以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。なお、本実施の形態では、本発明に係る遊技機を所謂1種のパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂1種1種や1種2種、所謂2種や3種のパチンコ機など他の種別のパチンコ機にも適用し得ることは勿論であり、また、パチンコ機に限らず、スロットマシンなど他の遊技機にも適用することも可能である。
本パチンコ機1は、図1に示すように、発射ハンドル2の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー5に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体6と、遊技盤3を支持した形で筐体6に開閉可能に支持された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤3が配設されている。前扉7における遊技盤3の左右には演出用照明装置11が配設されており、前扉7における上部左右、及び下部の皿ユニット16の左右には、スピーカ(図示せず)を有する放音装置12が夫々に配設されている。そして、前扉7の上部における両放音装置12,12の間には、演出用照明装置8が配設されている。なお、筐体6及び前扉7等により遊技機本体が構成されている。
また、ガラス枠10における中央部右方には、前扉7を筐体6側に施錠又は解放し、或いは、ガラス枠10を前扉7側に施錠又は解放するための施錠装置13が配設されている。なお、図1中の符号14は、不図示の発射装置によって打ち出された遊技球を遊技盤3側に案内するガイドレールを示している。本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域3aにて入賞することなく落下してアウト口(図示せず)に進入した遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
そして、前扉7における下部中央には皿ユニット16が設けられており、皿ユニット16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口17が設けられ、皿ユニット16における右上部壁面には、球貸ボタン19a及び返却ボタン19bが設けられている。皿ユニット16の中央部左方には、該皿ユニット16上の遊技球を球発射装置(図示せず)付近から皿ユニット下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン20aが配設されており、皿ユニット16の中央部下方には、皿ユニット16上の遊技球を球供給口17付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン20bが配設されている。
また、前扉7における皿ユニット16の下部右方には、上記球発射装置を操作して遊技球を遊技盤3に向けて打ち出すための発射ハンドル2が設けられている。更に、皿ユニット16の下部左方には、台座部15と灰皿21とが配設されており、台座部15には、中央部に遊技参加ボタン22が配設され、かつ該参加ボタン22の左右に選択ボタン18a,18bが夫々配設されている。
遊技領域3aの中央部分には、ステージSを有するセンター飾り23が配設されている。センター飾り23の下部左右には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口25,26が配設されており、センター飾り23の下方には、始動チャッカー27と、アタッカー5とが順次配設されている。
始動チャッカー27は、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように始動チャッカー開閉ソレノイド69(図4参照)によって作動させられる。始動チャッカー27の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘30が打ち込まれている。
アタッカー5は、大当たり発生時に開放され、遊技盤3の遊技領域3aに打ち出されて転動落下する遊技球を入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、1回の開放で9個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回(つまり、15ラウンド)繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、9個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
遊技領域3aには、センター飾り23の四方に風車31が夫々配設されており、ステージSの下方における始動チャッカー27の左側には、スルーゲート32が配設されている。このスルーゲート32は、始動チャッカー27を開閉動作させるための普通図柄抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
遊技領域3aにおけるスルーゲート32、入賞口25,26及び始動チャッカー27等の周囲には、センター飾り23のステージSから零れた遊技球や、発射されてからステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘33を含む多数の障害釘が打ち込まれている。
上記センター飾り23は、その中央部に、遊技盤3側に固定された画像表示装置35を露出する開口36を有し、左上部にワープ導入口37を有し、開口36の下側に上記ステージSを有し、該ステージSの下側に、ステージS上で転動して該ステージSの所定位置の落下孔(図示せず)に落下した遊技球を始動チャッカー27に向け放出する放出口49を有している。ワープ導入口37に対向するように、一対の障害釘39が打ち込まれている。ワープ導入口37の周囲や上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域3aに打ち出された遊技球Baを始動チャッカー27等に、ステージSを介して入球させ又はステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、上記「ワープ導入」という語句は、遊技領域3aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域3aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー27の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域3aにおいて始動チャッカー27左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー27方向に導く役割を担っている。
ついで、本パチンコ機1の背面構造について図2を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。
すなわち、図2に示すように、パチンコ機1の前扉背面における上部左方には、賞球タンク43が取り付けられており、この賞球タンク43の下方に、副制御基板38、主制御基板40、及び払出し制御基板51がこの順に配設されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板52が取り付けられており、この外部端子板52の下方に、整列待機通路45、賞球装置46、賞球排出通路47、電源ユニット41、及び発射装置(図示せず)用の発射制御基板53がこの順に配設されている。パチンコ機1の前扉背面における左側部には、施錠装置13が配設されている。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図4に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機1の制御系を示すブロック図である。
すなわち、本制御系は、遊技制御装置80と、該遊技制御装置80に電気的に接続された、始動チャッカー開閉ソレノイド69、アタッカー開閉ソレノイド70、放音装置(報知手段)12、演出用照明装置(報知手段)8,11、画像表示装置35、フォトインタラプタ58、及び異常検知回路61を備えている。該フォトインタラプタ58は、アタッカー5の蓋体5aの遮光板(所定部材)57の動作を検知する検知部を構成している。
遊技制御装置80は、図2に示した主制御基板40や副制御基板38等から構成されている。主制御基板40は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。また、副制御基板38は、主に画像表示、効果音等の演出、効果光等の表示制御を行うように構成されている。
遊技制御装置80は、入賞判定手段81、入賞信号出力手段82、抽選手段83、普通図柄抽選手段85、遊技制御手段86、保留手段87、作動制御手段88、演出制御手段90、表示制御手段91、及び異常検出手段93を備えている。
入賞判定手段81は、発射ハンドル2の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域3aに打ち出された遊技球が始動チャッカー27、入賞口25,26、アタッカー5等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
入賞信号出力手段82は、入賞判定手段81によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー27、入賞口25,26、アタッカー5等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
抽選手段83は、入賞信号出力手段82からの始動チャッカー27に対応する入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、乱数値を取得して大当たり抽選を実行する。そして抽選手段83は、大当たり抽選で確率変動当たりに当選した場合には、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、「333」や「777」等の図柄が画像表示装置35の画面上の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。
また抽選手段83は、大当たり抽選で通常大当たりに当選した場合には、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、「222」や「444」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。更に抽選手段83は、大当たり抽選で外れた場合には、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「258」や「186」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。
普通図柄抽選手段85は、始動チャッカー27を開閉動作させるか否かの普通図柄抽選を、この普通図柄抽選の保留球数(例えば4個)の範囲内で、スルーゲート32への入球を契機として実行する。
遊技制御手段86は、放音装置12、演出用照明装置8,11に放音、発光駆動等の演出をさせる契機となる指令を演出制御手段90に送る。更に、遊技制御手段86は、予め設定された演出データや、抽選手段83での抽選結果に応じて、画像表示装置35の画面に表示すべき大当たり抽選に関連する演出内容に関する信号を表示制御手段91に送る。
保留手段87は、抽選手段83から出力された変動パターン信号を入力し、変動パターンを、始動チャッカー27への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、不図示の大当たり抽選保留表示装置に、最大4個の保留球となるように点灯表示される。保留手段87は、保留球数が4個になっているか否かを常時判定し、保留球数が4個表示されている間は、始動チャッカー27への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
そして保留手段87は、保留(記憶)している変動パターンに係る信号を順次出力し、その変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を出力しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターン信号の出力に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段87は、保留球の消費に応じて保留球数が4個未満となった場合、抽選手段83で行われる始動チャッカー27への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
作動制御手段88は、所定のタイミングで始動チャッカー開閉ソレノイド69に駆動信号を送って該ソレノイド69を作動させ、始動チャッカー27を開閉動作させる。また、作動制御手段88は、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド70に駆動信号を送り、アタッカー5を15ラウンドだけ開閉動作させるように制御する。
演出制御手段90は、遊技制御手段86の指令に応答して、放音装置12を放音駆動し、演出用照明装置8,11を発光駆動して遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。
表示制御手段91は、遊技制御手段86からの信号に従って、画像表示装置35を駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容等の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。その際、表示制御手段91は、抽選手段83による各抽選結果を、遊技制御手段86からの信号に従って演出表示する。
異常検出手段93は、アタッカー開閉ソレノイド70に作動制御手段88から駆動信号が出力されない状態でフォトインタラプタ58が、蓋体5a開放の旨の検知信号を出力した場合、蓋体5aが不正に開放された旨の報知信号を演出用照明装置8,11及び放音装置12に出力する。これにより、「アタッカーが開放しています!」等の音声を放音装置12から発生させるとともに、演出用照明装置8,11を発光(点滅や点灯)させることができる。また、異常検出手段93は、フォトインタラプタ58に結線される電気的接続ケーブルであるハーネスHが切断、又は該ハーネスHのコネクタソケットCo1,Co2が抜けたことが異常検知回路61によって検知された場合、該検知信号の受信に基づき判断し、放音装置12及び演出用照明装置8,11に報知信号を送って音や光による報知を行わせるように制御する。これにより、「配線の接続状態が異常です!」等の音声とともに演出用照明装置8,11を発光(点滅や点灯)させることができる。
ついで、本実施の形態におけるアタッカー5及びその周辺の構造を、図3を参照して説明する。
すなわち、上記アタッカー5は、所定の契機で蓋体5aを開閉させるもので、遊技盤3の背面側に配置されたアタッカー開閉ソレノイド70と、該ソレノイド70のプランジャ70aの進退運動を蓋体5aの開閉運動に変換する運動変換機構とを有している。該運動変換機構は、連結部材55及びL字状リンク56によって構成される。なお、蓋体5a及びアタッカー開閉ソレノイド70、並びに、L字状リンク56及びフォトインタラプタ58等は、アタッカーユニット(図示せず)にそれぞれ装着された形で遊技盤3に取り付けられており、蓋体5a及びL字状リンク56は、遊技盤3における始動チャッカー27下方に形成された開口部(図示せず)内にて自在に回動するように構成される。
つまり、透明ガラス9後方に位置する遊技盤3には、上記開口部の内側にて開閉動作し得るように上記アタッカーユニットを介して蓋体5aが配置されており、該蓋体5aは、遊技領域3aの正面から見た形状が遊技盤3の左右方向(図3の紙面手前−奥方向)にやや長い矩形状を呈し、上記開口部内で自在に回動し得るようにアタッカーユニットに軸部材65で両端部を支持された形で遊技盤3側に支持される。蓋体5aは、軸部材65により下部側を回動自在に支持されると共に、該軸部材65のやや後方(図3(a)の左方)の下部側にピン66が固定されている。該ピン66は、図3における紙面手前側のみに設けられている。
上記アタッカー開閉ソレノイド70は、ソレノイド本体に対して進退自在なプランジャ70aを有し、該プランジャ70aの先端部には連結部材55が取り付けられており、該連結部材55の先端部には、係合切欠き55bを有する連結部55aが設けられている。アタッカーユニットにおける連結部材55の下方にはフォトインタラプタ58が装着され、かつ連結部55aの下方には回動軸54を介してL字状リンク56が回動自在に支持されている。該L字状リンク56は、一端部56aがピン63を介して係合切欠き55bに係合しており、他端部56bがその二股部56cの係合切欠き56dを、蓋体5a下端部のピン66に係合させている。アタッカー開閉ソレノイド70は、同図の手前側に位置して係合切欠き56dをピン66に係合させているL字状リンク56のピン63に係合切欠き55bを係合させ得るように、図3における紙面手前側に寄せて配置されている。
L字状リンク56は、回動軸54で回動自在に支持された折曲部の斜め後方(図3(a)の斜め左方)に延びるように形成された遮光板57を一体に有している。
フォトインタラプタ58は、遮光板57をその左右方向(図3(a)の紙面手前−奥方向)から挟むことができるように配置された投受光部60を有しており、該投受光部60には、互いに対向して赤外光を投射する発光ダイオードLD(図5参照)と受光するフォトトランジスタ(受光素子)T1(図5参照)とが設けられている。蓋体5aが、上述のように無理に開放されようとして図3時計回り方向に力を受けた場合、その際はアタッカー開閉ソレノイド70に作動制御手段88からの駆動信号が出力されない状態である。従って、その状態で遮光板57が発光ダイオード(発光素子)LD及びフォトトランジスタT1間を図3(b)のように開放した場合、異常検出手段93は、アタッカー開閉ソレノイド70に駆動信号が出力されない状態でフォトインタラプタ58が検知信号を出力したとして、蓋体5aが不正に開放された旨の報知信号を出力する。
以上の構成を有する本パチンコ機1では、以下のように弾球遊技が行われる。即ち、対面して着座した遊技者が発射ハンドル2を握り、適宜の角度に回動操作すると(図8におけるステップS1)、発射装置の作動で遊技球が所定の時間間隔で遊技領域3aに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー27や入賞口25,26に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域3a最下部のアウト口(図示せず)から遊技盤3背面側に排出される。
遊技領域3aに打ち出された遊技球の一部がワープ導入口37に入球すると、その遊技球はステージS上に放出された後、該ステージSの傾斜に沿って転動し、或るものはそのまま遊技領域3aに落下し、或るものは放出口49から始動チャッカー27に向けて放出され、高い入賞確率(略100%)で該チャッカー27に入賞する。
ところで、始動チャッカー27や入賞口25,26の何れかに遊技球が入賞した場合には、入賞判定手段81が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段82が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段87は、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段86を介して表示制御手段91に順次送信し、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段87は、当該保留球の消費に応じて、抽選手段83で行われる始動チャッカー27への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
ステップS3において、大当たり抽選で当選した場合、抽選手段83が当たりフラグをオンすると、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たりか通常当たり対応する変動パターンが決定される。
これにより、ステップS4において、画像表示装置35に表示されるべき当たり図柄がセットされ、抽選手段83は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、当該変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、画像表示装置35に表示される外れ図柄がセットされ、抽選手段83は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
以上のようにして、遊技制御手段86が、画像表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段91に送信することに基づき、表示制御手段91は、画像表示装置35を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
そして、上記演出表示を視認しながら弾球遊技する中で、画像表示装置35の画面上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、作動制御手段88は、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド70に駆動信号を送り、当該ソレノイド70を作動させてアタッカー5を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定ラウンドだけ繰り返させる。これにより、アタッカー5に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が、球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる(ステップS6)。
ついで、図5を参照して、前述した異常検知回路61について、より詳細に説明する。なお、図5では異常検知回路61Aについて説明し、後述の変形例1及び変形例2では異常検知回路61B,61Cについてそれぞれ説明するが、これら異常検知回路61A〜61Cは、それぞれに上記異常検知回路61を構成するものである。
すなわち、異常検知回路61Aは、図5に示すように、発光ダイオードLD、フォトトランジスタT1及び抵抗R1からなるフォトインタラプタ58を備えている。異常検知回路61Aは更に、pnpトランジスタT2、ベース・エミッタ間抵抗R2、及び入力電圧を電流に変換してpnpトランジスタT2を動作安定させるベース抵抗R3からなるスイッチング回路と、ツェナーダイオードZDとを有する電源供給部67を備えている。
また、異常検知回路61Aは、npnトランジスタT3、入力側から入ってくるリーク電流やノイズ等をグランドGNDに落とすことで該トランジスタT3の誤動作を防ぐベース・エミッタ間抵抗R4、及び入力電圧を電流に変換して該トランジスタT3を動作安定させるベース抵抗R5からなるスイッチング部68と、電源供給部67とスイッチング部68との間に挿入接続された分圧抵抗R6と、抵抗R7とを備えている。
異常検知回路61Aでは、電源供給部67がラインL1を介してハーネスHのコネクタソケットCo1に結線され、スイッチング部68がラインL6を介してハーネスHのコネクタソケットCo2に結線されている。また、ハーネスHのコネクタソケットCo2は、ラインL4を介してグランドGNDに接続されている。フォトインタラプタ58は、ラインL2,L3,L5を介してハーネスHのコネクタソケットCo1に結線されている。該コネクタソケットCo1及びコネクタソケットCo2は、ハーネスHを構成するケーブルh1,h2,h3によって接続されて一部品とされている。
電源供給部67において、pnpトランジスタT2は、エミッタが直流電源(第1の電源)に接続され、コレクタが分圧抵抗R6の一方の端子に接続され、ベースがベース抵抗R3の一方の端子に接続されている。ベース・エミッタ間抵抗R2は、該ベース抵抗R3とpnpトランジスタT2のベースとの接続部(接続ノード)に一方の端子が接続され、かつ上記直流電源とpnpトランジスタT2のエミッタとの接続ノードに他方の端子が接続されている。ツェナーダイオードZDは、カソードが上記直流電源(例えば+12V)に接続され、かつアノードが、ラインL1におけるベース抵抗R3よりコネクタソケットCo2側に接続されている。
スイッチング部68において、npnトランジスタT3は、コレクタが分圧抵抗R6の他方の端子に接続され、エミッタがグランドGND(第2の電源)に接地され、ベースがベース抵抗R5の一方の端子に接続されている。ベース・エミッタ間抵抗R4は、該ベース抵抗R5とnpnトランジスタT3のベースとの接続ノードに一方の端子が接続され、かつ上記グランドGNDとnpnトランジスタT3のエミッタとの接続ノードに他方の端子が接続されている。
更に、分圧抵抗R6の他方の端子とnpnトランジスタT3のコレクタとの接続ノードには出力端子OUTが接続され、かつ該接続ノードと出力端子OUTとの間のラインとグランドGNDとの間に抵抗R7が挿入接続されてプルダウンされている。該抵抗R7は、pnpトランジスタT2及びnpnトランジスタT3の双方がオフとなった際に、電位をグランドGNDに落とすことで、電気的に浮いた状態となるフローティングの発生を回避するように機能する。
フォトインタラプタ(検知部)58において、発光ダイオードLDは、アノードがラインL2を介してコネクタソケットCo1に接続され、かつカソードが抵抗R1及びラインL3を介してコネクタソケットCo1に接続されている。フォトトランジスタT1は、発光ダイオードLDと所定の間隔(遮光板57が進退可能な間隔)をあけた状態で配置されており、コレクタがラインL5を介してラインL2に接続され、エミッタがコネクタソケットCo1に接続されている。これら発光ダイオードLD及びフォトトランジスタT1により、上述の投受光部60が構成されている。
このようなフォトインタラプタ58は即ち、断線等の異常が発生しない通常状態にて常時電源を供給されて待機しつつ、遮光板(所定部材)57の動作に伴って第1状態(本実施形態では遮光状態)と第2状態(本実施形態では受光状態)とに変化することに基づき、第1状態にあっては遮光板57が通常位置(本実施形態では蓋体5aの閉止位置)にある旨を検知し、かつ第2状態にあっては遮光板57が移動位置(本実施形態では蓋体5aの開放位置)にある旨を検知するように構成されている。
なお、本実施の形態では、pnpトランジスタT2の動作をより安定させるため、電源供給部67にて、直流電源(例えば+12V)とラインL1との間に上記ツェナーダイオードZDを挿入接続しているが、該ツェナーダイオードZDは必ずしも必須なものではなく、該ツェナーダイオードZDに代えて通常の抵抗を挿入接続するような構成によっても、略々同様に動作させることが可能である。
以上の構成を備える異常検知回路61Aでは、パチンコ機1に備えた主電源(図示せず)がオンされると、直流電源からツェナーダイオードZDを介して所定電位に低減された逆方向電流がラインL1に流れ、該電流がケーブルh1及びラインL2を介して発光ダイオードLD、抵抗R1の順に矢印a,b方向に流れ、更に、ラインL3からケーブルh3を経由して、ラインL4を矢印c方向に流れ、グランドGNDに落ちる。これにより、発光ダイオードLDが発光し、フォトトランジスタT1のベースに向けて赤外光が投射される。この状態は、主電源がオンされてパチンコ機1が遊技に供されている間中、継続される。
即ち、上記異常検知回路61Aは、ハーネス(電気的接続ケーブル)Hによる接続状態が正常である場合には、フォトインタラプタ58に電源供給を行いつつ、該フォトインタラプタ58が上記第1状態のときは出力端子OUTに第1信号(本実施形態では1(HIGH))を出力し、かつフォトインタラプタ58が上記第2状態のときは出力端子OUTに第2信号(本実施形態では0(LOW))を出力し、更に、ハーネスHによる接続状態が異常である場合には、フォトインタラプタ58に電源供給を行わない状態にて出力端子OUTに上記第2信号を出力するように構成される。
ここで、図3(a)のようにアタッカー5の蓋体5aが閉止している通常位置にあっては、遮光板57が発光ダイオードLDとフォトトランジスタT1との間に進入して遮光することにより、フォトトランジスタT1がオフされるため、npnトランジスタT3はベースに信号(ベース電流)を受けることなくオフしている。この際、npnトランジスタT3と導電型の異なるpnpトランジスタT2は、直流電源からの電流がツェナーダイオードZD及びラインL1を介して矢印a方向に流れていることにより、ベースが該ラインL1に比して低い電位(LOW)になることでオンされている。これにより、直流電源からエミッタ・コレクタ間電流が流れるが、npnトランジスタT3がオフしていることで、該電流は分圧抵抗R6を経由して出力端子OUT側に流れ、出力される。このため、第1状態(本実施形態では遮光状態、通常時)にあっては、高電位の1(HIGH)が出力されて異常検出手段93にて受信され、異常検出に用いられる。この場合、異常検出手段93は、作動制御手段88から駆動信号が出力されない状態で、高電位の1(HIGH)が出力されたことから、異常状態は発生していないと判断する。
一方、作動制御手段88の駆動信号を受けてアタッカー開閉ソレノイド70が作動し、プランジャ70aの後退によりL字状リンク56が回動軸54を中心として図3(a)の反時計回り方向に回動することで蓋体5aが開放され、かつ遮光板57が投受光部60から移動することで、フォトトランジスタT1が発光ダイオードLDからの赤外光を受光する。これにより、フォトトランジスタT1がオンされるため、ラインL2を流れる直流電源からの電流がコレクタに流れ込み、内部の電流路を通ってエミッタから矢印d方向に流れ、更に、ケーブルh2及びラインL6を経由して矢印e方向に流れ、ベース抵抗R5を介してnpnトランジスタT3のベースに信号(ベース電流)が印加される。これにより、npnトランジスタT3は、ベースが高電位(HIGH)になることで、pnpトランジスタT2及び分圧抵抗R6を介して流れる電流を吸い込むようにオンするため、該電流は、内部の電流路を通ってエミッタからグランドGNDに落ちる。従って、アタッカー5が開放する第2状態(本実施形態では受光状態、イベント時)にあっては、出力端子OUTは0(LOW)となり、異常検出手段93にて受信されて異常検出に用いられる。この場合、異常検出手段93は、作動制御手段88から駆動信号が出力された状態で、低電位の0(LOW)が出力されたことから、異常状態は発生していないと判断する。
ここで例えば、不正行為者(所謂ゴト師)が、アタッカー5を不正に開放して賞球を得ようとハーネスHを切断し、或いはコネクタソケットCo2やコネクタソケットCo1を抜いて断線(異常状態)させた場合は、ラインL1,L6,L4がオープン状態になるため、直流電源からツェナーダイオードZDを介して矢印aに電流が流れないことで、pnpトランジスタT2のベースが高電位になり、該pnpトランジスタT2がオフされる。この際、ベースに高電位の信号が印加されずnpnトランジスタT3がオフしているため、出力端子OUTは0(LOW)となり、該出力が異常検出手段93にて受信される。この場合、異常検出手段93は、作動制御手段88から駆動信号が出力されていない状態で、低電位の0(LOW)が出力されたことから、異常状態が発生したと判断し、演出用照明装置8,11及び放音装置12に報知信号を送って報知を行わせるように制御する。
ここで、図9を参照して、本実施の形態における異常検知回路61Aの基礎技術の回路92について説明する。
すなわち、同図に示すように、回路92は、異常検知回路61Aにおけるスイッチング部68と同様の回路部は備えているが、異常検知回路61Aのような電源供給部67を有さず、従って、図5の抵抗R7に相当するものを備えてはいない。このため、回路92では、パチンコ機1の主電源(図示せず)がオンされると、直流電源(例えば+12V)から抵抗R18を介して電流がラインL1に流れ、該電流がケーブルh1及びラインL2を介して発光ダイオードLD、抵抗R1の順に矢印a,b方向に流れ、更に、ラインL3からケーブルh3を経由して、ラインL4を矢印c方向に流れ、グランドGNDに落ちる。このため、発光ダイオードLDが、異常検知回路61Aと同様に、フォトトランジスタT1のベースに赤外光を投射する。
この際、アタッカー5が閉止していれば、発光ダイオードLD及びフォトトランジスタT1間が遮光されてフォトトランジスタT1がオフされるため、npnトランジスタT5は、抵抗R13を介してベースに信号を受けることなくオフしている。ここで、直流電源から分圧抵抗R11を介して電流が流れるが、npnトランジスタT5がオフしていることで、該電流は分圧抵抗R11を経由して出力端子OUT側に流れ、出力される。なお、図中の符号R12は、異常検知回路61Aにおけるベース・エミッタ間抵抗R4と同様のベース・エミッタ間抵抗である。
一方、作動制御手段88の駆動信号に応答してアタッカー5が開放されれば、遮光板57が投受光部60から移動することで、フォトトランジスタT1が発光ダイオードLDからの赤外光を受光してオンするため、ラインL2を流れる電流がコレクタに流れ込み、エミッタから矢印d方向に流れ、ケーブルh2及びラインL6を経由して矢印e方向に流れ、ベース抵抗R13を介してnpnトランジスタT5のベースに信号として印加され、該npnトランジスタT5がオンとなり、分圧抵抗R11を介して流れる電流が、内部の電流路を通ってエミッタからグランドGNDに落ちる。このため、アタッカー5が開放する受光時(イベント時)には、出力端子OUTは0(LOW)となる。
ここまでの動作は異常検知回路61Aの場合と同様であるが、例えば不正行為者が、アタッカー5を不正に開放して賞球を得ようとハーネスHを切断したり、コネクタソケットCo2やコネクタソケットCo1を抜いて断線させた際には、回路92にあっては、ラインL1,L6,L4がオープン状態になることで、npnトランジスタT5はオフされると共に、直流電源からの電流が分圧抵抗R11を介して出力端子OUTに出力され、該出力端子OUTは1(HIGH)となる。つまり、異常時には1(HIGH)が出力される。
このように、図9に示す回路92は、通常状態にて常時電源を供給されて待機している状態にあっては、異常検知回路61Aと同様にフォトインタラプタ58により蓋体5a(即ち遮光板57)の動作を検知することはできるが、異常時にも、遮光時(通常時)と同じ1(HIGH)を出力する。例えば不正行為者は、まず、図3(a)に示す閉止状態にてハーネスHを切断し(又はコネクタソケットCo1,Co2を抜き)、フォトインタラプタ58が蓋体5aの開放を検知できない状態にしてから、蓋体5aを不正に開放して不正賞球させるように不正行為を働く。従って、異常時にも、遮光時(通常時)と同じ1(HIGH)を出力するのでは、蓋体5aを不正に開放する不正行為を検知することは難しい。
これに対し、本実施の形態では、フォトインタラプタ58が、通常状態にて常時電源を供給されて待機しつつ、遮光板57の動作に伴って第1状態と第2状態とに変化することに基づき、第1状態にあっては遮光板57が通常位置にある旨を検知し、かつ第2状態にあっては遮光板57が移動位置にある旨を検知し、また異常検知回路61Aが、ハーネスHによる接続状態が正常である場合には、フォトインタラプタ58に電源供給を行いつつ、該フォトインタラプタ58が第1状態のときは出力端子OUTに1(HIGH、第1信号)を出力し、かつフォトインタラプタ58が第2状態のときは出力端子OUTに0(LOW、第2信号)を出力し、更に、ハーネスHによる接続状態が異常である場合には、フォトインタラプタ58に電源供給を行わない状態にて出力端子OUTに0(LOW、第2信号)を出力するように構成される。このため、異常時には、受光時(イベント時)と同じ0(LOW)を出力することができるので、蓋体5aを不正に開放する不正行為を検知することが容易になる。そして、異常検知回路61Aでは、フォトインタラプタ58の異常を検出し得るものでありながら、本来必要な既設部品やその通常の電源供給状態を利用することにより、部品点数を増大させず、装置構成を可及的に簡素にしてコンパクト化を実現することができる。
また、本実施形態では、異常検出手段93が、異常検知回路61Aから出力される第1信号及び第2信号の何れかを受信し、遮光板57を動作させる駆動信号の出力の有無と併せて判断して、異常が発生したと判断した際には報知信号を出力し、かつ駆動信号が出力されない状態で第2の信号が出力された場合に異常が発生したと判断し、演出用照明装置8,11及び放音装置12に報知信号を送るので、ハーネスHによる接続状態の異常を、より一層確実に判定することができると共に、異常が発生した旨を演出用照明装置8,11及び放音装置12を介して周囲に報知することができる。このため、不正行為者を牽制して、不正行為を抑止することができる。
次に、図6を参照して、オープンコレクタを用いた変形例1について説明する。なお、図6では、図5で説明した実施形態と共通の部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
すなわち、図6に示すように、本変形例1の異常検知回路61Bでは、電源供給部67は図5と同じ構成であるが、図5のスイッチング部68に相当する部分は無く、また、フォトトランジスタT1のエミッタは、ケーブルh3及びラインL8を介して、抵抗R9の一方の端子とグランドGNDとの接続ノードに接続されている。該抵抗R9の他方の端子は、pnpトランジスタT2のコレクタに一方の端子を接続された抵抗R8の他方の端子と出力端子OUTとの接続ノードに接続されている。更に、フォトトランジスタT1のコレクタは、ラインL7、ケーブルh2及びラインL9を介して抵抗R8の他方の端子に接続された形で出力端子OUTに接続されている。
以上の構成を備える異常検知回路61Bでは、パチンコ機1の主電源(図示せず)がオンされると、直流電源(例えば+12V)からツェナーダイオードZDを介して電流がラインL1に流れ、該電流がケーブルh1及びラインL2を介して発光ダイオードLD、抵抗R1の順に矢印a,b方向に流れ、ラインL3からケーブルh3を経由して、ラインL8を矢印i方向に流れ、グランドGNDに落ちる。このため、発光ダイオードLDが、異常検知回路61Aと同様に、フォトトランジスタT1のベースに赤外光を投射する。
この際、アタッカー5が閉止していれば、発光ダイオードLD及びフォトトランジスタT1間が遮光されてフォトトランジスタT1がオフされており、図5の場合と同様にオンしているpnpトランジスタT2のコレクタから抵抗R8を介して出力端子OUTに1(HIGH)が出力される。一方、作動制御手段88の駆動信号に応答してアタッカー5が開放されれば、遮光板57が投受光部60から移動することで、フォトトランジスタT1が発光ダイオードLDからの赤外光を受光してオンするため、抵抗R8を経由して出力端子OUT側に流れていた電流がラインL9側に流れ、ケーブルh2及びラインL7を矢印f方向に流れてフォトトランジスタT1のコレクタに流入し、エミッタから矢印g方向に流れ、ケーブルh3及びラインL8を介してグランドGNDに落ちる。このため、アタッカー5が開放する受光時(イベント時)には、出力端子OUTは0(LOW)となる。
また、例えば不正行為者が、アタッカー5を不正に開放して賞球を得ようとハーネスHを切断したり、コネクタソケットCo2やコネクタソケットCo1を抜いて断線させた際には、異常検知回路61Bにあっては、ラインL1,L6,L4がオープン状態になることで、ベースが高電位になったpnpトランジスタT2はオフされるため、出力端子OUTは0(LOW)となる。
このように、本変形例1においても、異常時には受光時(イベント時)と同じ0(LOW)を出力できるので、不正行為を検知することが容易になると共に、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
引き続き、図7を参照して、コンパレータ等を用いた変形例2について説明する。
すなわち、図7に示すように、本変形例2の異常検知回路61Cでは、フォトインタラプタ58及びハーネスHの構成は図5の場合と同様であるが、電源供給部67及びスイッチング部68は無く、出力端子が出力端子OUT1と出力端子OUT2とに分けられて2ビット出力化されている。該出力端子(第1出力端子)OUT1は、ハーネスHによる接続状態の異常(例えば断線)に起因する検知結果を専ら出力するものであり、出力端子(第2出力端子)OUT2は、フォトインタラプタ(検知部)58の第1状態(実施の形態では遮光状態)及び第2状態(実施の形態では受光状態)に起因する検知結果を専ら出力するものである。
そして、出力端子OUT1側では、直流電源(例えば+12V)とラインL1とが抵抗R14を介して接続され、また、該直流電源とグランドGNDとが抵抗R15及び抵抗R16を介して接続され、更に、これら抵抗R15と抵抗R16の接続ノードにはコンパレータ71の非反転入力端子(+)が接続され、ラインL1と抵抗R14との接続ノードには該コンパレータ71の反転入力端子(−)が接続されている。また、出力端子OUT2側では、ラインL6に、npnトランジスタT4のベースが接続され、該npnトランジスタT4のコレクタに、一方の端子を直流電源(例えば+5V)に接続されたプルアップ抵抗R17の他方の端子が接続されている。該npnトランジスタT4のエミッタは、グランドGNDに接続されている。更に、npnトランジスタT4のコレクタとプルアップ抵抗R17との接続ノードに出力端子OUT2が接続されている。
以上の構成を備える異常検知回路61Cでは、直流電源(例えば+12V)から抵抗R14を介して電流がラインL1に流れ、該電流が図5の場合と同様に発光ダイオードLD側に流れ、ラインL4を経由してグランドGNDに落ちる。このため、発光ダイオードLDが、異常検知回路61Aと同様に、フォトトランジスタT1のベースに赤外光を投射する。
この際、アタッカー5が閉止していると、発光ダイオードLD及びフォトトランジスタT1間が遮光されてフォトトランジスタT1がオフされるため、npnトランジスタT4はベースが低電位にされてオフされ、これにより、直流電源(例えば+5V)からプルアップ抵抗R17を介して出力端子OUT2に1(HIGH)が出力される。従って、アタッカー5が閉止している遮光時(通常時)には、出力端子OUT1は1(HIGH)となる。この際、出力端子OUT1側では、直流電源(例えば+12V)から抵抗R15を介して抵抗R16との接続ノードから分圧される信号がコンパレータ71の非反転入力端子(+)に印加されるが、このとき反転入力端子(−)側は、直流電源(例えば+12V)から抵抗R14、ラインL1を経由して発光ダイオードLD側に電流が流れていることで、非反転入力端子(+)側より低電位になるため、出力端子OUT1には1(HIGH)が出力される。つまり、アタッカー5が閉止している遮光時(通常時)には、出力端子OUT1も1(HIGH)となる。
一方、作動制御手段88の駆動信号に応答してアタッカー5が開放されると、フォトトランジスタT1が発光ダイオードLDからの赤外光を受光してオンするため、エミッタから矢印d方向に流れ出す電流が信号となってラインL6を経由してnpnトランジスタT4のベースに印加されるため、該npnトランジスタT4がオンとなり、出力端子OUT2に流れていた電流がコレクタからエミッタを介してグランドGNDに流れることになる。このため、アタッカー5が開放する受光時(イベント時)には、出力端子OUT2は0(LOW)となる。この際、出力端子OUT1側は、上記遮光時(通常時)と同様に1(HIGH)となる。
また、例えば不正行為者が、アタッカー5を不正に開放して賞球を得ようとハーネスHを切断したり、コネクタソケットCo2やコネクタソケットCo1を抜いて断線させた場合、異常検知回路61Cにあっては、ラインL1,L6,L4がオープン状態になることで、npnトランジスタT4はベースが低電位になってオフとなり、従って、直流電源(例えば+5V)からプルアップ抵抗R17を介して出力端子OUT2に、上記遮光時(通常時)と同じに1(HIGH)が出力される。
しかしこの際、出力端子OUT1側では、直流電源(例えば+12V)から抵抗R15を介して抵抗R16との接続ノードから分圧される信号がコンパレータ71の非反転入力端子(+)に印加された状態において、反転入力端子(−)側には、直流電源(例えば+12V)から抵抗R14を経由した、非反転入力端子(+)側と同等の電位の信号が印加されるため、出力端子OUT1には0(LOW)が出力されることになる。
このように、本変形例2にあっては、異常時には、出力端子OUT2は遮光時(通常時)と同じ1(HIGH)となるが、出力端子OUT1が受光時(イベント時)と同じ0(LOW)を確実に出力するので、作動制御手段88による判断を待たずに異常状態の発生を直ちに特定することができる。従って、前述の実施形態と略々同様の効果を奏するものでありながら、より迅速な制御の実現が可能になる。
なお、図5及び図6における電源供給部67の、pnpトランジスタT2、ベース・エミッタ間抵抗R2及びベース抵抗R3を、1個のデジタルトランジスタによって構成することもでき、その場合、回路構成をより簡素化することができる。
また、図5〜図7における実施の形態及び変形例1,2では、トランジスタとして全てバイポーラトランジスタを使用したが、これに限らず、ユニポーラトランジスタ(MOS-FET)を使用することによっても、同様の動作を行う異常検知回路を構成することができる。また、上記実施の形態及び変形例1,2における論理(出力のHIGH、LOW)を逆にした回路構成とすることも可能であり、その場合も、同様の効果を奏することができる。
更に、図5〜図7における実施の形態及び変形例1,2では、本発明に係る所定部材としてアタッカー5の遮光板57を例に挙げて説明したが、本発明の所定部材はこれに限らず、始動チャッカー27や不図示の可動演出装置など、動作前の通常位置と動作後の移動位置の双方を検知されるべき部材に適用され得ることは勿論である。
以上、本発明をその好適な実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態及び変形例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態及び変形例の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。