JP2020205399A - 電磁波シールドシート、および電磁波シールド性配線回路基板 - Google Patents

電磁波シールドシート、および電磁波シールド性配線回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】ハンダリフロー耐性をもち、高周波伝送回路に用いた場合においても伝送損失を低減させ、優れた高周波シールド性を示し、かつ冷熱サイクル暴露後も高い接続信頼性を有する電磁波シールドシート、電磁波シールド性配線回路基板を提供すること。【解決手段】導電接着剤層と金属層と保護層とから構成され、前記金属層の導電接着剤層と接する表面のISO 25178−2:2012に準拠して求めた二乗平均平方根傾斜Sdqが0.0001〜0.5であり、かつ前記金属層は、複数の開口部を有し、かつ開口率が0.10〜20%であることを特徴とする電磁波シールドシートによって解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波シールドシート、および電磁波シールド性配線回路基板に関し、例えば、電磁波を放出する部品の一部に接合して利用するのに好適な電磁波シールドシート、並びに、電磁波シールドシートを用いた電磁波シールド性配線回路基板に関する。
携帯端末、PC、サーバー等をはじめとする各種電子機器には、プリント配線板等の配線回路基板が内蔵されている。これらの配線回路基板には、外部からの磁場や電波による誤動作を防止するために、また、電気信号からの不要輻射を低減するために、電磁波シールド構造が設けられている。
伝送信号の高速伝送化に伴い、電磁波シールドシートも高周波ノイズに対応する電磁波シールド性(以下、高周波シールド性)、及び高周波領域における伝送損失(以下、伝送特性ということがある)の低減が求められている。特許文献1においては、厚みが0.5〜12μmの金属層と、異方導電接着剤層とを積層状態で備えた構成が開示されている。そして、当該構成により、電磁波シールドシートの一方面側から他方面側に進行する電界波、磁界波、および電磁波を良好に遮蔽するとともに伝送損失を低減することが記載されている。
国際公開第2013/077108号 特開2013−168643号公報
近年、携帯電話に代表される電子機器においては、伝送信号の高速伝送化に伴い、それらに内蔵される配線回路基板上の電磁波シールドシートも高周波シールド性、および伝送特性が求められている。このため電磁波シールドシートの導電層には特許文献1で記載されるように厚みが0.5〜12μmの金属層を用いるのが好適とされてきた。
しかしながら、単に厚みが0.5〜12μmの金属層を用いるのみでは、高周波帯域において電磁波シールドシートは十分な伝送特性を発現することができず、より優れた伝送特性を電磁波シールドシートに持たせるためには、金属層に対して一層の工夫を行うことが求められてきた。
加えて、金属層を用いた電磁波シールドシートを配線回路基板に貼り付けた電磁波シールド性配線回路基板はハンダリフローなどの加熱処理を行った際に、配線回路基板の内部から発生する揮発成分によって層間で浮きが発生し、発泡等により外観不良および接続不良となる問題があった(以下、ハンダリフロー耐性ということがある)。この問題に対して、例えば特許文献2では、金属薄膜層にピンホールを複数有する金属箔を用い、揮発成分を金属薄膜層のピンホールから透過させることで、層間での浮きや発泡を抑制している。
一方、近年のスマートフォン、タブレット端末等の電子機器の世界的な普及に伴い、あらゆる温度条件での信頼性が求められている。特許文献1および、特許文献2の電磁波シールドシート備えた配線回路基板は極端な温度変化に曝されると、配線回路基板からの剥離や、グランド回路との接続が途切れる、といった問題を生じていた(以下、冷熱サイクル信頼性)。
本発明は、上記背景に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、ハンダリフロー耐性および優良な冷熱サイクル信頼性をもち、かつ優れた高周波シールド性と、高周波信号に適した伝送特性を有する電磁波シールドシートおよび該電磁波シールドシートを用いた配線回路基板を提供することである。
本発明者が鋭意検討を行ったところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係る電磁波シールドシートは、導電接着剤層、金属層、保護層をこの順に備えた積層体を有し、導電接着剤層と接する前記金属層の界面はISO 25178−2:2012に準拠して求めた二乗平均平方根傾斜Sdqが0.0001〜0.5であり、
前記金属層は複数の開口部を有し、かつ開口率が0.10〜20%であることを特徴とする。
本発明によれば、ハンダリフロー耐性に優れ、高周波伝送回路に用いた場合においても伝送損失を低減させ、優れた高周波シールド性を示し、かつ冷熱サイクル暴露後も高い接続信頼性を有する電磁波シールドシート、および電磁波シールド性配線回路基板を提供することができるという優れた効果を奏する。
本実施形態に係る電磁波シールドシートを例示した断面図である。 二乗平均平方根傾斜Sdqが異なる表面の比較を例示した図である。 本実施形態に係る電磁波シールド性配線回路基板の一例を示す模式的な切断部断面図である 実施例および比較例に係るコプレーナ回路を有する配線板の主面側の模式的平面図である。 実施例および比較例に係るコプレーナ回路を有する配線板の裏面側の模式的平面図である。 実施例および比較例に係る電磁波シールドシート付きコプレーナ回路を有する配線板の主面側の模式的平面図である。 冷熱サイクル信頼性評価の模式的平面図、および切断部断面図である。 電磁波シールドシート(実施例5)の動的粘弾性曲線である。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。尚、以降の図における各部材のサイズや比率は、説明の便宜上のものであり、これに限定されるものではない。また、本明細書において「任意の数A〜任意の数B」なる記載は、当該範囲に数Aが下限値として、数Bが上限値として含まれる。また、本明細書における「シート」とは、JISにおいて定義される「シート」のみならず、「フィルム」も含むものとする。また、本明細書において特定する数値は、実施形態または実施例に開示した方法により求められる値である。
<電磁波シールドシート>
本発明の電磁波シールドシートは、少なくとも導電接着剤層、金属層、保護層をこの順に備えた積層体を有する。図1は、本発明の実施形態に係る電磁波シールドシート10を例示した断面図である。図1に示すように、電磁波シールドシート10は、導電接着剤層1、金属層2及び保護層3をこの順に備えた積層体を有し、金属層2は、導電接着剤層1及び保護層3の間に配置されている。
本発明の電磁波シールドシートは、複数の開口部4を有し、かつ開口率が0.10〜20%であり、さらに導電接着剤層と接する面の二乗平均平方根Sdqが、0.0001〜0.5の範囲である金属層を備えているため、特に高周波(例えば、100MHzから50GHz)の信号を伝送する配線回路基板で、優れた伝送特性等を発現することができる。
電磁波シールドシート10は、例えば、被着体である配線回路基板と、導電接着剤層1側の面を貼り合せて電磁波シールド層を形成し、電磁波シールド性配線回路基板を作製する。すなわち、金属層2の表面のうち、配線回路基板中の信号配線と対向するのは、導電接着剤層1と密着する表面である。
[積層硬化物の損失正接]
また、本発明の電磁波シールドシートは、少なくとも導電接着剤層、金属層、保護層をこの順に備えた積層体を、170℃30分間熱プレスしてなる積層硬化物の、125℃における損失正接が0.10以上であることが好ましい。
これにより、冷熱サイクル信頼性をより向上させることができる。
積層硬化物は、電磁波シールドシートを170℃30分間熱プレスによって硬化させることにより形成できる。即ち、導電接着剤層、金属層、保護層、およびその他機能層からなり、その内、硬化成分を有する層は、硬化がなされた積層体を指す。
積層硬化物は、熱プレス前、あるいは熱プレス後に電磁波シールドシートから、剥離性シートを除去したものであって、電磁波シールドシート一枚のみ熱プレスを行う、あるいは複数枚の電磁波シールドシートをラミネーター等により積層し熱プレスを行う、といういずれの方法によっても得ることができる。
すなわち積層硬化物は、電磁波シールドシートのうち、電磁波シールド性配線回路基板に用いられる電磁波シールド層と同様の積層構成部分のことである。
具体的には例えば、電磁波シールドシートを2枚用意し、それぞれの導電接着剤層側の剥離性シートを剥がし、露出した導電接着剤層同士を貼り合せ、170℃30分の条件で熱プレスし、少なくとも導電接着剤層、金属層、保護層をこの順に備えた積層体を熱硬化させて積層硬化物とすることができる。
積層硬化物の損失正接は、下記数式(3)によって求められる数値であり、電磁波シールドシートを変形させた際に発生する応力の緩和能力の指標となる。

数式(3)
(積層硬化物の損失正接)=
(積層硬化物の損失弾性率E´´)/(積層硬化物の貯蔵弾性率E´)
積層硬化物は、170℃30分間熱プレス後の125℃における損失正接が0.1以上であることが、冷熱サイクル信頼性の観点から好ましい。積層硬化物の170℃30分間熱プレス後の125℃における損失正接が0.1以上であると、高温曝露時の膨張によって発生する応力を十分に緩和させることが可能となる。積層硬化物は、170℃30分間熱プレス後の125℃における損失正接が0.13以上であることがより好ましく、0.15以上であることが更に好ましい。
積層硬化物の損失正接は、導電接着剤層、金属層、保護層、その他積層硬化物に具備される層のいずれか、もしくは2層以上の層の損失弾性率E´´、および貯蔵弾性率E´を変化させることで制御できる。積層硬化物に包含される1層、もしくは2層以上の層の損失弾性率E´´、および貯蔵弾性率E´を変化させることで、積層硬化物の損失弾性率E´´、および貯蔵弾性率E´が変化し、積層硬化物の損失正接が変化するためである。
積層硬化物に包含される1層、もしくは2層以上の層の損失弾性率E´´、および貯蔵弾性率E´を変化させる方法の一例として、保護層中の硬化剤量制御が挙げられる。即ち、保護層中の硬化剤量を増加、もしくは減少させることで、保護層の貯蔵弾性率E´が上昇、もしくは低下する。その結果、積層硬化物の貯蔵弾性率E´が上昇、もしくは低下し、積層硬化物の損失正接が低下、もしくは上昇する。
積層硬化物の損失正接を制御する方法としては、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂および硬化剤の種類や配合比を変える、各層の厚みを変える、金属層の種類を変える、といった従来公知の方法を適用することができる。
《金属層》
本発明の金属層は、電磁波シールドシートに高周波シールド性を付与する機能を有する。導電接着剤層と接する側の金属層の界面は、ISO 25178−2:2012で規定される二乗平均平方根傾斜Sdqが0.0001〜0.5である。二乗平均平方根傾斜Sdqを0.0001〜0.5の範囲となるよう制御することにより、伝送特性と、冷熱サイクル信頼性を両立できる。二乗平均平方根傾斜Sdqの詳細、および二乗平均平方根傾斜Sdqの制御によって得られる効果の詳細については後述する。
さらに、本発明の金属層は、複数の開口部を有し、かつ開口率が0.10〜20%である。これにより、ハンダリフロー耐性が向上し、外観不良の発生、および接続信頼性の低下を抑制することができる。
[二乗平均平方根傾斜Sdq]
二乗平均平方根傾斜SdqはISO 25178−2:2012において、下記数式(1)で規定される表面性状パラメータである。Aは定義表面の面積、∂xはx軸方向、∂
yはy軸方向、∂z(x,y)はz軸方向の微小変位を表す。

二乗平均平方根傾斜Sdqは、光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、および電子顕微鏡いずれかで得られる表面形状の座標データを、解析ソフトによって処理することにより、算出することができる。二乗平均平方根傾斜Sdqは、定義表面の全点における傾斜の二乗平均平方根を表しており、定義表面における凹凸の険しさを表現するパラメータである。表面の性状を表現するパラメータとしては、算術平均高さSaや最大高さSzが一般的に用いられるが、これらは凹凸の高さのみを表したパラメータであり、表面の状態を正確に表すには適当でない。
図2に二乗平均平方根傾斜Sdqが異なる2つの表面を例示する。二乗平均平方根傾斜Sdqの数値が大きい程、表面凹凸はより険しくなる。即ち、二乗平均平方根傾斜Sdqの数値によって、表面凹凸険しさの程度を判断することができる。
なお、この金属層の二乗平均平方根傾斜Sdqの値は、加熱プレス等の電磁波シールド層の形成工程により変化しない。そのため、電磁波シールド層における導電接着剤層と接する前記金属層の界面の二乗平均平方根傾斜Sdqも0.0001〜0.5である。
また、電磁波シールドシートの金属層において、電流の性質上、電流は、高周波になると、金属層の表面を流れるようになる。配線回路基板中の信号配線における伝送特性は、近傍の導電体に流れる電流の影響を受けるため、信号配線と近接する金属層の表面の凹凸が険しいと、金属表面を流れる電流との距離が変動し、伝送特性が不安定となる。そのた
め、伝送特性の観点からは、金属層の導電接着剤層と接する面の二乗平均平方根Sdqは、0.5以下であることが好ましく、0.4以下であることがより好ましく、0.3以下であることが更に好ましい。
一方、冷熱サイクル信頼性の観点からは、鋭意検討の結果金属層の二乗平均平方根傾斜Sdqを0.0001〜0.5の範囲とすることで、冷熱サイクル信頼性が向上する結果を見出した。これは冷熱サイクルで導電接着剤層の伸び縮みによる形状変化が発生した場合においても、金属層表面に形成された凹凸の角度を適度に鋭角にすることによって、導電接着剤層中の導電性フィラーと金属層との接触が維持され、接続抵抗値の悪化が抑制されているためと考えられる。検討の結果、金属層の二乗平均平方根傾斜Sdqが0.001〜0.4の範囲とすることがより好ましく、0.01〜0.3の範囲とすることが更に好ましい。
[二乗平均平方根傾斜Sdqの制御方法]
金属層表面の二乗平均平方根傾斜Sdqを制御する方法は、例えば、銅箔表面上に粗化粒子を付着させ、粗化処理面を形成する方法、特開第2017−13473号公報に記載されているバフを用いて金属表面を研磨する方法、研磨布紙を用いて金属表面を研磨する方法、圧縮空気によって研磨材を金属表面に吹き付けるショットブラスト法、所定の二乗平均平方根傾斜Sdqを有するキャリア材の上に金属層を形成し、キャリア材表面の凹凸を金属層に転写する方法、所定の二乗平均平方根傾斜Sdqを有するフィルムと金属層とを圧着し、フィルム表面の凹凸を金属層に転写する方法が挙げられる。金属層表面の二乗平均平方根傾斜Sdqの制御方法としては、例示した方法に限定されるものではなく、従来公知の方法を適用することができる。
[金属層の厚み]
金属層の厚みは、0.3〜5.0μmであることが好ましい。金属層の厚みを0.3μm以上とすることで、配線回路基板から発生する電磁波ノイズの波長に対し、透過を抑制することができ、十分な高周波シールド性を発現することができる。金属層の厚み下限は、0.5μmがより好ましい。金属層の厚みを5.0μm以下とすることで、積層硬化物の損失正接を高めることができ、冷熱サイクル信頼性が向上する。金属層の厚み上限は3.5μmがより好ましい。
[金属層の成分]
金属層は、例えば、金属箔、金属蒸着膜、金属メッキ膜を使用できる。
金属箔に使用する金属は、例えばアルミニウム、銅、銀、金等の導電性金属が好ましく、一種類の金属、もしくは複数金属の合金のいずれも使用することができる。高周波シールド性およびコストの面から銅、銀、アルミニウムがより好ましく、銅が更に好ましい。銅は、例えば、圧延銅箔または電解銅箔を使用することが好ましい。
金属蒸着膜および金属メッキ膜に使用する金属は、例えばアルミニウム、銅、銀、金等の導電性金属の一種類、もしくは複数金属の合金を使用することが好ましく、銅、銀がより好ましい。金属箔、金属蒸着膜、金属メッキ膜は一方の表面、あるいは両表面を金属、あるいは防錆剤等の有機物で被覆してもよい。
[開口部]
金属層は、複数の開口部を有し、その開口率は0.10〜20%である。開口部を有することでハンダリフロー耐性が向上する。開口部を有することで、電磁波シールド性配線回路基板をハンダリフロー処理した際に、配線回路基板のポリイミドフィルムやカバーレイ接着剤に含まれる揮発成分を外部に逃がし、カバーレイ接着剤および電磁波シールドシートの界面剥離による外観不良の発生を抑制することができる。
金属層表面から見た開口部の形状は、例えば、真円、楕円、四角形、多角形、星形、台形、枝状等、必要に応じて各形状を形成することができる。製造コストおよび金属層の強靭性確保の観点から、開口部の形状は、真円、および楕円とすることが好ましい。
なお、二乗平均平方根傾斜Sdqの測定は、金属層の開口部がない表面部分を用いて測定した結果である。
[金属層の開口率]
金属層の開口率は、0.10〜20%の範囲であり、下記数式(2)で求めることができる。
数式(2)
(開口率[%])=(単位面積当たりの開口部の面積)/(単位面積当たりの開口部の面積+単位面積当たりの非開口部の面積)×100
開口率が0.10以上であることで、ハンダリフロー処理時の揮発成分を十分逃がすこ
とができ、カバーレイ接着剤および電磁波シールドシートの界面剥離による外観不良の発生、および接続信頼性の低下を抑制することができるため好ましい。
一方、開口率が20%以下であることで、開口部分を通過する電磁波ノイズの量を低減させ、シールド性を向上することができるため好ましい。ハンダリフロー耐性と高周波シールド性を高い水準で両立する開口率の範囲は、0.30〜15%がより好ましく、0.50〜6.5%が更に好ましい。
特に、金属層の二乗平均平方根傾斜Sdqが0.001以下の範囲において、導電接着剤層との界面が平滑な電磁波シールドシートでは、金属層と導電接着剤層との密着が弱く、ハンダリフロー処理時に、金属層と導電接着剤層との界面で揮発成分が膨張し、層間剥がれや浮きといった外観不良を発生することがあるが、開口率を0.10%以上、好ましくは0.50%以上とすることで、揮発成分を十分逃がすことができ、より層間剥がれや浮きの発生を抑えることができる。
開口率の測定は、例えば、金属層の面方向から垂直にレーザー顕微鏡および走査型電子顕微鏡(SEM)で500〜2000倍に拡大した画像を用いて、開口部と非開口部を2直化し、単位面積当たりの2直化した色のピクセル数をそれぞれの面積とすることで求めることができる。
[開口部を有する金属層の製造方法]
開口部を有する金属層の製造方法は、従来公知の方法を適用することができ、金属箔上にパターンレジスト層を形成し金属箔をエッチングして開口部を形成する方法(i)、ス
クリーン印刷によって所定のパターンに導電性ペーストを印刷する方法(ii)、所定のパターンでアンカー剤をスクリーン印刷しアンカー剤印刷面のみに金属メッキする方法(iii)、および特開2015−63730号公報に記載されている製造方法(iv)等が適用
できる。
すなわち、支持体に水溶性、又は溶剤可溶性インクをパターン印刷し、その表面に金属蒸着膜を形成しパターンを除去する。その表面に離形層を形成し電解メッキすることでキャリア付開口部を有する金属層を得ることができるが、これらの中でもパターンレジスト層を形成し金属箔をエッチングする開口部形成方法(i)が、開口部の形状を精密に制御
できるため好ましい。但し、その他の方法でも開口部の形状を制御すればよく、金属層の製造方法はエッチング工法(i)に制限されるものではない。
《導電接着剤層》
導電接着剤層は導電性樹脂組成物を使用して形成できる。導電性樹脂組成物は、バインダー樹脂、および導電性フィラーを含む。バインダー樹脂は、熱可塑性樹脂、もしくは熱
硬化性樹脂および硬化剤、のいずれかを用いることができる。導電接着剤層は等方導電接着剤層または異方導電接着剤層のいずれかを用いることができる。等方導電接着剤層は、電磁波シールドシートを水平に置いた状態で、上下方向および水平方向に導電性を有する。また、異方導電接着剤層は、電磁波シールドシートを水平に置いた状態で、上下方向のみに導電性を有する。
導電接着剤層は、等方導電性あるいは異方導電性のいずれでもよく、異方導電性の場合、コストダウンが可能となるため好ましい。
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ジエン系樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリマー、フッ素樹脂等が挙げられる。特に限定するものではないが、伝送損失の観点から、低誘電率、低誘電正接の材料が、特性インピーダンスの観点から低誘電率の材料が好ましく、液晶ポリマーやフッ素系樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、単独または2種類以上併用できる。
[熱硬化性樹脂]
熱硬化性樹脂は、硬化剤と反応可能な官能基を複数有する樹脂である。官能基は、例えば、水酸基、フェノール性水酸基、メトキシメチル基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリン基、オキサジン基、アジリジン基、チオール基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、ブロック化カルボキシル基、シラノール基等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール系樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ポリ乳酸樹脂、オキサゾリン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、単独または2種類以上併用できる。
これらの中でもハンダリフロー耐性の点から、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。
[硬化剤]
硬化剤は、熱硬化性樹脂の官能基と反応可能な官能基を複数有している。硬化剤は、例えばエポキシ化合物、酸無水物基含有化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、アミン化合物、フェノール化合物、有機金属化合物等の公知の化合物が挙げられる。
硬化剤は、単独または2種類以上併用できる。
硬化剤は、熱硬化性樹脂100重量部に対して各種1〜50重量部含むことが好ましく、3〜40重量部がより好ましく、3〜30重量部がさらに好ましい。
熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂は、いずれか単独または両者を混合して併用できる。
[導電性フィラー]
導電性フィラーは、導電接着剤層に導電性を付与する機能を有する。導電性フィラーは、素材としては、例えば金、白金、銀、銅およびニッケル等の導電性金属およびその合金、ならびに導電性ポリマーの微粒子が好ましく、価格と導電性の面から銀がより好ましい

また単一素材の微粒子ではなく金属や樹脂を核体とし、核体の表面を被覆した被覆層を有する複合微粒子もコストダウンの観点から好ましい。ここで核体は、価格が安いニッケル、シリカ、銅およびその合金、ならびに樹脂から適宜選択することが好ましい。被覆層は、導電性金属または導電性ポリマーが好ましい。導電性金属は、例えば、金、白金、銀、ニッケル、マンガン、およびインジウム等、ならびにその合金が挙げられる。また導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げられる。これらの中でも価格と導電性の面から銀が好ましい。
導電性フィラーの形状は、所望の導電性が得られればよく形状は限定されない。具体的には、例えば、球状、フレーク状、葉状、樹枝状、プレート状、針状、棒状、ブドウ状が好ましい。また、これらの異なる形状の導電性フィラーを2種類混合しても良い。
導電性フィラーは、単独または2種類以上併用できる。
導電性フィラーの平均粒子径は、D50平均粒子径であり、導電性を充分に確保する観点から、2μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、7μm以上とすることが更に好ましい。一方、導電接着剤層の薄さと両立させる観点からは、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下とすることが更に好ましい。D50平均粒子径は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置等により求めることができる。
導電性フィラーは、導電接着剤層中における含有率が35〜90重量%であることが好ましく、39〜70重量%がより好ましく、40〜65重量%がさらに好ましい。35重量%以上とすることで導電接着剤層とグランド配線との接続が良好となるため、高周波シールド性、冷熱サイクル信頼性が向上する。一方90重量%以下とすることでハンダリフロー耐性、伝送特性がより向上する。
導電性樹脂組成物は、他に任意成分としてシランカップリング剤、防錆剤、還元剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤、充填剤、難燃剤などを配合できる
導電性樹脂組成物は、これまで説明した材料を混合し攪拌して得ることができる。攪拌は、例えばディスパーマット、ホモジナイザー等、公知の攪拌装置を使用できる。
導電接着剤層の作製は、公知の方法を使用できる。例えば、導電性樹脂組成物を剥離性シート上に塗工して乾燥することで導電接着剤層を形成する方法、または、Tダイのような押出成形機を使用して導電性樹脂組成物をシート状に押し出すことで形成することもできる。
塗工方法は、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレード方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等の公知の塗工方法を使用できる。塗工に際して、乾燥工程を行うことが好ましい。乾燥工程は、例えば、熱風乾燥機、赤外線ヒーター等の公知の乾燥装置を使用できる。
導電接着剤層の厚みは、2〜30μmが好ましく、3〜15μmがより好ましく、4〜9μmがさらに好ましい。厚みが2〜30μmの範囲にあることで冷熱サイクル信頼性とハンダリフロー耐性とを向上することができる。
《保護層》
保護層は、従来公知の樹脂組成物を使用して形成できる。
樹脂組成物は、導電性樹脂組成物で説明した熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、および硬化剤を必要に応じて上記任意成分を含むことができる。なお、保護層および導電接着剤層に使用する熱硬化性樹脂、硬化剤は、同一、または異なっていてもよい。
樹脂組成物は、導電性樹脂組成物と同様の方法で得ることが出来る。
また、保護層は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の絶縁性樹脂を成形したフィルムを使用することもできる。
保護層の厚みは、通常2〜10μm程度である。
《電磁波シールドシートの製造方法》
電磁波シールドシートの作製において、導電接着剤層と金属層とを積層する方法は、公知の方法を使用できる。
例えば、(i)剥離性シート上に導電接着剤層を形成し、キャリア材付開口部を有する電解銅箔の電解銅箔面側に導電接着剤層を重ねてラミネートした後に、キャリア材を剥がす。そして、キャリア材を剥がした面と、別途剥離性シート上に形成した保護層とを重ねてラミネートする方法、(ii)剥離性シート上に保護層を形成し、キャリア材付開口部を有する電解銅箔の電解銅箔面側に保護層を重ねてラミネートした後に、キャリア材を剥がす。そして、キャリア材を剥がした面と、別途剥離性シート上に形成した導電接着剤層とを重ねてラミネートする方法、(iii)キャリア材付開口部を有する電解銅箔の電解銅箔面側に樹脂組成物を塗工して保護層を形成し剥離性シートを貼り合わせる。その後キャリア材を剥がし、別途剥離性シート上に形成した導電接着剤層とを重ねてラミネートする方法、(iv)剥離性シート上に導電接着剤層を形成し、キャリア材付電解銅箔の電解銅箔面側に導電接着剤層を重ねてラミネートした後に、キャリア材を剥がす。そして、キャリア材を剥がした面と、別途剥離性シート上に形成した保護層とを重ねてラミネートした後、針状の治具で電磁波シールドシートに開口部を形成する方法、(v)剥離性シート上に形成した保護層をキャリア材付開口部を有する電解銅箔の電解銅箔面側に重ねてラミネートした後に、キャリア材を剥がす。そして、キャリア材を剥がした面に導電接着剤層を形成する方法、(vi)剥離性シート上に導電接着剤層を形成し、開口部を有する圧延
銅箔の表面のうち、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.0001〜0.5である面と、導電接着剤層を重ねてラミネートした後に、導電接着剤層とラミネートしたもう一方の面と、別途剥離性シート上に形成した保護層とを重ねてラミネートする方法、(vii)剥離性シート上に保護層を形成し、開口部を有する圧延銅箔の表面のうち、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.0001〜0.5である面のもう一方の面と、導電接着剤層を重ねてラミネートした後に、保護層とラミネートしたもう一方の面と、別途剥離性シート上に形成した導電接着剤層とを重ねてラミネートする方法、(viii)開口部を有する圧延銅箔の表面の
うち、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.0001〜0.5である面のもう一方の面に樹脂組成物を塗工して保護層を形成し剥離性シートを貼り合せる。その後、もう一方の面と、別途剥離性シート上に形成した導電接着剤層とを重ねてラミネートする方法、(ix)開
口部を有する圧延銅箔の表面のうち、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.0001〜0.5である面に導電性樹脂組成物を塗工して導電接着剤層を形成し剥離性シートを貼り合せる。その後、もう一方の面と、別途剥離性シート上に形成した保護層とを重ねてラミネートする方法、等が挙げられる。
電磁波シールドシートは、導電接着剤層、金属層、および保護層の他に、他の機能層を備えることができる。他の機能層とは、ハードコート性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、熱伝導性、低誘電率、高誘電率性または耐熱性等の機能を有する層である。
本発明の電磁波シールドシートは、電磁波をシールドする必要がある様々な用途に使用できる。例えば、フレキシブルプリント配線板はもとより、リジッドプリント配線板、COF、TAB、フレキシブルコネクタ、液晶ディスプレイ、タッチパネル等に使用できる。また、パソコンのケース、建材の壁および窓ガラス等の建材、車両、船舶、航空機等の電磁波を遮断する部材としても使用できる。
また、本発明の電磁波シールドシートは、コプレーナ回路の信号配線に15GHzのサイン波を流した際の伝送損失が、8dB未満である、という優れた伝送特性を有することができる。
具体的には、例えば以下のようにして、伝送特性を評価することができる。
まず、コプレーナ回路を用意する。
コプレーナ回路とはポリイミドフィルム等の絶縁性基材の片面側に信号配線がプリントされた平面伝送回路のひとつであり、本発明において、コプレーナ回路はポリイミドフィルム上に2本の信号配線を挟む形でグランド配線が並行に形成された回路を用いる。尚、前述したコプレーナ回路は、対向する面にグランド接地用のグランドパターンが、スルーホールを介して設置されている。
コプレーナ回路の信号配線と反対側の絶縁性基材面に電磁波シールドシートの導電接着剤層を貼り合せ、熱プレスによって電磁波シールドシートを積層する。この時電磁波シールドシートは一部露出しているグランドパターンと導通する。前述の方法により、伝送特性評価用のテストピースを得ることができる。
このテストピースのコプレーナ回路にネットワークアナライザを接続し、コプレーナ回路の信号配線に100MHzから20GHzのサイン波を流した際の、入力電力、出力電力の比を求め、伝送損失を算出し、評価することができる。尚、電力の代わりに電圧、電流比を用いてもよい。
本発明において、コプレーナ回路の信号配線に15GHzのサイン波を流した際の、伝送損失は、8dB未満が好ましく、7.5dB未満がより好ましく、7dB未満がさらに好ましい。伝送損失が8dB未満になることで、高水準での伝送損失の低減を実現できる。
本発明の電磁波シールドシートは、導電接着剤層中のバインダー樹脂に熱可塑性樹脂を用いる場合、含まれる熱可塑性樹脂が固体状態で存在し、配線回路基板と熱プレスにより熱可塑性樹脂が溶融し、冷却後に再度固体化することで、所望の接着強度を得ることができる。
本発明の電磁波シールドシートは、導電接着剤層中のバインダー樹脂に熱硬化性樹脂を用いる場合、含まれる熱硬化性樹脂と硬化剤が未硬化状態で存在し(Bステージ)、配線回路基板と熱プレスにより硬化することで(Cステージ)、所望の接着強度を得ることができる。尚、前記未硬化状態は、硬化剤の一部が硬化した半硬化状態を含む。
尚、電磁波シールドシートは、異物の付着を防止するため、導電接着剤層および保護層に剥離性シートを貼り付けた状態で保存することが一般的である。
剥離性シートは、紙やプラスチック等の基材に公知の剥離処理を行ったシートである。
<電磁波シールド性配線回路基板>
電磁波シールド性配線回路基板は、本発明の電磁波シールドシートから形成してなる電磁波シールド層、カバーコート層、ならびに信号配線とグランド配線とを有する回路パタ
ーンおよび絶縁性基材を有する配線回路基板を備える。
配線回路基板は、絶縁性基材の表面に信号配線とグランド配線とを有する回路パターンを有し、前記配線回路基板上に、信号配線とグランド配線とを絶縁保護し、グランド配線上の少なくとも一部にビアを有するカバーコート層を形成し、電磁波シールドシートの導電接着剤層面を、前記カバーコート層上に配置させた後、前記電磁波シールドシートを熱プレスし、ビア内部に導電接着剤層を流入させグランド配線と接着させることにより、製造することができる。
本発明の電磁波シールド性配線回路基板の一例について、図3を参照して説明する。
電磁波シールドシート層12は、導電接着剤層1、金属層2、保護層3を含む構成である。
カバーコート層8は、配線回路基板の信号配線を覆い外部環境から保護する絶縁材料である。カバーコート層は、熱硬化性接着剤付きポリイミドフィルム、熱硬化型もしくは紫外線硬化型のソルダーレジスト、または感光性カバーレイフィルムが好ましく、微細加工をするためには感光性カバーレイフィルムがより好ましい。また、カバーコート層は、ポリイミド等の耐熱性と柔軟性を備えた公知の樹脂を使用するのが一般的である。カバーコート層の厚みは、通常10〜100μm程度である。
回路パターンは、アースをとるグランド配線5、電子部品に電気信号を送る信号配線6を含む。両者は銅箔をエッチング処理することで形成することが一般的である。回路パターンの厚みは、通常1〜50μm程度である。
絶縁性基材9は、回路パターンの支持体であって、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー等の屈曲可能なプラスチックが好ましく、液晶ポリマーおよびポリイミドがより好ましい。これらの中でも高周波の信号を伝送する配線回路基板の用途を考慮すると、比誘電率および誘電正接が低い液晶ポリマーがさらに好ましい。
配線回路基板がリジッド配線板の場合、絶縁性基材の構成材料は、ガラスエポキシが好ましい。これらのような絶縁性基材を備えることで配線回路基板は高い耐熱性が得られる。
電磁波シールドシート10と、配線回路基板との熱プレスは、温度150〜190℃程度、圧力1〜3MPa程度、時間1〜60分程度の条件で行うことが一般的である。熱プレスにより導電接着剤層1とカバーコート層8が密着するとともに、導電接着剤層1が流動してカバーコート層7に形成されたビア11を埋めることでグランド配線5との間で導通がとれる。熱プレスにより熱硬化性樹脂が反応して硬化し、電磁波シールド層12となる。
なお、硬化を促進させるため、熱プレス後に150〜190℃で30〜90分間ポストキュアを行う場合もある。
前記ビア11の開口面積は0.8mm以下が好ましく、0.008mm以上が好ましい。上記範囲とすることでグランド配線の領域を狭めることができ、プリント配線板の小型化を実現できる。
ビアの形状は特に限定されず、円、正方形、長方形、三角形および不定形等用途に応じていずれも用いることができる。
電磁波シールド層は配線回路基板の両面に積層することが、電磁波の漏れをより効果的に抑制できる点から好ましい。加えて、本発明の電磁波シールド性配線回路基板における電磁波シールド層は電磁波を遮蔽する他に、グランド回路として利用でき、それにより、
グランド回路の一部を省略し、配線回路基板の面積を縮小することでコストダウンが可能となり筐体内の狭い領域に組み込むことができる。
また、信号配線に関して、特に限定するものではなく、一本の信号配線からなるシングルエンド、2本の信号配線からなる差動回路のどちらの回路にも使用可能であるが、差動回路がより好ましい。一方、配線回路基板の回路パターン面積に制約があり、グランド回路を並列に形成することが難しい場合においては、信号回路の横にはグランド回路を設けず、電磁波シールド層をグランド回路として用いて、厚み方向にグランドを有するプリント配線板構造にすることもできる。
本発明の電磁波シールド性配線回路基板は、液晶ディスプレイ、タッチパネル等のほか、ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器に備える(搭載する)ことが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「部」とあるのは「重量部」を、「%」とあるのは「重量%」を其々表すものとする。
なお、樹脂の酸価と重量平均分子量(Mw)とガラス転移温度(Tg)、および導電性フィラーの平均粒子径の測定は次の方法で行なった。
《バインダー樹脂の酸価の測定》
酸価はJIS K0070に準じて測定した。共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、テトラヒドロフラン/エタノール(容量比:テトラヒドロフラン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定し、指示薬が淡紅色を30秒間保持した時を終点とした。酸価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)=(5.611×a×F)/S
ただし、
S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
《バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定》
重量平均分子量(Mw)の測定は東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーである。本発明における測定は、カラムに「LF−604」(昭和電工株式会社製:迅速分析用GPCカラム:6mmID×150mmサイズ)を直列に2本接続して用い、流量0.6ml/min、カラム温度40℃の条件で行い、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
《バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)》
Tgの測定は、示差走査熱量測定(メトラー・トレド社製「DSC−1」)によって測定した。
《導電性フィラーの平均粒子径測定》
50平均粒子径は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS13320(ベック
マン・コールター社製)を使用し、トルネードドライパウダーサンプルモジュールにて、導電性フィラーを測定して得た数値であり、粒子径累積分布における累積値が50%の粒子径である。なお、屈折率の設定は1.6とした。
続いて、実施例で使用した原料を以下に示す。
《原料》
導電性フィラー:複合微粒子(核体の銅100重量部に対して銀が10重量部被覆されたデンドライト状の微粒子)平均粒子径D50:11.0μm 福田金属箔粉工業社製
バインダー樹脂:酸価5mgKOH/g、重量平均分子量は54,000、Tgは−7℃のポリウレタンウレア樹脂(トーヨーケム社製)
エポキシ化合物:「JER828」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エポキシ当量=189g/eq)三菱ケミカル社製
アジリジン化合物:「ケミタイトPZ−33」日本触媒社製
顔料:カーボンブラック「MA100」三菱ケミカル社製
キャリア材:「エンブレットS25」(Sdq=0.02)ユニチカ社製
<導電接着剤層1の製造>
固形分換算でバインダー樹脂を100部、導電性フィラーを47部、エポキシ化合物を10部、アジリジン化合物を0.5部容器に仕込み、不揮発分濃度が40%になるように混合溶剤(トルエン:イソプロピルアルコール=2:1(重量比))を加えディスパーで10分攪拌して導電性樹脂組成物を得た。
導電性樹脂組成物をバーコーターで乾燥厚みが10μmになるように剥離性シート上に塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで導電接着剤層1を得た。
<導電接着剤層2〜8の製造>
導電性フィラーの添加量を変えた以外は導電接着剤層1と同様の方法で表1〜3に示す導電接着剤層2〜8を作製した。
[実施例1]
固形分換算でバインダー樹脂を100部、エポキシ化合物30部およびアジリジン硬化剤7.5部を加えディスパーで10分攪拌することで樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をバーコーターを使用して乾燥厚みが5μmになるように、銅箔に塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥して保護層1を形成し、保護層1に微粘着剥離性シートを貼り合わせた。
次いで、銅箔のキャリア材を剥がし、銅箔面をバフ研磨し、銅箔面の二乗平均平方根傾斜Sdqを表1に示す値となるよう調整した。研磨後の銅箔面に導電接着剤層4を貼り合わせることで、「剥離性シート/保護層1/銅箔2/導電接着剤層4/剥離性シート」からなる電磁波シールドシートを得た。銅箔2と導電接着剤層4の貼り合わせは、温度は90℃、圧力は3kgf/cmで、熱ラミネーターにより貼り合わせた。
なお、銅箔2は、キャリア材上に形成された銅箔上にパターンレジスト層を形成し銅箔をエッチングして開口部を形成する方法により、表1に示す厚み、および開口率等を有する銅箔である。
[実施例2〜29、比較例1〜4]
表1〜3に示すように、導電接着剤層、保護層、および銅箔の種類を変更した以外は、実施例1と同様に行うことで、実施例2〜29、比較例1〜4の電磁波シールドシートをそれぞれ得た。銅箔表面の二乗平均平方根傾斜Sdqの目標値が、キャリア材の値と異な
る場合には、適宜バフ研磨によって表面を磨く、あるいは荒らすなどにより、二乗平均平方根傾斜Sdqを調整した。
得られた電磁波シールドシートについて、各層の厚み、金属層の二乗平均平方根傾斜Sdq、および電磁波シールドシートの損失正接の測定は次の方法で行なった。
《各層厚みの測定》
電磁波シールドシートの導電接着剤層、金属層、および保護層の厚みは、以下の方法により測定した。
電磁波シールドシートの導電接着剤層側の剥離性シートを剥がし、露出した導電接着剤層とポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)を貼り合せ、2MPa、170℃の条件で30分熱プレスした。これを幅5mm、長さ5mm程度の大きさに切断した後、エポキシ樹脂(ペトロポキシ154、マルトー社製)をスライドガラス状に0.05g滴下し、電磁波シールドシートを接着させ、スライドガラス/電磁波シールドシート/ポリイミドフィルムの構成の積層体を得た。得られた積層体をクロスセクションポリッシャー(日本電子社製、SM−09010)を用いてポリイミドフィルム側からイオンビーム照射により切断加工して、熱プレス後の電磁波シールドシートの測定試料を得た。
得られた測定試料の断面をレーザーマイクロスコープ(キーエンス社製、VK−X100)を使用し、観察した拡大画像から各層の厚みを測定した。倍率は、500〜2000倍とした。
《金属層の二乗平均平方根Sdqの測定》
電磁波シールドシートの金属層の二乗平均平方根傾斜Sdqは、以下の方法により測定した。
電磁波シールドシートの導電接着剤層側の剥離性シートを剥がし、露出した導電接着剤層に粘着テープ(ニチバン社製「CT1835」)を、粘着テープの端部を残して貼り合せ、粘着テープの端部から剥離を行い、導電接着剤層/粘着テープを剥離する。導電接着剤層が除去され、露出した金属層の表面をレーザーマイクロスコープ(キーエンス社製、VK−X100)を使用し、測定データ取得を行った。
取得した測定データを解析ソフトウェア(ISO 25178表面性状計測モジュール「VK-H1XR」を備えた、解析アプリケーション「VK−H1XA」、ともにキーエンス社製)に取り込み、ISO25178表面性状計測を実行した。(条件は、S‐フィルター;1μm、L‐フィルター;0.2mm)尚、表面に開口部を有する金属層について
は、ISO 25178表面性状計測を実行する際には、開口部は計測範囲から除外した。
《積層硬化物の損失正接の測定》
積層硬化物の損失正接は、以下の方法により測定した。
まず、幅50mm・長さ50mmの電磁波シールドシートを2枚用意し、それぞれの導電接着剤層側の剥離性シートを剥がし、露出した導電接着剤層同士を貼り合せ、170℃、2.0MPa、30分の条件で圧着し、熱硬化させて積層硬化物を得た。その後、積層硬化物の中心部分を幅5mm・長さ30mmに切出し、試料とした。この試料を、動的粘弾性測定装置(動的粘弾性測定装置DVA−200、アイティー計測制御社製)にセットし、昇温速度:10℃/分、測定周波数:1Hz、歪:0.08%、の条件にて動的粘弾性測定を行い、得られた動的粘弾性曲線より、125℃における損失弾性率E´´、貯蔵弾性率E´を読取り、積層硬化物の損失正接を算出した。
得られた電磁波シールドシートを用いて、下記評価を行った。結果を表1〜3に示す。
<ハンダリフロー耐性>
ハンダリフロー耐性は、電磁波シールドシートと溶融半田とを接触させた後の、外観変化の有無により評価した。ハンダリフロー耐性が高い電磁波シールドシートは、外観が変化しないが、ハンダリフロー耐性が低い電磁波シールドシートは、発泡や剥がれが発生する。
まず、幅25mm・長さ70mmの電磁波シールドシートの導電接着剤層の剥離性シートを剥がし、露出した導電接着剤層と、総厚64μmの金メッキ処理された銅張積層板(金メッキ0.3μm/ニッケルメッキ1μm/銅箔18μm/接着剤20μm/ポリイミドフィルム25μm)の金メッキ面を170℃、2.0MPa、30分の条件で圧着し、熱硬化させて積層体を得た。得られた積層体を幅10mm・縦65mmの大きさに切り取り試料を作製した。得られた試料を40℃、90%RHの雰囲気下で72時間放置した。その後、試料のポリイミドフィルム面を下にして250℃の溶融半田上に1分間浮かべ、次いで試料を取り出し、その外観を目視で観察し、発泡、浮き、剥がれ等の異常の有無を次の基準で評価した。

◎:外観変化全く無し。 極めて良好である。
〇:小さな発泡がわずかに観察される。 良好である。
△:小さな発泡が多数観察される。 実用可。
×:激しい発泡や剥がれが観察される。 実用不可。
<伝送特性>
伝送特性は、図4に示す電磁波シールドシート付きコプレーナ回路を有する配線板21を用いて評価した。
測定に用いたコプレーナ回路を有するフレキシブルプリント配線板(以下、コプレーナ回路を有する配線板ともいう)20の主面側の模式的平面図を図4に、図5に、裏面側の模式的平面図を示す。まず、厚さ50μmのポリイミドフィルム50の両面に、厚さ12μmの圧延銅箔を積層した両面CCL「R−F775」(パナソニック社製)を用意した。そして、矩形状の4つのコーナー部近傍に、其々6か所のスルーホール51(直径0.1mm)を設けた。尚、図中においては、図示の便宜上、各コーナー部にスルーホール51を2つのみ示している。次いで、無電解メッキ処理を行った後に、電解メッキ処理を行って10μmの銅メッキ膜52を形成し、スルーホール51内に形成された銅メッキ膜を介して主面−裏面間の導通を確保した。その後、図3に示すように、ポリイミドフィルム50の主面に長さが10cmの2本の信号配線53、およびその外側に信号配線53と並行なグランド配線54、およびグランド配線54から延在され、ポリイミドフィルム50の短手方向のスルーホール51を含む領域にグランドパターン(i)55を形成した。
その後、ポリイミドフィルム50の裏面に形成された銅箔をエッチングして、グランドパターン(i)55に対応する位置に、図5に示すような裏面側グランドパターン(ii)56を得た。回路の外観、公差の検査仕様はJPCA規格(JPCA−DG02)とした。次に、ポリイミドフィルム50の主面側に、ポリイミドフィルム(厚さ12.5μm)と絶縁性接着剤層(厚さ15μm)とで構成されるカバーコート層7「CISV1215(ニッカン工業社製)」を貼り付けた。尚、図4においては、信号配線53等の構造がわかるように、カバーコート層8を透視図で示した。その後、カバーコート層8から露出した銅箔パターンにニッケルメッキ(不図示)を行い、次いで金メッキ(不図示)処理を行った。
次に図6に示すように、導電接着剤層1、金属層2、保護層3の積層体からなる電磁波シールドシート10を用意し、電磁波シールドシート10の導電接着剤層1上に設けられ
た剥離処理シート(不図示)を剥がした。そして、電磁波シールドシート10の導電接着剤層1を内側としてコプレーナ回路を有する配線板20の裏全面側に、170℃、2.0MPa、30分の条件で圧着することにより電磁波シールド層付きコプレーナ回路を有する配線板21を得た。図6においては、裏面側グランドパターン(ii)56を透視図で示した。
尚、信号配線53のL/S(ライン/スペース)は特性インピーダンスが±10Ωに入るよう適宜調整した。グランド配線54の幅は100μm、グランド配線54と信号配線53の間の距離は1mmとした。
電磁波シールドシート付きコプレーナ回路を有する配線板20の露出した信号配線53にネットワークアナライザE5071C(アジレント・ジャパン社製)を接続し、15GHzのサイン波を入力し、伝送損失を測定することで伝送特性を評価した。測定した伝送特性を下記の基準で評価した。

◎:15GHzにおける伝送損失が7.0dB未満 極めて良好である。
〇:15GHzにおける伝送損失が7.0dB以上、7.5dB未満 良好である。
△:15GHzにおける伝送損失が7.5dB以上、8.0dB未満 実用可。
×:15GHzにおける伝送損失が8.0dB以上 実用不可。
<高周波シールド性>
高周波シールド性は、ASTM D4935に準拠し、キーコム社製の同軸管タイプのシールド効果測定システムを用いて、100MHz〜15GHz条件で電磁波の照射を行い、電磁波が電磁波シールドシートで減衰する減衰量を測定し、以下の基準に従って表記を行う。なお、減衰量の測定値は、デシベル(単位;dB)である。

◎:15GHzの電磁波照射時の減衰量が、−55dB未満 極めて良好である。
〇:15GHzの電磁波照射時の減衰量が、−55dB以上、−50dB未満 良好。
△:15GHzの電磁波照射時の減衰量が、−50dB以上、−45dB未満 実用可。×:15GHzの電磁波照射時の減衰量が、−45dB以上 実用不可。
<冷熱サイクル信頼性>
冷熱サイクル信頼性は、冷熱サイクル前後の小開口ビアを介した接続抵抗値を測定することで評価した。以下に評価の具体的方法を示す。
電磁波シールドシートを幅20mm、長さ50mmの大きさに準備し試料25とした。図7(1)、(4)の平面図を示して説明すると試料25から剥離性シートを剥がし、露出した導電接着剤層25bを、別に作製したフレキシブルプリント配線板(厚み25μmのポリイミドフィルム21上に、互いに電気的に接続されていない厚み18μmの銅箔回路22A、および銅箔回路22Bが形成されており、銅箔回路22A上に、厚み37.5μmの、直径1.1mm(ビア面積が1.0mm)の円形ビア24を有する接着剤付きポリイミドカバーレイ23が積層された配線板)に170℃、2MPa、30分の条件で圧着し、電磁波シールドシートの導電接着剤層25bおよび保護層25aを硬化させることで試料を得た。次いで、試料の保護層25a側の剥離性シートを除去し、図7(4)の平面図に示す22A−22B間の初期接続抵抗値を、三菱化学アナリテック製「ロレスターGP」のBSPプローブを用いて測定した。なお、図7(2)は、図7(1)のD−D’断面図、図7(3)は図7(1)のC−C’断面図である。同様に図7(5)は、図7(4)のD−D’断面図、図7(6)は図7(4)のC−C’断面図である。試料を冷熱衝撃装置(「TSE‐11‐A」、エスペック社製)に投入し、高温さらし:125℃、15分、低温さらし:−50℃、15分の曝露条件にて交互曝露を200回実施した。その後、試料の接続抵抗値を、初期と同様に測定した。
冷熱サイクル信頼性の評価基準は以下の通りである。

◎:(交互曝露後の接続抵抗値)/(初期接続抵抗値)が1.5未満 極めて良好である。
○:(交互曝露後の接続抵抗値)/(初期接続抵抗値)が1.5以上、3.0未満 良好。
△:(交互曝露後の接続抵抗値)/(初期接続抵抗値)が3.0以上、5.0未満 実用可。
×:(交互曝露後の接続抵抗値)/(初期接続抵抗値)が5.0以上 実用不可。
1 導電接着剤層
2 金属層
3 保護層
4 開口部
5 グランド配線
6 信号配線
7 電磁波シールド性配線回路基板
8 カバーコート層
9 絶縁性基材
10 電磁波シールドシート
11 ビア
12 電磁波シールド層
20 コプレーナ回路を有する配線板
21 電磁波シールドシート付きコプレーナ回路を有する配線板
50 ポリイミドフィルム
51 スルーホール
52 銅メッキ膜
53 信号配線
54 グランド配線
55 グランドパターン(i)
56 裏面側グランドパターン(ii)

Claims (5)

  1. 導電接着剤層、金属層、保護層をこの順に備えた積層体を有し、
    導電接着剤層と接する前記金属層の界面はISO 25178−2:2012に準拠して求めた二乗平均平方根傾斜Sdqが0.0001〜0.5であり、
    前記金属層は複数の開口部を有し、かつ開口率が0.10〜20%であることを特徴とする電磁波シールドシート。
  2. 前記積層体を、170℃30分間熱プレスしてなる積層硬化物は、125℃における損失正接が0.10以上であることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールドシート。
  3. 前記金属層の厚みは、0.3〜5.0μmであることを特徴とする請求項1または2記載の電磁波シールドシート。
  4. 前記導電接着剤層は、バインダー樹脂、および導電性フィラーを含有し、
    前記導電接着剤層中の前記導電性フィラーの含有率は、35〜90質量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の電磁波シールドシート。
  5. 請求項1〜4いずれか1項記載の電磁波シールドシートから形成してなる電磁波シールド層、カバーコート層、ならびに信号配線および絶縁性基材を有する配線板を備えることを特徴とする電磁波シールド性配線回路基板。
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