以下、図面を参照して、本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
本実施形態に係る錠剤供給装置10は、錠剤シート51から錠剤を取り出して、錠剤を包装する包装装置5に錠剤を供給する。錠剤供給装置10は、錠剤シートから取り出された錠剤を、錠剤供給装置10の内部に設けられた導入路を介して落下させて集積する集積部(例えば、錠剤導入路に連結された第1集積ホッパー401、第2集積ホッパー402)を備える。
以下、図面を用いて、本発明の錠剤供給システム(図1)について説明する。
図1は、供給された錠剤を包装する包装装置5と錠剤を取り出して包装装置5(以下、分包装置とも称する)に供給する錠剤供給装置10(以下、錠剤取出装置とも称する)と、手撒き投入部102と、散薬投入部103を含む錠剤供給システム200(以下、錠剤取出システムとも称する)を示す図である。錠剤供給装置10には、複数の錠剤取出ユニット1が搭載されており、この錠剤取出ユニット1により錠剤シートから錠剤が取り出される。このような錠剤取出ユニット1は、情報処理装置300や包装装置5に設けられたタッチパネル式のディスプレイ101等から分包条件を入力されることで、錠剤の取出動作を行うことができる。
次に、図2を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図2は、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図である。なお、図2は、錠剤取出ユニット1が2つ並んで配置されている例を示している。
錠剤取出ユニット1は、錠剤収容部510が重力方向に関して上側に来るような状態で複数の錠剤シート51を積層させて投入可能な投入口203(錠剤シート保持部)と、後述する錠剤シート51を搬送する搬送機構16と、後述する搬送機構16により搬送された錠剤シート51が載置される載置台と、載置台上の錠剤シート51の錠剤収容部の側から押圧して錠剤を取り出す押出し機構(本発明における取出手段の一例)とを有している。すなわち載置台上が除包位置(取出位置)として用いられる。錠剤シート51は、錠剤を収容する錠剤収容部510を有するシート本体の下面に、アルミニウム等からなる金属箔などを用いた封止シートを設けることによって錠剤が錠剤収容部に密封されている。さらに錠剤シート51は、シート部上に凸状の錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて2列に並んだ形態である。各列をなす複数の錠剤収容部は錠剤シート51の長さ方向に沿って並んでいる。
なお、錠剤シート51としては、シート部上に錠剤収容部が2列に並んだ形態のものに限らず、錠剤収容部が錠剤シート51の長さ方向に1列に並んだ形態や、錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて3列以上の複数列に並んだ形態も可能である。
ここで、錠剤取出ユニットは、本発明の錠剤取出し手段の適用例であり、錠剤シートの錠剤収容部から錠剤を取り出す動作を行う。
ここで、図3を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。図3は、錠剤取出ユニット1の内部構造(断面)を示す図であり、錠剤取出ユニット1を右側面から見た図である。具体的には投入口203にセットされた錠剤シートを、錠剤の除包位置(錠剤の取出位置)まで搬送を行った際の図である。
錠剤取出ユニット1は、錠剤シートが載置される載置台18を備えている。
39は、下部ローラである。下部ローラ39は、進行方向に沿って互いに間隔をおいて複数設けられている。
また、下部ローラ39は、駆動源(不図示)により回転駆動可能であり、錠剤シート部の重力方向に関して下面側に当接して錠剤シート51に進行方法への力を加えることができる。
24は、導入シュートである。導入シュート24は、載置台の下面側に設けられており、錠剤シート51から取り出された錠剤を、後述する錠剤導入路601に導くものである。すなわち、導入シュート24は、載置台の下面側に排出口(錠剤落下口701とも呼ぶ)を有しており、錠剤シート51から取り出された錠剤はその排出口を通り、後述する錠剤導入路601に落ちていく。なお、この導入シュート24は、錠剤取出ホッパーとも言う。
錠剤取出ユニット1は、載置台18上に錠剤シート51を搭載した状態で、押出し機構で錠剤を押し出すことで錠剤の取出動作を行う。
また、錠剤取出ユニット1は、載置台18上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧する速度を変更させる変更機構をさらに有している。そして錠剤取出ユニットの所定の動作で錠剤が取り出せなかった場合には、押出し機構の押出し速度を通常の速度より高速に変更して錠剤収容部の押圧を行い、取出動作の継続(リトライ)を行う。
またリトライの際には、錠剤収容部の押圧を再度行う前に1度目の載置台18上の押圧位置から所定の距離だけ搬送手段で錠剤シート51を搬送させ、この状態で押出し機構を用いて錠剤収容部を押圧する。このような状態でリトライ動作を行うことにより、1度の取出動作で錠剤が取り出されなかったとしても、確実に錠剤を取り出すことができる。
次に、押出し機構の詳細について説明する。押出し機構は、錠剤収容部の中央付近を押圧する内側押圧体83と、内側押圧体83を取り囲むように設けられ、中央付近よりも外側の部分を押圧する外側押圧体84とを含んで設けられている。この内側押圧体83と外側押圧体84とが独立して動作することでPTPシートの錠剤収容部を押圧し、PTPシートから錠剤を取り出す。具体的には押出し機構は、内側押圧体83よりも先に外側押圧体84により錠剤収容部を押圧する。
内側押圧体83の先端は、錠剤取出ユニットに搭載されることが想定されるほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が狭くなるように設けられている。そのため、内側押圧体83を錠剤を取り出すために下降させると、錠剤シートの錠剤収容部の面よりも重力方向に関して下側に至るまで先端が到達し、錠剤シート51の金属箔に開いた穴から先端が下側に突き出ることになる。
一方、外側押圧体84の先端は、錠剤取出ユニットに搭載されることが想定されるほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が広いので、錠剤を取り出すために下降させても、錠剤シート51の金属箔に開いた穴から先端が突き出ることはない。すなわち、外側押圧体84を用いて最初に錠剤シート51の錠剤収容部を押し潰し、その後内側押圧体83で錠剤を確実に押し出すというように用いられる。
また、押出し機構は、外側押圧体84を昇降させる第1昇降機構と、内側押圧体83を昇降させる第2昇降機構も有しており、これらを動作させることにより、押圧体で錠剤を押し出すことができる。
第1昇降機構は、外側押圧体84が取り付けられた第1昇降体93と、回転駆動して第1昇降体93を昇降させるカム94と、第1昇降体93を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第1昇降体93は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に外側押圧体84が取り付けられている。カム94は、外側押圧体84の昇降動作を考慮して設計された形状の板状体であり、駆動機構によって回転駆動する軸部に固定されている。
カム94は、第1昇降体93の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第1昇降体93を押圧することによって高さ位置を調整し、これによって外側押圧体84の高さ位置を調整する(外側押圧体84の昇降動作を行う)ことができる。第1昇降機構は、カムの回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、外側押圧体84の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
第2昇降機構は、内側押圧体83が取り付けられた第2昇降体98と、回転駆動して第2昇降体98を昇降させるカム99と、第2昇降体98を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第2昇降体98は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に内側押圧体83が取り付けられている。カム99は、第2昇降体98の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第2昇降体98を押圧して高さ位置を調整し、これによって内側押圧体83の高さ位置を調整する(内側押圧体83の昇降動作を行う)ことができる。
第2昇降機構は、カム99の回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、内側押圧体83の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。このため、カム94とカム99は、それぞれ第1昇降体と第2昇降体に対して互いに独立に動作可能であり、内側押圧体83と外側押圧体84は、互いに独立に昇降動作させることができる。
押出し機構における2つのカムの回転動作のタイミング等は、錠剤位置検出機構の検出部からの信号に基づいて定めることができる。具体的には、検出された錠剤収容部の位置に合わせて内側押圧体83と外側押圧体84を動作させることができる。
錠剤取出ユニット1は、PTPシートの錠剤収容部の押圧をする前に、押圧される錠剤収容部の長さや押圧される錠剤収容部の位置を検知することができる検出機構17をさらに有している。そして錠剤供給装置は、検出した錠剤収容部の長さや錠剤収容部の位置に応じて押圧に最適な搬送方向に関する位置を算出し、当該位置とするために必要な搬送距離を算出することもできる。つまり搬送機構16(下部ローラ39、上部ローラ)は、搬送距離により載置台18上の錠剤収容部が押圧するために必要な最適位置に錠剤シートを搬送することができる。搬送機構16は、本発明における搬送手段の一例である。
図4は、錠剤供給装置10の内部構造を示す図である。
401は、第1集積ホッパーである。第1集積ホッパー401は、錠剤取出ユニット1により、PTPシートから取り出された錠剤が導入シュート24を落下して通り、そして、導入シュート24から後述する錠剤導入路601を通り、該錠剤が集積される部である。すなわち、錠剤導入路601は、第1集積ホッパー401と直接、導通している。
402は、第2集積ホッパーである。第2集積ホッパー402は、第1集積ホッパー401で集積された錠剤をさらに集積する。すなわち、第2集積ホッパー402は、第1集積ホッパー401と導通している。そのため、第1集積ホッパー401に落ちてきた錠剤は、第2集積ホッパー402に落ちて集積される。
404は、第1の送り出し機構である。第1の送り出し機構404は、第2集積ホッパーに集積された錠剤を第3の集積ホッパーに移動させる。403は、第3集積ホッパーである。第3集積ホッパー403は、第1の送り出し機構404により送り出(移動)された錠剤を集積する。405は、第2の送り出し機構である。第2の送り出し機構405は、第3集積ホッパーに集積された錠剤をメインホッパー406に移動させる。
406は、メインホッパーである。メインホッパー406は、第2の送り出し機構405により送り出(移動)された錠剤(1回分)を集積し、包装シート(分包紙)の中に集積した錠剤を投入する。
次に、図5を用いて、包装ユニット501の内部構造について説明する。
図5は、包装ユニット501の内部構造を示す図である。
包装ユニット501は、包装装置5内のユニットである。502は、包装シートが連なるロール紙(分包紙がロール状になっている紙)を包装機構に送り出すロール紙送出機構である。503は、メインホッパー406内に集積された錠剤(1回分の錠剤)が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。そして504では、メインホッパー406内に集積された錠剤が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。すなわち、包装機構503と、包装機構504とで、包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する。
505は、連なるロール紙を1包毎の包装シートに分断するための分断用ミシン目を包装シートに形成する分断機構である。506はプリンタであり、包装シートに、日付、患者データ、エラー情報を印字することができる(印字機構)。
このような図5に示す包装ユニットにより、投薬1回分の錠剤または散薬を包装シートに分包することができる。なお包装シートとしては、表面に熱溶着可能な樹脂材をコーティングした紙のみならず、中身を視認することができる透明なフィルム材を用いることもできる。
次に、図6を用いて、錠剤供給装置10が備える各構成について説明する。
図6は、錠剤供給装置10の内部を横(正面から見て右側)から見た図である。図6に示す点線の矢印は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。
601は、錠剤導入路である。錠剤導入路601は、導入シュート24と導通しており、錠剤シートから取り出され落下した錠剤を導入シュート24から第1集積ホッパーに中継する。
602は、排出路である。除包後の錠剤シートは、排出路602を通って、排出路602と導通している排出ポケットに集積される。
603は、排出ポケット(廃棄ボックス)であり、錠剤取り出し装置から排出された錠剤シートが排出路602を通って集合する部分である。装置前面で開口しており、排出された錠剤シートを容易に取り出すことができる。
以上で、図6の説明を終了する。
次に、情報処理装置300と、錠剤供給システム200のハードウェア構成の一例について図16を用いて説明する。
図16では、情報処理装置300のCPU30と、包装装置5のCPU57と、錠剤供給装置10のCPU11とがそれぞれ連携して、包装装置5が制御する各装置(各ユニット)、及び、錠剤供給装置10が制御する各装置(各ユニット)の各種動作を制御している一例を示している。しかし1つのCPUが、錠剤供給システムの全ての各装置を制御する構成でも構わない。
まず情報処理装置300のハードウェア構成について説明する。情報処理装置300のCPU30は、システムバスに接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御することができる。また、ROM31あるいは外部メモリ36には、CPU30の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM33は、CPU30の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU30は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM33にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、CPU30は、キーボードや不図示のマウス等の入力端末からの入力を制御する。ビデオコントローラ(VC)は、ディスプレイ34等の表示部への表示を制御することもでき、さらに、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ36へのアクセスを制御することもできる。
またI/F32は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、本実施形態においては包装装置5のI/F50と通信可能に接続されている。
次に、包装装置5のハードウェア構成について説明する。包装装置5のCPU57は、バスに接続されている各デバイスを統括的に制御することができる。ROM52にはCPU57の制御ブログラムや各種制御プログラムが記憶されている。RAM53は、CPU57が動作するためのシステムワークメモリとして機能する。CPU57は、タッチパネル式のディスプレイ101に対して表示制御したり、ディスプレイ101のタッチパネル機能を入力端末62としてユーザから情報の入力を受け付けたり、プリンタ506に印刷指示を出したりすることもできる。さらにCPU57は、包装装置5の散薬投入口から投入された散薬を1包に包装する際に動作させる散薬分包機構55を制御したり、ユーザから手撒き投入部102に投入された錠剤を包装する際に動作させる手撒き投入機構56を制御したりすることができる。そして包装装置5と錠剤供給装置10とは、包装装置5のI/O54と錠剤供給装置10のI/O12とで通信可能に接続されている。
次に、錠剤供給装置10のハードウェア構成について説明する。錠剤供給装置10のCPU11は、バスに接続されている各デバイスを統括的に制御することができる。ROM14にはCPU11の制御ブログラムや各種制御プログラムが記憶されている。RAM13は、CPU11が動作するためのシステムワークメモリとして機能する。CPU11は、さらに錠剤取出機構15における取出動作を制御したり、錠剤シートを搬送する搬送機構16を制御したりすることもできる。
このようなハードウェア構成においては、以下のように錠剤取出を行うように制御することができる。まず、包装装置5のCPU57が、錠剤供給装置10のCPU11に対して、錠剤の取出動作命令を送信する。
そして、錠剤供給装置10のCPU11が、当該取出動作命令に従って、錠剤取出機構15や搬送機構16を制御して錠剤取出動作を行わせることができる。また、錠剤供給装置10のCPU11は、包装装置5のCPU57に対して、錠剤取出動作の状況を示す動作情報を送信することもできる。
次に、図7を用いて、錠剤収容部の通過を検知する検出センサの一例について説明する。
図7は、錠剤取出しユニット1の内部を錠剤供給装置10の重力方向上側から見た図である。
図7に示すように、検出機構17として、光を発光する発光部7aと、発光部7aが発光する光を受光する受光部7bとからなる光学センサ7を、搬送機構16による錠剤シートの搬送経路(錠剤落下口701よりも上流側の搬送経路)に設け、錠剤収容部の通過を検知することで錠剤収容部の幅を取得することができる。
すなわち光学センサ7がONとなっている時間(受光部7bで受光する光量が所定量よりも少ないことを検知している時間)と、その間の搬送機構16による搬送速度とから搬送距離を求め、錠剤収容部の幅を特定することができる。
より具体的には、本実施形態では、光学センサ7の検出位置と錠剤落下口701の中心位置との距離は、約23.7mmとなっている。最後列の錠剤収容部以外の場合には、錠剤落下口701の中心位置に錠剤収容部の中心位置が来るように、錠剤シートの錠剤収容部の通過完了を検出機構17で検知したタイミング、すなわち光学センサ7がONからOFFとなったタイミングから距離(23.7mm−X/2)を搬送させた位置を錠剤取出位置とする。これにより、錠剤が錠剤収容部から取り出せる確率が高い位置で錠剤取出動作を行うことができる。光学センサ7は、本発明における、前記搬送手段で搬送される錠剤シートを検知する検知手段の一例である。
光学センサ7は、基本的に、当該光学センサ7を通過する錠剤収容部の検知を行う。なぜなら、すべての錠剤シートのシート部分(底面と接するひとつながりの面)は接地面から0.6mm程度で、光学センサによって検知されず、錠剤収容部の高さはすべてが2.0mm以上であるので、錠剤ポケットだけを検知することができる。
しかしながら、まれに、光学センサ7は、錠剤シートのシート部分を検出してしまう場合がある。その場合とは、後述する図8に示すとおり、錠剤シートの前耳部702が反っている場合であり、前耳部702が反っていると、前耳部702も光学センサ7により、検出してしまうことがある。これには、錠剤シートの錠剤収容部の高さが低いもので約2.0mm程度のものがあり、これを検出する高さに光学センサ7が設置してあることが起因している。
図8は前耳部702が反っている錠剤シートが光学センサ7を通過している状態を示す図である。図8は錠剤取出しユニット1を錠剤供給装置10の側面から見ている図である。
図8の錠剤シートは前耳部702に反りがある。このようなシートから錠剤の取出動作を行うと、まず1枚目の錠剤シートが搬送され、錠剤シート先端が光学センサ7に到達する。
前耳部702の反りが大きい錠剤シートは、前耳部702通過時に光学センサ7がOFFからONになる。一定以上ONのまま搬送されると、ONの期間が錠剤収容部だと判断される。つまり、前耳部702が錠剤収容部であると判断される。
錠剤収容部だと判断された前耳部702は、錠剤取り出し位置まで搬送され、錠剤取出動作が行われる。錠剤取出動作は、錠剤が取り出されたと判断されるまで、一定回数動作を繰り返し、それでも錠剤が取り出されない(導入シュート24内に設けられた検知機構で錠剤を検知しない)と、次の錠剤収容部に錠剤取り出し動作が実行されていく。そのため、時間のロスに繋がるという課題があった。
この課題を解決するために、本発明の第1の実施形態では、錠剤の取出動作を行う1枚目の錠剤シートから錠剤収容部の幅を特定・記憶し、その幅の情報を用いて、2枚目以降の錠剤シートを搬送する際に、光学センサ7で検出したのが前耳部702なのか錠剤収容部なのかを判別するという手法を用いる。
具体的には、1枚目の錠剤シートを搬送したときに光学センサ7で検出した結果を基に算出される算出結果を、光学センサ7で検出する毎に記憶する。そして、例えば、算出結果が、4mm、6mm、6mm、6mm、6mmだった場合、4mmという算出結果は、前耳部702と判断し、この錠剤シートの錠剤収容部の幅を6mmとして特定し、2枚目以降の搬送処理で光学センサ7が検出したのが錠剤収容部であるか否かを判定する際に使用する。
つまり、2枚目以降の錠剤シートで、光学センサ7で検出した結果に基づく算出結果が6mm以下であれば錠剤収容部ではなく前耳部702である判断し、錠剤の取出動作を行わない。よって、前耳部702を誤検知し無駄な取出動作を繰り返すことがなくなる。
では、次に、前耳部702が搬送方向下流側となるように錠剤シートを搬送する際に、錠剤取出位置までの搬送距離(すなわち錠剤取出位置までの搬送量)を決定する処理の流れを、図9、図10のフローチャートを用いて説明する。図9、図10に示す各処理は、錠剤供給装置10のCPU11が、ROM14に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
まず、図9について説明する。
S901において、錠剤供給装置10は、処方データに含まれる錠剤数分、錠剤を取り出すために、枚目の錠剤シートを搬送機構16により搬送する。1枚目の錠剤シートの搬送が開始されると搬送機構16による1ステップ分の搬送を特定する。
S902において、錠剤供給装置10は、光学センサ7による検出状態を取得する。
S903において、錠剤供給装置10は、光学センサ7がOFFからONに変わったかどうかを判断する。具体的には、受光部7bで受光する光量が所定量よりも少ない場合に光学センサ7はONであるといえる。錠剤供給装置10は、光学センサ7がONである場合には、S904に処理を移行し、一方、光学センサ7がOFFである場合には、まだ最前列の錠剤収容部を検出できていないため、S901に処理を戻す。
S904において、錠剤供給装置10は、錠剤収容部の幅を特定するための錠剤幅カウンタ値をインクリメントする。つまり搬送機構16によるステップ数をカウントすることになるため、光学センサがONとなっている間にカウントされる錠剤幅カウンタ値と搬送機構16による1ステップ分に対応する搬送距離とから、搬送方向に関する錠剤収容部の幅を特定できる。
S905において、錠剤供給装置10は、S901と同様に搬送機構16による1ステップ分の搬送を特定し、S906において、錠剤供給装置10は、S902と同様に光学センサ7による錠剤収容部の検出状態を取得する。
S907において、錠剤供給装置10は、光学センサ7がONからOFFに変わったかどうかを判断する。錠剤供給装置10は、光学センサ7がONからOFFに変わった場合には、錠剤収容部(または前耳部702)が光学センサ7の検出位置を通過したといえるため、S904からS907で計測した結果を錠剤供給装置10のROM14に保存し、S908に処理を移行する。
S908において、錠剤供給装置10は、錠剤収容部を通過し、錠剤シートの搬送方向に隣接する錠剤収容部の間が光学センサ7の検出位置を通過しているといえるため、錠剤間の幅カウンタ値をインクリメントする。つまり搬送機構16によるステップ数をカウントすることになるため、光学センサ7がOFFになっている間にカウントされる錠剤間の幅カウンタ値と搬送機構16による1ステップ分に対応する搬送距離とから、搬送方向に隣接する錠剤収容部の幅を特定できる。
S909において、錠剤供給装置10は、錠剤間のカウンタ値が閾値以上かどうかを判断する。
閾値を超えた場合には、錠剤供給装置10は、錠剤シートの錠剤収容部の通過を検知してから所定距離以上搬送しても次の錠剤収容部を検知できないため、最後列の錠剤収容部であると判断し、S916へと処理を移行し、一方閾値以上でない場合には、最後列の錠剤収容部ではないと判断し、S910へと処理を移行する。
なお、S915にて閾値を更新するまでは閾値はデフォルト値が設定されている。デフォルト値としては、一般的に流通するいずれの錠剤シートにおける隣接する錠剤収容部の距離よりも大きい値であって、錠剤シートの前耳部702から、1列目のポケットまでの距離、例えば20mmを用いることができる。そして、2列目以降の錠剤収容部を検知した場合には、錠剤供給装置10は、後述のS915で設定される閾値を用いて判断を行う。
S910において、錠剤供給装置10は、S901と同様に搬送機構16による1ステップ分の搬送を特定し、S911において、S902と同様に光学センサ7による錠剤収容部の検出状態を取得する。そしてS912では、錠剤供給装置10は、光学センサ7がOFFからONに変わったかどうかを判断する。光学センサ7がOFFからONに変わった場合には、次の錠剤収容部が光学センサ7に検出されたことがわかる。
S913において、錠剤供給装置10は、錠剤シートの錠剤収容部の通過を光学センサ7で検知したタイミングから錠剤シートを搬送させる搬送距離を算出する。具体的には、錠剤幅カウンタ値から特定される錠剤収容部の幅Xと光学センサ7の検出位置と錠剤落下口701の中心位置との距離(23.7mm)とから、搬送距離(23.7mm−X/2)を算出する。
S914において、錠剤供給装置10は、S913で搬送距離を算出される際に用いられた錠剤収容部が、処方データに従って錠剤を取り出す最初の錠剤収容部であるかどうかを判断する。最初の錠剤収容部である場合には、錠剤供給装置10は、S915で、錠剤間の幅カウンタ値から特定される隣接する錠剤収容部間の幅Yから求まる値を閾値として更新した後に、S904に処理を移行する。これにより、S909の判断で用いられる閾値が、現在の錠剤シートに適した値とすることができるため、S909の判断の信頼性を高めることができる。
S914で、処方データにおける最初の錠剤収容部ではない場合には、錠剤供給装置10は、閾値は既に現在の錠剤シートに適した値に設定されているといえるため、閾値を更新することなくS904に戻る。
S916において、錠剤供給装置10は、S913同様、錠剤シートの錠剤収容部の通過を光学センサ7で検知したタイミングから錠剤シートを搬送させる搬送距離を算出する。具体的には、錠剤幅カウンタ値から特定される錠剤収容部の幅Xと光学センサの検出位置と錠剤落下口701の中心位置との距離(23.7mm)とから、搬送距離(23.7mm−X/2)を算出する。
S917において、錠剤供給装置10は、閾値をデフォルトにリセットする。
S918において、錠剤供給装置10は、S909で最後列の錠剤収容部であると判断するまでの間に計測し、S907で錠剤供給装置10のROM14に記憶した錠剤収容部の幅X(例えば1列目4.0mm、2列目8.9mm、3列目9.0mm、4列目9.1mm、5列目9.0mm、6列目9.0mm)から、現在錠剤取出しユニット1にセットされている錠剤シートの錠剤収容部の幅Xを算出し、処理を終了する。
このとき計測した6列の錠剤収容部の幅Xのうち、平均値から外れている場合(先の例では1列目の4.0mm)、その計測結果は錠剤シートの前耳部702を検出したものであると判断し、平均値から外れている値を除外して、錠剤収容部の幅Xの範囲を算出する(例えば、1列目の結果を範囲から外し、8.9mm≦X≦9.1mmを錠剤収容部の幅Xの範囲とする)。
S918で算出された錠剤収容部の幅Xは、錠剤の取出動作を行う2枚目以降の錠剤シートを搬送する処理(後述する図10)で用いられる。以上で、図9の説明を終了する。
では、次に、錠剤の取出動作を行う2枚目の錠剤シートを搬送する処理について、図10を用いて説明する。
S1001において、錠剤供給装置10は、処方データによって特定される錠剤数分除包するために、錠剤シートの搬送が開始されると搬送機構16による1ステップ分の搬送を特定する。
S1002において、錠剤供給装置10は、光学センサ7による検出状態を取得する。
そしてS1003において、錠剤供給装置10は、光学センサ7がOFFからONに変わったかどうかを判断する。具体的には、受光部7bで受光する光量が所定量よりも少ない場合に光学センサ7はONであるといえる。錠剤供給装置10は、光学センサ7がONである場合には、S1004に処理を移行し、一方、光学センサ7がOFFである場合には、まだ最前列の錠剤収容部を検出できていないため、S1001に処理を戻す。
S1004において、錠剤供給装置10は、錠剤収容部の幅を特定するための錠剤幅カウンタ値をインクリメントする。つまり搬送機構16によるステップ数をカウントすることになるため、光学センサがONとなっている間にカウントされる錠剤幅カウンタ値と搬送機構16による1ステップ分に対応する搬送距離とから、搬送方向に関する錠剤収容部の幅を特定できる。
そしてS1005において、錠剤供給装置10は、S1001と同様に搬送機構16による1ステップ分の搬送を特定し、S1006で、錠剤供給装置10は、S1002と同様に光学センサ7による錠剤収容部の検出状態を取得する。
そしてS1007において、錠剤供給装置10は、光学センサ7がONからOFFに変わったかどうかを判断する。錠剤供給装置10は、光学センサ7がONからOFFに変わったかどうかを判断する。錠剤供給装置10は、光学センサ7がONからOFFに変わった場合には、錠剤収容部(または前耳部702)が光学センサ7の検出位置を通過したといえるため、S1004からS1007で計測した結果を錠剤供給装置10のROM14に保存し、S1008に処理を移行する。
S1008において、錠剤供給装置10は、S1004からS1007で計測した結果が、図9のS918で算出した錠剤収容部の幅の範囲内か否かを判断する。範囲内であれば、錠剤収容部が正常に計測できたとして、錠剤供給装置10は、S1009へと処理を移行する。一方範囲外であれば錠剤収容部が検出できなかったと判断し、錠剤供給装置10は、S1001に処理を戻す。
S1008と後述するS1210、S1505は本発明における、前記検知手段で検知したものが前記錠剤シートの錠剤収容部であるか否かを、前記錠剤シートの搬送方向の当該錠剤収容部の幅、または当該錠剤収容部の高さの値を用いて判定する判定手段の一例である。
S1009において、錠剤供給装置10は、錠剤落下口701の中心位置に錠剤収容部の中心位置が来るように、錠剤シートの錠剤収容部の通過を光学センサ7で検知したタイミングから錠剤シートを搬送させる搬送距離を算出する。具体的には、錠剤幅カウンタ値から特定される錠剤収容部の幅Xと光学センサ7の検出位置と錠剤落下口701の中心位置との距離(23.7mm)とから、搬送距離(23.7mm−X/2)を算出する。
S1008〜S1009、後述する、S1210〜S1211、S1505〜S1510は、本発明における、前記判定手段により、前記錠剤シートの錠剤収容部であると判定されると、当該錠剤収容部が前記取出手段による取り出し位置となるように前記錠剤シートを搬送し、前記錠剤シートの錠剤収容部ではないと判定されると、前記判定手段により前記錠剤シートの錠剤収容部であると判定されるまで前記錠剤シートの搬送を行なう搬送手段の一例である。以上で、図10の説明を終了する。
次に、図11のフローチャートを用いて錠剤取出動作の流れを説明する。このような錠剤取出動作は、図9のフローチャートによって算出された搬送距離分、搬送された状態で行われる。
図11に示す各処理は、錠剤供給装置10のCPU11が、ROM14に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
S1101において、錠剤供給装置10は、既に除包されている錠剤の除包数が処方データによって特定される錠剤数となり除包動作が完了しているか否かを判断する。具体的には、導入シュート24内に設置している光学センサが錠剤取出ユニット1ごとに検知した錠剤数の総数を錠剤数カウントデータとしてROM14にデータ管理しておくことにより、取出動作が完了したかどうかを判断することができる。
ここで取出動作が完了していると判断されている場合には、錠剤供給装置10は、取出動作は完了したとして錠剤シートを排出路602に排出させて終了し、除包数に達していない場合には、S1102に処理を移行する。
S1102において、錠剤供給装置10は、これから錠剤を取り出す錠剤シートが1枚目のシートか否か(これから除包動作を開始するのかすでに除包動作を実行中か)判断する。これから錠剤を取り出す錠剤シートが1枚目のシートの場合、錠剤供給装置10は、S1103に処理を移行し、2枚目以降のシートと判断した場合、S1104に処理を移行する。
S1103において、錠剤供給装置10は、搬送機構16によって、錠剤取出位置に錠剤収容部が達するまで錠剤シートを搬送する。連続的に取出動作を行っている場合には、錠剤収容部の間隔の1列分だけ錠剤シートの搬送を行う。ここでの錠剤取出位置は、図9のフローチャートによって算出された搬送距離から定まる位置である。
S1104において、錠剤供給装置10は、搬送機構16によって、錠剤取出位置に錠剤収容部が達するまで錠剤シートを搬送する。連続的に取出動作を行っている場合には、錠剤収容部の間隔の1列分だけ錠剤シートの搬送を行う。ここでの錠剤取出位置は、図10のフローチャートによって算出された搬送距離から定まる位置である。
S1105において、錠剤供給装置10は、押出し機構に左側の錠剤収容部からの錠剤取出動作を行わせる。
S1106において、錠剤供給装置10は、取出動作を行ってから所定時間以内に導入シュート24内に設置されている光学センサで錠剤の通過を検出(取り出し成功)したか否かで1錠検出したかを判断する。錠剤が検出されなかった場合には、S1107に進み錠剤取出動作のリトライ動作を行う。
S1108において、錠剤供給装置10は、取出動作を行ってから所定時間以内に導入シュート24内に設置されている光学センサで錠剤の通過を検出(取り出し成功)したか否かで1錠検出したかを判断する。そして錠剤が検出されなかった場合には、錠剤供給装置10は、S1109でリトライ上限に達したかを判断し、達していない場合には搬送機構16により錠剤の除包位置を変更させた後に、S1107に戻り再度リトライ除包動作を行う。一方S1109でリトライ上限に達したと判断された場合には、錠剤供給装置10は、S1111に処理を移行する。
S1106及びS1108で錠剤が検出された場合には、S1110において、錠剤供給装置10は、既に除包されている錠剤の除包数が処方データで指定された除包数となり除包動作が完了しているか否かを判断する。
具体的には、導入シュート24内に設置されている光学センサが錠剤取出ユニット1ごとに検知した錠剤数の総数を錠剤数カウントデータとしてROM14にデータ管理しておくことにより、取出動作が完了したかどうかを判断することができる。
ここで完了していると判断されている場合には、錠剤供給装置10は、取出動作は完了したとして錠剤シートを排出路602に排出させて終了し、除包数に達していない場合には、S1111に処理を移行する。
S1111において、錠剤供給装置10は、押出し機構に右側の錠剤収容部からの錠剤取出動作を行わせる。S1112において、錠剤供給装置10は、取出動作を行ってから所定時間以内に導入シュート24内に設置されている光学センサで錠剤の通過を検出(取り出し成功)したか否かで1錠検出したかを判断する。錠剤が検出されなかった場合には、S1113に処理を移行し、錠剤取出動作のリトライ動作を行う。
S1114において、錠剤供給装置10は、取出動作を行ってから所定時間以内に導入シュート24内に設置されている光学センサで錠剤の通過を検出(取り出し成功)したか否かで1錠検出したかを判断する。
そして錠剤が検出されなかった場合には、錠剤供給装置10は、S1115でリトライ上限に達したか判断し、達していない場合には搬送機構16により錠剤の除包位置を変更させた後に、S1113に戻り再度リトライ除包動作を行う。一方S1115でリトライ上限に達したと判断された場合には、錠剤供給装置10は、S1102に戻り、除包動作を継続する。
また、S1112及びS1114で錠剤が取り出されたと判断された場合には、錠剤供給装置10は、S1101に戻り、所定数除包が完了したかを判断する。以上の処理により錠剤の取出動作が行われる。
以上で、図11の説明を終了する。
次に本発明の第2の実施形態について図12を用いて説明する。
第1の実施形態では、図9のS918の処理で、錠剤収容部の幅の範囲を算出して、その結果を用いて、錠剤の取出動作を行う2枚目の錠剤シートを搬送する際に、前耳部702の誤検出を防止していた。
そのため、1枚目の錠剤シートについては、前耳部702を誤って錠剤収容部として判断してしまった場合には、前耳部702に対して錠剤取出し動作を行なってしまう恐れがあった。
そこで、第2の実施形態では、予め図13に示すような錠剤(錠剤名1301)の種類ごとの錠剤収容部の幅1302を紐付けて管理する薬剤データベースを錠剤供給装置10のROM14に記憶しておき、その情報を基に、錠剤の取出動作を行う1枚目の錠剤シートから前耳部702を誤って錠剤収容部として検出することを防止する。
図12に示す各処理は、錠剤供給装置10のCPU11が、ROM14に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
S1201において、錠剤供給装置10は、情報処理装置300から処方データを取得する。処方データには、患者名、薬剤名、各薬剤の服用数、各薬剤の服用タイミング(朝食後、昼食後等)等が含まれる。
なお、本実施形態では、情報処理装置300から処方データを受信するとしたが、他の実施例として、錠剤供給装置10と接続する包装装置5のディスプレイ101に表示される処方入力画面を介してユーザからこれから包装する薬品の情報(処方データ)の入力を受け付けても良い。
S1202において、錠剤供給装置10は、図13の薬剤データベースを参照し、処方データに含まれる各錠剤と錠剤名1301が一致する錠剤の錠剤収容部の幅1302を参照することで、各錠剤の錠剤収容部の幅を特定する。
S1203において、錠剤供給装置10は、処方データによって特定される錠剤数分除包するために、錠剤シートの搬送が開始されると搬送機構16による1ステップ分の搬送を特定する。
S1204において、錠剤供給装置10は、光学センサ7による検出状態を取得する。
そしてS1205において、錠剤供給装置10は、光学センサ7がOFFからONに変わったかどうかを判断する。具体的には、受光部7bで受光する光量が所定量よりも少ない場合に光学センサ7はONであるといえる。錠剤供給装置10は、光学センサ7がONである場合には、S1206に処理を移行し、一方、光学センサ7がOFFである場合には、まだ最前列の錠剤収容部を検出できていないため、S1203に処理を戻す。
S1206において、錠剤供給装置10は、錠剤収容部の幅を特定するための錠剤幅カウンタ値をインクリメントする。つまり搬送機構16によるステップ数をカウントすることになるため、光学センサがONとなっている間にカウントされる錠剤幅カウンタ値と搬送機構16による1ステップ分に対応する搬送距離とから、搬送方向に関する錠剤収容部の幅を特定できる。
そしてS1207において、錠剤供給装置10は、S1203と同様に搬送機構16による1ステップ分の搬送を特定し、S1208で、錠剤供給装置10は、S1204と同様に光学センサ7による錠剤収容部の検出状態を取得する。
そしてS1209において、錠剤供給装置10は、光学センサ7がONからOFFに変わったかどうかを判断する。錠剤供給装置10は、光学センサ7がONからOFFに変わったかどうかを判断する。錠剤供給装置10は、光学センサ7がONからOFFに変わった場合には、錠剤収容部(または前耳部702)が光学センサ7の検出位置を通過したといえるため、S1206からS1209で計測した結果を錠剤供給装置10のROM14に保存し、S1210に処理を移行する。
S1210において、錠剤供給装置10は、S1206からS1209で計測した結果が、図12のS1202で特定した錠剤収容部の幅と一致するか否かを判断する。一致する場合には、錠剤収容部が正常に計測できたとして、錠剤供給装置10は、S1211へと処理を移行する。一方S1202で特定した錠剤収容部の幅と一致しなければ錠剤収容部が検出できなかったと判断し、錠剤供給装置10は、S1203に処理を戻す。
なお、S1210では、S1202で特定した錠剤収容部の幅と完全に一致しなくとも、例えば、S1202で特定した錠剤収容部の幅と誤差±0.1mm以内なら、錠剤収容部であると判断しても良い(つまり、S1202で「YES」と判断しても良い)。
S1211において、錠剤供給装置10は、錠剤落下口701の中心位置に錠剤収容部の中心位置が来るように、錠剤シートの錠剤収容部の通過を光学センサ7で検知したタイミングから錠剤シートを搬送させる搬送距離を算出する。具体的には、錠剤幅カウンタ値から特定される錠剤収容部の幅Xと光学センサ7の検出位置と錠剤落下口701の中心位置との距離(23.7mm)とから、搬送距離(23.7mm−X/2)を算出する。以上で、図12の説明を終了する。
なお、第2の実施形態の場合には、図11の処理において、S1102の処理は不要であり、錠剤供給装置10は、S1101の処理を実行した後に、図12の処理を実行し、その後S1105の処理を実行する。
また、第1の実施形態でも、図9のS918の処理の結果を図13に示す薬剤データベースのように錠剤の種類ごとに管理しておくことで、図9のS918の処理を実行した錠剤と同じ錠剤を収容する錠剤シートから、2回目以降に錠剤を取り出す場合には、第2の実施形態と同じ形態を取ることが可能である。
その場合、S1202の処理の後に、処方データに含まれる錠剤の錠剤収容部の幅が図13の薬剤データベースで管理されているかを判定する処理を実行し、管理されているのであれば図9の処理を実行し、管理されていなければ、図12の処理を実行することになる。
次に、本発明の第3の実施形態について図12を用いて説明する。
本発明の第3の実施形態では、錠剤取出しユニット1内の錠剤シートの搬送経路上面に、新たなセンサ(後述する反射型センサ1401)を追加し、当該反射型センサ1401の検出結果を用いて、前耳部702と錠剤収容部を判別するという手法を用いる。
図14は、錠剤取り出しユニット1の内部を側面から見た図である。光学センサ7(光学センサ発光部7a)の検出位置1403と反射型センサ1401の検出位置1402は、図14に示すとおり、互いに交差する。
反射型センサ1401は、検出体に光を照射する投光部と検出体からの散乱反射光を受光する受光部が一体となったセンサであり、搬送される錠剤シート上の錠剤収容部を検出する目的で使用する。そして、例えば、錠剤シートから2.0mm未満の物体を錠剤シートの前耳部702と定義した場合、反射型センサ1401は取り付け時に2.0mm以上の物体を検知した場合、OFFからONに変わるように投光部から照射する光量、または、受光部で受光する光量の調整を取り付け時に行う必要がある。
次に、第3の実施形態における、錠剤シートを錠剤取出位置まで搬送する際の搬送距離を決定する処理の流れを示すフローチャートについて、図15を用いて説明する。
図15に示す各処理は、錠剤供給装置10のCPU11が、ROM14に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
S1501において、錠剤供給装置10は、処方データに含まれる錠剤数分、錠剤を取り出すために、1枚目の錠剤シートを搬送機構16により搬送する。1枚目の錠剤シートの搬送が開始されると搬送機構16による1ステップ分の搬送を行なう。
S1502において、錠剤供給装置10は、光学センサ7による錠剤収容部の検出状態を取得する。そしてS1503では、光学センサ7がOFFからONに変わったかどうかを判断する。具体的には、受光部7bで受光する光量が所定量よりも少ない場合に光学センサ7はONであるといえるため、光学センサ7がONとなる場合には、S1504に進む。一方、光学センサ7がOFFである場合には、まだ錠剤シート上の錠剤収容部を検出できていないため、S1501に戻る。
S1504において、錠剤供給装置10は、反射型センサ1401による錠剤シートの錠剤収容部の検出状態を取得する。
そしてS1505において、錠剤供給装置10は、反射型センサ1401がOFFからONに変わったかどうかを判断する。具体的には、受光部で受光する光量が所定量よりも少ない場合に反射型センサ1401はONであるといえるため、反射型センサ1401がONとなる場合には、錠剤シート上の錠剤収容部と検出したと判断し、S1506に進む。一方、反射型センサ1401がOFFである場合には、錠剤供給装置10は、錠剤シート上の前耳部702を錠剤収容部と誤検出したと判断し、S1501に処理を戻す。
S1506では、錠剤収容部の幅を特定するための錠剤幅カウンタ値をインクリメントする。つまり搬送機構16によるステップ数をカウントすることになるため、光学センサ7がONとなっている間にカウントされる錠剤幅カウンタ値と搬送機構16による1ステップ分に対応する搬送距離とから、搬送方向の錠剤収容部の幅を特定できる。
そしてS1507において、錠剤供給装置10は、S1501と同様に搬送機構16による1ステップ分の搬送を行い、S1508でS1502と同様に光学センサ7による錠剤収容部の検出状態を取得する。
そしてS1509では、錠剤供給装置10は、光学センサ7がONからOFFに変わったかどうかを判断する。錠剤供給装置10は、ONからOFFに変わった場合には、錠剤収容部が光学センサ7の検出位置を通過したといえるため、計測した結果を錠剤供給装置10のROM14上に保存し、S1510に処理を移行する。
S1510において、錠剤供給装置10は、錠剤シートを搬送させる搬送距離を算出する。具体的には、錠剤幅カウンタ値から特定される錠剤収容部の幅Xと光学センサ7の検出位置と錠剤落下口701の中心位置との距離(23.7mm)とから、搬送距離(23.7mm−X/2)を算出する。
また、S1506からS1509の処理では光学センサ7の状態のみで錠剤収容部の幅を検出しているが、反射型センサ1401と光学センサ7の状態を両方の状態を用いた方がなおよい。
なお、本実施形態ではS1501〜S1505において、先に光学センサ7の状態を確認し、次に反射型センサ1401の状態を確認するとしたが、他の実施形態として、先に反射型センサ1401の状態を確認し、次に光学センサ7の状態を確認するとしても良い。
以上で、本発明の説明を終了する。
以上、本発明によると、錠剤シートの錠剤収容部でない位置で誤って錠剤取出し動作を実行する可能性を低減することができる。
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。