JP2014116217A - リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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亮太 岡本
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達哉 江口
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Abstract

【課題】高電圧駆動に耐え得るリチウムイオン二次電池用の正極を提供する。
【解決手段】粒径が2μm〜20μmの範囲にあるリチウム含有金属複合酸化物からなる正極活物質が90〜94質量%と、ナノオーダーの粒径をもつ非晶質炭素が2〜4質量%と、正極活物質のD50平均粒径以上の粒径をもち(002)面方向の初期結晶子サイズ(Lc)が50nm以上の塊状黒鉛が1〜3質量%と、結着剤が2〜4質量%とを含む。各粒子が最密充填的に配置され、ナノオーダーの粒径をもつ非晶質炭素が正極活物質と塊状黒鉛との間に介在した構造となるため導電パスが多く形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に用いられる正極と、その正極を用いたリチウムイオン二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、充放電容量が高く、高出力化が可能な二次電池である。現在、主として携帯電子機器用の電源として用いられており、更に、今後普及が予想される電気自動車用の電源として期待されている。
リチウムイオン二次電池は、リチウム(Li)を挿入および脱離することができる活物質を正極及び負極にそれぞれ有する。そして、両極間に設けられた電解液内をリチウムイオンが移動することによって動作する。リチウムイオン二次電池には、正極の活物質として主にリチウムコバルト複合酸化物等のリチウム含有金属複合酸化物が用いられ、負極の活物質としては多層構造を有する炭素材料が主に用いられている。
リチウムイオン二次電池はさらなる高容量化が求められ、正極電位の高電圧化が検討されている。しかし高電圧で駆動された場合には、繰り返し充放電後の電池特性が悪化するという問題があった。この原因としては、正極活物質中の金属イオンの溶出や、正極近傍での電解液と電解質の分解反応が生じ、それに伴って抵抗が増大するためと考えられている。したがって、このような問題を解決するには、充放電サイクル後も導電パスを保持することが必要である。
そこで特開2002-260664号公報には、正極活物質合材中に無定形炭素と、黒鉛や非晶質炭素を導電材として混合することで導電パスを形成した非水電解質二次電池が提案されている。
また特開2011-129442号公報には、正極活物質と導電剤の表面積比を最適範囲とすることで、高電圧駆動時のサイクル特性の低下を抑制したリチウムイオン二次電池が記載されている。
特開2002-260664号公報 特開2011-129442号公報
ところが特許文献1には、4.2V−3.0V充放電サイクルによる劣化を抑制できることは記載されているものの、4.5V以上の高電圧で駆動した場合の劣化抑制に関する記載がない。また特許文献2に記載のリチウムイオン二次電池においても、サイクル特性の低下の抑制度合いがまだ不十分であり、さらなる改良が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、正極活物質層中における各構成要素の粒径分布を最適化して導電パスを形成することで、高電圧駆動に耐えサイクル特性の低下を大きく抑制したリチウムイオン二次電池を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明のリチウムイオン二次電池用正極の特徴は、集電体と集電体に結着された正極活物質層とよりなり、正極活物質層は、粒径が2μm〜20μmの範囲にあるリチウム含有金属複合酸化物からなる正極活物質が90〜94質量%と、ナノオーダーの粒径をもつ非晶質炭素が2〜4質量%と、正極活物質のD50平均粒径以上の粒径をもち(002)面方向の初期結晶子サイズ(Lc)が50nm以上の塊状黒鉛が1〜3質量%と、結着剤が2〜4質量%とを含むことにある。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極における正極活物質層は、上記構成としたことにより各粒子が最密充填的に配置され、ナノオーダーの粒径をもつ非晶質炭素が正極活物質と塊状黒鉛との間に介在した構造となる。すなわち図1に示したように、正極活物質20の表面に付着した粒径の小さな非晶質炭素21が、全表面が導電性を有する塊状黒鉛22と接触する確率が高まる。したがって正極活物質20どうしの間及び正極活物質20と集電体1との間に導電パスが確実に形成され、充放電サイクル後の抵抗の増大を大きく抑制することができサイクル特性が向上する。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極を模式的に示す断面図である。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極は、集電体と集電体に結着された正極活物質層とからなる。集電体としては、リチウムイオン二次電池用正極などに一般に用いられるものを使用すれば良い。例えば、アルミニウム箔、アルミニウムメッシュ、パンチングアルミニウムシート、アルミニウムエキスパンドシート、ステンレススチール箔、ステンレススチールメッシュ、パンチングステンレススチールシート、ステンレススチールエキスパンドシート、発泡ニッケル、ニッケル不織布、銅箔、銅メッシュ、パンチング銅シート、銅エキスパンドシート、チタン箔、チタンメッシュ、カーボン不織布、カーボン織布等が例示される。
正極活物質層は、正極活物質と、非晶質炭素と、塊状黒鉛と、結着剤とを含む。正極活物質はリチウム含有金属複合酸化物からなり、例えばLiCobMncO2、LiNibMncO2、LiNibCocO2、LiNiaCobMncO2(但し0.2≦a<1、0.2≦b<1、0.2≦c<1)から選ばれるLi化合物又は固溶体、LiMnPO4、LiFePO4、LiCoPO4などのリン酸オリビン系化合物、リチウムシリケート系化合物、リチウムボレート系化合物、硫黄系化合物、xLi2M1O3・(1-x)LiM2O2(0≦x≦1であってM1は4価のMnを必須とする一種以上の金属元素、M2は4価のMnを必須とする二種以上の金属元素)で表されるリチウムマンガン系酸化物などが例示される。LiCobMncO2、LiNibMncO2、LiNibCocO2、LiNiaCobMncO2(但し0.2≦a<1、0.2≦b<1、0.2≦c<1)及びLi2MnO3から選ばれるLi化合物又は固溶体が特に好ましい。
正極活物質は、粒径が2μm〜20μmの範囲にあるものを用いる。粒径が2μm未満では非晶質炭素との粒径の差が小さくなって導電パスが形成されにくくなり、粒径が20μmを超えると塊状黒鉛との粒径の差が小さくなって導電パスが形成されにくくなる。5μm〜10μmの範囲の粒径をもつものが特に好ましい。
非晶質炭素としては、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラックなどを用いることができる。場合によってはサーマルブラックを用いてもよい。この非晶質炭素は、1nm以上かつ1μm未満のナノオーダーの粒径をもつ。一般には粒径が1nm〜10nmのものは凝集して粒径が大きくなっているので、10nm〜50nmのものが好ましい。粒径が1μmを超えると、正極活物質との粒径の差が小さくなって導電パスが形成されにくくなる。
塊状黒鉛は、正極活物質のD50平均粒径以上の粒径をもち(002)面方向の初期結晶子サイズ(Lc)が50nm以上である。正極活物質のD50平均粒径未満の粒径では、あるいは初期結晶子サイズ(Lc)が50nm未満では、正極活物質との粒径の差が小さくなって導電パスが形成されにくくなる。初期結晶子サイズ(Lc)の上限は特に制限されないが、約100nm程度まで使用できると考えられる。5nm〜20nm程度のものを用いるのが好ましい。なお初期結晶子サイズとは、本発明のリチウムイオン二次電池を製作後の充放電前の(新品の)結晶子サイズをいう。
塊状黒鉛は、天然のもの及び人造のもののどちらも使用できる。人造のものの方が結晶子サイズが大きいので好ましい。
正極活物質層には、結着剤が含まれている。この結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride:PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、メタクリル樹脂(PMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が例示される。正極用バインダとしての特性を損なわない範囲で、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリブロックイソシアナート、ポリオキサゾリン、ポリカルボジイミド等の硬化剤、エチレングリコール、グリセリン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルオリゴマ、フタル酸エステル、ダイマー酸変性物、ポリブタジエン系化合物等の各種添加剤を単独で又は二種以上組み合わせて配合してもよい。
正極活物質層は、正極活物質が90〜94質量%と、非晶質炭素が2〜4質量%と、塊状黒鉛が1〜3質量%と、結着剤が2〜4質量%とからなる。正極活物質が90質量%未満では、電極の成形性が悪化するとともにエネルギー密度が低くなる。非晶質炭素と塊状黒鉛の量がこの範囲を外れると、最密充填性が低下し導電パスの形成量が低下する。結着剤が2質量%未満では結着性が低下して正極活物質層の剥離が懸念され、4質量%を超えると正極の抵抗が増大するとともにエネルギー密度が低くなる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明の正極を備えている。負極及び電解液は、公知のものを用いることができる。負極は、集電体と、集電体に結着された負極活物質層とからなる。負極活物質層は、負極活物質と結着剤とを少なくとも含み、導電助剤を含んでもよい。
負極活物質としては、グラファイト、ハードカーボン、ケイ素、炭素繊維、スズ(Sn)、酸化ケイ素など公知のものを用いることができる。またSiOx(0.3≦x≦1.6)で表されるケイ素酸化物を用いることもできる。このケイ素酸化物粉末の各粒子は、不均化反応によって微細なSiと、Siを覆うSiO2とに分解したSiOxからなる。xが下限値未満であると、Si比率が高くなるため充放電時の体積変化が大きくなりすぎてサイクル特性が低下する。またxが上限値を超えると、Si比率が低下してエネルギー密度が低下するようになる。0.5≦x≦1.5の範囲が好ましく、0.7≦x≦1.2の範囲がさらに望ましい。
一般に、酸素を断った状態であれば800℃以上で、ほぼすべてのSiOが不均化して二相に分離すると言われている。具体的には、非結晶性のSiO粉末を含む原料酸化ケイ素粉末に対して、真空中または不活性ガス中などの不活性雰囲気中で800〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行うことで、非結晶性のSiO2相および結晶性のSi相の二相を含むケイ素酸化物粉末が得られる。
またケイ素酸化物として、SiOxに対し炭素材料を1〜50質量%で複合化したものを用いることもできる。炭素材料を複合化することで、サイクル特性が向上する。炭素材料の複合量が1質量%未満では導電性向上の効果が得られず、50質量%を超えるとSiOxの割合が相対的に減少して負極容量が低下してしまう。炭素材料の複合量は、SiOxに対して5〜30質量%の範囲が好ましく、5〜20質量%の範囲がさらに望ましい。SiOxに対して炭素材料を複合化するには、CVD法などを利用することができる。
ケイ素酸化物粉末は平均粒径が1μm〜10μmの範囲にあることが望ましい。平均粒径が10μmより大きいと非水系二次電池の充放電特性が低下し、平均粒径が1μmより小さいと凝集して粗大な粒子となるため同様に非水系二次電池の充放電特性が低下する場合がある。
負極における集電体、バインダ及び導電助剤は、正極活物質層で用いられるものと同様のものを用いることができる。
上記した正極及び負極を用いる本発明のリチウムイオン二次電池は、特に限定されない公知の電解液、セパレータを用いることができる。電解液は、有機溶媒に電解質であるリチウム金属塩を溶解させたものである。電解液は、特に限定されない。有機溶媒として、非プロトン性有機溶媒、たとえばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる一種以上を用いることができる。また、溶解させる電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiI、LiClO4、LiCF3SO3等の有機溶媒に可溶なリチウム金属塩を用いることができる。
例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの有機溶媒にLiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3等のリチウム金属塩を0.5mol/lから1.7mol/l程度の濃度で溶解させた溶液を使用することができる。
セパレータは、正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、形状に特に限定はなく、円筒型、積層型、コイン型等、種々の形状を採用することができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装させて電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を電解液とともに電池ケースに密閉して電池となる。
以下、実施例と比較例を挙げて本発明の実施形態を更に詳しく説明する。
図1に本実施例に係るリチウムイオン二次電池用正極の模式的な断面図を示す。この正極は、アルミニウム箔よりなる集電体1と、集電体1の表面に形成された正極活物質層2とからなる。正極活物質層2は、正極活物質20と、非晶質炭素21と、塊状黒鉛22と、結着剤23とからなる。正極活物質20は、粒径が2μm以上20μm未満の範囲にあり、平均粒径D50が5μmのリチウム含有金属複合酸化物からなる。この正極活物質20は、正極活物質層2中に92質量%含まれている。
非晶質炭素21は、ナノオーダーの粒径をもつアセチレンブラック(AB)からなり、正極活物質層2中に3質量%含まれている。
塊状黒鉛22は、平均粒径D50が24μmであって(002)面方向の結晶子サイズ(Lc)が59.4nmであり、正極活物質層2中に2質量%含まれている。そして結着剤23はポリフッ化ビニリデン(PVdF)からなり、正極活物質層2中に3質量%含まれて、正極活物質20どうし、正極活物質20と塊状黒鉛22、正極活物質20及び塊状黒鉛22と集電体1を結着している。
正極活物質層2中では、正極活物質20と、非晶質炭素21と、塊状黒鉛22とが均一に分散し、最密充填に近い状態となっている。非晶質炭素21は正極活物質20に比べて粒径がきわめて小さく、正極活物質20に比べて含有量がきわめて少ないため、正極活物質20の粒子表面に吸着した状態である。一方、塊状黒鉛22は正極活物質20と同等以上の粒径を有して含有量が少ないので、正極活物質層2中に点在している。
したがって、非晶質炭素21が正極活物質20と塊状黒鉛22との間に介在した部位では、正極活物質20と塊状黒鉛22との導電性が確保され、塊状黒鉛22を介して多くの導電パスが形成されている。
以下、本実施例に係るリチウムイオン二次電池の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。なお本実施例のリチウムイオン二次電池は、上記した正極を備えている。
<正極の作製>
正極活物質としてのLiNi0.5Co0.2Mn0.3O2(平均粒径D50が5μm)が92質量部と、非晶質炭素としてのアセチレンブラック(AB)が3質量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を3質量部と、を混合し、適量のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に分散させた。そこへ平均粒径D50が24μmで(002)面方向の初期結晶子サイズ(Lc)が59.4nmの塊状黒鉛を2質量部添加して混合し、スラリーを調製した。このスラリーをアルミニウム箔(集電体)の表面にドクターブレードを用いて塗布し、乾燥させて約15μmの厚さで正極活物質層を作製した。
<負極の作製>
グラファイトが97質量部と、導電助剤としてのケッチェンブラック(KB)粉末1質量部と、スチレンブタジエンゴム(SBR)とカルボキシメチルセルロース(CMC)の混合物よりなるバインダ2質量部を溶媒(イオン交換水)と共に混合し、スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ18μmの電解銅箔(集電体)の表面にドクターブレードを用いて塗布し、銅箔上に約15μmの厚さで負極活物質層を形成した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7(体積比)で混合した混合溶媒に、LiPF6を1Mの濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。
そして上記の正極および負極の間に、セパレータとして厚さ20μmの微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン積層フィルムを挟装して電極体とした。この電極体をポリプロピレン製ラミネートフィルムで包み込み、周囲を熱融着させてフィルム外装電池を作製した。最後の一辺を熱融着封止する前に上記の非水電解液を注入し、電極体に含浸させた。
[比較例1]
塊状黒鉛を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして正極を作製し、その正極を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
<試験>
実施例1と比較例1のリチウムイオン二次電池を用い、先ず25℃にて初期充放電を行うコンディショニング処理を行い、不可逆容量を安定化させた。次いで温度25℃、1Cにおける4.5V−3.0Vの初期放電容量をそれぞれ測定した。その後、温度25℃、1CのCC充電(定電流充電)の条件下において4.5Vで充電し、10分間休止した後、1CのCC放電(定電流放電)で3.0Vにて放電し、10分間休止するサイクルを200回繰り返すサイクル試験をそれぞれ行った。
サイクル試験後、再び温度25℃、1Cにおける4.5V−3.0Vのサイクル後放電容量をそれぞれ測定した。
25℃におけるサイクル試験前の放電容量に対するサイクル試験後の放電容量の割合である容量維持率をそれぞれ算出し、結果を表1に示す。
Figure 2014116217
表1より、実施例1のリチウムイオン二次電池はサイクル試験後の放電容量が高く、比較例1に比べて容量維持率が大きく向上している。これは、塊状黒鉛を添加した効果であることが明らかである。なおサイクル試験後に実施例1のリチウムイオン二次電池を分解し、正極に含まれている塊状黒鉛の(002)面方向の結晶子サイズ(Lc)を測定したところ19nmであった。すなわち上記のサイクル試験時に塊状黒鉛の結晶子サイズが小さくなったものの15nm以上とまだ大きな結晶子サイズを有し、導電パスの多くが保持されたために容量維持率が高かったと考えられる。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極は、電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用、パソコン、携帯通信機器、家電製品、オフィス機器、産業機器などに利用されるリチウムイオン二次電池用正極として有用であり、そのリチウムイオン二次電池は特に、大容量、大出力が必要な電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用に最適に用いることができる。
1:集電体 2:正極活物質層 20:正極活物質
21:非晶質炭素 22:塊状黒鉛 23:結着剤

Claims (6)

  1. 集電体と該集電体に結着された正極活物質層とよりなり、
    該正極活物質層は、粒径が2μm〜20μmの範囲にあるリチウム含有金属複合酸化物からなる正極活物質が90〜94質量%と、ナノオーダーの粒径をもつ非晶質炭素が2〜4質量%と、該正極活物質のD50平均粒径以上の粒径をもち(002)面方向の初期結晶子サイズ(Lc)が50nm以上の塊状黒鉛が1〜3質量%と、結着剤が2〜4質量%とを含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極。
  2. 前記リチウム含有金属複合酸化物は、LiCobMncO2、LiNibMncO2、LiNibCocO2、LiNiaCobMncO2及びLi2MnO3(但し0.2≦a<1、0.2≦b<1、0.2≦c<1)から選ばれる請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  3. 前記塊状黒鉛は人造塊状黒鉛である請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  4. 前記非晶質炭素はアセチレンブラックである請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の前記正極を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  6. 前記塊状黒鉛は、25℃における4.5V CC充電(レート1C)−3.0V CC放電(レート1C)を200回繰り返すサイクル試験後の(002)面方向の結晶子サイズ(Lc)が15nm以上である請求項5に記載のリチウムイオン二次電池。
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