンタとを利用して特別保留予告(第1特別保留予告)を実行するか、通常保留予告を実行するかを決定する。
なお、大当たり結果用の抽選テーブルのほうが外れ結果用の抽選テーブルよりも特別保留予告となる確率が高く設定されており、本実施の形態では、大当たり結果用の抽選テーブルにおいては70%が特別保留予告となり、外れ結果用の抽選テーブルにおいては10%が特別保留予告となるように設定されている。
続くステップS2002では、ステップS2001の処理結果に基づいて特別保留予告演出を実行するか否かを判定する。特別保留予告演出ではなく通常保留予告演出を実行する場合には、続くステップS2003にて、通常保留予告用の停止結果決定処理を実行する。この停止結果設定処理では、ステップS1806又はステップS1905にて記憶した予告用図柄の情報が、非特定図柄及び特定図柄の何れであるかを把握して、その把握した情報に基づいていずれの図柄を全ての図柄列Z1〜Z3に停止させるかを決定する。そしてこの決定した図柄に対応する通常保留予告用の停止結果テーブルをROM243から読み出し、通常保留予告において有効ラインL1〜L5に停止させる図柄組合せを決定する。
ここで、通常保留予告用の停止結果テーブルについて、図44(a)を参照して説明する。なお、図44(a)においては、予告対応図柄に付される数字が「7」である場合の中ラインL2における停止結果テーブルを例示している。また、各図柄列Z1〜Z3において主図柄と主図柄との間に配置される副図柄を、左右の主図柄に付される数字の中間の数字を用いて便宜的に示し、表示画面Gにおける停止結果の具体例としてアドレス情報D(1)の停止結果を簡易化して示している。
通常保留予告用の停止結果テーブルでは、有効ラインL1〜L5に停止させる図柄組合せによって、主表示領域Rmにおいて全ての図柄列Z1〜Z3に同一の主図柄を停止させる停止結果が複数設定されており、それぞれその停止結果の情報がアドレス情報として記憶されている。この場合、いずれの有効ラインL1〜L5においても同一の主図柄が揃って停止することはなく、且ついずれの有効ラインL1〜L5においても上図柄列Z1と下図柄列Z3にて同一の主図柄によってリーチラインが形成されることがないように設定されている。例えばアドレス情報D(1)が選択され、中ラインL2の上段と右ラインL3の中段及び下段とに予告対応図柄(7)を停止させる場合には、中ラインL2上には上から、「7」が付された主図柄、「6」と「7」の間の副図柄、「6」と「7」の間の副図柄、の順で停止させる図柄組合せが設定されている。
通常保留予告の停止結果の種類としては、主表示領域Rmにおいて同一の主図柄を全ての図柄列Z1〜Z3に停止させる全種類(3×3×3=27)から、有効ラインL1〜L5において同一の主図柄が揃って停止する大当たり結果に対応する図柄組合せ(5)と、リーチ外れとなる図柄組合せ(5ライン×2種類)と、を除いた数となっており、具体的には27−5−10=12種類となっている。
保留予告用の演出設定処理(図43)の説明に戻り、ステップS2003の停止結果決定処理では、上記の通常保留予告用の停止結果テーブルから1の停止結果を決定しそのアドレス情報をRAM244の停止結果アドレス記憶エリア244dに記憶する。そして続くステップS2004にて、通常保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。ステップS2003にて決定した停止結果と、ステップS2004にて決定した演出パターンと、は、変動開始用処理(図29)のステップS809にて停止結果コマンド及びパターンコマンドとして表示制御装置212へ出力される。そして、表示制御装置212のMPU252では、図柄表示装置161に対して、通常保留予告に対応する演出を実行するよう表示制御する。これにより、図柄の変動表示が停止される場合には、全図柄列Z1〜Z3において予告用図柄の情報に対応した図柄が表示画面G内の所定の表示位置に停止表示される。
ステップS2002にて特別保留予告を実行する場合は、ステップS2005に進む。ステップS2005では、特別保留予告用の停止結果設定処理を実行する。この停止結果設定処理では、ステップS1806又はステップS1905にて記憶した予告用図柄の情報が、非特定図柄及び特定図柄の何れであるかを把握して、その把握した情報に基づいていずれの図柄を予告対応図柄とするかを決定する。そしてこの決定した予告対応図柄に対応する特別保留予告用の停止結果テーブルをROM243から読み出し、特別保留予告において有効ラインL1〜L5に停止させる図柄組合せを決定する。
ここで、特別保留予告用の停止結果テーブルについて、図44(b)を参照して説明する。なお、図44(b)においては、予告対応図柄に付される数字が「7」である場合の中ラインL2における停止結果テーブルを例示している。また、各図柄列Z1〜Z3において主図柄と主図柄との間に配置される副図柄を、左右の主図柄に付される数字の中間の数字を用いて便宜的に示し、表示画面Gにおける停止図柄の具体例としてアドレス情報E(3)の停止結果を簡易化して示している。
特別保留予告用の停止結果テーブルでは、有効ラインL1〜L5に停止させる図柄組合せによって、主表示領域Rm及び副表示領域Rsにて全ての図柄列Z1〜Z3に同一の主図柄を停止させる停止結果が複数設定されており、それぞれその停止結果の情報がアドレス情報として記憶されている。この場合、いずれの有効ラインL1〜L5及び非有効ラインL6〜11においても同一の主図柄が揃って停止することはなく、且ついずれの有効ラインL1〜L5においても上図柄列Z1と下図柄列Z3にて同一の主図柄によってリーチラインが形成されることがないように設定されている。例えばアドレス情報E(3)が選択され、中ラインL2の上段と右側非有効ラインL6の中段と左ラインL1における下段とに予告対応図柄(7)を停止させる場合には、中ラインL2上に上から、「7」が付された主図柄、「6」が付された主図柄、「7」と「8」の間の副図柄、の順で停止させる図柄組合せが設定されている。
そして特別保留予告の停止結果の種類としては、主表示領域Rm及び副表示領域Rsにおいて同一の主図柄を全ての図柄列Z1〜Z3に停止させる全種類(5×5×5=125)から、有効ラインL1〜L5において同一の主図柄が揃って停止する大当たり結果に対応する図柄組合せ(5)と、非有効ラインL6〜L11において同一の主図柄が揃って停止する非有効揃いの図柄組合せ(6)と、リーチ外れとなる図柄組合せ(5ライン×4種類)と、上記通常保留予告の図柄組合せ(12)と、を除いた数となっており、具体的には、125−5−6−20−12=82種類となっている。
特別保留予告では、主表示領域Rmに停止する図柄に加えて副表示領域Rsに停止する図柄を利用して保留予告を行うため、通常保留予告と比較してその停止結果の種類が多くなっている。したがって、保留予告における出目が多彩なものとなり、演出の多様化が実現されている。
保留予告用の演出設定処理(図43)の説明に戻り、ステップS2005の停止結果決定処理では、上記の特別保留予告用の停止結果テーブルから一の停止結果を決定しそのアドレス情報をRAM244の停止結果アドレス記憶エリア244dに記憶する。そして続くステップS2006にて、特別保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。
ステップS2005にて決定した停止結果とステップS2006にて決定した演出パターンとは、変動開始用処理(図29)のステップS809にてパターンコマンド及び停止結果コマンドとして表示制御装置212へ出力される。そして表示制御装置212のMPU252では、図柄表示装置161に対して、特別保留予告に対応する演出を実行するよう表示制御する。これにより、図柄の変動表示が停止される場合には、全図柄列Z1〜Z3にて予告用図柄の情報に対応した図柄が表示画面G内の所定の表示位置に停止表示される。
ステップS2006の処理を実行した後は、ステップS2007にてRAM244に開放フラグを格納する処理を実行する。そしてステップS2008にて、ステップS2005の処理結果に基づいて、駆動制御すべき可動役物を役物記憶エリア244gに記憶する処理を実行する。この駆動制御すべき可動役物の情報は、特別保留予告用の停止結果テーブルに記憶されている。例えばステップS2005にてアドレス情報E(3)の停止結果が選択された場合、第1可動役物170及び第2可動役物171を駆動制御すべきと記憶する。これにより、変動中用処理(図35)においてステップS1208にて肯定判定し、対応する可動役物の開閉制御(ステップS1209〜ステップS1214)や図柄表示装置161での表示演出が行われる。
ステップS2004又はステップS2008の処理を実行した後は、ステップS2009にてRAM244に予告実行フラグを格納する処理を実行した後、本保留予告用の演出設定処理を終了する。予告実行フラグは、予告条件が成立し、いずれかの保留予告を実行する遊技回であることをMPU242が把握するためのフラグである。
次に、煽り演出を伴う第2特別保留予告の設定に関する処理を説明する。かかる処理は、変動開始用処理におけるリーチ発生用の演出設定処理(図32)にて行う。
再度図32を参照して説明すると、これから開始する遊技回がリーチ発生に対応する遊技回であり、且つそのリーチ態様がノーマルリーチ表示である場合(ステップS1001:YES)であって、予告条件成立フラグが格納されている場合(ステップS1004:YES)には、ステップS1005に進む。ステップS1005では変動開始用処理(図29)におけるステップS801にてレジスタに記憶した情報を、リーチ発生の遊技回から特別保留予告を行う遊技回であることに書き換える処理を実行する。
続くステップS1006では特別予告用の停止結果決定処理を実行し、ステップS1007では特別保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。これらの処理は上記ステップS2005及びステップS2006の処理と同様である。そしてステップS1006にて決定した停止結果と、ステップS1007にて決定した演出パターンと、は、変動開始用処理(図29)のステップS809にてパターンコマンド及び停止結果コマンドとして表示制御装置212へ出力される。表示制御装置212のMPU252では、図柄表示装置161に対して、特別保留予告に対応する演出を実行するよう表示制御する。これにより、図柄の変動表示が停止される場合には、全図柄列Z1〜Z3にて予告用図柄の情報に対応した図柄が表示画面Gの所定の表示位置に停止表示される。
続くステップS1008ではRAM244に開放フラグを格納する処理を実行し、ステップS1009ではRAM244に煽り演出フラグを格納する処理を実行する。ステップS1010では、駆動制御すべき可動役物を役物記憶エリア244gに記憶する処理を実行する。かかる処理は上記ステップS2008の処理と同様である。これにより、変動中用処理(図35)において、ステップS1201にて肯定判定して煽り演出用の処理(ステップS1202〜ステップS1207)や図柄表示装置161での表示演出が行われ、また、ステップS1208にて肯定判定して対応する可動役物170〜173の開閉制御の処理(ステップS1209〜ステップS1214)や図柄表示装置161での表示演出が行われる。そしてステップS1011にてRAM244に予告実行フラグを格納する処理を実行してから、リーチ発生用の演出設定処理を終了する。
すなわち、煽り演出を伴わない第1特別保留予告の設定に際しては煽り演出フラグの格納処理が行われず、煽り演出を伴う第2特別保留予告に際しては煽り演出フラグの格納処理が行われ、それ以外の停止結果決定処理や演出パターン決定処理、さらに可動役物170〜173の開閉制御のための処理については処理構成が同じとなっている。
また、リーチ発生用の演出設定処理では、停止結果は上記特別保留予告の場合と同様であるものの可動役物170〜173が非遮蔽位置へ移動しない非有効予告演出に関する処理も行う。かかる処理は、ステップS1019の非有効予告抽選処理において非有効予告演出に当選した場合(ステップS1020:YES)に、ステップS1023〜ステップS1028にて行う。
すなわち、ステップS1023では変動開始用処理(図29)におけるステップS801にてレジスタに記憶した情報を、リーチ発生の遊技回から特別保留予告演出を行う遊技回に書き換える処理を実行する。因みに、上記のとおり当該遊技回では特別保留予告演出ではなく非有効予告演出が行われるものの、当該特別保留予告と非有効予告とでは、図柄の停止結果や演出パターンが同様であり可動役物170〜173が非遮蔽位置に移動するか否かのみが異なっている。そのためステップS1023では、先ずは今回の遊技回の演出として特別保留予告演出を行う遊技回として記憶する。このようにすることで、記憶する遊技回の演出態様の種類を少なくし、記憶容量の削減を図っている。
続くステップS1024では、特別保留予告用の停止結果設定処理を実行し、ステップS1025では特別保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。かかる処理は上記ステップS1006及びステップS2006、ステップS1007及びステップS2007の処理と同様である。そしてステップS1024にて決定した停止結果と、ステップS1025にて決定した演出パターンと、は、変動開始用処理(図29)のステップS809にてパターンコマンド及び停止結果コマンドとして表示制御装置212へ出力される。そして表示制御装置212のMPU252では、図柄表示装置161に対して、特別保留予告に対応する変動表示を実行するよう表示制御する。これにより、図柄の変動表示が停止される場合には、全図柄列Z1〜Z3にて予告用図柄の情報に対応した図柄が表示画面Gの所定の表示位置に停止表示される。ただし、上記処理においては開放フラグを格納していないため、上記のとおり実行される演出としては特別保留予告演出ではなく非有効予告演出となる。
そしてステップS2026にて、RAM244の各種フラグ格納エリア244bに非有効予告フラグを格納する処理を実行する。非有効予告フラグは、非有効予告演出を行う遊技回であることをMPU242が把握するためのフラグである。
続くステップS2027ではRAM244に煽り演出フラグを格納する処理を実行し、ステップS2028では駆動制御すべき可動役物を役物記憶エリア244gに記憶する処理を実行する。かかる処理は上記ステップS2008の処理と同様である。これにより、変動中用処理(図35)においてステップS1201にて肯定判定し、煽り演出用の処理(ステップS1202〜ステップS1207)や図柄表示装置161での表示演出が行われる。ステップS2028の処理を実行した後は、本リーチ発生用の演出設定処理を終了する。
さらに上記の非有効予告演出は、煽り演出を伴わないものもある。これは変動開始用処理(図29)における通常外れ用の演出設定処理(ステップS808)にて設定する。かかる処理について、再度図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップS1105にて行われる非有効予告抽選処理にて非有効予告演出に当選した場合(ステップS1106:YES)、ステップS1109に進む。ステップS1109では、今回の遊技回の演出として非有効予告演出をレジスタに記憶する処理を実行する。続くステップS1109では、特別保留予告用の停止結果設定処理を実行し、ステップS1110では、特別保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。これらの処理は上記ステップS1006、ステップS1024及びステップS2005、ステップS1007、ステップS1025及びステップS2006の処理と同様である。そしてステップS1109にて決定した停止結果とステップS1110にて決定した演出パターンとは、変動開始用処理(図29)のステップS809にてパターンコマンド及び停止結果コマンドとして表示制御装置212へ出力される。
表示制御装置212のMPU252では、図柄表示装置161にて特別保留予告に対応する変動表示を実行するよう表示制御する。これにより、図柄の変動表示が停止される場合には、全図柄列Z1〜Z3にて予告用図柄の情報に対応した図柄が表示画面Gの所定の表示位置に停止表示される。ただし、上記処理においては開放フラグを格納していないため、演出としては特別保留予告演出ではなく非有効予告演出となる。
すなわち非有効予告演出では停止結果が特別保留予告と同様であり、また、非有効予告演出と特別保留予告演出とでは可動役物170〜173の開閉制御の有無だけが異なるため演出パターンも同様としている。このように表示画面Gにおける変動表示の内容を共通化しつつ、可動役物170〜173の開閉制御によってその効果(特別保留予告演出となるか非有効予告演出となるかの)を異ならせることで、演出の多様化と変動表示のための処理の簡素化との両立を図っている。
ステップS1110の処理を実行した後は、ステップS1111にて、RAM244に非有効予告フラグを格納する処理を実行してから、本通常外れ用の演出設定処理を終了する。
以上のように、各遊技回の開始に際して表示画面Gにおける停止結果や変動パターンが決定されて各遊技回の演出が行われる。ここで、遊技回の演出が行われているタイミングで作動口115への入賞が発生し、その入賞に基づく保留情報が保留予告の対象となる場合もある。この場合、本実施の形態においては実行中の遊技回において保留予告を行うための処理が行われる。以下、この処理について説明する。
この処理は変動中用処理(図35)のステップS1215及びステップS1216にて行われる。再度図35を参照して説明すると、ステップS1215では、RAM244に予告条件成立フラグが格納されているにも関わらず、RAM244に予告実行フラグが格納されていない状況であるか否かを判定する。ここで、本パチンコ機10では、既に説明したように、予告条件成立フラグが格納されている状況において変動開始用処理(図29)が実行されることで予告実行フラグが格納される。したがって、予告条件成立フラグが格納されているにも関わらず予告実行フラグが格納されていない状況とは、変動開始用処理が実行された後に、すなわち1遊技回における図柄の変動表示が開始された後に、作動口115への新たな入賞が発生し、その入賞に基づき取得された保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立したことを意味する。
ステップS1215にて肯定判定した場合、ステップS1216にて差し替え用処理を実行してから、本変動中用処理を終了する。一方、ステップS1215にて否定判定した場合には、そのまま本変動中用処理を終了する。ここで、図45のフローチャートを参照して差し替え用処理について説明する。
差し替え用処理においては、先ずステップS2101にて非有効予告フラグが格納されているか否かを判定する。非有効予告フラグが格納されていると判定した場合には、続くステップS2102にて非有効予告フラグを消去する。そしてステップS2103にてRAM244に開放フラグを格納し、ステップS2103にてRAM244に予告実行フラグを格納してから、本差し替え用処理を終了する。
すなわち本実施の形態においては、遊技回の開始に際して特別保留予告と停止結果は同一であるものの可動役物170〜173が非遮蔽位置へ移動しない非有効予告演出が設定されている場合には、その非有効予告演出を可動役物170〜173が非遮蔽位置へ移動する特別保留予告に変更する。この場合、停止図柄の修正が必要なく処理負荷の局所的な増加を抑制することができる。
一方、ステップS2101にて非有効予告フラグが格納されていない場合には、ステップS2105にて停止結果修正処理を実行してから、本差し替え用処理を終了する。ここで、図46のフローチャートを参照して停止結果修正処理について説明する。
停止結果修正処理においては、先ずステップS2201にて実行中の遊技回がスーパーリーチ表示に対応する遊技回か否かを判定する。スーパーリーチ表示に対応する遊技回であると判定した場合には、そのまま本停止図柄修正処理を終了する。つまり、スーパーリーチ表示の場合には、予告条件が成立しても保留予告を行わずそのままスーパーリーチ表示を行う。
一方、スーパーリーチ表示に対応する遊技回ではないと判定した場合には、ステップS2202にて予告用図柄記憶エリア244iから予告用図柄の情報を読み出す。そしてステップS2203にて、全ての図柄列Z1〜Z3が高速変動中であるか否かを判定する。
本パチンコ機10における図柄の変動表示について再度図22を参照して説明すると、図柄表示装置161において図柄の変動表示が行われる場合、最初に上図柄列Z1、中図柄列Z2及び下図柄列Z3の全ての図柄列において表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上、不能又は難しくなるように高速変動表示(又は第1速度表示)が行われる。その後、変動開始からT1の期間が経過することで、図22(a)に示すように、先ず上図柄列Z1について、当該上図柄列Z1における表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上容易なものとなるように高速変動表示から低速変動表示(又は第1速度表示よりも遅い第2速度表示)に切り換えられ、変動開始からT2の期間が経過した場合に上図柄列Z1における変動表示が停止される。また、このように変動開始からT2の期間が経過した場合には、図22(b)に示すように、下図柄列Z3について、当該下図柄列Z3における表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上容易なものとなるように高速変動表示から低速変動表示に切り換えられ、変動開始からT3の期間が経過した場合に下図柄列Z3における変動表示が停止される。また、このように変動開始からT3の期間が経過した場合には、図22(c)に示すように、中図柄列Z2において、当該中図柄列Z2における表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上容易なものとなるように高速変動表示から低速変動表示に切り換えられる。そして、変動開始からT4の期間が経過した場合に、中図柄列Z2における変動表示が停止される。
上記構成において、上記T1,T2,T3,T4の期間はROM243に記憶されている各種演出テーブルに応じて、より詳細には各種演出パターンと1対1で対応させて定められている。そして、リーチ演出などは、上記T3の期間の経過後であって、上記T4の期間が経過するまで行われる。
なお、上図柄列Z1の図柄の変動表示が停止されるタイミングと下図柄列Z3の図柄の変動表示速度が切り換えられるタイミングとが同時であることは必須ではなく、両者のタイミングがずれていてもよい。同様に、下図柄列Z3の図柄の変動表示が停止されるタイミングと中図柄列Z2の図柄の変動表示速度が切り換えられるタイミングとが同時であることは必須ではなく、両者のタイミングがずれていてもよい。また、上記T1,T2,T3が遊技回の開始に際して記憶されている保留情報の数に応じて、より詳細には遊技回の開始に際して記憶されている保留情報の数と1対1で対応させて定められている構成としてもよい。更には、遊技回の開始に際して記憶されている保留情報の数が最大保留個数である場合には、T1,T2,T3のいずれかが「0」に設定されていてもよい。
既に説明した通り、MPU242では、RAM244に設けられた経過カウンタを用いて図柄表示装置161における図柄の変動表示の開始からの時間を計測している。また、ROM243に設けられた経過テーブルには、上記T1,T2,T3に対応した各カウンタ値の情報が、遊技回の開始に際して設定され得る演出パターンの情報と1対1で対応付けられた状態で記憶されている。そして、ステップS2203では、現状の経過カウンタに記憶されている値が、経過テーブルにおける上記T1に対応したカウンタ値未満となっているか否かを判定することで、全図柄列Z1〜Z3が高速変動中であるか否かを判定する。
図46のフローチャートに示すように、ステップS2203にて全図柄列Z1〜Z3が高速変動中であると判定した場合には、ステップS2204にて第1修正処理を実行してから、本停止結果修正処理を終了する。また、ステップS2203にて全図柄列Z1〜Z3が高速変動中ではない場合、すなわち上記T1の期間の経過後である場合には、ステップS2205にて下図柄列Z3が高速変動中であるか否かを判定する。かかる処理では、現状の経過カウンタに記憶されている値が、経過テーブルにおける上記T2に対応したカウンタ値未満となっているか否かを判定する。下図柄列Z3が高速変動中である場合、すなわち上記T2の期間の経過前である場合には、ステップS2206にて第2修正処理を実行してから、本停止結果修正処理を終了する。また、ステップS2205にて下図柄列Z3が高速変動中ではない場合、すなわち上記T2の期間の経過後である場合には、ステップS2207にて中図柄列Z2が高速変動中であるか否かを判定する。かかる処理では、現状の経過カウンタに記憶されている値が、経過テーブルにおける上記T3に対応したカウンタ値未満となっているか否かを判定する。中図柄列Z2が高速変動中である場合、すなわち上記T3の期間の経過前である場合には、ステップS2208にて第3修正処理を実行してから、本停止結果修正処理を終了する。ステップS2207にて中図柄列Z2が高速変動中ではない場合、すなわち上記T3の期間の経過後である場合には、停止結果の修正を行わず、そのまま本停止結果修正処理を終了する。
以下、ステップS2204の第1修正処理、ステップS2206の第2修正処理、ステップS2208の第3修正処理について説明する。
第1修正処理では、図47のフローチャートに示すように、ステップS2301にて特別保留予告抽選処理を実行し、ステップS2302にてこの抽選に当選したか否かを判定する。ステップS2301及びステップS2302の処理は、保留予告用の演出設定処理(図43)におけるステップS2001及びステップS2002の処理と同様である。ステップS2205にて特別保留予告演出に当選した場合、ステップS2303にてRAM244に開放フラグを格納する処理を実行し、続くステップS2304にて、対象となる可動役物170〜173を役物記憶エリア244gに記憶する処理を実行する。かかる処理はステップS2008等と同様である。これにより、次回以降の変動中用処理においてステップS1208にて肯定判定して、可動役物の開閉制御用の処理が行われることになる。
続くステップS2305では、実行中の遊技回がノーマルリーチ表示に対応する遊技回であるか否かを判定する。ノーマルリーチ表示である場合には、ステップS2306にてRAM244に煽りフラグを格納する処理を実行する。これにより、次回以降の変動中用処理においてステップS1201にて肯定判定することになる。
ステップS2302にて特別保留予告に当選していない場合、ステップS2304にてノーマルリーチ表示ではない(リーチ非発生である)場合、又はステップS2306の処理を実行した後は、ステップS2307に進む。ステップS2307では、ROM243から第1段階修正情報群としての第1段階修正用テーブルを参照する。第1段階修正用テーブルは、図48(a)に示すように、スーパーリーチ表示が発生する場合を除いた当初の演出パターンの情報と予告用図柄の情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて第1修正用の演出パターンの情報が設定されており、さらに各第1修正用の演出パターンの情報に対応させてアドレス情報が設定されている。この場合、第1修正用の演出パターンの情報は全て、変動開始からT1の期間が経過した後の演出パターンの情報として設定されている。但し、各第1修正用の演出パターンの情報は、当初設定されていた演出パターンにおける変動表示時間を変更しないように設定されている。
ちなみに、第1段階修正用テーブルでは、特別保留予告演出及び通常保留予告演出のそれぞれの演出パターンの情報が予告用図柄の情報と対応させて設定されている。そのため、上記ステップS2302にて特別保留予告演出に当選している場合と、当選していない場合とで、参照する演出パターンは異なっている。
続くステップS2308では、ステップS2202にて特定した予告用図柄の種類情報と、パターンアドレス記憶エリア244eに記憶されている実行中の演出パターンの情報と、の組合せに対応した第1修正用のアドレス情報(第1修正用情報)を第1段階修正用テーブルから特定し、その特定したアドレス情報を、RAM244に設けられた修正アドレス記憶エリア244jに格納する。
修正アドレス記憶エリア244jに、第1修正用のアドレス情報が記憶されることにより、MPU242では経過カウンタの情報に基づき変動開始から上記T1の期間が経過したと判定してからは、今回設定された第1修正用の演出パターンの情報に対応した演出を行うように発光部58及びスピーカ部59を駆動制御する。
そしてステップS2309にて、上記ステップS2308にて格納した第1修正用のアドレス情報を含む修正コマンドを表示制御装置212へ出力する。表示制御装置212では、修正コマンドを受信することに基づいて第1修正用のアドレス情報をワークRAM254の表示側修正アドレス記憶エリアに格納する。また、表示制御装置212のプログラムROM253には、図48(a)に示す第1段階修正用テーブルと同様のテーブルが記憶されている。そして第1修正用のアドレス情報から第1修正用の変動表示パターンを特定し、かかる変動表示パターンにて図柄の変動表示を実行する。これにより、図柄の変動表示が停止される場合には、全図柄列Z1〜Z3にて予告用図柄の情報に対応した図柄が表示画面Gの所定の表示位置に停止表示される。
ステップS2309の処理を実行した後は、ステップS2310にてRAM244に予告実行フラグを格納する処理を実行してから、本第1修正処理を終了する。
次に、図49のフローチャートを参照してステップS2206の第2修正処理について説明する。
第2修正処理においては、先ずステップS2401にて、停止結果アドレス記憶エリア244dに記憶されている情報に基づき主表示領域Rmにおける上図柄列Z1の停止図柄の情報を把握する。この場合、停止図柄の種類情報として、主図柄が1個の場合と2個の場合とが存在するが、1個の場合にはそれを判定対象の図柄として特定し、2個の場合にはその両方を判定対象の図柄として特定する。
続くステップS2402では、ステップS2401にて特定した判定対象の図柄について第1修正条件が成立しているか否かを判定する。当該第1修正条件は、予告用図柄の情報が特定図柄、すなわち奇数が付された主図柄である場合には、判定対象の図柄が特定図柄であれば第1修正条件が成立していると判定されるように設定されているとともに、予告用図柄の種類情報が非特定図柄、すなわち偶数が付された主図柄である場合には、判定対象の図柄が非特定図柄である場合に第1修正条件が成立していると判定されるように設定されている。
第1修正条件が成立していないと判定した場合にはステップS2403に進み、停止結果アドレス記憶エリア244dに記憶されている情報に基づき副表示領域Rsにおける上図柄列Z1の停止図柄の情報を把握する。この場合、停止図柄の種類情報として、主図柄が0個の場合と2個の場合とが存在するが、0個の場合には判定対象が存在しないものとして図柄の特定を行わず、2個の場合にはその両方を判定対象の図柄として特定する。
続くステップS2404では、ステップS2403にて特定した判定対象の図柄について第2修正条件が成立しているか否かを判定する。当該第2修正条件は、上記第1修正条件と同様に、予告用図柄の情報が特定図柄、すなわち奇数が付された主図柄である場合には、判定対象の図柄が特定図柄であれば第2修正条件が成立していると判定されるように設定されているとともに、予告用図柄の種類情報が非特定図柄、すなわち偶数が付された主図柄である場合には、判定対象の図柄が非特定図柄である場合に第2修正条件が成立していると判定されるように設定されている。
すなわち、第1修正条件と第2修正条件とでは、判定対象となる図柄が異なり、第1修正条件は主表示領域Rmに停止する図柄を判定対象とし、第2修正条件は副表示領域Rsに停止する図柄を判定対象とする。このように、主表示領域Rmの停止図柄に加えて副表示領域Rsの停止図柄を判定対象とすることにより、修正条件が成立する可能性が向上する。詳細には、ステップS2401では、主表示領域Rmの停止図柄が特定図柄と非特定図柄との組合せの場合には予告用図柄がいずれであっても第1修正条件は成立するものの、主表示領域Rmの停止図柄が特定図柄と非特定図柄のうちの一方であって予告用図柄が他方である場合には第1修正条件は成立しない。これに対して、ステップS2404では、この第1修正条件が成立しない主表示領域Rmの停止図柄が特定図柄と非特定図柄のうちの一方であって予告用図柄が他方である場合であっても、副表示領域Rsにはその他方の図柄が停止図柄となっているため第2修正条件は成立する。
ステップS2404にて第2修正条件が成立していないと判定した場合には、そのまま停止図柄修正処理を終了する。すなわち、第2修正条件の非成立時は、保留予告を実行せずに変動開始用処理において設定された演出パターンにて遊技回の演出を続行する。ちなみに、ステップS2404で否定判定する場合とは、主表示領域Rmに2個の主図柄が停止する場合であってその停止図柄が特定図柄同士であり(1と9が付された主図柄)、さらに予告用図柄が非特定図柄である場合だけである。
ステップS2404にて第2修正条件が成立していると判定した場合には、ステップS2405にてRAM244に開放フラグを格納する処理を実行し、続くステップS2406にて対象となる可動役物170〜173を役物記憶エリア244gに記憶する処理を実行する。これにより、次回以降の変動中用処理(図35)のステップS1208にて肯定判定し、可動役物の開閉制御の処理が行われることになる。
続くステップS2407では、実行中の遊技回がノーマルリーチ表示に対応する遊技回であるか否かを判定する。ノーマルリーチ表示に対応する遊技回であると判定した場合には、ステップS2408にてRAM244に煽りフラグを格納する処理を実行する。これにより、次回以降の変動中用処理においてステップS1201にて肯定判定することになる。
ステップS2402にて第1修正条件が成立している場合、ステップS2406にてノーマルリーチ表示ではない(リーチ非発生である)場合、又はステップS2408の処理を実行した後は、ステップS2409に進む。ステップS2409では、ROM243に記憶されている第2段階修正情報群としての第2段階修正用テーブルを参照する。第2段階修正用テーブルは、図48(b)に示すように、スーパーリーチ表示が発生する場合を除いた当初の変動表示パターンの情報と判定対象の図柄の種類情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて第2修正用の変動表示パターンの情報が設定されており、さらに各第2修正用の変動表示パターンの情報に対応させてアドレス情報が設定されている。この場合、第2修正用の変動表示パターンの情報は全て、変動開始からT2の期間が経過した後の変動表示パターンの情報として設定されている。但し、各第2修正用の変動表示パターンの情報は、当初設定されていた変動表示パターンにおける変動表示時間を変更しないように設定されている。
因みに、第2段階修正用テーブルでは、特別保留予告演出及び通常保留予告演出のそれぞれの演出パターンの情報が予告用図柄の情報と対応させて設定されている。そのため、上記ステップS2402にて第1修正条件が成立して通常保留予告演出に修正する場合と、ステップS2404にて第2修正条件が成立して特別保留予告演出に修正する場合とで、参照する演出パターンは異なっている。
続くステップS2410では、ステップS2402又はステップS2404にて修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄の種類情報と、パターンアドレス記憶エリア244eに記憶されている実行中の遊技回の演出パターンの情報と、の組合せに対応した第2修正用のアドレス情報(第2修正用情報)を第2段階修正用テーブルから特定し、その特定したアドレス情報を、修正アドレス記憶エリア244jに格納する。
なお、複数の図柄が判定対象となった場合においていずれの図柄についても修正条件が成立する場合には、抽選などによって上記修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄を決定するように構成されている。但し、これに限定されることはなく、付されている数字が小さい側の図柄又は大きい側の図柄が、上記修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄とするように構成してもよい。
修正アドレス記憶エリア244jに第2修正用のアドレス情報が記憶されることにより、MPU242では経過カウンタの情報に基づき変動開始から上記T2の期間が経過したと判定してからは、今回設定された第2修正の変動表示パターンの情報に対応した演出を行うように発光部58及びスピーカ部59を駆動制御する。
そしてステップS2411では、上記ステップS2410にて格納した第2修正用のアドレス情報を含む修正コマンドを表示制御装置212へ出力する。表示制御装置212では、修正コマンドを受信することに基づいて第2修正用のアドレス情報をワークRAM254の表示側修正アドレス記憶エリアに格納する。表示制御装置212のプログラムROM253には、図48(b)に示す第2段階修正用テーブルと同様のテーブルが記憶されている。そして第2修正用のアドレス情報から第2修正用の変動表示パターンを特定し、かかる変動表示パターンにて図柄の変動表示を実行する。これにより、図柄の変動表示が停止される場合には、全図柄列Z1〜Z3にて予告用図柄の情報に対応した図柄が表示画面Gの所定の表示位置に停止表示される。
ステップS2411の処理を実行した後は、ステップS2412にてRAM244に予告実行フラグを格納する処理を実行してから、本第2修正処理を終了する。
次に、図50のフローチャートを参照してステップS2208の第3修正処理について説明する。
第3修正処理においては、先ずステップS2501にて、停止結果アドレス記憶エリア244dに記憶されている情報に基づき主表示領域Rmにおける上図柄列Z1の停止図柄の情報と下図柄列Z3の停止図柄の情報とを把握する。この場合、上図柄列Z1の停止図柄の情報として主図柄が1個の場合と2個の場合とが存在するが、1個の場合にはそれを上図柄列Z1の判定対象の図柄として特定し、2個の場合にはその両方を上図柄列Z1の判定対象の図柄として特定する。また、下図柄列Z3の停止図柄の情報として主図柄が1個の場合と2個の場合とが存在するが、1個の場合にはそれを下図柄列Z3の判定対象の図柄として特定し、2個の場合にはその両方を下図柄列Z3の判定対象の図柄として特定する。
続くステップS2502では、ステップS2501にて特定した判定対象の図柄について第3修正条件が成立しているか否かを判定する。当該第3修正条件は、上図柄列Z1の判定対象の図柄と下図柄列Z3の判定対象の図柄とに、同一種の共通の図柄が存在している場合には修正条件が成立していると判定されないように設定されている。また、同一種の共通の図柄が存在している場合であっても、予告用図柄の情報が特定図柄、すなわち奇数が付された主図柄である場合には、上記同一種の共通の図柄が特定図柄である場合に第3修正条件が成立していると判定されるように設定され、予告用図柄の種類情報が非特定図柄、すなわち偶数が付された主図柄である場合には、上記同一種の共通の図柄が非特定図柄である場合に第3修正条件が成立していると判定されるように設定されている。さらに第3修正条件では、上記同一種の共通の図柄が存在している場合であってもリーチ表示に対応する停止結果の場合、すなわち当該同一種の共通の図柄によってリーチラインが形成される場合には第3修正条件が成立しないように設定されている。
第3修正条件が成立していないと判定した場合には、ステップS2503にて、停止結果アドレス記憶エリア244dに記憶されている情報に基づいて、副表示領域Rsにおける上図柄列Z1の停止図柄の情報と、下図柄列Z3の情報とを把握する。この場合、上図柄列Z1の停止図柄の情報として主図柄が1個の場合と2個の場合とが存在するが、1個の場合にはそれを上図柄列Z1の判定対象の図柄として特定し、2個の場合にはその両方を上図柄列Z1の判定対象の図柄として特定する。また、下図柄列Z3の停止図柄の情報として主図柄が1個の場合と2個の場合とが存在するが、1個の場合にはそれを下図柄列Z3の判定対象の図柄として特定し、2個の場合にはその両方を下図柄列Z3の判定対象の図柄として特定する。
続くステップS2504では、ステップS2501及びステップS2503にて特定した判定対象の図柄について第4修正条件が成立しているか否かを判定する。当該第4修正条件は、主表示領域Rm及び副表示領域Rsにおける上図柄列Z1の判定対象の図柄と下図柄列Z3の判定対象の図柄とに、同一種の共通の図柄が存在している場合には修正条件が成立していると判定されないように設定されている。また、同一種の共通の図柄が存在している場合であっても、予告用図柄の情報が特定図柄、すなわち奇数が付された主図柄である場合には、上記同一種の共通の図柄が特定図柄である場合に第4修正条件が成立していると判定されるように設定され、予告用図柄の種類情報が非特定図柄、すなわち偶数が付された主図柄である場合には、上記同一種の共通の図柄が非特定図柄である場合に第4修正条件が成立していると判定されるように設定されている。
ここで、第4修正条件では第3修正条件とは異なり、上記同一種の共通の図柄が存在している場合に、主表示領域Rmに停止する図柄と副表示領域Rsに停止する図柄とでリーチラインが形成される場合や、副表示領域Rsに停止する図柄同士でリーチラインが形成される場合には、上記他の条件が成立していることを条件に第4修正条件が成立するように設定されている。上述の如く本実施の形態では、リーチ外れ演出が実行される遊技回は保留予告の対象とはならない。つまり、主表示領域Rmに停止する図柄を判定対象とする第3修正条件では、リーチラインが形成される場合には、当該第3修正条件が成立しないように設定されている。
これに対して上記第4修正条件では、変動表示の結果としてリーチ外れの停止結果となる遊技回、すなわち、変動表示が終了し、その停止結果が保留予告のように全ての図柄列Z1〜Z3に同一種の図柄が停止する態様となった場合には、当該遊技回を保留予告として扱うように設定されている。さらに、副表示領域Rsに停止する図柄を含めてリーチラインが形成される場合には、当該副表示領域Rsに停止する図柄を視認可能とせず、すなわち対応する可動役物170〜173を非遮蔽位置に移動せずにリーチ表示を行わないようにしている。つまり、第4修正条件では、副表示領域Rsに停止する図柄を含めてリーチラインが形成される場合には、上記のようにリーチ表示が行われないものの結果としてリーチ外れの停止結果となる遊技回であるとして、第4修正条件が成立するように設定されている。
上記のように、主表示領域Rmの停止図柄に加えて副表示領域Rsの停止図柄を判定対象とすることにより、修正条件が成立する可能性が向上する。詳細には、上図柄列Z1の図柄と下図柄列Z3の図柄とに同一種の共通の図柄が存在するパターンは、主表示領域Rmのみを判定対象とする場合はリーチとなるパターンを除いて1種類の図柄に対して4パターンであるのに対して、副表示領域Rsを含めると12パターンであり3倍となる。
ステップS2504にて第4修正条件が成立していない場合には、そのまま第3修正処理を終了する。すなわちこの場合は、保留予告を実行せずに変動開始用処理において設定された演出パターンに従って遊技回の演出を続行する。
ステップS2504にて第4修正条件が成立している場合には、ステップS2505にてRAM244に開放フラグを格納する処理を実行し、続くステップS2506にて、対象となる可動役物170〜173を役物記憶エリア244gに記憶する処理を実行する。これにより、次回以降の変動中用処理(図35)のステップS1208にて肯定判定し、可動役物の開閉制御用の処理が行われることになる。なお本第3修正処理においては、上記第1,第2修正処理のように修正前がノーマルリーチ表示であるか否かの判定処理は設定されていない。これは、本第3修正処理において、修正前がノーマルリーチ表示の場合は、第3修正条件及び第4修正条件のいずれもが成立しないためである。
ステップS2502にて第3修正条件が成立している場合、又はステップS2506の処理を実行した後は、ステップS2507に進む。ステップS2507では、ROM243に記憶されている第3段階修正情報群としての第3段階修正用テーブルを参照する。第3段階修正用テーブルは、図48(c)に示すように、スーパーリーチが発生する場合を除いた当初の変動表示パターンの情報と判定対象の図柄の種類情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて第3修正用の変動表示パターンの情報が設定されており、さらに各第3修正用の変動表示パターンの情報に対応させてアドレス情報が設定されている。この場合、第3修正用の変動表示パターンの情報は全て、変動開始からT3の期間が経過した後の変動表示パターンの情報として設定されている。但し、各第3修正用の変動表示パターンの情報は、当初設定されていた変動表示パターンにおける変動表示時間を変更しないように設定されている。
因みに、第3段階修正用テーブルでは、特別保留予告演出及び通常保留予告演出のそれぞれの演出パターンの情報が予告用図柄の情報と対応させて設定されている。そのため、上記ステップS2502にて第3修正条件が成立して通常保留予告演出に修正する場合と、ステップS2504にて第4修正条件が成立して特別保留予告演出に修正する場合とで、参照する演出パターンは異なっている。
続くステップS2508では、ステップS2502又はステップS2504にて修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄の種類情報と、パターンアドレス記憶エリア244eに記憶されている実行中の遊技回の演出パターンの情報と、の組合せに対応した第3修正用のアドレス情報(第3修正用情報)を第3段階修正用テーブルから特定し、その特定したアドレス情報を、修正アドレス記憶エリア244jに格納する。
なお、複数の図柄が判定対象となった場合においていずれの図柄についても修正条件が成立する場合には、抽選などによって上記修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄を決定するように構成されている。ただし、これに限定されることはなく、付されている数字が小さい側の図柄又は大きい側の図柄が、上記修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄とするように構成してもよい。
修正アドレス記憶エリア244jに第3修正用のアドレス情報が記憶されることにより、MPU242では経過カウンタの情報に基づき変動開始から上記T3の期間が経過したと判定してからは、今回設定された第3修正用の変動表示パターンの情報に対応した演出を行うように発光部58及びスピーカ部59を駆動制御する。
そしてステップS2509にて、上記ステップS2508にて格納した第3修正用のアドレス情報を含む修正コマンドを表示制御装置212へ出力する。表示制御装置212では、修正コマンドを受信することに基づいて第3修正用のアドレス情報をワークRAM254の表示側修正アドレス記憶エリアに格納する。また、表示制御装置212のプログラムROM253には、図48(c)に示す第3段階修正用テーブルと同様のテーブルが記憶されている。そして第3修正用のアドレス情報から第3修正用の変動表示パターンを特定し、かかる変動表示パターンにて図柄の変動表示を実行する。これにより、図柄の変動表示が停止される場合には、全図柄列Z1〜Z3にて予告用図柄の情報に対応した図柄が表示画面Gの所定の表示位置に停止表示される。
ステップS2509の処理を実行した後は、ステップS2510にてRAM244に予告実行フラグを格納する処理を実行してから、本第3修正処理を終了する。
以上の結果、遊技回の変動表示が行われている最中に予告条件が成立した場合に、当該変動表示が行われている遊技回において保留予告が実行され得るようになる。この場合、図柄の修正処理において主表示領域Rmだけでなく、副表示領域Rsもその修正のための判定対象としたことで、修正できる可能性が飛躍的に向上し、保留予告を実行する機会を増やすことができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留球格納エリア232の保留用エリアREに記憶されているとともに当否判定の対象となっていない保留情報に応じた保留予告が、当該保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回において実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、作動口115への遊技球の入賞を発生させる遊技と、当該入賞に基づき取得された保留情報の当否判定結果を当該保留情報に係る遊技回において確認する遊技だけでなく、複数の保留情報が保留用エリアREに記憶されている場合には当否判定の対象となる順番が後の保留情報について、当否判定の対象となった場合の結果を保留予告の内容に応じて予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高めることができる。
図柄表示装置161の表示画面Gにおける表示態様によって保留予告を行うようにした。これにより、遊技者にとっては各遊技回の当否判定結果を把握しようとして表示画面Gを注目していれば自ずと保留予告を確認することができ、保留予告が行われたにも関わらずそれが見逃されてしまうことが抑制される。また、表示画面Gにおける各遊技回の図柄の停止結果によって保留予告を行うようにしたことにより、保留予告が見逃されないようにするという効果が高められる。特に、各遊技回の図柄の変動表示における停止結果の態様によって保留予告を行うようにしたことにより、遊技者にとっては保留予告が行われるタイミングが分かりづらくなることを抑制し、保留予告を見逃す可能性がより低減される。
上記のように停止結果の態様によって保留予告を行うようにした構成において、表示画面Gにおける図柄が停止表示される領域として主表示領域Rmと副表示領域Rsとを設定し、副表示領域Rsに停止する図柄を可動役物170〜173によって視認可能な状態と視認困難な状態とに切替可能に構成した。そして、当該副表示領域Rsに停止する図柄を含めた停止結果によっても保留予告を行うように設定した。保留予告が行われる場合であっても、このように副表示領域Rsに停止する図柄を含めた停止結果によって行われる場合、当該副表示領域Rsに停止している図柄は上記のように視認困難なため、その図柄が視認困難な状態から視認可能な状態に切り替わるまでは遊技者は、保留予告が行われることに気付きにくい。そのため、保留予告が行われた場合に意外性のある演出とすることが可能となる。また、このように図柄が視認困難な状態から視認可能な状態に切り替わる場合には、対応する可動役物170〜173の動作を伴うため、遊技者がそれを見逃してしまうことを抑制することができる。以上の結果、保留予告に対する注目度を好適に高めることが可能となる。
さらに、副表示領域Rsに停止した図柄を利用して保留予告を行う場合、表示画面Gでの演出だけでなく、可動役物170〜173の動作も伴うため、演出が派手になる。これにより、かかる保留予告に対する注目度の更なる向上が図られている。
各遊技回において図柄の変動表示中に予告条件が成立した場合(予告条件成立フラグが格納された場合)は、当該遊技回において主表示領域Rmに停止させる又は停止している図柄を利用して保留予告を実行することが可能か否かを判定し、実行可能な場合には変動中の図柄列の停止図柄を変更する構成とし、さらに上記実行可能か否かの判定に副表示領域Rsに停止させる又は停止している図柄を加える構成とした。すなわち、保留予告を実行可能か否かの判断材料となる図柄の数と、保留予告の種類(通常保留予告又は特別保留予告)と、が通常保留予告のみを行う構成と比較していずれも増加しているため、変動表示中に予告条件が成立した場合に当該遊技回において保留予告を実行できる可能性を飛躍的に向上させることができる。
このような機能を発揮させるべく、まず通常保留予告を実行可能か否かを判定し、通常保留予告を実行できない場合に特別保留予告を実行可能か否かを判定する構成とした。通常保留予告の場合には、可動役物170〜173の動作の有無に関わらず主表示領域Rmにおける停止図柄のみで保留予告が有効となるため、遊技者としては通常保留予告のほうが特別保留予告よりも保留予告が有効となることに対する安心感を抱くものと考えられる。そのため、通常保留予告を優先して実行する構成とすることで、遊技者としては安心してその後の演出(その後の遊技回)を楽しむことができる。
これに対して、遊技回の開始時に予告条件が成立している状況では、大当たり結果に対応する保留情報が保留条件成立の契機となっていれば、通常保留予告ではなく特別保留予告を優先する構成とした。すなわち、遊技回の最中に予告条件が成立した場合には、予告条件成立の契機に関わらず通常保留予告が優先され、遊技回の開始時に予告条件が成立している場合には特別保留予告が優先される。このため、例えば前回の遊技回においていずれかの保留予告が行われている状況で、当該遊技回において特別保留予告が行われれば、その後の遊技回において大当たり結果となる可能性が高く、一方、前回の遊技回において保留予告が行われていない状況で、予告条件が成立し、且つ当該遊技回において通常保留予告が行われれば、特別保留予告ではなくてもその後に大当たり結果となることへの期待がふくらむ。つまり、基本的には特別保留予告のほうがその後に大当たり結果となる期待度が高いものの、遊技回の最中に作動口115への入賞が発生し、その遊技回において通常保留予告が行われた場合には、その後に大当たり結果となる期待度は特別保留予告と比較しても遜色がないものとしている。このようにすることで、特別保留予告に対する注目度を高めすぎず、通常保留予告であっても遊技者に期待感を抱かせることが可能となる。
上記のように遊技回の最中に予告条件が成立し、当該遊技回において保留予告を実行する場合、高速変動表示中の図柄列の停止図柄を変更する構成とした。高速変動表示中の場合には、遊技者は変動中の図柄を識別することが困難となっており、このような変動中の図柄を変更することにより、当該変更が遊技者に与える違和感を低減することができる。
遊技回の開始時に予告条件が成立していなくても、特別保留予告における停止結果と同じ停止結果となる非有効予告演出の抽選をし、当該抽選に当選した場合には、特別保留予告における停止結果となるように変動表示を開始する構成とした。これにより、当該遊技回において予告条件が成立した場合には、変動中の図柄や停止している図柄を変更することなく、可動役物170〜173を非遮蔽状態とするだけで特別保留予告を行うことが可能となる。したがって、遊技回の最中に予告条件が成立した場合において、上記のように図柄の変更処理が必要なく、保留予告実行に起因した処理負荷の増大を抑制することができる。
特にこの構成においては、各図柄列Z1〜Z3が停止してから確定表示されるまでの停留表示されている期間であっても、停止図柄の変更を伴わないため特別保留予告を実行することができる。これにより、保留予告が行われる機会をさらに増やすことができる。
また、非有効予告演出に当選した場合、当該遊技回の停止結果を上記のように特別保留予告が行われる場合と同じ停止結果とするとともに、RAM244に非有効予告フラグを格納する構成とした。このようにすることで、当該遊技回において予告条件が成立した場合には停止結果を把握するのではなく、上記非有効予告フラグが格納されているか否かを判定するだけで、保留予告を実行可能か否かを判断することができ、処理負荷の極端な増加を好適に回避できる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、リーチ表示を行う遊技回に対応する保留情報が取得された場合に所定の確率で予告条件が成立する構成とした、つまり、保留予告が行われた場合には最終的に何れかの遊技回にてリーチ表示が実行される構成とした。本実施の形態では、保留予告が行われても最終的にリーチ表示が行われない場合が設定されている点で上記第1の実施の形態と相違している。以下、第1の実施の形態との相違する構成について説明する。
先ず、本実施の形態における外れ用予告設定処理について説明する。図51は、本実施の形態における外れ用予告設定処理を示すフローチャートであり、上記図42に示した外れ予告設定処理に代えて実施される処理を示している。なお、外れ用予告設定処理は、既に説明したとおり演出制御装置82のMPU202により保留予告設定処理(図40)のステップS1708にて実行される処理である。
先ずステップS2601では、今回受信している保留コマンドが外れリーチ対応保留コマンドであるか否かを判定する。外れリーチ対応保留コマンドであると判定した場合には、ステップS2602〜ステップS2606の処理を実行する。ステップS2602〜ステップS2606の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS1902〜ステップS1906の処理と同様であるため説明を援用する。
ステップS2601にて、外れリーチ対応保留コマンドではなく通常外れ対応保留コマンドであると判定した場合には、ステップS2607に進む。ステップS2607では、演出側保留記憶数SNが「2」以上であるか否かを判定する。演出側保留記憶数SNが「2」未満の場合は、そのまま本外れ用予告設定処理を終了する。演出側保留記憶数SNが「2」以上である場合は、ステップS2608にて非連続予告抽選処理を実行する。この抽選処理では、RAM244の各種カウンタエリア244aから非連続予告カウンタから取得した値と、ROM243の各種テーブルエリア243aから非連続予告テーブルとを参照して、上述した最終的にリーチ表示が行われない保留予告として非連続予告を実行するか否かを抽選する。続くステップS2609では、ステップS2608の処理に基づいて非連続予告を実行するか否かを判定する。非連続予告を実行しないと判定した場合には、そのまま本外れ用予告設定処理を終了する。
ステップS2609にて、非連続予告を実行すると判定した場合には、ステップS2610〜ステップS2612にて、ステップS2604〜ステップS2606の処理と同様の処理を実行する。すなわち、ステップS2610では外れに対応する予告用図柄の決定処理を実行し、ステップS2611では予告用図柄の記憶処理を実行し、ステップS2612ではRAM244に予告条件成立フラグを格納する処理を実行する。
続くステップS2613では、RAM244の各種フラグ格納エリア244bに非連続フラグを格納する処理を実行する。非連続フラグは非連続予告を行う状態であることをMPU242が把握するためのフラグである。続くステップS2614では、RAM244の各種カウンタエリア244aに設けられた非連続カウンタに「2」を入力する処理を実行する。非連続カウンタは、非連続予告の契機となった保留情報に対応する遊技回をMPU242が把握するためのカウンタである。ステップS2614の処理を実行した後は、本外れ用予告設定処理を終了する。
次に、本実施の形態における保留予告用の演出設定処理について説明する。図52は、本実施の形態における保留予告用の演出設定処理を示すフローチャートであり、上記図43に示した留予告用の演出設定処理に代えて実行される処理を示している。保留予告用の演出設定処理は、既に説明したとおり変動開始用処理(図29)のステップS807にて実行される処理である。
本実施の形態における保留予告用の演出設定処理においては先ず、ステップS2701にてRAM244に上記非連続フラグが格納されているか否かを判定する。非連続フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS2702にて非連続カウンタを1減算する処理を実行する。そしてステップS2703にて、ステップS2702の処理結果に基づいて、非連続カウンタが「0」であるか否かを判定する。
ステップS2701にて非連続フラグが格納されていないと判定した場合、又はステップS2703にて非連続カウンタが「0」ではないと判定した場合は、ステップS2704に進む。ステップS2704では上記ステップS2001と同様に特別保留予告演出抽選処理を実行し、続くステップS2705では上記ステップS2002と同様にステップS2704の処理結果に基づいて特別保留予告演出を実行するか否かを判定する。ステップS2705にて特別保留予告演出を実行しないと判定した場合には、上記ステップS2003及びステップS2004の処理と同様に、ステップS2706及びステップS2707にて通常保留予告用の処理を実行する。
ステップS2703にて非連続カウンタが「0」であると判定した場合、又はステップS2705にて特別保留予告を実行すると判定した場合は、ステップS2708に進む。ステップS2708では特別保留予告用の停止結果決定処理を実行し、続くステップS2709では特別保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。これらの処理は、上記ステップS2005及びステップS2006の処理と同様であるため説明を援用する。
続くステップS2710では、RAM244に上記非連続フラグが格納されているか否かを判定する。非連続フラグが格納されていると判定した場合にはステップS2711に進み、非連続カウンタが「0」であるか否かを判定する。ステップS2710にて非連続フラグが格納されていないと判定した場合、又はステップS2711にて非連続カウンタが「0」ではないと判定した場合は、ステップS2712に進む。ステップS2712及びステップS2713の処理は、上記ステップS2007及びステップS2008の処理と同様であり、ステップS2712ではRAM244に開放フラグを格納する処理を実行し、ステップS2713では対象となる可動役物170〜173を記憶する処理を実行する。
ステップS2707又はステップS2713の処理を実行した後は、ステップS2714にて、RAM244に予告実行フラグを格納する処理を実行してから、本保留予告用の演出設定処理を終了する。
一方、ステップS2711にて非連続カウンタが「0」であると判定した場合、すなわち非連続予告においてその契機となった保留情報に対応する遊技回である場合は、ステップS2715に進む。ステップS2715では、非連続フラグを消去する。そしてステップS2716にて、今回の遊技回の演出を特別保留予告演出ではなく非有効予告演出とする処理を実行する。具体的には、ステップS2716ではRAM244に非有効予告フラグを格納する処理を実行し、RAM244の予告条件成立フラグを消去する処理を実行する。ステップS2716の処理を実行した後は、本保留予告用の演出設定処理を終了する。
なお、図による詳細な説明は省略するが、第1の実施の形態において説明したように、保留予告は変動開始用処理における保留予告用の演出設定処理だけでなく、リーチ発生用の演出設定処理(図32)においても設定される(ノーマルリーチが選択されている場合に煽り演出ありの特別保留予告演出に設定される)。そこで、本実施の形態におけるリーチ発生用の演出設定処理では、ステップS1004にて予告条件成立フラグが格納されていると判定した場合には、上記ステップS2701〜ステップS2703と同様に、先ず非連続フラグが格納されているか否かを判定し、格納されている場合には非連続カウンタから1を減算してからステップS1005へ進み、格納されていなければそのままステップS1005に進むようにする。なお、非連続予告の契機となる保留情報とは完全外れ対応保留コマンドに基づく保留情報であるため、非連続カウンタが「0」となる遊技回がノーマルリーチ表示に対応することはない。
すなわち本実施の形態では、非連続予告においては、その非連続予告の契機となった保留情報に対応する遊技回において、特別保留予告演出と停止結果は一緒であるものの対応する可動役物170〜173が非遮蔽状態とならない非有効予告演出が行われる。この場合、上記のように予告条件成立フラグが消去されるため、以降の遊技回においては保留予告が行われない。
一方で、予告条件成立フラグが消去されることから、その遊技回の実行中に取得した保留情報に基づいて予告条件が成立する場合がある。すなわち、非連続予告の契機となった保留情報に対応する遊技回の実行中に予告条件が成立すると、その遊技回において保留予告が行われる。この場合、予告条件成立フラグが格納されており、且つ予告実行フラグが格納されていない状況であるため、変動中用処理(図35)のステップS1215にて肯定判定して差し替え用処理(ステップS1216)が行われる。差し替え用処理(図45)では、上記のように非有効予告フラグが格納されているためステップS2101にて肯定判定し、ステップS2102〜ステップS2105にて非有効予告演出から特別保留予告演出に差し替えるための処理が行われる。これにより、非連続予告の契機となった保留情報に対応する遊技回において予告条件が成立した場合、保留予告を実行することが可能となる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
保留予告の実施態様の種類として、複数の遊技回に亘って保留予告が行われるものの最終的にリーチ表示に発展せずに保留予告が行われなくなる非連続予告を設け、その非連続予告の契機となった保留情報に対応する遊技回、すなわち保留予告を行わず、且つリーチ表示を行わない遊技回において、非有効予告演出を行う構成とした。そして、この遊技回の実行中に予告条件が成立した場合には、非有効予告演出から特別保留予告演出に差し替える構成とした。これにより、複数の遊技回において保留予告が行われ、その連続する保留予告が途切れたにもかかわらず次の遊技回においてリーチ表示が行われた場合等の期待感を維持させることが可能となる。
特に、本実施の形態においては、非連続予告の最終回の遊技回において非有効予告演出を行う構成としたことから、仮に当該最終回の遊技回において予告条件が成立した場合であっても、非有効予告演出から特別保留予告演出に差し替えるだけでよいので、処理負荷の極端な増加を抑制することが可能となる。
なお、上記最終回の遊技回において非有効予告演出を行う構成は、保留予告を実行しない場合に何らかの不都合が生じ得る遊技回において非有効予告演出を行う構成として適用することができる。この何らかの不都合とは、上記のように非連続予告演出の最終回の遊技回において予告条件が成立した場合であったり、保留記憶数が0で遊技回を実行中である場合であったり、例えば複数回の遊技回に亘って保留予告が行われていない状況(保留予告の実行頻度が低くなっている状況)であったりしてもよい。
保留記憶数が0で遊技回を実行中である場合に保留条件が成立した場合は、当該遊技回において保留予告を実行しなければその保留条件成立の契機となった保留情報の遊技回よりも前の遊技回において保留予告が行われないことになる。そのため、保留記憶数が0で遊技回を開始する場合には、当該遊技回において非有効予告演出を行うように設定しておくことで、仮に当該遊技回において予告条件が成立した場合であっても当該遊技回において保留予告を実行することができずに予告条件成立の契機となった保留情報の遊技回よりも前の遊技回において保留予告が行われなくなるといった不都合の発生を回避できる。
また、保留予告の実行頻度が低くなっている状況とは、しばらくの間(例えば100回以上連続する遊技回に亘って)、予告条件が成立していなかったことを意味する。このような状況において予告条件が成立したにも関わらず、保留予告を実行できなかった場合、せっかくの機会を遊技者に提供することができないことになる。そこで、例えば、保留予告が行われる頻度を把握する頻度把握手段をRAM244に設け、当該頻度把握手段により所定頻度未満であることが把握された場合には、非有効予告演出を行う構成とするとよい。これにより、せっかくの機会を逃すことなく、保留予告を好適に実行することが可能となる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、保留予告の態様が、上記第1,第2の実施の形態と異なっている。すなわち、複数の遊技回に亘って連続的に保留予告が行われる場合には、当該連続的な各遊技回において前回の遊技回で実行された保留予告とは異なる演出を伴う保留予告が行われる。より具体的には、保留予告の態様としては上記第1,第2の実施の形態と同様に各図柄列Z1〜Z3に同一の予告対応図柄を停止させる。そして、予告対応図柄に対してエフェクト等の段階演出としての所謂ステップアップ演出が上記図柄による保留予告に伴って行われる。先ず、図53の概略図を参照して本実施の形態の保留予告の流れについて説明する。
予告条件が成立すると、上記第1,第2の実施の形態と同様に、リーチ表示及び大当たり結果に対応しないように同一の主図柄が各図柄列Z1〜Z3において停止表示される。この場合、予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回の2回前の遊技回において、図53(a)に示すように、段階演出の第1演出として表示画面Gの背景において泡が下方から上方に湧き上がるような表示演出が行われる。
続く遊技回、すなわち予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回の1回前の遊技回において更に保留予告が行われると、段階演出の第2演出として、図53(b)に示すように、予告対応図柄となっている主図柄がオーラ等のエフェクトで囲まれるような表示演出が行われる。そして、続く遊技回が予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回として、図54(c)に示すように大当たり結果となる停止態様で変動表示が終了する。
また、図53(d)→図53(c)に示すように、第1演出を伴う保留予告が行われた次の遊技回において、第2演出とならずに大当たり結果となる場合もある。また、第1演出及び第2演出を経て続く遊技回において外れリーチが行われる場合や、第2演出を経ないで第1演出の次の遊技回において外れリーチが行われる場合もある。
次に、本実施の形態における大当たり用予告設定処理について、図54のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、大当たり用予告設定処理は保留予告設定処理(図40)のステップS1707にて実行される処理であり、図54は図41に示した大当たり用予告設定処理に代えて実行される処理を示している。
本実施の形態における大当たり用予告設定処理では、上記ステップS1801〜ステップS1807の処理と同様に、ステップS2801〜ステップS2807の処理を実行する。ステップS2808では、RAM244の各種カウンタエリア244aに設けられた段階カウンタに、演出側保留記憶数SNから1を減じた数値を入力する。段階カウンタは、予告条件成立の契機となった保留情報よりも前に遊技回の対象となる保留情報の数をMPU242が把握するためのカウンタである。すなわちステップS2808では、今回の保留情報よりも前に遊技回の対象となる保留情報の数を段階カウンタに入力する処理を実行する。
続くステップS2809では、段階演出選択処理を実行する。段階演出選択処理とは、上記の段階演出において、予告条件成立の契機となった保留情報の遊技回の前に、第1演出及び第2演出を伴う保留予告を行う第2段階予告とするか、第2演出を伴う保留予告を行わず第1演出を伴う保留予告のみを行う第1段階予告とするか、のいずれかを選択する処理である。かかる選択率は任意であるが、本実施の形態では、70%の確率で2段階予告が選択されるようになっている。なお、ステップS2809では、RAM244の各種カウンタエリア244aから選択用のカウンタを取得するとともに、ROM243の各種テーブルエリア243aから選択用のテーブルを取得して、上記の選択処理が行われる。
続くステップS2810では、上記ステップS2809の処理結果に基づいて、第1段階予告が選択されたか否かを判定する。第1段階予告ではなく第2段階予告が選択されている場合には、ステップS2811にてRAM244の各種フラグ格納エリア244bに第2段階フラグを格納する処理を実行してから、本大当たり用予告設定処理を終了する。第2段階フラグは、第2段階予告が選択されていることをMPU242が把握するためのフラグである。
ステップS2802にて保留予告発生抽選に当選せず予告条件が成立していないと判定した場合、又はステップS2810にて第1段階予告が選択されていると判定した場合は、そのまま本大当たり用予告設定処理を終了する。
次に、本実施の形態における外れ用予告設定処理について、図55のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、外れ用予告設定処理は、保留予告設定処理(図40)のステップS1708にて実行される処理であり、図55は図42に示した外れ用予告設定処理に代えて実行される処理を示している。
本実施の形態における外れ用予告設定処理では、上記ステップS1901〜ステップS1906の処理と同様に、ステップS2901〜ステップS2906の処理を実行する。そしてステップS2907にて、上記ステップS2808と同様に、段階カウンタに演出側保留記憶数SNから1を減じた数値を入力する処理を実行する。続くステップS2908では、ステップS2809と同様に段階演出選択処理を実行する。かかる処理における選択率は任意であるが、本実施の形態では、ステップS2908の選択処理では70%の確率で第1段階予告が選択されるように設定されている。すなわち、大当たり用予告設定処理における段階演出選択処理では、70%の確率で第2段階予告が選択され、外れ用予告設定処理における段階演出選択処理では、30%の確率で第2段階予告が選択され、第1段階演出が選択された場合のその後に大当たり結果となる期待度よりも、第2段階演出が選択された場合のその後に大当たり結果となる期待度のほうが高く設定されている。
続くステップS2909では、ステップS2810と同様に、ステップS2908の処理結果に基づいて第1段階演出が選択されたか否かを判定し、第1段階演出ではなく第2段階演出が選択されていると判定した場合には、ステップS2910にて第2段階フラグを格納する処理を実行してから、本外れ用予告設定処理を終了する。
ステップS2901にて外れリーチ対応保留コマンドではなく完全外れ対応保留コマンドであると判定した場合、ステップS2903にて保留予告発生に当選せず予告条件が成立していないと判定した場合、又はステップS2909にて第1段階演出が選択されている場合には、そのまま本外れ用予告設定処理を終了する。
次に、本実施の形態における保留予告用の演出設定処理について、図56のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、保留予告用の演出設定処理は、変動開始用処理(図29)におけるステップS807にて実行される処理であり、図56は図43に示した保留予告用の演出設定処理に代えて実行される処理を示している。
本実施の形態における保留予告用の演出設定処理では、先ずステップS3001にてRAM244の各種フラグ格納エリア244bに重複フラグが格納されているか否かを判定し、重複フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS3002にて重複予告設定処理を実行して保留予告用の演出設定処理を終了する。重複フラグ及び重複予告設定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS3001にて重複フラグが格納されていないと判定した場合にはステップS3003に進み、上記段階カウンタが「3」以上であるか否かを判定する。因みに、段階カウンタが「0」である場合、すなわち今回の遊技回が予告条件成立の契機となった保留情報に対応する遊技回である場合は、変動開始用処理(図29)において当該保留予告用の演出設定処理ではなく、大当たり用の演出設定処理(ステップS803)又はリーチ発生用の演出設定処理(ステップS805)が行われる。そのため、ステップS3003にて段階カウンタが「3」以上ではなく「3」未満と判定する場合には、段階カウンタが「0」である場合は含まれず、「2」又は「1」に限定される。
ステップS3003にて段階カウンタが「3」未満、すなわち「2」又は「1」である場合には、ステップS3004にて段階カウンタが「2」であるか否かを判定する。「2」である場合には、ステップS3005にて第2段階フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3004にて段階カウンタが「2」であってステップS3005にて第2段階フラグが格納されている場合とは、予告条件成立の契機となった保留情報よりも前に実行される遊技回に係る保留情報が今回の遊技回に係る保留情報を含めて2個存在し、段階演出選択処理(ステップS2809又はステップS2908)にて第2段階予告が選択されている場合である。つまり、今回の遊技回が第1演出を伴う保留予告を実行すべきことを意味し、この場合ステップS3006にて今回の保留予告の段階演出として、第1演出を行うようにレジスタに記憶する処理を実行する。
ステップS3005にて第2段階フラグが格納されていないと判定した場合は、予告条件成立の契機となった保留情報よりも前に実行される遊技回に係る保留情報が今回の遊技回に係る保留情報を含めて2個存在し且つ段階演出選択処理では第1段階予告が選択されている。この場合、今回の遊技回においてはいずれの保留予告も実行しない。
ステップS3004にて段階カウンタが「2」ではないと判定した場合には、段階カウンタが「1」であることを意味する。この場合には、ステップS3007に進み、第2段階フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3004にて段階カウンタが「1」であって、ステップS3007にて第2段階フラグが格納されていない場合とは、予告条件成立の契機となった保留情報よりも前に実行される遊技回に係る保留情報が、今回の遊技回に係る保留情報として1個存在し、段階演出選択処理では第1段階予告が選択されている場合ある。つまり、今回の遊技回が第1演出を伴う保留予告を実行すべきことを意味し、この場合、上記ステップS3006に進み、今回の保留予告の段階演出として、第1演出を行うようにレジスタに記憶する処理を実行する。
一方、ステップS3007にて第2段階フラグが格納されていると判定した場合は、予告条件成立の契機となった保留情報よりも前に実行される遊技回に係る保留情報が、今回の遊技回に係る保留情報として1個存在し、段階演出選択処理では第2段階予告が選択されている。この場合は、今回の遊技回が第2演出を伴う保留予告を実行すべきことを意味する。そこで、ステップS3008に進み、今回の保留予告の段階演出として、第2演出を行うようにレジスタに記憶する処理を実行する。
ステップS3006又はステップS3008の処理を行った後は、ステップS3009〜ステップS3015にて、上記ステップS2001〜ステップS2009の処理と同様の処理を実行する。
ステップS3003にて段階カウンタが「3」以上である場合、ステップS3005にて第2段階フラグが格納されていない場合、又はステップS3015の処理を実行した後は、ステップS3016にて段階カウンタから1を減算する処理を実行した後、本保留予告用の演出設定処理を終了する。
また、上記第1の実施の形態にて説明したとおり、遊技回の開始に際して保留予告は上記保留予告用の演出設定処理だけでなくリーチ発生用の演出設定処理(図32)においても設定され得る。そこで、以下、本実施の形態におけるリーチ発生用の演出設定処理において保留予告が設定される際の処理について、図57のフローチャートを参照しながら説明する。
すなわち、ステップS1001にて今回の遊技回のリーチ表示がスーパーリーチ表示でなくノーマルリーチ表示であると判定した場合には、ステップS3101にて予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。予告条件成立フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS1012へ進む。一方、予告条件成立フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS3102に進み重複フラグが格納されているか否かを判定する。重複フラグが格納されている場合には、ステップS3103にて重複予告設定処理を行ってから、本リーチ発生用の演出設定処理を終了する。これら重複フラグや重複予告設定処理については後に詳細に説明する。
ステップS3102にて重複フラグが格納されていない場合は、ステップS3104にて段階カウンタが「3」以上又は「0」であるか否かを判定する。段階カウンタが「3」以上又は「0」であると判定した場合にはステップS1012へ進み、保留予告を行わない。なおこの場合、段階カウンタを1減算してからステップS1012へ進む。
一方、ステップS3104にて段階カウンタが「2」又は「1」であると判定した場合は、ステップS3105へ進む。ステップS3105では、段階カウンタが「2」であるか否かを判定し、「2」である場合にはステップS3106にて第2段階フラグが格納されているか否かを判定する。第2段階フラグが格納されていなければ、ステップS1012へ進み、今回は保留予告を行わない。なおこの場合、段階カウンタを1減算してからステップS1012へ進む。ステップS3106にて第2段階フラグが格納されている場合は、ステップS3107にて、今回の保留予告の段階演出として第1演出を行うようにレジスタに記憶する処理を実行する。
ステップS3105にて段階カウンタが「2」ではなく「1」であると判定した場合には、ステップS3108にて第2段階フラグが格納されているか否かを判定する。第2段階フラグが格納されていなければ、上記ステップS3107に進み第1演出をレジスタに記憶する。ステップS3108にて第2段階フラグが格納されている場合、ステップS3109にて、今回の保留予告の段階演出として第2演出を行うようにレジスタに記憶する処理を実行する。
ステップS3107又はステップS3109の処理を実行した後は、ステップS3110にて段階カウンタを1減算する処理を実行し、ステップS3111〜ステップS3117にて上記ステップS1005〜ステップS1011と同様の処理を実行してから、本リーチ発生用の演出設定処理を終了する。
このように、本実施の形態では、予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回の1回前又は2回前の遊技回において保留予告が実行されるように構成されており、段階演出選択処理によって選択された演出が、それら1回前又は2回前の遊技回において保留予告の段階演出として実行される。また、上述の如く、保留予告の段階演出は、第2段階予告が選択されたほうが第1段階予告よりも、その後に大当たり結果となる期待度が高く設定されている。そのため、遊技者としては、第1演出を伴う保留予告が実行された次の遊技回においては、リーチ表示に発展するのではなく、第2演出を伴う保留予告が実行されることを期待すると想定される。このように、本実施の形態のように保留予告において段階的な演出を伴う構成においては、遊技者はその演出がより進展することを期待する。
しかし、保留条件が成立する状況によっては、当該保留条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回に係る保留情報の数によって、上記の段階的な演出を行うことが困難となり得る。すなわち、この保留情報の数が少ない場合には、遊技回ごとの段階的な演出を好適に実行することができない、といった不都合が生じ得る。そこで本実施の形態では、このような不都合を解消すべく、特徴的な構成を備えている。以下、その特徴的な構成について説明する。
図58は本実施の形態における差し替え用処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、差し替え用処理は、変動中用処理(図35)におけるステップS1216にて実行される処理であり、遊技回の実行中に予告条件が成立した場合に行われる処理である。そして図58は図45に示した差し替え用処理に代えて実行される処理を示している。
本実施の形態における差し替え用処理では、先ずステップS3201にて段階カウンタが「2」以上であるか否かを判定する。段階カウンタが「2」以上である場合、すなわち、現在実行中の遊技回を含めずに、予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回に係る保留情報が2個以上含まれている場合には、そのまま本差し替え用処理を終了する。このような場合には、予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回が2回以上あるため、段階演出選択処理によっていずれの段階予告が選択されていても、予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に、選択された段階予告を実行することができる。故に、現在実行中の遊技回において保留予告を行う必要がない。
ステップS3201にて段階カウンタが「2」未満の場合は、段階カウンタは「1」又は「0」となる。ちなみに、上記の保留予告用の演出設定処理(図56)におけるステップS3003の場合とは異なり、ステップS3201にて否定判定する場合には、段階カウンタが「0」の場合も含まれる。これは、この差し替え用処理が変動中用処理(図35)において実行され、保留予告用の演出設定処理が変動開始用処理(図29)において実行され、実行され得るタイミングが異なることに起因する。すなわち、この差し替え用処理は段階カウンタが1減算された後に行われる処理であり、予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回が現在実行している遊技回のみ(段階カウンタが「0」)の場合が含まれる。
ステップS3201にて段階カウンタが「1」又は「0」である場合、ステップS3202に進み、段階カウンタが「1」であって、且つ第2段階フラグが格納されていないか否かを判定する。段階カウンタが「1」であって、且つ第2段階フラグが格納されていない場合とは、現在実行中の遊技回を含めずに予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回に係る保留情報が1個存在し、段階演出選択処理によって第1段階予告が選択されていることを意味する。この場合、現在実行中の遊技回ではなく、次の遊技回において第1演出を伴う保留予告を実行すればよいため、そのまま本差し替え用処理を終了する。
ステップS3202にて否定判定する場合とは、段階カウンタが「1」であって且つ第2段階フラグが格納されている場合、又は段階カウンタが「0」である場合を意味し、これらの条件を満たすことでステップS3203に進む。ステップS3203では、段階カウンタが「0」であって、且つ第2段階フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3203にて否定判定する場合とは、段階カウンタが「1」であって且つ第2段階フラグが格納されている場合、又は段階カウンタが「0」であって且つ第2段階フラグが格納されていない場合を意味する。前者の場合、現在実行中の遊技回において第1演出を伴う保留予告を行うとともに、次の遊技回において第2演出を伴う保留予告を行うべきであり、また、後者の場合、現在実行中の遊技回において第1演出を伴う保留予告を行うべきことを意味する。すなわち、何れの場合であっても、現在実行中の遊技回において第1演出を伴う保留予告を行う必要がある。そこで、ステップS3203にて否定判定した場合、ステップS3204にて非有効予告フラグが格納されているか否かを判定し、格納されていると判定した場合には、ステップS3205にて非有効予告フラグを消去し、ステップS3206にて開放フラグを格納し、ステップS3207にて対象となる可動役物170〜173を記憶し、ステップS3208にて予告実行フラグを格納する。これらステップS3204〜ステップS3208の処理はステップS2101〜ステップS2105の処理と同様であり、これらの処理により現在実行中の遊技回において特別保留予告が実行されることになる。
ステップS3204にて非有効予告フラグが格納されていないと判定した場合は、ステップS3209にて停止結果修正処理を実行する。ステップS3209の処理はステップS2106(図45)の処理と概ね同様である。但し、本実施の形態においては、第2修正処理(図49)又は第3修正処理(図50)において、現在実行中の遊技回において保留予告を実行できないと判定された場合の処理が異なっている。そこで、図59及び図60のフローチャートを参照しながら、本実施の形態における第2修正処理及び第3修正処理について説明する。なお、図59は図49に代えて実行される処理を示し、図60は図50に代えて実行される処理を示す。また、第2修正処理及び第3修正処理についての変更点は同様のため、以下の説明では、第2修正処理及び第3修正処理をまとめて説明する。
すなわち、第2修正処理(図59)ではステップS2404にて第2修正条件が成立せず、第3修正処理(図60)ではステップS2504にて第4修正条件が成立せず、副表示領域Rsの図柄を含めても現在実行中の遊技回において保留予告を実行できないと判定した場合には、第2修正処理(図59)ではステップS3301にて、第3修正処理(図60)ではステップS3401にて、段階カウンタが「1」で且つ第2段階フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3301又はステップS3401にて肯定判定する場合とは、現在実行中の遊技回においては保留予告を実行できないものの、次の遊技回において段階演出を第2段階まで発展させなくてはいけないことを意味する。この場合、第2修正処理(図59)ではステップS3302にて、第3修正処理(図60)ではステップS3402にて、RAM244に重複フラグを格納する処理を実行してからこれら修正処理を終了する。重複フラグは、一の遊技回において第1演出を伴う保留予告及び第2演出を伴う保留予告のいずれをも実行すべきことを、MPU242が把握するためのフラグである。ステップS3301又はステップS3401にて否定判定した場合、すなわち、段階カウンタが「0」であって且つ第2段階フラグが格納されていない場合は、そのままこれら修正処理を終了する。
差し替え用処理(図58)の説明に戻り、ステップS3208又はステップS3209の処理を実行した後は、ステップS3210にて予告実行フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3210にて予告実行フラグが格納されている場合は、上記いずれかの処理において現在実行中の遊技回にて保留予告が実行可能とされたことを意味する。この場合、ステップS3211にて今回の保留予告の段階演出として第1演出を実行するようにレジスタに記憶する処理を実行してから、本差し替え用処理を終了する。
また、ステップS3203にて段階カウンタが「0」であって、且つ第2段階フラグが格納されている場合、ステップS3212にて重複予告用修正処理を実行してから、本差し替え用処理を終了する。
ここで、上記のように第2修正処理(図59)や第3修正処理(図60)おいて重複フラグが格納されることにより、次の遊技回の開始時に実行される変動開始用処理(図29)における保留予告用の演出設定処理(図56)のステップS3001にて肯定判定し、ステップS3002にて重複予告設定処理が行われる。また、リーチ発生用の演出設定処理(図57)のステップS3102にて肯定判定し、ステップS3103にて重複予告設定処理が行われる。なお、ステップS3002の処理とステップS3103の処理とは同様の処理である。そこで、先ずこの重複予告の概要について簡単に説明し、そしてステップS3002及びステップS3103の重複予告設定処理について説明し、その後、差し替え用処理(図58)における重複予告用修正処理(ステップS3212)について説明する。
重複予告とは、一の遊技回において停止結果を変更せずに複数回の保留予告を行う演出をいう。この重複予告ではその停止結果の態様が、各図柄列Z1〜Z3に同一の2種類の図柄が停止する特殊態様となるように定められている。特殊態様としては、図61(a)の概略図に示すように、主表示領域Rmと副表示領域Rsとに亘って形成されるクロスラインリーチのリーチラインを形成する態様であって、中図柄列Z2に同クロスラインリーチのリーチラインを形成する2つのリーチ図柄がいずれの大当たり結果ともならないように停止する第1特殊態様と、図61(b)の概略図に示すように、左右の副表示領域Rs1,Rs2において2つの保留予告を構成する主図柄をそれぞれ1つずつ停止表示させる第2特殊態様とが設定されている。
<第1特殊態様となる重複予告>
以下、図62及び図63の概略図を参照して第1特殊態様となる重複予告の流れについて説明する。第1特殊態様となる重複予告では、図62(a)に示すように、例えば予告用図柄が「7」が付された主図柄(特定図柄)であり、「7」が付された主図柄によって右側右下がりラインL7にリーチラインを形成させるとともに、「6」が付された主図柄によって右側右上がりラインL8にリーチラインを形成させ、さらに中図柄列Z2においては中ラインL2に「6」が付された主図柄が停止し、右側非有効ラインL6に「7」が付された主図柄が停止する態様が選択されたとする。この場合、開放すべき可動役物として、第1可動役物170と第2可動役物171とが設定されており、さらにその開放順序としては、はじめに第1可動役物170が開放制御され、次に第2可動役物171が開放制御されるように設定されている。また、これら第1可動役物170及び第2可動役物171の開放タイミングは、いずれも全図柄列Z1〜Z3が停止表示されてから開放制御されるように設定されている。
図62(b)に示すように、全図柄列Z1〜Z3が停止表示された後のt1のタイミングで第1可動役物170が開放制御されると、「6」が付された主図柄(非特定図柄)による保留予告が成立し、このタイミングで第1演出が発生する。さらにその後のt2のタイミングで、図62(c)に示すように、第2可動役物171が開放制御されると、予告用図柄として設定されている「7」が付された主図柄(特定図柄)による保留予告が成立し、このタイミングで第2演出が発生する。この場合、全図柄列Z1〜Z3が停止表示されてからこれら第1可動役物170及び第2可動役物171が連続して開放制御され、それに伴い段階演出(第1演出及び第2演出)が発生するため、1回の遊技回において停止結果を変更することなく段階的な保留予告を実現することが可能となり、意外性ある演出とすることができる。
ここで、上記図62(a)〜(c)と同じ停止態様であっても、予告用図柄が「6」が付された主図柄(非特定図柄)である場合には、当該重複予告において可動役物の開放タイミングが異なる。
すなわち、図63(a)に示すように、「7」が付された主図柄によって右側右下がりラインL7にリーチラインを形成させるとともに、「6」が付された主図柄によって右側右上がりラインL8にリーチラインを形成させ、さらに中図柄列Z2においては中ラインL2に「6」が付された主図柄が停止し、右側非有効ラインL6に「7」が付された主図柄が停止する態様が選択されたとする。この場合、開放すべき可動役物として、第1可動役物170と第2可動役物171とが設定されており、さらにその開放順序としては、上記特定図柄が予告用図柄の場合とは逆で、はじめに第2可動役物171が開放制御され、次に第1可動役物170が開放制御されるように設定されている。また、これら第1可動役物170及び第2可動役物171の開放タイミングは、いずれも全図柄列Z1〜Z3が停止表示されてから開放制御されるように設定されている。
図63(b)に示すように、全図柄列Z1〜Z3が停止表示された後のt1のタイミングで第2可動役物171が開閉制御されると、右側非有効ラインL6の下段に停止表示されている「7」が付された主図柄が視認可能となるものの、いずれの主図柄も全図柄列Z1〜Z3には出現しておらず、保留予告は成立しない。図63(c)に示すように、その後のt2のタイミングで第1可動役物170が開閉制御されると、右側非有効ラインL6において上段に「6」が付された主図柄が視認可能となるとともに、中段に「7」が付された主図柄が視認可能となる。この場合、「6」と「7」とによる保留予告が同時に成立することになり、段階演出としては第1演出と第2演出とが同時に発生する。なお、第2演出は予告用図柄である「6」が付された主図柄に対して発生する。
このように、予告用図柄が非特定図柄(この例の場合は「6」)であり通常大当たり結果に対応するものである場合には、段階予告において複数の保留予告を同時に成立させる構成としている。これは、仮に第1段階として奇数が付された確変大当たり結果に対応する主図柄(特定図柄)で保留予告が成立し、第2段階で偶数が付された予告用図柄としての通常大当たり結果に対応する主図柄(非特定図柄)で保留予告が成立する構成とすると、遊技者としてはその後に期待できる大当たり結果が確変大当たり結果から通常大当たり結果に降格してしまったと落胆してしまう可能性があるからである。かといって、第1段階として非特定図柄で保留予告を成立させ、第2段階として他の非特定図柄で保留予告を成立させようとすると、停止している図柄を再変動させる必要が生じたり、再変動を要しなくても図柄配列や停止図柄数の変更が必要であったりするため、結局は構成の複雑化が生じ得る。そこで、このように非特定図柄と特定図柄とによる複数の保留予告を同時に成立させるとともに、第2演出において予告用図柄を非特定図柄において発生させることで、遊技者に落胆させる間をあたえずに予告用図柄を認識させることが可能となる。
<第2特殊態様となる重複予告>
以下、図64の概略図を参照して第2特殊態様となる重複予告の流れについて説明する。第2特殊態様としては、図64(a)に示すように、例えば予告用図柄が「7」が付された主図柄であり、その停止結果が、右側非有効ラインの下段に「7」が付された主図柄を停止表示させ、中ラインL2の中段に「7」が付された主図柄を停止表示させ、左ラインL1の上段と、中ラインL2の中段と、右側非有効ラインL6の下段と、にそれぞれ「7」が付された主図柄(特定図柄)が停止表示される態様が選択されたとする。この場合、右ラインL3の上段と、左側非有効ラインL9の中段と、中ラインL2の下段と、に「6」が付された主図柄(非特定図柄)が停止する。開放すべき可動役物としては、第2可動役物171、第3可動役物172及び第4可動役物173が設定されており、さらにその開放順序としては、はじめに第3可動役物172及び第4可動役物173が開放制御され、次に第2可動役物171が開放制御されるように設定されている。また、これら第2可動役物171、第3可動役物172及び第4可動役物173の開放タイミングは、いずれも全図柄列Z1〜Z3が停止表示されてから開放制御されるように設定されている。
図64(b)に示すように、全図柄列Z1〜Z3が停止表示された後のt1のタイミングで第3可動役物172及び第4可動役物173を開放制御させることで、「6」が付された主図柄による保留予告が成立し、同時に第1演出が発生する。そしてその後のt2のタイミングで、図64(c)に示すように、第2可動役物171を開放制御させることで、「7」が付された主図柄による保留予告が成立し、同時に第2演出が発生する。
この第2特殊態様となる停止結果は、予告用図柄が特定図柄である場合のみ選択されるように設定されている。これは、上記のように第1特殊態様となる停止結果では、1つの可動役物を開放制御させることで複数(2つ)の保留予告を構成する図柄を視認可能としそれらの保留予告を成立させることができたが、第2特殊態様となる停止結果では、それぞれ異なる可動役物を開放制御させないと複数の保留予告を構成する図柄を視認可能としそれらの保留予告を成立させることができないことに起因する。この場合、複数の可動役物が同時に開放制御されたとしても、可動役物がそれぞれ異なる位置に配置されている以上、遊技者はそれぞれの可動役物を異なるタイミングで視認することが想定され、その結果、その可動役物の背後に存在していた図柄も異なるタイミングで視認されるが想定される。この場合、例えば遊技者が、はじめに特定図柄を確認し、その後に非特定図柄を確認してしまうと、その後に期待できる大当たり結果が確変大当たり結果から通常大当たり結果に降格してしまったと落胆しかねない。特に第2特殊態様となる停止結果の場合は、左右の副表示領域Rs1,Rs2といった離れた領域に停止する図柄を利用するため、上記のように異なるタイミングでそれぞれの図柄を確認する可能性は高くなる。そこで、この第2特殊態様を、予告用図柄が確変大当たり結果に対応する特定図柄である場合にのみ選択されるようにすることで、遊技者を落胆させてしまう可能性を低減することが可能となる。
保留予告用の演出設定処理における重複予告設定処理では、図65のフローチャートに示すように、先ずステップS3501にて今回の遊技回の演出パターンとして重複予告に設定する処理を実行し、ステップS3502にて重複予告用の停止結果決定処理を実行する。重複予告用の停止結果決定処理では、ROM243の各種テーブルエリア243aに設けられた重複予告用の停止結果テーブルと予告用図柄とを用いて今回の重複予告演出における停止結果を決定する。重複予告用の停止結果テーブルでは、予告用図柄と上記特殊態様となる停止結果とが任意の組合せとして1対1で対応付けられて設定されている。またその特殊態様の停止結果に対応させて開放制御すべき可動役物170〜173も設定されているとともに、その開放順序及び開放タイミングも設定されている。また上記のように、予告用図柄が特定図柄の場合には第1特殊態様及び第2特殊態様のいずれかが選択されるように設定されており、予告用図柄が非特定図柄の場合には第1特殊態様が選択される。そして予告用図柄が非特定図柄であって第1特殊態様が選択される場合の可動役物170〜173の開放順序は、上記のように、2回目の開放タイミングで特定図柄及び非特定図柄による保留予告が同時に成立するように設定されている。
続くステップS3503では、今回の保留予告の段階演出として第1演出及び第2演出を行うことをレジスタに記憶する処理を実行する。そしてステップS3504にてこれら各演出(可動役物170〜173の開放制御及びエフェクト演出)の実行タイミングを、上記重複予告用の停止結果テーブルを参照してレジスタに記憶する処理を実行する。続くステップS3505では開放フラグを格納する処理を実行し、ステップS3506では予告実行フラグを格納する処理を実行する。これにより、変動中用処理では、ステップS3504にて記憶したタイミングで対応する可動役物170〜173の開放制御が行われ、それと同時に図柄表示装置161において段階演出が行われる。
次に、上記差し替え用処理(図58)において行われる重複予告用修正処理(ステップS3212)について、図66のフローチャートを参照しながら説明する。
重複予告用修正処理では、ステップS3601にて、現在実行中の遊技回がスーパーリーチ表示に対応する遊技回か否かを判定する。スーパーリーチ表示に対応する遊技回であると判定した場合には、そのまま本重複予告用修正処理を終了する。スーパーリーチ表示に対応する遊技回ではないと判定した場合には、ステップS3602にて予告用図柄を把握する処理を実行する。そして、ステップS3603にて、現在実行中の遊技回において全図柄列Z1〜Z3が高速変動中か否かを判定する。ステップS3603にて肯定判定した場合、ステップS3604にて開放フラグを格納した後、ステップS3605にて、現在実行中の遊技回がノーマルリーチ表示に対応する遊技回であるか否かを判定する。ノーマルリーチ表示に対応する遊技回であると判定した場合には、ステップS3606にて煽り演出フラグを格納する。
ステップS3605にてノーマルリーチ表示に対応する遊技回ではないと判定した場合、又はステップS3606の処理を実行した後は、ステップS3607にてROM243の各種テーブルエリア243aから第4段階修正情報群としての第4段階修正用テーブルを参照し、続くステップS3608では第4修正用のアドレス情報を記憶し、さらにステップS3609にて保留予告の段階演出として第1演出と第2演出とを実行するようにレジスタに記憶する処理を実行し、ステップS3610にて対象となる可動役物170〜173を記憶する処理を実行する。
第4段階修正用テーブルは、図67(a)に示すように、スーパーリーチ表示が発生する場合を除いた当初の演出パターンの情報と予告用図柄の情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて第4修正用の演出パターンの情報と停止結果の情報とが設定されており、さらに各第4修正用の演出パターン及び停止結果の情報に対応させてアドレス情報が設定されている。この場合、第4修正用の演出パターンの情報は全て、変動開始からT1の期間が経過した後の演出パターンの情報として設定されている。但し、各第4修正用の演出パターンの情報は、当初設定されていた演出パターンにおける変動表示時間を変更しないように設定されている。
また、第4修正用の停止結果の情報は、全て、第1特殊態様又は第2特殊態様となる停止結果として定められている。さらに、第4段階修正用テーブルにおける第4修正用の演出パターンの情報には、これら特殊態様となる停止結果において開放制御すべき可動役物170〜173の情報とその開放順序とが予告用図柄の情報に対して1対1で対応させて設定されている。そして可動役物170〜173の開放順序に対応させて保留予告における段階演出(第1演出及び第2演出)の発生タイミングが定められている。
ステップS3610の処理を実行した後は、ステップS3611にて上記第4段階修正用テーブルに基づいて、各演出(可動役物の開放制御、段階演出)の実行タイミングをレジスタに記憶する処理を実行する。その後、ステップS3612にて予告実行フラグを格納し、本重複予告用修正処理を終了する。
上記の重複予告と煽り演出との関係を説明すると、重複予告が行われる場合の煽り演出は、はじめに開放制御される可動役物において行われるように設定されている。すなわち、上記図62に示した例を参照して説明すれば、全図柄列Z1〜Z3が停止表示された後、第1可動役物170が開放制御するか否かの煽り演出が実行され、その後第1可動役物170が開放制御され、続けて第2可動役物171が開放制御されるように設定されている。但し、この演出の構成は遊技回の変動表示時間を変更しない範囲で任意であり、例えば重複予告が行われる場合には通常よりも煽り演出が短い長さで行われるように設定し、それぞれの可動役物170〜173が開放制御される前にその短い煽り演出が行われるようにしてもよい。
また、煽り演出が行われない場合における重複予告については、既に説明したとおり本パチンコ機10においては全図柄列Z1〜Z3が停止表示されてから確定表示に至るまでの、所謂停留表示されている待機時間が2secと比較的長く設定されている。そのため、例えば重複予告において、全図柄列Z1〜Z3が停止表示されてから第1段階目の演出で1secを要し、第2段階目の演出で1secを要しても、それぞれの演出を遊技者が確認できる程度に設定されており無理なく演出を行えるようになっている。
重複予告用修正処理(図66)の説明に戻り、ステップS3603にて全図柄列Z1〜Z3が高速変動中ではないと判定した場合は、ステップS3613に進む。ステップS3613では、下図柄列Z3が高速変動中であるか否かを判定する。下図柄列Z3が高速変動中である場合は、ステップS3614に進み、第5修正条件が成立しているか否かを判定する。ここで、第5修正条件は、中ラインL2の上段にいずれかの主図柄が停止している又は停止する予定である場合には予告用図柄がいずれであっても修正条件が成立していると判定されるように設定され、中ラインL2の上段にいずれかの主図柄が停止している又は停止する予定ではない場合には予告用図柄が特定図柄である場合に修正条件が成立していると判定されるように設定されている。
ステップS3614にて第5修正条件が成立していると判定した場合には、ステップS3615〜ステップS3617にて上記ステップS3604〜ステップS3606と同様の処理を実行する。
ステップS3618では、ROM243から第5段階修正情報群としての第5段階修正用テーブルを参照し、ステップS3619では第5修正用のアドレス情報を記憶し、更にステップS3620では、保留予告の段階演出として第1演出と第2演出とを実行するようにレジスタに記憶する処理を実行し、ステップS3621では対象となる可動役物170〜173を記憶する処理を実行する。
第5段階修正用テーブルは、第4段階修正用テーブルと同様に、図67(b)に示すように、スーパーリーチ表示が発生する場合を除いた当初の演出パターンの情報と予告用図柄の情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて第5修正用の演出パターンの情報と停止結果の情報とが設定されており、さらに各第5修正用の演出パターン及び停止結果の情報に対応させてアドレス情報が設定されている。この場合、第5修正用の演出パターンの情報は全て、変動開始からT2の期間が経過した後の演出パターンの情報として設定されている。但し、各第5修正用の演出パターンの情報は、当初設定されていた演出パターンにおける変動表示時間を変更しないように設定されている。
また、第5修正用の停止結果の情報は第4修正用の停止結果の情報と同様に、全て、第1特種態様又は第2特殊態様となる停止結果として定められている。さらに、第5修正用の演出パターンの情報には、これら特殊態様となる停止結果において開放制御すべき可動役物170〜173の情報とその開放順序とが予告用図柄の情報に対して1対1で対応させて設定されている。そして可動役物170〜173の開放順序に対応させて保留予告における段階演出(第1演出及び第2演出)の発生タイミングが定められている。
ステップS3621の処理を実行した後は、ステップS3622にて上記第5段階修正用テーブルに基づいて、各演出(可動役物の開放制御、段階演出)の実行タイミングをレジスタに記憶する処理を実行する。そして、ステップS3623にて予告実行フラグを格納してから、本重複予告用修正処理を終了する。
一方、ステップS3614にて第5修正条件が成立していないと判定した場合には、重複予告に修正することなく、更に重複予告ではない保留予告(通常保留予告又は特別保留予告)にも修正することもなく、本重複予告用修正処理を終了する。本実施の形態では、上述の如く段階的な保留予告を設定する構成とし、第2段階予告のほうが第1段階予告よりもその後に大当たり結果となる期待度が高くなるように設定されている。
なお、本実施の形態では、第1段階までしか発展せずにリーチ表示となるよりも、保留予告が行われずにリーチ表示となったほうが期待度が高くなるように設定されている。そのため、上記のように第5修正条件が成立していない場合には、保留条件が成立していても保留予告を実行しない構成とすることで、その後のリーチ表示への注目度を好適に高めることが可能となる。
重複予告用修正処理(図66)の説明に戻り、ステップS3613にて下図柄列Z3が高速変動中ではないと判定した場合には、ステップS3624に進む。ステップS3624では、中図柄列Z2が高速変動中であるか否かを判定する。高速変動中であると判定した場合には、そのまま本重複予告用修正処理を終了するつまり、中図柄列Z2が高速変動中である場合には保留条件が成立しても保留予告が行われることはない。
ステップS3624にて中図柄列Z2が高速変動中である場合は、ステップS3625にて第6修正条件が成立しているか否かを判定する。第6修正条件は、上図柄列Z1及び下図柄列Z3に停止している又は停止する予定の各図柄が第1特殊態様に対応している場合には予告用図柄がいずれであっても成立するように設定され、上図柄列Z1及び下図柄列Z3に停止している又は停止する予定の各図柄に同一の図柄が2種類存在する場合には予告用図柄が特定図柄であることを条件に成立するように設定されている。
ステップS3625にて第6修正条件が成立している場合には、ステップS3626にて開放フラグを格納する。そしてステップS3627にて、ROM243から第6段階修正情報群としての第6段階修正用テーブルを参照し、ステップS3628では第6修正用のアドレス情報を記憶し、更にステップS3629では保留予告のエフェクト演出として第1演出と第2演出とを実行するようにレジスタに記憶する処理を実行し、ステップS3630では対象となる可動役物170〜173を記憶する処理を実行する。
第6段階修正用テーブルは、第4,第5段階修正用テーブルと同様に、図67(c)に示すように、スーパーリーチ表示が発生する場合を除いた当初の演出パターンの情報と予告用図柄の情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて第6修正用の演出パターンの情報と停止結果の情報とが設定されており、さらに各第6修正用の演出パターン及び停止結果の情報に対応させてアドレス情報が設定されている。第6修正用の演出パターンの情報は全て、変動開始からT3の期間が経過した後の演出パターンの情報として設定されているが、各第6修正用の演出パターンの情報は当初設定されていた演出パターンにおける変動表示時間を変更するものではない。
また、第6修正用の停止結果の情報は第4,第5修正用の停止結果の情報と同様に、全て、各図柄列Z1〜Z3に同一の2種類の図柄が停止する特殊態様、具体的には第1特種態様又は第2特殊態様となる停止結果として定められている。さらに、第6修正用の演出パターンの情報には、これら特殊態様となる停止結果において開放制御すべき可動役物170〜173の情報とその開放順序とが予告用図柄の情報に対して1対1で対応させて設定されている。そして可動役物170〜173の開放順序に対応させて保留予告における段階演出(第1演出及び第2演出)の発生タイミングが定められている。
ステップS3630の処理を実行した後は、ステップS3631にて上記第6段階修正用テーブルに基づいて、各演出(可動役物の開放制御、段階演出)の実行タイミングをレジスタに記憶する処理を実行する。その後、ステップS3632にて予告実行フラグを格納し、本重複予告用修正処理を終了する。
またステップS3625にて第6修正条件が成立していないと判定した場合には、上記ステップS3614の場合と同様の理由から、重複予告ではない予告を実行することなく、そのまま本重複予告用修正処理を終了する。
このように、遊技回の実行中に予告条件が成立した場合には、変動中用処理において、予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回に係る保留情報の数と、現在実行中の遊技回の変動表示の状況と、によって、段階演出がそれぞれ設定される。そして、現在実行中の遊技回において複数(2個)の保留予告を実行すべき状況の場合には、実行中の遊技回の演出及び停止結果が重複予告に修正される。
次に、予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回に係る保留情報の数と、段階演出選択処理によって選択された段階演出の種類と、実行中の遊技回において保留予告を実行可能か否かの実行条件(状況)と、の各関係について図68を参照しながら説明する。
先ず、予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回に係る保留情報の数が2個以上、すなわち2個又は3個の場合には、段階演出選択処理によっていずれの段階演出が選択されていたとしても当該予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回において段階演出を実行可能である。このため、現在実行中の遊技回の演出を保留予告に修正可能か否かに関わらず、当該実行中の遊技回においては保留予告を行わない。そして、選択されている段階演出に従って予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回の1回前又は2回前の遊技回から段階演出を伴う保留予告が開始される。
予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回に係る保留情報の数が1個の場合、選択された段階演出及び実行中の遊技回において保留予告に修正可能か否かによって、当該実行中の遊技回からの演出が異なる。すなわち、選択されている段階演出が第1段階予告であれば、当該実行中の遊技回において保留予告を実行する必要がないため、次の遊技回において第1演出を伴う保留予告を実行する。また、第2段階予告が選択されている場合、実行中の遊技回において重複予告ではない保留予告(以下、単に、単独予告ともいう)に修正可能であれば、当該実行中の遊技回を単独予告に修正して段階演出として第1演出を実行する。そして、次の遊技回において第2演出を伴う保留予告を実行する。
一方、実行中の遊技回において単独予告に修正可能でなければ、当該実行中の遊技回では保留予告に修正せず、次の遊技回において第1演出及び第2演出を伴う重複予告を実行する。これにより、段階演出選択処理においてせっかく第2段階予告が選択されたのにも関わらず、その実行が制限されるといった不都合の発生を回避できる。
予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回に係る保留情報の数が0個の場合、実行中の遊技回において選択されている段階演出に対応する予告に修正可能である場合にのみ保留予告を実行する構成としている。すなわち、選択されている段階演出が第1段階予告である場合、実行中の遊技回を単独予告に修正可能であればそれに修正し、修正可能でなければ修正しない。また、選択されている段階演出が第2段階予告である場合、実行中の遊技回を重複予告に修正可能であればそれに修正し、修正可能でなければ修正しない。換言すれば、段階演出選択処理によって選択されていない側の段階演出に修正可能であってもそれには修正しない構成といえる。当該構成とすることにより、段階演出選択処理にて設定した選択率が、予告条件成立タイミングといった不確定な情報によって変更される事象を抑制し、各演出に対して設定した注目度のバランスが崩れることを抑制することができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
連続する遊技回において保留予告を実行する場合に、各保留予告において段階演出を発生させる構成とした。かかる構成によれば、遊技者は保留予告が連続すればするほどその後に大当たり結果に繋がるものと期待すると想定される。これにより、各遊技回の注目度を高めることが可能となる。
上記構成において、遊技回の停止結果の態様として、複数種類の主図柄のうち一の主図柄が各図柄列Z1〜Z3に停止した場合に、他の主図柄も各図柄列Z1〜Z3に停止し得る特殊態様を設定した。これにより、一の遊技回において複数回の保留予告を実行することが可能となる。そのため、予告条件成立時に当該予告条件成立の契機となった保留情報に係る遊技回の前に実行される遊技回に係る保留情報が少ない場合であっても、上記特殊態様となる停止結果とすることで、一の遊技回において複数回の保留予告を実行できるため、上記の連続する演出を一の遊技回において成立させることが可能となる。よって遊技への注目度を好適に高めることができる。
特殊態様となる停止結果の場合、いずれの保留予告も、その保留予告を構成する少なくとも一部の図柄が可動役物170〜173によって遮蔽される構成とし、可動役物170〜173を開放制御することで、その開放により視認可能となった図柄により構成される保留予告が成立する構成とした。これにより、可動役物170〜173の動作への注目度を高めるとともに、遊技者としてはその動作を確認することで成立する保留予告の種類(特定図柄による保留予告か非特定図柄による保留予告かの種類)を把握することができるため、複数の保留予告が一の遊技回において成立し得る構成において、成立した保留予告の種類が分かりにくく混乱するといった不都合を回避することができる。
さらに特殊態様となる停止結果として、一の可動役物を動作させることで複数(2個)の保留予告を成立させ得る第1特殊態様となる停止結果と、複数の可動役物をそれぞれ動作させるたびに保留予告が成立する第2特殊態様となる停止結果と、を設定した。これにより、後者の場合には、上記のように成立した保留予告の種類を分かりやすくするという効果を奏し、前者の場合には、逆に成立した保留予告の種類を分かりにくくすることも可能となる。上述の如く、基本的には遊技者にとっては成立した保留予告の種類が分かりやすいほうがよい。しかし状況によっては、前者のように分かりにくくしたほうがよい場合もある。すなわち、予告用図柄が非特定図柄であるのにも関わらず、一の遊技回において非特定図柄による保留予告と特定図柄による保留予告とが成立する場合、特定図柄による保留予告を成立させた後に非特定図柄による保留予告を成立させると、遊技者はその後に期待できる大当たり結果が確変大当たり結果から通常大当たり結果へと降格してしまったと落胆してしまうおそれがある。そのため、このような場合には、非特定図柄による保留予告と特定図柄による保留予告とを同時に成立させることでいずれの保留予告が成立したかを分かりにくくして、上記のように遊技者を落胆させてしまうことを抑制することが可能となる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、保留予告の停止態様によってその後に大当たり結果となる期待度が異なる構成を備えていることを特徴の1つとしている。具体的には、保留予告として、その後に大当たり結果となる期待度の異なる第1保留予告、第2保留予告、第3保留予告が設定されている。第1〜第3保留予告は、上記第1〜第3の実施の形態における保留予告と同様に、各図柄列Z1〜Z3において同一の予告対応図柄を停止させることで行われるものの、その停止させる領域によってその後に大当たり結果となる期待度が異なるように設定されている。そこで、先ず図69の概略図を参照し、保留予告の停止態様と期待度との関係についてその概要を説明する。
第1保留予告は、図69(a)に示すように、主表示領域Rmに停止する主図柄のみを利用して保留予告が成立する演出をいう。第2保留予告は、図69(b)に示すように、主表示領域Rmに停止する図柄と、左右の副表示領域Rs1,Rs2のうちの一方の副表示領域に停止する図柄とを利用して保留予告が成立する演出をいう。第3保留予告は、図69(c)に示すように、主表示領域Rm停止する図柄と、左右両方の副表示領域Rs1,Rs2に停止する図柄とを利用して保留予告が成立する演出をいう。遊技回の開始時に予告条件が成立している場合には、その予告条件成立の契機となった保留情報に基づいていずれの保留予告を実行するかが決定される。そして、この場合に、予告条件成立の契機が大当たり結果である場合には第3保留予告を選択する確率が最も高く、当該契機が外れ結果である場合には第1保留予告を選択する確率が最も高く設定されている。
さらに本実施の形態では、ノーマルリーチ表示によるリーチ外れの遊技回も保留予告として扱われる構成としている。すなわち、ノーマルリーチ表示において、中図柄列Z2のリーチ図柄が主表示領域Rmにおけるリーチライン以外の領域に停止した場合には、当該遊技回の停止結果が保留予告に対応する停止結果となる。また中図柄列Z2にリーチ図柄が副表示領域Rsにおいて停止した場合には、対応する可動役物170〜173が開放制御されることを条件として、当該遊技回の停止結果が保留予告に対応する停止結果となる。ここで、図70の概略図を参照してリーチ表示の態様について説明する。
既に説明したとおり、本パチンコ機10は、リーチ表示としてノーマルリーチ表示とスーパーリーチ表示とが設定されており、ノーマルリーチ表示よりもスーパーリーチ表示のほうが大当たり結果となる期待度が高く設定されている。ノーマルリーチ表示では、以下に説明するように、主制御装置81で決定された変動表示時間(図19の変動開始処理におけるステップS508にて決定される変動表示時間)に対応させて中図柄列Z2の停止結果が一義的に決まっている。
詳細には、先ず変動開始されると、図70(a)に示すように全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上、不能又は難しくなるように高速変動表示(又は第1速度表示)が実行される。その後、変動開始から所定の期間経過することで、先ず上図柄列Z1について、当該上図柄列Z1における表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上容易なものとなるように高速変動表示から低速変動表示(又は第1速度表示よりも遅い第2速度表示)に切り換えられる。その後、図70(b)に示すように、上図柄列Z1における変動表示が停止されるとともに、下図柄列Z3について、当該下図柄列Z3における表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上容易なものとなるように高速変動表示から低速変動表示に切り換えられる。そして、図70(c)に示すように下図柄列Z3における変動表示が停止される。この場合、上図柄列Z1及び下図柄列Z3には、いずれかの有効ライン上に同一の図柄が停止表示される。当該タイミングをリーチ発生タイミングという。
当該リーチ発生タイミングでは、中図柄列Z2において、当該中図柄列Z2における表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上容易なものとなるように高速変動表示から低速変動表示に切り換えられるとともに、図柄の位置調整処理が実行される。当該図柄の位置調整処理では、高速変動表示から低速変動表示に切り換えられるタイミングにおいて、中図柄列Z2の「1」の図柄が中ラインL2を通過するように中図柄列Z2の図柄位置が調整される。具体的には、表示制御装置212では、変動開始から所定の期間(本実施の形態では6秒)経過タイミングで、上記所定の図柄の位置となるような内部コマンドがVDP255に対して出力される。この所定の期間は、変動開始タイミングからリーチ発生タイミングまでの期間と同一となるように設定されている。図柄の位置調整処理は、リーチ表示が発生する際には、必ず実行される。詳細には、このような内部コマンドを作成する処理がリーチ表示を行う変動パターンに組み込まれている。つまり、リーチ発生タイミングにおける中図柄列Z2の「1」の図柄の位置は、いかなるリーチ表示であっても同一となっている。換言すれば、中図柄列Z2の低速変動表示の開始タイミング(リーチ発生タイミング)における中図柄列Z2の表示態様は決まっている。
また、変動開始からリーチ発生タイミングまでの期間は停止結果に関わらず一定の期間である。さらに、低速変動表示では、変動終了コマンドを受信するまで(変動表示時間が経過するまで)、一定速度(本実施の形態では、0.5秒で1図柄分の変動表示が行われる速度)で変動表示が行われる。これにより、変動表示時間から、中図柄列Z2の停止結果が一義的に決定することとなる。具体的には、ROM243の各種テーブルエリア243aには中図柄列停止結果情報テーブルが記憶されている。図71の概略図に示すように、中図柄列停止結果情報テーブルは、各変動表示時間の情報に対して各中図柄列Z2の停止結果が1対1で対応させて設定されている。例えば、変動表示時間が16秒であると主制御装置81で設定された場合、リーチ発生タイミング、すなわち上図柄列Z1及び下図柄列Z3の変動表示が停止されるまでに6秒要し、下図柄列Z3の変動表示が停止してから中図柄列Z2の「1」の図柄が再度中ラインL2に到達するまでに9.5(=0.5×19)秒要するため、合計15.5秒要するため、残り時間は0.5秒である。よって、「1」の図柄は、中ラインL2から1図柄分だけ左に移動した位置、すなわち左ラインL1に停止されることとなる。
以上のことから、リーチ表示の場合には、変動開始タイミングから低速変動表示開始タイミングまでの期間が一定に設定されており、低速変動表示の開始タイミングにおける中図柄列Z2の態様が一義的に決まっており、さらに低速変動表示の変動表示速度が一定であるため、変動表示時間に応じて中図柄列Z2の停止結果が決定される。そして、遊技結果及び中図柄列Z2の停止結果に基づいて、停止情報が特定される。これにより、中図柄列Z2の停止結果が特定されていない場合と比較して、とり得る停止結果が限定されているため、とり得る停止結果として予め記憶しておく情報量を削減することができる。
スーパーリーチ表示は、変動開始タイミングから、リーチ発生タイミングにおいて最終停止図柄列である中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換わるまでは、ノーマルリーチ表示と同様であるが、その後の変動表示態様が異なる。具体的には、スーパーリーチ表示は、低速変動表示中の所定の領域で一旦停止し、その後再び高速変動表示から低速変動表示に切り換わるように、内部コマンドの生成及び出力処理が実行される。
つまり本実施の形態では、スーパーリーチ表示が行われる遊技回においては、先ずノーマルリーチ表示が行われ、中図柄列Z2のリーチ図柄がリーチラインとは異なる領域である所定の領域で一旦停止して、その後、スーパーリーチ表示が行われるように設定されている。そして、本実施の形態では上記一旦停止する所定の領域として、リーチライン表示から変動先側に1ライン分ずれた領域が設定されている。すなわち、例えば、図72(a)に示すように、右ラインL3にてノーマルリーチ表示が行われる場合、図72(b)に示すように、中図柄列Z2においてリーチ図柄(図では「7」が付された主図柄)が中ラインL2にて一旦停止してから、その後、再度中図柄列Z2の変動表示が開始されて、図72(c)に示すように、スーパーリーチ表示が行われる。換言すれば、中図柄列Z2のリーチ図柄において、ノーマルリーチ表示からスーパーリーチ表示へ変化する領域(発展ポイント)が予め定められている。
ここで、本実施の形態における、表示制御装置212のMPU252により実行されるリーチ時の中図柄列制御処理について、図73のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS3701にて、中図柄列Z2の減速タイミングか否かを判定する。具体的には、上述したT3のタイミングが経過したか否かを判定する。ステップS3701にて肯定判定をした場合、ステップS3702にて中図柄列Z2を高速変動から低速変動に減速させるように図柄表示装置161を表示制御する。詳しくは、演出制御装置82から表示制御装置212へ減速指示としての減速コマンドが出力され、表示制御装置212ではこの減速コマンドを受信したか否かを判定することで中図柄列Z2の減速タイミングか否かを把握することができる。
ステップS3701にて減速タイミングではないと判定した場合、又はステップS3702の処理を実行した後は、ステップS3703にて、今回のリーチ表示がスーパーリーチ表示であるか否かを判定する。スーパーリーチ表示であると判定した場合には、ステップS3704にてノーマルリーチ表示からスーパーリーチ表示への発展タイミングか否かを判定する。具体的には、上記の通り、中図柄列Z2のリーチ図柄がリーチラインから1ライン分だけ変動先側に変動したタイミングが、ノーマルリーチ表示からスーパーリーチ表示への発展タイミングとなっている。発展タイミングである場合には、ステップS3705にて低速変動中の中図柄列Z2を一旦停止表示させ、その後、スーパーリーチ表示へ発展させる処理を実行する。
ステップS3703にてノーマルリーチ表示であると判定した場合、ステップS3704にて発展タイミングではないと判定した場合、又はステップS3705の処理を実行した後は、ステップS3706に進む。ステップS3706では、中図柄列Z2の停止タイミングか否か、すなわち変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。停止タイミングである場合には、ステップS3707にて中図柄列Z2を停止表示させる処理を実行する。ステップS3706にて否定判定した場合、又はステップS3707の処理を実行した後は、リーチ時の中図柄列制御処理を終了する。
次に、本実施の形態における保留予告用の演出設定処理について、図74のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、保留予告用の演出設定処理は、変動開始用処理(図29)のステップS807において実行される処理であり、図74は図43に示した保留予告用の演出設定処理に代えて実行される処理を示している。
先ずステップS3801では、予告用図柄を把握する処理を実行する。そしてステップS3802では、保留用エリア244hに記憶されている保留情報に基づいて、予告条件成立の契機となった保留情報は大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、保留用エリア244hの各単位エリアを参照し、いずれかの単位エリアに大当たり結果に対応する保留情報が記憶されている場合に、予告条件成立の契機が大当たり結果に対応する保留情報であると判定する。大当たり結果に対応する保留情報である場合は、ステップS3803にてROM243の各種テーブルエリア243aに格納された大当たり用の予告種類抽選テーブルを参照し、大当たり結果に対応する保留情報ではない場合には、ステップS3804にてROM243の各種テーブルエリア243aに格納された外れ用の予告種類抽選テーブルを参照し、続くステップS3805にて、それら予告種類抽選テーブルに基づいて、今回の遊技回において実行する保留予告の種類を抽選する予告種類抽選処理を実行する。
大当たり用の予告種類抽選テーブルでは、図75(a)に示すように、第3保留予告が選択される確率が最も高く、第1保留予告が選択される確率が最も低くされている。この関係であれば選択される確率は任意であるが、本実施の形態では、第3保留予告は60%の確率で選択され、第2保留予告は30%の確率で選択され、第1保留予告は10%の確率で選択されるように設定されている。一方、外れ用の予告種類抽選テーブルでは、図75(b)に示すように、第1保留予告が選択される確率が最も高く、第3保留予告が選択される確率が最も低く設定されている。この関係であれば選択される確率は任意であるが、本実施の形態では、第1保留予告は60%の確率で選択され、第2保留予告は30%の確率で選択され、第3保留予告は10%の確率で選択されるように設定されている。
保留予告用の選出設定処理(図74)の説明に戻り、ステップS3805にて予告種類抽選処理を実行した後は、ステップS3806に進む。ステップS3806では、ステップS3805の処理結果に基づいて、第1保留予告が選択されたか否かを判定する。第1保留予告が選択されている場合には、ステップS3807にて、第1保留予告用の停止結果決定処理を実行する。当該停止結果決定処理では、ROM243から第1保留予告用の停止結果テーブルを参照して、今回の遊技回の停止結果を決定する。第1保留予告用の停止結果テーブルは、予告用図柄と、当該予告用図柄と同種類の主図柄を主表示領域Rmにおいて各図柄列Z1〜Z3に停止表示させる任意の組合せと、が対応付けられており、抽選などによって予告用図柄に対応する第1保留予告となる停止結果を決定する。そして続くステップS3808にて、第1保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。
一方、ステップS3806にて第1保留予告ではないと判定した場合には、ステップS3809に進み、第2,第3保留予告用の停止結果決定処理を実行する。当該停止結果決定処理では、ROM243から第2,第3保留予告用の停止結果テーブルからステップS3805にて抽選された一方の停止結果テーブルを参照して、今回の遊技回の停止結果を決定する。第2保留予告用の停止結果テーブルは、予告用図柄と、当該予告用図柄と同種類の主図柄を主表示領域Rm及び左右片側の副表示領域Rs1,Rs2において各図柄列Z1〜Z3に停止表示させる任意の組合せと、が対応付けられており、抽選などによって予告用図柄に対応する第2保留予告となる停止結果を決定する。また、第3保留予告用の停止結果テーブルは、予告用図柄と、当該予告用図柄と同種類の主図柄を主表示領域Rm及び左右両側の副表示領域Rs1,Rs2において各図柄列Z1〜Z3に停止表示させる任意の組合せと、が対応付けられており、抽選などによって予告用図柄に対応する第3保留予告となる停止結果を決定する。これら第2,第3保留予告用の停止結果テーブルには、上記第1〜第3の実施の形態における特別保留予告用の停止結果テーブルと同様に、駆動制御すべき可動役物170〜173が対応付けられている。
その後ステップS3810にて、第2,第3保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。続くステップS3811では、開放フラグを格納する処理を実行し、ステップS3812にて駆動制御すべき対象となる可動役物170〜173を記憶する処理を実行する。ステップS3808又はステップS3812の処理を実行した後は、ステップS3813にて予告実行フラグを格納する処理を実行してから、本保留予告用の演出設定処理を終了する。
次に、本実施の形態におけるリーチ発生用の演出設定処理について、図76のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、リーチ発生用の演出設定処理は、変動開始用処理(図29)のステップS805において実行される処理である。
本実施の形態におけるリーチ発生用の演出設定処理では、ステップS1001にて今回の遊技回のリーチがノーマルリーチであると判定した場合、ステップS3901にて予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。予告条件成立フラグが格納されている場合、ステップS3902にて予告用図柄を把握する処理を実行し、ステップS3903にて予告条件成立の契機は大当たり結果であったか否かを判定する。そしてステップS3904、ステップS3905にて対応する予告種類抽選テーブルを取得し、ステップS3906にて予告種類抽選処理を実行する。これらの処理は、上記ステップS3801〜ステップS3805の処理と同様である。
続くステップS3907では、上記ステップS3906の処理結果に基づいて第1保留予告が選択されたか否かを判定し、第1保留予告である場合には、ステップS3908にて、リーチ時の第1保留予告用の停止結果決定処理を実行し、ステップS3909にてリーチ時の第1保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。またステップS3907にて第1保留予告ではない場合には、ステップS3910にて第2保留予告が選択されているか否かを判定し、第2保留予告である場合には、ステップS3911にてリーチ時の第2保留予告用の停止結果決定処理を実行し、ステップS3912にてリーチ時の第2保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。ステップS3910にて第2保留予告ではない場合には、ステップS3913にてリーチ時の第3保留予告用の停止結果決定処理を実行し、ステップS3914にてリーチ時の第3保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。
以下、ステップS3908、ステップS3911、ステップS3913のリーチ時の各種保留予告用の停止結果決定処理について詳細に説明する。
先ず、リーチ時の第1保留予告用の停止結果決定処理では、図77のフローチャートに示すように、ステップS4001にて、中図柄列Z2の停止図柄を把握する。具体的には、中図柄列Z2において、主表示領域Rm及び副表示領域Rsにどの図柄が停止するかを把握する。そして、ステップS4002にてリーチ図柄を決定する処理を実行する。この処理では、上記ステップS3902にて把握した予告用図柄が特定図柄であれば、ステップS4001にて把握した種類の特定図柄をリーチ図柄として決定し、またステップS3902にて把握した予告用図柄が非特定図柄であれば、ステップS4001にて把握した種類の非特定図柄をリーチ図柄として決定する。
より具体的には、例えば、ステップS3902にて予告用図柄が「7」が付された主図柄の特定図柄と把握した場合であって、ステップS4001にて中図柄列Z2において、主表示領域Rm及び副表示領域Rsのいずれかに「3」が付された主図柄の特定図柄が停止すると把握したとする。この場合、ステップS4002では、この「3」が付された主図柄をリーチ図柄として決定する。また、例えば、ステップS3902にて予告用図柄が「2」が付された主図柄である非特定図柄と把握した場合であって、ステップS4001にて中図柄列Z2において、主表示領域Rm及び副表示領域Rsのいずれかに「4」が付された主図柄の非特定図柄が停止すると把握したとする。この場合、ステップS4002では、この「4」が付された主図柄をリーチ図柄として決定する。
なお、中図柄列Z2は、全て遊技回において主表示領域Rm及び副表示領域Rsに特定図柄及び非特定図柄が停止表示される。具体的には、主表示領域Rmの中ラインL2に特定図柄が停止表示される場合には左右の副表示領域Rsにおいて非特定図柄が停止表示され、主表示領域Rmの左ラインL1に特定図柄が停止表示される場合には主表示領域Rmの右ラインL3に非特定図柄が停止表示される。
ステップS4002の処理を行った後は、ステップS4003にてリーチラインの決定処理を実行する。この処理では、いずれかの有効ラインL1〜L5をリーチラインとして決定するとともに、上記ステップS4002にて決定したリーチ図柄に対応する図柄が当該決定するリーチラインに停止しないように、すなわち大当たり結果に対応する図柄組合せとならないようにリーチラインを決定する。そして、ステップS4004にて、上記ステップS4002にて決定したリーチ図柄に対応する図柄は、中図柄列Z2において主表示領域Rm及び副表示領域Rsのいずれに停止表示されるものかを判定する。この処理はステップS4001の処理結果に基づいて行われる。
ステップS4004にて、リーチ図柄に対応する図柄が主表示領域Rmに停止表示されると判定した場合には、そのまま本第1保留予告用の停止結果決定処理を終了する。この場合、今回の遊技回において実行される保留予告は、主表示領域Rmにおいて停止表示される図柄のみの組合せで行われ、第1保留予告となる。
ステップS4004にて、リーチ図柄に対応する図柄が副表示領域Rsに停止表示されると判定した場合には、ステップS4005にて開放フラグを格納し、ステップS4006にて対象となる可動役物170〜173を記憶する処理を実行する。そして、ステップS4006にて記憶した可動役物170〜173の開放タイミングを、ステップS4007にてリーチ終了時として記憶する処理を実行してから、本第1保留予告用の停止結果決定処理を終了する。この場合、今回の遊技回において実行される保留予告は、リーチラインが主表示領域Rmにおいて形成され中図柄列Z2においてリーチ図柄が副表示領域Rsに停止表示されるため、第2保留予告となる。すなわちこの場合、予告種類抽選処理(ステップS3906)にて抽選された保留予告が第1保留予告であっても第2保留予告が実行される。
次にステップS3911にて実行されるリーチ時の第2保留予告用の停止結果決定処理について、図78のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、この停止結果決定処理は第2保留予告が選択されている場合に実行される処理である。
第2保留予告用の停止結果決定処理においては、先ずステップS4101にて中図柄列Z2の停止図柄を把握する処理を実行する。その後、ステップS4102にてリーチ図柄の決定処理を実行し、続くステップS4103にてステップS4102で決定したリーチ図柄が中図柄列Z2において主表示領域Rm及び副表示領域Rsのいずれに停止表示されるかを判定する。これらステップS4101〜ステップS4103の処理は、上記ステップS4001、ステップS4002及びステップS4004の処理と同様の処理である。
ステップS4103にて主表示領域Rmに停止表示されると判定した場合には、ステップS4104にてリーチラインを非有効ラインに決定する処理を実行する。この場合、中図柄列Z2において当該決定するライン上にリーチ図柄が停止表示されないように、すなわち大当たり結果に対応する図柄組合せとならないようにリーチラインを決定する。そして、ステップS4105にて開放フラグを格納し、ステップS4106にて対象となる可動役物170〜173を記憶する処理を実行し、ステップS4107にて開放タイミングをリーチ開始時として記憶する処理を実行してから、本第2保留予告用の停止結果決定処理を終了する。これにより、今回の遊技回にて実行される保留予告では、リーチラインが副表示領域Rsにて形成され、中図柄列Z2におけるリーチ図柄が主表示領域Rmに停止表示されることとなる。すなわち、同遊技回で実行される保留予告は、第2保留予告となる。
ステップS4103にて副表示領域Rsに停止表示されると判定した場合には、ステップS4108にてリーチラインを有効ラインに決定する処理を実行する。この処理においても、中図柄列Z2において当該決定するライン上にリーチ図柄が停止表示されないように、すなわち大当たり結果に対応する図柄組合せとならないようにリーチラインを決定してから、本第2保留予告用の停止結果決定処理を終了する。これにより、今回の遊技回にて実行される保留予告では、リーチラインが主表示領域Rmにて形成され、中図柄列Z2におけるリーチ図柄が副表示領域Rsに停止表示されることとなる。すなわち、同遊技回で実行される保留予告は、第2保留予告となる。
次に、ステップS3913において行われる、第3リーチ保留予告用の停止結果決定処理について、図79のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、この停止結果決定処理は、第3保留予告が選択されている場合に実行される処理である。
先ずステップS4201にて、中図柄列Z2の停止図柄を把握する処理を実行し、ステップS4202にてリーチ図柄の決定処理を実行し、ステップS4203にて、ステップS4202にて決定したリーチ図柄が中図柄列Z2において主表示領域Rm及び副表示領域Rsのいずれに停止表示されるかを判定する。これらステップS4201〜ステップS4203の処理は、上記ステップS4101〜ステップS4103の処理と同様の処理である。
ステップS4203にて主表示領域Rmに停止表示されると判定した場合には、リーチラインを有効ライン及び非有効ラインのいずれに設定したとしても第3保留予告に相当する停止結果とすることができない。そのため、この場合にはステップS4204〜ステップS4209にて、今回の遊技回をリーチ発生演出ではなく、煽り演出を伴う第3保留予告となるように変更する処理を実行する。すなわち、ステップS4204にて今回の遊技回をリーチ発生演出からリーチ非発生時の第3保留予告に変更する処理を実行し、ステップS4205にて第3保留予告用の停止結果決定処理を実行する。そしてステップS4206にて第3保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。ステップS4205及びステップS4206の処理は、ステップS3809及びステップS3810の処理における第3保留予告用の処理と同様である。
続くステップS4207では、開放フラグを格納する処理を実行し、ステップS4208では煽り演出フラグを格納する処理を実行し、そしてステップS4209にて対象となる可動役物170〜173を記憶する処理を実行してから、本第3保留予告用の停止結果決定処理を終了する。
ステップS4203にて副表示領域Rsに停止表示されると判定した場合には、ステップS4210にてリーチラインを非有効ラインL6〜L11のいずれかに決定する処理を実行する。この場合、ステップS4203にて把握した副表示領域Rsと左右反対側の副表示領域Rsにおいてリーチラインが形成されるようにリーチラインを決定するとともに、中図柄列Z2において当該決定するライン上にリーチ図柄が停止表示されないように、すなわち大当たり結果に対応する図柄組合せとならないようにリーチラインを決定する。そして、ステップS4211にて開放フラグを格納する処理を実行し、ステップS4212にて対象となる可動役物170〜173を記憶する処理を実行し、ステップS4213にて開放タイミングをリーチ開始時に設定する処理を実行してから、本第3保留予告用の停止結果決定処理を終了する。この場合、今回の遊技回において実行される保留予告は、リーチラインを形成する図柄と、中図柄列Z2におけるリーチ図柄と、が左右反対側の副表示領域Rsに停止表示されることから、第3保留予告となる。
このように、予告条件が成立している遊技回においては、第1保留予告〜第3保留予告のいずれかが選択されて保留予告が実行される。なお、本実施の形態においては、遊技回の実行中に予告条件が成立した場合には、当該遊技回においては保留予告を実行しない構成としている。本実施の形態においては上記第1〜第3の実施の形態よりも保留予告の種類が多いため、実行中の遊技回の停止結果を保留予告に相当する停止結果に変更するために、保留予告の種類を抽選したり、その抽選結果に対応させて停止結果を変更したりする処理を行う構成とすることで、当該実行中の遊技回における処理負荷が極端に増加し得る。上述した保留予告の制限は、このような処理負荷の局所的な増加を抑制する工夫である。
次に、図80及び図81の概略図を参照し、各遊技回においてリーチ表示が行われる様子を保留予告との関係を中心に説明する。
有効ライン上にリーチラインが形成され、リーチ表示が開始されると、遊技者は当該リーチライン上にリーチ図柄が停止表示されること、すなわち今回の遊技回において大当たり結果となることを期待する。既に説明したようにリーチ表示にはノーマルリーチ表示とスーパーリーチ表示とが設定されており、ノーマルリーチ表示よりもスーパーリーチ表示のほうが大当たり結果となる期待度が高く設定されている。そして、本実施の形態では、ノーマルリーチ表示においてリーチ図柄がリーチラインを通り過ぎて一旦停止表示されてから、スーパーリーチ表示へ発展する。このため、遊技者としては、ノーマルリーチ表示が行われている最中は、先ずは上記のようにリーチライン上にリーチ図柄が停止表示されることを期待し、リーチ図柄がリーチラインを通り過ぎると、当該ノーマルリーチ表示がスーパーリーチ表示に発展することを期待する。
一方、保留予告においては、本実施の形態では第1保留予告〜第3保留予告が設定されており、第3保留予告がその後に大当たり結果となる期待度が最も高く、第1保留予告がその後に大当たり結果となる期待度が最も低く設定されている。この第3保留予告は、左右の副表示領域Rs1,Rs2に停止表示される図柄を利用して保留予告となる図柄組合せが形成され、第2保留予告は、左右いずれかの副表示領域Rs1,Rs2に停止表示される図柄を利用して保留予告となる図柄組合せが形成され、第1保留予告は、主表示領域Rmに停止表示される図柄を利用して保留予告となる図柄組合せが形成される。
この場合、例えば図80(a)に示すように、有効ラインである右ラインL3にてリーチ表示が行われると、遊技者としては先ず、中図柄列Z2においてリーチ図柄が右ラインL3上に停止表示されることを期待する。そのまま右ラインL3上に停止表示されれば、大当たり結果となるからである。リーチ図柄がリーチラインを通り過ぎると、遊技者としては次に、図80(b)に示すように、中図柄列Z2が右ラインL3から1ライン分変動先側にずれた中ラインL2に一旦停止表示されることを期待する。一旦停止表示されれば、その後にスーパーリーチ表示に発展する可能性があり、その後に大当たり結果となることが期待できるからである。
これに対して、この中ラインL2に一旦停止したもののスーパーリーチ表示に発展しなかった場合、この停止結果は第1保留予告となる停止結果に相当する。そのため、その後の遊技回において大当たり結果となることが期待できる。このように、ノーマルリーチ表示からスーパーリーチ表示への発展ポイントにおいて中図柄列Z2が一旦停止表示される構成とし、その一旦停止後にスーパーリーチ表示に発展する場合とそのまま停止表示(確定表示)に至る場合とが設定されている。このため、遊技者は、当該一旦停止した場合において、その後の展開によって当該遊技回において大当たり結果となるかもしれないという期待感の他、当該遊技回以降に行われる遊技回において大当たり結果となるかもしれないという期待感を持続させることができる。これにより、今回の遊技回の演出によって、今回の遊技回だけでなく、その後の遊技回への注目度を高めることが可能となり、結果として全体的に遊技への注目度を高めることができる。
ノーマルリーチ表示において中ラインL2に一旦停止しなかった場合に、図80(c)に示すように、リーチ図柄が更に変動先側に変動して中ラインL2よりもリーチラインから離れた領域である左側非有効ラインL9に停止表示されると、第3可動役物172及び第4可動役物173が非遮蔽位置へ移動することで第2保留予告に相当する停止結果となる。上記のとおり、第1保留予告よりも第2保留予告のほうがその後に大当たり結果となる期待度が高く設定されており、この停止結果となることで、遊技者はその後に大当たり結果となることに期待すると想定される。
ここで、一般的には、リーチラインからリーチ図柄が離れれば離れるほど、遊技者としては今回の遊技回における大当たり結果への期待感が低下するものと考えられる。これに対して本実施の形態では、上記のようにリーチラインからリーチ図柄が離れれば離れて停止表示されるほど、その後の遊技回において大当たり結果となる期待度を高く設定している。これにより、リーチラインからリーチ図柄が離れることによる期待感の低下を抑制し、リーチ全体を通して注目度を好適に高めることが可能となる。
次に、図81(a)に示すように、右側右下がりラインL7と右側右上がりラインL8とによって特定図柄と非特定図柄とによりクロスラインリーチとなった場合を説明する。この場合、図81(b)に示すように、中図柄列Z2において、右側右上がりラインL8のリーチラインを形成するリーチ図柄である「7」が付された主図柄(特定図柄)が、右側非有効ラインL6上に停止表示されると、今回の遊技回の遊技結果は外れ結果となるものの、この停止結果は第2保留予告となる停止結果であり、次回以降の遊技回において大当たり結果となることが期待できる。中図柄列Z2において、「7」が付された主図柄が右ラインL3に停止表示された場合は、確変大当たり結果に対応する図柄組合せとなり、今回の遊技回は確変大当たり結果となる。図81(c)に示すように、中図柄列Z2において、「7」が付された主図柄が中ラインL2に停止表示された場合は、この停止結果は第2保留予告となる停止結果である。また、この中ラインL2で一旦停止すると、「7」のノーマルリーチがスーパーリーチへ発展し得るため、今回の遊技回においても大当たり結果となることが期待できる。
中図柄列Z2において、「7」が付された主図柄が左ラインL1に停止表示された場合は、右側右下がりラインL7において非特定図柄である「8」が付された主図柄が揃い通常大当たり結果に対応する図柄組合せとなり、今回の遊技回は通常大当たり結果となる。図81(d)に示すように、中図柄列Z2において、「7」が付された主図柄が左側非有効ラインL9に停止表示された場合は、この停止結果は第3保留予告となる停止結果である。この場合、上記の図81(b)又は図81(c)のように「7」のリーチラインよりも変動基側又は変動先側に1ライン分ずれてリーチ図柄が停止表示される第2保留予告よりも、次回以降の遊技回において大当たり結果となる期待度が高くなる。さらにこの場合、「8」が付された主図柄が中ラインL2に停止表示されており、この中ラインL2に「8」が付された主図柄が一旦停止すると、「8」のノーマルリーチがスーパーリーチへ発展し得るため、今回の遊技回においても大当たり結果となることが期待できる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留予告においてリーチ外れの停止結果も保留予告の対象となるように設定するとともに、リーチ図柄がリーチラインから変動先側又は変動基側に離れれば離れるほど、その後の遊技回において大当たり結果となる期待度が高い保留予告となるように設定した。このようにすることで、リーチ中の注目度を好適に保つことが可能となり、保留予告という次回以降の遊技回への注目度を高める演出において、今回の遊技回の注目度をも高めることが可能となる。
上記の具体的な構成として、主表示領域Rmにおいて停止表示される図柄のみを利用する第1保留予告と、左右いずれかの副表示領域Rsに停止表示される図柄と主表示領域Rmに停止表示される図柄とを利用する第2保留予告と、左右いずれもの副表示領域Rsに停止表示される図柄を利用する第3保留予告と、を設定し、第3保留予告、第2保留予告、第1保留予告の順で大当たり結果となる期待度が高くなるように設定した。このように設定することで、主表示領域Rmにおいてリーチラインが形成されるリーチにおいては、中図柄列Z2のリーチ図柄が主表示領域Rmに停止するよりも副表示領域Rsに停止したほうが期待度が高くなり、副表示領域Rsにおいてリーチラインが形成されるリーチにおいては、中図柄列Z2にリーチ図柄が主表示領域Rmに停止するよりもリーチラインが形成されているのと反対側の副表示領域Rsに停止したほうが期待度が高くなる。すなわち、中図柄列Z2のリーチ図柄が停止する領域が主表示領域Rmと副表示領域Rsとで期待度が相違する。予告態様の視覚的な差違を明確にすることにより、実行された予告が期待度の差が遊技者にとって分かりづらくなることを抑制できる。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、ノーマルリーチ表示からスーパーリーチ表示への発展ポイントが複数設定されている点で上記第4の実施の形態と相違している。具合的には、ノーマルリーチ表示からスーパーリーチ表示への発展ポイントとして、リーチ図柄がリーチラインから1ライン分変動先側にずれたラインで一旦停止する第1発展ポイントと、リーチラインから2ライン分変動先側にずれたラインで一旦停止する第2発展ポイントと、リーチラインから3ライン分変動先側にずれたラインで一旦停止する第3発展ポイントとが設定されている。さらに、選択される発展ポイントと、発展前のノーマルリーチ表示のリーチラインとがスーパーリーチ表示に発展可能なようにそれぞれ対応付けられている。
より詳しくは、上記第1発展ポイントが選択される場合には、発展前のノーマルリーチ表示のリーチラインとして、左側非有効ラインL9以外のラインが選択されるように設定されている。上記第2発展ポイントが選択される場合には、発展前のノーマルリーチのリーチラインとして、左側非有効ラインL9、左側右下がりラインL10及び左側右上がりラインL11以外のラインが選択されるように設定されている。そして、上記第3発展ポイントが選択される場合には、発展前のノーマルリーチのリーチラインとして、リーチラインが右ラインL3、右側非有効ラインL6、右側右下がりラインL7又は右側右上がりラインL8が選択されるように設定されている。
以下、図82の概略図を参照して本実施の形態を第4の実施の形態との相違点を中心に説明する。
演出制御装置82による変動開始用処理(図29)において、大当たり用の演出設定処理(図30)のステップS903や、リーチ発生用の演出設定処理(図32)のステップS1003では、スーパーリーチ時の演出パターンテーブルを参照してスーパーリーチ時の演出パターンを決定する。図82(a)に示すように、今回の遊技回の遊技結果が大当たり結果である場合に選択される大当たり用スーパーリーチ時の演出パターンテーブルでは、第3発展ポイントが選択される確率が最も高く設定されているとともに、第1発展ポイントが選択される確率が最も低く設定されている。そして第3発展ポイント > 第2発展ポイント > 第1発展ポイントの順で選択される確率が高くなるように設定されている。各選択率は上記関係であれば任意であるが、本実施の形態では、第3発展ポイントが選択される確率は60%に設定され、第2発展ポイントが選択される確率は30%に設定され、第1発展ポイントが選択される確率は10%に設定されている。
一方、図82(b)に示すように、今回の遊技回の遊技結果が外れ結果である場合に選択される外れ用スーパーリーチ時の演出パターンテーブルでは、第1発展ポイントが選択される確率が最も高く設定されているとともに、第3発展ポイントが選択される確率が最も低く設定されている。そして第1発展ポイント、第2発展ポイント、第3発展ポイントの順で選択される確率が高くなるように設定されている。各選択率は上記関係であれば任意であるが、本実施の形態では、第1発展ポイントが選択される確率は60%に設定され、第2発展ポイントが選択される確率は30%に設定され、第3発展ポイントが選択される確率は10%に設定されている。
このように設定されていることから、ノーマルリーチ表示において、中図柄列Z2のリーチ図柄が一旦停止する領域(発展ポイント)によって当該遊技回の遊技結果が大当たり結果となる期待度が相違する。すなわち、第3発展ポイントで一旦停止した場合が最も期待度が高く、第1発展ポイントで一旦停止した場合が最も期待度が低くなる。そして第3発展ポイント > 第2発展ポイント > 第1発展ポイントの順で期待度が高くなる。
また、上記のように発展ポイントが設定されているため、ノーマルリーチ表示が行われるリーチラインによって、いずれの発展ポイントが選択されているかを予測することができる。すなわち、ノーマルリーチ表示が行われるリーチラインが右ラインL3、右側非有効ラインL6、右側右下がりラインL7又は右側右上がりラインL8の場合には、第1〜第3発展ポイントのいずれもが選択されている可能性がある。ノーマルリーチ表示が行われるリーチラインが、中ラインL2、右下がりラインL4及び右上がりラインL5の場合には、第3発展ポイントが選択されている可能性はなく第1発展ポイントか第2発展ポイントが選択されていることになる。そして、ノーマルリーチ表示が行われるリーチラインが、左ラインL1、左側右下がりラインL10及び左側右上がりラインL11の場合には、第2,第3発展ポイントが選択されている可能性はなく、第1発展ポイントが選択されていることになる。
このように、スーパーリーチ表示の発展ポイントによってノーマルリーチ表示のリーチラインが定められているため、第1発展ポイントのみが可能性のあるラインL1,L10,L11のノーマルリーチ表示や、発展ポイントが設定されていないライン(左側非有効ラインL9)のノーマルリーチ表示では、その注目度が低下することが懸念される。
これに対して本実施の形態にいては、図82(c)に示すように、大当たり用のノーマルリーチ時の演出パターンテーブルでは、第1発展ポイントのみが可能性のあるラインL1,L10,L11が選択される確率が高く(60%)、次に、第1発展ポイントか第2発展ポイントが選択されている可能性のあるラインL2,L4,L5が選択される確率が高く(30%)、次に、第1〜第3発展ポイントが選択されている可能性のあるラインL3,L6,L7,L8が選択される確率が高く設定されている(9%)。また、図82(d)に示すように、外れ用のノーマルリーチ時の演出パターンテーブルでは、第1〜第3発展ポイントが選択されている可能性のあるラインL3,L6,L7,L8が選択される確率が最も高く設定されており(60%)、次に、第1発展ポイントか第2発展ポイントが選択されている可能性のあるラインL2,L4,L5が選択される確率が高く(30%)、そして第1発展ポイントのみが可能性のあるラインL1,L10,L11が選択される確率が最も低く設定されている(10%)。なお、これらノーマルリーチ時の演出パターンテーブルは、変更開始用処理(図29)の大当たり用の演出設定処理におけるステップS906や、リーチ発生用の演出設定処理におけるステップS1022にて参照されるテーブルである。
このようにノーマルリーチ時の演出パターンテーブルが設定されていることにより、上記のようにスーパーリーチ表示の発展ポイントが設定されていることに起因するノーマルリーチ表示の注目度の低下を抑制することが可能となっている。
因みに、発展ポイントが設定されていない左側非有効ラインL9は、ノーマルリーチ時の演出パターンテーブルにおいて、大当たり用のテーブルにのみ設定されており、その選択率は最も低く設定されている(1%)。すなわち、左側非有効ラインL9でリーチ表示が行われた場合には、その時点で大当たり結果が確定するというプレミア演出となっている。
また、図による詳細な説明は省略するが、上記の発展ポイントとして左側副表示領域Rs2に対応するポイントが選択された場合、ノーマルリーチ表示からスーパーリーチ表示への発展時に第3可動役物172及び第4可動役物173が非遮蔽位置に移動するように駆動部172a,173aが駆動制御される。そのため、変動開始用処理において当該左側副表示領域Rs2に対応するポイントが選択された場合には、対応する可動役物172,173及び発展タイミングを記憶する処理が行われる。
次に、図83の概略図を参照して、各遊技回においてリーチ表示が行われる様子をスーパーリーチ表示への発展ポイントとの関係を中心に説明する。
図83(a)に示すように、右ラインL3でリーチが発生した場合、先ず遊技者としては当該リーチにおけるリーチラインである右ラインL3上にリーチ図柄が停止することを期待する。リーチ図柄がリーチラインを通り過ぎた場合には、その後にスーパーリーチ表示に発展する可能性が残っている。そして、その発展ポイントとして、図83(b)に示す第1発展ポイント(中ラインL2)と、図83(c)に示す第2発展ポイント(左ラインL1)と、図83(d)に示す第3発展ポイント(左側非有効ラインL9)と、が設定されており、リーチ図柄がリーチラインから変動先側に離れれば離れるほど発展後のスーパーリーチ表示において大当たり結果となる期待度が高く設定されている。そのため、遊技者としては、第1発展ポイントよりも第2発展ポイントへ、第2発展ポイントよりも第3発展ポイントへリーチ図柄が変動することを期待して、リーチラインを通過後のリーチ図柄の行方に注目することになる。これにより、リーチ中の注目度を好適に高めることが可能となる。
さらに保留予告との関係を説明すると、右ラインL3でリーチが発生した場合には、第1,第2発展ポイントにおいて一旦停止後そのまま停止表示(確定表示)された場合には、第1保留予告に相当する停止結果となる。一方、第3発展ポイントにおいて一旦停止後そのまま停止表示(確定表示)された場合には、第2保留予告に相当する停止結果となる。
以上詳述した本実施の形態によれば、ノーマルリーチ表示が行われた場合に、ノーマルリーチ表示からスーパーリーチ表示への発展ポイントがリーチラインから離れれば離れるほど、当該遊技回において大当たり結果となる期待度が高く設定されているため、リーチの注目度を好適に高めることができる。
上記のような構成においては、リーチラインと発展ポイントとの関係により、ノーマルリーチ表示が行われた場合にそのリーチラインによって発展ポイントが限定的なものとなり得るため、当該ノーマルリーチ表示への注目度の低下が懸念される。これに対して本実施の形態では、スーパーリーチ表示へ発展せずにノーマルリーチ表示のままで大当たり結果となる期待度をリーチラインの種類によって相違させる構成とした。このようにすることで、ノーマルリーチ表示において発展ポイントとの関係により注目度が低下してしまうという不都合を回避しつつ、上記のような発展ポイントの設定による優れた効果を奏することが可能となる。
<第6の実施の形態>
本実施の形態においては、無色透明の遊技盤100と、その背後に配置される可動役物装置162及び図柄表示装置161とを利用して、特徴ある演出を実現している。
先ず、本実施の形態における遊技盤100の構成について、図84を参照しながら説明する。
本実施の形態においては、遊技盤100に設けられたセンターフレーム130の構成が異なっている。すなわち本実施の形態では、球受け部132が屋根フレーム131の手前側球通路134の出口に配置されており、手前側球通路134を通過する遊技球は当該球受け部132に受けられることになる。本実施の形態におけるステージフレーム150は、左右両端部が上方に延在させて形成されることで、奥側球通路153が球受け部132に連通されている。
すなわち本実施の形態では、屋根フレーム131の開口135に入球した遊技球は、左右の手前側球通路134のいずれかに振り分けられ、球受け部132に受けられることで奥側球通路153へ導出され、その後ステージ144へ導出される。この場合、左右の奥側球通路153はその一部が可動役物装置162と前後方向に重なるように配置されている。そのため、当該左右の奥側球通路153を通過する遊技球も、その通過中は可動役物装置162と前後方向に重なることになる。さらに上述の如く可動役物装置162は表示画面Gと前後方向に重なるように配置されていることから、上記通過中に可動役物装置162と前後方向に重なる遊技球は、同時に表示画面Gとも前後方向に重なることになる。
さらに、屋根フレーム131において左右の手前側球通路134の入口付近には、遊技球の通過を検知する検知センサ136a,136bが設けられている。検知センサ136a,136bは演出制御装置82と接続されており、演出制御装置82のMPU242では、これら検知センサ136a,136bからの検知情報(検知信号)に基づいて、手前側球通路134への入球が発生したこと(遊技球が奥側球通路153を通過すること)を把握可能となっている。
本実施の形態においては、上記の構成を利用して、可動役物170〜173の動作を遊技球の動作に連動させる特徴的な制御が行われる。以下、本実施の形態における演出制御装置82のMPU242による変動中用処理について、図85のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、変動中用処理は、変動表示制御処理(図28)のステップS705にて実行される処理であり、図85は図35に示した変動中用処理に代えて実行される処理である。
本実施の形態における変動中用処理では、上記ステップS1201〜ステップS1207の処理と同様に、ステップS4301〜ステップS4307にて煽り演出を行うための処理を実行する。ステップS4308では、RAM244に開放フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS4308にて肯定判定をした場合には、ステップS4309に進む。
ステップS4309では上記検知センサ136a,136bの検知情報に基づいて、今回の遊技回において開放制御を実行する予定の可動役物170〜173に対応する手前側球通路134に遊技球が入球したか否かを判定する。具体的には、第1可動役物170及び第2可動役物171のいずれか一方が今回の遊技回において開放制御を実行する予定である場合には、左側の手前側球通路134に配置された検知センサ136aにより遊技球の通過を検知した場合にステップS4309にて肯定判定する。また、第3可動役物172及び第4可動役物173のいずれか一方が今回の遊技回において開放制御を実行する予定である場合には、右側の手前側球通路134に配置された検知センサ136bにより遊技球の通過を検知した場合にステップS4309にて肯定判定する。
ステップS4309にて肯定判定した場合にはステップS4310に進み、RAM244の各種カウンタエリア244aに設けられた入球カウンタに1を加算する処理を実行する。この入球カウンタは、手前側球通路134に入球した遊技球の数をMPU202が把握する際に参照される。
ステップS4309にて否定判定した場合、又はステップS4210の処理を実行した後は、ステップS4311に進む。ステップS4311では、入球カウンタの値が所定数(例えば3)以上であるか否かを判定する。所定数以上であると判定した場合にはステップS4312に進み、ステップS4312〜ステップS4317にて対応する可動役物170〜173の開閉制御を行うための処理を実行する。なお、ステップS4312〜ステップS4317の各処理は、上記ステップS1209〜ステップS1214の処理と同様であるため説明を援用する。
ステップS4311にて否定判定をした場合、すなわち入球カウンタの値が所定数未満の場合には、開放フラグが格納されている場合であっても(ステップS4308にて肯定判定した場合であっても)、上記の対応する可動役物170〜173の開閉制御を行うための処理を実行しない。すなわち、本実施の形態においては、開放フラグが格納されており、特別保留予告を実行する遊技回であっても、対応する手前側球通路134へ遊技球を所定数以上入球させなければ特別保留予告は実行されない。
ここで、本実施の形態における演出制御装置82のMPU242にて実行される球通過用処理について、図86のフローチャートを参照しながら説明する。球通過用処理は、所定のタイミングで起動される処理であり、具体的には変動表示制御処理(図28)が実行された後に起動される処理である。
球通過用処理においては、先ずステップS4401にて変動表示開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、今回起動された球通過用処理の前に実行された変動表示制御処理において変動開始用処理が行われたか否かを判定する。変動表示開始タイミングであると判定した場合にはステップS4402に進み、開放フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS4402にて肯定判定をした場合には、ステップS4403にて開放示唆コマンドを表示制御装置212へ出力する処理を実行する。開放示唆コマンドには、今回の遊技回において開閉制御を実行する予定の可動役物170〜173の情報が含まれている。当該開放示唆コマンドを受信した表示制御装置212では、左右の手前側球通路134のうちいずれの通路側の可動役物170〜173が動作予定かを示唆する示唆演出が行われるように図柄表示装置161を表示制御する。具体的には、例えば第1可動役物170又は第2可動役物171が対象となっているのであれば「右の通路を狙え!」と表示させ、第3可動役物172又は第4可動役物173が対象となっているのであれば「左の通路を狙え!」と表示させる。
ステップS4401又はステップS4402にて否定判定した場合、若しくはステップS4403の処理を実行した後は、ステップS4404に進む。ステップS4404では、再度、開放フラグが格納されているか否かを判定する。開放フラグが格納されていると判定した場合にはステップS4405に進む。ステップS4405では、検知センサ136a,136bからの検知情報に基づいて、対応する手前側球通路134に遊技球が入球したか否かを判定する。この処理は、上記ステップS4309の処理と同様の処理である。
ステップS4405にて肯定判定した場合には、ステップS4406にて対応する可動役物170〜173の駆動部170a〜173aを駆動制御して、上記手前側球通路134への入球に対応する動作として例えば可動役物170〜173を振動させる動作を行わせる。ステップS4404又はステップS4405にて否定判定した場合、若しくはステップS4406の処理を実行した後は、球通過用処理を終了する。
本実施の形態においては、遊技回の開始に際して予告条件が成立しており、当該遊技回において特別保留予告が実行される予定の場合、上記のように示唆演出が図柄表示装置161にて実行される。そして、遊技者がその示唆演出に従い手前側球通路134へ遊技球を入球させると、その入球のたびに対応する可動役物170〜173が動作(振動)する。そして、その入球が所定数以上となり、且つ開放タイミングに至った場合には、対応する可動役物170〜173が非遮蔽位置に移動するように制御され、特別保留予告が実行される。
一方、上記のように、示唆演出が行われたものの対応する手前側球通路134へ入球させなかった場合や、対応する手前側球通路134への入球数が所定数に至らなかった場合には、特別保留予告は行われない。
ちなみに本実施の形態においては、このように特別保留予告が行われない場合であっても、今回の遊技回及びその後の遊技回における遊技結果は変化しない。しかし、上述の如く本パチンコ機10は、特別保留予告が行われることによりその後の遊技回に対して期待感を抱きつつ遊技を行うことができる構成であるため、できるだけ演出を楽しみたい遊技者としては、仮に遊技結果に影響を及ぼさないことは理解している場合であっても、今回の遊技回において特別保留予告が行われることを望むものと考えられる。この場合、遊技者としては特別保留予告が行われるように、発射ハンドル55を操作して手前側球通路134へ遊技球を入球させようとする。このようにすることで、遊技への積極参加を促すことが可能となる。
また、本実施の形態では、上記の示唆演出を遊技回の開始時にのみ行う構成としているところ、遊技回の実行中に予告条件が成立し、差し替え用処理(ステップS4319)にて当該遊技回において特別保留予告が行われるように設定された場合は、示唆演出は行われない。これに対して、このように遊技回の実行中において特別保留予告が設定された場合であっても、対応する手前側球通路134へ遊技球が入球することで対応する可動役物170〜173が動作するため、その後に特別保留予告が行われ得ることを遊技者は把握することができる。このようにすることで、上記のように演出を楽しみたい遊技者にとしては普段から手前側球通路134へ入球するように発射ハンドル55を操作するものと考えられ、この場合、そのような発射操作を行っている遊技者のみが特別保留予告が行われるよりも前にそれを把握することができる、という特別感を与えることができ、遊技への積極参加を好適に促すことができる。
このような構成において、上記のように遊技者が演出を楽しむための発射態様により遊技球を発射させた場合、当該発射された遊技球は、手前側球通路134及び奥側球通路153を通過してステージ144へ導出される構成としている。既に説明したとおり、ステージ144へ導出された遊技球はその下方に配置される作動口115へ入球し易い構成としているところ、上記のような発射態様は作動口115へ入球させやすい発射態様といえる。すなわち、遊技者が演出を楽しむための発射態様を、遊技者が特典を得易い(当否抽選を受け易い)発射態様としている。これにより、遊技者に不利益を与えることなく十分に演出を楽しませることができ、興趣向上効果を好適に発揮させることができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、遊技盤100、可動役物装置162及び図柄表示装置161の位置関係を利用して、遊技球の動作に関連付けて可動役物装置162や図柄表示装置161による演出を行うことができるため、遊技者の操作によって発射される遊技球の動作を目で追うという遊技に、遊技機側の演出(可動役物170〜173の動作や表示画面Gでの保留予告)を関連付ける、という斬新な演出を行うことが可能となる。これにより、遊技への注目度を好適に高めることができる。
<第7の実施の形態>
本実施の形態においては、可動役物装置162の構成が上記第1〜第6の実施の形態と異なっている。以下、本実施の形態における可動役物装置300の概要について、図87及び図88を参照して説明する。図87及び図88は表示画面Gと可動役物装置300との関係を示す概略図であり、可動役物装置300の背後に位置する図柄表示装置161(表示画面G)を2点鎖線によって概略的に記載している。
図87に示すように、上述した各実施の形態と同様に、可動役物装置300は、図柄表示装置161の表示画面Gの四隅に配置された4つの可動役物310,320,330,340を有している。これら4つの可動役物310,320,330,340については開閉可能な扇子であり、表示画面Gと前後方向に重なる開状態(遮蔽状態)と、表示画面Gと前後方向に重ならない閉状態(非遮蔽状態)とに切替可能となっている(図87及び図88参照)。
具体的には、表示画面Gの右上に配置された右上可動役物(第1可動役物)310が開状態となることにより表示画面G(変動表示領域)の右上部分が覆われて視認困難又は不可となり、閉状態となることにより当該右上部分が露出して当該右上部分の視認性が担保される。つまり、表示画面Gの右上に配置された右上可動役物(第1可動役物)310による遮蔽/非遮蔽の切替対象は、表示画面G(変動表示領域)の右上部分となっている。同様に、表示画面Gの右下に配置された右下可動役物(第2可動役物)320による遮蔽/非遮蔽の切替対象は表示画面Gの右下部分、表示画面Gの左上に配置された左上可動役物(第3可動役物)330による遮蔽/非遮蔽の切替対象は表示画面Gの左上部分、表示画面Gの左下に配置された左下可動役物(第4可動役物)340による遮蔽/非遮蔽の切替対象は表示画面Gの左下部分となっている。
これら4つの可動役物310,320,330,340は基本構造が共通となっている。そこで、以下の説明では、図89の概略図を参照して右上可動役物310について例示し、その後、右上可動役物310との相違点を中心に他の可動役物320,330,340については説明する。図89は可動役物310の正面図である。
可動役物310は、遊技機の前後方向に複数の長板状部材が組合されてなる骨部311を有している。骨部311は、前後一対の親骨部314(手前側が前側親骨部314a、後側が後側親骨部314b)、それら親骨部314に挟まれた複数(本実施の形態では3本)の中骨部315により構成されている。これら親骨部314及び中骨部315は板面が前後を向いており、その一端部にて積層されている。この一端部には要部317が形成され、この要部317を中心として骨部311が回動することにより可動役物310が開閉する。
各骨部311において要部317とは反対側の端部(他端部)には半透明の扇面部312が取り付けられている。扇面部312は約150°の扇状をなし、その扇状の径の両側部に親骨部314a,314bが後方から固着され、その中間部に中骨部315が等間隔となるようにして固着されている。扇面部312には、各骨部311の固着対象となる固着部312aと、当該固着部312aに挟まれる非固着部312bとが交互に設けられており、固着部312aと非固着部312bとの境界部分には、可動役物310を閉じる際に折れ曲がる折曲部312cが形成されている。折曲部312cは各骨部311の縁部に沿って形成されている山折のものとそれら山折の折曲部312cの間に設けられた谷折のものとが存在し、扇面部312に山折部分と谷折部分とが交互と形成されている。
図90(a)の概略図に示すように、開状態にて山折部分と谷折部分とが維持される構成とすることで、可動役物310が閉じる際にそれら折曲部312cを起点として変形するように誘導されることとなる。つまり、扇面部312が折曲部312cにおいて折れ曲がらずに他の部位で折れ曲がってしまうことを抑制することができる。このように、扇面部312の変形箇所を特定しておくことにより、開閉の繰り返しによって扇面部312における意図せぬ箇所が変形する等して、折りたたみ機能が上手く作用しなくなることを回避している。
可動役物310は、前側親骨部314aが遊技盤100の背面に固定されることにより遊技盤100と一体化されている。図87等に示すように、可動役物310(要部317)の背後には動力源としての駆動モータ313が配設されており、この駆動モータ31からの動力によって可動役物310が開閉する。
可動役物310を開閉するには、親骨部314の一方を固定し、他方を回動させることにより開閉させることが可能となる。しかしながら、このような構成では開閉を円滑に行うことが困難になったり、開閉時に生じる応力が局所的に大きくなって耐久性が低下したりする要因になり得る。このような、不都合を解消すべく本実施の形態においては、可動役物310の開閉を実現するための駆動力伝達機構が特徴的なものとなっている。そこで以下、図89及び図90(b)の概略図を参照して、この動力伝達機構について説明する。
図89に示すように、要部317には前後方向に貫通させた貫通孔318が形成されて、この貫通孔318にギア319がそれぞれ配設されている。図90(b)に示すように、ギア319は、駆動モータ313の回動軸313aに固定された駆動部側ギア313bと、各骨部311に固定された骨部側ギア313cと、当該駆動部側ギア313bと骨部側ギア313cとの間に配置される遊星ギア313dとによって構成されており、骨部側ギア313cを太陽歯車、駆動部側ギア313bを内歯車、遊星ギア313dを遊星キャリアとする遊星歯車機構として機能する。
なお、各ギア313b〜313dのギア比は、相対的に回動先端側となる骨部の回動速度が相対的に回動基端側となる骨部の回動速度よりも早くなるように設定されている。つまり、開閉時の移動量が多いものほど回動速度が速くなるように設定されている。より詳しくは、各骨部が開位置/閉位置に到達するタイミングが同じタイミングとなるように設定されている。
駆動モータ313が駆動制御されて回動軸313aが回動することにより、駆動部側ギア313bが回動し、その動力が遊星ギア313dを介して骨部側ギア313cに伝達される。なお、駆動モータ313は上述した各実施の形態と同様に、演出制御装置82に接続されており、演出制御装置82のMPU242により駆動モータ313の駆動制御が行われる。
演出制御装置82からの駆動信号により駆動モータ313が動作すると(回動軸313aが回動すると)、前側親骨部314aを除いた各骨部311が回動する。すなわち回動軸313aが正面視で時計回りに回動制御されることで、扇子が開くように各骨部311が回動して扇面部312が開かれて表示画面Gと前後方向に重なる開状態となる(図87参照)。また、この状態から駆動モータ313が駆動制御され、回動軸313aが正面視で反時計回りに回動制御されることで、扇子が閉じるように各骨部311が回動して扇面部312が閉じられて、表示画面Gと前後方向に重ならない閉状態に切り替る(図88参照)。この場合、扇面部312は各折曲部312cにおいて折りたたまれて、前後の親骨部314a,314bの間に収納されることになる。このように扇面部312が閉じた状態では、開いた状態と比較して遊技機正面視における可動役物310の外形が小さくなる。
上述の如く扇面部312が半透明に形成されていることから、右上可動役物310が遮蔽位置に配置されると、図87に示すように背後の表示画面G(右側副表示領域Rs1)からの光は扇面部312を透過することになる。この場合、本実施の形態においては、扇面部312と表示画面Gとの位置関係を利用して、背後の表示画面Gに表示される図柄の視認性を変化させる工夫が施されている。
すなわち、各骨部311は表示画面Gに対して略平行となる方向に回動して遮蔽位置と非遮蔽位置とに変位する。一方、各骨部311が最大回動位置は、前後の親骨部314a,314bのなす角度(本実施の形態では約120°)が扇面部312のなす角度(約150°)よりも小さく設定されており、各骨部311が遮蔽位置に移動すると、図90(a)に示すように、各折曲部312cは所定の角度αをなして配置される。これにより、扇面部312と表示画面Gとに非平行となる面が生じ、当該非平行となる面において、表示画面Gから発せられる光りが屈折して表示画面Gの視認性が低下する。当該非平行となる面として具体的には、非固着部312bであり、当該非固着部312bと連続する固着部312aは表示画面Gと略平行に配置される。そのため、当該固着部312aにおいては、表示画面Gから発せられる光りがほとんど屈折せずそのまま透過されることになる。
このように、表示画面Gと非平行となる面と平行となる面を設けることで、表示画面Gの視認性を変化させ、遊技者に対して可動役物310,320,330,340の背後に表示される図柄に興味を持たせることが可能となる。
特に、本実施の形態においては、可動役物310が開閉する際には、扇面部312の折曲部312cにおいて折り曲げ動作が発生する。そのため、透明ではなく透光性のみを有するように扇面部312を和紙等により形成すると、折曲部312cの強度が低下し右上可動役物310が脆弱化するという懸念が生じ得る。これに対して、本実施の形態では、扇面部312をナイロン樹脂等により形成することで強度を確保している。そして、表示画面Gと扇面部312とを非平行に配置することで、背後の表示画面Gの視認性が過度に向上することを抑制している。このようにすることで、右上可動役物310が遮蔽位置に配置される状況における表示画面Gの視認性を低下させるという遮蔽効果を奏しつつ、位置変位による右上可動役物310の脆弱化といった不都合を回避することが可能となっている。
また、仮に扇面部312の全面をいずれも表示画面Gと非平行となるように配置する構成とすると、非固着部312bだけでなく固着部312aも非平行とする必要が生じる。この場合、固着部312aに固着される各骨部311をも表示画面Gとする必要が生じ、構造の複雑化を生じかねない。これに対して、固着部312aは各骨部311が固着されているため、当該各骨部311を非透明とすることで、表示画面Gからの光は前方へ透過しない。そこで本実施の形態のように固着部312aが表示画面Gと略平行となるように配置することにより、構造の複雑化を抑制しつつ表示画面Gの遮蔽機能が担保されている。
ここで、上側の可動役物310,330については、前側親骨部314a,334aが遊技盤100に固定され、これら固定された前側親骨部314a,334aが可動役物310,330を開閉する際の基端側、後側親骨部314b、334b側が先端側となっている。これに対して、下側の可動役物320,340は、前側親骨部324a,344aではなく後側親骨部324b,344bがベース体163に固定され、これら固定された後側親骨部324b,334bが可動役物320,340を開閉する際の基端側、前側親骨部324a,344a側が先端側となっている。
可動役物装置300は、図87及び図91に示すように、各可動役物310,320,330,340が閉状態になることで上下の可動役物の一部が前後方向にて相互に重なるように配置されている。この上下の可動役物310,320及び330,340の重なりについて、図91を参照しながら説明する。なお、可動役物装置300は左右対称の構成であるため、ここでは表示画面Gの右寄りに配置されたの可動役物310,320について例示する。
既に説明したとおり、本実施の形態では、上側の可動役物310,330は、前側親骨部314a,334aが遊技盤100に固定されて後側親骨部314b,334b側が回動することで、開閉される。一方、下側の可動役物320,340は、後側親骨部324b,344bが遊技盤100に固定されて前側親骨部324a,344a側が回動することで開閉する。このように上下の可動役物310,320,330,340を配置することで、上記のように両者が開状態となって前後方向に重なるようにしても、可動役物装置300を配置するための厚さが嵩むことを抑制している。
具体的には、可動役物310,320,330,340が遮蔽位置に配置される場合のそれぞれの厚さをd1とすると、非遮蔽位置に配置される状況では全体としての厚さはd1であるものの、各部位での厚さはd1よりも薄くなる(例えばd2参照)。この薄くなった箇所同士で、可動役物310,320,330,340を重ね合わせることで、重ね合わせが発生する箇所の前後スペースをd1×2よりも小さくすることができる。つまり、可動役物装置300の背後に配置される表示画面Gと可動役物装置300の前方に配置される遊技盤100との距離を短くすることが可能となり、当該距離が長くなることに起因する表示画面Gの視認性の低下を抑制することができる。
次に、図92を参照して、表示画面Gの副表示領域Rsに停止表示される主図柄と可動役物との関係について例示する。図92では、可動役物310,320と副表示領域Rs1に停止表示される主図柄との関係を示す概略図である。
図92(a)に示すように、上側の可動役物310が開状態になると、当該可動役物310の扇面部312が副表示領域Rsにおいて中図柄列Z2に停止する主図柄の一部と前後方向に重なる。さらに、下側の可動役物320が遮蔽位置に配置されると、当該可動役物320の扇面部322は副表示領域Rsにおいて中図柄列Z2に停止する主図柄の一部と前後方向に重なるように配置される。これら副表示領域Rsの中図柄列Z2に停止する主図柄には、上下いずれの可動役物310,320とも前後方向に重ならず遊技機前方から視認可能な第1部位P1と、上側の可動役物310のみと前後方向に重なる第2部位P2と、下側の可動役物320のみと前後方向に重なる第3部位P3と、上下の可動役物310,320と前後方向に重なる第4部位P4とが設定されている。
そして、副表示領域Rsの中図柄列Z2に停止する主図柄は、上側の可動役物310が開状態となっている状況下にて下側の可動役物320が開状態から閉状態に切り替ると、図92(b)に示すように上記各部位P1〜P4のうち第1部位P1に加えて第3部位P3が遊技機前方から視認可能となる。一方、下側の可動役物320が閉状態となっている状況下にて上側の可動役物310が開状態から閉状態に切り替ると、図92(c)に示すように、上記各部位P1〜P4のうち第1部位P1に加えて第2部位P2が遊技機前方から視認可能となる。また、そして、上下の可動役物310,320の両方が開状態から閉状態に切り替ることで、図92(c)に示すように、第4部位P4が視認可能となる。
キャラクタ画像と数字画像とを合わせて主図柄を構成している前提にて、上下の可動役物310,320の両者が閉状態に切り替ることを条件に視認可能となる部位(第4部位P4)に数字画像を配することで、上記第1〜第6の実施の形態において説明したように、保留予告において保留用図柄が副表示領域Rsの中図柄列Z2に停止し、上下の可動役物310,320のいずれもが非遮蔽位置に変位することで有効となる特別保留予告の意義を遊技者に認識させやすくなる。つまり、上記の保留予告において、可動役物310,320,330,340の動作に加えて、第4部位P4が視認可能となることが副表示領域Rsの中段の図柄を利用した保留予告成立の条件となり、保留予告の成否が認識し易くなる。
なお、主図柄に、キャラクタ画像及び数字画像からなるものと、一見するとそれと同一であるように見えるもの(具体的には数字画像が排除されたもの)とを設定し、これら主図柄の何れもが停止表示され得る構成とすることにより、保留予告の態様を更に多様化できる。例えば、上下の可動役物310,320が閉状態となって上記第4部位が視認可能となった場合に、数字画像が付された主図柄であることにより保留予告条件が成立し、数字画像が付されていない主図柄であることにより保留予告条件が非成立となるように設定するとよい。これにより、可動役物を用いた演出への注目度の更なる向上に貢献できる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
可動役物装置300において、上下の可動役物310,320及び330,340を前後方向に重なるように配置し、副表示領域Rsの中段に停止する主図柄がこれら上下の可動役物310,320及び330,340により遮蔽される構成とした。これにより当該中段に停止する主図柄を利用した特別保留予告が成立を、当該中段に停止する主図柄の視認性という観点だけでなく、上下の可動役物310,320及び330,340の動作という観点からも遊技者に示すことが可能となり、遊技者に当該特別保留予告の成立を認識させやすくなる。
このような構成において、上下の可動役物310,320及び330,340を扇状の可動役物としたことで、可動役物としての装飾性を高めるとともに、閉時(非遮蔽状態)における占有領域の減縮が実現されている。そしてこのように扇状にした上下の可動役物310,320及び330,340を、開放先端が前後逆となるように配置した。これにより、上述した各効果を奏しつつも、可動役物310,320及び330,340の可動領域の前後幅を薄くすることが可能となる。よって、表示画面Gと遊技盤100との距離を短くすることができ、表示画面Gの視認性の向上を図ることができる。
さらに、可動役物装置300による表示画面Gの遮蔽効果(視認性を低下させる効果)を高めるべく、各可動役物310,320,330,340が開いた状況にて、扇面部312,322,332,342の非固着部312b,322b,332b,343bが表示画面Gと非平行となるようにした。これにより、表示画面Gから発せられる光が非固着部312b,322b,332b,342bにおいて屈折し、表示画面Gの遮蔽効果を高めることが可能となる。このような遮蔽効果を高める構成として、例えば各扇面部312,322,332,342を非透明性の部材により形成したり、透光性を有する和紙等の部材により形成したりすることも考えられる。しかし、前者の場合、可動役物としての装飾性が低下すると懸念され、後者の場合、可動役物の強度担保が困難になると懸念される。これに対して本実施の形態では、各扇面部312,322,332,342を樹脂等により半透明に形成したことで装飾性及び強度を高めつつも、上記のように配置したことで、表示画面Gの遮蔽効果を確保することが可能となる。
<第8の実施の形態>
上記各の実施の形態では、可動役物170〜173を動作させて1遊技回中に複数の保留予告に対応する図柄組合せ(詳しくは同一の特定図柄の組合せ)を複数表示させることにより、1遊技回中にてあたかも複数回の保留予告が行われたかのように見せる構成としたが、本実施の形態では、保留予告に対応する図柄組合せの表示態様の更なる多様化が図られている。以下、図93を参照して、本実施の形態にて追加された保留予告の表示態様について説明する。図93は、保留予告の流れを示す概略図である。
本実施の形態にて追加された保留予告については、大別して2つのパターンが存在する。具体的には、1度に複数種(本実施の形態においては2種類)の保留予告に対応する図柄組合せを表示する第1表示パターンと、複数の段階(本実施の形態においては2段階)に分けて保留予告に対応する図柄組合せを表示する第2表示パターンとが設定されている。
これら第1表示パターン及び第2表示パターンの何れを実行するかを決定する際には、演出制御装置82の各種テーブルエリア243aに記憶された表示パターン決定テーブルが参照される。ここで、表示パターン決定テーブルは、保留予告の契機となった保留情報が大当たりに対応している場合には第1表示パターンよりも第2表示パターンの方が選択されやすく、且つ保留予告の契機となった保留情報が大当たりに対応していない場合には、第2表示パターンよりも第1表示パターンが選択されやすくなるように設定されている。これにより、第1表示パターンよりも第2表示パターンの方が、保留予告が実行された際の期待度が高くなっている。
なお、上記各実施の形態においては、保留予告に対応する図柄組合せが1つだけ停止表示される場合について説明したが、1度の保留予告にて表示される保留予告対応の図柄組合せの数(種類)が多いほど上記期待度が高くなるように設定されている。より詳しくは、当該期待度については、上記実施の形態において、複数の遊技回(詳しくは2回)に亘って1度ずつ保留予告対応の図柄組合せが停止表示される場合と同等となるように設定されている。
先ず、第1表示パターンについて説明する。図93(a)→図93(b)に示すように、図柄の変動表示が開始→終了する際には、表示画面Gの主表示領域Rmに「7」図柄の組合せと「6」図柄の組合せが同時に表示される。つまり、保留予告に対応する図柄組合せが2種類まとめて表示される。当該第1表示パターンにおいては、保留予告に対応する図柄組合せが1つだけ停止表示される場合と比較して、遊技者の期待感を一気に高めることができる。保留予告対応の図柄組合せが2種類表示された後は、図93(c)に示すように図柄の変動表示が開始され次の遊技回に進む。
第2表示パターンについては、図62等にて説明したように、1遊技回にて保留予告が2段階に分けて実行されることとなる。具体的には、図93(a)→図93(d)に示すように、図柄の変動表示が開始→終了する際には、表示画面Gの主表示領域Rmに「8」図柄の組合せが表示されることとなる。このタイミングでは、副表示領域Rsに停止表示されている「7」図柄の組合せによってもう一つの保留予告対応の図柄組合せを表示可能ではあるが、副表示領域Rsについては可動役物170〜173によって遮蔽されており、停止している図柄の確認が困難となっている。つまり、図93(d)においては保留予告に対応する図柄組合せが1つだけ表示された状態となっている。
その後、図93(d)→図93(e)に示すように、可動役物170,172,173が動作して副表示領域Rsに停止表示されている図柄が視認可能となる。これにより、表示画面Gには、主表示領域Rm及び副表示領域Rsを合わせて「7」図柄の組合せが遊技者から視認可能となるように表示された状態となる。これにより、保留予告に対応する図柄組合せが都合2種類表示されることとなる。保留予告対応の図柄組合せが2種類表示された後は、図93(c)に示すように図柄の変動表示が開始され次の遊技回に進む。
このように、主表示領域Rmに保留予告対応の図柄組合せを複数種一括して表示させた状態とすることにより、インパクトの強い保留予告を実行できる。また、主表示領域Rmに保留予告対応の図柄組合せが1つしか停止していない場合であっても、その後、2種類に増えるパターンを設け、更にこのパターンの方が前者よりも期待度を高く設定しておくことにより、遊技者は2つ目の保留予告対応の図柄組合せが表示されることを期待することとなり、遊技者の期待が早期に低下することを好適に抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、2つの表示パターンに優劣を設定したが、期待度を変化させるべく2つの表示パターンを併用するのではなく、保留予告を決定するタイミングによって第1表示パターン/第2表示パターンが選択される構成とすることも可能である。
例えば、遊技回の開始時に既に記憶されている保留情報に基づいて保留予告を行う場合や全ての図柄が高速変動をしている状況下においては、図柄の停止態様(停止目)を変更する(差替える)ことが可能である。そこで、このような場合には、第1表示パターンを選択する。一方、遊技回の開始後に新たに取得された保留情報に基づいて保留予告を行う場合であって、既に図柄の停止態様(停止目)を変更することが困難である場合には、主表示領域Rm及び副表示領域Rsを含めた表示画面G全体にて保留予告対応の図柄組合せを2つ表示し得る状況であるか否かを判定し、当該判定の結果が肯定結果となった場合には、第2表示パターンを選択する。
このように保留予告の開始契機に応じて、第1表示パターン/第2表示パターンを選択する構成とすれば、保留予告の内容からどの保留情報が大当たりに当選している可能性が高いかを予測するという遊技が追加され、遊技への注目度の向上に貢献できる。
<第9の実施の形態>
上記第4の実施の形態では、保留予告の停止態様によってその後に大当たり結果となる期待度が異なる構成について説明した。ここで、上記第4の実施の形態においては演出の概要を簡略化して示した構成の一部を、その技術的意義を踏まえて補足説明する。
既に説明したように「特別報知」としての保留予告には、その後に大当たり結果となる期待度の異なる第1保留予告、第2保留予告、第3保留予告が設定されている。第1〜第3保留予告は、各図柄列Z1〜Z3において同一の予告対応図柄を停止させて当該保留予告に対応する図柄組合せを遊技者から視認可能とすることにより実行される点では共通しているが、図柄組合せの停止領域(散布範囲)が異なっている。そして、この停止領域に応じてその後に大当たり結果となる期待度が異なるように設定されている。つまり、同じ図柄組合せによって保留予告を行う場合であっても、当該図柄組合せを形成する図柄の散らばり度合いによって期待度が高低相違する構成となっている。
図94の概略図に示すように、第1保留予告は、主表示領域Rmに停止する主図柄のみの組合せによって保留予告が成立する演出である。第1保留予告に対応する図柄組合せの散布範囲は主表示領域Rm内に留まっている。
第2保留予告は、当該第2保留予告に対応する図柄が第1保留予告に対応する図柄よりも広域に散在している。具体的には、主表示領域Rmに停止する図柄と、左右の副表示領域Rs1,Rs2のうちの一方の副表示領域Rsに停止する図柄とによって保留予告対応の図柄組合せが構成されている。すなわち、第2保留予告に対応する図柄組合せの散布範囲は主表示領域Rm内に留まらず主表示領域Rm及び副表示領域Rs2に亘っている。
第3保留予告は、当該第3保留予告に対応する図柄が第2保留予告に対応する図柄よりも広域に散在している。具体的には、主表示領域Rm停止する図柄と、左右両方の副表示領域Rs1,Rs2に停止する図柄とによって保留予告対応の図柄組合せが構成されている。すなわち、第3保留予告に対応する図柄組合せの散布範囲は主表示領域Rm内に留まらず主表示領域Rm及び副表示領域Rs1,Rs2に亘っている。
保留予告の契機が大当たり結果に対応する保留情報である場合には第3保留予告 > 第2保留予告 > 第1保留予告の順に選択される確率が高くなり、当該契機が外れ結果に対応する保留情報である場合には第1保留予告 > 第2保留予告 > 第3保留予告の順に選択される確率が高くなるように設定されている。これにより、その後に大当たり結果となる期待度は、第3保留予告 > 第2保留予告 > 第1保留予告の順に高くなっている。つまり、保留予告に対応する図柄組組合せについては、その停止領域がどれだけ多くの表示領域に亘って形成されているかによって、すなわち当該図柄組合せを形成している図柄の散らばり度合いによって大当たり結果となる期待度が相違しており、図柄の散らばり度合いが大きいほど、期待度が高くなる構成となっている。
また、第1保留予告においては、最終停止対象としての中図柄列に属する図柄を基準とした他の図柄、詳しくは上図柄列に属する図柄ズレコマ数は「1」となっており、下図柄列に属する図柄のズレコマ数は「0」となっている。これにより、中図柄列に属する図柄を基準とした他の図柄のズレコマ数の総和は「1」となっている。
第2保留予告においては、最終停止対象としての中図柄列に属する図柄を基準とした他の図柄、詳しくは上図柄列に属する図柄ズレコマ数の総和は「2」となっており、下図柄列に属する図柄のズレコマ数は「2」となっている。これにより、中図柄列に属する図柄を基準とした他の図柄のズレコマ数の総和は「3」となっている。
第3保留予告においては、最終停止対象としての中図柄列に属する図柄を基準とした他の図柄、詳しくは上図柄列に属する図柄ズレコマ数の総和は「2」となっており、下図柄列に属する図柄のズレコマ数は「4」となっている。これにより、中図柄列に属する図柄を基準とした他の図柄のズレコマ数の総和は「6」となっている。
このように、保留予告に対応する図柄組合せについては、特定の図柄列に属する図柄を基準とする他の図柄のズレコマ数が大きくなることにより、すなわち図柄間の離間距離の総和が大きくなることにより、大当たり結果となる期待度が高くなるように構成されているとも言える。
保留予告を行った後の遊技回(保留予告の契機となった遊技回)においては、表示画面Gの広域にて様々な予兆演出や本演出等が実行され得る。この場合に、遊技者の視野が狭くなっているとそれら各種演出を実行したとしても同演出が見逃される可能性が高くなる。そこで、本実施の形態に示すように、保留予告に対応する図柄組合せの散らばり度合いが大きくなることで期待度が高くなる構成とすれば、遊技者の視野を好適に広げることが可能となり、上述した見過ごし等の発生によって演出効果が上手く発揮されなくなることを抑制できる。
特に、保留予告によって遊技者の視野が広がるように促した後に、上記予兆演出や本演出等を行うことにより、視野を広げた効果が持続している間に後続の遊技回に移ることとなる。故に、上述した効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
<第10の実施の形態>
上記各実施の形態に示した遊技盤ユニット90の遊技盤100には、図柄表示装置161の表示画面Gと対向する部分が設けられている。本実施の形態においてはこの対向する部分を利用して可動役物装置の動作の円滑化等の工夫が施されていることを特徴の1つとしている。以下、図95及び図96を参照して本実施の形態における可動役物装置300X及びそれに関連する構成(遊技盤100X)について説明する。図95(a)は遊技盤ユニット90Xの正面図、(b)遊技盤ユニット90Xの部分拡大図、図96(a)は遊技盤100Xの背面斜視図、図96(b)は遊技盤100Xと可動役物装置300Xとの関係を示す概略図である。なお、図95(b)においては説明の便宜上、遊技盤100Xを通じて可動役物装置300Xが視認可能となっている旨を実線によって表示している。
遊技盤100Xは、その主要な構成が上記第7の実施の形態と共通となっている。そこで、これら共通の構成については説明を援用し、当該第7の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図95(a)に示すように、遊技盤100Xの前面部分において表示画面Gと対向している部分には、装飾125Xが付与されている。この装飾125Xによって遊技盤100Xの見栄えの向上が図られている。
装飾125Xは、つや消し加工(例えばショットブラスト)によって光の直進透過が抑えられている(半透明になっている)。装飾125Xを半透明として当該装飾125Xの背後に位置する表示画面Gの視認性を担保することにより、表示画面Gが極端に見づらくなるといった不都合が生じることを抑制している。つまり、装飾125Xによる見栄えの向上が、遊技者の利益に関係する図柄等の確認を妨げる要因になることを回避している。
なお、装飾125Xは、帯状をなしており、表示画面Gに設定された主表示領域と副表示領域とを区画するようにして配されている。つまり、装飾125Xには、主表示領域と副表示領域との識別を容易とするサポート機能が付与されている。
図95(b)に概略的に示すように、他の実施の形態と同じく、遊技盤100Xと図柄表示装置161(表示画面G)との間には可動役物装置300Xが配設されている。遊技盤100Xの背面部分には、可動役物装置300Xを構成する各可動役物(図には右上可動役物310Xを例示)の動きをサポートする「案内部」としてのガイド溝126Xが形成されている(図96(a)参照)。
ガイド溝126Xは、遊技機正面視にて上記装飾125Xに沿って延びるように形成されている。より詳しくは、ガイド溝126Xの溝幅は装飾125Xの幅よりも小さく抑えられ、全体が装飾125Xと重なるように形成されている。これにより、遊技機正面視にてガイド溝126Xの装飾125Xからのはみ出しが回避され、ガイド溝126Xは装飾125Xの背後に隠されている。
可動役物310Xを構成する親骨部314(「可動体」に相当)の回動先端部分には、ガイド溝126Xに係合する係合ピン350Xが突設されている(図96(b)参照)。可動役物310Xを開閉する際には、係合ピン350Xがガイド溝126Xに係合した状態で移動することにより、開閉動作を安定して行うことが可能となっている。
また、可動役物310Xが開いた状態では、係合ピン350Xがガイド溝126Xの端部に当接することにより、それ以上の動きが阻止されることとなる。つまり、ガイド溝126Xには、可動役物310X用のストッパとしての機能が付与されている。
更には、可動役物310Xが開いた状態では、係合ピン350Xがガイド溝126Xによって支えられ状態となる。これにより可動役物310Xの支持機能が強化されている。
なお、装飾125X及びガイド溝126Xと、上記可動役物320,330,340との関係についても同様であるため説明を援用する。
以上詳述したように、遊技盤100Xの対向部分に可動役物310Xを案内する機能を付与することにより、可動役物310Xの動きを安定させることが可能となる。
例えば、可動役物310Xを大型化させたり、可動役物310Xの動作範囲を広く設定したりした場合には可動役物装置300Xを用いた演出をインパクトのあるものとすることができ、遊技機への注目度を向上する上で有利である。しかしながら、その反面、可動役物310Xの動きは不安定になりやすいと想定される。このように、可動役物310Xの動きが不安定になることは、動作不良や見栄え低下の要因となり、上記効果を発揮させる上での障害となり得る。この点、本実施の形態に示す構成によれば、このような不都合の発生を抑えることができ、可動役物装置300Xによる演出機能を好適に発揮させることが可能となる。
特に可動役物310Xの支持位置(保持位置)が表示画面Gと重ならない位置に配置されている構成では、可動役物310Xを表示画面Gの前方にて動かそうとすることで、支持位置から遠い部分にて可動役物310Xの位置ばらつきが大きくなりやすい。この点、遊技盤100Xに上記対向部分が存在し、この対向部分にガイド溝126Xを設ける構成とすれば、このような不都合の発生を好適に抑制できる。つまり、本実施の形態に示す技術的思想は、状況に応じて表示画面Gとの重なりが大きくなるように変位する可動部分(親骨部等)が存在する可動役物310Xに適用することにより、可動役物装置300Xによる演出機能等を安定して発揮させることができるという好ましい構成の実現に貢献し得る。
可動役物310Xが回動タイプである場合、当該可動役物310Xの動作時にはその回動先端部におけるぶれ幅(例えば位置ずれ)が大きくなりやすい。そこで、ガイド溝126Xによる案内対象を可動役物310Xの回動先端部分とすれば、上記ぶれを抑えて可動役物310Xの動きを好適に安定させることができる。
遊技盤100Xの対向部分を通じて表示画面Gを見る際に、仮に上記ガイド溝126Xが目立ってしまうと遊技機の見栄えが低下し得る。そこで、遊技盤100X(対向部分)に形成された「模様」としての装飾125Xの背後にガイド溝126Xを配することにより、当該ガイド溝126Xを目立ちにくくして、上述した見栄えの低下を抑制することができる。
装飾125Xは上記対向部分の正面部分に設けら、ガイド溝126Xは当該対向部分の背面部分に設けられている。係る構成とすれば、ガイド溝126Xの存在が装飾125Xを付与しづらくする要因になることを回避して、装飾125Xとガイド溝126Xとを遊技盤100Xの対向部分にて好適に共存させることが可能となる。
なお、上記説明では第7の実施の形態に示した可動役物装置300を基に説明したが、本実施の形態に示す技術的思想は当該可動役物装置300に限って適用可能なものではなく、第1の実施の形態に示した可動役物装置162に適用することも可能である。
この場合、例えば各可動役物170〜173に対応するガイドレールを遊技盤100の背面部分に設け、遊技盤100の前面部分においてそれらガイドレールに対して遊技機前方から重なる箇所に装飾等の模様を付与する構成とすればよい。
<第11の実施の形態>
本実施の形態においては、遊技盤100と図柄表示装置161との間に設けられた可動役物装置300に係る構成が上記第10の実施の形態と相違しており、これに合わせて遊技盤100に付与された装飾等の構成が変更されている。以下、図97を参照して、本実施の形態における可動役物装置300Yとそれに関連する構成について説明する。図97(a)は遊技盤100Yと可動役物装置300Yとの関係を示す概略図、図97(b)は図97(a)のX−X線部分断面図である。
図97(a)に示すように、本実施の形態においては装飾125Yが各有効ラインL1〜L5に沿って形成され、これら装飾125Yに有効ラインを教示する機能が付与されている。このように、「模様」としての装飾125Yによって有効ラインを教示することで、有効ラインと非有効ラインとが併用されている遊技機にて有効ラインと非有効ラインとの識別が難しくなることを抑制している。
なお、各有効ラインは互いに交差しており、これら有効ラインに対応する装飾125Yについても交差することで全体として1つの絵柄を構成しているが、必ずしも装飾125Y同士を結合する必要はなく、各有効ライン毎に装飾125Yを分化して設けてもよい。
斜めに傾いている有効ラインL4(右下がりライン)及び有効ラインL5(右上がりライン)に対応する装飾125Yの背後には、「案内部」としてのガイド溝126Yが形成されている。本実施の形態においては、可動役物装置300Yを構成する可動装飾体401Yが、上記ガイド溝126Y等を介して遊技盤100Yと一体化されている。このため、可動装飾体401Yは、遊技盤100Yによって保持された状態でガイド溝126Yに沿って(自重により)移動することにより、表示画面Gを斜めに横切るように移動することとなる。なお、可動装飾体401Yの動きに係る構成については様々な工夫が施されているため、当該可動装飾体401Yの動きについての詳細は後述する。
可動役物装置300Yは、移動可能に設けられた「可動体」としての上記可動装飾体401Yと、可動装飾体401Yを初期位置に復帰させる復帰機構とによって構成されている。可動装飾体401Yは所定の経路に沿って移動することにより初期位置に復帰するため、可動役物装置300Yによる演出を繰り返し行うことが可能となっている。
可動装飾体401Yは、遊技盤100Yの背面に対向する円板状の対向部402Yと、対向部402Yから前方に突出して設けられ、ガイド溝126Yに係合する突条の係合部403Yとからなるベース体を有している。
対向部402Yの背面部分(後面部分)には、装飾部材としてのシール部材404Yが貼り付けられている。シール部材404Yの前面(貼付面)にはキャラクタ等の絵柄が付与されている。ベース体は、透明な合成樹脂材料からなり、当該ベース体を通じてシール部材404Yに付与された絵柄が視認可能となっている。
右上がりの有効ラインL5に対応するガイド溝126aYの両端、及び右下がりの有効ラインL4に対応するガイド溝126bYの両端には、可動装飾体401Yを停留可能な停留部が設けられている。
表示画面Gの左右両側には、停留部に到達した可動装飾体401Yを保持可能なホルダ411Y,412Yがそれぞれ設けられている。これらホルダ411Y,412Yは、可動装飾体401Yに形成された凸部405Yを後方から挟み込むホールド状態と、凸部405Yを挟みこまないリリース状態とに切替可能に構成されている。
ここで、遊技盤100Yの背面部において表示画面Gの左右両側となる位置には、上下一組の停留部を繋ぐようにしてレール413Y,414Yが取り付けられている。レール413Y,414Yはホルダ411Y,412Yを移動可能に保持しており、ホルダ411Y,412Yのレール413Y,414Yに沿った昇降が許容されている。なお、ホルダ411Y,412Yについては、上下方向に移動可能となっているが左右方向への移動は許容されていない。図97(b)においては、ホルダ411Y,412Yを2点鎖線によって擬似的に表示しているが、実際にはこの位置(表示画面Gの変動表示領域と重なる位置)までホルダ411Y,412Yが移動するわけではない。
可動装飾体401Yは、ホルダ411Y,412Yによって保持された状態で、当該ホルダ411Y,412Yに追従して移動することとなる。本実施の形態においてはこのような移動の最中に可動装飾体401Yが遊技盤100Yから脱落することを回避するための工夫が施されている。
図97(a)に示すように、各停留部は、遊技盤100Xの背面に形成された凹部126cY〜126fYに回転体421Y〜424Yがそれぞれ収容されてなる。回転体421Y〜424Yには、可動装飾体401Yの係合部403Yに係合する係合溝421aY〜424aYがそれぞれ形成されている。停留部に到達した可動装飾体401Yは、係合溝421aY〜424aYに可動装飾体401Yのベース体(係合部403Y)が係合した状態で停留することとなる。
回転体421Y〜424Yは遊技盤100Yによって当該遊技盤100Yの厚さ方向に延びる軸線を中心に回転可能な状態で軸支されている。遊技盤100Yには回転体421Y〜424Yを回転させる駆動部としてのモータが各回転体421Y〜424Yに1対1で対応させて取り付けられている。これらモータが動作することにより、回転体421Y〜424Yが凹部126cY〜126fYにて時計回り又は反時計回りに回転することとなる。
遊技盤100Yには、上下の停留部同士を繋ぐようにして縦方向に延びる溝部126gY,126hYが形成されている。溝部126gY,126hYについても可動装飾体401Yの係合部403Yに合わせて形成されている。
回転体421Yは当該回転体421Yの回転によって係合溝421aYがガイド溝126aYに連通する状態と溝部126hYに連通する状態とに切り替る構成となっており、回転体422Yは当該回転体422Yの回転によって係合溝422aYがガイド溝126aYに連通する状態と溝部126gYに連通する状態とに切り替る構成となっており、回転体423Yは当該回転体423Yの回転によって係合溝423aYがガイド溝126bYに連通する状態と溝部126gYに連通する状態とに切り替る構成となっており、回転体424Yは当該回転体424Yの回転によって係合溝424aYがガイド溝126bYに連通する状態と溝部126hYに連通する状態とに切り替る構成となっている。
ホルダ411,412Yについても遊技盤100Yの厚さ方向に延びる軸線を中心に回動可能な状態で上記レール413Y,414Yに取り付けられている。停留部にて停留中の可動装飾体401Yがホルダ411Y,412Yによって保持されている状況下にて回転体421Y〜424Yが回転すると、それに追従してホルダ411Y,412Yも回転することとなる。つまり、ホルダ411Y,412Yによって可動装飾体401Yが保持された状態であっても、当該ホルダ411Y,412Yの存在によって回転体421Y〜424Yの動き、すなわち可動装飾体401Yの姿勢の変化が妨げられるものではない。
なお、遊技盤100Yには回転体421Y〜424Yが上記2つの溝の何れかに連通する状態となった場合にそれ以上の回転を阻止するストッパが形成されており、回転角度に制限が課せられている。これらストッパにより各溝と連通する際の回転位置を規定することにより、上述した連通機能、すなわち可動装飾体401Yの移動経路を確保する機能が上手く作用しなくなることを回避している。
回転体421Y〜424Y用の駆動モータと、ホルダ411Y,412Y用の駆動モータとは、演出制御装置82に接続されており、この演出制御装置82から駆動信号が出力されることで動作する。また、可動役物ユニット400Yは、各停留部に設けられた可動装飾体401Y検知用の検知センサと、ホルダ411Y,412Yの位置検知用の検知センサと、回転体421Y〜424Yの回転位置検知用の検知センサとを有している。これら各種センサは演出制御装置82に接続されており、演出制御装置82ではこれら検知センサからの検知情報(検知信号)に基づいて、可動装飾体401Yの停留位置、ホルダ411Y,412Yの上下位置、回転体421Y〜424Yの回転位置を把握することが可能なっている。
図97(a)に示すように、本実施の形態に示すセンターフレーム130Yについては門型をなしており、当該センターフレーム130Yによって可動役物装置300Yが遊技機前方から覆われている。このように、センターフレーム130Yの背後に可動役物装置300Yを隠して、目視での確認を困難とすることにより、遊技盤ユニット90Yの見栄えの低下が抑制されている。なお、停留部に停留中の可動装飾体401Yについても目視での確認が困難となっている。故に、可動装飾体401Yが左右何れから移動してくるかを分かりづらくして、可動装飾体401Yの移動時のインパクトを強くすることができる。
次に、図98の概略図を参照して、可動役物装置300Y(可動装飾体401Y)の動作態様を説明する。可動装飾体401Yの待機位置については、表示画面Gの右上となる停留部と、表示画面Gの左上となる停留部とに大別される。ここでは説明の便宜上、可動装飾体401Yが表示画面Gの右上の停留部に停留している状態からの動きについて例示する。
表示画面Gの右上となる停留部に可動装飾体401Yが待機している状況下にて、可動役物装置300Yによる演出の実行タイミングとなった場合には、回転体421Yが回転して、回転体421Yの係合溝421aYがガイド溝126aYに連通する状態に切り替ることとなる。この時点では、ホルダ412Yによって可動装飾体401Yが保持されていないため、可動装飾体401Yが自重によって回転体421Yの係合溝421aYから遊技盤100Yのガイド溝126aYに移る。ガイド溝126aYに移った可動装飾体401Yは、遊技盤100Yによって保持された状態のまま、自重によって右上の停留部から左下の停留部に向けて移動することとなる。
停留部に待機していた可動装飾体401Yが遊技盤100Y側へ移った後は、回転体421Yが回動して、当該回転体421Yの係合溝421aYが溝部126hYに連通する状態に切り替る。
ここで、右上の停留部にて可動装飾体401Yを停留(待機)させる構成について補足説明する。既に説明したように回転体421Yは、自身が回転することにより係合溝421aYがガイド溝126aYに連通する状態と溝部126hYに連通する状態とに切替可能である。ここで、両回転位置の中間では、ガイド溝126aY及び溝部126hYの何れにも連通せず、係合溝421aYの端部が凹部126cYの壁面に対峙した状態となる。つまり、この状態では凹部126cYの壁面が係合溝421aYからの可動装飾体401Yの離脱を阻止するストッパとして機能している。これにより、可動装飾体401Yは、ガイド溝126aY及び溝部126hYの何れにも流入することなく、停留部に停留した状態に維持されることとなる。
ガイド溝126aYに流入した可動装飾体401Yは、ガイド溝126aYに沿って流下する。但し、ガイド溝126aYは、その途中位置にてガイド溝126bYと交差しており、ガイド溝126aYが一部寸断されている。但し、可動装飾体401Yの係合部403Yについては、この寸断距離よりも十分に長く形成されている。このため、上述した寸断部分にて可動装飾体401Yが到達した際には、寸断部分を跨ぐようにして係合部403Yとガイド溝126aYとが係合した状態となり、当該寸断部分の存在が可動装飾体401Yの動きを妨げる要因になることが回避される。
可動装飾体401Yが右上の停留部にて待機している場合には、左下の停留部の回転体422Yは、当該回転体422Yの係合溝422aYがガイド溝126aYに連通する位置に待機している。このため、ガイド溝126aYに沿って移動した可動装飾体401Yは、遊技盤100Yから回転体422Yに移ることとなる。これにより、可動装飾体401Yはセンターフレーム130Yの背後に隠れて遊技者の視界から外れる。
可動装飾体401Yが回転体422Yに到達した後は、レール413Yの最下部に配置されているホルダ411Yによって挟持される。その後、回転体422Yが回転して、当該回転体422Yの係合溝422aYが溝部126gYに連通する状態に切り替る。
このようにして、可動装飾体401Yの姿勢が変更されて上側への移動経路が確保された後は、レール413Yに沿ってホルダ411Yが上昇する。これにより、可動装飾体401Yは、左上の停留部へ向けて移動することとなる。この場合も、可動装飾体401Yはセンターフレーム130Yの背後を移動するため、当該可動装飾体401Yの移動が遊技者によって視認されることが回避される。
停留部に待機していた可動装飾体401Yが回転体422Yから遊技盤100Y側へ移った後は、回転体422Yが回動して、当該回転体422Yの係合溝422aYがガイド溝126aYに連通する状態に切り替る。
ここで、左上の停留部を構成する回転体423Yについては、当該回転体423Yの係合溝423aYが溝部126gYに連通した状態となっている。これにより、ホルダ411Yによって持ち上げられた可動装飾体401Yは左上の停留部に到達する。
既に説明したように回転体423Yは、自身が回転することにより係合溝423aYがガイド溝126bYに連通する状態と溝部126gYに連通する状態とに切替可能である。ここで、両回転位置の中間では、ガイド溝126bY及び溝部126gYの何れにも連通せず、係合溝423aYの端部が凹部126eYの壁面に対峙した状態となる。つまり、この状態では凹部126eYの壁面が係合溝423aYからの可動装飾体401Yの離脱を阻止するストッパとして機能する。可動装飾体401Yが左上の停留部に到達した後は、回転体423Yが回転して、この状態となることにより、可動装飾体401Yは、ガイド溝126bY及び溝部126gYの何れにも流入することなく、停留部に停留した状態に維持されることとなる。これに伴って、ホルダ411Yによる可動装飾体401Yの保持が解除され、当該ホルダ411Yがレール413Yの最下部となる位置へと復帰する。
表示画面Gの左上となる停留部に可動装飾体401Yが待機している状況下にて、可動役物装置300Yによる演出の実行タイミングとなった場合には、回転体423Yが回転して、回転体423Yの係合溝423aYがガイド溝126bYに連通する状態に切り替ることとなる。この時点では、ホルダ411Yによって可動装飾体401Yが保持されていないため、可動装飾体401Yが自重によって回転体423Yの係合溝423aYから遊技盤100Yのガイド溝126bYに移る。ガイド溝126bYに移った可動装飾体401Yは、遊技盤100Yによって保持された状態のまま、自重によって左上の停留部から右下の停留部に向けて移動することとなる。
停留部に待機していた可動装飾体401Yが遊技盤100Y側へ移った後は、回転体423Yが回動して、当該回転体423Yの係合溝423aYが溝部126gYに連通する状態に切り替る。
ガイド溝126bYに流入した可動装飾体401Yは、ガイド溝126bYに沿って流下する。但し、ガイド溝126bYは、その途中位置にてガイド溝126aYと交差しており、ガイド溝126bYが一部寸断されている。但し、可動装飾体401Yの係合部403Yについては、この寸断距離よりも十分に長く形成されている。このため、上述した寸断部分にて可動装飾体401Yが到達した際には、寸断部分を跨ぐようにして係合部403Yとガイド溝126bYとが係合した状態となり、当該寸断部分の存在が可動装飾体401Yの動きを妨げる要因になることが回避される。
可動装飾体401Yが左上の停留部にて待機している場合には、右下の停留部の回転体424Yは、当該回転体424Yの係合溝424aYがガイド溝126bYに連通する位置に待機している。このため、ガイド溝126bYに沿って移動した可動装飾体401Yは、遊技盤100Yから回転体424Yに移ることとなる。これにより、可動装飾体401Yはセンターフレーム130Yの背後に隠れて遊技者の視界から外れる。
可動装飾体401Yが回転体424Yに到達した後は、レール414Yの最下部に配置されているホルダ412Yによって挟持される。その後、回転体424Yが回転して、当該回転体424Yの係合溝424aYが溝部126hYに連通する状態に切り替る。
このようにして、可動装飾体401Yの姿勢が変更されて上側への移動経路が確保された後は、レール414Yに沿ってホルダ412Yが上昇する。これにより、可動装飾体401Yは、右上の停留部へ向けて移動することとなる。この場合も、可動装飾体401Yはセンターフレーム130Yの背後を移動するため、当該可動装飾体401Yの移動が遊技者によって視認されることが回避される。
停留部に待機していた可動装飾体401Yが回転体424Yから遊技盤100Y側へ移った後は、回転体424Yが回動して、当該回転体424Yの係合溝424aYがガイド溝126bYに連通する状態に切り替る。
ここで、右上の停留部を構成する回転体421Yについては、当該回転体421Yの係合溝421aYが溝部126hYに連通した状態となっている。これにより、ホルダ411Yによって持ち上げられた可動装飾体401Yは左上の停留部に到達する。
可動装飾体401Yが回転体421Yに到達した後は、当該回転体421Yが上記中間位置へと回転し、係合溝423aYの端部が凹部126eYの壁面に対峙した状態となる。この状態となることで、凹部126eYの壁面が係合溝423aYからの可動装飾体401Yの離脱を阻止するストッパとして機能し、可動装飾体401Yは、ガイド溝126bY及び溝部126gYの何れにも流入することなく、停留部に停留した状態に維持されることとなる。これに伴って、ホルダ412Yによる可動装飾体401Yの保持が解除され、当該ホルダ412Yがレール414Yの最下部となる位置へと復帰する。
以上詳述した可動役物装置300Yの動作と、図柄表示装置161の表示画面Gにて実行される表示演出との関係について説明する。本実施の形態では、本実施の形態固有の演出として第1種役物連動演出及び第2種役物連動演出が設定されている。
第1種役物連動演出は、所謂予告演出でありリーチ変動表示に移行する前に、大当たりになる期待度の高いリーチラインを示唆する場合に選択され得る構成となっている。具体的には、リーチ演出が実行される遊技回にて、当該第1種役物連動演出が選択された場合には、可動装飾体401Yが有効ラインL4及び有効ラインL5の何れを通過可能であるかを把握し、把握された有効ラインにてリーチラインが形成されるように、絵柄の停止態様を確定する。
なお、当該遊技回が大当たり結果に対応している場合には当該大当たり結果に対応する図柄の組合せが停止する有効ラインを可動装飾体401Yが移動するラインと一致するようにして図柄の停止態様を決定する構成とし、第1種役物連動演出を大当たりが確定する確定演出としてもよい。
第2種役物連動演出は、所謂チャンスアップ演出でありリーチ変動表示に移行した後に、大当たりになる期待度の高いリーチラインを示唆する場合に選択される。具体的には、リーチ演出が実行される遊技回にて、当該第2種役物連動演出が選択された場合には、可動装飾体401Yが有効ラインL4及び有効ラインL5の何れを通過可能であるかを把握する。把握された有効ラインと大当たりに対応する図柄の組合せが停止表示される有効ラインとが一致していると判定した場合には一致用の演出可否決定テーブルを参照して可動装飾体401Yを動作させるか否かを決定し、把握された有効ラインと大当たりに対応する図柄の組合せが停止表示される有効ラインとが一致していないと判定した場合には不一致用の演出可否決定テーブルを参照して可動装飾体401Yを動作させるか否かを決定する。
一致用の演出可否決定テーブルは、可動装飾体401Yを動作させる場合が可動装飾体401Yを動作させない場合よりも多くなるように設定されている。一方、不一致用の演出可否決定テーブルは、可動装飾体401Yを動作させる場合が可動装飾体401Yを動作させない場合よりも少なくなるように設定されている。これにより、可動装飾体401Yが動作した場合に大当たりとなる期待度は、可動装飾体401Yが動作しなかった場合と比べて高くなるように調整されている。
本実施の形態では、有効ラインを教示する装飾125Yによってガイド溝126Yがカモフラージュされることとなり、装飾125Yとガイド溝126Yとを好適に共存させることができる。
可動装飾体401Yについては、遊技盤100Yのガイド溝126aY,126bYによって保持された状態で表示画面Gの前方を横切る。この際、可動装飾体401Yを支持するアーム等が表示画面Gと重なる位置へ張出すことがなく、可動装飾体401Yを用いた演出の見栄えを好適に向上させることができる。
可動装飾体401Yが表示画面Gの前方を横切る経路が複数設定されており、何れの経路に沿って可動装飾体401Yが落下するかを遊技者に予測させることができ、可動役物装置300Yによる演出が単調になることを抑制することができる。
また、可動装飾体401Yの移動経路は一筆書きでたどることができる形(8の字状)をなしており、可動装飾体401Yの繰り返しの使用が可能となっている。可動装飾体401Yを下側の停留部から上側の停留部に移動させる際に使用される構成については、センターフレーム130Yの背後に隠れているため、可動役物装置300Yの存在によって遊技機の見栄えが低下することを好適に抑制できる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態においては、「第2領域」としての副表示領域Rsに停止する図柄を常時表示させておく構成としたが、副表示領域Rsについては少なくとも「切替手段」としての可動役物170〜173等の動作に伴って保留予告演出等の各種演出が実行される場合に図柄が表示されていればよい。つまり、それら演出が実行されない場合には副表示領域Rsに表示される図柄を非表示とする構成としてもよい。
(2)上記各実施の形態においては、「切替手段」としての可動役物170〜173等によって副表示領域Rsに表示される図柄を遮蔽する構成としたが、これら図柄の視認性が相対的に高い状態と低い状態とに切替可能であれば足り、必ずしも遮蔽機能が付与されている必要はない。
例えば、可動役物170〜173等を半透明又は不透明とし、副表示領域Rsに表示されている図柄を視認不可とするのではなく同可動役物170〜173を通じて視認困難となるように構成してもよい。
(3)副表示領域Rsに停止する図柄の視認性を変化させることが可能であればよく、「切替手段」を可動式とする必要は必ずしもない。
例えば、遊技盤100において副表示領域Rsと前後に重なる部位に透過液晶等を搭載し、当該透過液晶の表示態様を変化させることにより副表示領域Rsの視認性を変化させる(視認可/視認不可となる)構成とすることも可能である。
また、可動式の可動役物170〜173等によって副表示領域Rsに停止する図柄の視認性を変化させる点に着目すれば、例えば表示画面Gにおいて可動役物に相当す構成を表示/非表示とする構成(可動役物を擬似表示する構成)とすることにより、副表示領域Rsの図柄の視認性を変化させてもよい。
(4)「切替手段」としての可動役物170〜173等が遮蔽位置に配置される場合に、後方に停止表示される主図柄の一部(第7の実施の形態においては第1部位P1)が前方から視認可能となるように覆う構成としたが、後方に停止表示される主図柄全体を視認不可となるように覆う構成としてもよい。
(5)各図柄が停止するラインとして有効ラインL1〜L5と非有効ラインL6〜L11とを設けたが、図柄が停止し得る各ラインL1〜L11を有効ライン及び非有効ラインとして区別する必要は必ずしもなく、非有効ラインL6〜L11を有効ラインとすることも可能である。この場合、例えば主表示領域Rm及び副表示領域Rsの両方に跨るようにして又は副表示領域Rsに大当たり結果に対応する図柄の組み合わせが表示されている場合に、可動役物170〜173を動作させて当該図柄の組合せが明示することにより、大当たりに当選している旨が報知される構成とすることも可能である。因みに、このような構成とした場合には、上述した図柄の再変動演出を行うか否かは任意であり、更には再変動演出を行う際に大当たりに対応する図柄の組合せを停止させるラインを変更するか否かについても任意である。
例えば、確変大当たり結果となっている場合には、主表示領域Rm及び副表示領域Rsの両方に跨るようにして又は副表示領域Rsに通常大当たり結果に対応する図柄の組み合わせを表示させた後に、図柄を再変動させて主表示領域Rmに確変大当たり結果に対応する図柄の組合せを表示させるようにして再変動演出を行う構成とすることも可能である。再変動演出については、主表示領域Rmに通常大当たり結果に対応する図柄の組合せが表示された場合よりも、主表示領域Rm及び副表示領域Rsの両方に跨るようにして又は副表示領域Rsに通常大当たり結果に対応する図柄の組み合わせが表示されている場合に発生する可能性が高くなる構成とすることにより、より詳しくは、主表示領域Rmに通常大当たり結果に対応する図柄の組合せが表示された場合 < 主表示領域Rm及び副表示領域Rsの両方に跨るようにして通常大当たり結果に対応する図柄の組合せが表示された場合 < 副表示領域Rsに通常大当たり結果に対応する図柄の組み合わせが表示されている場合の順に発生する可能性が高くなる構成とすることにより、主表示領域Rmにて大当たり結果に対応する図柄の組合せが表示されない場合であっても遊技者の期待感が早々に低下してしまうことを好適に抑制することができる。
(6)「絵柄表示手段」としての図柄表示装置161における図柄の表示態様(すなわち、各図柄の種類、図柄配列、変動表示の態様、リーチ表示の態様、保留予告の実行態様等)は上記各実施の形態のものに限定されず、各実施の形態に示した要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、図柄列のスクロール表示方向については横方向に限定されるものではなく、縦方向とすることも可能である。また、図柄列の数についても3つに限定されるものではなく、4列以上であってもよいし2列であってもよい。更には、有効ラインの数についても複数設定されている必要はなく、少なくとも1つあれば足りる。
因みに、表示画面Gにおいては、図柄列を所定の方向にスクロール表示させる必要は必ずしもなく、所定の位置に表示されている図柄消えて次の図柄が表示されることにより図柄が入れ替わるような可変表示態様とすることも可能である。この場合には、図柄の移動方向という概念はなくなるものの、変化の態様に一定の規則性を付与することにより、図柄の変動表示パターンを予測するという遊技性は担保される。
(7)上記各実施の形態では、リーチ表示が行われている状況下にて大当たり結果に対応する図柄が最終停止する際に、リーチラインよりも下流側に離れて停止すればするほど後に再変動して大当たり結果となる可能性が高くなる構成としたが、少なくとも上述したリーチラインからの図柄の離れ度合いが大きくなるにつれて大当たりとなる期待度が高くなるように設定されていればよく、その離れ方向は下流方向に限定されるものではない。上流方向に離れて停止する場合に、大当たりとなる期待度が高くなるように設定されていてもよい。また、これら2つの構成を組み合わせて、図柄が停止した際にリーチラインに対する上流側又は下流側への離れ度合いに応じて大当たりとなる期待度が高くなるように設定してもよい。
当該変形例によれば、リーチ表示となった場合には遊技者は先ず大きく離れた位置で所定の図柄が停止することを期待し、そうならなかった場合にはリーチライン上に所定の図柄が停止することを期待し、リーチラインを通り過ぎた場合にはリーチラインから遠く離れて所定の図柄が停止することを期待することとなる。故に、リーチ表示中に遊技者の期待感を好適に持続させることが可能となり、遊技への注目度の更なる向上に貢献できる。
(8)リーチ表示に係る図柄の停止態様により大当たりとなる期待度が高低相違する構成となるのであれば、必ずしも再変動によって当該遊技回中に大当たりとなる必要はない。例えば当該演出を保留予告演出(先読み演出)として、後の遊技回にて大当たりに当選している場合に、大きく外れるリーチ表示が選択されやすい構成とすることも可能である。
また、このような構成においては、リーチ表示(例えばノーマルリーチ)が行われている場合に、保留予告の実行条件が成立することで、中図柄列の停止態様を変更すれば(図柄の差し替え又はスクロール方向でずらす)保留予告が実行される機会を増やすことが可能となる。このような保留予告は、図柄の変動表示態様の全てを変更する必要がなく最終的に停止する図柄のみを変更することで実現できるため、保留予告を遊技回中に割り込ませる構成としても、それに起因して制御負荷が極端に増加することはない。
なお、目視による識別力の低い高速変動中であることを条件として、上述した停止目の変更を行う構成とすれば、上記保留予告の割り込みによる違和感の発生を好適に抑制することができる。
(9)例えば遊技回が開始されて最終的に遊技結果が確定表示されるまでの間に新たに保留情報が取得される場合も想定され、このような保留情報に基づき実行中の遊技回にて保留予告を行う構成(図柄の組合せを表示することにり実行される(例えば保留予告)の可否を決定するタイミングを遊技回開始後のタイミングとする構成)とすることにより保留予告の実行条件を緩和して同保留予告の実行機会を増やす構成としたが、この実行条件の成立時に以下の条件を加えることにより、より好適に予告演出を実行することが可能となる。
例えば、新たに大当たり結果対応する保留情報が取得され、この保留情報に基づいて保留予告を実行する場合には、遊技回の開始時に決定された最終停止される図柄の組合せを把握し、この把握した情報に基づいて保留予告に対応する図柄の組合せのうち期待度が高いものに対応する散らばり度合いの大きいものが存在するか否かを判定する。そして、散らばり度合いの大きいものが存在する場合には当該保留予告を行い、散らばり度合いの大きいものが存在しない場合には停止図柄の差し替えによって散らばり度合いの大きいものを形成し得るか否かを判定し、当該差し替えが可能であれば同差し替えに基づいて当該保留予告を行う構成とすることも可能である。
(10)上記各実施の形態においては、保留予告の発生抽選(保留予告設定処理)を演出制御装置82にて行う構成としたが、これを主制御装置81において実行する構成としてもよい。この場合、保留予告に当選した場合に主制御装置81からコマンド出力する構成とすることで、保留情報を取得するたびにコマンド出力する上記構成と比較してコマンド出力数を少なくすることができる。
(11)上記各実施の形態においては、作動口115を複数備える構成としてもよい。この場合、この複数の作動口において、保留予告の実行頻度や期待度に優劣を設ける構成としてもよい。
例えば、作動口を2つ設けた場合には、一方の作動口への入賞に基づく保留情報よりも他方の作動口への入賞に基づく保留情報のほうが、演出制御装置82による保留予告設定処理の保留予告の発生抽選に当選しやすい構成としてもよい。また、一方の作動口への入賞に基づく保留情報よりも他方の作動口への入賞に基づく保留情報のほうが、演出制御装置82による特別保留予告抽選処理に当選しやすい(特別保留予告が実行されやすい)構成としてもよい。さらに、一方の作動口への入賞に基づく保留情報が大当たり結果に対応する情報である場合よりも他方の作動口への入賞に基づく保留情報が大当たり結果に対応する情報である場合のほうが、演出制御装置82による保留予告の発生抽選や特別保留予告抽選に当選しやすい構成としてもよい。
これらの構成において、一方の作動口に対して電動役物を設ける構成とすると、高頻度サポートモード時においては当該電動役物が設けられた作動口への入賞が発生し易くなることから、保留予告(特別保留予告)が実行され易くなり、保留予告(特別保留予告)の発生抽選の当選確率を代えずに、これら保留予告(特別保留予告)の実行頻度を変化させることができる。これにより演出に抑揚をつけ、興趣向上を図ることができる。
(12)上記各実施の形態においては、非有効揃い演出又は再変動演出と特別保留予告とが同時に成立し得る構成としてもよい。具体的には、例えば、上下の図柄列Z1,Z3を非有効ラインにおいてクロスラインリーチとなる停止態様とし、当該クロスラインリーチの停止態様において一方のリーチラインに大当たり結果に対応する図柄組合せを停止させて非有効揃い演出とするとともに、他方のリーチラインを形成する図柄を中図柄列Z2の他の領域に停止させることで当該他方のリーチラインを形成する図柄による特別保留予告の停止態様とする。そして、全図柄列Z1〜Z3の変動表示の終了後に、上記大当たり結果に対応する図柄組合せが形成されたラインの図柄を視認可能として再変動演出を行ったり、特別保留予告となる図柄組合せを形成する側の図柄を視認可能として特別保留予告を行ったりする(この場合他方は非有効揃い演出となる)構成としてもよい。この構成によれば、再変動演出となれば当該遊技回において大当たり結果となり、再変動演出とならなくても特別保留予告となる可能性もあり、今回及び次回以降の遊技回のいずれに対しても期待感を抱かせることが可能となる。
(13)上記各実施の形態においては、主制御装置81にて変動表示時間を決定し、演出制御装置82にて当該変動表示時間に対応させて各種演出を決定する構成としたが、主制御装置81にて変動表示時間及び各種演出を決定する構成としてもよいし、演出制御装置82にて変動表示時間及び各種演出を決定する構成としてもよい。これらの場合、上記各実施の形態のように変動表示時間を先に決定してその変動表示時間に対応させて各種演出を決定する構成としてもよいし、各種演出を決定してから当該決定した演出に対応させて変動表示時間を決定する構成としてもよい。
(14)上記第1〜第3の実施の形態においては、変動表示を実行中に予告条件が成立したことに基づいて、当該変動表示を実行中の遊技回において保留予告を実行する構成としたが、以下のように変更してもよい。すなわち、上記構成に代え又は加えて、非特定図柄を予告対応図柄として保留予告を実行する遊技回において予告条件が成立したことに基づいて、当該非特定図柄による保留予告を特定図柄による保留予告に変更可能か否かを判定し、変更可能な場合は特定図柄による保留予告に変更する構成としてもよい。
より具体的には、当該非特定図柄による保留予告を実行する遊技回において特定図柄による保留予告の予告条件が成立した場合、すなわち、例えば、非特定図柄による外れリーチに対応する保留情報に基づいて予告条件が成立し、その外れリーチに対応する保留情報が当否判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて確変大当たり結果に対応する保留情報が取得された場合に、非特定図柄による保留予告を特定図柄による保留予告として変更する構成とする。また、非特定図柄による保留予告を実行する場合には、上記第3の実施の形態における重複予告に対応する停止態様が選択され得る構成とし、この重複予告に対応する停止態様のうち非特定図柄の保留予告のみを成立させるように可動役物を動作させる構成とする。そして、当該非特定図柄による保留予告を実行する遊技回において上記重複予告に対応する停止態様が選択されている場合に、特定図柄による保留予告に変更して動作させる可動役物を変更し、非特定図柄の保留予告を成立させずに特定図柄の保留予告を成立させる構成としてもよい。
当該変形例によれば、停止図柄を変更することなく非特定図柄による保留予告から特定図柄による保留予告に変更することが可能となり、各図柄列Z1〜Z3の変動表示の終了後であってもこの保留予告の対象となる図柄を容易に変更することが可能となる。
なお、表示画面Gにおける各図柄の停止態様には、主表示領域Rmに停止する図柄のみを利用した保留予告(通常保留予告)の停止態様になるものと、副表示領域Rsに停止する図柄を含めた保留予告(特別保留予告)の停止態様になるものとが含まれている。例えば、中ラインL2の上段、左ラインL1の中段、下段に「6」が付された主図柄が停止する態様は、非特定図柄による通常保留予告の停止態様となる。この場合、左側非有効ラインL9の上段、右ラインL3の中段、下段に「7」が付された主図柄が停止し、特定図柄による特別保留予告の停止態様となる。非特定図柄による保留予告が行われる遊技回においてのような停止態様が選択されるようにし、当該遊技回の実行中に特定図柄による予告条件が成立した場合に、当該遊技回の保留予告を通常保留予告から特別保留予告に変更する構成としてもよい。
(15)上記第3の実施の形態に示した段階演出については、そのステップ数を任意に変更することも可能であるが、ステップ数の上限については保留数の上限+1以内とすることが好ましい。なお、段階演出については、必須の構成ではなく、保留予告から段階演出を外すことも可能である。
(16)上記第3の実施の形態のように、一の遊技回において停止結果を変更せずに複数の保留予告を実行する構成において、可動役物170〜173によって保留予告を構成する一部の図柄を遮蔽する構成は必須の構成要件ではない。すなわち、例えば主表示領域Rmにおいて、一の遊技回の停止結果として複数の保留予告に対応する停止結果が視認可能に表示され、それにより複数の保留予告が成立する構成としてもよい。
(17)上記第4,第5の実施の形態においては、リーチラインの変動基側においても発展ポイントを設定してもよい。この場合、一のリーチラインにおける発展ポイントが上記第5の実施の形態よりも多岐に亘るため、リーチラインからスーパーリーチ表示への発展の有無が限定されにくくなる。
(18)上記第5の実施の形態においては、ノーマルリーチ表示からスーパーリーチ表示への発展ポイントがリーチラインから離れるほど大当たり結果の期待度が高くなる構成としたが、リーチラインからリーチ図柄が離れれば離れるほどスーパーリーチ表示への発展率が高くなる構成としてもよい。
(19)上記第6の実施の形態においては、検知センサ136a,136bの検知結果に基づいて可動役物170〜173を遮蔽位置から非遮蔽位置へ移動させる構成とたが、非遮蔽位置から遮蔽位置へ移動させる構成としてもよい。すなわち、可動役物170〜173を通常時は遮蔽位置ではなく非遮蔽位置に配置し、検知センサ136a,136bの検知結果に基づいて非遮蔽位置から遮蔽位置へ移動させる構成としてもよい。例えば、奥側球通路143を遊技球が通過する際に可動役物170〜173を遮蔽位置に移動させる構成とすることにより、当該通過する遊技球と背後に配置される可動役物170〜173とのコントラストにより遊技球の動作を際立たせることができる。
(20)上記第7の実施の形態においては、上下の可動役物310,320,330,340の重ね合せを逆にしてもよい。すなわち、上記第7の実施の形態では、上側の可動役物310,330は後側親骨部314b,334bを開放先端側とし、下側の可動役物320,340は前側親骨部324a,344aを開放先端側としたが、上側の可動役物310,330の前側親骨部314a,334aを開放先端側とし、下側の可動役物320,340の後側親骨部324b,344bを開放先端側としてもよい。
(21)上記第10及び第11の実施の形態においては、遊技盤100の表面を加工することにより「所定の模様」としての装飾125を形成したが、「所定の模様」をどの様にして設けるかは任意である。例えば、シール等を貼り付けて模様を形成してもよい。また、遊技盤100の外周部に設けられた発光部と、発光部からの光を遊技盤100に形成された光放射領域へと導く導光部とを設け、この光放射領域によって上記「所定の模様」を表示する構成としてもよい。
また、「所定の模様」については、「案内部」としてのガイド溝126と前後方向にて重なる構成であればよく、その配設箇所については遊技盤100の前面部分に限定されない。例えば、遊技盤100の背面に配設したり遊技盤の内部に埋設したりすることも可能である。
(22)上記第10及び第11の実施の形態においては、「案内部」として凹状をなすガイド溝126を設けたが、「可動体」としての可動装飾体401等を案内する機能を発揮できるのであれば、その形状は凹状に限定されない。遊技盤100の背面から突出する凸状に形成することも可能である。例えば、遊技盤100の背面部にガイドレールを設けてもよい。なお、「案内部」に相当する構成については、遊技盤100と一体成形する必要はなく、遊技盤100とは別体で設けられたガイド部材(例えばレール部材)を遊技盤100に取り付ける構成とすることも可能である。
(23)上記各実施の形態では、保留予告に対応する図柄組合せを例えば同一の図柄の組合せによって構成したが(例えば、「7」図柄×3)、どのような図柄組合せを保留予告と対応させるかは任意である。例えば、連続する3つの図柄(例えば「1」図柄,「2」図柄,「3」図柄)によって保留予告に対応する図柄組合せを構成してもよい。
また、3つの図柄列を用いて保留予告に対応する図柄組合せを構成したが、これに限定されるものではない。少なくとも複数の図柄を組み合わせることにより保留予告に対応する図柄組合せが構成されていればよく、その対象を2つの図柄列とすることも可能である。
(24)上記各実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、演出制御装置82により可動役物170〜173,310,320,330,340及び表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が演出制御装置82や可動役物170〜173,310,320,330,340を制御する構成としてもよい。また、演出制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、演出制御装置82又は表示制御装置212の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、演出制御装置82及び表示制御装置212の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(25)上記実施の形態においては、停止表示又は仮停止表示される図柄の組み合わせにより「特別報知」として所謂チャンス目を形成する構成としたが、「特別報知」の具体的態様については任意である。例えば、特定のキャラクタを登場させることにより「特別報知」を行う構成としてもよい。特に、1の遊技回中に複数分の特別報知を行う場合には、上記キャラクタを複数又は複数回登場させる構成とすることも可能である。
(26)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
(26)上記第1〜第11の実施の形態に示した特徴的な構成と、上記他の実施の形態に示した構成とを、任意の組み合わせで相互に適用してもよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
なお、下記の特徴A群に記載された発明は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特開2005−074175号公報参照)。」という背景・技術について、「近年では、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては遊技への注目度の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.表示画面(表示画面G)において複数の絵柄を変動表示する絵柄表示手段(図柄表示装置161)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記絵柄表示手段において前記絵柄の変動表示が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示して前記絵柄の変動表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記絵柄の変動表示が行なわれるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における変動開始処理を実行する機能、演出制御装置82における変動表示制御処理を実行する機能)と
を備えている遊技機において、
前記絵柄表示手段の前記表示画面における前記絵柄の表示領域には、第1領域(主表示領域Rm)と第2領域(副表示領域Rs)とが設定されており、
前記遊技回制御手段は、
遊技回ごとに、前記付与判定の結果に基づき、当該付与判定の対象となった特別情報に係る遊技回での前記絵柄の停止態様を決定する停止態様決定手段(演出制御装置82における変動開始用処理を実行する機能)と、
各遊技回にて絵柄の変動表示が行われる場合に前記停止態様決定手段が決定した停止態様で前記絵柄を前記第1領域及び前記第2領域に停止させて前記遊技回の変動表示を終了させる手段と
を有してなり、
第1状態(例えば非遮蔽状態)と、前記第2領域に停止する前記絵柄の少なくとも一部を前記第1状態よりも視認困難又は視認不可とする第2状態(例えば遮蔽状態)とに切替可能な切替手段(可動役物装置162,300)と、
前記停止態様決定手段により決定された絵柄の停止態様に基づいて特別報知(例えば保留予告)を行う特別報知手段(演出制御装置82における保留予告用の演出設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記停止態様決定手段により決定される停止態様には、
前記第1領域に停止する絵柄の組合せにより所定の特別停止態様となる第1特別停止態様(通常保留予告に対応する停止結果)と、
前記第2領域に停止する絵柄を含む絵柄の組合せにより所定の特別停止態様となる第2特別停止態様(特別保留予告に対応する停止結果)と
が含まれており、
前記特別報知手段は、前記停止態様決定手段により前記第2特別停止態様とする旨の決定がなされたことに基づいて、前記切替手段を制御して前記第2状態から前記第1状態に切り替えることにより前記特別報知を行う報知用切替制御手段(演出制御装置82におけるステップS1208〜ステップS1214の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、表示画面における絵柄の表示領域には第1領域及び第2領域が設定され、特別報知には第1領域に停止する絵柄の組合せ(第1特別停止態様)による特別報知と、第2領域に停止する絵柄を含む絵柄の組合せ(第2特別停止態様)による特別報知とが設定されている。このように、特別報知の停止態様の多様化を図ることで、特別報知が単調になることを抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
特に、第1状態(例えば非遮蔽状態)と、第2領域に停止する絵柄の少なくとも一部を第1状態よりも視認困難又は視認不可とする第2状態(例えば遮蔽状態)とに切替可能な切替手段が設けられ、第2特別停止態様による特別報知が行われる場合には、切替手段が第2状態から第1状態に切替制御される。このように第2特別停止態様による特別報知においては、表示画面に停止表示される絵柄の組合せだけでなく切替手段の状態変化を伴う。このようにして各特別報知の実施に際して報知態様に当該報知に係る装置全体での動き差違を設けることにより、上記注目度の向上効果を発揮させやすくなる。
特徴A2.表示画面(表示画面G)において複数の絵柄を変動表示する絵柄表示手段(図柄表示装置161)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記絵柄表示手段において前記絵柄の変動表示が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示して前記絵柄の変動表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記絵柄の変動表示が行なわれるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における変動開始処理を実行する機能、演出制御装置82における変動表示制御処理を実行する機能)と
を備えている遊技機において、
前記絵柄表示手段の前記表示画面における前記絵柄の表示領域には、第1領域(主表示領域Rm)と第2領域(副表示領域Rs)とが設定されており、
前記遊技回制御手段は、
遊技回ごとに、前記付与判定の結果に基づき、当該付与判定の対象となった特別情報に係る遊技回での前記絵柄の停止態様を決定する停止態様決定手段(演出制御装置82における変動開始用処理を実行する機能)と、
各遊技回にて絵柄の変動表示が行われる場合に前記停止態様決定手段が決定した停止態様で前記絵柄を前記第1領域及び前記第2領域に停止させて前記遊技回の変動表示を終了させる手段
とを有してなり、
第1状態(例えば非遮蔽状態)と、前記第2領域に停止する前記絵柄の少なくとも一部を前記第1状態よりも視認困難又は視認不可とする第2状態(例えば遮蔽状態)とに切替可能な切替手段(可動役物装置162,300)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、当該先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に行われている遊技回にて前記先特定手段の特定結果に対応した特別報知(保留予告)を行う特別報知手段(演出制御装置82における保留予告用の演出設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記停止態様決定手段により決定される停止態様には、
前記第1領域に停止する絵柄の組合せにより所定の特別停止態様となる第1特別停止態様(通常保留予告に対応する停止結果)と、
前記第2領域に停止する絵柄を含む絵柄の組合せにより所定の特別停止態様となる第2特別停止態様(特別保留予告に対応する停止結果)と
が含まれており、
前記特別報知手段は、前記停止態様決定手段により前記第2特別停止態様とする旨の決定がなされたことに基づいて、前記切替手段を制御して前記第2状態から前記第1状態に切り替えることにより前記特別報知を行う報知用切替制御手段(演出制御装置82におけるステップS1208〜ステップS1214の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、取得された特別情報の付与判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が実現される。
また、表示画面における絵柄の表示領域には第1領域及び第2領域が設定され、特別報知には第1領域に停止する絵柄の組合せ(第1特別停止態様)による特別報知と、第2領域に停止する絵柄を含む絵柄の組合せ(第2特別停止態様)による特別報知とが設定されている。このように、特別報知の停止態様の多様化を図ることで、特別報知が単調になることを抑制して、遊技への注目度の向上に貢献できる。
特に、第1状態(例えば非遮蔽状態)と、第2領域に停止する絵柄の少なくとも一部を第1状態よりも視認困難又は視認不可とする第2状態(例えば遮蔽状態)とに切替可能な切替手段が設けられ、第2特別停止態様による特別報知が行われる場合には、切替手段が第2状態から第1状態に切替制御される。このように第2特別停止態様による特別報知においては、表示画面に停止表示される絵柄の組合せだけでなく切替手段の状態変化を伴う。このようにして各特別報知の実施に際して報知態様に当該報知に係る装置全体での動き差違を設けることにより、上記注目度の向上効果を発揮させやすくなる。
特徴A3.前記先特定手段による特定結果が前記所定の特定結果であったことに基づいて前記特別報知用の実行可能状態に移行する移行手段(演出制御装置82における保留予告設定処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知手段は、
前記移行手段により前記実行可能状態に移行した場合に、前記停止態様決定手段により決定されている今回の遊技回の停止態様に基づいて、当該遊技回中に前記第1領域及び前記第2領域に停止している絵柄又は前記第1領域及び前記第2領域に停止させる絵柄を把握する把握手段(演出制御装置82におけるステップS2101、ステップS2403、ステップS2503等を実行する機能)と、
前記把握手段による把握結果に基づいて、当該遊技回中に同遊技回における絵柄の停止態様を前記第1特別停止態様又は前記第2特別停止態様に変更可能か否かを判断する判断手段(演出制御装置82におけるステップS2404、ステップS2504等を実行する機能)と、
前記判断手段により前記第1特別停止態様に変更可能と判断された場合に、今回の遊技回における絵柄の停止態様を前記第1特別停止態様に変更することにより前記特別報知を実行する第1特別報知手段(演出制御装置82における第1〜第3修正用処理において通常保留予告に修正する処理を実行する機能)と、
前記判断手段により前記第2特別停止態様に変更可能と判断された場合に、今回の遊技回における絵柄の停止態様を前記第2特別停止態様に変更し、前記報知用切替制御手段によって前記切替手段を前記第2状態から前記第1状態に切り替えることにより前記特別報知を実行する第2特別報知手段(演出制御装置82における第1〜第3修正用処理において特別保留予告に修正する処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回中(絵柄の変動表示中)に特別報知用の実行可能状態に移行する場合があり、更にこの場合には、第1特別報知手段又は第2特別報知手段により今回の遊技回において特別報知が行われることがある。このようにして、特別報知が実行され得る特別情報の取得タイミングの許容範囲を拡げることにより、特別報知が実行される機会を好適に増やすことが可能となる。
特に本遊技機においては、第1領域に停止する絵柄の組合せによる特別報知と、第2領域に停止する絵柄を含めた絵柄の組合せによる特別報知とが設定されている。このため、上記のように遊技回中に待機状態に移行した場合に、今回の遊技回の停止態様を第1領域に停止する絵柄の組合せによる特別報知に変更できなくても、第2領域に停止する絵柄を含めれば特別報知に変更できる可能性が生じ、特別情報の取得タイミングが多様となる前提であっても特別報知の行われる機会を逃してしまうことを好適に抑制できる。
特徴A4.前記特別報知手段は、前記判断手段により前記第1特別停止態様及び前記第2特別停止態様の何れにも変更可能と判断された場合に、前記第2特別報知手段による特別報知よりも前記第1特別報知手段による特別報知を優先させる手段を有していることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回中に待機状態に移行した場合には、第2特別停止態様となる特別報知よりも第1特別停止態様となる特別報知が優先的に実行される。ここで、第2特別停止態様となる特別報知の場合には、停止態様だけでなく切替手段の切替制御が特別報知の条件となっている。絵柄の停止態様のみで特別報知が成立する特別報知が行われるほうが切替手段の動きが不要である。故に、変更を円滑に執り行うことが可能となり、更には特別報知による処理負荷が大きくなることを好適に抑制できる。
特徴A5.前記特別報知手段は、前記判断手段により前記第1特別停止態様及び前記第2特別停止態様の何れにも変更可能と判断された場合に、前記第1特別報知手段による特別報知よりも前記第2特別報知手段による特別報知を優先させる手段を有していることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回中に実行可能状態に移行した場合には、第1特別停止態様となる特別報知よりも第2特別停止態様となる特別報知が優先的に実行されることになる。第2特別停止態様となる特別報知の場合には、切替手段の切替制御が行われるため、第1特別停止態様となる特別報知よりも見た目のインパクトが強くなる。これにより、遊技への注目度の向上を図ることが可能となる。
特徴A6.前記表示画面における前記絵柄の表示領域には、複数の絵柄列に1対1で対応させて変動表示領域(各図柄列Z1〜Z3)が複数設けられおり、
前記変動表示領域における絵柄の変動表示の態様には、前記絵柄の識別性が相対的に高低となる高識別変動態様と低識別変動態様とが含まれており、それら高識別変動態様及び低識別変動態様が前記変動表示領域毎に切り替え可能となっており、
前記第1特別報知手段及び前記第2特別報知手段は、前記複数の変動表示領域のうち前記低識別変動態様にて変動表示が行われている変動表示領域の絵柄を変更することにより当該遊技回における絵柄の停止態様を前記特別報知に対応する停止態様に変更するものであることを特徴とする特徴A3乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回中に停止絵柄を変更して特別報知を行う構成において、絵柄の識別性が低い低識別変動態様にて変動表示が行われている変動表示領域の絵柄の変更が行われるため、絵柄の変更時に遊技者に与える違和感を低減することができる。
特徴A7.前記先特定手段による特定結果が前記所定の特定結果であったことに基づいて前記特別報知用の実行可能状態に移行する移行手段(演出制御装置82における保留予告設定処理を実行する機能)を備え、
前記停止態様決定手段は、前記実行可能状態に移行していない状況であっても前記第2特別停止態様とする決定をし得る構成であり、
前記報知用切替制御手段は、前記遊技回中に前記実行可能状態に移行した場合に、実行中の遊技回の停止態様が前記第2特別停止態様であれば、前記切替手段を前記第2状態から前記第1状態に切り替えて前記特別報知を実行する動作中切替制御手段(演出制御装置82におけるステップS2101〜ステップS2105の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴A2乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、停止態様が第2特別停止態様となるように遊技回の変動表示が行われている状況で待機状態に移行すれば、切替手段が第2状態→第1状態に切り替えられて特別報知が行われる。一方、停止態様が第2特別停止態様となるように遊技回の変動表示が行われている状況であっても実行可能状態に設定されなければ、切替手段の切替制御が行われず第2領域に停止する絵柄は視認困難又は視認不可能な状態に維持され特別報知が行われない。すなわち、遊技回の開始に際して停止態様決定手段により決定される停止態様を変更することなく、特別報知を行うか否かをその後の状況によって変更することが可能となる。これにより、遊技回の変動表示を実行中に停止態様を変更せずに、特別報知を行う機会を増やすことが可能となる。
特徴A8.前記特別報知手段は、
前記停止態様決定手段により決定されている今回の遊技回の停止態様に基づいて、当該遊技回中に前記第1領域及び前記第2領域に停止している絵柄又は前記第1領域及び前記第2領域に停止させる絵柄を把握する把握手段と、
前記遊技回の開始後に、前記把握手段の把握結果に基づいて前記第2領域に停止する絵柄を含む絵柄の組合せにより特別報知に対応する特定の絵柄組合せを形成できるか否かを判定する判定手段と
を有し、
前記報知用切替制御手段は、前記判定手段により前記特定の絵柄組合せを形成できると判定された場合に、前記切替手段を制御して前記第2状態から前記第1状態に切り替えることにより前記第2領域にて当該特定の絵柄組合せを形成している絵柄を視認可能とする手段を有していることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
近年では、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知(所謂、先読み演出)が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行される遊技機が提案されている。この種の遊技機においては、遊技者にとっては、取得された特別情報の付与判定結果を確認する遊技だけでなく、以下の遊技が追加される。すなわち、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加される。これにより、遊技の単調化が抑制され、遊技の興趣向上が図られている。
しかしながら、このような特別報知を行う場合には、遊技回の開始時に記憶されている保留情報に基づいて当該特別報知を行うか否かが決定されることが一般的であり、特別報知に係る制約が強くなって当該特別報知による興趣向上効果が上手く発揮できないといった不都合が生じ得た。この点、本特徴に示す構成によれば、遊技回の開始後に特別情報が取得された場合に、この特別情報に対応させた特別報知を実行できる可能性が生じる。つまり、従来の先読み演出と比較してその実行条件が緩和され、上記効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
特徴A9.前記報知用切替制御手段は、前記絵柄の変動表示の終了後に前記切替手段が前記第2状態から前記第1状態へ切り替るように前記切替制御を行うことを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
既に説明したように切替手段が第2状態である場合には、第2領域に停止する又は停止した絵柄は視認困難又は視認不可能となっている。このため、第2特別停止態様となっていることを遊技者は把握しにくい。そこで、絵柄の変動表示の終了後、すなわち絵柄が停止している状態で切替手段を第1状態とすることで、遊技者にとって意外性のある特別報知が行われることになる。また、上記構成によれば、絵柄の変動表示が終了しても特別報知が行われるかもしれないという期待が残ることとなり、絵柄の停止表示後に遊技への注目が早々に低下してしまうことを好適に抑制できる。
特徴A10.前記絵柄表示手段は、絵柄列をその配列方向にスクロール表示させるように構成されており、
前記第2領域は、前記絵柄列のスクロール方向にて前記表示画面における前記第1領域よりも上流側となる領域を含むように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、第2領域に停止する絵柄は、その停止前において第1領域を通過していることになる。遊技者としては第2特別停止態様となっているか否かを切替手段の切り替え前にある程度把握することが可能となり、停止絵柄への注目度を高めることができる。
特徴A11.前記絵柄表示手段は、絵柄列をその配列方向にスクロール表示させるように構成されており、
前記第2領域は、前記絵柄列のスクロール方向にて前記表示画面における前記第1領域よりも下流側となる領域を含むように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
第1領域よりも第2領域のほうが下流側に位置することにより、当該第2領域に停止する絵柄を変動中(停止直前)において把握することが難しくなる。これにより、第2特別停止態様となっていることを切替手段の切り替え前に遊技者によって察知されることを抑制し、特別報知を意外性のあるものとすることができる。
特徴A12.前記絵柄表示手段は、絵柄列をその配列方向にスクロール表示させるように構成されており、
前記表示画面における前記第1領域及び前記第2領域は前記絵柄列のスクロール方向に並んでおり、
前記絵柄表示手段は、前記絵柄列が停止表示された状態にて前記第1領域に所定の絵柄が停止表示されている場合に、前記第2領域に前記所定の絵柄に先行する絵柄又は後続する絵柄が停止表示されるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、絵柄列がスクロール表示されるため、遊技者は、切替手段によって視認困難又は視認不可能となっている第2領域に停止している絵柄を、第1領域に停止している絵柄に基づいて推測することができる。つまり、第1領域に停止表示された図柄を注視することにより、第2特別停止態様となっているか否かを切替手段の切り替え前にある程度把握することが可能となる。これにより、停止絵柄への注目度を高めることができる。
特徴A13.前記切替手段は、
前記第2状態となることで前記第2領域に対して重なり、前記第1状態となることで前記第2領域に重ならない位置へ退避する可動体(可動役物170〜173,310,320,330,340)と、
前記可動体を動作させる駆動部(駆動部170a〜173a,313,323,333,343)と
を有し、
前記報知用切替制御手段は、前記駆動部を駆動制御して前記可動体を動作させることにより、前記第1状態と前記第2状態との切り替えを行うことを特徴とする特徴A1乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
第2特別停止態様による特別報知が実行される場合には、可動体が動作して絵柄の視認性が変化することとなる。特別報知を可動体の動きを伴う演出とすることにより遊技者の注意を引きやすくなり、特別報知への注目度の向上に貢献することができる。
特徴A14.表示画面(表示画面G)において複数の絵柄を変動表示する絵柄表示手段(図柄表示装置161)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記絵柄表示手段において前記絵柄の変動表示が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示して前記絵柄の変動表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記絵柄の変動表示が行なわれるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における変動開始処理を実行する機能、演出制御装置82における変動表示制御処理を実行する機能)と
を備えている遊技機において、
前記絵柄表示手段の前記表示画面における前記絵柄の表示領域には、第1領域(主表示領域Rm)と第2領域(副表示領域Rs)とが設定されており、
前記遊技回制御手段は、
遊技回ごとに、前記付与判定の結果に基づき、当該付与判定の対象となった特別情報に係る遊技回での前記絵柄の停止態様を決定する停止態様決定手段(演出制御装置82における変動開始用処理を実行する機能)と、
各遊技回にて絵柄の変動表示が行われる場合に前記停止態様決定手段が決定した停止態様で前記絵柄を前記第1領域及び前記第2領域のうち少なくとも第1領域に停止させて前記遊技回の変動表示を終了させる手段と
を有してなり、
第1状態(例えば非遮蔽状態)及び当該第1状態よりも前記第2領域を視認困難又は視認不可とする第2状態(例えば遮蔽状態)とに切替可能な切替手段(可動役物装置162,300)と、
前記停止態様決定手段により決定された絵柄の停止態様に基づいて特別報知(例えば保留予告)を行う特別報知手段(演出制御装置82における保留予告用の演出設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記停止態様決定手段により決定される停止態様には、
前記第1領域に停止表示される絵柄の組合せにより特別停止態様となる第1特別停止態様(通常保留予告に対応する停止結果)と、
前記第2領域に停止表示される絵柄を含む絵柄の組合せにより所定の特別停止態様となる第2特別停止態様(特別保留予告に対応する停止結果)と
が含まれており、
前記特別報知手段は、前記停止態様決定手段により前記第2特別停止態様とする旨の決定がなされたことに基づいて、前記切替手段を制御して前記第2状態から前記第1状態に切り替えることにより前記特別報知を行う報知用切替制御手段(演出制御装置82におけるステップS1208〜ステップS1214の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴A13によれば、表示画面における絵柄の表示領域には第1領域及び第2領域が設定され、特別報知には第1領域に停止する絵柄の組合せ(第1特別停止態様)による特別報知と、第2領域に停止する絵柄を含む絵柄の組合せ(第2特別停止態様)による特別報知とが設定されている。このように、特別報知の停止態様の多様化を図ることで、特別報知が単調になることを抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
特に、第1状態(例えば非遮蔽状態)と、第2領域に停止する絵柄の少なくとも一部を第1状態よりも視認困難又は視認不可とする第2状態(例えば遮蔽状態)とに切替可能な切替手段が設けられ、第2特別停止態様による特別報知が行われる場合には、切替手段が第2状態から第1状態に切替制御される。このように第2特別停止態様による特別報知においては、表示画面に停止表示される絵柄の組合せだけでなく切替手段の状態変化を伴う。このようにして各特別報知の実施に際して報知態様に当該報知に係る装置全体での動き差違を設けることにより、上記注目度の向上効果を発揮させやすくなっている。
なお、本特徴に示す構成においては、第2領域に係る特別報知を行う場合には、第2領域に絵柄を常時表示させておく構成としてもよいし、特別報知を行う前に絵柄を非表示→表示とする構成としてもよい。
特徴A15.表示画面(表示画面G)において複数の絵柄を変動表示する絵柄表示手段(図柄表示装置161)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記絵柄表示手段において前記絵柄の変動表示が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示して前記絵柄の変動表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記絵柄の変動表示が行なわれるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における変動開始処理を実行する機能、演出制御装置82における変動表示制御処理を実行する機能)と
を備えている遊技機において、
前記絵柄表示手段の前記表示画面における前記絵柄の表示領域には、第1領域(主表示領域Rm)と第2領域(副表示領域Rs)とが設定されており、
前記遊技回制御手段は、
遊技回ごとに、前記付与判定の結果に基づき、当該付与判定の対象となった特別情報に係る遊技回での前記絵柄の停止態様を決定する停止態様決定手段(演出制御装置82における変動開始用処理を実行する機能)と、
各遊技回にて絵柄の変動表示が行われる場合に前記停止態様決定手段が決定した停止態様で前記絵柄を前記第1領域及び前記第2領域に停止させて前記遊技回の変動表示を終了させる手段と
を有してなり、
第1状態(非遮蔽状態)と、前記第2領域に停止する前記絵柄の少なくとも一部が前記第1状態よりも視認困難又は視認不可とする第2状態(遮蔽状態)とに切替可能な切替手段(可動役物装置162,300)と、
前記停止態様決定手段により決定された絵柄の停止態様に基づいて特別報知(例えば保留予告)を行う特別報知手段(演出制御装置82における保留予告用の演出設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別報知手段は、
前記停止態様決定手段により決定されている今回の遊技回の停止態様に基づいて、当該遊技回中に前記第1領域及び前記第2領域に停止している絵柄又は前記第1領域及び前記第2領域に停止させる絵柄を把握する把握手段と、
前記遊技回の開始後に、前記把握手段の把握結果に基づいて前記第2領域に停止する絵柄を含む絵柄の組合せにより特別報知に対応する特定の絵柄組合せを形成できるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記特定の絵柄組合せを形成できると判定された場合に、前記切替手段を制御して前記第2状態から前記第1状態に切り替えることにより前記第2領域にて当該特定の絵柄組合せを形成している絵柄を視認可能とする報知用切替制御手段と
を有していることを特徴とする遊技機。
近年では、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知(所謂、先読み演出)が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行される遊技機が提案されている。この種の遊技機においては、遊技者にとっては、取得された特別情報の付与判定結果を確認する遊技だけでなく、以下の遊技が追加される。すなわち、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加される。これにより、遊技の単調化が抑制され、遊技の興趣向上が図られている。
しかしながら、このような特別報知を行う場合には、遊技回の開始時に記憶されている保留情報に基づいて当該特別報知を行うか否かが決定されることが一般的であり、特別報知に係る制約が強くなって当該特別報知による興趣向上効果が上手く発揮できないといった不都合が生じ得た。この点、本特徴に示す構成によれば、遊技回の開始後に特別情報が取得された場合に、この特別情報に対応させた特別報知を実行できる可能性が生じる。つまり、従来の先読み演出と比較してその実行条件が緩和され、上記効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
なお、特徴A14及び特徴A15に特徴A3〜特徴A13に示した技術的思想を適用することも可能である。
また、上記特徴群に示した「所定の特定停止態様」については、遊技回制御手段等により予め決定された停止態様に対応するものであればよく、必ずしも概観が完全に一致する必要はない。例えば、所謂チャンス目等を形成する構成にて絵柄の組み合わせパターンや配置パターンが複数存在する場合、すなわち特定停止態様(チャンス目)が複数記憶されている場合には、これらをまとめた概念としての「所定の特定停止態様」であればよい。
<特徴B群>
なお、下記の特徴B群に記載された発明は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特開2005−074175号公報)。」という背景・技術について、「近年では、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては遊技への注目度の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B0.表示画面(表示画面G)において複数の絵柄列を変動表示する絵柄表示手段(図柄表示装置161)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記絵柄表示手段において前記絵柄の変動表示が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示して前記絵柄の変動表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記絵柄の変動表示が行なわれるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における変動開始処理を実行する機能、演出制御装置82における変動表示制御処理を実行する機能等)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、当該先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に行われている遊技回にて、前記先特定手段の特定結果に対応した特別報知(保留予告)を行う特別報知手段(演出制御装置82における保留予告用の演出設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別報知手段は、1の遊技回にて前記特別報知を複数分実行する複数実行手段(可動役物装置162,300、各図柄列Z1〜Z3の図柄配列、演出制御装置82による重複演出設定処理や重複予告用修正処理を実行する機能)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴B0によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。つまり、遊技者にとっては、取得された特別情報の付与判定結果を当該付与判定結果に対応する遊技回にて確認する遊技だけでなく、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加される。これにより、遊技の単調化が抑制される。
本特徴においては特に、特別報知を1の遊技回において複数分実行することができる。そのため、例えば特別報知が行われる場合にその契機となった特別情報よりも前に付与判定の対象となる特別情報が少ない場合であっても、すなわち特別報知が行われる場合にその時点での特別報知の実行機会が少ない場合であっても、当該前に付与判定の対象となる特別情報に対応する遊技回において特別報知を複数分実行することができる。これにより、特別報知が行われる状況での特別情報の数に関わらず、特別報知を好適に実行することが可能となる。
以上により、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴B1.表示画面(表示画面G)において複数の絵柄列を変動表示する絵柄表示手段(図柄表示装置161)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記絵柄表示手段において前記絵柄の変動表示が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示して前記絵柄の変動表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記絵柄の変動表示が行なわれるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における変動開始処理を実行する機能、演出制御装置82における変動表示制御処理を実行する機能等)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、当該先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に行われている遊技回にて、各絵柄列を構成している絵柄を少なくとも2つの絵柄列から1つずつ組み合わせてなる特定の絵柄組合せを表示して前記先特定手段の特定結果に対応した特別報知(保留予告)を行う特別報知手段(演出制御装置82における保留予告用の演出設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別報知手段は、1の遊技回にて前記特定の絵柄組合せを複数表示して又は複数種の特定の絵柄組合せを表示して前記特別報知を複数分実行する複数実行手段(可動役物装置162,300、各図柄列Z1〜Z3の図柄配列、演出制御装置82による重複演出設定処理や重複予告用修正処理を実行する機能)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。つまり、遊技者にとっては、取得された特別情報の付与判定結果を当該付与判定結果に対応する遊技回にて確認する遊技だけでなく、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加される。これにより、遊技の単調化が抑制される。
遊技者は絵柄表示手段からの情報(最終停止結果)によって、各遊技回の付与判定結果を把握している。当該絵柄表示手段における絵柄の停止態様に対応した態様情報は、態様情報決定手段により付与判定結果に基づいて決定されている。そして、当該絵柄表示手段における絵柄の停止態様(絵柄組合せ)にて特別報知が実行される。このようにして絵柄組合せにより特別報知を行う構成とすることにより、遊技者にとっては各遊技回の付与判定結果を把握しようとすれば、おのずと特別報知を確認することが可能となる。故に、特別報知が行われたにも関わらず、それが見逃されてしまうことが抑制される。
本特徴においては特に、特別報知を1の遊技回において複数分実行することができる。そのため、例えば特別報知が行われる場合にその契機となった特別情報よりも前に付与判定の対象となる特別情報が少ない場合であっても、すなわち特別報知が行われる場合にその時点での特別報知の実行機会が少ない場合であっても、当該前に付与判定の対象となる特別情報に対応する遊技回において特別報知を複数分実行することができる。これにより、特別報知が行われる状況での特別情報の数に関わらず、特別報知を好適に実行することが可能となる。以上により、遊技への注目度を好適に高めることができる。
なお、本特徴に対して、以下の特徴群に示す技術的思想を適用することも可能である。
特徴B2.前記複数実行手段は、前記特別報知を複数実行する場合に前記表示画面に停止表示されている絵柄の組み合わせを変更することなく、前記特別報知を複数分実行する手段を有していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特定の絵柄組合せを複数表示させる場合に、表示画面に停止表示されている絵柄列をそのまま維持した状態で特別報知を行うことにより、すなわち絵柄列が停止された状態のまま複数分の特別報知が行うことにより、絵柄列の停止→変動→停止を繰り返す必要がなくなり、特徴B1等に示した効果を享受しつつ、それに起因した制御負荷の増大を好適に抑制することができる。
特徴B3.前記複数実行手段は、前記特別報知を複数実行する場合に前記表示画面に停止表示される絵柄の組み合わせを共通とする手段を有していることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、複数分の特別報知を実行する場合に特別報知ごとに出目の変更をする必要がなく、特別報知に要する処理負荷の極端な増加を抑制することができる。
なお、例えば「前記複数実行手段は、前記絵柄の1の停止態様において前記特定の絵柄組合せが複数又は複数種含まれるように表示を行うことで、前記特別報知を複数分実行する手段を有している」構成とすることにより特徴B2に示した効果を好適に発揮させることができる。
また、例えば「前記遊技回制御手段は、前記1回の遊技回として、前記複数の変動表示領域において前記絵柄の変動表示が開始されたのち当該絵柄を停止表示又は仮停止表示させる単位表示が複数行われるようにする手段を有し、前記複数実行手段は、前記各単位表示にて前記特定の絵柄組合せを表示することで前記特別報知を複数分実行する手段と、前記各単位表示にて停留表示される絵柄の組合せを同一とする手段と有している」構成とすることにより特徴B3に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴B4.前記遊技回制御手段は、遊技回ごとに、前記付与判定の結果に基づき、当該付与判定の対象となった特別情報に係る遊技回での前記絵柄の停止態様を決定する停止態様決定手段(演出制御装置82における変動開始用処理を実行する機能)を有し、各遊技回にて絵柄の変動表示が行われる場合に前記停止態様決定手段が決定した停止態様で前記絵柄を停止させて同遊技回における絵柄の変動表示を終了させるものであり、
前記停止態様決定手段により決定される前記停止態様には、前記特定の絵柄組合せが複数存在する特別停止態様(特殊態様)が含まれており、
前記特別報知手段は、当該特別停止態様に含まれる1の前記特定の絵柄組合せによる特別報知を有効とし、他の前記特定の絵柄組合せによる特別報知を無効とする選択手段(可動役物装置162,300、演出制御装置82による変動中用処理を実行する機能)を有し、
前記複数実行手段は、前記選択手段により有効及び無効とする前記特定の絵柄組合せを順次切り替えることで1の遊技回において前記特別報知を複数分実行するものであることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、特別停止態様に含まれている複数の先特定手段の特定結果に対応する絵柄組合せを、選択手段により順次有効と無効とを切り替えるため、停止結果を変更することなく1の遊技回において特別報知を複数分実行することが可能となる。
なお、例えば特別報知に係る停止目を複数の特定絵柄組み合わせが混在する特殊目として設定するとよい。
特徴B5.前記選択手段は、前記複数の特定の絵柄組合せのうちの1の当該特定の絵柄組合せを視認可能とすることで当該特定の絵柄組合せによる特別報知を有効とし、それ以外の特定の絵柄組合せの少なくとも一部を視認不可能又は視認困難とすることにより当該特定の絵柄組合せによる特別報知を無効とするものであることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せの視認レベル(例えば容易/困難)によって特別報知が有効となるか否かが決定するため、特別報知が有効か否かを遊技者に理解させやすい。つまり、1の遊技回中に複数の特別報知が行われるという特殊な構成であっても、各特別報知が上手く認識されずに見逃されることを好適に抑制できる。
特徴B6.可動体と、
前記可動体を、第1状態(非遮蔽状態)及び当該第1状態よりも前記特定の絵柄組合せのうちの少なくとも一部を遊技機前方から視認困難又は視認不可とする第2状態(遮蔽状態)に切替可能な切替手段(可動役物170〜173,310,320,330,340)と
を備え、
前記選択手段は、前記可動体が前記第2状態となるように前記切替手段を制御して前記特定の絵柄組合せによる特別報知を無効とし、前記可動体が前記第1状態となるように前記切替手段を制御して前記特定の絵柄組合せによる特別報知を有効とする手段を有していることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
上記構成によれば、表示画面における視認性の変化(詳しくは視認容易/視認困難な範囲の変化)によって特別報知の有効性が決定される。これは、遊技者の理解を助け、特別報知による報知機能を好適に発揮させる上で有利である。特別報知を有効とする場合(実行する場合)には可動体を第2状態から第1蔽状態へ切り替える一方、特別報知を無効とする場合(実行しない場合)には可動体を第2状態に維持することで、可動体の動作によって遊技者の注意を引くことができる。故に、可動体の状態(動作)に対しても遊技者に関心を持たせることが可能となる。
特徴B7.前記絵柄表示手段の前記表示画面における前記絵柄の表示領域には、第1領域(主表示領域Rm)と第2領域(副表示領域Rs)とが設定されており、
前記遊技回制御手段は、各遊技回にて絵柄の変動表示が行われる場合に前記停止態様決定手段が決定した停止態様で前記絵柄を前記第1領域及び前記第2領域に停止させて前記遊技回の変動表示を終了させるものであり、
前記可動体は前記第2状態から前記第2状態に切り替ることにより前記第2領域に停止する前記絵柄の少なくとも一部を遊技機前方から視認困難又は視認不可となるように覆うものであり、
前記停止態様決定手段により決定される前記停止態様には、前記第2領域に停止する絵柄を含む絵柄の組合せにより前記特別停止態様となる停止態様(特別保留予告に対応する停止結果)が含まれており、
前記特別報知手段は、前記停止態様決定手段により前記特別停止態様とする旨の決定がなされたことに基づき、前記切替手段を制御して前記可動体を前記第2状態から前記第1状態に切り替えて前記特別報知を行う手段を有していることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
表示画面における絵柄の表示領域には第1領域及び第2領域が設定され、特別報知には第2領域に停止する絵柄を含む絵柄の組合せ(特別停止態様)による特別報知が設定されている。例えば通常の表示領域(第1表示領域)の外に位置する表示領域(第2表示領域)を利用することにより、特別報知に利用できる絵柄の組み合わせが増え、特別報知の実行条件(絵柄の停止態様)が成立する機会を好適に増やすことができる。
特に、特別報知の実施に際して報知態様に当該報知に係る装置全体での動きに差違を設けることにより、上記注目度の向上効果を発揮させやすくなる。
特徴B8.前記付与対応結果には、前記特典付与手段により遊技者に第1特典が付与される第1付与対応結果(確変大当たり結果)と、前記特典付与手段により当該第1特典よりも遊技者の利益が少ない第2特特典が付与される第2付与対応結果(通常大当たり結果)とが含まれており、
前記特別報知手段は、前記先特定手段による特定結果が前記第1付与対応結果に対応する場合には当該第1付与対応結果に対応する第1特定絵柄組合せ(特定図柄による保留予告に対応する停止結果)となるようにして前記特別報知を実行し、前記先特定手段による特定結果が前記第2付与対応結果に対応する場合には当該第2付与対応結果に対応する第2特定絵柄組合せ(非特定図柄による保留予告に対応する停止結果)となるようにして前記特別報知を実行する手段を有し、
前記停止態様決定手段により決定される絵柄の停止態様には、前記第1特定絵柄組合せ及び前記第2特定絵柄組合せが停止する特別停止態様が含まれており、
前記選択手段は、当該特別停止態様に含まれる前記第1特定絵柄組合せ及び前記第2特定絵柄組合せのうちの一方を有効、他方を無効とするものであり、
前記複数実行手段は、前記選択手段により有効又は無効とする前記第1特定絵柄組合せ及び前記第2特定絵柄組合せを前記先特定手段による特定結果に対応させて順次切り替えることで1の遊技回において前記特別報知を複数分実行するものであることを特徴とする特徴B4乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、表示画面に停止表示される絵柄の停止態様に、第1特典が付与されることに対応する第1特定絵柄組合せ、及び第2特典が付与されることに対応する第2特定絵柄組合せの両方が停止する特別停止態様が含まれている。そして、複数実行手段は、この特別停止態様となる遊技回において第1/第2特定絵柄組合せの有効又は無効を順次切り替えることで複数分の特別報知を実行する。この場合、先特定手段による特定結果に対応させて特別報知が順次行われる。すなわち、その順序が第1付与対応結果に対応するものであれば、遊技者はその後に第1特典が付与されるものと期待し、その順序が第2付与対応結果に対応するものであれば、遊技者はその後に第2特典が付与されるものと期待する。そして、第2特典は、第1特典よりも遊技者が得られる利益が少なく設定されていることから、遊技者はその順序が第1特典に対応するものとなることを期待して、複数実行手段による特別報知の順序に注目することになる。これにより、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴B9.前記付与対応結果には、前記特典付与手段により遊技者に第1特典が付与される第1付与対応結果(確変大当たり結果)と、前記特典付与手段により当該第1特典よりも遊技者の利益が少ない第2特特典が付与される第2付与対応結果(通常大当たり結果)とが含まれており、
前記特別報知手段は、前記先特定手段による特定結果が前記第1付与対応結果に対応する場合には当該第1付与対応結果に対応する第1特定絵柄組合せ(特定図柄による保留予告に対応する停止結果)となるようにして前記特別報知を実行し、前記先特定手段による特定結果が前記第2付与対応結果に対応する場合には当該第2付与対応結果に対応する第2特定絵柄組合せ(非特定図柄による保留予告に対応する停止結果)となるようにして前記特別報知を実行する手段を有し、
前記停止態様決定手段により決定される絵柄の停止態様には、前記第1特定絵柄組合せ及び前記第2特定絵柄組合せが停止する特別停止態様が含まれており、
前記複数実行手段は、前記特別報知の契機となった特別情報が前記第2付与対応結果に対応するものである場合は、前記第1特定絵柄組合せ及び前記第2特定絵柄組合せを同時に有効とする手段を有していることを特徴とする特徴B4乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、複数実行手段により第1特定絵柄組合せと第2特定絵柄組合せとが同時に有効とされ得る。この場合、遊技者はいずれの特定絵柄組合せが特別報知状態の設定の契機となった特別情報に対応するものなのかを理解しにくくなる。仮に、特別報知状態の設定の契機となった特別情報が第2付与対応結果に対応するものであるのにもかかわらず、第1/第2特定絵柄組合せを有効とする順序が、第1特定絵柄組合せの成立→第2特定絵柄組合せの成立となった場合、遊技者としては、その後に期待できる付与対応結果が、第1付与対応結果から第2付与対応結果に降格してしまったと落胆しかねない。
そこで、本構成のようにすることで、いずれの付与対応結果にもなり得る可能性を残すことにより、特別報知による遊技者が落胆してしまうことを抑制し、1の遊技回において複数分の特別報知を好適に実行することが可能となる。
特徴B10.前記特別報知手段は、前記絵柄の変動表示が行われている状況下にて前記特別報知の実行条件が成立したことに基づき、当該変動表示中の遊技回において前記複数実行手段により前記特別報知を複数分実行する手段(演出制御装置82による差し替え用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回の変動表示が行われている状況で特別報知の実行条件が成立した場合には、当該変動表示が行われている遊技回において特別報知が複数分実行される。このため、仮に上記特別報知が実行され得る特別情報(遊技回)の数が少なくても、特別報知が行われる機会を好適に増やすことが可能となる。つまり、先特定時に記憶されている特別情報の数によって特別報知の実行回数が制限されることを抑制できる。
特徴B11.前記遊技回制御手段は、遊技回ごとに、前記付与判定の結果に基づき、当該付与判定の対象となった特別情報に係る遊技回での前記絵柄の停止態様を決定する停止態様決定手段(演出制御装置82における変動開始用処理を実行する機能)を有し、各遊技回にて絵柄の変動表示が行われる場合に前記停止態様決定手段が決定した停止態様で前記絵柄を停止させて同遊技回における絵柄の変動表示を終了させるものであり、
前記複数実行手段は、前記停止態様決定手段により決定された絵柄の停止態様で停止表示される絵柄の組合せに前記特定の絵柄組合せが複数又は複数種の特定の絵柄組合せが含まれていることに基づいて前記特別報知を実行することを特徴とする特徴B1乃至特徴B10のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、複数分の特別報知が実行される遊技回における絵柄の停止態様を利用して特別報知用の表示がなされる。遊技回制御手段(停止態様決定手段)によって予め設定されている絵柄の停止態様を利用して特別報知を行うことにより、特別報知実行に際して絵柄の停止態様の再設定等が不要となり、特別報知を行う際の処理負荷の極端な増加を抑制することができる。
特に、特徴B7との組合せにおいては、第1領域及び第2領域の両方の領域に停止する絵柄を加味することにより、特別報知の実行機会に係る制約を好適に抑えることが可能となる。
特徴B12.前記特別報知手段は、前記絵柄の変動表示が行われている状況下にて前記特別報知の実行条件が成立した場合に、前記停止態様決定手段により決定された当該遊技回での絵柄の停止態様に係る態様情報に基づいて、当該遊技回にて前記特別報知を実行可能か否かの判断を行う判断手段(演出制御装置82によるステップS3204、ステップS2404、ステップS2504等の処理を実行する機能)を有し、
前記複数実行手段は、前記判断手段により前記特別報知を実行可能ではないと判断された場合に、当該判断された遊技回の次回以降の遊技回において前記特別報知を複数実行する持越手段(演出制御装置82によるステップS3301,ステップS3302,ステップS3401,ステップS3402の処理を実行する機能)を有し、
前記停止態様決定手段は、以降の遊技回にて前記持越手段の情報に基づいて停止態様を決定する手段を有していることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知が実行不能である場合には、複数実行手段による特別報知が次回以降の遊技回において実行される。これにより、当該実行中の遊技回において、特別報知を実行すべく停止結果や変動表示時間を変更したりする等の処理を行う必要がなく、しかも、複数実行手段により1の遊技回において複数分の特別報知が行われるため特別報知の実行回数を減らすことなく、特別報知を実行することができる。また、以降の複数報知の対象となる遊技回においては、複数報知の対象となったことを踏まえて停止態様が決定されるため、例えば停止態様が特別報知に対応したものにならず特別報知が上手く実行されなくなることを好適に回避できる。
特徴B13.前記特別報知の契機となった特別情報よりも前に前記付与判定の対象となっている特別情報が、前記取得情報記憶手段により複数個記憶されている場合には、当該前に前記付与判定の対象となっている特別情報に係る遊技回において前記複数実行手段による前記複数分の特別報知を制限する手段(演出制御装置82によるステップS3104、ステップS3201等を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B12のいずれか1つに記載の遊技機。
特別報知の契機となった特別情報よりも前に付与判定の対象となっている特別情報が複数存在する場合には、当該複数の特別情報に係る遊技回において特別報知をそれぞれ行えばよく、1の遊技回において複数分の特別報知を実行する必要性が低い。そのため、本構成では複数実行手段による複数分の特別報知が制限されるようにしている。これにより、複数分の特別報知が行われる機会が無駄に多くなることを抑制し、単なる特別報知と複数報知との差違を明確にすることができる。故に、本特徴に示す特別報知が行われることへのプレミア感を担保することができる。
特徴B14.前記特別報知が実行される場合に、今回の遊技回にて実行する特別報知が前回の遊技回にて実行した特別報知とは異なる演出を伴うように設定する報知態様設定手段(演出制御装置82によるステップS3004〜ステップS3008、ステップS3105〜ステップS3109等の処理を実行する機能)と、
前記複数実行手段により1の遊技回において複数分の前記特別報知が行われる場合に、当該複数分の特別報知において後に実行する特別報知が先に実行される特別報知とは異なる演出を伴うように設定する連続報知設定手段(演出制御装置82によるステップS3211、ステップS3504、ステップS3609、ステップS3620、ステップS3630等を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B13のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、各遊技回の特別報知を遊技回ごとに異なるように発展する所謂ステップアップ演出として認識する。複数実行手段により1の遊技回において複数の特別報知が行われる場合も、特別遊技回ごとに異なる演出が行われるため、遊技者は、上記各遊技回におけるステップアップ演出が1の遊技回において発展(成立)したとして理解し易くなる。これにより、複数実行手段を備える意義を高めることができる。
特徴B15.前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であったことに基づいて前記特別報知用の実行可能状態に移行するか否かを決定する決定手段(演出制御装置82による大当たり用予告設定処理、外れ用予告設定処理を実行する機能)と、前記決定手段により前記実行可能状態に移行する場合に前記報知態様設定手段又は前記連続報知設定手段により前記異なる特別報知を伴うように設定するか否かを抽選する抽選手段(演出制御装置82によるステップS2809、ステップS2908の処理を実行する機能)とを備え、
当該抽選手段は、前記先特定手段による特定結果が前記付与対応結果である場合のほうが、前記先特定手段による特定結果が前記付与対応結果ではない場合と比較して当選結果となる確率が高く設定されていることを特徴とする特徴B14に記載の遊技機。
上記構成によれば、今回の特別報知が前回実行されたものと異なる演出を伴ったものであれば、その後に付与判定の対象となる特別情報が付与対応結果であると期待することができる。そのため、遊技者は今回の特別報知が前回の特別報知とは異なる演出を伴うこと、すなわち特別報知が発展することを期待する。ここで、特徴B1に示した複数実行手段を備えていれば、特別報知を発展させようとした場合に、その前提たる複数報知が実行できないといった不都合を生じにくくすることができる。
<特徴C群>
なお、下記の特徴C群に記載された発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、表示画面にて複数の絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えたものが知られている。かかる遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、上記絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する。特定遊技状態への移行に伴い、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が開始され、多量の遊技球が払い出されるようになっている(例えば特開2005−074175号公報)。」という背景・技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.複数の変動表示領域(各図柄列Z1〜Z3)が設定された表示画面(表示画面G)において、同変動表示領域に各々対応する絵柄列をスクロール表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置161)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得条件の成立に基づく1回の遊技回において、前記複数の変動表示領域にて前記絵柄の変動表示が開始されたのち当該絵柄を停止表示又は仮停止表示させる単位表示が少なくとも1回行われるようにし、各遊技回において前記付与判定の判定結果に対応した結果を停止表示させるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による変動開始処理を実行する機能、演出制御装置82による変動表示用処理を実行する機能)と、
前記遊技回制御手段により特定の絵柄組合せを停止表示又は仮停止表示させて特別報知(例えば保留予告)を行う特別報知手段(演出制御装置82における保留予告用の演出設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記特定の絵柄組合せの停止表示又は仮停止表示の態様には、
前記特定の絵柄組合せを構成する各絵柄の前記スクロール方向における散らばりの度合いが相対的に小さくなるように設定された第1表示態様(例えば弱チャンス目)と、
前記特定の絵柄組合せを構成する各絵柄の前記スクロール方向における散らばりの度合いが相対的に大きくなるように設定された第2表示態様(例えば強チャンス目)と
が含まれており、
前記特別報知が実行される遊技回又は当該遊技回よりも後の遊技回にて前記付与対応結果となる場合には、前記第1表示態様及び前記第2表示態様のうち第2表示態様が選択されやすく、且つ特別報知が実行される遊技回又は当該遊技回よりも後の遊技回にて前記付与対応結果でない場合には、前記第1表示態様及び前記第2表示態様のうち第1表示態様を選択されやすくなるように設定された選択手段を備えていることを特徴とする遊技機。
表示画面にて絵柄列が表示されるタイプの遊技機においては、絵柄同士が近くにまとまって停止表示又は仮停止表示されることでリーチ表示へ移行することが一般的である。遊技者に有利な特別遊技状態(例えば当たり)へ移行する場合には、このようなリーチ表示を経ることが多い。このような理由から、遊技者の注目は表示画面のごく限られた範囲に向きやすくなる。
ここで、本特徴に示すように、特定の絵柄組合せを停止表示又は仮停止表示させる際の絵柄の散らばりの度合いに差を設定し、当該散らばりの度合いが大きくなることで付与判定結果となる期待度が大きくなる構成とすれば、遊技者の注目が表示画面の広域に向くように促すことができる。これにより、例えば表示画面による演出等が見逃される等して、当該演出機能が上手く発揮されなくなるといった不都合の発生を抑制することが可能となる。
特徴C2.複数の変動表示領域(各図柄列Z1〜Z3)が設定された表示画面(表示画面G)において、同変動表示領域に各々対応する絵柄列をスクロール表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置161)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得条件の成立に基づく1回の遊技回において、前記複数の変動表示領域にて前記絵柄の変動表示が開始されたのち当該絵柄を停止表示又は仮停止表示させる単位表示が少なくとも1回行われるようにし、各遊技回において前記付与判定の判定結果に対応した結果を停止表示させるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による変動開始処理を実行する機能、演出制御装置82による変動表示用処理を実行する機能)と、
前記遊技回制御手段により特定の絵柄組合せを停止表示又は仮停止表示させて特別報知(例えば保留予告)を行う特別報知手段(演出制御装置82における保留予告用の演出設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記特定の絵柄組合せの停止表示又は仮停止表示の態様には、
前記特定の絵柄組合せを構成する絵柄間の前記スクロール方向における離間距離が相対的に小さくなるように設定された第1表示態様(例えば弱チャンス目)と、
前記特定の絵柄組合せを構成する絵柄間の前記スクロール方向における離間距離が相対的に大きくなるように設定された第2表示態様(例えば強チャンス目)と
が含まれており、
前記特別報知が実行される遊技回又は当該遊技回よりも後の遊技回にて前記付与対応結果となる場合には、前記第1表示態様及び前記第2表示態様のうち第2表示態様が選択されやすく、且つ特別報知が実行される遊技回又は当該遊技回よりも後の遊技回にて前記付与対応結果でない場合には、前記第1表示態様及び前記第2表示態様のうち第1表示態様を選択されやすくなるように設定された選択手段を備えていることを特徴とする遊技機。
表示画面にて絵柄列が表示されるタイプの遊技機においては、絵柄同士が近くにまとまって停止表示又は仮停止表示されることでリーチ表示へ移行することが一般的である。遊技者に有利な特別遊技状態(例えば当たり)へ移行する場合には、このようなリーチ表示を経ることが多い。このような理由から、遊技者の注目は表示画面のごく限られた範囲に向きやすくなる。
ここで、本特徴に示すように、特定の絵柄組合せを停止表示又は仮停止表示させる際の絵柄間の距離を複数設定して特定絵柄組せの散らばりの度合いに差を生じさせ、当該距離(散らばりの度合い)が大きくなることで付与判定結果となる期待度が大きくなる構成とすれば、遊技者の注目が表示画面の広域に向くように促すことができる。これにより、例えば表示画面による演出等が見逃される等して、当該演出機能が上手く発揮されなくなるといった不都合の発生を抑制することが可能となる。
特徴C3.前記絵柄表示手段の前記表示画面における前記絵柄の変動表示領域には、第1領域(主表示領域Rm)と第2領域(副表示領域Rs)とが設定されており、
前記第2領域は、前記絵柄列のスクロール方向にて前記表示画面における前記第1領域よりも上流側となる領域を含むように配されており、
前記第1表示態様では前記第1領域にて前記特定の絵柄組合せが停止表示又は仮停止表示される構成となっており、
前記第2表示態様では前記第1領域及び前記第2領域の両領域に亘って前記特定の絵柄組合せが停止表示又は仮停止表示される構成となっていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C1等に示したように、特定の絵柄組合せが形成される領域が第1領域/第2領域で相違する構成とすることにより、第1表示態様と第2表示態様との差違が分かりづらくなることを抑制できる。
特徴C4.前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知手段は、前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、当該先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に行われている遊技回にて当該遊技回の停止表示又は仮停止表示の態様が前記第1表示態様又は前記第2表示態様となるように前記絵柄表示手段を制御することで前記先特定手段の特定結果に対応した特別報知(保留予告)を行う手段を有していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4によれば、先特定手段の特定結果に対応した特別報知が実行される場合には、特定の絵柄組合せのばらつきの度合いが大きくなることで以降の遊技回への期待が増すこととなる。つまり、特定報知によって遊技者の視野を広げた状態で以降の遊技回に進むこととなる。これにより表示画面にて例えば付与判定結果に対応した演出を行う場合であっても、遊技者の意識を表示画面の広域へ向けておくことにより、当該演出(例えば細かな演出)が見逃されることを好適に抑制できる。また、狭い範囲(例えば表示画面の中央等)にて後続の演出が行われる場合には、視野が広がっている状態で当該演出が行われることとなり、演出が見逃されることを抑制できることはもちろん、当該演出のインパクトの向上に貢献できる。
特徴C5.前記付与判定の判定結果が前記付与対応結果である場合に前記遊技回制御手段により実行される遊技回の変動態様として、予め設定された有効ライン上に前記付与対応結果に対応する所定の絵柄組合せが停止表示又は仮停止表示される態様が設定されており、
前記単位表示として少なくとも、一部の変動表示領域における絵柄の変動表示を停止させることで、前記付与対応結果に対応する所定の絵柄組合せが成立する可能性のあるリーチ絵柄組合せを前記有効ライン又はそれとは異なるライン上に停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において残りの変動表示領域にて絵柄の変動表示を行わせるリーチ変動表示が設定されており、
当該リーチ変動表示として少なくとも、
前記付与対応結果に対応するリーチ絵柄組合せを停止表示させ、リーチライン上にて停止させることにより当該リーチ絵柄組合せとともに前記所定の絵柄組合せを形成するリーチ対応絵柄を当該リーチライン上に停止表示させる当りリーチ変動表示と、
前記付与対応結果に対応するリーチ絵柄組合せを停止表示させ、前記リーチ対応絵柄を、前記リーチラインから前記絵柄のスクロール方向における上流側又は下流側にずらして停止表示させる外れリーチ変動表示と
が設定されており、
前記特別報知手段は、所定の特別情報が前記情報取得手段により取得されていることに基づいて、前記所定の特別情報に係る遊技回が終了される際に表示される結果態様を含む前記単位表示が実行されるよりも前に、前記外れリーチ変動表示を含む前記単位表示である外れリーチ単位表示が実行されるように前記絵柄表示手段を制御して前記特別報知を行う特別制御手段(演出制御装置82によるステップS3805〜ステップS3812、ステップS3906〜ステップS3914の処理を実行する機能)を有し、
前記外れリーチ単位表示として少なくとも、
前記リーチ対応絵柄を前記リーチラインから前記絵柄のスクロール方向における上流側側又は下流側に離れた第1領域に停止表示させる第1種外れリーチ単位表示と、
前記リーチ対応絵柄を前記リーチラインから前記第1領域よりも前記絵柄のスクロール方向における上流側又は下流側にさらに離れた第2領域に停止表示させる第2種外れリーチ単位表示と、
が設定されており、
前記特別制御手段は前記選択手段を有してなり、当該選択手段は前記外れリーチ単位表示を経由して前記所定の絵柄組合せを表示する場合には前記第1種外れリーチ単位表示よりも前記第2種外れリーチ単位表示を選択しやすく、前記所定の絵柄組合せを表示しない場合には前記第2種外れリーチ単位表示よりも前記第1種外れリーチ単位表示を選択しやすくなるように構成されていることを特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技者に特典(例えば通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行)が付与される場合にはリーチライン上にリーチ対応絵柄が停止表示され、所定の絵柄組合せが停止表示される。遊技者はリーチ変動表示が行われている状況において、例えばリーチラインよりも上流側ではリーチ対応絵柄がリーチラインに到達することを期待し、リーチ対応絵柄がリーチラインに到達したタイミングではそのまま停止表示されることを期待する。
係る構成においては、リーチ対応絵柄がリーチラインに近付けば近付くほど遊技への注目度が高まる一方で、リーチ対応絵柄がリーチラインから離れれば離れるほど当該注目度が低下すると想定される。また、リーチ変動表示に移行してリーチ対応絵柄がリーチラインよりも手前で停止表示されることで注目度が一気に低下すると想定される。
この点、本特徴によれば、付与対応結果に対応した停止結果が表示される移行単位表示が実行されるよりも前に、外れリーチ単位表示が実行されるように設定される場合がある。そして、この外れリーチ単位表示として、リーチ対応絵柄がリーチラインよりも下流側又は上流側に離れた第1領域に停止表示される第1外れリーチ変動表示と比べて、リーチ対応絵柄がリーチラインから第1領域よりも上流側又は下流側に離れた第2領域に停止表示される第2外れリーチ変動表示のほうが選択率が高く設定されている。したがって、遊技者としてはリーチ対応絵柄がリーチラインから離れていば離れているほど、その後に付与対応結果として特典が付与されることを期待できる。この結果、リーチ変動表示が行われている状況において、リーチラインとリーチ対応絵柄との位置関係から生じる上記注目度の低下を抑制することが可能となる。
特徴C6.複数の変動表示領域(各図柄列Z1〜Z3)が設定された表示画面(表示画面G)において、同変動表示領域に各々対応する絵柄列をスクロール表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置161)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得条件の成立に基づく1回の遊技回において、前記複数の変動表示領域にて前記絵柄の変動表示が開始されたのち当該絵柄を停止表示又は仮停止表示させる単位表示が少なくとも1回行われるようにし、各遊技回において前記付与判定の判定結果に対応した結果を停止表示させるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による変動開始処理を実行する機能、演出制御装置82による変動表示用処理を実行する機能)と
を備え、
前記付与判定の判定結果が前記付与対応結果である場合に前記遊技回制御手段により実行される遊技回の変動態様として、予め設定された有効ライン上に前記付与対応結果に対応する所定の絵柄組合せが停止表示又は仮停止表示される態様が設定されており、
前記単位表示として少なくとも、一部の変動表示領域における絵柄の変動表示を停止させることで、前記付与対応結果に対応する所定の絵柄組合せが成立する可能性のあるリーチ絵柄組合せを前記有効ライン又はそれとは異なるライン上に停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において残りの変動表示領域にて絵柄の変動表示を行わせるリーチ変動表示が設定されており、
当該リーチ変動表示として少なくとも、
前記付与対応結果に対応するリーチ絵柄組合せを停止表示させ、リーチライン上にて停止させることにより当該リーチ絵柄組合せとともに前記所定の絵柄組合せを形成するリーチ対応絵柄を当該リーチライン上に停止表示させる当りリーチ変動表示と、
前記付与対応結果に対応するリーチ絵柄組合せを停止表示させ、前記リーチ対応絵柄を、前記リーチラインから前記絵柄のスクロール方向における上流側又は下流側にずらして停止表示させる外れリーチ変動表示と
が設定されている遊技機であって、
所定の特別情報が前記情報取得手段により取得されていることに基づいて、前記所定の特別情報に係る遊技回が終了される際に表示される結果態様を含む前記単位表示が実行されるよりも前に、前記外れリーチ変動表示を含む前記単位表示である外れリーチ単位表示が実行されるように前記絵柄表示手段を制御する特別制御手段(演出制御装置82によるステップS3805〜ステップS3812、ステップS3906〜ステップS3914の処理を実行する機能)を備え、
前記外れリーチ単位表示として少なくとも、
前記リーチ対応絵柄を前記リーチラインから前記絵柄のスクロール方向における上流側側又は下流側に離れた第1領域に停止表示させる第1種外れリーチ単位表示と、
前記リーチ対応絵柄を前記リーチラインから前記第1領域よりも前記絵柄のスクロール方向における上流側又は下流側にさらに離れた第2領域に停止表示させる第2種外れリーチ単位表示と、
が設定されており、
前記特別制御手段は、前記外れリーチ単位表示を経由して前記所定の絵柄組合せを表示する場合には前記第1種外れリーチ単位表示よりも前記第2種外れリーチ単位表示のほうが選択されやすく、前記所定の絵柄組合せを表示しない場合には前記第2種外れリーチ単位表示よりも前記第1種外れリーチ単位表示のほうが選択されやすくなるように設定された選択手段を有していることを特徴とする遊技機。
遊技者に特典(例えば通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行)が付与される場合にはリーチライン上にリーチ対応絵柄が停止表示され、所定の絵柄組合せが停止表示される。遊技者はリーチ変動表示が行われている状況において、例えばリーチラインよりも上流側ではリーチ対応絵柄がリーチラインに到達することを期待し、リーチ対応絵柄がリーチラインに到達したタイミングではそのまま停止表示されることを期待する。
係る構成においては、リーチ対応絵柄がリーチラインに近付けば近付くほど遊技への注目度が高まる一方で、リーチ対応絵柄がリーチラインから離れれば離れるほど当該注目度が低下すると想定される。また、リーチ変動表示に移行してリーチ対応絵柄がリーチラインよりも手前で停止表示されることで注目度が一気に低下すると想定される。
この点、本特徴によれば、付与対応結果に対応した停留結果が表示される移行単位表示が実行されるよりも前に、外れリーチ単位表示が実行されるように設定される場合がある。そして、この外れリーチ単位表示として、リーチ対応絵柄がリーチラインよりも下流側又は上流側に離れた第1領域に停止表示される第1外れリーチ変動表示と比べて、リーチ対応絵柄がリーチラインから第1領域よりも上流側又は下流側に離れた第2領域に停止表示される第2外れリーチ変動表示のほうが選択率が高く設定されている。したがって、遊技者としてはリーチ対応絵柄がリーチラインから離れていば離れているほど、その後に付与対応結果として特典が付与されることを期待できる。この結果、リーチ変動表示が行われている状況において、リーチラインとリーチ対応絵柄との位置関係から生じる上記注目度の低下を抑制することが可能となる。
特徴C7.前記第1領域及び前記第2領域は、前記リーチラインよりも前記絵柄のスクロール方向における下流側に設けられていることを特徴とする特徴C5又は特徴C6に記載の遊技機。
リーチ対応絵柄がリーチラインに停止すれば特典が付与される構成において、特にリーチ対応絵柄がリーチラインを通過した後は当該リーチ変動表示の注目度が一気に低下する傾向にある。この点、本特徴に示すように、第1領域及び第2領域をリーチラインよりも下流側に設けることにより、リーチラインを通過した後であっても注目度の低下を抑制することができる。
特徴C8.前記取得情報記憶手段は、複数の数として予め定められた所定数を上限として、前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶するものであり、
前記付与判定手段は、当該取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報を順次前記付与判定するものであり、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、当該先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に行われている遊技回にて当該遊技回の停止表示の態様が特定の絵柄組合せを停止表示させる所定の表示態様となるように前記絵柄表示手段を制御することで前記先特定手段の特定結果に対応した特別報知(保留予告)を行う特別報知手段(演出制御装置82における保留予告用の演出設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記所定の表示態様として、前記第1種外れリーチ単位表示に対応する第1表示態様と、前記第2種外れリーチ単位表示に対応する第2表示態様とが設定されていることを特徴とする特徴C5乃至特徴C7のいずれか1つに記載の遊技機。
取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。つまり、遊技者にとっては、取得された特別情報の付与判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加される。これにより、遊技の単調化が抑制される。
かかる構成において、上記の特別報知が外れリーチ単位表示として行われる。すなわち、当該特別報知が行われる遊技回においては、遊技者としては実行されているリーチ変動表示が付与対応結果に対応するものとなること(外れリーチ単位表示ではないこと)を期待して当該遊技回に注目する。一方、リーチ変動表示が外れリーチ変動表示であったとしても、特別報知に対応する外れリーチ単位表示であれば、その後の遊技回において特典が付与される余地が残る。
特徴C5等に記載したとおり、第1領域にリーチ対応絵柄が停止する第1種外れリーチ単位表示よりも第2領域にリーチ対応絵柄が停止する第2種外れリーチ単位表示のほうが、その後の遊技回において特別遊技状態に移行する期待度が高い(選択率が高い)。そのため、遊技者としては、当該リーチ変動表示が行われている遊技回においては、先ずは当該遊技回において特典が付与されることを期待し、そうでなければ、リーチ対応絵柄が第1領域よりも第2領域に停止することを期待する。このようにすることで、その後の遊技回の遊技結果によって当該遊技回のリーチ変動表示に対する注目度を高める、という斬新な遊技演出が実現される。
特徴C9.前記遊技回制御手段は、前記付与判定の判定結果が前記付与対応結果である場合に、当該付与対応結果の対象となった前記特別情報に係る遊技回において、前記特別制御手段により前記第2種外れリーチ単位表示が行われることを制限する制限手段を備えていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与判定の判定結果が付与対応結果である場合の遊技回においては、第2種外れリーチ単位表示が行われることが制限される。換言すれば、第2種外れリーチ単位表示が行われる遊技回において、当該遊技回に係る特別情報は付与対応結果に対応するものではなく、今回の遊技回においては特典が付与されない。そのため、リーチ対応絵柄がリーチラインを通過して更に第1領域を通過すると、当該遊技回においては特典付与への期待感が薄れ、注目度が低下するおそれがある。しかしこの場合であっても、特徴C8に記載したとおり、リーチ対応絵柄が第2領域に停止すれば、その後の遊技回において特典付与への期待感が高まるため、注目度の低下を好適に回避できる。
特徴C10.前記付与判定の判定結果が前記付与対応結果である場合に、当該付与対応結果の対象となった前記特別情報に係る遊技回において、前記特別報知手段により記第1種外れリーチ単位表示が選択される確率は、前記第2種外れリーチ単位表示が選択される確率よりも高く設定されていることを特徴とする特徴C8又は特徴C9に記載の遊技機。
上記構成によれば、外れリーチ単位表示において第1領域にリーチ対応絵柄が一旦停止すると、次回以降の遊技回において特典が付与される確率は第2領域にリーチ対応絵柄が停止するよりも低くなるものの、今回の遊技回において特典が付与される確率は高くなる。つまり第1領域と第2領域との関係から、遊技者は、第1領域にリーチ対応絵柄が停止すれば今回の遊技回に期待を抱き、第2領域にリーチ対応絵柄が停止すれば次回以降の遊技回に期待を抱く。これにより、リーチ変動表示におけるリーチ対応絵柄の停止領域との関係で当該リーチ変動表示の注目度を好適に高めることができる。
特徴C11.1のリーチライン上に第1リーチ絵柄組合せが停止表示され且つ他のリーチライン上に第2リーチ絵柄組合せが停止表示されるように、複数のリーチラインが同時に形成されるように設定され、
前記リーチ変動表示には、前記第1リーチ絵柄組合せとともに前記所定の絵柄組合せを形成する第1絵柄と、当該第1絵柄とは異なる絵柄であって前記第2リーチ絵柄組合せとともに前記所定の絵柄組合せを形成する第2絵柄との両方がリーチライン上を通過するように設定する変動表示が含まれており、
前記特別報知手段は、前記複数のリーチラインに第1リーチ絵柄組合せ及び第2リーチ絵柄組合せが停止表示されている状況にて、前記第1絵柄により形成されるリーチラインのリーチ対応絵柄が前記第1領域に停止する場合に前記第2絵柄により形成されるリーチラインのリーチ対応絵柄が前記第2領域に停止するように設定されていることを特徴とする特徴C8乃至特徴C10のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、複数ラインリーチにおいて、第1絵柄が第1領域に停止すると第2絵柄は第2領域に停止する。そのため、複数ラインリーチにおいていずれのリーチラインを形成する絵柄に対しても期待感を抱くことができる。特に特徴C8に記載したとおり、第1領域に停止するよりも第2領域に停止するほうが次回以降の遊技回の期待度が高まるため、上記のように第1領域に第1絵柄が停止し第2領域に第2絵柄が停止した場合には、当該次回以降の遊技回において第1絵柄によるリーチ変動表示が行われるよりも第2絵柄によるリーチ変動表示が行われたほうが当該遊技回においては期待度が高くなる。このように、今回の遊技回の変動表示を当該次回以降に発生し得るリーチ変動表示のリーチ対応絵柄と関連付けることで、次回以降の遊技回の変動表示について注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴C12.前記特別報知手段は、
前記遊技回が開始してから前記停止表示となるまでの変動表示中に前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果となった場合に、前記停止態様決定手段により決定されている今回の遊技回の停止表示の態様が、リーチ変動表示に対応するものであるか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段によりリーチ変動表示に対応すると判定された場合には、リーチラインを形成する絵柄列以外の特定の絵柄列の停止表示の態様を変更可能であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により停止表示の態様の変更が可能であると判定された場合に、前記所定の特定結果に応じて変動表示中の前記特定の絵柄列の停止表示の態様を前記所定の表示態様に対応するものに変更する変更手段と
を有していることを特徴とする特徴C8乃至特徴C11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C8に示したように、リーチ変動表示によって先特定結果に対応する演出を行う場合には、特定の絵柄列を変更可能なタイミングである場合に、当該絵柄列を変更する構成とすれば、先特定手段による特定結果を先の遊技回における停止表示態様に反映させることが可能となる。これにより、先特定手段を利用した特別報知に係る制約を抑え、特別報知が実行される機会を好適に増やすことができる。
このような、演出の書き換えを行う場合であっても、特定の絵柄列の停止表示の態様を書き換えればよいため、当該書き換えに伴う制御負荷の増大を好適に抑制できる。
特徴C13.前記絵柄列の変動表示の態様には、絵柄の識別性が相対的に高低となる高識別変動態様と低識別変動態様とが含まれており、それら高識別変動態様及び低識別変動態様が各絵柄列毎に切り替え可能となっており、
前記判定手段は、前記特定の絵柄列の変動表示の態様が前記低識別変動態様である場合に、当該特定の絵柄列の停止表示態様を変更可能と判定することを特徴とする特徴C12に記載の遊技機。
上記構成によれば、絵柄の識別性が低い低識別変動態様にて変動表示が行われている場合に停止表示の態様の変更が行われるため、当該変更によって遊技者に与える違和感を低減することができる。
また、このような変更によって特別報知が行われる構成とすれば、遊技回の実行期間を無闇に調整する必要がなくなり、書き換えに伴う制御負荷の増大を一層好適に抑制することができる。
<特徴D群>
なお、下記の特徴D群に記載された発明は、「パチンコ機等の遊技機には、前面に遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなるものがある。遊技者の発射操作に基づいて発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入賞することにより、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行を行うか否かの当否抽選や遊技球の払出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特開2003−190511号公報)。この種の遊技機においては、遊技盤に、入球部への入賞を契機として図柄の変動表示を行う図柄表示装置や、図柄の変動表示に合わせて動作することにより当否抽選結果の示唆等を行う可動役物等の遊技演出に係る各種遊技機器を設けることにより遊技機への注目度の向上が図られているものがある。このような構成とすることで、入球部へ向けた遊技球の動き、入賞に基づく特典の享受、特典の享受に到るプロセス(演出)が一体となり、遊技機の興趣向上が実現されている。また、遊技機の見栄え向上を目的とする装飾部材等の遊技部品を遊技領域に配置することで上記注目度の向上を図ったものもある。特に、近年では遊技機器等の大型化によってよりインパクトの強い演出等を可能とし、遊技者の注目度の向上が図られているものがある。」という背景・技術について、「しかしながら、上述したタイプの遊技機においては、遊技球の動きを目で追える構成としたこと自体が遊技機本来の興趣向上手段となっている。このため、上記遊技機器や遊技部品の大型化等を行う場合には、遊技球の流下領域の担保が前提となり得る。遊技領域(遊技球の流下領域)及び遊技機器等を共存させようとした場合には、例えば遊技盤自体を拡張することが有効な解決手段となり得るが、遊技ホールの島設備との関係から遊技機の横幅に一定の制限が設けられている等の理由からそのような対応が困難なのが実状である。言い換えれば、例えば遊技領域及び遊技機器等の共存等を図って遊技への注目度を好適に向上させる上では、遊技機の構造に未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴D1.前面に遊技球が流下する遊技領域(遊技領域103)が形成された遊技盤(遊技盤100)と、
前記遊技盤の後方に配置され、表示画面(表示画面G)にて所定の表示演出を実行する表示手段(図柄表示装置161)と
を備え、
前記遊技盤は、少なくとも前記表示画面と対向している部分が透明性を有し、当該対向部分を通じて同表示画面を視認可能となるように形成されており、
前記遊技盤と前記表示手段との間に配置され、第1状態(例えば遮蔽状態)及び第2状態(例えば非遮蔽状態)に切替可能な可動役物(可動役物170〜173,310,320,330,340)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、遊技盤において表示画面と対向する部分を通じて表示画面を視認可能となっている。表示画面の視認性を担保する上で、遊技盤に表示画面用の開口を形成させる必要がないため、遊技球が流下する遊技領域が視認性の担保に起因して圧迫されることを抑制できる。
ここで、可動役物については可動役物が遊技盤の後方に配置されるため、遊技領域を流下する遊技球と可動役物とが衝突するおそれがなく、可動役物の動作態様に関する制約を軽減できる。また、可動役物が表示手段の前方に配置されるため、可動役物の動作と表示手段による表示演出との関連付けが強くし、両者が一体となったダイナミック演出が可能となる。
このように本構成によれば、遊技領域を広く確保して遊技球の流下を楽しむという遊技が陳腐化することを回避しつつ、可動役物及び表示手段による一体的に演出が可能となり、遊技機の興趣向上に貢献できる。
なお、「前記可動役物は、前記第1状態では前記表示手段の表示画面と前後に重なり、前記第2状態では前記第1状態よりも前記表示画面との重なりが小さくなる又は前記表示画面との重なりが回避される」構成とすることにより、可動役物と表示手段とが重なる範囲の変化と表示演出との関連付けが可能となる。
特徴D2.前記可動役物は、前記対向部分の背面側にて変位可能に設けられた可動体を有し、前記第2状態から前記第1状態への切り替えに伴って当該可動体が第2位置(例えば非遮蔽位置)から第1位置(例えば遮蔽位置)へ変位することにより前記表示画面に対する当該可動体の重なりの態様が変化する構成となっており、
前記対向部分の背面部分には、前記可動体を前記第1位置から前記第2位置へ案内する案内部(例えばガイド溝やレール)が設けられていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、遊技盤の対向部分に可動体を案内する機能を付与することにより、可動体(可動役物)の動きを安定させることが可能となる。
例えば、可動体を大型化させたり、可動体の動作範囲を広く設定したりした場合には可動役物を用いた演出をインパクトのあるものとすることができ、遊技機への注目度を向上する上で有利である。しかしながら、その反面、可動体の動きは不安定になりやすいと想定される。このように、可動体の動きが不安定になることは、動作不良や見栄え低下の要因となり、上記効果を発揮させる上での障害となり得る。この点、本特徴に示す構成によれば、このような不都合の発生を抑えることができ、可動役物による演出機能を好適に発揮させることが可能となる。
なお、例えば可動役物の支持位置(保持位置)が表示画面(詳しくは表示領域)と重ならない位置に配置されている場合には、可動体を表示画面の前方にて動かそうとすることで、支持位置から遠い部分では可動体の位置ばらつきが大きくなりやすい。この点、遊技盤に対向部分が存在し、この対向部分に案内部を設ける構成とすれば、このような不都合の発生を好適に抑制できる。つまり、本特徴に示す技術的思想は、普段は表示画面のとの重なりが小さく設定され、状況に応じて当該重なりが大きくなるように変位する可動体が設けられた可動役物に適用することにより、可動役物による演出機能等を安定して発揮させることができるという好ましい構成の実現に貢献し得る。
特徴D3.前記遊技盤の前記対向部分には、遊技機前方から視認可能な所定の模様が設けられており、
前記案内部は、前記所定の模様に当該所定の模様の背後から重なるように形成されていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
遊技盤を通じて表示画面を見る際に、仮に上記案内部が目立ってしまうと遊技機の見栄えが低下し得る。そこで、遊技盤(対向部分)に形成された模様の背後に案内部を配することにより、当該案内部を目立ちにくくして、上述した見栄えの低下を抑制することができる。
特徴D4.前記所定の模様は前記対向部分の前面部分に設けられていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、案内部の存在が所定の模様を付与しづらくする要因になることを回避して、所定の模様と案内部とを遊技盤の対向部分にて好適に共存させることが可能となる。
特徴D5.所定の条件が成立した場合に、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記表示手段は、前記表示画面に設定された複数の変動表示領域(各図柄列Z1〜Z3)を有し、各変動表示領域にて絵柄を変動表示させて、前記付与判定の結果に応じた絵柄の組合せを有効ライン上に停止表示するように構成されており、
前記所定の模様は前記有効ラインに沿うように形成され、当該有効ラインを教示するものであることを特徴とする特徴D3又は特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、有効ラインを教示する模様によって案内部がカモフラージュされることとなり、所定の模様と案内部とを好適に共存させることができる。
特徴D6.前記可動体は、回動可能に支持されており、その回動先端部には前記案内部に係合する係合部が形成されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D5のいずれか1つに記載の遊技機。
可動体が回動可能に構成されている場合、当該可動体の動作時にはその回動先端部におけるぶれ幅(例えば位置ずれ)が大きくなりやすい。そこで、本特徴に示すように案内部による案内対象を可動体の回動先端部(係合部)とすれば、上記ぶれを抑えて可動体の動きを好適に安定させることができる。
特徴D7.前記案内部は、少なくとも前記可動体が前記第1位置に配置された状態にて当該可動体を支える支持部として機能するように構成されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D7によれば、案内部に支持機能を付与することにより、第1位置での姿勢を安定させることが可能となる。
特に特徴D6との組合せにおいては、可動体の回動先端部を支えることにより、回動基端側での支持負荷を軽減できる。また、当該構成は回動先端部の位置ずれを抑える上でも有利である。
なお、特徴D2〜特徴D7に示した対向部分及び案内部については、上記各種効果を発揮する上で、対向部分の背後で動作する可動体の存在と一体不可分の関係にある。
特徴D8.前記可動役物は前記表示画面と重なることにより、その重なった部分の視認性を低下させる遮蔽機能が付与されており、
前記可動役物を前記第1状態又は前記第2状態に切り替える切替手段(演出制御装置82)と、
前記遊技盤において前記可動役物が前記第1状態となっている情況で当該可動役物と前後に重なる領域に遊技球が到達する場合に、当該遊技球を検知する検知手段(検知センサ136a,136b)と
を備え、
前記検知手段の検知結果に基づいて前記切替手段を駆動制御することにより、前記可動役物を前記第1状態又は前記第2状態に切り替える切替制御手段(演出制御装置82による変動中用処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、検知手段の検知結果に基づいて、すなわち可動役物の前方を通過する遊技球の有無に基づいて、可動役物の状態を変化させることができる。このように、遊技球の動きによって可動役物の状態を切り替えることにより、例えば遊技球の動きと可動役物の動きや表示画面の表示内容とに関連性を付与することができる。
特徴D9.前記可動役物は、前記第1状態では前記表示手段の表示画面と前後に重なり、前記第2状態では前記第1状態よりも前記表示画面との重なりが小さくなる又は前記表示画面との重なりが回避される構成となっており、
前記切替制御手段は、前記検知手段により遊技球が検知されたことに基づいて、前記可動役物を前記第1状態から前記第2状態へ変位させる手段を有していることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
上記構成によれば、検知手段により遊技球が検知されると、可動役物は第1状態から第2状態に変化し、可動役物と表示手段とが重なる領域が狭くなる。例えば、当該検知された遊技球が可動役物とは前後方向に重ならないようにすることで、当該遊技球が表示手段(表示画面)を横切るようにして流下することになる。このように表示画面の前方での遊技球の移動を許容することで、例えば遊技球の動きと表示手段による表示演出との関連付けを行うことが可能となる。
特徴D10.前記可動役物は、前記第1状態では前記表示手段の表示画面と前後に重なり、前記第2状態では前記第1状態よりも前記表示画面との重なりが小さくなる又は前記表示画面との重なりが回避される構成となっており、
前記切替制御手段は、前記検知手段により遊技球が検知されたことに基づいて、前記可動役物を前記第2状態から前記第1状態に切り替える手段を有していることを特徴とする特徴D8又は特徴D9に記載の遊技機。
上記構成によれば、検知手段により遊技球が検知されると、可動役物は第2状態から第1状態に切り替り、可動役物と表示手段とが重なる領域が広くなる。可動役物が第1状態に配置されると背後に存在する表示手段の視認性が低下し、表示手段において視認性が低下した部分と前後に重なる範囲を遊技球が流下することになる。これにより、流下する遊技球の動作を際立たせ、表示画面を背景に流下する場合と比較して遊技球の動きを目で追いやすくなる。
特徴D11.前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口と、当該入球口へ入った遊技球を前記遊技領域において同入球口が設けられた箇所とは異なる箇所へ導出する排出口とを繋ぐ球通路(手前側球通路134,奥側球通路143)を備え、
当該球通路は、前記可動役物が前記第1状態となっている場合に当該可動役物と前後方向にて重なる位置に形成されており、
前記検知手段は前記球通路を通過する遊技球を検知するものであることを特徴とする特徴D8乃至特徴D10のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、検知手段が検知する対象が球通路を通過する遊技球と限定される。特徴D8等に示した効果を発揮させる上では、この球通路との位置関係で可動役物の動作及び表示画面の表示内容を設定すばよく、遊技球の様々な流下態様を想定する必要がない。これにより、演出設計の簡素化を図ることが可能となる。また、入球口への入球の有無が可動役物の動作に反映されるため、可動役物等と遊技球の動きとの関係が遊技者にとって把握しづらいものになることを抑制できる。
特徴D12.前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(作動口115)と、
当該入球部に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81によるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果であったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、前記球通路から導出される遊技球が転動可能な転動領域を有し、当該転動領域上の遊技球を前記入球部へ案内する案内部が形成されたステージ部(ステージ144)と
を備えていることを特徴とする特徴D11に記載の遊技機。
上記構成によれば、球通路へ遊技球を流入させることで、その遊技球は球通路→転動領域→案内部→入球部へと案内されやすくなる。入球部への入球は付与判定に関連している。このような構成に上記特徴D5に示した構成を適用すれば、可動役物及び表示手段と遊技球の動きとの関連性から上記演出を見る動機付けを与えることができ、せっかく用意した演出機能が上手く発揮されなくなることを抑制できる。
特徴D13.前記可動役物は、前記第1状態では前記表示手段の表示画面と前後に重なり、前記第2状態では前記第1状態よりも前記表示画面との重なりが小さくなる又は前記表示画面との重なりが回避される構成となっており、
前記検知手段は、前記球通路において前記可動役物が前記第1状態に配置される状況において前後方向に重なる領域よりも上流側となる部分に配置されていることを特徴とする特徴D11又は特徴D12に記載の遊技機。
上記構成によれば、検知手段が球通路において可動役物と重なる領域よりも上流側に設けられているため、遊技機では当該球通路に入球した遊技球が可動役物と前後方向に重なる前にその遊技球の存在を把握することができる。これにより、可動役物を遊技球が重なる前に動作させることが可能となり、演出を行う上で好ましい構成が実現される。
特に特徴D9との組合せにおいては、表示画面を露出させた状態で当該露出した部分の前方にて遊技球を流下させることが容易となる。また、特徴D10との組合せにおいては、可動役物によって表示手段を遮蔽した状態で遊技球を可動役物の前方を流下させることが容易となる。
特徴D14.前記切替制御手段は、複数の数として定められた所定数の遊技球が前記検知手段により検知されたことに基づいて前記可動役物の状態を切り替えるものであることを特徴とする特徴D8乃至特徴D13のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、所定数の遊技球が検知手段により検知されることが可動役物の動作条件となるため、可動役物を利用した演出を見たい遊技者としては、なるべく検知手段に検知されるように遊技球を流下させることになる。これにより、遊技への積極参加を促し、遊技への注目度向上に貢献できる。
特徴D15.前記表示手段は、前記表示画面にて複数種類の絵柄を表示可能に構成され、
当該複数種類の絵柄には、遊技者の利益に関連する絵柄として、第1絵柄(特定図柄)と、関連する利益が前記第1絵柄よりも少ない第2絵柄(非特定図柄)とが含まれており、
前記可動役物は、前記第1状態では前記表示手段の表示画面と前後に重なり、前記第2状態では前記第1状態よりも前記表示画面との重なりが小さくなる又は前記表示画面との重なりが回避される構成となっており、
前記可動役物は、前記可動役物が前記第1状態となることで前記第1絵柄及び前記第2絵柄のうちの少なくとも一方の絵柄に重なるように構成され、
前記第1絵柄及び前記第2絵柄のうち前記可動役物と重なっているものについて、当該可動役物との重なりが回避されることにより、当該重ならなくなった絵柄について設定されている利益を遊技者に付与する手段(演出制御装置82による保留予告制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D14のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、表示画面に遊技者の利益に関連する第1絵柄と第2絵柄とが表示される構成において、第2絵柄のほうが第1絵柄よりも関連する利益が少なくなるように設定されているため、遊技者としては第2絵柄よりも第1絵柄が表示されることを望むものと考えられる。そして、可動役物はこれら第1絵柄及び第2絵柄に重なるように構成されているため、第1絵柄及び第2絵柄が表示手段に表示された場合に、遊技者はいずれの絵柄が表示される(視認可能となる)かに興味を示す。このような構成とすることで、第1絵柄と第2絵柄とにそれぞれ関連する利益と、可動役物と前後方向に重なる絵柄と、当該可動役物の位置変位とを関連付けた演出を行うことが可能となる。これにより、遊技への注目度向上に貢献できる。
特徴D16.前記表示手段は、前記表示画面にて複数種類の絵柄を表示可能に構成され、当該表示する絵柄の種類により遊技者に利益に関連する情報を報知するように設定されており、
前記可動役物は、前記第1状態では前記表示手段の表示画面と前後に重なり、前記第2状態では前記第1状態よりも前記表示画面との重なりが小さくなる又は前記表示画面との重なりが回避される構成となっており、
当該遊技機は、前記可動役物を複数備えており、
当該複数の可動役物は、前記第1状態となることにより前記表示手段に表示される所定の絵柄にそれぞれ重なり、前記第2状態となることにより当該所定の絵柄との重なりが回避されるように構成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D15のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の絵柄は第1状態となった複数の可動役物と重なり、それら可動役物が第2状態となることで当該重りが回避される。これにより、所定の絵柄と各可動役物の状態とを関連付けた演出を行うことが可能となる。表示手段に表示される絵柄の種類により遊技者に利益に関連する情報が報知される構成に本特徴に示す技術的思想を適用することで、遊技への注目度を好適に高めることができる。
<特徴E群>
なお、下記の特徴E群に記載された発明は、「パチンコ機等の遊技機には、前面に遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなるものがある。遊技者の発射操作に基づいて発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入賞することにより、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行を行うか否かの当否抽選や遊技球の払出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特開2003−190511号公報)。この種の遊技機においては、入球部への入賞を契機として図柄の変動表示を行う図柄表示装置や図柄の変動表示に合わせて動作することにより当否抽選結果の示唆等を行う可動役物等の遊技演出に係る各種遊技機器が採用されることにより、遊技機への注目度の向上が図られているものがある。このような構成とすることで、入球部へ向けた遊技球の動き、入賞に基づく特典の享受、特典の享受に到るプロセス(演出)が一体となり、遊技機の興趣向上が実現されている。また、遊技機の見栄え向上を目的とする装飾部材等の遊技部品を遊技領域に配置することで上記注目度の向上を図ったものもある。特に、近年では上記遊技機器等の大型化によってよりインパクトの強い演出等を可能とし、遊技者の注目度の向上が図られているものがある。」という背景・技術について、「しかしながら、上述したタイプの遊技機においては、遊技球の動きを目で追える構成としたこと自体が遊技機本来の興趣向上手段となっている。このため、上記遊技機器や遊技部品の大型化等を行う場合には、遊技球の流下領域の担保が前提となり得る。遊技領域(遊技球の流下領域)及び遊技機器等を共存させようとした場合には、例えば遊技盤自体を拡張することが有効な解決手段となり得るが、遊技ホールの島設備との関係から遊技機の横幅に一定の制限が設けられている等の理由からそのような対応が困難なのが実状である。言い換えれば、遊技領域及び遊技機器等の共存等を図る上では、遊技機の構造に未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴E1.開閉可能に設けられた一対の可動役物(可動役物310,320等)を備え、
前記各可動役物は、同可動役物が開状態となることで遊技機正面側を向いて広がるように形成された扇面部(扇面部312等)を有し、
前記扇面部は、前記開状態では開閉方向における一端及び他端が前後方向にてずれるようにして広がり、且つ閉状態では前後に重なるようにして折りたたまれる構成となっており、
前記各可動役物は、前後方向の位置が同一となるように配置され、前記開状態となることにより、一方の可動役物の前記扇面部における前側の端部を含んだ第1特定領域と、他方の可動役物の前記扇面部における後側の端部を含んだ第2特定領域とが前後に重なるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴E1に示す折りたたみ式の可動役物を搭載する場合、開状態と閉状態との差違を明確にすることができるものの、その厚みが嵩むことで配置スペースに制約が生じやすい。このような不都合は1つの可動役物で広範囲をカバーしようとすることにより顕著になると想定される。
この点、本特徴に示すように可動役物を2つにして、且つその前後位置を揃えるとともに、一方の可動役物の扇面部における第1特定領域(扇面部における前側の端部を含んだ領域)と、他方の可動役物の扇面部における第2特定領域(扇面部における後側の端部を含んだ領域)とが前後に重なるように構成することで、上記カバー範囲の広域化を実現しつつ、それら特定領域を重ねることで生じる全体での厚みの増加を抑制することができる。これにより、可動役物を用いた演出範囲の広域化を図りつつ、限られたスペースにて可動役物の配置領域及び動作領域を確保することができる。
特徴E2.前記可動役物の後方に設けられ、所定の表示演出を行う表示画面(表示画面G)を有する絵柄表示手段(図柄表示装置161)を備え、
前記可動役物は、前記開状態となっている場合に前記表示画面と前後に重なるように配置され、前記表示画面からの光が前記扇面部を通じて遊技機正面側へ照射される構成となっており、
前記扇面部には、前記開状態から前記閉状態への切り替えに伴って折りたたまれる際の起点となる折曲部(折曲部312c等)が形成され、同折曲部を挟んで前記開閉方向における両側には向きの異なる平坦部(固着部312a等)が形成されており、
前記両平坦部のうち少なくとも一方は、前記可動役物が前記開状態となっている場合に前記表示画面と非平行となることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、表示画面と平坦部の一方とが非平行となることで、後方に配置される表示画面からの光が当該平坦部にて屈折し、遊技機前方からは表示画面の視認性を変化させることができる。このように、可動役物を通じた表示画面の視認性に変化を生じさせることにより、可動役物に係る表示演出を実行する際にその見え方が陳腐化することを回避できる。
特徴E3.前記扇面部は、前記平坦部を構成する長尺状のベース部(例えば親骨部314a,314b)を複数有し、
それらベース部は、平面が前後を向くように重ねて配置されているとともに長尺方向における一端を基端部として回動可能となるように連結されており、
前記各ベース部を回動させることにより、前記可動役物を開閉させる開閉手段(演出制御装置82による変動中用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、開状態と閉状態との差、すなわち可動役物が広がる範囲を拡げつ、閉状態での占有スペースの拡がりを極力小さくすることができる。
特徴E4.前記扇面部は、前記平坦部を有するシート部材と、前記可動役物の骨格を構成するフレーム部材とを備え、
前記フレーム部材は、前記シート部材において前記ベース部を構成している部分に取り付けられていることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
上記構成によれば、折曲部を境に連続する平坦部のうち表示画面と非平行となっていないもの(すなわち表示画面と平行となっている部分)が扇面部のベース部として機能する。ベース部をその平面が前後を向くようにして重ねて配置した場合には、可動役物の前後方向での厚みを薄くできる。しかしながら、その反面、上記非平行となっていない部分については、非平行となっている部分と比較して表示画面から光が過度に透過し得る。この点、平行となっている部分についてはフレーム部材が重なるため、同フレーム部材によって光の透過具合を調整することが可能となり、過度に直接的な光が遊技機前方へ照射されることを好適に回避できる。
なお、「前記可動役物は、前記開閉方向が前記表示画面と平行となるように」構成するとよい。係る構成(開閉方向が表示画面と平行となる構成)に本特徴に示した技術的思想を適用すれば、可動役物の配置領域や動作領域の無駄な拡がりを抑えつつ、扇面部に視覚的な変化を生じさせることが可能となる。
特徴E5.前記フレーム部材は、その縁部が前記折曲部に沿うようにして前記ベース部を構成している前記シート部材に取り付けられていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動役物を開状態から閉状態とする場合に、扇面部の折曲部を契機とした変形が誘発され、それ以外の部分が変形する等して、閉状態への切り替えが上手く行われなくなったり、扇面部の見栄えが悪化したりすることを好適に抑制できる。
特に、特徴E3等に示した開閉手段によって自動で可動役物を開閉する構成においては、予め設定された折曲箇所とは違う位置で折れ曲がることにより、開閉機能が円滑に行われなくなると懸念される。この点、本特徴に示す技術的思想を適用すれば、自動開閉式の可動役物であってもそのような不都合の発生を好適に回避でき、繰り返しの使用等による開閉機能の低下を抑えることが可能となる。
特徴E6.前記可動役物は、駆動部(駆動モータ313等)からの動力を前記各ベース部にそれぞれ伝達する伝部(ギア319)を有し、前記閉状態となっている場合に前記複数のベース部のうち前記可動役物の正面部及び背面部を構成する一方を基端として他のベース部が回動することにより開閉する構成となっていることを特徴とする特徴E3乃至特徴E5のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば一般的な扇子では、当該扇子を開く際に親骨部に対してのみ力が加えるため、開閉動作をスムーズに行えない場合がある。この点、本特徴によれば、各ベース部に対して伝達部を介して動力がそれぞれ伝達されるため、開閉動作をスムーズに行うことができる。
特徴E7.前記一対の可動役物の前方に設けられ、前面に遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤100)と、
前記一対の可動役物の後方に設けられ、所定の表示演出を行う表示画面(表示画面G)を有する表示手段(図柄表示装置161)と
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E6のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、可動役物の前方に遊技盤が、後方に表示画面が、それぞれ設けられる。この場合であっても、一対の可動役物は特徴E1に示したように設置領域の厚さが薄くなるように設置される。このため、遊技盤と表示画面との隙間が極端に大きくなることを回避して、表示画面の視認性の低下を抑制しつつ可動役物を配置することが可能となる。
特徴E8.前記遊技盤において少なくとも前記表示画面と対向する部分は透明性を有し、当該対向する部分を通じて当該表示画面を視認可能となっていることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
上記構成によれば、表示画面の視認性を確保すべく遊技盤に開口を形成する必要がなく、表示画面の視認性を確保しつつ遊技領域を広く設定することができる。特に、特徴E3等に記載したとおり、一対の可動役物は厚さが薄くなるように設置されるものであるため、遊技盤と表示画面との距離の拡がりを抑えることができる。故に、表示画面と遊技盤との隙間が大きくなって表示画面が遊技者から遠ざかることを抑制できる。
特徴F1.表示画面(表示画面G)において複数の絵柄を変動表示する絵柄表示手段(図柄表示装置161)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS501の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記絵柄表示手段において前記絵柄の変動表示が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示して前記絵柄の変動表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記絵柄の変動表示が行なわれるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における変動開始処理を実行する機能、演出制御装置82における変動表示制御処理を実行する機能)と
を備えている遊技機において、
前記遊技回制御手段は、遊技回ごとに、前記付与判定の結果に基づき、当該付与判定の対象となった特別情報に係る遊技回での前記絵柄の停止態様を決定する停止態様決定手段(演出制御装置82における変動開始用処理を実行する機能)を有し、各遊技回にて絵柄の変動表示が行われる場合に前記停止態様決定手段が決定した停止態様で前記絵柄を停止させて前記遊技回の変動表示を終了させるものであり、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、当該先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に行われている遊技回にて当該遊技回の停止態様が所定の特別停止態様となるように前記絵柄表示手段を制御することで前記先特定手段の特定結果に対応した特別報知(保留予告)を行う特別報知手段(演出制御装置82における保留予告用の演出設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記停止態様決定手段は、前記先特定手段による特定結果に関わらず、所定条件が成立したことに基づいて前記絵柄の停止態様を前記特別停止態様となるように態様情報を決定する先決定手段(演出制御装置82によるステップS1023等の非有効予告演出を実行する機能)を有し、
前記特別報知手段は、当該先決定手段により決定された態様情報に基づいて前記特別報知を実行するか否かを決定する後決定手段(演出制御装置82によるステップS2101〜ステップS2105等の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、取得された特別情報の付与判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。
本特徴においては特に、先特定手段による特定結果に関わらず所定条件の成立に基づいて、先決定手段により特別停止態様となるように態様情報が決定される。そしてこの場合、後決定手段により当該態様情報に基づいて特別報知を実行するか否かが決定される。係る構成とすることにより、遊技回の変動表示の開始時に停止態様が決定される構成において、変動表示を実行中に先特定手段による特定が行われた場合に、当該変動表示を実行中の遊技回において停止態様を変更することなく特別報知を実行することができる。これにより、停止態様を変更することによる変動表示時間の変更や処理負荷の局所的な増加を抑制し、好適に特別報知を実行することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
81…主制御装置、82…演出制御装置、100…遊技盤、103…遊技領域、115…作動口、130…センターフレーム、136a…検知センサ、136b…検知センサ、143…奥側球通路、153…奥側球通路、170…第1可動役物、171…第2可動役物、172…第3可動役物、173…第4可動役物、202…MPU、212…表示制御装置、242…MPU、243…ROM、300…可動役物装置、310…右上可動役物、314a…前側親骨部、314b…後側親骨部、320…可動役物、324a…前側親骨部、324b…後側親骨部、330…左上可動役物、334a…前側親骨部、334b…後側親骨部、340…左下可動役物、344a…前側親骨部、344b…後側親骨部。

Claims (2)

  1. 複数の変動表示領域が設定された表示画面において、同変動表示領域に各々対応する絵柄列をスクロール表示させる絵柄表示手段と、
    予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
    当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
    前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を順次行う付与判定手段と、
    当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
    前記取得条件の成立に基づく1回の遊技回において、前記複数の変動表示領域にて前記絵柄の変動表示が開始されたのち当該絵柄を停止表示又は仮停止表示させる単位表示が少なくとも1回行われるようにし、各遊技回において前記付与判定の判定結果に対応した結果を停止表示させるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と、
    前記遊技回制御手段により特定の絵柄組合せを停止表示又は仮停止表示させて特別報知を行う特別報知手段と
    を備え、
    前記特定の絵柄組合せの停止表示又は仮停止表示の態様には、
    前記特定の絵柄組合せを構成する各絵柄の前記スクロール方向における散らばりの度合いが相対的に小さくなるように設定された第1表示態様と、
    前記特定の絵柄組合せを構成する各絵柄の前記スクロール方向における散らばりの度合いが相対的に大きくなるように設定された第2表示態様と
    が含まれており、
    前記特別報知が実行される遊技回又は当該遊技回よりも後の遊技回にて前記付与対応結果となる場合には、前記第1表示態様及び前記第2表示態様のうち前記第2表示態様が選択されやすく、前記特別報知が実行される遊技回又は当該遊技回よりも後の遊技回にて前記付与対応結果とならない場合には、前記第1表示態様及び前記第2表示態様のうち前記第1表示態様選択されやすくなるように設定された選択手段を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 遊技媒体を払い出す払出手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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