JP5561163B2 - リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物 - Google Patents
リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5561163B2 JP5561163B2 JP2010520821A JP2010520821A JP5561163B2 JP 5561163 B2 JP5561163 B2 JP 5561163B2 JP 2010520821 A JP2010520821 A JP 2010520821A JP 2010520821 A JP2010520821 A JP 2010520821A JP 5561163 B2 JP5561163 B2 JP 5561163B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- methanesulfonate
- carbon atoms
- carbonate
- general formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/052—Li-accumulators
- H01M10/0525—Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/056—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
- H01M10/0564—Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
- H01M10/0566—Liquid materials
- H01M10/0567—Liquid materials characterised by the additives
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C309/00—Sulfonic acids; Halides, esters, or anhydrides thereof
- C07C309/63—Esters of sulfonic acids
- C07C309/64—Esters of sulfonic acids having sulfur atoms of esterified sulfo groups bound to acyclic carbon atoms
- C07C309/65—Esters of sulfonic acids having sulfur atoms of esterified sulfo groups bound to acyclic carbon atoms of a saturated carbon skeleton
- C07C309/66—Methanesulfonates
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/05—Accumulators with non-aqueous electrolyte
- H01M10/052—Li-accumulators
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M2300/00—Electrolytes
- H01M2300/0017—Non-aqueous electrolytes
- H01M2300/0065—Solid electrolytes
- H01M2300/0082—Organic polymers
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/70—Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Primary Cells (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
リチウム二次電池は、主にリチウムを吸蔵放出可能な材料を含む正極及び負極、リチウム塩と非水溶媒からなる非水電解液から構成され、非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が使用されている。
また、負極としては、金属リチウム、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物(金属単体、酸化物、リチウムとの合金等)や炭素材料が知られており、特にリチウムを吸蔵・放出することが可能なコークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の炭素材料を用いたリチウム二次電池が広く実用化されている。
更に、リチウム金属やその合金、スズ又はケイ素等の金属単体や酸化物を負極材料として用いたリチウム二次電池は、初期の容量は高いもののサイクル中に微粉化が進むため、炭素材料の負極に比べて非水溶媒の還元分解が加速的に起こり、電池容量やサイクル特性のような電池性能が大きく低下することが知られている。また、これらの負極材料の微粉化や非水溶媒の分解物が蓄積すると、負極へのリチウムの吸蔵及び放出がスムーズにできなくなり、特に低温や高温下でのサイクル特性が低下しやすくなる。
一方、正極として、例えばLiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiFePO4を用いたリチウム二次電池は、非水電解液中の非水溶媒が充電状態で高温になった場合に、正極材料と非水電解液との界面において、局部的に一部酸化分解することにより発生した分解物やガスが電池の望ましい電気化学的反応を阻害するため、やはりサイクル特性のような電池性能の低下を生じることが知られている。
さらに、近年、電気自動車用又はハイブリッド電気自動車用の新しい電源として、出力密度の点から、活性炭等を電極に用いる電気二重層キャパシタ、エネルギー密度と出力密度の両立の観点から、リチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタの蓄電原理を組み合わせた、ハイブリッドキャパシタ(リチウムの吸蔵・放出による容量と電気二重層容量の両方を活用する非対称型キャパシタ)と呼ばれる蓄電装置の開発が行われ、高温でのサイクル特性や高温保存特性等の電池性能の向上が求められている。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、特定のアシルオキシ基(−OCOR)及び特定のスルホニルオキシ基(−OSO2R)という2つの異なる置換基を炭化水素基で結合した化合物を非水電解液に添加することにより、低温及び高温でのサイクル特性を向上しうることを見出し、本発明に至った。
(1)非水溶媒に電解質が溶解されている非水電解液において、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種が非水電解液中に0.01〜10質量%含有されていることを特徴とするリチウム電池用非水電解液。
(3)下記一般式(III)で表されるホルミルオキシ基含有化合物。
本発明のリチウム電池用非水電解液は、非水溶媒に電解質が溶解されている非水電解液において、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種を非水電解液中に0.01〜10質量%含有することを特徴とする。
中でもアシルオキシ基としてホルミルオキシ基(−OCOH)を含有する化合物において、置換基を結合する炭化水素鎖が多重結合を含む場合に、特に良質な混合被膜が形成され、低温及び高温でのサイクル特性向上効果が高まることが判明した。これは、ホルミルオキシ基(−OCOH)とスルホニルオキシ基(−OSO2R2)を結合する炭化水素鎖が多重結合を含んでいると、ホルミルオキシ基以外の他のアシルオキシ基の場合よりも二つの置換基の分解が進みやすくなり、該多重結合に由来する共役結合を保持した重合被膜が形成されやすくなるため、被膜の電子伝導性が向上することによると考えられる。
Xであるアルケニレン基としては、2−ブテニレン基、2−ペンテニレン、3−ヘキセニレン基、1,4−ジメチル−2−ブテニレン基、1,1,4,4−テトラメチル−2−ブテニレン基等が挙げられる。
また、Xであるアルキニレン基としては、2−ブチニレン基、2−ペンチニレン基、3−ヘキシニレン基、1,4−ジメチル−2−ブチニレン基、1,1,4,4−テトラメチル−2−ブチニレン基等が挙げられる。
これらの中でも、低温及び高温でのサイクル特性向上の観点から、Xとしては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基、2−ホルミルオキシプロパン−1,3−ジイル基、2−メタンスルホニルオキシプロパン−1,3−ジイル基、3−ホルミルオキシプロパン−1,2−ジイル基、又は2−ブチニレン基等の炭素数4〜6のアルキニレン基が好ましく、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のアルキレン基、2−ブチニレン基等のアルキニレン基がより好ましく、エチレン基、2−ブチニレン基が特に好ましい。
これらの中でも、低温及び高温でのサイクル特性向上の観点から、R1及びR2としては、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
前記一般式(I)において、R1及びR2である炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられるが、低温及び高温でのサイクル特性向上の観点から、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基が好ましい。
低温及び高温でのサイクル特性向上の観点から、前記フッ素原子は2個以上であることが好ましく、3個以上であることがより好ましく、また前記アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
前記一般式(II)で表される基の中でも、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,3,5−トリフルオロフェニル基、2,4,5−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,3,4,5−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,6−テトラフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、又は2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシフェニル基がより好ましい。
また、上記のR2の中でも、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜4の直鎖アルキル基、及び一般式(II)で表される基がフッ素原子のみで置換されたフェニル基の場合は、低温及び高温でのサイクル特性がより良好となるため好ましく、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
(i)Xがアルキレン基の場合としては、1,2−エタンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール ホルメート エタンスルホネート、1,2−エタンジオール ホルメート フルオロメタンスルホネート、1,2−エタンジオール ホルメート クロロメタンスルホネート、1,2−エタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール アセテート エタンスルホネート、1,2−エタンジオール アセテート フルオロメタンスルホネート、1,2−エタンジオール アセテート クロロメタンスルホネート、 1,2−エタンジオール アセテート トリフルオロメタンスルホネート、1,2−エタンジオール メタンスルホネート プロピオネート、1,2−エタンジオール−2−フルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−3−フルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−4−フルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4−ジフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,6−ジフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,6−トリフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−エトキシベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,2−プロパンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,3−プロパンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,3−ブタンジオール ホルメート メタンスルホネート、2−メチル−1,3−プロパンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,4−ペンタンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール ホルメート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール ホルメート エタンスルホネート、1,2−プロパンジオール アセテート メタンスルホネート、1,3−プロパンジオール アセテート メタンスルホネート、1,3−ブタンジオール アセテート メタンスルホネート、2−メチル−1,3−プロパンジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ペンタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール アセテート エタンスルホネート、1,4−ブタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネート、1,4−ブタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート 2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホネート、1,5−ペンタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,6−ヘキサンジオール アセテート メタンスルホネート等が挙げられる。
前記一般式(I)で表される化合物は、単独で用いても、低温及び高温サイクル特性は向上するが、以下に述べる非水溶媒、電解質塩、更にその他の添加剤を組み合わせることにより、低温及び高温サイクル特性が相乗的に向上するという特異な効果を発現する。その理由は明らかではないが、一般式(I)で表される化合物と、これらの非水溶媒、電解質塩、さらにその他の添加剤の構成元素を含有するイオン伝導性の高い混合被膜が形成されるためと考えられる。
本発明の非水電解液に使用される非水溶媒としては、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、エーテル類、アミド類、リン酸エステル類、スルホン類、ラクトン類、ニトリル類、S=O結合含有化合物等が挙げられる。
環状カーボネート類としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、トランス又はシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、両者を総称して「DFEC」という)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)等が挙げられる。これらの中でも、二重結合又はフッ素を含有する環状カーボネートを少なくとも1種を使用すると高温サイクル特性が一段と向上するので好ましく、二重結合を含む環状カーボネートとフッ素を含有する環状カーボネートを両方含むことが特に好ましい。二重結合を含有する環状カーボネートとしては、VC、VECがより好ましく、フッ素を含有する環状カーボネートとしては、FEC、DFECがより好ましい。また、PCを含むと低温サイクル特性が向上するので好ましい。
環状カーボネートの含有量は、特に制限はされないが、非水溶媒の総容量に対して、10容量%〜40容量%の範囲で用いるのが好ましい。含有量が10容量%未満であると非水電解液の伝導度が低下し、低温及び高温サイクル特性が低下する傾向があり、40容量%を超えると非水電解液の粘性が高くなるため低温及び高温サイクル特性が低下する傾向があるので上記範囲であることが好ましい。
鎖状カーボネートの含有量は特に制限はされないが、非水溶媒の総容量に対して、60容量%〜90容量%の範囲で用いるのが好ましい。含有量が60容量%未満であると非水電解液の粘度が上昇し、低温サイクル特性が低下する傾向がある。また、90容量%を超えると非水電解液の電気伝導度が低下し、低温及び高温サイクル特性が低下する傾向があるので上記範囲であることが好ましい。
アミド類としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、リン酸エステル類としては、リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル等が挙げられ、スルホン類としては、スルホラン等が挙げられ、ラクトン類としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、α−アンゲリカラクトン等が挙げられ、ニトリル類としてはアセトニトリル、プロピオニトリル等のモノニトリル化合物、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル等のジニトリル化合物が挙げられる。
前記一般式(I)で表される化合物と併用するこれらの化合物の添加量は、非水電解液中で5質量%を超えると低温サイクル特性が低下したり、高温サイクル特性を改善する効果が得られない場合があり、また、0.1質量%に満たないと低温及び高温サイクル特性を改善する効果が十分に得られない場合がある。したがって、該含有量は、非水電解液中で0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、その上限は5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
これらの中でも、少なくとも環状カーボネート類と鎖状カーボネート類を組合せた非水溶媒を用いると、低温及び高温サイクル特性が向上するため好ましい。このときの環状カーボネート類と鎖状カーボネート類の割合は、特に制限されないが、環状カーボネート類:鎖状カーボネート類(容量比)が10:90〜40:60が好ましく、15:85〜35:65がより好ましく、20:80〜30:70が更に好ましい。
本発明に使用される電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiPO2F2等のリチウム塩、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiCF3SO3、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)2、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(CF3)3、LiPF3(iso−C3F7)3、LiPF5(iso−C3F7)等の鎖状のフッ化アルキル基を含有するリチウム塩や、(CF2)2(SO2)2NLi、(CF2)3(SO2)2NLi等の環状のフッ化アルキレン鎖を含有するリチウム塩、ビス[オキサレート−O,O’]ホウ酸リチウムやジフルオロ[オキサレート−O,O’]ホウ酸リチウム等のオキサレート錯体をアニオンとするリチウム塩が挙げられる。これらの中でも、特に好ましい電解質塩は、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF3)2、及びLiN(SO2C2F5)2である。これらの電解質塩は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
LiPF6:[LiBF4又はLiN(SO2CF3)2又はLiN(SO2C2F5)2](モル比)が70:30よりもLiPF6の割合が低い場合、及び99:1よりもLiPF6の割合が高い場合には低温及び高温サイクル特性が低下する場合がある。したがって、LiPF6:[LiBF4 又はLiN(SO2CF3)2又はLiN(SO2C2F5)2](モル比)は、70:30〜99:1の範囲が好ましく、80:20〜98:2の範囲がより好ましい。上記範囲の組合せで使用することにより、低温及び高温サイクル特性の電池特性を更に向上させることができる。
これら全電解質塩が溶解されて使用される濃度は、前記の非水溶媒に対して、通常0.3M以上が好ましく、0.5M以上がより好ましく、0.7M以上が更に好ましい。またその上限は、2.5M以下が好ましく、2.0M以下がより好ましく、1.5M以下が更に好ましい。
本発明の非水電解液には、芳香族化合物を含有させることにより、過充電時の電池の安全性を確保することができる。かかる芳香族化合物の好適例としては、シクロヘキシルベンゼン、フルオロシクロヘキシルベンゼン化合物(1−フルオロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−3−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼン)、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン、1−フルオロ−4−tert−ブチルベンゼン、1,3−ジ−tert−ブチルベンゼン、ビフェニル、ターフェニル(o−、m−、p−体)、ジフェニルエーテル、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン(o−、m−、p−体)、2,4−ジフルオロアニソール、ターフェニルの部分水素化物(1、2−ジシクロヘキシルベンゼン、2−フェニルビシクロヘキシル、1,2−ジフェニルシクロヘキサン、o−シクロヘキシルビフェニル)等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の非水電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記の電解質塩及び該非水電解液の質量に対して前記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種を
0.01〜10質量%の溶解することにより得ることができる。
この際、用いる非水溶媒、及び非水電解液に加える化合物は、生産性を著しく低下させない範囲内で、予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。
本発明の非水電解液は、リチウム一次電池及びリチウム二次電池用電解液として好適に使用することができる。更に、本発明の非水電解液は、電気二重層キャパシタ用電解液やハイブリッドキャパシタ用電解液としても使用できる。これらの中でも、本発明の非水電解液は、リチウム二次電池用として用いることが最も適している。
本発明のリチウム電池は、リチウム一次電池及びリチウム二次電池を総称するものであって、正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている前記非水電解液からなり、該非水電解液中に前記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種を非水電解液中に0.01〜10質量%含有することを特徴とする。
本発明のリチウム電池においては、非水電解液以外の正極、負極等の構成部材は特に制限なく使用できる。
例えば、リチウム二次電池用正極活物質としては、コバルト、マンガン、ニッケルを含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、1種単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
このような複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiCo1-xNixO2(0.01<x<1)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi1/2Mn3/2O4、LiCo0.98Mg0.02O2等が挙げられる。また、LiCoO2とLiMn2O4、LiCoO2とLiNiO2、LiMn2O4とLiNiO2のように併用してもよい。
これらの中では、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2のような満充電状態における正極の充電電位がLi基準で4.3V以上で使用可能なリチウム複合金属酸化物が好ましく、LiCo1-xMxO2(但し、MはSn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn、Cuから表される少なくとも1種類以上の元素、0.001≦x≦0.05)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi1/2Mn3/2O4のような4.4V以上で使用可能なリチウム複合酸化物がより好ましい。
これらのリチウム含有オリビン型リン酸塩の一部は他元素で置換してもよく、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンの一部をCo、Mn、Ni、Mg、Al、B、Ti、V、Nb、Cu、Zn、Mo、Ca、Sr、W及びZr等から選ばれる1種以上の元素で置換したり、又はこれらの他元素を含有する化合物や炭素材料で被覆することもできる。これらの中では、LiFePO4又はLiMnPO4が好ましい。リチウム含有オリビン型リン酸塩は、例えば、前記した正極活物質と混合して用いることもできる。
正極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.5g/cm3以上であり、電池の容量を更に高めるため、好ましくは2.5g/cm3以上であり、より好ましくは、3.5g/cm3以上である。またその上限は、4.0g/cm3を超えると実質上作製が困難となる場合があるため、4.0g/cm3以下が好ましい。
これらの中では、リチウムイオンの吸蔵及び放出能力において高結晶性の炭素材料を使用することが好ましく、格子面(002)の面間隔(d002)が0.340nm(ナノメータ)以下、特に0.335〜0.337nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが好ましい。また、高結晶性の炭素材料は低結晶材料によって被膜されていてもよい。高結晶性の炭素材料を使用すると、充電時において非水電解液と反応しやすく、低温及び高温サイクル特性が低下する傾向があるが、本発明に係るリチウム二次電池では非水電解液との反応を抑制することができる。
負極は、上記の正極の作製と同様な導電剤、結着剤、高沸点溶剤を用いて混練して負極合剤とした後、この負極合剤を集電体の銅箔等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作製することができる。
負極活物質に黒鉛を用いた場合、負極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.4g/cm3以上であり、電池の容量を更に高めるため、好ましくは1.6g/cm3以上であり、より好ましくは、1.7g/cm3以上である。またその上限は、2.0g/cm3を超えると実質上作製が困難となる場合があるため、2.0g/cm3以下が好ましい。
リチウム二次電池の構造には特に限定はなく、単層又は複層のセパレータを有するコイン型電池、円筒型電池、角型電池、ラミネート式電池等を適用できる。
本発明におけるリチウム二次電池は、充電終止電圧が4.2V以上、特に4.3V以上の場合にも長期間にわたり優れたサイクル特性を有しており、更に、4.4Vにおいてもサイクル特性は良好である。放電終止電圧は、2.5V以上、更に2.8V以上とすることができる。電流値については特に限定されないが、通常0.1〜3Cの定電流放電で使用される。また、本発明におけるリチウム二次電池は、−40〜100℃、好ましくは0〜80℃で充放電することができる。
本発明においては、リチウム二次電池の内圧上昇の対策として、電池蓋に安全弁を設けたり、電池缶やガスケット等の部材に切り込みを入れる方法も採用することができる。また、過充電防止の安全対策として、電池の内圧を感知して電流を遮断する電流遮断機構を電池蓋に設けることができる。
本発明のホルミルオキシ基含有化合物は、下記一般式(III)で表される。
Yであるアルケニレン基及びアルキニレン基の具体例及び好適例、並びにR2であるアルキル基、シクロアルキル基、及び前記一般式(II)で表される基の具体例及び好適例は、一般式(I)において記載したものと同じである。
(i)ヒドロキシスルホン酸エステルを、溶媒の存在下又は不存在下、酸触媒の存在下又は不存在下で、また必要に応じて脱水剤の存在下で、ギ酸と縮合させる方法。
(ii)ヒドロキシスルホン酸エステルを、溶媒の存在下又は不存在下、酸触媒の存在下で、ギ酸エステルとエステル交換させる方法。
(iii)ヒドロキシスルホン酸エステルを、溶媒の存在下又は不存在下で、酸無水物とエステル化反応させる方法。
(iv)ヒドロキシギ酸エステルを、溶媒の存在下又は不存在下で、スルホン酸ハロゲン化物又はスルホン酸無水物とエステル化させる方法。
(v)ジメタンスルホン酸エステルを、溶媒の存在下又は不存在下、触媒の存在下又は不存在下で、ギ酸又はギ酸アニオンとエステル交換させる方法。
(vi)ジギ酸エステルを酸触媒の存在下又は不存在下、触媒の存在下又は不存在下で、メタンスルホン酸又はメタンスルホン酸アニオンとエステル交換させる方法。
(vii)トリメタンスルホン酸エステルを、溶媒の存在下又は不存在下、触媒の存在下又は不存在下で、ギ酸又はギ酸アニオンとエステル交換させる方法。
(viii)トリギ酸エステルを酸触媒の存在下又は不存在下、触媒の存在下又は不存在下で、メタンスルホン酸又はメタンスルホン酸アニオンとエステル交換させる方法。
合成例1
4−ホルミロキシ−2−ブチン−1−オール44.0g(0.386mol)の炭酸ジメチル溶液300mlに対し、トリエチルアミン41.5g(0.409mol)を加え、0℃に冷却した。この溶液にメタンスルホニルクロリド46.9g(0.409mol)を内温15℃以下に制御して滴下した。滴下終了後、25℃にて1.5時間攪拌し、反応液を飽和重曹水溶液にあけ、水層を分離し、有機層を濃縮して、メタンスルホン酸4−ホルミロキシ−2−ブチン−1−イル72.6g(収率98%)を得た。電池試験には、シリカゲルカラムで精製したものを用いた。
得られたメタンスルホン酸4−ホルミロキシ−2−ブチン−1−イル(2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネートと同義)について、1H−NMR(測定機器:日本電子株式会社製、「AL300」)、質量分析(測定機器:株式会社日立製作所製、「M80B」)、及び赤外吸収分析(測定機器:バリアン社製、「バリアン3100」)の測定を行い、その構造を確認した。
(1)1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ = 8.07(t, J = 0.97 Hz, 1 H), 4.90(t, J = 1.95 Hz, 2 H), 4.83(td, J = 1.95, 0.97 Hz, 2 H), 3.13(s, 3 H).
(2)質量分析:MS(CI) [M+1] = 193.
(3)IR(neat):3030, 2943, 1728, 1439, 1355, 1174, 976, 948, 807, 715 cm-1
グリセリン20.0g(0.217mol)、ギ酸21.0g(0.456mol)、メタンスルホン酸0.21g(0.002mol)をジイソプロピルエーテル20mlに溶解させて80℃にて4時間共沸脱水反応を行い、グリセリンの消失を確認した。反応液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して1,3−ビス(ホルミルオキシ)−2−プロパノール及び2,3−ビス(ホルミルオキシ)−1−プロパノールの混合物20.0gを得た(収率64%)。この混合物20.0g(0.140mol)とトリエチルアミン14.8g(0.147mol)を酢酸エチル200mlに溶解させ、0℃に冷却した後、メタンスルホニルクロリド16.4g(0.147mol)を15分かけて滴下し、25℃にて1時間攪拌した。析出したトリエチルアミン塩酸塩をろ別後、ろ液を濃縮した後、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、メタンスルホン酸−1,3−ビス(ホルミルオキシ)−2−プロピル7.0g(収率14%)及びメタンスルホン酸−2,3−ビス(ホルミルオキシ)−1−プロピル20.1g(収率41%)を得た。
メタンスルホン酸−1,3−ビス(ホルミルオキシ)−2−プロピル 〔グリセロール−1,3−ジホルメート−2−メタンスルホネートと同義〕の構造確認
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 8.10(d, J = 0.49 Hz, 2 H), 5.49-5.42(m, 1 H), 4.47-4.31(m, 4 H), 3.07(s, 3 H).
(2)質量分析: MS(CI) [M++1] = 227.
メタンスルホン酸−2,3−ビス(ホルミルオキシ)−1−プロピル 〔グリセロール−2,3−ジホルメート−1−メタンスルホネートと同義〕の構造確認
(1)1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ = 8.10(d, J = 0.49 Hz, 2 H), 5.12-5.05(m, 1 H), 4.52-4.34(m, 4 H), 3.12(s, 3 H).
(2)質量分析: MS(CI) [M++1] = 227.
(1)リチウムイオン二次電池の作製
LiCoO2(正極活物質)93質量%、アセチレンブラック(導電剤)3質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)4質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の両面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作製した。正極の集電体を除く部分の密度は3.6g/cm3であった。
一方、低結晶性炭素を被膜した人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質)95質量%を、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の両面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.7g/cm3であった。
そして、上記で得られた正極シート、微孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、上記で得られた負極シート、及びセパレータの順に積層し、これを渦巻き状に巻回した。この巻回体を負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の円筒型電池缶に収納した。
次に、表1に記載の化合物を所定量添加して調製した非水電解液を電池缶内に注入し、正極端子を有する電池蓋をガスケットを介してかしめて、18650型円筒電池を作製した。なお、正極端子は正極シートとアルミニウムのリードタブを用いて、負極缶は負極シートとニッケルのリードタブを用いて予め電池内部で接続した。
上記(1)で作製した電池を用いて、25℃の恒温槽中、1Cの定電流で4.2V(充電終止電圧)まで充電した後、4.2Vの定電圧で2.5時間充電し、次に1Cの定電流で、放電電圧3.0V(放電終止電圧)まで放電し、1サイクル目の放電容量を測定した。
次に60℃の恒温槽中、1Cの定電流で4.2V(充電終止電圧)まで充電した後、4.2Vの定電圧で2.5時間充電し、次に1Cの定電流で、放電電圧3.0V(放電終止電圧)まで放電した。これを50サイクルに達するまで繰り返した。
次に0℃の恒温槽中、1Cの定電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧で2.5時間充電し、次に1Cの定電流で、放電電圧3.0Vまで放電した。これを50サイクルに達するまで繰り返した。
そして、25℃の恒温槽中、1Cの定電流で4.2V(充電終止電圧)まで充電した後、4.2Vの定電圧で2.5時間充電し、次に1Cの定電流で、放電電圧3.0V(放電終止電圧)まで放電し、高温及び低温サイクル後の回復放電容量を測定した。そして、下記式により高温及び低温サイクル後の放電容量維持率(%)を求めた。結果を表1−1及び表1−2に示す。
高温及び低温サイクル後の放電容量維持率(%)=〔高温及び低温サイクル後の回復放電容量/1サイクル目の放電容量〕×100
実施例1で用いた正極活物質に変えて、LiFePO4(正極活物質)を用いて、正極シートを作製した。LiFePO490質量%、アセチレンブラック(導電剤)5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。
この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作製したこと、充電終止電圧を3.6V、放電終止電圧を2.0Vとしたことの他は、表2に記載の組成の非水電解液を用いて、実施例1と同様に円筒電池を作製し、電池評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1で用いた負極活物質に変えて、Si(負極活物質)を用いて、負極シートを作製した。Si 80質量%、アセチレンブラック(導電剤)15質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。
この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の負極シートを作製したことの他は、表3に記載の組成の非水電解液を用いて、実施例1と同様に円筒電池を作製し、電池評価を行った。結果を表3に示す。
また、実施例20と比較例4の対比、実施例21と比較例5の対比から、正極にリチウム含有オリビン型リン酸鉄塩を用いた場合や、負極にSiを用いた場合にも同様な効果がみられる。従って、本発明の効果は、特定の正極や負極に依存した効果でないことが分かる。
また、一般式(III)で表されるホルミルオキシ基含有化合物は、リチウム電池用添加剤として有用であるほか、医薬、農薬、電子材料、高分子材料等の中間原料としての利用することができる。
Claims (13)
- 非水溶媒に電解質が溶解されている非水電解液において、下記一般式(I)で表される化合物、及び2−ブチン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネートから選ばれる少なくとも1種が非水電解液中に0.01〜10質量%含有されていることを特徴とする、リチウム二次電池用、電気二重層キャパシタ用、又はハイブリッドキャパシタ用の非水電解液。
Xが炭素数1〜6のアルキレン基、−CH2CH(OCOR1)−CH2−基、−CH2CH(CH2OCOR1)−基、−CH2CH(OSO2R2)−CH2−基、又は炭素数4〜8のアルケニレン基のとき、R1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又は下記一般式(II)で表される基を示し、R2は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又は下記一般式(II)で表される基を示し、
Xが炭素数4〜8のアルキニレン基のとき、R1は、水素原子、又は下記一般式(II)で表される基を示し、R2は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又は下記一般式(II)で表される基を示す。ただし、前記アルキル基の水素原子は、少なくとも1つがハロゲン原子で置換されていてもよい。)
- 非水溶媒が環状カーボネート及び鎖状カーボネートを含む請求項1に記載の非水電解液。
- 環状カーボネートが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、及び二重結合又はフッ素を含有する環状カーボネートから選ばれる1種以上である請求項2に記載の非水電解液。
- 二重結合又はフッ素を含有する環状カーボネートが、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、又は4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンである請求項3に記載の非水電解液。
- 鎖状カーボネートが、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、及びエチルプロピルカーボネートから選ばれる1種以上である請求項2に記載の非水電解液。
- 電解質が、LiPF6を含み、更にLiBF4、LiN(SO2CF3)2及びLiN(SO2C2F5)2から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の非水電解液。
- LiPF6:[LiBF4 又はLiN(SO2CF3)2又はLiN(SO2C2F5)2](モル比)が、70:30〜99:1である請求項6に記載の非水電解液。
- 前記一般式(I)で表される化合物が、1,2−エタンジオール アセテート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネート、1,2−エタンジオール−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾエート メタンスルホネート、1,3−プロパンジオール アセテート メタンスルホネート、1,4−ブタンジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、2−ブテン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネート、2−ブチン−1,4−ジオール ホルメート メタンスルホネート、及び2−ブチン−1,4−ジオール−2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾエート メタンスルホネートから選ばれる1種以上である請求項1に記載の非水電解液。
- 正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなるリチウム二次電池において、該非水電解液中に請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、及び2−ブチン−1,4−ジオール アセテート メタンスルホネートから選ばれる少なくとも1種を非水電解液中に0.01〜10質量%含有することを特徴とする、リチウム二次電池、電気二重層キャパシタ、又はハイブリッドキャパシタ。
- 正極活物質が、コバルト、マンガン、又はニッケルを含有するリチウムとの複合金属酸化物、又はリチウム含有オリビン型リン酸塩である請求項9に記載のリチウム二次電池、電気二重層キャパシタ、又はハイブリッドキャパシタ。
- 負極活物質が、黒鉛型結晶構造を有する炭素材料である請求項9に記載のリチウム二次電池、電気二重層キャパシタ、又はハイブリッドキャパシタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010520821A JP5561163B2 (ja) | 2008-07-15 | 2009-07-01 | リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物 |
Applications Claiming Priority (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008183280 | 2008-07-15 | ||
JP2008183280 | 2008-07-15 | ||
JP2009095077 | 2009-04-09 | ||
JP2009095077 | 2009-04-09 | ||
JP2010520821A JP5561163B2 (ja) | 2008-07-15 | 2009-07-01 | リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物 |
PCT/JP2009/062039 WO2010007889A1 (ja) | 2008-07-15 | 2009-07-01 | リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2010007889A1 JPWO2010007889A1 (ja) | 2012-01-05 |
JP5561163B2 true JP5561163B2 (ja) | 2014-07-30 |
Family
ID=41550297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010520821A Active JP5561163B2 (ja) | 2008-07-15 | 2009-07-01 | リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8383274B2 (ja) |
JP (1) | JP5561163B2 (ja) |
KR (1) | KR20110066130A (ja) |
CN (1) | CN102099956B (ja) |
WO (1) | WO2010007889A1 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5405353B2 (ja) * | 2010-02-26 | 2014-02-05 | 三洋電機株式会社 | 非水電解液二次電池 |
KR102008671B1 (ko) | 2010-08-05 | 2019-08-08 | 후지필름 와코 준야꾸 가부시키가이샤 | 비수계 전해액 및 그를 사용한 비수계 전해액 전지 |
KR101867807B1 (ko) * | 2010-08-05 | 2018-06-18 | 와코 쥰야꾸 고교 가부시키가이샤 | 비수계 전해액, 그 제조법, 및 당해 전해액을 사용한 비수계 전해액 전지 |
EP2830142B1 (en) * | 2012-03-23 | 2019-05-08 | UBE Industries, Ltd. | Non-aqueous electrolytic solution and electricity storage device using same |
WO2013147094A1 (ja) | 2012-03-30 | 2013-10-03 | 三菱化学株式会社 | 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液電池 |
JP6130637B2 (ja) * | 2012-09-20 | 2017-05-17 | 富士フイルム株式会社 | 非水二次電池用電解液及び二次電池 |
JP6094590B2 (ja) * | 2012-09-28 | 2017-03-15 | ダイキン工業株式会社 | 電解液、電気化学デバイス、リチウム電池、及び、モジュール |
JP5963010B2 (ja) * | 2014-01-08 | 2016-08-03 | トヨタ自動車株式会社 | 非水電解液二次電池 |
US9947960B2 (en) | 2014-02-05 | 2018-04-17 | Johnson Controls Technology Company | Electrolytes for low impedance, wide operating temperature range lithium-ion battery module |
JP6292448B2 (ja) * | 2014-07-14 | 2018-03-14 | トヨタ自動車株式会社 | 非水系二次電池の製造方法 |
JP7060777B2 (ja) * | 2018-03-23 | 2022-04-27 | 富山薬品工業株式会社 | 蓄電デバイス用非水電解液 |
CN109755635B (zh) * | 2019-01-18 | 2020-11-06 | 杉杉新材料(衢州)有限公司 | 一种兼顾高低温性能的电池电解液添加剂、电解液及高镍三元锂离子电池 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000026365A (ja) * | 1998-05-13 | 2000-01-25 | F Hoffmann La Roche Ag | シキミ酸およびその誘導体の製造方法 |
JP2002110234A (ja) * | 2000-10-02 | 2002-04-12 | Ube Ind Ltd | 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 |
WO2005117197A1 (ja) * | 2004-05-28 | 2005-12-08 | Ube Industries, Ltd. | 非水電解液およびリチウム二次電池 |
WO2006077763A1 (ja) * | 2005-01-20 | 2006-07-27 | Ube Industries, Ltd. | 非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 |
JP2006278106A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Nec Corp | 二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100559648C (zh) * | 2005-01-20 | 2009-11-11 | 宇部兴产株式会社 | 非水电解液和使用其的锂二次电池 |
WO2009057515A1 (ja) * | 2007-11-01 | 2009-05-07 | Ube Industries, Ltd. | スルホン酸フェニル化合物、それを用いた非水電解液及びリチウム電池 |
-
2009
- 2009-07-01 WO PCT/JP2009/062039 patent/WO2010007889A1/ja active Application Filing
- 2009-07-01 CN CN2009801274256A patent/CN102099956B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2009-07-01 US US13/003,920 patent/US8383274B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2009-07-01 KR KR1020117000958A patent/KR20110066130A/ko active IP Right Grant
- 2009-07-01 JP JP2010520821A patent/JP5561163B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000026365A (ja) * | 1998-05-13 | 2000-01-25 | F Hoffmann La Roche Ag | シキミ酸およびその誘導体の製造方法 |
JP2002110234A (ja) * | 2000-10-02 | 2002-04-12 | Ube Ind Ltd | 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 |
WO2005117197A1 (ja) * | 2004-05-28 | 2005-12-08 | Ube Industries, Ltd. | 非水電解液およびリチウム二次電池 |
WO2006077763A1 (ja) * | 2005-01-20 | 2006-07-27 | Ube Industries, Ltd. | 非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 |
JP2006278106A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Nec Corp | 二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20110066130A (ko) | 2011-06-16 |
CN102099956B (zh) | 2013-08-28 |
US8383274B2 (en) | 2013-02-26 |
JPWO2010007889A1 (ja) | 2012-01-05 |
US20110183199A1 (en) | 2011-07-28 |
CN102099956A (zh) | 2011-06-15 |
WO2010007889A1 (ja) | 2010-01-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5561163B2 (ja) | リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるホルミルオキシ基含有化合物 | |
JP5610052B2 (ja) | リチウム電池用非水電解液及びそれを用いたリチウム電池 | |
JP5704193B2 (ja) | リチウム二次電池用非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 | |
JP5375616B2 (ja) | スルホン酸フェニル化合物、それを用いた非水電解液及びリチウム電池 | |
JP5440491B2 (ja) | リチウム電池用非水電解液、それを用いたリチウム電池、及びそれに用いられるヒドロキシ酸誘導体化合物 | |
JP6380392B2 (ja) | 非水電解液、それを用いた蓄電デバイス、及びそれに用いられるビフェニル基含有カーボネート化合物 | |
JP6485753B2 (ja) | 非水電解液およびそれを用いた蓄電デバイス | |
JP6035684B2 (ja) | 非水電解液及びそれを用いた電気化学素子 | |
JP5392261B2 (ja) | 非水電解液及びそれを用いたリチウム電池 | |
KR20140116154A (ko) | 비수 전해액 및 그것을 이용한 축전 디바이스 | |
KR20150018513A (ko) | 비수 전해액 및 그것을 이용한 축전 디바이스 | |
KR20150046050A (ko) | 비수 전해액 및 그것을 이용한 축전 디바이스 | |
KR20140083031A (ko) | 비수 전해액 및 그것을 이용한 축전 디바이스 | |
KR20120084709A (ko) | 비수 전해액 및 그것을 이용한 전기 화학 소자 | |
JP6737280B2 (ja) | 蓄電デバイス用非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス | |
KR20140051940A (ko) | 비수 전해액 및 그것을 이용한 축전 디바이스 | |
JP5822070B2 (ja) | 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス | |
JP5589796B2 (ja) | 非水電解液、それを用いた電気化学素子、及びそれに用いられるトリアルキルシリルオキシ基含有化合物 | |
JP2019207890A (ja) | 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120515 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131001 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131122 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120515 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140204 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140318 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140513 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140526 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5561163 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |