以下に、本発明の好適な具体例を図面に基づいて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の具体例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
図1に示すように、本具体例のパチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のプリペイドカードユニット13が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。
前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。プリペイドカードユニット13のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると遊技球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より遊技球が排出される。
前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して開放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重にはめ込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。
上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル24が取り付けられている。発射ハンドル24の外周にはダイヤル部24aが装着されており、これを時計方向に回動すれば遊技球を遊技盤22上に発射することができる。また発射ハンドル24には、発射を停止させるための発射停止スイッチ24bやダイヤル部24aに遊技者が接触しているか否かに応じた信号を出すタッチスッチ24cが備わっている(図1には示さない。図6参照)。
図2はパチンコ機10を裏側から見た裏面図である。図示するように、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27、誘導樋28、排出機構部29が設けられ、排出機構部29の下流側には遊技球誘導路70が接続されている。
排出機構部29の構造は図3に示すとおりで、誘導樋28からの遊技球が賞球用樋29aと貸球用樋29bとに分流されている。賞球用樋29aには賞球通断装置29cが、貸球用樋29bには貸球通断装置29dがそれぞれ装備されておいる。賞球通断装置29c及び貸球通断装置29dは、それぞれモータと球切りスクリュウを備えており、スクリュウの回転により遊技球を1個単位で下流側に通過(すなわち排出)させることができる。また、賞球通断装置29cにより排出させられた遊技球を検出する賞球通過センサ29eが賞球用樋29aに装着され、貸球通断装置29dにより排出させられた遊技球を検出する貸球通過センサ29fが貸球用樋29bに装着されている。
本具体例では、賞球用樋29aと賞球通断装置29cとで賞球払出手段が構成され賞球通過センサ29eは賞球検出手段に該当する。同様に、貸球用樋29bと貸球通断装置29dとで貸球排出手段が構成され貸球通過センサ29fは貸球検出手段に該当する。
この下流側に接続されている遊技球誘導路70には上皿15に連通する上皿誘導樋71が設けられており、賞球用樋29a及び貸球用樋29bの下端はともに上皿誘導樋71の上方にて開口している。また、上皿誘導樋71の側方を通る部分は下皿誘導樋72となっており、この下皿誘導樋72の末端は下皿23に連通している。そして、図2に示すように、下皿誘導樋72には満杯検出手段に該当する満タンスイッチ73が付属している。
こうした構成であるので、賞球通断装置29cを稼働させると球タンク27から誘導樋28を経て賞球用樋29aに流入してきた遊技球を、賞球用樋29aから上皿誘導樋71に向けて排出でき、貸球通断装置29dを稼働させると貸球用樋29bの遊技球を上皿誘導樋71に向けて排出できる。
これら賞球用樋29a及び貸球用樋29b排出された遊技球は、通常は上皿誘導樋71から上皿15に導かれる。ただし、ときには上皿15が満杯状態になり上皿誘導樋71までもが遊技球で満たされることがある。すると、賞球用樋29a及び貸球用樋29b排出された遊技球は、上皿誘導樋71に流入できないので、下皿誘導樋72を通って下皿23に排出される。下皿23が満杯状態になって下皿誘導樋72の満タンスイッチ73の設置位置までも遊技球で満たされると、満タンスイッチ73がポジション変化(本例ではオフからオンに変化)するので、その信号を監視することで下皿23の満杯状態を検出できる。
また、機構盤26には主制御基板30及び排出制御基板31が脱着可能に、遊技盤22には特別図柄表示装置32が、前面枠左下部には発射モータ33aを備える発射装置33b及び発射制御基板33が、特別図柄表示装置32の左側に外部接続端子基板50が、各々取り付けられている。
次に図4を用いて遊技盤22について説明する。
図4に示すように遊技盤22には、中央に特別図柄表示装置32を構成するLCDパネルユニット(以下、「LCD」という。)32a、その下部に第1種始動口としての普通電動役物36、LCD35上部の普通図柄表示装置37、普通図柄表示装置37の背後に設けられている普通入賞口78、普通図柄表示装置37に表示される図柄の変動開始に用いられるLCD35の左右の普通図柄作動ゲート38、39、これらゲート38、39の下方に配されている普通入賞口74、75、普通電動役物36下部に配されて大入賞口40と左右の普通入賞口76、77を備える大入賞装置80、盤面最下部のアウト口41、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。
この構成により、前述した発射ハンドル24を回動すれば発射制御基板33により制御される発射モータ33aが駆動されて上皿15から発射装置33bに供給された遊技球がガイドレールに案内されて遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が各入賞口に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口41を介してアウト球として同様に盤面裏面に取り込まれる。
図5に示すように、遊技盤22の背面には、普通電動役物36の球口79及び普通入賞口74、75、76、77、78が開口しており、これらから落下する遊技球すなわち入賞球を検出するための入賞球スイッチ79a、74a、75a、76a、77a、78aが取り付けられている。
普通入賞口78には樋78bが付属しており、普通入賞口78から落下した遊技球は入賞球スイッチ78aを通過してから、樋78bの先端より落下する。樋78bは、入賞球を入賞球スイッチ78aに導くとともに、入賞球が特別図柄表示装置32に衝突するのを防止するものである。
一方、普通入賞口74、75、76、77及び球口79については、その上方から入賞球スイッチ74a、75a、76a、77a、79aまでの範囲を覆うアーチ状のカバー74b、75b、76b、77b、79bが設けられている。これらのカバー74b、75b、76b、77b、79bは、それぞれの入賞球を入賞球スイッチ74a、75a、76a、77a、79aに導くとともに、他の入賞口を通過した遊技球が混入するのを防止するものである。カバー79bには、大入賞装置を迂回するための迂回樋79cが付属しているが、入賞球スイッチ74a、75a、76a、77aについては、その下方に樋は設けられていない。
普通電動役物36の球口79及び普通入賞口74、75、76、77、78から遊技盤22の背面側に流出した遊技球は、樋またはカバーに誘導されてそれぞれ入賞球スイッチ79a、74a、75a、76a、77a、78aを通過して遊技盤22の背面に沿って落下する。また、大入賞口40に入賞した遊技球は継続スイッチ40aとカウントスイッチ40bとのいずれかで検出されてから、同様に落下する。継続スイッチ40aは大入賞口40に入賞した遊技球が特別装置作動領域(以下、「特別領域」という。)を通過したことを検出し、カウントスイッチ40bは大入賞口40に入賞した他の遊技球を検出するものである。
遊技盤22の背面には周囲枠81aと背面板81bとからなる背面カバー81が取り付けられており、背面板81b(図5は背面板81bを透視した状態を示している。)が、樋78b、カバー74b、75b、76b、77b、79b及び迂回樋79cの背後を覆っている。よって樋78b、カバー74b、75b、76b、77b、79b及び迂回樋79cから遊技球がこぼれ出すことはない。背面カバー81の下端部は周囲枠81aが設けられずに開口81cとなっており、入賞球スイッチ79a、74a、75a、76a、77a、78a、継続スイッチ40aまたはカウントスイッチ40bの何れかを通過した遊技球は、すべて開口81cから落下する。
この開口81cの下方には上端が開口する漏斗状の集球部82aと排球樋82bとからなる入賞球排出路82が配されている。この排球樋82bの下端は機外に向けて開口しており、入賞球はここから機外(例えば遊技機設置島の球回収路)に排出される。また、この排出される入賞球は、排球樋82bに取り付けられている排出球検出スイッチ83によって検出される。つまり、入賞球は、入賞球スイッチ79a、74a、75a、76a、77a、78a、継続スイッチ40a及びカウントスイッチ40bにて個別に検出されるとともに排出球検出スイッチ83によっても検出されるので、入賞球スイッチ79a、74a、75a、76a、77a、78a、継続スイッチ40a及びカウントスイッチ40bによる入賞球の検出数と排出球検出スイッチ83の検出数とを照合することにより、例えば入賞球スイッチ79a、74a、75a、76a、77a、78a、継続スイッチ40aまたはカウントスイッチ40bを誤作動させるような不正行為を発見できる。
続いて前述したパチンコ機10の電気的構成を図6のブロック図を用いて説明する。
パチンコ機10の電気回路は、図示するように、前述した主制御基板30、排出制御基板31、特別図柄表示装置32、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35等から構成されている。尚、この回路図には、信号の受け渡しを行うために所謂中継基板等は記載していない。
主制御基板30は、遊技制御プログラムを記憶したROM及び演算等の作業領域として働くRAMを内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、この他各基板又は各種スイッチ類及び各種アクチェータ類との入出力を行うための外部入出力回路も設けられている。
主制御基板30の入力側には、入賞球スイッチ79a、普通図柄作動ゲート38、39に内蔵の普通図柄作動スイッチ38a、39a、継続スイッチ(Vスイッチ)40a、カウントスイッチ40b、満タンスイッチ73、球タンク27内に配されている補給スイッチ44、入賞球スイッチ74a、75a、76a、77a、78a等が接続されている。
また、出力側には、大入賞口40の開閉に使用される大入賞口ソレノイド40c、大入賞口40内の特別領域の開閉に使用されるVソレノイド40d、普通電動役物36の開閉に使用される普通役物ソレノイド36b及び外部接続端子基板50等が接続されている。
特別図柄表示装置32は、前述したLCD32aと、このLCD32aを駆動制御する図柄表示装置制御基板(以下、単に「図柄制御基板」ともいう。)32b及びバックライト及びインバータ基板等の付属ユニット32cから構成されている。図柄制御基板32bは、前述した主制御基板30と同様8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。
排出制御基板31は、主制御基板30と同様8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されており、主制御基板30からの指令コマンドに従って賞球通断装置29cを駆動制御して入賞に対する賞球としての遊技球を払出させると共に、貸出釦16の操作に応じて貸球通断装置29dを駆動制御して貸球としての遊技球を排出させる。また、CR精算表示基板42の残高表示部18の表示等も制御する。プリペイドカードユニット13から排出制御基板31にはプリペイドカードの残高情報等が提供され、排出制御基板31からプリペイドカードユニット13には貸球の排出データや精算釦17からの精算信号が送信される。
排出制御基板31の入力側には、賞球通過センサ29e及び貸球通過センサ29fが接続されており、これらからの信号が入力される。なお、賞球通過センサ29e及び貸球通過センサ29fの信号は主制御装置30へも入力される。
発射制御基板33は、遊技者が操作する発射ハンドル24(厳密にはダイヤル部24a)の回動量に応じて発射モータ33aを駆動制御するものであり、その他遊技者が発射停止スイッチ24bを押下したとき発射を停止させたり、発射ハンドル24に内蔵されたタッチスッチ24cがオン状態のときタッチランプ45を点灯させるためのものである。
ランプ制御基板34は主としてトランジスタ等の駆動素子から構成されており、主制御基板30からの指令を受けて普通図柄表示装置37、大当たりランプやエラーランプ等のランプ類及びLED等の各種ランプ類を点灯表示させるためのものである。
音制御基板35は音源IC及びアンプ等から構成されており、主制御基板30の指令を受けてスピーカ46を駆動制御するためのものである。
前述した特別図柄表示装置32、排出制御基板31、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35への送信は、主制御基板30からのみ送信することができるよう一方向通信の回路として構成されている。この一方向通信の構成は、インバータ回路やラッチ回路を用いて具現化できる。
前記主制御基板30、排出制御基板31、図柄制御基板32b、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35等へは、図7に示すように、電源基板55から各種電源が供給されている。
電源基板55は、24V交流電源からDC32V、DC12V、更にコンデンサによりDC5Vのバックアップ電源を生成するよう構成されている。そして、主制御基板30、排出制御基板31及び図柄制御基板32b等の各基板では、供給されたDC12V電源からIC駆動用のDC5Vを生成する。
ここで、図示するように、電源基板55から供給されるDC12Vの電源は主制御基板30の電圧監視回路60を介してCPU61のリセット(RES)端子に接続されている。
同様に、電源基板55から供給されるDC12Vの電源は排出制御基板31の電圧監視回路62を介してCPU63のリセット(XRES)端子に接続され、バックアップ電圧監視回路64を介してCPU63のXNMI端子に接続されている。また、電源回路の5Vバックアップ電源はCPU63のバックアップ端子(VBB)に接続されている。
同様に、電源基板55から供給されるDC12Vの電源は図柄制御基板32bの電圧監視回路65を介してCPU66のリセット(RES)端子に接続されている。
主制御基板30の電圧監視回路60は、図8に示すように、電圧監視IC11、抵抗器R17、R18及びR19、バイバスコンデンサC10等から構成されている。電圧監視IC11の入力端子であるVSB端子には、抵抗器R17とR18とで分圧したDC12Vの電源が供給され、出力端子であるRESET端子は、抵抗器R19でDC5Vにプルアップされると共に、CPU61の入力端子であるRES端子に接続されている。
尚、図示はしないが、電圧監視回路65も電圧監視回路60と同様の構成である。
排出制御基板31の電圧監視回路62は、図9に示すように、電圧監視IC8、抵抗器R38、R39及び40、バイパスコンデンサC22及びC23等から構成されている。電圧監視IC8の入力端子であるVS端子には、抵抗器R39とR40とで分圧したDC12Vの電源が供給され、出力端子であるRESET端子は、抵抗器R38でDC5Vにプルアップされると共に、CPU63の入力端子であるXRES端子に接続されている。
バックアップ電圧監視回路64は、コンパレータIC1A、抵抗器R41〜45等から構成されている。コンパレータIC1Aのマイナス入力端子には、抵抗器R43とR44とで分圧したDC5Vの電源が供給され、プラス入力端子には、抵抗器R41とR42とで分圧したDC12Vの電源が供給され、出力端子は抵抗器R45でDC5Vにプルアップされると共に、CPU63の入力端子であるXNMI端子に接続されている。
前記構成により、パチンコ機10に電源が投入されたときの主制御基板30と、排出制御基板31及び図柄制御基板32b等の主制御基板以外のサブ制御基板との各々のCPUの動作立ち上がり状態を、図10に示すタイミングチャートに従って説明する。
パチンコ機10に電源が投入されると、電源基板55によりDC32V、DC12V、バッテリバックアップ電源(VBB)であるDC5Vが生成される。この生成されたDC12V電源は、図7に示すように各制御基板に供給される。
ここで、図10に示すように、電源が投入されると(ポイントP1)、DC12V電源の電圧は放物線を描いて漸次0Vから12Vに立ち上がる。この漸次立ち上がるDC12V電源の電圧が、基準値LV2になると排出制御基板31の電圧監視回路62及び図柄制御基板32bの電圧監視回路65の出力がロウレベルからハイレベルとなりCPU63のリセットが解除され、CPU63がセキュリティチェック動作を開始する(ポイントP2)。
DC12Vの電源電圧が基準値LV2のときには、主制御基板30の電圧監視回路60の出力はロウレベルの状態を維持している。
DC12Vの電源電圧が基準値LV2から基準値LV1に上昇すると、電圧監視回路60の出力はロウレベルからハイレベルとなりCPU61のリセットが解除され、CPU61がセキュリティチェック動作を開始する(ポイントP3)。
主制御基板30のCPU61のセキュリティチェック時間T1は、排出制御基板31のCPU63及び図柄制御基板32bのCPU66等のサブ制御基板の各CPUのセキュリティチェック時間T2と同等かそれ以上長くなるように設計されている。
尚、セキュリティチェックとは、周知の如く、ワンチップマイコンであるCPU30、31及び32bが遊技の進行内容を書き込んだROMの内容が正規の内容であるか否かをチェックする機能のことである。
主制御基板30のセキュリティチェック時間T1がサブ制御基板のセキュリティチェック時間T2以上であり、且つ主制御基板30のCPU61のセキュリティチェック動作がサブ制御基板のセキュリティチェック動作よりも遅く実効される。これにより、主制御基板30のCPU61がROMに書き込まれたプログラムに従って遊技の制御を実行開始するときには、サブ制御基板の各CPUは既に遊技の制御を実行している。この結果、電源投入後直ちに、主制御基板30のCPU61が各サブ制御基板にデータを送信しても、各サブ制御基板は本来の制御を実行しているので確実にデータを受信することができる。
尚、本具体例では、セキュリティチェック時間T1は約439msであり、主制御基板30のCPU61が電源の投入から遊技の制御を実行するまでの時間は、約529ms〜549msである。また、セキュリティチェック時間T2は約200msであり、サブ制御基板の1つである排出制御基板31のCPU63が電源の投入から遊技の制御を実行するまでの時間は、約202ms〜203msである。
次にパチンコ機10への電源投入が遮断されるときの動作を、図11に示すタイミングチャートに従って説明することにする。
パチンコ機10への電源投入が遮断されると(ポイントP6)、DC12Vの電源電圧は、遮断直後の低下が著しいもののその後はほぼリニアに低下してゆき所定時間後に0Vとなる。このリニアに漸減してゆく途中で、前述の基準電圧LV1に至ると(ポイントP7)、主制御基板30の電圧監視回路60の出力電圧がハイレベルからロウレベルに変化しCPU61をリセット状態とする。この後、時間の経過に従ってDC12Vの電源電圧は漸減してゆき基準電圧LV3に至ると(ポイントP8)、排出制御基板31のバックアップ電圧監視回路64の出力電圧がハイレベルからロウレベルに変化する。これにより排出制御基板31のCPU63のXNMI端子がロウレベルとなり、CPU63にノンマスカブルインターラプトがかかることになる。
DC12Vの電源電圧が基準電圧LV3から更に低下し基準電圧LV2に至ると(ポイントP9)、排出制御基板31の電圧監視回路62及び図柄制御基板32bの電圧監視回路65等の各サブ制御基板の電圧監視回路の出力電圧はハイレベルからロウレベルに変化する。これにより、各サブ制御基板のCPUをリセット状態とする。
ここで、排出制御基板31のRAMはバッテリバックアップされており、電源遮断時もRAMに記憶されたデータは所定時間(本具体例では、約1時間20分〜約3時間30分)保持される。ところで、前述したように、排出制御基板31のCPU63がリセット状態とされる前に、XNMI端子が有効とされる。これにより、CPU63は、RAMへのアクセスを禁止して書き込みを阻止する。これにより、リセット状態となる不安定な状態でのRAMの内容をバッテリバックアップするのではなく、リセット前の安定したRAMの内容をバッテリバックアップすることができる。
前述したように、電源投入が遮断される場合、先ず主制御基板30のCPU61をリセット状態とし、その後、サブ制御基板の各CPUをリセット状態とする。これにより、主制御基板30のCPU61が電源投入が遮断される前に送信したデータを各サブ制御基板が確実に受信されるという効果を有する。
尚、本具体例では、基準電圧LV1は9.39V〜10.21Vであり、基準電圧LV3は8.00V〜9.23Vであり、基準電圧LV2は7.20V〜7.75Vとなるよう設計されている。
前記構成を有する本具体例の作用を図12〜図20に従って説明することにする。
主制御基板30のCPU61により実行される処理が、図12に示す「入賞記憶ルーチン」に移行すると、先ず、入賞が有るか否かが判定される(ステップS100)。本具体例では、始動口としての普通電動役物36が5個賞球、大入賞口40が15個賞球、その他入賞口が10個賞球の入賞口として構成されている。普通電動役物36に入賞したことは入賞球スイッチ79a、大入賞口40に入賞したことは継続スイッチ40a及びカウントスイッチ40bで、その他の入賞口に入賞したことは入賞球スイッチ74a〜78aにより検知される。
入賞があるとの肯定判断が為されると(ステップS100)、未払入賞数MMNの値がインクリメント(+1)され(ステップS110)、その後入賞順番記憶処理が実行される(ステップS120)。
入賞順番記憶処理(ステップS120)は、図13のメモリマップに示すように、20バイトのメモリ空間上に1入賞に対して2ビットのメモリを使用して賞球数を判別するデータが入賞の順番に書き込まれる。本具体例では、5個賞球の入賞口の入賞に対して01(H)、10個賞球の入賞口の入賞に対して10(H)、15個賞球の入賞に対して11(H)のデータが書き込まれる。本具体例では、入賞が検知された順番に最下位ビットから2ビットづつ使用されて1バイト中に4個の入賞に対する賞球個数を表すデータが書き込まれ、1バイトのメモリが使用されれば、次の上位のアドレスのメモリに書き込まれる。メモリ空間のどの位置に書き込むかは、インクリメントされた未払入賞数MMNの値により判定することができる。
前記「入賞記憶ルーチン」により入賞データが記憶されると、図14に示す「入賞送信ルーチン」が実行される。尚、図12に示す「入賞記憶ルーチン」及び図14に示す「入賞送信ルーチン」は、ハード割り込みにより定期的に実行される。
図14に示す「入賞送信ルーチン」では、前記未払入賞数MMNの値が零でないか否かが先ず判定される(ステップS150)。未払入賞数MMNの値が零でなければ、入賞送信処理が実行される(ステップS160)。本具体例では、アドレスA000(H)の1バイトのデータがそのまま、即ち、4個の入賞にたいする賞球個数のデータが一度に図柄制御基板32bに送信される。例え、未払入賞数MMNの値が3以下1以上であっても1バイトのデータがそのまま送信される。
入賞送信処理が実行されると、前記未払入賞数MMNの値から値4が減算され(ステップS170)、次に減算処理された未払入賞数MMNの値が零以下か否か判定される(ステップS180)。零以下でないとの否定判定が為されると、記憶更新処理が実行される(ステップS190)。
記憶更新処理(ステップS190)は、アドレスが1上のアドレスの1バイトのデータをアドレスが1下のアドレスにコピーする処理をデータが書き込まれていないアドレスまで繰り返し実行する処理である。具体的に言えば、アドレスA001(H)のデータをアドレスA000(H)に、アドレスA002(H)のデータをアドレスA001(H)、アドレスA003(H)のデータをアドレスA002(H)、に次々と1バイトづつコピーする処理であり、データが書き込まれていないアドレスまで繰り返し実行する処理である。
一方、前記ステップS180において、未払入賞数MMNの値が零以下との肯定判定が為されると、未払入賞数MMNの値を零クリアし(ステップS200)、アドレスA000(H)〜A013(H)までのメモリを零クリアする処理(ステップS210)が実行される。
尚、本具体例では、入賞送信処理(ステップS160)は、1バイトのデータを1回の処理により送信する構成としたが、アドレスA000(H)の最下位ビットである1ビット目及び2ビットの2ビットのデータを1回の処理により送信する構成としても良い。この構成の場合には、送信処理の後に未払入賞数MMNの値がデクリメント(−1)され、記憶更新処理はデータを2ビットづつ右シフトし、7ビット目と最上位ビットである8ビット目には、アドレスが1つ上の1ビット目と2ビット目のデータがコピーされる。
排出制御基板31のCPU63は、主制御基板30からの入賞データの送信があることを判定すると(ステップS250(図15 「受信データ記憶ルーチン」))、未払入賞数ZMNを加算する処理を実行する(ステップS260)。
前記ステップS260の加算処理は、送信された1バイトのデータが4個の入賞に対する各々の入賞個数を表したデータであれば未払入賞数ZMNを+4、3個の入賞に対する各々の入賞個数を表したデータであれば未払入賞数ZMNを+3、2個の入賞に対する各々の入賞個数を表したデータであれば未払入賞数ZMNを+2、1個の入賞に対する各々の入賞個数を表したデータであれば未払入賞数ZMNを+1、加算する処理である。
未払入賞数ZMNの加算処理が為されると(ステップS260)、未払入賞数ZMNがメモリオーバでないか否か判定される(ステップS270)。本具体例では、入賞個数を記憶するメモリは、図13に示した主制御基板の入賞個数を記憶するメモリと同様、20バイトのメモリが容易されていて、5個賞球の賞球個数を01(H)、10個賞球の賞球個数を10(H)、15個賞球の賞球個数を11(H)の2ビットが使用される。従って、20バイトのメモリで80個の遊技球の入賞に対する各々の賞球個数を記憶することができる。
メモリオーバでないとの判定が為されると、入賞順番記憶処理が実行される(ステップS280)。この処理は、主制御基板30で行ったステップS120の処理と同様、入賞に対応した賞球個数をメモリ上に書き込む処理であって、加算される前の未払入賞数ZMNに+1した未払入賞数ZMNに対応するメモリ空間上から送信された1〜4の入賞数を加算した未払入賞数ZMNに対応するメモリ空間上に01(H)、10(H)又は11(H)のデータが書き込まれる。尚、送信された1バイトのデータにより入賞数が1〜4のいづれであるかは、最上位ビットからどのビットまで00(H)が連続するかで判定できる。
前記ステップS250において送信された1バイトのデータに表された1個〜4個の入賞個数がメモリオーバに該当する場合には、該当する入賞個数分だけ加算されて新たなオーバ入賞数OMNとする処理が実行される(ステップS290)。
ステップS280及び/又はステップS290の処理が実行されると、賞球個数M5D、MAD、MEDの加算処理が実行される(ステップS300)。この処理は、送信された1バイトのデータの中に01(H)のデータがあれば賞球個数M5Dをインクリメント(+1)し、10(H)のデータがあれば賞球個数MADをインクリメントし、11(H)のデータがあれば賞球個数MEDをインクリメントする処理である。
図15に示す「受信データ記憶ルーチン」の各処理を実行することにより、払い出すべき15個賞球の入賞数が賞球個数MED、10個賞球の入賞数が賞球個数MAD、5個賞球の入賞数賞球個数M5Dとして記憶され、又、払い出すべき80個の入賞球に対する入賞の順番がメモリA000〜A013(H)上に記憶される。
ここで、1回の送信処理により2ビットのデータ、即ち、1個の入賞に対するデータを送信する構成とした場合には、図16に示す「受信データ記憶ルーチン」の各処理(ステップS310〜S390)を実行することにより、払い出すべき15個賞球の入賞数を賞球個数MED、10個賞球の入賞数を賞球個数MAD、5個賞球の入賞数を賞球個数M5Dとして記憶し、又、払い出すべき80個の入賞球に対する入賞の順番をアドレスA000(H)〜A013(H)のメモリに記憶する構成としても良い。
次に賞球の払出に関わる処理を説明する。
まず賞球の払出を実行するかしないかを決める処理について説明する。
本具体例のパチンコ機10では、主制御基板30のCPU61により図17に示す払出停止処理が、ハード割り込みにより定期的に実行される。
この処理では、CPU61は満タンスイッチ73がオンか(満タン信号が入力されているか)否かを判断し(S710)、これがオフなら貸球通過センサ29fが設定時間(本実施例では1秒)以上にわたって継続的に遊技球を検出しているか否かを判断する(S720)。S720で否定判断なら、払出許可の指令コマンドを排出制御基板31に送信し(S730)、満タンスイッチ73がオンの場合或いは貸球通過センサ29fが設定時間以上にわたって継続的に遊技球を検出している場合には、払出不許可の指令コマンドを排出制御基板31に送信する(S740)。
そして、排出制御基板31は、図18に示す払出停止フラグセット処理において、払出不許可の指令コマンドを受けると(S750)払出停止フラグF1を1にセットし(S760)、払出許可の指令コマンドを受けると(S770)払出停止フラグF1をリセットする(S780)。どちらのコマンドでもなければ(S770:NO)、このルーチンからリターンする。つまり、一旦払出不許可の指令コマンドを受けると、次に払出許可の指令コマンドを受けるまでの間は、払出停止フラグF1=1が維持される。
次に、排出制御基板31のCPU63が賞球通断装置29cを駆動制御して賞球の払い出しを行う処理を、図19に示す「賞球払出しルーチン」に従って説明する。
賞球払出しルーチンでは、まず払出停止フラグF1=1か否かを判断し(S400)、F=1なら実質的な処理は行わずに本ルーチンからリターンする。
F=0なら、前記ステップS260の処理により加算処理される未払入賞数ZMNの値が零でなく、且つオーバ入賞数OMNが零であれば(ステップS410〜S420)、未だ払い出していない入賞に対する賞球個数がメモリA000(H)〜A013(H)上に入賞の順番に記憶されていることになる。この場合には、排出制御基板31のCPU63は、アドレスの番地がA000(H)の最下位ビットである1ビット目と2ビット目のメモリに書き込まれたデータが、11(H)、10(H)又は01(H)かを判定する処理を行う(ステップS430)。
判定処理により11(H)と判定されれば、賞球通過センサ29eにより15個の遊技球が払い出されたことが検出されるまで賞球通断装置29cを駆動制御し(ステップS440)、その後、賞球個数MEDの値をデクリメント(−1)する処理を実行する(ステップS450)。判定処理により10(H)と判定されれば、賞球通過センサ29eにより10個の遊技球が払い出されたことが検出されるまで賞球通断装置29cを駆動制御し(ステップS460)、その後、賞球個数MADの値をデクリメント(−1)する処理を実行する(ステップS470)。判定処理により01(H)と判定されれば、賞球通過センサ29eにより5個の遊技球が払い出されたことが検出されるまで賞球通断装置29cを駆動制御し(ステップS480)、その後、賞球個数M5Dの値をデクリメント(−1)する処理を実行する(ステップS490)。
賞球払い出し処理の実行が終了すると(ステップS430〜S490)、入賞順番記憶更新を実行した後(ステップS500)、未払入賞数ZMNをデクリメントする(ステップS510)。入賞順番記憶更新処理(ステップS500)は、A000(H)番地の1バイトのデータを2回右にシフト、即ち、書き込まれたデータが2ビット右に移動する処理を実行し、7ビット目と最上位ビットである8ビット目とには、A001(H)番地の1ビット目と2ビット目とのデータを移動させ、この処理をデータが書き込まれていないアドレスまで繰り返すことにより行われる。
一方、前記ステップS420によりオーバ入賞数OMNが零でないとの判定が為されたときは、未だ払い出されていない入賞の賞球データが80個を超えて入賞の順番が記憶されていない賞球を払い出す処理が実行される(ステップS520)。このオーバ賞球払出し処理を、図20に示す「オーバ賞球払出し処理」に従って説明することにする。
この処理では、排出制御基板31のCPU33は、先ず、賞球個数MEDの値が零か否か(ステップS550)、賞球個数MADの値が零か否か(ステップS560)、賞球個数M5Dの値が零か否か(ステップS570)が次々と判定実行される。
賞球個数MEDの値が零でなければ(ステップS550)、15個の遊技球を賞球として払い出した後に賞球個数MEDの値をデクリメントする(ステップS580〜S590)。賞球個数MEDの値が零で、且つ賞球個数MADの値が零でなければ(ステップS550〜S560)、10個の遊技球を賞球として払い出した後に賞球個数MADの値をデクリメントする(ステップS600〜S610)。賞球個数MEDの値及び賞球個数MADの値が共に零で、且つ賞球個数M5Dの値が零でなければ(ステップS550〜S570)、5個の遊技球を賞球として払い出した後に賞球個数M5Dの値をデクリメントする(ステップS620〜S630。
前記ステップS580及びS590、前記ステップS600及びS610、又は前記ステップS620及びS630のいづれかの処理を実行した後、オーバ入賞数OMNの値がデクリメントされ(ステップS640)、処理は「リターン」に抜ける。また、前記ステップS550〜S570により賞球個数MED、MAD及びM5Dの値が全て零との判定が為されたときには何も実行せず、処理はそのまま「リターン」に抜ける。
以上、詳細に説明した本具体例によると、主制御基板30は、満タンスイッチ73がオンか貸球通過センサ29fが設定時間以上にわたって継続的に遊技球を検出している場合には、払出不許可の指令コマンドを排出制御基板31に送信する。これを受けた排出制御基板31は、払出停止フラグF1を1にセットし、払出許可の指令コマンドを受けるまでは払出停止フラグF1を1に維持する。払出停止フラグF1=1なら賞球払出しルーチンにおいて実質的な処理が行われない。すなわち賞球の払出が停止する。つまり、満タンスイッチ73がオンになる程に遊技球が遊技球誘導路70に蓄積されているときには、賞球の払出を停止するので、払出された遊技球が、遊技球誘導路70内に過剰に充満することはなく、そのような遊技球がせり上がってきて賞球通断装置29cや貸球通断装置29dが故障するおそれはない。
また、貸球通過センサ29fが設定時間以上にわたって継続的に遊技球を検出している場合にも賞球の払出を停止するので、例えば満タンスイッチ73が断線などで故障の時でも、賞球の払出を停止して賞球通断装置29cや貸球通断装置29dの故障を予防できる。あるいは、上皿誘導樋71付近に球詰まりが生じて下皿誘導樋72側に遊技球が流下できない時などにも賞球の払出を停止して賞球通断装置29cや貸球通断装置29dの故障を予防できる。
入賞した遊技球(セーフ球)はタンク等で停留することなく速やかに機外に排出されるので、セーフ球の排出遅れが原因となってセーフ球が可変入賞装置(例えば大入賞口40)内にまでせり上がってきて、これを閉鎖不能にするおそれもない。
下皿23が満杯状態になった際には上述のように賞球の払出を停止するだけでよく、新たな入賞の発生を防ぐために遊技球の発射を停止する必要はないから、下皿23満杯が原因となって頻繁に発射停止されることがなくなり、遊技の興趣を損なうことも回避される。
また、主制御基板30は、入賞の順番に賞球個数を記憶し、この記憶した入賞データを排出制御基板31に送信する。一方、排出制御基板31は、20バイトのメモリがメモリオーバするまでは、入賞の順番に賞球個数を記憶し、賞球が追いつかず又は入賞が一時に大量に発生し、20バイトのメモリがオーバしたときには、賞球個数だけを記憶する。そして、メモリオーバした分については、賞球個数の多いものから順番に賞球を実行する。これにより、通常時には、入賞の順番に賞球を払い出すことができると共に、賞球が追いつかない過渡時には、メモリオーバした分については賞球個数の多い賞球を優先して払い出しを実行する。この結果、入賞の順番を記憶するメモリ空間を徒に大きくすることなく構成することができるという優れた効果を有する。また、本具体例ではバッテリバックアップ機能を搭載しているので、停電から復帰したときでも、記憶保持されたデータに従って賞球を払い出すことができ、しかも入賞の順番に賞球を払い出すことができるという効果を有する。
更に、本具体例では、メモリオーバする場合には、メモリオーバした分を優先して払い出し、その後に入賞順番に対応して払い出す構成を採用しているので、賞球払い出し処理の途中で入賞データが送信されても、賞球処理が為された後のデータにそのまま書き込み処理を実行すれば良く、入賞データの記憶処理を徒に複雑にしないという優れた効果も有する。
また、本具体例では、主制御基板30から排出制御基板31に送信する入賞データは1バイトのデータを一度に送信する構成としているので、主制御基板30の送信処理及び排出制御基板31の受信処理の時間短縮を行うことができるという優れた効果も有する。
その上、本具体例では、メモリオーバしない状態では、アドレスA000(H)〜A013(H)の20バイトのメモリ空間上に、入賞の順番に賞球個数を示すデータを書き込むと共に、賞球個数を示すデータである賞球個数M5D、MAD、MEDをインクリメントする構成としているので、何等かの理由によりアドレスA000(H)〜A013(H)のメモリに書き込まれたデータの一部又は全部が消滅しても、賞球個数M5D、MAD、MEDに従って賞球の払い出しを実効することができ、遊技者に不測の不利益を与えないという効果を有する。
また、メモリオーバしないときには、アドレスA000(H)〜A013(H)に書き込まれたデータが示す賞球個数の合計と、賞球個数M5D、MAD、MEDが示す賞球個数の合計とを比較することにより賞球個数の合計に誤りがないか否かを比較判定することができるという効果も有する。
また、本具体例では、主制御基板30から排出制御基板31に一方向にデータを送信する構成を採用しているが、電源投入時には、主制御基板30のCPU61よりも排出制御基板31CPU63が早く立ち上がるよう構成しているので、停電等から復帰した直後に遊技球の入賞があっても、主制御基板30が排出制御基板31に送信する入賞に係るデータは必ず受信することができるという効果を有する。
一方、停電等により電源が遮断されるときには、排出制御基板31よりも主制御基板30が早く動作を停止させられるので、主制御基板30が送信した入賞に係るデータを排出制御基板31が受信しないという弊害を未然に防止することができるという効果を有する。
その上、XRES端子が有効となって排出制御基板31のCPU63が動作を停止する前にXNMI端子が有効となり、このときRAMにデータの書き込みを禁止することができるので、電源が不安定な状態でのデータを書き込むことなく正確な入賞データを停電時に記憶保持することができるという極めて優れた効果も有する。
本具体例では、メモリオーバした場合の賞球の払い出しは、賞球個数の多いものを優先して払い出すよう構成したが、賞球個数の少ないものを優先して払い出すよう構成しても何等問題無い。
また、本具体例では、停電から復帰したときには、記憶保持されたデータに従い入賞の順番に賞球を払い出すよう構成したが、停電から復帰したときには、賞球個数の多い入賞を優先して、或いは賞球個数の少ない入賞を優先して払い出す構成としても良い。
更に、本具体例では、メモリオーバするまでは、メモリに賞球個数を示すデータを入賞の順番に書き込むと共に、対応する賞球個数M5D、MAD、MEDの値をインクリメントする構成としたが、メモリオーバしたときのみ賞球個数M5D、MAD、MEDの値をインクリメントし、メモリオーバしないときはメモリに賞球個数を示すデータを入賞の順番に書き込むだけの構成としても何等問題無い。
(変形例)
上記の例では満タンスイッチ73を下皿誘導樋72の下流端の近くに設置しているが、これを図21に示すように上皿誘導樋71とほぼ同レベルすなわち上皿15のレベルとほぼ同レベルに設置すると、下皿23が満杯になっただけでは賞球が停止されない。また賞球の停止までには、下皿23の上流側すなわち下皿誘導樋72が満たされるまで大量の遊技球を蓄積できるので、遊技者は頻繁に下皿23から球抜きをしなくてもよく、その分遊技に集中できる。
また、上記の例では貸球通過センサ29fの方が賞球通過センサ29eよりも低い位置(下皿誘導樋72に近い位置)にあるので、貸球通過センサ29fが継続的に遊技球を検出しているときには賞球の払出を停止する構成としたが、これらのレベルが逆か同等の場合には賞球通過センサ29eが継続的に遊技球を検出しているときには賞球の払出を停止する構成とすればよい。これによっても具体例と同様の効果を得ることができる。
入賞球を検出するためのスイッチ(センサ)の配置においても、図22に例示するように、賞球数が同じ入賞口を複数まとめて1個のスイッチ92、93で検出する構成としてもよい。また、図22の例では、入賞球はスイッチ40a、40b、91、92、93で検出された後にアウト口41から流出するアウト球と同じ経路で機外に排出されるから、入賞球の排出に関わる樋等の構成を簡単にできる。