以下、図面を用いて、本発明の錠剤供給システム(図1)について説明する。
まず、図1について説明する。
図1は、包装装置5と錠剤供給装置10を含む錠剤供給システム(分包システム)を示す図である。
図1は、錠剤供給装置10、及び錠剤供給装置10から供給された錠剤を包装する包装装置5を含む錠剤供給システムを示す図である。
1は、錠剤取出ユニットであり、錠剤シートから錠剤を取り出すユニットである。
錠剤シートは、一般的にPTPシートと呼ばれており、錠剤シートのことをPTPシートとも言う。
錠剤供給装置10には複数の錠剤取出ユニット1が収納されている。錠剤取出ユニット1は、本発明の錠剤取出し装置の適用例である。錠剤取出ユニット1は、幅方向(左右方向)に6つが並べられ、この6つの錠剤取出ユニット1からなる組が上下に3段に配置されている。すなわち、錠剤取出ユニット1は、左右6列、上下3段に配列されている。
錠剤供給装置10は複数の錠剤取出ユニット1を備えているが、錠剤取出ユニット1の数は1でもよい。
5は、包装装置であり、錠剤供給装置10の錠剤取出ユニット1から供給された錠剤を包装する装置である。
103は、散薬投入部であり、分包される散薬が投入される部である。また、散薬投入部103に投入された散薬を投薬1回分に分けられて、分けられた1回分の散薬を後述するメインホッパー505に入れられ、1回分ずつに分包される。
10は、錠剤供給装置であり、1または複数の錠剤取出ユニット1と、錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を供給する錠剤供給ユニット400とを備えている。
錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1により錠剤シート(PTPシート)から錠剤を取り出して、錠剤供給ユニット400の供給経路を経て、包装装置5に供給する。錠剤供給装置10は、図1に示す通り、複数の錠剤取出ユニット1を備えている。
錠剤供給装置10は、1又は複数の錠剤を、それぞれ錠剤収容部に封入された錠剤シート(PTPシート)から錠剤を取り出して供給する。
次に、図2を用いて、錠剤供給装置10について説明する。
図2は、錠剤供給装置10を示す図である。
図2は、錠剤供給装置10を正面側から見た図である。
203は、錠剤シートを錠剤取出ユニット1に投入する投入口である。
次に、図3を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図3は、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図である。
図3は、錠剤取出ユニット1を正面側から見た図である。
なお、図3は、錠剤取出ユニット1が、2つ並んでいる図を示している。
錠剤取出ユニット1は、錠剤シート51を搬送する搬送機構と、搬送機構により搬送された錠剤シート51が載置される載置台と、載置台上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧して錠剤を取り出す押出し機構とを有している。
錠剤シート51は、錠剤を収容する錠剤収容部を有するシート本体の下面に、アルミニウム等からなる金属箔などを用いた封止シートを設けることによって錠剤が錠剤収容部に密封されたものである。
錠剤シート51は、シート部上に凸状の錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて2列に並んだ形態である。各列をなす複数の錠剤収容部は錠剤シート51の長さ方向に沿って並んでいる。
なお、錠剤シート51としては、シート部上に錠剤収容部が2列に並んだ形態のものに限らず、錠剤収容部が錠剤シート51の長さ方向に1列に並んだ形態や、錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて3列以上の複数列に並んだ形態も可能である。
ここで、さらに、図4を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図4は、錠剤取出ユニット1の内部構造(断面)を示す図である。
図4は、錠剤シートの投入口203にPTPシートをセットし、PTPシートを除包位置(錠剤の取出位置)まで搬送を行った際の図である。
錠剤取出ユニット1は、錠剤シートを搬送する錠剤シート搬送機構(搬送機構)と、錠剤シートが載置される載置台18と、錠剤シートから錠剤を取り出す錠剤取出機構(押出し機構)とを備えている。
39は、下部ローラである。
錠剤シート搬送機構は、錠剤シート51を進行方向に向け搬送するものであって、進行方向に互いに間隔をおいて設けられた下部ローラ39と、進行方向に互いに間隔をおいて設けられた上部ローラとを備えている。
搬送機構は、錠剤収容部の押圧を継続する前に載置台18上の押圧される位置から所定の距離だけ錠剤シート51をさらに搬送し、押出し機構が、錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)する。
下部ローラ39は、駆動源により回転駆動可能であり、PTPシート部の下面に当接して錠剤シート51に進行方法への力を加えることができる。
上部ローラは、駆動源により回転駆動可能であり、PTPシート部の上面に当接して錠剤シート51に進行方向への力を加えることができる。
上部ローラの幅方向の位置は、2列の錠剤収容部の間に相当する位置であるため、上部ローラは錠剤収容部52に当接することはない。
下部ローラ39と上部ローラは、錠剤シート部を上下から挟み込んで錠剤シートを進行方向に搬送できる。さらに、下部ローラ39と上部ローラは錠剤シート部を上下から挟み込んで錠剤シート51を進行方向とは逆の方向にも搬送できる。
24は、導入シュートである。
導入シュート24は、載置台の下面側に設けられており、錠剤シート51から取り出された錠剤を、後述する錠剤導入路401に導くものである。すなわち、導入シュート24は、載置台の下面側に排出口を有しており、錠剤シート51から取り出された錠剤はその排出口を通り、後述する錠剤導入路401に落ちていく。
なお、この導入シュート24は、錠剤取出しホッパーとも言う。
錠剤取出ユニット1は、載置台18上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧する速度を変更させる変更機構をさらに有している。
押出し機構は、より高速に変更された速度で錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)する。
押出し機構は、錠剤収容部の中央付近を押圧する内側押圧体83と、中央付近よりも外側の部分を押圧する外側押圧体84とを含んでいる。
内側押圧体83と外側押圧体84とが独立して動作することでPTPシートの錠剤収容部を押圧して、PTPシートから錠剤を取り出す。
押出し機構は、内側押圧体83よりも先に外側押圧体84により錠剤収容部を押圧させる。
内側押圧体83の先端は、ほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が狭いので、内側押圧体83は錠剤を取り出す場合(下降した場合)に、錠剤シートに開いた穴から先端が突き出る。
外側押圧体84の先端は、ほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が広いので、錠剤を取り出す場合(下降した場合)に、錠剤シート51に開いた穴から先端が突き出ない。つまり、錠剤シート51の錠剤収容部を押し潰すためのものである。
錠剤取出機構(押出し機構)は、外側押圧体84を昇降させる第1昇降機構と、内側押圧体83を昇降させる第2昇降機構とを有する。
第1昇降機構は、外側押圧体84が取り付けられた第1昇降体93と、回転駆動して第1昇降体93を昇降させるカム94と、第1昇降体93を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第1昇降体93は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に外側押圧体84が取り付けられている。カム94は、外側押圧体84の昇降動作を考慮して設計された形状の板状体であり、駆動機構によって回転駆動する軸部に固定されている。
カム94は、第1昇降体93の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第1昇降体93を押圧することによって高さ位置を調整し、これによって外側押圧体84の高さ位置を調整する(外側押圧体84の昇降動作を行う)ことができる。第1昇降機構は、カムの回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、外側押圧体84の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
第2昇降機構は、内側押圧体83が取り付けられた第2昇降体98と、回転駆動して第2昇降体98を昇降させるカム99と、第2昇降体98を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第2昇降体98は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に内側押圧体83が取り付けられている。カム99は、第2昇降体98の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第2昇降体98を押圧して高さ位置を調整し、これによって内側押圧体83の高さ位置を調整する(内側押圧体83の昇降動作を行う)ことができる。第2昇降機構は、カム99の回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、内側押圧体83の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
このため、カム94とカム99は、それぞれ第1昇降体と第2昇降体に対して互いに独立に動作可能であり、内側押圧体83と外側押圧体84は、互いに独立に昇降動作させることができる。
錠剤取出機構における2つのカムの回転動作のタイミング等は、錠剤位置検出機構の検出部からの信号に基づいて定めることができる。具体的には、検出された錠剤収容部の位置に合わせて内側押圧体83と外側押圧体84を動作させることができる。
錠剤取出ユニット1は、PTPシートの錠剤収容部の押圧をする前に、押圧される錠剤収容部の長さを検出する検出機構17をさらに有している。
錠剤供給装置は、検出した錠剤収容部の長さに基づいて所定の距離を算出する算出手段をさらに有している。
検出機構17は、押圧される錠剤収容部の長さを検出するとともに押圧される錠剤収容部の位置をさらに検知する。
錠剤供給装置10は、検知されたPTPシートの錠剤収容部の位置に基づいて、押圧される位置までの搬送距離を算出する算出手段をさらに有する。
搬送機構(下部ローラ39、上部ローラ)は、搬送距離により載置台18上の錠剤収容部が押圧される位置まで錠剤シートを搬送する。
搬送機構は、所定の距離だけ前方または後方に錠剤シート51を搬送する。
次に、図5を用いて、錠剤供給装置10の内部構造について説明する。
図5は、錠剤供給装置10の内部構造を示す図である。
なお、図5は、錠剤供給装置10を背面側(裏側)から見た図である。
204は、光学センサ(ビームセンサ)であり、落下物を検知するものである。除包された錠剤が導入シュート24内を落下する際、除包された錠剤がビームセンサ上を通過し、ビームセンサを遮光する。このビームセンサが遮光された状態をON状態とし、遮光されていない状態をOFF状態とする。このON/OFF状態を用いて落下物の有無の判定を行う。錠剤落下検出機構は、光学センサ204と落下錠剤カウンタとを有する。
錠剤供給装置10は、押圧により錠剤収容部から錠剤が取り出されたか否かを判定するべく、取り出された錠剤を検知する検知機構(光学センサ204)を有している。
押出し機構は、取り出された錠剤が検知されない場合には錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)し、取り出された錠剤が検知された場合には錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)しない。
401は、錠剤導入路である。
錠剤導入路401は、導入シュート24と導通しており、錠剤シートから取り出され落下した錠剤を導入シュート24から第1集積ホッパーに中継する。
次に、図6を用いて、錠剤供給ユニット400の内部構造について説明する。
図6は、錠剤供給ユニット400の内部構造を示す図である。
402は、第1集積ホッパーである。
第1集積ホッパー402は、錠剤取出ユニット1により、PTPシートから取り出された錠剤が導入シュート24を落下して通り、そして、導入シュート24から錠剤導入路401を通り、該錠剤が集積される部である。
すなわち、錠剤導入路401は、第1集積ホッパー402と直接、導通している。
501は、第2集積ホッパーである。第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402で集積された錠剤をさらに集積する。
すなわち、第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402と導通している。
そのため、第1集積ホッパー402に落ちてきた錠剤50は、第2集積ホッパー501に落ちて集積される。
502は、第1の送り出し機構である。第1の送り出し機構502は、第2集積ホッパーに集積された錠剤50を第3の集積ホッパーに移動させる。
503は、第3集積ホッパーである。第3集積ホッパー503は、第1の送り出し機構502により送り出(移動)された錠剤を集積する。
504は、第2の送り出し機構である。第2の送り出し機構504は、第3集積ホッパーに集積された錠剤をメインホッパー505に移動させる。
505は、メインホッパーである。メインホッパー505は、第2の送り出し機構504により送り出(移動)された錠剤(1回分)を集積し、包装シート(分包紙)の中に集積した錠剤を投入する。
ここで、第1集積ホッパーは、本発明の第1の供給部の適用例であり、第2集積ホッパーは、本発明の第2の供給部の適用例である。また、第1、第2、第3の集積ホッパーは、本発明の供給部の適用例である。また、供給部は、前記錠剤取出し装置から、重力方向に向けて配置されている。
次に、図7、図8を用いて、包装ユニット701の内部構造について説明する。
図7は、包装ユニット701の内部構造を示す図である。
図8は、図7に示す包装ユニット701の内部構造の一部(703、704、705)を拡大した図である。
包装ユニット701は、包装装置5内のユニットである。
702は、包装シートが連なるロール紙(分包紙がロール状になっている紙)を包装機構に送り出すロール紙送出機構である。
703は、メインホッパー505内に集積された錠剤(1回分の錠剤803)が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。
704は、メインホッパー505内に集積された錠剤が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。
すなわち、包装機構703と、包装機構704とで、包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する。
705は、連なるロール紙を1包毎の包装シート(1つの包み802)に分断するための分断用ミシン目801を包装シートに形成する。(分断機構)
706はプリンタであり、包装シートに、日付、患者データ、エラー情報を印字する(印字機構)。
図7、図8に示すように、包装ユニットにより、投薬1回分の錠剤が分包される。
次に、図9を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図9は、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図である。
901は、錠剤シートの投入口203のカバーである。
カバー901を開けることにより、錠剤シート51を投入口203に入れることが出来るようになる。
また、図9に示す24は、導入シュートであり、既に、図4などを用いて説明しているため、ここでは説明を省略する。
次に、図10を用いて、錠剤供給装置10について説明する。
図10は、錠剤供給装置10を正面から見た図である。
図10に示す1は、図1にも示している通り、錠剤取出ユニットである。
錠剤取出ユニット1で、PTPシートから取り出された錠剤は、導入シュート24を通り、そして、錠剤導入路401を通り、第1集積ホッパー402に落ちていく。
次に、図11を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニット400が備える各構成について説明する。
図11は、錠剤供給装置10を横(正面から見て右側)から見た図である。
図10でも説明したが、錠剤取出ユニット1で、PTPシートから取り出された錠剤は、導入シュート24、錠剤導入路を通り、第1集積ホッパー402内に落ちてくる。
そして、第1集積ホッパー402を通った錠剤は、第2集積ホッパー501を通り、第1の送り出し機構502に送られる。第1の送り出し機構は、第1の中継ユニットである。
そして、第1の送り出し機構502は、錠剤を第3集積ホッパー503に送り、第3集積ホッパー503は、第2の送り出し機構504に錠剤を送る。第2の送り出し機構504は、第2の中継ユニットである。
第2の送り出し機構504は、第2の送り出し機構504に送られた錠剤を、メインホッパー505に送る。
次に、図12を用いて、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤がどのように、導入シュート24、錠剤導入路401、第1集積ホッパー402を通るかについて説明する。
図12は、図10に示した錠剤供給装置10の一部を抜粋した図である。すなわち、図10に示す錠剤取出ユニット1を2段分削除した図が、図12である。
図12に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。
また、図12に示す通り、第1集積ホッパー402の左側の導管、及び真ん中の導管の幅は、直径が78mmである。
次に、図13を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニット400が備える各構成について説明する。
図13は、錠剤供給装置10の内部を横(正面から見て右側)から見た図である。
図13に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。
最上段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部1401までの距離は、約460mmであり、中段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部1401までの距離は、約265mmである。
また、第1集積ホッパー402の長さは、約362mmである。すなわち、最下段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第2集積ホッパー501までの距離は、約362mmである。
各段の錠剤取出ユニット1で、PTPシートから錠剤が取り出されると、錠剤は、導入シュート24を通り、導入シュート24の出口から、錠剤導入路401を通り、そして、第1集積ホッパー402に入り、第2集積ホッパー501に集積される。
この時、錠剤供給装置10全体の分包時間を短縮させることを考慮すると、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、まっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めることが考えられる。
しかしながら、最上段の錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、まっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めると、約876mmもあるため、錠剤が割れたり、欠けたりして破損してしまう可能性が高くなる。また、PTPシートから取り出される薬が、カプセルの場合は凹んだりして変形をしてしまう可能性が高くなる。
このように、本実施形態の錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1が複数積み上げられて使用できるようになっているため、特に最上段の錠剤取出ユニット1から錠剤が落下する場合には、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から第2集積ホッパーまでの距離が非常に長くなり、PTPシートから取り出される錠剤、又はカプセルが、破損してしまう可能性が高くなってしまう。
そこで、第1集積ホッパー402の上部に、分包時間を余りロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第1の傾斜部1401を設ける。すなわち、第1集積ホッパー402の上部の一部をオフセットさせる。
本実施の形態では、重力方向から約32°の傾斜を有する第1の傾斜部1401としている。
また、第2集積ホッパー501においても、第1集積ホッパー402から第2集積ホッパー501の下部にダイレクトに錠剤が到達しないように、第2集積ホッパー501も分包時間を余りロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第2の傾斜部1402を設けている。
本実施の形態においては、第2の傾斜部1402は、水平方向より約40°の傾斜としている。
ここで、第1の傾斜部1401、第2の傾斜部1402の角度は、例として、それぞれ、約32°、約40°としているが、落下してくる錠剤がバウントして(落下スピードを落として)、その後の経路に移動可能な角度(次の供給部に落下により供給可能な角度の傾斜)であれば、どのような角度であってもよい。
このように、第1集積ホッパー402に、第1の傾斜部1401を備え、第2集積ホッパー501に第2の傾斜部1402を備えることにより、錠剤取出ユニット1の導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、第2集積ホッパー501の下部までダイレクトに錠剤を落下させず、錠剤の落下向きを変えつつ錠剤が破損、変形しない程度のクッションを与えることができる。その結果、落下してくる錠剤が第2集積ホッパー501の下部に到達した時の衝撃を和らげることができ、錠剤が破損、変形する可能性を低減させることが出来るようになる。
第1の傾斜部は、錠剤取出し装置から落下してきた錠剤が接触する位置に設けられており、第2の傾斜部は、第1の傾斜部に接触した錠剤がさらに落下して接触する位置に設けられている。
また、第1の傾斜部1401、第2の傾斜部1402に、ゴムなどの、衝撃を吸収する材料(衝撃吸収材)を更に設けることにより、錠剤の衝撃をさらに抑えることが可能となる。
次に、図14を用いて錠剤幅検出装置(PTPシート幅検出センサー)を含む錠剤取り出し装置の構成について説明する。
図14は、PTPシートを錠剤投入口にセットした状態を上面から見た図である。
錠剤取り出し装置は、PTPシート幅検出センサーを備える左右の錠剤投入口壁を備え、PTPシートを錠剤シート投入口にセットされると、モーター駆動にて左右の錠剤投入口壁が内側に稼働(移動)する。左右の錠剤投入口壁は、単に、シートガイドとも言う。
この稼働と同期し、錠剤押出し部(内側押圧体83、外側押圧体84、第1昇降体93、第2昇降体98)も同時に内側に稼働(移動)する。
このシートガイドは、図14に示すように、錠剤シートの投入口の左右にそれぞれ設けられており、PTPシートの位置を整えるべく左右に移動可能である。
また、錠剤押出し部は、PTPシートに錠剤が封入されたポケットを押し出す機構である。
図15は、PTPシートを錠剤投入口にセットし、左右のPTPシート幅検出センサーにより、自動でPTPシートの幅を検出し、かつ、錠剤押出し部がそれに連動し、錠剤幅に対して4分の1の位置に自動調整された様子を上面から見た図である。
PTPシートの幅を左右のPTPシート検出センサーにて検知した後、一度1ミリメートルほど広げる動作を入れる。これは、新品のPTPシートによく見られる、PTPシートが内側に丸まっている状態でも、正確に除包できるようにする為の機構である。この内側に丸まったPTPシートはPTPシートが平らな状態よりもPTPシート幅を短く計測してしまう。
シート幅を短く計測してしまうと、搬送経路が狭くなり、PTPシートの搬送不良をおこしてしまう。これを解決する為に、PTPシート幅検出センサーにてシート幅を検出した後、1ミリメートル程度広げることで、どのようなシートであろうと、搬送経路をスムーズに搬送することが可能となる。
図16は、PTPシート検出センサーの初期状態を正面から見た図である。
PTPシート検出センサーにはアクチュエーター付フォトセンサーを使用する。そのセンサーを両側に配置し、PTPシートの幅検知を行う。モーター駆動にて左右の錠剤投入口壁が内側に稼働し、検出センサー部にPTPシートが触れるとセンサーがOFFになることで動作を停止させる。
図17は、PTPシート検出センサーがPTPシートに接し、停止した状態を正面から見た図である。図のように左右のセンサーが両方とも反応して初めて稼働が停止する。これは、PTPシートのセットの仕方により、PTPシートが右よりもしくは左よりにセットされた場合、左右どちらかのセンサーが先に反応しても、正確にPTPシート幅を検出為である。
図18は、錠剤押出し装置の初期状態を正面から見た図である。
錠剤シート投入口の左右の錠剤投入口壁と連動し、錠剤押出し部が稼働を行う。左右の錠剤押出し部は2本の軸で連結され、その各間にばねが取り付けられている。
このばねは、シートガイドの左右の移動に応じて、錠剤取出し部を左右に移動させる移動機構の一例である。
このばねは、シートガイドと錠剤押し出し部との間に設けられている。そのため、シートガイドの左右の移動に応じて生じるばねによる弾力により、錠剤取出し部を左右に移動させることができる。
また、このばねは、本発明の第1の弾性体の適用例であり、ばねだけではなく、ゴムなどの他の弾性体であってもよい。
また、図に示すように、錠剤取出し装置は、シートガイドが左右に移動することにより位置が整えられる錠剤シートの幅方向に対して中心の位置に配置された支持壁(固定されている壁)を備えている。
そして、この支持壁と錠剤取出し部との間にばねを備えている。この支持壁と、錠剤取出し部とを支点として、ばねが伸び縮みする。このばねは、本発明の第2の弾性体の適用例であり、ばねだけではなく、ゴムなどの他の弾性体であってもよい。
このように、シートガイドの左右の移動に応じて生じる、第1の弾性体による弾力、及び第2の弾性体による弾力により、錠剤取出し部を左右に移動することが可能となる。
図19は、錠剤押出し装置がPTPシートの幅に連動し、PTPシート幅に対して4分の1の位置に移動した状態を正面から見た図である。
左右の錠剤投入口壁と連動し、左右の錠剤押出し部が稼働する。この時、PTPシート幅に対して4分の1の位置に移動させる。これは、PTPシートの錠剤挿入ポケットの位置がPTPシートの幅に対して4分の1の位置であるPTPシートがほとんどである為である。
図20は、各種ノッチ形状のPTPシートに対応するべく、幅広な検出センサーブロックにて対応している状態を上面から見た図である。
PTPシートの中にはPTPシートの外周がノッチ形状のものが存在する。このノッチ形状が大きいものだと幅10ミリメートルにもなる。このような形状のPTPシートの幅を正確に測定する為には、このノッチ形状よりも幅広な検出装置が必要となる。本装置はこの検出部分に幅10ミリメートル以上のブロックを取付け(ここでは、幅12ミリメートルのブロックを取付け)、ノッチ形状のシートでもPTPシートの幅を正確に計測することが可能となる。
図21は、自動にてPTPシートの幅及び錠剤押出し位置を検出する為の動作を示したフローチャート図である。以下の処理は錠剤供給装置10を制御するCPUで行っている。
ステップS2101では、AUTOCLOSE動作開始要求の有無をチェックする。トリガーとなる動作は図29の2902に記載しているスイッチ2902が押された場合、または本体からAUTOCLOSE動作コマンドが発行された場合のいずれかとなる。AUTOCLOSE動作要求があった場合、ステップS2102へ遷移し、そうでない場合、AUTOCLOSE動作要求があるまで待機する。
ステップS2102では、2つのPTPシート幅検出センサーの状態(ONか否か)をチェックし、
PTPシートが2つのセンサーに接触していればPTPシート幅を検出したと認識し、
ステップS2103へ、そうでなければPTPシート幅を検出する為、ステップS2114へ遷移する。
ステップS2103では、錠剤投入口壁を広げる為、所定の移動距離(所定の幅)をセットする。
ステップS2104では、ステップS2103で設定した距離だけ錠剤投入口壁を広げる為、モーターを回転させる。
ステップS2105では、現在の錠剤投入口壁の幅を取得する。
ステップS2106では、ステップS2105で取得したデータから錠剤投入口壁が広がった距離をチェック(判定)し、ステップS2103でセットした距離分広がった場合、ステップS2107へ、そうでなければステップS2105へ遷移する。
ステップS2107では、モーターを停止し、動作を終了する。
このように、シートガイドは、投入口の左右にそれぞれ設けられたシートガイドの間の幅が、センサーにより検出された錠剤シートの幅に所定の幅が加算された幅になるように、左右に移動する。
ステップS2108では、錠剤投入口壁の所定のリミット幅をセットする。
ステップS2109では、PTPシート幅を検出する為、錠剤投入口壁を狭めるようモーターを回転させる。
ステップS2110では、現在の錠剤投入口壁の幅を取得する。
ステップS2111では、ステップS2110で取得したデータから錠剤投入口壁のリミット幅になったかチェック(判定)する。リミット幅になった場合、PTPシートがないと認識し、ステップS2107へ、そうでなければ、ステップS2112へ遷移する。
ステップS2112では、ステップS2102と同様の処理を行い、PTPシート幅が検出できた場合、ステップS2113へ、そうでなければステップS2110へ遷移する。
ステップS2113では、PTPシート幅が検出できた為、モーターを停止させる。
このように、記シートガイドは、錠剤シートの幅を検出するセンサー(シート幅検出センサ)を備えており、シートガイドは、投入口の左右にそれぞれ設けられたシートガイドの間の幅が、該センサーにより検出された錠剤シートの幅になるように、左右に移動する。
ステップS2114では、モーターを停止してから所定時間経過したか否かを判定し、所定時間経過したと判定された場合には、ステップS2103へ遷移する。
ステップS2102からステップS2114の動作で、以下の点を行うことができる。
・PTPシート幅の検出
・積み重なったPTPシートの整列
・図18の錠剤押出し部の位置を、PTPシート幅の1/4の位置に合わせる
・開口部(投入口203)の幅をPTPシート幅に合わせる
図22は、薬剤の情報を設定する薬品マスタ画面である。薬品マスタ画面は、図26薬品マスタのデータベースファイルを読み込み表示する。
図22の2201は、薬品リストである。図26薬品マスタに登録されている薬品の一覧を表示している。
図22の2202は、保存ボタンである。薬品リスト2201に入力された内容を、図26薬品マスタに書き込む処理を実行して、画面を閉じる。
図22の2203は、薬品のシート幅サイズの列である。実際のシート幅サイズを入力することにより、シートガイド動作を行うための設定値である。また、0を設定した場合、シートガイド動作は行わない意味となる。ここでは例として、バファリン配合錠A330のシート幅サイズとして、50.00を入力した図である。
図23は、ユニット画面である。処方を入力する際、図28メイン画面の処方編集ボタン2801をクリックすることにより表示され、錠剤取出しユニット(以下、単にユニットとも言う)の動作を設定する画面である。
図23の2301は、ユニットボタンである。クリックして、選択ONの状態にすると、選択したユニットNoのユニットを分包動作時に動作させることができる。
図23の2302は、ユニットタブである。クリックすると、ユニット画面を表示する。
図23の2303は、薬品の選択ボタンである。ユニットボタン2301で選択ONしたユニットに対して、薬品を設定することができる。
図23の2304は、ユニット一覧である。錠剤供給装置に搭載されたユニットと同じ配置で、ユニットNoごとにユニットボタン2301を配列上に表示している。
図24は、薬品の選択画面である。図23ユニット画面の薬品の選択ボタン2303をクリックすることにより、表示される画面である。
図24の2401は、薬品名またはバーコード入力欄である。図では、「バファ」と入力して、検索リスト2403に表示している。
図24の2402は、OKボタンである。検索リスト2403(薬品リスト)等で選択された薬品を決定して、画面を閉じる。
図24の2403は、検索リストである。薬品名またはバーコード入力欄2401で入力された文字が、薬品に存在する検索を行い、リストで表示する。図では、「バファ」という文字が存在する薬品名の一覧を表示している図である。
図25は、図24薬品の選択画面でOKボタン2402をクリックした際の、シートガイド動作のフローチャートである。
図25のステップS2501は、図24で決定された薬品が、図26薬品マスタに登録されているかの判定処理である。検索は、決定した薬品の薬品Noをキーとして、図26薬品マスタの薬品No2601を検索する。登録されている場合、ステップS2502へ遷移する。未登録であれば、シートガイド動作をせずに処理を終了する。
図25のステップS2502は、ステップS2501で検索された薬品情報である、シート幅サイズ2603を取得する処理である。ステップS2503へ遷移する。
図25のステップS2503は、ステップS2502で取得したシート幅サイズ2603の値を判定する処理である。シート幅サイズ2603が0より大きい場合は、ステップS2504へ遷移する。サイズが0の場合は、シートガイド動作をせずに処理を終了する。
図25のステップS2504は、取得したシート幅サイズ2603の値を、制御コマンドとともに、錠剤供給装置付薬剤包装装置(分包システム)へ送信する。
図26は、薬品マスタのデータベースファイルの内容である。1つの薬剤に対して1行の情報を持つことが出来き、複数の薬剤の設定を登録することが出来る。
図26の2601は、薬品Noである。登録されている薬剤を1つ1つ管理するための番号である。値は重複しない。値は1以上の値を設定する。
図26の2602は、販売名(PTPシートの名称)である。
図26の2603は、シート幅サイズである。実際のシート幅の値が設定される。また、シート幅が不明の薬品に関して、0を設定しておき、シートガイド動作を処理する際、動作を行わないようにすることができる。
図27は、本発明の実施形態におけるプログラムの機能ブロック構成を示す図である。
図27の2701は、錠剤供給装置付薬剤分包機2712等を制御するための制御コンピュータ(情報処理装置)である。
図27の2702は、薬剤情報のデータベースのマスタである。マスタへの入力は、図22の薬品マスタ画面で行う。
図27の2703は、制御コンピュータが任意のタイミングで、錠剤供給装置付薬剤分包機2712に対して命令を要求したい場合に実行される処理部である。
図27の2704は、錠剤供給装置付薬剤分包機2712の通信コマンド処理部2711より、遅くても最大200mSecごとに、状態問い合わせ等のコマンドが、制御コンピュータ2701の通信コマンド処理部2704へ送信され、常に互いの情報がやり取りされている。この時、送信バッファ部2705に制御コマンドが存在した場合、任意のタイミングで通信コマンド処理部2704より通信コマンド処理部2711へ、送信バッファ部2705の制御コマンドの内容を送信する。
図27の2705は、制御コマンド送信部2703から送られてくる制御コマンドを、一時的に保存する領域である。
図27の2811は、錠剤供給装置付薬剤分包機2712の電源が、ONされることによりアクティブ状態となり、通信コマンド処理部2704に対して通信コマンドの入出力を行う。
図27の2712は、錠剤供給装置付薬剤分包機(分包システム)である。
図28は、制御コンピュータが起動されると、表示されるメイン画面である。
図28の2801は、処方編集ボタンである。図23ユニット画面を表示するためのボタンである。
図28の2802は、ツールメニューである。ツールメニュー内には、図22薬品マスタ画面等を表示するための項目が存在している。
一連の流れを、具体的な実施例を元に説明する。
制御コンピュータが起動すると、図28メイン画面が表示される。
事前準備として、シートガイドの動作を行うために、シート幅サイズを設定する必要がある。ここでは、例としてバファリン配合錠A330(薬品No19372)という薬品を使用した例を説明する。
図28のツールメニュー2802より、図22薬品マスタ画面を表示する。薬品リスト2201より、バファリン配合錠A330を探して、シート幅サイズ2203に、実際のシート幅の50.00を入力する。
次に、保存ボタン2202をクリックして、薬品マスタへ保存して画面を閉じる。この時、図26薬品マスタのシート幅サイズ2603に50.00を保存する。これにより、事前準備が完了となる。
図28メイン画面に戻り、患者名などの基本的な内容を入力する。
次に、基本的な処方内容の用法や包数等の入力を行うため、処方編集ボタン2801をクリックして、処方編集画面を表示させる。
処方編集画面で用法や包数等の入力が終わったら、ユニットタブ2302をクリックして図23ユニット画面を表示させる。ユニットNo12301をクリックして、選択を有効にする。
続いて、薬品の選択ボタン2303をクリックして、図24薬品の選択画面を表示させる。
薬品名またはバーコード入力欄2401に、「バファ」と入力すると、検索リスト2403に「バファ」を含んだ薬品名(販売名)の一覧が表示される。
検索リスト2403より、バファリン配合錠A330(図24では、薬品No19372)をクリックして、薬品の選択を決定する。
OKボタン2402をクリックして、図24薬品の選択画面を閉じる。
この時、図25の処理が実行される。
ステップS2501では、図26薬品マスタに、上記で選択したバファリン配合錠A330の薬品が登録されているかを判定している。この場合、バファリン配合錠A330の薬品No19372が、薬品No2601に存在していたため、ステップS2502へ遷移する。
ステップS2502では、図26薬品マスタより、前処理で選択したバファリン配合錠A330の薬品情報内のシート幅サイズの50.00を取得する。ステップS2503へ遷移する。
ステップS2503では、取得したシート幅サイズの50.00が0より大きいため、ステップS2504へ遷移する。
ステップS2504では、シートガイドの動作コマンド内に、先ほど取得したシート幅サイズを含めた制御コマンドを、薬剤供給装置付薬剤分包機へ送信する。
制御コマンドを受信した薬剤供給装置付薬剤分包機は、制御コマンドを解釈して、ユニットNo1のシートガイドの動作を50.00mmに合わせる動作を行う。
これにより、実際のシート幅にあったシートガイド動作を行うことにより、自動でシートガイドの幅を調整することが可能となる。
このように、錠剤取出し装置は、錠剤シートの幅を記憶する記憶手段を備え、シートガイドは、投入口の左右にそれぞれ設けられたシートガイドの間の幅が、記憶手段に記憶された錠剤シートの幅になるように、左右に移動する。
また、シートガイドは、投入口の左右にそれぞれ設けられたシートガイドの間の幅が、記憶手段に記憶された錠剤シートの幅に所定の幅が加算された幅になるように、左右に移動する。
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
図29は、除包ユニット(錠剤取出し装置)を正面から見た図である。
図29のスイッチ2901では錠剤投入口壁を狭める動作を行うスイッチである。
図29のスイッチ2902では図21のフローチャートで説明した動作を行うスイッチである。
図29のスイッチ2903では錠剤投入口壁を広げる動作を行うスイッチである。
図30は、本発明の実施形態における各種端末のハードウェア構成を示す図である。
先に、図27の制御コンピュータ2701と、図1包装装置と錠剤供給装置の関係を説明すると、図27の制御コンピュータ2701内には、図27のように構成された印字プログラムソフトが組み込まれており、図1包装装置と錠剤供給装置と通信ケーブルで接続されている。
CPU3001は、システムバス3004に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
また、ROM3002あるいは外部メモリ3011には、CPU3001の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM3003は、CPU3001の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
CPU3001は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM3003にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、入力コントローラ(入力C)3005は、キーボード3009や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
ビデオコントローラ(VC)3006は、CRTディスプレイ(CRT)3010等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。本発明には直接関係があるものではない。
メモリコントローラ(MC)3007は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標 FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュメモリ等の外部メモリ3011へのアクセスを制御する。
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)3008は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
なお、CPU3001は、例えばRAM3003内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT3010上での表示を可能としている。また、CPU3001は、CRT3010上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
本発明を実現するための印字ソフトプログラムは外部メモリ3011に記録されており、必要に応じてRAM3003にロードされることによりCPU3001によって実行されるものである。さらに、本発明に係わる印字ソフトプログラムが用いる図27の薬品マスタ保存部2702は外部メモリ3011に格納されている。
図31は、錠剤取出しユニットを後方から見た図である。
図31に示すように、シートガイドの左右の移動に応じて、錠剤取出し部を左右に移動させる移動機構は、シートガイドと錠剤押し出し部との間にばね(第1の弾性体)を備えており、支持壁と錠剤取出し部との間にばね(第2の弾性体)を備えている。そのため、移動機構は、シートガイドの左右の移動に応じて生じる、ばね(第1の弾性体)による弾力、及びばね(第2の弾性体)による弾力により、錠剤取出し部を左右に移動することができる。
次に、図32から図35を用いて、錠剤取出し装置のPTPシート検出センサーの形状について説明する。
図32は、除包ユニット(錠剤取出し装置)を正面から見た図である。
PTPシート検出センサーにはアクチュエーター付フォトセンサーを使用する。また、アクチュエーター部には各種ノッチ形状のPTPシートに対応できる幅広な曲線形状の検出センサーブロック(幅検出センサーブロック)が取り付けられている。それらのセンサーを両側の錠剤投入口壁に配置し、各種PTPシートの幅検出を行う。
図33は、PTPシート検出センサーのブロック形状を説明するための、除包ユニット(錠剤取出し装置)を正面から見た図である。
図33の(a)、(b)に示すように、幅検出センサーブロック(PTPシート幅検出センサーブロックとも言う)のPTPシート接触面は曲線形状になっている。
これは、PTPシートが内側に丸まっている状態でも、正確に除包(錠剤の取出し)できるようにするために、このような形状にしている。
図33の(b)に示すように、PTPシートが内側に丸まっている場合、PTPシートの両端面が、PTPシートの中央の平らな面よりも上方向に持ち上がってしまう。
そのため、PTPシートの両端面が上方向に持ち上がることで、例えば、曲線形状になっていない平らなPTPシート検出センサー(PTPシート幅検出センサーブロックとも言う)を用いて、PTPシートの幅をPTPシートの平面の垂直方向から計測する場合、平らなPTPシートよりも幅が狭く計測されてしまう。
PTPシートが丸まった状態でPTPシート幅検出センサー(PTPシート幅検出センサーブロックとも言う)にてPTPシートの幅を検出すると、平らなPTPシートよりも、PTPシート幅を狭く検出してしまう。
その結果、PTPシート幅を狭く計測してしまうと、搬送経路が狭くなり、PTPシートの搬送不良をおこしてしまうおそれがある。さらに、錠剤の押し出し部を適切な位置に調整し配置することが困難となってしまい、錠剤の取出しに失敗してしまう可能性が高くなってしまう。
このような課題を解消するために、幅検出センサーブロック(PTPシート幅検出センサーブロックとも言う)のPTPシート接触面を曲線形状にする。
すなわち、図33の(b)や図35などに示すように、PTPシート幅検出センサーブロックを、錠剤シートが積み重なる上方向に向かうに従って、前記センサー間の幅が狭くなる曲線の形状にする。
PTPシート検出センサーブロック(PTPシート幅検出センサーブロックとも言う)のPTPシート接触面は上方向にいくにしたがって、PTPシート検出センサーブロック(PTPシート幅検出センサーブロックとも言う)間の幅が狭くなる曲線形状となっている。
上方向にしたがって幅が狭くなる曲線形状にすることで、PTPシート検出ブロック(PTPシート幅検出センサーブロック)の下部でPTPシート両端を検出する時(例:平らなシート)よりも、PTPシート検出ブロック(PTPシート幅検出センサーブロック)の上部でPTPシート両端を検出した時(例:丸まったシート)の方が、センサー検知が早くなる。
センサー検知を早めることで、PTPシートのまるまった度合が可変しても、常に、平らなPTPシートと同様の位置にて丸まったPTPシートを検出することが可能となる。
図34は、平らなPTPシートをPTPシート検出センサー(PTPシート幅検出センサーブロック)にて検出した状態の除包ユニット(錠剤取出し装置)を正面から見た図である。
平らなPTPシートはPTPシート検出センサーブロックにてPTPシート本来の幅を正確に計測する。
図35は、丸まったPTPシートを投入口にセットして、PTPシート検出センサー(PTPシート幅検出センサーブロック)にて検出した状態の除包ユニット(錠剤取出し装置)を正面から見た図である。
図35に示すように、丸まったPTPシートの両端面は、平らなPTPシートよりも、PTPシート検出ブロックの上部に接触する。
丸まったPTPシートが上部に接触すると、PTPシートが平らになっている状態よりも幅を狭く検出するが、PTPシート検出ブロック(PTPシート幅検出センサーブロック)が上方向にいくにしたがって、幅が狭くなるような曲線形状にすることで、PTPシート検出ブロックの下部でPTPシート両端を検出する時よりも、早く検出することができる。丸まったPTPシートを平らなPTPシートよりも早く検出できる為、錠剤投入壁の幅が狭くなることを防ぎ、搬送経路が狭くなることで起こる、PTPシートの搬送不良をなくすことができる。さらに、錠剤の押し出し部を適切な位置に調整し配置することができ、錠剤の取出しの失敗を低減させることが可能となる。
以上、本実施形態によれば、PTPシートの整列を自動で行い、かつ、錠剤押出し装置の位置が各PTPシートの錠剤ポケットの中心にくるように押出し位置を自動調整することができる。
すなわち、PTPシートをPTPシート投入口にセットして、錠剤取出し動作の開始指示を行うだけで、作業者が手動にてPTPシートの幅調整を行う必要はなく、自動でPTPシートから錠剤を取り出すことができる。
また、PTPシートの幅を自動で検出する為に、PTPシート投入口の両側の壁に幅検出用のセンサー(PTPシート幅検出センサーブロック)を搭載し、その両側の壁をモーター駆動にて自動で動かし、両側のセンサーがPTPシートに接した時に、自動で停止することで、PTPシートを自動的に整列させることができるようになる。
また、その両側の壁が動くことに伴い、錠剤押出し部も連動して、適切な押出し位置に調整されるため、ユーザによる操作を軽減させることが可能となる。
上述した本発明の実施形態を構成する各手段及び各ステップは、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。装置が読み取り実行可能なこのプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、一又は複数の機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム又は装置に直接、又は遠隔から供給する。そして、そのシステム又は装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。更に、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
更に、その他の方法として、まず記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。