JP2019050904A - 弾球遊技機 - Google Patents

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正吾 巽
茨田 悦臣
Yoshiomi Ibarada
悦臣 茨田
安藤 繁光
Shigemitsu Ando
繁光 安藤
田中 友和
Tomokazu Tanaka
友和 田中
慶太 久保
Keita Kubo
慶太 久保
直彦 千村
Naohiko Chimura
直彦 千村
博夫 中山
Hiroo Nakayama
博夫 中山
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博康 水野
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Hiroshi Yamada
浩史 山田
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美里 神谷
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Abstract

【課題】遊技店の営業利益の調整を好適に行うことができ、且つ利益調整を遊技店の経営戦略の一環として積極的に活用できる弾球遊技機を提供する。【解決手段】始動口への入球に起因して当否判定を行う当否判定手段と、当否判定で小当りと判定されたことを条件に小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、当否判定で大当りと判定されたこと、又は、小当り遊技中に特定領域に遊技球が入球したことを条件に大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、当否判定の当選確率の設定変更に用いられ、外部からの操作に応じて、複数種類の当選確率に割り当てられた複数種類の設定値から何れかの設定値を選択可能な設定値選択手段と、を備え、設定値選択手段は、設定値毎に小当りと判定される確率を異なる設定に変更する一方、何れの設定値が選択されても大当りと判定される確率を設定変更しない。【選択図】図10

Description

本発明は弾球遊技機、特に、賞球の増加が期待できる遊技に移行するか否かの当否判定の当選確率を設定変更可能な遊技に関するものである。
従来、弾球遊技機たるパチンコ機には、遊技球が始動口に入球したことに起因して大当りであるか否かの当否判定が実行され、当否判定の結果が大当りであれば、通常遊技状態から大当り遊技状態に移行するものがある。 また、この種のパチンコ機には、当否判定の結果が小当りとなると、小当り遊技が開始され、小当り遊技中に遊技球が特定の領域に入球することで大当り遊技状態に発展する構成を備えたパチンコ機(1種2種混合機)も存在する。 更に、従来のパチンコ機では、遊技店の従業員の操作に応じて、当否判定で大当りとなる当選確率を設定変更可能なパチンコ機に関する発明がなされている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2003−199931号公報 特開2005−218789号公報
大当りの当選確率が遊技店で設定変更可能な発明によれば、大当りの当選確率を変更することにより、パチンコ機の釘調整を行うことなく、遊技店の営業利益の調整を図ることができるといった効果が期待される。 そこで本発明は、賞球の増加が期待できる遊技の当選確率に関する新たな設定機能を備え、遊技店の営業利益の調整を好適に行うことができ、且つ利益調整を遊技店の経営戦略の一環として積極的に活用することができる弾球遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
請求項1に記載の発明は、 遊技球が始動口に入球したことに起因して抽出された数値データに基づいて、賞球の増加が期待できる遊技に移行するか否かの当否判定を行う当否判定手段と、 前記当否判定にて小当りと判定されたことを条件に小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、 前記当否判定にて大当りと判定されたこと、又は、前記小当り遊技中に特定領域に遊技球が入球したことを条件に大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、を備えた弾球遊技機において、 前記当否判定の当選確率の設定変更に用いられ、外部からの操作に応じて、複数種類の前記当選確率に割り当てられた複数種類の設定値から何れかの設定値を選択可能な設定値選択手段を備え、 前記設定値選択手段は、前記設定値毎に、前記当否判定によって前記小当りと判定される確率を異なる設定に変更する一方、何れの前記設定値が選択されても、前記当否判定によって大当りと判定される確率を変更しないことを特徴とする。
本発明は、始動口への入球で複数種類の数値データが抽出される構成が好適である。例えば、当否判定手段によって大当りとするか否かを判定するための数値データと、小当りとするか否かを判定するための数値データが異なる種類であってもよい。勿論、同一の数値データでもよい。 本発明は、当否判定手段による当否判定の結果を報知する特別図柄表示装置を備える構成が好適である。 本発明は、小当り遊技によって開放される大入賞口と大当り遊技によって開放される大入賞口は同じものであっても、異なるものであってもよい。但し、小当り遊技で開放される大入賞口には、特定領域を設ける。 本発明は、大当り遊技の種類を複数備えた構成が好適である。例えば、当否判定手段によって大当りと判定された場合(図柄当り)に発生する大当り遊技と、小当り遊技中に特定領域に遊技球が入球した場合(役物当り)に発生する大当り遊技とを備える。そして前者と後者とで大入賞口の開放態様等を相違させることが望ましい。尚、図柄当りの大当り遊技と役物当りの大当り遊技とは、大入賞口の開放態様が同じ種類の大当りであってもよい。図柄当りの大当り遊技と役物当りの大当り遊技とで、共通の大当り遊技と専用の大当り遊技の双方が実行可能な構成でもよい。 本発明は、外部からの操作では、当否判定手段によって大当りと判定される確率を設定変更しない。しかし、大当りと判定される確率が常に一定ということではない。即ち、設定値に関係なく、所定条件で大当りと判定される確率が変更されてもよい。例えば、通常時は1/199の確率で大当りと判定され、遊技において所定条件が成立すると1/60の確率で大当りと判定されるようにしてもよい。このような構成にした場合、何れの設定値を変更しても、この1/199、1/60は変更されない構成とする。 本発明は、当否判定手段によって大当りと判定される確率よりも、小当りと判定される確率のほうが高い構成が好適である。
この発明によれば、外部からの操作に応じて、小当りと判定される確率を異なる設定に変更する一方、大当りと判定される確率を設定変更しないといった今までにない新たな設定機能により、遊技店の営業利益の調整を好適に行うことができる。更に、利益調整を遊技店の経営戦略の一環として積極的に活用することが可能となる。即ち、小当りの当選確率を遊技店にて設定変更することにより、小当り遊技の発生、及び小当り遊技から発展する大当り遊技(役物当り)の発生を調整することができる。もって、小当り遊技及び大当り遊技の賞球数を調整することができ、営業利益を好適に調整できる。そして、遊技店の営業日ごとに小当りの当選確率を設定できるので、遊技店の経営戦略の一環として積極的に活用できる。 また、従来技術のように、始動口に入球した際に抽出された数値データが大当りと判定される確率を設定によって変更する場合、抽出される数値データの偏りにより、遊技店の想定よりも多くの大当りが発生するおそれがある。この場合、利益調整が困難である。そこで本発明は、設定変更に応じて、大当りと判定される確率は変わらず、小当りと判定される確率が変更される構成であるので、抽出される数値データが偏って想定よりも小当りが多く発生しても、小当り遊技から必ずしも役物当りに発展するわけではなく、実際の賞球数と想定された賞球数とが大きく乖離することを極力抑える効果を奏する。
請求項2に記載の発明は、 請求項1に記載の弾球遊技機において、 前記始動口として、第1始動口と、第2始動口とを備え、 前記当否判定手段は、遊技球が前記第1始動口に入球したことに起因して抽出した第1数値データに基づいて前記当否判定を行う一方、遊技球が前記第2始動口に入球したことに起因して抽出した第2数値データに基づいて前記当否判定を行うようになし、 前記設定値選択手段は、前記設定値毎に、前記第1数値データに基づく前記当否判定で前記小当りと判定される確率を異なる設定に変更する一方、何れの前記設定値が選択されても、前記第2数値データに基づく前記当否判定で前記小当りと判定される確率、前記第1数値データに基づく前記当否判定で前記大当りと判定される確率、及び前記第2数値データに基づく前記当否判定で前記大当りと判定される確率を変更しないことを特徴とする。
本発明では、例えば、第1始動口を、通常、入球が可能な構成とする一方、第2始動口を、小当り発生に有利な特典遊技に入球が容易な構成とすることが望ましい。これによれば、本発明は、請求項1と同様の効果に加えて、以下の効果を発揮できる。即ち、1種2種混合機では、一般的に第2始動口の入球に起因する小当りの当選確率が高確率であり、本発明ではこの当選確率を変更しないので、特典遊技中に、役物当りを容易且つスピーディーに発生させるといった1種2種混合機の遊技性を損ねない。
請求項3に記載の発明は、 遊技球が始動口に入球したことに起因して抽出された数値データに基づいて賞球の増加が期待できる遊技に移行するか否かの当否判定を行う当否判定手段と、 前記当否判定にて小当りと判定されたことを条件に小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、 前記当否判定にて大当りと判定されたこと、又は、前記小当り遊技中に特定領域に遊技球が入球したことを条件に大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、を備えた弾球遊技機において、 前記当否判定の当選確率の設定変更に用いられ、外部からの操作に応じて、複数種類の前記当選確率に割り当てられた複数種類の設定値から何れかの設定値を選択可能な設定値選択手段を備え、 前記設定値選択手段は、前記設定値に応じて、前記当否判定で前記大当りと判定される確率を現在の確率よりも高くなるように設定すると、前記小当りと判定される確率が現在の確率よりも低く設定される一方、前記設定値に応じて、前記当否判定で前記大当りと判定される確率を現在の確率よりも低くなるように設定すると、前記小当りと判定される確率が現在の確率よりも高く設定されることを特徴とする。
本発明は、当否判定手段によって大当りと判定される確率と、当否判定手段によって小当りと判定される確率とが反比例する構成である。 本発明は、始動口へ入球で複数種類の数値データが抽出される構成が好適である。例えば、当否判定手段によって大当りとするか否かを判定するための数値データと、小当りとするか否かを判定するための数値データが異なる種類であってもよい。勿論、同一の数値データでもよい。 本発明は、当否判定手段による判定の結果を報知する特別図柄表示装置を備える構成が好適である。 本発明は、小当り遊技によって開放される大入賞口と大当り遊技によって開放される大入賞口は同じものであっても、異なるものであってもよい。 本発明は、大当り遊技の種類を複数備えた構成が好適である。例えば、当否判定手段によって大当りと判定された場合(図柄当り)に発生する大当り遊技と、小当り遊技中に特定領域に遊技球が入球した場合(役物当り)に発生する大当り遊技とを備える。そして前者と後者とで大入賞口の開放態様等を相違させることが望ましい。尚、図柄当りの大当り遊技と役物当りの大当り遊技とは、大入賞口の開放態様が同じ種類の大当りであってもよい。図柄当りの大当り遊技と役物当りの大当り遊技とで、共通の大当り遊技と専用の大当り遊技の双
方が実行可能な構成でもよい。 本発明は、当否判定手段によって大当りと判定される確率よりも、小当りと判定される確率のほうが高い構成が好適である。
この発明によれば、当否判定手段によって大当りと判定される確率と、当否判定手段によって小当りと判定される確率とが反比例するといった今までにない新たな設定機能により、遊技店の営業利益の調整を好適に行うことができる。更に、利益調整を遊技店の経営戦略の一環として積極的に活用することが可能となる。例えば、小当りの当選確率を高くすることにより、小当り遊技の発生、及び小当り遊技から発展する大当り遊技(役物当り)の発生を増やせる。一方、当否判定での大当り(図柄当り)の当選確率が低くなるので図柄当りでの大当り遊技の発生を抑えることができる。もって、小当り遊技及び大当り遊技の賞球数を調整することができ、営業利益を好適に調整できる。そして、遊技店の営業日ごとに、小当り及び大当りの当選確率を設定できるので、遊技店の経営戦略の一環として積極的に活用できる。 また、設定値に応じて、図柄当りによる大当り遊技の確率を高くしたり、小当りからの役物当りによる大当り遊技の確率を高くしたりすることができるので、遊技の趣向性を向上することができる。
請求項4に記載の発明は、 請求項3に記載の弾球遊技機において、 前記始動口として、第1始動口と、第2始動口とを備え、 前記当否判定手段は、遊技球が前記第1始動口に入球したことに起因して抽出した第1数値データに基づいて前記当否判定を行う一方、遊技球が前記第2始動口に入球したことに起因して抽出した第2数値データに基づいて前記当否判定を行うようになし、 前記設定値選択手段は、 前記設定値に応じて、前記第1数値データに基づく前記当否判定で前記大当りと判定される確率を現在の確率よりも高くなるように設定すると、前記小当りと判定される確率が現在の確率よりも低く設定される一方、前記設定値に応じて、前記第1数値データに基づく前記当否判定で前記大当りと判定される確率を現在の確率よりも低くなるように設定すると、前記小当りと判定される確率が現在の確率よりも高く設定され、 且つ前記設定値毎に、前記第2数値データに基づく前記当否判定で前記大当りと判定される確率を異なる設定に変更する一方、何れの前記設定値が選択されても、前記第2数値データに基づく前記当否判定で前記小当りと判定される確率を変更しないことを特徴とする。
この発明では、例えば、第1始動口を、通常、入球が可能な構成とする一方、第2始動口を、小当り発生に有利な特典遊技に入球が容易な構成とすることが望ましい。これによれば、本発明は、請求項3と同様の効果に加えて、以下の効果を発揮できる。即ち、1種2種混合機では、一般的に第2始動口の入球に起因する小当りの当選確率が高確率であり、本発明ではこの当選確率を変更しないので、特典遊技中に、役物当りを容易且つスピーディーに発生させるといった1種2種混合機の遊技性を損ねない。
本発明を適用した第1実施形態の弾球遊技機の正面図である。 前記弾球遊技機の遊技盤の正面図である。 前記弾球遊技機に用いられる大入賞口の正面図である。 前記大入賞口に設けられた第1振分装置の振分作動に関する説明図である。 前記大入賞口に設けられた貯留装置の貯留作動に関する説明図である。 前記大入賞口に設けられた第2振分装置の振分作動に関する説明図である。 前記弾球遊技機の背面図である。 前記弾球遊技機の電気ブロック図である。 前記弾球遊技機の給電に関する電気ブロック図である。 前記弾球遊技機の当否判定の当選確率の設定値に関する説明図である。 前記弾球遊技機の遊技仕様と小当り図柄に関する説明図である。 前記弾球遊技機の主制御装置で実行される電源投入処理の制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される設定変更処理の制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行されるメインルーチンの制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される始動入球確認処理の制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される特図当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。 前記特図当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。 前記特図当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。 前記特図当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。 前記特図当否判定処理の制御内容を示す第5のフローチャートである。 前記主制御装置で実行される特別遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。 前記特別遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。 前記特別遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。 前記特別遊技処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。 前記特別遊技処理の制御内容を示す第5のフローチャートである。 前記特別遊技処理の制御内容を示す第6のフローチャートである。 前記弾球遊技機の第1特別図柄の当否判定による小当り遊技に関するタイミングチャートである。 前記弾球遊技機の第2特別図柄の当否判定による小当り遊技に関するタイミングチャートである。 本発明を適用した第2実施形態の弾球遊技機の当否判定の当選確率の設定値に関する説明図である。
〈第1実施形態〉 本発明を適用した第1実施形態の弾球遊技機(以下、パチンコ機という)を説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造とされている。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠が開閉可能に設けてある。尚、これら前枠11及び前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放可能である。 前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(図2)が設けてある。
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けられている。
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成されている。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けられている。そして、発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。 下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)CRが隣接されている。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172及び精算表示装置173が設けられている。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な演出ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
図2に示すように、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。発射された遊技球は、遊技者から見て遊技領域20の左上部から遊技領域20へ打ち出される。遊技領域20の上半部のほぼ中央にはセンターケース200が配置されている。センターケース200の中央に設けられた開口部内には、特別図柄に対応する擬似演出図柄等の表示を行う演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配置されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
遊技盤2の遊技領域20は、センターケース200を境に第1遊技領域20Lと、第2遊技領域20Rとに分けられている。遊技者から見て、第1遊技領域20Lはセンターケース200の左側に設けられ、第2遊技領域20Rはセンターケース200の右側に設けられている。 第1遊技領域20Lは、所定の発射威力未満で発射(左打ちともいう)されて、図に示したP部まで到達しない遊技球が流下する。一方、第2遊技領域20Rは、所定の発射威力以上で発射(右打ちともいう)されてP部まで到達した遊技球が、センターケース200上縁と外レール201との間の誘導路を通過して、第2遊技領域20Rを流下することになる。尚、第1遊技領域20L、第2遊技領域20Rには多数の遊技釘が植設されている。
第1遊技領域20Lには、上半部に、遊技球が入球し通過可能な普通図柄(以下、普図という)の第1普図作動ゲート22Aが配置されている。 また、第2遊技領域20Rの上半部には、遊技球が入球し通過可能な普図の第2普図作動ゲート22Bが配置されている。
第1普図作動ゲート22A及び第2普図作動ゲート22Bはそれぞれ、入球により普図の当否判定が実行される起因となる作動ゲートである。第1普図作動ゲート22A又は第2普図作動ゲート22Bへの入球により、数値データとして、普図当り決定用乱数が抽出され、保留記憶される。保留記憶は4つまで記憶される。これら保留記憶に基づいて普図の当否判定が実行される。 尚、本実施形態では、入球により普図の当否判定が実行される起因となる普図作動ゲートを、第1遊技領域20L及び第2遊技領域20Rそれぞれに設けたが、これに限らず、普図作動ゲートは、少なくとも、第1遊技領域20Lを流下した遊技球よりも、第2遊技領域20Rを流下した遊技球が入球し易い位置に一つ配置してあればよい。
第2遊技領域20Rを流下した遊技球よりも第1遊技領域20Lを流下した遊技球のほうが入球し易い位置で、例えば、センターケース200の中央直下位置で、遊技領域20のほぼ中央位置には、常時入球(入賞)可能な第1特別図柄(以下、第1特図という)の第1特図始動口23が配置されている。第1特図始動口23へは、左打ちにより第1遊技領域20Lから流下する遊技球が、センターケース200のワープ樋等を通過して入球し易い構成である。尚、第2遊技領域20Rを流下した遊技球も入球可能である。
第1特図始動口23は、入球により第1特図の当否判定が実行される起因となる入球口である。第1特図始動口23への入球により、数値データとして、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、第1特図の保留記憶として記憶される。保留記憶は四つまで記憶される。これら保留記憶に基づいて第1特図の当否判定が実行される。
遊技領域20のほぼ中央下端位置には、後述する第2大入賞口26の第2エリア26bの下縁に対応する位置に、第1特別電動役物(以下、単に第1特電役物という)により開閉可能に設けられた第1大入賞口25が設置されている。第1大入賞口25は、開閉扉により開閉可能な入口を備え、図柄当り又は役物当りによる大当り遊技において所定の開放態様で開放される入球口である。尚、第2大入賞口26の第2エリア26bは、遊技領域20の下半部に設けられた開口部の内部に設けられており、且つ前記開口部の前面は透明な板部材により覆われている。よって第1大入賞口
25へは第2大入賞口26の第2エリア26bの前面を流下した遊技球が入球可能である。
第2遊技領域20Rの第2普図作動ゲート22Bの下流側には、普通電動役物(以下、単に普電役物という)の開閉部材241により開閉可能に構成された第2特別図柄(以下、第2特図という)の第2特図始動口24が配置されている。第2特図始動口24は、入球により第2特図の当否判定が実行される起因となる入球口である。第2特図始動口24への入球により、数値データとして、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、第2特図の保留記憶として記憶される。保留記憶は一つのみ記憶される。この保留記憶に基づいて第2特図の当否判定が実行される。
第2特図始動口24の直下位置には、第2特別電動役物(以下、単に第2特電役物という)により開閉可能に設けられた第2大入賞口26が設置されている。第2大入賞口26内には、後述する第1特定領域268及び第2特定領域265が設けられている。第2大入賞口26は、第1遊技領域20Lを流下した遊技球よりも第2遊技領域20Rを流下した遊技球のほうが入球し易い位置に配置されている。第2大入賞口26は、開閉扉により開閉可能な入口26eを備え、小当り遊技において所定の開放態様で開放される入球口である。尚、第2大入賞口26の入口26eは、遊技者から見て、遊技盤2の遊技領域20の上下方向の中心線CLよりも低い位置に配置されている。
第2大入賞口26は、図2及び図3に示すように、第1エリア26aと第2エリア26bとに区画されている。第1エリア26aは第2大入賞口26の直下に設けられ、第2大入賞口26へ入球した遊技球が先ず流下するエリアである。第2エリア26bは、遊技球が第1エリア26aから移動可能なエリアで、遊技者から見て、第1エリア26aの左側で、遊技領域20の下半部の左右方向ほぼ中央に設けられている。以下、図3乃至図5を用いて第2大入賞口26の詳細を説明する。
図3及び図4(a)に示すように、第2大入賞口26の第1エリア26aは、第2大入賞口26へ入球した遊技球Bを受け、下流側へ流下案内する上部遊技球通路260を備えている。上部遊技球通路260には、中間位置に、第2大入賞口26に入球した遊技球をカウントする第2カウントSW(スイッチ)508が設けられている。例えば、第2カウントSW508は、遊技球Bが入球し通過することを検知する近接センサが用いられる。
上部遊技球通路260から遊技球Bを流下案内する通路は、第1遊技球通路261と、第2遊技球通路262とに分岐されている。第1遊技球通路261は、上部遊技球通路260から鉛直下方へ延びる通路である。第2遊技球通路262は、遊技者から見て、上部遊技球通路260から右横方向に分岐する通路である。第1遊技球通路261と第2遊技球通路262との分岐部には、遊技球Bを第1遊技球通路261又は第2遊技球通路262へ振り分ける第1振分装置263が設けられている。
通常、第1振分装置263は、非作動状態において、第1遊技球通路261を開放すると共に、第2遊技球通路262の入口を閉鎖する待機位置に位置する。これにより、上部遊技球通路260を流下した遊技球Bは第1遊技球通路261へ振り分けられる。
第1遊技球通路261には、遊技球Bを貯留することが可能であり、貯留した遊技球Bを第2エリア26bへ移動させる貯留装置264が配置されている。また、第1遊技球通路261には、その下流端に、貯留装置264で貯留されることなく、第2エリア26bへ移動しない遊技球Bを遊技盤2内に取り込む取込口205aが配置されている。
第2遊技球通路262には、遊技球Bが入球し通過可能な第2特定領域265が配置されている。第2特定領域265は、入球により小当り遊技から役物当りの大当り遊技へ発展可能な入球口である。尚、第2特定領域265は第2遊技球通路262を流下する遊技球Bが全て入球通過可能な位置に配置されている。また、第2遊技球通路262には、その下流端に、第2特定領域265を入球通過した遊技球Bを遊技盤2内に取り込む取込口205bが配置されている。
図4(b)に示すように、第1振分装置263は、作動時に、分岐部の壁面に設けられた略へ字状のガイド溝2631に沿って移動して、第1遊技球通路261の入口を閉鎖すると共に、第2遊技球通路262の入口を開放して、遊技球Bを第2遊技球通路262へ振り分ける作動位置に変位する。これにより、第2遊技球通路262へ振り分けられた遊技球Bは、全て、第2特定領域265に入球しこれを通過して、取込口205bより遊技盤2内へ取り込まれる。
このように構成された第1振分装置263は、小当り遊技の開始、又は、第2大入賞口26の開放を契機に予め定められた一定の動作パターンに従って前記待機位置と前記作動位置とに変位させることが望ましい。例えば、第1振分装置263は、小当り遊技の開始から作動位置へ約0.2秒間、変位させ、一旦、待機位置へ戻した後(約1.2秒間)、再び作動位置に約5秒間、変位させ、その後に前記待機位置に戻る動作パターンで作動させる。
このように、第1振分装置263が予め定められた一つの動作パターンに従って振り分け作動することにより、小当り遊技の開始又は第2大入賞口26の開放開始から所定時間が経過するまでの第1期間では、小当り遊技によって開放された第2大入賞口26に入球した遊技球を、第1遊技球通路261と第2遊技球通路262とのいずれか一方の遊技球通路(第1遊技球通路261又は第2遊技球通路262)よりも他方の遊技球通路(第2遊技球通路262又は第1遊技球通路261)に遊技球が振り分けられる確率が高くなり、前記所定時間が経過した後の第2期間では、前記他方の遊技球通路よりも前記一方の遊技球通路に遊技球が振り分けられる確率が高くなる。
尚、小当り遊技の開始又は大入賞口の開放開始から所定時間が経過するまでの第1期間、所定時間が経過した第2期間とは、明確に遊技者から見て異なる期間、明確に制御として区別される期間というわけではなく、単に時間経過のみで規定した決め事とすることが望ましい。また、第1期間の時間と第2期間との時間が同一時間である必要もない。 第1振分装置263は、図例の構成、形状に限らず、非作動時に遊技球Bを第1遊技球通路261へ振り分け、作動時に遊技球Bを第2遊技球通路262へ振り分ける構成であればよい。また、第1振分装置263として、作動時に遊技球Bを第1遊技球通路261へ振り分け、非作動時に遊技球Bを第2遊技球通路262へ振り分ける構成の装置でもよい。
貯留装置264について説明する。図3及び図5に示すように、貯留装置264は、第1エリア26aと第2エリア26bとを区画すると共に第1遊技球通路261の側壁を形成する仕切り壁に設けられている。例えば、仕切り壁には、遊技球Bを第1エリア26aから第2エリア26bへ移動させるための開口部が形成され、貯留装置264は開口部を開閉可能に配置されている。貯留装置264は、遊技球Bを受け止めて貯留する貯留面部2641と、貯留面部2641の基端と直交する側面部2642とを備えたL字状の部材で構成されている。貯留装置264は、貯留面部2641の基端が前記開口部の下端付近に回動可能に軸支されている。
貯留装置264は、非作動状態では、貯留面部2641が起立姿勢で前記仕切り壁の開口部を塞ぐ非貯留姿勢をなす(図3)。この場合、第1遊技球通路261を流下する遊技球Bは通路の下流端の取込口205aに取り込まれる。
貯留装置264は、作動状態では、図5(a)に示すように、前記非貯留姿勢から時計方向に90度回動して、貯留面部2641が第1遊技球通路261へ突出すると共に、側面部2642が前記開口部を塞ぐ貯留姿勢をなす。このとき、貯留装置264は、貯留面部2641が第1遊技球通路261を流下した遊技球Bを受けると共に、貯留面部2641上に遊技球Bを貯留する。貯留装置264が貯留可能な遊技球は一つである。従って、貯留中に後から第1遊技球通路261を流下する遊技球Bは、貯留された遊技球B1に当接して横方向に弾かれて通路の下流端の取込口205aに取り込まれる。
貯留装置264は、図5(b)に示すように、貯留姿勢から非貯留姿勢に戻ることにより、貯留した遊技球B1を前記開口部を介して第1エリア26aから第2エリア26bへ移動させる。第2エリア26bへ移動された遊技球B1は後述のスパイラルタワー266の根元へ誘導される。
このように構成された貯留装置264は、小当り遊技の開始、又は、第2大入賞口26の開放を契機に予め定められた一定の動作パターンに従って非貯留姿勢と貯留姿勢とに変位させることが望ましい。例えば、貯留装置264は、小当り遊技の開始から約9秒後に非貯留姿勢から貯留姿勢に変位し、約5秒間、貯留姿勢を保持し、その後、非貯留姿勢に戻る動作パターンで作動させる。 貯留装置264は、小当り遊技の開始又は第2大入賞口26の開放開始から前記所定時間が経過するまでの前記第1期間、又は、前記所定時間が経過した後の前記第2期間のうち、第2大入賞口26に入球した遊技球が第1遊技球通路261よりも第2遊技球通路262に振り分けられる確率が高い期間では遊技球を貯留しないように設定されている。 尚、貯留装置264は、図例の構成、形状に限らず、一つの遊技球を貯留可能であり、小当り遊技の開始、又は、第2大入賞口26の開放を契機に予め定められた一定の動作パターンに従って非貯留姿勢と貯留姿勢とに変位可能であり、貯留した遊技球を第1エリア26aから第2エリア26bへ移動させる構成であればよい。また、貯留装置264は、複数の遊技球を貯留可能な構成でもよい。
図3に示す第2エリア26bは、第1エリア26aから移動した遊技球をエリア上部へ移動させるスパイラルタワー266が設けられている。スパイラルタワー266は、その外周面に沿って螺旋状に遊技球Bを上部へ移動させる構成を有する。スパイラルタワー266は、外周面に螺旋状に遊技球Bを上部へ案内するガイド部2661を備えている。スパイラルタワー266は、例えば、内部にボールネジ機構2662を備え、ボールネジ機構2662にはそのネジ軸を正回転又は逆回転させることに応じて上下動が可能な磁石2663が設けられている。
このように構成されたスパイラルタワー266は、常時、一定の動作で遊技球Bを上昇させるように作動している。例えば、スパイラルタワー266はそのボールネジ機構2662がパチンコ機1の電源投入から常に作動している。即ち、ボールネジ機構2662の磁石2663が、スパイラルタワー266の下端から上端への上昇と、スパイラルタワー266の上端から下端への下降とを一定の動作で繰り返し作動している。スパイラルタワー266の作動は、パチンコ機1の電源投入から作動を開始して常に一定の動作を行うので、小当り遊技の開始や第2大入賞口26の開放開始との関連性はない。
スパイラルタワー266は、貯留装置264により第1エリア26aからスパイラルタワー266の根元に誘導された遊技球Bを、磁石2663で吸着すると共に、磁石2663の上昇とガイド部2661の案内により遊技球Bをスパイラルタワー266の外周面に沿って螺旋状に上方へ移動させる。尚、スパイラルタワー266の遊技球Bが上昇可能な最上部2664は、第2大入賞口26の開閉扉により開閉可能な入口26e(第1位置)よりも遊技者から見て高い位置(第2位置)に設けられている。従って、スパイラルタワー266に沿って螺旋状に上昇する遊技球は、第2大入賞口26の開閉扉により開閉可能な入口26eよりも遊技者から見て高い第2位置まで上昇することとなる。
スパイラルタワー266に沿って遊技球Bが螺旋状に上昇するルートの中間位置には、遊技球Bの上昇を阻止するシャッタ267が設けられている。シャッタ267は、遊技球Bの上昇を許容する非遮断状態(図の実線)と、遊技球Bの上昇を阻止する遮断状態(図の仮想線)とに変位可能に設けられている。シャッタ267は、通常、非遮断位置で遊技球Bの上昇を許容する一方、作動して遮断状態となると、前記ルート上に突出して上昇する遊技球Bに当接して遊技球Bの上昇を阻止すると共に、上昇を続ける磁石2663から遊技球Bの吸着を解除して、遊技球Bを落下させる。落下した遊技球Bは第2エリア26bの下端部に設けられた取込口205cから遊技盤2内へ取り込まれる。
このように構成されたシャッタ267は、小当り遊技の開始、又は、第2大入賞口26の開放を契機に予め定められた一定の動作パターンに従って非遮断状態と遮断状態とに変位させることが望ましい。例えば、シャッタ267は、貯留装置264の作動から約0.2秒の遮断状態と、約1秒の非遮断状態とを交互に繰り返す動作パターンで作動させる。 尚、シャッタ267は、図例の構成、形状に限らず、貯留装置264の作動を契機に予め定められた一定の動作パターンに従って非遮断状態と遮断状態とに変位可能であり、遮断状態において遊技球の上方への移動を阻止する構成であればよい。
第2エリア26bには、スパイラルタワー266の最上部2664から遊技球Bを、遊技者から見て左方向へ移動させるガイドレール2665と、ガイドレール2665のレール端に設けられて、遊技球Bを鉛直下方へ落下させる遊技球落下部2666が設けられている。遊技球落下部2666は、ガイドレール2665から移動した遊技球を受け止め、底面に設けられた貫通穴より遊技球を鉛直下方へ落下させる構成である。
遊技球落下部2666から落下した遊技球Bの落下位置には、図3及び図6に示すように、遊技球Bが入球可能な第1特定領域268と、第1特定領域268へ遊技球Bを入球させる否かを振り分ける第2振分装置269が設けられている。第1特定領域268は、入球により小当り遊技から役物当りの大当り遊技へ発展可能な入球口である。 尚、遊技球落下部2666と第2振分装置269との間は、遊技球落下部2666から落下する遊技球Bを第2振分装置269へ確実に落下させるように透明なカバー部材2667で覆われている。
第2振分装置269は、第2大入賞口26の開閉扉により開閉可能な入口26eのある第1位置よりも遊技者から見て低い位置に配置されている。また第2振分装置269は、第2大入賞口26の入口26eのある第1位置よりも遊技者から見て左側の位置で、遊技領域20の左右方向の中心線付近に配置されている。
第2振分装置269は、図6に示すように、リング状に設けられた外環部2691を備え、外環部2691の内部に時計方向に回転可能に設けられた円盤状の部材により構成されている。第2振分装置269は、円盤状の部材に、遊技球Bが入球可能な一つの第1特定領域268と、遊技球Bを遊技盤2内へ取り込み可能な三つの取込口205dとを備えている。
このように構成された第2振分装置269は、常時、一定の動作で遊技球Bを振り分けるように回転している。例えば、第2振分装置269はパチンコ機1の電源投入から常に一定の速度で回転している。第2振分装置269の作動は、パチンコ機1の電源投入から回転を開始して常に一定の動作を行うので、小当り遊技の開始や第2大入賞口26の開放開始との関連性はない。第2振分装置269は、遊技球落下部2666から落下する遊技球Bを円盤状の部材の中央部で受け、時計方向に回転する円盤状の部材により第1特定領域268へ遊技球Bが入球するか否かを振り分ける構成である。第2振分装置269は、常時、一定の回転速度で時計方向に回転作動させることが望ましい。 尚、第2振分装置269は、図例の構成、形状に限らず、第1特定領域268へ遊技球Bが入球するか否かを振り分ける構成であればよい。
図3に示すように構成された第2エリア26bにおいて、貯留装置264により貯留されて第1エリア26aから移動された遊技球Bは、スパイラルタワー266の外周面に沿って螺旋状に上昇する。途中、シャッタ267により上昇を阻止された遊技球Bは、落下して取込口205cのより遊技盤2内へ取り込まれる。阻止されることなくスパイラルタワー266を上昇した遊技球Bは、スパイラルタワー266の上端からガイドレール2665に沿って遊技球落下部2666へ誘導され、遊技球落下部2666から第2振分装置269へ向けて落下する。そして、落下した遊技球Bは、第2振分装置269により第1特定領域268へ入球するか否か振り分けられる。
このように、第2エリア26bを第2振分装置269へ向かって遊技球Bが移動するルートは、第1遊技球通路261の一部を構成している。 この場合、第1遊技球通路261は、貯留装置264により貯留されない遊技球については、第1特定領域268へ入球させない構成である。また、第1遊技球通路261では、貯留装置264に貯留された遊技球を、第2エリア26bへ移動させる構成が好適であるが、貯留装置264に一度は貯留されたが、貯留装置264から零れてしまい、遊技球が第2エリア26bへ達しない場合があってもよい。
図2に戻って、第1遊技領域20Lの下半部には複数の一般入賞口27が配置されている。遊技領域20の最下部にはアウト球口203が設けられている。 遊技盤2の右下端部には、外レール201の外部に、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普通図柄表示装置29及び普図保留数表示装置291が設けられている。
次に図7に示すように、パチンコ機1の裏面側は、遊技盤2を着脱可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前枠11と同様に、一方の側縁(図7の右側)の上下位置が外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出機構が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り上皿12に払い出される。また、賞球を払い出す払出ユニット33により貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成である。
パチンコ機1の裏面側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源装置45が設けられている。 主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源装置45は内枠30に設けられている。図7では発射制御装置44が描かれていないが、電源装置45の下に設けられている。
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けられ、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、パチンコ機1は、一つの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する構成である。これに限らず、ホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板として、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いてもよい。
更に、パチンコ機1の裏面側には、電源装置45に、RAMクリアスイッチ60、設定スイッチ61、上ボタン62、及び下ボタン63が、操作可能な位置に設けられている。 RAMクリアスイッチ60は、電源投入時に、該RAMクリアスイッチ60を押しながら、電源スイッチ451(図9参照)を押して電源投入することにより、記憶維持されている電源遮断直前の遊技状態に係る情報を消去するためのスイッチである。 また、後述するが、パチンコ機1は、特図の当否判定(賞球の増加が期待できる遊技に移行するか否かの当否判定)の当選確率を、遊技店での操作(外部からの操作)で設定を変更することが可能である。この場合、複数種類の当選確率に割り当てられた複数種類の「設定値1」〜「設定値6」の何れかの設定値を選択し、変更する構成である。 設定スイッチ61は、電源投入時に、該設定スイッチ61を押しながら、電源スイッチ451を押して電源投入することにより、特図の当選確率を設定変更可能な状態に切り替え、設定値が選択された後に、設定変更を確定するものである。 特図の当選確率を設定変更可能な状態では、現在の設定値(設定値1〜設定値6)が、第1特図表示装置28A(図2及び図8参照)に視認可能に表示される。
遊技店の従業員は、第1特図表示装置28Aに表示された現状の設定値を変更する際、現状の設定値よりも高い設定値に変更する場合には、上ボタン62を、低い設定値に変更する場合は下ボタン63を任意の回数だけ押下することによって、第1特図表示装置28Aに変更が予定(仮設定)された設定値が表示される。その後、設定スイッチ61を押下することで、設定変更が完了するように構成されている。尚、上ボタン62及び下ボタン63は、1回の押下により、1段階だけ設定値が変更準備されるようになっている。 本実施形態のこのような設定変更に係る制御処理については、後で説明する。
尚、設定スイッチ61、上ボタン62、及び下ボタン63は、電源装置45に限らず、主制御装置40に配置された構成でもよい。また、設定スイッチ61は、鍵を挿入して所定方向に回転させることで確率設定を変更可能な状態にするスイッチでもよい。例えば、設定スイッチ61は、パチンコ機1の電源がオフの状態で、設定スイッチ61に鍵を挿入して所定方向(例えば、右方向)に回転させ、この状態でパチンコ機1の電源を投入することで、確率設定の変更可能な状態に切り替える。そして、設定値を選択した後に、設定スイッチ61に挿入した鍵を回転させて初期位置へと戻す操作を行うことで設定値が確定され、設定変更を行うようにしてもよい。
図8はパチンコ機1の電気的構成(電気ブロック)を示す。パチンコ機1は、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を備える。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、いずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置はいずれもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置40には各種の乱数を抽出する乱数カウンタ等も備わっている。 発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技店のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検知するガラス枠開放SW501、内枠開放SW502、第1特図始動口23への入球を検知する第1特図始動口SW503、第2特図始動口24への入球を検知する第2特図始動口SW504、第1普図作動ゲート22Aへの入球及び第2普図作動ゲート22Bへの入球を検知する普図作動SW50
5、一般入賞口27への入球を検知する一般入賞口SW506、第1大入賞口25への入球を検知する第1カウントSW507と第2大入賞口26への入球を検知する第2カウントSW508、第1特定領域268への入球を検知する第1特定領域SW509、及び第2特定領域265への入球を検知する第2特定領域SW510等と電気的に接続され、各検知信号が入力される。
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検知信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して第1特図表示装置28A、第1特図保留数表示装置281、第2特図表示装置28B、第2特図保留数表示装置282、普通図柄表示装置29及び普図保留数表示装置291等の表示制御を行なう。
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、普電役物の開閉部材241の開閉用の普電役物SOL(ソレノイド)511、第1大入賞口25の開閉用の第1大入賞口SOL512、第2大入賞口26の開閉用の第2大入賞口SOL513、第1振分装置263の駆動用の第1振分装置SOL514、貯留装置264の駆動用の貯留装置SOL515、スパイラルタワー266の駆動用のスパイラルタワー駆動部516、シャッタ245の駆動用のシャッタSOL517、及び第2振分装置269の駆動用の第2振分装置モータ518等が電気的に接続されている。
主制御装置40は、普電役物SOL511を制御して開閉部材241を開閉作動せしめる。第1大入賞口SOL512を制御して第1大入賞口25を開閉作動せしめる。第2大入賞口SOL513を制御して第2大入賞口26を開閉作動せしめる。第1振分装置SOL514を制御して第1振分装置263を振分作動せしめる。貯留装置SOL515を制御して貯留装置264を貯留作動せしめる。スパイラルタワー駆動部516を制御してスパイラルタワー266を駆動せしめる。シャッタSOL517を制御してシャッタ245を作動せしめる。更に第2振分装置モータ518を制御して第2振分装置269を振分作動せしめる。 主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や特図の当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。 主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検知する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検知する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検知する満杯SW523等と電気的に接続され、これらの検知信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を駆動させて遊技球を払い出させる。また、CRユニット端子板535を介してCRユニットCRと電気的に接続され、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させる。精算表示装置173を介して球貸SW171又は精算SW172の操作により発信される貸出要求、精算要求の操作信号がCRユニットCRに入力され、プリペイドカードの残高表示はCRユニットCRによって制御される。
発射制御装置44は、発射を停止する発射停止SW524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検知するタッチSW525等と電気的に接続され、これらの検知信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号及び発射停止SW524の信号に基づいて発射モータ526を制御して遊技球を発射及び停止させる。
サブ統合制御装置42は、音量調節SWを備えている。更にサブ統合制御装置42には、演出ボタン15やジョグダイヤル16等と電気的に接続され、これらの操作信号が入力される。 そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する演出や特図の擬似演出図柄の表示態様のコマンドを送信する。
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
図9は、電源装置45と、主制御装置40、払出制御装置41を含むパチンコ機1の各部との間の給電および信号系を示すブロック図である。 パチンコ機1の電源装置45は、遊技店側に設けられたAC24V電源を、電源スイッチ451を介して電源生成回路452が受けており、電源生成回路452が、図示の主制御装置40、払出制御装置41を含むパチンコ機1の各部に給電する。電源スイッチ451はオンまたはオフの操作をするとその状態を保持するタイプが用いられる。
電源生成回路452における全波24V出力は、電源電圧監視回路453に入力し、電源電圧監視回路453による全波24V出力の有無の検出結果に基づいて、リセット信号発生回路454がリセット信号を出力もしくは解除する。すなわち、電源電圧監視回路453は、所定の基準電圧以上の非出力状態が所定の時間、維持すれば全波24V出力停止と判断し、リセット信号発生回路454は、全波24V出力停止との判断に応じてリセット信号を出力する。一方、全波24V出力が開始されるとリセット信号は解除される。ここで、リセット信号の出力とはロウレベルの信号を出力することであり、解除とはロウレベルからハイレベルに変化することをいう。尚、リセット信号の解除は、全波24V出力の検出時点から遅延されて行なわれる。
リセット信号発生回路454の出力は、主制御装置40のCPU401、払出制御装置41のCPU411のそれぞれのリセット端子に出力される。
停電信号発生回路455は、電源電圧監視回路453の出力を入力として設けてあり、停電等の電源遮断時に停電信号を各制御装置CPU401、411のNMI端子に出力するようになっている。停電信号は電源遮断に伴ってハイレベルからロウレベルに変化する信号であり、リセット信号が出力するに先立って出力するように出力タイミングが設定されている。
また、電源装置45は、コンデンサを含み構成されたバックアップ電源生成回路457により、DC5Vのバックアップ電源を生成する構成となっており、バックアップ電源出力は各制御装置CPU401、411のバックアップ端子に出力され、停電時には後述するように各制御装置CPU401、411のRAMの記憶内容を保持する。
電源装置45はまた、RAMクリアスイッチ60を備えている。RAMクリアスイッチ60は、CPU401のRAM404、CPU411のRAM414に記憶されている内容をクリアするために設けられる。尚、主制御装置40のCPU401にはRAM404とRAM405が存在するが、後述するRAMクリア操作により記憶内容がクリアされるのはRAM404のみであり、RAM405は、RAMクリア操作が行なわれてもその記憶内容が保持される。
RAMクリアスイッチ60は、押下時のみオンする押し釦タイプのものが用いられ、リセット信号の解除時にRAMクリアスイッチ60がオンであれば、RAMクリア信号発生回路456が、ハイレベルの信号であるRAMクリア信号を主制御装置40の入力ポート402、払出制御装置41の入力ポート412それぞれに所定時間(後述)の間、出力する。すなわち、RAMクリア信号はリセット信号が解除される電源投入時のみ出力される。ここで電源スイッチ451のオンからリセット信号解除までの遅延時間Taは、例えば100msに設定され、RAMクリア信号を発生せしめるには、RAMクリアスイッチ60を押下しながら電源スイッチ451をオンすることになる。これがRAMクリア操作である。尚、各制御装置CPU401、411は入力ポート402、412におけるRAMクリア信号の有無をデータバスを介して監視する。
さらに本実施形態の電源装置45は、上述したように、パチンコ機1を異なる特図の当否判定の当選確率に設定する6種類の設定値の内の何れかを選択して設定可能な設定スイッチ61と、現状の設定値をより高い当選確率の設定値に上昇させる上ボタン62と、同じく現状の設定値をより低い当選確率の設定値に下降させる下ボタン63と、を備える。
次にパチンコ機1の作動を説明する。 パチンコ機1は、第1特図始動口23への入球に起因して第1特図の当否判定が実行される。当否判定に応じて第1特図表示装置28A及び演出図柄表示装置21にて図柄変動を開始する。その後、第1特図表示装置28Aに第1特図の確定図柄を、演出図柄表示装置21に第1特図に対応する擬似演出図柄を確定表示して第1特図の当否判定の結果を報知する。 当否判定の結果が大当り(図柄当り)となり、第1特図表示装置28Aに大当り図柄が確定表示されると、条件装置が作動することによって役物連続作動装置及び第1特電役物が作動して第1大入賞口25が賞球の獲得に有利な所定の態様で開放される大当り遊技(特別遊技)が実行される。
大当り遊技終了後には、大当りとなった第1特図の大当り図柄に応じて、通常遊技状態よりも、単位時間あたりの第2特図始動口24への入球率が高く設定された状態、例えば、普図の当選確率を高確率とすると共に普電役物の開閉部材241の開放時間を延長する等の開放延長機能と、特図及び普図の平均変動時間を短くする時短機能が付与される開放延長遊技状態に移行可能としている。尚、特図の当選確率を高確率とする確変機能は備えていない。
第1特図の当否判定の結果が小当りとなり、第1特図表示装置28Aに小当り図柄が確定表示されると、条件装置が作動することなく、第2特電役物が作動して第2大入賞口26が、大当り遊技の第1大入賞口25よりも開放回数、開放時間が不利な所定の態様で開放される小当り遊技が実行される。このとき、第2大入賞口26の第1特定領域268又は第2特定領域265のいずれかへ遊技球が入球することにより条件装置が作動し、これにより、役物連続作動装置及び第1特電役物が作動して大当り遊技(役物当り)へ昇格(移行)可能とされている。当該大当り遊技は第1大入賞口25で行われる。 また役物当りによる大当り遊技終了後には、通常遊技状態よりも、単位時間あたりの第2特図始動口24への入球率が高く設定された状態である開放延長遊技状態への移行が可能とされている。
普図の第1普図作動ゲート22A及び第2普図作動ゲート22Bに遊技球が入球すると、普図の当否判定に関する複数種類の乱数値が抽出され、これらに基づいて普図の当否判定が実施される。このとき普通図柄表示装置29にて図柄変動を開始し、その後、普通図柄表示装置29に普図を確定表示して普図の当否判定の結果を報知する。普図の当否判定の結果が当りとなり、普通図柄表示装置29に普図の当り図柄が確定表示されると、普図の当り遊技として普電役物の開閉部材241を開放して第2特図始動口24への入球を可能とする。
普電役物の開閉部材241の開放状態において遊技球が第2特図始動口24へ入球すると、これに起因して第2特図の当否判定を実行する。このとき第2特図表示装置28B及び演出図柄表示装置21にて図柄変動を開始し、その後、第2特図表示装置28Bに第2特図を確定表示するとともに、演出図柄表示装置21に第2特図に対応する擬似演出図柄を確定表示して判定結果を報知する。判定結果が大当り(図柄当り)となり、第2特図表示装置
28Bに大当り図柄が確定表示されると、第1特図と同様に、条件装置、役物連続作動装置及び第1特電役物が作動して第1大入賞口25が賞球の獲得に有利な所定の態様で開放される大当り遊技が実行される。
一方、第2特図の当否判定の結果が小当りとなり、第2特図表示装置28Bに小当り図柄が確定表示されると、第1特図と同様に、第2大入賞口26が所定の態様で開放される小当り遊技が実行される。このとき、第2大入賞口26の第1特定領域268又は第2特定領域265のいずれかへ遊技球が入球することにより、第1特図と同様に、大当り遊技(役物当り)へ昇格可能とされている。当該大当り遊技は第1大入賞口25で行われる。 図柄当り、役物当りに拘わらず、第2特図に起因する大当り遊技終了後には、開放延長遊技状態への移行が可能とされている。
尚、本パチンコ機1は、小当り遊技で第2大入賞口26への入球した遊技球の個数と、第2大入賞口26から排出された(遊技盤2内へ取り込まれた)遊技球の個数とをそれぞれカウントし、双方の個数が一致するまで、次の第1又は第2特図の図柄変動を行わない構成である。
次に、パチンコ機1の特図の当選確率の設定値に関する構成について説明する。パチンコ機1は、複数種類の当選確率に対応して、複数種類の設定値が割り当てられている。具体的には、設定値として、「設定値1」〜「設定値6」までの6種類が設けられ、設定スイッチ61、上ボタン62、および下ボタン63を操作することで、遊技店にて何れかの設定値を選択可能となっている。
図10に示すように、「設定値1」は、第1特図の当否判定における小当りの当選確率が「1/60」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される。また、第2特図の当否判定における小当りの当選確率が「198/199」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される構成である。 「設定値2」は、第1特図の当否判定における小当りの当選確率が「1/55」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される。また、第2特図の当否判定における小当りの当選確率が「198/199」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される構成である。 「設定値3」は、第1特図の当否判定における小当りの当選確率が「1/50」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される。また、第2特図の当否判定における小当りの当選確率が「198/199」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される構成である。 「設定値4」は、第1特図の当否判定における小当りの当選確率が「1/45」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される。また、第2特図の当否判定における小当りの当選確率が「198/199」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される構成である。 「設定値5」は、第1特図の当否判定における小当りの当選確率が「1/40」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される。また、第2特図の当否判定における小当りの当選確率が「198/199」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される構成である。 「設定値6」は、第1特図の当否判定における小当りの当選確率が「1/35」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される。また、第2特図の当否判定における小当りの当選確率が「198/199」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される構成である。
このように、パチンコ機1は、設定値ごとに、第1特図における小当りの当選確率のみが相違する構成である。尚、第1特図の大当りの当選確率、第2特図の小当りの当選確率、及び第2特図の大当りの当選確率はそれぞれ、何れの設定値においても同一の確率で、変わらない構成である。 そして、パチンコ機1は、設定値の違いによって、第1特図における小当りとなる可能性に高低の差を持たせて、小当りから大当り(役物当り)へ発展した大当り遊技状態により獲得が期待できる遊技球数の多寡が発生するよう設定されている。
次に図11に基づいてパチンコ機1の主な遊技仕様を説明する。図11(a)に示すように、第1特図の保留記憶数は4個に、第2特図の保留記憶数は1個に設定されている。 普図の当選確率は、通常遊技状態では100分の1とされ、第2特図始動口24の開放態様は約3.0秒間の開放が1回実行される。一方、開放延長遊技状態における普図の当選確率は100分の99とされている。この場合の第2特図始動口24の開放態様も約3.0秒間の開放が1回実行される。
第1特図の図柄当りによる大当り遊技の終了後に、開放延長遊技状態に移行される確率は約50%とされ、開放延長遊技状態の継続回数は第1特図及び第2特図の変動回数が99回に達するまで、又は次に大当り(図柄当り又は役物当り)が発生するまで継続される。 第2特図の図柄当りによる大当り遊技の終了後に、開放延長遊技状態に移行される確率は100%とされ、開放延長遊技状態の継続回数は第1特図及び第2特図の変動回数が99回に達するまで、又は次に大当り(図柄当り又は役物当り)が発生するまで継続される。 第1特図の役物当りによる大当り遊技の終了後に、開放延長遊技状態に移行される確率は約100%とされ、開放延長遊技状態の継続回数は第1特図及び第2特図の変動回数が99回に達するまで、又は次に大当り(図柄当り又は役物当り)が発生するまで継続される。 また第2特図の役物当りによる大当り遊技の終了後に、開放延長遊技状態に移行される確率は約100%とされ、開放延長遊技状態の継続回数は第1特図及び第2特図の変動回数が99回に達するまで、又は次に大当り(図柄当り又は役物当り)が発生するまで継続される。
このように本パチンコ機1は、通常遊技状態では左打ちにより第1特図始動口23を狙って、第1特図で当否判定による小当りに起因する役物当り又は図柄当りを目指す。大当り遊技終了後に開放延長遊技状態に移行された場合は、右打ちにより第2特図始動口24を狙い、第2特図では高確率で小当りと判定されるので、役物当りを発生させることを目指すといった、遊技状態によって異なる打ち方で大当りを目指す遊技を楽しむことができる。尚、通常遊技状態でも稀に、第1遊技領域20Lの第1普図作動ゲート22Aへの入球により普図が当選すれば、第2特図始動口24に入球させ、小当りを発生させることも可能である。
また、本パチンコ機1は、小当り発生時に選択される小当り図柄として複数種類の小当り図柄を備えている。そして、小当り図柄に応じて小当り遊技における第2大入賞口26の開放パターンが設定される構成である。 例えば、図11(b)に示すように、小当り図柄として、「小当り図柄A」、「小当り図柄B」、「小当り図柄C」、及び「小当り図柄D」の4種類の図柄が設定されている。 例えば、第2大入賞口26の開放パターンとして、第2大入賞口26に入球した遊技球が第1振分装置263によって、第2遊技球通路262よりも第1遊技球通路261に振り分けられる確率が高くなるように設定された「第1開放パターン」と、第1遊技球通路261よりも第2遊技球通路262に振り分けられる確率が高くなるように設定された「第2開放パターン」とが設定されている。
第1特図の当否判定に起因する小当りでは、小当り図柄として、「小当り図柄A」又は「小当り図柄B」のいずれかが選択される。そして、第1特図の当否判定に起因する小当りでは、小当り図柄として「小当り図柄A」又は「小当り図柄B」のいずれかが選択されることにより、100%の確率で「第1開放パターン」が選択される。 一方、第2特図の当否判定に起因する小当りでは、小当り図柄として、「小当り図柄C」又は「小当り図柄D」のいずれかが選択される。そして、第2特図の当否判定に起因する小当りでは、小当り図柄として「小当り図柄C」又は「小当り図柄D」のいずれかが選択されることにより、100%の確率で「第2開放パターン」が選択される。
図略ではあるが、本パチンコ機1の賞球について説明する。第1特図始動口23の賞球は、1個の入球につき「3個」に設定されている。第2特図始動口24の賞球は、1個の入球につき「1個」に設定されている。その他の入賞口(例えば、一般入賞口27)の賞球数は1個の入球につき「10個」に設定されている。第1大入賞口25の賞球は、1個の入球につき「15個」に設定されている。第2大入賞口26の賞球は、1個の入球につき「10個」に設定されている。
以下に、第1実施形態のパチンコ機1の作動について、各種制御フローを参照しつつ詳細に説明する。 パチンコ機1は、特図の当否判定の当選確率の異なる複数種類の設定値を備えており、設定値は遊技店において従業員が任意に変更可能となっている。この変更に係る処理は、電源投入時に行うよう構成されている。具体的に本実施形態では、後述の「メインルーチン(図14参照)」を実行する前に行う、「電源投入処理」にて実行される。図12、図13を参照して、パチンコ機1の設定値を変更する処理を説明する。
電源投入時に主制御装置40のCPU401により実行される「電源投入処理」について図12を用いて説明する。「電源投入処理」 電源スイッチ451が操作されてパチンコ機1が通電状態になり、リセット信号が解除され、CPU401自身のセキュリティチェックが終了すると、本処理が実行され、電源投入の初期処理を実行する(S100)。そしてRAMクリア信号がオンか否か、すなわちRAMクリアスイッチ60がオンされているか否かを判定する(S101)。RAMクリア信号は、リセット信号の解除時にRAMクリアスイッチ60がオン状態であれば「H(オン)」になるものなので、これは実質的に、電源投入時にRAMクリアスイッチ60がオン状態だったか否かを判定していることになる。
RAMクリア信号がオンではなかったとき(S101:no)は、S102の処理において、設定スイッチ61(図7及び図9参照)がオンか否かを判定する。 設定スイッチ61がオンではなければ(S102:no)、パチンコ機1を電源断時の状態に復旧する。そのためにまず、電源断時の発生情報が正常か否かを判定する(S103)。正常であれば(S103:yes)、S104の処理において、RAMの判定値を算出する。次に、その判定値が正常か否かを判定する(S105)。ここでRAMの判定値とは、電源断時にRAMに保存された値で、S105の処理において、S104で算出された値と、RAMに保存された値が一致するか否かを判定する。判定値が正常、すなわち判定値が保存された値と一致していれば(S105:yes)、S106の処理において、電源復帰時の処理(例えば、電源断時の発生情報をクリアしたり、サブ統合制御装置42を電源断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信したりする)を行なう。その後、S112に移行する。
前記RAMクリア信号がオンだったとき(S101:yes)、前記電源断時の発生情報が正常ではなかったとき(S103:no)、また前記RAM判定値がRAMに保存された値と一致しなかったとき(S105:no)、パチンコ機1を初期状態に戻す。そのためにまず、RAM404の全てを0クリアする(S109)。次に、初期値乱数設定処理を実行する(S110)。初期値乱数設定処理が終了すると、RAMの初期設定を行い(S111)、S112に移行する。本実施形態の「RAMの初期設定」は、少なくとも、何らかの変動パターンテーブルが設定されているときに、これも含めてクリアして初期設定する処理である。
前記S102の処理において、設定スイッチ61がオンであったとき(S102:yes)は、すなわち、電源スイッチ451が操作され且つ設定スイッチ61がオン状態である場合、設定変更処理を実行する(S107)。 図13
は「設定変更処理」を示す。本処理は特許請求の範囲に記載の「設定選択手段」に相当する。本処理では、まず、設定スイッチ61がオン状態からオフ状態になったことを契機として設定値表示処理を実行する(S200)。設定値表示処理では、現状の設定値(図10参照、設定値1〜6の何れか)を、第1特図表示装置28Aに表示する。例えば、現状、設定値3に設定されている状態であれば、7セグメント表示器である第1特図表示装置28Aにて、「3」を表示する。
続いて、上ボタン62がオンであるか否かを判定する(S201)。上ボタン62がオンで肯定判定の場合には(S201:yes)、S202の処理において、現状の設定値から1段階上昇させた設定値に仮設定する制御を行うと共に、第1特図表示装置28Aに変更した設定値を表示する処理を行う。
前記S201の処理において、否定判定の場合には(S201:no)、S203の処理において、下ボタン63がオンであるか否かを判定する。下ボタン63がオンで肯定判定の場合には(S203:yes)、S204の処理において、現状の設定値から1段階下降させた設定値に仮設定する制御を行うと共に、第1特図表示装置28Aに変更した設定値を表示する処理を行う。
前記S202の処理の終了後、前記204の処理の終了後、又は前記S203の処理において否定判定であれば(S203:no)、S205の処理において、設定スイッチ61がオン操作されたか否かを判定する。否定判定であれば(S205:no)、S201の処理に移行する。これにより、設定スイッチ61がオンされるまで、設定値の上昇又は下降による仮設定を可能としている。 一方、肯定判定であれば(S205:yes)、S206の処理において、上昇又は下降されて仮設定された設定値を、本設定として設定完了する処理を実行する。次に、第1特図表示装置28Aに表示されている設定値の表示を消去する処理を実行する(S207)。その後、本処理を終了し、「電源投入処理」のS108の処理へ移行する。
前記S207の処理において、第1特図表示装置28Aに表示されている設定値の表示を消去することにより、現状の設定値を容易に確認することができないようにしている。これにより、遊技者に設定値を判別させる楽しみを提供可能としている。また、設定値を不明な状態とすることで、設定値の低いパチンコ機の稼働率が低下してしまうのを防止可能となっている。
「電源投入処理」(図12)に戻って、S108の処理において、RAMの初期化処理を実行する。この処理では、少なくとも、何らかの変動パターンテーブルが設定されていても、これも含めてクリアして初期設定する。処理である。 前記S106、前記S108、又は前記S111の実行後、S112の処理において、割り込み設定を行なって、本処理を終了して、主制御装置40で実行される「メインルーチン」に移行する。
以下、作動の詳細を主制御装置40で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。 図14は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示す。「メインルーチン」は本処理(S300〜S311,S315)と残余処理(S312)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判定する(S300)。この判定処理は、CPU401のメモリとしてのRAM404の所定領域の値が所定値であるか否かを判定することにより行われ、CPU401により実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判定するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるCPU401の暴走等が考えられるが、CPUの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、大抵が電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。 ここで正常割り込みでないとの否定判定(S300:no)なら、S315の処理において初期設定(例えば、前記所定領域への所定値の書き込み、普図及び特図を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)を実行する。前記正常割り込みか否かを判定するための数値は、この初期設定の一環としてRAM404に書き込まれる。
前記S300の処理において、正常割り込みとの肯定判定がなされると(S300:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S301)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に「1」を加算するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に「1」を加算するが、この処理を実行する前の乱数が「最大値」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「最大値」までの整数を繰り返し昇順に作成する。
続く大当り決定用乱数更新処理では(S302)、前記初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に「1」を加算するインクリメント処理であり、「最大値」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「最大値」までの整数を繰り返し昇順に作成する。尚、大当り決定用乱数の最初の値は、前記初期値乱数更新処理(S301)で設定(作成)された値となる。この値が「150」であったとすると、大当り決定用乱数は「150」「151」「152」・・・「最大値」「0」「1」・・・と更新されていく。
尚、大当り決定用乱数の更新が一巡すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする。大当り決定用乱数は、その初期値から「1」を加算していく。そして、再び大当り決定用乱数の更新が一巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前記の例では大当り決定用乱数が「149」になると一巡であるから、「149」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「149」「87」「88」・・・「最大値」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
続く大当り図柄決定用乱数更新処理は(S303)、例えば、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。 続く小当り図柄決定用乱数更新処理は(S304)、例えば、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。 続く普図当り決定用乱数更新処理は(S305)、例えば、「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
リーチ判定用乱数更新処理は(S306)、例えば、「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。 変動パターン決定用乱数更新処理は(S307)、例えば、「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。 大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は、特図の当否判定に使用される。
続く入球確認処理では(S308)、第1特図始動口23、第2特図始動口24の入球(入賞)確認、第1普図作動ゲート22A、第2普図作動ゲート22Bの遊技球の通過の確認、一般入賞口27の入球(入賞)確認、及び主制御装置40に接続された各スイッチ類の入力処理等が実行される。
次の当否判定処理では(S309)、普図及び特図のそれぞれに対応した当否判定や、当否判定に付随する図柄変動や特別遊技処理などの処理を行なう。 続く各出力処理では(S310)、遊技の進行に応じて主制御装置40は、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、第1大入賞口SOL512、第2大入賞口SOL513、第1振分装置SOL514、貯留装置SOL515、スパイラルタワー駆動部516、シャッタSOL517、及び第2振分装置モータ518等に対して各々出力処理を実行する。例えば、前記入球確認処理(S308)により遊技盤上の各入賞口に遊技球の入球があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置41に賞球信号を送信する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置42に出力する処理を、パチンコ機に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置43にエラー信号を出力する処理を、各々実行する。
続く不正監視処理は(S311)、一般入賞口27に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判定して、多かった場合には不正と判定され、その旨を報知する処理である。
本処理に続く前記残余処理は、S312の初期値乱数更新処理で構成されるが、前記S301と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前記S300〜S311までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特図の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。前記普図当り決定用乱数更新処理(S305)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
次に、入球確認処理(S308)、当否判定処理(S309)及び各出力処理(S310)の一部のサブルーチンについて説明する。 図15に示す「始動入球確認処理」は、第1特図始動口23、第2特図始動口24へ遊技球が入球したときに抽出される種々の乱数を、保留記憶として主制御装置40に記憶する。そして第1特図始動口23、第2特図始動口24への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。
本「始動入球確認処理」は、先ず、第1特図始動口SW503により第1特図始動口23への入球を検知したか否かを確認する(S400)。入球が無ければ(S400:no)、S405の処理へ移行する。第1特図始動口23への入球が有れば(S400:yes)、S401の処理において、主制御装置40に格納されている第1特図の保留記憶の数が満杯か否かを確認する。満杯であれば(S401:yes)、S405の処理へ移行する。 保留記憶が満杯でなければ(S401:no)、S402の処理において、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出された各種の乱数を第1特図の保留記憶として記憶し、保留記憶数を示す保留記憶カウンタに1を加算する。 続いて特図の先読み判定処理を実行する(S403)。本処理において新たに記憶された第1特図の保留記憶において大当り決定用乱数の数値が、後述する当否判定の前に、特定値(大当りとなる値など)か否かを判定する。 次に加算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に送信する(S404)。
次に、S405の処理において、第2特図始動口SW504により第2特図始動口24への入球を検知したか否かを確認する。入球が無ければ(S405:no)、本処理を終了して、主制御装置40のメインルーチンへリターンする。入球が有れば(S405:yes)、S406
の処理において、主制御装置40に格納されている第2特図の保留記憶の数が満杯か否かを確認する。満杯であれば(S406:yes)、リターンする。 保留記憶が満杯でなければ(S406:no)、S407の処理において、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出された各種の乱数を第2特図の保留記憶として記憶し、保留記憶数を示す保留記憶カウンタに1を加算する。 次に加算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に送信する(S408)。その後、リターンする。
図16乃至図20を用いて、主制御装置40で実行される「特図当否判定処理」を説明する。「特図当否判定処理」において第1特図及び第2特図の当否判定が実行される。尚、以降の説明において、第1特図又は第2特図を区別する必要がある場合を除き、両者を同等と見做して単に「特図」という。 図16に示すように、「特図当否判定処理」は、先ず、第1大入賞口25の第1特電役物及び第2大入賞口26の第2特電役物が未作動であるか否かを判定する(S500)。第1特電役物又は第2特電役物が作動中(S500:no)であれば、本「特図当否判定処理」を終了して後述の「特別遊技処理」(図21参照)へ移行する。 第1特電役物及び第2特電役物が未作動であれば(S500:yes)、S501の処理において、特図の変動が停止中であるか否かを判定する。変動停止中であれば(S501:yes)、S502の処理において、特図の確定図柄が未表示であるか否かを判定する。
前記S502の処理で確定図柄が未表示中であれば(S502:yes)、S503の処理において、第2特図の保留記憶があるか否かを判定する。保留記憶があれば(S503:yes)、S504の処理において、保留記憶のシフト処理を行う。該シフト処理により第2特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶の乱数が当否判定の対象となる。 一方、第2特図の保留記憶がなければ(S503:no)、S505の処理において、第1特図の保留記憶があるか否かを判定する。保留記憶があれば(S505:yes)、S506の処理において、保留記憶のシフト処理を行う。該シフト処理により第1特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶の乱数が当否判定の対象となる。 このように、第1特図よりも第2特図を優先的に当否判定する。 第2特図及び第1特図の保留記憶が何れもなければ(S505:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
前記S504の処理又は前記S506の処理に続いて、図17に示すように、当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる乱数の大当り決定用乱数とを対比して当否判定を行う(S510)。S510の処理は特許請求に記載の「当否判定手段」に相当する。続いて、当否判定が大当り(図柄当り)であるか否かの判定を行う(S511)。大当り(図柄当り)であれば(S511:yes)、S512の処理において、前記当否判定の対象となる乱数の大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定する。次に、前記当否判定の対象となる乱数の変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(開放延長遊技、通常遊技)によって大当りの変動パターン(変動時間)を決定する(S513)。
続いて、大当り内容設定処理において、前記大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り遊技(特別遊技)の内容(第1大入賞口25の開放パターン、オープニング演出時間、エンディング演出時間等)及び大当り遊技終了後の遊技状態の設定等を行なう(S514)。 次に、変動開始コマンド送信処理を行う(S515)。この処理では、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bにおいて第1特図又は第2特図を変動表示させる。更に、前記当否判定結果を示すデータ(大当り、小当り、ハズレの種類、リーチの有り無し、変動時間など)を含んだ特図変動開始コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に出力する処理を行う。これによりサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21において、第1特図又は第2特図に対応する擬似演出図柄の変動を開始する。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
前記S511の処理で大当りでなければ(S511:no)、図18に示すように、前記大当り決定用乱数の値が前記当否判定用テーブルの小当りの当り値と一致していたか否かを判定する(S520)。小当りであれば(S520:yes)、S521の処理において、小当り図柄決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定する。この場合、第1特図の当否判定に起因する小当りであれば、「小当り図柄A」又は「小当り図柄B」のいずれかに決定される。一方、第2特図の当否判定に起因する小当りであれば、「小当り図柄C」又は「小当り図柄D」のいずれかに決定される。
続く、変動パターン決定処理では、前記変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態に応じて小当り用の変動パターンを決定する(S522)。 続く、小当り開放パターン決定処理では、前記S521の処理で決定された小当り図柄に応じて第2大入賞口26の開放パターンを決定する(S523)。この場合、第1特図の当否判定に起因する小当りであれば、「小当り図柄A」又は「小当り図柄B」のいずれかに応じて「第1開放パターン」に決定される。一方、第2特図の当否判定に起因する小当りであれば、「小当り図柄C」又は「小当り図柄D」のいずれかに応じて「第2開放パターン」に決定される。
次に、小当り内容設定処理において、前記小当り図柄決定用乱数の値に基づいて小当り遊技の内容(例えば、オープニング演出時間、エンディング演出時間等)の設定を行なう(S524)。その後、開放延長フラグが「1」であるか否かを判定し、これにより開放延長遊技状態であるか否かを判定する(S525)。開放延長フラグが「1」で、開放延長遊技状態あれば(S525:yes)、S526の処理において、開放延長遊技状態の継続を制限するための開放延長カウンタを減算する。その後、前記S515の処理へ移行する。
前記S511及び前記S520の処理で大当りでも小当りでもなければ(S511、S520:no)、当否判定はハズレとなる。この場合、S527の処理において、ハズレ図柄を決定する。その後、ハズレの変動パターンを決定する(S528)。その後、前記S525の処理へ移行する。
前記図16のS501の処理で特図の変動が停止中でなければ(S501:no)、図19に示すように、特図の変動時間が経過したか否かを判定する(S530)。変動時間が経過していなければ(S530:no)、「特別遊技処理」へ移行する。 一方、変動時間が経過したことを判定すると(S530:yes)、S531の処理において、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に図柄停止コマンドを送信する。 続くS532の処理において、図柄が大当り図柄であることが判定できれば(S532:yes)、S533の処理において、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bに第1特図又は第2特図の大当り図柄を確定表示させる処理を行う。これに伴い、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21において、第1特図又は第2特図の大当り図柄に対応する擬似演出図柄を確定表示させる。
続いて条件装置の作動を開始させ(S534)、役物連続作動装置の作動を開始させる(S535)。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は第1特電役物を連続して作動させる装置である。 その後、開放延長フラグが「1」(開放延長フラグが「1」であれば開放延長遊技状態である)であるか否かを判定する(S536)。肯定判定であれば(S536:yes)、S537の処理において、開放延長フラグを「0」にリセットする。そして大当りフラグに「1」をセットする(S538)。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
前記S532の処理において図柄が大当り図柄でなければ(S532:no)、S540の処理において、開放延長フラグが「1」であるか否かを判定する。肯定判定であれば(S540:yes)、S541の処理において、前記開放延長カウンタが「0」であるか否かを判定する。開放延長カウンタが「0」であれば(S541:yes)、S542の処理において、前記開放延長フラグを「0」にリセットする。
前記S540又は前記S541の処理が否定判定の場合(S540、S541:no)又は前記S542の処理の後、状態指定コマンド送信処理にて開放延長フラグ等に基づく状態指定コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する(S543)。
次に、図柄が小当り図柄であるか否かを判定する(S544)。小当り図柄であれば(S544:yes)、S545の処理において、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bに小当り図柄を確定表示させる処理を行う(S545)。これに伴い、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21において、第1特図又は第2特図の小当り図柄に対応する擬似演出図柄を確定表示する。 そして小当りフラグに「1」をセットする(S546)。その後、「特別遊技処理」へ移行する。 尚、本「特図当否判定処理」では、小当り状態になっても、開放延長遊技状態の上限回数に達していなければ遊技状態は開放延長遊技状態のまま継続される構成である。
前記S544の処理で小当り図柄でなければ(S544:no)、ハズレ図柄であるので、S547の処理において、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bにおいてハズレ図柄を確定表示させる処理を行う。これに伴い、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21において、第1特図のハズレ図柄に対応する擬似演出図柄を確定表示する。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
前記図16のS502の処理で確定図柄表示中のときは(S502:no)、図20に示すように、確定図柄の表示時間が経過したか否かを判定する(S550)。肯定判定であれば(S550:yes)、S551の確定図柄表示終了処理において、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bにおける第1特図又は第2特図の確定図柄表示を終了する。更に、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ確定図柄表示の終了に関するコマンドを送信し、その後、「特別遊技処理」へ移行する。 前記コマンドによりサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置21において、第1特図又は第2特図に対応する擬似演出図柄の確定表示を終了する。
次に図21乃至図26に基づいて、主制御装置40で処理され、大当り遊技及び小当り遊技を実施する「特別遊技処理」を説明する。図21に示すように、「特別遊技処理」は先ず、前記大当りフラグが「0」であるか否かを判定する(S600)。大当りフラグが「0」であれば(S600:yes)、大当りでないので、S601の処理において、前記小当りフラグが「0」であるか否かを判定する。小当りフラグが「0」であれば(S601:yes)、大当りでも小当りでもないので、本「特別遊技処理」を終了して「メインルーチン」へリターンする。
前記S601の処理で小当りフラグが「0」でなければ(S601:no)、S602の処理において、小当り開始演出中であるか否かを判定する(S602)。小当り演出中であれば(S602:yes)、S603の処理において、小当り開始演出終了時間であるか否かを判定する。終了時間であれば(S603:yes)、S604の第2大入賞口開放処理において、第2特電役物を作動させると共に第2大入賞口26を前記S523(図18)で設定された開放パターンで開放せしめる。尚、本S604の処理は特許請求の範囲の記
載の「小当り遊技実行手段」に相当する。続いて第2大入賞口26の第1特定領域268及び第2特定領域265への入球の検知を有効とする(S605)。尚、第2特電役物を作動させるタイミングは、前記S604の処理に限るものではない。例えば、前記S546(図19)の処理で小当りフラグに「1」をセットしたタイミングで、第2特電役物を作動させるようにしてもよい。この場合、小当り開始演出中は既に第2特電役物は作動していることとなる。
前記S602の処理において小当り開始演出中でなければ(S602:no)、S606の処理において、第2大入賞口26が開放中であるか否かを判定する。第2大入賞口26が開放中でなければ(S606:no)、第1特定領域268及び第2特定領域265が有効であるか否かを判定する(S607)。第1特定領域268及び第2特定領域265が有効でなければ(S607:no)、小当り終了演出中であるか否かを判定する(S608)。小当り終了演出中であれば(S608:yes)、S609の処理において、小当り終了演出終了時間であるか否かを判定する。演出終了時間であれば(S609:yes)、S610の処理において、前記小当りフラグを「0」にリセットして小当り遊技を終了する。その後、リターンする。
前記S608の処理において小当り終了演出中でなければ(S608:no)、S611の処理において、小当り開始演出処理を行ない、これにより小当り開始コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。
前記S606の処理において第2大入賞口26が開放中であれば(S606:yes)、図22に示すように、第2大入賞口26への入球数が規定数である10個に達したか否かを判定する(S620)。肯定判定であれば(S620:yes)、S622の処理において、第2大入賞口26を閉鎖する(S622)。 一方、規定数に達していなければ(S620:no)、S621の処理において、第2大入賞口26の開放時間が終了したか否かを判定する。肯定判定であれば(S621:yes)、前記S622の処理において、第2大入賞口26を閉鎖する。
前記S621の処理において第2大入賞口26の開放時間が終了していない(S621:no)、又は前記S607(図21)の処理において第1特定領域268及び第2特定領域265が有効(S607:yes)であれば、図23に示すように、第1特定領域268又は第2特定領域265への入球(入賞)があるか否かを判定する(S630)。
前記第1特定領域268又は第2特定領域265への入球があれば(S630:yes)、S631の処理において、前記条件装置の作動を開始させる。続いて、前記役物連続作動装置の作動を開始させる(S632)。 次に、第2大入賞口26が開放中であるか否かを判定する(S633)肯定判定であれば(S633:yes)、S634の処理において、第2大入賞口26を閉鎖する。続いて、第1特定領域268及び第2特定領域265を無効化する(S635)。
その後、S636の役物当り設定処理において以下の処理を行う。先ず、第1大入賞口25の開放パターン、役物当り開始演出時間、役物当り終了演出時間等の設定を行う。そして、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ役物当り開始コマンドを送信する。次に、開放延長フラグが「1」であるか否かを判定し、「1」であれば、開放延長フラグを「0」にリセットする。 更に本処理では、役物当りによる大当り遊技終了後に開放延長遊技状態に移行するか否か又はその上限回数を設定する。
続いて、小当りフラグを「0」にリセットする(S637)と共に、大当りフラグに「1」をセットする(S638)。これにより小当りから役物当りへ移行する。その後、リターンする。 尚、本「特別遊技処理」では、小当り遊技の第2大入賞口26の開放中に(S621:no)、第1特定領域268又は第2特定領域265への入球があると(S630:yes)、直ちに条件装置、役物連続作動装置を作動させ、第2大入賞口26を閉鎖し、役物当りへ移行する構成としたが、これに限るものではない。例えば、第2大入賞口26への入球が規定数に達したり(S620:yes)、第2大入賞口26の開放時間が終了したり(S621:yes)することで、第2大入賞口26が閉鎖された後に、第1特定領域268又は第2特定領域265への入球があるか否かを判定して、入球があれば、条件装置、役物連続作動装置を作動させて役物当りへ移行する構成としてもよい。
前記S630の処理において第1特定領域268又は第2特定領域265への入球がなければ(S630:no)、S639の処理において、第1特定領域268及び第2特定領域265の有効期間が終了したか否かを判定する。有効期間が終了であれば(S639:yes)、小当り終了演出の設定を行ない、これによりサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ小当り終了コマンドを送信する(S640)。その後、リターンする。
前記図21のS600の処理において大当りフラグが「0」でなければ(S600:no)、図24に示すように、第1大入賞口25が開放中であるか否かを判定する(S650)。開放中でなければ(S650:no)、大当りのインターバル中であるか否かを判定する(S651)。 大当りのインターバル中であれば(S651:yes)、S652の処理において、インターバル終了時間であるか否かを判定する。インターバル終了時間であれば(S652:yes)、第1特電役物を作動させて大当り遊技の次のラウンドにおける第1大入賞口25の開放を行う(S653)。その後、リターンする。
前記S651の処理においてインターバル中でなければ(S651:no)、S654の処理において、大当り終了演出中であるか否かを判定する。終了演出中でなければ(S654:no)、大当り開始演出中であるか否かを判定する(S655)。 大当り開始演出中であれば(S655:yes)、S656の処理において、大当り開始演出時間が経過したか否かを判定する。演出時間の経過であれば(S656:yes)、第1特電役物を作動させて大当り遊技の最初のラウンド遊技における第1大入賞口25を開放する(S657)。尚、本S657及び前記S653の処理は特許請求の範囲の記載の「大当り遊技実行手段」に相当する。その後、リターンする。
前記S655の処理において大当り開始演出中でなければ(S655:no)、S658の処理において、大当り開始演出処理を行ない、これにより大当り開始コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。
前記S650の処理において第1大入賞口25が開放中であれば(S650:yes)、図25に示すように、第1大入賞口25への入球数が規定数である10個に達したか否かを判定する(S660)。規定数であれば(S660:yes)、S662の処理において、第1大入賞口25を閉鎖する。 一方、規定数に達していなければ(S660:no)、S661の処理において、第1大入賞口25の開放時間が終了したか否かを判定する。開放時間が終了していなければ(S661:no)、リターンする。開放時間の終了であれば(S661:yes)、S662の処理において、第1大入賞口25を閉鎖する。
続いて大当りの最終ラウンドが終了したか否かを判定する(S663)。最終ラウンドの終了であれば(S663:yes)、S664の大当り終了演出処理を行ない、これにより大当り終了コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。 一方、最終ラウンドの終了でなければ(S663:no)、S665の開放間インターバル(大当りインターバル)処理を行ない、これにより大当りインターバルコマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。
前記S654の処理(図24)において大当り終了演出中であれば(S654:yes)、図26に示すように、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(S670)。大当り終了演出時間が経過していなければ(S670:no)、リターンする。演出時間の経過であれば(S670:yes)、前記条件装置を停止し(S671)、続いて前記役物連続作動装置を停止する(S672)。
続いて、大当りや小当りとなった状況に応じて、大当り遊技終了後に開放延長遊技状態に移行するか否かを判定する(S673)。開放延長遊技状態に移行する場合には(S673:yes)、前記大当り内容設定処理(図19のS511又は図25のS636)で選択された開放延長遊技の上限回数を前記開放延長カウンタに設定する(S674)。続いて前記開放延長フラグに「1」をセットする(S675)。次に大当り遊技終了後の遊技状態を設定するようになし、これにより大当り遊技終了後に開放延長遊技に移行する場合には開放延長遊技状態とされる(S676)。そして大当りフラグを「0」にリセットして大当り遊技を終了する(S677)。
次に、図27に示すタイミングチャートに基づいて、通常遊技状態における第1特図の当否判定に起因する小当り遊技の遊技内容(「第1開放パターン」)を説明する。 先ず、第1特図始動口23へ遊技球が入球し、第1特図始動口SW503が入球を検知すると(10)、第1特図の図柄変動が開始される(11)。例えば、通常遊技状態の第1特図の変動時間は約8秒に設定されている。第1特図の当否判定の結果が小当りとなり、第1特図表示装置28Aにおいて第1特図が小当り図柄で確定表示されると(11−1)と、第2特電役物が作動を開始し(12)、小当り遊技が開始される。例えば、小当り遊技の期間は約20秒間に設定される。ここでいう小当り遊技の期間とは、第2大入賞口26が開放されている期間ではなく、第2特電役物が作動している時間である。尚、小当り図柄の確定表示後に小当り遊技開始演出等が実行され、実質、小当り遊技は、小当り図柄の確定表示後の約1秒後に開始される。
小当り遊技の開始(第2特電役物の作動開始(12))に応じて、第2大入賞口26は、遊技球が第2遊技球通路262よりも第1遊技球通路261に振り分けられる確率が高くなるように設定された「第1開放パターン」に従って開放する。「第1開放パターン」による第2大入賞口26の開放態様は、小当り遊技の開始(12)と同時に、約0.2秒間の開放(13)を行った後、約8.8秒間の閉鎖(13−1)を行う。その後、約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に約5回繰り返し行う(13−2)。尚、通常遊技状態では左打ちが行われており、小当り遊技開始時の最初の開放(13)により、右打ちに切り替える目安となる。また、「第1開放パターン」では、実質的に、遊技球が第2大入賞口26へ入球するのは、小当り遊技の開始から約9秒後の約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に繰り返す期間(13−2)である。
第1振分装置263は、小当り遊技の開始(12)に起因して、作動を開始する。第1振分装置263は、小当り遊技の開始(12)から約0.2秒間の第2遊技球通路262への振り分け作動(前記作動位置への変位)を行った(14)後、約1.2秒間の第1遊技球通路261への振り分け作動(前記待機位置への戻り)を経て(14−1)、再び約5秒間の第2遊技球通路262への振り分け作動(前記作動位置への変位)を行う(14−2)。
このように、第1振分装置263が予め定められた一つの動作パターンに従って振り分け作動することにより、小当り遊技の開始(12)から所定時間T(例えば約7秒)が経過するまでの第1期間P1では、小当り遊技によって開放された第2大入賞口26に入球した遊技球が第1遊技球通路261よりも第2遊技球通路262に振
り分けられる確率が高くなり、所定時間Tが経過した後の第2期間P2では、第2遊技球通路262よりも第1遊技球通路261に遊技球が振り分けられる確率が高くなる。 尚、所定時間T、所定時間Tが経過するまでの第1期間P1、所定時間Tが経過した第2期間P2は、明確に遊技者からの見て異なる期間、明確に制御として区別される期間というわけではなく、単に時間経過のみで規定した決め事とする。
貯留装置264は、小当り遊技の開始(12)に起因して、作動を開始する。貯留装置264は、小当り遊技の開始(12)から約9秒後に遊技球を貯留可能な貯留姿勢に作動する(15)。貯留姿勢を約5秒間続けた後に、貯留した遊技球を第2大入賞口26の第2エリア26bへ移動させるよう非貯留姿勢に戻る(15−1)。尚、貯留装置264は、遊技球を貯留可能な貯留姿勢に作動する時期が、実質的に、遊技球が第2大入賞口26へ入球する前記期間(13−2)と一致するように構成されている。 このように、貯留装置264は、小当り遊技の開始(12)から所定時間Tが経過するまでの第1期間P1又は所定時間Tが経過した後の第2期間P2のうち、第2大入賞口26に入球した遊技球が第1遊技球通路261よりも第2遊技球通路262に振り分けられる確率が高い第1期間P1では遊技球を貯留しない。
シャッタ267は、小当り遊技の開始(12)に起因して、作動を開始する。シャッタ267は、小当り遊技の開始(12)から約9秒後に、約0.2秒の遮断状態と、約1秒の非遮断状態とを交互に複数回にわたり繰り返す(16)。尚、シャッタ267は、遮断状態と非遮断状態とを交互に繰り返す作動開始が、実質的に、貯留装置264の貯留姿勢への作動(15)と一致するように構成されている。またシャッタ267は、第2特電役物の作動終了(小当り遊技の終了)により作動を終了する。 第1特図の当否判定に起因する小当り遊技では、第1大入賞口25は作動しない。
第1特図の小当り遊技における第2大入賞口26の「第1開放パターン」では、実質的に、遊技球が第2大入賞口26へ入球するのは、小当り遊技の開始(12)から約9秒経過した小当り遊技後半における約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に繰り返す期間(13−2)である。 これに対して、第1振分装置263は、小当り遊技の前半時期の小当り遊技の開始(12)から約7秒間に遊技球を第2遊技球通路262へ振り分けるように作動する。 従って、これらの関係から、第1特図の小当り遊技では、実質的に、第2大入賞口26へ入球した遊技球は、第2遊技球通路262へ振り分けられることなく、第1遊技球通路261へ振り分けられる。
また、第2大入賞口26への入球可能な前記期間(13−2)と、貯留装置264の貯留姿勢への作動(15)とが一致しているので、第2大入賞口26へ入球し、第1遊技球通路261へ振り分けられた遊技球は、それらの一つが貯留装置264に貯留され、且つ第2大入賞口26の第2エリア26bへ移動可能とされる。この場合、貯留装置264は、貯留可能な遊技球が一球のみであり、貯留装置264の前記貯留姿勢への作動及び前記非貯留姿勢へ戻る動作が一度のみであるので、第2エリア26bへは一球のみが移動可能である。従って、第1遊技球通路261を流下した遊技球のほとんどが取込口205aにより遊技盤2内へ取り込まれ、第2エリア26bに移行できない。即ち、第1遊技球通路261を通過したが貯留装置264に貯留されなかった遊技球は、第1特定領域268に入球させないように構成されている。
このように、第1特図の当否判定に起因する小当り遊技では、第2大入賞口26へ入球した遊技球は、第1遊技球通路261、貯留装置264を経て、第2エリア26bへ移動し、更に、スパイラルタワー266、ガイドレール2665、遊技球落下部2666を経て第2振分装置269へ向かって移動可能となる。従って、遊技者は、スパイラルタワー266に沿って上昇する遊技球、ガイドレール2665から遊技球落下部2666へ移動する遊技球、遊技球落下部2666から第2振分装置269へ落下する遊技球、第2振分装置269により振り分けられる遊技球の挙動を楽しむことができる。また、スパイラルタワー266に沿って上昇する遊技球がシャッタ267により第2振分装置269への移動が阻止されないかといったドキドキ感や、第2振分装置269により第1特定領域268へ振り分けられて役物当りを獲得することに関する期待感を高めることとなる。しかしながら、シャッタ267の作動や第2振分装置269の作動により、遊技球の第1特定領域268への入球は容易であるとはいえない。 以上のように、第2エリア26bに配置された第1特定領域268へは、仮に第2大入賞口26に多くの遊技球が入球しても、第1特定領域268に入球する確率は低い。 勿論、取込口205a,205b,205c,205dにより遊技盤2内へ取り込まれた遊技球は、第1特定領域268又は第2特定領域265へ入球することはない。
次に、図28に示すタイミングチャートに基づいて、第2特図の当否判定に起因する小当り遊技の遊技内容(「第2開放パターン」)を説明する。 先ず、第1普図作動ゲート22A又は第2普図作動ゲート22Bへ遊技球が入球し、普図作動SW505が入球を検知すると(20)、普図の図柄変動が開始される(21)。例えば、開放延長遊技状態の普図の変動時間は約1秒に設定されている。普図の当否判定の結果が当りとなり、普通図柄表示装置29において普図が当り図柄で確定表示されると(21−1)と、開閉部材241が作動して第2特図始動口24が開放する(22)。例えば、第2特図始動口24の開放期間は約3秒に設定されている。
第2特図始動口24に遊技球が入球し、第2特図始動口SW504が入球を検知すると(23)、第2特図の図柄変動が開始される(24)。例えば、開放延長遊技状態の第2特図の変動時間は約3秒に設定されている。第2特図の当否判定の結果が小当りとなり、第2特図表示装置28Bにおいて第2特図が小当り図柄で確定表示されると(24−1)と、第2特電役物が作動を開始し(25)、小当り遊技が開始される。例えば、小当り遊技の期間は約20秒に設定されている。ここでいう小当り遊技の期間とは、第2大入賞口26が開放されている期間ではなく、第2特電役物が作動している時間である。尚、小当り図柄の確定表示後に小当り遊技開始演出等が行われ、実質、小当り遊技は、小当り図柄の確定表示後の約1秒後に開始される。
小当り遊技の開始(第2特電役物の作動開始)(25)に応じて、第2大入賞口26は、遊技球が第1遊技球通路261よりも前記第2遊技球通路262に振り分けられる確率が高くなるように設定された「第2開放パターン」に従って開放する。「第2開放パターン」による第2大入賞口26の開放態様は、小当り遊技の開始(25)と同時に、約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に約5回繰り返し行う(26)。尚、「第2開放パターン」では、実質的に、遊技球が第2大入賞口26へ入球するのは、小当り遊技の前半時期の小当り遊技の開始(25)から約5秒間の開放と閉鎖とを交互に繰り返す期間(26)である。
第1振分装置263は、小当り遊技の開始(25)に起因して、作動を開始する。第1振分装置263は、小当り遊技の開始から約0.2秒間の第2遊技球通路262への振り分け作動(前記作動位置への変位)を行った(27)後、約1.2秒間の第1遊技球通路261への振り分け作動(前記待機位置への戻り)を経て(27−1)、再び約5秒間の第2遊技球通路262への振り分け作動(前記作動位置への変位)を行う(27−2)。 通常遊技状態における第1特図の当否判定に起因する小当り遊技の「第1開放パターン」と同様に、第1振分装置263が予め定められた一つの動作パターンに従って振り分け作動することにより、小当り遊技の開始(25)から所定時間T(例えば約7秒)が経過するまでの第1期間P1では、小当り遊技によって開放された第2大入賞口26に入球した遊技球が第1遊技球通路261よりも第2遊技球通路262に振り分けられる確率が高くなり、所定時間Tが経過した後の第2期間P2では、第2遊技球通路262よりも第1遊技球通路261に遊技球が振り分けられる確率が高くなる。
貯留装置264は、小当り遊技の開始(25)に起因して、作動を開始する。貯留装置264は、小当り遊技の開始(25)から約9秒後に遊技球を貯留可能な貯留姿勢に作動する(28)。貯留姿勢を約5秒間続けた後に、貯留した遊技球を第2大入賞口26の第2エリア26bへ移動させるよう非貯留姿勢に戻る(28−1)。 通常遊技状態における第1特図の当否判定に起因する小当り遊技時の「第1開放パターン」と同様に、貯留装置264は、小当り遊技の開始(25)から所定時間Tが経過するまでの第1期間P1又は所定時間Tが経過した後の第2期間P2のうち、第2大入賞口26に入球した遊技球が第1遊技球通路261よりも第2遊技球通路262に振り分けられる確率が高い第1期間P1では遊技球を貯留しない。
シャッタ267は、小当り遊技の開始(25)に起因して、作動を開始する。シャッタ267は、小当り遊技の開始(25)から約9秒後に、約0.2秒間の遮断状態と、約1秒間の非遮断状態とを交互に複数回にわたり繰り返す(29)。尚、シャッタ267は、第2特電役物の作動終了(小当り遊技の終了)により作動を終了する。
尚、第1振分装置263、貯留装置264、シャッタ267の動作は、第1特図の当否判定に起因する小当り遊技の「第1開放パターン」でも、第2特図の当否判定に起因する小当り遊技の「第2開放パターン」でも同じ動作である。また、第2振分装置269、スパイラルタワー266も電源投入時から動作が一定であるので、「第1開放パターン」でも「第2開放パターン」でも同じ動作である。 第2特図の当否判定に起因する小当り遊技では、第1大入賞口25は作動しない。
第2特図の小当り遊技における第2大入賞口26の「第2開放パターン」では、実質的に、遊技球が第2大入賞口26へ入球するのは、小当り遊技の開始(25)から約5秒間の約0.2秒間の開放と約1秒間の閉鎖とを交互に繰り返す期間(26)である。 これに対して、第1振分装置263は、小当り遊技の開始から約7秒間に遊技球を第2遊技球通路262へ振り分けるように作動する。 従って、これらの関係から、第2特図の小当り遊技では、実質的に、第2大入賞口26へ入球した遊技球は、第1遊技球通路261へ振り分けられることなく、第2遊技球通路262へ振り分けられる。
このように、第2特図の当否判定に起因する小当り遊技では、第2大入賞口26へ入球した遊技球は、第2遊技球通路262を経て、勿論、貯留装置264に貯留されることなく、第2特定領域265を通過可能となる。従って、小当り遊技の開始から短時間で遊技球が第2特定領域265へ入球することとなり、素早く役物当りへ移行させることができる。 尚、パチンコ機1は、「小当り図柄C」では、「第1開放パターン」が行われるようにする。そして、第2特図の抽選において、通常遊技状態時に小当りと判定されると、必ず小当り図柄Cが選択され、開放延長状態時に小当りと判定されると、必ず「小当り図柄D(第2開放パターン)」が選択される構成にしてもよい。このような構成によると、通常遊技状態時の小当りでは、第1特定領域に入球させるか否かの遊技にすることができる。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技球が始動口〔図2:23、24〕に入球したことに起因して抽出した数値データに基づいて当否判定を行う当否判定手段〔図17:S510〕と、当否判定にて小当りと判定されたことを条件に小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段〔図21:S604〕と、当否判定にて大当りと判定されたこと、又は、小当り遊技中に特定領域
〔図2:265、268〕に遊技球が入球したことを条件に大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段〔図24:S653、S657〕と、当否判定の当選確率の設定変更に用いられ、外部からの操作に応じて、複数種類の当選確率に割り当てられた複数種類の設定値から何れかの設定値を選択可能な設定値選択手段〔図12:S107〕を備えている。そして、設定値選択手段は、設定値毎に当否判定にて小当りと判定される確率を異なる設定に変更する一方、何れの設定値が選択されても当否判定にて大当りと判定される確率を設定変更しない構成である。
更に、パチンコ機1は、当否判定手段では、遊技球が第1始動口〔図2:23〕に入球したことに起因して抽出した第1数値データに基づいて当否判定を行う一方、遊技球が第2始動口〔図2:24〕に入球したことに起因して抽出した第2数値データに基づいて当否判定を行う。そして、設定値選択手段は、設定値毎に、第1数値データに基づく当否判定で小当りと判定される確率を異なる設定に変更する一方、何れの設定値が選択されても、第2数値データに基づく当否判定で小当りと判定される確率、第1数値データに基づく当否判定で大当りと判定される確率、及び第2数値データに基づく当否判定で大当りと判定される確率を変更しない構成である。
本実施形態のパチンコ機1は、設定スイッチ61、上ボタン62、下ボタン63の操作(外部の操作)に応じて、第1特図の小当りと判定される確率を異なる設定に変更する。一方、第2特図の小当りと判定される確率、第1特図の図柄当りで大当りと判定される確率及び第2特図の図柄当りで大当りと判定される確率に関しては設定変更しない。このような今までにない新たな設定機能により、遊技店の営業利益の調整を好適に行うことができ、更に、利益調整を遊技店の経営戦略の一環として積極的に活用することが可能となる。 即ち、通常遊技状態において遊技者が狙う第1特図始動口23への入球に起因する第1特図の小当りの当選確率を遊技店にて設定変更することにより、第1特図の小当り遊技の発生、及び小当り遊技から発展する役物当りの大当り遊技の発生を調整することができる。もって、小当り遊技及び大当り遊技の賞球数を調整することができ、営業利益を好適に調整できる。そして、遊技店の営業日ごとに小当りの当選確率を設定できるので、遊技店の経営戦略の一環として積極的に活用できる。 また、第1特図、第2特図の何れも図柄当りで大当りと判定される確率を設定変更しないので、第1特図の乱数値又は第2特図の乱数値の偏りにより、遊技店の想定よりも多くの大当りが発生するといった事態が起こり難い。更に、抽出される数値データが偏って想定よりも小当りが多く発生しても、小当り遊技から必ずしも役物当りに発展するわけではないので、実際の賞球数と遊技店が想定する賞球数とが大きく乖離することを極力抑える効果を奏する。更に、パチンコ機1は、第2特図の小当りの当選確率が高確率あり、設定変更しないので、開放延長遊技状態において、役物当りを容易且つスピーディーに発生させるといった1種2種混合機の遊技性を損ねない。 尚、本実施形態のパチンコ機は、第2特図の小当りと判定される当選確率は、外部操作で設定変更しない構成であるが、これに限らず、第2特図の当選確率を設定変更するようにしてもよい。
第1実施形態のパチンコ機1は、大当り遊技で開放される第1大入賞口25と、小当り遊技で開放される第2大入賞口26との2種類の大入賞口を備えた構成であるが、これに限るものではない。例えば、大入賞口を、特定領域を備えた1種類の構成と成し、当該大入賞口を大当り遊技及び小当り遊技の何れの遊技においても開放させる構成でもよい。
第1実施形態のパチンコ機1は、第1特図始動口23と第2特図始動口24との2種類の始動口を備え、第1特図と第2特図との2種類の当否判定を行う構成であるが、これに限るものではない。例えば、1種類の始動口を備え、1種類の特図の当否判定を行う構成のパチンコ機において、外部の操作に応じて、特図の小当りと判定される確率を異なる設定に変更可能とする一方、特図の図柄当りで大当りと判定される確率に関しては設定変更しない構成でもよい。
第1実施形態のパチンコ機1は、外部の操作に応じて、第1特図、第2特図共に大当りの当選確率を設定変更しない構成であるが、外部の操作以外では大当りの当選確率が変更する構成でもよい。例えば、第1実施形態のパチンコ機1では備えていないが、外部の操作以外に、大当り遊技終了後に所定の遊技条件が成立することで大当りの当選確率を高確率に変更する確変機能を備えた構成としてもよい。
尚、第1実施形態のパチンコ機1は、小当りから大当りへの発展が不能な小当り(特定領域のない構成)を備え、当該小当りと判定される確率が設定によって変更される構成とした場合、遊技店の営業利益を好適に調整するといった効果を達成することは困難である。即ち、小当り遊技は、大入賞口が極めて短い時間のみ開放されるものであり、小当り遊技が発生しても、大入賞口に遊技球が入球できないことは頻繁に発生する。つまり、小当り遊技が発生しても、賞球が発生する確率が低く、賞球が発生しても賞球数が少ないので、設定による賞球の差があまり出ず、利益調整は困難である。対して、小当りから大当り発展可能な構成ならば、小当り遊技自体では、あまり意味を持たないが、大当りに発展すれば、大きく賞球数が変化することとなる。
〈第2実施形態〉 次に、本発明を適用した第2実施形態のパチンコ機について説明する。本実施形態のパチンコ機は、外部の操作に応じて、第1特図の小当りの当選確率及び第1特図の大当りの当選確率を設定変更することを可能とした構成である。更に、大当りの当選確率を現在の確率よりも高くなるように設定すると、小当りの当選確率が現在の確率よりも低く設定される。一方、大当りの当選確率を現在の確率よりも低くなるように設定すると、小当りの当選確率が現在の確率よりも高く設定され、小当りの当選確率と大当りの当選確率とが反比例するように設定変更する構成である。尚、第2特図の大当りの当選確率は変更を可能とするが、小当りの当選確率は変更させない構成である。
本実施形態のパチンコ機は、その基本構成が第1実施形態のパチンコ機1のそれとほぼ同一である。本実施形態のパチンコ機の説明にあたって、同一部材は同一符号を用いる。 本実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機1と同様に、電源投入時の「電源投入処理」及び「設定変更処理」(図12、図13参照)により、第1特図の小当りの当選確率及び第1特図の大当りの当選確率が設定変更される。第1実施形態のパチンコ機1と同様に、設定値を選択することで設定変更される構成である。
図29に示すように、パチンコ機は、設定値として、「設定値1」〜「設定値6」までの6種類が設けられ、設定スイッチ61、上ボタン62、および下ボタン63を操作することで、遊技店にて何れかの設定値を選択して変更可能となっている。 「設定値1」は、第1特図の当否判定における小当りの当選確率が「1/35」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/209」に設定される。また、第2特図の当否判定における小当りの当選確率が「198/199」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/209」に設定される構成である。 「設定値2」は、第1特図の当否判定における小当りの当選確率が「1/40」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/204」に設定される。また、第2特図の当否判定における小当りの当選確率が「198/199」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/204」に設定される構成である。 「設定値3」は、第1特図の当否判定における小当りの当選確率が「1/45」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される。また、第2特図の当否判定における小当りの当選確率が「198/199」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/199」に設定される構成である。 「設定値4」は、第1特図の当否判定における小当りの当選確率が「1/50」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/194」に設定される。また、第2特図の当否判定における小当りの当選確率が「198/199」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/194」に設定される構成である。 「設定値5」は、第1特図の当否判定における小当りの当選確率が「1/55」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/189」に設定される。また、第2特図の当否判定における小当りの当選確率が「198/199」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/189」に設定される構成である。 「設定値6」は、第1特図の当否判定における小当りの当選確率が「1/60」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/184」に設定される。また、第2特図の当否判定における小当りの当選確率が「198/199」に、大当り(図柄当り)の当選確率が「1/184」に設定される構成である。
このように、パチンコ機は、設定値ごとに、第1特図における小当りの当選確率及び第1特図の大当りの当選確率が相違する構成である。この場合、「設定値1」から「設定値6」の順序(所定の順序)に従って、大当りの当選確率を、漸次、高確率とする一方、小当りの当選確率を、漸次、低確率としている。即ち、大当りの当選確率を高くすると小当りの当選確率が低くなり、小当りの当選確率を高くすると大当りの当選確率が低くなるように、小当りの当選確率と大当りの当選確率とが反比例する構成である。尚、第2特図の小当りの当選確率は、何れの設定値においても同一の確率で、変わらない構成である。 そして、パチンコ機は、設定値の違いによって、小当りから発展した大当り(役物当り)、又は当否判定の大当り(図柄当り)の大当り遊技状態により獲得が期待できる遊技球数の多寡が発生するよう設定されている。
本実施形態のパチンコ機は、遊技球が始動口〔図2:23、24〕に入球したことに起因して抽出した数値データに基づいて当否判定を行う当否判定手段〔図17:S510〕と、当否判定にて小当りと判定されたことを条件に小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段〔図21:S604〕と、当否判定にて大当りと判定されたこと、又は、小当り遊技中に特定領域〔図2:265、268〕に遊技球が入球したことを条件に大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段〔図24:S653、S657〕と、当否判定の当選確率の設定変更に用いられ、外部からの操作に応じて、複数種類の当選確率に割り当てられた複数種類の設定値から何れかの設定値を選択可能な設定値選択手段〔図12:S107〕を備えている。そして、設定値選択手段は、設定値に応じて、当否判定で大当りと判定される確率を現在の確率よりも高くなるように設定すると、小当りと判定される確率が現在の確率よりも低く設定される一方、設定値に応じて、当否判定で大当りと判定される確率を現在の確率よりも低くなるように設定すると、小当りと判定される確率が現在の確率よりも高く設定される構成である。
更に、パチンコ機1は、当否判定手段では、遊技球が第1始動口〔図2:23〕に入球したことに起因して抽出した第1数値データに基づいて当否判定を行う一方、遊技球が第2始動口〔図2:24〕に入球したことに起因して抽出した第2数値データに基づいて当否判定を行う。そして設定値選択手段は、設定値に応じて、第1数値データに基づく当否判定で大当りと判定される確率を現在の確率よりも高くなるように設定すると、小当りと判定される確率が現在の確率よりも低く設定される一方、設定値に応じて、第1数値データに基づく当否判定で大当りと判定される確率を現在の確率よりも低くなるように設定すると、小当りと判定される確率が現在の確率よりも高く設定され、且つ設定値毎に、第2数値データに基づく当否判定で大当りと判定される確率を異なる設定に変更する一方、何れの設定値が選択されても、第2数値データに基づく当否判
定で小当りと判定される確率を変更しない構成である。
本実施形態のパチンコ機は、設定スイッチ61、上ボタン62、下ボタン63の操作(外部の操作)に応じて、第1特図の小当りと判定される当選確率及び第1特図、第2特図の大当りと判定される当選確率を異なる設定に変更する。且つ、小当りの当選確率を高くすると大当りの当選確率が低くなり、大当りの当選確率を高くすると小当りの当選確率が低くなるように、小当りの当選確率と大当りの当選確率とが反比例するように設定変更する構成である。このような今までにない新たな設定機能により、遊技店の営業利益の調整を好適に行うことができ、更に、利益調整を遊技店の経営戦略の一環として積極的に活用することが可能となる。 例えば、通常遊技状態において遊技者が狙う第1特図始動口23への入球に起因する第1特図の小当りの当選確率を高くすることにより、第1特図の小当り遊技の発生、及び小当り遊技から発展する役物当りの大当り遊技の発生を増やせる。一方、大当りの当選確率が低くなるので図柄当りの大当り遊技の発生を抑えることができる。もって、小当り遊技及び大当り遊技の賞球数を調整することができ、営業利益を好適に調整できる。そして、遊技店の営業日ごとに、小当り及び大当りの当選確率を設定できるので、遊技店の経営戦略の一環として積極的に活用できる。 また、設定値に応じて、図柄当りによる大当り遊技の確率を高くしたり、小当りからの役物当りによる大当り遊技の確率を高くしたりすることができるので、遊技機の趣向性を向上することができる。更に、パチンコ機は、第2特図の小当りの当選確率が高確率あり、設定変更しないので、開放延長遊技状態において、役物当りを容易且つスピーディーに発生させるといった1種2種混合機の遊技性を損ねない。
尚、本第2実施形態のパチンコ機は、第2特図の小当りの当選確率は、外部操作で設定変更しない構成であるが、これに限らず、第2特図の小当りの当選確率を設定変更するようにしてもよい。この場合、第2特図の小当りの当選確率と第2特図の大当りの当選確率とが反比例する構成とする。
第2実施形態のパチンコ機は、大入賞口を、特定領域を備えた1種類の構成と成し、当該大入賞口を大当り遊技及び小当り遊技の何れの遊技においても開放させる構成でもよい。 第2実施形態のパチンコ機は、1種類の始動口を備え、1種類の特図の当否判定を行う構成でもよい。
また第2実施形態のパチンコ機は、大当り遊技終了後に所定の遊技条件が成立することで大当りの当選確率を高確率に変更する確変機能を備えた構成でもよい。この場合、設定値毎に、大当りの当選確率として、通常遊技状態の当選確率と確変遊技状態の当選確率とを設け、設定値に応じて両者を変更する構成が望ましい。例えば、「設定値1」から「設定値6」の順序に従って、通常遊技状態の大当りの当選確率と確変遊技状態の大当りの当選確率とを共に、漸次、高確率とすることが望ましい。
更に、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、発射された遊技球を遊技機内部で回収し、再び発射装置により発射すると共に、ICカードなどの記憶媒体を用いて遊技者の持ち球数をデータとして管理する封入式遊技機に本発明を適用してもよい。
1 パチンコ機 2 遊技盤 23 第1特図始動口(始動口、第1始動口) 24 第2特図始動口(始動口、第2始動口) 25 第1大入賞口 26 第2大入賞口(大入賞口) 265 第2特定領域(特定領域) 268 第1特定領域(特定領域) 40 主制御装置(当否判定手段、小当り遊技実行手段、大当り遊技実行手段、設定値選択手段)

Claims (4)

  1. 遊技球が始動口に入球したことに起因して抽出された数値データに基づいて、賞球の増加が期待できる遊技に移行するか否かの当否判定を行う当否判定手段と、 前記当否判定にて小当りと判定されたことを条件に小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、 前記当否判定にて大当りと判定されたこと、又は、前記小当り遊技中に特定領域に遊技球が入球したことを条件に大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、を備えた弾球遊技機において、 前記当否判定の当選確率の設定変更に用いられ、外部からの操作に応じて、複数種類の前記当選確率に割り当てられた複数種類の設定値から何れかの設定値を選択可能な設定値選択手段を備え、 前記設定値選択手段は、前記設定値毎に、前記当否判定によって前記小当りと判定される確率を異なる設定に変更する一方、何れの前記設定値が選択されても、前記当否判定によって大当りと判定される確率を変更しないことを特徴とする弾球遊技機。
  2. 請求項1に記載の弾球遊技機において、 前記始動口として、第1始動口と、第2始動口とを備え、 前記当否判定手段は、遊技球が前記第1始動口に入球したことに起因して抽出した第1数値データに基づいて前記当否判定を行う一方、遊技球が前記第2始動口に入球したことに起因して抽出した第2数値データに基づいて前記当否判定を行うようになし、 前記設定値選択手段は、前記設定値毎に、前記第1数値データに基づく前記当否判定で前記小当りと判定される確率を異なる設定に変更する一方、何れの前記設定値が選択されても、前記第2数値データに基づく前記当否判定で前記小当りと判定される確率、前記第1数値データに基づく前記当否判定で前記大当りと判定される確率、及び前記第2数値データに基づく前記当否判定で前記大当りと判定される確率を変更しない弾球遊技機。
  3. 遊技球が始動口に入球したことに起因して抽出された数値データに基づいて賞球の増加が期待できる遊技に移行するか否かの当否判定を行う当否判定手段と、 前記当否判定にて小当りと判定されたことを条件に小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、 前記当否判定にて大当りと判定されたこと、又は、前記小当り遊技中に特定領域に遊技球が入球したことを条件に大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、を備えた弾球遊技機において、 前記当否判定の当選確率の設定変更に用いられ、外部からの操作に応じて、複数種類の前記当選確率に割り当てられた複数種類の設定値から何れかの設定値を選択可能な設定値選択手段を備え、 前記設定値選択手段は、前記設定値に応じて、前記当否判定で前記大当りと判定される確率を現在の確率よりも高くなるように設定すると、前記小当りと判定される確率が現在の確率よりも低く設定される一方、前記設定値に応じて、前記当否判定で前記大当りと判定される確率を現在の確率よりも低くなるように設定すると、前記小当りと判定される確率が現在の確率よりも高く設定されることを特徴とする弾球遊技機。
  4. 請求項3に記載の弾球遊技機において、 前記始動口として、第1始動口と、第2始動口とを備え、 前記当否判定手段は、遊技球が前記第1始動口に入球したことに起因して抽出した第1数値データに基づいて前記当否判定を行う一方、遊技球が前記第2始動口に入球したことに起因して抽出した第2数値データに基づいて前記当否判定を行うようになし、 前記設定値選択手段は、 前記設定値に応じて、前記第1数値データに基づく前記当否判定で前記大当りと判定される確率を現在の確率よりも高くなるように設定すると、前記小当りと判定される確率が現在の確率よりも低く設定される一方、前記設定値に応じて、前記第1数値データに基づく前記当否判定で前記大当りと判定される確率を現在の確率よりも低くなるように設定すると、前記小当りと判定される確率が現在の確率よりも高く設定され、 且つ前記設定値毎に、前記第2数値データに基づく前記当否判定で前記大当りと判定される確率を異なる設定に変更する一方、何れの前記設定値が選択されても、前記第2数値データに基づく前記当否判定で前記小当りと判定される確率を変更しない弾球遊技機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021029859A (ja) * 2019-08-28 2021-03-01 株式会社高尾 遊技機

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