JP5561163B2 - リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物 - Google Patents

リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP5561163B2
JP5561163B2 JP2010520821A JP2010520821A JP5561163B2 JP 5561163 B2 JP5561163 B2 JP 5561163B2 JP 2010520821 A JP2010520821 A JP 2010520821A JP 2010520821 A JP2010520821 A JP 2010520821A JP 5561163 B2 JP5561163 B2 JP 5561163B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
methanesulfonate
carbon atoms
carbonate
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010520821A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010007889A1 (ja
Inventor
浩司 安部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2010520821A priority Critical patent/JP5561163B2/ja
Publication of JPWO2010007889A1 publication Critical patent/JPWO2010007889A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5561163B2 publication Critical patent/JP5561163B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • H01M10/0525Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0564Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
    • H01M10/0566Liquid materials
    • H01M10/0567Liquid materials characterised by the additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C309/00Sulfonic acids; Halides, esters, or anhydrides thereof
    • C07C309/63Esters of sulfonic acids
    • C07C309/64Esters of sulfonic acids having sulfur atoms of esterified sulfo groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C309/65Esters of sulfonic acids having sulfur atoms of esterified sulfo groups bound to acyclic carbon atoms of a saturated carbon skeleton
    • C07C309/66Methanesulfonates
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0017Non-aqueous electrolytes
    • H01M2300/0065Solid electrolytes
    • H01M2300/0082Organic polymers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Primary Cells (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びリチウム電池等に用いられる新規なホルミルオキシ基含有化合物に関する。
近年、リチウム二次電池は、携帯電話やノート型パソコン等の小型電子機器の電源、電気自動車や電力貯蔵用等の電源として広く使用されている。これらの電子機器や自動車は、真夏の高温下や極寒の低温下等の広い温度範囲で使用される可能性があるため、広い温度範囲でバランス良くサイクル特性を向上させることが求められている。
リチウム二次電池は、主にリチウムを吸蔵放出可能な材料を含む正極及び負極、リチウム塩と非水溶媒からなる非水電解液から構成され、非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が使用されている。
また、負極としては、金属リチウム、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物(金属単体、酸化物、リチウムとの合金等)や炭素材料が知られており、特にリチウムを吸蔵・放出することが可能なコークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の炭素材料を用いたリチウム二次電池が広く実用化されている。
例えば、天然黒鉛や人造黒鉛等の高結晶化した炭素材料を負極材料として用いたリチウム二次電池は、非水電解液中の溶媒が充電時に負極表面で還元分解することにより発生した分解物やガスが電池の望ましい電気化学的反応を阻害するため、サイクル特性の低下を生じることが知られている。また、非水溶媒の分解物が蓄積すると、負極へのリチウムの吸蔵及び放出がスムーズに出来なくなり、特に低温や高温下でのサイクル特性が低下しやすくなる。
更に、リチウム金属やその合金、スズ又はケイ素等の金属単体や酸化物を負極材料として用いたリチウム二次電池は、初期の容量は高いもののサイクル中に微粉化が進むため、炭素材料の負極に比べて非水溶媒の還元分解が加速的に起こり、電池容量やサイクル特性のような電池性能が大きく低下することが知られている。また、これらの負極材料の微粉化や非水溶媒の分解物が蓄積すると、負極へのリチウムの吸蔵及び放出がスムーズにできなくなり、特に低温や高温下でのサイクル特性が低下しやすくなる。
一方、正極として、例えばLiCoO2、LiMn24、LiNiO2、LiFePO4を用いたリチウム二次電池は、非水電解液中の非水溶媒が充電状態で高温になった場合に、正極材料と非水電解液との界面において、局部的に一部酸化分解することにより発生した分解物やガスが電池の望ましい電気化学的反応を阻害するため、やはりサイクル特性のような電池性能の低下を生じることが知られている。
以上のように、正極上や負極上で非水電解液が分解するときの分解物やガスにより、リチウムイオンの移動を阻害したり、電池が膨れたりすることで電池性能を低下させていた。そのような状況にも関わらず、リチウム二次電池が搭載されている電子機器の多機能化はますます進み、電力消費量が増大する流れにある。そのため、リチウム二次電池の高容量化はますます進んでおり、電極の密度を高めたり、電池内の無駄な空間容積を減らす等、電池内の非水電解液の占める体積が小さくなっている。従って、少しの非水電解液の分解で、低温や高温での電池の性能が低下しやすい状況にある。
また、リチウム一次電池として、例えば、二酸化マンガンやフッ化黒鉛を正極とし、リチウム金属を負極とするリチウム一次電池が知られており、高いエネルギー密度であることから広く使用されているが、長期保存中の内部抵抗の増加を抑制し、高温での長期保存性能を向上させることが求められている。
さらに、近年、電気自動車用又はハイブリッド電気自動車用の新しい電源として、出力密度の点から、活性炭等を電極に用いる電気二重層キャパシタ、エネルギー密度と出力密度の両立の観点から、リチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタの蓄電原理を組み合わせた、ハイブリッドキャパシタ(リチウムの吸蔵・放出による容量と電気二重層容量の両方を活用する非対称型キャパシタ)と呼ばれる蓄電装置の開発が行われ、高温でのサイクル特性や高温保存特性等の電池性能の向上が求められている。
特許文献1には、2−ブチン−1,4−ジオール ジアセテートを非水電解液中に1体積%配合したリチウムイオン二次電池において、20℃及び60℃のサイクル特性を向上できることが開示されている。また、特許文献2には、エチレングリコール ジメタンスルホネートを電解液中に1質量%添加したリチウムイオン二次電池において、サイクル特性を向上できることが開示されている。更に、特許文献3には、2−ブチン−1,4−ジオール ジメタンスルホネートを電解液に対して1重量%添加したリチウムイオン二次電池において、20℃のサイクル特性が向上できることが開示されている。
特開2001−256995号公報 特開2007−095380号公報 特開2000−195545号公報
本発明は、低温及び高温サイクル特性を向上できる優れたリチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びリチウム電池等に用いられる新規なホルミルオキシ基含有化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の非水電解液の性能について詳細に検討した。その結果、特許文献1等の非水電解液では、低温と高温の広い範囲で良好なサイクル特性を実現できていないのが実状であった。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、特定のアシルオキシ基(−OCOR)及び特定のスルホニルオキシ基(−OSO2R)という2つの異なる置換基を炭化水素基で結合した化合物を非水電解液に添加することにより、低温及び高温でのサイクル特性を向上しうることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記の(1)〜(3)を提供するものである。
(1)非水溶媒に電解質が溶解されている非水電解液において、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種が非水電解液中に0.01〜10質量%含有されていることを特徴とするリチウム電池用非水電解液。
Figure 0005561163
(式中、Xは、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数4〜8のアルケニレン基、又は炭素数4〜8のアルキニレン基を示し、R1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又は下記一般式(II)で表される基を示し、R2は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又は下記一般式(II)で表される基を示す。ただし、前記アルキル基の水素原子は、少なくとも1つがハロゲン原子で置換されていてもよい。)
Figure 0005561163
(式中、R3〜R7は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、メトキシ基、又はエトキシ基のいずれかを示す。)
(2)正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなるリチウム電池において、該非水電解液中に前記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種を非水電解液中に0.01〜10質量%含有することを特徴とするリチウム二次電池。
(3)下記一般式(III)で表されるホルミルオキシ基含有化合物。
Figure 0005561163
(式中、Yは、炭素数4〜8のアルケニレン基、又は炭素数4〜8のアルキニレン基を示し、R2は前記と同じである。)
本発明によれば、低温及び高温サイクル特性を向上できる優れたリチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びリチウム電池等に用いられる新規なホルミルオキシ基含有化合物を提供することができる。
〔非水電解液〕
本発明のリチウム電池用非水電解液は、非水溶媒に電解質が溶解されている非水電解液において、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種を非水電解液中に0.01〜10質量%含有することを特徴とする。
Figure 0005561163
本発明の非水電解液が低温及び高温サイクル特性を向上できる理由は明らかではないが、以下のように考えられる。つまり、本発明の一般式(I)で表される化合物は、特定のアシルオキシ基(−OCOR1)及び特定のスルホニルオキシ基(−OSO22)という2つの異なる置換基を炭化水素基Xで結合しているため、同一の置換基を2つ有する化合物とは全く異なる還元電位を有する。これは、前記2つの異なる置換基に由来する混合被膜が電極上に形成される際に、特許文献1に記載の2−ブチン−1,4−ジオール ジアセテートのような同一の置換基を2つ有する化合物を用いた場合には予想し得なかった還元電位による良質な混合被膜が形成されることにより、低温及び高温でのサイクル特性を特異的に改善する効果が発現するものと考えられる。
中でもアシルオキシ基としてホルミルオキシ基(−OCOH)を含有する化合物において、置換基を結合する炭化水素鎖が多重結合を含む場合に、特に良質な混合被膜が形成され、低温及び高温でのサイクル特性向上効果が高まることが判明した。これは、ホルミルオキシ基(−OCOH)とスルホニルオキシ基(−OSO22)を結合する炭化水素鎖が多重結合を含んでいると、ホルミルオキシ基以外の他のアシルオキシ基の場合よりも二つの置換基の分解が進みやすくなり、該多重結合に由来する共役結合を保持した重合被膜が形成されやすくなるため、被膜の電子伝導性が向上することによると考えられる。
前記一般式(I)中、Xは、炭素数1〜6の直鎖又は分枝のアルキレン基、置換基を有するアルキレン基、炭素数4〜8の直鎖又は分枝のアルケニレン基、又は炭素数4〜8の直鎖又は分枝のアルキニレン基を示し、R1は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖又は分枝のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又は下記一般式(II)で表される基を示し、R2は、炭素数1〜6の直鎖又は分枝のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又は下記一般式(II)で表される基を示す。ただし、前記アルキル基の水素原子は、少なくとも1つがハロゲン原子で置換されていてもよい。
前記一般式(I)において、Xである無置換又は置換のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、エチリデン基(分枝)、トリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基(分枝)、プロピリデン基(分枝)、テトラメチレン基、ブタン−1,3−ジイル基(分枝)、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基(分枝)、ブチリデン基(分枝)、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基等の無置換のアルキレン基、又は、−CH2CH(OCOR1)−CH2−基、−CH2C(CH2OCOR1)−基、−CH2CH(OSO22)−CH2−基(ただし、上記基のR1及びR2は、一般式(I)の定義と同義である。)が挙げられる。また、無置換又は置換のアルキレン基の主鎖であるプロパン−ジイル基をブタン−ジイル基やペンタン−ジイル基に変更した場合も本願発明と同様の効果を奏する。
Xであるアルケニレン基としては、2−ブテニレン基、2−ペンテニレン、3−ヘキセニレン基、1,4−ジメチル−2−ブテニレン基、1,1,4,4−テトラメチル−2−ブテニレン基等が挙げられる。
また、Xであるアルキニレン基としては、2−ブチニレン基、2−ペンチニレン基、3−ヘキシニレン基、1,4−ジメチル−2−ブチニレン基、1,1,4,4−テトラメチル−2−ブチニレン基等が挙げられる。
これらの中でも、低温及び高温でのサイクル特性向上の観点から、Xとしては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基、2−ホルミルオキシプロパン−1,3−ジイル基、2−メタンスルホニルオキシプロパン−1,3−ジイル基、3−ホルミルオキシプロパン−1,2−ジイル基、又は2−ブチニレン基等の炭素数4〜6のアルキニレン基が好ましく、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のアルキレン基、2−ブチニレン基等のアルキニレン基がより好ましく、エチレン基、2−ブチニレン基が特に好ましい。
前記一般式(I)において、R1及びR2である炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基等の直鎖アルキル基、2−プロピル基、2−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等の分枝アルキル基、又はフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基等のハロゲン原子で置換された直鎖アルキル基等が挙げられる。
これらの中でも、低温及び高温でのサイクル特性向上の観点から、R1及びR2としては、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
前記一般式(I)において、R1及びR2である炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられるが、低温及び高温でのサイクル特性向上の観点から、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基が好ましい。
前記一般式(I)において、R1及びR2である一般式(II)で表される基としては、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,3,5−トリフルオロフェニル基、2,4,5−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,3,4,5−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,6−テトラフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基等のフッ素原子のみで置換されたフェニル基、2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシフェニル基、2,4,5−トリフルオロ−3−エトキシフェニル基等のフッ素原子及びアルコキシ基で置換されたフェニル基等が挙げられる。
低温及び高温でのサイクル特性向上の観点から、前記フッ素原子は2個以上であることが好ましく、3個以上であることがより好ましく、また前記アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
前記一般式(II)で表される基の中でも、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,3,5−トリフルオロフェニル基、2,4,5−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,3,4,5−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,6−テトラフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、又は2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシフェニル基がより好ましい。
上記のR1の中でも、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖アルキル基、及び一般式(II)で表される基がフッ素原子のみで置換されたフェニル基の場合は、低温及び高温でのサイクル特性がより良好となるため好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
また、上記のR2の中でも、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖アルキル基、及び一般式(II)で表される基がフッ素原子のみで置換されたフェニル基の場合は、低温及び高温でのサイクル特性がより良好となるため好ましく、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
(i)Xがアルキレン基の場合としては、1,2−エタンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール ホルメート エタンスルホネート、1,2−エタンジオール ホルメート フルオロメタンスルホネート、1,2−エタンジオール ホルメート クロロメタンスルホネート、1,2−エタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール アセテート エタンスルホネート、1,2−エタンジオール アセテート フルオロメタンスルホネート、1,2−エタンジオール アセテート クロロメタンスルホネート、 1,2−エタンジオール アセテート トリフルオロメタンスルホネート、1,2−エタンジオール メタンスルホネート プロピオネート、1,2−エタンジオール−2−フルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−3−フルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−4−フルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4−ジフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,6−ジフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,6−トリフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−エトキシベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−プロパンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,3−プロパンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,3−ブタンジオール ホルメート メタンスルホネート、2−メチル−1,3−プロパンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,4−ペンタンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール ホルメート エタンスルホネート、1,2−プロパンジオール アセテート メタンスルホネート、1,3−プロパンジオール アセテート メタンスルホネート、1,3−ブタンジオール アセテート メタンスルホネート、2−メチル−1,3−プロパンジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ペンタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール アセテート エタンスルホネート、1,4−ブタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネート、1,4−ブタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネート、1,5−ペンタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,6−ヘキサンジオール アセテート メタンスルホネート等が挙げられる。
上記Xがアルキレン基の場合の化合物の中でも、低温及び高温でのサイクル特性向上の観点から、1,2−エタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール アセテート エタンスルホネート、1,2−エタンジオール アセテート トリフルオロメタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4−ジフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,6−ジフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,6−トリフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−プロパンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,3−プロパンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,3−プロパンジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネート、1,6−ヘキサンジオール アセテート メタンスルホネートが好ましい。また、1,2−エタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−プロパンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,3−プロパンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,3−プロパンジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,6−ヘキサンジオール アセテート メタンスルホネートがより好ましい。
(ii)Xがアルケニレン基の場合としては、2−ブテン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、1,4−ジメチル−2−ブテン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、1,1,4,4−テトラメチル−2−ブテン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、2−ペンテン−1,5−ジオール ホルメート メタンスルホネート、3−ヘキセン−1,6−ジオール ホルメート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ジメチル−2−ブテン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、1,1,4,4−テトラメチル−2−ブテン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、2−ペンテン−1,5−ジオール アセテート メタンスルホネート、3−ヘキセン−1,6−ジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート等が挙げられる。
上記Xがアルケニレン基の場合の化合物の中でも、低温及び高温でのサイクル特性向上の観点から、2−ブテン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネートが好ましい。また、2−ブテン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネートがより好ましい。
(iii)Xがアルキニレン基の場合としては、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、1,4−ジメチル−2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、1,1,4,4−テトラメチル−2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート エタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート フルオロメタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート クロロメタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート トリフルオロメタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート 2,4,6−トリフルオロベンゼンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネート、2−ペンチン−1,5−ジオール ホルメート メタンスルホネート、3−ヘキシン−1,6−ジオール ホルメート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ジメチル−2−ブチン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、1,1,4,4−テトラメチル−2−ブチン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール アセテート エタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール アセテート フルオロメタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール アセテート クロロメタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール アセテート トリフルオロメタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール アセテート 2,4,6−トリフルオロベンゼンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール アセテート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール メタンスルホネート プロピオネート、2−ペンチン−1,5−ジオール アセテート メタンスルホネート、3−ヘキシン−1,6−ジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2−フルオロベンゾエート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−4−フルオロベンゾエート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,4−ジフルオロベンゾエート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,4,6−トリフルオロベンゾエート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−エトキシベンゾエート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾエート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等が挙げられる。
上記Xがアルキニレン基の場合の化合物の中でも、低温及び高温でのサイクル特性向上の観点から、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート エタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート トリフルオロメタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール アセテート エタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール アセテート トリフルオロメタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネートが好ましい。また、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネートがより好ましい。
低温及び高温でのサイクル特性向上の観点から、前記一般式(I)で表される化合物の中でも特に好ましい化合物は、1,2−エタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,3−プロパンジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、及び2−ブチン−1,4−ジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネートである。
本発明の非水電解液において、非水電解液中に含有される前記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種の化合物の含有量は、非水電解液中に0.01〜10質量%である。該含有量が10質量%を超えると、電極上に過度に被膜が形成されるため低温サイクル特性が低下する場合があり、また0.01質量%に満たないと被膜の形成が十分でないために、高温サイクル特性の改善効果が得られない場合がある。該含有量は、非水電解液中に0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、その上限は、7質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物は、単独で用いても、低温及び高温サイクル特性は向上するが、以下に述べる非水溶媒、電解質塩、更にその他の添加剤を組み合わせることにより、低温及び高温サイクル特性が相乗的に向上するという特異な効果を発現する。その理由は明らかではないが、一般式(I)で表される化合物と、これらの非水溶媒、電解質塩、さらにその他の添加剤の構成元素を含有するイオン伝導性の高い混合被膜が形成されるためと考えられる。
〔非水溶媒〕
本発明の非水電解液に使用される非水溶媒としては、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、エーテル類、アミド類、リン酸エステル類、スルホン類、ラクトン類、ニトリル類、S=O結合含有化合物等が挙げられる。
環状カーボネート類としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、トランス又はシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、両者を総称して「DFEC」という)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)等が挙げられる。これらの中でも、二重結合又はフッ素を含有する環状カーボネートを少なくとも1種を使用すると高温サイクル特性が一段と向上するので好ましく、二重結合を含む環状カーボネートとフッ素を含有する環状カーボネートを両方含むことが特に好ましい。二重結合を含有する環状カーボネートとしては、VC、VECがより好ましく、フッ素を含有する環状カーボネートとしては、FEC、DFECがより好ましい。また、PCを含むと低温サイクル特性が向上するので好ましい。
これらの溶媒は1種類で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用した場合は、低温及び高温サイクル特性が更に向上するので好ましく、3種類以上が特に好ましい。これらの環状カーボネートの好適な組合せとしては、ECとVC、PCとVC、FECとVC、FECとEC、FECとPC、FECとDFEC、DFECとEC、DFECとPC、DFECとVC、DFECとVEC、ECとPCとVC、ECとFECとVC、ECとVCとVEC、FECとPCとVC、FECとDFECとEC、FECとDFECとPC、FECとDFECとVC、DFECとPCとVC、DFECとECとVC、FECとECとPCとVC、DFECとECとPCとVC等が挙げられる。前記の組合せのうち、より好適な組合せは、ECとVC、FECとPC、DFECとPC、FECとECとPC、FECとECとVC、ECとVCとVEC、FECとECとPCとVCの組合せである。
環状カーボネートの含有量は、特に制限はされないが、非水溶媒の総容量に対して、10容量%〜40容量%の範囲で用いるのが好ましい。含有量が10容量%未満であると非水電解液の伝導度が低下し、低温及び高温サイクル特性が低下する傾向があり、40容量%を超えると非水電解液の粘性が高くなるため低温及び高温サイクル特性が低下する傾向があるので上記範囲であることが好ましい。
鎖状カーボネート類としては、メチルエチルカーボネート(MEC)、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート等の非対称鎖状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート等の対称鎖状カーボネートが挙げられ、特に非対称カーボネートを含むと低温サイクル特性が向上するので好ましい。これらの溶媒は1種類で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用した場合は、低温及び高温サイクル特性が更に向上するので好ましい。
鎖状カーボネートの含有量は特に制限はされないが、非水溶媒の総容量に対して、60容量%〜90容量%の範囲で用いるのが好ましい。含有量が60容量%未満であると非水電解液の粘度が上昇し、低温サイクル特性が低下する傾向がある。また、90容量%を超えると非水電解液の電気伝導度が低下し、低温及び高温サイクル特性が低下する傾向があるので上記範囲であることが好ましい。
また、鎖状エステル類としては、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸ブチル、ピバリン酸ヘキシル、ピバリン酸オクチル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸エチルメチル、シュウ酸ジエチル等が挙げられ、エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等が挙げられる。
アミド類としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、リン酸エステル類としては、リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル等が挙げられ、スルホン類としては、スルホラン等が挙げられ、ラクトン類としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、α−アンゲリカラクトン等が挙げられ、ニトリル類としてはアセトニトリル、プロピオニトリル等のモノニトリル化合物、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル等のジニトリル化合物が挙げられる。
S=O結合含有化合物としては、エチレンサルファイト、ヘキサヒドロベンゾ[1,3,2]ジオキサチオール−2−オキシド(1,2−シクロヘキサンジオールサイクリックサルファイトともいう)、5−ビニル−ヘキサヒドロ−1,3,2−ベンゾジオキサチオール−2−オキシド等の環状サルファイト化合物、1,3−プロパンスルトン(PS)、1,4−ブタンジオール ジメタンスルホネート、1,3−ブタンジオールジメタンスルホネート、1,2−プロパンジオールジメタンスルホネート等の環状又は鎖状スルホン酸エステル化合物、ジビニルスルホン、1,2−ビス(ビニルスルホニル)エタン、ビス(2−ビニルスルホニルエチル)エーテル等のスルホン化合物が挙げられる。
上記の非水溶媒のうち、ニトリル類又はS=O結合含有化合物を前記一般式(I)で表される化合物と併用すると、高温サイクル特性が向上するので好ましく、ジニトリル化合物又は環状サルファイト化合物を前記一般式(I)で表される化合物と併用することが特に好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物と併用するこれらの化合物の添加量は、非水電解液中で5質量%を超えると低温サイクル特性が低下したり、高温サイクル特性を改善する効果が得られない場合があり、また、0.1質量%に満たないと低温及び高温サイクル特性を改善する効果が十分に得られない場合がある。したがって、該含有量は、非水電解液中で0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、その上限は5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
上記の非水溶媒は通常、適切な物性を達成するために、混合して使用される。その組合せは、例えば、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類の組合せ、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類とラクトン類との組合せ、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類とエーテル類の組合せ、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類と鎖状エステル類との組合せ、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類とニトリル類との組合せ、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類とS=O結合含有化合物との組合せ等が挙げられる。
これらの中でも、少なくとも環状カーボネート類と鎖状カーボネート類を組合せた非水溶媒を用いると、低温及び高温サイクル特性が向上するため好ましい。このときの環状カーボネート類と鎖状カーボネート類の割合は、特に制限されないが、環状カーボネート類:鎖状カーボネート類(容量比)が10:90〜40:60が好ましく、15:85〜35:65がより好ましく、20:80〜30:70が更に好ましい。
〔電解質塩〕
本発明に使用される電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiPO22等のリチウム塩、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiCF3SO3、LiC(SO2CF33、LiPF4(CF32、LiPF3(C253、LiPF3(CF33、LiPF3(iso−C373、LiPF5(iso−C37)等の鎖状のフッ化アルキル基を含有するリチウム塩や、(CF22(SO22NLi、(CF23(SO22NLi等の環状のフッ化アルキレン鎖を含有するリチウム塩、ビス[オキサレート−O,O’]ホウ酸リチウムやジフルオロ[オキサレート−O,O’]ホウ酸リチウム等のオキサレート錯体をアニオンとするリチウム塩が挙げられる。これらの中でも、特に好ましい電解質塩は、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF32、及びLiN(SO2252である。これらの電解質塩は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの電解質塩の好適な組合せとしては、LiPF6を含み、更にLiBF4、LiN(SO2CF32及びLiN(SO2252から選ばれる少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。好ましくは、LiPF6とLiBF4との組合せ、LiPF6とLiN(SO2CF32との組合せ、LiPF6とLiN(SO2252との組合せ等が挙げられる。
LiPF6:[LiBF4又はLiN(SO2CF32又はLiN(SO2252](モル比)が70:30よりもLiPF6の割合が低い場合、及び99:1よりもLiPF6の割合が高い場合には低温及び高温サイクル特性が低下する場合がある。したがって、LiPF6:[LiBF4 又はLiN(SO2CF32又はLiN(SO2252](モル比)は、70:30〜99:1の範囲が好ましく、80:20〜98:2の範囲がより好ましい。上記範囲の組合せで使用することにより、低温及び高温サイクル特性の電池特性を更に向上させることができる。
これら全電解質塩が溶解されて使用される濃度は、前記の非水溶媒に対して、通常0.3M以上が好ましく、0.5M以上がより好ましく、0.7M以上が更に好ましい。またその上限は、2.5M以下が好ましく、2.0M以下がより好ましく、1.5M以下が更に好ましい。
電気二重層キャパシタ(コンデンサ)用電解質としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート等の公知の4級アンモニウム塩を用いることができる。
〔その他の添加剤〕
本発明の非水電解液には、芳香族化合物を含有させることにより、過充電時の電池の安全性を確保することができる。かかる芳香族化合物の好適例としては、シクロヘキシルベンゼン、フルオロシクロヘキシルベンゼン化合物(1−フルオロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−3−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼン)、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン、1−フルオロ−4−tert−ブチルベンゼン、1,3−ジ−tert−ブチルベンゼン、ビフェニル、ターフェニル(o−、m−、p−体)、ジフェニルエーテル、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン(o−、m−、p−体)、2,4−ジフルオロアニソール、ターフェニルの部分水素化物(1、2−ジシクロヘキシルベンゼン、2−フェニルビシクロヘキシル、1,2−ジフェニルシクロヘキサン、o−シクロヘキシルビフェニル)等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
〔非水電解液の製造〕
本発明の非水電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記の電解質塩及び該非水電解液の質量に対して前記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種を
0.01〜10質量%の溶解することにより得ることができる。
この際、用いる非水溶媒、及び非水電解液に加える化合物は、生産性を著しく低下させない範囲内で、予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。
本発明の非水電解液は、リチウム一次電池及びリチウム二次電池用電解液として好適に使用することができる。更に、本発明の非水電解液は、電気二重層キャパシタ用電解液やハイブリッドキャパシタ用電解液としても使用できる。これらの中でも、本発明の非水電解液は、リチウム二次電池用として用いることが最も適している。
〔リチウム電池〕
本発明のリチウム電池は、リチウム一次電池及びリチウム二次電池を総称するものであって、正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている前記非水電解液からなり、該非水電解液中に前記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種を非水電解液中に0.01〜10質量%含有することを特徴とする。
本発明のリチウム電池においては、非水電解液以外の正極、負極等の構成部材は特に制限なく使用できる。
例えば、リチウム二次電池用正極活物質としては、コバルト、マンガン、ニッケルを含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、1種単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
このような複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn24、LiNiO2、LiCo1-xNix2(0.01<x<1)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/32、LiNi1/2Mn3/24、LiCo0.98Mg0.022等が挙げられる。また、LiCoO2とLiMn24、LiCoO2とLiNiO2、LiMn24とLiNiO2のように併用してもよい。
過充電時の安全性やサイクル特性を向上したり、4.3V以上の充電電位での使用を可能にするために、リチウム複合酸化物の一部は他元素で置換してもよい。例えば、コバルト、マンガン、ニッケルの一部をSn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn、Cu、Bi、Mo、La等の少なくとも1種以上の元素で置換したり、Oの一部をSやFで置換したり、又はこれらの他元素を含有する化合物を被覆することもできる。
これらの中では、LiCoO2、LiMn24、LiNiO2のような満充電状態における正極の充電電位がLi基準で4.3V以上で使用可能なリチウム複合金属酸化物が好ましく、LiCo1-xx2(但し、MはSn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn、Cuから表される少なくとも1種類以上の元素、0.001≦x≦0.05)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/32、LiNi1/2Mn3/24のような4.4V以上で使用可能なリチウム複合酸化物がより好ましい。
更に、正極活物質としてリチウム含有オリビン型リン酸塩を用いることもできる。その具体例としては、LiFePO4、LiCoPO4、LiNiPO4、LiMnPO4等が挙げられる。
これらのリチウム含有オリビン型リン酸塩の一部は他元素で置換してもよく、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンの一部をCo、Mn、Ni、Mg、Al、B、Ti、V、Nb、Cu、Zn、Mo、Ca、Sr、W及びZr等から選ばれる1種以上の元素で置換したり、又はこれらの他元素を含有する化合物や炭素材料で被覆することもできる。これらの中では、LiFePO4又はLiMnPO4が好ましい。リチウム含有オリビン型リン酸塩は、例えば、前記した正極活物質と混合して用いることもできる。
正極の導電剤は、化学変化を起こさない電子伝導材料であれば特に制限はない。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等のグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類等が挙げられる。また、グラファイト類とカーボンブラック類を適宜混合して用いてもよい。導電剤の正極合剤への添加量は、1〜10質量%が好ましく、2〜5質量%がより好ましい。
正極は、前記の正極活物質をアセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレンプロピレンジエンターポリマー等の結着剤と混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶剤を加えて混練して正極合剤とした後、この正極合剤を集電体のアルミニウム箔やステンレス製のラス板等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作製することができる。
正極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.5g/cm3以上であり、電池の容量を更に高めるため、好ましくは2.5g/cm3以上であり、より好ましくは、3.5g/cm3以上である。またその上限は、4.0g/cm3を超えると実質上作製が困難となる場合があるため、4.0g/cm3以下が好ましい。
また、リチウム一次電池用の正極としては、CuO、Cu2O、Ag2O、Ag2CrO4、CuS、CuSO4、TiO2、TiS2、SiO2、SnO、V25、V612、VOx、Nb25、Bi23、Bi2Pb25,Sb23、CrO3、Cr23、MoO3、WO3、SeO2、MnO2、Mn23、Fe23、FeO、Fe34、Ni23、NiO、CoO3、CoO等の、一種又は二種以上の金属元素の酸化物又はカルコゲン化合物、SO2、SOCl2等の硫黄化合物、一般式(CFxnで表されるフッ化炭素(フッ化黒鉛)等が挙げられる。これらの中では、MnO2、V25、フッ化黒鉛等が好ましい。
リチウム二次電池用負極活物質としては、リチウム金属やリチウム合金、及びリチウムを吸蔵・放出することが可能な炭素材料〔人造黒鉛や天然黒鉛等のグラファイト類〕、スズ、スズ化合物、ケイ素、ケイ素化合物等を1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、リチウムイオンの吸蔵及び放出能力において高結晶性の炭素材料を使用することが好ましく、格子面(002)の面間隔(d002)が0.340nm(ナノメータ)以下、特に0.335〜0.337nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが好ましい。また、高結晶性の炭素材料は低結晶材料によって被膜されていてもよい。高結晶性の炭素材料を使用すると、充電時において非水電解液と反応しやすく、低温及び高温サイクル特性が低下する傾向があるが、本発明に係るリチウム二次電池では非水電解液との反応を抑制することができる。
また、負極活物質としてのリチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物としては、Si、Ge、Sn、Pb、P、Sb、Bi、Al、Ga、In、Ti、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag、Mg、Sr、Ba等の金属元素を少なくとも1種含有する化合物が挙げられる。これらの金属化合物は単体、合金、酸化物、窒化物、硫化物、硼化物、リチウムとの合金等、何れの形態で用いてもよいが、単体、合金、酸化物、リチウムとの合金の何れかが高容量化できるので好ましい。中でも、Si、Ge及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素を含有するものが好ましく、Si及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素を含むものが電池を高容量化できるので特に好ましい。
負極は、上記の正極の作製と同様な導電剤、結着剤、高沸点溶剤を用いて混練して負極合剤とした後、この負極合剤を集電体の銅箔等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作製することができる。
負極活物質に黒鉛を用いた場合、負極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.4g/cm3以上であり、電池の容量を更に高めるため、好ましくは1.6g/cm3以上であり、より好ましくは、1.7g/cm3以上である。またその上限は、2.0g/cm3を超えると実質上作製が困難となる場合があるため、2.0g/cm3以下が好ましい。
また、リチウム一次電池用の負極活物質としては、リチウム金属又はリチウム合金が挙げられる。
電池用セパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの単層又は積層の多孔性フィルム、織布、不織布等を使用できる。
リチウム二次電池の構造には特に限定はなく、単層又は複層のセパレータを有するコイン型電池、円筒型電池、角型電池、ラミネート式電池等を適用できる。
本発明におけるリチウム二次電池は、充電終止電圧が4.2V以上、特に4.3V以上の場合にも長期間にわたり優れたサイクル特性を有しており、更に、4.4Vにおいてもサイクル特性は良好である。放電終止電圧は、2.5V以上、更に2.8V以上とすることができる。電流値については特に限定されないが、通常0.1〜3Cの定電流放電で使用される。また、本発明におけるリチウム二次電池は、−40〜100℃、好ましくは0〜80℃で充放電することができる。
本発明においては、リチウム二次電池の内圧上昇の対策として、電池蓋に安全弁を設けたり、電池缶やガスケット等の部材に切り込みを入れる方法も採用することができる。また、過充電防止の安全対策として、電池の内圧を感知して電流を遮断する電流遮断機構を電池蓋に設けることができる。
〔ホルミルオキシ基含有化合物〕
本発明のホルミルオキシ基含有化合物は、下記一般式(III)で表される。
Figure 0005561163
一般式(III)において、Yは、炭素数4〜8の直鎖又は分枝のアルケニレン基、又は炭素数4〜8の直鎖又は分枝のアルキニレン基を示す。R2は前記と同じであり、炭素数1〜6の直鎖又は分枝のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又は前記一般式(II)で表される基を示す。ただし、前記アルキル基の水素原子は、少なくとも1つがハロゲン原子で置換されていてもよい。
Yであるアルケニレン基及びアルキニレン基の具体例及び好適例、並びにR2であるアルキル基、シクロアルキル基、及び前記一般式(II)で表される基の具体例及び好適例は、一般式(I)において記載したものと同じである。
一般式(III)で表されるホルミルオキシ基含有化合物は、下記(i)〜(vi)等の方法により合成することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
(i)ヒドロキシスルホン酸エステルを、溶媒の存在下又は不存在下、酸触媒の存在下又は不存在下で、また必要に応じて脱水剤の存在下で、ギ酸と縮合させる方法。
(ii)ヒドロキシスルホン酸エステルを、溶媒の存在下又は不存在下、酸触媒の存在下で、ギ酸エステルとエステル交換させる方法。
(iii)ヒドロキシスルホン酸エステルを、溶媒の存在下又は不存在下で、酸無水物とエステル化反応させる方法。
(iv)ヒドロキシギ酸エステルを、溶媒の存在下又は不存在下で、スルホン酸ハロゲン化物又はスルホン酸無水物とエステル化させる方法。
(v)ジメタンスルホン酸エステルを、溶媒の存在下又は不存在下、触媒の存在下又は不存在下で、ギ酸又はギ酸アニオンとエステル交換させる方法。
(vi)ジギ酸エステルを酸触媒の存在下又は不存在下、触媒の存在下又は不存在下で、メタンスルホン酸又はメタンスルホン酸アニオンとエステル交換させる方法。
(vii)トリメタンスルホン酸エステルを、溶媒の存在下又は不存在下、触媒の存在下又は不存在下で、ギ酸又はギ酸アニオンとエステル交換させる方法。
(viii)トリギ酸エステルを酸触媒の存在下又は不存在下、触媒の存在下又は不存在下で、メタンスルホン酸又はメタンスルホン酸アニオンとエステル交換させる方法。
以下、新規ホルミルオキシ基含有化合物の合成例、及び本発明の非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池の実施例を示すが、本発明はこれらの合成例、実施例に限定されるものではない。
合成例1
4−ホルミロキシ−2−ブチン−1−オール44.0g(0.386mol)の炭酸ジメチル溶液300mlに対し、トリエチルアミン41.5g(0.409mol)を加え、0℃に冷却した。この溶液にメタンスルホニルクロリド46.9g(0.409mol)を内温15℃以下に制御して滴下した。滴下終了後、25℃にて1.5時間攪拌し、反応液を飽和重曹水溶液にあけ、水層を分離し、有機層を濃縮して、メタンスルホン酸4−ホルミロキシ−2−ブチン−1−イル72.6g(収率98%)を得た。電池試験には、シリカゲルカラムで精製したものを用いた。
得られたメタンスルホン酸4−ホルミロキシ−2−ブチン−1−イル(2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネートと同義)について、1H−NMR(測定機器:日本電子株式会社製、「AL300」)、質量分析(測定機器:株式会社日立製作所製、「M80B」)、及び赤外吸収分析(測定機器:バリアン社製、「バリアン3100」)の測定を行い、その構造を確認した。
(1)1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ = 8.07(t, J = 0.97 Hz, 1 H), 4.90(t, J = 1.95 Hz, 2 H), 4.83(td, J = 1.95, 0.97 Hz, 2 H), 3.13(s, 3 H).
(2)質量分析:MS(CI) [M+1] = 193.
(3)IR(neat):3030, 2943, 1728, 1439, 1355, 1174, 976, 948, 807, 715 cm-1
合成例2
グリセリン20.0g(0.217mol)、ギ酸21.0g(0.456mol)、メタンスルホン酸0.21g(0.002mol)をジイソプロピルエーテル20mlに溶解させて80℃にて4時間共沸脱水反応を行い、グリセリンの消失を確認した。反応液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して1,3−ビス(ホルミルオキシ)−2−プロパノール及び2,3−ビス(ホルミルオキシ)−1−プロパノールの混合物20.0gを得た(収率64%)。この混合物20.0g(0.140mol)とトリエチルアミン14.8g(0.147mol)を酢酸エチル200mlに溶解させ、0℃に冷却した後、メタンスルホニルクロリド16.4g(0.147mol)を15分かけて滴下し、25℃にて1時間攪拌した。析出したトリエチルアミン塩酸塩をろ別後、ろ液を濃縮した後、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、メタンスルホン酸−1,3−ビス(ホルミルオキシ)−2−プロピル7.0g(収率14%)及びメタンスルホン酸−2,3−ビス(ホルミルオキシ)−1−プロピル20.1g(収率41%)を得た。
メタンスルホン酸−1,3−ビス(ホルミルオキシ)−2−プロピル 〔グリセロール−1,3−ジホルメート−2−メタンスルホネートと同義〕の構造確認
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 8.10(d, J = 0.49 Hz, 2 H), 5.49-5.42(m, 1 H), 4.47-4.31(m, 4 H), 3.07(s, 3 H).
(2)質量分析: MS(CI) [M++1] = 227.
メタンスルホン酸−2,3−ビス(ホルミルオキシ)−1−プロピル 〔グリセロール−2,3−ジホルメート−1−メタンスルホネートと同義〕の構造確認
(1)1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ = 8.10(d, J = 0.49 Hz, 2 H), 5.12-5.05(m, 1 H), 4.52-4.34(m, 4 H), 3.12(s, 3 H).
(2)質量分析: MS(CI) [M++1] = 227.
実施例1〜19、及び比較例1〜3
(1)リチウムイオン二次電池の作製
LiCoO2(正極活物質)93質量%、アセチレンブラック(導電剤)3質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)4質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の両面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作製した。正極の集電体を除く部分の密度は3.6g/cm3であった。
一方、低結晶性炭素を被膜した人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質)95質量%を、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の両面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.7g/cm3であった。
そして、上記で得られた正極シート、微孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、上記で得られた負極シート、及びセパレータの順に積層し、これを渦巻き状に巻回した。この巻回体を負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の円筒型電池缶に収納した。
次に、表1に記載の化合物を所定量添加して調製した非水電解液を電池缶内に注入し、正極端子を有する電池蓋をガスケットを介してかしめて、18650型円筒電池を作製した。なお、正極端子は正極シートとアルミニウムのリードタブを用いて、負極缶は負極シートとニッケルのリードタブを用いて予め電池内部で接続した。
(2)高温及び低温サイクル特性の評価
上記(1)で作製した電池を用いて、25℃の恒温槽中、1Cの定電流で4.2V(充電終止電圧)まで充電した後、4.2Vの定電圧で2.5時間充電し、次に1Cの定電流で、放電電圧3.0V(放電終止電圧)まで放電し、1サイクル目の放電容量を測定した。
次に60℃の恒温槽中、1Cの定電流で4.2V(充電終止電圧)まで充電した後、4.2Vの定電圧で2.5時間充電し、次に1Cの定電流で、放電電圧3.0V(放電終止電圧)まで放電した。これを50サイクルに達するまで繰り返した。
次に0℃の恒温槽中、1Cの定電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧で2.5時間充電し、次に1Cの定電流で、放電電圧3.0Vまで放電した。これを50サイクルに達するまで繰り返した。
そして、25℃の恒温槽中、1Cの定電流で4.2V(充電終止電圧)まで充電した後、4.2Vの定電圧で2.5時間充電し、次に1Cの定電流で、放電電圧3.0V(放電終止電圧)まで放電し、高温及び低温サイクル後の回復放電容量を測定した。そして、下記式により高温及び低温サイクル後の放電容量維持率(%)を求めた。結果を表1−1及び表1−2に示す。
高温及び低温サイクル後の放電容量維持率(%)=〔高温及び低温サイクル後の回復放電容量/1サイクル目の放電容量〕×100
Figure 0005561163
Figure 0005561163
実施例20、比較例4
実施例1で用いた正極活物質に変えて、LiFePO4(正極活物質)を用いて、正極シートを作製した。LiFePO490質量%、アセチレンブラック(導電剤)5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。
この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作製したこと、充電終止電圧を3.6V、放電終止電圧を2.0Vとしたことの他は、表2に記載の組成の非水電解液を用いて、実施例1と同様に円筒電池を作製し、電池評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005561163
実施例21、比較例5
実施例1で用いた負極活物質に変えて、Si(負極活物質)を用いて、負極シートを作製した。Si 80質量%、アセチレンブラック(導電剤)15質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。
この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の負極シートを作製したことの他は、表3に記載の組成の非水電解液を用いて、実施例1と同様に円筒電池を作製し、電池評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005561163
上記実施例1〜19のリチウム二次電池はいずれも、比較例1(本発明の化合物を添加しなかった例)、比較例2(同一の置換基2つを炭化水素基で結合した化合物を用いた例)、及び比較例3(同一の置換基2つを炭化水素基で結合した化合物を2種類混合して用いた例)のリチウム二次電池に比べ、低温及び高温サイクル特性が大幅に向上している。この結果から、2つの異なる置換基を炭化水素基で結合した構造を有することにより、予想し得ない特異的な効果がもたらされることが分かる。
また、実施例20と比較例4の対比、実施例21と比較例5の対比から、正極にリチウム含有オリビン型リン酸鉄塩を用いた場合や、負極にSiを用いた場合にも同様な効果がみられる。従って、本発明の効果は、特定の正極や負極に依存した効果でないことが分かる。
本発明の非水電解液を用いたリチウム電池は、低温及び高温サイクル特性に優れた電池として有用である。
また、一般式(III)で表されるホルミルオキシ基含有化合物は、リチウム電池用添加剤として有用であるほか、医薬、農薬、電子材料、高分子材料等の中間原料としての利用することができる。

Claims (13)

  1. 非水溶媒に電解質が溶解されている非水電解液において、下記一般式(I)で表される化合物、及び2−ブチン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネートから選ばれる少なくとも1種が非水電解液中に0.01〜10質量%含有されていることを特徴とする、リチウム二次電池用、電気二重層キャパシタ用、又はハイブリッドキャパシタ用の非水電解液。
    Figure 0005561163
    (式中、Xは、炭素数1〜6のアルキレン基、−CH2CH(OCOR1)−CH2−基、−CH2CH(CH2OCOR1)−基、−CH2CH(OSO22)−CH2−基、炭素数4〜8のアルケニレン基、又は炭素数4〜8のアルキニレン基を示し、
    Xが炭素数1〜6のアルキレン基、−CH2CH(OCOR1)−CH2−基、−CH2CH(CH2OCOR1)−基、−CH2CH(OSO22)−CH2−基、又は炭素数4〜8のアルケニレン基のとき、R1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又は下記一般式(II)で表される基を示し、R2は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又は下記一般式(II)で表される基を示し、
    Xが炭素数4〜8のアルキニレン基のとき、R1は、水素原子、又は下記一般式(II)で表される基を示し、R2は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又は下記一般式(II)で表される基を示す。ただし、前記アルキル基の水素原子は、少なくとも1つがハロゲン原子で置換されていてもよい。)
    Figure 0005561163
    (式中、R3〜R7は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、メトキシ基、又はエトキシ基のいずれかを示す。ただし、Xが炭素数4〜8のアルキニレン基のとき、R3〜R7の全てが水素原子であることはない。)
  2. 非水溶媒が環状カーボネート及び鎖状カーボネートを含む請求項1に記載の非水電解液。
  3. 環状カーボネートが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、及び二重結合又はフッ素を含有する環状カーボネートから選ばれる1種以上である請求項2に記載の非水電解液。
  4. 二重結合又はフッ素を含有する環状カーボネートが、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、又は4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンである請求項3に記載の非水電解液。
  5. 鎖状カーボネートが、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、及びエチルプロピルカーボネートから選ばれる1種以上である請求項2に記載の非水電解液。
  6. 電解質が、LiPF6を含み、更にLiBF4、LiN(SO2CF32及びLiN(SO2252から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の非水電解液。
  7. LiPF6:[LiBF4 又はLiN(SO2CF32又はLiN(SO2252](モル比)が、70:30〜99:1である請求項6に記載の非水電解液。
  8. 前記一般式(I)で表される化合物が、1,2−エタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,3−プロパンジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、及び2−ブチン−1,4−ジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネートから選ばれる1種以上である請求項1に記載の非水電解液。
  9. 正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなるリチウム二次電池において、該非水電解液中に請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、及び2−ブチン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネートから選ばれる少なくとも1種を非水電解液中に0.01〜10質量%含有することを特徴とする、リチウム二次電池、電気二重層キャパシタ、又はハイブリッドキャパシタ。
  10. 正極活物質が、コバルト、マンガン、又はニッケルを含有するリチウムとの複合金属酸化物、又はリチウム含有オリビン型リン酸塩である請求項9に記載のリチウム二次電池、電気二重層キャパシタ、又はハイブリッドキャパシタ。
  11. 負極活物質が、黒鉛型結晶構造を有する炭素材料である請求項9に記載のリチウム二次電池、電気二重層キャパシタ、又はハイブリッドキャパシタ。
  12. 下記一般式(III)で表されるホルミルオキシ基含有化合物からなる、リチウム二次電池用、電気二重層キャパシタ用、又はハイブリッドキャパシタ用の添加剤
    Figure 0005561163
    (式中、Yは、炭素数4〜8のアルケニレン基、又は炭素数4〜8のアルキニレン基を示し、R2は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又は請求項1に記載の一般式(II)で表される基を示す。)
  13. 下記一般式(III’)で表されるホルミルオキシ基含有化合物。
    Figure 0005561163
    (式中、Yは、炭素数4〜8のアルキニレン基を示し、R 2 は、炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
JP2010520821A 2008-07-15 2009-07-01 リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物 Active JP5561163B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010520821A JP5561163B2 (ja) 2008-07-15 2009-07-01 リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008183280 2008-07-15
JP2008183280 2008-07-15
JP2009095077 2009-04-09
JP2009095077 2009-04-09
JP2010520821A JP5561163B2 (ja) 2008-07-15 2009-07-01 リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物
PCT/JP2009/062039 WO2010007889A1 (ja) 2008-07-15 2009-07-01 リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010007889A1 JPWO2010007889A1 (ja) 2012-01-05
JP5561163B2 true JP5561163B2 (ja) 2014-07-30

Family

ID=41550297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010520821A Active JP5561163B2 (ja) 2008-07-15 2009-07-01 リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8383274B2 (ja)
JP (1) JP5561163B2 (ja)
KR (1) KR20110066130A (ja)
CN (1) CN102099956B (ja)
WO (1) WO2010007889A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5405353B2 (ja) * 2010-02-26 2014-02-05 三洋電機株式会社 非水電解液二次電池
KR102008671B1 (ko) 2010-08-05 2019-08-08 후지필름 와코 준야꾸 가부시키가이샤 비수계 전해액 및 그를 사용한 비수계 전해액 전지
KR101867807B1 (ko) * 2010-08-05 2018-06-18 와코 쥰야꾸 고교 가부시키가이샤 비수계 전해액, 그 제조법, 및 당해 전해액을 사용한 비수계 전해액 전지
EP2830142B1 (en) * 2012-03-23 2019-05-08 UBE Industries, Ltd. Non-aqueous electrolytic solution and electricity storage device using same
WO2013147094A1 (ja) 2012-03-30 2013-10-03 三菱化学株式会社 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液電池
JP6130637B2 (ja) * 2012-09-20 2017-05-17 富士フイルム株式会社 非水二次電池用電解液及び二次電池
JP6094590B2 (ja) * 2012-09-28 2017-03-15 ダイキン工業株式会社 電解液、電気化学デバイス、リチウム電池、及び、モジュール
JP5963010B2 (ja) * 2014-01-08 2016-08-03 トヨタ自動車株式会社 非水電解液二次電池
US9947960B2 (en) 2014-02-05 2018-04-17 Johnson Controls Technology Company Electrolytes for low impedance, wide operating temperature range lithium-ion battery module
JP6292448B2 (ja) * 2014-07-14 2018-03-14 トヨタ自動車株式会社 非水系二次電池の製造方法
JP7060777B2 (ja) * 2018-03-23 2022-04-27 富山薬品工業株式会社 蓄電デバイス用非水電解液
CN109755635B (zh) * 2019-01-18 2020-11-06 杉杉新材料(衢州)有限公司 一种兼顾高低温性能的电池电解液添加剂、电解液及高镍三元锂离子电池

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000026365A (ja) * 1998-05-13 2000-01-25 F Hoffmann La Roche Ag シキミ酸およびその誘導体の製造方法
JP2002110234A (ja) * 2000-10-02 2002-04-12 Ube Ind Ltd 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池
WO2005117197A1 (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Ube Industries, Ltd. 非水電解液およびリチウム二次電池
WO2006077763A1 (ja) * 2005-01-20 2006-07-27 Ube Industries, Ltd. 非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP2006278106A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Nec Corp 二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100559648C (zh) * 2005-01-20 2009-11-11 宇部兴产株式会社 非水电解液和使用其的锂二次电池
WO2009057515A1 (ja) * 2007-11-01 2009-05-07 Ube Industries, Ltd. スルホン酸フェニル化合物、それを用いた非水電解液及びリチウム電池

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000026365A (ja) * 1998-05-13 2000-01-25 F Hoffmann La Roche Ag シキミ酸およびその誘導体の製造方法
JP2002110234A (ja) * 2000-10-02 2002-04-12 Ube Ind Ltd 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池
WO2005117197A1 (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Ube Industries, Ltd. 非水電解液およびリチウム二次電池
WO2006077763A1 (ja) * 2005-01-20 2006-07-27 Ube Industries, Ltd. 非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP2006278106A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Nec Corp 二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
KR20110066130A (ko) 2011-06-16
CN102099956B (zh) 2013-08-28
US8383274B2 (en) 2013-02-26
JPWO2010007889A1 (ja) 2012-01-05
US20110183199A1 (en) 2011-07-28
CN102099956A (zh) 2011-06-15
WO2010007889A1 (ja) 2010-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5561163B2 (ja) リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物
JP5610052B2 (ja) リチウム電池用非水電解液及びそれを用いたリチウム電池
JP5704193B2 (ja) リチウム二次電池用非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP5375616B2 (ja) スルホン酸フェニル化合物、それを用いた非水電解液及びリチウム電池
JP5440491B2 (ja) リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるヒドロキシ酸誘導体化合物
JP6380392B2 (ja) 非水電解液、それを用いた蓄電デバイス、及びそれに用いられるビフェニル基含有カーボネート化合物
JP6485753B2 (ja) 非水電解液およびそれを用いた蓄電デバイス
JP6035684B2 (ja) 非水電解液及びそれを用いた電気化学素子
JP5392261B2 (ja) 非水電解液及びそれを用いたリチウム電池
KR20140116154A (ko) 비수 전해액 및 그것을 이용한 축전 디바이스
KR20150018513A (ko) 비수 전해액 및 그것을 이용한 축전 디바이스
KR20150046050A (ko) 비수 전해액 및 그것을 이용한 축전 디바이스
KR20140083031A (ko) 비수 전해액 및 그것을 이용한 축전 디바이스
KR20120084709A (ko) 비수 전해액 및 그것을 이용한 전기 화학 소자
JP6737280B2 (ja) 蓄電デバイス用非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス
KR20140051940A (ko) 비수 전해액 및 그것을 이용한 축전 디바이스
JP5822070B2 (ja) 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス
JP5589796B2 (ja) 非水電解液、それを用いた電気化学素子、及びそれに用いられるトリアルキルシリルオキシ基含有化合物
JP2019207890A (ja) 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131122

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140513

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5561163

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350