以下、図面を用いて、本発明の錠剤供給システム(図1)について説明する。
<図1の説明>
まず、図1について説明する。
図1は、包装装置5と錠剤供給装置10を含む錠剤供給システム(分包システム)を示す図である。包装装置は、薬剤分包機、分包機ともいう。また、錠剤供給装置10は、錠剤取出し装置ともいう。
図1は、錠剤供給装置10、及び錠剤供給装置10から供給された錠剤を包装する包装装置5を含む錠剤供給システムを示す図である。
1は、錠剤取出ユニットであり、錠剤シートから錠剤を取り出すユニットである。
錠剤シートは、一般的にPTPシートと呼ばれており、錠剤シートのことをPTPシートとも言う。
図1の3は、排出ポケット(廃棄ボックス)であり、錠剤取り出し装置から排出されたPTPシートが集合する部分である。装置前面で開口しており、排出されたPTPシートを容易に取り出すことができる。
図1の4は錠剤投入口カバーであり、錠剤投入部のカバーである。錠剤投入口に埃や異物が入らないようにする為に、ヒンジ部によって、包装装置の上面に取り付けられており、開閉可能となっている。このカバーの下には錠剤投入口があり、使用者が手で錠剤を投入して、1回飲用分ずつに分包することが可能である。
錠剤供給装置10には複数の錠剤取出ユニット1が収納されている。錠剤取出ユニット1は、幅方向(左右方向)に6つが並べられ、この6つの錠剤取出ユニット1からなる組が上下に3段に配置されている。すなわち、錠剤取出ユニット1は、左右6列、上下3段に配列されている。
錠剤供給装置10は複数の錠剤取出ユニット1を備えているが、錠剤取出ユニット1の数は1でもよい。
5は、包装装置であり、錠剤供給装置10の錠剤取出ユニット1から供給された錠剤を包装する装置である。
103は、散薬投入部であり、分包される散薬が投入される部である。また、散薬投入部103に投入された散薬を投薬1回分に分けられて、分けられた1回分の散薬を後述するメインホッパー505に入れられ、1回分ずつに分包される。
10は、錠剤供給装置であり、1または複数の錠剤取出ユニット1と、錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を供給する錠剤供給ユニット400とを備えている。
錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1により錠剤シート(PTPシート)から錠剤を取り出して、錠剤供給ユニット400の供給経路を経て、包装装置5に供給する。錠剤供給装置10は、図1に示す通り、複数の錠剤取出ユニット1を備えている。
錠剤供給装置10は、1又は複数の錠剤を、それぞれ錠剤収容部に封入された錠剤シート(PTPシート)から錠剤を取り出して供給する。
<図2の説明>
次に、図2を用いて、錠剤供給装置10について説明する。図2は、錠剤供給装置10を示す図であり、錠剤供給装置10を正面側から見た図である。
203は、錠剤シートを錠剤取出ユニット1に投入する投入口である。
<図3の説明>
次に、図3を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図3は、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図であり、錠剤取出ユニット1を正面側から見た図である。なお、図3は、錠剤取出ユニット1が、2つ並んでいる図を示している。
錠剤取出ユニット1は、錠剤シート51を搬送する搬送機構と、搬送機構により搬送された錠剤シート51が載置される載置台と、載置台上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧して錠剤を取り出す押出し機構とを有している。
錠剤シート51は、錠剤を収容する錠剤収容部を有するシート本体の下面に、アルミニウム等からなる金属箔などを用いた封止シートを設けることによって錠剤が錠剤収容部に密封されたものである。
錠剤シート51は、シート部上に凸状の錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて2列に並んだ形態である。各列をなす複数の錠剤収容部は錠剤シート51の長さ方向に沿って並んでいる。
<図4の説明>
ここで、さらに、図4を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図4は、錠剤取出ユニット1の内部構造(断面)を示す図であり、錠剤シートの投入口203にPTPシートをセットし、PTPシートを除包位置(錠剤の取出位置)まで搬送を行った際の図である。
錠剤取出ユニット1は、錠剤シートを搬送する錠剤シート搬送機構(搬送機構)と、錠剤シートが載置される載置台18と、錠剤シートから錠剤を取り出す錠剤取出機構(押出し機構)とを備えている。
39は、下部ローラである。
錠剤シート搬送機構は、錠剤シート51を進行方向に向け搬送するものであって、進行方向に互いに間隔をおいて設けられた下部ローラ39と、進行方向に互いに間隔をおいて設けられた上部ローラとを備えている。
搬送機構は、錠剤収容部の押圧を継続する前に載置台18上の押圧される位置から所定の距離だけ錠剤シート51をさらに搬送し、押出し機構が、錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)する。
下部ローラ39は、駆動源により回転駆動可能であり、PTPシート部の下面に当接して錠剤シート51に進行方法への力を加えることができる。
上部ローラは、駆動源により回転駆動可能であり、PTPシート部の上面に当接して錠剤シート51に進行方向への力を加えることができる。
上部ローラの幅方向の位置は、2列の錠剤収容部の間に相当する位置であるため、上部ローラは錠剤収容部52に当接することはない。
下部ローラ39と上部ローラは、錠剤シート部を上下から挟み込んで錠剤シートを進行方向に搬送できる。さらに、下部ローラ39と上部ローラは錠剤シート部を上下から挟み込んで錠剤シート51を進行方向とは逆の方向にも搬送できる。
24は、導入シュートである。
導入シュート24は、載置台の下面側に設けられており、錠剤シート51から取り出された錠剤を、後述する錠剤導入路401に導くものである。すなわち、導入シュート24は、載置台の下面側に排出口を有しており、錠剤シート51から取り出された錠剤はその排出口を通り、後述する錠剤導入路401に落ちていく。
なお、この導入シュート24は、錠剤取出しホッパーとも言う。また、導入シュート24は、本発明における、傾斜部を有し、前記錠剤取出し手段で取り出された錠剤を通過させる経路部の一例である。
錠剤取出ユニット1は、載置台18上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧する速度を変更させる変更機構をさらに有している。
押出し機構は、より高速に変更された速度で錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)する。
押出し機構は、錠剤収容部の中央付近を押圧する内側押圧体83(中央押圧手段とも言う)と、中央付近よりも外側の部分を押圧する外部押圧体84(外側押圧手段とも言う)とを含んでいる。外部押圧体84は、本発明における、錠剤シートの収容部を押圧する押圧部の押圧動作により、当該収容部に収容された錠剤を取り出す錠剤取出し手段の一例である。
内側押圧体83と外部押圧体84とが独立して動作することでPTPシートの錠剤収容部を押圧して、PTPシートから錠剤を取り出す。
押出し機構は、内側押圧体83よりも先に外部押圧体84により錠剤収容部を押圧させる。
内側押圧体83の先端は、ほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が狭いので、内側押圧体83は錠剤を取り出す場合(下降した場合)に、錠剤シートに開いた穴から先端が突き出る。
外部押圧体84の先端は、ほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が広いので、錠剤を取り出す場合(下降した場合)に、錠剤シート51に開いた穴から先端が突き出ない。つまり、錠剤シート51の錠剤収容部を押し潰すためのものである。
錠剤取出機構(押出し機構)は、外部押圧体84を昇降させる第1昇降機構と、内側押圧体83を昇降させる第2昇降機構とを有する。
第1昇降機構は、外部押圧体84が取り付けられた第1昇降体93と、回転駆動して第1昇降体93を昇降させるカム94と、第1昇降体93を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第1昇降体93は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に外部押圧体84が取り付けられている。カム94は、外部押圧体84の昇降動作を考慮して設計された形状の板状体であり、駆動機構によって回転駆動する軸部に固定されている。
カム94は、第1昇降体93の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第1昇降体93を押圧することによって高さ位置を調整し、これによって外部押圧体84の高さ位置を調整する(外部押圧体84の昇降動作を行う)ことができる。第1昇降機構は、カムの回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、外部押圧体84の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
第2昇降機構は、内側押圧体83が取り付けられた第2昇降体98と、回転駆動して第2昇降体98を昇降させるカム99と、第2昇降体98を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第2昇降体98は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に内側押圧体83が取り付けられている。カム99は、第2昇降体98の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第2昇降体98を押圧して高さ位置を調整し、これによって内側押圧体83の高さ位置を調整する(内側押圧体83の昇降動作を行う)ことができる。第2昇降機構は、カム99の回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、内側押圧体83の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
このため、カム94とカム99は、それぞれ第1昇降体と第2昇降体に対して互いに独立に動作可能であり、内側押圧体83と外部押圧体84は、互いに独立に昇降動作させることができる。
錠剤取出機構における2つのカムの回転動作のタイミング等は、錠剤位置検出機構の検出部からの信号に基づいて定めることができる。具体的には、検出された錠剤収容部の位置に合わせて内側押圧体83と外部押圧体84を動作させることができる。
錠剤取出ユニット1は、PTPシートの錠剤収容部の押圧をする前に、押圧される錠剤収容部の長さを検出する検出機構17をさらに有している。
錠剤供給装置10は、検出した錠剤収容部の長さに基づいて所定の距離を算出する算出手段をさらに有している。
検出機構17は、押圧される錠剤収容部の長さを検出するとともに押圧される錠剤収容部の位置をさらに検知する。
錠剤供給装置10は、検知されたPTPシートの錠剤収容部の位置に基づいて、押圧される位置までの搬送距離を算出する算出手段をさらに有する。
搬送機構(下部ローラ39、上部ローラ)は、搬送距離により載置台18上の錠剤収容部が押圧される位置まで錠剤シートを搬送する。
搬送機構は、所定の距離だけ前方または後方に錠剤シート51を搬送する。
<図5の説明>
次に、図5を用いて、錠剤供給装置10の内部構造について説明する。
図5は、錠剤供給装置10の内部構造を示す図である。
なお、図5は、錠剤供給装置10を背面側(裏側)から見た図である。
204は、光学センサ(ビームセンサ)であり、落下物を検知するものである。除包された錠剤が導入シュート24内を落下する際、除包された錠剤がビームセンサ上を通過し、ビームセンサを遮光する。このビームセンサが遮光された状態をON状態とし、遮光されていない状態をOFF状態とする。このON/OFF状態を用いて落下物の有無の判定を行う。錠剤落下検出機構は、光学センサ204と落下錠剤カウンタとを有する。
錠剤供給装置10は、押圧により錠剤収容部から錠剤が取り出されたか否かを判定するべく、取り出された錠剤を検知する検知機構(光学センサ204)を有している。
押出し機構は、取り出された錠剤が検知されない場合には錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)し、取り出された錠剤が検知された場合には錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)しない。
401は、錠剤導入路である。
錠剤導入路401は、導入シュート24と導通しており、錠剤シートから取り出され落下した錠剤を導入シュート24から第1集積ホッパーに中継する。
<図6の説明>
次に、図6を用いて、包装ユニット701の内部構造について説明する。
図6は、包装ユニット701の内部構造を示す図である。
505は、メインホッパーである。メインホッパー505は、錠剤取出ユニット1により取り出され、錠剤導入路401を通過した錠剤(1回分)を集積し、包装シート(分包紙)の中に集積した錠剤を投入する。
包装ユニット701は、包装装置5内のユニットである。
702は、包装シートが連なるロール紙(分包紙がロール状になっている紙)を包装機構に送り出すロール紙送出機構である。
703は、メインホッパー505内に集積された錠剤(1回分の錠剤)が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。
704は、メインホッパー505内に集積された錠剤が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。
すなわち、包装機構703と、包装機構704とで、包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する。
705は、連なるロール紙を1包毎の包装シートに分断するための分断用ミシン目を包装シートに形成する。(分断機構)
706はプリンタであり、包装シートに、日付、患者データ、エラー情報を印字する(印字機構)。
本実施形態のプリンタは、カラー印字が出来ない。また、本実施形態の薬剤供給装置には、線引き装置は備えられていない。
図6に示すように、包装ユニットにより、投薬1回分の錠剤が分包される。
<図7の説明>
次に、図7を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニット400が備える各構成について説明する。
図7は、錠剤供給装置10の内部を横(正面から見て右側)から見た図である。
図7に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。
402は、第1集積ホッパーである。
第1集積ホッパー402は、錠剤取出ユニット1により、PTPシートから取り出された錠剤が導入シュート24を落下して通り、そして、導入シュート24から錠剤導入路401を通り、該錠剤が集積される部である。
すなわち、錠剤導入路401は、第1集積ホッパー402と直接、導通している。
501は、第2集積ホッパーである。第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402で集積された錠剤をさらに集積する。
すなわち、第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402と導通している。
そのため、第1集積ホッパー402に落ちてきた錠剤50は、第2集積ホッパー501に落ちて集積される。
502は、第1の送り出し機構である。第1の送り出し機構502は、第2集積ホッパーに集積された錠剤50を第3の集積ホッパーに移動させる。
503は、第3集積ホッパーである。第3集積ホッパー503は、第1の送り出し機構502により送り出(移動)された錠剤を集積する。
504は、第2の送り出し機構である。第2の送り出し機構504は、第3集積ホッパーに集積された錠剤をメインホッパー505に移動させる。
最上段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部1401までの距離は、約460mmであり、中段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部1401までの距離は、約265mmである。
また、第1集積ホッパー402の長さは、約362mmである。すなわち、最下段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第2集積ホッパー501までの距離は、約362mmである。
各段の錠剤取出ユニット1で、PTPシートから錠剤が取り出されると、錠剤は、導入シュート24を通り、導入シュート24の出口から、錠剤導入路401を通り、そして、第1集積ホッパー402に入り、第2集積ホッパー501に集積される。
この時、錠剤供給装置10全体の分包時間を短縮させることを考慮すると、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、まっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めることが考えられる。
しかしながら、最上段の錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、まっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めると、約876mmもあるため、錠剤が割れたり、欠けたりして破損してしまう可能性が高くなる。また、PTPシートから取り出される薬が、カプセルの場合は凹んだりして変形をしてしまう可能性が高くなる。
このように、本実施形態の錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1が複数積み上げられて使用できるようになっているため、特に最上段の錠剤取出ユニット1から錠剤が落下する場合には、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から第2集積ホッパーまでの距離が非常に長くなり、PTPシートから取り出される錠剤、又はカプセルが、破損してしまう可能性が高くなってしまう。
そこで、第1集積ホッパー402の上部に、分包時間を余りロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第1の傾斜部1401を設ける。すなわち、第1集積ホッパー402の上部の一部をオフセットさせる。
本実施の形態では、重力方向から約32°の傾斜を有する第1の傾斜部1401としている。
また、第2集積ホッパー501においても、第1集積ホッパー402から第2集積ホッパー501の下部にダイレクトに錠剤が到達しないように、第2集積ホッパー501も分包時間を余りロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第2の傾斜部1402を設けている。
本実施の形態においては、第2の傾斜部1402は、水平方向より約40°の傾斜としている。
ここで、第1の傾斜部1401、第2の傾斜部1402の角度は、例として、それぞれ、約32°、約40°としているが、落下してくる錠剤がバウントして(落下スピードを落として)、その後の経路に移動可能な角度(次の供給部に落下により供給可能な角度の傾斜)であれば、どのような角度であってもよい。
このように、第1集積ホッパー402に、第1の傾斜部1401を備え、第2集積ホッパー501に第2の傾斜部1402を備えることにより、錠剤取出ユニット1の導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、第2集積ホッパー501の下部までダイレクトに錠剤を落下させず、錠剤の落下向きを変えつつ錠剤が破損、変形しない程度のクッションを与えることができる。その結果、落下してくる錠剤が第2集積ホッパー501の下部に到達した時の衝撃を和らげることができ、錠剤が破損、変形する可能性を低減させることが出来るようになる。
第1の傾斜部は、錠剤取出し装置から落下してきた錠剤が接触する位置に設けられており、第2の傾斜部は、第1の傾斜部に接触した錠剤がさらに落下して接触する位置に設けられている。
また、第1の傾斜部1401、第2の傾斜部1402に、ゴムなどの、衝撃を吸収する材料(衝撃吸収材)を更に設けることにより、錠剤の衝撃をさらに抑えることが可能となる。
<図8の説明>
図8は従来の導入シュートの内部が分かるようにした簡略断面図である。また、図8は、錠剤50が導入シュート24の中で、錠剤50に帯電した静電気の影響により導入シュート24に吸着している状態を示している。
錠剤収容部52(a)は錠剤が取り出された空の錠剤収容部を示し、錠剤収容部52(b)は錠剤が入っている錠剤収容部を示している。
錠剤シート51の錠剤収容部52から取り出された錠剤50は、導入シュート24に入る。導入シュート24内には、光学センサ(ビームセンサ)204(図5)が設けられており、除包された錠剤が導入シュート24内を落下する際、除包された錠剤がビームセンサ上を通過し、ビームセンサを遮光する。このビームセンサが遮光された状態をON状態とし、遮光されていない状態をOFF状態とする。このON/OFF状態を検出して落下物の有無の判定を行う。光学センサ(ビームセンサ)204による信号の検出は、導入シュート24の外部に取り付けられた光学センサ基板(後述する図9の光学センサ基板1413)により処理される。錠剤シート51から取り出され、導入シュート24内を落下する錠剤は導入シュート24の錠剤出口1412から出て、錠剤導入路401に落ちていく。
しかしながら、図8に示すように、従来の錠剤取出し装置では、錠剤50に帯電した静電気の影響により、錠剤50が導入シュート24に吸着することがあった。
錠剤50に帯電した静電気の影響によって、錠剤50が導入シュート24に吸着することにより、主に次の3つの問題が生じていた。
1つ目の問題は、錠剤取り出しのリトライ動作時間の無駄が生じるという問題である。
図8のように、導入シュート24に吸着している錠剤50の位置が、導入シュート24に備えられている光学センサ204の上流側の位置である場合に、光学センサ204は導入シュートの途中に設けられているため、取り出された錠剤50が光学センサ204を通過しない場合に、錠剤供給装置10の制御部は、錠剤の取り出しに失敗しているのか、そもそも錠剤50が錠剤シート51から取り出されていないのかを判断することができないため、錠剤シート51から錠剤50の取り出しに成功しているにも関わらず、錠剤供給装置10の制御部(後述する図15)は、錠剤50の取り出しに失敗している、つまり錠剤50を錠剤シート51から取り出せていないと判断する。
すると、錠剤供給装置10の制御部は、外部押圧体84と内部押圧体83により錠剤を取り出そうとして、図8の場合、すでに錠剤が取り出されている空の錠剤収容部52(a)をある一定回数繰り返し押圧する(以下、リトライ動作と呼ぶ)ため、不必要な錠剤取り出しのリトライ動作時間が生じる恐れがあった。
なお、この錠剤取出しのリトライ動作中、吸着している錠剤50にかかる重力が静電気による吸着力に勝って、錠剤50が導入シュート24を下っていけば、光学センサ204が反応し、錠剤取り出しのリトライ動作は終了し、次の錠剤収容部より錠剤を取り出す動作に移る。また、一定回数の錠剤取り出しリトライ動作を終えても、錠剤50が吸着状態を保持し、錠剤50が導入シュートを下っていかない場合も、錠剤供給装置10の制御部は、外部押圧体84と内部押圧体83による現在取り出そうとしている錠剤の取り出しを諦め、次の錠剤収容部(例えば、錠剤収容部52(b))より錠剤を取り出す動作に移る。
2つ目の問題は、錠剤供給装置10の制御部が、錠剤過多エラーを検出する可能性があるという問題である。
通常の錠剤の取り出しにおいて、光学センサ204は、錠剤を1錠ずつ検出する。
しかし、導入シュート24に吸着している錠剤50が、一定回数の錠剤取出リトライ動作を終えても、吸着状態を保持し導入シュートを下っていかず、錠剤供給装置10の制御部が、外部押圧体84と内部押圧体83により次の錠剤収容部(例えば、図8の場合、錠剤収容部52(b))から錠剤を取り出す動作に移った場合に、錠剤収容部52(b)より取り出された錠剤が、錠剤が導入シュート24を下っていく時に、導入シュート24に吸着している錠剤50にぶつかり、その衝撃により錠剤50の吸着が解放されると、吸着が解放された錠剤50と、錠剤収容部52(b)から取り出された錠剤とが、導入シュート24内を滑り落ち、光学センサ204が2錠の落下を検出してしまう。
すると、錠剤供給装置10の制御部は、1回の錠剤取出し動作で1錠しか錠剤を検出しないはずなのに、2錠検出したということで、錠剤過多エラーと判断し、分包作業がストップしてしまい、分包作業に遅れが生じる恐れがあった。
3つ目の問題は、錠剤供給装置10の制御部が、誤落下エラーを検出するという問題である。
導入シュート24に吸着している錠剤50が、次の錠剤収容部から取り出された錠剤の衝突を免れて、錠剤導入シュート24に吸着した状態が続いても、導入シュート24に吸着している錠剤50は、あるタイミングで吸着が解放され、落下し、光学センサ204に反応する時が必ず発生する。
このタイミングが、錠剤取り出しユニット1で錠剤取り出し動作を行っていない時であると、光学センサ204が意図していないタイミングで錠剤を検出するので、錠剤供給装置10の制御部は、「誤落下エラー」を検出することになる。その結果、分包のやり直しが発生してしまうこともあり、分包のやり直しの手間と時間が発生し、やはり分包作業の効率化を妨げてしまうという問題が生じる恐れがあった。
以上が、従来の錠剤取出し装置で、錠剤50が導入シュート24に吸着することにより生じる恐れがあった3つの問題である。
そこで、上記のような問題の発生を低減させる本発明の仕組みについて、図9〜図19を用いて説明する。
<図9の説明>
図9は、本発明の実施形態における、導入シュート24の簡略斜視図である。
導入シュート24は錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤50が落下してくる錠剤入口1411近辺に導入シュートフランジ1414(振動受け部ともいう)を備えている。
本実施形態においては、導入シュートフランジ1414の横方向の長さは、約30mmである。そして、導入シュートフランジ1414の前後方向の幅は、約20mmとした。
<図10の説明>
図10は、本発明の第1の実施形態における、導入シュート24と外部押圧体84と内部押圧体83の位置関係を示す簡略背面図(錠剤取り出しユニット1を背面側(裏側)から見た図)である。
図10の1521は弾性体(接続部とも言う)で、載置台18と載置台18に吊り下げられている導入シュート24の間に挟まれている。本実施形態では1つの導入シュートに対して4個の弾性体が備えられている。弾性体1521を備えることにより、載置台18に直接導入シュート24を取り付けている場合に比べて、加振アーム1611によって振動が加わった場合、導入シュート24が揺動しやすい。また、加振が終了しても弾性体1521がある為に、導入シュート24の揺動はすぐに停止しない。
更に、弾性体1521があることにより、導入シュート24と載置台18を直接連結させた場合に比べて、載置台18が揺れる可能性を低減させることができ、しいては、錠剤シート51から錠剤を取出す位置がずれる可能性を低減できる。なお、加振アーム1611の動作の詳細については、後述する図11で説明する。
図10に示すように、カム94が第1昇降体93を押圧していないときの外部押圧体84の底面から錠剤シート51表面までの距離(図10の1001)は15mmである。なお、カム99が第2昇降体98を押圧していないときの内部押圧体83の底面から錠剤シート51表面までの距離も同じである。
これは、錠剤シート51を搬送する際に、各押圧体に錠剤シート51の錠剤収容部がひっかからないように、錠剤ポケットのおおよその高さ(10mm)よりも高くしている。
また、加振アーム1611の底面から導入シュートフランジ1414表面までの距離(図10の1002)もカム94が第1昇降体93を押圧していないときの外部押圧体84の底面から錠剤シート51表面までの距離と同じく15mmである。
これは、外部押圧体84が錠剤シート51の錠剤収容部を押圧すべく、15mm分外部押圧体84が重力方向に動いたときに、外部押圧体84と連結する加振アーム1611が丁度導入シュートフランジ1414を叩くことができるように、外部押圧体84の底面から錠剤シート51表面までの距離と、加振アーム1611の底面から導入シュートフランジ1414表面までの距離とを略同一の距離となるようにしている。
本発明の実施形態において、弾性体1521の材質は、耐候性、耐オゾン性、耐熱性、耐薬品性など平均した性質を持ち、加工も容易であるクロロプレンゴムであるが、他の実施例として、天然ゴムやシリコンゴム等のゴムでもよい。
図10に示すとおり、導入シュート24の傾斜角は24℃であり、材質はステンレスである。このような傾斜角と材質の導入シュート24では、錠剤50が導入シュート24に張り付くということが生じやすい。
<図11の説明>
図11は、本発明の第1の実施形態における導入シュート24と外部押圧体84と内部押圧体83の位置関係を示す簡略斜視図である。
図11の1611は加振アームである。加振アーム1611は、外部押圧体84と連結されていて、外部押圧体84が動作するとそれに追従して動作する。加振アーム1611と、後述する加振アーム1211は、本発明における、錠剤取出し手段による前記押圧動作と連動して動作し、当該錠剤取出し手段で取り出された錠剤が通過する経路部を振動させる振動手段の一例である。
より具体的には、錠剤の取り出しを行う時、外部押圧体84と内部押圧体83が上下に動作し錠剤収容部52を押圧する。この時、加振アーム1611は外部押圧体84に追従して上下に動作するので、錠剤取り出し動作を行っている間、加振アーム1611の先端は導入シュートフランジ1414を叩き、導入シュート24に振動を加えることが出来る。
このように、外部押圧体84の動作に連動して動作する加振アーム1611を備えることにより、別途導入シュート24を振動させるためだけの機構(振動素子や振動モータ等)を設ける必要がなくなるため、コストの低減につながる。また、導入シュート24を振動させるためだけの機構を動作させるための電力も必要なくなるため、電力の削減にもつながる。
さらに、錠剤取り出し動作を行っている間だけ、導入シュート24に振動を加えることにより、錠剤導入シュート24に付着した錠剤の欠片が舞い上がり、錠剤供給装置10の内部を汚す可能性を軽減できる。
また、内部押圧体83と、外部押圧体84は、様々な錠剤シートの錠剤収容部を押圧する為に、錠剤シートの幅に合わせて左右方向に移動可能となっており、錠剤シートの幅に合わせて外部押圧体84が左右に移動すると、追従して加振アーム1611も左右に移動するため、導入シュートフランジの長さは、加振アーム1611が横方向に最大限移動しても、導入シュート24に加振が可能となるような長さにしている。
本実施形態においては、導入シュートフランジ1414の横方向の長さは、約30mmである。そして、導入シュートフランジ1414の前後方向の幅は、約20mmとした。
ここで、内部押圧体83、外部押圧体84、加振アーム1611の動作について説明する。なお、内部押圧体83、外部押圧体84、加振アーム1611の動作(錠剤取り出し動作)を制御する処理については、後ほど図14を用いて説明する。
まず、錠剤シート51から錠剤を取り出す為に、内部押圧体83と外部押圧体84は動作を開始し、錠剤収容部を押圧する。この時加振アーム1611も追従し動作を開始し、導入シュート24に振動を加え始める。
内部押圧体83と外部押圧体84による押圧動作は、錠剤収容部から取り出された錠剤が導入シュート24の錠剤入口1411から導入シュート24を通過することで、導入シュート24内の光学センサ(ビームセンサ)204がON状態となるまで、継続する。
つまり、錠剤シート51から取り出された錠剤50が、導入シュート24内へ落下中や導入シュート24内を滑落中、内部押圧体83と外部押圧体84、加振アーム1611も動作中であり、従って、加振アーム1611によって振動させられる導入シュート24も揺動(振動)している状態である。
そして、導入シュート24が揺動しているので、静電気が帯電している錠剤であっても導入シュート内に吸着し難くなっている。
しかしながら静電気の帯電により、導入シュート内に吸着し、光学センサを通過することが出来ない場合も稀にある。
そのような場合でも、先に述べたように、加振アーム1611は外部押圧体84の動作中必ず動作しているので、外部押圧体84と内部押圧体83が錠剤のリトライ取出し動作中、導入シュート24は常に揺動している。従って、たとえ錠剤が導入シュートに吸着しても、従来の錠剤取出し装置に比べて短時間で吸着が解消される。これにより、錠剤の取出に成功しているにも関わらず失敗していると判断し、錠剤取り出しのリトライ動作を繰り返す無駄な時間を減少させることが出来る。
そして、光学センサが反応するまで一定回数リトライ取り出し動作を続け、その間加振アーム1611により導入シュート24を振動させることで、導入シュート24に吸着した錠剤を落下させるので、吸着が開放されないまま次の錠剤を取り出す作業を開始し、意図しないタイミングで錠剤の吸着が解放されることに起因する「錠剤過多エラー」「誤落下エラー」の発生を減少させ、分包をやり直す作業も減少させることが出来る。
また、外部押圧体84と内部押圧体83が錠剤のリトライ取出し動作中に、加振アーム1611により導入シュート24も振動させるため、取り出しに失敗して錠剤シート51内に錠剤が残っている場合であっても、導入シュート24に錠剤が吸着している場合であっても対応できる。つまり、錠剤供給装置10の制御部が、錠剤の取り出しに失敗しているのか、そもそも錠剤50が錠剤シート51から取り出されていないのかを判断して、それに応じた対応をそれぞれ行う必要がない。
<図12・図13の説明>
図12は、導入シュートと外部押圧体と内部押圧体の位置関係を示す簡略斜視図であり、導入シュートフランジと加振アームの変形例である(第2の実施形態)。また、図13は、第2の実施形態における、導入シュートと外部押圧体と内部押圧体の位置関係を示す簡略側面図である。
第2の実施形態では、図12や図13に示すとおり、導入シュートフランジ1213に穴や切り込みを入れ、加振アーム1211の先端にフランジ1212を設ける。そして、導入シュートフランジ1213の穴や切り込みに加振アーム1211を挿し込むことで、加振アーム1211で導入シュート24を吊り下げ、カム94が第1昇降体を押圧していないときに、外部押圧体84と一緒に加振アーム1211が重力方向と反対方向に動くことにより導入シュート24を揺動させることができる。加振アーム1211が重力方向と反対方向に動くときには、必然的に、外部押圧体84も重力方向と反対方向に動いている、つまりは、外部押圧体84により取り出された錠剤50が丁度錠剤導入シュート24に落下しているタイミングで、導入シュート24に振動を与えることが可能となる。そのため、錠剤50が、導入シュート24に吸着しにくくすることが可能となる。
<図14の説明>
図14は、錠剤シート51に格納されている錠剤を取り出す処理を説明する図である。
なお、加振アームが動作するのは、S1403、S1406、S1410、S1413のタイミングである。図14の各ステップの処理は、錠剤供給装置10の制御部により実行される。
S1401では、光学センサ204が錠剤取出しユニット1毎に検知した総合計の錠剤数のカウント更新データを、制御部(図15)が記憶部にデータ管理することで、錠剤供給装置10による所定数(錠剤取出しユニット1に指定された錠剤数)の除包動作が完了したか否かを判断する。除包動作が完了したと制御部が判断した場合には除包処理を終了し(S1401−Yes)、錠剤シート51を排出ユニットに排出する。一方、S1401の判定で、除包動作が完了していないと制御部が判断した場合には、S1402に処理を進める。
S1402では、錠剤取出しユニット1が、左列右列同時に錠剤シート51を前進移動させて、除包位置に錠剤ポケットの左右の1列分が位置合わせされるように錠剤シート51の搬送を行う。搬送処理中に、錠剤取出しユニット1の計測部が錠剤シート51上のポケット(錠剤が封入されているポケット)の大きさの計測を行い、S1403に処理を進める。
S1403では、錠剤取出しユニット1が左列の除包動作(通常時)を行う。この動作は錠剤シート51から1錠毎の錠剤を取り出すために必ず行うものであり、動作後にS1404に進む。
ここで、S1403の処理を、より詳細に説明する。S1403では、まず、外部押圧体84により、PTPシートの錠剤収容部を押圧し、錠剤収容部を押しつぶした後、次に、内部押圧体83により、PTPシートの錠剤収容部を押圧することで錠剤を取り出す。ここまでが、1回の除包動作である。
そのため、内部押圧体83によりPTPシートの錠剤収容部から錠剤が取り出される場合が多いが、外部押圧体84によりPTPシートの錠剤収容部を押圧したタイミングで、錠剤収容部から錠剤が取り出されることもある。
S1404では、錠剤供給装置10の制御部(図15)は、S1403の結果により、1個の錠剤を光学センサ204が検知(取り出し成功)できたか否かを判断する。所定の時間内に錠剤ポケットから錠剤の取り出しが成功したと判断した場合には(S1404−Yes)、錠剤取出しユニット1において取り出された錠剤数の合計を管理するカウント更新データを1個分インクリメントし、S1409に進む。所定の時間内に取り出しが成功しないと判断した場合には(S1404−No)、錠剤供給装置10の記憶部でリトライ回数を管理するカウントデータを1回目とし、S1404−1に処理を進める。
S1404−1は、錠剤供給装置10の制御部が錠剤取出しユニット1による錠剤シート51の押し出し位置の変更を行う際の処理ステップである。
錠剤供給装置10の制御部は、S1402の処理中に測定したポケットの大きさをもとに、錠剤取出しユニット1により、S1402と異なる除包位置に錠剤シート51を移動した後にS1406で説明するリトライ時の除包動作を再度実行することから、この搬送をリトライ搬送と定義する。
S1405で、錠剤供給装置10の制御部は、記憶部で管理されているリトライ回数が錠剤供給装置10に設定されている最大リトライ回数未満か否かを判定しており、最大取出し回数未満の場合(S1405−Yes)、S1406に進む。一方、S1405の判定で、リトライ回数が最大取出し回数に達している場合(S1405−No)、錠剤シート51の左列のポケットからの錠剤取出し動作を停止し、S1409に処理を進める。
S1406では、錠剤取出しユニット1の内部押圧体83によってPTPシートの左列の除包動作(リトライ時)を行う。この除包動作は、S1403における通常時の除包動作を行っても、なお錠剤の取り出しが成功しなかった場合に、S1403で除包動作を行ったPTPシートの錠剤収容部から再度除包動作を行うものである。なお、本実施例では、リトライ除包を内部押圧体83により行うとしたが、他の実施例として、外部押圧体84によりリトライ除包を行っても良い。
S1406では、内部押圧体83による錠剤収容部の押圧位置を、1403において内部押圧体83で押圧した位置と異なる位置にして再度除包動作を実行することから、この除包動作をリトライ除包と定義する(リトライ除包は、リトライ取り出し動作とも言う)。リトライ除包した後にS1407に進む。
なお、後述する第3、第4の実施形態におけるリトライ除包においては、先にも述べたように加振アームも内部押圧体83に連動して動くため、たとえ錠剤が導入シュートに吸着しても、加振アームによって発生する導入シュート24の振動により従来の錠剤取出し装置に比べて短時間で吸着が解消される。
また、他の実施例として、リトライ除包を外部押圧体84により行う場合においても、第1、第2の実施形態の構成にすることで、加振アーム1611、1211が外部押圧体84と連動して動くため、たとえ錠剤が導入シュート24に吸着しても、加振アーム1611、1211によって発生する導入シュート24の振動により従来の錠剤取出し装置に比べて短時間で吸着が解消される。
S1407では、錠剤供給装置10の制御部(図15)は、S1406の結果により、1個の錠剤を光学センサ204が検知(取り出し成功)できたか否かを判断する。所定の時間内に錠剤ポケットから錠剤の取り出しが成功したと判断した場合に(S1407−Yes)、錠剤取出しユニット1において取り出された錠剤数の合計を管理するカウント更新データを1個分インクリメントし、S1409に進む。所定の時間内に取り出しが成功しないと判断した場合(S1407−No)には、錠剤供給装置10の記憶部でリトライ回数を管理するカウントデータを1回分更新し、S1408に進む。
S1408では、S1404−1と同様に、錠剤供給装置10の制御部が錠剤取出しユニット1による錠剤シート51の押し出し位置の変更を行う際の処理ステップである。錠剤取出しユニット1は錠剤シート51を異なる除包位置(前進または後退)に搬送移動した後に、S1405に処理を戻す。以下、S1405以降同様の処理を行う。
S1409では、光学センサ204が錠剤取出しユニット1毎に検知した総合計の錠剤数のカウント更新データを制御部が記憶部にて管理することで、錠剤供給装置10の制御部は所定数(錠剤取出しユニットに指定された錠剤数)と比較して、除包動作が完了したか否かを判断する。S1409の判定で、除包動作が完了していないと判断した場合(S1409−No)、S1410に進む。一方、S1409の判定で、除包動作が完了したと判断した場合(S1409−Yes)、除包処理を終了し、錠剤シート51を排出ユニットに排出する。
S1410では、錠剤取出しユニット1が右列の除包動作(通常時)を行う。この動作は錠剤シート51から1錠毎の錠剤を取り出すために必ず行うものであり、除包動作後にS1411に進む。
S1410もS1403と同様に、まず、外部押圧体84により、PTPシートの錠剤収容部を押圧し、錠剤収容部を押しつぶした後、次に、内部押圧体83により、PTPシートの錠剤収容部を押圧することで錠剤を取り出す。
S1411では、錠剤供給装置10の制御部は、S1410の結果により、1個の錠剤を光学センサ204が検知(取り出し成功)できたか否かを判断する。所定の時間内に錠剤ポケットから錠剤の取り出しが成功したと判断した場合には(S1411−Yes)、錠剤取出しユニット1において取り出された錠剤数の合計を管理するカウント更新データを1個分インクリメントし、S1401に進む。所定の時間内に取り出しが成功しないと判断した場合には(S1411−No)、錠剤供給装置10の記憶部でリトライ回数を管理するカウントデータを1回目とし、S1411−1に進む。
S1411−1は、錠剤供給装置10の制御部が錠剤取出しユニット1による錠剤シート51の押し出し位置の変更を行う際の処理ステップである。
錠剤供給装置10の制御部は、S1402の処理中に測定したポケットの大きさをもとに、錠剤取出しユニット1により、S1410と異なる除包位置に錠剤シート51を移動した後にS1413で説明するリトライ時の除包動作を再度実行することから、この搬送をリトライ搬送と定義する。
S1412で、錠剤供給装置10の制御部は、記憶部で管理されているリトライ回数が錠剤供給装置10に設定されている最大リトライ回数未満か否かを判定しており、最大取出し回数未満の場合(S1412−Yes)、S1413に進む。S1412の判定で、リトライ回数が最大取出し回数に達している場合(S1412−No)、制御部は、右列のポケットからの錠剤取出し動作を停止し、S1401に進む。
S1413では、錠剤取出しユニット1の内部押圧体83によってPTPシートの右列の除包動作(リトライ時)を行う際の処理ステップである。この除包動作はS1410における通常時の除包動作を行っても、なお錠剤の取り出しが成功しなかった場合にS1410で除包動作を行ったPTPシートの錠剤収容部から再度除包動作行うものである。なお、本実施例では、リトライ除包を内部押圧体83により行うとしたが、他の実施例として、外部押圧体84によりリトライ除包を行っても良い。
S1413では、内部押圧体83による錠剤収容部の押圧位置を、S1410において内部押圧体83で押圧した位置と異なる位置にして再度除包動作を実行することから、この除包動作をリトライ除包と定義する(リトライ除包は、リトライ取り出し動作とも言う)。リトライ除包した後に、S1414に進む。
なお、後述する第3、第4の実施形態におけるリトライ除包においては、先にも述べたように加振アームも内部押圧体83に連動して動くため、たとえ錠剤が導入シュートに吸着しても、加振アームによって発生する導入シュート24の振動により従来の錠剤取出し装置に比べて短時間で吸着が解消される。
また、他の実施例として、リトライ除包を外部押圧体84により行う場合においても、第1、第2の実施形態の構成にすることで、加振アーム1611、1211が外部押圧体84と連動して動くため、たとえ錠剤が導入シュート24に吸着しても、加振アーム1611、1211によって発生する導入シュート24の振動により従来の錠剤取出し装置に比べて短時間で吸着が解消される。
S1414では、錠剤供給装置10の制御部(図15)は、S1413の結果により、1個の錠剤を光学センサ204が検知(取り出し成功)できたか否かを判断する。所定の時間内に錠剤ポケットから錠剤の取り出しが成功したと判断した場合に(S1414−Yes)、錠剤取出しユニット1において取り出された錠剤数の合計を管理するカウント更新データを1個分インクリメントし、S1401に進む。所定の時間内に取り出しが成功しないと判断した場合(S1414−No)には、錠剤供給装置10の記憶部でリトライ回数を管理するカウントデータを1回分更新し、S1415に進む。
S1415では、S1411−1と同様に、錠剤供給装置10の制御部が錠剤取出しユニット1が押し出し位置の変更を行う際の処理を実行する。錠剤取出しユニット1は錠剤シート51を異なる除包位置(前進または後退)に搬送移動した後に、S1412に処理を進める。以下、S1412以降同様の処理を行う。
以上の処理を所定数の錠剤が除包されるまで繰り返す。
<図15の説明>
図15は、本実施形態において制御を実行するための錠剤供給装置10の制御部のハードウエア構成を例示した図である。コンピュータ(CPU201)は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ2511には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ2511からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
入力コントローラ205は、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。ビデオコントローラ206は、表示部2510への表示を制御する。なお、表示部2510はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。また表示部は指やペン等にてユーザが表示画面内の対象位置を指定するタッチパネル機能を含むものであってもよい。
メモリコントローラ207は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ2511へのアクセスを制御する。
通信I/Fコントローラ208は、ネットワーク(通信回線)2を介して外部装置と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
本実施形態を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ2511に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられるデータファイル及びデータテーブル、データベースも、外部メモリ2511または記憶部に格納されている。また、プログラムは、フローチャートの処理を制御部が実行可能なプグラムであり、記憶部はフローチャートの処理方法を実行可能なプログラムを記憶している。
<図16の説明>
図16は、本発明の第3の実施形態における導入シュート24と外部押圧体84と内部押圧体83の位置関係を示す簡略斜視図である。
本発明の第1の実施形態と異なる点は、加振アーム1611が、外部押圧体84ではなく内部押圧体83と連結されていて、内部押圧体83が動作するとそれに追従して加振アーム1611が動作する点である。
なお、本発明の第2の実施形態のように、加振アーム1211により導入シュートフランジ1213を持ち上げることで、導入シュート24を振動させる構造においても、図16と同様に、加振アーム1211を、外部押圧体84ではなく内部押圧体83と連結させることにより、内部押圧体83の動作に追従して加振アーム1211を動作させることが可能である。
<図17の説明>
図17は、本発明の第4の実施形態における導入シュート24と外部押圧体84と内部押圧体83の位置関係を示す簡略斜視図である。
本発明の第1や、第3の実施形態と異なる点は、加振アーム1611が、外部押圧体84や内部押圧体83のどちらか一方と連結しているのではなく、内部押圧体83と外部押圧体84のそれぞれと連結されていて、内部押圧体83や外部押圧体84が動作すると、それぞれに連結する加振アーム1611がそれに追従して動作する点である。
なお、本発明の第2の実施形態のように、加振アーム1211により導入シュートフランジ1213を持ち上げることで、導入シュート24を振動させる構造においても、図17と同様に、加振アーム1211を、内部押圧体83と外部押圧体84にそれぞれ連結させることにより、内部押圧体83や外部押圧体84が動作すると、それに追従して、それぞれに連結する加振アーム1211を動作させることが可能である。
以上、ここまで、第1〜第4の実施形態について説明したが、加振アーム1611(1211)を外部押圧体84と連結させるか、内部押圧体83と連結させるか、それとも外部押圧体84と内部押圧体83それぞれ連結させるかは、ユーザがどれくらいの頻度で導入シュート24を振動させたいかにより決定することが望ましい。
具体的には、可能な限り多く導入シュート24を振動させたい場合には、第4の実施形態のように外部押圧体84と内部押圧体83それぞれと加振アーム1611(1211)を連結させた構成にし、あまり導入シュート24を振動させたくない場合には、第1〜第3の実施形態の構成の中で、リトライ除包を行わない方の押圧体と加振アーム1611(1211)を連結した構成にし、適度に導入シュート24を振動させたい場合には、第1〜第3の実施形態のうち、リトライ除包を行う方の押圧体と加振アーム1611(1211)を連結した構成にすれば良い。
<図18の説明>
図18は、本発明の第5の実施形態における導入シュート24と外部押圧体84と内部押圧体83の位置関係を示す簡略斜視図である。
本発明の第1〜第4の実施形態と異なる点は、加振アーム1611が、外部押圧体84や内部押圧体83と連結していない点である。
第5の実施形態では、第1昇降体93を押圧するカム94を錠剤取出しユニット1の外側に大きくすることにより、第1昇降体93と加振アーム1611の両方をひとつのカム94によって押圧することが可能となる。
これにより、第1〜第4の実施形態のように各押圧体と加振アームを連結する部品が必要なくなるため、製品のコスト削減を実現することが出来る。
<図19の説明>
ここで、図19を用いて第1、第2〜第5の実施形態における、加振アーム1611の構造について説明する。
図19は、第1、第2〜第5の実施形態における、加振アーム1611の構造について示す図である。
加振アーム1611は、重力方向に関して下部となる先端に、ポリアセタノール、またはゴムの部品が取り付けられている。これにより、加振アーム1611が、導入シュートフランジ1414を叩くときの音を軽減することが可能となる。
なお、第2の実施形態のように、導入シュートフランジ1213を加振アーム1211で持ち上げる構造にする場合には、フランジ1212をポリアセタノール、またはゴムにすることにより、加振アーム1211が、導入シュートフランジ1414を持ち上げるときの、フランジ1212と導入シュートフランジ1213との接触音を軽減することが可能となる。
また、導入シュートフランジ1414、1213も加振アームと同様に、少なくとも加振アーム(1611、1211)と接する部分の材質は、ポリアセタノール、またはゴムであることが好ましい。
なぜなら、導入シュートフランジ1414の、少なくとも加振アーム(1611、1211)と接する部分の材質を、ポリアセタノール、またはゴムにすることにより、加振アーム1611が導入シュートフランジ1414を叩くときの音や、加振アーム1611が、導入シュートフランジ1414を持ち上げるときの、フランジ1212と導入シュートフランジ1213との接触音を軽減することが可能となる。
以上、本発明によると、錠剤取出し手段による押圧動作と連動してPTPシートから取り出された錠剤を通過させる経路に対して、振動を与えることにより、当該経路で止まった錠剤を的確なタイミングで落下させることが可能な仕組みを提供することができる。