JP2015041511A - リチウム二次電池用電解液の添加剤 - Google Patents

リチウム二次電池用電解液の添加剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 高容量であり、容量の経時劣化が小さく、寿命特性にも優れたリチウム二次電池が得られる、リチウム二次電池用電解液の添加剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のリチウムイオン二次電池用電解液の添加剤は、(RO)(RO)(RO)(BO)(式中、R〜Rは、炭素数1〜6の有機基であり、R〜Rの少なくとも1つは置換又は非置換のシクロヘキシル基である)で表されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池用電解液の添加剤、並びにそれを用いた電解液及びリチウム二次電池に関する。
近年の携帯電話や携帯用パソコン等の移動体通信用電源は、ますます小型化、高エネルギー密度化(高容量化)が要望されており、電気自動車や、電力を動力の一部に利用したハイブリッド車、ハイブリッド電車の実用化が進んでいる。さらに、環境保護の観点から、深夜電力の貯蔵のみならず、太陽電池や風力発電と組み合わせた電力貯蔵用電源の開発も進んでいる。このような状況下、リチウム二次電池が注目されているが、リチウム二次電池は、充放電を繰り返すことで充放電効率の低下を示すため、電池性能の経時劣化が小さいリチウム二次電池が求められている。
(特許文献1)には、リチウム挿入化合物正極、リチウム化合物負極、セパレータ、非水系溶剤にリチウム塩を溶解した非水系電解質、及びホウ素、酸素及び有機末端基からなり、この有機末端基が上記正極、負極及び電解質に対して化学的な相溶性を示す容量減衰率抑制添加化合物を配合して、充放電サイクル時の容量減衰率を抑制した再充電可能な非水系リチウム電池において、上記容量減衰率抑制添加化合物が少なくとも1個のボロキシン(BO)環を有することを特徴とする再充電可能な非水系リチウム電池が開示されている。上記添加剤により、電池のサイクル特性が向上することが述べられているが、電池の高容量化とともに、さらにサイクル特性を改善することが望まれている。
特開平10−223258号公報
そこで本発明は、上記従来の状況に鑑み、高容量であり、容量の経時劣化が小さく、寿命特性にも優れたリチウム二次電池が得られる、リチウム二次電池用電解液の添加剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、1分子中にシクロヘキシル基及びボロキシン環を有する化合物を添加剤として電解液中に含有させることで、電池サイクル試験後の電池容量の低下が抑制され、電池の寿命特性が向上することを見出し、発明を完成した。
すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池用電解液の添加剤は、(RO)(RO)(RO)(BO)(式中、R〜Rは、炭素数1〜6の有機基であり、R〜Rの少なくとも1つは置換又は非置換のシクロヘキシル基である)で表されることを特徴とする。
本発明の添加剤により、リチウム二次電池の初期容量が大きくなり、さらに経時的な電池容量の低下が抑制され、電池の寿命特性が向上する。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池の内部構造を模式的に表す図である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更及び修正が可能である。
<電池構造>
図1は、本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池の内部構造を模式的に表す図である。図1に示す本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池1は、正極10、セパレータ11、負極12、電池容器13、正極集電タブ14、負極集電タブ15、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、正温度係数(Positive temperature coefficient;PTC)抵抗素子19、電池蓋20及び軸心21から概略構成される。電池蓋20は、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18及び正温度係数抵抗素子19からなる一体化部品である。また、軸心21には、正極10、セパレータ11及び負極12が捲回されている。
セパレータ11を正極10及び負極12の間に挿入し、軸心21に捲回した電極群において、軸心21は、正極10、セパレータ11及び負極12を担持できるものであれば、公知の任意の軸心を用いることができる。この実施の形態では、電極群は円筒形状に形成されている。電池容器13の形状は、電極群の形状に合わせて円筒形状に形成されている。
電池容器13の材質は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼製等、電解液に対し耐食性のある材料から選択される。電池容器13を正極10又は負極12に電気的に接続する場合に、電解液と接触している部分において電池容器13の腐食やリチウムイオンとの合金化による材料の変質が起こらないように、電池容器13の材料の選定を行う。
電池容器13に電極群を収納し、電池容器13の内壁に負極集電タブ15を接続し、電池蓋20の底面に正極集電タブ14を接続する。電解液は、電池を密閉する前に電池容器13の内部に注入する。電解液の注入方法は、電池蓋20を開放した状態にて電極群に直接添加する方法、又は電池蓋20に設置した注入口から添加する方法がある。
その後、電池蓋20を電池容器13に密着させ、電池全体を密閉する。電解液の注入口がある場合は、それも密封する。電池の密閉は、溶接、かしめ等公知の技術を用いて行うことができる。
<負極>
負極12は、負極活物質、バインダ及び集電体から概略構成される。負極活物質を、スチレンブタジエン共重合体等のバインダ、及び必要に応じてカルボキシメチルセルロース等と混合して負極合剤スラリーを調製し、これをドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法等によって集電体に塗布し、溶媒を乾燥させ、プレスすることにより負極を作製することができる。負極合剤層の厚さは、集電体の両面に塗布した場合で、それぞれ50μm〜200μmとすることが望ましいがこれに限定されるものではない。塗布から乾燥までを複数回行うことにより、複数の合剤層を集電体に積層化させることも可能である。負極の集電体としては、厚さ7μm〜25μmの銅箔等を用いることが望ましい。
負極活物質としては、天然黒鉛、石油コークス又は石炭ピッチコークス等から得られる易黒鉛化材料を2500℃以上の高温で処理したもの、メソフェーズカーボン、非晶質炭素、黒鉛の表面に非晶質炭素を被覆したもの、天然又は人造黒鉛の表面を機械的処理することにより表面の結晶性を低下させた炭素材、高分子等の有機物を炭素表面に被覆・吸着させた材料、炭素繊維、リチウム金属、リチウムと合金化する金属、シリコン又は炭素粒子表面に金属を担持させた材料等が用いられる。担持させる金属としては、例えば、リチウム、アルミニウム、スズ、ケイ素、インジウム、ガリウム及びマグネシウムより選択される金属あるいはそれらの合金が挙げられる。また、スズ、ケイ素、鉄、チタン等の金属の酸化物を負極活物質として用いても良い。これらの負極活物質は、いずれか1種を単独で又は2種以上を混合させて用いることができる。
負極活物質の粒径は、負極活物質及びバインダから形成される合剤層の厚さ以下になるように通常は規定される。負極活物質の粉末中に合剤層厚さ以上のサイズを有する粗粒がある場合、予めふるい分級や風流分級等により粗粒を除去し、合剤層厚さ以下の粒子を作製することが好ましい。
バインダとしては、水に溶解、膨潤又は分散するポリマーを用いることができ、例えば、スチレンブタジエン共重合体、アクリル基を有するポリマー、シアノ基を有するポリマー等が適用可能である。
負極合剤層におけるバインダの量は、負極活物質、増粘効果を向上させる目的で用いるカルボキシメチルセルロース等及びバインダを合わせた重量に対して、例えば0.8重量%〜1.5重量%程度とすることが望ましい。バインダ成分が多くなると、内部抵抗値の増加や電池容量の低下につながる。一方で、バインダ成分が少な過ぎると、電極の密着強度が低下し、電極作製が困難になったり、電池の保存特性、サイクル特性の低下を招いたりする恐れがある。カルボキシメチルセルロース等の、合剤スラリーの増粘を目的として加える有機物自体が、結着力向上効果を発現する場合もあり、さらに、用いる活物質により、その最適値も大きく変わり得るので、電池の初期特性や保存特性、サイクル特性等の電池試験結果を基に配合比率を決定することが望ましい。
また、水には溶解、膨潤又は分散しない有機系のバインダを用いることも可能である。有機系バインダを用いる場合は、負極活物質、カルボキシメチルセルロース等及びバインダを合わせた重量に対して例えば3重量%〜6重量%程度とすることができる。最適な配合比率は、水系バインダの場合と同様に、電池の保存特性、サイクル特性等の試験結果を基に決定することがより望ましい。
<電解液>
本発明における電解液は、一般式(RO)(RO)(RO)(BO)で表される、ボロキシン環を有する化合物(以下、「ボロキシン化合物」という)を添加剤として含む。
ここで、R〜Rは、炭素数1〜6の有機基であり、具体的には、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基等を挙げることができる。上記有機基中には、場合によりハロゲン、窒素、硫黄等が含有されていても良い。そして、R〜Rの少なくとも1つは、シクロヘキシル基である。シクロヘキシル基は、非置換であって良く、あるいはハロゲン等で一つ以上のプロトンが置換されていても良い。特に、(C11O)(BO)で表されるボロキシン化合物は添加剤としての性能に優れるため好ましく用いられる。
上記ボロキシン化合物は、例えば、B(OR)(式中、Rの少なくとも1つは置換又は非置換のシクロアルキル基である)と無水ホウ酸C11との縮合反応(脱水反応)等により合成することが可能である。また、B(OR)に加えて、OH基を有する化合物を反応させ、それらのモル数を変化させることにより、一分子中に異なる有機基を有する(RO)(RO)(RO)(BO)で表されるボロキシン化合物を得ることができる。
ボロキシン環(B−O)に結合するシクロヘキシル基によって、ボロキシン環の電荷密度が変わり、それによってリチウム塩等の電解質の解離度を変化させることができる。すなわち、例えばリチウム塩は、電解液中においてLiとX(Xはアニオン部)との間で静電気的な相互作用を形成している。ここで、リチウム二次電池の放電特性を向上させるためには、電解液中における、イオンの伝導度を向上させ、充放電の際のリチウムイオンの移動度を増すことが必要である。本発明における(RO)(RO)(RO)(BO)で表されるボロキシン化合物は、B−O結合による環状構造を形成しており、共有結合を形成しない非共有電子対を持ち、電子リッチな状態にある。そのため、電解液中において、正電荷を有するLiと相互作用を形成する。それにより、リチウムイオンの解離度が増加し、イオン伝導度が向上するものと考えられる。電池反応に寄与できるイオン量が増加することで電池の高容量化が可能になる。
上記ボロキシン化合物の添加剤は、電解液への添加量が多過ぎると電解液の粘度等の液物性を低下させてしまう可能性があり、最適な添加量は、電解液の非水溶媒の組成や電解質の種類等によって適宜設定される。好ましくは、上記ボロキシン化合物の添加剤の量を、電解質及び非水溶媒の合計量に対して0.1重量%〜1重量%、特に0.2重量%〜0.5重量%とすることが好ましい。
さらに、ボロキシン化合物に加えて、ビニレンカーボネートを電解液中に含有させることができる。これにより、電解液の分解反応を抑制し、電池のサイクル特性を改善することが可能になる。電解液中のビニレンカーボネートの濃度は、1重量%以下とすることが好ましい。
負極活物質表面には、C=O、C−H及びCOO等の表面官能基が存在し、これらの表面官能基は電池反応で電解液と不可逆な反応をすることで、SEI被膜という表面被膜を形成する。SEI被膜の形成は、その生成により電荷を消費するため、電池の容量低下の一因になるが、ビニレンカーボネートを反応に関与させることでこの容量低下を抑制し、また、SEI被膜により電極界面での電解液との経時的な反応を抑制して、寿命の向上したリチウム二次電池を提供することができる。
非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。また、これら非水溶媒については、フッ素置換体等のハロゲン化物や硫黄元素で置換したものを用いても良い。さらに、これらの非水溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。なお、2種類以上の非水溶媒を用いる場合は、環状カーボネートや環状ラクトンのような粘度の大きい溶媒と、鎖状カーボネートや鎖状エステルのような粘度の小さい溶媒との混合溶媒系を用いるのが好ましい。
電解質としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSO)N等のリチウム塩を用いることができる。これらの電解質は、いずれか1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。電解質の濃度は、非水溶媒に対し0.6mol/l〜1.5mol/lとすることが望ましいが、これに限定されるものではない。
必要に応じて、電池の諸特性向上のため、具体的には、負極活物質表面における還元分解の抑制、正極活物質からのMn溶出抑制、電解液のイオン伝導性の向上、電解液の不燃・難燃化等を目的として、上記ボロキシン化合物、電解質、非水溶媒及びビニレンカーボネート以外の成分を添加することができる。具体例としては、カルボン酸無水物基を有する化合物、プロパンサルトン等の硫黄元素を有する化合物、ホウ素を有する化合物、ビフェニルやシクロヘキシルベンゼン等の過充電抑制のための添加剤、リン酸系やハロゲン置換により難燃性を付与した添加剤、自己消化性の添加剤、電極・セパレータ濡れ性改善添加剤等を挙げることができる。これらの、ボロキシン化合物、電解質、非水溶媒及びビニレンカーボネート以外の成分の添加量は、合計して電解液に対して5重量%未満とすることが好ましい。
<セパレータ>
正極10及び負極12の直接接触による短絡防止を目的として、セパレータ11を用いる。このセパレータ11には、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂等の微多孔質の高分子フィルムや、高分子フィルムの表面上にアルミナ粒子等の耐熱性物質を被覆した膜等が使用可能である。
<正極>
正極10は、正極活物質、導電剤、バインダ及び集電体から構成される。正極活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMnを挙げることができる。その他に、LiMnO、LiMn、LiMnO、LiMn12、LiMn2−x(ただし、MはCo、Ni、Fe、Cr、Zn及びTiからなる群から選択される少なくとも1種であり、xは0.01〜0.2である)、LiMnMO(ただし、MはFe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群から選択される少なくとも1種である)、Li1−xMn(ただし、AはMg、B、Al、Fe、Co、Ni、Cr、Zn及びCaからなる群から選択される少なくとも1種であり、xは0.01〜0.1である)、LiNi1−x(ただし、MはCo、Fe及びGaからなる群から選択される少なくとも1種であり、xは0.01〜0.2である)、LiFeO、Fe(SO、LiCo1−x(ただし、MはNi、Fe及びMnからなる群から選択される少なくとも1種であり、xは0.01〜0.2である)、LiNi1−x(ただし、MはMn、Fe、Co、Al、Ga、Ca及びMgからなる群から選択される少なくとも1種であり、xは0.01〜0.2である)、Fe(MoO、FeF、LiFePO4、LiMnPO等を用いることができる。
正極活物質の粒径は、正極活物質、導電剤及びバインダから形成される合剤層の厚さ以下になるように通常は規定される。正極活物質の粉末中に合剤層厚さ以上のサイズを有する粗粒がある場合、予めふるい分級や風流分級等により粗粒を除去し、合剤層厚さ以下の粒子を作製することが好ましい。
また、正極活物質は、酸化物系であるために一般に電気抵抗が高いので、電気伝導性を補うための炭素粉末等からなる導電剤を利用する。正極活物質及び導電剤はともに通常は粉末であるので、粉末にバインダを混合して、粉末同士を結合させると同時に集電体へ接着させることができる。
正極に用いるバインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アクリル系のポリマー、イミド基やアミド基を有するポリマー等を用いることができる。また、正極合剤層におけるバインダの量は、多過ぎると内部抵抗値の増加や電池容量の低下につながる。一方で、バインダ成分が少な過ぎると、電極の密着強度が低下し、電極作製が困難になったり、電池の保存特性、サイクル特性の低下を招いたりする恐れがあるので、これらのバランスを考慮して適宜設定される。具体的には、正極活物質、導電剤及びバインダの合計量に対して、バインダの量を1重量%〜7重量%とすることが好ましい。最適な配合比率は、電池の保存特性、サイクル特性等の試験結果を基に決定することがより望ましい。
正極10の集電体としては、例えば、厚さが10μm〜100μmのアルミニウム箔、厚さが10μm〜100μmで孔径が0.1mm〜10mmのアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル又は発泡金属板等が用いられる。アルミニウムの他に、ステンレスやチタン等の材質も適用可能であり、材質、形状、製造方法等に制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
正極活物質、導電剤、バインダ及び有機溶媒を混合した正極合剤スラリーを、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法等によって集電体へ付着させた後、有機溶媒を乾燥させ、ロールプレスによって加圧成形することにより、正極10を作製することができる。また、塗布から乾燥までを複数回行うことにより、複数の合剤層を集電体に積層化させることも可能である。
以上の実施形態では、電極群を円筒形状としたが、その他に、短冊状電極を積層したもの、あるいは正極10及び負極12を扁平状の任意の形状に捲回したもの等、種々の形状にすることができる。また、電池容器13の形状は、扁平長円形状、扁平楕円形状、角形等の形状から選択しても良い。さらに、軸心21は、電池形状によって、あるいは電池内部における電極の体積占有率を向上させる目的で、省略することも可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
<負極>
負極活物質として、X線回折測定で得られた面間隔が0.368nm、平均粒径が20μm、比表面積が5m/gの天然黒鉛を用いた。天然黒鉛、カルボキシメチルセルロースの水膨潤体、及びスチレンブタジエン共重合体の水分散液を、回転翼のような攪拌手段を備えた混合機を用いて充分に混錬し、負極合剤スラリーを調製した。負極活物質、カルボキシメチルセルロース及びスチレンブタジエン共重合体の混合比は、重量比で97:1.5:1.5になるようにした。この負極合剤スラリーを、厚さ10μmの圧延銅箔(集電体)の両面に実質的に均一に塗布した。乾燥後に、ロールプレス機により、負極の活物質密度が約1.5g/cmになるように圧縮成形し、密度調整のためのプレス後に、負極を合剤層の塗布長さ55cmと未塗布部5cmの合計60cm、塗布幅5.6cmになるように切断した。その後、未塗布部にNi製のリード片を溶接し、電流取出し部を具備した負極を作製した。
<正極>
正極活物質には、平均粒径10μm、比表面積1.5m/gのLi1.02Mn1.98Al0.02を用いた。正極活物質と、塊状黒鉛及びアセチレンブラックを9:2に混合した導電剤とを、バインダとして予め5重量%PVDFに調整されたNMP溶液に分散させ、正極合剤スラリーを調製した。スラリーの調製は、負極の場合と同様に、回転翼のような撹拌手段を備えた混合機を用いて充分に混練した。正極活物質、導電剤及びPVDFの混合比は、重量比で85:10:5になるようにした。
この正極合剤スラリーを、厚さ20μmのアルミニウム箔(集電体)の両面にできるだけ均一かつ均等に、負極と同じ手順で塗布し乾燥した。その後、ロールプレス機により、活物質密度が2.6g/cmになるよう圧縮成形し、正極を作製した。その後、電極を合剤層の塗布長さ50cmと未塗布部5cmの合計55cmとなるよう切断した。そして、電流を取り出すためのアルミニウム箔製のリード片を未塗布部に溶接し、電流取出し部を具備した正極を作製した。
<電解液>
電解質としてLiPFを1mol/lの濃度で、非水溶媒であるエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶液(EC:EMC=1:2)に溶解し、さらにビニレンカーボネートを全体の1.0重量%の濃度で混合した。さらに、LiPF及び非水溶媒の合計量に対し0.2重量%の濃度で、(C11O)(BO)を溶解し、電解液を調製した。
作製した正極と負極を用いて図1に示すような円筒型のリチウム二次電池を作製した。具体的には、正極10及び負極12に対し、それぞれ電流引き出し用の正極集電タブ14及び負極集電タブ15を超音波溶接により形成した。正極集電タブ14及び負極集電タブ15は、長方形の形状をした集電体とそれぞれ同じ材質の金属箔からできており、電極から電流を取り出すために設置する部材である。タブ付けされた正極10及び負極12の間にポリエチレンの単層膜であるセパレータ11を挟んで重ね、これを、図1に示すように、円筒状(螺旋状)に捲いて電極群とし、円筒形状の電池容器13に収納した。電極群を電池容器13に収納した後、電池容器13内に電解液を注入し、正極端子が取り付けられた密閉用の電池蓋20をガスケット18を介して電池容器13に密着させ、かしめにより密閉して、径18mm、長さ650mmの円筒型のリチウム二次電池1を作製した。
このように作製した円筒型のリチウム二次電池1について、25℃の恒温槽内で、充電電流1500mA、電圧4.2V、3時間の定電流定電圧充電を行い、5時間の休止後、放電電流1500mAで電池電圧が3.0Vになるまで定電流放電を行った。この充電及び放電プロセスを1サイクルとし、合計3サイクルの充放電を行った。
そして、3サイクル目の放電容量を100%として、サイクル負荷特性試験を行った。サイクル負荷特性試験では、充電電流1500mA、電圧4.2V、5時間の定電流定電圧充電をし、5時間の休止後、放電電流1500mAで電池電圧が3.0Vになるまで定電流放電することを1サイクルとして、100サイクルの負荷特性試験を行った。100サイクル試験後に、3サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の比を求めた。この比の値が大きい程、サイクル特性が優れることを意味する。
(実施例2)
電解液に添加する(C11O)(BO)の量を、LiPF及び非水溶媒の合計量に対して0.5重量%にした以外は、実施例1と同様にして円筒型のリチウム二次電池を作製し、サイクル特性を調べた。
(実施例3)
電解質としてLiPFを1mol/lの濃度で、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶液(EC:EMC=1:2)に溶解し、この溶液に、(C11O)(BO)をLiPF及び非水溶媒の合計量に対して0.2重量%の濃度で添加し電解液を調製した以外は、実施例1と同様にして円筒型のリチウム二次電池を作製した。
(比較例1)
電解質としてLiPFを1mol/lの濃度で、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶液(EC:EMC=1:2)に溶解し、電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にして円筒型のリチウム二次電池を作製し、サイクル特性を調べた。
(比較例2)
電解質としてLiPFを1mol/lの濃度で、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶液(EC:EMC=1:2)に溶解し、さらにビニレンカーボネートを全体の1.0重量%の濃度で混合し、電解液を調製した。この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にして円筒型のリチウム二次電池を作製し、サイクル特性を調べた。
測定結果を表1に示す。比較例1に記したビニレンカーボネート及びボロキシン化合物を含有しない場合を基準に、実施例の試験結果を比較した。比較例1では、100サイクル後の放電容量は、3サイクル目の81%まで低下していた。実施例1のように、0.2重量%の(C11O)(BO)とビニレンカーボネートを含むことで、100サイクル後の放電容量は90%を示し、比較例1に比べて9%向上した。また、実施例2のように、(C11O)(BO)を0.5重量%、ビニレンカーボネートを1.0重量%を溶解した電解液を用いたリチウム二次電池では、100サイクル後の放電容量は86%を示し、比較例1に比べて、5%改善した。
0.2重量%の(C11O)(BO)のみを含み、ビニレンカーボネートを含まない実施例3のリチウム二次電池では、比較例1に比べて、100サイクル後の放電容量は5%改善した。比較例2は、電解液への添加剤として、ビニレンカーボネートのみを1.0重量%含んだリチウム二次電池であるが、試験結果によれば、比較例1に比較して4%向上するものの、(C11O)(BO)を含有しないため十分な特性改善は見られなかった。ボロキシン化合物をビニレンカーボネートと共存させることで、特性改善効果はより高くなったが、これは、ビニレンカーボネートを含むことで負極表面上での電解液の還元分解が抑制され、ビニレンカーボネート由来の被膜生成反応がまず進行し、(C11O)(BO)の分解及び電解液の物性変化が抑制されたためと考えられる。
Figure 2015041511
以上のように、添加剤として(C11O)(BO)のようなシクロヘキシル基を有するボロキシン化合物を含有した電解液を用いることで、リチウム二次電池のサイクル特性を大幅に改善することが可能になった。本発明によれば、従来の電解液を用いたリチウム二次電池よりも経時劣化が抑制され、電池の寿命特性を顕著に向上させることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 リチウム二次電池
10 正極
11 セパレータ
12 負極
13 電池容器
14 正極集電タブ
15 負極集電タブ
16 内蓋
17 内圧開放弁
18 ガスケット
19 正温度係数抵抗素子
20 電池蓋
21 軸心

Claims (5)

  1. (RO)(RO)(RO)(BO)(式中、R〜Rは、炭素数1〜6の有機基であり、R〜Rの少なくとも1つは置換又は非置換のシクロヘキシル基である)で表されるリチウム二次電池用電解液の添加剤。
  2. (C11O)(BO)で表される請求項1に記載のリチウム二次電池用電解液の添加剤。
  3. 請求項1又は2に記載の添加剤と、電解質と、非水溶媒とを含むリチウム二次電池用電解液。
  4. 添加剤の量が、電解質及び非水溶媒の合計量に対して0.1重量%〜1重量%である請求項3に記載のリチウム二次電池用電解液。
  5. リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極と、セパレータとを備え、請求項3に記載のリチウム二次電池用電解液を用いたリチウム二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112186245A (zh) * 2020-09-16 2021-01-05 合肥国轩高科动力能源有限公司 一种防过充电解液及含有该电解液的锂离子电池

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