JP2003156333A - 測距装置、並びに、これを用いた室内計測装置及びトータルステーション - Google Patents

測距装置、並びに、これを用いた室内計測装置及びトータルステーション

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JP2003156333A
JP2003156333A JP2001355472A JP2001355472A JP2003156333A JP 2003156333 A JP2003156333 A JP 2003156333A JP 2001355472 A JP2001355472 A JP 2001355472A JP 2001355472 A JP2001355472 A JP 2001355472A JP 2003156333 A JP2003156333 A JP 2003156333A
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irradiation optical
distance
measuring device
optical axes
distance measuring
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Shigeru Aoki
滋 青木
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の測定対象間の位置関係等を簡単に求め
ることができるとともに必ずしも三脚等を要しない、測
距装置を提供する。 【解決手段】 送受信光学系は、複数の照射光軸12a
〜12dを持ち、照射光軸12a〜12dに沿って照射
照射し、各照射光に対応する各反射光を受信する。
距離取得部は、送受信光学系により受信された前記各反
射光に基づいて、各照射光軸12a〜12dの延長上に
存在する各測定対象30a〜30bまでの各距離a〜d
をそれぞれ得る。照射光軸12a〜12dは、所定の基
準平面内又は該所定の基準平面と略平行な平面内に含ま
れ、照射光軸12a〜12dを前記基準平面に写像した
ときに、前記基準平面内で略90゜ずつの角度間隔を持
つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測距装置、並び
に、これを用いた室内計測装置及びトータルステーショ
ン(測角測距儀)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、測量などの分野において、以
下に説明するような測距装置及びこれを有するトータル
ステーションが用いられている。
【0003】この従来の測距装置は、(a)単一の照射
光軸のみを持ち前記照射光軸に沿って赤外光等の光を照
射し、前記照射光軸に沿って照射された照射光に対応す
る反射光を受信する送受信光学系と、(b)前記送受信
光学系により受信された反射光に基づいて、前記照射光
軸の延長上に存在する測定対象までの距離を得る距離取
得部と、を備えたものである。測距の原理は種々知られ
ているが、例えば、距離取得部は、照射光の発光時と測
定対象からの反射光の受光時との時間差に基づいて、測
定対象までの距離を求める。
【0004】従来のトータルステーションは、このよう
な従来の測距装置と、照射光軸の鉛直軸回りの水平角度
と仰俯角度(高度角度)を測定する測角装置とを、組み
合わせたものである。トータルステーションでは、通常
三脚等に搭載して使用されるため、地上からの機械原点
の高さ(機械高)を知る必要がある。従来のトータルス
テーションでは、機械高は測定者によって巻尺等により
測定され、そのデータが操作パネル等の入力装置により
入力されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の測定装置や従来のトータルステーションでは、
単一の照射光軸しか持っていなかったので、複数の測定
対象間の位置関係等(例えば、複数の測定対象間の距
離)を求める場合、順次に、複数の測定対象毎に照射光
軸の方向合わせをして測距する必要がある。このため、
照射光軸の方向合わせに時間と手数を要し、複数の測定
対象間の位置関係等を簡単に求めることができない。ま
た、測定者が、測距により得られた各測定対象までの各
距離を、当該装置に内蔵する演算装置(マイクロコンピ
ュータ等)に順次入力して、演算装置に複数の測定対象
間の位置関係等を演算させなければならず、この点から
も時間と手数を要する。さらに、照射光軸の方向合わせ
を行うためには、回転台や三脚等を要し、装置全体とし
て大型化し重量が増大するとともにコストアップも免れ
ない。
【0006】これらの点について、室内計測の例を挙げ
て説明する。例えば、オフィスや住宅などのインテリア
に関連して、室内の各部の寸法、床面積、壁の面積、部
屋の体積(容積)などを計測することが要請される場合
がある。これらを計測すると、例えば、部屋の図面を書
き起こしたり、必要な絨毯やカーテン等の寸法やタイル
の枚数等を求めたり、室内に配置し得る家具等の選定や
そのレイアウト等を決定したりすることができる。この
ような室内計測のために、前述した従来の測定装置や従
来のトータルステーションを用いる例について、図17
及び図18を参照して説明する。
【0007】図17は、従来の測定装置111による測
定の様子を模式的に示す概略斜視図である。この測定装
置111は、回転台を有する三脚112上に搭載されて
いる。測定装置111に内蔵された送受信光学系(図示
せず)は、1本の照射光軸113のみを持っている。図
18は、従来のトータルステーション114による測定
の様子を模式的に示す概略斜視図である。このトータル
ステーション114の本体115は、三脚116上に搭
載されている。このトータルステーション114に内蔵
された送受信光学系は、1本の照射光軸117のみを持
っている。図17及び図18において、118,119
はそれぞれ測定対象としての室内の互いに対向する壁で
あり、測距装置111及びトータルステーション114
はそれぞれ室内に置かれている。
【0008】図17に示すように、測距装置111を用
いて壁118,119間の距離を測定しようとするとき
には、まず、当該装置111を室内に置いてその照射光
軸113を一方の壁118に向け、当該装置111から
当該一方の壁118までの距離を測定する。この距離は
表示器120に表示され、測定者はこれを見てメモして
おく。次に、当該装置111の向きを180゜変えてそ
の照射光軸113を反対側の壁119に向け、当該装置
111から当該反対側の壁9までの距離を測定する。こ
の距離は表示器120に表示され、測定者はこれを見て
メモしておく。その後、測定装置111に搭載された電
卓機能を用いて、操作パネル121によりメモした壁1
18,119までの距離を入力して両距離を加算させ
る。その加算結果が、対向する壁118,119間の距
離であり、表示器120に表示される。図18に示すよ
うに、トータルステーション4を用いて壁118,11
9間の距離を測定しようとする場合も、同様である。
【0009】このように、従来の測距装置111やトー
タルステーション114を用いて壁118,119間の
距離を測定する場合には、順次に、測定対象としての壁
118,119毎に照射光軸113,117の方向合わ
せをして測距しなければならず、その方向合わせに時間
と手数を要し、壁118,119の距離を簡単に求める
ことができない。また、測定者が、測距により得られた
各壁118,119までの各距離を、当該装置に内蔵す
る演算装置(マイクロコンピュータ等)に順次入力し
て、演算装置に壁118,119間の距離を演算させな
ければならず、この点からも時間と手数を要する。さら
に、照射光軸113,117の方向合わせを行うために
は、回転台や三脚112,116等を要し、装置全体と
して大型化し重量が増大するとともにコストアップも免
れない。
【0010】このような事情は、室内計測のみならず、
複数の測定対象間の位置関係等を測定する他の場合にも
同様である。
【0011】また、前記従来のトータルステーション1
14では、前述したように、機械高が測定者によって巻
尺等により測定され、そのデータが操作パネル等の入力
装置により入力されていたので、機械高の測定に手数を
要していた。
【0012】本発明は、前述したような事情に鑑みてな
されたもので、複数の測定対象間の位置関係等を簡単に
求めることができるとともに必ずしも三脚等を要しない
測距装置及びこれを用いた室内計測装置を提供すること
を目的とする。
【0013】また、本発明は、機械高の測定に手数を要
しないトータルステーションを提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による測距装置は、複数の照射
光軸を持つ送受信光学系であって、前記複数の照射光軸
に沿って光をそれぞれ同時に又は異なるタイミングで照
射し、前記複数の照射光軸にそれぞれ沿って照射された
各照射光に対応する各反射光をそれぞれ同時に又は異な
るタイミングで受信する送受信光学系と、前記送受信光
学系により受信された前記各反射光に基づいて、前記各
照射光軸の延長上に存在する各測定対象までの各距離を
それぞれ得る距離取得部と、を備え、前記複数の照射光
軸のうちの2本以上の照射光軸は、互いに異なる向きと
なるように互いの相対的な位置関係が固定されたもので
ある。
【0015】前記距離取得部は、例えば、照射光の発光
時と測定対象からの反射光の受光時との時間差に基づい
て、測定対象までの距離を求める。もっとも、本発明で
採用し得る測距原理は、このような時間差によるものに
限定されない。この点は、後述する各態様についても同
様である。
【0016】本発明の第2の態様による測距装置は、前
記第1の態様において、前記距離取得部により得られた
前記各測定対象までの各距離に基づいて、前記各測定対
象間の相対的な位置関係を求める手段を備えたものであ
る。
【0017】本発明の第3の態様による測距装置は、前
記第2の態様において、前記相対的な位置関係を求める
手段は、前記各測定対象間の距離を求める手段を含むも
のである。
【0018】本発明の第4の態様による測距装置は、前
記第2又は第3の態様において、前記相対的な位置関係
を求める手段は、前記各測定測定対象の相対座標を求め
る手段を含むものである。
【0019】本発明の第5の態様による測距装置は、前
記第1乃至第4のいずれかの態様において、前記各照射
光軸にそれぞれ対応する各測定対象の位置をそれぞれ含
みかつ予め想定された2次元又は3次元の形状に関する
所定の値を、前記距離取得部により得られた前記各測定
対象までの各距離に基づいて求める手段を備えたもので
ある。
【0020】本発明の第6の態様による測距装置は、前
記第1乃至第5のいずれかの態様において、前記2本以
上の照射光軸は、互いの向きが略90゜をなす2本の照
射光軸を含むものである。
【0021】本発明の第7の態様による測距装置は、前
記第1乃至第5のいずれかの態様において、前記2本以
上の照射光軸は、互いの向きが略180゜をなす2本の
照射光軸を含むものである。
【0022】本発明の第8の態様による測距装置は、前
記第1乃至第5のいずれかの態様において、前記2本以
上の照射光軸は、所定の基準平面内又は該所定の基準平
面と略平行な平面内に含まれる4本の照射光軸を含み、
前記4本の照射光軸の向きは、前記4本の照射光軸を前
記基準平面に写像したときに、前記基準平面内で略90
゜ずつの角度間隔を持つものである。
【0023】本発明の第9の態様による測距装置は、前
記第8の態様において、前記4本の照射光軸にそれぞれ
対応する4つの測定対象の位置を前記基準平面に写像し
た前記基準平面内の4つの位置をそれぞれ各辺上に含み
かつ予め想定された形状を持つ前記基準平面内の四角形
の各辺の長さに相当する長さを、前記距離取得部により
得られた前記各測定対象までの各距離に基づいて求める
手段を備えたものである。
【0024】本発明の第10の態様による測距装置は、
前記第8又は第9の態様において、前記4本の照射光軸
にそれぞれ対応する4つの測定対象の位置を前記基準平
面に写像した前記基準平面内の4つの位置をそれぞれ各
辺上に含みかつ予め想定された形状を持つ前記基準平面
内の四角形の各頂点に相当する位置の相対座標を、前記
距離取得部により得られた前記各測定対象までの各距離
に基づいて求める手段を備えたものである。
【0025】本発明の第11の態様による測距装置は、
前記第8乃至第10のいずれかの態様において、前記4
本の照射光軸にそれぞれ対応する4つの測定対象の位置
を前記基準平面に写像した前記基準平面内の4つの位置
をそれぞれ各辺上に含みかつ予め想定された形状を持つ
前記基準平面内の四角形の面積に相当する面積を、前記
距離取得部により得られた前記各測定対象までの各距離
に基づいて求める手段を備えたものである。
【0026】本発明の第12の態様による測距装置は、
前記第8乃至第11のいずれかの態様において、前記予
め想定された形状が長方形であるものである。
【0027】本発明の第13の態様による測距装置は、
前記第1乃至第5のいずれかの態様において、前記2本
以上の照射光軸は、所定の基準平面内又は該所定の基準
平面と略平行な平面内に含まれる4本の照射光軸と、互
いの向きが略180゜をなすとともに前記基準平面に対
してそれぞれ略90゜をなす2本の照射光軸とを含み、
前記4本の照射光軸の向きは、前記4本の照射光軸を前
記基準平面に写像したときに、前記基準平面内で略90
゜ずつの角度間隔を持つものである。
【0028】本発明の第14の態様による測距装置は、
前記第13の態様において、前記4本の照射光軸及び前
記2本の照射光軸にそれぞれ対応する6つの測定対象の
位置をそれぞれ各面上に含みかつ予め想定された形状を
持つ六面体の各辺の長さに相当する長さを、前記距離取
得部により得られた前記各測定対象までの各距離に基づ
いて求める手段を備えたものである。
【0029】本発明の第15の態様による測距装置は、
前記第13又は第14の態様において、前記4本の照射
光軸及び前記2本の照射光軸にそれぞれ対応する6つの
測定対象の位置をそれぞれ各面上に含みかつ予め想定さ
れた形状を持つ六面体の各頂点に相当する位置の相対座
標を、前記距離取得部により得られた前記各測定対象ま
での各距離に基づいて求める手段を備えたものである。
【0030】本発明の第16の態様による測距装置は、
前記第13乃至第15のいずれかの態様において、前記
4本の照射光軸及び前記2本の照射光軸にそれぞれ対応
する6つの測定対象の位置をそれぞれ各面上に含みかつ
予め想定された形状を持つ六面体の各面の面積に相当す
る面積を、前記距離取得部により得られた前記各測定対
象までの各距離に基づいて求める手段を備えたものであ
る。
【0031】本発明の第17の態様による測距装置は、
前記第13乃至第16のいずれかの態様において、前記
4本の照射光軸及び前記2本の照射光軸にそれぞれ対応
する6つの測定対象の位置をそれぞれ各面上に含みかつ
予め想定された形状を持つ六面体の体積に相当する体積
を、前記距離取得部により得られた前記各測定対象まで
の各距離に基づいて求める手段を備えたものである。
【0032】本発明の第18の態様による測距装置は、
前記第14乃至第17のいずれかの態様において、前記
予め想定された形状が直方体であるものである。
【0033】本発明の第19の態様による測距装置は、
前記第1乃至第18のいずれかの態様において、前記複
数の照射光軸は、前記2本以上の照射光軸以外に少なく
とも1本の照射光軸を含み、前記少なくとも1本の照射
光軸の向きは、前記2本以上の照射光軸の向きに対して
相対的に変更可能であり、前記2本以上の照射光軸のい
ずれかに対する前記少なくとも1本の照射光軸の相対的
な向きを検出する検出手段、又は、前記相対的な向きを
示すデータを入力する入力手段を備えたものである。
【0034】本発明の第20の態様による室内計測装置
は、室内に関する所定の計測を行う室内計測装置であっ
て、請求項1乃至19のいずれかに記載の測距装置を備
えたものである。
【0035】本発明の第21の態様による測距装置は、
複数の照射光軸を持つ送受信光学系であって、前記複数
の照射光軸に沿って光をそれぞれ同時に又は異なるタイ
ミングで照射し、前記複数の照射光軸にそれぞれ沿って
照射された各照射光に対応する各反射光をそれぞれ同時
に又は異なるタイミングで受信する送受信光学系と、前
記送受信光学系により受信された前記各反射光に基づい
て、前記各照射光軸の延長上に存在する各測定対象まで
の各距離をそれぞれ得る距離取得部と、を備え、前記複
数の照射光軸のうちの少なくとも1本の照射光軸の向き
が、他の少なくとも1本の照射光軸の向きに対して相対
的に変更可能であり、前記少なくとも1本の照射光軸の
前記他の少なくとも1本の照射光軸に対する相対的な向
きを検出する検出手段、又は、前記相対的な向きを示す
データを入力する入力手段を備えたものである。
【0036】本発明の第22の態様によるトータルステ
ーションは、前記第21の態様による測距装置を備えた
トータルステーションであって、前記他の少なくとも1
本の照射光軸が下向きであり、前記他の少なくとも1本
の照射光軸に関連して前記距離取得部により得られた距
離に基づいて、当該トータルステーションの機械高を得
るものである。
【0037】本発明の第23の態様によるトータルステ
ーションは、前記第22の態様において、視準光学系を
備え、前記少なくとも1本の照射光軸が視準光学系の光
軸と一致したものである。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明による測距装置、並
びに、これを用いた室内計測装置及びトータルステーシ
ョンについて、図面を参照して説明する。
【0039】[第1の実施の形態]
【0040】図1は、本発明の第1の実施の形態による
測距装置11を室内計測装置として用いた場合の測定の
様子を模式的に示す概略斜視図である。図2は、本実施
の形態による測距装置11を示す概略構成図である。図
3は、本実施の形態による測距装置11の動作の一例を
示す概略フローチャートである。図4は、本実施の形態
による測距装置11による演算内容を説明するための説
明図である。図1及び図4において、測距装置11を基
準として定めた互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定
義する(後述する図についても同様である。)。また、
X軸方向のうち矢印の向きを+X方向、その反対の向き
を−X方向と呼ぶ。Z軸方向及びY軸方向についても同
様である。
【0041】本実施の形態による測距装置11は、図1
及び図2に示すように、4本の照射光軸12a〜12d
を持つ送受信光学系を備えている。本実施の形態では、
この送受信光学系は、照射光軸12a〜12dに対応し
てそれぞれ設けられた4つの個別送受信光学系13a〜
13dで構成されている。
【0042】本実施の形態では、個別送受信光学系13
aは、赤外LEDやレーザ等の発光素子14aと、受光
素子15aと、対物光学系16aと、ハーフミラー17
aとを有している。発光素子14aから発光した照射光
がハーフミラー17aを透過し対物光学系16aを経て
照射光軸12aに沿って照射される。この照射光が照射
光軸12aの延長上に存在する測定対象(図1に示す例
では、壁30a)で反射され、その反射光が、照射光軸
12aに沿って戻り、対物光学系16aを経てハーフミ
ラー17aにより反射された後に受光素子15aにより
受光される。送受信光学系13aの構成はこのような構
成に限定されるものではなく、照射光軸12aの後述す
る配置を実現し得るように、必要に応じて光ファイバ等
が適宜用いられる。また、本実施の形態では、反射光を
受光する受光光軸が照射光軸12aと一致するように構
成されているが、受光光軸が照射光軸からずれるように
構成してもよい。
【0043】各個別送受信光学系13b〜13cも個別
送受信光学系13aと同様に構成され、個別送受信光学
系13bは前記要素14a〜17aに対応する要素14
b〜17bを有し、個別送受信光学系13cは前記要素
14a〜17aに対応する要素14c〜17cを有し、
個別送受信光学系13dは前記要素14a〜17aに対
応する要素14d〜17dを有している。
【0044】本実施の形態による測距装置11は、前述
した送受信光学系の他に、各個別送受信光学系13a〜
13bに対してそれぞれ発光駆動制御を行うとともに反
射光の受光に基づき測定対象までの距離を得る測距演算
処理を行う各個別処理・駆動部20a〜20dと、操作
部27からの指令に応答して各個別処理・駆動部20a
〜20dを統括制御するとともに各個別処理・駆動部2
0a〜20dから得られる距離に基づいて後述する演算
処理などを行う統括制御・処理部26と、測定者が各種
の指令等を入力するための操作部27と、測定結果等を
表示する液晶表示器等の表示部28と、を備えている。
統括制御・処理部26は、例えば、CPU等を用いて構
成される。以上説明した各構成要素は、筐体29内に又
は筐体29の表面部に設けられている。
【0045】個別処理・駆動部20aは、例えばCPU
等で構成される個別制御・処理部21aと、例えばデジ
タル回路等で構成される時間測定回路22aと、発光素
子14aを駆動する発光素子駆動回路23aと、受光素
子15aからの受光信号を増幅する増幅回路24aと、
増幅された受光信号をA/D変換するA/D変換器25
aと、を有している。個別制御・処理部21aは、統括
制御・処理部26からの指令に応答して、測距開始信号
を時間測定回路22aに与える。時間測定回路22a
は、この測距開始信号に応答して、発光素子駆動回路2
3aを作動させて発光素子14aを発光させ、照射光軸
12aに沿って照射光を照射させる。受光素子15aか
らの受光信号(照射光が測定対象で反射した反射光の受
光信号)は、増幅回路24aで増幅され更にA/D変換
器25aでA/D変換された後に、時間測定回路22a
に入力される。時間測定回路22aは、照射光の発光時
と反射光の受光時との時間差を測定し、その時間差を個
別制御・処理部21aに与える。個別制御・処理部21
aは、時間測定回路22aから得られた時間差に基づい
て、測距装置11の機械原点Oから照射光軸12aの延
長上に存在する測定対象までの距離aを、演算により求
める。この距離aは、個別処理駆動部20aから統括制
御・処理部26に供給される。
【0046】図面には示していないが、各個別処理・駆
動部20b〜20dも、前述した個別処理・駆動部20
aと同様に構成されている。
【0047】照射光軸12a〜12dは、互いに異なる
向きとなるように互いの相対的な位置関係が固定されて
いる。本実施の形態では、図1に示すように、XY平面
と平行な所定の基準平面内に含まれ、照射光軸12aの
向きは−X方向、照射光軸12bの向きは+X方向、照
射光軸12cの向きは+Y方向、照射光軸12dの向き
は−Y方向とされ、照射光軸12a〜12dの向きは前
記基準平面内で90゜ずつの角度間隔を持っている。ま
た、本実施の形態では、照射光軸12aと照射光軸12
bとは同一直線上にあり、照射光軸12cと照射光軸1
2dとは同一直線上にあり、両直線の交点が測距装置1
1の機械原点Oとなっている。
【0048】本実施の形態では、筐体29は直方体状に
構成され、筐体29の図1中の上面及び下面がXY平面
と平行とされ、筐体29の図1中の左側面及び右側面が
YZ平面と平行とされ、筐体29の図1中の手前側の側
面及び奥側の側面がXZ平面と平行とされている。した
がって、照射光軸12a〜12dが筐体29の対応する
側面とそれぞれ直交している。
【0049】次に、本実施の形態による測距装置11の
動作の一例について、図1乃至図4、特に図3を参照し
て説明する。
【0050】例えば、本実施の形態による測距装置11
を用いて室内計測を行う場合には、図1に示すように、
測距装置11を室内に置き、照射光軸12a〜12dが
室内の各測定対象としての壁30a〜30dに対してそ
れぞれほぼ垂直となるように、測距装置11の向きを決
める。このとき、前述したように照射光軸12a〜12
dが筐体29の対応する側面とそれぞれ直交しているの
で、これらの側面を目安にして又はガイドにすることに
よって、測距装置11の向きを容易に設定することがで
きる。例えば、筐体29の1つの側面を1つの壁に押し
付けてもよい。理想的には照射光軸12a〜12dが室
内の壁30a〜30dに対してそれぞれ厳密に垂直であ
ることが好ましいが、その向きが多少ずれても測定精度
にはあまり影響がない。ここでは、計測対象となる部屋
は、直方体であるものとし、互いに対向する壁30a,
30bが互いに平行であり、互いに対向する壁30c,
30dが互いに平行であり、壁30a,30bと壁30
c,30dとは直交しているものとする。測距装置11
は、例えば単に床や机などの上に置くだけでよく、必ず
しも三脚等に搭載する必要はない。勿論、必要に応じ
て、測距装置11を三脚等に搭載してもよい。
【0051】図1に示すように、壁30a〜30dにお
ける照射光軸12a〜12dの延長上の点をそれぞれ
A,B,C,Dとする。これらの点と機械原点Oとの関
係は、Z軸方向から前記基準平面に写像して見ると、図
4に示すようになっている。
【0052】測定者が、測距装置11をこのように配置
した後、操作部27を操作して測定の開始指令を与える
と、統括制御・処理部26は、この指令に応答して、各
個別処理・駆動部20a〜20dにそれぞれ測距開始指
令を与える。各個別処理・駆動部20a〜20dは、こ
れらの測距開始指令に応答して前述した動作を行い、機
械原点Oから各壁30a〜30dの各点A,B,C,D
までの各距離a〜dをそれぞれ統括制御・処理部26に
供給する(図3中のステップS1)。なお、統括制御・
処理部26は、個別処理・駆動部20a〜20dを同時
に作動させるように制御してもよいし、時分割的に順次
に作動させるようにしてもよい。
【0053】次に、統括制御・処理部26は、個別処理
・駆動部20a〜20dから各距離a〜dが得られる
と、各距離a〜dに基づいて、図4中の長方形GHJK
の各辺の寸法L1,L2を算出する(図3中のステップ
S2)。長方形GHJKは、点A,B,C,Dを前記基
準平面に写像した点(本実施の形態では、これらの写像
点は点A,B,C,D自体である。)をそれぞれ各辺上
に含み、かつ、予め想定された形状として長方形状(2
次元形状)を持つ、四角形である。各辺の寸法L1,L
2は、次の数1及び数2により算出することができるこ
とは、明らかである。
【0054】
【数1】L1=a+b
【0055】
【数2】L2=c+d
【0056】次いで、統括制御・処理部26は、各距離
a〜dに基づいて、長方形GHJKの頂点G,H,J,
Kの相対座標を、算出する(図3中のステップS3)。
これらの頂点のXY座標(他の形式の相対座標でもよ
い。)による相対座標は、G=(−a,c)、H=
(b,c)、J=(b,−d)、K=(−a,−d)と
して、算出することができる。これらの相対座標の原点
は適宜変換してもよいことは、言うまでもない。
【0057】その後、統括制御・処理部26は、各距離
a〜dに基づいて、次の数3により長方形GHJKの面
積Pを算出する(図3のステップS4)。
【0058】
【数3】P=(a+b)×(c+d)
【0059】最後に、統括制御・処理部26は、ステッ
プS1で測定された各距離a〜d、ステップS2で算出
された寸法L1,L2、ステップS3で算出された各頂
点G,H,J,Kの相対座標、ステップS4で算出され
た面積Pを、表示部28に表示させ(図3のステップS
5)、一連の動作を終了する。
【0060】以上説明した測定例では、寸法L1,L2
が部屋の床(天井)の縦と横の寸法であり、各頂点G,
H,J,Kの相対座標が部屋の平面図における各頂点の
相対座標であり、面積Pが床面積(天井面積)である。
本実施の形態によれば、これら値を、測距装置11の向
きを前述したように1回だけ合わせるだけで測定するこ
とができ、したがって、その測定は極めて簡単である。
そして、三脚等を必ずしも用いる必要がないことは、前
述した通りである。
【0061】なお、例えば、照射光軸a〜dが天井、互
いに対向する1対の壁のうちの一方の壁、床、前記1対
の壁のうちの他方の壁にそれぞれ垂直となるように、測
距装置11の向きを設定すれば、残りの1対の壁の、寸
法や各頂点の相対座標や面積を求めることができる。
【0062】前述した実施の形態では、照射光軸12a
〜12dはXY平面と平行な所定の基準平面内に含ま
れ、各照射光軸12a〜12dの延長上に機械原点Oが
あったが、本発明はこれに限定されるものではない。例
えば、照射光軸12aはその向きを−X方向としたまま
機械原点Oから任意の方向にずれていてもよいし、他の
照射光軸12b〜12dについても同様である。
【0063】また、例えば、照射光軸12cの向きは、
図5に示すように、XY平面と平行な平面内において+
Y方向に対して角度θ1だけ傾いていてもよい。この場
合、個別処理・駆動部20cから得られる距離は、図5
中の距離c’であるが、c’・cosθ1=cの関係が成
立するので、この関係を用いることにより、前述した実
施の形態と同様に前述した各寸法等を求めることができ
る。なお、図5は図4に対応する説明図である。図5に
おいて、点C’は、照射光軸12cの向きを前述したよ
うに傾けた場合の、壁30cにおける照射光軸12cの
延長上の点である。距離c’は、機械原点Oから点C’
までの距離である。
【0064】同様に、例えば、照射光軸12cの向き
は、図6に示すように、YZ平面と平行な平面内におい
て+Y方向に対して角度θ2だけ傾いていてもよい。こ
の場合、個別処理・駆動部20cから得られる距離は、
図6中の距離c”であるが、c”・cosθ2=cの関係
が成立するので、この関係を用いることにより、前述し
た実施の形態と同様に前述した各寸法等を求めることが
できる。なお、図6は図4に対応する説明図であるが、
X軸方向から見たものである。図6において、点C”
は、照射光軸12cの向きを前述したように傾けた場合
の、壁30cにおける照射光軸12cの延長上の点であ
る。距離c”は、機械原点Oから点C”までの距離であ
る。
【0065】照射光軸12cの向きは、図5に示すよう
に傾けてもよく図6に示すように傾けてもよいので、結
局、+Y方向に対して任意の方向に傾けてもよいことが
わかる。このことは、他の照射光軸12a,12b,1
2dについても同様である。結局、照射光軸12a〜1
2dは、互いに異なる向きとなるように互いの相対的な
位置関係が固定されていればよい。ただし、照射光軸1
2a〜12dが四方の壁30a〜30dにそれぞれ当た
らなければ、前述したような寸法等を得ることができな
い。したがって、部屋の寸法は千差万別であることを考
慮すると、照射光軸12a〜12dは、所定の基準平面
内又は該所定の基準平面と略平行な平面内に含まれ、照
射光軸12a〜12dを前記基準平面に写像したとき
に、前記基準平面内で略90゜ずつの角度間隔を持つこ
とが好ましい。
【0066】ところで、前述した実施の形態では、図3
中のステップS2〜S4に関連して説明したように、予
め想定される形状として長方形状を用い、図4中の四角
形GHJKに関する寸法、頂点の相対座標及び面積を求
めている。しかし、ステップS2〜S4で想定する形状
は、必ずしも長方形に限定されるものではなく、例え
ば、図7に示すような台形形状を想定してもよい。この
台形形状を特定する情報(大きさを除く形状情報)とし
ては、例えば、3つの角度を挙げることができる。この
場合、幾何学的な関係から、点A,B,C,Dを各辺上
に含む当該台形形状を持つ台形G’H’JKの各辺の寸
法、各頂点の相対座標、及び面積を、測距値a〜dから
算出することができることは、明らかである。このよう
な台形形状を有する部屋も多々ある。実際には、長方形
状を持つ部屋が圧倒的に多いことから、ステップS2〜
S4で想定すべき形状を長方形状以外の形状にも測定者
が設定できるようにし、統括制御・処理部26は、その
設定された形状に応じて、ステップS2〜S4の演算を
行えばよい。このような形状の測定者の設定は、予め想
定した種々の形状のうちから測定者が選択できるような
ユーザインターフェースを構築したり、想定すべき形状
を特定する情報を測定者が入力できるようにしたりすれ
ばよい。後者の場合、例えば、図7に示すような台形形
状であれば、測定者が予め何らかの手段で計測した部屋
の3つの角度を入力できるようにしておけばよい。な
お、図7は、図4に対応する説明図である。
【0067】以上は想定する形状を四角形状の場合につ
いて説明したが、想定する形状は、必ずしも四角形状に
限定されるものはなく、他の任意の2次元形状であって
もよい。
【0068】以上の説明では、本実施の形態による測距
装置11を室内計測装置として用いる場合を例に挙げて
説明したが、本実施の形態による測距装置11の用途が
室内計測に限定されないことは、言うまでもない。
【0069】[第2の実施の形態]
【0070】図8は、本発明の第2の実施の形態による
測距装置40を示す概略構成図である。図8において、
図1及び図2中の要素と同一又は対応する要素には同一
符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0071】本実施の形態による測距装置40が前記第
1の実施の形態による測距装置11と異なる所は、主
に、前記第1の実施の形態では、各照射光軸12a〜1
2dに対応してそれぞれ個別送受信光学系13a〜13
d及び個別処理・駆動部20a〜20dが設けられてい
るのに対し、本実施の形態では、モータ等をアクチュエ
ータとする機械式の光スイッチ41a〜41dを採用す
ることにより、送受信光学系及び処理・駆動部に関して
各照射光軸12a〜12dに対して共通化を図った点で
ある。なお、本実施の形態においても、各照射光軸12
a〜12dの相対的な位置関係は、前記第1の実施の形
態と同じである。
【0072】本実施の形態では、4つの照射光軸12a
〜12dを持つ送受信光学系は、それぞれ1つずつの発
光素子14及び受光素子15と、前記光スイッチ41a
〜41dと、対物光学系16a〜16dと、ハーフミラ
ー17,42a〜42dとから構成されている。発光素
子14から発した照射光は、ハーフミラー17を透過し
た後、ハーフミラー42a〜42bによって4つの光路
に分岐され、それぞれ対物光学系16a〜16dを経て
各照射光軸12a〜12dに沿って、照射されるように
なっている。各照射光軸12a〜12dの延長上に存在
する各測定対象からの反射光は、照射光と同じ光路を経
た後にハーフミラー17で反射され、受光素子15によ
り受光されるようになっている。光スイッチ41a〜4
1dは、前記分岐された4つの光路にそれぞれ配置さ
れ、対応する光路を開閉できるようになっている。
【0073】本実施の形態による測距装置40は、前述
した送受信光学系の他、図2中の要素22a〜25aと
それぞれ同じ動作を行う時間測定回路22、発光素子駆
動回路23、増幅回路24及びA/D変換器25と、図
2中の個別制御・処理部21a及び統括制御・処理部2
6に相当する機能も併せ持つ制御・処理部20と、光ス
イッチ41a〜41dを駆動する光スイッチ駆動回路4
3と、を備えている。制御・処理部20は、例えば、C
PU等を用いて構成される。なお、本実施の形態による
測距装置40も、第1の実施の形態と同じく、操作部2
7及び表示部28を有している。
【0074】制御・処理部20は、操作部27からの測
定の開始指令に応答して、まず、光スイッチ駆動回路4
3を制御して、光スイッチ41aのみを選択的に開き他
の光スイッチ41b〜41dを閉じた状態にする。この
状態で、時間測定回路22に測距開始指令を与える。そ
の結果、照射光軸12aのみから照射光が照射され、こ
れに対応する反射光のみが受光素子15により受光さ
れ、時間測定回路22により照射光軸12aに沿った照
射光の発光時と反射光の受光時との時間差が測定され、
その時間差が制御・処理部20に与えられる。制御・処
理部20は、この時間差に基づいて、測距装置40の機
械原点Oから照射光軸12aの延長上に存在する測定対
象までの距離aを、演算により求める。
【0075】次に、制御・処理部20は、光スイッチ4
1b,41c,41dの1つずつのみを順次選択的に開
き、測距装置40の機械原点Oから照射光軸12b,1
2c,12dの延長上に存在する各測定対象までの距離
b,c,dを、順次求める。
【0076】全ての距離a〜dが得られると、制御・処
理部20は、図3中のステップS2〜S5の処理と同じ
処理を行い、処理を終了する。
【0077】本実施の形態によれば、前記第1の実施の
形態と同様の利点が得られる他、第1の実施の形態に比
べて、部品点数が低減され、装置の小型化とコストダウ
ンを図ることができる。なお、送受信光学系の少なくと
も一部を搭載した導波路デバイスを用い、この導波路デ
バイス上に機械式光スイッチ41a〜41dに代わる光
スイッチを搭載すれば、更に装置の小型化とコストダウ
ンを図ることができる。
【0078】[第3の実施の形態]
【0079】図9は、本発明の第3の実施の形態による
測距装置50を室内計測装置として用いた場合の測定の
様子を模式的に示す概略斜視図である。図9において、
図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付
し、その重複する説明は省略する。
【0080】本実施の形態による測距装置50が前記第
1の実施の形態による測距装置11と異なる所は、図2
の個別送受信光学系13c,13d及び個別処理・駆動
部20c,20dが取り除かれ、これに伴い統括制御・
処理部26の動作が変更されている点のみである。
【0081】本実施の形態では、統括制御・処理部26
は、個別処理・駆動部20a,20bから各距離a,b
が得られると、点A,B間の距離(=a+b)を算出
し、点A,Bの相対座標を算出し、これらを表示部28
に表示させ、処理を終了する。
【0082】本実施の形態によれば、1回の測定操作で
は対向する1対の壁30a,30b間の距離しか測定す
ることができないが、従来の測距装置や従来のトータル
ステーションを用いて壁30a,30b間の距離を測定
する場合に比べて、当該距離を簡単に測定することがで
きる。
【0083】本実施の形態のように、測距装置50が2
本の照射光軸12a,12bしか持たない場合であって
も、測距装置50を図9に示す配置からZ軸回りに90
゜向きを変えた状態にして、もう1回同様の測定を行え
ば、図1中の壁30c,30dまでの各距離c,dも得
ることができ、ひいては、前記第1の実施の形態の場合
と同様に、前記寸法L1,L2、各頂点G,H,J,K
の相対座標、面積Pも得ることができる。この場合、統
括制御・処理部26は、操作部27からこのような1回
目の測定である旨の指令や2回目の測定である旨の指令
を受け、各指令に応答して、各距離a,bと各距離c,
dとをそれぞれメモリに格納し、2回目の測定で各距離
c,dが得られた後に、自動的に、各距離a〜dに基づ
いて、前記寸法L1,L2、各頂点G,H,J,Kの相
対座標、面積Pを算出して、表示部28に表示させても
よい。
【0084】なお、本実施の形態による測距装置50の
用途も室内計測に限定されないことは、言うまでもな
い。
【0085】[第4の実施の形態]
【0086】図10は、本発明の第4の実施の形態によ
る測距装置60を室内計測装置として用いた場合の測定
の様子を模式的に示す概略斜視図である。図10におい
て、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号
を付し、その重複する説明は省略する。
【0087】本実施の形態による測距装置60が前記第
1の実施の形態による測距装置11と異なる所は、個別
送受信光学系13b,13d及び個別処理・駆動部20
b,20dが取り除かれ、これに伴い統括制御・処理部
26の動作が変更されている点のみである。
【0088】本実施の形態では、統括制御・処理部26
は、個別処理・駆動部20a,20cから各距離a,c
が得られると、点A,C間の距離(=(a+c
1/2)を算出し、点A,Cの相対座標を算出し、これ
らを表示部28に表示させ、処理を終了する。
【0089】本実施の形態によれば、1回の測定操作で
は対向する1対の壁30aの点A,と壁30cの点Cと
の間の距離しか測定することができないが、従来の測距
装置や従来のトータルステーションを用いて点A,C間
の距離を測定する場合に比べて、当該距離を簡単に測定
することができる。
【0090】本実施の形態のように、測距装置60が2
本の照射光軸12a,12cしか持たない場合であって
も、測距装置60を図10に示す配置からZ軸回りに1
80゜向きを変えた状態にして、もう1回同様の測定を
行えば、図1中の壁30b,30dまでの各距離b,d
も得ることができ、ひいては、前記第1の実施の形態の
場合と同様に、前記寸法L1,L2、各頂点G,H,
J,Kの相対座標、面積Pも得ることができる。この場
合、統括制御・処理部26は、操作部27からこのよう
な1回目の測定である旨の指令や2回目の測定である旨
の指令を受け、各指令に応答して、各距離a,cと各距
離b,dとをそれぞれメモリに格納し、2回目の測定で
各距離b,dが得られた後に、自動的に、各距離a〜d
に基づいて、前記寸法L1,L2、各頂点G,H,J,
Kの相対座標、面積Pを算出して、表示部28に表示さ
せてもよい。
【0091】なお、本実施の形態による測距装置60の
用途も室内計測に限定されないことは、言うまでもな
い。
【0092】[第5の実施の形態]
【0093】図11は、本発明の第5の実施の形態によ
る測距装置70を室内計測装置として用いた場合の測定
の様子を模式的に示す概略斜視図である。図11におい
て、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号
を付し、その重複する説明は省略する。また、図12
は、本実施の形態による測距装置70による演算内容を
説明するための説明図である。図13は、本実施の形態
による測距装置70の動作の一例を示す概略フローチャ
ートである。
【0094】本実施の形態による測距装置70の構成
は、前記第1の実施の形態による測距装置11の構成と
基本的に同様であるので、本実施の形態の説明に際し
て、図11乃至図13の他に、図2も参照する。
【0095】本実施の形態による測距装置70が前記第
1の実施の形態による測距装置11と異なる所は、
(i)図11に示すように、送受信光学系が4本の照射
光軸12a〜12dの他に2本の照射光軸12e,12
fを持つ点と、(ii)送受信光学系が、個別送受信光
学系13a〜13dの他に、照射光軸12e,12fに
それぞれ対応して個別送受信光学系13aと同一の構成
を持つ2つの個別送受信光学系13e,13f(図示せ
ず)を有する点と、(iii)照射光軸12e,12f
にそれぞれ対応して個別処理・駆動部20aと同一の構
成を持つ2つの個別処理・駆動部20e,20f(図示
せず)が追加されている点と、(iv)統括制御・処理
部26の動作が変更されている点である。
【0096】本実施の形態では、照射光軸12e,12
fは、照射光軸12eの向きが+Z方向、照射光軸12
fの向きが−Z方向となるように、照射光軸12a〜1
2dに対する相対的な位置関係が固定されている。本実
施の形態では、照射光軸12e,12fは、測距装置7
0の機械原点Oを通る同一直線上にある。
【0097】次に、本実施の形態による測距装置70の
動作の一例について、図13を参照して説明する。
【0098】例えば、本実施の形態による測距装置70
を用いて室内計測を行う場合には、図11に示すよう
に、測距装置70を室内に置き、照射光軸12a〜12
fが室内の各測定対象としての壁30a〜30d、天井
30e及び床30fに対してそれぞれほぼ垂直となるよ
うに、測距装置70の向きを決める。このとき、本実施
の形態では照射光軸12a〜12fが筐体29の対応す
る側面、上面及び底面とそれぞれ直交しているので、こ
れらの側面、上面及び底面を目安にして又はガイドにす
ることによって、測距装置70の向きを容易に設定する
ことができる。例えば、筐体29の1つの側面を1つの
壁に押し付けてもよい。理想的には照射光軸12a〜1
2fが室内の壁30a〜30d、天井30e及び床30
fに対してそれぞれ厳密に垂直であることが好ましい
が、その向きが多少ずれても測定精度にはあまり影響が
ない。ここでは、計測対象となる部屋は、直方体である
ものとし、互いに対向する壁30a,30bが互いに平
行であり、互いに対向する壁30c,30dが互いに平
行であり、天井30eと床30fとが互いに平行であ
り、壁30a,30bと壁30c,30dとは天井30
e及び床30fとはそれぞれ直交しているものとする。
測距装置70は、例えば単に床などの上に置くだけでよ
く、必ずしも三脚等に搭載する必要はない。勿論、必要
に応じて、測距装置70を三脚等に搭載してもよい。
【0099】図11に示すように、壁30a〜30d、
天井30e及び床30fにおける照射光軸12a〜12
fの延長上の点をそれぞれA,B,C,D,E,Fとす
る。これらの点と機械原点Oとの関係は、図12に示す
ようになっている。
【0100】測定者が、測距装置70をこのように配置
した後、操作部27を操作して測定の開始指令を与える
と、統括制御・処理部26は、この指令に応答して、各
個別処理・駆動部20a〜20fにそれぞれ測距開始指
令を与える。各個別処理・駆動部20a〜20f、これ
らの測距開始指令に応答して前述した動作を行い、機械
原点Oから各壁30a〜30d、天井30e及び床30
fの各点A,B,C,D,E,Fまでの各距離a〜fを
それぞれ統括制御・処理部26に供給する(図13中の
ステップS11)。なお、統括制御・処理部26は、個
別処理・駆動部20a〜20fを同時に作動させるよう
に制御してもよいし、時分割的に順次に作動させるよう
にしてもよい。
【0101】次に、統括制御・処理部26は、個別処理
・駆動部20a〜20fから各距離a〜fが得られる
と、各距離a〜fに基づいて、図12中の直方体MNQ
RSTUWの各辺の寸法L1,L2,L3を算出する
(図13中のステップS12)。直方体MNQRSTU
Wは、点A,B,C,D,E,Fを各面上に含み、か
つ、予め想定された形状として直方体形状(3次元形
状)を持つ、六面体である。各辺の寸法L1,L2,L
3は、次の数4〜数6により算出することができること
は、明らかである。
【0102】
【数4】L1=a+b
【0103】
【数5】L2=c+d
【0104】
【数6】L3=e+f
【0105】次いで、統括制御・処理部26は、各距離
a〜fに基づいて、直方体MNQRSTUWの頂点M,
N,Q,R,S,T,U,Wの相対座標を、算出する
(図13中のステップS13)。これらの頂点のXYZ
座標(他の形式の相対座標でもよい。)による相対座標
は、M=(−a,c,e)、N=(b,c,e)、Q=
(b,−d,e)、R=(−a,−d,e)、S=(−
a,c,−f)、T=(b,c,−f)、U=(b,−
d,−f)、W=(−a,−d,−f)として、算出す
ることができる。これらの相対座標の原点は適宜変換し
てもよいことは、言うまでもない。
【0106】その後、統括制御・処理部26は、各距離
a〜fに基づいて、数7〜数9により、長方形MNQR
及び長方形STUWの面積P1、長方形RMSW及び長
方形QNTUの面積P2、並びに、長方形MNTS及び
長方形RQUWの面積P3を算出する(図13のステッ
プS14)。
【0107】
【数7】P1=(a+b)×(c+d)
【0108】
【数8】P2=(c+d)×(e+f)
【0109】
【数9】P3=(a+b)×(e+f)
【0110】次に、統括制御・処理部26は、各距離a
〜fに基づいて、次の数10により、直方体MNQRS
TUWの体積Vを算出する(図13のステップS1
5)。
【0111】
【数10】V=(a+b)×(c+d)×(e+f)
【0112】最後に、統括制御・処理部26は、ステッ
プS11で測定された各距離a〜f、ステップS12で
算出された寸法L1,L2,L3、ステップS13で算
出された各頂点M,N,Q,R,S,T,U,Wの相対
座標、ステップS14で算出された面積P1,P2,P
3、ステップS15で算出された体積Vを、表示部28
に表示させ(図13のステップS16)、一連の動作を
終了する。
【0113】以上説明した測定例では、寸法L1,L
2,L3が部屋の床(天井)の縦と横と天井高さの寸法
であり、各頂点M,N,Q,R,S,T,U,Wの相対
座標が部屋の各コーナーの相対座標であり、面積P1が
床面積(天井面積)、面積P2,P3がそれぞれ壁面積
であり、体積Vが部屋の容積である。本実施の形態によ
れば、これら値を、測距装置70の向きを前述したよう
に1回だけ合わせるだけで測定することができ、したが
って、その測定は極めて簡単である。そして、三脚等を
必ずしも用いる必要がないことは、前述した通りであ
る。
【0114】前述した実施の形態では、各照射光軸12
a〜12dの延長上に機械原点Oがあったが、本発明は
これに限定されるものではない。例えば、照射光軸12
aはその向きを−X方向としたまま機械原点Oから任意
の方向にずれていてもよいし、他の照射光軸12b〜1
2fについても同様である。
【0115】また、前記第1の実施の形態の場合と同様
に、照射光軸12cの向きは、+Y方向に対して任意の
方向に傾けてもよい。このことは、他の照射光軸12
a,12b,12d〜12fについても同様である。た
だし、照射光軸12a〜12fが壁30a〜30d、天
井30e及び床30fにそれぞれ当たらなければ、前述
したような寸法等を得ることができない。したがって、
部屋の寸法は千差万別であることを考慮すると、照射光
軸12a〜12fは、所定の基準平面内又は該所定の基
準平面と略平行な平面内に含まれ、かつ、照射光軸12
a〜12dを前記基準平面に写像したときに、前記基準
平面内で略90゜ずつの角度間隔を持ち、照射光軸12
e,12fは、互いの向きが略180゜をなすとともに
前記基準平面に対してそれぞれ略90゜をなすことが好
ましい。
【0116】ところで、前述した実施の形態では、図3
中のステップS12〜S15に関連して説明したよう
に、予め想定される形状として直方体形状を用い、図1
2中の直方体MNQRSTUWに関する寸法、頂点の相
対座標、面積及び体積を求めている。しかし、ステップ
S12〜S15で想定する形状は、必ずしも直方体に限
定されるものではなく、また六面体以外の他の任意の3
次元形状であってもよい。この点は、前記第1の実施の
形態においてステップS2〜S4で想定する形状が長方
形に限定されず任意の2次元形状であってもよいのと、
同様である。
【0117】以上の説明では、本実施の形態による測距
装置70を室内計測装置として用いる場合を例に挙げて
説明したが、本実施の形態による測距装置70の用途が
室内計測に限定されないことは、言うまでもない。
【0118】[第6の実施の形態]
【0119】図14は、本発明の第6の実施の形態によ
る測距装置80の測定の様子を模式的に示す概略斜視図
である。図14において、図9中の要素と同一又は対応
する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略
する。
【0120】本実施の形態による測距装置80が図9に
示す第3の実施の形態による測距装置50と異なる所
は、前記第3の実施の形態では、照射光軸12a,12
bの互いの相対的な位置関係が固定されているのに対
し、本実施の形態では、照射光軸12aを照射光軸12
bに対して相対的にZ軸と平行な軸回りに回転させ得る
ように構成され、照射光軸12aの向きを照射光軸12
bの向きに対して相対的に変更して設定できるようにな
っている点と、照射光軸12aの向きを検出するための
ロータリーエンコーダ等の角度検出器(図示せず)を備
えている点である。また、本実施の形態では、統括制御
・処理部26は、照射光軸12aに沿った測定対象まで
の距離、及び、照射光軸12bに沿った測定対象までの
距離のみならず、照射光軸12aの向きを示す角度にも
基づいて、両測定対象間の距離を算出する。
【0121】照射光軸12aの向きを検出する角度検出
器を設ける代わりに、照射光軸12aの向きを示す角度
目盛を付しておき、測定者がその目盛を読み取って照射
光軸12aの向きを示す角度を操作部27により入力
し、統括制御・処理部26は入力された向きを用いるよ
うにしてもよい。
【0122】本実施の形態によれば、前記第3の実施の
形態と同様の利点が得られる他、照射光軸12aの向き
を変更し得るので、任意の角度位置にある2点間の距離
が測定できるなど、前記第3の実施の形態に比べて自由
度の高い測定が可能となる。
【0123】なお、前記第3の実施の形態を変形して本
実施の形態を得たのと同様の変形を、例えば、図1に示
す第1の実施の形態や図11に示す第5の実施の形態に
適用してもよい。
【0124】[第7の実施の形態]
【0125】図15は、本発明の第7の実施の形態によ
るトータルステーション90を模式的に示す概略斜視図
である。図16は、図15中の100−100’線に沿
った断面を模式的に示す概略断面図である。
【0126】本実施の形態によるトータルステーション
90は、三脚91と、三脚91上に搭載された本体92
とを備えている。本体92は、頭部93と、頭部93を
水平軸回りに回転可能に支持する支持部94a,94b
と、支持部94a,94bを鉛直軸回りに回転可能に支
持するベース95と、有している。
【0127】本体92には、視準光学系と、図2中の個
別送受信光学系13a,13b、個別処理・駆動部20
a,20b、統括制御・処理部26、操作部27及び表
示部28と、頭部93の支持部94a,94bに対する
水平軸回りの回転角度(高度角度)を測定するエンコー
ダ等の高度角度用測角器(図示せず)と、支持部94
a,94bのベースに対する鉛直軸回りの回転角度(水
平角度)を測定するエンコーダ等の水平角度用測角器
(図示せず)とが、搭載されている。
【0128】図16では、図2中の統括制御・処理部2
6、個別処理・駆動部20a、発光素子14a,受光素
子15a及びハーフミラー17aの部分を、符号96で
代表して示している。本実施の形態では、図2における
ハーフミラー17aと対物光学系16aとの間に、発光
素子14aからの照射光を反射するとともに可視光を透
過する特性を有するダイクロイックミラー97が介在さ
れ、ハーフミラー17aと対物光学系16aとの間の光
路が折り曲げられている。これにより、対物光学系16
aが視準光学系用の対物光学系としての兼用され、照射
光軸12aは視準光学系の光軸と一致している。視準光
学系は、対物光学系16aと接眼レンズ系98とから構
成され、望遠鏡を構成している。図16中の99は測定
者の眼を示している。前述した要素96〜97及び16
aが頭部93に対して固定され、これにより、照射光軸
12aは、前記水平軸回りの回転及び前記鉛直軸回りの
回転によって任意の向きに向けることができるようなっ
ている。
【0129】また、図16では、図2中の個別処理・駆
動部20b、発光素子14b,受光素子15b及びハー
フミラー17bの部分を、符号101で代表して示して
いる。これらの要素が、図16に示すように、ベース9
5付近に搭載され、照射光軸12bの向きは、ベース9
5の基準面が水平面となるように設置されたときに、鉛
直方向の下向きになるように、ベース95に対する照射
光軸12bの位置関係が固定されている。もっとも、照
射光軸12bは下向きであれば、鉛直方向に対して傾斜
していてもよい。
【0130】なお、図16では、操作部27及び表示部
28の図示は省略している。
【0131】本実施の形態では、本来的な測定対象10
2の位置座標の測定に先立って、トータルステーション
90の機械高を測定する旨の指令が操作部27から統括
制御・処理部26に与えられると、統括制御・処理部2
6は、個別処理・駆動部20bに測距指令を与える。個
別処理・駆動部20bは、前記第1の実施の形態の場合
と同様の動作を行い、トータルステーション90の機械
原点から地上までの鉛直方向の距離、すなわち、トータ
ルステーション90の機械高を統括制御・処理部26に
与える。この機械高は統括制御・処理部26の内部メモ
リに格納される。
【0132】次に、測定者が頭部93の向きを測定対象
102を視準する向きに合わせ、位置座標の測定開始指
令を操作部27から統括制御・処理部26に与えると、
統括制御・処理部26は、個別処理・駆動部20aに測
距指令を与える。個別処理・駆動部20aは、前記第1
の実施の形態の場合と同様の動作を行い、測定対象10
2までの距離を統括制御・処理部26に与える。また、
統括制御・処理部26は、前記高度角度用測角器及び水
平角度用測角器から高度角度及び水平角度をそれぞれ取
得する。そして、統括制御・処理部26は、前述のよう
にして取得された距離、高度角度及び水平角度に基づい
て、測定対象102の座標を算出する。このとき、統括
制御・処理部26は、先に取得された機械高も用いるこ
とにより、地上の基準点を基準とした測定対象102の
座標を算出する。算出された測定対象102の座標は、
表示部28に表示される。
【0133】本実施の形態によれば、前述したようにし
て機械高が得られるので、機械高の測定に手数を要しな
い。
【0134】前述した第1乃至第7の実施の形態におい
て、照射光の発光時と反射光の受光時との時間差は、ク
ロックカウンタで測っても、光波の位相差によって測っ
ても、他の方法によって測って良く、特に限定されな
い。
【0135】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。例えば、照射光軸の本数は、前述した各実施
の形態の例に限定されるものではない。
【0136】また、第1の実施の形態を変形して第2の
実施の形態を得たのと同様の変形を、第3乃至第7の実
施の形態に適用してもよい。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の測定対象までの距離を簡単に測定できる測距装
置、または複数の測定対象間の位置関係等を簡単に求め
ることができる測距装置、または必ずしも三脚等を要し
ない測距装置、及びこれを用いた室内計測装置を提供す
ることができる。
【0138】また、本発明によれば、機械高の測定に手
数を要しないトータルステーションを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による測距装置を室
内計測装置として用いた場合の測定の様子を模式的に示
す概略斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による測距装置を示
す概略構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による測距装置の動
作の一例を示す概略フローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態による測距装置によ
る演算内容を説明するための説明図である。
【図5】図4に対応する説明図である。
【図6】図4に対応する他の説明図である。
【図7】図4に対応する更に他の説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態による測距装置を示
す概略構成図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態による測距装置を室
内計測装置として用いた場合の測定の様子を模式的に示
す概略斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態による測距装置を
室内計測装置として用いた場合の測定の様子を模式的に
示す概略斜視図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態による測距装置を
室内計測装置として用いた場合の測定の様子を模式的に
示す概略斜視図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態による測距装置に
よる演算内容を説明するための説明図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態による測距装置の
動作の一例を示す概略フローチャートである。
【図14】本発明の第6の実施の形態による測距装置の
測定の様子を模式的に示す概略斜視図である。
【図15】本発明の第7の実施の形態によるトータルス
テーションを模式的に示す概略斜視図である。
【図16】図15中の100−100’線に沿った断面
を模式的に示す概略断面図である。
【図17】従来の測定装置による測定の様子を模式的に
示す概略斜視図である。
【図18】従来のトータルステーションによる測定の様
子を模式的に示す概略斜視図である。
【符号の説明】
11,40,50,60,70,80 測距装置 12a〜12f 照射光軸 13a〜13d 個別送受信光学系 14,14a〜14d 発光素子 15,15a〜15d 受光素子 16a〜16d 対物光学系 20a〜20d 個別処理・駆動部 26 統括制御・処理部 41a〜41d 光スイッチ 90 トータルステーション 98 接眼レンズ系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F112 AD01 BA02 BA05 BA10 CA06 DA02 DA09 DA30 DA32 FA03 FA07 FA45 GA01 5J084 AA04 AA05 AA10 AA11 AB20 AC10 AD01 BA03 BA05 BA41 BA47 BB24 BB31 CA03 CA49 DA01 DA04 DA07 EA05 EA31 EA34

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の照射光軸を持つ送受信光学系であ
    って、前記複数の照射光軸に沿って光をそれぞれ同時に
    又は異なるタイミングで照射し、前記複数の照射光軸に
    それぞれ沿って照射された各照射光に対応する各反射光
    をそれぞれ同時に又は異なるタイミングで受信する送受
    信光学系と、 前記送受信光学系により受信された前記各反射光に基づ
    いて、前記各照射光軸の延長上に存在する各測定対象ま
    での各距離をそれぞれ得る距離取得部と、 を備え、 前記複数の照射光軸のうちの2本以上の照射光軸は、互
    いに異なる向きとなるように互いの相対的な位置関係が
    固定されたことを特徴とする測距装置。
  2. 【請求項2】 前記距離取得部により得られた前記各測
    定対象までの各距離に基づいて、前記各測定対象間の相
    対的な位置関係を求める手段を備えたことを特徴とする
    請求項1記載の測距装置。
  3. 【請求項3】 前記相対的な位置関係を求める手段は、
    前記各測定対象間の距離を求める手段を含むことを特徴
    とする請求項2記載の測距装置。
  4. 【請求項4】 前記相対的な位置関係を求める手段は、
    前記各測定測定対象の相対座標を求める手段を含むこと
    を特徴とする請求項2又は3記載の測距装置。
  5. 【請求項5】 前記各照射光軸にそれぞれ対応する各測
    定対象の位置をそれぞれ含みかつ予め想定された2次元
    又は3次元の形状に関する所定の値を、前記距離取得部
    により得られた前記各測定対象までの各距離に基づいて
    求める手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載の測距装置。
  6. 【請求項6】 前記2本以上の照射光軸は、互いの向き
    が略90゜をなす2本の照射光軸を含むことを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の測距装置。
  7. 【請求項7】 前記2本以上の照射光軸は、互いの向き
    が略180゜をなす2本の照射光軸を含むことを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載の測距装置。
  8. 【請求項8】 前記2本以上の照射光軸は、所定の基準
    平面内又は該所定の基準平面と略平行な平面内に含まれ
    る4本の照射光軸を含み、 前記4本の照射光軸の向きは、前記4本の照射光軸を前
    記基準平面に写像したときに、前記基準平面内で略90
    ゜ずつの角度間隔を持つことを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の測距装置。
  9. 【請求項9】 前記4本の照射光軸にそれぞれ対応する
    4つの測定対象の位置を前記基準平面に写像した前記基
    準平面内の4つの位置をそれぞれ各辺上に含みかつ予め
    想定された形状を持つ前記基準平面内の四角形の各辺の
    長さに相当する長さを、前記距離取得部により得られた
    前記各測定対象までの各距離に基づいて求める手段を備
    えたことを特徴とする請求項8記載の測距装置。
  10. 【請求項10】 前記4本の照射光軸にそれぞれ対応す
    る4つの測定対象の位置を前記基準平面に写像した前記
    基準平面内の4つの位置をそれぞれ各辺上に含みかつ予
    め想定された形状を持つ前記基準平面内の四角形の各頂
    点に相当する位置の相対座標を、前記距離取得部により
    得られた前記各測定対象までの各距離に基づいて求める
    手段を備えたことを特徴とする請求項8又は9記載の測
    距装置。
  11. 【請求項11】 前記4本の照射光軸にそれぞれ対応す
    る4つの測定対象の位置を前記基準平面に写像した前記
    基準平面内の4つの位置をそれぞれ各辺上に含みかつ予
    め想定された形状を持つ前記基準平面内の四角形の面積
    に相当する面積を、前記距離取得部により得られた前記
    各測定対象までの各距離に基づいて求める手段を備えた
    ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の
    測距装置。
  12. 【請求項12】 前記予め想定された形状が長方形であ
    ることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載
    の測距装置。
  13. 【請求項13】 前記2本以上の照射光軸は、所定の基
    準平面内又は該所定の基準平面と略平行な平面内に含ま
    れる4本の照射光軸と、互いの向きが略180゜をなす
    とともに前記基準平面に対してそれぞれ略90゜をなす
    2本の照射光軸とを含み、 前記4本の照射光軸の向きは、前記4本の照射光軸を前
    記基準平面に写像したときに、前記基準平面内で略90
    ゜ずつの角度間隔を持つことを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の測距装置。
  14. 【請求項14】 前記4本の照射光軸及び前記2本の照
    射光軸にそれぞれ対応する6つの測定対象の位置をそれ
    ぞれ各面上に含みかつ予め想定された形状を持つ六面体
    の各辺の長さに相当する長さを、前記距離取得部により
    得られた前記各測定対象までの各距離に基づいて求める
    手段を備えたことを特徴とする請求項13記載の測距装
    置。
  15. 【請求項15】 前記4本の照射光軸及び前記2本の照
    射光軸にそれぞれ対応する6つの測定対象の位置をそれ
    ぞれ各面上に含みかつ予め想定された形状を持つ六面体
    の各頂点に相当する位置の相対座標を、前記距離取得部
    により得られた前記各測定対象までの各距離に基づいて
    求める手段を備えたことを特徴とする請求項13又は1
    4記載の測距装置。
  16. 【請求項16】 前記4本の照射光軸及び前記2本の照
    射光軸にそれぞれ対応する6つの測定対象の位置をそれ
    ぞれ各面上に含みかつ予め想定された形状を持つ六面体
    の各面の面積に相当する面積を、前記距離取得部により
    得られた前記各測定対象までの各距離に基づいて求める
    手段を備えたことを特徴とする請求項13乃至15のい
    ずれかに記載の測距装置。
  17. 【請求項17】 前記4本の照射光軸及び前記2本の照
    射光軸にそれぞれ対応する6つの測定対象の位置をそれ
    ぞれ各面上に含みかつ予め想定された形状を持つ六面体
    の体積に相当する体積を、前記距離取得部により得られ
    た前記各測定対象までの各距離に基づいて求める手段を
    備えたことを特徴とする請求項13乃至16のいずれか
    に記載の測距装置。
  18. 【請求項18】 前記予め想定された形状が直方体であ
    ることを特徴とする請求項14乃至17のいずれかに記
    載の測距装置。
  19. 【請求項19】 前記複数の照射光軸は、前記2本以上
    の照射光軸以外に少なくとも1本の照射光軸を含み、 前記少なくとも1本の照射光軸の向きは、前記2本以上
    の照射光軸の向きに対して相対的に変更可能であり、 前記2本以上の照射光軸のいずれかに対する前記少なく
    とも1本の照射光軸の相対的な向きを検出する検出手
    段、又は、前記相対的な向きを示すデータを入力する入
    力手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至18のい
    ずれかに記載の測距装置。
  20. 【請求項20】 室内に関する所定の計測を行う室内計
    測装置であって、請求項1乃至19のいずれかに記載の
    測距装置を備えたことを特徴とする室内計測装置。
  21. 【請求項21】 複数の照射光軸を持つ送受信光学系で
    あって、前記複数の照射光軸に沿って光をそれぞれ同時
    に又は異なるタイミングで照射し、前記複数の照射光軸
    にそれぞれ沿って照射された各照射光に対応する各反射
    光をそれぞれ同時に又は異なるタイミングで受信する送
    受信光学系と、 前記送受信光学系により受信された前記各反射光に基づ
    いて、前記各照射光軸の延長上に存在する各測定対象ま
    での各距離をそれぞれ得る距離取得部と、 を備え、 前記複数の照射光軸のうちの少なくとも1本の照射光軸
    の向きが、他の少なくとも1本の照射光軸の向きに対し
    て相対的に変更可能であり、 前記少なくとも1本の照射光軸の前記他の少なくとも1
    本の照射光軸に対する相対的な向きを検出する検出手
    段、又は、前記相対的な向きを示すデータを入力する入
    力手段を備えたことを特徴とする測距装置。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の測距装置を備えたト
    ータルステーションであって、 前記他の少なくとも1本の照射光軸が下向きであり、 前記他の少なくとも1本の照射光軸に関連して前記距離
    取得部により得られた距離に基づいて、当該トータルス
    テーションの機械高を得ることを特徴とするトータルス
    テーション。
  23. 【請求項23】 視準光学系を備え、前記少なくとも1
    本の照射光軸が視準光学系の光軸と一致したことを特徴
    とする請求項22記載のトータルステーション。
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