JP5796690B1 - 電磁波シールドシートおよびプリント配線板 - Google Patents

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【課題】本発明は、印字の視認性に優れた絶縁層を有する電磁波シールドシートを提供することを目的とする。【解決手段】導電層、および絶縁層を備え、前記絶縁層が熱硬化性樹脂、硬化剤、および黒色系着色剤を含み、前記黒色系着色剤は、平均一次粒子径が20〜100nmであることを特徴とする電磁波シールドシート。また、前記絶縁層の85?光沢度は、15〜50が好ましい。また、前記絶縁層のL*a*b*表色系におけるL*値は、20〜30であることが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、プリント配線板等の電子部品から発生する電磁波を遮蔽する電磁波シールドシートに関する。
フレキシブルプリント配線板(以下、FPCという)は、屈曲性を有することから、近年のOA機器、通信機器、携帯電話などの更なる高性能化、小型化の要請に応えるべく、その狭く複雑な構造からなる筐体内部に電子回路を組み込むために多用されている。そうした電子回路のダウンサイズ化・高周波化に伴い、そこから発生する不要な電磁ノイズに対する対策がますます重要になってきている。そこで、従来からFPCに、電子回路から発生する電磁ノイズを遮蔽する電磁波シールドシートを積層することが行われている。この電磁波シールドシートは、電磁波シールド性に加えて、貼り合わせたFPC全体の耐屈曲性を損なわないよう、薄さと優れた耐屈曲性が要求される。そのため、電磁波シールドシートは、厚さの薄い基材フィルム上に導電層を設けた構成が広く知られている。
例えば、特許文献1には、接着剤層、カバーフィルム、金属薄膜層、導電性接着剤層を順次積層した電磁波シールドシートが開示されている。また、特許文献2には、ベースフィルム、金属薄膜層、導電性接着剤層を順次積層した電磁波シールドシートが開示されている。また、特許文献3には、カバーフィルム、金属薄膜層、導電性接着剤層を順次積層した電磁波シールドシートが開示されている。
電磁波シールドフィルムを大判の配線板に貼り付けた後、所定の形にカットし、電子機器に搭載可能な大きさのプリント配線板を作成する。この場合、製造メーカーや生産ロットを把握するため、プリント配線板上の電磁波シールドフィルムの絶縁層上に、スクリーン印刷等により品名やロットナンバーが白色に印字される場合が多いところ、この印字面積が小さいため、文字の大きさも小さいのが通常である。
特開2003−298285号公報 特開2004−273577号公報 特開2004−95566号公報
FPCは、積層された電磁波シールドシートの最表面に製品番号やロット番号を印字することが行なわれているが、従来の電磁波シールドシートは、最表面が光沢を有するため、FPCを電子機器に搭載する作業者にとって印字の視認性が悪かった。また、特許文献1の電磁波シールドシートは、接着剤層を着色していたが、着色の色相が悪く、作業者が印字を視認しにくい問題があった。
本発明は、印字の視認性に優れた絶縁層を有する電磁波シールドシートを提供することを目的とする。
本発明の電磁波シールドシートは、導電層、および絶縁層を備え、前記絶縁層が熱硬化性樹脂、硬化剤、および黒色系着色剤を含み、前記黒色系着色剤は、平均一次粒子径が20〜100nmであり、前記黒色系着色剤の含有量が、絶縁層100重量%中、12.2〜40重量%であり、さらに絶縁層の85°光沢度が15〜50、かつL*a*b*表色系におけるL*値が20〜30であることを特徴とする。
上記の本発明によれば絶縁層が平均一次粒子径20〜100nmの黒色系着色剤を含み、前記黒色系着色剤の含有量が、絶縁層100重量%中、12.2〜40重量%であり、さらに絶縁層の85°光沢度が15〜50、かつL*a*b*表色系におけるL*値が20〜30であるため、絶縁層に印字された文字の視認性が向上したことで、作業者がFPCを選別し、電子機器に搭載するときの作業性が向上し、生産性も向上した。
電磁波シールドシートの断面図 プリント配線板の断面図
本発明により印字の視認性に優れた絶縁層を有する電磁波シールドシートを提供できる。
本発明の電磁波シールドシートは、導電層および絶縁層を備える。
<絶縁層>
絶縁層は、熱硬化性樹脂、硬化剤、および黒色系着色剤を含む絶縁性樹脂組成物を成形することで得る。
熱硬化性樹脂は、加熱による架橋反応に利用できる官能基を複数有する樹脂である。
官能基は、例えば、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリン基、オキサジン基、アジリジン基、チオール基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シラノール基等が挙げられる。
上記の官能基を有する熱硬化性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル樹脂、縮合型ポリエステル樹脂、付加型ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール系樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ポリ乳酸樹脂、オキサゾリン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの中でも表面抵抗値と耐摩耗性の点から、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、付加型ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。
本発明では熱硬化性樹脂に加え、熱可塑性樹脂を併用できる。
熱可塑性樹脂としては、前記硬化性官能基を有しないポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ジエン系樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン、α−オレフィン化合物などのホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、ポリエチレンプロピレンゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、α−オレフィンポリマー等が挙げられる。
ビニル系樹脂は、酢酸ビニルなどのビニルエステルの重合により得られるポリマーおよびビニルエステルとエチレンなどのオレフィン化合物とのコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコール等が挙げられる。
スチレン・アクリル系樹脂は、スチレンや(メタ)アクリロニトリル、アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド類などからなるホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアクリロニトリル、アクリルコポリマー、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
ジエン系樹脂は、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物のホモポリマーまたはコポリマーおよびそれらの水素添加物が好ましい。具体的には、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンブロックコポリマー等が挙げられる。テルペン樹脂は、テルペン類からなるポリマーまたはその水素添加物が好ましい。具体的には、例えば、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂が挙げられる。
石油系樹脂は、ジシクロペンタジエン型石油樹脂、水添石油樹脂が好ましい。セルロース系樹脂は、セルロースアセテートブチレート樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAポリカーボネートが好ましい。ポリイミド系樹脂は、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸型ポリイミド樹脂が好ましい。
硬化剤は、熱硬化性樹脂中の官能基と反応可能な官能基を複数有している。硬化剤は、エポキシ化合物、酸無水物基含有化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、ジシアンジアミド、芳香族ジアミン等のアミン化合物、フェノールノボラック樹脂等のフェノール化合物等が好ましい。
硬化剤は、熱硬化性樹脂100重量部に対して1〜50重量部含むことが好ましく、3〜30重量部がより好ましく、3〜20重量部がさらに好ましい。
絶縁層は、黒色系着色剤を含むことで印字された文字の視認性を向上できる。黒色系着色剤は、黒色顔料、ならびに赤色、緑色、青色、黄色、紫色、シアンおよびマゼンタ等の顔料を複数含む混合系着色剤が好ましい。混合系着色剤は、複数の顔料を減色混合することで黒色を得ることができる。
黒色顔料は、例えばカーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)、ペリレンブラック、チタンブラック、鉄黒、アニリンブラック等が挙げられる。
黒色系着色剤は、平均一次粒子径が20〜100nmであることが必要である。前記平均一次粒子径の黒色系着色剤を用いることで絶縁層は、色ムラのない鮮明な黒色に着色でき、文字の視認性がより向上する。平均一次粒子径を20nm以上にすることで絶縁性樹脂組成物の粘度を塗工に適した水準に維持しやすい。また平均一次粒子径を100nm以下にすることで絶縁層の黒色度が向上し、印字視認性がより向上する。なお、黒色系着色剤の粒子形状が、1.5以上の平均アスペクト比(長軸長さ/短軸長さ)を有する場合、平均一次粒子径は、長軸長さを平均して求める。
なお、黒色系着色剤の平均一次粒子径は透過型電子顕微鏡(TEM)により5万倍〜100万倍程度に拡大した画像から観察できる20個程度の一次粒子の平均値から求めることができる。
混合系着色剤は、以下の顔料を使用できる。なお、「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
赤色顔料およびマゼンタ顔料は、例えばC.I.ピグメントレッド 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、168、176、177、178、184、185、187、200、202、208、210、242、246、254、255、264、270、272および279等が挙げられる。
緑顔料は、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55および58等が挙げられる。
青顔料およびシアン顔料は、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78および79等が挙げられる。
黄顔料は、例えばC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、184、185、187、188、193、194、198、199、213および214等が挙げられる。
紫顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49および50等が挙げられる。
黒色系着色剤は、絶縁層100重量%中に0.5〜40重量%含むことが好ましく、1〜30重量%がより好ましい。黒色系着色剤を0.5〜40重量%含むことで絶縁層は、良好な印字視認性と、絶縁性を両立し易くなる。
絶縁性樹脂組成物は、必要に応じて黒色系着色剤以外の顔料および染料、ならびにシランカップリング剤、酸化防止剤、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤,充填剤,難燃剤等を含むことができる。
絶縁性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂、硬化剤、および黒色系着色剤を混合し攪拌して得ることができる。攪拌は、公知の攪拌装置を使用でき、ディスパーマットやホモジナイザー等が好ましい。
絶縁層は、例えば絶縁性樹脂組成物を剥離性シート上に塗工することで形成できる。または、絶縁性樹脂組成物を例えばTダイのような押出成形機により、シート状に押し出すことで形成できる。
塗工は、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレード方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等の公知の塗工方法を使用できる。塗工の際、必要に応じて乾燥工程を設けてもよい。前記乾燥は、熱風乾燥機および赤外線ヒーター等公知の乾燥装置が使用できる。
絶縁層の厚みは、用途に応じて適宜設計可能であるが、約0.5μm〜25μm程度が好ましく、2μm〜15μm程度がより好ましい。
<絶縁層の光沢>
本発明の電磁波シールドシートは、絶縁層表面の85°光沢度が15〜50であることが好ましい。光沢度が15〜50であることで光は絶縁層表面で適度に散乱され、光沢感が適度に抑制される。そのため、絶縁層に印字された文字は、様々な角度から見易くなるため視認性が向上する。さらに光沢度が15〜50になると絶縁層表面の凹凸度合いが適度に大きくなり、接触する実質的な面積が減少するため耐摩耗性が向上する。
光沢度が15以上になることで剥離性シートと絶縁層との間の剥離が容易になる。また光沢度が50以下になると印字の視認性がより向上する。なお、光沢度の測定方法は後述する。
絶縁層表面に所定の光沢値を付与するためには、例えば、以下のような方法によることができる。
剥離性シートの剥離処理面にあらかじめ、サンドブラスト処理等によって凹凸を形成する。この表面に絶縁性樹脂組成物を塗工することで、剥離性シートの凹凸が絶縁層に転写され、適度な光沢度を付与することができる。
また別の方法として、剥離性シート上に形成した導電層に、絶縁性樹脂組成物を塗工し、機械研磨などの処理を施すことによって光沢度を調整できる。
または、これらの方法によらずとも、適当な艶消し剤や無機フィラー等の添加剤を絶縁性樹脂組成物に添加することで、絶縁層表面に凹凸を形成することも可能である。
<絶縁層のL*値>
本発明の電磁波シールドシートは、絶縁層表面のL*a*b*表色系におけるL*値が20〜30であることが好ましい。L*値を20〜30にすると絶縁層表面で光が吸収され、例えば、白色で印字した文字をよりはっきりと視認できる。
また、L*値を上記範囲にすることで、表面の一部がこすれて摩耗した場合、外観の黒色度は大きく変わらず、外観不良が起きにくくなる。すなわち耐摩耗性を向上することができる。なお、L*a*b*値は色空間を表す座標軸である。L*は、明度を意味する次元、a*およびb*は、補色次元を意味する。L*値が高い場合漆黒性は低く。逆にL*値が低い場合漆黒性が高いため、印字視認性が良好となる。
このようなL*値を得るためには、例えば、平均一次粒子径が20〜100nmである黒色系着色剤を、形成される絶縁層中に0.5〜40重量%配合することが好ましく、1〜30重量%配合することがより好ましい。なお、L*値を20〜30に調整する手段が黒色系着色剤に限定されないことはいうまでもない。黒色系着色剤に2次凝集が生じた場合は、必要に応じてサンドミル等で解砕処理を行うことでL値を20〜30に調整できる。
L値が20以上にすることで絶縁信頼性をより向上できる。またL値が30以下になることで印字視認性がより向上する。
<絶縁層の表面抵抗値>
本発明の電磁波シールドシートは、絶縁層の表面抵抗値が1×105〜1×1014Ω/□であることが好ましい。絶縁層の表面抵抗値が1×105Ω/□以上になることで絶縁性がより向上する。また表面抵抗値が1×1014Ω/□以下になることで、例えば、絶縁層を絶縁性樹脂組成物の塗工で形成する場合の塗工性がより向上する。
<導電層>
導電層は、バインダー樹脂および導電性微粒子を含む導電性樹脂組成物から形成することが好ましい。また、導電層は、プリント配線板上に形成されたカバーフィルムや絶縁基材等に貼付されるため接着性を有する。
導電層は、等方導電層または異方導電層から適宜選択できる。当方導電層は、電磁波シールドシートを水平に置いた状態で、上下方向および水平方向に導電性を有する。また、異方導電層は、電磁波シールドシートを水平に置いた状態で、上下方向のみに導電性を有する。
バインダー樹脂は、絶縁層で説明した熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂から適宜選択して使用できる。熱硬化性樹脂を使用する場合、絶縁層で説明した硬化剤を併用することが好ましい。
バインダー樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が−20〜100℃が好ましく、0〜80℃がより好ましい。バインダー樹脂は、1種類を用いても複数種類を併用してもよい。複数種類を用いる場合は、混合前のTgが上記範囲に含まれているものを主成分とすることが好ましい。なおTgは、メトラー・トレド社製「DSC−1」を用いて測定した。
導電性微粒子は、金、白金、銀、銅およびニッケル等の導電性金属、ならびにその合金、ならびに導電性ポリマーの微粒子が好ましい。また単一組成の微粒子ではなく金属や樹脂を核体とし、前記核体の表面を被覆する被覆層を核体よりも導電性が高い素材で形成した複合微粒子がコストダウンの観点から好ましい。
核体は、ニッケル、シリカ、銅および樹脂から選択することが好ましく、導電性の金属およびその合金がより好ましい。
被覆層は、導電性が優れる素材であればよく、導電性金属または導電性ポリマーが好ましい。導電性金属は、例えば、金、白金、銀、錫、マンガン、およびインジウム等、ならびにその合金が挙げられる。また導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げられる。これらの中でも導電性の面から銀が好ましい。
複合微粒子は、核体100重量部に対して、1〜40重量部の割合で被覆層を有することが好ましく、5〜30重量部がより好ましい。1〜40重量部で被覆すると、導電性を維持しながら、よりコストダウンができる。なお複合微粒子は、被覆層が核体を完全に覆うことが好ましい。しかし、実際には、核体の一部が露出する場合がある。このような場合でも核体表面面積の70%以上を導電性物質が覆っていれば、導電性を維持しやすい。
導電性微粒子の形状は、所望の導電性が得られればよく形状は限定されない。具体的には、例えば、球状、フレーク状、葉状、樹枝状、プレート状、針状、棒状、ブドウ状が好ましい。なお、導電性微粒子は、一般にフレーク状の微粒子を使用すると等方導電性が得られ、球状または樹枝状の微粒子を使用すると異方導電性が得られる。
導電性微粒子の平均粒子径は、D50平均粒子径であり、1〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましい。
なお、D50平均粒子径は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS13320(ベックマン・コールター社製)を使用し、トルネードドライパウダーサンプルモジュールにて、導電性微粒子を測定して得た数値であり、粒子径累積分布における累積値が50%の粒子径である。なお、屈折率の設定は1.6とした。
導電性微粒子は、単独または2種類以上を併用できる。
導電性微粒子は、バインダー樹脂100重量部に対して、50〜1500重量部を配合することが好ましく、100〜1000重量部がより好ましい。
導電性樹脂組成物は、さらにイオンキャッチャー剤を含むことが好ましい。イオンキャッチャー剤を配合すると、導電性微粒子が金属微粒子である場合、金属イオンに起因した導電性および密着性の経時低下を抑制できる。
イオンキャッチャー剤は、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、N−サリシロイル−N’−アルデヒドラジン、N,N−ジベンザル(オキザルヒドラジド)、イソフタリック酸ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジン)[3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン等が挙げられる。これらの中でもデカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジドおよびN,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンはイオン捕捉効果が高いため好ましい。
イオンキャッチャー剤は、導電性微粒子100重量部に対して、0.5〜30重量部配合することが好ましく、1〜20重量部がより好ましい。0.5〜30重量部配合することで導電性および耐熱性の経時低下をより抑制できる。
また、導電性樹脂組成物は、さらに増粘剤を含むことが好ましい。増粘剤を含むことで導電性樹脂組成物は導電性微粒子の分散安定性が向上する。増粘剤は、例えばシリカ粉末、有機ベントナイト、ポリカルボン酸化合物、ポリウレタン化合物、ウレア化合物、ポリアミド化合物等が好ましい。
導電性樹脂組成物は、さらにシランカップリング剤、防錆剤、還元剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤、充填剤、難燃剤等を配合できる。
導電性樹脂組成物は、導電性微粒子とバインダー樹脂とを混合し攪拌して得ることができる。攪拌は、公知の攪拌装置を使用でき、ディスパーマットやホモジナイザー等が好ましい。
導電層は、導電性樹脂組成物を使用して絶縁層での説明と同様に作製できる。
導電層の厚みは、1〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましく、4〜15μmがさらに好ましい。厚みが1〜100μmの範囲にあることで導電性と、その他の物性を両立しやすくなる。
<電磁波シールドシート>
本発明の電磁波シールドシートは、絶縁層および導電層を備えた第一の実施態様、絶縁層、金属薄膜層および導電層を備えた第二の実施態様が好ましい。
第一の実施態様の場合、導電層は、等方導電層である。また第二の実施態様の場合、導電層は、等方導電層および異方導電層から適宜選択できるところ、異方導電層を使用するとコストダウンが容易になる。
第一の実施態様の作製は、既に説明したように予め作製した導電層、絶縁層を貼り合わせることで得られる。または、公知の方法で作製できる。
第二の実施態様の作製は、例えば、剥離性シート上に金属層を形成し、別途、剥離性シート上に異方導電層を形成したものを、金属薄膜面にラミネートして製造できる。
金属層は、例えばアルミニウム、銅、銀、金等の導電性の金属箔が好ましく、シールド性、およびコストの面から銅、銀、アルミニウムがより好ましく、銅がさらに好ましい。銅は、例えば、圧延銅箔または電解銅箔を使用することが好ましく、金属層の薄さを追及すると圧延銅箔をエッチング処理したものや電解銅箔がより好ましい。金属箔の場合、厚みは0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
また、金属層は、金属箔以外に真空蒸着、スパッタリング、CVD法、MO(メタルオーガニック)、メッキ等で形成しても良い。これらの中でも量産性を考慮すれば真空蒸着およびメッキが好ましい。金属箔以外の金属層の厚みは、通常0.005〜5μm程度である。なお、金属蒸着膜の厚みは、0.1〜3μmが好ましい。スパッタリングの厚みは、10〜1000nmが好ましい。
本発明の電磁波シールドシートは、上記層構成に加えて、導電性・絶縁性以外の他の機能層を積層することもできる。
他の機能層は、例えばハードコート性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、低誘電率、高誘電率性または耐熱性等の機能を有する層である。
また、本発明の電磁波シールドシートは、熱硬化性樹脂を使用した場合、熱硬化性樹脂の架橋性官能基と硬化剤の官能基が一部反応した状態(半硬化状態)で存在するのが好ましい。そして、電磁波シールドシートを使用する際、例えばFPC(フレキシブルプリント配線板)に重ね、または貼り付けた後に加熱圧着工程により十分に硬化することで所望の接着強度が得られる場合が多い。
剥離性シートは、紙またはプラスチックの基材を使用することが好ましく、基材の一方の面に公知の剥離処理がされているシート、または剥離処理に代えて、微粘着力の粘着剤層が形成されたシートである。
なお電磁波シールドシートは、導電層または絶縁層の保護および取り扱いを容易にするため、使用する直前まで剥離性シートを貼り付けた状態で保存する場合が多い。
本発明の電磁波シールドシートは、電磁波をシールドする必要がある様々な用途に使用できる。例えば、リジッドプリント配線板は元より、フレキシブルプリント配線板、COF、TAB、フレキシブルコネクタ、液晶ディスプレイ、タッチパネル等に使用できる。また、パソコンのケース、建材の壁および窓ガラス等の建材、車両、船舶、航空機等の電磁波を遮蔽する部材としても使用できる。
本発明のプリント配線板は、電磁波シールドシートと、カバーコート層ならびに信号配線および絶縁性基材を含む配線板とを備えている。
本発明のプリント配線板について、図2を参照して説明する。
電磁波シールドシート4は、絶縁層1、金属層3、導電層2を含む構成である。なお図示しないが、電磁波シールドシートは、絶縁層1、導電層2を含む構成も好ましい。
カバーコート層6は、配線板の信号配線を覆い外部環境から保護する絶縁材料である。カバーコート層6は、熱硬化型または紫外線硬化型のソルダーレジスト、感光性カバーレイフィルムが好ましく、微細加工をするためには感光性カバーレイフィルムがより好ましい。
信号配線は、アースを取るグランド配線8、電子部品に電気信号を送る配線回路9を含む。両者は銅箔をエッチング処理することで形成することが一般的である。
絶縁性基材7は、配線板がフレキシブルプリント配線板(FPC)である場合、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等の屈曲可能なプラスチックが好ましく、ポリイミドがより好ましい。また、配線板がリジッド配線板の場合、絶縁性基材7の構成材料は、ガラスエポキシが好ましい。これらのような絶縁性基材7を備えることで配線板は高い耐熱性が得られる。
電磁波シールドシート4と、配線板との加熱圧着は、温度150〜190℃程度、圧力1〜3MPa程度、時間1〜60分程度の条件で行うことが一般的である。加熱圧着により導電層2とカバーコート層6が密着するとともに、導電層2が流動して穴10を埋めることでグランド配線8との間で導通が取れる。さらに熱硬化性樹脂を使用した場合、加熱圧着により熱硬化性樹脂と硬化剤が反応する。なお、硬化を促進させるため、加熱圧着後に150〜190℃で30〜90分間ポストキュアを行う場合もある。なお、電磁波シールドシートは、加熱圧着後に電磁波シールド層ということがある。
本発明のプリント配線板は、液晶ディスプレイ、タッチパネル等のほか、ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器に備えることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。
実施例で使用した導電性微粒子、バインダー樹脂、エポキシ化合物を以下に示す。
・導電性微粒子:複合微粒子(核体:銅、被覆層:銀)平均粒径D50:11.0μm 福田金属箔粉工業社製)
・バインダー樹脂:熱硬化性ウレタン樹脂(酸価=5mgKOH/g)トーヨーケム社製
・エポキシ化合物:ビスフェノールA型エポキシ樹脂「JER828」(エポキシ当量=189g/eq)三菱化学社製
アジリジン化合物:「ケミタイトPZ−33」日本触媒社製
黒色系着色剤を表1に示す。
Figure 0005796690
<実施例1>
バインダー樹脂を100部、導電性微粒子を450部、硬化剤としてエポキシ化合物15部およびアジリジン化合物2.0部を容器に仕込み、不揮発分濃度が40重量%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(重量比2:1)の混合溶剤を加えディスパーで10分攪拌することで導電性樹脂組成物を得た。次いで、導電性樹脂組成物を剥離性シート上に、乾燥厚みが10μmになるようにバーコーターを使用して塗工し、さらに100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで導電層を得た。
別途、バインダー樹脂100部、黒色系着色剤として旭カーボン社製「RCF/SB200」14.8部にメチルエチルケトンを加えて、不揮発分濃度を30.0重量%に調製した。この混合物をディスパーで攪拌した後にジルコニアビーズを用いてアイガーミル(アイガージャパン社製)で分散することで分散液を得た。得られた分散液中のバインダー樹脂分100部に対して硬化剤としてエポキシ樹脂3.7部、艶消し剤の「CERAFLOUR929」(ポリエチレン粒子入りワックス ビックケミー社製)1部を加えて絶縁性樹脂組成物を得た。この絶縁性樹脂組成物を得られた導電層表面に、バーコーターを用いて乾燥厚みが15μmになるように塗工し、さらに100℃の電気オーブンで3分間乾燥することで電磁波シールドシートを得た。なお、絶縁層側には異物付着防止のため微粘着剥離性シートを貼り合わせた。
<実施例2〜13、比較例1〜3>
実施例1の原料の種類・配合量を表2のように変更した以外は実施例1と同様に行うことで、電磁波シールドシートを得た。なお比較例2は、絶縁性樹脂組成物が増粘しゲル化したことで塗工により絶縁性が形成できなかったため物性評価を行わなかった。
ただし、実施例12は参考例である。
[実施例15]
バインダー樹脂を100部、導電性微粒子を75部、硬化剤としてエポキシ化合物15部およびアジリジン化合物2.0部を容器に仕込み、不揮発分濃度が40重量%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(重量比2:1)の混合溶剤を加えディスパーで10分攪拌することで導電性樹脂組成物を得た。次いで、導電性樹脂組成物を剥離性シート上に、乾燥厚みが10μmになるようにバーコーターを使用して塗工し、さらに100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで導電層を得た。次いで、ラミネーターを使用して厚さ3μmの電解銅箔の一方の面に得られた導電層を貼り合わせた。
別途、バインダー樹脂100部、黒色系着色剤として旭カーボン社製「RCF/SB200」14.8部にメチルエチルケトンを加えて、不揮発分濃度を30.0重量%に調製した。この混合物をディスパーで攪拌した後にジルコニアビーズを用いてアイガーミル(アイガージャパン社製)で分散することで分散液を得た。得られた分散液中のバインダー樹脂分100部に対して硬化剤としてエポキシ樹脂3.7部、艶消し剤の「CERAFLOUR929」1部を加えて絶縁性樹脂組成物を得た。この絶縁性樹脂組成物を得られた導電層と電解銅箔積層体の電解銅箔側に、バーコーターを用いて乾燥厚みが15μmになるように塗工し、さらに100℃の電気オーブンで3分間乾燥することで、電磁波シールドシートを得た。なお、絶縁層側には異物付着防止のため微粘着剥離性シートを貼り合わせた。
[実施例16]
バインダー樹脂を100部、導電性微粒子を450部、硬化剤としてエポキシ化合物15部およびアジリジン化合物2.0部を容器に仕込み、不揮発分濃度が40重量%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(重量比2:1)の混合溶剤を加えディスパーで10分攪拌することで導電性樹脂組成物を得た。次いで、導電性樹脂組成物を剥離性シート上に、乾燥厚みが10μmになるようにバーコーターを使用して塗工し、さらに100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで導電層を得た。
別途、バインダー樹脂100部、「RCF/SB200」14.8部にメチルエチルケトンを加えて、不揮発分濃度を30.0重量%に調製した。この混合物をディスパーで攪拌した後にジルコニアビーズを用いてアイガーミル(アイガージャパン社製)で分散することで分散液を得た。得られた分散液中のバインダー樹脂分100部に対して硬化剤としてエポキシ樹脂3.7部を加えて絶縁性樹脂組成物を得た。この絶縁性樹脂組成物を表面に凹凸を形成した剥離性シート(厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム 剥離処理面の表面粗さRa=0.1μm)の剥離処理面に、バーコーターを用いて乾燥厚みが15μmになるように塗工し、さらに100℃の電気オーブンで3分間乾燥した後、前記導電層と貼り合わせることで、電磁波シールドシートを得た。
本発明で規定する表面粗さRaは、JIS−B0601で定義されたものであり、表面粗さ計サーフコム590A(東京精密社製)で測定した。
<比較例4>
バインダー樹脂を100部、硬化剤としてエポキシ化合物10部、アジリジン化合物を10部および艶消し剤を1部加えディスパーで攪拌した後、剥離性シートに、乾燥厚みが10μmになるようにバーコーターを使用して塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで絶縁層を得た。そして、実施例1と同様にして形成した導電層に前記絶縁層を貼り合わせることで電磁波シールドシートを得た。
下記評価項目に従い物性を測定した。結果を表1示す。
<テストピース作製>
得られた電磁波シールドシートを幅60mm・長さ60mmの大きさに準備し、次いで導電層側の剥離性シートを剥がして露出した導電層と、厚さ125μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン500H」)とを150℃、2MPa、30minの条件で加熱圧着した。次に、絶縁層側の剥離性シートを剥がし、これをテストピースとした。
<85°光沢度>
テストピースの絶縁層面の85°光沢度をBYK.GARDNER社のmicro-TRI-gloss表面光沢度計を用いて85°の測定角度で測定した。
<L*値測定>
テストピースの絶縁層面のL*値をKONICA MINOLTA社製「色彩色差計CR-400」を用いて測定した。
<印字の視認性>
テストピースの絶縁層面に白色インキ(東洋インキ社製)を用いてスクリーン印刷で印字した。印字のサイズは1ポイントとした。暗室内にて印字部に60WのLEDライトを照射し、水平面を基準として20°、45°、90°の角度から印字から50cmの距離を開けて目視で印字が視認可能かを確認した。なお評価基準は以下の通りである。
○:20°、45°、90°すべて視認可能 良好な結果である。
△:45°、90°で視認可能 実用上問題ない。
×:すべての角度で視認不可能 実用不可
<表面抵抗値>
テストピースの絶縁層の表面抵抗値を三菱化学アナリテック社製「ハイレスタUP」のリングプローブURSを用いて測定した。評価基準は以下の通りである。
○ : 1×108Ω/□以上、1×1014Ω/□以下 良好な結果である。
△ : 1×105Ω/□以上、1×108Ω/□未満 実用上問題ない。
× : 1×105Ω/□未満、または1×1015Ω/□よりも高い。 実用不可。
<耐摩耗性>
得られた電磁波シールドシートを幅40mm・長さ150mmの大きさに準備した。次いで、その導電層側から剥離性シートを剥がし、露出した導電層に、厚さ75μmのポリイミドフィルム(「カプトン300H」東レ・デュポン社製)を150℃、2MPa、30minの条件で圧着した。圧着後、絶縁層側の剥離性シートを除去し、露出した絶縁層に対して、別途準備した電磁波シールドシートをセットした学振磨耗試験機(テスター産業社製)を使用して、荷重200gf、往復速度30回/min、ストローク120mmの条件下で、絶縁層同士を擦り合わせ、その外観不良が発生するまでの往復回数を測定した。評価基準は以下の通りである。
○:20000回以上 良好な結果である。
△:10000回以上20000回未満 実用上問題ない。
×:10000回未満 実用不可
Figure 0005796690
1 絶縁層
2 導電層
3 金属層
4 電磁波シールドシート
5 プリント配線板
6 カバーコート層
7 絶縁性基材
8 グランド配線
9 配線回路
10 穴

Claims (5)

  1. 導電層、および絶縁層を備え、
    前記絶縁層が熱硬化性樹脂、硬化剤、および黒色系着色剤を含み、
    前記黒色系着色剤は、平均一次粒子径が20〜100nmであ
    前記黒色系着色剤の含有量が、絶縁層100重量%中、12.2〜40重量%であり、
    さらに絶縁層の85°光沢度が15〜50、かつL*a*b*表色系におけるL*値が20〜30であることを特徴とする電磁波シールドシート。
  2. 前記絶縁層の表面抵抗値が1×105〜1×1014Ω/□であることを特徴とする、請求項1記載の電磁波シールドシート。
  3. 導電層、金属薄膜層および絶縁層を備えた、請求項1または2に記載の電磁波シールドシート。
  4. 請求項1〜いずれか1項に記載の電磁波シールドシート、カバーコート層ならびに信号配線および絶縁性基材を含む配線板を備えた、プリント配線板。
  5. 請求項に記載のプリント配線板を備えた、電子機器。
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