JP5815118B2 - 非水電解質二次電池および電池パック - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、非水電解質二次電池およびこの非水電解質二次電池を有する電池パックに関する。
近年、Li4Ti5O12のようなリチウムチタン複合酸化物を負極活物質として用いたリチウムイオン二次電池が開発されている。そのようなリチウムイオン二次電池では、負極活物質に吸着された二酸化炭素や炭酸リチウム(Li2CO3)が、負極活物質に不純物として混入していることが知られている。このようなリチウムイオン二次電池を室温以上の高温で保存すると、電解質の加水分解によって生じるフッ化水素(HF)と上記不純物とが負極上で反応して一酸化炭素や二酸化炭素などの酸化炭素系ガスが発生する。ガス発生によって、自己放電量の増大や、内部抵抗の増大に伴う大電流特性の低下といった問題がもたらされる。
炭素系負極を備えたリチウムイオン二次電池では、負極活物質の表面にSolid Electrolyte Interface(SEI)被膜(以降「被膜」と称する)が存在することが知られている。この被膜は、主に非水電解液が還元分解されることにより生じ、活物質と非水電解液との反応を抑制する働きを有している。しかし、リチウムの酸化還元電位に比べて1Vより貴な電位でリチウム挿入および脱離反応が進行する負極においては、上記のような活物質表面を保護する被膜が形成されにくく、ガス発生などの副反応を抑制することが難しかった。
本発明が解決しようとする課題は、高温保存時のガス発生が抑制され、かつ、自己放電反応が抑制された非水電解質二次電池を提供することである。
実施形態の非水電解質二次電池は、正極、負極および非水電解質を含む。負極は、リチウムの酸化還元電位に対して1V以上高い電位でリチウムの挿入および脱離反応が進行する負極活物質を含む。非水電解質は、電解質塩と、非水溶媒と、ヒドロキシアルキルスルホン酸およびヒドロキシアルケニルスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種と、少なくとも1種のスルホン酸エステルとを含む。ヒドロキシアルキルスルホン酸およびヒドロキシアルケニルスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種は、非水電解液中の含有率が0.1質量%以上である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る非水電解質二次電池を一部破断して示す斜視図である。扁平型の電極群1は、負極2と、正極3と、セパレータ4とを含む。負極2と正極3は、両者の間にセパレータ4を介在させて積層される。この積層体を巻回して扁平形状にすることによって電極群1が形成される。負極2には帯状の負極端子5が電気的に接続されている。正極3には帯状の正極端子6が電気的に接続されている。電極群1は、ラミネートフィルム製の外装袋7内に負極端子5及び正極端子6の端部を外装袋7から延出させた状態で収容されている。ラミネートフィルム製外装袋7内には、図示しない非水電解液が収容されている。ラミネートフィルム製外装袋7の開口部を、負極端子5及び正極端子6が延出した状態でヒートシールすることにより、電極群1及び非水電解液が密封される。
負極2は、平板状の負極集電体と、負極集電体の少なくとも一方の主面に設けられた負極層とを含む。負極層は、負極活物質と、負極導電剤と、負極結着剤とを含む。負極層に含まれる負極活物質、負極導電剤および負極結着剤の割合は、それぞれ、70〜95重量%、0〜25重量%および2〜10重量%であることが好ましい。
負極集電体は、電気伝導性の高い材料を含むシートを使用することができる。例えば、負極集電体として、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔を使用することができる。アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔を使用する場合、その厚さは、例えば20μm以下であり、好ましくは15μm以下である。アルミニウム合金箔には、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等を含めることができる。また、アルミニウム合金箔に含まれる、鉄、銅、ニッケル、クロムといった遷移金属の含有量は1%以下であることが好ましい。
負極活物質は、リチウムの酸化還元電位に対して1V以上高い電位でリチウムの挿入および脱離反応が進行する物質を含む。
負極活物質の一例は、リチウムチタン酸化物である。リチウムチタン酸化物の例は、スピネル型チタン酸リチウム(Li4+xTi5O12)およびラムスデライト型チタン酸リチウム(Li2+xTi3O7)である。負極活物質として、単一種のリチウムチタン酸化物を使用してよく、または二種以上のリチウムチタン酸化物の混合物を使用してもよい。
リチウムチタン酸化物のリチウムイオン吸蔵電位(リチウムの挿入および脱離反応が進行する電位)の上限は、2V(対Li/Li+)以下であることが好ましい。
リチウムチタン酸化物の平均一次粒子径は、5μm以下であることが好ましい。平均一次粒子径が5μm以下であると、電極反応に寄与する有効面積が十分であり、良好な大電流放電特性を得ることができる。
リチウムチタン酸化物は、その比表面積が1〜10m2/gであることが好ましい。比表面積が1m2/g以上であると、電極反応に寄与する有効面積が十分であり、良好な大電流放電特性を得ることができる。一方、比表面積が10m2/g以下であると、非水電解質との反応が抑制され、充放電効率の低下や貯蔵時のガス発生を抑制することができる。
負極活物質の別の例は、充放電によりリチウムチタン酸化物となるチタン酸化物である。チタン酸化物の例はTiO2である。
負極導電剤の例は炭素材料である。炭素材料は、アルカリ金属の吸蔵性および導電性が高いことが好ましい。炭素材料の例は、アセチレンブラックおよびカーボンブラックである。
負極結着剤の例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)である。
負極端子5は、電気伝導性の高い材料からなる。負極端子5の一部は、負極2の一部に電気的に接続されている。好ましくは、負極端子5の一部は、負極集電体の一部に接続されている。負極端子5は、負極2と外部回路との間で電子が移動するための導体となる。
正極3は、平板状の正極集電体と、正極集電体の少なくとも一方の主面に設けられた正極層とを含む。正極層は、正極活物質と、正極導電剤と、正極結着剤とを含む。正極層に含まれる正極活物質、正極導電剤および正極結着剤の割合は、それぞれ、78〜95重量%、3〜20重量%および2〜7重量%であることが好ましい。
正極集電体は、電気伝導性の高い材料を含むシートを使用することができる。例えば、正極集電体として、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔を使用することができる。アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔を使用する場合、その厚さは、例えば20μm以下であり、好ましくは15μm以下である。アルミニウム合金箔には、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等を含めることができる。また、アルミニウム合金箔に含まれる、鉄、銅、ニッケル、クロムといった遷移金属の含有量は1%以下であることが好ましい。
正極活物質の例は、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMn2O4またはLiMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1−xCoxO2、0<x≦1)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnxCo1−xO2、0<x≦1)、リチウムリン酸鉄(LiFePO4)およびリチウム複合リン酸化合物(例えばLiMnxFe1−xPO4、0<x≦1)である。
正極導電剤の例は、アセチレンブラック、カーボンブラックおよび黒鉛である。
正極結着剤の例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、エチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)である。
正極端子6は、電気伝導性の高い材料からなる。正極端子6の一部は、正極2の一部に電気的に接続されている。好ましくは、正極端子6の一部は、正極集電体の一部に接続されている。正極端子6は、正極3と外部回路との間で電子が移動するための導体となる。
セパレータ4は、絶縁性材料からなり、正極と負極との電気的な接触を防止する。好ましくは、セパレータ4は、電解質が通過できる材料からなるか、または電解質が通過できる形状を有する。セパレータ4の例は、合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルムおよびセルロース系のセパレータである。
非水電解液は、非水溶媒、電解質、少なくとも1種のヒドロキシアルキルスルホン酸および少なくとも1種のスルホン酸エステルを含む。
電解質は、例えばアルカリ塩であり、好ましくはリチウム塩である。リチウム塩の例は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化硼酸リチウム(LiBF4)、六フッ化ヒ素リチウム(LiAsF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、およびトリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)である。好ましくは、電解質は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)または四フッ化硼酸リチウム(LiBF4)である。非水電解液中の電解質の濃度は、好ましくは0.5〜2モル/Lである。
非水溶媒は、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の非水溶媒であってよい。非水溶媒の第1例は、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)といった環状カーボネートである。非水溶媒の第2例は、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートおよびジエチルカーボネートといった鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル;テトラヒドロフランおよび2−メチルテトラヒドロフランといった環状エーテル;並びに、ジメトキシエタンおよびジエトキシエタンといった鎖状エーテルである。第2例の溶媒は、第1例の溶媒と比較して一般に低粘度である。また、非水溶媒は、上記の第1例の溶媒と、第2例の溶媒とを混合した溶媒であってよい。
ヒドロキシアルキルスルホン酸は、分子鎖の一方の末端にヒドロキシル基、他方の末端にスルホ基を有し、1以上5以下の炭素を有することが好ましい。ヒドロキシアルキルスルホン酸は、好ましくは、ヒドロキシメタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−ヒドロキシブタンスルホン酸、5−ヒドロキシペンタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロペンスルホン酸および4−ヒドロキシブチレンスルホン酸からなる群より選択される。
ヒドロキシアルキルスルホン酸の非水電解液中の濃度は、例えば0.01質量%以上10質量%以下である。好ましくは、ヒドロキシアルキルスルホン酸の濃度は、0.1質量%以上2質量%以下である。
スルホン酸エステルは、炭素数が2以上5以下で環状構造を有し、好ましくは、1,2−エタンスルトン、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,5−ペンタンスルトン、1,3−プロペンスルトンおよび1,4−ブテンスルトンからなる群より選択される。
スルホン酸エステルの非水電解液中の濃度は、例えば0.01質量%以上10質量%以下である。好ましくは、スルホン酸エステルの濃度は、0.1質量%以上2質量%以下である。
非水電解質二次電池は、負極活物質の表面を覆う被膜を含んでいることが好ましい。被膜は、後述するように、非水電解液中に含まれるヒドロキシアルキルスルホン酸に由来し、硫黄原子を含むものであることが好ましい。被膜の厚さは、好ましくは0.1nm以上10nm以下である。
被膜の厚さは、例えばX線光電子分光測定による表面元素分析によって測定できる。具体的には、Arガスで被膜をエッチングしながらX線光電子スペクトルを測定し、束縛エネルギー170eV付近に現れるS2pに帰属されるピークが消失する時の表面からの深度に基づいて算出できる。ただし、値は同時にエッチングしているSiO2換算での見積もりとして得られる。ここで、ピークの消失はSの表面原子存在比が0.1原子%を下回るときと定義する。
実施形態に係る非水電解質二次電池では、放電の際、負極2において酸化反応が生じ、正極3において還元反応が生じる。負極2の酸化反応において生じた電子は、負極端子5を介して外部回路を通り、正極端子6を介して正極3に運ばれ還元反応に利用される。負極2の酸化反応により、リチウムイオンが負極2から非水電解液中に脱離する。正極3には非水電解液からリチウムイオンが挿入され還元反応に利用される。これらの反応において生じる電子の移動により、外部回路において電気エネルギーが獲得される。
一方、充電の際には、放電における反応と逆の反応が生じる。すなわち、外部電源の作用により、負極端子5を介して負極2に対して電子が供給される。負極2では、この電子と非水電解液から挿入されたリチウムイオンとを利用して、還元反応が行われる。正極3からは正極端子6を介して外部電源に向けて電子が移動する。その際、正極3から非水電解液中にリチウムイオンが脱離し、酸化反応が行われる。これらの反応により、負極2および正極2の状態を、放電を行う前の状態に戻すことが可能となる。
非水電解液中に含まれるスルホン酸エステルは、非水電解液中に水分がある場合、それを利用して加水分解反応を起こす。すなわち、スルホン酸エステルは、非水電解液中の水分を捕捉する。
非水電解液中に含まれるヒドロキシアルキルスルホン酸は、負極活物質の表面に吸着される。この結果、負極活物質の表面には、緻密で薄い被膜が形成される。この被膜は、ヒドロキシアルキルスルホン酸に由来するため、硫黄原子を含む。この被膜は、ヒドロキシアルキルスルホン酸分子が負極活物質表面に吸着したような形態をとっていると考えられ、炭素系負極において生じる被膜のような、非水電解液に含まれる物質が電気化学的反応を経て分解されることで形成される被膜とは異なる。
実施形態に係る非水電解質二次電池によれば、以下に説明するように、高温保存による品質の低下が抑制されるという効果が得られる。
非水電解質二次電池内に水分が存在すると、水素ガス発生の要因となったり、支持塩と反応してフッ化水素(HF)を生じさせる可能性がある。このように発生した水素ガスは、電池内の内圧上昇の原因となる。また、発生したHFは、活物質を腐食させる可能性があり、さらに、活物質内に含まれる炭酸リチウム(Li2CO3)と反応し、二酸化炭素ガスを発生させる原因となっている。
実施形態に係る非水電解質二次電池では、非水電解液中に含まれるスルホン酸エステルが、上述の通り、非水電解液中の水分を捕捉する。その結果、水分による水素ガスおよびフッ化水素の発生が抑制される。水素ガスの発生が抑制される結果、電池内の内圧上昇が抑制される。また、フッ化水素の発生が抑制される結果、活物質の腐食が抑制され、二酸化炭素ガスの発生が抑制される。特に、スルホン酸エステルは、その他のリン酸エステルなどのエステル結合を有する物質と比較して、高い水分捕捉効果を有する。
また、負極活物質として、スピネル型チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)といった、リチウムの酸化還元電位に対して1V以上高い電位でリチウムの挿入および脱離反応が進行する物質を使用する非水電解質二次電池では、炭素系負極を使用したリチウムイオン二次電池と比較して平衡電極電位が貴であるため、非水溶媒や電解質の還元分解に伴う被膜の形成が起きにくい。また、本発明者らの調査の結果、粒子が細かいチタン酸リチウムを使用する場合、二酸化炭素の吸着が起こり易く、このことはガス発生の要因になっていることがわかっている。したがって、粒子が細かいスピネル型チタン酸リチウムを用いた非水電解質二次電池では、充放電を実施した場合、予め非水電解質二次電池中に存在していた二酸化炭素の多くは、非水電解液中に一旦溶解し、負極表面に再吸着されてガス化される。そのようにして生じた二酸化炭素ガスは、非水電解質二次電池の膨張の原因となる。
これに対し、実施形態に係る非水電解質二次電池では、上述の通り、非水電解液中に含まれるヒドロキシアルキルスルホン酸から、緻密で薄い被膜が負極活物質の表面に形成される。このようにして形成された被膜は、負極から非水電解液中に溶解した二酸化炭素が、負極活物質表面に再吸着することを防ぎ、結果として、二酸化炭素ガスの発生を抑制する。また、二酸化炭素ガスの発生が抑制される結果、貯蔵時の自己放電量が低減される。
さらに、実施形態に係る非水電解質二次電池では、非水電解液中にスルホン酸エステルおよびヒドロキシアルキルスルホン酸の両方が含まれることにより、スルホン酸エステルが水分を捕捉することにより得られる効果と、ヒドロキシアルキルスルホン酸が負極表面に被膜を形成することにより得られる効果とを同時に得ることができる。非水電解液中にスルホン酸エステルのみが含まれる場合には、被膜による効果を十分に得ることができない。非水電解液中にヒドロキシアルキルスルホン酸のみが含まれる場合には、水分捕捉による効果を十分に得ることができず、負極内にとどまっているLi2CO3とHFとの反応によって発生するガスを抑制することができない。これに対し、スルホン酸エステルとヒドロキシアルキルスルホン酸を非水電解液中に同時に含めることにより、水分の捕捉と被膜の形成とを同時に達成することが可能となり、ガス発生を十分に抑制することができる。その結果、自己放電量の増大や、内部抵抗の増大に伴う大電流特性の低下といった問題を回避することができる。
なお、鎖状構造を有するスルホン酸エステルではなく、環状構造を有するスルホン酸エステルを使用することで、ガス発生および抵抗の増大を抑制することができる。すなわち、鎖状構造を有するスルホン酸エステルでは、加水分解反応により、スルホン酸とアルコールとが生じ、遊離したアルコールに起因するガス発生および抵抗の増大が生じる。抵抗の増大は、例えばサイクル時の容量維持率の低下を引き起こす。したがって、環状構造を有するスルホン酸エステルを使用することで、ガス発生および抵抗の増大を抑制することができる。
また、スルホン酸エステルの炭化水素成分の炭素数を2から5とすることで、より高い水分補足効果を得ることができる。これは、炭素数が5を超えるスルホン酸エステルに比べて、炭素数が2から5であるスルホン酸エステルの加水分解の反応性が高いためである。
さらに、スルホン酸エステルの非水電解液中の濃度を、0.01質量%以上10質量%以下とすることで、抵抗の増大を生じさせることなく、十分な水分捕捉効果を得ることができる。
ヒドロキシアルキルスルホン酸の炭化水素成分の炭素数を1から5とすることで、被膜の形成をより促進させることができ、ガスの発生を効率的に抑制することができる。これに対し、ヒドロキシアルキルスルホン酸の炭素数が5を超える場合、分子間の干渉により、吸着による被膜の形成が不十分となる。
さらに、ヒドロキシアルキルスルホン酸の非水電解液中の濃度を、0.01質量%以上10質量%以下とすることで、電極表面の腐食を生じさせることなく、ガス発生を十分に抑制することができる。
[電池の製造]
<正極の作製>
正極活物質としてリチウムニッケルコバルト酸化物(LiNi0.8Co0.2O2)粉末91重量%と、アセチレンブラック2.5重量%と、グラファイト3重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)3.5重量%とを、N−メチルピロリドンに添加して混合し、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより密度3.0g/cm3の正極層を有する正極を作製した。
<正極の作製>
正極活物質としてリチウムニッケルコバルト酸化物(LiNi0.8Co0.2O2)粉末91重量%と、アセチレンブラック2.5重量%と、グラファイト3重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)3.5重量%とを、N−メチルピロリドンに添加して混合し、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより密度3.0g/cm3の正極層を有する正極を作製した。
<負極の作製>
負極活物質として、リチウム吸蔵電位が1.55V(対Li/Li+)であるスピネル型リチウムチタン酸化物(Li4Ti5O12)粉末85重量%と、グラファイト5重量%と、アセチレンブラック3重量%と、PVdF7重量%とを、NMPに添加して混合し、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ11μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより密度2.0g/cm3の負極層を有する負極を作製した。
負極活物質として、リチウム吸蔵電位が1.55V(対Li/Li+)であるスピネル型リチウムチタン酸化物(Li4Ti5O12)粉末85重量%と、グラファイト5重量%と、アセチレンブラック3重量%と、PVdF7重量%とを、NMPに添加して混合し、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ11μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより密度2.0g/cm3の負極層を有する負極を作製した。
<電極群の作製>
上記の通り作製した正極と、厚さ20μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータと、上記の通り作製した負極とを、この順序で積層した後、負極が最外周に位置するように渦巻き状に捲回して電極群を作製した。これを90℃で加熱プレスすることにより、幅58mm、高さ95mmおよび厚さ3.0mmの偏平状電極群を作製した。得られた電極群を、厚さが0.1mmのラミネートフィルムからなる外装部材に収容した。この外装部材は、厚さが40μmのアルミニウム箔とそのアルミニウム箔の両面に形成されたポリプロピレン層とで構成されている。このように、外装部材に収容した電極群を、80℃で24時間真空乾燥した。
上記の通り作製した正極と、厚さ20μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータと、上記の通り作製した負極とを、この順序で積層した後、負極が最外周に位置するように渦巻き状に捲回して電極群を作製した。これを90℃で加熱プレスすることにより、幅58mm、高さ95mmおよび厚さ3.0mmの偏平状電極群を作製した。得られた電極群を、厚さが0.1mmのラミネートフィルムからなる外装部材に収容した。この外装部材は、厚さが40μmのアルミニウム箔とそのアルミニウム箔の両面に形成されたポリプロピレン層とで構成されている。このように、外装部材に収容した電極群を、80℃で24時間真空乾燥した。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とを体積比で1:2になるように混合して混合溶媒を調製した。この混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.0モル/Lの濃度で溶解して非水電解液を調製した。
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とを体積比で1:2になるように混合して混合溶媒を調製した。この混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.0モル/Lの濃度で溶解して非水電解液を調製した。
<非水電解液の添加>
電極群を含む外装袋に対し、非水電解液を添加した。その後、外装袋を密封した。これにより、図1に示すような構造を有する二次電池を作製した。この二次電池を、0.2Cレート、25℃環境下にて、2.8Vで充電し、その後、1.5Vに達するまで0.2Cレートで放電した。その後、SOCが50%になるように1Cレートで充電し、所定の時間と温度で貯蔵した(エージング処理)。その後、再び1Cレートで充電し、1Cレートで放電を実施、初期の容量測定を行った。
以上より、例1から49の非水電解質二次電池を製造した。
さらに、例1から49の非水電解質二次電池と同様に、例1−Aから19−Aの電池を製造した。ただし、以下の表2のように、ヒドロキシアルキルスルホン酸およびスルホン酸エステルの条件を変更して製造した。
(例1−A)
非水電解液に対してヒドロキシアルキルスルホン酸およびスルホン酸エステルを加えなかったこと以外は、例1から49と同様に非水電解質二次電池を作製した。
非水電解液に対してヒドロキシアルキルスルホン酸およびスルホン酸エステルを加えなかったこと以外は、例1から49と同様に非水電解質二次電池を作製した。
(例2−A〜15−A)
例2−Aから15−Aの非水電解質電では、ヒドロキシアルキルスルホン酸およびスルホン酸エステルを添加したものの、その量を変更した。すなわち、例2−A、3−A、5−A、6−A、9−A、10−A、12−Aおよび13−Aでは、ヒドロキシアルキルスルホン酸およびスルホン酸エステルのいずれか一方を、添加しなかったか、または不足させた。例4−A、7−A、8−A、11−A、14−Aおよび15−Aでは、ヒドロキシアルキルスルホン酸およびスルホン酸エステルのいずれか一方または両方を過剰な量で添加した。それ以外については、例1と同様に製造した。
例2−Aから15−Aの非水電解質電では、ヒドロキシアルキルスルホン酸およびスルホン酸エステルを添加したものの、その量を変更した。すなわち、例2−A、3−A、5−A、6−A、9−A、10−A、12−Aおよび13−Aでは、ヒドロキシアルキルスルホン酸およびスルホン酸エステルのいずれか一方を、添加しなかったか、または不足させた。例4−A、7−A、8−A、11−A、14−Aおよび15−Aでは、ヒドロキシアルキルスルホン酸およびスルホン酸エステルのいずれか一方または両方を過剰な量で添加した。それ以外については、例1と同様に製造した。
(例16−A〜18−A)
例16−A〜18−Aでは、例1から49において使用したものとは異なる種のスルホン酸エステルおよびヒドロキシアルキルスルホン酸を使用した。すなわち、表2に示すように、炭素数が6以上のスルホン酸エステルおよびヒドロキシアルキルスルホン酸を使用した。それ以外は例1から49と同様に作製した。
例16−A〜18−Aでは、例1から49において使用したものとは異なる種のスルホン酸エステルおよびヒドロキシアルキルスルホン酸を使用した。すなわち、表2に示すように、炭素数が6以上のスルホン酸エステルおよびヒドロキシアルキルスルホン酸を使用した。それ以外は例1から49と同様に作製した。
[試験]
<初期容量測定>
例1〜49および例1−A〜19−Aのそれぞれについて、25℃環境下、1Cレート、2.8Vで充電を行い、その後1.5Vまで1Cレートで放電を行うことで、放電容量を測定した。放電容量は例1−Aに対する相対値として算出した。例について算出した値をそれぞれ表3および表4に示す。初期放電容量の相対値は次式Iに従って算出した。
<初期容量測定>
例1〜49および例1−A〜19−Aのそれぞれについて、25℃環境下、1Cレート、2.8Vで充電を行い、その後1.5Vまで1Cレートで放電を行うことで、放電容量を測定した。放電容量は例1−Aに対する相対値として算出した。例について算出した値をそれぞれ表3および表4に示す。初期放電容量の相対値は次式Iに従って算出した。
DPC=(DX)/(D1-A)×100 … (式1)
上記式1中、DPCはサイクル後放電容量を意味し、DXは例Xの初期放電容量を意味し、D1-Aは例1−Aの初期放電容量を意味する。
上記式1中、DPCはサイクル後放電容量を意味し、DXは例Xの初期放電容量を意味し、D1-Aは例1−Aの初期放電容量を意味する。
<負極表面の硫黄原子の観察>
エージング処理後の負極表面に形成された、硫黄原子を含有する被膜の厚さを、X線光電子分光測定による表面元素分析によって測定した。被膜の厚さは、ArでエッチングしながらX線光電子スペクトルを測定し、束縛エネルギー170eV付近に現れるS2pに帰属されるピークが消失する時の表面からの深度として算出した。値はSiO2換算で算出した。例における被膜の厚さを表3および表4に示す。
エージング処理後の負極表面に形成された、硫黄原子を含有する被膜の厚さを、X線光電子分光測定による表面元素分析によって測定した。被膜の厚さは、ArでエッチングしながらX線光電子スペクトルを測定し、束縛エネルギー170eV付近に現れるS2pに帰属されるピークが消失する時の表面からの深度として算出した。値はSiO2換算で算出した。例における被膜の厚さを表3および表4に示す。
<高温保存試験>
例1〜49のそれぞれについて、SOC50%および65℃の環境下で2週間高温保存した。その後の、電池膨れ量および保存時の自己放電量を表3に示す。
例1〜49のそれぞれについて、SOC50%および65℃の環境下で2週間高温保存した。その後の、電池膨れ量および保存時の自己放電量を表3に示す。
ここで、表中の「電池膨れ(相対比)」は、各電池の電池膨れ量を、例1−Aの電池膨れ量に対する相対値として表した。すなわち、まず次式2に従って、各電池の膨れ量を算出した。
B=T1−T0 … (式2)
上記式2中、Bは電池膨れ量を意味し、T1は保存後電池厚みを意味し、T0は保存前電池厚みを意味する。
上記式2中、Bは電池膨れ量を意味し、T1は保存後電池厚みを意味し、T0は保存前電池厚みを意味する。
続いて、次式3に従って、電池膨れ量の相対値に変換した。
Brel=BX/B1-A×100 … (式3)
上記式3中、Brelは電池膨れ量相対値を意味し、BXは例Xの電池膨れ量を意味し、B1-Aは例1−Aの電池膨れ量を意味する。
上記式3中、Brelは電池膨れ量相対値を意味し、BXは例Xの電池膨れ量を意味し、B1-Aは例1−Aの電池膨れ量を意味する。
また、「自己放電量(相対比)」は、各電池の自己放電量を、例1−Aの自己放電量に対する相対値として表した。すなわち、まず次式4に従って、各電池の自己放電量を算出した。
Dself=C0−C1 … (式4)
上記式4中、Dselfは自己放電量を意味し、C0は保存開始時の充電容量を意味し、C1は保存後の残存容量を意味する。
上記式4中、Dselfは自己放電量を意味し、C0は保存開始時の充電容量を意味し、C1は保存後の残存容量を意味する。
続いて、次式5に従って、自己放電量の相対値に変換した。
Dself-rel=Dself X/Dself 1-A×100 … (式5)
上記式5中、Dself-relは自己放電量の相対値を意味し、Dself Xは例Xの自己放電量を意味し、Dself 1-Aは例1−Aの自己放電量を意味する。
上記式5中、Dself-relは自己放電量の相対値を意味し、Dself Xは例Xの自己放電量を意味し、Dself 1-Aは例1−Aの自己放電量を意味する。
ここで、保存開始時の充電容量は、各々の電池の実用量に対してSOC50%となる容量であり、保存後の残存容量は、高温保存後に25℃環境下、1Cレートで1.5Vまで放電した時の放電容量とした。
例1−A〜19−Aについても、例1〜49と同様に、保存後の電池膨れ量および自己放電量を算出し、例1−Aに対する相対値として表4に示す。
<サイクル試験>
例1〜49および例1−A〜19−Aのそれぞれについて、50℃環境下、1.5−2.8Vの電圧範囲において、電流レート2Cで10000サイクルした後の放電容量を例1−Aに対する相対値として算出した。放電容量はサイクル後に25℃環境下、1Cレート、2.8Vで充電を行い、25℃環境下、1Cレートで1.5Vに達するまで放電したときの放電容量である。例の結果を表3および表4に示す。
例1〜49および例1−A〜19−Aのそれぞれについて、50℃環境下、1.5−2.8Vの電圧範囲において、電流レート2Cで10000サイクルした後の放電容量を例1−Aに対する相対値として算出した。放電容量はサイクル後に25℃環境下、1Cレート、2.8Vで充電を行い、25℃環境下、1Cレートで1.5Vに達するまで放電したときの放電容量である。例の結果を表3および表4に示す。
[評価]
(例1〜16について)
例1〜16では、スルホン酸エステルとして1,3−プロパンスルトンを使用し、ヒドロキシアルキルスルホン酸として3−ヒドロキシプロパンスルホン酸を使用した。また、それぞれの添加量を0.01質量%以上10質量%以下の範囲とした。この場合、例1−Aに比べて高温保存時のガス発生に伴う電池の膨れおよび自己放電量が抑制され、サイクル後の放電容量が高い水準となった。
(例1〜16について)
例1〜16では、スルホン酸エステルとして1,3−プロパンスルトンを使用し、ヒドロキシアルキルスルホン酸として3−ヒドロキシプロパンスルホン酸を使用した。また、それぞれの添加量を0.01質量%以上10質量%以下の範囲とした。この場合、例1−Aに比べて高温保存時のガス発生に伴う電池の膨れおよび自己放電量が抑制され、サイクル後の放電容量が高い水準となった。
例1、5、9および13の比較から、1,3−プロパンスルトンの添加量が増大するほど自己放電量が低下することがわかる。これは、1,3−プロパンスルトンの添加量の増大に応じて、水分を捕捉する程度が増大し、HFの発生がより抑制され、ガス発生量がより低減され、その結果自己放電量が低下するためだと考えられる。
また、例1〜16では、電池膨れ量および自己放電量の両方が、例1−Aに比べて低減していることがわかる。この一因としては、3−ヒドロキシアルキルスルホン酸が添加されたことによって、負極表面が0.1nm以上10nm以下の硫黄原子含有被膜に覆われ、ガス発生反応を含む副反応が抑制されたことが考えられる。
以上のように、1,3−プロパンスルトンおよび3−ヒドロキシアルキルスルホン酸の添加により、電池反応以外の副反応が抑制され、抵抗の上昇が抑制され、高い水準のサイクル後の容量を達成できることがわかる。
(例2−A〜8−Aについて)
例2−Aおよび3−Aの結果から、1,3−プロパンスルトンが不足すると、電池膨れを抑制できないことがわかる。この原因としては、1,3−プロパンスルトンが不足した結果、水分捕捉効果が十分に得られず、ガス発生を抑制することができないことが考えられる。
例2−Aおよび3−Aの結果から、1,3−プロパンスルトンが不足すると、電池膨れを抑制できないことがわかる。この原因としては、1,3−プロパンスルトンが不足した結果、水分捕捉効果が十分に得られず、ガス発生を抑制することができないことが考えられる。
また、例5−Aおよび6−Aの結果から、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸が不足すると、自己放電量を十分に抑制できないことがわかる。この原因としては、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸が不足した結果、十分な負極被膜が形成されないことが考えられる。
また、例4−Aおよび8−Aの結果から、1,3−プロパンスルトンを、10質量%を超える量である20質量%にした場合、初回放電容量およびサイクル後の容量の低下が生じることがわかる。この原因としては、1,3−プロパンスルトンが過剰となる結果、非水電解液が高粘度化すること、および余剰の1,3−プロパンスルトンが正極上で分解され、抵抗が上昇することが考えられる。
例7−Aの結果から、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸を、10質量%を超える量である20質量%にした場合にも、初回放電容量およびサイクル後の容量の低下が生じることがわかる。この原因としては、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸が過剰となる結果、負極被膜が厚膜化してしまい、抵抗上昇が生じ、さらに、酸性度の上昇により活物質が腐食されてしまうことが考えられる。
(例17〜49について)
例17〜49から、炭素数が4または5であるスルホン酸エステルを使用した場合であっても、炭素数が3である1,3−プロパンスルトンを使用した例1から16と同様に、ガス膨れ量が例1−Aに対して有意に低下することがわかる。ただし、1,3−プロパンスルトンに比べると炭素数が増えるにつれて水分捕捉効果が弱まるため、ガス膨れの抑制効果も低下する傾向にあることがわかる。
例17〜49から、炭素数が4または5であるスルホン酸エステルを使用した場合であっても、炭素数が3である1,3−プロパンスルトンを使用した例1から16と同様に、ガス膨れ量が例1−Aに対して有意に低下することがわかる。ただし、1,3−プロパンスルトンに比べると炭素数が増えるにつれて水分捕捉効果が弱まるため、ガス膨れの抑制効果も低下する傾向にあることがわかる。
同様に、炭素数が3以外のヒドロキシアルキルスルホン酸を使用した場合であっても、炭素数が3であるヒドロキシアルキルスルホン酸を使用した例1から16と同様に、負極表面に緻密な保護被膜層を形成でき、自己放電の抑制およびサイクル放電容量の維持が可能であることがわかる。
(例9−A〜15−Aについて)
例9−Aから11−Aおよび15−Aの結果から、炭素数が4であるスルホン酸エステル、すなわち1,4−ブタンスルトンを0.01質量%未満の量で使用した場合、ガス膨れ抑制効果が得られず、10質量%を超える量である20質量%で使用した場合、抵抗上昇に伴う容量の低下が生じてしまうことがわかる。
例9−Aから11−Aおよび15−Aの結果から、炭素数が4であるスルホン酸エステル、すなわち1,4−ブタンスルトンを0.01質量%未満の量で使用した場合、ガス膨れ抑制効果が得られず、10質量%を超える量である20質量%で使用した場合、抵抗上昇に伴う容量の低下が生じてしまうことがわかる。
また、例12−Aから15−Aの結果から、炭素数が4であるヒドロキシアルキルスルホン酸、すなわち4−ヒドロキシブタンスルホン酸を0.01質量%未満の量で使用した場合には保護被膜形成による自己放電抑制効果が得られず、10質量%を超える量である20質量%で使用した場合には抵抗上昇に伴う容量の低下が生じてしまうことがわかる。
(例16−A〜18−Aについて)
例16−A〜18−Aの結果から、炭素数が6であるスルホン酸エステル、すなわち1,6−ヘキサンスルトンを用いた場合、水分捕捉効果が十分に得られず、ガス膨れを十分に抑制できないことがわかる。また、炭素数が6であるヒドロキシアルキルスルホン酸、すなわち6−ヒドロキシヘキサンスルホン酸を用いた場合、負極表面に緻密な被膜が形成されないため、自己放電を十分に抑制できないことがわかる。
例16−A〜18−Aの結果から、炭素数が6であるスルホン酸エステル、すなわち1,6−ヘキサンスルトンを用いた場合、水分捕捉効果が十分に得られず、ガス膨れを十分に抑制できないことがわかる。また、炭素数が6であるヒドロキシアルキルスルホン酸、すなわち6−ヒドロキシヘキサンスルホン酸を用いた場合、負極表面に緻密な被膜が形成されないため、自己放電を十分に抑制できないことがわかる。
(例19−Aについて)
例19−Aから、鎖状の化学構造を有するスルホン酸エステルであるメタンスルホン酸メチルを用いた場合、サイクル後の放電容量が大きく低下することがわかる。これは、メタンスルホン酸メチルの加水分解によりアルコール(メタノール)が生成してしまい、アルコールの電気化学的な分解に起因すると考えられるガス発生および抵抗上昇が生じるためだと考えられる。
例19−Aから、鎖状の化学構造を有するスルホン酸エステルであるメタンスルホン酸メチルを用いた場合、サイクル後の放電容量が大きく低下することがわかる。これは、メタンスルホン酸メチルの加水分解によりアルコール(メタノール)が生成してしまい、アルコールの電気化学的な分解に起因すると考えられるガス発生および抵抗上昇が生じるためだと考えられる。
次に、他の実施形態に係る電池パックについて説明する。電池パックは、上述した非水電解質二次電池(単電池)を1個または複数有する。複数の単電池を備える場合、各単電池は電気的に直列もしくは並列に接続されている。このような電池パックを図2および図3を参照して説明する。
扁平型非水電解質二次電池から構成される複数の単電池21は、外部に延出した負極端子5および正極端子6が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ22で締結されて組電池23を構成している。これらの単電池21は、図3に示すように互いに電気的に直列に接続されている。
プリント配線基板24は、負極端子5および正極端子6が延出する単電池21側面に対向して配置されている。プリント配線基板24には、図3に示すようにサーミスタ25、保護回路26および外部機器への通電用端子27が搭載されている。なお、組電池23と対向する保護回路基板24の面には組電池23の配線との不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
正極側リード28は、組電池23の最下層に位置する正極端子6に接続され、その先端はプリント配線基板24の正極側コネクタ29に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード30は、組電池23の最上層に位置する負極端子5に接続され、その先端はプリント配線基板24の負極側コネクタ31に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ29,31は、プリント配線基板24に形成された配線32,33を通して保護回路26に接続されている。
サーミスタ25は、単電池21の温度を検出し、その検出信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路26と外部機器への通電用端子27との間のプラス側配線34aおよびマイナス側配線34bを遮断できる。所定の条件とは、例えばサーミスタ25の検出温度が所定温度以上になったときである。また、所定の条件とは単電池21の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。この過充電等の検出は、個々の単電池21もしくは単電池21全体について行われる。個々の単電池21を検出する場合、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図2および図3の場合、単電池21それぞれに電圧検出のための配線35を接続し、これら配線35を通して検出信号が保護回路26に送信される。
正極端子6および負極端子5が突出する側面を除く組電池23の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート36がそれぞれ配置されている。
組電池23は、各保護シート36およびプリント配線基板24と共に収納容器37内に収納される。すなわち、収納容器37の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート36が配置され、短辺方向の反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池23は、保護シート36およびプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。蓋38は、収納容器37の上面に取り付けられている。
なお、組電池23の固定には粘着テープ22に代えて、熱収縮チューブを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮チューブを周回させた後、熱収縮チューブを熱収縮させて組電池を結束させる。
図2および図3では単電池21を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには並列に接続してもよい。組み上がった電池パックを直列、並列に接続することもできる。
また、電池パックの態様は用途により適宜変更される。電池パックの用途としては、大電流特性でのサイクル特性が望まれるものが好ましい。具体的には、デジタルカメラの電源用や、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車等の車載用が挙げられる。特に、車載用が好適である。
非水電解液中のヒドロキシアルキルスルホン酸およびスルホン酸エステルの含有率が電池の特性に与える影響を調べるため、以下に示す更なる例50から67の電池を作製し、試験した。
(例50から67)
例1から49の非水電解質二次電池と同様に、例50から67の電池を製造した。ただし、以下の表5のように、ヒドロキシアルキルスルホン酸およびスルホン酸エステルの条件を変更して製造した。
例1から49の非水電解質二次電池と同様に、例50から67の電池を製造した。ただし、以下の表5のように、ヒドロキシアルキルスルホン酸およびスルホン酸エステルの条件を変更して製造した。
表6に示した結果から、スルホン酸エステルを10質量%を超え且つ18質量%以下で使用した例54から58および例66の電池は、スルホン酸エステルを20質量%で使用した例4−A、8−A、11−Aおよび15−Aの電池(表2および表4に示す)よりも初回放電容量およびサイクル後放電容量に優れており、実用的な電池であったことが分かる。
また、表6に示した結果から、ヒドロキシアルキルスルホン酸を10質量%を超え且つ18質量%以下で使用した例50から53、58から65および67の電池は、ヒドロキシアルキルスルホン酸を20質量%で用いた例7−A、8−A、14−Aおよび15−Aの電池(表2および表4に示す)よりも初回放電容量およびサイクル後放電容量に優れており、実用的な電池であったことが分かる。
つまり、例1から67および例1−Aから19−Aの電池に対する試験結果から、スルホン酸エステルの非水電解液中の含有率は、0.01質量%以上18質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以上10質量%以下であることが更により好ましいことが分かる。同様に、ヒドロキシアルキルスルホン酸の非水電解液中の含有率は、0.01質量%以上18質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以上10質量%以下であることが更により好ましいことが分かる。
また、表6に示した結果から、ヒドロキシアルキルスルホンを酸0.01質量%以上15質量%以下で使用した例54から58および例66の電池、並びにヒドロキシアルキルスルホン酸を10質量%を超え且つ18質量%以下で使用した例50から53、59から65および67の電池は、ヒドロキシアルキルスルホン酸を使用しない例1−A、5−Aおよび12−A(表2および表4に示す)よりも自己放電量が著しく小さいことが分かる。
さらに、表6に示した結果から、スルホン酸エステルを10質量%を超え且つ18質量%以下で使用した例54から58から66の電池、並びにスルホン酸エステルを0.01質量%以上10質量%以下で使用した例50から53、59から65および67の電池は、スルホン酸エステルを使用しない例1−A、2−Aおよび9−A(表2および表4に示す)よりも、電池膨れが著しく小さいことが分かる。
以上の例において記載した非水電解液中の各成分の「質量%」は、非水電解液全量に対する質量%、すなわち非水溶媒の質量と、電解質の質量と、少なくとも1種のヒドロキシアルキルスルホン酸の質量と、少なくとも1種のスルホン酸エステルの質量との合計に対する質量%を指す。
非水電解液において、少なくとも1種のヒドロキシアルキルスルホン酸と少なくとも1種のスルホン酸エステルとを組み合わせて用いることによって得られる効果について、説明する。
先に説明したように、少なくとも1種のスルホン酸エステルは、非水電解液中の水分を捕捉する機能を発揮することができる。それゆえに、非水電解液中に少なくとも1種のスルホン酸エステルが存在していると、フッ化水素の発生を抑えることができ、ひいてはフッ化水素を原因とした活物質の表面の腐食を抑制することができる。腐食が少ない表面を有する負極活物質ほど、少なくとも1種のヒドロキシアルキルスルホン酸がより容易に付着することができる。
そのため、少なくとも1種のヒドロキシアルキルスルホン酸と共に少なくとも1種のスルホン酸エステルとが共存する非水電解液では、少なくとも1種のヒドロキシアルキルスルホン酸は存在するが少なくとも1種のスルホン酸エステルは存在しない非水電解液よりも、負極活物質の表面に少なくとも1種のヒドロアルキルスルホン酸が付着しやすく、結果として、負極活物質の表面に保護被膜が形成されやすい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]正極と、リチウムの酸化還元電位に対して1V以上高い電位でリチウムの挿入および脱離反応が進行する負極活物質を含む負極と、非水溶媒、電解質、少なくとも1種のヒドロキシアルキルスルホン酸および少なくとも1種のスルホン酸エステルを含む非水電解液とを含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
[2]前記ヒドロキシアルキルスルホン酸は、ヒドロキシメタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−ヒドロキシブタンスルホン酸、5−ヒドロキシペンタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロペンスルホン酸および4−ヒドロキシブチレンスルホン酸からなる群より選択され、前記非水電解液中の含有率が0.01質量%以上18質量%以下であり、前記スルホン酸エステルは、1,2−エタンスルトン、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,5−ペンタンスルトン、1,3−プロペンスルトンおよび1,4−ブテンスルトンからなる群より選択され、前記非水電解液中の含有率が0.01質量%以上18質量%以下であることを特徴とする[1]に記載の非水電解質二次電池。
[3]前記負極は表面に硫黄原子を含む被膜を有し、前記被膜の厚さが0.1nm以上10nm以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載の非水電解質二次電池。
[4]前記負極活物質がスピネル型チタン酸リチウムであることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
[5][1]ないし[4]のいずれかに記載の非水電解質二次電池を有することを特徴とする電池パック。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]正極と、リチウムの酸化還元電位に対して1V以上高い電位でリチウムの挿入および脱離反応が進行する負極活物質を含む負極と、非水溶媒、電解質、少なくとも1種のヒドロキシアルキルスルホン酸および少なくとも1種のスルホン酸エステルを含む非水電解液とを含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
[2]前記ヒドロキシアルキルスルホン酸は、ヒドロキシメタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−ヒドロキシブタンスルホン酸、5−ヒドロキシペンタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロペンスルホン酸および4−ヒドロキシブチレンスルホン酸からなる群より選択され、前記非水電解液中の含有率が0.01質量%以上18質量%以下であり、前記スルホン酸エステルは、1,2−エタンスルトン、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,5−ペンタンスルトン、1,3−プロペンスルトンおよび1,4−ブテンスルトンからなる群より選択され、前記非水電解液中の含有率が0.01質量%以上18質量%以下であることを特徴とする[1]に記載の非水電解質二次電池。
[3]前記負極は表面に硫黄原子を含む被膜を有し、前記被膜の厚さが0.1nm以上10nm以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載の非水電解質二次電池。
[4]前記負極活物質がスピネル型チタン酸リチウムであることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
[5][1]ないし[4]のいずれかに記載の非水電解質二次電池を有することを特徴とする電池パック。
1…電極群、2…負極、3…正極、4…セパレータ、5…負極端子、6…正極端子、7…外装袋、21…単電池、23…組電池、24…プリント配線基板、25…サーミスタ、26…保護回路、37…収納容器、38…蓋。
Claims (7)
- 正極と、
リチウムの酸化還元電位に対して1V以上高い電位でリチウムの挿入および脱離反応が進行する負極活物質を含む負極と、
非水溶媒と、電解質と、ヒドロキシアルキルスルホン酸およびヒドロキシアルケニルスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種と、少なくとも1種のスルホン酸エステルとを含む非水電解液と
を含み、
ヒドロキシアルキルスルホン酸およびヒドロキシアルケニルスルホン酸からなる群より選択される前記少なくとも1種は、前記非水電解液中の含有率が0.1質量%以上であることを特徴とする非水電解質二次電池。 - ヒドロキシアルキルスルホン酸およびヒドロキシアルケニルスルホン酸からなる群より選択される前記少なくとも1種は、ヒドロキシメタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−ヒドロキシブタンスルホン酸、5−ヒドロキシペンタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロペンスルホン酸および4−ヒドロキシブチレンスルホン酸からなる群より選択され、前記非水電解液中の含有率が0.1質量%以上18質量%以下であり、
前記スルホン酸エステルは、1,2−エタンスルトン、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,5−ペンタンスルトン、1,3−プロペンスルトンおよび1,4−ブテンスルトンからなる群より選択され、前記非水電解液中の含有率が0.01質量%以上18質量%以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。 - 前記負極は表面に硫黄原子を含む被膜を有し、前記被膜の厚さが0.1nm以上10nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
- 前記負極活物質がスピネル型チタン酸リチウムであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- ヒドロキシアルキルスルホン酸およびヒドロキシアルケニルスルホン酸からなる群より選択される前記少なくとも1種は、ヒドロキシメタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−ヒドロキシブタンスルホン酸、5−ヒドロキシペンタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロペンスルホン酸および4−ヒドロキシブチレンスルホン酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記スルホン酸エステルは、1,2−エタンスルトン、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,5−ペンタンスルトン、1,3−プロペンスルトンおよび1,4−ブテンスルトンからなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池を有することを特徴とする電池パック。
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