JP7052192B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の挙動に変化を与える各種部材が備えられている。一例として、開閉可能な可変入球装置が挙げられる(例えば特許文献1参照)。
特開2003-325811号公報
ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める工夫が望まれている。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
遊技の進行に伴って特定事象が発生した場合に、遊技球の挙動に変化を与え得る所定の第1動作を実行可能な第1動作手段と、
所定情報を所定周期で更新可能な更新手段と、
遊技球の挙動に変化を与え得る所定の第2動作を、前記所定情報が特定情報である場合に実行可能な第2動作手段と、
を備え、
前記第1動作手段による前記第1動作が行われる特別状態が設定されており、
前記所定情報に基づいて、前記第1動作が行われる場合に所定の前記第2動作が行われることに対応する情報を前記特別状態の移行前に把握することが可能な把握手段と、
前記把握手段の把握結果を利用して、演出手段による演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え
前記第2動作手段による遊技球の挙動の変化を遊技者が視認可能とされていることを特徴とする
本発明によれば、遊技への注目度を向上させることができる。
第1の実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a)は役物装置の構成を示す斜視図であり、(b)は役物装置に設けられた通路の構成を簡略に示す平面図である。 役物装置を分解して示す斜視図である。 役物装置を構成する回転体ユニットを分解して示す斜視図である。 回転体ユニットを示す平面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための概略図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための概略図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 当否テーブルを説明するための説明図である。 振分テーブルを説明するための説明図である。 主制御装置のMPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。 情報取得処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 開閉処理を示すフローチャートである。 (a)は高確率モードへの移行用処理を示すフローチャートであり、(b)は開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される第1役物制御用処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される第2役物制御用処理を示すフローチャートである。 第1振分部材及び第2振分部材の動作周期を説明するための説明図である。 演出制御装置及び表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 保留用記憶エリアを示すブロック図である。 演出制御装置のMPUにて実行される各種演出用処理を示すフローチャートである。 変動表示制御処理を示すフローチャートである。 変動開始用処理を示すフローチャートである。 変動表示時間テーブルを説明するための説明図である。 大当たり用の図柄決定処理を示すフローチャートである。 第1振分部材用処理を示すフローチャートである。 第2振分部材用処理を示すフローチャートである。 開閉実行モードにおける役物装置の開閉態様を説明するための説明図である。 変動表示時間が60secである場合の入賞可能タイミングを説明するための説明図である。 変動表示時間が30secである場合の入賞可能タイミングを説明するための説明図である。 第2の実施形態における、第1役物制御用処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態における、主制御装置のMPUにて実行される回転体制御用処理を示すフローチャートである。 第1振分部材用処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における、保留予告の概要を説明するための説明図である。 保留用の確認処理を示すフローチャートである。 保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。 保留制御用処理を示すフローチャートである。 保留情報把握処理を示すフローチャートである。 対応用シフト処理を示すフローチャートである。 保留予告用処理を示すフローチャートである。 図柄決定処理を示すフローチャートである。 第1振分部材用処理を示すフローチャートである。 第2振分部材用処理を示すフローチャートである。 図柄予告用処理を示すフローチャートである。 第5の実施形態における、振分テーブルを説明するための説明図である。 開閉処理を示すフローチャートである。 開閉実行モード用処理を示すフローチャートである。 図柄修正処理を示すフローチャートである。 第1振分部材用処理を示すフローチャートである。 第2振分部材用処理を示すフローチャートである。 第6の実施形態において、(a)はオープニング演出設定処理を示すフローチャートであり、(b)は開閉実行モード用処理の一部を示すフローチャートであり、(c)~(e)は開閉実行モード中の表示態様の一例を説明するための説明図である。 第7の実施形態における、変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。 大当たり用の変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。 (a)は第1振分部材用処理を示すフローチャートであり、(b)は第2振分部材用処理を示すフローチャートであり、(c)は各振分部材の動作タイミングと開閉実行モードの開閉タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 第7の実施形態の変形例における、オープニング期間の設定処理を示すフローチャートである。 第8の実施形態における、遊技盤の構成を示す正面図である。 (a)は可変入賞装置の側面側から見た縦断面図であり、(b)は可変入賞装置の背面側から見た縦断面図である。 開閉処理を示すフローチャートである。 第9の実施形態における、変動表示時間テーブルを説明するための説明図である。 保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。 保留制御用処理を示すフローチャートである。 保留情報把握処理を示すフローチャートである。 図柄予告用処理を示すフローチャートである。 昇格報知の概要を説明するための説明図である。 降格報知の概要を説明するための説明図である。 保留数の変化によりV入賞率が変化する様子を説明するためのタイミングチャートである。 保留数の変化によりV入賞率が変化する様子を説明するためのタイミングチャートである。 第10の実施形態における、開閉処理を示すフローチャートである。 上限入賞個数の入賞によりV入賞率が変化する様子を説明するためのタイミングチャートである。 上限入賞個数の入賞によりV入賞率が変化する様子を説明するためのタイミングチャートである。 第11の実施形態における、変動開始処理を示すフローチャートである。 (a)はV可能判定処理を示すフローチャートであり、(b)は高確率モードへの移行用処理を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。
図2に示すように、遊技機本体12のうち内枠13が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられた前扉枠14には、後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、裏パックユニット15に設けられた払出装置96より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
前扉枠14において下皿72の右方には、発射ハンドル60が設けられている。発射ハンドル60が操作されることにより、内枠13において遊技領域PEの下方に設けられた遊技球発射機構53から遊技領域PEに向けて遊技球が発射される。この場合、発射ハンドル60の回転操作量を変更することで、遊技領域PEに向けて発射される遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いが変更される。
遊技領域PEは、内枠13に搭載された遊技盤24に形成されている。以下、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24の表面には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51及び外レール部52によって区画されるようにして遊技領域PEが形成されている。また、これら内レール部51及び外レール部52により遊技領域PEへの遊技球の誘導レールが構成され、遊技者が発射ハンドル60を回転操作したことにより遊技球発射機構53から発射された遊技球は上記誘導レールによって遊技領域PEの上部に案内される。
誘導レールは、その出口部分が遊技領域PEの一方の側部において遊技領域PEの上部中央を向くようにして形成されている。そのため、遊技者による発射ハンドル60の回転操作量が大きくなるにしたがって、遊技領域PEの上部における遊技球の到達位置は、誘導レールの出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、誘導レールの出口部分は、遊技領域PEの左側の側部に設けられている。
遊技盤24において遊技領域PEとして区画される範囲には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,上作動口(第1入球部)33,下作動口(第2入球部)34,役物装置150、スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、上作動口33、下作動口34、スルーゲート35及び役物装置150への入球が発生すると、それぞれ対応させて設けられている検知センサ(一般入賞センサ31a、上入賞センサ33a、下入賞センサ34c、スルー入賞センサ35a、入口センサ179、図6、図9等参照)により検知される。そして、一般入賞口31、上作動口33、下作動口34及び役物装置150への入賞が発生すると、所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口33への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、下作動口34への入球が発生した場合には2個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、役物装置150への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数を多くしてもよいし、両作動口33,34の賞球個数が同じであってもよい。また、役物装置150に係る賞球個数を作動口33,34に係る賞球個数よりも少なくしてもよいし、両作動口33,34の賞球個数と同じであってもよい。但し、役物装置150へ入賞することの優位性を保つためには、役物装置150に係る賞球個数が作動口33,34に係る賞球個数よりも多いほうが好ましい。その他、一般入賞口31に係る賞球個数を役物装置150に係る賞球個数と同じ又はそれよりも多くしてもよい。後述するように、一般入賞口31は、遊技の中核をなす大当たり抽選を行わせる遊技や大当たり中の遊技とは関係のない入球部であるところ、一般入賞口31への入賞に基づく賞球はこの中核をなす遊技を行ううえでの補助的な役割をなすといえる。その点、一般入賞口31に係る賞球個数が多いほど(又は一般入賞口31への入賞が発生し易い構成であるほど)、大当たり抽選を行わせる遊技等を行ううえで持ち球の減りを少なくする又はトータル的に得られる賞球を多くすることが可能となる。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されずに当該遊技領域の流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、上作動口33、下作動口34、スルーゲート35又は役物装置150への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技球が流下可能な領域が複数に区画されている。
具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で、発射ハンドル60の回動操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で発射ハンドル60の回動操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で流下することとなる。つまり、遊技者は発射ハンドル60の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
なお、基準回動量というのは、左側領域PE2を遊技球が流下する割合と、右側領域PE3を遊技球が流下する割合とが同一となる回動量のことであり、第1範囲の回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する割合が高くなり、第2範囲の回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する割合が高くなる。したがって、第1範囲の回動操作量において基準回動量に近い回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する可能性があり、第2範囲の回動操作量において基準回動量に近い回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する可能性がある。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34はともに上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aの閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)となることで下作動口34への入賞が可能となる。
上作動口33及び下作動口34は、遊技盤24の下側領域PE4に設置されている。この場合、上作動口33は可変表示ユニット36に形成されたステージ36aの真下に配置されており、可変表示ユニット36に形成された誘導通路(図示略)を介してステージ36a上に流入した遊技球であってステージ36aの中央から可変表示ユニット36外に排出される遊技球は上作動口33や下作動口34に入賞し易くなっている。
ちなみに、ステージ36aへの遊技球の誘導を可能とする誘導通路の入口部は、可変表示ユニット36において上側領域PE1と左側領域PE2との境界部分に対応した位置(図4における第1保留発光部45の上方の位置)に形成されており、それ以外の場所には形成されていない。
上記のように上作動口33及び下作動口34が下側領域PE4に設けられていることにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合のいずれにおいても上作動口33及び下作動口34への入賞が可能である。但し、ステージ36aへの誘導通路の入口部が左側領域PE2に対して設けられており、右側領域PE3に対して設けられていないことにより、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて上作動口33及び下作動口34への入賞が発生し易い。また、左側領域PE2及び右側領域PE3における遊技部品や釘38の配列も、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて上作動口33及び下作動口34への入賞が発生し易いように設定されている。
なお、これに限定されることはなく、左側領域PE2を流下した遊技球のみが上作動口33及び下作動口34への入賞が可能となる構成としてもよい。
役物装置150には、左右一対の可動片からなるガイド片(サポート片)としての開閉役物168が設けられている。開閉役物168の閉鎖状態(閉状態、第1状態)では遊技球が役物装置150に入賞できず又は入賞しにくく、開閉役物168が開放状態(開状態、第2状態)となることで役物装置150への入賞が可能となる。役物装置150については、後に詳細に説明する。
開閉役物168は、通常は遊技球が閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。開閉役物168の開放態様としては、所定時間(例えば5sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として開閉役物168が繰り返し開放される態様がある。
役物装置150は、遊技盤24の右側領域PE3に設置されている。これにより、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合にのみ役物装置150への入賞が可能である。そして、上記上作動口33及び下作動口34は、役物装置150が配置されている位置よりも下流側に配置されている。換言すると、上作動口33及び下作動口34(特に下作動口34)は、役物装置150よりも上流側には配置されていない。そのため、役物装置150の開閉役物168が開放される開閉実行モードにおいて、上作動口33及び下作動口34へ入賞することによって役物装置150への入賞が邪魔されてしまう、といった事象の発生が回避されている。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。なお、装飾部材39の上面には、上述した複数の一般入賞口31の一部が上方に開放された状態で設置されている。
メイン表示部43には、大当たり当選となることで開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおけるラウンドの回数を明示するためのラウンド表示部RSと、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際してラウンド回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして役物装置150の開閉役物168の開放が行われることとなる開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留発光部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留発光部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留発光部45及び第2保留発光部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留発光部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留発光部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部45~47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
役物装置150は、いずれかの作動口33,34への遊技球の入球に基づく当否抽選によって大当たり当選となることで開閉役物168が開放される開閉実行モードに移行して、当該役物装置150への遊技球の入球が可能となる。役物装置150内に遊技球が入ると入口センサ179によってそれが検知されて、賞球が払い出される。また、役物装置150内に入球した遊技球が、役物装置150内に設けられたV入賞口に入ると、それが後述するV入賞センサ192により検出され、開閉実行モード後の当否抽選モードが遊技者にとって有利な高確率モードとそれよりも不利な低確率もーとのうち、高確率モードに設定される。当否抽選モードの詳細は後述するが、高確率モードに設定されることで大当たり当選となり易くなり、低確率モードに設定されることで大当たり当選となりにくくなる。つまり、高確率モードに設定されると開閉実行モードへ移行し易く、低確率モードに設定されると開閉実行モードへ移行しにくくなる。
ここで、役物装置150の構成について図5~図8を用いて詳細に説明する。図5(a)は役物装置150の斜視図であり、図5(b)は役物装置150に設けられた通路の構成を簡略に示す平面図であり、図6は役物装置150の分解斜視図であり、図7は役物装置150を構成する回転体ユニット180の分解斜視図であり、図8は回転体ユニット180の平面図である。
役物装置150は、大別して役物ユニット160と回転体ユニット180とから構成されている。役物ユニット160は、図6に示すように、ベース枠161を備えており、ベース枠161のフランジ162が遊技盤24にネジ止め固定されている。ベース枠161は、前後方向に延びる球受け板163により上下に区画されて、前後に貫通した上側開口164と下側開口165とが形成されている。
ベース枠161の前面における上側開口164の上方には、所定の厚みを有する天井部材167が取り付けられている。ベース枠161における上側開口164の左右両側には、天井部材167と同一の厚みを有する一対の開閉役物168が設けられている。ベース枠161の背面側には、通路形成部材171及び駆動部固定板172が設けられており、駆動部固定板172の背面に一対の開閉役物駆動部173(電磁式ソレノイド)が取り付けられている。開閉役物駆動部173には通路形成部材171及び駆動部固定板172を貫通して設けられたリンク176の一端が連結されており、当該リンク176の他端が開閉役物168の軸部に連結されている。従って、開閉役物168は開閉役物駆動部173の駆動により開放動作される。
当該開放動作について詳細に説明すると、各開閉役物168は開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないときには上方へ起立し、それぞれの先端部は天井部材167の左右両端に近接する。一方、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されると、各開閉役物168はそれぞれ外側へ開き、各開閉役物168の先端部と天井部材167の左右両端との間には遊技球1個分よりも大きな隙間ができる。かかる構成により、各開閉役物168が開き、役物装置150が開放状態となったときにのみ、役物装置150内への遊技球の入球が可能となる。なお、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないとき(開閉役物168が上方へ起立したとき)であっても、同開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されているとき(開閉役物168が外側へ開いているとき)よりも、役物装置150への入球が困難な態様であればよく、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないときに役物装置150へ入球可能な構成であってもよい。例えば、開閉役物駆動部173の駆動されているときは、開閉役物168の先端部と天井部材167の左右両端との隙間が遊技球約1個分であり、開閉役物駆動部173が駆動されると同隙間がそれよりも大きくなる構成などが考えられる。
また、開閉役物駆動部173は、通路形成部材171及び駆動部固定板172により遊技機前方から視認できない構成となっており、当該開閉役物駆動部173は背面側がカバー部材174によりカバーされている。
ベース枠161の前面における下側開口165の縁部には、前枠175が取り付けられている。前枠175の上部に形成された延出壁175aは、ベース枠161の球受け板163よりも上方に延出しており、かかる延出壁175aにより球受け板163上に到達した遊技球の前方への飛び出しが規制されている。
通路形成部材171には、前後方向に延び球受け板163に繋がる通路板177が形成されており、さらに通路板177の奥側には上下方向に延びる遊技球通路178が形成されている(図5(b)に示す)。そして、通路板177が遊技球通路178に向けて下方に傾斜し、さらに当該遊技球通路178に向けて幅が狭くなる構成であることにより、球受け板163上に到達した遊技球は遊技球通路178に誘導される。遊技球通路178に誘導された遊技球は当該遊技球通路178を流下する。遊技球通路178の入口側には入口センサ179が設けられており、役物装置150に入球した遊技球は必ず且つ即座に入口センサ179を通過する。これにより、役物装置150への遊技球の入球が検出される。なお、入口センサ179は、周知の近接センサにより構成されている。
役物ユニット160には、通路形成部材171の下方に位置するようにして回転体ユニット180が取り付けられている。回転体ユニット180は、図7に示すように、誘導通路形成部材181と排出通路形成部材191とを備えている。
誘導通路形成部材181には、その略中央に下方に凹んだ凹部182が形成されている。凹部182は、平面視で円形状をしている。そして、凹部182の上面開口部の外縁に沿うようにして円環状の誘導通路183が形成されている。誘導通路183は、左右対称となっており、奥側中央から手前側中央に向かうほど低位となるよう傾斜している。誘導通路183の手前側中央は、ベース枠161の下側開口165の下端部分に位置している。誘導通路183の奥側中央は、役物ユニット160の遊技球通路178の鉛直下方に位置している。誘導通路183の奥側中央を形成する通路壁183aは周りの通路壁183aに比べ背が高くなっており、奥側の誘導通路183の上方には水平方向に延びる通路カバー184が形成されている。但し、通路カバー184には入口用開口184aが形成されており、平面視で(図8参照)、誘導通路183の奥側部分は奥側中央のみが露出された構成となっている。この入口用開口184aが遊技球通路178の出口と重なっていることにより、遊技球通路178を流下した遊技球は確実に誘導通路183の奥側中央に到達する。
誘導通路183の奥側中央には、球振分け部185が形成されている。球振分け部185は、その中心から左右両方に向けて下方に傾斜する傾斜面を有する。従って、誘導通路183に到達した遊技球は、左右いずれかに振り分けられる。そして、誘導通路183の傾斜に沿って転がることで誘導通路183の手前側に誘導される。誘導通路183の手前側には、凹部182側へ傾斜した導出部186が形成されている。
凹部182には、その底面にV入賞口182aが形成されている。V入賞口182aは排出通路形成部材191に形成されたV入賞通路191aに通じており、V入賞口182aに入った遊技球はV入賞通路191aを通じて役物装置150の外部へ排出される。この場合に、V入賞通路191aにはV入賞センサ192が設けられており、V入賞通路191aを通過する遊技球はV入賞センサ192により検出される。
また、凹部182の側面には外れ口182bが形成されている。外れ口182bは排出通路形成部材191に形成された外れ用通路191bに通じており、外れ口182bに入った遊技球は外れ用通路191bを通じて役物装置150の外部へ排出される。この場合に、外れ用通路191bには外れ用センサ193が設けられており、外れ用通路191bを通過する遊技球は外れ用センサ193により検出される。なお、V入賞センサ192及び外れ用センサ193は、周知の近接センサにより構成されている。また、V入賞通路191a及び外れ用通路191bを通じて役物装置150の外部へ排出される遊技球は、図示しない排出通路を介してパチンコ機10の外部に排出される。
排出通路形成部材191には下側から回転体用駆動部194が取り付けられており、当該回転体用駆動部194の上下方向に延びる出力軸194aは、排出通路形成部材191及び誘導通路形成部材181を貫通している。そして、出力軸194aには回転体201が固定されている。なお、当該回転体用駆動部194をステッピングモータとしてもよい。
回転体201は、誘導通路形成部材181の凹部182よりも若干小さい径の略円盤状をしており、凹部182内に位置している。そして、回転体201は回転体用駆動部194の駆動に伴って反時計回りに回転する。回転体201の外周には内側に凹んだ10個の球案内部202が形成されており、これら球案内部202は等間隔で並んでいる。このうち、9個の球案内部202は有底の外れ口案内部203となっており、1個の球案内部202は無底のV入賞口案内部204となっている。外れ口案内部203の底面は、外側に向かうほど低位となるように傾斜している。各球案内部202は、1個の遊技球が入る程度の大きさをしており、誘導通路183の導出部186から導出される遊技球はいずれかの球案内部202に入る。この場合に、V入賞口案内部204に入った遊技球は回転体201の回転に伴ってV入賞口182aの上部に到達し、当該V入賞口182aからV入賞通路191a内に落下する。一方、外れ口案内部203に入った遊技球は回転体201の回転に伴って外れ口182bの横方に到達し、当該外れ口182bから外れ用通路191b内に入る。
また、本実施形態では、回転体201の回転位置を把握するために回転位置検出センサ196が設けられている。回転位置検出センサ196は所定の間隔を置いて対向する一対のアーム部196a,196bを有しており、一方のアーム部196aには発光素子が配設され、他方のアーム部196bにおける発光素子と対向する位置には受光素子が配設されている。回転位置検出センサ196はセンサ基板197上に設けられており、センサ基板197は、回転位置検出センサ196の両アーム部196a,196b間(発光素子と受光素子との間)に、回転体用駆動部194の出力軸194aに設けられたカットバン198が位置するように排出通路形成部材191に固定されている。
カットバン198は、略ドーナツ状をしており、出力軸194aの回転に伴って回転する。但し、非連続となるように切欠部198aが形成されている。従って、回転位置検出センサ196の発光素子からの光は基本的にカットバン198に遮られ、出力軸194aの回転に伴って切欠部198aが両アーム部196a,196b間を通過するときのみ発光素子からの光が受光素子に到達する。そして、回転体201の外周におけるV入賞口案内部204の位置に対応させて切欠部198aが形成されていることにより、受光素子が発光素子からの光を検知したか否かを監視することで、回転体201の回転位置を把握することができる。ちなみに、V入賞口案内部204が導出部186の手前側を通過する際に、切欠部198aが両アーム部196a,196b間を通過する。
さらに、本実施形態では、誘導通路183における左右一方、より具体的には外れ口182bが形成されている側である左側の誘導通路183には、第1振分部材300が設けられている。第1振分部材300は、誘導通路183における外れ口182bの上方において、当該誘導通路183の床部の一部を構成する底部として配設されている。第1振分部材300は、外れ口182bよりも奥側に配置されている。そして、第1振分部材300は、第1振分駆動部300a(電磁式ソレノイド)に接続されており、第1振分駆動部300aが駆動制御されることで、上記誘導通路183の床部の一部を構成する非振分状態と、当該第1振分部材300の後端を回転軸として下方に回転して外れ口182b側へ向けて下り傾斜となる振分状態と、に変位する。
上記構成により、第1振分駆動部300aが駆動されておらず(励磁状態となっておらず)、第1振分部材300が非振分状態である場合には、誘導通路183において左側に振り分けられた遊技球は、第1振分部材300を床部として当該第1振分部材300上を通過し、回転体201におけるいずれかの球案内部202に到達する。一方で、第1振分駆動部300aが駆動され(励磁状態となり)、第1振分部材300が振分状態となることで、第1振分部材300は下方の外れ口182b側に傾斜し、この第1振分部材300上を通過する遊技球は回転体201に到達することなく、そのまま外れ口182b(外れ用通路191b)へ誘導される。したがって、第1振分部材300の状態によってV入賞確率(V入賞センサ192により検知される確率)が変化する。
さらに、本実施形態では、遊技球通路178を通過した遊技球をV入賞通路191aへ直接誘導するワープ通路250が設けられている。ワープ通路250は1個の遊技球が通過可能な通過領域251を有しており、当該通過領域251は後下方に向けて湾曲させて形成されている。より具体的には、誘導通路183における球振分け部185の後方の通路壁183aには、後方に向けて開口させた開口部(図示略)が形成されており、当該開口部に通過領域251の入口部252が連通されている。また、排出通路形成部材191の上側には、V入賞通路191aに向けて遊技球が1個通過可能なV誘導通路260が形成されており、当該V誘導通路260の後端部261に上記ワープ通路250における通過領域251の出口部253が連通されている。V誘導通路260はV入賞通路191aに向けて下り傾斜となるように形成されており、V誘導通路260の前端262がV入賞通路191aに連通されている。
上記構成により、誘導通路183に到達した遊技球がワープ通路250側へ誘導されると、当該ワープ通路250内の通過領域251を通過してV誘導通路260へ導出される。そして、当該遊技球は、V誘導通路260を通過し、V入賞通路191aへ入球し、V入賞センサ192により検知される(V入賞する)。
ここで、ワープ通路250の入口部252の上流(前方)には、当該ワープ通路250への遊技球の流入を規制する(ワープ通路250へ振り分けるか、誘導通路183において左右に振り分けるかの振り分けを行う)ことが可能な第2振分部材310が設けられている。第2振分部材310は、第2振分駆動部310a(電磁式ソレノイド)に接続されており、当該第2振分駆動部310aが駆動制御されることで、ワープ通路250の入口部252の前方に配置される非振分状態と、それよりも上方に配置されて入口部252の前方に配置されない振分状態と、に変位する。すなわち、第2振分駆動部310aが駆動されておらず(励磁状態とならず)、非振分状態の場合には、遊技球はワープ通路250へ流入することができず、誘導通路183において左右に振り分けられる。一方、第2振分駆動部310aが駆動されて(励磁状態となり)、振分状態となると、遊技球はワープ通路250(後方)へ流入することが可能となり、この場合、回転体201による振分を経ずに直接V入賞通路191aへ導出される。つまり、第2振分部材310の状態によってV入賞確率(V入賞センサ192により検知される確率)が変化する。
なお、誘導通路183の奥側中央の球振分け部185は、遊技球を左右に振り分けるだけでなく、後方にも振り分けることが可能なように、後方への下り傾斜面を有している。但し、第2振分部材310が非振分状態である場合には、上記の下り傾斜面上に第2振分部材310が配置されるようになっており、非振分状態であるのにもかかわらず、上記の下り傾斜面側へ遊技球が振り分けられようとして当該遊技球がそこに留まってしまう事象の発生が抑制されている。
なお、本実施形態では、役物装置150に入賞した遊技球が、第2振分部材310による振分対象となる位置(球振分け部185)に到達するまでの期間は、約0.3secとなるように通路長が設定されている。また、役物装置150に入賞した遊技球が、第1振分部材300による振分対象となる位置(第1振分部材300上)に到達するまでの期間は、約0.5secとなるように通路長が設定されている。
以上説明した役物装置150に入った遊技球は、球受け板163上を転がることにより遊技球通路178内に入る。この場合に、当該遊技球は入口センサ179により検出される。遊技球通路178を流下した遊技球は、誘導通路183の奥側中央に形成された球振分け部185上に到達する。そして、当該球振分け部185に配置された第2振分部材310が非振分状態であることを条件に、左右いずれかの誘導通路183に振り分けられる。そして、その振り分けられた側の誘導通路183を転がることで導出部186に誘導される。導出部186に誘導された遊技球は当該導出部186の傾斜に沿って転がることで凹部182内に導出される。但し、球振分け部185において左側に振り分けられた場合には、第1振分部材300が非振分状態であることが、凹部182側へ導出される条件となる。つまり、左側の誘導通路183に誘導された遊技球は、凹部182側へ導出される場合もあれば、そのまま外れ口182bへ導出される場合もある。
凹部182内では回転体201が常に一定の速度で回転しており、凹部182内に導出されて外れ口案内部203に入った遊技球は外れ口182bに案内される。この場合に、当該遊技球は外れ用センサ193により検出される。一方、凹部182内に導出されてV入賞口案内部204に入った遊技球はV入賞口182aに案内される。この場合に、当該遊技球はV入賞センサ192により検出される。そして、V入賞センサ192により検出されることで、当否抽選モードの移行が行われる。
上記の球振分け部185に遊技球が到達した際に、第2振分部材310が振分状態である場合には、左右いずれかの誘導通路183だけでなく、ワープ通路250側へも遊技球は振り分けられる。そして、ワープ通路250側に振り分けられることによって、第1振分部材300や回転体201による振分を経ずに、直接、V入賞センサ192により検知されて、当否抽選モードの移行が行われる。
なお、10個の球案内部202のうち、V入賞口案内部204が1個であることにより、役物装置150の凹部182内に入った遊技球は1/10の確率でV入賞口182aに入ることとなる。また、V入賞センサ192及び外れ用センサ193により遊技球が検出されることで、上皿71に対し所定数の賞品球が払い出される。さらに、回転体ユニット180上における遊技球の動きは、前枠175の開口及びベース枠161の下側開口165を介して遊技機前方から視認可能となっている。
但し、球案内部202の数やV入賞口案内部204の数等は上記のものに限定されず、例えば、6つの球案内部202に対してV入賞口案内部204を1つとして、1/6の確率でV入賞する構成としてもよいし、その他の確率でV入賞する構成としてもよい。
上記の役物装置150における各センサ179、192,193、196等や、各駆動部173、300a、310a、194等の動力線や信号線は、誘導通路形成部材181に取り付けられた中継端子板199に接続されている。そして、これらの信号線はハーネスとして1束にされて後述する主制御装置に接続されており、主制御装置によって入球の検知、駆動部の駆動制御が行われる。但し、これらの一部又は全部をサブ側の制御装置である後述する演出制御装置側にて行う構成としてもよい。
ここで、既に説明したとおり、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく当否抽選にて大当たり当選となることで、役物装置150への入賞が許容される開閉実行モードに移行する。そして、役物装置150への入賞が発生することで、1回の入賞(1個の遊技球の入賞)に対して15個の賞球が払い出される。つまり、開閉実行モードへ移行すること自体で、遊技者は多くの特典を得ることが可能といえる。
これに対して、開閉実行モード中に役物装置150へ入賞した遊技球が、V入賞口182aへ入賞すると、開閉実行モード後の当否抽選モードは高確率モードに移行する。一方、開閉実行モード中に役物装置150へ入賞した遊技球が、V入賞口182aへ入賞しないと、つまり、いずれの遊技球も外れ口182bへ入賞すると、開閉実行モード後の当否抽選モードは低確率モードに移行する。高確率モードでは開閉実行モードに移行し易く、低確率モードでは開閉実行モードに移行しにくくなっている。そのため、開閉実行モード中に、単に役物装置150へ入賞させるだけでなく、如何にV入賞口182aへ入賞させるか、が遊技の肝となっている。
ここで、開閉実行モードへの移行は、メイン表示部43における変動表示や、図柄表示装置41による演出(遊技回の演出)によって報知される。その一方で、高確率モードへの移行は、V入賞口182aへの入賞の発生によって報知される。そのため、開閉実行モードへの移行の報知と、高確率モードへの移行の報知とのタイミングに差がある。より詳しくは、高確率モードへの移行の報知は、遊技回の演出よりも後に発生する。
なお、本実施形態においては、少なくとも開閉実行モード中は回転体201は回転せず、V入賞口案内部204が導出部186に対応する位置となるように停止している。そのため、導出部186まで到達した遊技球は必ずV入賞口182aへ入賞する。
また、本実施形態では、球振分け部185において、左右の誘導通路183のうち右側の誘導通路183に遊技球が誘導されないように規制部が設けられている(図示略)。つまり、役物装置150に入球した遊技球が球振分け部185に到達すると、当該遊技球は、第2振分部材310が非振分状態であることを条件に、第1振分部材300が設けられていない側の誘導通路183ではなく第1振分部材300が設けられた側の誘導通路183に誘導される。そして、第1振分部材300が非振分状態である場合には、導出部186へ導出されてV入賞口182aへ入賞する。一方、第1振分部材300が振分状態である場合には、外れ口182bへ入賞する。
そして、本実施形態では、開閉実行モードに移行することで開閉役物168の開閉が行われる構成としている一方で、第1振分部材300や第2振分部材310は、開閉実行モードとは関係なく、電源投入時から予め定められた動作周期で振分状態と非振分状態との切り換えが行われるようになっている。この構成については、後に詳細に説明する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル60の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御基板111には、MPU112が搭載されている。MPU112には、当該MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM113と、そのROM113内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM114と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU112に対してROM113及びRAM114が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU112には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU112の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板115及び払出制御装置97が接続されている。この場合に、停電監視基板115には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU112には停電監視基板115を介して電力が供給される。
また、MPU112の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、一般入賞口31、上作動口33、下作動口34、スルーゲート35、役物装置150への入賞を検知する一般入賞センサ31a、上入賞センサ33a、下入賞センサ34c、スルー入賞センサ35a、入口センサ179等が設けられている。また、各種センサとして、役物装置150におけるV入賞センサ192、外れ用センサ193、回転位置検出センサ196等が含まれている。MPU112では、これら各種センサ31a,33a,34c,35a,179,192,193,196の検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)を行ったり、回転体201の位置把握を行ったりする。また、MPU112では、上作動口33、下作動口34、スルーゲート35への入賞に基づいて、各種抽選を実行する。
MPU112の出力側には、停電監視基板115、払出制御装置97及び演出制御装置82等が接続されている。払出制御装置97には、例えば、賞球が払い出されることに対応する賞球対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、演出用の各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。ちなみに、演出制御装置82は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置81と電気的に接続されている。
また、MPU112の出力側には各種駆動部として、電動役物駆動部34b、開閉役物駆動部173、第1振分駆動部300a、第2振分駆動部310a、回転体用駆動部194等が接続されている。主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU112は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、開閉実行モードへの移行が発生すると、役物装置150の開閉役物駆動部173が駆動制御されて、開閉役物168の開閉動作が実行される。また、これらの場合、両振分駆動部300a,310aの駆動制御が行われたり、回転体用駆動部194の駆動制御が行われる。なお、既に説明したとおり、本実施形態では開閉実行モード中においては回転体201は停止したままである。
また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU112において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU112においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。そして、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU112において役物用表示部44の表示制御が実行される。
さらには、MPU112の出力側に外部出力端子99が接続されており、この外部出力端子99を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板115は、主制御基板111と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板111や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置98にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置81のRAM114に記憶保持用の電力が供給される。
また、電源及び発射制御装置98は遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。この場合、遊技球発射機構53は、遊技盤24の誘導レールに向けて延びる発射レールと、上皿71に貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドと、を備えており、当該ソレノイドに対して電源及び発射制御装置98から駆動信号が供給されることで遊技球が発射される。
演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45~47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、演出制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンド等に基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組合せの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図10及び図11に基づいて説明する。図10図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図11は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図10(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図11(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、大当たり結果の発生を報知する図柄の組合せの種類によって、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードの設定され易さを示唆する構成としている。そして、奇数番号(1,3,5,7,9)のうち3又は7が付された主図柄は「第1特定図柄」に相当し、3又は7以外の奇数番号が付された主図柄は「第2特定図柄」に相当する。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当する。そして、開閉実行モードへ移行する状況における、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードに設定され易い順で、「第1特定図柄」、「第2特定図柄」、「非特定図柄」の組合せが停止表示される。つまり、第1特定図柄の組合せが停止表示される場合が最も高確率モードに設定され易く、非特定図柄の組合せが停止表示される場合が最も低確率モードに設定され易い。図柄を選択するための構成については、後に詳細に説明する。
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1~Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1~第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
<主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的な構成について図8を用いて説明する。
MPU112は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の演出内容の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図12に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1,C2,C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM114の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ114aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ114aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア114bに格納される。
保留球格納エリア114bは、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリア~第4エリアには、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア114bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア113aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。
ここで、当否テーブルの内容について図13を用いて説明する。図13に示すように、当否テーブルとしては、図13(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図13(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図13(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は3個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図13(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は20個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
なお、外れ結果として、当否抽選モードやサポートモードの移行契機とはならないが、開閉実行モードへの移行契機となる特別外れ結果が設けられている構成としてもよい。この場合、本パチンコ機10では、上記のように開閉実行モード中のV入賞によって当否抽選モードの移行が行われる構成であるため、特別外れ結果では、V入賞が発生しても当否抽選モードの移行を行わない構成としたり、役物装置150とは異なる入賞装置にて開閉実行モードを行う構成としたりするとよい。
大当たり種別カウンタC2は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり結果の種別を設定する乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての各種テーブル記憶エリア113dに種別テーブル(遊技種別情報群)として記憶されている。
ここで、種別テーブルの内容について図14を用いて説明する。
図14に示すように、種別テーブルには、大当たり結果の種別として、4R(ラウンド)大当たり結果と、8R大当たり結果と、12R大当たり結果と、16R大当たり結果と、が設定されている。4R大当たり結果とは4回のラウンド遊技が実行される開閉実行モードに移行する大当たり結果であり、8R大当たり結果とは8回のラウンド遊技が実行される開閉実行モードへ移行する大当たり結果であり、12R大当たり結果とは12回のラウンド遊技が実行される開閉実行モードへ移行する大当たり結果であり、16R大当たり結果とは16回のラウンド遊技が実行される大当たり結果である。
ここで、ラウンド遊技とは、(1)予め定められた開放時間(開放期間)の開閉役物168の開放が行われたこと、(2)役物装置150への遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達すること、のいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。
本実施形態においては、1回のラウンド遊技において開閉役物168の開放時間は5secに設定されており、1回のラウンド遊技の上限入賞個数は10個に設定されている。
ここで、各ラウンドの開放時間について説明する。本パチンコ機10では、発射ハンドル60が操作されている場合に、0.6sec周期の発射周期で遊技球が遊技球発射機構53より発射される。この場合、各ラウンドの開放時間は、発射周期と各ラウンドの上限入賞個数との積よりも短い期間となるように設定されている。つまり、発射周期(0.6sec)と上限入賞個数(10)との積である6secよりも開放時間(5sec)が短くなるように設定されている。そのため、本実施形態では、基本的には、上限入賞個数の遊技球の入賞が発生するよりも前に開放時間が経過してラウンドが終了する。つまり、各ラウンドは開放時間の経過前に終了するのではなく、開放時間が経過することで終了するように設定されている。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組み合わせが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置41の表示画面において図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1~Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1~Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1~Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組み合わせが停止表示される遊技回、すなわち大当たり結果である遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、外れ結果に対応した遊技回では、ROM113のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置81において行うのではなく、演出制御装置82において行われる。この場合、演出制御装置82では、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置41にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU112において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU112にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU112では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU112により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種検知センサ31a,33a,34c,35a,179,192,193,196の状態を読み込み、これら各種検知センサ31a,33a,34c,35a,179,192,193,196の状態を判定して検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した各種検知センサ31a,33a,34c,179において遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置97に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。例えば、入口センサ179によって役物装置150への入賞が検知されている場合には、対応する賞球個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを設定する。続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート35への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア114cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア114cに格納する。また、演出制御装置82に対して、役物保留記憶数と対応する第3保留発光部47を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。作動口用の入賞処理では、作動口33,34のいずれかに遊技球が入賞したか否かを判定し、入賞していると判定する場合にはその時点における大当たり乱数カウンタC1等の数値情報を取得し、当該数値情報を抽選カウンタ用バッファ114aに記憶させる。
具体的に、作動口用の入賞処理について、図16及び図17のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、上作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が上作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を2個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、下作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206にて、上作動口33及び下作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202やステップS207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図17のフローチャートにより詳細に説明する。
情報取得処理においては先ずステップS301にて、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(第1始動保留記憶数RaNと第2始動保留記憶数RbNとを合計した値。以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3や、後述する通常処理にて更新する変動種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、上作動口用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、上作動口用の保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした上作動口用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、下作動口用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、下作動口用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした下作動口用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
ステップS304の処理を実行した後は、保留情報が増加したことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に伝えるための保留用の確認処理(ステップS305)及び保留コマンドの設定処理(ステップS306)を実行してから、情報取得処理を終了する。保留用の確認処理は、今回取得した保留情報に係る遊技回が開始される場合の当否判定の結果や当該遊技回の変動表示時間の情報の把握を、遊技回の開始よりも先のタイミング、すなわち保留情報の取得時に行う処理である。そして、その当否判定の結果や変動表示時間に関する情報を含む保留コマンドを、演出制御装置82へ出力設定する。保留コマンドは、後述する通常処理において演出制御装置82へ出力される。演出制御装置82では、取得した保留コマンドに基づいて、保留情報が増加したことに対応させて保留発光部45,46や保留表示領域Ga,Gbの表示が変更されるよう制御する。また、今回取得した保留情報の当否判定の結果や変動表示時間に関する演出を、当該保留情報に係る遊技回において当否判定の結果が報知されるよりも先のタイミングで実行する保留予告が行われるように、各種機器を制御する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図18のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401~S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS409,S410のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部信号出力処理を実行する。ステップS401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、メイン表示部43における変動表示の設定等を行う。
ステップS403の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS404に進み、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード等に移行する。なお、ステップS403の遊技回制御処理及びステップS404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS405では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM114の電役保留エリア114cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物34aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS407では、RAM114に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板115において停電の発生が確認され当該停電監視基板115からMPU112のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS408にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS409では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM114の該当するエリアに格納する。また、ステップS410では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401~S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS407にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS411以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS411では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS412にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS413にてRAM114のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS403の遊技回制御処理を図19~図22のフローチャートを参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに開閉実行モードフラグが格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503~ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506~ステップS509の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM2114の各種フラグ格納エリア235に変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS503~ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS602~ステップS607の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS608~ステップS613の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについての変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS602にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS603では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS604では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS605にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS606では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第2結果表示部フラグが記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS607では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM113のコマンド情報記憶エリア113eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS607にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図18)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフトコマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留発光部45における表示や、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS608にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS609では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS610では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS611にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS612では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第2結果表示部フラグが記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS613では、シフトコマンドを設定する。この場合、ROM113のコマンド情報記憶エリア113eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS613にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図18)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフトコマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留発光部46における表示や、図柄表示装置41の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、後述する高確率モードへの移行処理においてV入賞の発生が確認されたことに基づいて格納され、その後にいずれかの大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS702にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図13(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS703にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図13(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS702又はステップS703の処理の後は、ステップS704~ステップS710にて、今回の遊技回の遊技結果を設定するための処理を実行するとともに、今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれかで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。この場合に、停止結果を設定する場合には、ROM113における各種テーブル記憶エリア113dに記憶されている各種停止結果テーブルが参照される。
具体的には、先ずステップS704にて、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。なお、これらステップS701~ステップS704の処理が、本パチンコ機10における当否抽選処理に相当する。大当たり当選である場合には、ステップS705~ステップS709において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS705では、RAM114に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS706にて第1結果表示部用の振分テーブル(図14(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、4R大当たり結果の数値範囲、8R大当たり結果の数値範囲、12R大当たり結果の数値範囲、16R大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS707にて第2結果表示部用の振分テーブル(図14(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、12R大当たり結果の数値範囲、16R大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS706又はステップS707の処理の後は、ステップS708にて、いずれかの大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSに大当たり結果に対応する停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるための大当たり用の停止結果設定処理を実行する。またステップS709では、今回の遊技回の当否判定結果及び種別判定結果をMPU112にて特定するための情報を、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納する。具体的には、ステップS709では、4Rフラグ、8Rフラグ、12Rフラグ、16Rフラグのいずれかを格納する。その後、ステップS711に進む。
一方、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS704にて否定判定をし、ステップS710に進む。ステップS710では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSに外れ結果に対応する停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。その後、ステップS711に進む。
ステップS709又はステップS711の処理を実行した後は、ステップS711にて、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
変動表示時間の設定処理では、図22のフローチャートに示すように、先ずステップS801にて、今回の遊技結果がいずれかの大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに2Rフラグ、4Rフラグ、8Rフラグ、12Rフラグ及び16Rフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。
ステップS801にて否定判定をした場合、すなわち今回の遊技結果が外れ結果である場合には、ステップS802に進む。ステップS802では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS802にて肯定判定をする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS801及びステップS802の何れか一方にて肯定判定をした場合にはステップS803に進み、ROM113の変動表示時間テーブル記憶エリア113cに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、続くステップS804にてその変動表示時間情報をRAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施形態においては、当否抽選の結果が開閉実行モードへ移行する結果である場合又は当否抽選の結果が外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行する構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチとスーパーリーチとが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ及びスーパーリーチそれぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。リーチ発生用変動表示時間テーブルについては、後に詳細に説明する。
一方、ステップS802にて否定判定をした場合には、ステップS805にて変動表示時間テーブル記憶エリア113cに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS806にてその変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留記憶数RaN,RbNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。リーチ非発生用変動表示時間テーブルについては、後に詳細に説明する。
なお、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、大当たり結果の種類に応じてそれぞれ個別の変動表示時間テーブルが設定されている構成としてもよい。
変動開始処理(図21)の説明に戻り、ステップS711の後は、ステップS712にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、4R大当たり結果の情報、8R大当たり結果の情報、12R大当たり結果の情報、16R大当たり結果の情報、外れ結果の情報等が含まれる。
ステップS712にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。この処理については、後に詳細に説明する。
その後、ステップS713にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM114に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図19)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS506~ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM114の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図22)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図15)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該結果表示部を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)し、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS709やステップS710の処理にてRAM114に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄がメイン表示部43にて停止表示されるように当該メイン表示部43を制御する。
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組合せを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、通常処理(図18)における、ステップS404の遊技状態移行処理について、図23~図25のフローチャート等を参照しながら説明する。
先ず、ステップS901では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS902に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS903にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM114に、4Rフラグ、8Rフラグ、12Rフラグ及び16Rフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS904にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、回転体201を初期位置(V入賞口案内部204が導出部186に対応する位置)に配置されるように駆動制御する。また、開閉実行モードの開始前において開閉役物168が閉鎖状態であることをチェックしたり、第1振分部材300、第2振分部材310の現状の状態を把握したりする。続くステップS905では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたラウンドカウンタRCに、今回の開閉実行モードのラウンド数を入力する処理を行う。具体的には、RAM114に4Rフラグが格納されていればラウンドカウンタRCに「4」を入力し、8Rフラグが格納されていればラウンドカウンタRCに「8」を入力し、12Rフラグが格納されていればラウンドカウンタRCに「12」を入力し、16Rフラグが格納されていればラウンドカウンタRCに「16」を入力する。また、ステップS905では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM114の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM113に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
そして、ステップS906にて、開閉実行モードの開始に際して役物装置150の開閉役物168の開放を開始することなく待機するためのオープニング期間の設定処理を実行する。オープニング期間の設定処理では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたタイマカウンタTCに、ROM113予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。本実施形態では、開閉実行モードの種類によらずオープニング時間(オープニング期間)は同じであり、ステップS906では、オープニング時間としてタイマカウンタTCに「1250」(5sec)を入力する。タイマカウンタTCの値は、タイマ割込み処理(図15)が実行される度に1ディクリメントされる。
なお、大当たり結果の種類によってオープニング時間を相違させてもよい。この場合、例えば、開閉実行モードにて行われるラウンド数が多いほどオープニング時間を長くする/短くするといったように、開閉実行モードのラウンド数とオープニング時間の長さを関連付けてもよい。また、開閉実行モードへ移行した際の遊技状態(当否抽選モードやサポートモードの高低)によって、オープニング時間の長さが設定される構成としてもよい。具体的には、高確率モード時に移行した開閉実行モードの方が、低確率モード時に移行した開閉実行モードよりもオープニング時間が短くなるようにしてもよいし、その逆であってもよい。また、高頻度サポートモード時に移行した開閉実行モードの方が、低頻度サポートモード時に移行した開閉実行モードよりもオープニング時間が短くなるようにしてもよいし、その逆であってもよい。開閉実行モードが連荘し易い状況(高確率モードや高頻度サポートモード)でのオープニング時間を短くすることで、開閉実行モードに移行したのにもかかわらず開閉役物168の開放が開始されない、といった中だるみ感を軽減することが可能となる。
ステップS906にてオープニング期間の設定処理を実行した後は、ステップS908にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図18)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
続くステップS908では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
なお、大当たり結果(開閉実行モードの種類)によって、出力状態とする外部出力端子99の出力端子を異ならせる構成としてもよい。具体的には、RAM114に16Rフラグが格納されている場合には、第1の大当たり用の出力端子の状態を出力状態とする。また、16Rフラグ以外の大当たり結果を示すフラグが格納されている場合には、第2の大当たり用の出力端子の状態を出力状態とする、といった構成としてもよい。このようにすれば、遊技ホールの管理制御装置にて大当たりの発生と、大当たり結果の種類とを把握することができる。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS901にて肯定判定をし、ステップS909に進む。ステップS909では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS910にて開閉処理を実行する。ここで、開閉処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1001にて開閉役物168が開放状態であるか否かを判定する。具体的には、開閉役物駆動部173の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。開閉役物168が開放状態ではない場合には、ステップS1002にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS1003にてタイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合又はタイマカウンタTCの値が「0」でない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でなく且つタイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS1004に進み、開閉役物168を開放状態とすべく開閉役物駆動部173を駆動状態とする。
続くステップS1005では、各ラウンドの開放期間の設定処理を行う。各ラウンドの開放期間の設定処理では、タイマカウンタTCに開放時間(開放期間)に相当する「1250」(5sec)を入力する処理を行う。
続くステップS1006では、各ラウンドの上限入賞個数の設定処理を行う。各ラウンドの上限入賞個数の設定処理では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた入賞カウンタPCに上限入賞個数に相当する「10」を入力する処理を行う。
そして、ステップS1007にて、開放コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、各ラウンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS1001にて開閉役物168が開放状態である場合にはステップS1008に進み、タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTCの値が「0」でない場合、ステップS1009にて役物装置150に遊技球が入賞したか否かを、入口センサ179の検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS1010にて入賞カウンタPCの値を1ディクリメントした後にステップS1011にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本開閉処理を終了する。
ステップS1008にてタイマカウンタTCの値が「0」であり開放時間が経過した場合、又はステップS1011にて入賞カウンタPCの値が「0」であり上限入賞個数の入賞が発生した場合には、ラウンドの終了条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS1012にて役物装置150を閉鎖すべく開閉役物駆動部173を非駆動状態とする。
続くステップS1013ではラウンドカウンタRCの値を1ディクリメントし、ステップS1014にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合にはステップS1015にてラウンドとラウンドとの間、すなわち開閉役物168を開放状態から閉鎖状態としてから、再び開放状態とするまでの待機時間としてのインターバルの設定処理を実行する。インターバルの設定処理では、タイマカウンタTCにインターバルに相当する「375」(1.5sec)を入力する処理を行う。
そして、ステップS1016にて閉鎖コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。閉鎖コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、ラウンド遊技のインターバルに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、ラウンド遊技のインターバルに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
ステップS1014にて、ラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1017にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、タイマカウンタTCに、ROM113に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。本実施形態では、エンディング用待機時間は5secとなるように設定されており、ステップS1017では、タイマカウンタTCに「1250」を入力する処理を行う。
その後、ステップS1018にて、エンディングコマンドを設定した後に、本開閉処理を終了する。エンディングコマンドは、通常処理(図18)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードの終了に対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
遊技状態移行処理(図23)の説明に戻り、ステップS910にて開閉処理を実行した後は、ステップS911にて高確率モードへの移行用処理を実行する。
高確率モードへの移行用処理では、図25(a)のフローチャートに示すように、ステップS1101にてV入賞口182aへの入賞が発生したか否かをV入賞センサ192の検知状態により判定する。V入賞口182aへの入賞が発生していない場合には、そのまま本移行用処理を終了する。V入賞口182aへの入賞が発生している場合には、ステップS1102にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに高確率モード移行用フラグを格納する処理を実行してから、本移行用処理を終了する。高確率モード移行用フラグは、開閉実行モード中にV入賞口182aへの入賞が少なくとも1回発生したことをMPU112が特定するためのフラグである。
ステップS911にて高確率モードへの移行用処理を実行した後は、ステップS912にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS913にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS914にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図25(b)のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1201にて、遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、RAM114に開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであることをMPU112が特定するためのフラグであり、高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであることをMPU112が特定するためのフラグである。そして、ステップS1202にて、RAM114に上記の高確率モード移行用フラグが格納されているか否かを判定する。高確率モード移行用フラグが格納されている場合には、ステップS1203にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに高確率モードフラグを格納する。これにより、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードに設定される。ステップS1202にて否定判定した場合、又はステップS1203の処理を実行した後は、ステップS1204に進む。ステップS1204では高頻度サポートモードフラグを格納する処理を実行する。これにより、開閉実行モード後のサポートモードが高頻度サポートモードに設定される。そして、ステップS1205にてRAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた遊技回数カウンタGCに「100」を入力する処理を実行してから、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。遊技回数カウンタGCは、高頻度サポートモードの継続回数をMPU112が特定するためのカウンタであり、一遊技回の開始に際して(例えば、変動開始処理が実行されるたびに)1ずつディクリメントされるカウンタである。そして、遊技回数カウンタGCが「0」となった場合には、高頻度サポートモードフラグが消去される。これにより、開閉実行モード終了後100回の遊技回が消化されることで高頻度サポートモードが終了して低頻度サポートモードに移行する構成となる。
このように、開閉実行モード後の遊技状態は、開閉実行モードの種類によらず一律で回数制限ありの高頻度サポートモードに設定されるとともに、開閉実行モード中にV入賞が発生したことを条件として高確率モードに設定される。
ここで、本実施形態では、V入賞の発生の有無を左右する第1振分部材300や第2振分部材310の振分状態と非振分状態との切り換えが、開閉実行モードの移行や終了とは関係なく、電源投入後から予め定められた動作周期で行われるようになっている。つまり、V入賞が発生するか否かは、開閉実行モード中に役物装置150への入賞が発生することだけでなく、入賞の発生タイミング、すなわち、開閉実行モードにおいて開閉役物168が開放状態となるタイミングと、第1振分部材300や第2振分部材310がV入賞側の状態に切り換えられるタイミングとの関係によって定まるものといえる。
なお、本実施形態においては、開閉実行モード中は回転体201の回転制御が行われないことは、上述のとおりである。
<各役物の制御用処理>
本実施形態における第1振分部材300及び第2振分部材310の周期的な動作を制御するための処理について説明する。図26は、第1振分部材300の動作を制御するための第1役物制御用処理を示すフローチャートであり、図27は、第2振分部材310の動作を制御するための第2役物制御用処理を示すフローチャートである。第1役物制御用処理及び第2役物制御用処理は、いずれも主制御装置81のMPU112にて4msec周期で起動される処理である。
先ず、第1役物制御用処理について説明すると、ステップS1301では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第1役物用カウンタYK1を1インクリメントする処理を実行する。第1役物用カウンタYK1は、第1振分部材300の動作タイミングをMPU112が特定するためのカウンタであり、第1振分部材300の動作周期を管理するためのカウンタである。第1役物用カウンタYK1は、1~20000の間で4msec周期で1ずつ更新可能なループカウンタとなっており、20000となることで1にリセットされる。つまり、第1役物用カウンタYK1は80secで1周するカウンタであり、第1振分部材300の動作周期は80secを1周とする動作周期に設定されている。
ステップS1302では、上記の第1役物用カウンタYK1が「4950」であるか否かを判定する。すなわち、第1振分部材300の動作周期において19.8sec目であるか否かを判定する。ステップS1302にて肯定判定した場合は、ステップS1303にて第1振分部材300の第1振分駆動部300aを非駆動状態として、第1振分部材300を非振分状態(閉状態)とする。
ステップS1302にて否定判定した場合、又はステップS1303の処理を実行した後は、ステップS1304にて、第1役物用カウンタYK1が「5000」(20.0sec目)であるか否かを判定する。ステップS1304にて肯定判定した場合は、ステップS1305にて第1振分駆動部300aを駆動状態として、第1振分部材300を振分状態(開状態)とする。
ステップS1304にて否定判定した場合、又はステップS1305の処理を実行した後は、ステップS1306にて、第1役物用カウンタYK1が「9950」(39.8sec目)であるか否かを判定する。ステップS1306にて肯定判定した場合は、ステップS1307にて、第1振分部材300を非振分状態(閉状態)とする。ステップS1306にて否定判定した場合、又はステップS1307の処理を実行した後は、ステップS1308にて、第1役物用カウンタYK1が「10000」(40.0sec目)であるか否かを判定する。ステップS1308にて肯定判定した場合は、ステップS1309にて、第1振分部材300を振分状態(開状態)とする。
ステップS1308にて否定判定した場合、又はステップS1309の処理を実行した後は、ステップS1310にて、第1役物用カウンタYK1が「14950」(59.8sec目)であるか否かを判定する。ステップS1310にて肯定判定した場合は、ステップS1311にて、第1振分部材300を非振分状態(閉状態)とする。ステップS1310にて否定判定した場合、又はステップS1311の処理を実行した後は、ステップS1312にて、第1役物用カウンタYK1が「15000」(60.0sec目)であるか否かを判定する。ステップS1312にて肯定判定した場合は、ステップS1313にて、第1振分部材300を振分状態(開状態)とする。
ステップS1312にて否定判定した場合、又はステップS1313の処理を実行した後は、ステップS1314にて、第1役物用カウンタYK1が「19250」(77.0sec目)であるか否かを判定する。ステップS1314にて肯定判定した場合は、ステップS1315にて、第1振分部材300を非振分状態(閉状態)とする。ステップS1314にて否定判定した場合、又はステップS1315の処理を実行した後は、ステップS1316にて、第1役物用カウンタYK1が「20000」(80.0sec目)であるか否かを判定する。ステップS1316にて肯定判定した場合は、ステップS1317にて、第1振分部材300を振分状態(開状態)とする。そして、第1振分部材300の1回の動作周期が終了したことに基づいて、ステップS1318にて第1役物用カウンタYK1を「1」にクリアする。
ステップS1316にて否定判定した場合、又はステップS1318の処理を実行した後は、ステップS1319にて第1役物コマンドを設定した後に、本第1役物制御用処理を終了する。第1役物コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。第1役物コマンドには、第1振分部材300の現状の制御状態、より具体的には、第1役物用カウンタYK1の値の情報が含まれている。演出制御装置82では、受信した第1役物コマンドに基づいて、第1振分部材300の動作状況を把握して、それ用の処理を行う。この処理については、後に詳細に説明する。
次に、第2役物制御用処理について説明すると、図27のフローチャートに示すように、ステップS1401にて、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第2役物用カウンタYK2を1インクリメントする処理を実行する。第2役物用カウンタYK2は、第2振分部材310の動作タイミングをMPU112が特定するためのカウンタであり、第2振分部材310の動作周期を管理するためのカウンタである。第2役物用カウンタYK2は、1~150000の間で4msec周期で1ずつ更新可能なループカウンタとなっており、150000となることで1にリセットされる。つまり、第2役物用カウンタYK2は600secで1周するカウンタであり、第2振分部材310の動作周期は600secを1周とする動作周期に設定されている。
ステップS1402では、上記の第2役物用カウンタYK2が「74250」であるか否かを判定する。すなわち、第2振分部材310の動作周期において299.8sec目であるか否かを判定する。ステップS1402にて肯定判定した場合は、ステップS1403にて第2振分部材310の第2振分駆動部310aを駆動状態として、第2振分部材310を振分状態(開状態)とする。
ステップS1402にて否定判定した場合、又はステップS1403の処理を実行した後は、ステップS1404にて、第2役物用カウンタYK2が「75000」(300.0sec目)であるか否かを判定する。ステップS1404にて肯定判定した場合は、ステップS1405にて第2振分駆動部310aを駆動状態として、第2振分部材310を非振分状態(閉状態)とする。
ステップS1404にて否定判定した場合、又はステップS1405の処理を実行した後は、ステップS1406にて、第2役物用カウンタYK2が「149250」(597.0sec目)であるか否かを判定する。ステップS1406にて肯定判定した場合は、ステップS1407にて、第2振分部材310を振分状態(開状態)とする。ステップS1406にて否定判定した場合、又はステップS1407の処理を実行した後は、ステップS1408にて、第2役物用カウンタYK2が「150000」(600.0sec目)であるか否かを判定する。ステップS1408にて肯定判定した場合は、ステップS1409にて、第2振分部材310を非振分状態(閉状態)とする。そして、第2振分部材310の1回の動作周期が終了したことに基づいて、ステップS1410にて第2役物用カウンタYK2を「1」にクリアする。
ステップS1408にて否定判定した場合、又はステップS1410の処理を実行した後は、ステップS1411にて第2役物コマンドを設定した後に、本第2役物制御用処理を終了する。第2役物コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。第2役物コマンドには、第2振分部材310の現状の制御状態、より具体的には、第2役物用カウンタYK2の値の情報が含まれている。演出制御装置82では、受信した第2役物コマンドに基づいて、第2振分部材310の動作状況を把握して、それ用の処理を行う。この処理については、後に詳細に説明する。
各振分部材300,310の動作周期について、図28を参照しながら説明する。なお、各動作をよりわかり易くするため、図では実際の動作の時間の長さとは異なる長さで各動作の長さを表現している。
第1振分部材300は、1周の動作周期を80.0secとし、19.8sec目で開状態から閉状態に切り換わる。つまり、V入賞が発生し易い状態に切り換わる。この状態は、0.2sec(短時間態様)に亘って維持され、20.0sec目で閉状態から開状態に切り換わる。つまり、V入賞が発生しにくい状態に切り換わる。この短時間態様となる動作を3回繰り返した後、77.0sec目で開状態から閉状態に切り換わり、V入賞が発生し易い状態となる。この状態は、3.0sec(長時間態様)に亘って維持され、80.0sec目で閉状態から開状態に切り換わり、V入賞が発生しにくい状態となる。
第1振分部材300が短時間態様にてV入賞が発生し易い状態に切り換わっている状況においては、ほとんどV入賞は発生しない。これに対して、第1振分部材300が長時間態様にてV入賞が発生し易い状態に切り換わっている状況においては、V入賞の発生が期待できる。つまり、第1振分部材300は、80.0secの動作周期において、1回はV入賞が発生し易い状態となるように設定されている。
第2振分部材310は、1周の動作周期を600.0secとし、299.8sec目で閉状態から開状態に切り換わる。つまり、V入賞が発生し易い状態に切り換わる。この状態は、0.2sec(短時間態様)に亘って維持され、300.0sec目で開状態から閉状態に切り換わる。つまり、V入賞が発生しにくい状態に切り換わる。そして、597.0sec目で閉状態から開状態に切り換わり、V入賞が発生し易い状態となる。この状態は、3.0sec(長時間態様)に亘って維持され、600.0sec目で開状態から閉状態に切り換わり、V入賞が発生しにくい状態となる。
このように、第1振分部材300や第2振分部材310は、開閉実行モードの進行状況とは関係なく、周期的に動作するように設定されている。そのため、開閉実行モード中にV入賞が発生するか否か、すなわち、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードに設定されるか低確率モードに設定されるかは、大当たり結果の種類によっては定まらない。このようにすることで、開閉実行モード中に単に役物装置150への入賞を発生させて賞球を得る、といった従来の遊技とは異なり、開閉実行モード中に如何にV入賞を発生させるか、といった遊技を追加することが可能となり、開閉実行モード中の注目度を極端に高めることが可能となる。特に、V入賞の発生の有無を、大当たり結果とは関係なくしているため、開閉実行モードの開始時や各ラウンドの開始時等において、遊技結果に基づいて第1振分部材300や第2振分部材310の動作パターンを設定して、V入賞が発生し易い開閉実行モードやラウンドを設定する構成と比較して、遊技結果等に依存していないため、第1振分部材300や第2振分部材310の動作状況に高い関心を寄せさせることが可能となる。換言すると、遊技結果に基づいて第1振分部材300や第2振分部材310の動作パターンを設定する構成では、せっかくV入賞によって高確率モードに移行させる構成としているのにもかかわらず、入賞させるか否かといった遊技者の動作は加わるものの、結局は、遊技結果によって高確率モードに設定していることと同じことになりかねない。そこで、本パチンコ機10のように遊技結果と高確率モードの移行率とを切り離すことで、V入賞が発生するか否かといった、遊技球の動作に高い関心を寄せさせることが可能となる。
ところが、上記のように遊技結果と高確率モードの移行率とを切り離した結果、開閉実行モードへの移行契機となる遊技回において停止させる図柄が、高確率モードとリンクしなくなる、といった問題が生じ得る。この場合、例えば、停止させる図柄の組合せを、高確率モードへの移行率とは何ら関係もなく、抽選等によって決定する構成も考えられる。しかし、そのような構成としてしまうと、せっかく複数の図柄(図10参照)を変動表示させているのにもかかわらず、いずれの図柄が揃っても有利度に優劣が生じないことになってしまい、演出パターンの単調化が懸念される。特に、従来からある遊技機においては、奇数が付された図柄は高確率モードに対応し、偶数が付された図柄は低確率モードに対応しているものが多くあり、このような固定観念からすると、奇数が付された図柄が揃って停止したのにもかかわらず、高確率モードに移行しない(V入賞が発生しない)といった事象が生じると、遊技者は強烈な違和感を覚えるだけでなく、大当たり中に結果が書き換えられたのでは、といった不信感すら覚え、遊技続行への意欲が極度に低下してしまいかねない。
そこで、本パチンコ機10では、開閉実行モードの進行状況と、高確率モードの移行率とを切り離した構成としつつも、開閉実行モードの移行契機となる遊技回において揃える図柄を決定するための特徴ある構成を有している。以下、その構成について、詳細に説明する。
<演出制御装置82及び表示制御装置212側の構成>
演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図29のブロック図を参照して以下に説明する。
演出制御装置82に設けられた演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、シフトコマンドや後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、開放コマンド、閉鎖コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242は、主制御装置81から受信する各種コマンドに基づいて、各種演出を実行するための処理を行う。受信したコマンドは、MPU242のRAM244に設けられたコマンド格納エリア248に格納される。そして、その格納されたコマンドを解析等する処理を行い、各種演出を実行する。MPU242のROM243には各種テーブル記憶エリア245が設けられており、また、MPU242のRAM244には各種フラグ格納エリア247や各種カウンタエリア249が設けられており、各種演出を実行する場合、これらのエリアを用いた処理を行うことが可能となっている。
また、主制御装置81から上記の保留表示制御用コマンドを受信すると、これらのコマンドの情報はRAM244に設けられた保留用記憶エリア250に記憶される。保留用記憶エリア250は、図30に示すように、主制御装置81側の保留球格納エリア114bに対応させて、第1副側保留エリア250aと第2副側保留エリア250bとを備えている。第1副側保留エリア250aは第1結果表示部用保留エリアRaに対応し、第2副側保留エリア250bは第2結果表示部用保留エリアRbに対応している。第1副側保留エリア250aと第2副側保留エリア250bとは、それぞれ第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアの4個の記憶エリアを有している。各エリアは、各保留表示制御装置用コマンドに含まれる遊技結果の情報や変動表示時間の情報をそれぞれ記憶可能に設定されている。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45~47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
表示制御装置212は、プログラムROM273及びワークRAM274が複合的にチップ化されたMPU272と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM276と、ビデオRAM277とがそれぞれ搭載された表示制御基板271を備えている。
MPU272は、演出制御装置82から、保留表示制御を行うための保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、図柄の変動表示を行うための遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)、開閉実行モード中の動画表示を行うための開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)などを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP275の制御(具体的にはVDP275に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM273は、MPU272により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM274は、MPU272による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM274の各エリアに記憶される。
VDP275は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP275はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP275は、MPU272、ビデオRAM277等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM277に記憶させる画像データを、キャラクタROM276から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM276は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM276には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM276を複数設け、各キャラクタROM276に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM273に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM276に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM277は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM277の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
<各種演出に関する処理>
次に、演出制御装置82のMPU242にて実行される各種演出に関する処理について説明する。この処理としては各種演出用処理が設けられており、当該各種演出用処理は、MPU242にて所定周期(例えば2msec周期)で定期的に起動される処理となっている。
以下に、図31のフローチャートを参照しながら、各種演出用処理について説明する。
先ず、ステップS1501では保留制御用処理を実行する。この処理では、主制御装置81から保留表示制御用コマンド(シフトコマンドや保留コマンド)を受信したことに基づく演出内容(保留表示や保留予告の内容)を設定するための処理を行う。
続くステップS1502では、変動表示制御処理を実行する。この処理では、主制御装置81から遊技回制御用コマンド(変動用コマンド種別コマンド、変動終了コマンド等)を受信したことに基づく演出内容(遊技回の内容)を設定するための処理を行う。変動表示制御処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS1503では、開閉実行モード用処理を実行する。この処理では、主制御装置81から開閉実行モード用コマンド(開放コマンド、閉鎖コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド)を受信したことに基づく演出内容(オープニング演出、各ラウンドの演出、エンディング演出)を設定するための処理を行う。続くステップS1504では、デモ画面用処理を実行する。この処理では、所定期間に亘って遊技が行われていない、又は行われていても遊技回が実行されていない場合等に図柄表示装置41の表示画面Gにてデモ画面を表示させるための処理を実行する。
そして、ステップS1505にて、演出についてのその他の処理を行ってから、各種演出用処理を終了する。当該その他の処理では、演出用の各種発光部45~47,63やスピーカ部64等の各種設定や初期化等を行うための処理を実行する。なお、演出制御装置82に可動役物が接続されている構成では、この処理にて当該可動役物の初期位置の設定処理等が行われる。また、このその他の処理では、遊技状態の移行に合わせた演出用コマンド(サポートモードや抽選モードの移行に対応するコマンド)を受信したことに基づく演出を行うための処理を行う。
<演出制御装置82のMPU242にて実行される変動表示制御処理>
次に、上記ステップS1502の変動表示制御処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信している場合に、図柄表示装置41において1遊技回分の図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信している場合に、図柄の変動表示を最終停止表示(確定停止表示)させる処理を実行する。
すなわち、図32のフローチャートに示すように、ステップS1601にて、1遊技回の実行中であるか否かを判定する。1遊技回の実行中ではない場合にはステップS1602にて、変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動用コマンドを受信している場合には、ステップS1603にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。一方、1遊技回の実行中である場合には、ステップS1604にて、変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合にはステップS1605にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動中用処理では、変動開始用処理にて設定された演出パターンにて各種演出が行われるように各種機器や表示制御装置212を制御する。また、変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS1606にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理では、1遊技回の終了用の処理として、例えば、遊技結果に対応する停止結果が停止された状態で遊技回の変動表示が終了するように各種機器や表示制御装置212を制御する。
<変動開始用処理>
以下、変動開始用処理について図33~図37のフローチャートを参照しながら説明する。
図33のフローチャートに示すように、変動開始用処理では、ステップS1701にて、今回の遊技回の遊技結果の内容を把握する処理を実行する。すなわち、既に説明したように主制御装置81は変動用コマンドを送信する場合には種別コマンドも送信する。そこで、ステップS1701では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、4R大当たり結果の情報、8R大当たり結果の情報、12R大当たり結果の情報、16R大当たり結果の情報、外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、続くステップS1702にて、今回受信した変動用コマンドから変動表示時間の情報を特定する。
ここで、各遊技回の変動表示時間について再度説明する。
既に説明したとおり、遊技回における変動表示時間は、変動開始処理(図21)の変動時間の設定処理(図22)にて設定される。かかる処理において、リーチ表示が発生する場合にはリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照し、リーチ表示が発生しない場合にはリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間が設定される。
本パチンコ機10では、リーチ表示は、ノーマルリーチとスーパーリーチとが設定されている。ここで、スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりも大当たり当選の期待度が高く設定されたリーチ表示である。さらにスーパーリーチには、スーパーリーチAとスーパーリーチBとが設定されている。スーパーリーチAとスーパーリーチBとは、スーパーリーチAのほうがスーパーリーチBよりも大当たり当選の期待度が高く設定されており、演出内容も相違している。具体的には、スーパーリーチAでは、実写のムービーが再生されるように設定されており、スーパーリーチBでは、アニメーションムービーが再生されるように設定されている。
リーチ発生用変動表示時間テーブル及びリーチ非発生用変動表示時間テーブルについて詳細に、図34を参照して説明する。
リーチ発生用変動表示時間テーブルでは、図34(a)に示すように、保留球格納エリア114bに格納された変動種別カウンタCSの数値情報によって、リーチ表示の種類と変動表示時間が一義的に定められている。具体的には、遊技結果がいずれかの大当たり結果である場合、すなわち開閉実行モードへ移行する遊技結果である場合には、リーチ乱数カウンタC3によらずにリーチ表示が発生する。この場合、変動種別カウンタCSによって、リーチ表示の種類と変動表示時間が定められている。具体的には、両スーパーリーチA,Bの方がノーマルリーチよりも選択される確率が高く、また、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が選択される確率が高く設定されている。そして、各リーチ表示の変動表示時間は、両スーパーリーチA,Bのほうがノーマルリーチよりも長い。より具体的に説明すると、変動種別カウンタCSが「0~49」の場合にはスーパーリーチAが選択され、「50~179」の場合にはスーパーリーチBが選択され、「180~199」の場合にはノーマルリーチが選択される。両スーパーリーチA,Bが選択された場合の変動表示時間はいずれも「60sec」であり、ノーマルリーチが選択された場合の変動表示時間は「30sec」である。
遊技結果が外れ結果である場合には、リーチ乱数カウンタC3の値によってリーチ表示が発生するか否かが決定され、リーチ乱数カウンタC3が「200~239」の場合にリーチ表示が発生する。リーチ表示の種類としては、両スーパーリーチA,Bよりもノーマルリーチが選択される確率が高く設定されており、変動種別カウンタCSが「0~9」の場合にはスーパーリーチAが選択され、「10~39」の場合にはスーパーリーチBが選択され、「40~199」の場合にはノーマルリーチが選択される。両スーパーリーチA,Bが選択された場合、変動表示時間はいずれも「60sec」に設定されている。ノーマルリーチが選択された場合、変動表示時間は「30sec」に設定されている。
リーチ非発生用変動表示時間テーブルでは、図34(b)に示すように、変動開始時の共通保留数CRNにかかわらず変動表示時間が決定する保留数非対応パターンと、変動開始時の共通保留数CRNによって変動表示時間が決定する保留数対応パターンと、が定められている。より具体的には、変動種別カウンタCSの値が「0~99」である場合には保留数非対応パターンとなり、共通保留数CRNの値にかかわらず一律の変動表示時間「10sec」が設定される。また、変動種別カウンタCSの値が「100~199」である場合には保留数対応パターンとなり、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。具体的には、共通保留数CRNが「1」の場合の変動表示時間は「30sec」であり、「2」の場合の変動表示時間は「20sec」であり、「3」の場合の変動表示時間は「10sec」であり、「4」以上の場合の変動表示時間は「5sec」となっている。したがって、保留球格納エリア114bに保留情報が多数記憶されている場合には変動表示時間が短くなり、遊技の進行がスムーズになる。また、保留情報が記憶されていない又は記憶されている場合であっても記憶されている数が少ない場合には変動表示時間が長くなり、遊技回が実行されていない期間ができるだけ短くなるようになっている。なお、記憶される保留エリアRa,Rbに応じて、変動表示時間が異なるように設定されていてもよい。
そして、各遊技回の変動表示時間は、主制御装置81側の変動開始処理の変動表示時間の設定処理にて設定され、その変動表示時間の情報が変動用コマンドに設定される。演出制御装置82は、変動用コマンドを把握することで、今回開始する遊技回の変動表示時間を特定することができる。
変動開始用処理(図33)の説明に戻り、ステップS1702にて変動表示時間を把握する処理を実行した後は、ステップS1703に進む。ステップS1703では、保留予告用処理を実行する。保留予告用処理では、例えば、今回の遊技回において保留予告を行うか否かの実行抽選を行ったり、その抽選に当選した場合や保留予告を行うことが決定していた場合には、当該保留予告の内容に沿った遊技回演出を行うように設定する。なお、上記のように、保留予告の設定に関する一処理としては、保留制御用処理(ステップS1501)にも設定されている。すなわち、保留情報の取得時と、当該保留情報の消化時(遊技回の開始時)とでは、例えば記憶されている保留情報の数は異なるであろうし、遊技状態(サポート状態や当否抽選モードの高低)も異なり得る。このように、取得時と消化時との2系統で保留予告に関する処理を行う構成とすることで、それぞれ、遊技状況が異なっていたとしても、それに応じた保留予告を実行することが可能となる。
ステップS1703にて保留予告用処理を実行した後は、ステップS1704~ステップS1706にて今回の遊技回にて停止表示させる図柄を決定するための処理を実行する。すなわち、ステップS1704では、ステップS1701にて把握した情報に基づいて、今回開始する遊技回が大当たり結果に対応する遊技回であるか否か、すなわち、開閉実行モードに移行する遊技回であるか否かを判定する。いずれの大当たり結果でもなく、外れ結果に対応する遊技回である場合には、ステップS1705にて、外れ用の図柄決定処理を実行する。この処理では、例えば、停止ラインの決定処理、図柄の組合せの決定処理及び停止情報のアドレス情報の記憶処理等を実行する。ここで、本パチンコ機10では既に説明したように、図柄表示装置41の表示画面Gに5つの有効ラインL1~L5が設定されており、いずれかの大当たり結果となる場合には、いずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せが停止表示される。また、いずれの大当たり結果ではない場合であってもリーチ表示となる場合には、いずれかの有効ライン上にリーチ図柄の組合せが停止表示される。この場合に、停止ラインの決定処理では、上記各種図柄の組合せを停止表示させるための有効ラインを決定するための処理を実行する。図柄の組合せの決定処理では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に設けられた組合せ情報テーブルを参照し、ステップS1702にて把握した変動表示時間に対応した図柄の組合せの情報を特定する。また、ROM243の各種テーブル記憶エリア245には停止情報テーブルが設けられている。当該停止情報テーブルには、各有効ラインの情報に対する各停止図柄の組合せの情報がアドレス情報と1対1で対応させて設定されている。停止情報のアドレスの記憶処理では、特定した停止ラインの情報及び図柄の組合せの情報に対応したアドレス情報を停止情報テーブルから特定する。
一方、ステップS1704にて今回の遊技回が大当たり結果に対応する遊技回であると判定した場合には、ステップS1706にて大当たり用の図柄決定処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1705又はステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707にて、今回開始する遊技回の演出パターンの設定処理を実行する。この処理では、上記ステップS1701~S1703にて把握した遊技結果や変動表示時間、保留予告の有無、そして、ステップS1705又はステップS1706にて決定した停止図柄に対応する演出パターンテーブルを、ROM243の各種テーブル記憶エリア245から読み出し、更に、RAM244の各種カウンタエリア249から演出設定用の乱数カウンタを取得して、その乱数カウンタに対応する遊技回演出パターンを設定する。
そして、ステップS1708にて、ステップS1707にて設定した演出パターンの情報を含む演出パターンコマンドと、ステップS1705又はステップS1706にて設定した停止結果の情報を含む停止結果コマンドとを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、受信した演出パターンコマンド及び停止結果コマンドに基づいて、今回の遊技回用の演出を図柄表示装置41にて行うためのデータテーブルをプログラムROM273から読み出し、そのデータテーブルに従って予め定められた画像更新タイミングとなる度に(例えば、20msec周期で)、VDP275に対して描画リストを出力する。これにより、図柄表示装置41では演出制御装置82のMPU242にて決定された演出パターンに従って遊技回用の演出が実行されるとともに、当該MPU242にて決定された停止結果が最終的に停止表示される。ステップS1708の処理を実行した後は、変動開始用処理を終了する。
<大当たり用の図柄決定処理>
大当たり用の図柄決定処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。
大当たり用の図柄決定処理では、大別して、ステップS1801~ステップS1802の各種役物の制御状態を把握するための処理と、ステップS1802~ステップS1809の停止図柄及び停止ラインを決定するための処理と、に分かれている。既に説明したとおり、本パチンコ機10では、遊技結果と高確率モードへの移行率(V入賞率)とがリンクしておらず、開閉実行モードへ移行する遊技回の開始時においては、高確率モードへの移行率が遊技結果からは把握することができない。そこで、大当たり用の図柄決定処理では、各種役物として周期的な動作が行われる第1振分部材300及び第2振分部材310の動作状況に基づいて、停止図柄を決定する構成としている。
すなわち、大当たり用の図柄決定処理では、先ず、ステップS1801にて、第1振分部材300の動作状況を把握するための第1振分部材用処理を実行する。また、ステップS1802では、第2振分部材310の動作状況を把握するための第2振分部材用処理を実行する。
以下、第1振分部材用処理と第2振分部材用処理について、図36及び図37のフローチャートを参照しながら説明する。なお、各振分部材用処理の説明に際しては、図38の各開閉実行モードの開閉態様を説明するための説明図や、図39及び図40の変動表示時間と開閉実行モードにおける入賞可能時間との関係を説明するための説明図を補助的に参照する。
第1振分部材用処理は、図36のフローチャートに示すように、ステップS1901~ステップS1904の今回の開閉実行モードの情報や、遊技回の情報、及び第1振分部材300の現状の制御状態の情報を把握するための情報把握処理と、ステップS1905~ステップS1910の計算処理及び図柄決定用の処理と、が含まれている。
すなわち、情報把握処理では、先ず、ステップS1901にて、今回の大当たり結果に基づいて移行する開閉実行モードにおいて、開閉実行モードに要する時間のうち、オープニング時間及びエンディング時間を除いた実開閉時間を把握する処理を実行する。
既に説明したとおり、本実施形態においては、開閉実行モードにおける各ラウンドが、上限入賞個数の遊技球の入賞と、開放時間の経過と、いった2つの終了条件のうち、開放時間の経過によって終了し易いようになっている。具体的には、開放時間の長さが、遊技球の発射周期と上限入賞個数との積よりも短くなるように設定されており、各ラウンドにおいて、上限入賞個数の遊技球の入賞が発生しにくいように設定されている。そのため、各ラウンドの長さが開閉実行モードの開始前にある程度予測可能となっており、各開閉実行モードにおける実開閉時間の長さは、各ラウンドの長さが開放時間によって定まることを前提として設定されている。
より具体的には、各開閉実行モードにおいて、オープニング時間はいずれの開閉実行モードも5secに設定されており、エンディング時間もいずれの開閉実行モードも5secに設定されている。また、ラウンド間の待機時間もいずれの開閉実行モードにおけるいずれのラウンド間においても、1.5secに設定されている。そして、各ラウンドの開放時間は、いずれも5secに設定されている。
図38に示すように、開閉実行モードの開始から5secが経過してオープニング時間が経過すると、1ラウンド目のラウンド遊技が開始される。そして、1ラウンド目のラウンド遊技は、上限入賞個数の遊技球の入賞が発生しなければ5secに亘って継続する。そして、1.5secの待機時間を経て、2ラウンド目のラウンド遊技が開始される。例えば、16R大当たり結果に基づく16ラウンドの開閉実行モードにおいては、開始から0sec~5secは、遊技球の入球が発生し得ない状態であり、より詳細には、V入賞が発生し得ない状態である。また、1ラウンド目が開始されてから16ラウンド目が終了するまでの5sec~107.5secがラウンド遊技が行われる実開閉時間に相当する。実開閉時間は102.5secであり、この状態においては、遊技球の入球が発生し得る状態であり、より詳細には、V入賞が発生し得る状態である。
ここで、各ラウンドの待機時間(1.5sec)は、第1振分部材300や第2振分部材310がV入賞側に振り分ける状態となっている期間、特に長時間態様の3.0sec(図28参照)よりも短い時間となっている。そのため、各ラウンドの終了直後に第1振分部材300や第2振分部材が長時間態様の状態となったとしても、次のラウンドの開始時までその長時間態様が維持されていることになる。つまり、ラウンドとラウンドとの間の待機時間と長時間態様の状態とが重なる場合であっても、先側のラウンドか後側のラウンドかのいずれかとは必ず重複するタイミングが生じるようになっている。このようにしているため、V入賞が発生し得る時間を把握する上で、ラウンド間の待機時間を考慮しなくてもよくなり、処理構成の大幅な簡素化を図ることができる。
また、各ラウンドの開放時間は、発射周期と上限入賞個数と積(6.0sec)から、発射周期の2倍の時間を引いた時間(4.8sec)よりも長くなるように設定されている。そのため、例えば遊技球の流下態様のばらつきによって、ラウンドの開始時と終了時とで1球ずつ余分に入球したとすると上限入賞個数の入賞が発生し得ることになる。つまり、上記のように各ラウンドの継続時間をある程度一定のものとしつつも、可変性を持たせることで、何とかして上限入賞個数の入賞を発生させようといった意欲を沸かせることも可能となっている。
そして、各開閉実行モードにおける実開閉時間は、16ラウンドの開閉実行モードでは102.5secであり、12ラウンドの開閉実行モードでは76.5secであり、8ラウンドの開閉実行モードでは50.5secであり、4ラウンドの開閉実行モードでは24.5secとなっている。
第1振分部材用処理の説明(図36)に戻り、ステップS1901では、これら開閉実行モードの実開閉時間(24.5sec~102.5sec)を把握して、その把握した時間の情報を、計算用の情報AとしてMPU242のレジスタに一次記憶する処理を実行する。
続くステップS1902では、ステップS1901にて一次記憶した計算用の情報Aが102.5であるか否かを判定する。
ここで、各開閉実行モードの実開閉時間のうち、16ラウンドの開閉実行モードの実開閉時間は、第1振分部材300の動作周期(80.0sec)よりも長い時間となっている。そのため、16ラウンドの開閉実行モード中に、第1振分部材300は少なくとも1回分の周期動作を行うことになり、より詳しくは、16ラウンドの開閉実行モードの実開閉時間中に、少なくとも1回は第1振分部材300が長時間態様にてV入賞側に振り分ける状態となる。換言すると、開閉実行モードが開始されるタイミングや、第1振分部材300の制御状態によらず、16ラウンドの開閉実行モードであれば、第1振分部材300によってV入賞側に振り分けられる可能性がある。
そこで、ステップS1902にて、計算用の情報Aが102.5である場合には、その後の情報把握処理や計算用の処理を行わずに図柄決定用の処理(ステップS1909)に移行する構成としている。
ステップS1902にて、計算用の情報Aが102.5ではないと判定した場合には、続くステップS1903にて、今回の遊技回の変動表示時間を把握して、その把握した情報を計算用の情報BとしてMPU242のレジスタに一次記憶する処理を実行する。
ここで、各遊技回の変動表示時時間と、開閉実行モードにおける入賞可能時間との関係について、図39及び図40を参照しながら説明する。
既に説明したとおり、大当たり結果となる遊技回では変動表示時間が60sec及び30secのいずれかが設定される。このうち、60secが設定された場合は、図39に示すように、移行する開閉実行モードが16ラウンドの開閉実行モードであれば、遊技回の開始タイミングから変動表示時間(60sec)とオープニング時間(5sec)とが経過した65.0sec後に、役物装置150への入賞が可能となる。そして、実開閉時間102.5secを加算した167.5sec後まで、役物装置150への入賞が可能である。
同様に、変動表示時間が60secであって、移行する開閉実行モードが12ラウンドの開閉実行モードであれば、遊技回の開始タイミングから65.0sec後から141.5sec後までが、役物装置150への入賞が可能な時間となる。また、変動表示時間が60secであって、移行する開閉実行モードが8ラウンドの開閉実行モードであれば、遊技回の開始タイミングから65.0sec後から115.5sec後までが、役物装置150への入賞が可能な時間となる。そして、変動表示時間が60secであって、移行する開閉実行モードが4ラウンドの開閉実行モードであれば、遊技回の開始タイミングから65.0sec後から89.5sec後までが、役物装置150への入賞が可能な時間となる。
そして、変動表示時間が30secの場合には、図40に示すように、いずれの開閉実行モードにおいても、遊技回の開始タイミングから35.0sec後に役物装置150への入賞が可能となる。そして、16ラウンドの開閉実行モードであれば137.5sec後まで、12ラウンドの開閉実行モードであれば111.5sec後まで、8ラウンドの開閉実行モードであれば85.5sec後まで、4ラウンドの開閉実行モードであれば59.5sec後までが、それぞれ役物装置150への入賞が可能な時間となる。
このように、変動表示時間と、開閉実行モードの種類とによって、遊技回の開始タイミングであっても、その後に、役物装置150への入賞が発生し得るタイミングを予測することが可能となる。そこで、ステップS1901にて把握した開閉実行モードの実開閉時間の情報に加えて、ステップS1903にて、今回の遊技回の変動表示時間の情報を把握することとしている。
さて、ステップS1903にて遊技回の変動表示時間の情報を把握した後は、ステップS1904にて、第1振分部材300の現状の制御状態の情報を把握して、その情報を計算用の情報CとしてMPU242のレジスタに一次記憶する処理を実行する。第1振分部材300の現状の制御状態の情報は、主制御装置81から受信する第1役物コマンドに含まれている第1役物用カウンタYK1の値から把握することができる。すなわち、ステップS1904では、コマンド格納エリア248から最新の第1役物コマンドを読み取り、当該第1役物コマンドから第1振分部材300が周期動作のどの段階であるかの情報を把握して、その情報を記憶する。
続くステップS1905では、ステップS1904にて一次記憶した情報Cと、第1振分部材300の動作周期の情報(80.0sec)とに基づいて、次に長時間態様でV入賞側に振り分ける状態となるまでに要する期間の情報を、計算用の情報Dとして算出して、その情報DをMPU242のレジスタに一次記憶する処理を実行する。なお、以下の説明では、長時間態様でV入賞側に振り分ける状態をV態様ともいう。
続くステップS1906では、今回の変動表示時間の情報Bにオープニング時間を加算した情報を、計算用の情報EとしてMPU242のレジスタに一次記憶する処理を実行する。既に説明したとおり、変動表示時間が60.0secであれば計算用の情報Eは65.0secであり、変動表示時間が30.0secであれば計算用の情報Eは35.0secである。
ステップS1907では、計算用の情報Eが計算用の情報D以上であるか否かを判定する。すなわち、役物装置150への入賞が発生し得るまでに要する期間が、第1振分部材300が次にV態様となるまでに要する期間以上であるか否かを判定する。
ステップS1907にて肯定判定する場合とは、役物装置150への入賞が発生し得る1ラウンド目の開始までに、第1振分部材300がV態様となる場合である。つまり、次のV態様となるタイミングでは、役物装置150への入賞が発生し得ないため、V入賞が発生し得ない。そこで、その次にV態様となった場合を想定して、役物装置150への入賞が発生し得るか、すなわちV入賞が発生し得るかを、ステップS1908にて判定する。具体的には、計算用の情報Eに計算用の情報Aを加算した情報が、計算用の情報DにV態様の間隔の情報を加算した情報以上であるか否かを判定する。すなわち、遊技回の開始タイミングから入賞可能時間が終了するまでに要する期間(図39、図40参照)が、遊技回の開始タイミングからみて次の次のV態様となるまでに要する期間以上であるか否かを判定する。
ステップS1908で肯定判定した場合には、今回移行する開閉実行モードの入賞可能時間において第1振分部材300がV態様となるとして、ステップS1909にて、RAM244の各種カウンタエリア249に設けられたV入賞ポイントVPを1加算する処理を実行する。V入賞ポイントVPは、遊技回の停止図柄を柄決定する際に参照されるカウンタである。ステップS1909の処理を実行した後は、第1振分部材用処理を終了する。一方、ステップS1908にて否定判定した場合には、今回移行する開閉実行モードの入賞可能時間においては、第1振分部材300がV態様とならないとして、V入賞ポイントVPの加算処理を行うことなく、第1振分部材用処理を終了する。
一方、ステップS1907にて否定判定した場合とは、役物装置150への入賞が発生し得る1ラウンド目の開始までに、第1振分部材300がV態様とならない場合である。この場合、ステップS1910に進み、次のV態様となるタイミングが、今回移行する開閉実行モードにおける入賞可能時間に含まれるか否かを判定する。具体的には、計算用の情報Eに計算用の情報Aを加算した入用可能時間が、計算用の情報D以上であるか否かを判定する。ステップS1910にて肯定判定した場合には、今回移行する開閉実行モードの入賞可能時間において、第1振分部材300がV態様となるとして、ステップS1909にてV入賞ポイントVPの加算処理を行ってから、第1振分部材用処理を終了する。ステップS1910にて否定判定した場合には、V入賞ポイントの加算処理を行うことなく、第1振分部材用処理を終了する。
また、ステップS1902にて肯定判定した場合は、今回移行する開閉実行モードが16ラウンドの開閉実行モードであり、実開閉時間が第1振分部材300の動作周期よりも長いことを意味する。この場合、ステップS1903~ステップS1908等の情報把握処理や計算用の処理を行わなくても、今回の開閉実行モードの入賞可能時間において、第1振分部材300がV態様となることを意味する。そこで、ステップS1902にて肯定判定した場合には、ステップS1909に進み、V入賞ポイントの加算処理を実行してから、第1振分部材用処理を終了する。なお、第1振分部材用処理の終了に際して、MPU242のレジスタに記憶した各種計算用の情報を消去する。
次に、ステップS1802の第2振分部材用処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2001では、今回移行する開閉実行モードの実開閉時間を把握して、把握した情報を計算用の情報AとしてMPU242のレジスタに一次記憶する処理を実行する。この処理は、上記ステップS1901の処理と同様である。続くステップS2002では、今回の遊技回の変動表示時間の情報を把握して、その情報を計算用の情報BとしてMPU242のレジスタに記憶する処理を実行する。この処理は、上記ステップS1903の処理と同様である。
ステップS2003では、第2振分部材310の現状の制御状態の情報を把握して、その情報を計算用の情報CとしてMPU242のレジスタに記憶する処理を実行する。第2振分部材310の現状の制御状態の情報は、主制御装置81から受信する第2役物コマンドに含まれている第2役物用カウンタYK2の値から把握することができる。すなわち、ステップS2003では、コマンド格納エリア248から最新の第2役物コマンドを読み取り、当該第2役物コマンドから第2振分部材310が周期動作のどの段階であるかの情報を把握して、その情報を記憶する。
続くステップS2004では、ステップS2003にて一次記憶した情報Cと、第2振分部材310の動作周期の情報(600.0sec)とに基づいて、次に長時間態様でV入賞側に振り分ける状態(V態様)となるまでに要する期間の情報を、計算用の情報Dとして算出して、その情報DをMPU242のレジスタに一次記憶する処理を実行する。
続くステップS2005では、今回の変動表示時間の情報Bにオープニング時間を加算した情報を、計算用の情報EとしてMPU242のレジスタに一次記憶する処理を実行する。この処理は、上記ステップS1906の処理と同様である。
ステップS2006では、計算用の情報Eが計算用の情報D以上であるか否かを判定する。すなわち、役物装置150への入賞が発生し得るまでに要する期間が、第2振分部材310が次にV態様となるまでに要する期間以上であるか否かを判定する。
ステップS2006にて肯定判定する場合とは、役物装置150への入賞が発生し得る1ラウンド目の開始までに、第2振分部材310がV態様となる場合である。つまり、次のV態様となるタイミングでは、役物装置150への入賞が発生し得ないため、V入賞が発生し得ない。そこで、その次にV態様となった場合を想定して、役物装置150への入賞が発生し得るか、すなわちV入賞が発生し得るかを、ステップS2007にて判定する。具体的には、計算用の情報Eに計算用の情報Aを加算した情報が、計算用の情報DにV態様の間隔の情報を加算した情報以上であるか否かを判定する。すなわち、遊技回の開始タイミングから入賞可能時間が終了するまでに要する期間が、遊技回の開始タイミングからみて次の次のV態様となるまでに要する期間以上であるか否かを判定する。
ステップS2007で肯定判定した場合には、今回移行する開閉実行モードの入賞可能時間において第2振分部材310がV態様となるとして、ステップS2008にて、V入賞ポイントVPを1加算する処理を実行する。ステップS2008の処理を実行した後は、第2振分部材用処理を終了する。一方、ステップS2007にて否定判定した場合には、今回移行する開閉実行モードの入賞可能時間においては、第2振分部材310がV態様とならないとして、V入賞ポイントVPの加算処理を行うことなく、第2振分部材用処理を終了する。
一方、ステップS2006にて否定判定した場合とは、役物装置150への入賞が発生し得る1ラウンド目の開始までに、第2振分部材310がV態様とならない場合である。この場合、ステップS2009に進み、次のV態様となるタイミングが、今回移行する開閉実行モードにおける入賞可能時間に含まれるか否かを判定する。具体的には、計算用の情報Eに計算用の情報Aを加算した入用可能時間が、計算用の情報D以上であるか否かを判定する。ステップS2009にて肯定判定した場合には、今回移行する開閉実行モードの入賞可能時間において、第2振分部材310がV態様となるとして、ステップS2008にてV入賞ポイントVPの加算処理を行ってから、第2振分部材用処理を終了する。ステップS2009にて否定判定した場合には、V入賞ポイントの加算処理を行うことなく、第2振分部材用処理を終了する。
大当たり用の図柄決定処理の説明(図35)に戻り、ステップS1801の第1振分部材用処理及びステップS1802の第2振分部材用処理を実行した後は、ステップS1803~ステップS1807の図柄決定用の処理に移行する。すなわち、ステップS1803では、V入賞ポイントVPが2であるか否かを判定する。V入賞ポイントVPが2である場合とは、今回移行する開閉実行モードにおいて、第1振分部材300によりV入賞側に振り分けられる場合と、第2振分部材310によりV入賞側に振り分けられる場合と、のいずれもの可能性がある場合である。この場合、今回移行する開閉実行モードにてV入賞が発生して高確率モードに設定される可能性が極めて高いとして、今回の遊技回において停止表示させる図柄を、奇数番号のうちの3又は7が付された第1特定図柄として決定する。
ステップS1803にて否定判定した場合には、ステップS1805にて、V入賞ポイントVPが1であるか否かを判定する。V入賞ポイントVPが1である場合とは、今回移行する開閉実行モードにおいて、第1振分部材300によりV入賞側に振り分けられる場合と、第2振分部材310によりV入賞側に振り分けられる場合と、のいずれかの可能性がある場合である。この場合、上記V入賞ポイントVPが2である場合よりは低いものの、今回移行する開閉実行モードにてV入賞が発生して高確率モードに設定される可能性があるとして、今回の遊技回において停止表示させる図柄を、奇数番号のうちの3又は7以外が付された第2特定図柄として決定する。
ステップS1805にて否定判定した場合とは、V入賞ポイントVPが0である場合である。この場合、今回移行する開閉実行モードにおいて、第1振分部材300によりV入賞側に振り分けられる場合と、第2振分部材310によりV入賞側に振り分けられる場合と、のいずれもの可能性が低い場合である。この場合、今回移行する開閉実行モードにてV入賞が発生して高確率モードに設定される可能性が低いとして、今回の遊技回において停止表示させる図柄を、偶数番号が付された非特定図柄として決定する。
ステップS1804、ステップS1806及びステップS1807のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1808にて、停止ラインの決定処理を実行する。停止ラインの決定処理では、有効ラインL1~L5のうちのいずれのラインにて上記ステップS1804、ステップS1806又はステップS1807の処理で決定した図柄を揃えて停止させるかを、抽選等によって決定する。そして、ステップS1809にて、図柄と停止ラインとの停止結果の情報をアドレス情報として記憶する処理を実行してから、大当たり用の図柄決定処理を終了する。
既に説明したとおり、大当たり用の図柄決定処理は、遊技回の開始時の変動開始用処理にて実行される処理である。そして、上記のように遊技回の開始時に設定された図柄が、遊技回の終了時に揃って停止して、開閉実行モードの移行と、開閉実行モード中のV入賞の発生率とが報知される。この場合、図柄の決定に際しては、周期的に動作している第1振分部材300や第2振分部材310の動作周期を変更することなく、V入賞率と図柄とを関連付けて遊技回の図柄を決定することが可能となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、開閉実行モード後の当否抽選モードの高低が、開閉実行モードの進行状況とは関係なく、周期的に動作する第1振分部材300や第2振分部材310のV入賞の振分動作によって定まる構成において、第1振分部材300や第2振分部材310の動作状況と、動作周期と、遊技回の変動表示時間と、開閉実行モードの開閉パターンとから、開閉実行モード中のV入賞の発生を予測して、開閉実行モードの移行の契機となる遊技回で停止させる図柄を決定する構成とした。このようにしたことで、遊技結果とV入賞の発生とを切り離して、開閉実行モード中にV入賞を発生させるという遊技を楽しませつつも、開閉実行モードの移行契機となる遊技回における停止図柄とV入賞率とを関連付けることが可能となる。よって、開閉実行モードのみならず、遊技回への注目度を好適に高めることができる。
開閉実行モード中の開閉態様として、各ラウンドの実開閉時間に基づいてV入賞率を予測する構成としたため、各ラウンドの開放タイミングや閉鎖タイミングをそれぞれ考慮する構成と比較して、予測のための処理構成が大幅に簡素なものとすることができる。
この場合、各ラウンドの待機時間(1.5sec)を第1振分部材300や第2振分部材310がV態様となっている時間(3.0sec)よりも短くなるように設定したため、仮にラウンドの待機時間とV態様となっている時間とが重複する場合であっても、必ずV態様と各ラウンド(の開放時間)とも重複する。したがって、上記のように実開閉時間に基づく予測を行ううえで、予測精度を向上させることが可能となる。
開閉実行モード中の各ラウンドの開放時間を、発射周期よりも長く、且つ発射周期と上限入賞個数との積よりも短い期間としたため、少なくとも遊技球の入賞が発生し得るラウンド遊技において、ラウンドの実行期間をある程度一定のものとすることができる。つまり、ラウンド遊技は、上限入賞個数の入賞又は開放時間の経過のいずれかが発生することで終了する構成であるところ、上記のような開放時間とすれば、上限入賞個数の入賞が発生しにくく、各ラウンド遊技を予め定められた開放時間の経過によって終了させ易くすることができる。このようにすれば、上記のようなV入賞率を事前に予測する、という構成において、開放時間を固定のものとして予測することができ、予測精度を向上させることができる。特に、その予測結果(V入賞率)を遊技回の停止結果として報知する構成としていることから、その報知と実際のV入賞率とが異なることになると、遊技者は違和感を覚えるだけでなく、開閉実行モード中に遊技結果が書き換えられたのでは、といった不信感すら覚えかねない。そこで、上記のように各ラウンドが固定の時間となり易いようにすることで、予測精度が上がり、上記のような不都合の発生を回避することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、第1振分部材300の動作周期が上記第1の実施形態と異なっている。具体的には、上記第1の実施形態では、第1振分部材300の動作周期は80.0secであった。これに対して、本実施形態では、第1振分部材300の動作周期を、第2振分部材310の動作周期と同じ600.0secとする。以下、第1振分部材300の動作周期を600.0secとした場合の処理について説明する。
先ず、本実施形態における、第1役物制御用処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、第1役物制御用処理は、主制御装置81のMPU112にて定期的に起動される処理である。
ステップS2101では、第1役物用カウンタYK1を加算する処理を実行する。そして、ステップS2102~ステップS2136にて、第1振分部材300の切り換えタイミングであるか否かを判定する処理と、切り換えタイミングである場合に第1振分駆動部300aの駆動制御を行う処理と、を繰り返し実行する。そして、本実施形態では、60.0sec経過毎に3.0secに亘ってV態様となるように、第1振分部材300の動作周期が定められている。
具体的には、第1振分部材300が非振分状態に切り換えられるタイミングとして、第1振分部材300の動作周期の開始(YK1=0)から60.0sec後(YK1=15000、ステップS2102)、123.0sec後(YK1=30750、ステップS2106)、186.0sec後(YK1=46500、ステップS2110)、249.0sec後(YK1=62250、ステップS2114)、312.0sec後(YK1=78000、ステップS2118)、375.0sec後(YK1=93750、ステップS2122)、438.0sec後(YK1=109500、ステップS2126)、501.0sec後(YK1=125250、ステップS2130)、564.0sec後(YK1=141000、ステップS2134)、がそれぞれ設定されている。これらのタイミングとなった場合には、第1振分部材300の第1振分駆動部300aを非駆動状態として非振分状態(閉状態)に切り換える処理(ステップS2103、ステップS2107、ステップS2111、ステップS2115、ステップS2119、ステップS2123、ステップS2127、ステップS2131、ステップS2135)を実行する。
また、第1振分部材300が振分状態に切り換えられるタイミングは、上記非振分状態に切り換えられてから3.0sec後に設定されており、第1振分部材300の動作周期の開始(YK1=0)から、63.0sec後(YK1=15750、ステップS2104)、126.0sec後(YK1=31500、ステップS2108)、189.0sec後(YK1=47250、ステップS2112)、252.0sec後(YK1=63000、ステップS2116)、315.0sec後(YK1=78750、ステップS2120)、378.0sec後(YK1=94500、ステップS2124)、441.0sec後(YK1=110250、ステップS2128)、503.0sec後(YK1=126000、ステップS2132)、567.0sec後(YK1=141750、ステップS2136)、がそれぞれ設定されている。これらのタイミングとなった場合には、第1振分部材300の第1振分駆動部300aを駆動状態として振分状態(開状態)に切り換える処理(ステップS2105、ステップS2109、ステップS2113、ステップS2117、ステップS2121、ステップS2125、ステップS2129、ステップS2133、ステップS2137)を実行する。
ステップS2138では、第1役物用カウンタYK1が「150000」(600.0sec)となったか否かを判定する。ステップS2138にて肯定判定する場合とは、第1振分部材300の動作周期の1回分が終了した場合であり、この場合、ステップS2139にて第1役物用カウンタYK1を「1」にクリアする処理を実行する。ステップS2138にて否定判定した場合、又はステップS2139の処理を実行した後は、ステップS2140にて第1役物コマンドを送信設定してから、第1役物制御用処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、第1振分部材300は、600.0secを1周期として、そのうち、9回、3secのV態様となるように設定されている。1周期中の1回のV態様とV態様との間隔は、60.0secとなっている。これに対して、9回目のV態様が567.0sec後に終了するため、9回目のV態様と、次の周期の1回目のV態様との間隔は、93.0secとなっている。つまり、1周期行うたびに、33.0secずつV態様となるタイミングがずれることになる。このようにすることで、周期動作を行う構成であっても、V態様となるタイミングをばらつかせることが可能となる。
なお、1周期中の各V態様の間隔を異ならせる構成としてもよい。具体的には、第1振分部材300の1周期中の1回目のV態様は60.0sec後、2回目のV態様までの間隔は1回目よりも長い90.0sec後、3回目のV態様までの間隔は1回目や2回目よりも短い45.0sec後、、、といったように、各V態様の間隔が異なるようにしてもよい。このようにすれば、よりV態様となるタイミングがばらつき、遊技の多様化が図られる。但し、16ラウンドの開閉実行モードであれば計算を行わずとも1回はV態様となると把握可能とするためには、各V態様の間隔が16ラウンドの開閉実行モードにおける実開閉時間よりも短くなる構成とするとよい。
ちなみに、本実施形態における第1振分部材用処理(図36)のステップS1908(遊技回の開始タイミングから入賞可能時間が終了するまでに要する期間が、遊技回の開始タイミングからみて次の次のV態様となるまでに要する期間以上であるか否かを判定する処理)では、計算用の情報Eに計算用の情報Aを加算した情報が、計算用の情報Dに次のV態様から次の次のV態様までの間隔の情報を加算した情報以上であるか否かを判定する。このようにすれば、V態様とV態様との間隔が一律ではなくても、V入賞率の計算を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、第1振分部材300の動作周期と第2振分部材310の動作周期とを同じ長さの周期としたため、1周期をカウントするためのカウンタを共用することも可能である。具体的には、第1役物用カウンタYK1と第2役物用カウンタYK2とを共用し、第1役物制御用処理又は第2役物制御用処理において共用カウンタを加算更新する処理を行うとともに、各切り換えタイミングを当該共用カウンタに基づいて把握する構成とする。このようにすれば、処理構成を簡素なものとすることができる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、開閉実行モード中において、役物装置150における回転体201を回転させる構成とする。
図42は、回転体201を回転させるための、回転体制御用処理を示すフローチャートである。回転体制御用処理は、主制御装置81のMPU112にて所定周期(4msec周期)で起動される処理である。
ステップS2201では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第3役物用カウンタYK3を1加算する処理を実行する。第3役物用カウンタYK3は、上記第1役物用カウンタYK1や第2役物用カウンタYK2と対応するものであり、回転体201の動作タイミングをMPU112が特定するためのカウンタである。また、第3役物用カウンタYK3は、回転体201の動作周期を管理するためのカウンタともいえる。第3役物用カウンタYK3は、1~2500の間で4msec周期で1ずつ更新可能なループカウンタとなっており、2500となることで1にリセットされる。つまり、第3役物用カウンタYK3は10secで1周するカウンタであり、回転体201の動作周期は10secを1周とする動作周期に設定されている。
ステップS2202では、回転体201を所定角度(0.144度)回転させるように、回転体用駆動部194を駆動制御する。そして、ステップS2203にて、第3役物用カウンタYK3が1周に相当する「2500」となっているか否かを判定し、「2500」であれば、ステップS2204にて第3役物用カウンタYK3を「1」にクリアする処理を実行する。
ステップS2203にて否定判定した場合、又はステップS2204の処理を実行した後は、ステップS2205にて回転体コマンドを演出制御装置82へ出力設定してから、回転体制御用処理を終了する。回転体コマンドは、上記第1役物コマンドや第2役物コマンドに対応するものであり、回転体201の制御状態(位置)をサブ側の制御装置である演出制御装置82に把握させるためのコマンドである。
すなわち、回転体201は、回転体制御用処理が起動される度に4msec周期で所定角度ずつ回転するように設定されている。換言すると、回転体201は、第3役物用カウンタYK3が所定数として1加算される度に所定角度ずつ回転する構成としている。なお、所定角度回転させるタイミングは上記のものに限定されず、例えば、第3役物用カウンタYK3が10加算される度に所定角度(1.44度)ずつ回転するように制御する構成としてもよいし、第3役物用カウンタYK3が50加算される度に所定角度(7.2度)ずつ回転するように制御する構成としてもよい。但し、各制御タイミングを短い間隔となるように設定するほどよりスムーズな回転体201の動作を実現可能であり、好ましい。
なお、本実施形態では、V入賞口案内部204が導出部186に対応する位置に配置されている状態が、第3役物用カウンタYK3が1となる状態として設定されている。
次に、本実施形態における第1振分部材用処理を、図43のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、第1振分部材用処理は、演出制御装置82のMPU242にて実行される大当たり用の図柄決定処理(図35)にて行われる処理である。
本実施形態では、上記ステップS1901~ステップS1908、ステップS1910の処理と同様に、ステップS2301~ステップS2307、ステップS2310の処理を実行して、V入賞ポイントVPを加算するか否かの処理を行う。なお、本実施形態では、16ラウンドの開閉実行モードである場合に、情報把握処理等を行わない処理(ステップS1902の処理)は実行しない。そして、ステップS2307又はステップS2310の処理で肯定判定した場合には、V入賞ポイントVPの加算処理を行う前に、ステップS2308にて回転体201の位置を把握するとともに、第1振分部材300がV態様となるタイミングで回転体201のV入賞口案内部204が導出部186に対応する位置に配置されているか否かを判定する。具体的には、ステップS2307又はステップS2310にて肯定判定した場合における第1振分部材300がV態様となるタイミング(次の次のV態様となるまでの期間の情報、又は次のV態様となるまでの期間の情報)において、回転体201のカウンタが「1~150」又は「2000~2500」となっているか否かを判定する。
ステップS2308にて否定判定した場合には、V入賞ポイントVPの加算処理を行うことなく、第1振分部材用処理を終了する。すなわち、この場合、第1振分部材300はV態様となるものの、回転体201によって外れ口182bに振り分けられる可能性が高いとして、V入賞ポイントVPの加算は行わない。これに対して、ステップS2308にて肯定判定した場合には、V入賞ポイントVPの加算処理を行ってから、第1振分部材用処理を終了する。
このように、回転体201が回転する構成においても、遊技回の開始時に当該回転体201の位置を把握して、回転体201の動作周期と、遊技回の変動表示時間と、開閉実行モードの開閉パターンと、に基づいて、開閉実行モード中の回転体201によるV振分を予測することが可能となる。
この場合、第1振分部材300による振分を経た遊技球が、回転体201に到達して、当該回転体201によっても振分を経る構成において、回転体201の動作周期の方が、第1振分部材300の動作周期よりも短い周期でV態様(回転体201においては、V入賞口案内部204が導出部186に対応する位置に配置される)となっている。そこで、回転体201によるV振分よりも先に、第1振分部材300によるV振分が行われる可能性を算出する処理を行ってから、回転体201についての算出用の処理を行う構成とした。このようにすることで、回転体201の算出用の処理が行われる頻度を減らすことが可能となり、処理負荷の軽減を図ることができる。
なお、既に説明したとおり、第2振分部材310によってV振分された遊技球は、回転体201の振分を経ずにV入賞が可能となっている。そのため、上記実施形態では、第2振分部材用処理において回転体201についての算出用の処理を行わない構成としている。ここで、複数の役物がV振分に関与する構成においては、関与する役物が多くなればなるほど、遊技球の流下態様が複雑化して、遊技者の関心を高めることが可能となる。その一方で、役物の動作周期から、V振分の可能性を予測する構成においては、関与する役物が多くなればなるほど、その予測精度は低下し得るものと考えられる。そこで、例えば、予測精度が高い側を図柄決定に反映させ易くしたり、予測精度が悪い側を図柄決定に反映させにくくしたりする構成としてもよい。具体的には、役物装置150へ入球した遊技球がV入賞するまでのルートとして、第1振分部材300と回転体201との振分を経るルートと、第2振分部材310の振分を経るルートとでは、V入賞率の予測精度が異なるものと考えられる。そして、第1振分部材300側のV入賞ポイントVPの加算処理を、第2振分部材310側の加算処理よりも少ないポイントが加算されるようにする、又は低い頻度でポイントが加算されるようにする、構成としてもよい。
<第4の実施形態>
上記第1~第3の実施形態では、開閉実行モードへ移行する遊技回の開始時に当該遊技回の図柄を決定する構成としたが、本実施形態では、保留情報の取得時に決定する構成とする。
具体的には、図44に示すように、表示画面Gにおける保留表示領域Ga,Gbに保留情報として表示される保留用画像として、通常保留用画像P1と、開閉実行モードへの移行を示唆する特別保留用画像P2と、を設定する。特別保留用画像P2は、通常保留用画像P1とは色や形が異なるように表示され、通常保留用画像P1と識別可能となっている。そして、特別保留用画像P2は、開閉実行モードへ移行する際の遊技回の停止図柄が示唆するようになっている。具体的には、例えば、図44(a)に示すように、7図柄(第1特定図柄)が停止して開閉実行モードへ移行することを示唆する画像や、図44(b)に示すように、5図柄(第2特定図柄)が停止して開閉実行モードへ移行することを示唆する画像や、図44(c)に示すように、4図柄が停止して開閉実行モードへ移行することを示唆する画像等が設定されている。すなわち、本実施形態では、保留用画像を用いて、高確率モードへの移行率を示唆する保留予告を実行する構成としている。
<保留予告に関する処理>
以下、保留予告を行うための構成について説明する。
遊技回の開始前の保留予告は、演出制御装置82における保留制御用処理(ステップS1501)にて設定される。上記の通り、保留制御用処理は、主制御装置81から保留表示制御用コマンドを受信したことに基づいて行われる処理であり、この処理によって保留表示や保留予告の演出が設定される。そこで、演出制御装置82側の処理に先立ち、主制御装置81のMPU112にて実行される保留表示制御用コマンド(特に保留コマンド)の設定に関する処理を説明する。主制御装置81側の処理としては、上記保留用の確認処理(図17のステップS305)と保留コマンドの設定処理(図17のステップS306)とが設定されており、これら各処理はタイマ割込み処理(図15)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図16)、詳しくはステップS205の情報取得処理の一環として実行される構成となっている。つまり、保留用の確認処理及び保留コマンドの設定処理については、作動口33,34への入賞が発生したタイミングで実行される構成となっている。
<保留用の確認処理>
保留用の確認処理では、図45のフローチャートに示すように、ステップS2401にて、保留球格納エリア114bの各保留エリアRa,Rbに記憶された始動保留記憶数RaN,RbNと、同保留球格納エリア114bの総保留数記憶領域に記憶された共通保留数CRNとを読み出し、かかる保留個数の情報をMPU112のレジスタに記憶する。その後、ステップS2402~S2406にて今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS2402にて、上作動口33又は下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。
続くステップS2403では、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS2404に進み、図13(a)に示す低確率モード用の当否テーブルを参照してステップS2402にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する情報群に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合にはステップS2405に進み、図13(b)に示す高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS2404又はステップS2405の後はステップS2406に進み、ステップS2402にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS2407にてMPU112のレジスタに大当たり情報を記憶し、そのまま本保留用の確認処理を終了する。
一方、ステップS2406にて否定判定をした場合には、ステップS2408に進む。ステップS2408では、上作動口33又は下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわち取得済みのリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。
続くステップS2409では、ROM113のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照する。その後、ステップS2510にて、リーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS2411にて、MPU112のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。一方、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
<保留コマンドの設定処理>
次に、保留コマンドの設定処理について、図46のフローチャートを参照しながら説明する。保留コマンドの設定処理は、保留情報の当否判定結果と変動表示時間とを演出制御装置82側へ把握させるための処理である。
先ずステップS2501では、大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合には、ステップS2502及びステップS2503にて、大当たり結果の種類の情報と変動表示時間の情報とを演出制御装置82に把握させるための処理を実行する。具体的には、ステップS2502では、4R大当たり結果、8R大当たり結果、12R大当たり結果、16R大当たり結果のいずれに対応する保留情報かを把握し、さらに保留情報の変動種別カウンタCSを確認して変動表示時間を把握する。既に説明したとおり、いずれかの大当たり結果である場合には、必ずリーチ表示が発生するため、変動種別カウンタCSに基づいて変動表示時間を把握することができる。
ステップS2501にて大当たり情報が記憶されていない場合、ステップS2503に進む。ステップS2503ではリーチ表示が発生する保留情報であるか否かを判定する。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の数値情報を取得し、当該リーチ乱数カウンタC3が「200~239」の場合にはリーチ表示が発生する保留情報であると判定する。
リーチ表示が発生する保留情報である場合、ステップS2504にて、保留情報の変動表示時間を把握する。この処理では、保留情報の変動種別カウンタCSと、リーチ発生用の変動表示時間テーブル(図34(a))と、を取得して、変動表示時間を把握する。
ステップS2503にてリーチ表示が発生しない保留情報である場合、ステップS2505にて、今回の保留情報が、保留数対応パターンの情報(保留数対応情報)か否かを判定する。保留数対応パターンの情報ではなく保留数非対応パターンの情報である場合には、ステップS2504に進み、保留情報の変動種別カウンタCSと、リーチ非発生用の変動表示時間テーブル(図34(b))と、を取得して変動表示時間を把握する。
ステップS2505にて保留数対応パターンの情報であると判定した場合とは、現段階(保留取得時)では、遊技回の変動表示時間が確定しないことを意味する。そこで、この場合は、ステップS2506にて保留数対応パターンの情報であることを把握する処理を実行する。
ステップS2502、ステップS2504及びステップS2506のいずれかの処理を実行した後は、ステップS2507に進む。ステップS2507では、保留コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定して、本保留コマンドの設定処理を終了する。当該保留コマンドには、今回の保留情報の遊技結果の情報と、変動表示時間の情報が含まれている。なお、ステップS2506の処理を行っている場合には、変動表示時間の情報として保留数対応パターンであることの情報が含まれている。ここで設定された保留コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS401にて演出制御装置82へ送信される。演出制御装置82は、受信した保留コマンドに基づいて、保留発光部45,46の発光制御を実行するとともに、表示制御装置212を制御して図柄表示装置41の保留表示領域Ga,Gbにて保留用画像を変更するための処理を実行する。
なお、保留コマンドに遊技結果の情報が含まれる構成としたが、大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2が含まれる構成とし、演出制御装置82側で主制御装置81の当否テーブル及び振分テーブルを記憶しておき、上記大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2に基づいて演出制御装置82にて遊技結果を把握してもよい。また、保留コマンドに変動表示時間の情報が含まれる構成としたが、変動種別カウンタCSの情報が含まれる構成とし、演出制御装置82側で主制御装置81の変動表示時間テーブルと同様のテーブルを記憶しておき、上記変動種別カウンタCSに基づいて演出制御装置82にて変動表示時間を把握してもよい。
<演出制御装置82のMPU242にて実行される保留制御用処理>
次に、演出制御装置82のMPU242にて実行される保留制御用処理(ステップS1501)について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、保留制御用処理は、演出制御装置82にて周期的に実行される各種演出用処理(図31)の一環として行われる処理であり、保留表示制御用コマンドを受信したことに基づいて、保留用画像の表示を変更したり、保留予告を行うための処理を実行する。
ここで、保留予告とは、取得した保留情報が当否判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて、当該保留情報が当否判定の対象となった場合の当否判定の結果に対応する情報を特定し、その特定した内容に基づいて、当該当否判定の結果に対応する報知を図柄表示装置41や表示発光部63等で行うものである。より具体的には、例えば、保留予告としては、所定の遊技結果となる保留情報を取得したことに基づいて、その保留情報についての遊技回よりも前の遊技回の停止結果を、所定図柄の組合せ(所謂チャンス目)となるように設定したり、その保留情報についての遊技回よりも前の遊技回において所定のキャラクタを出現させたりする演出等である。その他にも、例えば、保留予告としては、保留用画像を用いて、対応する保留情報の遊技結果に応じた種類の保留用画像が表示されるようにする(例えば、保留情報が大当たり結果であれば金色や赤色の保留用画像が選択され易く、外れ結果であってもいずれかのリーチ表示が行われる保留情報であれば緑色の保留用画像が選択され易く、リーチ表示が行われない外れ結果であれば白色の保留用画像が選択され易くするなどして、保留用画像の種類に応じて遊技回の開始前の遊技結果を予測させる)演出等も該当する。
さて、保留制御用処理では、先ずステップS2601にて保留コマンドを受信しているか否かを判定する。主制御装置81から受信する保留コマンドは、演出制御装置82のRAM244に設けられたコマンド格納エリア248に格納される。コマンド格納エリア248は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を各コマンドの演出の実行タイミング時に実行できるようになっている。ステップS2601の判定に際しては、コマンド格納エリア248における今回の読み出し対象のエリアに保留コマンドを受信しているか否かを判定する。
保留コマンドを受信している場合には、ステップS2602にて、RAM244の各種カウンタエリア249に設けられた副側保留記憶数SNを1加算する処理を実行する。副側保留記憶数SNは主制御装置81側の共通保留数CRNに対応するものであり、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づく全保留数を反映するものである。
続くステップS2603では、保留情報把握処理を実行する。保留情報把握処理では、受信した保留コマンドに含まれる情報(遊技結果の情報及び変動表示時間の情報の他、リーチ表示の有無等)を把握する。
そして、続くステップS2604にて保留予告用処理を実行する。保留予告用処理では、例えば、受信した保留コマンド(今回取得した保留情報)に基づいて保留予告を実行するか否かを決定し、保留予告を実行する場合には、それに基づいて遊技回用の演出内容を変更して保留予告を実行するための処理を実行する。ステップS2603及びステップS2604の処理は、後に詳細に説明する。
続くステップS2605では、保留増加用処理を実行する。この処理では、保留情報の増加に対応させて保留発光部45,46の発光制御を行うとともに、表示制御装置212に対して保留情報の増加に対応するコマンドを出力する。このコマンドには、副側保留記憶数SNの情報や、上記ステップS2604にて決定した保留予告の内容の情報が含まれている。表示制御装置212は、受信したコマンドに基づいて、キャラクタROM276に記憶されている保留用画像データ記憶エリアから当該コマンドの内容に対応する保留画像に対応するデータを読み出し、副側保留記憶数SNに対応する単位保留表示領域Ga1~Ga4,Gb1~Gb4へ表示させるように図柄表示装置41を制御する。例えば、保留画像を異ならせることによって保留予告を行う構成においては、表示制御装置212は、受信したコマンドに基づいて、保留予告に対応する保留用画像を表示するように図柄表示装置41を制御する。これにより、保留用画像を用いた保留予告が当該保留用画像に対応する保留情報の遊技回よりも前のタイミングで実行される。ステップS2605の処理を実行した後は、保留制御用処理を終了する。
一方、ステップS2601にて保留コマンドを受信していない場合は、ステップS2706にてシフトコマンドを受信しているか否かを判定する。シフトコマンドを受信していない場合には、そのまま保留制御用処理を終了し、シフトコマンドを受信している場合は、ステップS2607にて副側保留記憶数SNを1減算する処理を実行する。そして、ステップS2608にて対応用シフト処理を実行するとともに、ステップS2609にて図柄予告用処理を実行する。これらステップS2608、ステップS2609の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS2609の処理を実行した後は、ステップS2610にて、シフト処理を実行する。シフト処理では、保留用記憶エリア270における各記憶エリアのデータをシフトさせる。
すなわちシフト処理では、今回受信したシフトコマンドが、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報の当否判定に対応するものか、それとも第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報の当否判定に対応するものか、を判定する。そして、副側実行エリア250cに記憶されていた情報を消去し、対応する副側保留エリア250a,250bの第1エリアに記憶されていた情報を副側実行エリア250cへシフトし、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリアに記憶されている各種情報をシフトさせる。さらにシフト処理では、保留情報の減少に対応させて保留発光部45,46の発光制御を行うとともに、表示制御装置212に対して保留情報の減少に対応するコマンドを出力する。表示制御装置212は、受信したコマンドに基づいて、対応する単位保留表示領域Ga1~Gs4,Gb1~Gb4の表示を変更させるように図柄表示装置41を制御する。ステップS2610の処理を実行した後は、保留制御用処理を終了する。
次に、ステップS2603の保留情報把握処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2701では、今回受信した保留コマンドに係る保留情報の遊技結果を把握する。そして、ステップS2702では、ステップS2701にて把握した遊技結果を、保留用記憶エリア250に記憶させる。より詳しくは、受信した保留コマンドが上作動口33及び下作動口34のいずれに入賞したことに基づくものであるかを判定し、対応する副側保留エリア250a,250bにおける空きエリアのうち、先に当否判定が実行されるエリアに遊技結果の情報と変動表示時間の情報とを記憶する。なお、既に説明したとおり、保留コマンドには変動表示時間の情報として、保留数対応パターンであることの情報が含まれている場合がある。この場合、保留コマンドを受信した時点では、今回の保留コマンドに係る遊技回の変動表示時間が確定しない。そのため、ステップS2702では、保留用記憶エリア250に記憶させる情報として、変動表示時間そのものの情報ではなく、保留数対応パターンであることの情報を記憶させる。
続くステップS2703では、今回受信した保留コマンドに保留数対応パターンである情報が含まれているか否かを判定する。保留数対応パターンの情報が含まれてはいない場合には、ステップS2704にてRAM244の各種カウンタエリア249に設けられた記憶カウンタに、今回受信した保留コマンドに係る遊技回の変動表示時間に対応する数値を加算する処理を実行してから、保留情報把握処理を終了する。記憶カウンタは、保留用記憶エリア250の各エリアに記憶されている保留情報の変動表示時間の総時間をMPU242が特定するためのカウンタである。また、記憶カウンタは、遊技回が消化される度に、その変動表示時間の経過に合わせて減算される。具体的には、変動表示制御処理(図32)における変動中用処理にて、記憶カウンタを所定周期で減算する処理を行う。すなわち、記憶カウンタは、変動表示時間の総時間として、今回取得した保留情報を含む未消化の保留情報についての遊技回の変動表示時間と、実行中の遊技回の変動表示時間の残り時間とをあわせた時間に対応している。
ステップS2703にて、保留数対応パターンの情報が含まれている場合には、ステップS2705にて、RAM244の各種フラグ格納エリア247に対応フラグを格納する処理を実行してから、保留情報把握処理を終了する。対応フラグは、保留用記憶エリア250のいずれかのエリアに保留数対応パターンの保留情報が記憶されていることを、MPU242が特定するためのフラグである。
すなわち、保留情報把握処理では、受信した保留コマンドの遊技結果に関する情報と変動表示時間に関する情報を保留用記憶エリア250の対応するエリアに記憶する。また、変動表示時間が特定可能な場合には、その総時間を把握するために記憶カウンタの加算を行う。一方、変動表示時間が特定不可能な場合には、対応フラグを格納して、その特定不可能な情報が記憶されていることを特定可能とする。
次にステップS2608の対応用シフト処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2801では、今回シフト処理(ステップS2610)で副側実行エリア250cにシフトする保留情報は、保留数対応パターンの情報であるか否かを判定する。具体的には、第1副側保留エリア250a及び第2副側保留エリア250bの各エリアのうち、次に消化されるエリアの保留情報に保留数対応パターンであることの情報が記憶されているか否かを判定する。保留数対応パターンではない場合には、そのまま対応用シフト処理を終了する。
保留数対応パターンであることの情報が含まれている場合には、ステップS2802に進み、他の保留エリアに保留数対応パターンの情報が含まれているか否かを判定する。他の保留エリアに保留数対応パターンの保留情報が含まれている場合には、そのまま対応用シフト処理を終了する。他のエリアに保留数対応パターンの保留情報が含まれておらず、次に副側実行エリア250cへシフトする保留情報以外はいずれも変動表示時間を事前に特定可能な保留情報である場合には、ステップS2803にて対応フラグを消去してから、対応用シフト処理を終了する。
次に、ステップS2604の保留予告用処理について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2901では、対応フラグが格納されているか否かを判定する。対応フラグが格納されている場合には、ステップS2902~ステップS2907の保留用画像に関する保留予告の処理を行わない。対応フラグが格納されている場合とは、既に説明したとおり、記憶されている保留情報に変動表示時間を事前に特定不可能なものが含まれている場合である。
ステップS2901にて対応フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS2902に進む。ステップS2902では、今回受信した保留コマンドに係る保留情報が、大当たり結果に対応する保留情報であるか否かを判定する。大当たり結果に対応するものであれば、ステップS2903にて大当たり用の図柄予告抽選処理を実行し、大当たり結果に対応するものではなく外れ結果に対応するものであれば、ステップS2904にて外れ用の図柄予告抽選処理を実行する。ステップS2903及びステップS2904の抽選処理は、ROM243の各種テーブル記憶エリア245から抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM244の各種カウンタエリア249から抽選用のカウンタを取得して、今回受信した保留コマンドについての保留用画像を特別保留用画像P2として、図柄予告を実行するか否かの抽選を行う。なお、本実施形態では、大当たり用の図柄予告抽選処理において当選する確率は、外れ用の図柄予告抽選処理において当選する確率よりも高く設定されれており、より具体的には、大当たり用が30%の確率で当選し、外れ用が1%の確率で当選するようになっている。
ステップS2903又はステップS2904の処理を実行した後は、ステップS2905にて、図柄予告に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS2906にて図柄決定処理を実行する。
ここで、ステップS2906の図柄決定処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2906の図柄決定処理は、上記変動開始用処理(図33)にて実行される大当たり用の図柄決定処理とほぼ同じ処理構成となっている。すなわち、ステップS3001にて第1振分部材用処理を行い、ステップS3002にて第2振分部材用処理を行う。そして、第1振分部材用処理及び第2振分部材用処理の処理結果に基づいて、ステップS3003~ステップS3007にて図柄を決定する構成としている。相違点としては、第1振分部材用処理及び第2振分部材用処理の処理構成が相違している点と、ステップS1808やステップS1809における停止ラインやアドレス情報を記憶する処理が含まれていない点である。
第1振分部材用処理及び第2振分部材用処理の相違点について、図52及び図53のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS3101にて、今回受信している保留コマンドが大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。大当たり結果に対応するものであれば、ステップS3102にて、今回の大当たり結果の種類を把握して、開閉実行モードの種類に基づいて、実開閉時間を把握する処理を実行する。この処理は、ステップS1901の処理と同様である。
一方、ステップS3101にて、外れ結果に対応するものであると判定した場合には、ステップS3103にて、仮の実開閉時間を抽選によって決定する。ステップS3103では、各開閉実行モードの実開閉時間(102.5sec、76.5sec、50.5sec、24.5sec)のうちのいずれを仮の実開閉時間とするかを抽選等によって決定する。なお、抽選に際しては、ROM243の各種テーブル記憶エリア245から抽選用のテーブルと、RAM244の各種カウンタエリア249から抽選用のカウンタと、が取得される。例えば、抽選用のテーブルでは、今回受信した保留コマンドの変動表示時間が長いほど、長い実開閉時間が選択され易いようになっている。
ステップS3102又はステップS3103の処理を実行した後は、ステップS3104に進む。ステップS3104では、ステップS3102又はステップS3103にて把握/決定した実開閉時間が、102.5secであるか否かを判定する。かかる処理は、上記ステップS1902の処理に対応するものである。
ステップS3104にて否定判定した場合、ステップS3105にて、今回受信した保留コマンドについての変動表示時間を含めた変動表示時間の総時間を把握する処理を実行する。具体的には、上記の記憶カウンタの値を取得する処理を行う。
ステップS3106~ステップS3108の処理は、ステップS3105にて把握した変動表示時間の総時間を第1振分部材300の動作周期(80.0sec)で除算した場合の余りを算出する処理である。
すなわち、ステップS3106では、上記ステップS3105にて把握した総時間が動作周期80.0secよりも短いか否かを判定する。ステップS3106にて否定判定した場合には、ステップS3107にて総時間に対応する情報から動作周期80.0secに対応する情報を減算する処理を行い、その処理結果が動作周期よりも短いか否かを再びステップS3106にて判定する。そして、ステップS3106にて肯定判定することで、ステップS3108に進む。ステップS3108では、ステップS3106にて肯定判定した状態での総時間の情報を変動表示時間の余りの時間の情報として一次記憶する処理を行う。
ステップS3109では、第1振分部材300の制御状態を第1役物コマンドからの情報に基づいて把握する処理を行う。かかる処理は、ステップS1904の処理と同様である。また、ステップS3110では、ステップS3109の把握結果及び第1振分部材300の動作周期に基づいて、第1振分部材300が次にV態様となるまでの時間を把握する処理を行う。かかる処理は、ステップS1905の処理と同様である。
ステップS3111では上記ステップS3108にて一次記憶した変動表示時間の余りの時間にオープニング時間を加算する処理を実行する。かかる処理は、ステップS1906の処理に対応するものである。
そして、ステップS3112にて、上記ステップS3111にて加算した時間がステップS3110にて把握した次のV態様までの時間以上であるか否かを判定する。ステップS3110にて肯定判定した場合には、ステップS3113にて、ステップS3111にて加算した時間に開閉実行モードの実開閉時間を加算した時間に、次の次のV態様までの時間が含まれるか否かを判定し、含まれる場合には、ステップS3115にてV入賞ポイントVPの加算処理を行う。含まれない場合には、そのまま第1振分部材用処理を終了する。
また、ステップS3112にて否定判定した場合には、ステップS3114にて、ステップS3111に加算した時間に開閉実行モードの実開閉時間を加算した時間に、次のV態様までの時間が含まれるか否かを判定し、含まれる場合には、ステップS3115にてV入賞ポイントVPの加算処理を行う。また、ステップS3104にて肯定判定した場合にも、ステップS3115の加算処理を行う。
次に、ステップS3002の第2振分部材用処理について、図53のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3201では、今回受信している保留コマンドが大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。大当たり結果に対応するものであれば、ステップS3202にて、実開閉時間を把握する処理を実行する。一方、ステップS3201にて、外れ結果に対応するものであると判定した場合には、ステップS3203にて、仮の実開閉時間を抽選によって決定する。この処理は、ステップS3103の処理と同様である。
ステップS3202又はステップS3203の処理を実行した後は、ステップS3204に進む。ステップS3204では、今回受信した保留コマンドについての変動表示時間を含めた変動表示時間の総時間を把握する処理を実行する。
ステップS3205~ステップS3207の処理は、ステップS3204にて把握した変動表示時間の総時間を第2振分部材310の動作周期(600.0sec)で除算した場合の余りを算出する処理である。
すなわち、ステップS3205では、上記ステップS3204にて把握した総時間が動作周期600.0secよりも短いか否かを判定する。ステップS3205にて否定判定した場合には、ステップS3206にt総時間に対応する情報から動作周期600.0secに対応する情報を減算する処理を行い、その処理結果が動作周期よりも短いか否かを再びステップS3205にて判定する。そして、ステップS3205にて肯定判定することで、ステップS3207に進む。ステップS3207では、ステップS3207にて肯定判定した状態での総時間の情報を変動表示時間の余りの時間の情報として一次記憶する処理を行う。
ステップS3208では、第2振分部材310の制御状態を第2役物コマンドからの情報に基づいて把握する処理を行う。また、ステップS3209では、ステップS3208の把握結果及び第2振分部材310の動作周期に基づいて、第2振分部材310が次にV態様となるまでの時間を把握する処理を行う。
ステップS3210では上記ステップS3207にて一次記憶した変動表示時間の余りの時間にオープニング時間を加算する処理を実行する。そして、ステップS3211にて、上記ステップS3210にて加算した時間がステップS3209にて把握した次のV態様までの時間以上であるか否かを判定する。ステップS3209にて肯定判定した場合には、ステップS3212にて、ステップS3210にて加算した時間に開閉実行モードの実開閉時間を加算した時間に、次の次のV態様までの時間が含まれるか否かを判定し、含まれる場合には、ステップS3214にてV入賞ポイントVPの加算処理を行う。含まれない場合には、そのまま第1振分部材用処理を終了する。
また、ステップS3211にて否定判定した場合には、ステップS3213にて、ステップS3210に加算した時間に開閉実行モードの実開閉時間を加算した時間に、次のV態様までの時間が含まれるか否かを判定し、含まれる場合には、ステップS3214にてV入賞ポイントVPの加算処理を行う。
図柄決定処理の説明(図51)に戻り、ステップS3001及びステップS3002にて第1振分部材用処理及び第2振分部材用処理を実行した後は、ステップS3003にて、V入賞ポイントVPが2であるか否かを判定する。2である場合には、ステップS3004にて、今回の図柄予告の図柄を3又は7の番号が付された第1特定図柄として決定して、本図柄決定処理を終了する。また、ステップS3003にて否定判定した場合には、ステップS3005にてV入賞ポイントVPが1であるか否かを判定する。1である場合には、ステップS3006にて、今回の図柄予告の図柄を3及び7以外の奇数番号が付された第2特定図柄として決定して、本図柄決定処理を終了する。ステップS3005にて1ではないと判定した場合には、ステップS3007にて、今回の図柄予告の図柄を偶数番号が付された非特定図柄として決定して、本図柄決定処理を終了する。
保留予告用処理の説明(図50)に戻り、ステップS2906にて図柄決定処理を実行した後は、ステップS2907にて図柄予告を設定する処理を実行する。この処理では、ステップS2906にて決定した図柄が反映された特別保留用画像P2が表示されるように、表示制御装置212へコマンド出力する。表示制御装置212では、受信したコマンドの保留用画像による保留予告を図柄表示装置41にて行うためのデータテーブルをプログラムROM273から読み出し、そのデータテーブルに対応する保留用画像の画像データをキャラクタROM276から読み出し、その画像データをVDP275に対して描画リストとして出力する。これにより、図柄表示装置41では演出制御装置82のMPU242にて決定された保留用画像による保留予告が実行される。
ステップS2901にて対応フラグが格納されている場合、ステップS2905にて否定判定した場合、又はステップS2907の処理を実行した後は、ステップS2908にてその他の予告用処理を実行してから、保留予告用処理を終了する。その他の予告用処理では、今回受信した保留コマンドに基づいて、保留用画像以外を用いた保留予告(例えば背景変化、連続予告等)を行うための処理を実行する。
次に、保留制御用処理(図47)におけるステップS3009の図柄予告用処理について、図54のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、図柄予告用処理は、シフトコマンドを受信したことに基づいて実行される処理である。
ここで、上記のように図柄予告は、記憶済みの保留情報の変動表示時間が事前に特定可能な状況で行われる。そして、特定した変動表示時間の総時間に基づいて図柄予告の内容が決定される。しかし、変動表示時間の総時間は、図柄予告の開始後において変化する場合がある。すなわち、優先側の保留情報として下作動口34への入賞に基づく保留情報が取得された場合である。具体的には、下作動口34への入賞に基づく保留情報は、上作動口33への入賞に基づく保留情報よりも優先されて消化されるため(図20参照)、図柄予告が上作動口33への入賞に基づく保留情報によって実行されている場合であって、当該図柄予告の開始後であって当該図柄予告についての保留情報の遊技回開始前に下作動口34への入賞に基づく保留情報が取得されると、図柄予告において参照した変動表示時間の総時間は異なるものとなる。そこで、本実施形態では、保留情報のシフト時に総時間が異なることとなる場合には、それを修正する構成としている。以下、そのための処理について説明する。
すなわち、図54に示すように、先ず、ステップS3301では、記憶カウンタから、今回のシフトコマンドにて実行エリア250cにシフトする保留情報についての変動表示時間に対応する数値を減算する処理を行う。そして、ステップS3302にて、図柄予告を実行中であるか否かを判定する。図柄予告を実行中ではない場合には、そのまま図柄予告用処理を終了する。図柄予告を実行中である場合には、ステップS3303にて、今回実行エリア250cにシフトする保留情報が優先側の保留情報であるか否かを判定する。優先側の保留情報ではない場合には、そのまま図柄予告用処理を終了する。
今回実行エリア250cにシフトする保留情報が優先側の保留情報である場合には、ステップS3304にて図柄決定処理を実行する。図柄決定処理は、図51の処理と同様であり、現状の第1振分部材300や第2振分部材310の制御状態、及び優先側の保留情報についての変動表示時間を加えた総時間に基づいて、図柄を決定する処理を実行する。
ステップS3305では、実行中の図柄予告における図柄と、ステップS3304にて決定した図柄とを比較して、図柄の降格が生じるか否かを判定する。具体的には、実行中の図柄予告が第1特定図柄である場合においては、ステップS3304の図柄が第2特定図柄又は非特定図柄であると降格が生じると判定する。また、実行中の図柄予告が第2特定図柄である場合においては、ステップS3304の図柄が非特定図柄であると降格が生じると判定する。すなわち、実行中の図柄よりもV入賞率が低い側を示す図柄がステップS3304にて決定された場合には、降格が生じると判定する。
ステップS3305にて否定判定した場合、すなわち、図柄の降格が生じないと判定した場合には、ステップS3306にて、図柄の昇格が生じるか否かを判定する。具体的には、実行中の図柄予告が非特定図柄である場合においては、ステップS3304の図柄が第1特定図柄又は第2特定図柄であると昇格が生じると判定する。また、実行中の図柄予告が第2特定図柄である場合においては、ステップS3304の図柄が第1特定図柄であると昇格が生じると判定する。すなわち、実行中の図柄よりもV入賞率が高い側を示す図柄がステップS3304にて決定された場合には、昇格が生じると判定する。
ステップS3306にて否定判定した場合、すなわち、実行中の図柄予告の図柄と、ステップS3304にて決定された図柄とが同じ図柄である場合には、そのまま本図柄予告用処理を終了する。一方、ステップS3306にて肯定判定した場合には、ステップS3307にて、図柄変更処理を実行してから、本図柄予告用処理を終了する。図柄変更処理では、実行中の図柄予告における特別保留用画像P2の種類が、ステップS3304にて決定された図柄に対応する種類に変更されるように表示制御装置212を表示制御する。
ステップS3305にて図柄の降格が生じると判定した場合には、ステップS3308にて、図柄予告中止処理を実行してから、本図柄予告用処理を終了する。図柄予告中止処理では、実行中の図柄予告を中止して、表示されている特別保留用画像P2が通常保留用画像P1に変更されるように、表示制御装置212を表示制御する。
以上のように、本実施形態によれば、保留情報の取得時において、当該保留情報についての遊技回の変動表示時間と、保留用記憶エリア250に記憶されている保留情報についての変動表示時間と、実行中の遊技回の変動表示時間の残り時間と、開閉実行モードの開閉パターンと、第1振分部材300や第2振分部材310の制御状態と、に基づいて、取得した保留情報を契機とした開閉実行モード中にV入賞が発生するか否かといった情報を特定することが可能となる。これにより、例えば、高確率モードに移行し易いことを、当該高確率モードに移行する開閉実行モードの契機となる遊技回が実行されるよりも前に、事前に予測させることが可能となり、斬新な遊技を提供することができる。
また、優先側の保留情報が取得された場合等、変動表示時間の総時間が変更される場合には、図柄を修正し得る構成としたため、図柄予告の内容とV入賞率とに矛盾が生じるといった不都合の発生を回避することができる。この場合、図柄の修正に際しては、図柄の降格が生じる場合には、図柄予告自体を中止する構成とした。これにより、せっかく図柄予告によって高確率モードへの移行を期待していたのにもかかわらず、それが異なることによってがっかりしてしまう、といった事象を回避することができる。これに対して、図柄の昇格が生じる場合には、図柄の修正を許容したため、図柄予告が段階的にV入賞率の高い側に昇格してゆく様を存分に楽しませることが可能となる。
なお、上記の図柄予告を中止する事象や、図柄予告において昇格が発生する事象が、演出上発生する構成とすると、より好ましい。具体的には、図柄予告(特に外れ結果に基づく図柄予告)を、シフト時に所定確率で中止する構成とする。このようにすれば、図柄予告の中止が、図柄の降格によって生じたものと悟られにくくすることが可能となる。なお、優先側の保留情報のシフト時の方が、非優先側の保留情報のシフト時よりも図柄予告が演出上中止される確率を高くするとよい。このようにすれば、優先側の保留情報のシフト時に注視される上記実施形態の構成と事象的に同じものとなり、図柄の降格が生じて図柄予告が中止されたのか、それとも演出上中止されたのかを、見た目上わかりにくくすることが可能となる。
また、図柄予告において、例えば第1特定図柄による図柄予告が行われると決定された場合の所定割合で、先ず非特定図柄による図柄予告を行い、シフトの度に非特定図柄→第2特定図柄→第1特定図柄といったように、図柄の昇格が演出上発生するようにしてもよい。このようにすれば、図柄が昇格される頻度を高めることができる。
<第5の実施形態>
上記各実施形態では、各ラウンドの開放時間を、発射周期と上限入賞個数との積よりも短い時間として設定し、各ラウンドが予め定められたタイミングで終了し易いようにしていた。本実施形態では、各ラウンドの開放時間として、発射周期と上限入賞個数との積よりも長い時間にもなり得るようにしている。
図55は、本実施形態における第2結果表示部用の振分テーブルを示している。本実施形態では、16ラウンドの開閉実行モードへ移行する16R大当たり結果として、16R大当たり結果Aと16R大当たり結果Bとが設定されている。16R大当たり結果Aは、上記各実施形態における16R大当たり結果と同様であり、開放時間を5secとするラウンド遊技を16ラウンドに亘って実行する開閉実行モードへ移行する遊技結果である。これに対して、16R大当たり結果Bは、開放時間を発射周期と上限入賞個数の積よりも長い30secとするラウンド遊技を13ラウンドに亘って実行するとともに、開放時間を発射周期よりも短い0.1secとするラウンド遊技を3ラウンドに亘って実行する開閉実行モードに移行する遊技結果である。
16R大当たり結果Aと16R大当たり結果Bとを比較すると、16R大当たり結果Aに基づく開閉実行モードでは、1ラウンドで概ね8個の遊技球の入賞が期待でき、トータルで約1920個の賞球の払出が期待できる。これに対して、16R大当たり結果Bでは、1ラウンド目~13ラウンド目では上限入賞個数である10個の遊技球の入賞が期待できる一方、14ラウンド目~16ラウンド目では遊技球の入賞は期待できない。そのため、トータルで約1950個の賞球の払出が期待できる。つまり、16R大当たり結果Aと16R大当たり結果Bとは、得られる賞球がほぼ同じ個数である。
ちなみに、本実施形態における、大当たり用の図柄決定処理(図35)においては、各振分部材用処理(ステップS1801、ステップS1802)の実開閉時間の把握処理(ステップS1901、ステップS2001)にて、16R大当たり結果Bに基づく実開閉時間を、412.8sec(30.0sec×13+0.1sec×3+1.5sec×15)として計算を行う。また、ステップS1902では、把握した実開閉時間が上記412.8secである場合も肯定判定する(ステップS1909に進む)構成とする。
本実施形態における開閉処理について、図56のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3401では、開閉役物168が開放状態であるか否かを判定する。開閉役物168が開放状態ではない場合には、ステップS3402にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS3403にてタイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合又はタイマカウンタTCの値が「0」でない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でなく且つタイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS3404に進む。
ステップS3404では、今回の開閉実行モードが16R大当たり結果Bに基づく開閉実行モードであるか否かを判定する。ステップS3404にて肯定判定した場合には、ステップS3405にて、ラウンドカウンタRCが1~3であるか、すなわちこれから開始するラウンド遊技が、14ラウンド目~16ラウンド目であるか否かを判定する。ステップS3405にて否定判定した場合、すなわち1ラウンド目~13ラウンド目である場合は、ステップS3406にてタイマカウンタTCに「7500」(30sec)を入力する。また、ステップS3405にて肯定判定した場合には、ステップS3407にてタイマカウンタTCに「25」(0.1sec)を入力する。
ステップS3404にて否定判定した場合には、ステップS3408にてタイマカウンタTCに「1250」(5sec)を入力する。ステップS3406~ステップS3408のいずれかの処理を実行した後は、ステップS3409にて開閉役物168の開放処理を実行する。そして、ステップS3410にて入賞カウンタPCに上限入賞個数である「10」を入力して、ステップS3411にて開放コマンドを設定してから、開閉処理を終了する。
ステップS3401にて開閉役物168が開放状態である場合にはステップS3412に進み、タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTCの値が「0」でない場合、ステップS3413にて役物装置150に遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS3414にて入賞カウンタPCの値を1ディクリメントした後にステップS3415にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本開閉処理を終了する。
一方、ステップS3415にて入賞カウンタPCの値が「0」であり、上限入賞個数の遊技球の入賞が発生した場合には、ステップS3416にて上限入賞コマンドを設定する。上限入賞コマンドは、ラウンド遊技の終了条件のうち、上限入賞個数の入賞側の終了条件が成立してラウンド遊技が終了することを、演出制御装置82へ把握させるためのコマンドである。上限入賞コマンドは、通常処理における外部出力処理にて演出制御装置82に出力される。演出制御装置82側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS3412にてタイマカウンタTCの値が「0」であり開放時間が経過した場合、又はステップS3416の処理を実行した後は、ステップS3417にて役物装置150を閉鎖状態とする。続くステップS3418~ステップS3423の処理は、上記ステップS1013~ステップS1018の処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、本実施形態における演出制御装置82のMPU242にて実行される開閉実行モード用処理について、図57のフローチャートを参照しながら説明する。開閉実行モード用処理は、演出制御装置82のMPU242にて周期的に起動される各種演出用処理の一環(ステップS1503)として行われる処理である。
先ず、ステップS3501では、オープニングコマンドを受信しており、オープニング演出の実行タイミングであるか否かを判定する。オープニング演出の実行タイミングである場合には、ステップS3502に進み、オープニング演出設定処理を実行してから、開閉実行モード用処理を終了する。オープニング演出設定処理では、各種テーブル記憶エリア245からオープニング演出テーブルを読み出し、今回受信したオープニングコマンドに含まれる開閉実行モードの種類に対応するオープニング演出を行うよう、各種機器を制御する。また、オープニング演出設定処理では、今回設定するオープニング演出の内容の情報を含むコマンドを、表示制御装置212に出力する。表示制御装置212では、受信したコマンドの演出を図柄表示装置41にて行うためのデータテーブルをプログラムROM273から読み出し、そのデータテーブルに従って予め定められた画像更新タイミングとなる度に(例えば、20msec周期で)、VDP275に対して描画リストを出力する。これにより、図柄表示装置41では演出制御装置82のMPU242にて決定された演出パターンに従った演出が実行される。
ステップS3501にて否定判定した場合、ステップS3503に進む。ステップS3503では、閉鎖コマンドを受信しており、ラウンドの更新タイミングであるか否かを判定する。更新タイミングではない場合には、ステップS3504に進み、エンディングコマンドを受信しており、エンディング演出の実行タイミングであるか否かを判定する。エンディング演出の実行タイミングである場合には、ステップS3505のエンディング演出設定処理を実行してから、開閉実行モード用処理を終了する。エンディング演出設定処理では、各種テーブル記憶エリア245からエンディング演出テーブルを読み出し、今回の開閉実行モードの終了後に設定されるモードの種類(当否抽選モードの高低、サポートモードの高低)に対応する演出を行うよう、各種機器を制御する。また、エンディング演出設定処理では、今回設定するエンディング演出の内容の情報を含むコマンドを、表示制御装置212に出力する。表示制御装置212側の処理については上述したとおりである。また、ステップS3504にて否定判定した場合は、そのまま開閉実行モード用処理を終了する。
ステップS3503にて肯定判定して、ラウンドの更新タイミングである場合には、ステップS3506に進む。ステップS3506では、上限入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。すなわち、今回のラウンド遊技の終了が、上限入賞個数の入賞の発生に基づくものなのか、それとも開放時間の経過に基づくものなのかを判定する。開放時間の経過に基づくものである場合には、ステップS3507にて、通常のラウンド更新処理を実行してから、開閉実行モード用処理を終了する。ステップS3507では、各種テーブル記憶エリア245からラウンド演出テーブルを読み出し、閉鎖コマンドに含まれるラウンド回数の情報に基づいて、次に開始されるラウンドが何回目のラウンドかといった内容を含むラウンド演出が行われるように、各種機器を制御する。また、ステップS3507のラウンド更新処理では、今回設定するラウンド演出の内容の情報を含むコマンドを、表示制御装置212に出力する。表示制御装置212側の処理については上述したとおりである。
ステップS3506にて、上限入賞個数の入賞の発生に基づくものである場合には、ステップS3508に進む。ステップS3508では、今回の開閉実行モードにおいて既にV入賞が発生しているか否かを判定する。なお、主制御装置81における高確率モードへの移行用処理にてV入賞の発生が特定された場合に(ステップS1101:YES)、その情報を含むコマンドを演出制御装置82へ出力する構成とし、そのコマンドに基づいて上記判定を行う構成とするとよい。
ステップS3508にてV入賞済みであると判定した場合には、ステップS3507に進み、通常のラウンド更新処理を実行してから、開閉実行モード用処理を終了する。一方、ステップS3508にてV入賞済みではないと判定した場合には、ステップS3509にて図柄修正処理を実行してから、開閉実行モード用処理を終了する。
すなわち、上限入賞個数の入賞によってラウンド遊技が終了した場合、当該ラウンドは予め定められた開放時間よりも短い時間で終了することになる。そうすると、開閉実行モードの開始(より詳しくは、開閉実行モードの移行の契機となる遊技回の開始時等)に際して図柄決定用に用いた実開閉時間が変更されることになる。そこで、この場合、実開閉時間の変更に際して、次のラウンドで図柄の修正を行う構成としている。以下、図柄修正のための図柄修正処理について説明する。
図58に示すように、図柄修正処理では、ステップS3601にて第1振分部材用処理を実行し、ステップS3602にて第2振分部材用処理を実行する。
ステップS3601の第1振分部材用処理では、図59に示すように、ステップS3701にて、開閉実行モードの残りの実開閉時間を把握する処理を実行する。なお、MPU242は、実行中の開閉実行モードの種類と、今回更新するラウンド回の回数とを特定することで、実開閉時間を把握することができる。ステップS3702では、第1振分部材300の制御状態を第1役物コマンドの情報から把握する。そして、ステップS3703にて、第1振分部材300が次にV態様となるまでの残余時間を算出する。
ステップS3704では、ステップS3701にて把握した残りの実開閉時間に、ステップS3703にて把握したV態様となるまでの残余時間が含まれるか否かを判定する。含まれる場合には、ステップS3705にてV入賞ポイントVPを1加算する処理を実行する。ステップS3704にて否定判定した場合、又はステップS3705の処理を実行した後は、第1振分部材用処理を終了する。
ステップS3602の第2振分部材用処理では、図60に示すように、ステップS3801にて、開閉実行モードの残りの実開閉時間を把握する処理を実行する。ステップS3802では、第2振分部材310の制御状態を第2役物コマンドの情報から把握する。そして、ステップS3803にて、第2振分部材310が次にV態様となるまでの残余時間を算出する。
ステップS3804では、ステップS3801にて把握した残りの実開閉時間に、ステップS3803にて把握したV態様となるまでの残余時間が含まれるか否かを判定する。含まれる場合には、ステップS3805にてV入賞ポイントVPを1加算する処理を実行する。ステップS3804にて否定判定した場合、又はステップS3805の処理を実行した後は、第2振分部材用処理を終了する。
図柄修正処理の説明(図58)に戻り、ステップS3601及びステップS3602の処理を実行した後は、ステップS3603に進む。ステップS3603では、V入賞ポイントVPが2であるか否かを判定する。2である場合には、ステップS3604にて、修正後の図柄を3又は7の第1特定図柄に設定してから、図柄修正処理を終了する。この場合、ラウンド遊技の開始時やラウンド間の待機時間の演出において、今回の開閉実行モードの契機となった遊技回で停止させた図柄が、第1特定図柄に修正された(もともとが第1特定図柄であればその状態が維持されたこと)を示す演出が、図柄表示装置41の表示画面Gにて行われるように、表示制御装置212の表示制御が行われる。
ステップS3603にて否定判定した場合、ステップS3605にてV入賞ポイントVPが1であるか否かを判定する。1である場合には、ステップS3606に進み、修正前、すなわち、今回の開閉実行モードの移行の契機となった遊技回にて停止させた図柄(又は前回修正した図柄)が第1特定図柄であったか否かを判定する。第1特定図柄あった場合、ステップS3607に進み、保留用記憶エリア250の各エリアに記憶されている保留情報を把握する処理を実行する。そして、ステップS3608にて、ステップS3607の把握結果に基づいて、大当たり結果に対応する保留情報が含まれているか否かを判定する。すなわち、今回の開閉実行モード後に、開閉実行モードが連荘するか否かを判定する。開閉実行モードが連荘する場合には、仮にこの後のラウンド遊技においてV入賞が発生しなくても、高確率モードと同じような事象(すぐに大当たり結果となる)が発生するため、この場合、ステップS3604に進み、第1特定図柄に図柄を修正する処理を行ってから、本図柄修正処理を終了する。このようにすることで、図柄が降格してしまう事象を回避することが可能となる。
ステップS3606又はステップS3608にて否定判定した場合、ステップS3609にて、第2特定図柄に図柄を修正する処理を行ってから、本図柄修正処理を終了する。この場合、ラウンド遊技の開始時やラウンド間の待機時間の演出において、今回の開閉実行モードの契機となった遊技回で停止させた図柄が、第2特定図柄に修正された(もともとが第2特定図柄であればその状態が維持されたこと)を示す演出が、図柄表示装置41の表示画面Gにて行われるように、表示制御装置212の表示制御が行われる。
ステップS3605にて否定判定した場合、ステップS3610にて修正前はいずれかの特定図柄であったかを判定する。いずれかの特定図柄であった場合には、ステップS3611にて保留情報の確認処理を実行して、ステップS3612にて保留情報に大当たり結果に対応する保留情報が含まれているか否かを判定する。ステップS3611及びステップS3612の処理は、ステップS3607及びステップS3608の処理と同様である。そして、ステップS3612にて肯定判定した場合には、ステップS3604にて第1特定図柄に図柄を修正する処理を行ってから、図柄修正処理を終了する。
ステップS3610又はステップS3612にて否定判定した場合、ステップS3613にて非特定図柄に図柄を修正する処理を行ってから、図柄修正処理を終了する。この場合、ラウンド遊技の開始時やラウンド間の待機時間の演出において、今回の開閉実行モードの契機となった遊技回で停止させた図柄が、非特定図柄に修正された(もともとが非特定図柄であればその状態が維持されたこと)を示す演出が、図柄表示装置41の表示画面Gにて行われるように、表示制御装置212の表示制御が行われる。
以上のとおり、本実施形態においては、16R大当たり結果Bでは、開閉実行モード中において上限入賞個数の入賞が発生してラウンド遊技が終了・更新される場合がある。そのため、遊技回において報知された図柄に対応するV入賞率とは異なるV入賞率となる場合がある。第1特定図柄が停止して開閉実行モードに移行した場合においては、今回の開閉実行モードの実開閉時間からするとV入賞率が高いことを遊技者は認識する。そうすると、なるべく実開閉時間の変更がなされないようにV入賞を発生させるようにするものと考えられる。具体的には、例えば、上限入賞個数ぎりぎりの遊技球を入賞させるとともに、上限入賞個数の入賞を発生させずに開放時間の経過をまってラウンドを更新させる。そして、V入賞が発生した後は、上限入賞個数の入賞を発生させるように遊技する。このようにすれば、第1特定図柄が停止されたからといって、安心して開閉実行モードの遊技を行わせるのではなく、確実にV入賞が発生するように遊技球を発射させるといった遊技を行わせることが可能となり、開閉実行モードの新たな楽しみを追加することができる。
なお、本実施形態において図柄の修正は基本的にはV入賞率が低くなる側の図柄に修正される。そのため、本実施形態における遊技は、V入賞率が低くならないように開閉実行モード中の入賞個数を調節する遊技といえる。
16R大当たり結果Aと16R大当たり結果Bとで、実質的に払い出される賞球数をほぼ同数とした。これにより、1回の開閉実行モード中に得られる出球を変更することなく、新たな遊技性を実現することが可能となる。また、例えば、大当たり後に、16R大当たり結果Aと16R大当たり結果Bとを遊技者自身が選択可能な構成としても、実質的な有利度を変更することなく、純粋な遊技性という観点(16R大当たり結果Aは先に報知された結果が変更されない、16R大当たり結果Bは報知された結果を変更可能)で遊技者に選択させることが可能となる。
なお、例えば、16R大当たり結果Bのほうが16R大当たり結果Aよりも出球が少ない構成としてもよいし、その逆としてもよい。また、ラウンド数や上限入賞個数を異ならせることによって、出球の多い少ないを設定してもよい。16R大当たり結果Bのように開閉実行モード中の遊技者の介入が可能な開閉実行モードにおいては、その介入によって遊技者の関心が高められると考えられ、その観点からすると、出球によって関心を寄せさせなくても、当該開閉実行モードへの関心を寄せさせることが可能となっているといえる。そのため、出球率を高め過ぎない観点からも、遊技者の介入が可能な開閉実行モードの出球を少なくするメリットはある。また、上記のように、V入賞率が高いことが報知された場合には、上限入賞個数の入賞を発生させないようにする遊技が行われることが考えられるところ、この遊技を加味して実質的に払い出される出球(実質出球)は上限入賞個数の入賞を発生させた場合の出球(想定出球)よりも少ないことが考えられる。そうすると、介入が可能な開閉実行モードの出球(想定出球)を多くしても、実質的には想定出球ほど出球率が向上しないことが見込め、出球率の高騰を抑制することが可能となる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、いずれのラウンドにおいてV入賞が発生し易いかを報知する。
図61(a)は、オープニング演出設定処理を示すフローチャートである。オープニング演出設定処理は、開閉実行モード用処理(図57)のステップS3502にて実行される処理である。
ステップS3901では、今回の開閉実行モードの移行契機となった遊技回において、いずれかの特定図柄を停止させたか否かを判定する。特定図柄を停止させた場合とは、少なくとも大当たり用の図柄決定処理において、今回の開閉実行モード中に第1振分部材300や第2振分部材310によるV態様が重複すると判定した場合である。そこで、ステップS3902にて、いずれのラウンドにてV態様が重複するかを、今回の開閉実行モードの開閉パターンと第1振分部材300及び第2振分部材310の制御状態とに基づいて把握する。そして、ステップS3903にて、ステップS3902で把握したV入賞が発生し易いラウンドを対象ラウンドとし、その他のラウンドを通常ラウンドとする、各ラウンドのV入賞示唆演出を設定する。ステップS3901にて否定判定した場合、又はステップS3903の処理を実行した後は、ステップS3904にてオープニング演出を設定する処理を実行して、オープニング演出設定処理を終了する。ステップS3904にて設定するオープニング演出には、ステップS3903にて設定するV入賞示唆演出が含まれている。すなわち、V入賞示唆演出では、例えば、図61(c)に示すように、対象ラウンドを示すように「6Rと10Rが狙い目だ!」といった表示をオープニング演出として行う。
また、開閉実行モード用処理において、ラウンドの更新タイミングである場合には、図61(b)に示すように、ステップS4001にて対象ラウンドか否かを判定し、対象ラウンドではない場合には、ステップS4002にて通常ラウンド演出を設定し、対象ラウンドである場合には、ステップS4003にて対象ラウンド演出を設定してから、開閉実行モード用処理を終了する。通常ラウンド演出では、例えば図61(d)に示すように、女の子が表示される演出を行い、対象ラウンド演出では、例えば図61(e)に示すように、上記の女の子が喜んでいる姿が表示される演出を行う。
このようにすれば、遊技者としては、V入賞が発生し易いラウンドを明確に把握することが可能となり、当該ラウンドに対する注目度を大幅に高めることができる。
なお、上記構成を、第5の実施形態に適用してもよい。例えば、16R大当たり結果Bであれば、実質出球からして、V入賞が発生し易いラウンドが早いラウンドであれば、そのラウンドまで上限入賞個数の入賞を発生させないようにし、V入賞が発生し易いラウンドが遅いラウンドであれば、しばらくは上限入賞個数の入賞を発生させて図柄修正の結果を待ってV入賞に備えるといった遊技も可能となる。
V入賞が発生し易いラウンドを特定する処理を、大当たり用の図柄決定処理において行う構成としてもよい。そして、V入賞が発生し易いラウンドと、選択される図柄とを関連付けてもよい。この場合、例えば、早いラウンドでV入賞が発生し易い状態となる場合には、第1特定図柄が選択され易いようにし、V入賞が発生し易い状態が遅いラウンドである場合には、非特定図柄が選択されるようにするとよい。第1特定図柄が停止された場合には、実開閉時間の変更等による矛盾を生じさせないため、早々にV入賞が発生して高確率モードへの移行が確定することが好ましく、非特定図柄が停止された場合には、多くのラウンドでV入賞が発生し易くなるような遊技者の介入を行わせることが好ましいからである。
上記のようにV入賞が発生し易いラウンドによって図柄を決定する構成として、例えば、上記の対象ラウンドの把握処理を遊技回の開始時にも行う構成とし、大当たり用の図柄決定処理(図35)においてステップS1805にて肯定判定した場合、すなわち、V入賞ポイントVPが1である場合、上記の対象ラウンドが早いラウンド(例えば1~3R)であるか否かを判定する。そして、早いラウンドが対象ラウンドであれば、ステップS1804の第1特定図柄を設定する処理を行い、早いラウンドではない場合には、ステップS1806にて第2特定図柄を設定する処理を行う構成とする。
<第7の実施形態>
本実施形態では、遊技回の開始時における第1振分部材300や第2振分部材310の制御状態に基づいて、今回の遊技回の変動表示時間を決定する。図62は、本実施形態における変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。
ステップS4101では、いずれかの大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合には、ステップS4102にて大当たり用の変動表示時間の設定処理を実行する。ステップS4101にて大当たり結果ではない場合には、ステップS4103にてリーチ発生か否かを判定して、ステップS4104のリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照する処理、又はステップS4105のリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照する処理のいずれかの処理を実行する。
ステップS4102、ステップS4104又はステップS4105の処理を実行した後は、ステップS4106にて変動表示時間を設定する処理を実行してから、変動表示時間の設定処理を終了する。
ステップS4102の大当たり用の変動表示時間の設定処理について、図63のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4201では、第1役物用カウンタYK1及び第2役物用カウンタYK2の値を把握する処理を実行する。ステップS4202では、YK1及びYK2が所定値として、YK1=10000且つYK2=130000となるまでの期間を把握する。
ステップS4203では、ステップS4202にて把握した期間が、30sec以上であるか否かを判定する。30sec以上である場合には、ステップS4204にて、ステップS4202にて把握した期間を今回の遊技回の変動表示時間として決定し、30sec未満である場合にはステップS4205にて30secを加算した時間をステップS4204にて今回の遊技回の変動表示時間として決定する。ステップS4204の処理を実行した後は、本設定処理を終了する。ステップS4204にて決定された変動表示時間は、上記ステップS4106にて遊技回の変動表示時間として設定される。
このようにすることで、開閉実行モードの開始時の第1振分部材300と第2振分部材310の状態がYK1=10000且つYK2=130000の状態に統一される。
演出制御装置82側の大当たり用の図柄決定処理における第1振分部材用処理では、図64(a)に示すように、ステップS4301にて今回の開閉実行モードの契機となる遊技結果が4R大当たり結果であるか否かを判定する。4R大当たり結果以外の大当たり結果である場合には、ステップS4302にてV入賞ポイントVPを1加算する処理を行ってから、第1振分部材用処理を終了する。また、4R大当たり結果である場合は、V入賞ポイントの加算処理を行うことなく、第1振分部材用処理を終了する。
また、大当たり用の図柄決定処理における第2振分部材用処理では、図64(b)に示すように、ステップS4401にて4R大当たり結果又は8R大当たり結果であるか否かを判定する。4R大当たり結果及び8R大当たり結果以外の大当たり結果である場合には、ステップS4402にてV入賞ポイントVPの加算処理を行ってから、第2振分部材用処理を終了する。4R大当たり結果又は8R大当たり結果である場合には、V入賞ポイントVPの加算処理を行うことなく、第2振分部材用処理を終了する。
開閉実行モードの開始時の第1振分部材300及び第2振分部材310の状態と、各開閉実行モードの関係について、図64(c)を参照しながら説明する。
上記のとおり遊技回の変動表示時間は、第1振分部材300の第1役物用カウンタYK1が10000となり、且つ第2振分部材310の第2役物用カウンタYK2が130000となるタイミングで遊技回が終了するように設定される。すなわち、開閉実行モードの開始から40sec後に第1振分部材300の1回の動作周期が終了し、開閉実行モードの開始から80sec後に第2振分部材310の1回の動作周期が終了するように設定される。この場合、4ラウンドの開閉実行モード以外の開閉実行モードにおいては、実開閉時間と第1振分部材300がV態様となるタイミングが重複し、4ラウンド及び8ラウンドの開閉実行モード以外の開閉実行モードにおいては、実開閉時間と第2振分部材310がV態様となるタイミングが重複する。
以上の結果、周期的に動作する第1振分部材300や第2振分部材310の動作タイミングを変更することなく、これら第1振分部材300や第2振分部材310の動作と、開閉実行モードにおけるV入賞率とを、関連付けることが可能となる。
この場合、上記各実施形態のような演出制御装置82における算出処理(大当たり用の図柄決定処理)を行うことなく、主制御装置81側の情報のみでV入賞率を把握することができる。そのため、図柄表示装置41に停止させる図柄だけでなく、メイン表示部43に停止させる図柄を、V入賞率と関連付けることも可能である。
本実施形態は、以下のようにも変形可能である。図65は本変形例におけるオープニング期間の設定処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、オープニング期間の設定処理は、遊技状態移行処理(図23)におけるステップS906にて実行される処理である。なお、本実施形態では、開閉実行モードへ移行する遊技回の停止図柄(メイン表示部43及び図柄表示装置41の停止図柄)は抽選等によってランダムに決定される。但し、メイン表示部43にて停止させた図柄と、サブ側の図柄表示装置41にて停止させた図柄とが関連付けられる構成とする。具体的には、停止図柄を主制御装置81側で決定し、それに基づいて演出制御装置82にて図柄表示装置41の停止図柄を設定する構成とする。
ステップS4501では、第1振分部材300の位置を把握する処理を実行する。具体的には、第1役物用カウンタYK1を把握する処理を実行する。続くステップS4502では、第2振分部材310の位置を把握する処理を実行する。続くステップS4503では、停止図柄を把握する処理を実行する。すなわち、メイン表示部43に停止させた図柄を把握する処理を実行する。続くステップS4504では、メイン表示部43に停止させた図柄が、第1特定図柄に対応する図柄であるか否かを判定する。第1特定図柄に対応するものである場合には、ステップS4505にて、第1振分部材300がV態様となるタイミングと、第2振分部材310がV態様となるタイミングと、のいずれもが今回の開閉実行モードの実開閉時間中に存在するように、オープニング時間の長さを設定して、本設定処理を終了する。
ステップS4504にて第1特定図柄に対応するものではないと判定した場合には、ステップS4506にて第2特定図柄に対応するものであるか否かを判定する。第2特定図柄に対応するものである場合には、ステップS4507にて、第1振分部材300がV態様となるタイミングと、第2振分部材310がV態様となるタイミングと、のいずれかが今回の開閉実行モードの実開閉時間中に存在するように、オープニング時間の長さを設定して、本設定処理を終了する。
ステップS4506にて非特定図柄に対応するものであると判定した場合には、ステップS4508にて、第1振分部材300がV態様となるタイミングと、第2振分部材310がV態様となるタイミングと、のいずれもが今回の開閉実行モードの実開閉時間中に存在しないように、オープニング時間の長さを設定して、本設定処理を終了する。
すなわち、上記実施形態においては、遊技回の変動表示時間を各振分部材300,310の制御状態によって設定してV入賞率を設定したが、本変形例では、オープニング時間の長さを各振分部材300,310の制御状態によって設定してV入賞率を設定する。このようにすれば、遊技回の実行時においては、各振分部材300,310の制御状態を把握したりする必要がなく、様々な演出の設定が行われるであろう遊技回の開始タイミングにおける処理負荷の局所的な増加を回避することができる。また、開閉実行モードの開始に際して、後追いでV入賞率をそれよりも以前に報知した内容(停止図柄)にあわせることができるので、保留情報に含まれる数値情報の当否抽選に基づく開閉実行モードだけでなく、所定の入球部への入球に基づく開閉実行モードの発生といったように、様々な開閉実行モードの発生態様に対応することが可能となる。
<第8の実施形態>
本実施形態では、遊技盤24の構成が、上記各実施形態と異なっている。
図66は本実施形態における遊技盤24を示す正面図である。
本実施形態における遊技盤24には、役物装置150が設けられていない。その代わりに、遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも遊技球が入球しにくい又は入球できない閉状態とに切換可能な可変入球装置が複数設けられている。具体的には、左側領域PE2に第1可変入賞装置341が設けられており、右側領域PE3に第2可変入賞装置342が設けられている。第1可変入賞装置341と第2可変入賞装置342とは同じ構成であるため、以下の説明では、第1可変入賞装置341のみを説明する。
図67(a)は第1可変入賞装置341の側方から見た状態の縦断面図であり、図67(b)は第1可変入賞装置341の背面側から見た状態の縦断面図である。
図67(a)に示すように、第1可変入賞装置341は、前後方向に開放され遊技球が通過可能な大きさの振分入口351が形成されているとともに、当該振分入口351を遊技球が通過不可である閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態とに切り換える振分部材352を備えている。振分部材352は振分入口用の駆動部353により図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。振分入口351は案内通路354の入口を構成しており、振分入口351から流入した遊技球は案内通路354を下流側へと流下する。
案内通路354は、図67(b)に示すように、その途中位置から二股に分岐しており、分岐位置よりも上流側を構成する上流領域355と、分岐位置よりも下流側の一方を構成するV入賞用領域(又は有利用領域)356と、分岐位置よりも下流側の他方を構成する排出用領域(又は不利用領域)357と、を備えている。また、分岐位置には、上流領域355から当該分岐位置に到達した遊技球をV入賞用領域356及び排出用領域357のいずれかに振り分ける振分手段としてシャッタ358が設けられている。シャッタ358がシャッタ用の駆動部359により駆動されていない状態では分岐位置に到達した遊技球が排出用領域357へ流入することとなり、シャッタ358がシャッタ用の駆動部359により駆動されている状態では分岐位置に到達した遊技球がV入賞用領域356へ流入することとなる。
シャッタ358は、上記各実施形態における振分部材300,310に相当するものである。すなわち、シャッタ358は、電源投入後から、予め定められた動作周期でV入賞用領域356へ遊技球を振り分けるV態様と排出用領域357へ遊技球を振り分ける外れ態様との切り換えが行われる。
上流領域355に流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにしてカウント用の検知センサ361が設けられている。カウント用の検知センサ361にて遊技球が検知されたことに基づき、第1可変入賞装置341への入賞に対応した賞球の払い出しが実行される。また、V入賞用領域356に流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにしてV入賞用の検知センサ362が設けられている。V入賞用の検知センサ362にて遊技球が検知されたことに基づき、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードに設定される。
また、排出用領域357に流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにして排出用の検知センサ363が設けられている。排出用の検知センサ363及びV入賞用の検知センサ362からの検知結果に基づき、第1可変入賞装置341内に遊技球が残存しているか否かが判定される。
図による詳細な説明は省略するが、シャッタ358は、主制御装置81のMPU112にて周期的に起動されるシャッタ用の制御処理にて、予め定められた動作周期でV態様と外れ態様との切換制御が行われるようになっている。そして、上記各実施形態と同様に、このシャッタ358の切換制御は、開閉実行モードの進行状況とは関係なく実行される。なお、シャッタ358の動作周期は、第1可変入賞装置341と第2可変入賞装置342とで同じ動作周期であってもよいし、異なる動作周期であってもよい。
図68は、本実施形態における開閉処理を示すフローチャートである。
本実施形態における開閉実行モードでは、1ラウンド中に第1可変入賞装置341又は第2可変入賞装置342による複数回の開閉が行われる。そして、両可変入賞装置341,342の総開閉時間(開閉時間の合計)が予め定められた時間となった場合、又は両可変入賞装置341,342への総入賞個数(入賞個数の合計)が予め定められた個数となった場合に、1ラウンドの終了条件が成立したとして、ラウンドの更新が行われる。
具体的には、ステップS4601にていずれかの可変入賞装置341,342が開放状態であるか否かを判定する。いずれの可変入賞装置341,342も開放状態ではない場合には、ステップS4602にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS4603にてタイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合又はタイマカウンタTCの値が「0」でない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でなく且つタイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS4604に進み、可変入賞装置341,342のいずれを開放状態とするかを抽選により決定する。続くステップS4605では、ステップS4604の抽選結果に基づいて第1可変入賞装置341を開放状態とするとしたかを判定する。第1可変入賞装置341を開放状態とする場合には、ステップS4606にて、第1可変入賞装置341の駆動部353を駆動制御して、第1可変入賞装置341への入賞が許容される状態とする。一方、ステップS4605にて第2可変入賞装置342を開放状態とすると判定した場合には、ステップS4607にて、第2可変入賞装置342の駆動部353を駆動制御して、第2可変入賞装置342への入賞が許容される状態とする。
ステップS4606又はステップS4607の処理を実行した後は、ステップS4608にてタイマカウンタTCに「825」(3.3sec)を入力する処理を実行する。ステップS4608にて入力する値は、1ラウンド中の総開放時間ではなく、1回の開放に対応する単位開放時間に相当する。そして、ステップS4609にて、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたオープンカウンタOCを1減算する処理を実行する。オープンカウンタOCは、1ラウンド中の開放回数をMPU112が特定するためのカウンタであり、1ラウンドの更新に際して所定値(本実施形態では2)が入力されるカウンタである。
続くステップS4610では、入賞カウンタPCに「10」を入力し、ステップS4611では開放コマンドを設定して、開閉処理を終了する。
ステップS4601にていずれかの可変入賞装置341,342が開放状態である場合には、ステップS4612に進む。ステップS4612では、タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTCの値が「0」でない場合、ステップS4613にて第1可変入賞装置341又は第2可変入賞装置342に遊技球が入賞したか否かを、カウント用の検知センサ361の検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS4614にて入賞カウンタPCの値を1ディクリメントした後にステップS4615にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本開閉処理を終了する。ステップS4615にて入賞カウンタPCが「0」である場合には、ステップS4616にて開放状態としている可変入賞装置341,342を閉鎖状態とする処理を実行する。
ステップS4612にてタイマカウンタTCの値が「0」であり開放時間が経過した場合、ステップS4617に進む。ステップS4617では、1ラウンド中の1回の単位開放時間が経過したものとして、開放状態としている可変入賞装置341,342を閉鎖状態とする処理を実行する。そして、ステップS4618にて、オープンカウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、オープンカウンタOCを1減算する処理を実行する。続くステップS4619では、オープンカウンタOCが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま開閉処理を終了する。
ステップS4619にてオープンカウンタOCが0である場合、又はステップS4616にて入賞カウンタPCの値が「0」であり上限入賞個数の入賞が発生したことに基づいて閉鎖処理を実行した場合は、ラウンドの終了条件が成立したことを意味する。この場合、ステップS4620にて、ラウンドカウンタRCの値を1ディクリメントし、ステップS4621にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合にはステップS4622にてインターバルの設定処理を実行する。そして、ステップS4623にてオープンカウンタOCに2を入力する処理を実行してから、ステップS4624にて閉鎖コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。
ステップS4621にて、ラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS4625にて、エンディングの開始処理を実行し、ステップS4626にて、エンディングコマンドを設定した後に、本開閉処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、1回のラウンドにおいて、第1可変入賞装置341及び第2可変入賞装置342のいずれか開放されることを1回の単位開放として、当該単位開放が複数回である2回実行される。各単位開放では、単位開放時間(3.3sec)が定められており、単位開放時間が経過することで単位開放が終了する。ここで、1ラウンド中の単位開放時間の合計は、発射周期と上限入賞個数との積(6.0sec)よりも長くなるように設定されている。一方で、1回の単位開放時間は、発射周期と上限入賞個数の積よりも短くなるように設定されている。さらに、本実施形態では、各単位開放において、第1可変入賞装置341及び第2可変入賞装置342のいずれが開放されるかが遊技者には把握できない又は把握しにくいようになっている。つまり、遊技者は、上限入賞個数の遊技球の入賞を発生させるためには、第1可変入賞装置341及び第2可変入賞装置342のいずれが開放されるかを予測して遊技球を発射させる必要があり、この予測が当たると、上限入賞個数の遊技球を入賞させてラウンドを終了させることが可能となる。
ここで、上記第5の実施形態で示したように、上限入賞個数を入賞させてラウンドを終了させると、実開閉時間の変更がなされ、その後のV入賞率が変化し得る。また、上限入賞個数の入賞が発生せず、総開放時間が経過してラウンドが終了すると、実開閉時間の変更がなされず、その後のV入賞率が変化しない。つまり、遊技者の上記予測が当たって上限入賞個数の入賞を発生させれば、その後のV入賞率を変化させることが可能となるし、上記予想が外れて又は意図的に上限入賞個数の入賞が発生しなければ、その後のV入賞率は変化しない。
このように、各ラウンドにおける上限入賞個数に基づく終了条件の成否を用いて、V入賞率を変化させる構成を、遊技球の打ち分けによって入賞が可能となる構成に適用することで、遊技者の介入を要する斬新な遊技とすることが可能となる。
ここで、V入賞率を変化させたい場合であっても、第1可変入賞装置341と第2可変入賞装置342との予測が当たった場合に上限入賞個数の入賞が発生し得る構成としたため、遊技者の介入を許容しつつも、抽選の要素が含まれるようにし、遊技者の遊技の熟練度によらず遊技の公平性を担保することが可能となる。
<第9の実施形態>
本実施形態では、上記第4の実施形態における保留予告を変形して、新たな遊技性を実現している。以下、本実施形態における保留予告の変形点を説明する。
図69は、本実施形態におけるリーチ発生用の変動表示時間テーブルである。本実施形態では、リーチ発生時においても共通保留数CRNに応じて変動表示時間が異なるように設定されている。本実施形態では、遊技回の開始時の共通保留数CRNが多いほど、短い変動表示時間が設定されるようになっている。共通保留数CRNは、上作動口33や下作動口34への入賞に基づいて増加し、遊技回が消化される度に減少するものであるため、保留予告を行う際に把握する変動表示時間と、遊技回の開始時に設定する変動表示時間とが異なり得る。なお、本実施形態におけるリーチ非発生用の変動表示時間テーブルは、図34(b)のものと同様であり、共通保留数CRNに応じて変動表示時間が変化しない保留数非対応情報(CS=0~99)と共通保留数CRNに応じて変動表示時間が変化する保留数対応情報(CS=100~199)とが設定されている。
図70は、本実施形態における保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、保留コマンドの設定処理は、作動口用の入賞処理(図16)において遊技球が上作動口33や下作動口34へ入賞した場合に実行される一処理(情報取得処理、図17におけるステップS306)である。
本実施形態では、ステップS4701にて遊技結果を把握する。続くステップS4702ではリーチ発生か否かの情報を把握し、ステップS4703では現状の保留数を把握する。続くステップS4704では、上記ステップS4701~ステップS4703の把握結果に対応する変動表示時間テーブルを取得する。そして、ステップS4705にて現時点での保留数で設定され得る変動表示時間を把握する。ステップS4706では、これら遊技結果の情報及び変動表示時間の情報を保留コマンドに設定する処理を実行する。ステップS4706の処理を実行した後は、保留コマンドの設定処理を終了する。
本実施形態における保留制御用処理では、図71のフローチャートに示すように、ステップS4801にて保留コマンドを受信している場合には、ステップS4802にて副側保留記憶数SNの加算処理を実行してから、ステップS4802にて、保留情報把握処理を実行する。ステップS4801及びステップS4802の処理は、上記ステップS2601及びステップS2602の処理と同様である。
本実施形態における保留情報把握処理では、図72のフローチャートに示すように、ステップS4901にて遊技結果を把握する処理を実行し、ステップS4902にて遊技結果を保留エリアに記憶する処理を実行する。ステップS4901及びステップS4902の処理は、上記ステップS2701及びステップS2702の処理と同様である。
ステップS4903では、保留コマンドに含まれる変動表示時間を記憶カウンタに加算する処理を実行する。すなわち、本実施形態では、取得した保留情報が保留数対応情報であるか否かにかかわらず、現時点での保留数に応じた変動表示時間が、記憶カウンタに加算される構成としている。ステップS4903の処理を実行した後は、保留情報把握処理を終了する。
保留制御用処理の説明に戻り、ステップS4803の処理を実行した後は、ステップS4804にて保留予告用処理を実行する。この処理は、上記図50の処理と同様であり、記憶カウンタの情報と、各振分部材300,310の動作状況(カウンタ)に基づいて、保留予告用の図柄を決定するための処理を行う。そして、ステップS4805にて保留増加用処理を実行してから、保留制御用処理を終了する。ステップS4805の処理は、ステップS2605の処理と同様である。
ステップS4801にて保留コマンドを受信していない場合には、ステップS4806にて、シフトコマンドを受信しているか否かを判定する。受信している場合には、ステップS4807にて副側保留記憶数SNを1減少させる処理を行う。続くステップS4808では、図柄予告用処理を実行する。その後、ステップS4809にてシフト処理を実行してから、保留制御用処理を終了する。すなわち、本実施形態では、対応用シフト処理は実行しない。これは、本実施形態では、各保留情報について保留数対応情報と保留数非対応情報とで同様の処理を行うようにしていることに基づく変更点である。この変更点により、処理構成の簡素化が図られている。
本実施形態における図柄予告用処理について、図73のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、既に説明したとおり、図柄予告は変動表示時間の総時間(記憶カウンタ)に基づいて行われる構成であり、上記第4の実施形態における保留予告においては、この変動表示時間の総時間が変化する場合として、優先側の保留情報が取得された場合について説明した。これに対して、本実施形態では、優先側の保留情報が取得された場合以外にも、非優先側の保留情報が取得された場合においても変動表示時間の総時間は変化し得る。
本実施形態における図柄予告用処理では、先ず、ステップS5001にて記憶カウンタから、今回のシフトコマンドにて実行エリアにシフトされた保留情報についての変動表示時間に対応する数値を減算する処理を行う。続くステップS5002では、現状の記憶カウンタに基づくV入賞率を把握するために保留予告用処理を実行する。ステップS5001~ステップS5003の処理は、ステップS3301、ステップS3302及びステップS3304の処理と同様である。
ステップS5004では、ステップS5003にて把握した図柄予告の図柄がそれまでの図柄予告の図柄から降格しているか否かを判定する。降格していない場合には、ステップS5005にて昇格しているか否かを判定し、昇格している場合には、ステップS5006にて昇格報知用処理を実行してから、図柄予告用処理を終了する。昇格報知用処理では、図柄予告における図柄を変更するとともに、その変更により図柄が昇格したことを報知するための処理を行う。例えば、図74(a)に示すように、第1保留表示領域Gaにおける第2単位保留表示領域Ga2にて表示される非特定図柄の特別保留用画像P2にて図柄予告が行われていたとする。昇格報知用処理が行われる場合、図柄予告の対象となっている保留情報が取得されてから、新たに保留情報が取得されて変動表示時間の総時間が変更されている。図74(b)では、第2単位保留表示領域Ga2にて表示されていた特別保留用画像P2が第1単位保留表示領域Ga1にシフトされ、また、第1結果表示部AS側の保留情報と第2結果表示部BS側の保留情報が取得された例を示している。昇格報知用処理では、特別保留用画像P2の種類を非特定図柄から特定図柄(図では第1特定図柄)に変更して表示するように表示制御装置212を制御するとともに、図柄の昇格が発生したことを例えば「チャンスUP!!」と表示して報知するように表示制御装置212を制御する。
一方、ステップS5004にて図柄が降格している場合には、ステップS5007にて降格報知用処理を実行してから、図柄予告用処理を終了する。降格報知用処理では、図柄予告における図柄を変更するとともに、その変更により図柄が降格したことを報知するための処理を行う。例えば、図75(a)に示すように、第1保留表示領域Gaにおける第2単位保留表示領域Ga2にて表示される特定図柄(図では第1特定図柄)の特別保留用画像P2にて図柄予告が行われていたとする。降格報知用処理が行われる場合、図柄予告の対象となっている保留情報が取得されてから、新たに保留情報が取得されて変動表示時間の総時間が変更されている。図75(b)では、第2単位保留表示領域Ga2にて表示されていた特別保留用画像P2が第1単位保留表示領域Ga1にシフトされ、また、第1結果表示部AS側の保留情報と第2結果表示部BS側の保留情報が取得された例を示している。降格報知用処理では、特別保留用画像P2の種類を特定図柄から非特定図柄に変更して表示するように表示制御装置212を制御するとともに、図柄の昇格が発生したことを例えば「ピンチ!!」と表示して報知するように表示制御装置212を制御する。また、降格報知用処理では、「保留取得でチャンスUP?!」と、新たな保留情報を取得させることで、更なる図柄の変更(昇格)が発生し得ることを示唆する報知を行うよう表示制御装置212を制御する。
本実施形態における開閉実行モードの実行タイミングが変更される様子について、図76及び図77のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、図76及び図77では、V態様と開閉実行モードの重複の有無をよりわかり易くするため、それぞれの期間の長さを実際の長さと異ならせて表示している。
先ず、図76(a)に示すように、tO1からtO2のタイミングで開閉実行モードが行われ、それよりも前のタイミングであるtV1からtV2のタイミングで第1振分部材300又は第2振分部材310がV態様となる状況について説明する。この場合、開閉実行モード開始までの時間、すなわち変動表示時間の総時間の変更がなされなければ、開閉実行モードとV態様との重複は生じないため、V入賞が発生しない。そのため、図柄予告においては、非特定図柄を用いた特別保留用画像P2が表示される。
図76(b)に示すように、開閉実行モード開始よりも前のタイミング(より詳しくは、開閉実行モードの開始契機となる遊技回の開始よりも前のタイミング)であるtF1やtF2のタイミングで、上作動口33への入賞が発生し、共通保留数CRNが増加した場合、図69の変動表示時間テーブルに示すように、増加前と比較して変動表示時間が短縮される。その結果、開閉実行モードまでの時間が短縮されて、開閉実行モードは、図76(a)の場合よりも前のタイミングで実行されることになる。そうすると、図76(b)では、tO3からtO4のタイミングの開閉実行モードと、tV1からtV2のタイミングのV態様とに重複が生じるようになり、V入賞が発生し得るようになる。その結果、図柄予告における特別保留用画像P2は、非特定図柄から特定図柄に変更される。
図77(b)に示すように、tO1からtO2のタイミングで開閉実行モードが行われ、それよりも後のタイミングであるtV1からtV2のタイミングで第1振分部材300又は第2振分部材310がV態様となる状況について説明する。この場合においても、上記図76(a)と同様に、開閉実行モードとV態様との重複が生じないため、図柄予告では、非特定図柄の特別保留用画像P2が表示される。
図77(b)に示すように、開閉実行モード開始よりも前のタイミング(より詳しくは、開閉実行モードの開始契機となる遊技回の開始よりも前のタイミング)であるtF1やtF2のタイミングで、下作動口34への入賞が発生すると、当該保留情報は優先側の保留情報であるため、後から取得したこれらの保留情報の遊技回が開閉実行モードよりも先に実行され得る。その結果、開閉実行モードまでの時間が延長されて、開閉実行モードは、図77(a)の場合よりも後のタイミングで実行されることになる。そうすると、図77(b)では、tO3からtO4のタイミングの開閉実行モードと、tV1からtV2のタイミングのV態様とに重複が生じるようになり、V入賞が発生し得るようになる。その結果、図柄予告における特別保留用画像P2は、非特定図柄から特定図柄に変更される。
以上のように、本実施形態では、開閉実行モードまでの時間が変更され得る構成を利用して、開閉実行モードとV態様との重複の有無を遊技者の操作によって変更し得るようにした。これにより、開閉実行モード開始までの時間をより有意義に使うことができ、遊技への参加を促すことを通じて遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
上作動口33への入賞が発生すると開閉実行モードまでの時間は短縮され易く、下作動口34への入賞が発生すると開閉実行モードまでの時間は延長され易い。つまり、開閉実行モードとV態様とにズレが生じている場合において、開閉実行モードを前又は後のいずれにも調整可能となっている。このようにすることで、遊技者の参加意欲を掻き立てることが可能となる。
なお、下作動口34への入賞が通常時(低頻度サポートモード時)においても発生し得るように、電動役物34aが閉鎖状態でも下作動口34へ入賞可能な構成としたり、低頻度サポートモード時における電動役物34aが開放状態となる頻度を高めたり開放状態が継続される期間を長くする、開放状態となる回数を増やす、等してもよい。また、下作動口34の他に別途、作動口を設け、当該作動口への入賞に基づいて、第2結果表示部BS側の保留情報が取得される構成としてもよい。これらにおいて、通常時に第2結果表示部BSの保留情報が取得されることによる出球率の高騰を抑制するため、例えば、第2結果表示部用の振分テーブルを第1結果表示部用の振分テーブルよりも有利なテーブルとしていた上記構成を変更(第1結果表示部用の方が有利とする、又は同じ有利度とする)してもよい。
上記のように、開閉実行モードまでの時間を調節するために入賞させる入球部は、当否抽選の契機となる上作動口33及び下作動口34としている。そのため、開閉実行モードまでの時間を調節するために、無駄な発射態様を強いることなく、仮に入賞したのにも関わらず変更がうまくいかなくても、少なくとも当否抽選は受けられるため、遊技者は損をするわけではない。そのため、時間を調節する遊技への参加のハードルを下げ、当該遊技への参加を好適に促すことができる。
昇格報知用処理においては、図柄が昇格したことを報知するように制御する一方、降格報知用処理においては、図柄が降格したことを報知するように制御するとともに、更なる保留取得(時間の変更)を促す報知を行うように制御する構成とした。このようにしたことで、降格報知が行われた場合であっても、更なる変更が可能であることを認識させることができ、遊技者は再度図柄が変更されるように遊技球の発射を継続するものと考えられる。また、換言すると、昇格報知用処理では更なる保留取得を促す報知を行わないように制御する構成とした。このようにしたことで、せっかく図柄が昇格したのにもかかわらず、再度変更が行われて降格してしまう事象の発生を抑制することが可能となる。
共通保留数CRNの数に応じて開閉実行モードまでの時間が異なる構成であるため、共通保留数CRNの数に応じて開閉実行モードとV態様の重複が生じるか否かが異なることになる。そのため、共通保留数CRNの数に応じて、V入賞が発生して開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードとなる確率が異なる構成といえる。このようにすることで、単に開閉実行モードへ移行させて賞球を得る遊技や、開閉実行モード中にV入賞させて高確率モードへ移行させる遊技とは異なり、開閉実行モードへ移行させるまでの間を利用して高確率モードへの移行率を変化させる、といった斬新な遊技とすることができる。
この場合、一旦、開閉実行モードまでの時間が設定されても、更なる保留情報の取得(共通保留数CRNの変化)によって当該開閉実行モードまでの時間は変化し得る。このようにしたことで、遊技者が介入する余地を残し、遊技への参加を促すことが可能となる。
<第10の実施形態>
本実施形態では、第5の実施形態を変形し、開閉実行モードのラウンド遊技において上限入賞個数の入賞を発生させるとV入賞率が向上する事象が発生し得るようにする。以下、そのための構成について説明する。
先ず、本実施形態では、第5の実施形態にて示した第2結果表示部用の振分テーブル(図55)を、第1結果表示部用の振分テーブルとしても利用する。すなわち、上作動口33への入賞に基づいて大当たり結果となった場合においても、上限入賞個数の入賞が発生し得る16R大当たり結果Bとなる場合がある。
また、本実施形態における開閉実行モードでは、上限入賞個数の入賞が発生し得る16R大当たり結果Bのラウンド間の待機時間が、上記第5の実施形態よりも長く設定される。すなわち、図78のフローチャートに示すように、本実施形態における開閉処理では、上記ステップS3401~ステップS3418と同様にステップS5101~ステップS5118の処理を実行し、ステップS5119にてラウンドカウンタRCが0であるか否か判定する。ラウンドカウンタRCが0ではない場合には、ステップS5120にて、今回の開閉実行モードが16R大当たり結果Bによるものであるか否かを判定する。16R大当たり結果Bではない場合、すなわち16R大当たり結果Aである場合には、ステップS5121に進みタイマカウンタTCに「375(1.5sec)」を入力する。この場合、既に説明したとおり、V態様となる期間よりもラウンド間の待機時間の方が短くなり、V態様とラウンド間の待機時間とが重複しても、その待機時間の前又は後のラウンドにおける開放時間とV態様との重複が生じる。
16R大当たり結果Bである場合には、ステップS5122にて、ラウンドカウンタRCが1~3であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCが1~3ではない場合、すなわち、今回終了するラウンドが1ラウンド目~13ラウンド目である場合には、ステップS5123にてタイマカウンタTCに「750(3.0sec)」を入力する。この場合、V態様となる期間よりもラウンド間の待機時間の方が長くなり、V態様とラウンド間の待機時間とが重複すると、当該V態様ではV入賞が発生し得なくなる。
ステップS5122にてラウンドカウンタRCが1~3である場合には、ステップS5124にてタイマカウンタTCに「25(0.1sec)」を入力する。ステップS5121、ステップS5123、又はステップS5124の処理を実行した後は、ステップS5125にて閉鎖コマンドを設定して、本開閉処理を終了する。ステップS5125の処理は、上記ステップS3421の処理と同様である。また、ステップS5119にてラウンドカウンタRCが0である場合には、ステップS5126及びステップS5127にてエンディング用の処理を実行してから、本開閉処理を終了する。ステップS5126及びステップS5127の処理は、上記ステップS3422及びステップS3423の処理と同様である。
このように、本実施形態では、ラウンド間の待機時間とV態様とが重複した場合に、当該V態様においてV入賞が発生し得ない場合がある。一方、上記第5の実施形態において示したように、ラウンド遊技における上限入賞個数の入賞を発生させると、次回以降のラウンド遊技の実行タイミングが変更される。そのため、第5の実施形態において説明した、V態様との重複が生じていたのにもかかわらず、上限入賞個数の入賞を発生させたことにより重複が生じなくなってしまう、といった事象に加えて、V態様との重複が生じていなかった場合であっても、上限入賞個数の入賞を発生させたことにより重複が生じるようになる場合がある。
図79及び図80のタイミングチャートを参照して、これらの場合を詳細に説明する。なお、図79及び図80では、V態様とラウンド遊技やラウンド間の待機時間との重複の有無をよりわかり易くするため、それぞれの期間の長さを実際の長さと異ならせて表示している。
図79(a)では、ラウンド間の待機時間とV態様とが重複している場合を示している。すなわち、tO1のタイミングからtO2のタイミングまでの間、役物装置150が開放状態とされるラウンド遊技と、tO3のタイミングで開放状態されるラウンド遊技との間の待機時間(tO2のタイミングからtO3のタイミング)と重複するように、tV1のタイミングからtV2のタイミングで第1振分部材300や第2振分部材310がV態様となる。この場合、tO1のタイミングから開始されるラウンド遊技において、上限入賞個数の入賞を発生させないと、ラウンド遊技の実行タイミングの変更はなされず、V入賞は発生し得ない。その結果、開閉実行モード後の当否抽選モードは低確率モードに設定され、高確率モードに設定される場合と比較して遊技者にとって不利となる。
図79(b)に示すように、tO1からtO2までのラウンド遊技において、例えばtO4のタイミングで上限入賞個数の入賞を発生させると、当該ラウンド遊技はtO4のタイミングで終了する。そして、そこからラウンド間の待機時間を経たtO5のタイミングで次のラウンド遊技が開始されるようになり、当該ラウンド遊技はtO6のタイミングで終了する。その結果、上記tV1からtV2のタイミングで生じるV態様が、tO5からtO6のタイミングで行われるラウンド遊技と重複し、当該ラウンド遊技中にV入賞が発生し得るようになる。その結果、V入賞が発生すると開閉実行モード後の当否抽選モードは高確率モードに設定され、低確率モードに設定される場合と比較して遊技者にとって有利となる。
図80(a)では、ラウンド遊技とV態様とが重複している場合を示している。すなわち、tO1のタイミングからtO2のタイミングまでの間のラウンド遊技の次のラウンド遊技である、tO3のタイミングから開始されるラウンド遊技において、tV1からtV2のタイミングで生じるV態様との重複が発生している。この場合、tO1からtO2のラウンド遊技において上限入賞個数の入賞を発生させなければ、次のtO3からのラウンド遊技においてV入賞が発生し得るため、遊技者としては、tO1からtO2のタイミングのラウンド遊技では上限入賞個数の入賞が発生しないように遊技を行う(より詳しくは、上限入賞個数ぎりぎりまで入賞させる)ものと考えられる。
ところが、図80(b)に示すように、tO1からtO2のラウンド遊技において、tO4のタイミングで上限入賞個数の入賞を発生させてしまうと、当該ラウンド遊技はtO4のタイミングで終了する。そして、そこからラウンド間の待機時間を経たtO5のタイミングで次のラウンド遊技が開始されるようになり、当該ラウンド遊技はtO6のタイミングで終了する。その結果、tO5からtO6のラウンド遊技とtV1からtV2のV態様とは重複しなくなる。より詳しくは、tV1からtV2のV態様は、tO6のタイミングで終了するラウンド遊技と次のラウンド遊技との待機時間と重複する(tO6のタイミングで終了するラウンド遊技が13ラウンド目であれば実質入賞が発生しない14ラウンド目以降と重複する)、又はエンディング時間と重複することになる。
上記図80(b)のように、上限入賞個数の入賞が発生してV態様との重複が生じなくなった場合において、V態様が次のラウンド遊技との待機時間と重複する場合であって、当該次のラウンド遊技が実質的に入賞が発生し得る13ラウンド目以前のものである場合、更に上限入賞個数の入賞を発生させれば、再度V態様との重複を発生させることも可能である。すなわち、図80(c)に示すように、tO5からtO6のラウンド遊技において、tO7のタイミングで上限入賞個数の入賞を発生させれば、当該ラウンド遊技はtO7のタイミングで終了する。そして、そこからラウンド間の待機時間を経たtO8のタイミングで次のラウンド遊技が開始され、当該次のラウンド遊技とV態様とが重複する。
以上のように、開閉実行モード中のラウンド遊技で上限入賞個数の入賞を発生させると、次回以降のラウンド遊技が、V態様との重複が生じるようになる場合と、V態様との重複が生じなくなる場合とがある。これにより、上限入賞個数を入賞させてラウンド遊技を終了させた場合に、遊技者にとって有利となる場合もあれば不利となる場合も生じ、遊技の多様化が図られる。そして、いずれの事象を発生させるかを、遊技者に選択させることで、遊技への参加を促すことができる。これにより、単に各ラウンド遊技において入賞に基づく賞球を得る、といった従来の遊技機とは異なる斬新な遊技とすることが可能となる。
V態様との重複が生じなくなった場合であっても、そのV態様よりも後に実質入賞可能なラウンド遊技が存在していれば、そのラウンド遊技よりも前のラウンド遊技において上限入賞個数の入賞を発生させてラウンド遊技を終了させれば、V態様との重複が生じ得るものとなっている。このようにすれば、上限入賞個数の入賞を発生させて、それに基づいて得られる賞球とのバランスを加味して、各ラウンド遊技において上限入賞個数の入賞を発生させるか否か、といった選択を遊技者にさせることが可能となる。
なお、第5の実施形態に示した開閉実行モード用処理(図57)における図柄修正処理(図57、ステップS3509)に関して、本実施形態では、上記のようにV態様の重複が生じるようになった報知、V態様の重複が生じなくなった報知、変化しなかった報知、等を行うようにするための処理を実行する構成としてもよい。すなわち、図柄修正処理(図58)において、第1振分部材用処理や第2振分部材用処理に基づいて算出されるV入賞ポイントVPに応じて、第1特定図柄や第2特定図柄、非特定図柄を設定する処理(ステップS3604、ステップS3609、ステップS3613)に代え、又は加えて、以降のラウンド遊技におけるV態様との重複の有無を報知するための処理を実行する構成とするとよい。V態様との重複が生じるようになった場合の報知や生じなくなった場合の報知としては、上記第9の実施形態において示した昇格報知、降格報知を利用するとよい。すなわち、V態様との重複が生じるようになった場合には昇格報知として「チャンスUP!!」と報知するとよいし、V態様との重複が生じなくなった場合には降格報知として「ピンチ!!」と報知するとよい。降格報知の場合には、例えば「次回以降のラウンドで10個以上入賞させるとチャンスUP?!」といった報知を行い、上限入賞個数の入賞の発生を促すようにするとよい。
本実施形態を上記第9の実施形態と組み合わせると、開閉実行モード前と開閉実行モード中とで、V入賞率を変化させることが可能な遊技機となる。このようにすれば、一方の期間においてV入賞率を変化させることができなくても、他方の期間において変化させることができるのでは、と期待感を持続させることが可能となる。この場合、開閉実行モード前にV入賞率を変化させるためには上作動口33や下作動口34へ入賞させる必要があり、開閉実行モード中にV入賞率を変化させるために大入賞口32aへ入賞させる(上限入賞個数の遊技球を入賞させる)必要がある。このように、遊技球を上作動口33、下作動口34、大入賞口32aへ入賞させることでV入賞率が変化する構成としたことで、遊技機内部での抽選等によって変化する構成と比較して、その変化が行われる様を遊技者は体感することができるし、自らの操作によって変化することにより、遊技者は達成感を味わうことが可能となる。このようにすれば、遊技への積極参加を促すことができる。
<第11の実施形態>
本実施形態では、上記第1~第4の実施形態のように、開閉実行モード中のラウンド遊技の期間が変化しにくい構成を利用して、上記各実施形態と高確率モードの設定方法を異ならせる。
本実施形態では、大当たり用の図柄決定処理(図35)に相当する処理を、主制御装置81で実行する。すなわち、図81(a)のフローチャートに示すように、本実施形態の遊技回制御用処理における変動開始処理では、上記ステップS701~ステップS709の処理と同様にステップS5201~ステップS5209の処理にて当否抽選や振分判定、メイン表示部43の停止結果設定処理を実行した後、ステップS5210にて、V可能判定処理を実行する。V可能判定処理は、上記大当たり用の図柄決定処理に相当する処理であり、遊技回の開始時における各振分部材300,310の動作状況を把握して、その把握結果と動作周期から開閉実行モード時のV入賞の可能性を判定するための処理である。
V可能判定処理では、図82のフローチャートに示すように、先ずステップS5301にて第1振分部材用処理を実行し、ステップS5302にて第2振分部材用処理を実行する。これらの処理は、上記大当たり用の図柄決定処理におけるステップS1801、ステップS1802の処理と同様である。なお、各時間の算出用のカウンタエリアやV入賞ポイントVP用のエリアをRAM114の各種カウンタエリア114dに設け、これらのエリアを用いて上記処理を行うとよい。
ステップS5303では、V入賞ポイントVPが1以上であるか否かを判定する。1以上である場合には、ステップS5304にて各種フラグ格納エリア114eにV可能フラグを格納する処理を実行する。V可能フラグは、遊技回開始時の状況において開閉実行モード中にV入賞が可能となることをMPU112が把握するためのフラグである。一方、ステップS5303にてV入賞ポイントVPが1未満である場合には、ステップS5305にてV可能フラグが格納されていれば消去し、格納されていなければその状態を維持する処理を実行する。ステップS5304又はステップS5305の処理を実行した後は、本V可能判定処理を終了する。
変動開始処理の説明に戻り、ステップS5204にて大当たりではない場合には、ステップS5211にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。かかる処理はステップS710と同様である。ステップS5210又はステップS5211の処理を実行した後は、ステップS711~ステップS713と同様に、ステップS5212~ステップS5214にて遊技回を開始させるための各処理を実行する。ただし、ステップS5213にて設定する変動用コマンドには、ステップS5210にて判定したV入賞の可能性の情報が含まれている。具体的には、今回開始する遊技回を契機とする開閉実行モードにおいてV入賞が可能であるか否かの情報が含まれている。演出制御装置82では、この情報に基づいて大当たり用の図柄決定を行い、V入賞が可能であれば第1特定図柄又は第2特定図柄を今回の大当たり用の図柄として決定し、V入賞が可能ではなければ非特定図柄を今回の大当たり用の図柄として決定する。すなわち、本実施形態では、演出制御装置82側の処理として遊技回開始時の振分部材の動作状況を把握する処理を行わない。これにより、演出制御装置82側の処理負荷を抑制することができる。
本実施形態における高確率モードへの移行用処理について、図82(b)を参照しながら説明する。
本実施形態では、ステップS5401にてV入賞が発生したか否かを判定し、V入賞が発生した場合には、ステップS5402にてV可能フラグが格納されているか否かを判定する。V可能フラグが格納されている場合には、ステップS5403にて高確率モード移行用フラグを格納する処理を実行してから、本移行用処理を終了する。また、V入賞が発生していない場合、又はV入賞が発生してもV可能フラグが格納されていない場合には、そのまま本移行用処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、遊技回の開始時に当該遊技回を契機とする開閉実行モード中にV入賞が発生し得るか否かの判定が行われ、V入賞が発生し得ると判定した場合であって、実際にV入賞が発生た場合に、当該開閉実行モード後に高確率モードに設定される。一方、遊技回の開始時にV入賞が発生しないと判定した場合には、実際にV入賞が発生しても高確率モードには設定されず低確率モードに設定される。また、遊技回の開始時にV入賞が発生し得ると判定した場合であっても、実際にV入賞が発生しなければ高確率モードには設定されない。
つまり、開閉実行モード中のV入賞の発生の有無だけで高確率モードに設定する構成ではなく、開閉実行モードよりも前(契機となる遊技回開始時)において予測したV入賞の可能性との整合が取れている場合に、高確率モードに設定する構成といえる。このようにすることで、例えば誤検知等によって、開閉実行モード中に役物装置150への入賞が発生していないのにもかかわらずV入賞が発生したと判断してしまった場合において、当該誤検知に基づいて高確率モードに設定されてしまうことを回避することができる。また、例えば遊技機側がV入賞が発生しないと想定していたのにもかかわらず、不正目的で開閉実行モード中の遊技球の挙動を操る等してV入賞を発生させた場合に、高確率モードとして設定されてしまうことを回避することができる。
この場合、既に説明したとおり、開閉実行モード中の実開閉時間に変化が生じにくいことを前提としているため、上記実施形態よりも実開閉時間に変化が生じにくくする構成としてもよい。例えば、上記実施形態では各ラウンドにおいて遊技球が約8個入賞可能な期間を上限開放期間としたが、それよりも短くして上限入賞個数である10個の入賞が発生し得ないような構成としてもよい。また、上限入賞個数を設けずに上限開放期間の経過に基づいて各ラウンドを終了する構成としてもよい。
上記実施形態では、遊技回の開始時において大当たり用の当否抽選処理を行うとともに、開閉実行モード後の当否抽選モードの抽選を当該当否抽選処理の実行時における第1振分部材300や第2振分部材310等の動作状況に基づいて行う構成といえる。このようにすることで、単に遊技回の開始時における第1振分部材300や第2振分部材310等の動作状況が演出用の図柄決定に用いられるだけでなく、実際の遊技者の利益に関与する部分に影響を与えることになる。よって、遊技回の開始タイミングに大きな注目が注がれることになる。そして、数値情報に基づく当否抽選と、当該当否抽選時における振分部材の動作状況に基づく当否抽選モードの抽選と、が遊技回の開始時に行われる、といった斬新な遊技とすることができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施形態では、役物装置150における第1振分部材300や第2振分部材310等の動作周期と現状の状況とに基づいて、その後のV振分側に動作するタイミングを予測する構成としたが、例えば、現状の状況と、それよりも何秒前にV振分側に動作したかといった情報と、に基づいてその後の状況を予測する構成としてもよい。このようにすれば、例えば、所定期間内に所定回数だけV振分側に動作することが定められている一方で、V振分側に動作するタイミングは抽選等で決定される構成のように、動作周期が完全には固定ではない(平均すると一律となる)ような構成であっても、その後の開閉実行モード中にV振分側に動作する可能性をある程度把握することが可能となる。
(2)上記各実施形態において、各ラウンドの開放時間を各ラウンドの上限入賞個数の遊技球の入球が発生しないような短い開放時間として、各ラウンドの開放時間が変化することを制限する構成としたが、各ラウンドの開放時間が変化することを制限する構成としては、上記のものに限定されない。例えば、上限入賞個数の入球によってラウンドを終了させる構成を有さないようにして、予め定められた開放時間が経過したことによってラウンドを更新する構成、すなわちラウンドの終了条件として開放時間の条件のみを備える構成としてもよい。また、上限入賞個数の入球が予め定められたタイミングで発生するように、役物装置150の上流側において遊技球を貯留可能な貯留装置を設け、当該貯留装置を上記予め定められたタイミングで貯留しない状態に変化させることで、役物装置150への上限入賞個数の入球が発生するタイミングを調整することが可能となり、開放時間が変化することを制限することができる。
(3)上記各実施形態において、周期的に動作する第1振分部材300や第2振分部材310等を利用して、開閉実行モード中のラウンド遊技にて上限入賞個数の入球が発生すると、次回のラウンド遊技においてV入賞が発生する確率が、上限入賞個数の入球が発生しなかった場合と異なるようにしたが、上限入賞個数の入球が発生したか否かによって、V入賞が発生する確率が異なる構成であれば、例えば、各振分部材300,310等の振分態様が変更されるような構成であってもよい。また、上限入賞個数の入球が発生したか否かによって、高確率モードに設定される確率が異なる構成とせずとも、上限入賞個数の入球が発生したか否かによって、付与される特典が異なる構成であればよい。
(4)上記各実施形態において、第1振分部材300や第2振分部材310の周期動作において、V入賞側に振り分けるV振分(開放状態や閉鎖状態)を、短時間態様と長時間態様とによって行う構成としたが、長時間態様だけであってもよい。また、短時間態様と長時間態様との中間の中時間態様を設定してもよい。
(5)上記各実施形態において、上作動口33や下作動口34への入球に基づいて遊技回用の演出が行われ、当該遊技回において停止表示させる図柄の種類を、第1振分部材300や第2振分部材310の動作状況に基づいて決定する構成としたが、上作動口33や下作動口34への入球に基づいて遊技回用の演出の内容自体を、第1振分部材300や第2振分部材310の動作状況に基づいて決定する構成としてもよい。例えば、V入賞が発生し易い状況では、遊技者にとってチャンスであることを示唆する演出が行われるようにし、V入賞が発生しにくい状況では、遊技者にとってチャンスではないことを示唆する演出が行われるようにしてもよい。
(6)上記各実施形態では、役物装置150内でのV入賞率を、各振分部材300,310や回転体201によって変化させる構成としたが、役物装置150内のV入賞率を変化させる構成は上記のものに限定されない。例えば、各振分部材300,310の少なくとも一方を備えない構成であってもよいし、回転体201を備えない構成であってもよい。要は、役物装置150内に入賞した遊技球が、V入賞口182a又は外れ口182bへ振り分けられる構成において、その振分が所定の動作が行われる振分部によって振り分けられるものであればよい。
(7)振分部材300,310や回転体201の周期動作の開始タイミングを、電源投入時としたが、予め定められたタイミングから周期動作が行われるものであればよい。例えば、開閉実行モードの終了時を周期動作の開始タイミングとしてもよい。
(8)振分部材300,310や回転体201の動作周期を、遊技状態によって異ならせてもよい。例えば、高頻度サポートモードや高確率モードでは、V態様となる頻度が高くなるような動作周期としてもよい。このようにすると、これら高頻度サポートモードや高確率モード時に移行する開閉実行モードにおいてV入賞が発生する確率を高めることができる。これらの場合、例えば開閉実行モードの終了時(高頻度サポートモードや高確率モードへの移行時)に動作周期を切り換える構成とするとよい。
(9)入口センサ179を左右の開閉役物168に対応させてそれぞれ設けてもよい。すなわち、上記各実施形態では、いずれの開閉役物168から役物装置150へ入賞した場合であっても、同じ入口センサ179によって検知される構成としたが、それぞれ別々の入口センサを設け、当該別々の入口センサによって遊技球の入賞を検知する構成としてもよい。このようにすれば、役物装置150への入賞が発生した場合には、それをより早急に検知することができるし、左右の入賞経路によってV入賞率が異なる構成において、それに応じた報知(例えば、V入賞し易い側の入賞経路から入賞した場合にはその旨の報知)を行うことができる。
(10)第2振分部材310による振分(V振分)が行われた遊技球は、必ずV入賞するようにしたが、一部が外れ側に入賞する構成としてもよい。この場合であっても、第2振分部材310によりV振分となる確率を第1振分部材300によりV振分けとなる確率と異ならせる構成、第2振分部材310による外れ振分を経た遊技球が第1振分部材300による振分を受ける構成、第1振分部材300と第2振分部材310との動作周期が異なる構成、のいずれかを有していれば、2つの振分部材を共存させる意義が生じる。
(11)主制御装置81が、不正行為を検知する検知手段(センサ)と、その検知結果に基づいてそれに対応する処理を実行する手段(例えば定期的に起動される通常処理内の一処理として加える)を有している構成としてもよい。特に、役物装置150へのV入賞によって開閉実行モードが開始し、またV入賞によって高確率モードに設定されるため、役物装置150へのV入賞を不正に発生させる行為が想定される。この行為としては、例えば、磁気や電波や振動によるものが考えられ、それら(磁気、電波、振動など)を検知する検知センサを設け、当該検知センサの検知結果に基づいて、遊技の進行の停止や報知、更に遊技ホールへの通知(外部出力)を行う構成とするとよい。
(12)、上作動口33への入賞に基づく保留情報と、下作動口34への入賞に基づく保留情報と、の消化順序(当否判定の対象となる順序)を下作動口34への入賞に基づく保留情報のほうが優先される構成としたが、保留情報の取得順としてもよい。また、例えば、下作動口34への入賞に基づく保留情報の当否判定のほうが、上作動口33への入賞に基づく保留情報の当否判定よりも有利な判定が行われる構成においては、遊技者としては、上記実施形態のように下作動口34への入賞に基づく保留情報についての当否判定を先に実行して欲しい気持ちもあるし、それを後回しにして先に上作動口33への入賞に基づく保留情報の当否判定を実行して欲しい気持ちもある。そのような、遊技者の揺れる気持ちを、上作動口33や下作動口34への入賞順序といった、遊技者の意図しないランダムとなる順序に委ねることで、遊技をより多様なものとすることが可能となる。
(13)第2振分部材310によるV振分が行われた遊技球は、遊技機前方からの視認性がそれよりも低下する領域としてワープ通路250へ導出される構成としたが、遊技機前方からの視認性の変化しない領域を通過してV入賞が発生する構成としてもよいし、遊技機前方からの視認性が向上する領域を通過してV入賞が発生する構成としてもよい。このようにすれば、V振分が行われたことを、遊技球の視認性が低下するだけでなくその遊技球のその後の動作態様によって容易に確認することができる。特に、本パチンコ機10のように、V入賞が発生するか否かについて、最大の注目が注がれる構成においては、V振分が行われたことをより際立たせたほうが注目度を高めやすくなるものと考えられる。そこで、上記構成のように、V振分時に遊技機前方からの視認性が低下しない(変化しない/向上する)構成とすれば、その後の遊技球の動作を存分に視認させることができ、注目度を高めるうえで好ましい。
但し、V振分を意図的に発生させるように狙い撃ちを行う行為を抑制する、という観点からすると、V振分が行われた後の遊技球の視認性や、V振分が行われる箇所(第2振分部材310の設けられた領域)の視認性を高め過ぎないほうが好ましい。
その点、上記各実施形態では、遊技機前方からの視認性が比較的低い第2振分部材310によるV振分と、遊技機前方からの視認性が比較的高い第1振分部材300による外れ振分と、の両振分部材300,310の動作パターンの組合せによって、V入賞率を変化させる構成としているため、遊技機前方からの視認性の低下による不都合を第1振分部材300によってカバーするとともに、遊技機前方からの視認性が向上することによる不都合を第2振分部材310によってカバーし、両者を併存させることで、視認性の高低のそれぞれの不都合を補いあうことが可能となっている。
(14)役物装置150へ入賞した遊技球は、V入賞通路191a又は外れ用通路191bにより役物装置150の外部へ排出され、当該排出された遊技球は図示しない排出通路を介してパチンコ機10の外部へ排出される構成としたが、役物装置150の外部として遊技領域に排出される構成としてもよい。
(15)役物装置150の位置は上記のものに限定されない。例えば、左側領域PE2に設けられていてもよいし、上側領域PE1や下側領域PE4に設けられていてもよい。なお、開閉実行モード中の役物装置150への入球率を変化させないようにするためには、入球率が変化する電動役物34aが役物装置150の下流側に配置されていればよい。
(16)役物装置150における、開閉役物168が開放状態となることで入球が可能となる構成に代え、第1可変入賞装置341や第2可変入賞装置342のように流下する遊技球が入球し易い構成(開口が大きい構成)を採用すると、より開閉実行モード中の入球数を遊技機側で管理することができる。
(17)第1振分部材300や第2振分部材310の動作周期は上記のものに限定されない。例えば、第1振分部材300の動作周期として、20sec毎に2sec閉鎖状態となる構成としてもよい。この場合、4ラウンド開閉実行モードにおいても、少なくとも1回はV態様となり、高確率モードへの移行率を高めることができる。また、第2振分部材310の動作周期を第1振分部材300の動作周期よりも短い動作周期(V態様となり易い動作周期)としてもよい。
(18)役物装置150内に振分手段としての第1振分部材300や第2振分部材310、回転体201が設けられ、これらの動作によってV入賞率が変化する構成としたが、役物装置150の上流側にこれらの振分手段を設けてもよい。そして、振分手段の振分態様によって役物装置150への入賞率が異なり、その入賞率の変化によってV入賞率が異なる構成としてもよい。
(19)振分手段としての第1振分部材300や第2振分部材310、回転体201の動作によって、高確率モードへの移行率が変化する構成としたが、例えば、役物装置150への入賞毎にカウンタを取得し、当該取得したカウンタに基づく抽選によって、高確率モードへの移行率が変化する構成としてもよい。この場合、例えば、上記抽選の当選確率が周期的に変化する構成としてもよいし、上限入賞個数の遊技球を入球させると以降のラウンドでの当選確率が変化する構成としてもよい。
(20)第1可変入賞装置341と第2可変入賞装置342とがいずれも振分手段としてのシャッタ358を有している構成としたが、例えば、第1可変入賞装置341と第2可変入賞装置342との排出通路を共用のものとして、その共用部分にシャッタ358を設け、当該共用のシャッタ358によってV入賞用領域356と排出用領域357とに振り分けられる構成としてもよい。
(21)第1可変入賞装置341と第2可変入賞装置342とが設けられている位置は、上記のものに限定されない。例えば、第1可変入賞装置341を右側領域PE4に設け、第2可変入賞装置342を左側領域PE3に設けてもよいし、上側領域PE1と下側領域PE4とにそれぞれ配置してもよい。なお、両可変入賞装置341,342を狙い打ちさせる、といった遊技を行わせるためには、少なくとも打ち分けを行うことが可能な位置関係で配置するとよい。
(22)各ラウンドの待機時間を、各振分部材300,310がV態様が維持される期間よりも短くなるようにしたが、各ラウンドで複数回の開閉が行われる構成においては、開放状態から閉鎖状態に切り換わってから次に開放状態となるまでの期間を、V態様が維持される期間よりも短くなるようにするとよい。
(23)各開閉実行モードの実開閉時間を見て、V態様との重複の有無を算出する構成としたが、各開閉タイミングを見て、V態様との重複の有無を算出する構成としてもよい。但し、処理負荷の高騰を抑制する、という観点からすると、上記実施形態の方が好ましい。
(24)各ラウンドの開放時間が変化しにくい(上限個数入球しにくい)構成を利用して、ラウンド中の演出を設定してもよい。すなわち、演出制御装置82において、各ラウンドの開放時間に亘って実行されるラウンド演出用のデータを記憶しておき、当該ラウンド演出を各ラウンドにおいて実行する。各ラウンドの長さが変化しにくい構成であるため、従来のようにラウンドの長さが変化する場合を予測して膨大な演出用データを記憶しておく必要が生じず、記憶容量の削減を図ることができる。この場合、複数のラウンドを跨いで演出を行う構成としてもよく、ラウンド間の待機時間も含めて演出を行う構成としてもよく、これらの時間を演出用の時間として設定すればよい。
(25)開閉実行モードの実開閉時間とV態様との重複が生じる場合に、遊技回の遊技結果として今回の大当たり結果を特定図柄を停止表示させて報知する構成としたが、V態様との重複が生じることを遊技者が把握可能であればよく、大当たり結果であることの報知とは別途、その旨を報知してもよい。具体的には、例えば所定のキャラクタを登場させる、V態様の重複が生じる可能性を数字やメーター等で表現する等してもよい。
(26)ランダムな動作を行う役物装置150と、役物装置150内に設けられ周期的な動作を行う第1振分部材300や第2振分部材310等と、の関係性を利用して大当たり用の図柄を決定する構成としたが、これらが互いに独立した動作を行う構成であってもよい。例えば第1振分部材300や第2振分部材310が役物装置150外に設けられており、役物装置150へ入賞しない遊技球の挙動を変化させる動作手段であってもよい。
(27)役物装置150の開放動作のタイミングを、上作動口33や下作動口34の入賞に基づくものとしたが、役物装置150の開放動作のタイミングが、遊技の進行に伴ってランダムに発生し得るものであれば上記のものに限定されない。例えば、遊技の進行に伴って遊技機側の数値抽選等によってランダムに開放される構成であってもよい。
(28)役物装置150による開閉実行モードの実開閉時間と振分部材300,310の動作状況に基づいて大当たり用の図柄を決定する構成としたが、演出の種類を決定する構成としてもよい。例えば、実開閉時間とV態様との重複が生じやすいタイミングに応じて所定のキャラクタを登場させたり、図柄の変動表示の背景を変更したりしてもよい。
(29)ランダムな動作を行う役物装置150の下流側に、周期的な動作を行う振分部材300,310が配置される構成としたが、これらの関係が逆であってもよい。
(30)役物装置150が閉鎖状態である場合には、遊技球が役物装置150内に入球できず第1振分部材300や第2振分部材310による振分を受けられない(V入賞が発生し得ない)構成としたが、開放状態よりも遊技球が入球しにくい構成であれば、役物装置150が閉鎖状態であっても、開閉役物168が半開き等となって役物装置150内に一部入球可能である構成としてもよい。
(31)ラウンド遊技において開放状態が継続する期間が変化しないようにするための構成として、上限開放期間を上限入賞個数の遊技球が入賞しない期間としたが、例えば上限入賞個数の入賞によりラウンド遊技を終了しないようにし、上限開放期間の経過でラウンド遊技が終了する構成としてもよい。
(32)所定のラウンド遊技において、上限入賞個数の入賞を発生させないと、以降のラウンド遊技でV入賞が発生し、上限入賞個数の入賞を発生させるとV入賞が発生しなくなる構成としたが、上限入賞個数の入賞を発生させた場合と上限入賞個数の入賞を発生させなかった場合とで、遊技者にとってのその後の有利度が異なればよく、例えば、V入賞の発生の有無とは関係なく、上限入賞個数の入賞が発生すると高確率モードに設定されず、上限入賞個数の入賞が発生しなければ高確率モードに設定されるように設定する構成としてもよい。また、数値情報に基づく抽選で高確率モードに設定する構成とし、上限入賞個数の入賞が発生した場合とそうではない場合とで、高確率モードに設定される確率が異なる構成としてもよい。また、有利度の相違は、当否抽選モードの高低に限定されず、例えば、サポートモードの高低であってもよいし、開閉実行モードの継続率としてもよい。
(33)開閉実行モード前に保留情報を取得させることで図柄予告において報知された図柄を変更させ得る構成、すなわち高確率モードの設定確率を変化させ得る構成としたが、開閉実行モード中に取得させた保留情報の数に応じて高確率モードの設定確率が異なる構成としてもよい。
(34)保留情報の当否抽選を行う際に、振分部材300,310の動作状況に基づくV可能判定処理を行い高確率モードへ設定され得ることを事前判定する構成としたが、演出用の役物等の動作状況に基づいて高確率モードへ設定され得ることの事前判定を行う構成としてもよい。このようにすれば、演出用の役物の動作状況とV入賞の発生とを密接に関連付けることができる。
(35)遊技領域PEにおいて遊技球の挙動に変化を与える役物として、開閉役物168や第1振分部材300、第2振分部材310を例として説明したが、これらの役物に限定されず、遊技球の流下速度を変化させる可動式のステージや、ワープ通路等の通過部への通過を許容/制限する開閉扉や、遊技球の流下先を変化させる振分装置等であってもよい。
(36)主制御装置81側からの変動用コマンドや種別コマンドに基づいて、演出制御装置82側の変動表示制御処理が実行される構成において、当該変動表示制御処理では第1振分部材300や第2振分部材310の動作状況を加味して遊技回の停止図柄を決定する構成としたが、少なくとも主制御装置81側からの遊技回の変動パターンの情報(変動用コマンドや種別コマンド)と動作手段としての振分部材300,310の動作状況とに基づいて演出制御装置82側の遊技回の変動パターンが決定される構成であればよく、各図柄列Z1~Z3の変動中の内容が決定される構成であってもよい。また、遊技回中に登場する所定のキャラクタ等の演出の内容が決定される構成としてもよい。要は、遊技結果ありきで遊技回の演出の内容としての動作手段の動作が決定されるのではなく、遊技結果と動作手段の動作状況とに基づいて遊技回の演出の内容が決定される構成であればよい。
(37)第1振分部材300や第2振分部材310等の役物の動作状況を、サブ側の演出制御装置82にて主制御装置81を介さず把握可能としてもよい。具体的には、例えば、第1振分部材300や第2振分部材310の位置情報をそれぞれ検知する検知センサを設け、当該検知センサを演出制御装置82のMPU242へ接続する構成とする。このようにすれば、MPU242にて主制御装置81を介さずに第1振分部材300や第2振分部材310の動作状況を把握可能となる。これにより、演出制御装置82にて図柄や演出内容を役物の動作状況を加味して決定するうえで、主制御装置81からの新たなコマンドを必要とせず、既存の構成からの変更点をより少なくすることができる。
(38)V入賞の発生し易さを遊技回の開始前に報知する先読み報知に関する構成において、特別保留用画像P2として、7図柄(第1特定図柄)が停止して開閉実行モードへ移行することを示唆する画像や、5図柄(第2特定図柄)が停止して開閉実行モードへ移行することを示唆する画像や、4図柄(非特定図柄)が停止して開閉実行モードへ移行することを示唆する画像を例として説明したが、これらの演出は一例であって、V入賞の発生し易さを示唆するものであれば上記のものに限定されない。また、例えば7図柄や5図柄が停止して開閉実行モードへ移行することを示唆する画像において、直接的に7や5の表示を行う者ではなく、7に?を付加するなどして表示して、7図柄や5図柄が停止して開閉実行モードへ移行する可能性があることを示唆する表示としてもよい。このようにすれば、仮にその後の保留情報の取得等によって開閉実行モード中のV入賞の発生し易さが変化したとしても、演出が降格した印象を与えにくくすることができる。
また、上記先読み報知に関する構成において、非特定図柄が停止して開閉実行モードへ移行することを示唆する画像のみを表示する構成として、その後の保留情報の取得等によって図柄が降格しない(昇格する)構成としてもよい。
(39)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「パチンコ機等の遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の挙動に変化を与える各種部材が備えられている。一例として、開閉可能な可変入球装置が挙げられる(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める工夫が望まれている。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技の進行に伴って特定事象(上作動口33、下作動口34への入賞)が発生した場合に、遊技球の挙動に変化を与え得る所定の第1動作を実行可能な第1動作手段(開閉役物168)と、
遊技球の挙動に変化を与え得る所定の第2動作を、所定周期で実行可能な第2動作手段(第1振分部材300、第2振分部材310)と、
前記特定事象の発生に基づき、前記第1動作が行われる場合の前記第2動作の状況を把握する把握手段(演出制御装置82における第1振分部材用処理や第2振分部材用処理を実行する機能)と、
前記把握手段の把握結果を利用して、演出手段(図柄表示装置41)による演出内容を決定する演出決定手段(演出制御装置82における大当たり用の図柄決定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定事象の発生に基づき、第1動作が行われる場合の第2動作の状況が把握されて、その把握結果を利用して演出手段による演出内容が決定される。これら第1動作及び第2動作は、いずれの動作も遊技球の挙動に変化を与え得る動作であるものの、第1動作についてはその把握の契機となった特定事象の発生に基づいて実行される動作であり、第2動作については特定事象の発生にかかわらず所定周期で実行される動作であり、それぞれ実行契機が異なる。このように、特定事象の発生に関連する動作だけでなく、特定事象の発生に関連しない動作をも演出と紐付けることで、遊技球の挙動と演出内容とをより密接に関連付けることが可能となり、遊技球の流下を楽しむ、といった遊技機本来の遊技を演出内容によって盛り上げることができる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
なお、「把握手段」について、例えば、「前記特定事象の発生に基づき、前記第1動作の実行タイミングと前記第2動作の動作状況とを把握する把握手段」や、「前記特定事象の発生に基づき、前記第1動作の実行タイミングと、前記所定周期から導き出される前記第2動作の状況とを把握する把握手段」や、「前記特定事象の発生に基づき、前記第1動作及び前記第2動作を把握する把握手段」等と表現しても、上記と同様の作用効果を得ることが可能である。
特徴A2.前記把握手段は、前記特定事象が発生した場合、前記第1動作が行われるよりも前のタイミングで、前記第1動作が行われる場合の前記第2動作の状況を把握することが可能な構成であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1動作が行われる場合の第2動作の状況を、第1動作が行われるよりも前のタイミングで把握して、演出内容の決定に役立てることができる。これにより、特定事象発生に基づいて、その後に行われる第1動作と、その第1動作が行われる場合の第2動作の状況とを、演出内容から遊技者に予測・把握させる、といった斬新な遊技を実現することができる。
特徴A3.前記演出決定手段は、前記特定事象が発生した場合、前記第1動作が行われるよりも前のタイミングで、前記演出内容を決定することが可能であることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1動作が行われる場合の第2動作の状況に基づいて決定される演出内容は、第1動作が行われるよりも前に決定される。そのため、特定事象発生に基づいて、その後に行われる第1動作と、その第1動作が行われる場合の第2動作の状況とを、演出内容から遊技者に予測・把握させる、といった斬新な遊技を実現することができる。
特徴A4.前記第1動作によって挙動が変化した遊技球の挙動が前記第2動作によって更に変化し得る、又は前記第2動作によって挙動が変化した遊技球の挙動が前記第1動作によって更に変化し得る構成であることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1動作と第2動作とがより密接に関連付けられる。つまり、特定事象の発生に基づいて行われる第1動作と、所定周期で行われる第2動作とは、互いに同一の遊技球に対して挙動を変化させ得る構成である。そして、特徴A1に記載したように、これら第1動作及び第2動作に関連した演出内容の演出が行われるため、演出内容から遊技球の挙動を予測する、といった遊技を好適に実現することが可能となる。
特徴A5.前記特定事象が発生したことに基づいて、前記第2動作手段へ遊技球が到達可能となる構成であることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が発生したことに基づいて、遊技球の挙動に変化を与え得る2動作を実行可能な第2動作手段に、遊技球が到達可能となる。このような構成であれば、特定事象の発生を契機とする第1動作だけでなく、特定事象の発生とは関係なく周期性を持って動作する第2動作も演出と関連付ける構成において、第2動作側と特定事象との関連性を高めることができる。よって、演出を遊技球の挙動とよりマッチしたものとすることが可能となる。
特徴A6.前記把握手段は、前記特定事象が発生したことに基づいて、前記第1動作が行われる場合の前記第2動作の状況を、前記第2動作の前記所定周期を用いて把握する構成であることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、ランダムに生じ得る把握手段による把握タイミングにおいて、第2動作の状況を所定周期から把握することが可能となる。
特徴A7.遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも遊技球が入球しにくい又は入球不可能な閉状態とに変位可能な可変入球手段(役物装置150)を備え、
前記第1動作手段は、前記可変入球手段において前記開状態と前記閉状態とに変位することで遊技球の挙動を変化させるものであり、
前記第2動作手段は、前記可変入球手段へ入球した遊技球の挙動を変化させることが可能となるように、前記可変入球手段に設けられており、
前記特定事象が発生したことに基づいて、前記可変入球手段を前記開状態とすることが可能な手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が発生したことに基づいて、可変入球手段への遊技球の入球が許容される。第1動作手段は、可変入球手段へ到達した遊技球が当該可変入球手段へ入球するか否かを変化させるものであり、第2動作手段は、可変入球手段に入球した遊技球の挙動を変化させることが可能となるように設けられている。つまり、特定事象が発生すると、可変入球手段への入球が許容され、可変入球手段内で周期的に動作する第2動作手段によって、可変入球手段内の遊技球の挙動が変化する。このような構成において、可変入球手段への入球が許容される場合(第1動作が行われる場合)の第2動作の状況が把握されて演出内容が決定される。これにより、可変入球手段内に入球した遊技球が、第2動作手段によってどのように挙動が変化するかが加味された演出内容で演出を行うことが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な特定入球手段(役物装置150)と、
複数種類の絵柄を変動表示可能な表示手段(図柄表示装置41)と、
特定事象(上作動口33、下作動口への入球や、記憶されている保留情報の当否判定)が発生したことに基づいて、前記表示手段にて前記絵柄の変動表示を開始して所定の停止結果として当該変動表示を終了させることが可能な変動表示手段(演出制御装置82における変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定入球手段には、前記特定事象が発生したことに基づいて遊技球が通過可能となる第1通過部(開閉役物168)と、前記第1通過部を通過した遊技球が通過可能な第1状態と当該遊技球が通過不可な第2状態との切換が所定周期で行われる第2通過部(第1振分部材300、第2振分部材310、回転体201等によって状態が切り換わるV入賞口182a)とが設けられており、
前記特定事象が発生したことに基づいて、前記第1通過部において遊技球の通過が発生し得る場合の前記第2通過部の状態を把握する把握手段(演出制御装置82における第1振分部材用処理や第2振分部材用処理を実行する機能)と、
前記把握手段による把握結果を利用して、前記変動表示手段が前記所定の停止結果として停止表示させる前記絵柄を決定する停止絵柄決定手段(演出制御装置82における大当たり用の図柄決定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定事象の発生に基づき、第1通過部と第2通過部の状態が把握されて、絵柄の変動表示の停止結果が決定される。これら第1通過部と第2通過部とは、いずれも特定入球手段に設けられているものである一方で、第1通過部は特定事象が発生したことに基づいて通過可能となるものであり、第2通過部は所定周期で第1通過部を通過した遊技球が通過可能/通過不可の切り換えが行われるものである。つまり、第1通過部は特定事象を契機として通過が可能となる一方、第2通過部は基本的には所定周期で通過可能となるものである。このような特定事象を契機とする第1通過部と周期性を有する第2通過部との関係性を、特定事象発生に基づいて行われる絵柄の変動表示における停止絵柄と関連付ければ、遊技球の挙動を、絵柄の変動表示といった演出によって盛り上げることができ、遊技への注目度を高めることができる。
なお、「把握手段」について、例えば、「前記特定事象の発生に基づき、前記第1通過部の遊技球の通過タイミングと前記第2通過部の状態とを把握する把握手段」や、「前記特定事象の発生に基づき、前記第1通過部の遊技球の通過タイミングと、前記所定周期から導き出される前記第2通過部を遊技球が通過し得るタイミングとを把握する把握手段」等と表現しても、上記と同様の作用効果を得ることが可能である。
特徴B2.遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な特定入球手段(役物装置150)と、
特定事象(上作動口33、下作動口への入球や、記憶されている保留情報の当否判定)が発生したことに基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置81における当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が前記特典を付与することに対応する付与対応結果であったことに基づいて遊技者に前記特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
複数種類の絵柄を変動表示可能な表示手段(図柄表示装置41)と、
前記特定事象が発生したことに基づいて、前記表示手段にて前記絵柄の変動表示を開始して、前記付与判定手段による前記付与判定の結果として所定の停止結果を表示して当該変動表示を終了させることが可能な変動表示手段(演出制御装置82における変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定入球手段には、前記特定事象が発生したことに基づいて遊技球が通過可能となる第1通過部(開閉役物168)と、前記第1通過部を通過した遊技球が通過可能な第1状態と当該遊技球が通過不可な第2状態との切換が所定周期で行われる第2通過部(第1振分部材300、第2振分部材310、回転体201等によって状態が切り換わるV入賞口182a)とが設けられており、
前記特定事象が発生したことに基づいて、前記第1通過部において遊技球の通過が発生し得る場合の前記第2通過部の状態を把握する把握手段(演出制御装置82における第1振分部材用処理や第2振分部材用処理を実行する機能)と、
前記把握手段による把握結果を利用して、前記変動表示手段が前記所定の停止結果として停止表示させる前記絵柄を決定する停止絵柄決定手段(演出制御装置82における大当たり用の図柄決定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定事象の発生に基づき、第1通過部と第2通過部の状態が把握されて、絵柄の変動表示の停止結果が決定される。これら第1通過部と第2通過部とは、いずれも特定入球手段に設けられているものである一方で、第1通過部は特定事象が発生したことに基づいて通過可能となるものであり、第2通過部は所定周期で第1通過部を通過した遊技球が通過可能/通過不可の切り換えが行われるものである。つまり、第1通過部は特定事象を契機として通過が可能となる一方、第2通過部は基本的には所定周期で通過可能となるものである。このような特定事象を契機とする第1通過部と周期性を有する第2通過部との関係性を、特定事象発生に基づいて行われる絵柄の変動表示における停止絵柄と関連付ければ、遊技球の挙動を、絵柄の変動表示といった演出によって盛り上げることができ、遊技への注目度を高めることができる。
特に、特定事象発生に基づいて特典を付与するか否かの付与判定が行われており、この付与判定の結果に対応した停止結果となるように絵柄の変動表示が行われる。すなわち、変動表示の停止結果は、特典の付与判定に関連付けられているとともに、遊技球が第2通過部を通過するか否かといった遊技球の挙動に関しても関連付けられている。このように、特典付与と遊技球の挙動とを絵柄の変動表示と関連付けることで、それぞれの関連性から注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、「把握手段」について、例えば、「前記特定事象の発生に基づき、前記第1通過部の遊技球の通過タイミングと前記第2通過部の状態とを把握する把握手段」や、「前記特定事象の発生に基づき、前記第1通過部の遊技球の通過タイミングと、前記所定周期から導き出される前記第2通過部を遊技球が通過し得るタイミングとを把握する把握手段」等と表現しても、上記と同様の作用効果を得ることが可能である。
特徴B3.前記把握手段は、前記特定事象の発生に基づき、前記第1通過部において遊技球の通過が発生し得る場合の前記第2通過部の状態を、前記第1通過部を遊技球が通過するよりも前のタイミングで把握することが可能な構成であることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1通過部において遊技球の通過が発生し得る場合の第2通過部の状態を、第1通過部を遊技球が通過するよりも前のタイミングで把握して、停止表示させる前記絵柄の決定に役立てることができる。これにより、特定事象発生に基づいて、その後の第1通過部への通過と、その第1通過部を通過する場合の第2通過部の状態、すなわち第2通過部の通過の可否とを、停止絵柄から遊技者に予測・把握させる、といった斬新な遊技を実現することができる。
特徴B4.前記把握手段は、現状の前記第2通過部の状態と前記所定周期とに基づいて、前記第1通過において遊技球の通過が発生し得る場合の前記第2通過部の状態を把握することが可能な構成であることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、現状の第2通過部の状態と所定周期とに基づいて、その後に第1通過部において遊技球の通過が発生し得る場合の第2通過部の状態を予測することが可能となる。すなわち、第2通過部は周期的に通過可能な第1状態と通過不可な第2状態とに変位するのであるから、現状の状態と所定周期を把握すれば、あとどれくらいで通過可能な第1状態(通過不可な第2状態)となるかを把握することができる。このようにすれば、簡素な構成で、精度が高い予測をすることができ、例えば第2通過部の通過の可否と停止絵柄決定手段により決定される停止絵柄とが関連付けられた構成においては、これらの矛盾を生じさせにくくすることが可能となる。
特徴B5.前記特定入球手段は、遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも遊技球が入球しにくい又は入球不可能な閉状態とに変位可能な構成であり、
前記特定入球手段の前記開状態と前記閉状態との変位制御を実行する変位制御手段(主制御装置81における開閉処理を実行する機能)を備え、
前記第1通過部は、前記特定入球手段が前記開状態となることで必ず通過する箇所に設けられており、
前記第2通過部は、前記特定入球手段へ入球し前記第1通過部を通過した遊技球が通過可能又は通過不可となるように設けられていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定入球手段は開状態と閉状態とに変位可能であって、開状態となることで第1通過部及び第2通過部への通過が発生し得る構成となる。換言すると、特定入球手段が閉状態である状況では第1通過部や第2通過部の通過が発生しにくい/発生しないようになる。このようにすることで、特定入球手段への入球すなわち、第1通過部及び第2通過部の通過の希少性を高め、第1通過部や第2通過部の通過と関連付けた絵柄を停止させる変動表示への注目度を高めることが可能となる。
特徴B6.前記把握手段は、前記変位制御手段による前記変位制御の制御態様を加味して、遊技球が前記第1通過部を通過した場合の前記第2通過部の状態を把握することが可能な構成であることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定入球手段の入球し易さを変位させる変位制御手段による変位制御の制御態様が加味されて、第2通過部の状態が把握される。このようにすれば、例えば、特定入球手段へ入球し得ないタイミングで前記第2通過部が通過可能な状態となるような場合を排除して、第1通過部を通過した場合の第2通過部の状態を把握することが可能となる。これにより、変動表示手段における停止絵柄と遊技球が第2通過部を通過するか否かとに矛盾が生じにくくなる。
特徴B7.前記特定事象の発生に基づいて、前記変位制御手段による前記特定入球手段の前記変位制御を実行することが可能な特定遊技状態(開閉実行モード)へ遊技状態を移行させるか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81における当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記特定遊技状態へ移行させることに対応する移行対応結果であったことに基づいて、遊技状態を前記特定遊技状態へ移行させる移行手段(主制御装置81における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記変動表示手段は、前記移行判定の結果に対応する停止結果として前記変動表示を終了させることが可能な構成であり、
前記把握手段は、前記特定遊技状態中の前記変位制御の制御態様を加味することで、前記特定遊技状態中において遊技球が前記第1通過部を通過した場合の前記第2通過部の状態を把握することが可能な構成であることを特徴とする特徴B5又は特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象の発生に基づいて、遊技状態が特定遊技状態へ移行する場合がある。特定遊技状態となると、特定入球手段が開状態となり、当該特定入球手段への入球が許容される。このような構成において、特定事象が発生すると、特定遊技状態中の変位制御手段による変位制御の制御態様が加味されて、第2通過部の状態が把握されて、停止絵柄の決定がなされる。このようにすれば、例えば、特定入球手段へ入球し得ないタイミングで前記第2通過部が通過可能な状態となるような場合を排除して、第1通過部を通過した場合の第2通過部の状態を把握することが可能となる。これにより、変動表示手段における停止絵柄と遊技球が第2通過部を通過するか否かとの矛盾が生じにくくなる。
特徴B8.前記特定遊技状態は、前記特定入球手段を前記閉状態から前記開状態とし、その後前記閉状態とする単位変位制御を複数回に亘って実行可能となっており、
前記所定周期において前記第2通過部が前記通過可能な状態が維持される期間は、前記特定遊技状態中の前記特定入球手段が前記開状態から前記閉状態となってから前記開状態となるまでの待機期間よりも長い期間となるように設定されていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成によれば、待機期間よりも第2通過部を通過可能な状態が維持される期間の方が長いため、待機期間と第2通過部を通過可能な状態とが重なる場合では、第2通過部を通過可能な状態と特定入球手段が開状態である期間とが必ず重なることになる。このような構成とすれば、特定遊技状態における第2通過部の状態を考慮して停止絵柄を決定するうえで、特定遊技状態中の待機時間を考慮しなくてもよくなり、単に特定遊技状態中における第2通過部の状態を把握すればよくなり、処理負荷の大幅な軽減を図ることが可能となる。
特徴B9.前記特定遊技状態は、前記特定入球手段を前記閉状態から前記開状態とし、その後前記閉状態とする単位変位制御を所定回数実行する特定遊技を、複数回に亘って実行可能となっており、
前記特定遊技において、前記特定入球手段が前記開状態である期間が予め定められた開放期間に達した場合又は予め定められた上限個数の遊技球が前記特定入球手段に入球した場合に、当該特定遊技を終了し、次の特定遊技へ移行するように制御する手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技における前記特定入球手段が前記開状態である期間が変化することを制限する手段(主制御装置81の開閉処理において上限入賞個数の遊技球が入賞しないような期間に開放時間を設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴B7又は特徴B8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定入球手段に上限個数の遊技球が入球するか、開放期間が経過するかによって特定遊技が更新される構成において、開状態である期間が変化しないようになるため、把握手段によって第2通過部の状態が把握されれば、第2通過部を通過可能な状態となるタイミングと特定入球手段が開状態となるタイミング(第1通過部を通過可能となるタイミング)とが重複するタイミングを容易に予測することが可能となる。換言すると、このような構成を備えていない場合には、例えば上限個数の遊技球が入球して特定遊技が更新される場合などは、入球タイミングによって開状態である期間が変化してしまう。そうすると、特定遊技状態中の開状態となっている期間は、特定遊技状態の開始前の予測とはかけ離れたものとなり、第2通過部側の通過率の予測が困難となる。
特徴B10.前記所定周期が、前記特定遊技状態が実行される期間よりも短くなり得るように設定されていることを特徴とする特徴B7乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態中に1度は第2通過部を通過可能となり得る。そのため、特定遊技状態へ移行するタイミングによって第2通過部を通過しない、といった事象を回避することができる。このようにすれば、例えば、第2通過部を通過させることで遊技者にとって有利となるような遊技機においては、特定遊技状態の期待感を移行タイミングによらず維持することが可能となる。
特徴B11.前記所定周期が、前記特定遊技状態が実行される期間よりも長くなり得るように設定されていることを特徴とする特徴B7乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態に移行するタイミングによって、第2通過部を通過させることができる場合と、通過させることができない場合とがある。このようにすることで、特定遊技状態に移行するタイミングですら注目させることができ、特定遊技状態前の変動表示の長さや、第2通過部の状態の状況等にも関心を寄せさせることができる。
なお、特徴B10及び特徴B11を併せ持つ構成としては、第2通過部へ振り分ける振分手段を複数有し、各振分手段によって第2通過部を通過可能な状態と通過不可能な状態とに切り換えられる構成とし、各振分手段の所定周期が、特定遊技状態が実行される期間よりも長いものと短いものとが設定されている構成とするとよい。また、特定遊技状態の種類が複数設定されており、第2通過部の所定周期よりも長い特定遊技状態と所定周期よりも短い特定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。
特徴B12.前記特定遊技状態は、前記特定入球手段を前記閉状態から前記開状態とし、その後前記閉状態とする単位変位制御を所定回数実行する特定遊技を、複数回に亘って実行可能となっており、
前記停止絵柄決定手段は、前記特定遊技状態において第1回数目の前記特定遊技中に前記第2通過部が前記通過可能な状態となる場合と、前記第1回数目よりも多い第2回数目の前記特定遊技中に前記第2通過部が前記通過可能な状態となる場合とで、決定する前記絵柄の種類が異なる又は前記複数の絵柄のうちの特定絵柄の選択率が異なるように設定されていることを特徴とする特徴B7乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、何回目の特定遊技で第2通過部を通過し得るかによって、停止絵柄が異なったり複数の絵柄のうちの特定絵柄の選択率が異なったりする。このようにすることで、停止絵柄の種類と第2通過部の通過タイミングとを関連付けることができる。例えば、特定遊技状態中に1回でも第2通過部を通過させれば、遊技者にとって有利となるような構成においては、特定遊技状態中にいつ第2通過部を通過するか、について高い関心が寄せられる。この場合、早い段階で第2通過部を通過する場合と、そうではない場合とで、特定遊技状態中における遊技者の心情は異なるものと考えられる。具体的には、早い段階で第2通過部を通過すれば、それ以降の特定遊技では、遊技者は満足感に浸りながら存分に特定遊技状態を楽しむことができるし、そうではない場合には、早く第2通過部を通過させないと特定遊技状態が終了してしまう、と焦りながら特定遊技状態を消化するものと考えられる。そうすると、どのタイミングで第2通過部を通過し得るか、といった情報が事前に知らされていれば、遊技者の心情に沿った遊技を実現することができる。
特徴B13.前記変動表示手段は、前記特定事象の発生に基づいて前記絵柄の変動表示を開始してから、所定の動作期間に亘って前記絵柄の変動表示を継続し、その後、前記所定の停止結果として前記絵柄の変動表示を終了させるものであり、
前記第1通過部は、前記特定事象の発生後、前記所定の動作期間の経過よりも後のタイミングで遊技球の通過が可能となる構成であり、
前記把握手段は、前記特定事象の発生に基づいて、前記所定の動作期間を加味して、前記第1通過部において遊技球の通過が発生し得る場合の前記第2通過部の状態を把握することが可能な構成であることを特徴とする特徴B1乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、絵柄の変動表示が継続される所定の動作期間も加味されて、第1通過部において遊技球の通過が発生し得る場合の第2通過部の状態が把握されるため、絵柄の変動表示の開始時に、停止絵柄を決定することが可能となる。これにより、例えば、絵柄の変動表示の演出パターンを停止絵柄に応じて決定することが可能となり、演出の多様化を図ることができる。
特徴B14.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア114b)と、
を備え、
前記特定事象とは、前記入球部への遊技球の入球が発生したこと又は前記取得情報記憶手段に前記特別情報が記憶されたこととして設定されており、
前記変動表示手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報に基づいて、前記絵柄の変動表示を順次行う構成であり、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について、前記変動表示手段により前記絵柄の変動表示の対象となるよりも前のタイミングにおいて、当該所定の特別情報が前記絵柄の変動表示の対象となった場合の前記所定の動作期間の情報を特定することが可能な先特定手段(演出制御装置82におけるステップS3105やステップS3204等の処理を実行する機能)を備え、
前記把握手段は、前記先特定手段による特定結果を加味して、前記第1通過部において遊技球の通過が発生し得る場合の前記第2通過部の状態を把握することが可能な構成であることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行前の絵柄の変動表示における所定の動作期間を加味して、第2通過部の状態を把握することが可能となる。これにより、停止絵柄をより事前に決定することができ、例えば先読み演出等に役立てることができる。この場合、例えば、絵柄の変動表示の実行時における取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数によって所定の動作期間の長さが異なるような構成においては、実行前に特定した所定の動作期間と実行時の所定の動作期間とが異なり得る。そうすると、例えば、上記の先読み演出等によって好ましくない絵柄が停止することを認識した遊技者としては、特定された所定の動作期間を異ならせるように新たな特別情報の取得をさせようとするであろうし、好ましい絵柄が停止することを認識した遊技者としては、特定された所定の動作期間どおりとなるようにするものと考えられる。このように、特徴B1の周期的に状態が切り換わる第2通過部の状態によって停止絵柄を決定する構成を、先読み演出に利用すれば、所定の動作期間との関係で、遊技者が介入し得る新たな遊技を創出することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技領域に向けて予め定められた発射周期で遊技球を発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも入球しにくい又は入球不可能な閉状態とに切換可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段における前記閉状態と前記開状態との切換制御を実行可能な可変入球制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
特定条件が成立したこと(開閉実行モードへ移行する遊技結果となったこと)に基づいて、前記可変入球手段による前記切換制御が実行される特定遊技状態に移行させる移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態は、前記可変入球手段が前記開状態である期間が予め定められた開放期間に達したこと、又は前記可変入球手段への入球個数が予め定められた複数個数である上限個数に達したことのいずれかの終了条件が成立したことに基づいて終了する特定遊技を、予め定められた所定回数に亘って実行可能となっており、
前記特定遊技における前記開放期間は、前記発射周期よりも長く、且つ前記発射周期と前記上限個数の積よりも短い期間に設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定条件が成立した場合に、可変入球手段への遊技球が入球可能となる特定遊技状態に移行する。特定遊技状態は、可変入球手段が開状態である期間が予め定められた開放期間に達するか、予め定められた上限個数の遊技球が可変入球手段に入球するか、のいずれかの終了条件が成立すると終了する特定遊技を所定回数に亘って実行可能となっている。そして、この終了条件のうちの一方の開放期間が、発射周期よりも長く、且つ発射周期と上限個数の積よりも短い期間に設定されている。そのため、一の特定遊技において、可変入球手段への入球は発生し得るものの、上限個数の入球によって当該一の特定遊技が終了する可能性は極めて低くなる。つまり、開放期間に達して特定遊技が終了する場合が圧倒的に多くなる。このようにすれば、上記のような終了条件を複数設定していても、特定遊技が行われる期間をある程度一定なものとすることが可能となり、これら特定遊技が所定回数行われる特定遊技状態の継続期間もある程度一定なものとすることが可能となる。このように、本遊技機における特定遊技状態は、遊技球が可変入球手段へ入球可能であって且つ継続期間が一定なものとなっており、このような特定遊技状態を利用して新たな遊技性を実現することが可能となる。
特徴C2.前記特定遊技の継続期間に応じて成立確率が異なる特定条件が成立したこと(V入賞の発生)に基づいて、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技中に特定条件が成立すると、遊技者に特典が付与される。この特定条件は、各特定遊技の継続期間に応じて成立確率が異なるものであり、このようにすれば、特定遊技状態中の各特定遊技において、開放期間が経過して特定遊技が終了するか、それとも上限個数を入球させて特定遊技が終了するか、といった遊技の面白味を加えたうえで、特徴C1のように、遊技機側で特定遊技の終了条件をある程度管理することができる。
なお、特典付与手段として、可変入球手段への入球に基づいて所定数の賞球を特典として付与するような従来の特典付与手段を別途設ける構成とすると、特定条件成立に基づいて付与される特典との差をより明確にすることができる。
特徴C3.前記特定遊技中における前記可変入球手段への入球個数に応じて成立確率が異なる特定条件が成立したこと(V入賞の発生)に基づいて、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技中に特定条件が成立すると、遊技者に特典が付与される。この特定条件は、各特定遊技の入球個数に応じて成立確率が異なるものであり、このようにすれば、特定遊技状態中の各特定遊技において、開放期間が経過して特定遊技が終了するか、それとも上限個数を入球させて特定遊技が終了するか、といった遊技の面白味を加えたうえで、特徴C1のように、遊技機側で特定遊技の終了条件をある程度管理することができる。
なお、特徴C2に上記構成を適用するのであれば、特徴C2の特典付与手段を例えば第1特典付与手段とし、上記構成の特典付与手段を第2特典付与手段と表現するとよい。この場合、それぞれの特定条件についても、第1特定条件、第2特定条件と表現するとよい。
また、特典付与手段として、可変入球手段への入球に基づいて所定数の賞球を特典として付与するような従来の特典付与手段を別途設ける構成とすると、特定条件成立に基づいて付与される特典との差をより明確にすることができる。
特徴C4.一の前記特定遊技の継続期間が変化することにより他の前記特定遊技における前記特定条件の成立確率が変化し得る構成であることを特徴とする特徴C2又は特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技が所定回数行われ得る特定遊技状態において、一の特定遊技における遊技内容が、他の特定遊技の遊技内容へ影響することになる。このようにすれば、一回一回の特定遊技における継続期間を変化させる、といった単発の遊技ではなく、特定遊技状態トータルで見て、如何に特典を得ることができるか、といった遊技を実現することができる。
特徴C5.前記特典付与手段は、一の前記特定遊技状態において前記特定条件が複数回成立しても前記特典を一回付与する構成であることを特徴とする特徴C2乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の特定遊技状態における特典の付与率を高め過ぎずに特徴C1の遊技性を実現することができる。
特徴C6.前記特定遊技の継続期間又は前記特定遊技中における前記可変入球手段への入球個数に応じて成立確率が異なる特定条件が成立したこと(V入賞の発生)に基づいて、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段により前記特典が付与されることを、前記特定遊技状態の開始前に報知することが可能な第1報知手段(演出制御装置82による特定図柄を揃えて遊技回を終了させる変動表示制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態の開始前に、特典が付与されることが報知される。このようにすれば、特定遊技の継続期間や入球個数を調節しようとしなくてもよくなり、安心して特定遊技状態を楽しませることが可能となる。また、上記のような構成を特徴C1の構成に適用すれば、特定遊技の継続期間をある程度一定のものとすることが可能な構成であるため、特定条件の成否を特定遊技状態開始前にある程度予測することができ、開始前の報知に矛盾が生じにくい。つまり、開始前の報知が異なることとなるような場合、上記のような安心して遊技を楽しませる前提が崩れてしまいかねない。以上のように、特徴C1の構成において、特定遊技状態開始前の事前報知を行う第1報知手段を備えていれば、特定遊技状態を存分に楽しませることが可能となる。
特徴C7.前記特定遊技の継続期間又は前記特定遊技中における前記可変入球手段への入球個数に応じて成立確率が異なる特定条件が成立したこと(V入賞の発生)に基づいて、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段により前記特典が付与されないことを、前記特定遊技状態の開始前に報知することが可能な第2報知手段(演出制御装置82による非特定図柄を揃えて遊技回を終了させる変動表示制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態の開始前に、特典が付与されないことが報知される。このようにすれば、何とかして特定遊技の継続期間や入球個数を変更させて、特定条件を成立させようとする遊技を行わせることができる。
特徴C8.前記特定条件の成立確率が、前記特定遊技状態の開始前と異なることになったことに基づいて、前記特定遊技状態中にその異なることになったことの報知を行うことが可能な第3報知手段(演出制御装置82による図柄修正処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C6又は特徴C7に記載の遊技機。
特徴C1に記載したように各特定遊技の継続期間がある程度一定のものとすることができる一方、何らかの事情(可変入球手段前の遊技球の流下態様等)によって上限個数の入球が発生して継続期間が変化する場合がある。そこで、上記構成のように、継続期間が変化した場合、すなわち特定条件の成立確率が変化した場合には、それを報知する構成とすれば、例えば成立確率が向上したらもちろん遊技者は嬉しいであろうし、成立確率が低下したら更に変化させよう(成立確率を向上させよう)と特定制御中の入球態様等に高い関心を寄せることになる。よって、特定制御状態中の注目度を好適に高めることができる。
特徴C9.前記開放期間は、前記発射周期と前記上限個数の積から、前記発射周期の2倍の期間を除算した期間よりも長い期間に設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技の開始直後及び終了直前に1球ずつ可変入球手段に余分に入球すれば、上限個数に達して、特定遊技を開放期間の経過前に終了させることが可能となる。このように、基本的には上限個数の入球が発生しないようにしつつも、状況によっては上限個数の入球が発生し得るような可変性を含む構成とすれば、遊技者の積極参加を見込むことができる。仮に、どのように遊技を行っても上限個数の入球が発生し得ないような期間としてしまうと、遊技者としては上限個数の入球を発生させようとも思わないであろうからである。
特徴C10.前記特定遊技状態における、前記特定遊技の前記開放期間として、前記発射周期と前記上限個数との積よりも長い期間の長期間開放態様(16R大当たり結果Bの1ラウンド目~13ラウンド目の開放期間)が含まれていることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、長期間開放態様であれば、上限個数の遊技球を入球させることが可能となり、特にその期間において、遊技者の積極参加を見込むことができる。また、特定遊技状態前に、特典付与の有無が報知される構成においては、遊技者にとって好ましい報知が行われていれば、長期間開放態様であっても開放期間を変化させないようにしようとするものと考えられるし、遊技者にとって好ましくない報知が行われていれば、長期間開放態様において継続期間を変化させようとするものと考えられる。したがって、遊技者に遊技を選択させることができ、遊技の多様化が図られる。
特徴C11.前記特定遊技の継続期間又は前記特定遊技中における前記可変入球手段への入球個数に応じて成立確率が異なる特定条件が成立したこと(V入賞の発生)に基づいて、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技状態における前記特定遊技の開始前に、何回目の前記特定遊技にて前記特定条件が成立し易いかを報知することが可能な第4報知手段(演出制御装置82の各ラウンドのV入賞率示唆演出を含むオープニング演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数回の特定遊技によって構成される特定遊技状態において、何回目の特定遊技で特定条件が成立し易いか、といった報知が行われるため、例えば、早い段階で成立するのであればその成立を待ってから、その後は、思う存分入球させる、といった遊技を行うことができるし、遅い段階で成立するのであれば、仮に早い段階の特定遊技において継続期間が異なることになったとしてもその後にまた変化させることができると踏んで安心して遊技を行うことも可能となる。このように、特定条件が成立し易い特定遊技を報知すれば、その特定遊技だけでなく、他の特定遊技も含めて注目度を高めることができる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技領域に向けて予め定められた発射周期で遊技球を発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも入球しにくい又は入球不可能な閉状態とに切換可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段における前記閉状態と前記開状態との切換制御を実行可能な可変入球制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
特定条件が成立したこと(開閉実行モードへ移行する遊技結果となったこと)に基づいて、前記可変入球手段による前記切換制御が実行される特定遊技状態に移行させる移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態は、前記可変入球手段が前記開状態である期間が予め定められた開放期間に達したこと、又は前記可変入球手段への入球個数が予め定められた複数個数である上限個数に達したことのいずれかの終了条件が成立したことに基づいて終了する特定遊技を、予め定められた所定回数に亘って実行可能となっており、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、入球個数に応じた特典を遊技者に付与することが可能な特典付与手段(払出制御装置97により賞球を払い出す機能)と、
前記特定遊技状態中の所定の特定遊技において、前記上限個数の遊技球を前記可変入球手段に入球させない場合と、前記上限個数の遊技球を入球させた場合とで、遊技者にとってのその後の有利度を異ならせることが可能な有利度設定手段(主制御装置81における高確率モードへの移行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定条件が成立すると可変入球手段への入球が可能となる特定遊技状態に移行し、可変入球手段へ遊技球が入球すると特典付与手段により入球数に応じた特典が付与される。
ここで、特定遊技状態は所定回数の特定遊技によって構成されており、一の特定遊技において、可変入球手段が開状態である期間が予め定められた開放期間に達するか、予め定められた上限個数の遊技球が可変入球手段に入球するか、のいずれかの終了条件が成立すると、当該一の特定遊技が終了して、次の特定遊技へ移行する構成となっている。
そして、この終了条件のうち、上限個数の方の終了条件を満たして所定の特定遊技が終了した場合には、そうではない場合(開放期間が経過して所定の特定遊技が終了した場合)と比較して、遊技者にとってのその後の有利度が異なり得る。つまり、今回の特定遊技状態において付与される特典が多いほどその後に遊技者にとって有利となる場合や、付与される特典が少ないほどその後に有利となる場合も発生し得る。
このような構成とすれば、今回の特定遊技状態において付与される特典との関係で、その後の有利度を変化させるといった、斬新な遊技とすることが可能となる。
特徴D2.前記有利度設定手段は、前記特定遊技状態中の所定の特定遊技において、前記上限個数の遊技球を前記可変入球手段に入球させない場合の方が、前記上限個数の遊技球を入球させた場合よりも、その後の有利度が高くなるようにすることが可能であることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、今回の特定遊技状態において付与される特典が多いほどその後は不利となり、付与される特典が少ないほどその後は有利となる。このような構成とすれば、今回の特定遊技状態において付与される特典が少ないことを、その後の有利度によって補てんすることが可能となり、斬新な遊技とすることが可能となる。
特徴D3.前記所定の特定遊技において、前記上限個数未満の第1個数の遊技球を前記可変入球手段に入球させた場合と、前記上限個数未満であって前記第1個数とは異なる第2個数の遊技球を前記可変入球手段に入球させた場合とで、前記有利度が同じ有利度となるように設定されていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限個数未満の入球であれば、有利度は変化しない。そのため、有利度を変化させたくなければ、上限個数ぎりぎりまで入球させてその入球数に応じた特典を得る、といった遊技を実現することが可能となる。
特徴D4.前記可変入球手段に入球した所定の遊技球が通過可能な通過部(V入賞口182a)と、
前記通過部を遊技球が通過することを検知する検知手段(V入賞センサ192)と、
を備え、
前記有利度設定手段は、前記検知手段により前記通過部を遊技球が通過したことが検知されたことに基づいて遊技者にとって有利な状態に設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段に入球した所定の遊技球が通過部を通過すると有利な状態に移行する。この場合、一般的な遊技機であれば、可変入球手段にたくさん入球させた方が通過部を通過し易く、その結果、有利な状態となり易いものとも考えられるが、特徴D1に記載したとおり、上限個数の入賞を発生させると有利な状態の設定率が低下し得るのであるから、一概には多いほうが良いというわけではなく、一般的な遊技機とは異なる斬新な遊技性を実現することができる。
特徴D5.前記可変入球手段に入球した遊技球を、前記通過部と前記通過部とは異なる通過部(外れ口182b)とに振り分けることが可能な振分手段(第1振分部材300、第2振分部材310、回転体201)を備え、
前記上限個数の入球が発生したことに基づいて、その後の前記特定遊技において前記振分手段が前記通過部側に遊技球を振り分ける確率が低くなる構成であることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限個数の入球が発生すると、その後の特定遊技において振分手段により通過部に振り分ける確率が低くなる。このようにすれば、入球個数の多い/少ないと、通過部の通過率と、を逆の関係とすることができる。
特徴D6.前記振分手段において、前記通過部に遊技球を振り分ける第1態様と前記通過部とは異なる通過部に遊技球を振り分ける第2態様との切換が、予め定められた所定周期で行われるように制御する切換制御手段(主制御装置81における第1役物制御用処理や第2役物制御用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段は、予め定められた所定周期で遊技球を通過部に振り分ける。このように周期動作するものによって振り分けられる構成とすれば、上記のような振分手段による振分によって通過部の通過率(有利な状態の設定率)が変化する構成において、遊技の公平性が担保される。
特徴D7.前記振分手段は、遊技機前方からの視認が可能となるように前記可変入球手段に設置されていることを特徴とする特徴D5又は特徴D6に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段により遊技球が振り分けられる様を、遊技者は明確に把握することができる。これにより、単に抽選等によって有利な状態に設定される確率が変化する構成とは異なり、遊技球の流下態様を楽しむ、といった遊技を行わせることが可能となり、また、実際に遊技球の流下先を遊技者自身が確認することによって仮に有利な状態に設定されなかった場合であっても不公平感を抱かせないようにすることができる。
特徴D8.遊技領域に向けて予め定められた発射周期で遊技球を発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも入球しにくい又は入球不可能な閉状態とに切換可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段における前記閉状態と前記開状態との切換制御を実行可能な可変入球制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
特定条件が成立したこと(開閉実行モードへ移行する遊技結果となったこと)に基づいて、前記可変入球手段による前記切換制御が実行される特定遊技状態に移行させる特定遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、入球個数に応じた特典を遊技者に付与することが可能な特典付与手段(払出制御装置97により賞球を払い出す機能)と、
前記特定遊技状態後に遊技状態を遊技者にとって有利な有利状態に移行させることが可能な有利状態移行手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態は、前記可変入球手段が前記開状態である期間が予め定められた開放期間に達したこと、又は前記可変入球手段への入球個数が予め定められた複数個数である上限個数に達したことのいずれかの終了条件が成立したことに基づいて終了する特定遊技を、予め定められた所定回数に亘って実行可能となっており、
前記有利状態移行手段は、前記特定遊技状態中の所定の特定遊技において、前記上限個数の遊技球を前記可変入球手段に入球させない場合と、前記上限個数の遊技球を入球させた場合とで、前記有利状態に移行させる確率が異なるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定条件が成立すると可変入球手段への入球が可能となる特定遊技状態に移行し、可変入球手段へ遊技球が入球すると特典付与手段により特典が付与される。
ここで、特定遊技状態は所定回数の特定遊技によって構成されており、一の特定遊技において、可変入球手段が開状態である期間が予め定められた開放期間に達するか、予め定められた上限個数の遊技球が可変入球手段に入球するか、のいずれかの終了条件が成立すると、当該一の特定遊技が終了して、次の特定遊技へ移行する構成となっている。
そして、この終了条件のうち、上限個数の方の終了条件を満たして所定の特定遊技が終了した場合には、そうではない場合(開放期間が経過して所定の特定遊技が終了した場合)と比較して、特定遊技状態後に有利状態に設定される確率が異なり得る。つまり、今回の特定遊技状態において付与される特典が多いほどその後に遊技者にとって有利となる場合や、付与される特典が少ないほどその後に有利となる場合も発生し得る。
このような構成とすれば、今回の特定遊技状態において付与される特典との関係で、その後の有利度を変化させるといった、斬新な遊技とすることが可能となる。
特徴D9.遊技領域に向けて予め定められた発射周期で遊技球を発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも入球しにくい又は入球不可能な閉状態とに切換可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段における前記閉状態と前記開状態との切換制御を実行可能な可変入球制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
特定条件が成立したこと(開閉実行モードへ移行する遊技結果となったこと)に基づいて、前記可変入球手段による前記切換制御が実行される特定遊技状態に移行させる移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技状態は、前記可変入球手段が前記開状態である期間が予め定められた開放期間に達したこと、又は前記可変入球手段への入球個数が予め定められた複数個数である上限個数に達したことのいずれかの終了条件が成立したことに基づいて終了する特定遊技を、予め定められた所定回数に亘って実行可能となっており、
前記特定遊技状態中の所定の特定遊技において、前記上限個数の遊技球を前記可変入球手段に入球させない場合の方が、前記上限個数の遊技球を入球させた場合よりも、遊技者にとって有利となるようにすることが可能な設定手段(主制御装置81における高確率モードへの移行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定条件が成立すると可変入球手段への入球が可能となる特定遊技状態に移行し、可変入球手段へ遊技球を入球させることが可能となる。
ここで、特定遊技状態は所定回数の特定遊技によって構成されており、一の特定遊技において、可変入球手段が開状態である期間が予め定められた開放期間に達するか、予め定められた上限個数の遊技球が可変入球手段に入球するか、のいずれかの終了条件が成立すると、当該一の特定遊技が終了して、次の特定遊技へ移行する構成となっている。
そして、この終了条件のうち、開放期間が経過して所定の特定遊技が終了した場合の方が、上限個数の遊技球を入球させて終了した場合よりも、遊技者にとって有利となる。つまり、上限個数入球させない方が遊技者にとって有利となり、特定遊技状態における入球数との関係で有利度を変化させるといった、斬新な遊技とすることが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技領域に向けて遊技球を発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態を移行させることに対応する特定結果であるか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による判定結果が前記特定結果であった場合、遊技状態を遊技者にとって有利な特定状態に移行させる移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
第1位置(振分状態)と当該第1位置とは異なる第2位置(非振分状態)とに、前記特定状態前から周期的に変位することが可能であって、前記特定状態中の前記第1位置と前記第2位置との変位によって、前記特定状態後の遊技状態の有利度を変化させることが可能な可動手段(第1振分部材300、第2振分部材310)と、
前記可動手段の前記第1位置と前記第2位置との変位制御を実行する変位制御実行手段(主制御装置81による第1役物制御用処理や第2役物制御用処理を実行する機能)と、
前記可動手段の変位状況を把握する把握手段(第1役物用カウンタYK1、第2役物用カウンタYK2)と、
前記把握手段の把握結果に基づいて、前記特定状態が開始されるまでの所定の期間の長さを決定することが可能な決定手段(主制御装置81による大当たり用の変動表示時間の設定処理やオープニング期間の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可動手段の周期的な変位によって特定状態後の有利度が変化する構成においては、特定状態に移行するタイミングでの可動手段の状況によって、特定状態後の有利度が変化し得る。そこで、特定状態が開始されるまでの所定の期間の長さを、可動手段の動作状況に基づいて決定する構成とすれば、特定状態後の有利度を当該所定の期間の長さによって調節することが可能となる。よって、周期的な変位をする可動手段によって有利度を決定するといった見た目上公平性が担保されている構成において、その有利度を遊技機側である程度管理することが可能となる。
特徴E2.前記可動手段は、前記第1位置に配置されることで遊技球を第1通過部(V入賞口182a)に誘導することが可能であって、前記第2位置に配置されることで遊技球を前記第1通過部とは異なる第2通過部(外れ口182b)に誘導することが可能な構成であり、
前記第1通過部を遊技球が通過することで前記特定状態後の有利度が有利となる構成であることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動手段の動作と遊技球の流下先とが関連付けられ、遊技球の流下を楽しむ遊技を特定状態中に行うことができる。このように特定状態を楽しませつつも、その遊技球の流下先を所定の期間の長さによって管理することができるので、極端な出球率の高騰や暴落を抑制することができる。
特徴E3.前記移行判定手段により前記移行判定が行われることに基づいて、所定の表示手段にて遊技回用の演出を開始させ、前記移行判定の結果に対応する停止結果として前記遊技回用の演出を終了させることを一回の遊技回として、前記表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記決定手段は、前記所定の期間として、前記特定状態移行前の前記遊技回の実行期間を決定することが可能な構成であることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回の実行期間の長さを調節することによって、その後の特定状態後の有利度を変化させることができる。ここで、遊技回の実行期間は、一般的に長い/短いがあるものであり、その実行期間が変化しても、遊技者は違和感を覚えにくい。そこで、このような可変的な実行期間を調節することで、遊技者に違和感を覚えさせることなく、有利度を管理することが可能となる。
特徴E4.前記決定手段は、前記所定の期間として、前記特定状態の開始前のオープニング期間の長さを決定することが可能な構成であることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、オープニング期間の長さを調節することによって、特定状態後の有利度を変化させることができる。オープニング期間は特定状態の開始前であるところ、オープニング期間は遊技者にとって有利な状態となる前の期間といえる。そのため、このオープニング期間の長さが変化しても、特定状態自体の有利度は変化しないため、遊技者に損をした印象を与えることなく、特定状態後の有利度を遊技機側で管理することができる。
特徴E5.前記決定手段は、前記把握手段の把握結果に基づいて、周期的に変位する前記可動手段が、所定の状態となるように、前記所定の期間の長さを決定することが可能な構成であることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、周期的に変位する可動手段の特定状態前の状態を、所定の状態にすることができる。所定の状態とは、例えば初期状態であったり、第1位置又は第2位置に変位してから所定期間が経過した状態であり、このようにすることで、特定状態が開始されてからの可動手段の変位パターンを一定化することが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア114b)と、
前記情報記憶手段に記憶された前記特別情報に基づいて、遊技状態を通常状態から特定状態へ移行させるか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記特定状態へ移行させることに対応する移行対応結果であったことに基づいて、遊技状態を前記特定状態へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数に応じて、前記特定状態後の有利度を異ならせて設定することが可能な設定手段(演出制御装置82による図柄予告を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得させた特別情報に基づいて遊技状態を特定状態へ移行させる遊技を行ううえで、取得させた特別情報の数に応じて特定状態後の遊技状態の有利度が異なる。つまり、特定状態へ移行するか否かは、一の特別情報の移行判定に基づいて行われるものである一方で、特定状態後の有利度は特別情報の数に基づいて設定される。例えば、単に特定状態へ移行させるか否かといった遊技だけを行う遊技機においては、取得させた特別情報について何らかの報知等によって特定状態へ移行することを把握した遊技者としては、更なる特別情報の取得についてはさほど興味を示さないものと考えられる。そうすると、遊技者としては、特別情報を取得させた後(特定状態へ移行することを把握した後)、特定状態へ移行するまでの間は、所謂待ちの状態となり、遊技への関心が薄れかねない。そこで、上記構成のようにすれば、仮に何らかの報知等によって特定状態へ移行することを把握したとしても、その後に更なる特別情報を取得させる意義を生じさせることができ、待ちの時間の発生を解消することが可能となる。また、特定状態において遊技者が特典を得られるような遊技機においては、当該特定状態中に淡々と特典を得るといった一辺倒の遊技ではなく、特定状態においても特別情報を如何に取得させるか、といった遊技を加えることができ、遊技の多様化に貢献できる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴F2.前記設定手段は、前記有利度の設定を行った後のタイミングで、前記情報取得手段により前記特別情報が取得された場合、前記設定した前記有利度を更に変更して設定することが可能な手段(演出制御装置82による図柄予告用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば設定手段により設定された特定状態後の有利度を遊技者が把握した場合に、その有利度が遊技者にとって好ましくないものであれば、それを変更することが可能であれば、更なる特別情報を取得させる動機付けとなり得る。
特徴F3.前記設定手段は、前記特定状態移行前に前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数に応じた有利度を設定するものであることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態移行前の待ち時間を好適に解消することができる。また、このようにすれば、特定状態へ移行するか否かと特定状態後の有利度について、特定状態の移行前に報知等することができ、遊技者としては安心して特定状態を楽しむことができる。
特徴F4.前記特定状態への移行の契機となる所定の特別情報について、当該所定の特別情報が取得されてから当該所定の特別情報に基づいて前記特定状態へ移行するまでの待機期間が、前記所定の特別情報の取得後に取得された前記特別情報によって変化し得る構成であり、
前記設定手段は前記待機期間の長さに応じて前記有利度を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態への移行の契機となる所定の特別情報の取得後に、更に特別情報を取得させれば、所定の特別情報に基づいて特定状態へ移行するまでの所謂待ち時間となる待機期間の長さが変化し得る。そして、この待機期間の長短によって有利度が設定されるため、所謂待ち時間をうまく利用して、注目度向上に役立てることが可能となる。
特徴F5.前記設定手段は、前記待機期間が長い方が遊技者にとって有利となるように前記有利度を設定することが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態へ移行させるまでの待ち時間が長くなるほど、特定状態後は遊技者にとって有利なものとなり得る。このようにすれば、待ち時間のイライラを好適に解消することができる。
特徴F6.前記設定手段は、前記待機期間が短い方が遊技者にとって有利となるように前記有利度を設定することが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴F4又は特徴F5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態へ移行させるまでの待ち時間が短くなるほど、特定状態後は遊技者にとって有利なものとなり得る。このようにすれば、迅速に特定状態へ移行させるほどその後の有利度が高くなる、といった出球の起伏にとんだ遊技性とすることができる。
特徴F7.前記待機期間は、前記特別情報の数が多いほど短くなり得る構成であることを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に待ち時間が短いほど有利なだけでなく、その待ち時間を短くすべく、新たに特別情報を取得させるといった遊技を実現することができる。
特徴F8.前記設定手段は、第1事象が発生している場合には前記待機期間が長い方が遊技者にとって有利となるように前記有利度を設定し、前記第1事象とは異なる第2事象が発生している場合には前記待機期間が短いほうが遊技者にとって有利となるように前記有利度を設定する構成であることを特徴とする特徴F4乃至F7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、待機期間が長いほうが有利となる場合もあれば、短い方が有利となる場合もあり、単に長くすれば良い/短くすれば良いというわけではなく、第1事象と第2事象のいずれが発生しているか、といったことにも関心を寄せさせることができ、遊技の大幅な多様化を図ることができる。
特徴F9.前記取得条件として第1取得条件と当該第1取得条件とは異なる第2取得条件とが設定されており、
前記移行判定手段は、前記第1取得条件が成立して取得された前記特別情報を、当該第1取得条件よりも先に前記第2取得条件が成立して取得された前記特別情報よりも、前記移行判定を優先して行う優先手段(主制御装置81によるデータ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F4乃至F8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1取得条件成立に基づいて取得された特別情報は、それよりも先に第2取得条件が成立して取得された特別情報よりも優先して移行判定が行われる。このように、特別情報の割込みが後から発生し得る構成であれば、特定状態への移行の契機となる所定の特別情報が取得されてから当該特別情報に基づいて特定状態へ移行するまでの待機期間が変化し得る。つまり、所定の特別情報が第2取得条件成立に基づいて取得されたものであれば、その後の待機期間中に第1取得条件が成立すれば、特別情報の割込みが発生し、待機期間が変化し得る。
特徴F10.前記第1取得条件成立に基づいて取得された前記特別情報についての前記移行判定は、前記第2取得条件成立に基づいて取得された前記特別情報についての前記移行判定よりも、遊技者にとって有利な判定が行われ得るものであることを特徴とする特徴F9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態へ移行することを把握している状況において、更に第1取得条件を成立させて特別情報の割込みを発生させる動機付けとすることができる。
特徴F11.前記特別情報について前記移行判定手段による前記移行判定が行われる状況で、前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数が多いほど、当該移行判定が行われる前記特別情報についての前記移行判定の結果を報知するために要する期間を短くすることが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴F4乃至F10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行判定時の特別情報の数が多いほど移行判定の結果を報知するための期間が短くなる。このような構成を利用すれば、所定の特別情報についての待機期間を当該所定の特別情報の取得後に短くすることが可能となる。よって、簡素な構成で、特徴F4の効果を奏することができる。
<特徴G群>
特徴G1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域(遊技領域PE)に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態を特定状態に移行させるか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否抽選処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による前記移行判定の結果が、前記特定状態に移行させることに対応する移行対応結果であったことに基づいて遊技状態を前記特定状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定状態後の遊技状態が、遊技者にとって有利な有利状態(高確率モード)となるように設定する設定手段(主制御装置81による高確率モードの移行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記設定手段は、
前記特定状態の移行前に設定する第1手段(主制御装置81によるデータ設定処理や変動表示時間設定処理を実行する機能)と、
前記特定状態中に設定する第2手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技球を入球部に入球させると遊技状態を特定状態へ移行させるか否かの移行判定が行われる遊技において、特定状態後の遊技状態として遊技者にとって有利な有利状態に移行する場合がある。そのため、遊技者としては、先ずは特定状態へ移行させることに注目して遊技を行い、特定状態に移行すると、その後に有利状態に設定されることに期待する。このような遊技を行う遊技機として、例えば大当たり後に抽選確率が高くなる確変状態に移行し得る遊技機が知られているが、この遊技機においては、大当たりの抽選時に確変状態へ移行させるか否かの抽選も同時に行われていたり、大当たり中に所定の通過部(所謂Vゾーン)を通過させると確変状態に移行させることが可能となる構成が一般的である。前者の場合、確変状態へ移行するか否かは大当たり抽選時に同時に行われるので、遊技者としては確変状態へ移行することを早く知ることが可能であり、優越感を感じつつその後の遊技を行うことが可能となる一方で、大当たり中の遊技が単調となってしまう可能性がある。一方、後者の場合、確変状態へ移行するか否かは大当たり中の遊技に依存するため、大当たり中の注目度が高められる一方で、大当たり時や大当たり前においては、確変状態へ移行するか否かは定かではなく、確変状態へ移行しない大当たりと確変状態へ移行する大当たりとで演出上差を生じさせることが困難となり、大当たり時の演出が単調となってしまう可能性がある。そこで、上記構成のようにすることで、有利状態に移行するように設定するタイミングが特定状態前及び特定状態中に発生し、上記従来の遊技機において懸念される事項を好適に回避しつつ、有利状態への設定を好適に実施することができる。
特徴G2.前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア114b)と、
を備え、
前記移行判定手段は、前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について、前記移行判定を順次実行するものであり、
前記第1手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報について、当該特別情報が前記移行判定手段による前記移行判定が行われるよりも先のタイミングで、当該特別情報に基づいて前記特定状態に移行した場合における当該特定状態後に前記有利状態となるように設定することが可能な手段(主制御装置81による図柄予告を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報が取得されて、その特別情報について移行判定が順次行われる構成において、移行判定よりも前に当該移行判定によって特定状態へ移行する場合にその特定状態後に有利状態となることが設定される場合がある。このようにすれば、大当たり抽選とともに確変状態への移行を抽選する従来の遊技機とは異なり、大当たり抽選前にすら注目させることが可能となる。これにより、有利状態への第1手段による設定、移行判定、特定状態、特定状態中の有利状態への第2手段による設定、と遊技の進行に合わせて関心を持たせるポイントを用意することが可能となり、所謂待ちの時間を解消し、遊技への注目度を保つことができる。
特徴G3.前記情報取得手段により前記特別情報が取得されたタイミングに応じて、当該取得された特別情報に基づいて前記特定状態へ移行した場合の当該特定状態後に前記有利状態に設定される確率が異なる構成であり、
前記第1手段及び前記第2手段は、前記取得されたタイミングにおける前記有利状態に設定される確率を変更することが可能な構成であることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報が取得されたタイミングに応じて有利状態に設定される確率が異なる構成であるから、特別情報が取得される入球部への入球タイミングに高い関心が寄せられる。このようにすれば、入球部への入球が単に特定状態への移行判定の契機となるだけでなく、その入球タイミングも重要な要素となり、入球部への入球へ関心を集約して注目度を高めることができる。この場合、仮に入球タイミングが遊技者にとって好ましいもの、すなわち有利状態に設定され易いタイミングであればよいが、そうではなく好ましくないタイミングであった場合には、その後の遊技者の楽しみが削がれてしまう可能性がある。そこで、上記構成のように、第1手段や第2手段によって有利状態に設定される確率を変更し得る構成とすれば、仮に入球タイミングが遊技者に好ましくないものだったとしても、その後に好ましいものとなることに期待させることが可能となり、遊技への関心を途切れさせないようにすることができる。
特徴G4.前記特定状態後の遊技状態を前記有利状態に移行させるか否かの有利判定を行う有利判定手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理においてV入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による前記有利判定の結果が前記有利状態へ移行させることに対応する特定結果であったことに基づいて前記特定状態後の遊技状態を前記有利状態に移行させることが可能な有利移行手段(主制御装置81による開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利判定は、当該有利判定が行われるタイミングに応じて前記特定結果となる確率が異なる構成であり、
前記第1手段及び前記第2手段は、前記有利判定が行われるタイミングを設定して前記特定状態後に前記有利状態に移行することを設定する構成であることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態へ移行させるか否かは有利判定にて行い、その有利判定が行われるタイミングに応じて有利状態へ移行させる特定結果となる確率が異なる構成となり、第1手段や第2手段は、あくまで有利状態へ移行させるか否かの判定タイミングを設定するものとなる。このようにすれば、有利判定において特定結果となる確率自体は、遊技機として一定とすることができるため、遊技の公平性や透明性を担保することが可能となる。
特徴G5.前記有利判定手段は、前記特定状態中に前記有利判定を実行するものであることを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
上記構成のように有利判定を特定状態中に行うようにすれば、特定状態中の注目度をより高めることができる。そして、この判定タイミングが、上記のように特定状態前と特的状態中とで設定されるのであるから、特定状態前に設定した判定タイミング(第1手段による設定)の影響を特定状態中に及ぼすことができ、これら判定タイミングの設定や有利判定といった関連した事象の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴G6.前記第1手段及び前記第2手段は、前記有利判定が行われるまでの所定期間の長さを設定することで、前記特定状態後に前記有利状態となることを設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴G4又は特徴G5に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定が行われるタイミングに応じて特定結果となる確率が異なる構成であるため、第1手段や第2手段が当該有利判定のタイミングまでの所定期間の長さを設定すれば、有利判定のタイミングをずらしたりして調整することができる。これにより、期間の長さを設定する、といった簡素な構成で、有利状態となることの設定を行うことが可能となる。
特徴G7.前記第1手段が設定する前記所定期間は、前記特定状態に移行するまでに存在し、
前記第2手段が設定する前記所定期間は、前記特定状態中に存在するものであることを特徴とする特徴G6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1手段が設定する所定期間と第2手段が設定する所定期間とが異なる期間帯となり、処理の重複が生じにくくなる。具体的には、仮にそれぞれの所定期間に重複する期間帯が存在する構成であると、一方が設定した期間を他方が再度設定し直すことになり、処理の無駄が生じる可能性があるからである。
特徴G8.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な特定入球部(上作動口33、下作動口34、役物装置150)を備え、
前記第1手段及び前記第2手段は、前記特定入球部への遊技球の入球に基づいて前記設定を行う構成であることを特徴とする特徴G1乃至G7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の発射操作に基づいて遊技球が発射される構成において、特定入球部への入球に基づいて第1手段や第2手段による有利状態の設定が行われる。このようにすれば、有利状態の設定に関し、遊技者が関与することが可能となり、遊技への参加を促すことを通じて、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴G9.前記遊技領域には、前記特定入球部として、第1特定入球部及び第2特定入球部が設けられており、
前記第1手段は前記第1特定入球部への遊技球の入球に基づいて前記設定を行い、前記第2手段は前記第2特定入球部への遊技球の入球に基づいて前記設定を行う構成であることを特徴とする特徴G8に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定入球部と第2特定入球部といった異なる入球部への入球を第1手段と第2手段との有利状態の設定の契機としたことにより、それぞれいずれの手段によって有利状態が設定されるかをより明確に区別して遊技者に把握させることができる。また、第1手段は特定状態前に設定するものであり、第2手段は特定状態中に設定するものであるから、仮に特定状態によって遊技球の発射先を異ならせる遊技機であれば、それぞれの発射先に対応する位置に第1特定入球部と第2特定入球部とを配置すれば、遊技状態によって発射先の異なる遊技機にも好適に対応することができる。
<特徴H群>
特徴H1.遊技領域(遊技領域PE)を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に第1特典を付与するか否かの第1判定を実行する第1判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記第1判定手段による前記第1判定の結果に基づいて遊技者に前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
所定動作を所定周期で実行する動作手段(第1振分部材300、第2振分部材310)と、
前記第1判定手段による前記第1判定が行われる場合に、前記動作手段による前記動作状況を把握する把握手段と、
前記把握手段による把握結果に基づいて、遊技者に前記第1特典とは異なる第2特典を付与することが可能か否かの第2判定を実行する第2判定手段(主制御装置81によるV可能判定処理を実行する機能)と、
前記第2判定手段による前記第2判定の結果に基づいて前記第2特典を付与する第2特典付与手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれは、始動入球部へ遊技球を入球させると、第1特典を得ることができるか否かの第1判定を受けることが可能となるとともに、第1判定が行われる場合の動作手段の動作状況によって第2特典が付与されるか否かの第2判定が実行される。このようにすることで、単に始動入球部に入球させて第1判定を受けるだけでなく、その第1判定を受けるタイミングも遊技の要素に加わり、遊技の多様化が図られる。そして、第2特典が付与されるか否かは動作手段の動作状況によって定まるものであるため、遊技者の注目は始動入球部だけでなく動作手段へも注がれることになり、更なる遊技の多様化が図られる。したがって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
なお、把握手段について、「前記第1判定手段による前記第1判定が行われるタイミングにおける前記動作手段による前記動作状況を把握する」と表現してもよい。また、第1判定の結果を報知する報知手段を備える構成としたうえで、把握手段について、「前記報知手段にて前記第1判定手段による前記第1判定の結果が報知される場合に、前記動作手段による前記動作状況を把握する」と表現してもよいし、「前記報知手段にて前記第1判定手段による前記第1判定の結果が報知されるタイミングにおける前記動作手段による前記動作状況を把握する」と表現してもよい。
特徴H2.前記第2特典付与手段は、前記第1判定手段による前記第1判定の結果が前記第1特典を付与することに対応する結果である場合に、前記第2特典を付与することが可能となる構成であることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1判定の結果が第2判定よりも優先される。つまり、第2判定が第2特典を付与することが可能となる結果であったとしても、第1判定の結果が第1特典を付与することに対応する結果でなければ、第2特典は付与されない。このように、ランダムに発生する第1判定を優先することで、周期的に動作する動作手段の動作状況から第2特典を有利に得ようとする行為を抑制することができる。
特徴H3.前記第1判定手段による前記第1判定の結果の報知を所定の報知手段(図柄表示装置41)にて実行することが可能な第1報知手段(演出制御装置82による変動表示制御用処理を実行する機能)と、
前記第1報知手段により前記第1判定の結果が報知される際に、前記第2判定手段による前記第2判定の結果に対応する報知を前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて実行することが可能な第2報知手段(演出制御装置82による大当たり用の図柄決定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、第2判定の結果を第1判定の結果とあわせて知ることが可能となる。このようにすれば、判定契機の異なる第1判定と第2判定とが、関連性のある印象を高めることができる。
特徴H4.前記第2特典付与手段は、前記第2判定手段による前記第2判定の結果が前記第2特典を付与することに対応する結果であって、且つその後に予め定められた付与条件が成立したことに基づいて前記第2特典を付与する構成であることを特徴とする特徴H1乃至H3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2判定手段による第2判定の結果、すなわち、第1判定が行われる場合の動作手段の動作状況のみでは、第2特典は付与されず、その後に付与条件を成立させる必要が生じる。このようにすれば、動作手段の動作状況により意図的に第2特典を得ようとする行為を抑制することができる。
特徴H5.前記動作手段は、前記所定動作により前記遊技領域を流下する遊技球の挙動に変化を生じさせることが可能な構成であり、
前記動作手段により挙動の変化が生じた遊技球が到達可能な領域に設けられ、当該遊技球が通過可能な通過部(V入賞口182a)を備え、
前記付与条件は、前記通過部を遊技球が通過することで成立するものであることを特徴とする特徴H4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1判定が行われる場合の動作手段の動作状況によって行われる第2判定の結果が第2特典を付与することに対応する結果であり、その後に、当該動作手段によって挙動の変化が生じた遊技球が通過部を通過して付与条件が成立すると、第2特典が付与される。つまり、第2判定→付与条件の成否、といった2段階の判定を経て第2特典を付与する構成において、いずれの判定もが動作手段に関連付けられる。このようにすることで、遊技球の挙動や動作手段の動作といった目で見て楽しむ遊技を積極的に行わせつつも、周期的な動作を狙い撃つ行為を抑制することが可能となる。
特徴H6.前記第2特典付与手段は、前記付与条件が予め定められた所定期間内に成立しなければ、前記第2判定手段による前記第2判定の結果が前記第2特典を付与することに対応する結果であっても、前記第2特典を付与しないものであることを特徴とする特徴H4又は特徴H5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特典についての付与条件の成否に制限期間を設けることで、遊技が間延びせず、付与条件が成立するか否かへの注目度を好適に高めることができる。
特徴H7.遊技状態として、通常状態よりも遊技者にとっての有利度が高い有利状態(開閉実行モード)が設定されており、
前記第1特典付与手段は、前記第1特典として遊技状態を前記有利状態に設定するものであり、
前記第2特典の前記付与条件は、前記有利状態中に成立し得るものであることを特徴とする特徴H4乃至H6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとって有利であってそもそも注目度が向上している有利状態中に付与条件が成立し得る構成となるため、付与条件の成否が見逃されてしまう事象の発生を抑制することができる。
特徴H8.前記有利状態として、第1有利状態と、当該第1有利状態とは異なる第2有利状態とが設定されており、
前記第1特典付与手段は、前記第1特典として遊技状態を前記第1有利状態に設定するものであり、
前記第2特典の前記付与条件は、前記第1有利状態中に成立し得るものであり、
前記第2特典付与手段は、前記第2特典として前記第1有利状態後の有利状態を前記第2有利状態に設定するものであることを特徴とする特徴H7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特典として第1有利状態に移行し、当該第1有利状態中に第2特典が付与されるか否かの付与条件が成立すると、第1有利状態に続けて第2有利状態へ移行する。つまり、第1有利状態中の遊技によって、更に遊技者にとって有利な状態が継続する(第2有利状態へ移行する)か否かが定まるため、第1有利状態中の注目度をより高めることが可能となる。
特徴H9.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも遊技球が入球しにくい又は入球不可能な閉状態とに変位可能な可変入球手段(役物装置150)を備え、
前記第1有利状態は、前記可変入球手段が前記開状態となることが可能となる状態であり、
前記付与条件は、前記可変入球手段へ入球した遊技球の挙動によって成立し得る構成であることを特徴とする特徴H8に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態となると遊技球を可変入球手段へ入球させることが可能となる。そして、可変入球手段へ入球した遊技球の挙動によって付与条件が成立し得る構成としたため、第1有利状態において、単に可変入球手段へ入球させる遊技を淡々と行わせるだけでなく、入球させた後の遊技球の挙動へも関心を寄せさせることが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
<特徴I群>
特徴I1.遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の挙動に変化を与える所定の動作を実行可能な動作手段(開閉役物168、第1振分部材300、第2振分部材310)と、
を備える遊技機において、
所定の制御を実行する第1制御手段(主制御装置81)及び第2制御手段(演出制御装置82)を備え、
前記第1制御手段は、
前記入球部への入球に基づいて、所定の判定を行う判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定が行われることに基づいて、第1報知手段(メイン表示部43)にて変化表示を実行し、前記判定の結果に対応する報知結果として前記第1報知手段における前記変化表示を終了させる第1変化表示手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第1変化表示手段により前記変化表示が行われる場合、当該変化表示の内容を決定する第1決定手段(主制御装置81によるステップS708、ステップS710の処理を実行する機能)と、
前記変化表示の内容を含む変化表示情報(変動用コマンド、種別コマンド)を、前記第2制御手段へ出力する手段(主制御装置81によるステップS713の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2制御手段は、
前記判定手段による判定が行われることに基づいて、第2報知手段(図柄表示装置42)にて変化表示を実行し、前記判定の結果に対応する報知結果として前記第2報知手段における前記変化表示を終了させる第2変化表示手段(演出制御装置82による変動表示制御装置処理を実行する機能)と、
前記変化表示情報及び前記動作手段による前記所定の動作の状況に基づいて、前記第2報知手段における前記変化表示の内容を決定することが可能な第2決定手段(演出制御装置82による大当たり用の図柄決定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、入球部に遊技球が入球すると所定の判定が行われて、その判定結果に対応する変化表示が第1報知手段にて行われるとともに、第2報知手段にて行われる。この場合、第1報知手段と第2報知手段とはそれぞれ主体となる制御手段が異なり、第1報知手段は上記判定を行う第1制御手段により実行され、第2報知手段はこの第1制御手段からの変化表示情報を受ける第2制御手段により実行される。
このような構成において、第2報知手段は、第1制御手段からの変化表示情報と、所定の動作を行う動作手段の動作状況に基づいて変化表示の内容を決定して当該変化表示を実行する。これにより、複数の報知手段によって報知を行う構成において、その内容を整合させつつもその充実度を異ならせることが可能となる。
例えば、判定結果の報知に基づいて適正な遊技が行われていることを監視する遊技ホールの管理者等には、判定結果が明確に把握できることは好ましい。これに対して、演出の内容も含めて遊技を楽しみたい遊技者にとっては、単に判定結果が報知されるだけでは物足りず、多様な演出を望むものと考えられる。ここで、演出を多様なものとする工夫として、動作手段を演出の一部に取り入れる構成も考えられるが、従来の遊技機では、単に判定結果を報知するための演出の一種として動作手段を動作させているに過ぎず、判定結果ありきで動作手段を動作させる構成となっていた。これに対して、上記構成では、動作手段の動作状況を加味して変化表示の内容が決定される。そのため、動作手段の動作が変化表示の付加的なものではなく主体的なものとして扱われているといえる。このようにすれば、変化表示が行われる際の動作手段の動作にさえも注目させることができ、第2報知手段側の変化表示の内容の充実度を劇的に向上させることが可能となる。よって、第1報知手段と第2報知手段との内容の整合をとりつつも、第2報知手段における注目度を好適に高めることができる。
特徴I2.前記第2決定手段は、前記第2報知手段における前記変化表示を終了させる場合の前記報知結果を決定することが可能であることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段からの変化表示情報と動作手段の動作状況に基づいて、第2報知手段側の変化表示の報知結果が決定される。つまり、判定手段の結果を第1報知手段や第2報知手段の変化表示の報知結果によって報知する構成において、その報知結果に動作手段の動作状況が加味されることになる。これにより、入球部への入球に基づく判定が、あたかも動作手段の動作態様までも加味されて行われているかのように遊技者に思わせることができ、遊技球の流下を楽しむ遊技と動作手段の動作を楽しむ遊技とを融合させた斬新な遊技とすることが可能となる。
特徴I3.前記判定手段による判定結果が遊技者に第1特典(開閉実行モード)を付与することに対応する結果(大当たり結果)であることに基づいて、遊技者に特典を付与することが可能な第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が通過可能な通過部(V入賞口182a)と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて遊技者に前記第1特典とは異なる第2特典(高確率モード)を付与することが可能となる第2特典付与手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記動作手段は、前記所定の動作により遊技球の挙動が変化することによって、前記通過部の通過率に変化が生じ得るように設けられていることを特徴とする特徴I1又は特徴I2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知手段は判定手段による判定結果、すなわち第1特典が付与されるか否かを報知し、第2報知手段は第1特典が付与されるか否かの内容に加えて第2特典が付与されるか否かに関係する内容が報知される。つまり、第1報知手段と第2報知手段とはその報知内容のうち第1特典の付与に関する内容については一致しており、第2特典の付与に関する内容については第2報知手段のみが報知する構成としている。ここで、遊技球の挙動によって特典が付与されるか否かが変化する構成においては、数値情報に基づく抽選とは異なり、遊技球の挙動によるイレギュラーが生じ得るものであり、このイレギュラーの発生を含めて遊技者は特典が付与されるか否かを楽しむことが可能となっている。しかし、そのイレギュラーが生じることに起因して、特典が付与されるか否かを報知しようとしても困難な場合が多い。そこで、第1報知手段に関しては、遊技球の挙動に関連しない側の第1特典付与に関する内容を報知するようにしたことで、特典付与の有無と報知内容との不整合の発生を回避することが可能となる。
特徴I4.前記第2決定手段は、前記動作手段の前記所定の動作の状況から、その後に遊技球が前記通過部を通過することが可能となるか否かを把握して、前記第2報知手段における前記変化表示の内容を決定することが可能な構成であることを特徴とする特徴I3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が通過部を通過するか否かを後追いではなく先に報知することが可能となる。これにより、遊技者は、その報知によってその後に遊技球が通過部を通過することを把握することができ、第2特典が付与されることを付与されるよりも先に認識することが可能となる。
特徴I5.前記動作手段は、前記所定の動作を所定周期で行うものであり、
前記第2決定手段は、前記所定周期と前記動作状況とから前記変化表示の内容を決定することが可能な構成であることを特徴とする特徴I4に記載の遊技機。
上記構成のように、動作手段が周期動作を行う構成とすれば、その周期的な動作からその後の状況を容易に予測することが可能となる。
特徴I6.前記第1制御手段は、前記動作手段の前記所定の動作の状況を把握する把握手段(役物カウンタYK1,YK2)と、
前記把握手段により把握された前記所定の動作の状況の情報が含まれる動作状況情報(第1役物コマンド、第2役物コマンド)を、前記第2制御手段へ出力する手段(主制御装置81によるステップS1319、ステップS1411の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2決定手段は、前記変化表示情報及び前記動作状況情報とに基づいて、前記変化表示の内容を決定することが可能な構成であることを特徴とする特徴I1乃至I5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2制御手段側で動作手段の動作の状況を把握する必要が生じない。ここで、制御手段への不正行為を効率的に抑制する、という観点からすると、判定手段のように遊技者の利益に関与する構成は一の制御手段へ集約することが好ましい。その点、遊技球の挙動に変化を生じさせる動作手段を制御する構成も、遊技の利益に関与するものであるため、判定手段を有する第1制御手段が有している方が良い。そこで、上記構成のように第1制御手段側で動作手段の動作の状況を把握する構成とすれば、動作手段の動作制御を行う構成と当該動作の状況を把握する構成が一の制御手段に集約されることになる。そして、その内容を第2制御手段側に出力する構成とすれば、第2制御手段において動作制御を行うことなくその動作の状況を把握することができ、変化表示の内容を好適に決定することができる。
特徴I7.前記動作手段として、
遊技の進行に伴って特定事象(上作動口33、下作動口34への入賞)が発生した場合に、遊技球の挙動に変化を与え得る所定の第1動作を実行可能な第1動作手段(開閉役物168)と、
遊技球の挙動に変化を与え得る所定の第2動作を、所定周期で実行可能な第2動作手段(第1振分部材300、第2振分部材310)と、
を備えていることを特徴とする特徴I1乃至I6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の進行に伴ってランダムに生じ得る特定事象が発生した場合に動作する第1動作手段と、所定周期で動作する第2動作手段と、の動作状況が加味されて、第2報知手段による変化表示の内容が決定される。このようにすることで、第2報知手段側の変化表示の充実度が向上し、第2報知手段側の注目度を高めることが可能となる。
なお、上記構成は、例えば、「前記第2決定手段は、前記特定事象の発生に基づき、前記第1動作が行われる場合の前記第2動作の状況を把握して、前記変化表示の内容を決定することが可能」、「前記第2決定手段は、前記特定事象の発生に基づき、前記第1動作の実行タイミングと前記第2動作の動作状況とを把握して、前記変化表示の内容を決定することが可能」、「前記第2決定手段は、前記特定事象の発生に基づき、前記第1動作の実行タイミングと、前記所定周期から導き出される前記第2動作の状況とを把握して、前記変化表示の内容を決定することが可能」、「前記第2決定手段は、前記特定事象の発生に基づき、前記第1動作及び前記第2動作を把握して、前記変化表示の内容を決定することが可能」、等の限定することによって、その効果をより顕著に奏することができる。
なお、上述した各特徴A~I群の各発明に示した技術的思想を、各特徴A~I群の各発明に対して互いに適用してもよく、一部又は全部を組み合わせ各特徴A~I群の各発明に対して適用してもよい。また、各特徴A~I群の各発明に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…パチンコ機、24…遊技盤、33…上作動口、34…下作動口、41…図柄表示装置、60…発射ハンドル、81…主制御装置、82…演出制御装置、150…役物装置、168…開閉役物、182a…V入賞口、182b…外れ口、192…V入賞センサ、193…外れ用センサ、300…第1振分部材、300a…第1振分駆動部、310…第2振分部材、310a…第2振分駆動部。

Claims (3)

  1. 遊技の進行に伴って特定事象が発生した場合に、遊技球の挙動に変化を与え得る所定の第1動作を実行可能な第1動作手段と、
    所定情報を所定周期で更新可能な更新手段と、
    遊技球の挙動に変化を与え得る所定の第2動作を、前記所定情報が特定情報である場合に実行可能な第2動作手段と、
    を備え、
    前記第1動作手段による前記第1動作が行われる特別状態が設定されており、
    前記所定情報に基づいて、前記第1動作が行われる場合に所定の前記第2動作が行われることに対応する情報を前記特別状態の移行前に把握することが可能な把握手段と、
    前記把握手段の把握結果を利用して、演出手段による演出内容を決定する演出決定手段と、
    を備え
    前記第2動作手段による遊技球の挙動の変化を遊技者が視認可能とされていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記演出決定手段は、前記把握手段の把握結果を利用して、前記特別状態に移行する前の演出内容を決定可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 所定の前記第2動作が行われないことに対応する演出が実行された後、特別条件が成立した場合に、所定の前記第2動作が行われることに対応する演出を実行することが可能な手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
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