以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載した構成の具体的な実施形態の1つである。
以下、図面を用いて、本発明の錠剤供給システム(図1)について説明する。なお、以下の実施例において、錠剤とカプセルを別のものとして説明するが、錠剤にカプセルを含むとしても良い。また、以下の実施例において、分包と包装は同義である。
図1は、供給された錠剤を包装する包装装置5と錠剤を取り出して包装装置5に供給する錠剤供給装置10(以下、錠剤供給装置10と包装装置5とを併せて「錠剤取出し装置200と呼ぶ」)と、所定の種類の薬剤が収容されたカセット2から包装装置5に錠剤を供給するカセット式分包機100と、情報処理装置300を含む錠剤供給システムを示す図である。
カセット式分包機100は、本発明における、所定の種類の錠剤を収容する錠剤カセットを備え、当該錠剤カセットで収容する錠剤を供給する第1の錠剤供給装置の一例であり、錠剤取出し装置200は、本発明における、錠剤シートから錠剤を取り出す錠剤取出しユニットを備え、当該錠剤取出しユニットで錠剤シートから取り出された錠剤を供給する第2の錠剤供給装置の一例である。
錠剤供給装置10には、複数の錠剤取出ユニット1が搭載されており、この錠剤取出ユニット1により錠剤シートから錠剤が取り出され、錠剤を包装する包装装置5に錠剤が供給される。
このような錠剤取出ユニット1は、情報処理装置300のキーボードや、包装装置5に設けられたタッチパネル式のディスプレイ101等から分包条件を入力されることで、錠剤の取出動作を行うことができる。
また、錠剤取出し装置200は、錠剤を手撒きするための手撒きマス102、散薬を投入するための散薬投入口103を備える。
カセット式分包機100には、複数のカセット2が搭載されており、各カセット2にはそれぞれ異なる種類の錠剤が収容され、当該カセット2から錠剤が排出され、錠剤を包装する包装装置5に錠剤が供給される。
カセット式分包機100には、既知の装置(例えば、特許文献1「WO10/058568号公報」の図1、2に記載されている錠剤払出装置)を用いることが出来る。
なお、本発明における錠剤の種類とは、錠剤(薬剤)名や、錠剤(薬剤)を識別するための識別情報(例えば薬品コードや、薬剤No、薬剤コードと呼ばれるもの)のことである。
300は、情報処理装置であり、カセット式分包機100、錠剤取出し装置200と通信インターフェースで接続している。情報処理装置300には、ユーザから処方内容の入力を受けつけ、入力された処方内容の情報をカセット式分包機100、錠剤取出し装置200に送信したり、カセット式分包機100、錠剤取出し装置200に分包動作を実行する指示をしたりするためのソフトウェアがインストールされている。
また、情報処理装置300にはバーコードリーダー400が接続されている。以上で、図1の説明を終了する。
次に、図2を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。図2は、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図である。なお、図2は、錠剤取出ユニット1が2つ並んで配置されている例を示している。
錠剤取出ユニット1は、錠剤収容部510が重力方向に関して上側に来るような状態で複数の錠剤シート51を積層させて投入可能な投入口203(錠剤シート保持部)と、後述する錠剤シート51を搬送する搬送機構16と、後述する搬送機構16により搬送された錠剤シート51が載置される載置台と、載置台上の錠剤シート51の錠剤収容部の側から押圧して錠剤を取り出す押出し機構とを有している。すなわち載置台上が除包位置(取出位置)として用いられる。錠剤シート51は、錠剤を収容する錠剤収容部510を有するシート本体の下面に、アルミニウム等からなる金属箔などを用いた封止シートを設けることによって錠剤が錠剤収容部に密封されている。さらに錠剤シート51は、シート部上に凸状の錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて2列に並んだ形態である。各列をなす複数の錠剤収容部は錠剤シート51の長さ方向に沿って並んでいる。
なお、錠剤シート51としては、シート部上に錠剤収容部が2列に並んだ形態のものに限らず、錠剤収容部が錠剤シート51の長さ方向に1列に並んだ形態や、錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて3列以上の複数列に並んだ形態も可能である。
錠剤取出ユニットは、本発明の錠剤取出し手段の適用例であり、錠剤シートの錠剤収容部から錠剤を取り出す動作を行う。
ここで、図3を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。図3は、錠剤取出ユニット1の内部構造(断面)を示す図であり、錠剤取出ユニット1を右側面から見た図である。具体的には投入口203にセットされた錠剤シートを、錠剤の除包位置(錠剤の取出位置)まで搬送を行った際の図である。
錠剤取出ユニット1は、錠剤シートが載置される載置台18を備えている。39は、下部ローラである。下部ローラ39は、進行方向に沿って互いに間隔をおいて複数設けられている。
また、下部ローラ39は、駆動源(不図示)により回転駆動可能であり、錠剤シート部の重力方向に関して下面側に当接して錠剤シート51に進行方法への力を加えることができる。
24は、導入シュートである。導入シュート24は、載置台の下面側に設けられており、錠剤シート51から取り出された錠剤を、錠剤導入路(ここでいう「錠剤導入路」とは、例えば、特開2014−223290の「錠剤導入路401」と同様の機構である)に導くものである。すなわち、導入シュート24は、載置台の下面側に排出口を有しており、錠剤シート51から取り出された錠剤はその排出口を通り、錠剤導入路に落ちていく。なお、この導入シュート24は、錠剤取出ホッパーとも言う。
錠剤取出ユニット1は、載置台18上に錠剤シート51を搭載した状態で、押出し機構で錠剤を押し出すことで錠剤の取出動作を行う。また、錠剤取出ユニット1は、載置台18上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧する速度を変更させる変更機構をさらに有している。
そして錠剤取出ユニットの所定の動作で錠剤が取り出せなかった場合には、押出し機構の押出し速度を通常の速度より高速に変更して錠剤収容部の押圧を行い、取出動作の継続(リトライ)を行う。またリトライの際には、錠剤収容部の押圧を再度行う前に1度目の載置台18上の押圧位置から所定の距離だけ搬送手段で錠剤シート51を搬送させ、この状態で押出し機構を用いて錠剤収容部を押圧する。このような状態でリトライ動作を行うことにより、1度の取出動作で錠剤が取り出されなかったとしても、確実に錠剤を取り出すことができる。
次に、押出し機構の詳細について説明する。押出し機構は、錠剤収容部の中央付近を押圧する内側押圧体83と、内側押圧体83を取り囲むように設けられ、中央付近よりも外側の部分を押圧する外側押圧体84とを含んで設けられている。この内側押圧体83と外側押圧体84とが独立して動作することでPTPシートの錠剤収容部を押圧し、PTPシートから錠剤を取り出す。具体的には押出し機構は、内側押圧体83よりも先に外側押圧体84により錠剤収容部を押圧する。
内側押圧体83の先端は、錠剤取出ユニットに搭載されることが想定されるほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が狭くなるように設けられている。そのため、内側押圧体83を、錠剤を取り出すために下降させると、錠剤シートの錠剤収容部の面よりも重力方向に関して下側に至るまで先端が到達し、錠剤シート51の金属箔に開いた穴から先端が下側に突き出ることになる。
一方、外側押圧体84の先端は、錠剤取出ユニットに搭載されることが想定されるほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が広いので、錠剤を取り出すために下降させても、錠剤シート51の金属箔に開いた穴から先端が突き出ることはない。すなわち、外側押圧体84を用いて最初に錠剤シート51の錠剤収容部を押し潰し、その後内側押圧体83で錠剤を確実に押し出すというように用いられる。
また、押出し機構は、外側押圧体84を昇降させる第1昇降機構と、内側押圧体83を昇降させる第2昇降機構も有しており、これらを動作させることにより、押圧体で錠剤を押し出すことができる。
第1昇降機構は、外側押圧体84が取り付けられた第1昇降体93と、回転駆動して第1昇降体93を昇降させるカム94と、第1昇降体93を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第1昇降体93は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に外側押圧体84が取り付けられている。カム94は、外側押圧体84の昇降動作を考慮して設計された形状の板状体であり、駆動機構によって回転駆動する軸部に固定されている。
カム94は、第1昇降体93の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第1昇降体93を押圧することによって高さ位置を調整し、これによって外側押圧体84の高さ位置を調整する(外側押圧体84の昇降動作を行う)ことができる。第1昇降機構は、カムの回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、外側押圧体84の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
第2昇降機構は、内側押圧体83が取り付けられた第2昇降体98と、回転駆動して第2昇降体98を昇降させるカム99と、第2昇降体98を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第2昇降体98は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に内側押圧体83が取り付けられている。カム99は、第2昇降体98の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第2昇降体98を押圧して高さ位置を調整し、これによって内側押圧体83の高さ位置を調整する(内側押圧体83の昇降動作を行う)ことができる。第2昇降機構は、カム99の回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、内側押圧体83の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
このため、カム94とカム99は、それぞれ第1昇降体と第2昇降体に対して互いに独立に動作可能であり、内側押圧体83と外側押圧体84は、互いに独立に昇降動作させることができる。
押出し機構における2つのカムの回転動作のタイミング等は、錠剤位置検出機構の検出部からの信号に基づいて定めることができる。具体的には、検出された錠剤収容部の位置に合わせて内側押圧体83と外側押圧体84を動作させることができる。
錠剤取出ユニット1は、PTPシートの錠剤収容部の押圧をする前に、押圧される錠剤収容部の長さや押圧される錠剤収容部の位置を検知することができる検出機構17をさらに有している。そして錠剤供給装置は、検出した錠剤収容部の長さや錠剤収容部の位置に応じて押圧に最適な搬送方向に関する位置を算出し、当該位置とするために必要な搬送距離を算出することもできる。つまり搬送機構16(下部ローラ39、上部ローラ)は、搬送距離により載置台18上の錠剤収容部が押圧するために必要な最適位置に錠剤シートを搬送することができる。
次に、図4について、説明する。図4は、錠剤供給装置10の内部構造を示す図である。
401は、第1集積ホッパーである。第1集積ホッパー401は、錠剤取出ユニット1により、PTPシートから取り出された錠剤が導入シュート24を落下して通り、そして、導入シュート24から錠剤導入路を通り、該錠剤が集積される部である。すなわち、錠剤導入路は、第1集積ホッパー401と直接、導通している。
402は、第2集積ホッパーである。第2集積ホッパー402は、第1集積ホッパー401で集積された錠剤をさらに集積する。すなわち、第2集積ホッパー402は、第1集積ホッパー401と導通している。そのため、第1集積ホッパー401に落ちてきた錠剤50は、第2集積ホッパー402に落ちて集積される。
404は、第1の送り出し機構である。第1の送り出し機構404は、第2集積ホッパーに集積された錠剤50を第3の集積ホッパーに移動させる。403は、第3集積ホッパーである。第3集積ホッパー403は、第1の送り出し機構404により送り出(移動)された錠剤を集積する。405は、第2の送り出し機構である。第2の送り出し機構405は、第3集積ホッパーに集積された錠剤をメインホッパー406に移動させる。
406は、メインホッパーである。メインホッパー406は、第2の送り出し機構405により送り出(移動)された錠剤(1回分)を集積し、包装シート(分包紙)の中に集積した錠剤を投入する。
次に、図5を用いて、包装ユニット501の内部構造について説明する。図5は、包装ユニット501の内部構造を示す図である。
包装ユニット501は、包装装置5内のユニットである。502は、包装シートが連なるロール紙(分包紙がロール状になっている紙)を包装機構に送り出すロール紙送出機構である。503は、メインホッパー406内に集積された錠剤(1回分の錠剤)が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。そして504では、メインホッパー406内に集積された錠剤が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。すなわち、包装機構503と、包装機構504とで、包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する。
505は、連なるロール紙を1包毎の包装シートに分断するための分断用ミシン目を包装シートに形成する分断機構である。506はプリンタであり、包装シートに、日付、患者データ、エラー情報を印字することができる(印字機構)。
このような図5に示す包装ユニットにより、投薬1回分の錠剤または散薬を包装シートに分包することができる。なお包装シートとしては、表面に熱溶着可能な樹脂材をコーティングした紙のみならず、中身を視認することができる透明なフィルム材を用いることもできる。
では、ここから、図6以降の各図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
まず、情報処理装置300と、錠剤取出し装置200のハードウェア構成の一例について図17を用いて説明する。
図17では、情報処理装置300のCPU30と、包装装置5のCPU51と、錠剤供給装置10のCPU11とがそれぞれ連携して、包装装置5が制御する各装置(各ユニット)、及び、錠剤供給装置10が制御する各装置(各ユニット)の各種動作を制御している一例を示している。しかし1つのCPUが、錠剤供給システムの全ての各装置を制御する構成でも構わない。
まず情報処理装置300のハードウェア構成について説明する。情報処理装置300のCPU30は、システムバスに接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御することができる。また、ROM31あるいは外部メモリ36には、CPU30の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM33は、CPU30の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU30は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM33にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、CPU30は、キーボードや不図示のマウス等の入力端末からの入力を制御する。ビデオコントローラ(VC)は、ディスプレイ34等の表示部への表示を制御することもでき、さらに、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ36へのアクセスを制御することもできる。
またI/F32は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、本実施形態においては包装装置5のI/F50と通信可能に接続されている。
次に、包装装置5のハードウェア構成について説明する。包装装置5のCPU51は、バスに接続されている各デバイスを統括的に制御することができる。ROM52にはCPU51の制御ブログラムや各種制御プログラムが記憶されている。RAM53は、CPU51が動作するためのシステムワークメモリとして機能する。CPU51は、タッチパネル式のディスプレイ101に対して表示制御したり、ディスプレイ101のタッチパネル機能を入力端末62としてユーザから情報の入力を受け付けたり、プリンタ506に印刷指示を出したりすることもできる。さらにCPU51は、包装装置5の散薬投入口から投入された散薬を1包に包装する際に動作させる散薬分包機構55を制御したり、ユーザから手撒きマス102に投入された錠剤を包装する際に動作させる手撒き投入機構56を制御したりすることができる。そして包装装置5と錠剤供給装置10とは、包装装置5のI/O54と錠剤供給装置10のI/O12とで通信可能に接続されている。
次に、錠剤供給装置10のハードウェア構成について説明する。錠剤供給装置10のCPU11は、バスに接続されている各デバイスを統括的に制御することができる。ROM14にはCPU11の制御ブログラムや各種制御プログラムが記憶されている。RAM13は、CPU11が動作するためのシステムワークメモリとして機能する。CPU11は、さらに錠剤取出機構15における取出動作を制御したり、錠剤シートを搬送する搬送機構16を制御したりすることもできる。
このようなハードウェア構成においては、以下のように錠剤取出を行うように制御することができる。まず、包装装置5のCPU51が、錠剤供給装置10のCPU11に対して、錠剤の取出動作命令を送信する。
そして、錠剤供給装置10のCPU11が、当該取出動作命令に従って、錠剤取出機構15や搬送機構16を制御して錠剤取出動作を行わせることができる。また、錠剤供給装置10のCPU11は、包装装置5のCPU51に対して、錠剤取出動作の状況を示す動作情報を送信することもできる。
次に、情報処理装置300と、カセット式分包機100のハードウェア構成の一例について図18を用いて説明する。
図18では、情報処理装置300のCPU30と、包装装置5のCPU51と、カセット式分包機100(カセット2)のCPU181とがそれぞれ連携して、包装装置5が制御する各装置(各ユニット)、及び、カセット式分包機100が制御する各装置(各ユニット)の各種動作を制御している一例を示している。しかし1つのCPUが、錠剤供給システムの全ての各装置を制御する構成でも構わない。
情報処理装置300のハードウェア構成、および包装装置5のハードウェア構成は図17と同様であるため説明を省略する。
次に、カセット式分包機100のハードウェア構成について説明する。カセット式分包機100のCPU181は、バスに接続されている各デバイスを統括的に制御することができる。ROM184にはCPU181の制御ブログラムや各種制御プログラムが記憶されている。RAM183は、CPU181が動作するためのシステムワークメモリとして機能する。CPU181は、さらに、カセット2から薬剤を排出する際に動作させる薬剤排出機構187における排出動作を制御したり、カセット2から排出した錠剤を検出し、その数をカウントするカウント機構188を制御したりすることもできる。
このようなハードウェア構成においては、以下のように錠剤排出を行うように制御することができる。まず、包装装置5のCPU51が、カセット式分包機100のCPU181に対して、錠剤の排出動作命令を送信する。
そして、カセット式分包機100のCPU181が、当該排出動作命令に従って、薬剤排出機構187を制御して錠剤排出動作を行わせることができる。また、カセット式分包機100のCPU181は、包装装置5のCPU51に対して、錠剤排出動作の状況を示す動作情報を送信することもできる。
次に、図6を用いて本発明における、薬剤供給処理について説明する。図6は、処方データを取得してから分包されるまでの薬剤供給処理の一例を示す図であり、図6に示す各ステップの処理は、情報処理装置300のCPU、カセット式分包機100のCPU、錠剤取出し装置200のCPUのいずれかが実行する。
ステップS601において、情報処理装置300は、これからカセット式分包機100、または錠剤取出し装置200により薬剤を包装する処方データを情報処理装置300と通信可能なレセプトコンピュータから受信することで、取得する。ステップS601は、本発明における、包装紙に包装する錠剤の種類を含む処方データを取得する取得手段の一例である。
図7は、ステップS601において、情報処理装置300がレセプトコンピュータから取得し、情報処理装置300の外部メモリで記憶する処方データの一例を示す図である。
処方No.701は、各処方データを識別するための番号を示す。服用パターン702は、各処方データに含まれる薬剤の服用パターン(左から朝、昼、夜何錠ずつ服用するか)を示す。
図7の全分包数703は、薬剤名705に示す薬剤を分包する包の数を示す。1包には同一の処方データに含まれる同じ服用タイミングの薬剤が全て包装される。つまり、図7の「処方No.1」の場合、「錠剤A」1錠と、「錠剤B」1錠と、「錠剤C」2錠が1つの包に包装されることになる。
図7の全薬剤数704は、薬剤名705に示す薬剤が分包される数の合計を示す。薬剤名705は、各薬剤を特定するための薬剤名を示す。薬剤No706は、各薬剤を一義に区別する番号を示す(本発明における、錠剤を識別するための識別情報の一例)。その他にも、図7に図示していないが、処方データの処方対象となっている患者名や、患者を一義に識別するための患者IDも図7のデータテーブルに含まれている。
なお、本実施形態では、情報処理装置300がレセプトコンピュータから処方データを受信するとしたが、他の実施例として、情報処理装置300のディスプレイ34に表示される処方入力画面を介してユーザからこれから包装する薬品の情報(処方データ)の入力を受け付けても良い。以上で図7の説明を終了し、図6の説明に戻る。
ステップS601の処理が終了すると、情報処理装置300は、ステップS602〜ステップS604までの処理を処方データに含まれる薬剤の数分繰り返す。
ステップS602において、情報処理装置300は、処方データに含まれる薬剤に対応するカセット2がカセット式分包機100にセットされているかを判定する。ステップS602は、本発明における、前記取得手段により取得した処方データに含まれる錠剤の種類が、前記錠剤カセットが収容する錠剤の種類と一致するかを判定する判定手段の一例である。
ステップS602の処理をより具体的に説明すると、情報処理装置300では、カセット式分包機100にセットされている薬剤の情報を予めカセット式分包機100から取得し、図8に示すようなデータテーブルで情報処理装置300の外部メモリで管理しており、当該データテーブルの薬剤名802と、処方データの薬剤名705が一致する場合に、処方データに含まれる薬剤に対応するカセット2がカセット式分包機100にセットされていると判定する。
ステップS602において、処方データに含まれる薬剤に対応するカセット2がカセット式分包機100にセットされていると判定した場合には、ステップS603において、情報処理装置300は、当該薬剤をカセット式分包機100から取り出す旨の情報を情報処理装置300のメモリに一時的に記憶する。
ステップS602において、処方データに含まれる薬剤に対応するカセット2がカセット式分包機100にセットされていないと判定した場合には、ステップS604において、情報処理装置300は、当該薬剤を錠剤取出し装置200から取り出す旨の情報を情報処理装置300のメモリに一時的に記憶すると共に、当該薬剤を封入した錠剤シートをセットする錠剤取出ユニット1の選択を受け付ける画面(例えば、後述する図9)を情報処理装置300のディスプレイ34に表示する。
ステップS603、およびステップS604は、本発明における、前記判定手段により、前記錠剤カセットが収容する錠剤の種類と一致すると判定された場合に、当該錠剤カセットから錠剤を供給するように前記第1の錠剤供給装置に指示し、前記判定手段により、前記錠剤カセットが収容する錠剤の種類と一致しないと判定された場合に、前記錠剤取出しユニットから前記処方データに含まれる錠剤を供給するように前記第2の錠剤供給装置に指示する指示手段の一例である。
ステップS602〜ステップS604の処理を実行することにより、ユーザが処方データに含まれる薬剤(錠剤)に対応する錠剤カセット2が存在するかを確認する必要がなくなるため、処方データに含まれる錠剤を、錠剤カセット、および錠剤取出しユニットのいずれから取り出すべきかをユーザが指示する手間を削減することが可能となる。
ここで、ステップS602において、情報処理装置300のディスプレイ34に表示される画面について、図9を用いて説明する。図9は、薬剤を封入した錠剤シートをセットする錠剤取出ユニット1の選択を受け付ける画面の一例を示す図であり、図7の処方No1に含まれる薬剤を錠剤取出ユニット1に割り当てている図である。
図9中のユニット選択画面900は、錠剤シートをセットする錠剤取出ユニット1の選択を受け付ける画面であり、錠剤供給装置10が備える錠剤取出ユニット1それぞれに対応する枠が表示される。
図9の901には、ステップS601で取得した処方データのうち、図6のステップS602で、錠剤取出し装置200から取り出すと判定された薬剤をユーザに認識させ、かつ当該薬剤を封入した錠剤シートをセットする錠剤取出ユニット1の選択を促すメッセージが表示される。図9中の902は、ユーザ操作に従って、錠剤取出ユニット1のNo.1に錠剤Aが割り当てられた状態を示している。
903はスタートボタンであり、スタートボタン903がユーザ操作に従って選択されると、ユニット選択画面900中の、ユーザ操作に従って選択された錠剤取出ユニット1で錠剤シートから錠剤を取り出すように、情報処理装置300が錠剤取出し装置200に対して指示する。
904はストップボタンであり、ストップボタン904がユーザ操作に従って選択されると、情報処理装置300が錠剤取出し装置200に対して分包動作を停止するように指示する。
905は、予約ボタンであり、予約ボタン905がユーザ操作に従って選択されると、錠剤取出し装置200に対して、情報処理装置300から処方データに従った分包動作を行なう指示がすぐに実行されることなく、図9の画面を介して設定された内容を予約状態として一旦外部メモリに記憶し、後でスタートボタン903が押されたタイミングで、情報処理装置300が錠剤取出し装置200に対して分包動作を実行するように指示する。
なお、本実施形態では、処方データに含まれる薬剤ごとに薬剤を封入した錠剤シートをセットする錠剤取出ユニット1の選択を受け付ける画面(例えば、後述する図9)を情報処理装置300のディスプレイ34に表示するとしたが、他の実施形態として、ステップS602〜ステップS604までの処理を、処方データに含まれる薬剤の数分繰り返した後に、錠剤取出し装置200から取り出すと決定された薬剤を封入した錠剤シートをセットする錠剤取出しユニット1の選択を図9の画面を介して一括で受け付けても良い。
図9の901は、ステップS602〜ステップS604までの処理を、処方データに含まれる薬剤の数分繰り返した後に、錠剤取出し装置200から取り出すと決定された薬剤を封入した錠剤シートをセットする錠剤取出しユニット1の選択を図9の画面を介して一括で受け付ける場合に表示されるメッセージの例を表している。以上で、図9の説明を終了し、図6の説明に戻る。
ステップS605において、情報処理装置300は、情報処理装置300のディスプレイ34上でユーザから分包開始指示を受け付け、ステップS603、およびステップS604で情報処理装置300のメモリに一時的に記憶した情報を基に、カセット式分包機100、および錠剤取出し装置200に対して、処方データを送信する。
ステップS606において、情報処理装置300は、ステップS604で処方データを送信したカセット式分包機100、および、錠剤取出し装置200から、それぞれの装置における分包状況を受信する。
ステップS607において、情報処理装置300は、ステップS606において、カセット式分包機100から受信した分包状況が、カセット式分包機100にセットされている処方データに含まれる薬剤が入ったカセット2の薬剤がなくなったことを示す情報であるか否かを判定する。
情報処理装置300は、カセット式分包機100にセットされている処方データに含まれる薬剤が入ったカセット2の薬剤がなくなったことを示す情報である場合には、ステップS608に処理を移行し、そうでなければステップS610に処理を移行する。
ステップS608において、情報処理装置300は、カセット式分包機100から薬剤がなくなったことを示す情報と共に送信された、不足した薬剤の数(錠数)を基に、不足分の処方データを作成して、錠剤取出し装置200に送信する(ステップS609)。
ステップS610において、情報処理装置300は、ステップS605で処方データを送信した先の全ての装置から分包完了通知を受信したかを判定する。
全ての装置から分包完了通知を受信したならば、本処理を終了し、そうでなければ、分包完了通知を受信していない装置がある旨の情報(本発明における、通知手段の一例)を、全ての装置から分包完了通知を受信するまで、情報処理装置300のディスプレイ34に表示する(ステップS611)。
ステップS611で、分包完了通知を受信していない装置がある旨の情報を表示することによって、複数の装置に対して1つの処方データの分包を割り振った場合に、いずれかの装置で分包が完了していないにも関わらず、他の装置の分包が完了しているのを確認して全ての分包が完了したとユーザが勘違いしてしまう可能性を低減することができる。
ステップS612において、カセット式分包機100は、情報処理装置300から送信された処方データを受信し、処方データに従った分包動作を行なう(ステップS613)。ステップS613の処理の詳細については、図10を用いて後ほど説明する。
ステップS614において、錠剤取出し装置200は、情報処理装置300から送信された処方データを受信し、処方データに従った分包動作を行なう(ステップS615)。ステップS615の処理の詳細については、図11を用いて後ほど説明する。以上で、図6の説明を終了する。
次に、図10を用いて、図6のステップS613の処理の詳細について説明する。図10は、カセット式分包機100による分包処理の一例を示す図である。
ステップS1001において、カセット式分包機100は、図6のステップS612で受信した処方データに含まれる薬剤に対応するカセット2から、処方データに含まれる当該薬剤の全薬剤数704分、薬剤を取り出す動作を実行する。
ステップS1002において、カセット式分包機100は、全薬剤数704分の薬剤がカセット2になく薬剤が不足したか否かを判定する(本発明における、不足判定手段の一例)。
カセット式分包機100は、全薬剤数704分の薬剤がカセット2になく薬剤が不足したと判定した場合には、ステップS1003に処理を移行し、薬剤がカセット2にまだ残っていると判定した場合には、ステップS1004に処理を移行する。
ステップS1003において、薬剤の不足を判定する方法としては、カセット式分包機100内の薬剤の落下経路に、薬剤を検知するためのセンサを設け、全薬剤数704分の薬剤を当該センサにより検出していないにも関わらず、一定時間当該センサで薬剤を検出しなかった場合に、薬剤が不足したと判定する方法が考えられる。
ステップS1003において、カセット式分包機100は、薬剤が不足(なくなったこと)を示す情報と、何錠分不足したかの情報とを情報処理装置300に送信する。
ステップS1004において、カセット式分包機100は、カセット2から排出された薬剤を包装装置5により包装紙に包装する動作を行なう。
ステップS1005において、カセット式分包機100は、処方データに含まれる薬剤の全薬剤数704分、薬剤の取り出しが完了したかを判定する。
カセット式分包機100は、処方データに含まれる薬剤の全薬剤数704分、薬剤の取り出しが完了したならば、ステップS1006に処理を移行し、処方データに含まれる薬剤の全薬剤数704分、薬剤の取り出しが完了していなければ、ステップS1001に処理を戻す。
ステップS1006において、カセット式分包機100は、ステップS1005において、処方データに含まれる薬剤の全薬剤数704分、薬剤の取り出しが完了したと判定されてから、一定時間(最後にカセット2から排出された錠剤が包装されるまでの時間)経過してから、包装が完了した旨の情報を情報処理装置300に送信し、本処理を終了する。以上で図10の説明を終了する。
次に、図11を用いて、図6のステップS613の処理の詳細について説明する。図11は、錠剤取出し装置200による分包処理の一例を示す図である。
ステップS1101において、錠剤取出し装置200は、図6のステップS614で受信した処方データに含まれる薬剤がセットされた錠剤取出ユニット1(ステップS604でユーザから選択を受け付けた錠剤取出ユニット1)から、処方データに含まれる当該薬剤の全薬剤数704分、薬剤を取り出す動作を実行する。
ステップS1102において、錠剤取出し装置200は、錠剤取出ユニット1で取り出した薬剤を包装装置5により包装紙に包装する動作を行なう。
ステップS1103において、錠剤取出し装置200は、処方データに含まれる薬剤の全薬剤数704分、薬剤の取り出しが完了したかを判定する。
錠剤取出し装置200は、処方データに含まれる薬剤の全薬剤数704分、薬剤の取り出しが完了したならば、ステップS1104に処理を移行し、処方データに含まれる薬剤の全薬剤数704分、薬剤の取り出しが完了していなければ、ステップS1101に処理を戻す。
ステップS1104において、錠剤取出し装置200は、ステップS1103において、処方データに含まれる薬剤の全薬剤数704分、薬剤の取り出しが完了したと判定されてから、一定時間(最後にカセット2から排出された錠剤が包装されるまでの時間)経過してから、包装が完了した旨の情報を情報処理装置300に送信し、本処理を終了する。以上で図11の説明を終了する。
次に、図12を用いて、図6のように各装置から分包状況を受信することなく、複数の装置に対して1つの処方データの分包を割り振った場合に、いずれかの装置で分包が完了していないにも関わらず、他の装置の分包が完了しているのを確認して全ての分包が完了したとユーザが勘違いしてしまう可能性を低減することが可能な仕組みについて説明する。
本処理を実行する前提として、薬剤が包装装置5によって、1包に分包されたタイミングで、分包されている薬剤の名称や数、処方No等の情報が含まれる二次元コードが、包装装置5が備えるプリンタ506により分包済みの分包紙に印字されるものとする。
図12は、処方データ分の薬剤の分包が完了したかをチェックする処理の一例を示す図であり、図12に示す各ステップの処理は、情報処理装置300のCPUが実行する。
ステップS1201において、情報処理装置300は、処方データ分の薬剤の分包が完了したかをチェックする処方データを特定する。
処方データの特定方法は、情報処理装置300のディスプレイ34に、ステップS601で取得した処方データを一覧で表示し、これからチェックする処方データの指定をユーザから受け付ける方法や、図6のステップS605のあとに本処理を実行することにより、ステップS605で各装置に送信した処方データをチェックする処方データとして特定する方法が考えられる。
ステップS1202において、情報処理装置300は、当該情報処理装置300と接続するバーコードリーダー400により、薬剤を分包済みの分包紙から二次元コードを読取ることによって得られる分包されている薬剤の名称や数、処方No等の情報を取得する。なお、このときユーザは分包済みの包装紙の二次元コードを全て読み込ませているものとする。
ステップS1203において、情報処理装置300は、ステップS1202で読取った情報と、ステップS605で各装置に送信した処方データとを比較することによって、処方データ分の薬剤の分包が完了したかを判定する。
情報処理装置300は、処方データ分の薬剤の分包が完了したと判定される場合には、ステップS1204に処理を移行し、処方データ分の薬剤の分包が完了していないと判定された場合には、ステップS1205に処理を移行する。
ステップS1204において、情報処理装置300は、処方データ分の薬剤の分包が完了した旨の情報を情報処理装置300のディスプレイ34に表示し、本処理を終了する。
ステップS1205において、情報処理装置300は、処方データ分の薬剤の分包が完了していないことをユーザが認識可能となるような画面を情報処理装置300のディスプレイ34に表示する。ステップS1205で情報処理装置300のディスプレイ34に表示される画面とは、例えば、図13に示す画面である。
図13は、ステップS1205で情報処理装置300のディスプレイ34に表示される、処方データ分の薬剤の分包が完了していないことをユーザに通知する画面の一例を示す図である。
図13の1301には、ステップS601で取得した処方データが一覧で表示されており、一覧の中から、これからチェックする処方データの指定をユーザから受け付けることが可能である。
図13の1302には、ステップS1205で処方データ分の薬剤の分包が完了していないと判定された場合に、処方データ分の薬剤の分包が完了していないことをユーザが認識可能となるようなポップアップが表示される。残り包数の算出方法は、例えば、図7に示す処方データの全分包数703と、ステップS1202で二次元コードを読取った数とを比較する事により算出することが出来る。以上で図12および図13の説明を終了する。
次に、図14を用いて、図6に示す薬剤供給処理の他の実施形態について説明する。図14に示す各ステップの処理は、情報処理装置300のCPU、カセット式分包機100のCPU、錠剤取出し装置200のCPUのいずれかが実行する。
なお、図14のステップS1401〜ステップS1415までの各処理は、それぞれ図6のステップS601〜ステップS615までの各処理と同様の処理であり、図14が図6の処理と異なる点は、図14には図6にないステップS1416の処理、およびステップS1417の処理が実行される点である。
そのため、図14のステップS1401〜ステップS1415までの各処理については、説明は省略し、以下、ステップS1416の処理、およびステップS1417の処理について、説明する。
ステップS1416において、情報処理装置300は、1つの処方データに含まれる同一の服用タイミングで飲むべき複数種類の薬剤が、ステップS1402〜ステップS1404の処理の結果、別々の装置、つまりカセット式分包機100と錠剤取出し装置200とでそれぞれ取り出すように設定されていないかを判定する。
ステップS1416の処理について、図7の処方データを例としてより具体的に説明すると、処方No.1に含まれる錠剤A、錠剤B、錠剤Cは、いずれも朝に服用する必要があるが、錠剤Cは対応するカセット2がカセット式分包機100にあり、錠剤Aと錠剤Bは対応するカセット2がカセット式分包機100にないため、錠剤Cはカセット式分包機100で包装され、錠剤Aと錠剤Bは錠剤取出し装置200で包装されるため、ステップS1416でYesと判定される。仮に、錠剤Cは夜のみ服用し、錠剤Aと錠剤Bは朝だけ服用するような処方データである場合には、Noと判定される。
ステップS1416で、1つの処方データに含まれる同一の服用タイミングで飲むべき複数種類の薬剤が、別々の装置、つまりカセット式分包機100と錠剤取出し装置200とでそれぞれ取り出すように設定されたと判定された場合には、ステップS1417で、カセット式分包機100に割り当てられた薬剤も錠剤取出し装置200で取り出すように設定する。つまり、図7の処方No.1の場合、錠剤Aと錠剤Bに加え、錠剤Cも錠剤取出し装置200で取り出すように設定する。
ステップS1416、ステップS1417の処理を実行する理由は、本処理を実行しない場合、服用タイミングが同じであるにも関わらず複数の薬剤が2包に分けられてしまうため、患者によっては、不都合に感じる場合があるためである。そのため、ステップS1416、ステップS1417の処理を実行することにより、服用タイミングが同じである複数の薬剤が2包に分けられることを防ぐことが可能となる。以上で、図14の処理を終了する。
次に図15を用いて、図1に示した錠剤供給システムの他の実施形態について説明する。図15が図1と異なる点は、図1ではカセット式分包機100と錠剤取出し装置200とが別々の装置であったが、図15に示す実施形態では、それら2つの装置が一体となっている点である(以下、本装置を複合型分包機1500と呼ぶ)。
複合型分包機1500では、カセット2から排出された薬剤、および錠剤取出ユニット1で取り出された薬剤は、いずれも共通の錠剤導入路を落下して、包装装置5により分包紙に分包される(以下、複合型分包機1500から包装装置5を除いた部分を、錠剤供給装置1501とも呼ぶ)。
複合型分包機1500は、本発明における、所定の種類の錠剤を収容する錠剤カセットと、錠剤シートから錠剤を取り出す錠剤取出しユニットとを備え、当該錠剤カセットで収容する錠剤、および当該錠剤取出しユニットで錠剤シートから取り出された錠剤を供給する錠剤供給装置の一例である。
以上で、図15の説明を終了し、ここから図15に示す複合型分包機1500のハードウェア構成について図19を用いて説明する。
図19は、複合型分包機1500のハードウェア構成の一例を示す図である。図19では、包装装置5のCPU51と、錠剤供給装置1501のCPU191とがそれぞれ連携して、包装装置5が制御する各装置(各ユニット)、及び、錠剤供給装置1501が制御する各装置(各ユニット)の各種動作を制御している一例を示している。しかし1つのCPUが、全ての各装置を制御する構成でも構わない。
包装装置5のハードウェア構成は図17と同様であるため説明を省略する。
次に、錠剤供給装置1501のハードウェア構成について説明する。錠剤供給装置1501のCPU191は、バスに接続されている各デバイスを統括的に制御することができる。ROM194にはCPU191の制御ブログラムや各種制御プログラムが記憶されている。RAM193は、CPU191が動作するためのシステムワークメモリとして機能する。CPU191は、さらに、錠剤取出機構195における取出動作を制御したり、錠剤シートを搬送する搬送機構196を制御したり、カセット2から薬剤を排出する際に動作させる薬剤排出機構197における排出動作を制御したり、カセット2から排出した錠剤を検出し、その数をカウントするカウント機構198を制御したりすることもできる。
このようなハードウェア構成においては、以下のように錠剤排出を行うように制御することができる。まず、包装装置5のCPU51が、錠剤供給装置1501のCPU191に対して、錠剤の取出・排出動作命令を送信する。
そして、錠剤供給装置1501のCPU191が、当該取出・排出動作命令に従って、錠剤取出機構195や搬送機構196、薬剤排出機構197を制御して錠剤取出・排出動作を行わせることができる。また、錠剤供給装置1501のCPU191は、包装装置5のCPU51に対して、錠剤排出動作の状況を示す動作情報を送信することもできる。
以上で、図19の説明を終了し、ここから図15の実施形態において実行される薬剤供給処理について図16を用いて説明する。
図16は、図15の実施形態における薬剤供給処理の一例を示す図であり、図16に示す各処理は、複合型分包機1500のCPUが実行する。
ステップS1601において、複合型分包機1500は、これから複合型分包機1500により薬剤を包装する処方データ(例えば、図7)をレセプトコンピュータから受信することで、取得する。ステップS1601は、本発明における、包装紙に包装する錠剤の種類を含む処方データを取得する取得手段の一例である。
なお、本実施形態では、複合型分包機1500が、レセプトコンピュータから処方データを受信するとしたが、他の実施例として、当該複合型分包機1500と接続する情報処理装置300のディスプレイ34に表示される処方入力画面を介してユーザからこれから包装する薬品の情報(処方データ)の入力を受け付けても良いし、複合型分包機1500が備えるディスプレイに表示される処方入力画面を介してユーザからこれから包装する薬品の情報(処方データ)の入力を受け付けても良い。
ステップS1601の処理が終了すると、複合型分包機1500は、ステップS1602〜ステップS1604までの処理を処方データに含まれる薬剤の数分繰り返す。
ステップS1602において、複合型分包機1500は、処方データに含まれる薬剤に対応するカセット2が複合型分包機1500にセットされているかを判定する。ステップS1602は、本発明における、前記取得手段により取得した処方データに含まれる錠剤の種類が、前記第1の錠剤供給装置が備える前記錠剤カセットが収容する錠剤の種類と一致するかを判定する判定手段の一例である。
ステップS1602の処理をより具体的に説明すると、複合型分包機1500では、複合型分包機1500にセットされている薬剤の情報を、図8に示すようなデータテーブルで複合型分包機1500のメモリで管理しており、当該データテーブルの薬剤名802と、処方データの薬剤名705が一致する場合に、処方データに含まれる薬剤に対応するカセット2が複合型分包機1500にセットされていると判定する。
ステップS1602において、処方データに含まれる薬剤に対応するカセットが複合型分包機1500にセットされていると判定した場合には、ステップS1603において、複合型分包機1500は、当該薬剤をカセット2から取り出す旨の情報を複合型分包機1500のメモリに一時的に記憶する。
ステップS1602において、処方データに含まれる薬剤に対応するカセットがカセット2にセットされていないと判定した場合には、ステップS1604において、複合型分包機1500は、当該薬剤を錠剤取出ユニット1から取り出す旨の情報を複合型分包機1500のメモリに一時的に記憶すると共に、当該薬剤を封入した錠剤シートをセットする錠剤取出ユニット1の選択を受け付ける画面(例えば、図9)を複合型分包機1500のディスプレイ、または当該複合型分包機1500と接続する情報処理装置300のディスプレイ34に表示する。
ステップS1603、およびステップS1604は、本発明における、前記判定手段により、前記錠剤カセットが収容する錠剤の種類と一致すると判定された場合に、当該錠剤カセットから錠剤を供給するように当該錠剤カセットに対して指示し、前記判定手段により、前記錠剤カセットが収容する錠剤の種類と一致しないと判定された場合に、前記錠剤供給装置が備える前記錠剤取出しユニットから前記処方データに含まれる錠剤を供給するように当該錠剤取出しユニットに指示する指示手段の一例である。
ステップS1602〜ステップS1604の処理を実行することにより、ユーザが処方データに含まれる薬剤(錠剤)に対応する錠剤カセット2が存在するかを確認する必要がなくなるため、処方データに含まれる錠剤を、錠剤カセット、および錠剤取出しユニットのいずれから取り出すべきかをユーザが指示する手間を削減することが可能となる。
ステップS1605において、複合型分包機1500は、分包開始指示を、複合型分包機1500のディスプレイ、または当該複合型分包機1500と接続する情報処理装置300のディスプレイ34を介してユーザから受け付ける。
ステップS1606において、複合型分包機1500は、複合型分包機1500のメモリに記憶されている情報を基に、薬剤を取り出すべきカセット2、およびまたは錠剤取出ユニット1から錠剤を取り出す(排出する)。
ステップS1607において、複合型分包機1500は、全薬剤数704分の薬剤がカセット2になく薬剤が不足したか否かを判定する。
複合型分包機1500は、全薬剤数704分の薬剤がカセット2になく薬剤が不足したと判定した場合には、ステップS1608に処理を移行し、薬剤がカセット2にまだ残っていると判定した場合には、ステップS1610に処理を移行する。
ステップS1607において、薬剤の不足を判定する方法としては、複合型分包機1500内の薬剤の落下経路に、薬剤を検知するためのセンサを設け、全薬剤数704分の薬剤を当該センサにより検出していないにも関わらず、一定時間当該センサで薬剤を検出しなかった場合に、薬剤が不足したと判定する方法が考えられる。
ステップS1608において、複合型分包機1500は、不足した薬剤の数(錠数)分の処方データを作成して、ステップS1609において、当該処方データに含まれる薬剤を封入した錠剤シートをセットする錠剤取出ユニット1の選択を受け付ける画面を複合型分包機1500のディスプレイ、または当該複合型分包機1500と接続する情報処理装置300のディスプレイ34に表示し、錠剤取出ユニット1の選択を受け付ける。
ステップS1610において、複合型分包機1500は、錠剤取出ユニット1およびまたはカセット2で取り出した薬剤を包装装置5により包装紙に包装する動作を行なう。
ステップS1611において、複合型分包機1500は、処方データに含まれる薬剤の全薬剤数704分、薬剤の取り出しが完了したかを判定する。
複合型分包機1500は、処方データに含まれる薬剤の全薬剤数704分、薬剤の取り出しが完了したならば、ステップS1611において、処方データに含まれる薬剤の全薬剤数704分、薬剤の取り出しが完了したと判定されてから、一定時間(最後にカセット2または錠剤取出ユニット1から排出された錠剤が包装されるまでの時間)経過してから、本処理を終了する。
なお、本実施形態において、ステップS1601〜ステップS1604までの処理を複合型分包機1500が実行するとしたが、他の実施形態として、ステップS1601〜ステップS1604までの処理を当該複合型分包機1500と接続する情報処理装置300が実行し、その結果を複合型分包機1500が受信して、ステップS1605以降の処理を複合型分包機1500が実行しても良い。以上で、図16の説明を終了する。
以上、本発明によると、処方データに含まれる錠剤を、錠剤カセット、および錠剤取出しユニットのいずれから取り出すべきかをユーザが指示する手間を削減することが可能な仕組みを提供することができる。
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。