JP4278746B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者の操作に応じて遊技が行われるパチンコ遊技機やコイン遊技機等の遊技機に関し、特に、遊技盤における遊技領域において遊技者の操作に応じて遊技が行われる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。遊技媒体の払い出しは払出機構によって行われる。そして、払出機構は、賞球制御手段によって制御される。従って、遊技機の遊技進行を制御する主制御手段から、入賞に応じた賞球個数が賞球制御手段に指示される。賞球制御手段は、その指示に応じた個数の遊技媒体を払出機構から払い出す制御を行う。
【0003】
入賞領域に入賞があったことは、通常、遊技盤裏面に設置されているスイッチによって検知される。そして、遊技制御手段は、スイッチからの信号を入力して入賞の有無を検出する。遊技制御手段はマイクロコンピュータで構成されていることが多いので、スイッチからの電気的信号がマイクロコンピュータの入力ポートに供給される。すなわち、スイッチは、電気的に駆動される。
【0004】
遊技機に供給される交流電源が瞬時停止(瞬停)した場合には、交流電源から生成される各直流電源の電圧レベルは、電源ラインに容量分が存在するので、徐々に低下していく。なお、直流電源として、電気部品を駆動するための+5V電源や、機構部品を駆動するための+12V電源等がある。交流電源が瞬停した場合には、直流電源の電圧レベルが徐々に低下していくので、電気部品等が誤動作するおそれが生ずる。そこで、そのような場合には、+5V電源の電圧レベルが所定値を下回ると、遊技進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータの動作を停止させるためのリセット信号が所定期間有意なレベルになる。リセット信号が有意なレベルにある間、遊技制御用マイクロコンピュータは動作を停止する。その後、交流電源が瞬停から回復すると、直流電源の電圧レベルが徐々に回復していく。そして、電気部品は動作可能状態に復帰する。
【0005】
近接スイッチを使用する入賞検出スイッチは、+12V電源を使用し、入賞があったことを示すオン状態では電流出力を停止し、オフ状態では+12V電源による電流を出力する。上述したように、電源瞬停時には+12V電源の電圧レベルも徐々に低下していくのであるが、ある程度まで電圧レベルが低下すると、スイッチは電流出力を停止する。すると、スイッチの出力を監視する遊技制御用マイクロコンピュータは、実際には入賞がないにも関わらず入賞検出スイッチがオンしたと認識する。
【0006】
図13は、従来の遊技機における電源瞬停時の入賞検出スイッチと遊技制御用マイクロコンピュータの動作状態を示すタイミング図である。(a)に示すように電源瞬停が生ずると、+5V電源の電圧レベル((c)参照)および+12V電源の電圧レベル(図示せず)は低下するが、遊技制御用マイクロコンピュータに対してリセット信号を与えるか否か決定するための監視値が所定値を下回る前に、スイッチは電流出力を停止してしまう。すなわち、オン状態を呈してしまう((b)参照)。すると、リセット信号によって遊技制御用マイクロコンピュータが動作停止状態(リセット状態)に入る前に、遊技制御用マイクロコンピュータは、スイッチのオン状態を検出して((d)参照)、対応する内部フラグをセットしてしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の遊技機では、電源瞬停時に、実際には入賞がないにも関わらず入賞検出スイッチがオンしたと認識され、瞬停から回復したときに、誤って認識された入賞にもとづいて賞球払出が行われてしまうおそれがある。すなわち、電源瞬停が発生すると、本来遊技者に与えられるべきでない利益が与えられ、遊技の公正が保たれないという課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、電源瞬停が生じても入賞を誤検出することなく、瞬停からの回復時に公正な遊技を続行することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技者を遊技領域に発射して遊技を行い、遊技球が遊技領域内に形成された入賞領域に入賞することによりあらかじめ定められた所定数の遊技球を賞球として遊技者に払い出す遊技機であって、少なくとも異なる種類の賞球数毎に遊技球の入賞を検知するスイッチ手段が設けられ、遊技の進行を制御するとともに、スイッチ手段からの検知信号にもとづいて賞球払出を行わせる制御を行う遊技制御手段と、スイッチ手段を駆動するための電源電圧を監視して該電源電圧が所定値まで低下したことを検出したときに遊技制御手段の動作を停止させるリセット手段とを備え、所定値は、スイッチ手段の出力がオン状態になる電圧値よりも高く、スイッチ手段を駆動するための電源電圧は、一の電源ラインを介してリセット手段に供給されるとともに他の電源ラインを介してスイッチ手段に供給され、一の電源ラインには電源オフ時の電源電圧の低下を遅くするためのコンデンサが挿入されずに、他の電源ラインにコンデンサが挿入されているように構成されたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図、図2はパチンコ遊技機1の内部構造を示す全体背面図、図3はパチンコ遊技機1の遊技盤を背面からみた背面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、例えばコイン遊技機等であってもよい。
【0013】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3からあふれた景品玉を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
【0014】
遊技領域7の中央付近には、複数種類の図柄を可変表示するための可変表示部9と7セグメントLEDによる可変表示器10とを含む可変表示装置8が設けられている。可変表示装置8の側部には、打球を導く通過ゲート11が設けられている。通過ゲート11を通過した打球は、玉出口13を経て始動入賞口14の方に導かれる。通過ゲート11と玉出口13との間の通路には、通過ゲート11を通過した打球を検出するゲートスイッチ12がある。また、始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ17によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0015】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(Vゾーン)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出される。また、開閉板20に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。可変表示装置8の下部には、始動入賞口14に入った入賞球数を表示する4個の表示部を有する始動入賞記憶表示器18が設けられている。この例では、4個を上限として、始動入賞がある毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
【0016】
遊技盤6には、複数の入賞口19,24が設けられている。入賞口19,24に入った入賞球は、それぞれ入賞口スイッチ19a,24aで検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられている。
【0017】
そして、この例では、一方のスピーカ27の近傍に、景品玉払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給玉が切れたときに点灯する玉切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技台1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって玉貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0018】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カード内に記録された残額情報に端数(100円未満の数)が存在する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられる度数表示LEDに表示させるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0019】
打球発射装置から発射された打球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、普通図柄を可変表示する可変表示器10の表示数字が連続的に変化する状態になる。普通図柄の変動を開始できる状態でなければ、ゲート通過記憶を1増やす。
【0020】
また、打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、可変表示部9内の3つの図柄が回転を始める。可変表示部9内の画像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の図柄の組み合わせが大当たり図柄の組み合わせであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。この継続権の発生は、所定回数(例えば15回)許容される。
【0021】
停止時の可変表示部9内の図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせであって、可変表示器10の示す図柄が所定の図柄である場合には、その後、可変入賞球装置15が高い頻度で開状態となるとともに、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0022】
停止時の可変表示部9内の画像の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
また、可変表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、可変表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
【0023】
なお、遊技領域7には、ゲート通過記憶を表示するための表示器も設けられるが、図1では省略されている。また、大当り遊技状態におけるラウンド表示および各ラウンド中のテンカウント表示を行う7セグメントLED等や、V入賞表示を行うLED等が設置されていることもある。
【0024】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。
パチンコ遊技機1の裏面では、図2に示すように、機構板36の上部に玉タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から景品玉が玉タンク38に供給される。玉タンク38内の景品玉は、誘導樋39を通って玉払出装置97に至る。また、機構板36の上部には、パチンコ遊技機1内の各情報を外部に出力するための端子や電源コネクタおよび電源スイッチ等が設けられているターミナル基板160が設置されている。なお、ターミナル基板160の裏面には、各種基板で使用される電圧を生成する電源回路が搭載された電源基板が設置されている。
【0025】
玉タンク38は、その左右に設けられている取付片によって上部ベースユニット161の所定の位置(この位置には、玉タンク38の側面形状に沿った凹部が形成されている)にビスで取り付けられている。また、玉タンク38は、上面が開放したボックス状に形成され、その底面下流側に誘導樋39につながる落下口168が形成されている。落下口168の上部の傾斜底面には揺動自在に軸支されている玉切れ検出レバー166が設けられている。
【0026】
そして、玉切れ検出レバー166の下方には玉切れ検出スイッチ167が設置されている。玉切れ検出スイッチ167が玉タンク38内の補給玉が不足を検出すると、遊技場に設置されているホールコンピュータに補給玉要求信号が出力されるとともに、遊技盤6に設けられている玉切れランプ52が点灯される。玉切れ検出レバー166は、玉タンク38内に補給玉が存在している場合には玉切れ検出スイッチ167をオフ状態にし、玉タンク38内の補給玉がなくなった場合には玉切れ検出スイッチ167をオン状態にする。
【0027】
玉タンク38の下流側に配置された誘導樋39は、上部ベースユニット161の一端から他端に向けて傾斜して取り付けられている。誘導樋39の内部中央には仕切り壁39aが設置され、仕切り壁39aは、落下口168から流出した補給玉を下流に向かって確実に左右2列に整列させるために徐々に高く設置されている。誘導樋39の下流側上部には玉ならし部材170が設置され、玉ならし部材170は、誘導樋39を上下2段になって流れる補給玉を1段にするように作用する。玉ならし部材170の下流側には、玉止め金具171と玉ならし金具172とが設置されている。玉止め金具171は、誘導樋39に貯留された補給玉を故障時や点検時に一時的に止めておくためのものである。また、玉ならし金具172は、補給玉を最終的に1段に整列させるためのものである。
【0028】
誘導樋39のさらに下流側には、逆「く」字状の通路が形成されるカーブ樋174が接続されている。カーブ樋174は、誘導樋39によって前後方向2列になって流下する補給玉を、左右方向3列になって玉払出装置97に向かって落下するように方向転換する。また、カーブ樋174の屈曲部には玉抜き口が形成され、玉抜き口は玉抜き弁175で塞がれている。玉抜き弁175はパチンコ遊技機1の前面から玉抜きピンが差し込まれることによって開放状態とされる。そして、玉抜き弁175の下部には、玉抜き通路176が形成されている。
【0029】
カーブ樋174の左右下部には連結突部177が設けられている。連結突部177には、中間ベースユニット162の上端に形成されている連結凹突部182が挿入される。その状態で、連結凹突部182の上方からビス止めがなされ、中間ベースユニット162は上部ベースユニット161に固定される。中間ベースユニット162には、カーブ樋174を通った補給玉が通過する通路体や玉払出装置97が固定されるのであるが、中間ベースユニット162および玉払出装置97の構成については後で詳しく説明する。
【0030】
また、機構板36の下部には、下部ベースユニット163が設置されている。下部ベースユニット163の前面側(遊技盤6の側)のほぼ中程には入賞球集合樋203が傾斜して設けられている。入賞球集合樋203は、遊技盤の各入賞装置に入賞した入賞球を受け止めて、入賞球出口221に誘導する。よって、入賞球集合樋203の下流側が、入賞球を1個ずつ流下させる入賞球誘導通路205となっている。そして、入賞球誘導通路205には、通過する入賞球を検出するスイッチである集合検出器115が設けられている。また、遊技盤6のアウト口26からのアウト玉を導くアウト玉誘導通路206も形成されている。アウト玉誘導通路206の末端は、玉抜き下部通路207に合流するように形成されている。
【0031】
下部ベースユニット163の後面側(遊技盤6から遠い側)には、景品玉払出通路208が形成されている。そして、景品玉払出通路208の下端には上皿連通口210が形成されている。上皿連通口210は、遊技機の前面に設置されている打球供給皿3に景品玉を導くものである。また、景品玉払出通路208の側方には、玉抜き通路176と連通する玉抜き下部通路207が形成されている。玉抜き下部通路207は、途中で景品玉払出通路208と入賞球出口221と連通し、最終的にアウト玉誘導通路206と合流する。
【0032】
下部ベースユニット163の下部には、賞球制御回路基板収納部148に取り付けられた基板ボックス149が設置されている。基板ボックス149には、賞球制御基板37が収納されている。そして、賞球制御基板37には、玉払出装置97やカードユニット50からの配線を接続するためのコネクタ153が設置されている。
【0033】
図3はパチンコ遊技機1の遊技盤を背面からみた背面図である。遊技盤6の裏面には、図3に示すように、各入賞口および入賞球装置に入賞した入賞玉を所定の入賞経路に沿って導く入賞玉集合カバー40が設けられている。入賞玉集合カバー40に導かれる入賞玉のうち、開閉板20を経て入賞したものは、玉払出装置97が相対的に多い景品玉数(例えば15個)を払い出すように制御される。始動入賞口14を経て入賞したものは、玉払出装置(図3において図示せず)が相対的に少ない景品玉数(例えば6個)を払い出すように制御される。そして、その他の入賞口24および入賞球装置を経て入賞したものは、玉払出装置が相対的に中程度の景品玉数(例えば10個)を払い出すように制御される。なお、図3には、中継基板33が例示されている。
【0034】
賞球払出制御を行うために、集合検出器115、始動口スイッチ17、入賞口スイッチ19a,24aおよびカウントスイッチ23からの信号が、主基板31に送られる。始動口スイッチ17がオンすると、主基板31から賞球制御基板に賞球個数「6」を示す賞球制御コマンドが出力され、カウントスイッチ23がオンすると、主基板31から賞球制御基板に賞球個数「15」を示す賞球制御コマンドが出力される。そして、入賞口スイッチ19a,24aがオンすると、主基板31から賞球制御基板に賞球個数「10」を示す賞球制御コマンドが出力される。
【0035】
このように、この実施の形態では、各入賞口および入賞装置対応に設けられているスイッチによって入賞が検出されると、直ちに主基板31から賞球制御基板に賞球払出を指示する賞球制御コマンドが送出される。なお、各入賞口および入賞装置対応に設けられているスイッチによって入賞が検出された後、所定時間が経過しても集合検出器115によって入賞球が検出されない場合には、不正入賞が発生したか、または、入賞球集合樋203や入賞球誘導通路205で玉詰まりが発生したとして遊技機はエラー状態にされる。
【0036】
なお、図1に示すように、この実施の形態では、遊技領域7の中央部の左右にそれぞれ入賞口24が設けられ、遊技領域7の下部左右にそれぞれ入賞口19が設けられているので、2つのスイッチ24aと2つのスイッチ19aが設けられる。
【0037】
また、そのように各入賞口または入賞装置対応にスイッチを設けてもよいが、入賞による賞球個数が同じ入賞口および入賞装置については1つのスイッチで対応してもよい。例えば、各入賞口19,24への入賞があると10個の賞球払出が行われるので、各入賞口19,24への入賞球をまとめる玉流路を設け、その玉流路に1つのスイッチを設けるようにしてもよい。
【0038】
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、賞球制御基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、集合検出器115、余剰玉受皿4の満タンを検出する満タンスイッチ402、各入賞口スイッチ19a,24aおよび玉切れ検出スイッチ167からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および開閉板20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、装飾ランプ25を駆動するランプ・LED回路60とを含む。
【0039】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の画像表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含む。
【0040】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、制御用のプログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。なお、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている場合もある。
【0041】
さらに、主基板31には、電源投入時に基本回路53をリセットするための初期リセット回路65と、定期的(例えば、2ms毎)に基本回路53にリセットパルスを与えてゲーム制御用のプログラムを先頭から再度実行させるための定期リセット回路66と、基本回路53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67とが設けられている。
【0042】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0043】
次に遊技機の動作について簡単に説明する。
図5は、主基板31における基本回路53の動作を示すフローチャートである。上述したように、この処理は、定期リセット回路66が発するリセットパルスによって、例えば2ms毎に起動される。基本回路53が起動されると、基本回路53は、まず、クロックモニタ制御を動作可能状態にするために、CPU56に内蔵されているクロックモニタレジスタをクロックモニタイネーブル状態に設定する(ステップS1)。なお、クロックモニタ制御とは、入力されるクロック信号の低下または停止を検出すると、CPU56の内部で自動的にリセットを発生する制御である。
【0044】
次いで、CPU56は、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理を行う(ステップS2)。この例では、スタックポインタに00FFHが設定される。そして、システムチェック処理を行う(ステップS3)。システムチェック処理では、CPU56は、RAM55にエラーが含まれているか判定し、エラーが含まれている場合には、RAM55を初期化するなどの処理を行う。
【0045】
次に、表示制御基板80に送出されるコマンドデータをRAM55の所定の領域に設定する処理を行った後に(表示制御データ設定処理:ステップS4)、コマンドデータを表示制御コマンドデータとして出力する処理を行う(表示制御データ出力処理:ステップS5)。
【0046】
次いで、各種出力データの格納領域の内容を各出力ポートに出力する処理を行う(データ出力処理:ステップS6)。また、ランプタイマを1減ずる処理を行い、ランプタイマがタイムアウトしたら(=0になったら)、ランプデータポインタを更新するとともに新たな値をランプタイマに設定する(ランプタイマ処理:ステップS7)。
【0047】
また、ランプデータポインタが示すアドレスのデータ、ホール管理用コンピュータに出力される大当り情報、始動情報、確率変動情報などの出力データを格納領域に設定する出力データ設定処理を行う(ステップS8)。さらに、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS9)。
【0048】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処理を行う(ステップS10)。
【0049】
次に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS11)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS12)。普通図柄プロセス処理では、7セグメントLEDによる可変表示器10を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0050】
さらに、CPU56は、スイッチ回路58を介して、各スイッチの状態を入力し、スイッチ状態に応じて必要な処理を行う(スイッチ処理:ステップS13)。また、音声タイマを1減ずる処理を行い、音声タイマがタイムアウトしたら(=0になったら)、音声データポインタを更新するとともに新たな値を音声タイマに設定する。そして音声データポインタが示すアドレスのデータを、音声制御基板70に送出する(音声処理:ステップS14)。
【0051】
基本回路53は、さらに、表示用乱数を更新する処理を行う(ステップS15)。すなわち、図柄決定用乱数を生成するためのカウンタやリーチ判定用乱数を生成するためのカウンタ等のカウントアップ(1加算)を行う。
【0052】
また、基本回路53は、賞球制御基板37との間の信号処理を行う(ステップS16)。すなわち、所定の条件が成立すると賞球制御基板37に賞球個数を示す賞球制御コマンドを出力する。賞球制御基板37に搭載されている賞球制御用CPUは、受信した賞球個数に応じて玉払出装置97を駆動する。
その後、基本回路53は、次に定期リセット回路66からリセットパルスが与えられるまで、ステップS17の表示用乱数更新処理を繰り返す。
【0053】
図6は、図5に示されたメイン処理におけるスイッチ処理(ステップS13)を示すフローチャートである。スイッチ処理において、CPU56は、ゲートスイッチ12がオンしたことを検出するとゲートスイッチONフラグをセットし(ステップS121,S122)、始動口スイッチ17がオンしたことを検出すると始動口スイッチONフラグをセットし(ステップS123,S124)、カウントスイッチ23がオンしたことを検出するとカウントスイッチONフラグをセットし(ステップS125,S126)、Vカウントスイッチ22がオンしたことを検出するとVカウントスイッチONフラグをセットする(ステップS127,S128)。
【0054】
なお、ゲートスイッチONフラグは普通図柄プロセス処理(メイン処理のステップS12)で検出され、始動口スイッチONフラグは特別図柄プロセス処理(メイン処理のステップS11)で検出される。また、カウントスイッチONフラグおよびVカウントスイッチONフラグは、特別図柄プロセス処理で検出される。
【0055】
さらに、CPU56は、打球供給皿3からあふれた景品玉を貯留する余剰玉受皿4の満タンを検出する満タンスイッチ402がオンすると満タン状態フラグをセットし(ステップS129,S130)、満タンスイッチ402がオフすると満タン状態フラグをリセットする(ステップS129,S131)。また、入賞口スイッチ19a,24aがオンすると入賞口ONフラグをセットし(ステップS132,S133)、集合検出器115がオンしたことを検出すると集合検出器ONフラグをセットする(ステップS134,S135)。なお、満タン状態フラグ、入賞口ONフラグおよび集合検出器ONフラグは、例えば、入賞球信号処理(ステップS16)において参照される。
【0056】
さらに、玉切れ検出スイッチ167がオンすると玉切れ状態フラグをセットし(ステップS136,S137)、玉切れ検出スイッチ167がオフすると玉切れ状態フラグをリセットする(ステップS136,S138)。また、賞球カウントスイッチがオンしたことを検出すると賞球カウントスイッチONフラグをセットする(ステップS139,S140)。なお、玉切れ状態フラグおよび賞球カウントスイッチONフラグは、例えば、入賞球信号処理において参照される。また、賞球カウントスイッチは、玉払出装置97の賞球払出機構からの払出個数を検出するスイッチである。
【0057】
図7は、主基板31におけるスイッチ出力検出に関わる部分と各スイッチとを示す回路図である。なお、図7に示す例では、各スイッチの出力は、中継基板33Aを介して主基板31に入力される。
【0058】
ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞検出スイッチ19aおよび入賞検出スイッチ24aには、ダイオードD11を介して+12Vが供給されている。なお、+12Vは各スイッチだけでなく、ランプ制御基板等にも供給されている。また、主基板31から各スイッチに+12Vが供給される場合に、始動口スイッチ17への+12Vラインは、他の+12Vラインとは独立して配線されている。そして、+12Vラインとグラウンドの間には、比較的大容量(例えば470μF)のコンデンサC11が接続されている。さらに、この例では、各+12Vラインの共通点にコンデンサC11が接続されている。
【0059】
なお、この実施の形態では、入賞口に対応して2つの入賞検出スイッチ19aおよび2つの入賞検出スイッチ24aが設置されているが、図7には、それぞれ1つが示されている。また、入賞検出スイッチ19a,24aへ遊技球が入賞したときには10個の賞球払出が行われるので、上述したように、各入賞検出スイッチ19a,24aに代えて1つのスイッチを設けてもよい。
【0060】
始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞検出スイッチ19aおよび入賞検出スイッチ24aの出力は、主基板31において、電流増幅回路(バッファ回路)631〜636を介してI/Oポート57に入力される。バッファ回路631〜636の入力側には、ノイズ除去等のためのコンデンサC21〜C26および抵抗R21〜R26が接続されている。また、バッファ回路635の入力側には、なお、バッファ回路631〜636等が、図4に示されたスイッチ回路58に相当する。
【0061】
この実施の形態で用いられる初期リセット回路65は、電源端子(Vcc端子)の電圧が所定値を下回るとリセット信号(初期リセット信号)を、所定期間リセットレベルであるローレベルにする。なお、所定値は、VS端子のレベルで決定される。この例では、VS端子と+5V電源との間には抵抗R1が接続され、VS端子とグラウンドとの間にはコンデンサC1が接続され、リセット信号出力のための所定値が設定されている。
【0062】
次に、図8のタイミング図を参照して、電源瞬停時の動作について説明する。図8(A)は、図13に示された従来例と同様の従来の遊技機におけるタイミング図である。図8(A)に示すように、瞬停が生ずると、各スイッチ(ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞検出スイッチ19aおよび入賞検出スイッチ24a)に供給される+12V電源の電圧および+5V電源の電圧は徐々に低下するが、CPU56に与えられるリセット信号がローレベルになる前に、各スイッチの出力はオン状態になる。そして、オン状態になったときからリセット信号がローレベルになるまでの間(図8(A)における期間A)で、CPU56は、各スイッチのオン状態を認識してしまう。なお、この例では、スイッチに供給される電圧が7.4Vを下回ると、スイッチの出力状態はオン状態になる。
【0063】
図8(B)は、図7に示されたこの実施の形態(実施形態1)の回路の動作を示すタイミング図である。図7に示された回路構成では、+12Vラインとグラウンドの間に比較的大容量のコンデンサC11が接続されているので、+12V電源の電圧低下の程度は、図8(A)(a)に示す電圧低下の程度よりも緩やかである。この実施の形態では、初期リセット回路65回りの回路構成は従来例から変わっていないので、図8(B)(c)に示す+5V電源の電圧低下の様子は図8(A)(c)に示す電圧低下状態と同じである。よって、図8(B)(d)に示すリセット信号出力タイミング(ローレベルになるタイミング)は、図8(A)(d)に示すリセット信号出力タイミングと同じである。
【0064】
ところが、図8(B)(a)に示すように+12V電源の電圧は緩やかに低下するので、各スイッチの出力状態がオン状態になる時点は、図8(B)(b)に示すように、リセット信号出力タイミングよりも遅くなっている。従って、スイッチがオン状態になったときには、CPU56は、既に動作を停止している。よって、瞬停時に、CPU56が各スイッチのオン状態を誤検出することはない。この結果、瞬停から復帰し、その後、リセット信号が解除されて(リセット信号がハイレベルになって)、CPU56が遊技制御を再開したときに、実際には入賞していないにも関わらず入賞があったと誤認識するといった不都合は回避される。
【0065】
瞬停時の+5V電源の電圧低下の程度は、+5V電源の負荷によって異なる。すなわち、機種に応じて異なる。例えば、ある機種では、+5V電源の電圧がより緩やかに低下してリセット信号出力タイミングが遅れ、そのタイミングが、各スイッチがオン状態になるタイミングよりも遅くなることも考えられる。しかし、そのような場合でも、コンデンサC11の容量を大きくして+12V電源の電圧をより緩やかに低下させることによって対応できる。
【0066】
機種が異なるとコンデンサC11を変えるのでは不便であることも考えられるので、機種に依存しない対応を行うことが望ましい。図9は、コンデンサC11を用いずに、瞬停時の入賞誤検出を防止しうる構成例を示す回路図である。図9に示す構成では、+12VラインにコンデンサC11は接続されないが、初期リセット回路65周辺の構成が従来例とは異なる。
【0067】
図9に示すように、この実施の形態(実施形態2)では、初期リセット回路65のVcc端子に、各スイッチに供給される+12Vを抵抗R2,R3で分圧した電圧が印加される。また、VS端子は、抵抗R4を介してプルダウンされる。
【0068】
+12V電源の電圧低下を検知して、+12V電源の電圧が、各スイッチの出力状態がオン状態になるような電圧に低下する前にリセット信号をローレベルにすれば、CPU56による入賞の誤検出は確実に防止される。この実施の形態の構成は、そのような考え方にもとづく構成である。
【0069】
ここでは、+12V電源が7.4Vまで低下すると各スイッチの出力状態がオン状態になる場合を例として、+12V電源が10V程度にまで低下すると、初期リセット回路65がリセット信号をローレベルにする構成について説明する。また、初期リセット回路65のVS端子に接続されたプルダウン抵抗が470Ωであるときには、Vccの電圧が4.4Vを下回ると、初期リセット回路65は、リセット信号をローレベルにする場合を例にする。
【0070】
+12V電源から抵抗R2に流れ込む電流をIとし、Vcc端子から見た初期リセット回路65の内部抵抗分をRzとすると、
Vcc(V)=I(mA)・[Rz(kΩ)・R3(kΩ)]/[Rz(kΩ)+R3(kΩ)] ・・・(1)
である。また、
VDD(V)=Vcc(V)+I(mA)・R2(kΩ) ・・・(2)
である。ここで、VDDは+12V電源の電圧である。
【0071】
初期リセット回路65の内部抵抗分Rzは、Vcc端子に流れ込む電流とVcc端子の電圧がリニアな関係にあるときの電圧値および電流値を測定すれば、(電圧値/電流値)で求めることができる。この実施の形態で用いられる初期リセット回路65の場合には、内部抵抗分Rzは5kΩであったとする。また、抵抗R2,R3として2.2kΩのものを使用する。
【0072】
Vccの電圧が4.4Vを下回ると初期リセット回路65はリセット信号をローレベルにするのであるが、+12V電源が10V程度にまで低下したことを検出したいのであるから、+12V電源が10V程度にまで低下したときにVccの電圧が4.4Vにまで低下すればよい。(1)式からVcc=4.4VのときのI(mA)を求めると、
I(mA)=4.4×(5+2.2)/(5×2.2)=2.88(mA)
となる。このとき、(2)式から、
VDD(V)=4.4+2.88×2.2=10.736(V)
である。
【0073】
すなわち、図9に示された初期リセット回路65周辺の回路構成によれば、+12V電源の電圧が10V程度にまで低下すると、初期リセット回路65の電源端子の電圧がしきい値である4.4Vにまで低下し、初期リセット回路65は、リセット信号をローレベルにしてCPU56の動作を停止することができる。この結果、+12V電源の電圧がさらに低下して各スイッチの出力状態がオン状態になっても、CPU56は各スイッチのオン状態を検出しない。
【0074】
図10(A)は、図8(A)に示された例と同様の従来の遊技機における瞬停時のタイミング図である。図10(B)は、図9に示されたこの実施の形態の瞬停時の回路動作を示すタイミング図である。図10(B)(a),(b)に示すタイミング関係は、図10(A)(a),(b)に示すタイミング関係と同じであるが、図10(B)(c)に示すように、初期リセット回路65に供給されるVccが4.4Vを下回ると、図10(B)(d)に示すように、リセット信号はローレベルになる。そして、このタイミングは、+12V電源の電圧が各スイッチの出力状態をオン状態にする電圧になるタイミングよりも早い(図10における期間B参照)。
【0075】
この実施の形態によれば、各スイッチに供給される+12V電源の低下を検出して、CPU56をリセット状態にしているので、確実に、各スイッチの出力状態がオン状態になる前にCPU56をリセット状態にすることができる。そして、初期リセット回路65周辺の回路構成を共通にしておけば、機種に応じて電源瞬停時の入賞誤検出防止のための構成を変えなくてもよい。
【0076】
なお、この実施の形態で用いられた数値は例示であって、使用される初期リセット回路65の仕様に応じて適切な値にすればよい。要するに、初期リセット回路65が各スイッチに供給される電源電圧の低下を検出するとCPU56をリセット信号を与え、リセット信号を出力するためのしきい値電圧(この例では10V程度)が、各スイッチに供給される電源電圧が各スイッチの出力状態をオン状態にする値(この例では7.4V)よりも高くなっているような構成であれば、電源瞬停時の入賞誤検出防止のための構成をどのように構成してもよい。
【0077】
また、この実施の形態では、初期リセット回路65の電源端子に+12Vを分圧した電圧が印加され、CPU56は+5Vで駆動されているので、リセット信号をそのままCPU56に供給することはできない。よって、初期リセット回路65からのリセット信号は例えばトランジスタを介してCPU56に供給されることになるが、図9では、そのようなトランジスタ等は省略されている。
【0078】
図7に示された構成および図9に示された構成は、それぞれ単独で電源瞬停時の入賞誤検出を防止することができる。しかし、それらを組み合わせれば、さらに確実に瞬停時の入賞誤検出を防止することができる。図11は、各スイッチに供給される+12Vラインとグラウンドの間に比較的大容量のコンデンサC11が接続され、かつ、初期リセット回路65のVcc端子に、各スイッチに供給される+12Vを抵抗R2,R3で分圧した電圧が印加されるように構成された第3の実施の形態を示す回路図である。
【0079】
図11に示された回路構成は、図7に示された構成と図9に示された構成とを組み合わせたものであるから、詳しい動作説明を省略するが、この実施の形態によれば、図12に示すように、+12V電源の電圧が各スイッチの出力状態をオン状態にする電圧になるタイミングに対して、より早くリセット信号がローレベルになる(図12における期間C参照)。従って、瞬停時の入賞誤検出防止のための期間Cに余裕が生じ、例えば、各スイッチとして用いられる近接スイッチの特性にばらつきがあって出力状態がオン状態になるタイミングがばらついても、確実に、瞬停時の入賞誤検出を防止することができる。
【0080】
以上のように、上記の各実施の形態によれば、電源瞬停時に、+12V電源の電圧低下の程度を緩やかにしたり、+12V電源の電圧が入賞を検出するための各スイッチ(この実施の形態では、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞検出スイッチ19aおよび入賞検出スイッチ24a)の出力状態をオン状態にする値になる前にCPU56をリセット状態にするので、CPU56が、瞬停時に、実際には入賞していないにも関わらず入賞があったと誤検出して瞬停からの回復時に賞球払出を行ってしまうという不都合が回避される。
【0081】
また、普通図柄変動開始の条件となるゲート通過を検出するゲートスイッチ12の誤検出も防止されるので、瞬停からの回復時に、ゲート通過がなかったにもかかわらず普通図柄が変動開始してしまうことが防止される。さらに、実際には始動入賞していないにも関わらず始動入賞があったと誤検出して瞬停からの回復時に特別図柄が変動開始してしまうことも防止される。
【0082】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、遊技機を、電源電圧低下時に遊技制御手段の動作を停止させるリセット手段が、入賞を検出するスイッチ手段に供給される電圧の低下を検出して遊技制御手段の動作を停止させるように構成されているので、電源瞬停が生じても入賞を誤検出することなく、瞬停からの回復時に公正な遊技を続行することができる効果がある。
【0083】
スイッチ手段に供給される電圧が、スイッチ手段の出力がオン状態になる電圧にまで低下する前に、遊技制御手段の動作を停止させるように構成されている場合には、機種が異なっても、確実に、電源瞬停時の入賞誤検出を防止できる効果がある。
【0084】
また、入賞を検出するスイッチ手段に供給される電源ラインに、電源オフ時の電圧低下を遅くするためのコンデンサが挿入されている場合には、簡易な構成で電源瞬停時の入賞誤検出を防止できる効果がある。さらに、入賞誤検出防止のために余分な信号線を遊技制御手段に対して付加することもないので、防止対策を講ずる際に、遊技制御手段の外部から遊技制御手段に対して不正行為が行われやすい状態になるということもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】 パチンコ遊技機の内部構造を示す全体背面図である。
【図3】 パチンコ遊技機の遊技盤を背面からみた背面図である。
【図4】 主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図5】 基本回路のメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】 メイン処理におけるスイッチ処理を示すフローチャートである。
【図7】 第1の実施の形態による主基板におけるスイッチ出力検出に関わる部分と各スイッチとを示す回路図である。
【図8】 従来の回路動作および第1の実施の形態の回路動作を示すタイミング図である。
【図9】 第2の実施の形態による主基板におけるスイッチ出力検出に関わる部分と各スイッチとを示す回路図である。
【図10】 従来の回路動作および第2の実施の形態の回路動作を示すタイミング図である。
【図11】 第3の実施の形態による主基板におけるスイッチ出力検出に関わる部分と各スイッチとを示す回路図である。
【図12】 従来の回路動作および第3の実施の形態の回路動作を示すタイミング図である。
【図13】 従来の遊技機における電源瞬停時の始動口スイッチと遊技制御用マイクロコンピュータの動作状態を示すタイミング図である。
【符号の説明】
9 可変表示部
12 ゲートスイッチ
17 始動口スイッチ
19a 入賞検出スイッチ
22 Vカウントスイッチ
23 カウントスイッチ
24a 入賞検出スイッチ
31 遊技制御基板(主基板)
53 基本回路
56 CPU
65 初期リセット回路
66 定期リセット回路
C11 コンデンサ
R1,R2,R3,R4 抵抗

Claims (1)

  1. 遊技を遊技領域に発射して遊技を行い、遊技球が前記遊技領域内に形成された入賞領域に入賞することによりあらかじめ定められた所定数の遊技球を賞球として遊技者に払い出す遊技機において、
    少なくとも異なる種類の賞球数毎に遊技球の入賞を検知するスイッチ手段が設けられ、
    遊技の進行を制御するとともに、前記スイッチ手段からの検知信号にもとづいて賞球払出を行わせる制御を行う遊技制御手段と、
    前記スイッチ手段を駆動するための電源電圧を監視して該電源電圧が所定値まで低下したことを検出したときに前記遊技制御手段の動作を停止させるリセット手段とを備え、
    前記所定値は、前記スイッチ手段の出力がオン状態になる電圧値よりも高く、
    前記スイッチ手段を駆動するための電源電圧は、一の電源ラインを介して前記リセット手段に供給されるとともに他の電源ラインを介して前記スイッチ手段に供給され、
    前記一の電源ラインには電源オフ時の前記電源電圧の低下を遅くするためのコンデンサが挿入されずに、前記他の電源ラインに前記コンデンサが挿入されている
    ことを特徴とする遊技機。
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