JP5807636B2 - 非水電解液及びそれを用いた電気化学素子 - Google Patents
非水電解液及びそれを用いた電気化学素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5807636B2 JP5807636B2 JP2012518472A JP2012518472A JP5807636B2 JP 5807636 B2 JP5807636 B2 JP 5807636B2 JP 2012518472 A JP2012518472 A JP 2012518472A JP 2012518472 A JP2012518472 A JP 2012518472A JP 5807636 B2 JP5807636 B2 JP 5807636B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- diyl
- bis
- alkyl group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/056—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
- H01M10/0564—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
- H01M10/0566—Liquid materials
- H01M10/0567—Liquid materials characterised by the additives
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01G—CAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
- H01G11/00—Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
- H01G11/54—Electrolytes
- H01G11/58—Liquid electrolytes
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/056—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
- H01M10/0564—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
- H01M10/0566—Liquid materials
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/056—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
- H01M10/0564—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
- H01M10/0566—Liquid materials
- H01M10/0569—Liquid materials characterised by the solvents
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M6/00—Primary cells; Manufacture thereof
- H01M6/14—Cells with non-aqueous electrolyte
- H01M6/16—Cells with non-aqueous electrolyte with organic electrolyte
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/052—Li-accumulators
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M2300/00—Electrolytes
- H01M2300/0017—Non-aqueous electrolytes
- H01M2300/0025—Organic electrolyte
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/13—Energy storage using capacitors
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/70—Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries
Description
特に、地球温暖化防止のため、CO2排出量を削減することが急務となっており、リチウム二次電池やキャパシタ等の電気化学素子からなる蓄電装置を搭載した環境対応車の中でも、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、バッテリー電気自動車(BEV)の早期普及が求められている。しかしながら、自動車は移動距離が長いため、熱帯の非常に暑い地域から極寒の地域まで幅広い温度範囲の地域で使用される可能性がある。従って、これらの車載用の電気化学素子は、高温から低温まで幅広い温度範囲で使用しても電気化学特性が劣化しないことが要求されている。
リチウム二次電池は、主にリチウムを吸蔵放出可能な材料を含む正極及び負極、リチウム塩と非水溶媒からなる非水電解液から構成され、非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等のカーボネートが使用されている。
また、負極としては、金属リチウム、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物(金属単体、酸化物、リチウムとの合金等)や炭素材料が知られており、特にリチウムを吸蔵及び放出することが可能なコークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の炭素材料を用いたリチウム二次電池が広く実用化されている。
なお、本明細書において、リチウム二次電池という用語は、いわゆるリチウムイオン二次電池も含む概念として用いる。
更に、リチウム金属やその合金、スズ又はケイ素等の金属単体や酸化物を負極材料として用いたリチウム二次電池は、初期の容量は高いもののサイクル中に微粉化が進むため、炭素材料の負極に比べて非水溶媒の還元分解が加速的に起こり、電池容量やサイクル特性のような電池性能が大きく低下することが知られている。また、これらの負極材料の微粉化や非水溶媒の分解物が蓄積すると、負極へのリチウムの吸蔵及び放出がスムーズにできなくなり、広い温度範囲での電気化学特性が低下しやすくなる。
一方、正極として、例えばLiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiFePO4等を用いたリチウム二次電池は、非水電解液中の非水溶媒が充電状態で正極材料と非水電解液との界面において、局部的に一部酸化分解することにより発生した分解物やガスが電池の望ましい電気化学的反応を阻害するため、やはり広い温度範囲での電気化学特性の低下を生じることが分かっている。
特許文献1には、iso−プロピル メタンスルホネートに代表されるスルホン酸エステルを非水電解液に添加すると、室温でのサイクル特性に優れることが示されている。
特許文献2には、メチルメタンスルホネートに代表されるスルホン酸エステルを非水電解液に添加すると、室温でのサイクル特性に優れることが示されている。
特許文献3には、プロピレングリコールジメタンスルホネートに代表される2つのスルホネート基を有し、主鎖が必ず側鎖を有するジスルホン酸エステル化合物を非水電解液に添加すると、20℃におけるサイクル特性に優れることが示されている。
特許文献4には、1,4−ブタンジオールジメタンスルホネートに代表される2つのスルホネート基を有し、主鎖が直鎖のアルキレン鎖であるジスルホン酸エステル化合物を非水電解液に添加すると、完全充電時における開回路電圧が4.2Vより高くなるようにして充電した場合のサイクル特性に優れることが示されている。
特許文献5には、1,2−ビス(3,5−ジフルオロフェニル)−1,1,2,2−テトラメチルジシラン等のケイ素化合物を含有する非水電解液が提案されており、60℃でのサイクル特性、低温特性の向上が示唆されている。
また、特許文献6には、トリメチルシリルメタンスルホネート等のアルキルスルホネート基を持つケイ素化合物を含有する非水電解液が提案されており、25℃でのサイクル特性、トリクル充電特性の向上が示唆されている。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液に、特定の構造を有するスルホン酸エステル化合物を含有させることで、広い温度範囲での電気化学特性を改善できることを見出した。
より具体的には、本発明者らは、
(I)スルホニルオキシ基が結合する炭素上にメチンプロトン(RSO3−CHR’R’)を有するスルホン酸エステル化合物、
(II)スルホニルオキシ基が結合するシクロアルキル基の炭素上にメチンプロトン(RSO3−CHR’R’-)を有するスルホン酸エステル化合物、
(III)2つのスルホニルオキシ基がそれぞれ結合する炭素上にメチンプロトン(RSO3−CHR’−)を有するスルホン酸エステル化合物、及び
(IV)特定のケイ素原子を有するスルホネート化合物
から選ばれる少なくとも1種を含有させることで、広い温度範囲での電気化学特性を改善できることを見出し、本発明を完成した。
(1)非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に、下記一般式(I)で表されるスルホン酸エステル化合物を0.001〜5質量%含有することを特徴とする非水電解液。
Yは、炭素数3〜8のシクロアルキル基、−L1CHRaOSO2Rb基、又は−Si(Rc)(Rd)OSO2Rb基を示し、Wは1又は2を示す。
また、Raは、炭素数1〜6のアルキル基を示し、Rb、Rc及びRdは、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示し、L1は、少なくとも1つの水素原子が−OSO2Re(ReはRと同義である)で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、少なくとも1つのエーテル結合を含む炭素数2〜6の2価の連結基又は単結合を示す。
ただし、XとYは結合して環を形成してもよく、Wが2の場合は、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示す。また、前記の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数1〜6のアルキレン基は、その少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。)
(2)正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなる電気化学素子において、該非水電解液が前記(1)の非水電解液であることを特徴とする電気化学素子。
(I-1)スルホン酸エステル化合物が下記一般式(II)で表されるものである前記(1)の非水電解液(以下、「第I-1発明」という)。
(I-2)非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に、炭素数1〜6の炭化水素基が第3級炭素原子又は第4級炭素原子を介してベンゼン環に結合しているベンゼン化合物、及び/又は環状構造若しくは不飽和基を有するS=O基含有化合物を0.001〜5質量%含有し、更に、下記一般式(III)で表される分枝構造を有するスルホン酸エステル化合物を0.001〜5質量%を含有することを特徴とする非水電解液(以下、「第I-2発明」という)。
上記第I-1発明及び第I-2発明を合わせて、以下、「第I発明」という。
上記第III-1発明及び第III-2発明を合わせて、以下、「第III発明」という。
(V)正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなる電気化学素子において、該非水電解液が第I発明〜第IV発明のいずれかの非水電解液であることを特徴とする電気化学素子。
〔非水電解液〕
本発明の非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に、下記一般式(I)で表されるスルホン酸エステル化合物を0.001〜5質量%含有することを特徴とする。
また、Raは、炭素数1〜6のアルキル基を示し、Rb、Rc及びRdは、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示し、L1は、少なくとも1つの水素原子が−OSO2Re(ReはRと同義である)で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、少なくとも1つのエーテル結合を含む炭素数2〜6の2価の連結基又は単結合を示す。
ただし、XとYは結合して環を形成してもよく、Wが2の場合は、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示す。また、前記の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数1〜6のアルキレン基は、その少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。)
本発明は、より具体的には、以下の第I発明〜第IV発明として説明される。
本発明の第I-1発明の非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に、下記一般式(II)で表されるスルホン酸エステル化合物を0.001〜5質量%含有することを特徴とする。
第I発明の非水電解液が含有する一般式(II)で表されるスルホン酸エステル化合物は、スルホニルオキシ基が結合するメチン基(RSO3−CHR’R’)を有する。電子吸引性のスルホニルオキシ基が結合する炭素上のメチンプロトンの酸性度は、R’の電子供与性効果により、メチレンプロトン(RSO3−CH2−R’)よりも低いと考えられる。その効果は、2つのR’のうちの少なくとも一方の炭素数が2以上であるとより大きい。従って、一般式(II)で表されるスルホン酸エステル化合物は、メチン基が初回充電時に負極上で緩やかに反応し、活物質表面に過度に緻密化することなく良好な保護被膜が形成されると考えられる。そのため低温から高温まで広い温度範囲での電気化学特性が著しく向上する特異的な効果をもたらすことが分かった。
上記の効果は、一般式(II)の2つのR’がともにメチル基(炭素数1)である前記一般式(III)で表される化合物を含有する場合には弱いが、一般式(III)で表される化合物を含有する場合であっても、炭素数1〜6の炭化水素基が第3級炭素原子又は第4級炭素原子を介してベンゼン環に結合しているベンゼン化合物、及び/又は環状構造若しくは不飽和基を有するS=O基含有化合物を更に含むことにより、上記と同様に、低温から高温まで広い温度範囲での電気化学特性が著しく向上する特異的な効果をもたらすことが分かった。この場合においても、炭素数1〜6の炭化水素基が第3級炭素原子又は第4級炭素原子を介してベンゼン環に結合しているベンゼン化合物、及び/又は環状構造若しくは不飽和基を有するS=O基含有化合物が一般式(III)で表される化合物に由来する保護被膜を過度に緻密化するのを防ぐためと考えられる。
一般式(II)のmが1の場合は、R1は少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基、又は、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基であり、好ましくは炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基、又は少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基であり、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基、又は、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり、特に好ましくは炭素数1又は2の直鎖のアルキル基、又は炭素数6〜8のアリール基である。
R1がアルキレン基である場合の好適例としては、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、2,2−ジメチルプロパン1,3−ジイル基、フルオロメチレン基、ジルフルオロメチレン基等が挙げられるが、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基がより好ましく、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基が更に好ましい。
前記R2の好適例としては、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられるが、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基がより好ましく、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基が更に好ましい。
前記R3の好適例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられるが、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基がより好ましく、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基が更に好ましい。
上記の置換基の範囲の場合に、広い温度範囲での電気化学特性を大幅に改善できるので好ましい。
一般式(III)のnが1の場合は、R4は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝鎖のハロゲン化アルキル基、又は、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基であり、好ましくは炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基、又は、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基であり、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基、又は、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり、特に好ましくは炭素数1又は2の直鎖のアルキル基、又は炭素数6〜8のアリール基である。
R4がアルキレン基である場合の好適例としては、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタンジ−1,5−イル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル基、フルオロメチレン基、ジルフルオロメチレン基等が挙げられるが、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基がより好ましく、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基が更に好ましい。
第I発明の非水電解液において、一般式(II)で表されるスルホン酸エステル化合物及び炭素数1〜6の炭化水素基が第3級炭素原子又は第4級炭素原子を介してベンゼン環に結合しているベンゼン化合物、及び/又は、環状構造若しくは不飽和基を有するS=O基含有化合物を組み合わせた前記一般式(III)で表されるスルホン酸エステル化合物を添加することにより広い温度範囲での電気化学特性は向上するが、以下に述べる非水溶媒、電解質塩、更にその他の添加剤を組み合わせることにより、広い温度範囲での電気化学特性が相乗的に向上するという特異な効果を発現する。その理由は明らかではないが、これらの非水溶媒、電解質塩、さらにその他の添加剤の構成元素を含有するイオン伝導性の高い混合被膜が形成されるためと考えられる。
本発明の第II発明の非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に、下記一般式(IV)で表されるシクロアルカン骨格を有するスルホン酸エステル化合物を0.001〜5質量%含有することを特徴とする。
第II発明の非水電解液が含有する前記一般式(IV)で表されるスルホン酸エステル化合物は、スルホニルオキシ基が結合するメチン基(RSO3−CHR’R’)を有する。電子吸引性のスルホニルオキシ基が結合する炭素上のメチンプロトンの酸性度は、R’の電子供与性効果により、メチレンプロトン(RSO3−CH2−)よりも低いと考えられることに加え、シクロアルキル基が適度な嵩高さを有している。従って、前記一般式(IV)で表されるスルホン酸エステル化合物は、メチン基が初回充電時に負極上で緩やかに反応し、かつシクロアルキル基の適度な嵩高さから活物質表面に過度に緻密化することなく良好な保護被膜が形成されると考えられる。そのため低温から高温まで広い温度範囲での電気化学特性が著しく向上する特異的な効果をもたらすことが分かった。
一般式(IV)のtが1の場合は、R5は少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基、又は、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基であり、好ましくは炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基、又は、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基であり、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基、又は、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり、特に好ましくは炭素数1若しくは2の直鎖のアルキル基、又は、炭素数6〜8のアリール基である。
一般式(IV)におけるR5の好適例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−tert-ブチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基等が挙げられるが、メチル基、エチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基がより好ましく、メチル基、4−メチルフェニル基が更に好ましい。
R5がアルキレン基である場合の好適例としては、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタンジ−1,5−イル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル基、フルオロメチレン基、ジルフルオロメチレン基等が挙げられ、中でも、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基がより好ましく、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基が更に好ましい。
前記R6の好適例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−tert-ブチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基等が挙げられるが、メチル基、エチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基がより好ましく、メチル基、4−メチルフェニル基が更に好ましい。
前記R7の好適例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられるが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基が更に好ましい。
前記一般式(I)のp及びqは、それぞれ独立して0から3の整数であるが、0又は1が好ましい。
上記の置換基の範囲の場合に、広い温度範囲での電気化学特性を大幅に改善できるので好ましい。
(i)シクロプロピル メタンスルホネート、シクロプロピル エタンスルホネート、シクロプロピル ベンゼンスルホネート、シクロプロピル 4−メチルベンゼンスルホネート、ジシクロプロピル メタンジスルホネート、ジシクロプロピル エタン−1,2−ジスルホネート; シクロブチル メタンスルホネート、シクロブチル エタンスルホネート、シクロブチル ベンゼンスルホネート、シクロブチル 4−メチルベンゼンスルホネート、ジシクロブチル メタンジスルホネート、ジシクロブチル エタン−1,2−ジスルホネート; シクロペンチル メタンスルホネート、シクロペンチル エタンスルホネート、シクロペンチル プロパン−1−スルホネート、シクロペンチル ブタン−1−スルホネート、シクロペンチル ペンタン−1−スルホネート、シクロペンチル ヘキサン−1−スルホネート、シクロペンチル トリフルオロメタンスルホネート、シクロペンチル 2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、シクロペンチル プロパン−2−スルホネート、シクロペンチル ブタン−2−スルホネート、シクロペンチル 2-メチルプロパン−2−スルホネート、シクロペンチル 2-メチルブタン−2−スルホネート、シクロペンチル ベンゼンスルホネート、シクロペンチル 2−メチルベンゼンスルホネート、シクロペンチル 3−メチルベンゼンスルホネート、シクロペンチル 4−メチルベンゼンスルホネート、シクロペンチル 4−tert−ブチルベンゼンスルホネート、シクロペンチル 2,4,6−トリメチルベンゼンスルホネート、シクロペンチル 4−フルオロベンゼンスルホネート、シクロペンチル 4−クロロベンゼンスルホネート、シクロペンチル 4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジシクロペンチル メタンジスルホネート、ジシクロペンチル エタン−1,2−ジスルホネート、ジシクロペンチル プロパン−1,3−ジスルホネート、
(ii)2−メチルシクロペンチル メタンスルホネート、2−メチルシクロペンチル エタンスルホネート、2−メチルシクロペンチル ベンゼンスルホネート、2−メチルシクロペンチル 4−メチルベンゼンスルホネート、ビス(2−メチルシクロペンチル) メタンジスルホネート、ビス(2−メチルシクロペンチル) エタン−1,2−ジスルホネート、
(iv)2−メチルシクロヘキシル メタンスルホネート、2−メチルシクロヘキシル エタンスルホネート、2−メチルシクロヘキシル ベンゼンスルホネート、2−メチルシクロヘキシル 4−メチルベンゼンスルホネート、ビス(2−メチルシクロヘキシル) メタンジスルホネート、ビス(2−メチルシクロヘキシル) エタン−1,2−ジスルホネート; 2−エチルシクロヘキシル メタンスルホネート、2−エチルシクロヘキシル エタンスルホネート、2−エチルシクロヘキシル ベンゼンスルホネート、2−エチルシクロヘキシル 4−メチルベンゼンスルホネート、ビス(2−エチルシクロヘキシル) メタンジスルホネート、ビス(2−エチルシクロヘキシル) エタン−1,2−ジスルホネート; 2,6−ジメチルシクロヘキシル メタンスルホネート、2,6−ジメチルシクロヘキシル エタンスルホネート、2,6−ジメチルシクロヘキシル ベンゼンスルホネート、2、6−ジメチルシクロヘキシル 4−メチルベンゼンスルホネート、ビス(2,6−ジメチルシクロヘキシル) メタンジスルホネート、
(v)シクロヘプチル メタンスルホネート、シクロヘプチル エタンスルホネート、シクロヘプチル ベンゼンスルホネート、シクロヘプチル 4−メチルベンゼンスルホネート、ジシクロヘプチル メタンジスルホネート、ジシクロヘプチル エタン−1,2−ジスルホネート; シクロオクチル メタンスルホネート、シクロオクチル エタンスルホネート、シクロオクチル ベンゼンスルホネート、シクロオクチル 4−メチルベンゼンスルホネート、ジシクロオクチル メタンジスルホネート; シクロノニル メタンスルホネート、シクロノニル エタンスルホネート、シクロノニル ベンゼンスルホネート、シクロノニル 4−メチルベンゼンスルホネート、ジシクロノニル メタンジスルホネート; シクロデシル メタンスルホネート、シクロデシル エタンスルホネート、シクロデシル ベンゼンスルホネート、シクロデシル 4−メチルベンゼンスルホネート、ジシクロデシル メタンジスルホネート; シクロウンデシル メタンスルホネート、シクロウンデシル エタンスルホネート、シクロウンデシル ベンゼンスルホネート、シクロウンデシル 4−メチルベンゼンスルホネート、ジシクロウンデシル メタンジスルホネート; シクロドデシル メタンスルホネート、シクロドデシル エタンスルホネート、シクロドデシル ベンゼンスルホネート、シクロドデシル 4−メチルベンゼンスルホネート、ジシクロドデシル メタンジスルホネート、
(vii)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−イル メタンスルホネート、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−イル エタンスルホネート、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−イル ベンゼンスルホネート、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−イル 4−メチルベンゼンスルホネート、ビス(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−イル) メタンジスルホネート、ビス(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−イル) エタン−1,2−ジスルホネート、
(viii)シクロブタン−1,2−ジイル ジメタンスルホネート、シクロブタン−1,2−ジイル ジエタンスルホネート、シクロブタン−1,2−ジイル ジベンゼンスルホネート、シクロブタン−1,2−ジイル ビス(4−メチルベンゼンスルホネート); シクロブタン−1,3−ジイル ジメタンスルホネート、シクロブタン−1,3−ジイル ジエタンスルホネート、シクロブタン−1,3−ジイル ジベンゼンスルホネート、シクロブタン−1,3−ジイル ビス(4−メチルベンゼンスルホネート); シクロペンタン−1,2−ジイル ジメタンスルホネート、シクロペンタン−1,2−ジイル ジエタンスルホネート、シクロペンタン−1,2−ジイル ジベンゼンスルホネート、シクロペンタン−1,2−ジイル ビス(4−メチルベンゼンスルホネート); シクロペンタン−1,3−ジイル ジメタンスルホネート、シクロペンタン−1,3−ジイル ジエタンスルホネート、シクロペンタン−1,3−ジイル ジベンゼンスルホネート、シクロペンタン−1,3−ジイル ビス(4−メチルベンゼンスルホネート); シクロペンタン−1,2,4−トリイル トリメタンスルホネート、シクロペンタン−1,2,4−トリイル トリエタンスルホネート、シクロペンタン−1,2,4−トリイル トリベンゼンスルホネート、シクロペンタン−1,2,4−トリイル トリス(4−メチルベンゼンスルホネート); シクロヘキサン−1,2−ジイル ジメタンスルホネート、シクロヘキサン−1,2−ジイル ジエタンスルホネート、シクロヘキサン−1,2−ジイル ジベンゼンスルホネート、シクロヘキサン−1,2−ジイル ビス(4−メチルベンゼンスルホネート); シクロヘキサン−1,3−ジイル ジメタンスルホネート、シクロヘキサン−1,3−ジイル ジエタンスルホネート、シクロヘキサン−1,3−ジイル ジベンゼンスルホネート、シクロヘキサン−1,3−ジイル ビス(4−メチルベンゼンスルホネート); シクロヘキサン−1,4−ジイル ジメタンスルホネート、シクロヘキサン−1,4−ジイル ジエタンスルホネート、シクロヘキサン−1,4−ジイル ジベンゼンスルホネート、シクロヘキサン−1,4−ジイル ビス(4−メチルベンゼンスルホネート); シクロヘキサン−1,3,5−トリイル トリメタンスルホネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリイル トリエタンスルホネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリイル トリベンゼンスルホネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリイル トリス(4−メチルベンゼンスルホネート)が好適に挙げられる。
第II発明の非水電解液において、一般式(IV)で表されるスルホン酸エステル化合物を添加することにより広い温度範囲での電気化学特性は向上するが、以下に述べる非水溶媒、電解質塩、更にその他の添加剤を組み合わせることにより、広い温度範囲での電気化学特性が相乗的に向上するという特異な効果を発現する。その理由は明らかではないが、これらの非水溶媒、電解質塩、さらにその他の添加剤の構成元素を含有するイオン伝導性の高い混合被膜が形成されるためと考えられる。
本発明の第III-1発明の非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に、下記一般式(V)で表されるスルホン酸エステル化合物を0.001〜5質量%含有することを特徴とする。
第III発明の非水電解液が含有する前記一般式(V)で表されるスルホン酸エステル化合物は、2つのスルホニルオキシ基がそれぞれ結合するメチン基(RSO3−CHR'−)を有する。電子吸引性のスルホニルオキシ基が結合する炭素上のメチンプロトンの酸性度は、R'の電子供与性効果により、メチレンプロトン(RSO3−CH2−)よりも低いと考えられる。従って、前記一般式(V)で表されるスルホン酸エステル化合物は、2箇所存在するメチン基が初回充電時に負極上で緩やかに反応するため、過度に緻密化することなく強度の強い被膜が形成されると考えられる。そのため低温から高温まで広い温度範囲での電気化学特性が著しく向上する特異的な効果をもたらすことが分かった。
R11及びR12は、好ましくは炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基、又は水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基であり、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基、又は水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり、特に好ましくは炭素数1又は2の直鎖のアルキル基、又は炭素数6〜8のアリール基である。
R3及びR4は、好ましくは炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1又は2の直鎖のアルキル基である。
R13及びR14の好適例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられるが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基が更に好ましい。
R13及びR14は、互いに異なる置換基であると好ましく、R13がメチル基であり、R14が炭素数2〜6の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基である場合がより好ましく、R13がメチル基であり、R14が炭素数2〜4の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基である場合が更に好ましい。R11及びR12が炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基であり、R13及びR14が互いに異なる炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基である場合は新規物質である。
L1は、好ましくは、少なくとも1つの水素原子が−OSO2R15で置換されてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝鎖のアルキレン基、又は単結合(すなわち−CHR13−と−CHR14−が直接結合する)であり、より好ましくは、炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝鎖のアルキレン基又は単結合であり、更に好ましくは、メチレン基、エチレン基、又は単結合であり、特に好ましくは、メチレン基又は単結合である。
特に、L1が単結合である場合、即ち、一般式(V)が下記の一般式(V−2)で表される場合、高温保存後の低温特性、特に−30℃以下での放電特性が一段と向上し、広い温度範囲での電気化学特性を大幅に改善できるので好ましい。ここで、R11〜R14はいずれもメチル基又はエチル基を示す。
に挙げられる。
ジアステレオマーが存在する場合(置換基R13が結合する炭素と置換基R4が結合する炭素の両方が不斉炭素となる場合)、置換基R13が結合する炭素と置換基R14が結合する炭素のそれぞれの立体配置の組み合わせとしては、(R,S)、(S,R)、(R,R)、(S,S)の4つの組み合わせが存在する。以下、(R,S)、(S,R)をAnti体、(R,R)、(S,S)をSyn体と呼ぶこととする。置換基R1とR2、R3とR4がそれぞれ同一である場合、(R,S)と(S,R)は全く同じ構造を表す。Syn体とAnti体は互いにジアステレオマーの関係にあるため、電気化学的な性質が少し異なる。Anti体とSyn体は還元電位が異なり、Anti体の方が広い温度範囲での電気化学特性が高いのでより好ましい。Syn体とAnti体の両方が含まれていると一段と前記効果が高まるので好ましい。Anti体とSyn体との混合比〔Anti体:Syn体〕(質量比)は、好ましくは5:95〜99:1、より好ましくは51:49〜95:5、更に好ましくは55:45〜90:10である。
一般式(VI)のR16〜R17は、それぞれ前記R11〜R12と同義であり、好ましい置換基も前記R11〜R12と同義である。
R18の好適例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられ、中でも、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(VI)のL2は、少なくとも1つの水素原子が−OSO2R19(R19はR16又はR17と同じである)で置換されてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝鎖のアルキレン基、又は少なくとも一つのエーテル結合を含む炭素数2〜6の2価の連結基、又は単結合(すなわち−CHR18−と−CH2−が直接結合する)を示す。
前記一般式(VI)のL2はL1と同義である。
第III-2発明の非水電解液が含有する一般式(VI)で表されるスルホン酸エステル化合物は、少なくとも1つのスルホニルオキシ基が結合する炭素上に、一般式(V)で表されるスルホン酸エステルが有するメチンプロトンよりも酸性度が高いメチレンプロトン(RSO3−CH2−)を有する。従って、初回充電時に負極上で、一般式(VI)で表されるスルホン酸エステル化合物のメチレン基の反応をトリガーとして、一般式(V)で表される化合物との複合化が進行し、一般式(V)で表される化合物のみを使用した場合よりも高温保存に強い被膜が形成されるためと考えられる。一般式(VI)のR18が水素原子である場合(スルホニルオキシ基が結合するメチレン基を2つ有する場合)、一般式(V)で表される化合物と更に複合化しやすくなるのでより好ましい。
上記の効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、一般式(VI)で表されるスルホン酸エステルの融点が低いものほど、非水溶媒への溶解性が高くなり、低温でのリチウムイオンの移動がスムーズになるためと考えられる。
例えば、一般式(VI)においてR16及びR17が共にメチル基であり、L2が単結合若しくは炭素数1〜5の直鎖のアルキレン鎖の場合のスルホン酸エステル化合物の融点は、L2が単結合(主鎖の炭素数2)の場合44〜45℃、メチレン基(主鎖の炭素数3)の場合41〜42℃、エチレン基(主鎖の炭素数4)の場合117℃〜118℃、トリメチレン基(主鎖の炭素数5)の場合35−36℃、テトラメチレン基(主鎖の炭素数6)の場合58〜59℃、ペンタメチレン基(主鎖の炭素数7)の場合53℃である。
これらの基の中でも、エチレン基、トリメチレン基、ペンタメチレン基等の直鎖のアルキレン基や、プロパン−1,2−ジイル基等の分枝鎖のアルキレン基がより好ましく、トリメチレン基、ペンタメチレン基等の直鎖のアルキレン基が特に好ましい。
上記の置換基の場合に一段と広い温度範囲での電気化学特性が向上するので好ましい。
第III発明の非水電解液において、前記一般式(V)で表されるスルホン酸エステル化合物を添加することにより広い温度範囲での電気化学特性は向上するが、以下に述べる非水溶媒、電解質塩、更にその他の添加剤を組み合わせることにより、広い温度範囲での電気化学特性が相乗的に向上するという特異な効果を発現する。その理由は明らかではないが、これらの非水溶媒、電解質塩、さらにその他の添加剤の構成元素を含有するイオン伝導性の高い混合被膜が形成されるためと考えられる。
<第IV発明>
本発明の第IV発明の非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に、下記一般式(VII)で表される化合物を0.001〜5質量%含有することを特徴とする。
上記の置換基の範囲の場合に、広い温度範囲での電気化学特性を大幅に改善できるので好ましい。
第IV発明の非水電解液において、一般式(VII)で表されるケイ素原子を有するスルホネート化合物を以下に述べる非水溶媒、電解質塩、更にその他の添加剤を組み合わせることにより、広い温度範囲での電気化学特性が相乗的に向上するという特異な効果を発現する。
本発明の非水電解液に使用される非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、エーテル、アミド、リン酸エステル、スルホン、ニトリル、S=O結合含有化合物等が挙げられる。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、トランス又はシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、両者を総称して「DFEC」という)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)等が好適に挙げられる。
これらの中でも、炭素−炭素二重結合又はフッ素原子を有する環状カーボネートを少なくとも1種を使用すると広い温度範囲でのサイクル特性が一段と向上するので好ましく、炭素−炭素二重結合を有する環状カーボネートとフッ素原子を有する環状カーボネートを両方含むことが特に好ましい。炭素−炭素二重結合を有する環状カーボネートとしては、VC、VECがより好ましく、フッ素原子を有する環状カーボネートとしては、FEC、DFECがより好ましい。
また、炭素−炭素二重結合を有する環状カーボネートの非水電解液中の含有量は、非水溶媒の総体積に対して、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、その上限は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは6質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である。
フッ素原子を有する環状カーボネートの含有量は、非水溶媒の総体積に対して、好ましくは0.01体積%以上、より好ましくは0.03体積%以上、更に好ましくは0.3体積%以上であり、また、その上限は、好ましくは35体積%以下、より好ましくは25体積%以下、更に好ましくは15体積%以下であると、一般式(I)で表されるスルホン酸エステル化合物と互いに結合した被膜を電極上に形成するため、一段と広い温度範囲での電気化学特性が向上するので好ましい。
また、フッ素原子を含有する環状カーボネートの非水電解液中の含有量としては、0.01〜35質量%であり、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、また、その上限は、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
また、非水溶媒がエチレンカーボネート及び/又はプロピレンカーボネートを含むと電極上に形成される被膜の抵抗が小さくなるので好ましく、エチレンカーボネート及び/又はプロピレンカーボネートの含有量は、非水溶媒の総体積に対して、好ましくは3体積%以上、より好ましくは5体積%以上、更に好ましくは7体積%以上であり、また、その上限は、好ましくは45体積%以下、より好ましくは35体積%以下、更に好ましくは25体積%以下である。
環状カーボネートの含有量は、特に制限はされないが、非水溶媒の総体積に対して、10〜40体積%の範囲で用いるのが好ましい。含有量が10体積%以上であれば非水電解液の伝導度が低下して広い温度範囲での電気化学特性が低下するおそれが少なく、40体積%以下であれば非水電解液の粘性が高くなりすぎて広い温度範囲での電気化学特性が低下するおそれが少ないので上記範囲であることが好ましい。
鎖状エステルの含有量は、特に制限されないが、非水溶媒の総体積に対して、60〜90体積%の範囲で用いるのが好ましい。該含有量が60体積%以上であれば非水電解液の粘度が高くなりすぎず、90体積%以下であれば非水電解液の電気伝導度が低下して広い温度範囲での電気化学特性が低下するおそれが少ないので上記範囲であることが好ましい。
前記鎖状エステルの中でも、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルイソプロピルカーボネート(MIPC)、メチルブチルカーボネート、プロピオン酸メチル、酢酸メチル及び酢酸エチルから選ばれるメチル基を含む鎖状エステルが好ましく、特にメチル基を有する鎖状カーボネートが好ましい。
また、鎖状カーボネートを用いる場合には、2種以上を用いることが好ましく、対称鎖状カーボネートと非対称鎖状カーボネートの両方が含まれるとより好ましく、対称鎖状カーボネートの含有量が非対称鎖状カーボネートより多く含まれると更に好ましい。
鎖状カーボネート中に対称鎖状カーボネートが占める体積の割合は、50体積%以上であり、55体積%以上がより好ましい。上限としては、95体積%以下がより好ましく、85体積%以下であると更に好ましい。対称鎖状カーボネートにジメチルカーボネート(DMC)及びジエチルカーボネート(DEC)が含まれると特に好ましい。非水溶媒中のジエチルカーボネート(DEC)の含有量は、1体積%以上が好ましく、2体積%以上がより好ましく、その上限は、10体積%以下が好ましく、6体積%以下がより好ましい。
非対称鎖状カーボネートはメチル基を有するとより好ましく、メチルエチルカーボネート(MEC)が特に好ましい。
上記の場合に一段と広い温度範囲での電気化学特性が向上するので好ましい。
環状カーボネートと鎖状エステルの割合は、広い温度範囲での電気化学特性向上の観点から、環状カーボネート:鎖状エステル(体積比)が10:90〜45:55が好ましく、15:85〜40:60がより好ましく、20:80〜35:65が特に好ましい。
炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基が第3級炭素原子又は第4級炭素原子を介してベンゼン環に結合しているベンゼン化合物としては、シクロヘキシルベンゼン、フルオロシクロヘキシルベンゼン(1−フルオロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−3−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼン)、tert−ブチルベンゼン、1,3−ジ−tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン、1−フルオロ−4−tert−ブチルベンゼンが好適に挙げられ、シクロヘキシルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼンがより好ましく、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼンが更に好ましい。
また、芳香族化合物の中では、芳香環がベンゼン環に結合若しくは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基が第3級炭素原子又は第4級炭素原子を介してベンゼン環に結合しているベンゼン化合物が好ましく、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基が第3級炭素原子又は第4級炭素原子を介してベンゼン環に結合しているベンゼン化合物がより好ましく、これらの中でも、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼンが更に好ましく、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼンが特に好ましい。
ニトリル及び/又は芳香族化合物の含有量は、非水電解液中に0.001〜5質量%が好ましい。該含有量が5質量%以下であれば、電極上に過度に被膜が形成され低温特性が低下するおそれが少なく、また0.001質量%以上であれば被膜の形成が十分であり、高温保存特性の改善効果が高まる。該含有量は、非水電解液中に0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上が更に好ましく、その上限は、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましい。
また、非水電解液中には、二酸化炭素を0.01〜0.5質量%含有させると広い温度範囲での電気化学特性が一段と向上するため好ましい。
本発明に使用される電解質塩としては、下記のリチウム塩、オニウム塩が好適に挙げられる。
(リチウム塩)
リチウム塩としては、LiPF6、LiPO2F2、LiBF4、LiClO4、LiN(SO2F)2等の無機リチウム塩、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiCF3SO3、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)2、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(CF3)3、LiPF3(iso−C3F7)3、LiPF5(iso−C3F7)等の鎖状のフッ化アルキル基を含有するリチウム塩や、(CF2)2(SO2)2NLi、(CF2)3(SO2)2NLi等の環状のフッ化アルキレン鎖を含有するリチウム塩、ビス[オキサレート−O,O’]ホウ酸リチウムやジフルオロ[オキサレート−O,O’]ホウ酸リチウム等のオキサレート錯体をアニオンとするリチウム塩が好適に挙げられる。これらの中でも、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF3)2及びLiN(SO2C2F5)2から選ばれる少なくとも1種が好ましく、LiPF6、LiBF4及びLiN(SO2CF3)2から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
また、オニウム塩としては、下記に示すオニウムカチオンとアニオンを組み合わせた各種塩が好適に挙げられる。
オニウムカチオンの具体例としては、テトラメチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルピロリジニウムカチオン、N−エチル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N,N−ジエチルピロリジニウムカチオン、スピロ−(N,N')−ビピロリジニウムカチオン、N,N'−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、N−エチル−N'−メチルイミダゾリニウムカチオン、N,N'−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、N,N'−ジメチルイミダゾリウムカチオン、N−エチル−N'−メチルイミダゾリウムカチオン、N,N'−ジエチルイミダゾリウムカチオン等が好適に挙げられる。
アニオンの具体例としては、PF6アニオン、BF4アニオン、ClO4アニオン、AsF6アニオン、CF3SO3アニオン、N(CF3SO2)2アニオン、N(C2F5SO2)2アニオン、N(SO2F)2アニオン等が好適に挙げられる。
これらの電解質塩は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら全電解質塩が溶解されて使用される濃度は、前記の非水溶媒に対して、通常0.3M以上が好ましく、0.7M以上がより好ましく、1.1M以上が更に好ましい。またその上限は、2.5M以下が好ましく、2.0M以下がより好ましく、1.5M以下が更に好ましい。
本発明の非水電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記の電解質塩及び該非水電解液に対して一般式(I)で表されるスルホン酸エステル化合物を溶解することにより得ることができる。
この際、用いる非水溶媒及び非水電解液に加える化合物は、生産性を著しく低下させない範囲内で、予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。
本発明の非水電解液は、下記の第1〜第4の電気化学素子に使用することができ、非水電解質として、液体状のものだけでなくゲル化されているものも使用し得る。更に本発明の非水電解液は固体高分子電解質用としても使用できる。中でも電解質塩にリチウム塩を使用する第1の電気化学素子用(即ち、リチウム電池用)又は第4の電気化学素子用(即ち、リチウムイオンキャパシタ用)として用いることが好ましく、リチウム電池用として用いることが更に好ましく、リチウム二次電池用として用いることが最も適している。
本発明のリチウム電池は、リチウム一次電池及びリチウム二次電池を総称する。また、本明細書において、リチウム二次電池という用語は、いわゆるリチウムイオン二次電池も含む概念として用いる。本発明のリチウム電池は、正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている前記非水電解液からなる。非水電解液以外の正極、負極等の構成部材は特に制限なく使用できる。
例えば、リチウム二次電池用正極活物質としては、コバルト、マンガン、及びニッケルから1種以上を含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなリチウム複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiCo1-xNixO2(0.01<x<1)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi1/2Mn3/2O4、LiCo0.98Mg0.02O2等が挙げられる。また、LiCoO2とLiMn2O4、LiCoO2とLiNiO2、LiMn2O4とLiNiO2のように併用してもよい。
これらの中では、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2のような満充電状態における正極の充電電位がLi基準で4.3V以上で使用可能なリチウム複合金属酸化物が好ましく、LiCo1-xMxO2(但し、MはSn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn、Cuから表される少なくとも1種類以上の元素、0.001≦x≦0.05)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi1/2Mn3/2O4、Li2MnO3とLiMO2(Mは、Co、Ni、Mn、Fe等の遷移金属)との固溶体のような4.4V以上で使用可能なリチウム複合金属酸化物がより好ましい。高充電電圧で動作するリチウム複合金属酸化物を使用すると、充電時における電解液との反応により特に広い温度範囲での電気化学特性が低下しやすいが、本発明に係るリチウム二次電池ではこれらの電気化学特性の低下を抑制することができる。
特にMnを含む正極の場合に正極からのMnイオンの溶出に伴い電池の抵抗が増加しやすい傾向にあるため、広い温度範囲での電気化学特性が低下しやすい傾向にあるが、本発明に係るリチウム二次電池ではこれらの電気化学特性の低下を抑制することができるので好ましい。
これらのリチウム含有オリビン型リン酸塩の一部は他元素で置換してもよく、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンの一部をCo、Mn、Ni、Mg、Al、B、Ti、V、Nb、Cu、Zn、Mo、Ca、Sr、W及びZr等から選ばれる1種以上の元素で置換したり、又はこれらの他元素を含有する化合物や炭素材料で被覆することもできる。これらの中では、LiFePO4又はLiMnPO4が好ましい。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩は、例えば前記の正極活物質と混合して用いることもできる。
正極は、前記の正極活物質をアセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレンプロピレンジエンターポリマー等の結着剤と混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶剤を加えて混練して正極合剤とした後、この正極合剤を集電体のアルミニウム箔やステンレス製のラス板等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作製することができる。
正極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.5g/cm3以上であり、電池の容量を更に高めるため、好ましくは2g/cm3以上であり、より好ましくは、3g/cm3以上であり、更に好ましくは、3.6g/cm3以上である。なお、上限としては、4g/cm3以下が好ましい。
これらの中では、リチウムイオンの吸蔵及び放出能力において、人造黒鉛や天然黒鉛等の高結晶性の炭素材料を使用することが更に好ましく、格子面(002)の面間隔(d002)が0.340nm(ナノメータ)以下、特に0.335〜0.337nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが特に好ましい。
複数の扁平状の黒鉛質微粒子が互いに非平行に集合或いは結合した塊状構造を有する人造黒鉛粒子や、例えば鱗片状天然黒鉛粒子に圧縮力、摩擦力、剪断力等の機械的作用を繰り返し与え、球形化処理を施した黒鉛粒子を用いることにより、負極の集電体を除く部分の密度を1.5g/cm3以上の密度に加圧成形したときの負極シートのX線回折測定から得られる黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比I(110)/I(004)が0.01以上となると一段と広い温度範囲での電気化学特性が向上するので好ましく、0.05以上となることがより好ましく、0.1以上となることが更に好ましい。また、過度に処理し過ぎて結晶性が低下し電池の放電容量が低下する場合があるので、上限は0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
また、高結晶性の炭素材料(コア材)は、該炭素材料(コア材)よりも低結晶性の炭素材料によって被膜されていると、広い温度範囲での電気化学特性が良好となるので好ましい。被覆の炭素材料の結晶性は、TEMにより確認することができる。
高結晶性の炭素材料を使用すると、充電時において非水電解液と反応し、界面抵抗の増加によって低温又は高温における電気化学特性を低下させる傾向があるが、本発明に係るリチウム二次電池では広い温度範囲での電気化学特性が良好となる。
負極は、上記の正極の作製と同様な導電剤、結着剤、高沸点溶剤を用いて混練して負極合剤とした後、この負極合剤を集電体の銅箔等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作製することができる。
負極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.1g/cm3以上であり、電池の容量を更に高めるため、好ましくは1.5g/cm3以上であり、特に好ましくは1.7g/cm3以上である。なお、上限としては、2g/cm3以下が好ましい。
電池用セパレータのとしては、特に制限はされないが、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの単層又は積層の微多孔性フィルム、織布、不織布等を使用できる。
本発明におけるリチウム二次電池は、充電終止電圧が4.2V以上、特に4.3V以上の場合にも広い温度範囲での電気化学特性に優れ、更に、4.4V以上においても特性は良好である。放電終止電圧は、通常2.8V以上、更には2.5V以上とすることが出来るが、本願発明におけるリチウム二次電池は、2.0V以上とすることが出来る。電流値については特に限定されないが、通常0.1〜30Cの範囲で使用される。また、本発明におけるリチウム電池は、−40〜100℃、好ましくは−10〜80℃で充放電することができる。
本発明においては、リチウム電池の内圧上昇の対策として、電池蓋に安全弁を設けたり、電池缶やガスケット等の部材に切り込みを入れる方法も採用することができる。また、過充電防止の安全対策として、電池の内圧を感知して電流を遮断する電流遮断機構を電池蓋に設けることができる。
電解液と電極界面の電気二重層容量を利用してエネルギーを貯蔵する電気化学素子である。本発明の一例は、電気二重層キャパシタである。この電気化学素子に用いられる最も典型的な電極活物質は、活性炭である。二重層容量は概ね表面積に比例して増加する。
電極のドープ/脱ドープ反応を利用してエネルギーを貯蔵する電気化学素子である。この電気化学素子に用いられる電極活物質として、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化銅等の金属酸化物や、ポリアセン、ポリチオフェン誘導体等のπ共役高分子が挙げられる。これらの電極活物質を用いたキャパシタは、電極のドープ/脱ドープ反応にともなうエネルギー貯蔵が可能である。
負極であるグラファイト等の炭素材料へのリチウムイオンのインターカレーションを利用してエネルギーを貯蔵する電気化学素子である。リチウムイオンキャパシタ(LIC)と呼ばれる。正極は、例えば活性炭電極と電解液との間の電気二重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液には少なくともLiPF6等のリチウム塩が含まれる。
スルホン酸エステル化合物の合成法としては、例えば、Journal of the Chemical Society,Perkin Transactions2 No.8, 1201-1208ページ,1991年に記載されているアルコールを溶媒中で、塩基存在下、スルホニルハライドと反応させる方法が適用できる。
なお、高温充電保存後の低温特性の評価、及び低温サイクル特性の評価は以下の方法により行った。
(初期の放電容量)
上記の方法で作製したコイン電池を用いて、25℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.2Vまで3時間充電し、0℃に恒温槽の温度を下げ、1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電して、初期の0℃の放電容量を求めた。
(高温充電保存試験)
次に、このコイン電池を85℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で終止電圧4.2Vまで3時間充電し、4.2Vに保持した状態で3日間保存を行った。その後、25℃の恒温槽に入れ、一旦1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電した。
(高温充電保存後の放電容量)
更にその後、初期の放電容量の測定と同様にして、高温充電保存後の0℃の放電容量を求めた。
(高温充電保存後の低温特性)
高温充電保存後の低温特性を下記の0℃放電容量の維持率より求めた。
高温充電保存後の0℃放電容量維持率(%)=(高温充電保存後の0℃の放電容量/初期の0℃の放電容量)×100
上記の方法で作製したコイン電池を用いて25℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で終止電圧4.2Vまで3時間充電し、次に1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電することでプレサイクルを行った。次に、0℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で終止電圧4.2Vまで3時間充電し、次に1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電した。これを50サイクルに達するまで繰り返した。そして、以下の式により0℃での50サイクル後の放電容量維持率(%)を求めた。
0℃、50サイクル後の放電容量維持率(%)=(0℃、50サイクル目の放電容量/0℃、1サイクル目の放電容量)×100
〔リチウムイオン二次電池の作製〕
LiCoO2;94質量%、アセチレンブラック(導電剤);3質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、正極シートを作製した。正極の集電体を除く部分の密度は3.6g/cm3であった。また、非晶質炭素で被覆した人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質)95質量%を、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.5g/cm3であった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表I−1及び表I−2に記載の組成の非水電解液を加えて、2032型コイン電池を作製した。
電池の作製条件及び評価結果を表I−1及び表I−2に示す。
実施例I−2、比較例I−1で用いた負極活物質に変えて、ケイ素(単体)(負極活物質)を用いて、負極シートを作製した。ケイ素(単体);80質量%、アセチレンブラック(導電剤);15質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、負極シートを作製したことの他は、実施例I−2、比較例I−1と同様にコイン電池を作製し、電池評価を行った。結果を表I−3に示す。
実施例I−2、比較例I−1で用いた正極活物質に変えて、非晶質炭素で被覆されたLiFePO4(正極活物質)を用いて、正極シートを作製した。非晶質炭素で被覆されたLiFePO4;90質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、正極シートを作製したこと、電池評価の際の充電終止電圧を3.6V、放電終止電圧を2.0Vとしたことの他は、実施例I−2、比較例I−1と同様にコイン電池を作製し、電池評価を行った。結果を表I−4に示す。
実施例I−13〜I−21のその他の添加剤として炭素数1〜6の炭化水素基が第3級炭素原子又は第4級炭素原子を介してベンゼン環に結合しているベンゼン化合物、及び/又は、環状構造若しくは不飽和基を有するS=O基含有化合物を含むリチウム二次電池は、その他の添加剤を含まない比較例I−3との対比から、何れも高温充電保存後の低温特性が向上している。
また、実施例I−22、I−23と比較例I−4の対比、実施例I−24、I−25と比較例I−5の対比から、負極にSiを用いた場合や、正極にリチウム含有オリビン型リン酸鉄塩を用いた場合にも同様な効果がみられる。従って、本発明の効果は、特定の正極や負極に依存した効果でないことは明らかである。
更に、上記第I発明の非水電解液は、リチウム一次電池の広い温度範囲での放電特性を改善する効果も有する。
〔リチウムイオン二次電池の作製〕
LiCoO2;94質量%、アセチレンブラック(導電剤);3質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、正極シートを作製した。正極の集電体を除く部分の密度は3.6g/cm3であった。また、非晶質炭素で被覆した人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質)95質量%を、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.5g/cm3であった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表II−1及び表II−2に記載の組成の非水電解液を加えて、2032型コイン電池を作製した。
電池の作製条件及び評価結果を表II−1及び表II−2に示す。
実施例II−2、比較例II−1で用いた負極活物質に変えて、ケイ素(単体)(負極活物質)を用いて、負極シートを作製した。ケイ素(単体);80質量%、アセチレンブラック(導電剤);15質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、負極シートを作製したことの他は、実施例II−2、比較例II−1と同様にコイン電池を作製し、電池評価を行った。結果を表II−3に示す。
実施例2、比較例1で用いた正極活物質に変えて、非晶質炭素で被覆されたLiFePO4(正極活物質)を用いて、正極シートを作製した。非晶質炭素で被覆されたLiFePO4;90質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、正極シートを作製したこと、電池評価の際の充電終止電圧を3.6V、放電終止電圧を2.0Vとしたことの他は、実施例II−2、比較例II−1と同様にコイン電池を作製し、電池評価を行った。結果を表II−4に示す。
実施例II−10〜II−12のその他の添加剤としてニトリル、芳香族化合物を含むリチウム二次電池は、その他の添加剤を含まない実施例II−4との対比から、何れも高温充電保存後の低温特性が向上している。実施例ではスルホン酸エステル化合物としてシクロペンチル メタンスルホネートを用いているが、その他の一般式(I)で表されるスルホン酸エステル化合物を用いた場合にも同様の効果を有する。
また、実施例II−13と比較例II−3の対比、実施例II−14と比較例II−4の対比から、負極にSiを用いた場合や、正極にリチウム含有オリビン型リン酸鉄塩を用いた場合にも同様な効果がみられる。従って、本発明の効果は、特定の正極や負極に依存した効果でないことは明らかである。
更に、上記第II発明の非水電解液は、リチウム一次電池の広い温度範囲での放電特性を改善する効果も有する。
なお、一般式(V)で表されるスルホン酸エステル化合物の原料となるアルコール化合物は市販品として入手できるが、既存の汎用的手法により合成することもできる。合成例としてはTetrahedoron Asymmetry, Vol.4, No.5, 925-930ヘ゜ーシ゛, 1993年に記載されている方法が適用できる。
スルホン酸エステル化合物の合成法としては、例えばJournal of the Chemical Society, Perkin Transactions 2, No.8, 1201-1208ヘ゜ーシ゛, 1991年に記載されているアルコールを溶媒中で、塩基存在下、スルホニルハライドと反応させる方法が適用できる。
ペンタン−2,3−ジオール1.04g(10.0mol)とトリエリチルアミン2.23g(22.0mmol)を塩化メチレン40mLに溶解させ、0℃から5℃の範囲でメタンスルホニルクロリド2.52g(22.0mol)を滴下し、0℃で30分撹拌した。ガスクロマトグラフィー分析で原料の消失を確認した後、有機層を水20ml、次いで飽和食塩水20mlで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、ヘキサン/酢酸エチル=2/1溶出)精製し、目的物であるペンタン−2,3−ジイル ジメタンスルホネート(淡橙色液体;新規化合物)2.24gを得た(収率86%)。
得られたペンタン−2,3−ジイル ジメタンスルホネートについて、1H−NMRの測定を行い、その構造を確認した。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ=4.95−4.78(m,1H),4.73−4.57(m,1H),3.11−3.07(m,6H),1.96−1.65(m, 2H), 1.43−1.37(m, 3H),1.03−0.98(m,3H)
〔リチウムイオン二次電池の作製〕
LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2 94質量%、アセチレンブラック(導電剤)3質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、正極シートを作製した。正極の集電体を除く部分の密度は3.6g/cm3であった。
また、非晶質炭素で被覆した人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質)95質量%、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.5g/cm3であった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表III−1に記載の組成の非水電解液を加えて、2032型コイン電池を作製した。
電池の作製条件及び評価結果を表III−1に示す。
実施例III−2、比較例III−1で用いた負極活物質に変えて、ケイ素(単体)(負極活物質)を用いて、負極シートを作製した。ケイ素(単体)80質量%、アセチレンブラック(導電剤)15質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、負極シートを作製したことの他は、実施例III−2、比較例III−1と同様にコイン電池を作製し、電池評価を行った。結果を表III−2に示す。
実施例III−2、比較例1で用いた正極活物質に変えて、非晶質炭素で被覆されたLiFePO4(正極活物質)を用いて、正極シートを作製した。非晶質炭素で被覆されたLiFePO4 90質量%、アセチレンブラック(導電剤)5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、正極シートを作製したこと、電池評価の際の充電終止電圧を3.6V、放電終止電圧を2.0Vとしたことの他は、実施例III−2、比較例III−1と同様にコイン電池を作製し、電池評価を行った。結果を表III−3に示す。
実施例III−2、比較例III−1で用いた正極活物質に変えて、LiMn2O4(正極活物質)を用いて、正極シートを作製した。LiMn2O4 88質量%、アセチレンブラック(導電剤)6質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)6質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、正極シートを作製したこと、非水電解液に含有させるブタン−2,3−ジイル ジメタンスルホネートのAnti体とSyn体の質量比を、表III−4に示すように変化させたこと、電池評価の際の初期の放電容量、高温充電保存後の低温特性をともに−30℃で測定し、下記の式にて高温充電保存後の−30℃放電容量維持率(%)を求めたことの他は、実施例III−2、比較例III−1と同様にコイン電池を作製し、電池評価を行った。結果を表III−4に示す。
高温充電保存後の−30℃放電容量維持率(%)=(高温充電保存後の−30℃の放電容量/初期の−30℃の放電容量)×100
また、表III−4に示す割合で調整した非水電解液をHPLCを用いて分析した結果、添加した割合どおりの組成で存在していることが確認できた。
また、実施例III−14と比較例III−3の対比、実施例III−15と比較例III−4の対比から、負極にSiを用いた場合や、正極にリチウム含有オリビン型リン酸鉄塩を用いた場合にも同様な効果がみられる。従って、第III発明の効果は、特定の正極や負極に依存した効果でないことは明らかである。
また、実施例III−16〜III−20より、一般式(V)で表される化合物はSyn体よりもAnti体の方がやや好ましく、Anti体とSyn体の混合物であると一段と効果が高まるので好ましいことが判明した。
更に、第III発明の非水電解液は、リチウム一次電池の広い温度範囲での放電特性を改善する効果も有する。
〔リチウムイオン二次電池の作製〕
LiCoO2;94質量%、アセチレンブラック(導電剤);3質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、正極シートを作製した。正極の集電体を除く部分の密度は3.6g/cm3であった。また、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質)95質量%を、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.5g/cm3であった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表IV−1に記載の組成の非水電解液を加えて、2032型コイン電池を作製した。
電池の作製条件及び電池特性を表IV−1に示す。
実施例IV−2、比較例IV−1で用いた負極活物質に変えて、ケイ素(単体)(負極活物質)を用いて、負極シートを作製した。ケイ素(単体);80質量%、アセチレンブラック(導電剤);15質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、負極シートを作製したことの他は、実施例IV−2、比較例IV−1と同様にコイン電池を作製し、電池評価を行った。結果を表IV−2に示す。
実施例IV−2、比較例IV−1で用いた正極活物質に変えて、非晶質炭素で被覆されたLiFePO4(正極活物質)を用いて、正極シートを作製した。非晶質炭素で被覆されたLiFePO4;90質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、正極シートを作製したこと、電池評価の際の充電終止電圧を3.6V、放電終止電圧を2.0Vとしたことの他は、実施例IV−2、比較例IV−1と同様にコイン電池を作製し、電池評価を行った。結果を表IV−3に示す。
また、実施例IV−5と比較例IV−4の対比、実施例IV−6と比較例IV−5の対比から、負極にケイ素(単体)Siを用いた場合や、正極にリチウム含有オリビン型リン酸鉄塩を用いた場合にも同様な効果がみられる。従って、第IV発明の効果は、特定の正極や負極に依存した効果でないことは明らかである。
更に、第IV発明の非水電解液は、リチウム一次電池の広い温度範囲での放電特性を改善する効果も有する。
Claims (9)
- 非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に、下記一般式(II)で表されるスルホン酸エステル化合物を0.001〜5質量%含有することを特徴とする非水電解液。
(式中、mは1又は2の整数を示す。mが1の場合は、R1は炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示し、R2は炭素数2〜6のアルキル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を示し、R3は炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を示す。mが2の場合は、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R2及びR3はmが1の場合と同義である。ただし、前記の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数1〜6のアルキレン基は、その少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。) - 非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に、炭素数1〜6の炭化水素基が第3級炭素原子又は第4級炭素原子を介してベンゼン環に結合しているベンゼン化合物、及び/又は環状構造若しくは不飽和基を有するS=O基含有化合物を0.001〜5質量%含有し、更に、下記一般式(III)で表される分枝構造を有するスルホン酸エステル化合物を0.001〜5質量%を含有することを特徴とする非水電解液。
(式中、nは1又は2の整数を示す。nが1の場合は、R4は炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。nが2の場合は、R4は炭素数1〜6のアルキレン基を示す。ただし、前記の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数1〜6のアルキレン基は、それらの少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。) - 非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に、下記一般式(IV)で表されるスルホン酸エステル化合物を0.001〜5質量%含有することを特徴とする非水電解液。
(式中、tは1又は2の整数を示す。tが1の場合は、R5及びR6は炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示し、R7は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R7はシクロ環上の炭素原子と結合して環を形成してもよく、rは0〜5の整数を示し、p及びqはそれぞれ独立して0又は1を示す。tが2の場合は、R5は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R6、R7、r、p及びqはtが1の場合と同義である。ただし、前記の炭素数1〜6のアルキル基、及び炭素数6〜12のアリール基は、それらの少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。) - 非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、非水電解液中に、下記一般式(V)で表されるスルホン酸エステル化合物を0.001〜5質量%含有することを特徴とする非水電解液。
(式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示し、R13及びR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示し、L1は、少なくとも1つの水素原子が−OSO2R15(R15はR11又はR12と同義である)で置換されてもよい炭素数1〜6のアルキレン基又は単結合を示す。前記の炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数6〜12のアリール基は、それらの少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。) - 非水電解液中に、さらに炭素数1〜6の炭化水素基が第3級炭素原子又は第4級炭素原子を介してベンゼン環に結合しているベンゼン化合物、及び/又は環状構造若しくは不飽和基を有するS=O基含有化合物を0.001〜5質量%含有する請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解液。
- 非水電解液中に、炭素−炭素二重結合を有する環状カーボネートを0.001〜5体積%及び/又はフッ素原子を含有する環状カーボネートを0.01〜35体積%含有する請求項1〜7のいずれかに記載の非水電解液。
- 正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなる電気化学素子において、該非水電解液が請求項1〜8のいずれかに記載の非水電解液であることを特徴とする電気化学素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012518472A JP5807636B2 (ja) | 2010-06-04 | 2011-06-03 | 非水電解液及びそれを用いた電気化学素子 |
Applications Claiming Priority (16)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010129361 | 2010-06-04 | ||
JP2010129361 | 2010-06-04 | ||
JP2010165374 | 2010-07-22 | ||
JP2010165374 | 2010-07-22 | ||
JP2010166444 | 2010-07-23 | ||
JP2010166444 | 2010-07-23 | ||
JP2010224710 | 2010-10-04 | ||
JP2010224710 | 2010-10-04 | ||
JP2010272966 | 2010-12-07 | ||
JP2010272966 | 2010-12-07 | ||
JP2011037751 | 2011-02-24 | ||
JP2011037759 | 2011-02-24 | ||
JP2011037751 | 2011-02-24 | ||
JP2011037759 | 2011-02-24 | ||
PCT/JP2011/062841 WO2011152534A1 (ja) | 2010-06-04 | 2011-06-03 | 非水電解液及びそれを用いた電気化学素子 |
JP2012518472A JP5807636B2 (ja) | 2010-06-04 | 2011-06-03 | 非水電解液及びそれを用いた電気化学素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2011152534A1 JPWO2011152534A1 (ja) | 2013-08-01 |
JP5807636B2 true JP5807636B2 (ja) | 2015-11-10 |
Family
ID=45066889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012518472A Active JP5807636B2 (ja) | 2010-06-04 | 2011-06-03 | 非水電解液及びそれを用いた電気化学素子 |
Country Status (9)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9240614B2 (ja) |
EP (1) | EP2579377B1 (ja) |
JP (1) | JP5807636B2 (ja) |
KR (1) | KR20130119842A (ja) |
CN (1) | CN102934275B (ja) |
BR (1) | BR112012030882A2 (ja) |
CA (1) | CA2801288A1 (ja) |
ES (1) | ES2521023T3 (ja) |
WO (1) | WO2011152534A1 (ja) |
Families Citing this family (31)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9190695B2 (en) * | 2010-08-05 | 2015-11-17 | Wako Pure Chemical Industries, Ltd. | Nonaqueous electrolyte solution, method for producing same, and nonaqueous electrolyte battery using the electrolyte solution |
EP2650958A4 (en) | 2010-12-06 | 2015-03-18 | Ube Industries | NON-AQUEOUS ELECTROLYTE AND ELECTROCHEMICAL ELEMENT THEREWITH |
EP2672560B1 (en) | 2011-01-31 | 2019-10-02 | Mitsubishi Chemical Corporation | Non-aqueous electrolytic solution, and non-aqueous electrolyte secondary battery using same |
JP5906761B2 (ja) * | 2011-01-31 | 2016-04-20 | 三菱化学株式会社 | 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池 |
JP5906762B2 (ja) * | 2011-02-08 | 2016-04-20 | 三菱化学株式会社 | 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池 |
US20160049691A1 (en) * | 2012-03-13 | 2016-02-18 | Nec Energy Devices, Ltd. | Electrolytic solution for secondary battery and secondary battery using the same |
JP2013211223A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Mitsubishi Chemicals Corp | 非水系電解液、それを用いた電池 |
US20130337342A1 (en) * | 2012-06-06 | 2013-12-19 | Peter B. Hallac | Electrolyte Formulation for High Voltage and Wide Temperature Lithium-Ion Cells |
JP6236907B2 (ja) * | 2012-06-22 | 2017-11-29 | 三菱ケミカル株式会社 | 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液電池 |
JP6130637B2 (ja) * | 2012-09-20 | 2017-05-17 | 富士フイルム株式会社 | 非水二次電池用電解液及び二次電池 |
KR101520158B1 (ko) * | 2012-09-21 | 2015-05-13 | 주식회사 엘지화학 | 리튬 이차 전지용 전해액 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지 |
JP2014192153A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Fujifilm Corp | 非水二次電池用電解液、非水二次電池及び非水電解液用添加剤 |
WO2014163055A1 (ja) * | 2013-04-01 | 2014-10-09 | 宇部興産株式会社 | 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス |
JP6245476B2 (ja) * | 2014-08-20 | 2017-12-13 | トヨタ自動車株式会社 | 二次電池 |
JP6760843B2 (ja) * | 2014-10-16 | 2020-09-23 | 株式会社Adeka | 非水電解液及び非水電解液二次電池 |
WO2016086837A1 (zh) * | 2014-12-05 | 2016-06-09 | 中国石油天然气股份有限公司 | 一种二元磺酸酯化合物及其应用与烯烃聚合催化剂组分和烯烃聚合催化剂 |
CN105712909B (zh) * | 2014-12-05 | 2018-07-13 | 中国石油天然气股份有限公司 | 用于制备烯烃聚合催化剂的二元磺酸酯化合物 |
CN104496865A (zh) * | 2014-12-05 | 2015-04-08 | 中国石油天然气股份有限公司 | 一种二元醇磺酸酯化合物及其制备方法与应用 |
WO2016160703A1 (en) | 2015-03-27 | 2016-10-06 | Harrup Mason K | All-inorganic solvents for electrolytes |
JP6737280B2 (ja) * | 2015-09-15 | 2020-08-05 | 宇部興産株式会社 | 蓄電デバイス用非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス |
US10707531B1 (en) | 2016-09-27 | 2020-07-07 | New Dominion Enterprises Inc. | All-inorganic solvents for electrolytes |
US20190348714A1 (en) * | 2017-01-18 | 2019-11-14 | Basf Se | Trifunctional additives for electrolyte composition for lithium batteries |
CN114512723B (zh) * | 2017-05-22 | 2024-04-09 | 微宏动力系统(湖州)有限公司 | 一种锂离子二次电池 |
CN108336408B (zh) * | 2018-03-15 | 2021-12-10 | 桑顿新能源科技(长沙)有限公司 | 一种锂离子电池用非水电解液 |
KR102259216B1 (ko) * | 2018-05-23 | 2021-05-31 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬 이차 전지용 전해액 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지 |
KR102287332B1 (ko) * | 2018-08-07 | 2021-08-06 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬 이차 전지용 전해액 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지 |
EP3836255A4 (en) * | 2018-09-11 | 2022-05-25 | GS Yuasa International Ltd. | ELECTRICITY STORAGE ELEMENT AND METHOD OF MAKING THE ELECTRICITY STORAGE ELEMENT |
JP6818723B2 (ja) * | 2018-09-25 | 2021-01-20 | 太陽誘電株式会社 | 電気化学デバイス用電解液および電気化学デバイス |
CN112349958B (zh) * | 2019-08-06 | 2022-02-11 | 珠海冠宇电池股份有限公司 | 一种电解液及其制备方法和锂离子电池 |
KR102463257B1 (ko) * | 2020-07-06 | 2022-11-04 | 주식회사 테크늄 | 리튬 이차전지용 전해질 첨가제 및 이를 포함하는 리튬이차전지 |
CN113381073B (zh) * | 2021-07-27 | 2022-03-01 | 中节能万润股份有限公司 | 一种磺酸硅酯类非水电解液添加剂及其应用 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007080620A (ja) * | 2005-09-13 | 2007-03-29 | Sony Corp | 電解液および電池 |
JP2008146929A (ja) * | 2006-12-07 | 2008-06-26 | Sony Corp | 電解液および電池 |
JP2008218425A (ja) * | 2008-04-25 | 2008-09-18 | Mitsubishi Chemicals Corp | 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 |
JP2009140919A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-25 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3728791B2 (ja) | 1996-03-13 | 2005-12-21 | 三菱化学株式会社 | リチウム二次電池用電解液 |
JP3815087B2 (ja) * | 1998-10-26 | 2006-08-30 | 宇部興産株式会社 | 非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 |
JP4320914B2 (ja) | 2000-04-27 | 2009-08-26 | 宇部興産株式会社 | 非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 |
US7097944B2 (en) * | 2001-07-12 | 2006-08-29 | Gs Yuasa Corporation | Nonaqueous secondary cell |
JP4337324B2 (ja) | 2002-10-10 | 2009-09-30 | 三菱化学株式会社 | 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 |
JP4517730B2 (ja) * | 2004-05-28 | 2010-08-04 | 宇部興産株式会社 | 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 |
JP4070793B2 (ja) | 2005-05-30 | 2008-04-02 | 株式会社デンソー | 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池 |
JP4951913B2 (ja) | 2005-09-27 | 2012-06-13 | ソニー株式会社 | リチウムイオン二次電池 |
CN101454938A (zh) | 2006-06-02 | 2009-06-10 | 三菱化学株式会社 | 非水电解液以及非水电解质电池 |
CN101517813B (zh) * | 2006-09-20 | 2011-05-25 | Lg化学株式会社 | 用于非水电解质的添加剂及使用该添加剂的二次电池 |
KR100873270B1 (ko) * | 2006-10-25 | 2008-12-11 | 주식회사 엘지화학 | 비수 전해액 및 이를 포함하는 전기화학소자 |
JP5169400B2 (ja) * | 2008-04-07 | 2013-03-27 | Necエナジーデバイス株式会社 | 非水電解液およびそれを用いた非水電解液二次電池 |
-
2011
- 2011-06-03 JP JP2012518472A patent/JP5807636B2/ja active Active
- 2011-06-03 WO PCT/JP2011/062841 patent/WO2011152534A1/ja active Application Filing
- 2011-06-03 CA CA2801288A patent/CA2801288A1/en not_active Abandoned
- 2011-06-03 ES ES11789935.1T patent/ES2521023T3/es active Active
- 2011-06-03 US US13/701,193 patent/US9240614B2/en active Active
- 2011-06-03 KR KR1020127031604A patent/KR20130119842A/ko not_active Application Discontinuation
- 2011-06-03 CN CN201180027595.4A patent/CN102934275B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2011-06-03 BR BR112012030882A patent/BR112012030882A2/pt not_active IP Right Cessation
- 2011-06-03 EP EP11789935.1A patent/EP2579377B1/en not_active Not-in-force
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007080620A (ja) * | 2005-09-13 | 2007-03-29 | Sony Corp | 電解液および電池 |
JP2008146929A (ja) * | 2006-12-07 | 2008-06-26 | Sony Corp | 電解液および電池 |
JP2009140919A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-25 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
JP2008218425A (ja) * | 2008-04-25 | 2008-09-18 | Mitsubishi Chemicals Corp | 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2011152534A1 (ja) | 2013-08-01 |
ES2521023T3 (es) | 2014-11-12 |
WO2011152534A1 (ja) | 2011-12-08 |
US9240614B2 (en) | 2016-01-19 |
US20130071733A1 (en) | 2013-03-21 |
CA2801288A1 (en) | 2011-12-08 |
EP2579377B1 (en) | 2014-09-03 |
CN102934275B (zh) | 2015-06-17 |
EP2579377A4 (en) | 2014-01-01 |
EP2579377A1 (en) | 2013-04-10 |
BR112012030882A2 (pt) | 2016-11-08 |
CN102934275A (zh) | 2013-02-13 |
KR20130119842A (ko) | 2013-11-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5807636B2 (ja) | 非水電解液及びそれを用いた電気化学素子 | |
JP6380409B2 (ja) | 非水電解液、それを用いた蓄電デバイス、及びそれに用いられるカルボン酸エステル化合物 | |
JP5979150B2 (ja) | 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス | |
JP5692219B2 (ja) | 非水電解液、それを用いた電気化学素子、及びそれに用いられる1,2−ジオキシプロパン化合物 | |
JP6176112B2 (ja) | 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス | |
JP6583267B2 (ja) | 非水電解液、それを用いた蓄電デバイス、及びそれに用いるリチウム塩 | |
JP6035684B2 (ja) | 非水電解液及びそれを用いた電気化学素子 | |
KR20150018513A (ko) | 비수 전해액 및 그것을 이용한 축전 디바이스 | |
JP5561163B2 (ja) | リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物 | |
JP6070543B2 (ja) | 非水電解液、それを用いた蓄電デバイス、及びトリフルオロメチルベンゼン化合物 | |
KR20120084709A (ko) | 비수 전해액 및 그것을 이용한 전기 화학 소자 | |
JPWO2014203912A1 (ja) | 非水電解液、それを用いた蓄電デバイス、及びそれに用いられるビフェニル基含有カーボネート化合物 | |
JP5822070B2 (ja) | 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス | |
WO2013168716A1 (ja) | 非水電解液、それを用いた蓄電デバイス、及びジハロリン酸エステル化合物 | |
JP5589796B2 (ja) | 非水電解液、それを用いた電気化学素子、及びそれに用いられるトリアルキルシリルオキシ基含有化合物 | |
JP6015673B2 (ja) | 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140401 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140401 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150428 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150619 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150811 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150824 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5807636 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |