JP5821012B2 - モデリング装置、3次元モデル生成装置、モデリング方法、プログラム、レイアウトシミュレータ - Google Patents

モデリング装置、3次元モデル生成装置、モデリング方法、プログラム、レイアウトシミュレータ Download PDF

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Description

本発明は、立体物の3次元計測を行った測定結果を用いて立体物のモデルを生成するモデリング装置に関する。さらに、本発明は、実空間における立体物のモデルを生成する3次元モデル生成装置、立体物のモデルを生成するモデリング方法、モデリング装置を実現するプログラム、モデリング装置を用いたレイアウトシミュレータに関する。
従来、対象空間の3次元モデルを作成する技術が、たとえば文献1(日本特許出願公開番号1992−133184)に提案されている。文献1に記載された技術は、対象空間に格子状の光を投影し、投影像を撮像することにより、投影像における格子の交点の位置関係を用いて平面の位置および傾きを求めている。
文献1は、平面の位置および傾きから、平面の隣接関係を、折れ目、段差境界、面内境界に分類し、面の境界を計算して交線を求め、室内の構造線を計算している。すなわち、文献1に記載された構成は、対象空間にすでに配置された物体を含めた室内の構造線を抽出するために、折れ目、段差境界、面内境界を抽出している。
文献1には、このように構造線を抽出することにより、小さい障害物で遮られて画像からは検出できないような構造線も復元することが記載されている。
室内においてクロスの張り替えを行う場合、断熱材を施工する場合などでは、室内に配置された物体を除去した計測が必要になる場合もある。
文献1には、ノイズや小さい障害物などにより領域の一部が欠けている場合でも、構造線を安定に復元させることができるという内容の記載がある。しかしながら、文献1に記載された技術は、机のような大きな物体は、3次元モデルの構成要素とする技術であり、クロスの張り替えや断熱材の施工を行うことを目的として、室内に配置された物体を除去した立体物のモデルを生成することはできない。
本発明は、立体物の一部が比較的大きい物体に遮られることにより、計測装置では計測できない領域が存在する場合でも、立体物のモデルを生成することを可能にしたモデリング装置を提供することを目的とする。さらに、実空間における立体物のモデルを生成する3次元モデル生成装置、立体物のモデルを生成するモデリング方法、モデリング装置を実現するプログラム、モデリング装置を用いたレイアウトシミュレータを提供することを目的とする。
本発明に係るモデリング装置は、複数の面を備える立体物の3次元計測を行う計測装置から、前記立体物に属する複数個の測定点に関する3次元の座標値を第1のデータとして取得する取得部と、前記面ごとに、前記面に属する前記測定点に関する前記第1のデータを用いて前記面を表す平面式を生成する面抽出部と、前記面のうち隣接する複数面をそれぞれ表す前記平面式を同時に満たす点を算出することにより、前記点を前記複数面が共有する頂点として抽出する頂点抽出部と、前記平面式と前記頂点とを用いて前記立体物を表すモデルの情報を生成するモデル化部とを備え、前記面抽出部は、一つの面に属する3個の測定点の座標値を用いた第1の計算により得られる平面式で定められる平面を候補面とし、さらに、候補面から所定の距離範囲に存在する4個以上の測定点を用いた第2の計算で平面を定める再計算を行うことにより平面式を決定することを特徴とする。
本発明に係る3次元モデル生成装置は、モデリング装置と、前記計測装置とを備えることを特徴とする。
本発明に係るモデリング方法は、複数の面を備える立体物の3次元計測を行う計測装置から、前記立体物に属する複数個の測定点に関する3次元の座標値を第1のデータとして取得部が取得し、次に、前記面ごとに、前記面に属する前記測定点に関する前記第1のデータを用いて前記面を表す平面式を面抽出部が生成し、その後、前記面のうち隣接する複数面をそれぞれ表す前記平面式を同時に満たす点を算出することにより、前記点を前記複数面が共有する頂点として頂点抽出部が抽出し、前記平面式と前記頂点とを用いて前記立体物を表したモデルの情報をモデル化部が生成し、前記面抽出部は、一つの面に属する3個の測定点の座標値を用いた第1の計算により得られる平面式で定められる平面を候補面とし、さらに、候補面から所定の距離範囲に存在する4個以上の測定点を用いた第2の計算で平面を定める再計算を行うことにより平面式を決定することを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、複数の面を備える立体物の3次元計測を行う計測装置から、前記立体物に属する複数個の測定点に関する3次元の座標値を第1のデータとして取得する取得部と、前記面ごとに、前記面に属する前記測定点に関する前記第1のデータを用いて前記面を表す平面式を生成する面抽出部と、前記面のうち隣接する複数面をそれぞれ表す前記平面式を同時に満たす点を算出することにより、前記点を前記複数面が共有する頂点として抽出する頂点抽出部と、前記平面式と前記頂点とを用いて前記立体物を表したモデルの情報を生成するモデル化部とを備え、前記面抽出部は、一つの面に属する3個の測定点の座標値を用いた第1の計算により得られる平面式で定められる平面を候補面とし、さらに、候補面から所定の距離範囲に存在する4個以上の測定点を用いた第2の計算で平面を定める再計算を行うことにより平面式を決定するモデリング装置として機能させるものである。
本発明に係るレイアウトシミュレータは、上述したモデリング装置が生成した前記モデルの情報を用いて前記立体物のコンピュータグラフィックスである仮想空間をモニタ装置の画面に表示させる表示制御部と、前記仮想空間の所望位置に3次元の情報を持つ立体的な物品を配置する物品配置部と、前記仮想空間において前記境界線で囲まれる前記面にテクスチャの情報を貼り付ける質感表現部と、前記物品および前記テクスチャの位置を含む属性を調節する属性調節部とを備えることを特徴とする。
本発明の構成によれば、複数の面を備える立体物について複数個の測定点における3次元の座標値を取得し、座標値を用いて面ごとに面を表す平面式を生成し、平面式を用いた計算により面のうち隣接する複数面が共有する頂点を抽出し、頂点を結ぶ境界線の集合としてモデルを生成している。そのため、立体物の一部が比較的大きい物体に遮られて、計測装置では計測できない領域が存在していても、平面式の計算により頂点の位置が推定され、結果的に、計測できない領域を補った立体物のモデルを生成することが可能になるという利点がある。また、第1の計算により候補面を定めた後に、候補面に対して所定の距離範囲に存在する4個以上の測定点を用いた第2の計算で平面を定める再計算を行うことにより平面式を決定するから、立体物の形状を精度よくモデルで再現できる。
実施形態を示すブロック図である。 実施形態の動作例の概念を説明する図である。 実施形態の計測対象である立体物の例を示す斜視図である。 実施形態において計測装置で生成される画像の例を示す図である。 実施形態において一部の面を自動的に抽出する原理を説明する図である。 実施形態における立体物の例を示す斜視図である。 実施形態において頂点を検証する原理を説明する図である。 レイアウトシミュレータの構成例を示すブロック図である。 実施形態における仮想空間の例を示す斜視図である。
図1に示すように、以下に説明する3次元モデル生成装置1は、複数の面3(図2参照)を備える立体物30(図2参照)の3次元計測を行う計測装置20と、立体物30のモデルの情報を生成するモデリング装置10とを備える。
本実施形態は、図3に示すように、複数の面3を備える立体物30として建物の内部に設けられた部屋を想定している。すなわち、本実施形態は、部屋の内面に着目する。ただし、立体物30は建物の内外のどちらであってもよく、また建物以外の立体物30であっても、以下に説明する技術は適用可能である。
図1において、3次元計測を行う計測装置20は、いわゆる3Dレーザスキャナである。3Dレーザスキャナは、ビーム状のパルスレーザを立体的に走査し、パルスレーザを照射した部位の3次元の座標値を出力するように構成されている。3次元の座標値を求めるために、計測装置20は、時間経過に伴って強度が周期的に変化する強度変調光を投光し、強度変調光を投光した空間からの反射光を受光する。そして、計測装置20は、投光時と受光時との強度変調光の位相差を検出し、この位相差から強度変調光の飛行時間を求めるように構成されている。以下、パルスレーザを単にレーザという。
本実施形態で用いる3Dレーザスキャナは、設置された面と平行な面内で回転する測定部(図示せず)を備える。また、測定部は、回転したそれぞれの位置において、設置された面に直交する面内でレーザを走査(スキャン)するように構成されている。
3Dレーザスキャナが床面に設置されている場合、3Dレーザスキャナは、測定部が床面に平行な面内で回転する間に、床面の一部を除く部屋の全範囲にレーザを照射する。したがって、レーザは、測定部を中心として様々な向きに照射される。すなわち、ビーム状のレーザが立体的に走査される。ただし、レーザが照射される向きとして、測定部を支持する部材に向かう向きは除外される。したがって、測定部は、床面において3Dレーザスキャナが設置されている部位の周囲にはレーザを照射しない。
3Dレーザスキャナは、照射したレーザが立体物30で反射して計測装置20に返ってくるまでの位相差を計測する。3Dレーザスキャナは、計測した位相差を、立体物30においてレーザを反射した部位までの距離に換算する。さらに、3Dレーザスキャナは、レーザを照射した向きと、レーザを反射した部位までの距離とによって、立体物30においてレーザが照射された位置を特定する。レーザを照射した向きとレーザを反射した部位までの距離とによって特定された位置は極座標(すなわち、球座標)系の座標値で表される。
計測装置20は、立体物30において、レーザが照射された位置ごとに座標値を出力する。すなわち、立体物30に関する座標値は離散的に得られる。以下では、座標値が得られる位置を「測定点」と呼ぶ。また、計測装置20から出力される3次元の座標値に関するデータを第1のデータと呼ぶ。上述した動作では、計測装置20は、パルスレーザを投光し、立体物30などにおいてパルスレーザを反射した部位を測定点として、測定点の3次元の座標値を出力する。
測定点は、極座標系の座標値で表されているから、近距離ほど密度が高くなり、遠距離ほど密度が低くなる。ここで、2次元の平面に正方格子を設定し、この正方格子の格子点をそれぞれ測定点に対応させると、隣接する測定点の間隔は、近距離の測定点では広がり、遠距離の測定点では狭まる。
さらに計測装置20は、3次元計測を行うだけではなく、立体物30を撮像する機能を備えている。そのため、計測装置20は、CCDイメージセンサあるいはCMOSイメージセンサのような固体撮像素子と、固体撮像素子の前方に配置された広角の光学系とを備える。計測装置20は、たとえば、設置面と平行な面内で測定部を2周させ、1周目ではレーザを用いて立体物30に関する3次元の座標値を求め、2周目では立体物30を撮像するように構成される。
計測装置20が広角の光学系を備えているから、被写界深度が深くなり、立体物30までの距離が変化しても光学系の焦点を調節することなくピントの合った像が得られる。ただし、第1のデータと同じ範囲を1つの画像に納めることはできないから、計測装置20は、測定部が移動する期間に複数枚(たとえば、100枚程度)の画像を撮像し、撮像した複数枚の画像をつなぎ合わせる。
撮像された画像は、モノクロの濃淡画像であってもよいが、以下では、カラー画像であって、たとえば、赤、緑、青の各色の輝度のデータを出力する場合を想定している。以下では、カラー画像のデータを色情報と呼ぶ。また、計測装置20から出力される画像のデータを第2のデータと呼ぶ。第1のデータと第2のデータとを出力可能な計測装置20としては、上述した3Dレーザスキャナのほかに、キネクト(登録商標)などが知られている。
計測装置20は、カラー画像における画素の値である第2のデータを、第1のデータに対応付ける機能を有している。言い換えると、計測装置20は、測定点ごとに色情報を対応付ける機能を有している。計測装置20は、測定部からレーザを照射する向きと、カラー画像を撮像する際の視野とを用いて、カラー画像において測定点に対応する画素を抽出し、その画素の色情報を測定点の座標値に対応付ける。
このようにして得られた画像は、たとえば、図4のように歪んだ画像になる。このような歪んだ画像になるのは、上述したように、測定点を2次元の平面に展開していることにより、隣接する測定点の間隔が、近距離の測定点では広がり、遠距離の測定点では狭まるからである。
上述のように、計測装置20は、立体物30の3次元形状に関する第1のデータと、立体物30の色情報に関する第2のデータとを生成する。また、上述のように、第2のデータは、第1データである測定点の3次元の座標値と対応付けられる。つまり、図4に示す2次元の画像を構成する画素は、測定点に一対一に対応し、3次元の座標値の情報と色情報とを持つことになる。言い換えると、カラー画像の特定の画素を選択すると、測定点を選択したことと等価であり、当該画素に対応した第1のデータが抽出される。
なお、計測装置20は、ビーム状のパルスレーザを照射する構成に限定されず、線状、縞状、格子状などのパターンを投影する構成を採用してもよい。計測装置20は、強度変調光の反射光をエリアイメージセンサで受光し、エリアイメージセンサの出力から画素の値が距離値である距離画像を生成する距離画像センサであってもよい。また、計測装置20は、強度変調光を用いずに投光から受光までの飛行時間を計測してもよい。あるいは、飛行時間を計測するのではなく、ステレオ画像法のような三角測量法の原理を用いる構成などを採用してもよい。
また、計測装置20が第1のデータをステレオ画像法で計測する構成である場合、第1のデータを計算するための濃淡画像あるいはカラー画像から得られた画素の値を第2のデータに用いることが可能である。計測装置20が強度変調光を用いて計測する構成である場合、反射光の受光強度に応じた濃淡画像を第2のデータに用いることが可能である。この構成では、反射光の受光強度が、強度変調光の1周期または複数周期にわたって積算されることにより、時間経過に伴う反射光の強度の変化が除去される。
なお、計測装置20は、第1のデータのみを出力する構成であってもよい。また、計測装置20は、極座標系の座標値を、計測装置20に定めた直交座標系の座標値に換算する機能を有していてもよい。計測装置20の座標系は、立体物30の配置に依存することなく設定される。たとえば、z軸が鉛直方向に定められ、基準点が海抜0mに定められる。あるいは、計測装置20を設置した平面がxy平面に定められる構成でもよい。
ここに、計測装置20がレーザの飛行時間に基づいて求めた測定点の座標値を出力するだけではなく、レーザの受光強度を併せて出力するように構成されていれば、測定点の座標値を第1データとし、レーザの受光強度を第2データとして用いることも可能である。レーザの受光強度は、レーザが照射された部位におけるレーザの吸収率、拡散性、距離などに依存するが、レーザの受光強度を画素の値とする画像を生成すると、濃淡画像に類似したグレースケールの画像が生成される。すなわち、計測装置20がレーザの受光強度の情報を出力する場合、この情報を第2のデータとして用いることが可能である。
第1のデータと第2のデータとを対応付ける処理は、計測装置20ではなく、後述するモデリング装置10が行ってもよい。また、モデリング装置10は、極座標系の座標値を直交座標系の座標値に変換する機能を有していてもよい。要するに、第1のデータと第2のデータとを対応付ける処理と、極座標系から直交座標系への座標変換の処理とは、計測装置20とモデリング装置10とのどちらで行ってもよい。以下では、立体物30に関して、直交座標系の座標値が得られた後の処理を説明する。
なお、計測装置20がレーザの受光強度の情報を出力し、この情報を第2のデータとして用いる場合、座標値を取得する際のレーザの情報で受光強度の情報も取得可能である。そのため、第2のデータを別途に取得する必要がなく、第1のデータと第2のデータとの対応付けが不要になる。
本実施形態において、立体物30は部屋であるから、立体物30は、図3に示すように、床面31と天井面32と壁面33とを備える。したがって、計測装置20は、立体物30の内側空間に関する第1のデータおよび第2のデータを出力する。なお、第1データは直交座標系の座標値で表され、第2データは第1データの測定点に対応付けられていると仮定する。以下、床面31と天井面32と壁面33とを区別しない場合には、単に面3と記載する。天井面32は、床面31と平行ではない場合もあるが、ここでは、天井面32が床面31と平行である場合を想定する。
計測装置20の視野(計測範囲)は比較的広いが、計測を1回行うだけでは、立体物30について内側空間の全体を計測することはできない。もちろん、計測の目的によっては、立体物30の内側空間のうちの着目する一部のみを計測すればよいことがあり、この場合は、計測を1回行うだけでも目的を達成できる場合がある。
一方、本実施形態は、立体物30について内側空間の全体を計測することを想定している。そのため、計測装置20は、配置および向きを変えて計測を複数回行う。計測装置20の機能については詳述しないが、計測装置20は、複数回の計測により得られた第1のデータおよび第2のデータを、測定点の属性に基づいて重複なくつなぎ合わせる機能を有している。したがって、複数回の計測において、計測装置20を適正に配置すれば、計測装置20から出力される第1のデータおよび第2のデータは、立体物30の全面に関する情報を含むことになる。
モデリング装置10は、計測装置20から取得したデータを用いて立体物30のモデルを生成する。立体物30のモデルは、たとえばワイヤフレームモデルが用いられる。ワイヤフレームモデルは、立体物30の表面形状を表すために、立体物30の表面上の点を線分で結んだデータ構造のモデルである。ただし、モデルは、サーフェイスモデルなどであってもよい。モデリング装置10は、モデルを用いて、立体物30に関する各種情報を抽出する機能を備えていてもよい。また、モデリング装置10に、立体物30のコンピュータグラフィックスである仮想空間における面3の表面属性を変化させる機能、仮想空間に物品34を配置する機能などが付加されると、レイアウトシミュレータとして機能させることも可能である。これらの構成については後述する。
モデリング装置10の機能を実現するために、モデリング装置10は、プログラムに従って動作するコンピュータを用いて構成される。コンピュータは、入力装置18としてキーボード、ポインティングデバイスを備え、出力装置17としてディスプレイ装置を備えることが望ましい。また、コンピュータは、入力装置18としてのタッチパネルが出力装置17であるディスプレイ装置と一体化されたタブレット端末あるいはスマートフォンなどでもよい。
また、これらの汎用のコンピュータではなく、コンピュータは、専用に設計されていてもよい。さらに、コンピュータは、コンピュータサーバ、あるいはクラウドコンピューティングシステムであってもよい。利用者は、コンピュータサーバあるいはクラウドコンピューティングシステムとの通信が可能な端末装置を用いて、以下に説明する機能を享受するようにしてもよい。
プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体により提供されるか、インターネットのような電気通信回線を通して提供される。このプログラムは、コンピュータを以下の機能を備えたモデリング装置10として機能させる。
モデリング装置10は、図1のように、計測装置20から第1のデータおよび第2のデータを取得する取得部11を備える。取得部11は、第2のデータを取得することが望ましいが、第1のデータのみを取得するように構成されていてもよい。モデリング装置10は、取得部11が取得した立体物30に関する第1のデータを用いて立体物30のモデルを生成するモデル化部14を備える。
ここに、立体物30は部屋であるから、面3の一部は、計測装置20から見て家具、設備などの背後に隠れている場合があり、隠れている部位については計測することができない。そのため、本実施形態のモデリング装置10は、面3の一部を計測することにより得られる情報と、面3に関する知識(すなわち、規則ないし法則)とを用いて、面3の全体形状を推定し、面3の全体形状から立体物30の全体形状を推定する。
面3に関する知識は、面3の形状に関する知識と、異なる面3の配置に関する知識とを含む。面3の形状に関しては、「建物の部屋は平面の集合で囲まれている」という知識を用いる。面3が平面ではない場合、面は比較的簡単な曲面(断面U字状、半球状など)を用いることが可能であるが、本実施形態では、面3が平面である場合を想定する。異なる面3の配置に関しては、「隣接する面3の境界線は、隣接する面3の交線に含まれる」という知識を用いる。さらに、面3が平面であるから、「境界線の一端である頂点は、3枚の面3に共有される」という知識が用いられる。
これらの知識から、立体物30のモデルは、立体物30を構成するそれぞれの平面の角に相当する頂点と、2つの頂点を結ぶ線分とによって表されることがわかる。立体物30のモデルを生成するには、計測装置20から出力された第1のデータあるいは第2のデータを用いて面3が特定されなければならない。すなわち、モデリング装置10は、面3を特定し、かつ特定した面3に属する複数個(3個以上)の測定点における第1のデータを用いて、特定した面3を表す数式を生成する面抽出部12を備える。本実施形態では、面3は平面を想定しており、面3を表す数式は後述するように平面式になる。
また、モデリング装置10は、面抽出部12が生成した数式を用いて3枚の面3が共有する頂点を抽出する頂点抽出部13を備える。モデリング装置10に設けられたモデル化部14は、面抽出部12が生成した数式と、頂点抽出部13が抽出した頂点とを用いて立体物30を表すモデルの情報を生成する。モデル化部14は、面抽出部12が生成した数式を用いて隣接する2枚の面3が共有する交線を2枚の面3の境界線として抽出する。すなわち、モデル化部14は、2枚の面3が共有する交線上の2つの頂点を端点とし、2つの端点に挟まれた線分を2枚の面3の境界線とする。
この場合、モデル化部14は、境界線の集合で表されるモデルの情報を生成する。つまり、モデル化部14は、モデルの各頂点の座標値、および各頂点を端点とする境界線を対応付けたワイヤフレームモデルを記憶する。モデル化部14は、頂点と境界線とで表されるワイヤフレームモデルを生成するほか、面3を表す数式と、それぞれの面3に含まれる頂点とを用いて立体物30のモデルを表す構成であってもよい。
ディスプレイ装置の画面に描画を行うプログラムに、モデル化部14が記憶した情報を引き渡すと、ディスプレイ装置の画面に、立体物30のモデルが描画される。モデルは、3次元の座標値を用いて形成されるから、立体物30のコンピュータグラフィックスによる仮想空間が形成される。
ところで、面抽出部12は、入力装置18を用いてすべての面3を利用者が特定する構成と、第1のデータの属性に着目し、床面31または天井面32のような少なくとも一部の面3を自動的に特定する構成との少なくとも一方が採用される。
利用者が面3を特定する構成は、第2のデータにより形成されるカラー画像を出力装置17であるディスプレイ装置に表示する機能と、カラー画像において入力装置18で指定された領域を面3が存在する領域として認識する機能とにより実現される。
ただし、出力装置17の画面に表示されるカラー画像は、上述したように歪みが比較的大きい画像になる(図4参照)。このような画像では、面3の境界線に傾きや歪みが生じ、未熟者にとって面3を見分けることは容易ではない。本実施形態では、出力装置17の画面にカラー画像を表示している。したがって、利用者は、面3の色情報を面3の種類を識別する判断材料に用い、面3を比較的容易に見分けることが可能になる。
出力装置17の画面に立体物30の全体を示すカラー画像が表示されている状態で、入力装置18は、カラー画像における所望の領域を指定することが可能になる。利用者が面3を指定する際、適宜形状の選択枠を出力装置17の画面に表示し、指定しようとする面3の範囲内に選択枠が含まれるように選択枠を移動させることが望ましい。選択枠は、種々の形状が考えられるが、四角形、三角形、楕円形などの単純な形状を用いることが望ましい。
上述のように、利用者が入力装置18を用いて面3の範囲内に選択枠を設定することにより、出力装置17に表示された画像に対して、面3に属する測定点の抽出範囲が選択枠によって対話的に入力される。つまり、利用者は、出力装置17の画面に表示されている画像を見て、入力装置18を操作することにより、部屋を囲むすべての面3(床面31、天井面32、個々の壁面33)に対して選択枠を設定する。
面抽出部12は、選択枠の範囲内で選択枠の輪郭との相対位置があらかじめ定められている3個の測定点について第1のデータを抽出する。第1のデータは、3次元の座標値であるから、同一平面に含まれる3個の座標値が得られることによって、選択枠で設定された3個の測定点を通る平面の式が一意に決定される。要するに、3個の測定点を含む平面を表す数式が求められる。
なお、面抽出部12が用いる3個の測定点を定める際には、必ずしも選択枠を設定しなくてもよい。たとえば、入力装置18として、マウスあるいはタッチペンのようなポインティングデバイスを用いる場合、入力装置18を用いて3個以上の測定点を順に選択してもよい。
面3を表す数式は、ax+by+cz+d=0で表される平面式が用いられる。面抽出部12が1つの面3を定めるために抽出する3個の測定点A、B、Cの座標値を、(Ax,Ay,Az)、(Bx,By,Bz)、(Cx,Cy,Cz)とすると、上述した平面式のパラメータa、b、c、dは、次のように定められる。a=(By−Ay)(Cz−Az)−(Cy−Ay)(Bz−Az)、b=(Bz−Az)(Cx−Ax)−(Cz−Az)(Bx−Ax)、c=(Bx−Ax)(Cy−Ay)−(Cx−Ax)(By−Ay)、d=−(Ax+bAy+cAz)。
面抽出部12が抽出した3個の測定点A、B、Cの座標値を用いると、上述の計算によって平面式が求められるが、座標値には測定誤差が含まれている可能性がある。そこで、面抽出部12が抽出した3個の測定点A、B、Cの座標値ではなく、測定点A、B、Cごとに、周囲の所定範囲に含まれる測定点の座標値を求め、求めた座標値の中央値(メジアン)あるいは平均値を、数式を求めるための座標値に用いることが望ましい。
さらに、得られた平面式で定められる平面を候補面とし、候補面から所定の距離範囲内に存在する測定点を用いて面3の数式を決定すると、さらに精度よく面3の数式を定めることができる。面3の数式を決定するために用いられる測定点の存在範囲は、候補面からの距離が±10mm以下の範囲内に設定され、望ましくは、±数mm以下に設定される。面3の数式を決定するために用いられる測定点は、取得部11が取得したすべての測定点を母集合として、この母集合のうち候補面から所定距離の範囲内に存在する測定点を用いる。ただし、取得部11が取得したすべての測定点を母集合にすると、誤差の原因になる測定点が含まれやすくなるから、上述した選択枠の内側に存在する測定点のみを母集合に用いてもよい。
ここで、面抽出部12は、面3の数式を求めるために、母集合から抽出された測定点に当て嵌まる平面式のパラメータa、b、c、dを、ロバスト推定によって求める。ロバスト推定は、最小二乗法によって数式を決定する際に、残差の大きい異常値の影響による結果の大きいずれを抑制するために採用されている。ここでは、ロバスト推定の方法として、Turkeyのバイウェイト法が採用される。
すなわち、面3の数式を求める場合、残差が所定値以下である測定点に残差が所定値を超える測定点よりも大きい重み係数を適用した後に、最小二乗法で平面式を決定する。重み係数は、たとえば2(つまり、他の測定点に対して2倍の重み係数)に設定する。要するに、面3の数式に対する寄与度に応じた重み係数を測定点に適用することによって、残差の大きい異常値によって面3の数式が大きくずれないようにし、ロバストな平面推定が可能になる。
なお、面抽出部12は、ロバスト推定に代えて、他の方法で平面式を求めてもよい。たとえば、面抽出部12は、3個の測定点を用いて平面式を求める処理を様々な測定点について行うことにより複数の平面式を求め、これらの複数の平面式の平均を、採用する平面式として決定してもよい。すなわち、面抽出部12は、複数の平面式についてパラメータa、b、c、dをそれぞれ求め、パラメータごとの平均値をパラメータとした平面式を採用すればよい。あるいはまた、面抽出部12は、重み係数を用いない最小二乗法によって平面式を決定することが可能である。
上述した構成例は、利用者が出力装置17と入力装置18とを用いることにより、平面に含まれる測定点の抽出範囲を、利用者が対話的に入力している。一方、以下に説明するように、床面31および天井面32に含まれる測定点は、利用者が測定点の抽出範囲を指示しなくとも、第1のデータを用いて自動的に抽出することが可能である。
ここに、3次元の直交座標系におけるz軸方向は鉛直方向、あるいは計測装置20が設置された面に直交する方向に定められていると仮定する。スロープを形成する場合を除くと、床面31は鉛直方向に直交するように施工されるのが一般的であるから、計測装置20を床面31に設置する場合、鉛直方向と床面31に直交する方向とは実質的に等価である。加えて、本実施形態では、天井面32が床面31と平行である場合を想定している。
上述した条件の下では、床面31と天井面32とに対応した測定点は、z軸方向の座標値が等しくなる。すなわち、z方向の座標値が等しい測定点の度数を求めると、図5に示すように、床面31と天井面32とに対応する測定点の度数は、他の測定点の度数に対して顕著に大きくなると予想される。
そこで、面抽出部12は、z軸に沿って分割した複数の区間を設定し、区間ごとに測定点の度数を求め、度数が所定の基準値を超える場合に、床面31または天井面32であると判断する。すなわち、基準値を適正に設定することにより、度数が基準値を超える区間は2区間のみになり、一方の区間が床面31のz座標の範囲を表し、他方の区間が天井面32のz座標の範囲を表すとみなせる。実際には、2区間のうち実空間において下側に位置する区間が床面31に対応し、上側に位置する区間が天井面32に対応する。
ここに、床面31または天井面32に段差が存在する場合、あるいは家具が配置されている場合に、床面31または天井面32の度数が減少する可能性があり、3区間以上で度数が基準値を超える可能性がある。そこで、面抽出部12は、度数が基準値を超える区間のうち、z軸方向においてもっとも下側である区間を床面31の条件を満たす区間と判断し、この区間に含まれる第1のデータを床面31に属すると判断する。
また、面抽出部12は、度数が基準値を超える区間のうち床面31よりも上方の区間が天井面32の条件を満たす場合に、この区間に含まれる第1のデータを天井面32に属すると判断する。天井面32の条件は、たとえば、床面31の条件を満たす区間との距離が許容範囲内であるという条件、天井面32の候補のうち度数が最大であるという条件などが用いられる。また、度数が基準値を超える区間のうち、実空間においてもっとも上に位置する区間であることを、天井面32の条件に用いてもよい。
床面31と天井面32とに属する第1のデータが定まると、z軸方向の座標値が床面31と天井面32との間である第1のデータは、壁面33に属する第1のデータの候補になる。そこで、壁面33の候補である第1のデータを評価すれば、壁面33と他の物品との識別が可能である。詳述はしないが、たとえば、第1のデータについて同一平面に属しているか否かを評価し、平面ごとに第1のデータの度数を求め、さらに、計測装置20からの距離を補助的な情報として用いることにより、壁面33と家具などとを分離することが可能である。なお、壁面33には種々の形状があり、床面31あるいは天井面32のように自動的に抽出することが難しい場合もある。そのため、壁面33は、利用者が入力装置18を用いて面3を指定してもよい。
ところで、床面31には、床下収納庫の蓋、床下点検口の蓋、敷物、家具、観葉植物などが設けられることがあり、天井面32には、照明器具などが存在することがあり、壁面33にはカーテン、窓などが存在することがある。つまり、各面3には、面3を抽出するためには不要な物体が存在することがあり、また、リフォームなどの際に注意すべき部材が配置されていることがある。これらの物体あるいは部材に含まれる測定点は、面抽出部12で特定の面3に属する測定点として用いることができないから、測定点の抽出範囲から除外することが望ましい。
そのため、モデリング装置10は、指定された範囲の色情報を持つ第2のデータを抽出して出力装置17の画面に表示させる色抽出部123を備えることが望ましい。色抽出部123は、取得部11が取得した第2のデータのうち、上述したような物体あるいは部材の色について特定の色情報を除外し、床面31、天井面32、壁面33が抽出されるように、抽出する色情報の範囲が設定可能になっている。
なお、色抽出部123は、床面31と天井面32と壁面33とを、出力装置17に個別に表示するように色情報の範囲を定めるようにしてもよい。色抽出部123において抽出すべき色情報の範囲は、あらかじめ設定されていることが望ましいが、カーソルが位置している部位の色情報を抽出する構成を採用してもよい。カーソルが位置する部位の色情報を抽出する場合、異なる面3に属する複数の測定点の色情報が抽出可能であって、かつ測定点ごとの色情報に対してそれぞれ色差が所定範囲内である色情報が抽出可能であることが望ましい。色抽出部123がこのように構成されていれば、床面31と天井面32と壁面33とに対応する色情報を持つ測定点を一括して抽出し、他の色情報を持つ測定点を除外することが可能になる。
また、上述した色抽出部123は、抽出する測定点の色情報を指定するように構成されているが、除外する測定点の色情報を指定するように構成されていてもよい。
色抽出部123は、上述したように、第2のデータから得られる色情報を用いることにより、床面31、天井面32、壁面33とは異なる物体あるいは部材に関する測定点を大まかに識別することが可能である。たとえば、家具、観葉植物などの物体が、床面31、天井面32、壁面33とは異なる色であれば、色抽出部123は、これらの物体あるいは部材に対応する測定点を色情報によって除外することが可能になる。
そのため、利用者が入力装置18を用いて測定点の抽出範囲を指定する際に、選択枠の位置が決めやすくなる。また、部屋のリフォームなどの際に注意すべき場所が出力装置17の画面上でただちに確認することができるから、リフォーム用の部材を調達する際などに注意が喚起されることになる。
なお、窓や出入口のような開口部を、モデルに付加する場合、出力装置17の画面上に開口部を囲む枠が表示されるように入力装置18を操作し、この枠を開口部に合致させるように、枠の大きさを調節すればよい。枠を開口部に一致させる処理は、枠の設定のみを手作業で行うだけで、以後の処理を自動化することが可能である。枠を開口部に合致させる作業は、一般的なドロー系グラフィックソフトと同様に行えばよい。たとえば、矩形状の枠を画面に表示させ、マウスのクリックによって枠を選択した状態で、枠全体のドラッグによって画面上で開口部の位置に枠を移動させることができる。また、マウスのクリックによって枠を選択した状態で、枠の一部のドラッグにより枠を縦横に伸縮させ、枠を開口部に一致させるように大きさを調節することができる。
上述のように、面抽出部12が、床面31、天井面32、壁面33をそれぞれ表す数式を生成すると、頂点抽出部13は、たとえば、床面31と2枚の壁面33とが共有する頂点、天井面32と2枚の壁面33とが共有する頂点を抽出する。また、天井面32が傾斜して天井面32の一部が床面31に接している場合には、頂点抽出部13は、床面31と天井面32と壁面33とが共有する頂点を抽出し、床面31に段差があれば段差を形成する2面と壁面33とが共有する頂点を抽出する。すなわち、頂点抽出部13は、立体物30について3枚ずつの面3が共有する頂点を抽出する。
頂点抽出部13が3枚ずつの面3が共有する頂点を求める際に着目する3枚の面3を選択する方法には、利用者の手作業による方法と、自動的に行う方法とがある。
利用者が手作業で面3を指定する場合、頂点抽出部13は、面抽出部12を構成している出力装置17に第2のデータによる画像が表示されている状態において、頂点を抽出する対象である面3を入力装置18から対話的に入力させる。この場合、たとえば、利用者は、出力装置17の画面に表示された画像上で、頂点の座標値を求めようとする3枚の面3にそれぞれカーソルを合わせ、各面3を選択する操作(マウスのクリック、リターンキーの押下など)を行えばよい。
なお、面抽出部12に平面式を生成させるための3点以上の測定点を選択する際に、測定点を指定する面3の順序にルールを定めておけば、頂点を抽出する面3を入力装置18から入力する処理を省略することが可能である。つまり、このようなルールが定められていると、頂点を抽出する面3を指定する作業を、測定点の指定と同時に行うことが可能である。たとえば、床面31、天井面32、壁面33の順に平面式を求めるための測定点を指定し、さらに壁面33については右回りで測定点を指定するというルールを定めておけばよい。
頂点抽出部13は、選択された3枚の面3をそれぞれ表す3個の数式を連立方程式として扱い、この方程式の解を算出する。得られた解は、3枚の面3に共通する頂点を表す3次元の座標値になる。この手順が立体物30のすべての頂点が求められるまで繰り返されると、立体物30のすべての頂点について3次元の座標値が算出される。
一方、3枚ずつの面3を自動的に選択する場合、頂点抽出部13は、面抽出部12で求められたすべての面3について3枚ずつの面3の組み合わせを行い、それぞれの組み合わせについて得られる3個の数式を連立方程式として扱い、この方程式の解を算出する。ここで得られる解は、立体物30が直方体のような単純な形状である場合には、立体物30の頂点に関する3次元の座標値になる。単純な形状とは、解が得られる組み合わせと、頂点の個数とが一致する形状を意味する。たとえば、直方体は、3枚ずつの面3の組み合わせが20通りであり、そのうち解が得られる組み合わせは8通りであって、頂点の個数が8個であるから、単純な形状と言える。
立体物30が直方体のような単純な形状ではない場合には解の個数と頂点の個数とが一致しないことがある。たとえば、立体物30が、図6に示す形状の壁面33を有した部屋を想定する。つまり、図7Aに示すようなL字状に形成された部屋であって、壁面33が4面ではなく6面であるような場合を想定する。この場合、頂点の個数は12個であるが、3枚ずつの面3の組み合わせが56通りであり、そのうち解が得られる組み合わせは18通りになる。すなわち、得られた解のうち6個は、実在しない座標値を表していることになる。このように、立体物30の形状によっては、面抽出部12が抽出したすべての面3を機械的に3枚ずつ組み合わせることにより算出すると、立体物30の頂点として実在しない座標値が算出される可能性がある。
実在しない頂点を除外するために、図1に示すモデリング装置10は検証部131を備えている。検証部131は、頂点抽出部13が計算によって機械的に抽出した頂点が、実在する頂点か否かを検証し、実在しない頂点は除外する処理を行う。検証の処理は、頂点抽出部13が抽出した頂点のそれぞれについて、各頂点を共有する3枚の面3の中に測定点が存在するか否かを判断する処理であり、少なくとも1枚の面3に測定点が存在しない場合は、当該頂点を除外する。
ただし、測定点の誤差によって面3に測定点が含まれない可能性がある。そのため、測定点が面3に含まれているか否かの判断には許容範囲が設定される。具体的には、検証部131は、許容範囲に応じた距離範囲を定めており、測定点が面3からこの距離範囲内に存在していれば、該当する測定点は面3に含まれると判断される。
図7Aに示すように床面31がL字状である部屋(立体物30)では、壁面33を表す数式から得られる解は、図7Bのように、部屋に実在する頂点35のほかに、仮想の頂点36、37を表すことになる。頂点36は、壁面33を部屋の外側に延長することによって計算上で得られ、頂点37は、壁面33を部屋の内側に延長することによって計算上で得られる。
検証部131は、計算上で得られたすべての頂点35、36、37について、各頂点を共有する3枚の面3について、それぞれ測定点が存在するか否かを判断する。図示例において、部屋の外側にある仮想の頂点36を共有する面は部屋の外側に形成される仮想の面38のみであり、面38の中に測定点は存在しないから、頂点36は除外される。同様に、部屋の内側にある仮想の頂点37を共有する面は実在する壁面33と部屋の内側に形成される仮想の面39とであり、面39の中に測定点は存在しないから、頂点37は除外される。
モデル化部14は、頂点抽出部13で得られた頂点を結ぶ直線であって、隣接する2枚の面の交線に沿う直線を境界線に定め、立体物30を境界線の集合で表したモデルを生成する。また、モデル化部14は、頂点についての3次元の座標値と、境界線により結ばれる頂点の組の情報をモデルの情報として記憶する。
モデル化部14が記憶しているモデルの情報を用いて、コンピュータグラフィックスの技術により、立体物30をモニタ装置41(図8参照)の画面に表示させると、3次元の情報を持つ仮想空間がモニタ装置41に表示される。ここに、モニタ装置41は、出力装置17と兼用されることが望ましいが、出力装置17とモニタ装置41とは別に設けられてもよい。
また、モデル化部14がモデルの情報を記憶しているから、モデルにおける境界線上にある頂点間の距離を求めることができる。すなわち、立体物30について計測装置20が3次元計測を行った結果である第1のデータを用いて境界線上にある頂点の3次元の座標値が求められているから、頂点の座標値を用いることによって、実空間における頂点間の距離を容易に求めることができる。すなわち、モデリング装置10は、頂点の座標値を用いて境界線のそれぞれの寸法を求める寸法算出部15を備えることが望ましい。さらに、モデリング装置10は、立体物30に関して寸法算出部15が求めた寸法を適用した図面を記述するための情報を生成する図面生成部16を備えることが望ましい。寸法算出部15が算出した寸法の数値は、図面生成部16が生成する図面に反映される。
図面生成部16は、立体物30を展開し、かつ寸法算出部15が求めた寸法が記入された寸法図であることが望ましい。また、立体物30が部屋であって、内壁の内側面に、壁紙、断熱シート、防音シートなどを追加して施工しようとする場合に、施工する部材の寸法を記述した割付図を作成してもよい。割付図では、施工する部材の厚み寸法を考慮して部材を取り付ける位置も記述される。さらに割付図を作成するには、後述する部材の質感や色調を含むように、面3に属性を与えてもよい。
なお、上述した例では、面3に含まれることが確実である測定点を用いて面3を表す数式が生成され、数式を用いた計算によって立体物30のモデルが生成されている。そのため、モデル化部14が生成したモデルは、立体物30を除く物体あるいは立体物30に形成された開口部などを含んでいない。割付図では、これらの情報も必要であるから、図面生成部16は、利用者が操作装置(入力装置18と兼用されていてもよい)を用いて図面を加工することを許容することが望ましい。
また、上述した構成例では、天井面32と床面31とが平行である場合を想定しているが、入力装置18を用いて面3を指定する場合には、天井面32と床面31とは平行ではなくてもよい。たとえば、天井板を用いずに屋根裏が露出している天井では、天井面32は床面31に対して傾斜する。あるいはまた、天井面32が屋根勾配に沿って傾斜し、天井面32の下端と床面31とが境界線を形成する部屋もある。床面31が傾斜する場合は少ないが、床面31に段差が形成されているような場合、床面31は1枚の壁面33との間に3以上の頂点を形成する場合がある。
上述のような形状の部屋であっても、頂点抽出部13は床面31と天井面32と壁面33とのうち隣接する3面が共有する頂点を抽出することが可能である。したがって、モデル化部14は、平面式と頂点とを用いて立体物30を表すモデルの情報を生成することが可能になる。すなわち、モデル化部14は、傾斜した天井面32についてもモデルを生成することが可能であるから、図面生成部16は、この種の天井面32に断熱材を施工する場合の割付図を作成することが可能になる。
さらに、上述したモデリング装置10が生成したモデルの情報を用いると、立体物30により形成されるコンピュータグラフィックスの仮想空間に様々な加工を施すことが可能になる。すなわち、図8のように、3Dグラフィックスの技術を用いるレイアウトシミュレータ40を設け、レイアウトシミュレータ40により、モデルに様々な属性を付与することによって、仮想空間の加工が可能になる。
仮想空間に対する加工について一例を挙げると、仮想空間への他の物品の配置、面3の質感あるいは色調の調節などが行えることが望ましい。さらに、レイアウトシミュレータ40は、照明のシミュレーションを行う機能、視点の位置を変化させる機能などを備えていてもよい。
立体物30が部屋である場合を例としているから、レイアウトシミュレータ40は、部屋に家具のような物品を配置する物品配置部43を備えることが望ましい。物品配置部43は、家具のような物品34(図9参照)について既知の3次元のデータを用いて、仮想空間に物品34を配置する。レイアウトシミュレータ40は、仮想空間をモニタ装置41の画面に表示させる表示制御部42を備えており、仮想空間への物品34の配置をモニタ装置41の画面の表示にただちに反映させる。
さらに、レイアウトシミュレータ40は、モデルの面3にテクスチャの情報を貼りつける質感表現部44と、物品34およびテクスチャの位置を含む属性を調節する属性調節部45とを備える。属性調節部45は、物品34および面3の色調を調節する機能も備えることが望ましい。
このレイアウトシミュレータ40は、床面31、天井面32、壁面33の質感あるいは色だけではなく、物品34の種類や配置についてもシミュレーションを行うことが可能になる。そのため、部屋のリフォームを予定しているような場合、リフォーム後の様子をシミュレーションによって想像することが可能になり、顧客に対する説得力を高めることができる。
レイアウトシミュレータ40は、モデリング装置10を構成するコンピュータを流用して構成することが可能であり、また、モデリング装置10を構成するコンピュータとは別のコンピュータを用いて構成することが可能である。また、モデリング装置10と同様に、コンピュータサーバあるいはクラウドコンピューティングシステムにおいて、レイアウトシミュレータ40の機能を実現してもよい。
なお、上述したモデリング装置10は、第2のデータを用いる場合を例としたが、第2のデータは、必ずしも必要ではなく、上述した技術から明らかなように、第1のデータのみでモデルを生成することが可能である。
以上説明したように、本実施形態のモデリング装置10は、取得部11と面抽出部12と頂点抽出部13とモデル化部14とを備える。取得部11は、計測装置20から立体物30に属する複数個の測定点に関する3次元の座標値を第1のデータとして取得する。面抽出部12は、面3ごとに、面3に属する測定点に関する第1のデータを用いて面3を表す平面式を生成する。頂点抽出部13は、面3のうち隣接する複数面をそれぞれ表す平面式を同時に満たす点を算出することにより、前記点を前記複数面が共有する頂点として抽出する。モデル化部14は、前記平面式と前記頂点とを用いて立体物30を表すモデルの情報を生成する。そして、面抽出部12は、一つの面に属する3個の測定点の座標値を用いて得られる平面式で定められる平面を候補面とし、さらに、候補面から所定の距離範囲に存在する複数個の測定点を用いた再計算を行うことにより平面式を決定する。
この構成を採用すると、図2Aに示すように、立体物30の一部が他の遮蔽物30Aに隠れている場合であっても、遮蔽物30Aに隠された面3の境界を推定することが可能になる。その結果、図2Bのように、遮蔽物30Aを除いたモデルの生成が可能になる。また、面抽出部は、候補面を定めた後、候補面に対して所定の距離範囲に存在する測定点を用いた再計算を行うことにより平面式を決定するから、立体物の形状を精度よくモデルで再現できる。とくに、再計算に際して、面抽出部がロバスト推定を行えば、よい精度で平面式を決定することができる。
たとえば、立体物30は、床面31と天井面32と複数の壁面33とに囲まれた部屋である。面抽出部12は、床面31と天井面32と壁面33とをそれぞれ表す平面式を生成することが望ましい。また、頂点抽出部13は、床面31と天井面32と壁面33とのうち隣接する3面が共有する頂点をそれぞれ抽出することが望ましい。モデル化部14は、床面31と天井面32と壁面33とのうち隣接する2面が共有する境界線を定めることが望ましい。
この構成を採用すると、床面31と天井面32と壁面33とが形成する頂点および頂点を結ぶ線分によりモデルが形成される。すなわち、立体物30である部屋と相似形状のモデルが形成される。
計測装置20は、立体物30を撮像した画像の画素の値を測定点ごとに対応付けた第2のデータを出力する機能を有していることが望ましい。計測装置20が第2のデータを出力する構成であれば、面抽出部12は、出力部121と入力部122とを備えることが望ましい。出力部121は、第2のデータを出力装置17の画面に表示させる。入力部122は、出力装置17に表示された画像に対して面3に属する測定点を指定する情報を入力装置18から対話的に入力させる。
この構成を採用すると、利用者は、出力装置17の画面に表示されている画像を見て、入力装置18を操作することにより、手作業によって立体物30を構成するすべての面3に対して選択枠を設定することが可能になる。
また、第2のデータは色情報を含んでいることが望ましい。取得部11は、第2のデータを計測装置20から取得する機能を有し、取得部11が取得した第2のデータから設定された範囲の色情報を持つ第2のデータを抽出して出力装置17の画面に表示させる色抽出部123をさらに備えることが望ましい。
この構成を採用すると、利用者は、出力装置17の画面に表示されている画像の色に基づいて、面3の平面式を求めるための測定点の抽出範囲を決めることができる。言い換えると、面3の平面式を求める際に除去するほうがよい測定点は、色情報を用いて除外することが可能になる。
頂点抽出部13は、出力装置17に画像が表示されている状態において、頂点を共有する複数の面を入力装置18から対話的に入力させることが望ましい。この場合、頂点抽出部13は、入力装置18から入力された面に共通する頂点に関する3次元の座標値を、平面式からなる連立方程式の解を求めることにより算出することが望ましい。
この構成を採用すると、入力装置18を用いて頂点を共有する複数の面が利用者に指定されるから、頂点抽出部13が立体物30から抽出された面を組み合わせて頂点を自動的に求める構成に比較して、頂点抽出部13の処理負荷が軽減される。つまり、モデルを生成するために必要な頂点の座標値を簡単に決めることが可能になる。
また、頂点抽出部13は、面3を3枚ずつ組み合わせて平面式からなる連立方程式の解を求めることにより面を共通にする頂点に関する3次元の座標値を算出する構成を採用してもよい。この構成では、頂点抽出部13が抽出した頂点のそれぞれについて、当該頂点を共有する面3のうちの少なくとも1面に測定点が存在しない場合に、当該頂点を除外する検証部131を備えることが望ましい。
この構成を採用すると、頂点抽出部13が面3を自動的に組み合わせ、連立方程式の解が得られる場合に、該当する解を頂点として自動的に求めることができる。また、頂点抽出部13が自動的に抽出した頂点が実在するか否かを検証部131が検証するから、利用者の負担が少ない。
ところで、第1のデータは、床面31に直交する方向を1つの座標軸とする直交座標系の座標値とすることが望ましい。また、面抽出部12は、この座標軸に沿って分割された区間ごとに測定点が出現する度数を求め、区間のうち度数が所定の基準値を超え、かつ区間が床面の条件を満たす場合に、当該区間に含まれる測定点を床面に属すると判断することが望ましい。
この構成によれば、部屋を構成する面3のうち床面31が自動的に定められるから、床面31を基準にして天井面32および壁面33が容易に抽出される。
部屋は、床面31と天井面32とが平行する構造である場合を想定する。この場合、面抽出部12は、区間のうち度数が所定の基準値を超え、かつ区間が床面31の条件を満たす区間よりも上方であって天井面32の条件を満たす場合に、当該区間に含まれる測定点を天井面32に属すると判断することが望ましい。
この構成によれば、部屋を構成する面3のうち床面31と天井面32とが自動的に定められる。したがって、残りの平面を壁面33として扱うことにより、部屋のモデルを容易に生成することができる。
本実施形態のモデリング装置10は、モデルにおける頂点間の距離を求める寸法算出部15と、立体物30に関して寸法算出部15が求めた距離を適用した図面を記述する情報を生成する図面生成部16とをさらに備えることが望ましい。
この構成のモデリング装置10は、立体物30の図面を自動的に生成し、しかも図面に寸法を入れることができる。この構成では、部屋のリフォームなどの際に、部屋の図面を寸法入りで自動的に作成することが可能になるから、たとえば、リフォーム用の資材の調達が容易になる利点がある。
本実施形態のモデリング方法は、複数の面3を備える立体物30について計測装置20が3次元計測を行うことにより得られた第1のデータに基づいて、モデルを生成する手順を意味する。したがって、このモデリング方法は、まず、複数の面3を備える立体物30の3次元計測を行う計測装置20から、立体物30に属する複数個の測定点に関する3次元の座標値を第1のデータとして取得部11が取得する。次に、このモデリング方法は、面3ごとに、面3に属する測定点に関する第1のデータを用いて面3を表す平面式を面抽出部12が生成する。その後、面3のうち隣接する複数面をそれぞれ表す平面式を同時に満たす点を算出することにより、前記点を前記複数面が共有する頂点として頂点抽出部13が抽出する。さらに、前記平面式と前記頂点とを用いて立体物30を表したモデルをモデル化部14が生成する。面抽出部12は、一つの面に属する3個の測定点の座標値を用いて得られる平面式で定められる平面を候補面とし、さらに、候補面から所定の距離範囲に存在する複数個の測定点を用いた再計算を行うことにより平面式を決定する。
この構成を採用すると、立体物30の一部が他の遮蔽物に隠れている場合でも、遮蔽物に隠された面の境界を推定することが可能になる。その結果、図2Bのように、遮蔽物30Aを除いたモデルの生成が可能になる。また、候補面を定めた後に、候補面に対して所定の距離範囲に存在する測定点を用いて、ロバスト推定により平面式を決定するから、立体物の形状を精度よくモデルで再現できる。
また、上述した本実施形態のレイアウトシミュレータ40は、図8に示すように、表示制御部42と物品配置部43と質感表現部44と属性調節部45とを備える。表示制御部42は、モデリング装置10が生成したモデルの情報を用いて立体物30のコンピュータグラフィックスである仮想空間をモニタ装置41の画面に表示させる。物品配置部43は、仮想空間の所望位置に3次元の情報を持つ立体的な物品34(図9参照)を配置し、質感表現部44は、仮想空間において境界線で囲まれる面にテクスチャの情報を貼り付ける。属性調節部45は、物品34およびテクスチャの位置を含む属性を調節する。
この構成のレイアウトシミュレータ40は、モデルで表された立体物30の表面にテクスチャの情報を貼り付けるから、仮想空間において立体物30の見かけに変化を与えることができる。その結果、部屋のリフォームを検討するような場合に、仮想空間において結果のシミュレーションを行うことが可能になる。
なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。

Claims (15)

  1. 複数の面を備える立体物の3次元計測を行う計測装置から、前記立体物に属する複数個の測定点に関する3次元の座標値を第1のデータとして取得する取得部と、
    前記面ごとに、前記面に属する前記測定点に関する前記第1のデータを用いて前記面を表す平面式を生成する面抽出部と、
    前記面のうち隣接する複数面をそれぞれ表す前記平面式を同時に満たす点を算出することにより、前記点を前記複数面が共有する頂点として抽出する頂点抽出部と、
    前記平面式と前記頂点とを用いて前記立体物を表すモデルの情報を生成するモデル化部とを備え、
    前記面抽出部は、
    一つの面に属する3個の測定点の座標値を用いた第1の計算により得られる平面式で定められる平面を候補面とし、さらに、候補面から所定の距離範囲に存在する4個以上の測定点を用いた第2の計算で平面を定める再計算を行うことにより平面式を決定する
    ことを特徴とするモデリング装置。
  2. 前記第2の計算は、
    前記候補面から前記所定の距離範囲に存在する測定点を用いて最小二乗法で平面式を定める計算と、
    前記候補面から前記所定の距離範囲に存在する測定点を用い、前記候補面からの距離に応じた重み係数を当該測定点に適用した後に、最小二乗法で平面式を定めるロバスト推定による計算と、
    前記候補面から前記所定の距離範囲に存在する測定点を用い、3個ずつの測定点を用いて複数の平面式を求め、前記複数の平面式の平均により平面式を定める計算と、
    から選択される
    請求項1記載のモデリング装置。
  3. 前記立体物は、床面と天井面と複数の壁面とに囲まれた部屋であって、
    前記面抽出部は、前記床面と前記天井面と前記壁面とをそれぞれ表す平面式を生成し、
    前記頂点抽出部は、前記床面と前記天井面と前記壁面とのうち隣接する3面が共有する頂点をそれぞれ抽出し、
    前記モデル化部は、前記床面と前記天井面と前記壁面とのうち隣接する2面が共有する境界線を定める
    請求項1又は2記載のモデリング装置。
  4. 前記計測装置は、前記立体物を撮像した画像の画素の値を前記測定点ごとに対応付けた第2のデータを出力する機能を有し、
    前記面抽出部は、
    前記第2のデータを出力装置の画面に表示させる出力部と、
    前記出力装置に表示された画像に対して前記面に属する前記測定点を指定する情報を入力装置から対話的に入力させる入力部とを備える
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のモデリング装置。
  5. 前記第2のデータは色情報を含み、
    前記取得部は、前記第2のデータを前記計測装置から取得する機能を有し、
    前記取得部が取得した前記第2のデータから設定された範囲の色情報を持つ前記第2のデータを抽出して前記出力装置の画面に表示させる色抽出部をさらに備える
    請求項4記載のモデリング装置。
  6. 前記頂点抽出部は、
    前記出力装置に画像が表示されている状態において、前記頂点を共有する複数の前記面を前記入力装置から対話的に入力させ、
    前記入力装置から入力された前記面に共通する頂点に関する3次元の座標値を、前記平面式からなる連立方程式の解を求めることにより算出する
    請求項4又は5記載のモデリング装置。
  7. 前記頂点抽出部は、
    前記面を3枚ずつ組み合わせて前記平面式からなる連立方程式の解を求めることにより前記面を共通にする頂点に関する3次元の座標値を算出する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のモデリング装置。
  8. 前記頂点抽出部が抽出した前記頂点のそれぞれについて、当該頂点を共有する前記面のうちの少なくとも1面に前記測定点が存在しない場合に、当該頂点を除外する検証部をさらに備える
    請求項7記載のモデリング装置。
  9. 前記第1のデータは、前記床面に直交する方向を1つの座標軸とする直交座標系の座標値であって、
    前記面抽出部は、前記座標軸に沿って分割された区間ごとに前記測定点が出現する度数を求め、前記区間のうち前記度数が所定の基準値を超え、かつ前記区間が前記床面の条件を満たす場合に、当該区間に含まれる前記測定点を前記床面に属すると判断する
    請求項3記載のモデリング装置。
  10. 前記部屋は、前記床面と前記天井面とが平行する構造であって、
    前記面抽出部は、前記区間のうち前記度数が所定の基準値を超え、かつ前記区間が前記床面の条件を満たす区間よりも上方であって前記天井面の条件を満たす場合に、当該区間に含まれる前記測定点を前記天井面に属すると判断する
    請求項9記載のモデリング装置。
  11. 前記モデルにおける頂点間の距離を求める寸法算出部と、
    前記立体物に関して前記寸法算出部が求めた前記距離を適用した図面を記述する情報を生成する図面生成部とをさらに備える
    請求項1〜10のいずれか1項に記載のモデリング装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のモデリング装置と、
    前記計測装置とを備える
    ことを特徴とする3次元モデル生成装置。
  13. 複数の面を備える立体物の3次元計測を行う計測装置から、前記立体物に属する複数個の測定点に関する3次元の座標値を第1のデータとして取得部が取得し、
    次に、前記面ごとに、前記面に属する前記測定点に関する前記第1のデータを用いて前記面を表す平面式を面抽出部が生成し、
    その後、前記面のうち隣接する複数面をそれぞれ表す前記平面式を同時に満たす点を算出することにより、前記点を前記複数面が共有する頂点として頂点抽出部が抽出し、
    前記平面式と前記頂点とを用いて前記立体物を表したモデルの情報をモデル化部が生成し、
    前記面抽出部は、
    一つの面に属する3個の測定点の座標値を用いた第1の計算により得られる平面式で定められる平面を候補面とし、さらに、候補面から所定の距離範囲に存在する4個以上の測定点を用いた第2の計算で平面を定める再計算を行うことにより平面式を決定する
    ことを特徴とするモデリング方法。
  14. コンピュータを、
    複数の面を備える立体物の3次元計測を行う計測装置から、前記立体物に属する複数個の測定点に関する3次元の座標値を第1のデータとして取得する取得部と、前記面ごとに、前記面に属する前記測定点に関する前記第1のデータを用いて前記面を表す平面式を生成する面抽出部と、前記面のうち隣接する複数面をそれぞれ表す前記平面式を同時に満たす点を算出することにより、前記点を前記複数面が共有する頂点として抽出する頂点抽出部と、前記平面式と前記頂点とを用いて前記立体物を表したモデルの情報を生成するモデル化部とを備え、前記面抽出部は、一つの面に属する3個の測定点の座標値を用いた第1の計算により得られる平面式で定められる平面を候補面とし、さらに、候補面から所定の距離範囲に存在する4個以上の測定点を用いた第2の計算で平面を定める再計算を行うことにより平面式を決定する
    モデリング装置として機能させる
    プログラム。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項に記載したモデリング装置が生成した前記モデルの情報を用いて前記立体物のコンピュータグラフィックスである仮想空間をモニタ装置の画面に表示させる表示制御部と、
    前記仮想空間の所望位置に3次元の情報を持つ立体的な物品を配置する物品配置部と、
    前記仮想空間において前記面にテクスチャの情報を貼り付ける質感表現部と、
    前記物品および前記テクスチャの位置を含む属性を調節する属性調節部とを備える
    ことを特徴とするレイアウトシミュレータ。
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