JP6624331B1 - 電磁波シールドシート、および電磁波シールド性配線回路基板 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、単に厚みが0.5〜12μmの金属層を用いるのみでは、高周波帯域において電磁波シールドシートは十分な伝送特性を発現することができず、より優れた伝送特性を電磁波シールドシートに持たせるためには、金属層に対して一層の工夫を行うことが求められてきた。
加えて、金属層を用いた電磁波シールドシートを配線回路基板に貼り付けた電磁波シールド性配線回路基板はハンダリフローなどの加熱処理を行った際に、配線回路基板の内部から発生する揮発成分によって層間で浮きが発生し、発泡等により外観不良および接続不良となる問題があった(以下、ハンダリフロー耐性ということがある)。この問題に対して、例えば特許文献2では、金属薄膜層にピンホールを複数有する金属箔を用い、揮発成分を金属薄膜層のピンホールから透過させることで、層間での浮きや発泡を抑制している。
また、電子機器の実装工程においては、汚れ、ゴミ等の除去を主な目的に電磁波シールド性配線回路基板は洗浄工程に曝されることがある。その際、電磁波シールド層の洗浄用薬品に対する分解・溶解耐性が十分でなく、電磁波シールド層の破損を生じる問題があった。
即ち、本発明に係る電磁波シールドシートは、導電接着剤層、金属層、保護層をこの順に備えた積層体を有し、導電接着剤層と接する前記金属層の面は式(1)により算出されたFlop Index(FI)が10〜90であり、前記金属層は複数の開口部を有し、かつ開口率が0.10〜20%であることを特徴とする。
本発明の電磁波シールドシートは、少なくとも導電接着剤層、金属層、保護層をこの順に備えた積層体を有する。図1は、本発明の実施形態に係る電磁波シールドシート10を例示した断面図である。図1に示すように、電磁波シールドシート10は、導電接着剤層1、金属層2及び保護層3をこの順に備えた積層体を有し、金属層2は、導電接着剤層1及び保護層3の間に配置されている。
本発明の電磁波シールドシートは、複数の開口部4を有し、かつ開口率が0.10〜20%であり、さらに導電接着剤層と接する前記金属層の面は式(1)により算出されたFlop Index(FI)が10〜90である金属層を備えているため、特に高周波(例えば、100MHzから50GHz)の信号を伝送する配線回路基板で、優れた伝送特性等を発現することができる。
電磁波シールドシート10は、例えば、被着体である配線回路基板と、導電接着剤層1側の面を貼り合せて電磁波シールド層を形成し、電磁波シールド性配線回路基板を作製する。すなわち、金属層2の表面のうち、配線回路基板中の信号配線と対向するのは、導電接着剤層1と密着する表面である。
また、本発明の電磁波シールドシートは、少なくとも導電接着剤層、金属層、保護層をこの順に備えた積層体を、170℃30分熱プレスしてなる積層硬化物の、125℃における損失正接が0.10以上であることが好ましい。
これにより、冷熱サイクル信頼性をより向上させることができる。
すなわち積層硬化物は、電磁波シールドシートのうち、電磁波シールド性配線回路基板に用いられる電磁波シールド層と同様の積層構成部分のことである。
数式(3)
(積層硬化物の損失正接)=
(積層硬化物の損失弾性率E´´)/(積層硬化物の貯蔵弾性率E´)
一例として、図8に積層硬化物(実施例5)の動的粘弾性曲線を示す。ある温度における損失弾性率E´´、貯蔵弾性率E´を読取り、それらの数値を前述の数式(3)へ適用することにより、対応する温度における損失正接を算出することができる。積層硬化物は、170℃30分熱プレス後の125℃における損失正接が0.1以上であることが、冷熱サイクル信頼性の観点から好ましい。積層硬化物の170℃30分熱プレス後の125℃における損失正接が0.1以上であると、高温曝露時の膨張によって発生する応力を十分に緩和させることが可能となる。積層硬化物は、170℃30分熱プレス後の125℃における損失正接が0.13以上であることがより好ましく、0.15以上であることが更に好ましい。
積層硬化物の損失正接を制御する方法としては、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂および硬化剤の種類や配合比を変える、各層の厚みを変える、金属層の種類を変える、といった従来公知の方法を適用することができる。
本発明の金属層は、電磁波シールドシートに高周波シールド性を付与する機能を有する。導電接着剤層と金属層の界面における、金属層が導電層に接する側の面は、式(1)により算出されたFlop Index(FI)が10〜90である。FIを10〜90の範囲となるよう制御することにより、伝送特性と、冷熱サイクル信頼性を両立できる。FIの詳細、およびFIの制御によって得られる効果の詳細については後述する。
さらに、本発明の金属層は、複数の開口部を有し、かつ開口率が0.10〜20%である。これにより、ハンダリフロー耐性が向上し、外観不良の発生、および接続信頼性の低下を抑制することができる。
Flop Index(FI)は式(1)によって算出されるパラメータである。
FI測定系を図2(a)に示す。FIは、測定対象表面の垂線方向に対して45°の入射角で光(入射光)を照射し、一定の角度で反射された光(正反射光)を検出器によって検出し、数値化した明度L*を用いて算出される。L*はJIS Z8729で規定されるL*a*b*表色系における明度L*であり、L* 15°、L* 45°、L* 110°は、それぞれ、測定対象表面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光からのオフセット角15°、45°、110°で観測されるL*である。
FIは測定対象表面の凹凸険しさと表面凹凸の秩序性を評価する指標となる。図2(b)に示すように、測定対象表面の凹凸が激しく、無秩序な場合は、入射光はあらゆる角度で反射(散乱)されるため、検知される光量の角度依存性は小さくなる。その結果、式(1)によって算出されるFIの値は小さな値となる。一方、図2(c)に示すように、測定対象表面の凹凸がなだらかであり、秩序性が高い場合は、入射光は一定の角度で強く反射されるため、検知される光量の角度依存性は大きくなる。特に、前述のオフセット角15°、45°、110°で観測される光のうち、15°の光量が大きくなるため、FIは大きな値となる。
金属層表面のFIを制御する方法は、例えば、銅箔表面上に粗化粒子を付着させ、粗化処理面を形成する方法、特開第2017−13473号公報に記載されているバフを用いて金属表面を研磨する方法、研磨布紙を用いて金属表面を研磨する方法、所望を凹凸を有するキャリア材上にめっき等の手法で金属層を形成しキャリア材の凹凸を転写させる方法、圧縮空気によって研磨材を金属表面に吹き付けるショットブラスト法が挙げられる。金属層表面のFIの制御方法としては、例示した方法に限定されるものではなく、従来公知の方法を適用することができる。
金属層の厚みは、0.3μm以上であることが好ましい。金属層の厚みを0.3μm以上とすることで、配線回路基板から発生する電磁波ノイズの波長に対し、透過を抑制することができ、十分な高周波シールド性を発現することができる。金属層の厚みは、0.5μm以上がより好ましい。一方、金属層の厚みは、5.0μm以下であることが好ましい。金属層の厚みを5.0μm以下とすることで、積層硬化物の損失正接を高めることができ、冷熱サイクル信頼性が向上する。金属層の厚み上限は3.5μm以下がより好ましい。
金属層は、例えば、金属箔、金属蒸着膜、金属メッキ膜を使用できる。
金属箔に使用する金属は、例えばアルミニウム、銅、銀、金等の導電性金属が好ましく、一種類の金属、もしくは複数金属の合金のいずれも使用することができる。高周波シールド性およびコストの面から銅、銀、アルミニウムがより好ましく、銅が更に好ましい。銅は、例えば、圧延銅箔または電解銅箔を使用することが好ましい。
金属蒸着膜および金属メッキ膜に使用する金属は、例えばアルミニウム、銅、銀、金等の導電性金属の一種類、もしくは複数金属の合金を使用することが好ましく、銅、銀がより好ましい。金属箔、金属蒸着膜、金属メッキ膜は一方の表面、あるいは両表面を金属、あるいは防錆剤等の有機物で被覆してもよい。
金属層は、複数の開口部を有し、その開口率は0.10〜20%である。開口部を有することでハンダリフロー耐性が向上する。開口部を有することで、電磁波シールド性配線回路基板をハンダリフロー処理した際に、配線回路基板のポリイミドフィルムやカバーレイ接着剤に含まれる揮発成分を外部に逃がし、カバーレイ接着剤および電磁波シールドシートの界面剥離による外観不良の発生を抑制することができる。
金属層の開口率は、0.10〜20%の範囲であり、下記数式(2)で求めることができる。
数式(2)
(開口率[%])=(単位面積当たりの開口部の面積)/(単位面積当たりの開口部の面積+単位面積当たりの非開口部の面積)×100
一方、開口率が20%以下であることで、開口部分を通過する電磁波ノイズの量を低減させ、シールド性を向上することができるため好ましい。ハンダリフロー耐性と高周波シールド性を高い水準で両立する開口率の範囲は、0.30〜15%がより好ましく、0.50〜6.5%が更に好ましい。
開口部を有する金属層の製造方法は、従来公知の方法を適用することができ、金属箔上にパターンレジスト層を形成し金属箔をエッチングして開口部を形成する方法(i)、スクリーン印刷によって所定のパターンに導電性ペーストを印刷する方法(ii)、所定のパターンでアンカー剤をスクリーン印刷しアンカー剤印刷面のみに金属メッキする方法(iii)、および特開2015−63730号公報に記載されている製造方法(iv)等が適用できる。
すなわち、支持体に水溶性、又は溶剤可溶性インクをパターン印刷し、その表面に金属蒸着膜を形成しパターンを除去する。その表面に離形層を形成し電解メッキすることでキャリア付開口部を有する金属層を得ることができるが、これらの中でもパターンレジスト層を形成し金属箔をエッチングする開口部形成方法(i)が、開口部の形状を精密に制御できるため好ましい。但し、その他の方法でも開口部の形状を制御すればよく、金属層の製造方法はエッチング工法(i)に制限されるものではない。
導電接着剤層は導電性樹脂組成物を使用して形成できる。導電性樹脂組成物は、バインダー樹脂、および導電性フィラーを含む。バインダー樹脂は、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂および硬化剤、のいずれかを用いることができる。導電接着剤層は等方導電接着剤層または異方導電接着剤層のいずれかを用いることができる。等方導電接着剤層は、電磁波シールドシートを水平に置いた状態で、上下方向および水平方向に導電性を有する。また、異方導電接着剤層は、電磁波シールドシートを水平に置いた状態で、上下方向のみに導電性を有する。
導電接着剤層は、等方導電性あるいは異方導電性のいずれでもよく、異方導電性の場合、コストダウンが可能となるため好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ジエン系樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリマー、フッ素樹脂等が挙げられる。特に限定するものではないが、伝送損失の観点から、低誘電率、低誘電正接の材料が、特性インピーダンスの観点から低誘電率の材料が好ましく、液晶ポリマーやフッ素系樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、単独または2種類以上併用できる。
熱硬化性樹脂は、硬化剤と反応可能な官能基を複数有する樹脂である。官能基は、例えば、水酸基、フェノール性水酸基、メトキシメチル基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリン基、オキサジン基、アジリジン基、チオール基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、ブロック化カルボキシル基、シラノール基等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール系樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ポリ乳酸樹脂、オキサゾリン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、単独または2種類以上併用できる。
硬化剤は、熱硬化性樹脂の官能基と反応可能な官能基を複数有している。硬化剤は、例えばエポキシ化合物、酸無水物基含有化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、アミン化合物、フェノール化合物、有機金属化合物等の公知の化合物が挙げられる。
硬化剤は、単独または2種類以上併用できる。
導電性フィラーは、導電接着剤層に導電性を付与する機能を有する。導電性フィラーは、素材としては、例えば金、白金、銀、銅およびニッケル等の導電性金属およびその合金、ならびに導電性ポリマーの微粒子が好ましく、価格と導電性の面から銀がより好ましい。 また単一素材の微粒子ではなく金属や樹脂を核体とし、核体の表面を被覆した被覆層を有する複合微粒子もコストダウンの観点から好ましい。ここで核体は、価格が安いニッケル、シリカ、銅およびその合金、ならびに樹脂から適宜選択することが好ましい。被覆層は、導電性金属または導電性ポリマーが好ましい。導電性金属は、例えば、金、白金、銀、ニッケル、マンガン、およびインジウム等、ならびにその合金が挙げられる。また導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げられる。これらの中でも価格と導電性の面から銀が好ましい。
導電性フィラーは、単独または2種類以上併用できる。
保護層は樹脂組成物を使用して形成できる。樹脂組成物は、バインダー樹脂を含む。バインダー樹脂は、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂および硬化剤、のいずれかを用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ジエン系樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリマー、フッ素樹脂等が挙げられる。特に限定するものではないが、伝送損失の観点から、低誘電率、低誘電正接の材料が、特性インピーダンスの観点から低誘電率の材料が好ましく、液晶ポリマーやフッ素系樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、単独または2種類以上併用できる。
熱硬化性樹脂は、硬化剤と反応可能な官能基を複数有する樹脂である。官能基は、例えば、水酸基、フェノール性水酸基、メトキシメチル基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリン基、オキサジン基、アジリジン基、チオール基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、ブロック化カルボキシル基、シラノール基等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール系樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ポリ乳酸樹脂、オキサゾリン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、単独または2種類以上併用できる。
硬化剤は、熱硬化性樹脂の官能基と反応可能な官能基を複数有している。硬化剤は、例えばエポキシ化合物、酸無水物基含有化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、アミン化合物、フェノール化合物、有機金属化合物等の公知の化合物が挙げられる。
硬化剤は、単独または2種類以上併用できる。
電磁波シールドシートの作製において、導電接着剤層と金属層とを積層する方法は、公知の方法を使用できる。
例えば、(i)剥離性シート上に導電接着剤層を形成し、キャリア材付開口部を有する電解銅箔(キャリア材付銅箔、ともいう)の電解銅箔面側に導電接着剤層を重ねてラミネートした後に、キャリア材を剥がす。そして、キャリア材を剥がした面と、別途剥離性シート上に形成した保護層とを重ねてラミネートする方法、(ii)剥離性シート上に保護層を形成し、キャリア材付開口部を有する電解銅箔の電解銅箔面側に保護層を重ねてラミネートした後に、キャリア材を剥がす。そして、キャリア材を剥がした面と、別途剥離性シート上に形成した導電接着剤層とを重ねてラミネートする方法、(iii)キャリア材付開口部を有する電解銅箔の電解銅箔面側に樹脂組成物を塗工して保護層を形成し剥離性シートを貼り合わせる。その後キャリア材を剥がし、別途剥離性シート上に形成した導電接着剤層とを重ねてラミネートする方法、(iv)剥離性シート上に導電接着剤層を形成し、キャリア材付銅箔の電解銅箔面側に導電接着剤層を重ねてラミネートした後に、キャリア材を剥がす。そして、キャリア材を剥がした面と、別途剥離性シート上に形成した保護層とを重ねてラミネートした後、針状の治具で電磁波シールドシートに開口部を形成する方法、(v)剥離性シート上に形成した保護層をキャリア材付開口部を有する電解銅箔の電解銅箔面側に重ねてラミネートした後に、キャリア材を剥がす。そして、キャリア材を剥がした面に導電接着剤層を形成する方法、(vi)剥離性シート上に導電接着剤層を形成し、開口部を有する圧延銅箔の表面のうち、FIが10〜90である面と、導電接着剤層を重ねてラミネートした後に、導電接着剤層とラミネートしたもう一方の面と、別途剥離性シート上に形成した保護層とを重ねてラミネートする方法、(vii)剥離性シート上に保護層を形成し、開口部を有する圧延銅箔の表面のうち、FIが10〜90である面のもう一方の面と、導電接着剤層を重ねてラミネートした後に、保護層とラミネートしたもう一方の面と、別途剥離性シート上に形成した導電接着剤層とを重ねてラミネートする方法、(viii)開口部を有する圧延銅箔の表面のうち、FIが10〜90である面のもう一方の面に樹脂組成物を塗工して保護層を形成し剥離性シートを貼り合せる。その後、もう一方の面と、別途剥離性シート上に形成した導電接着剤層とを重ねてラミネートする方法、(ix)開口部を有する圧延銅箔の表面のうち、FIが10〜90である面に導電性樹脂組成物を塗工して導電接着剤層を形成し剥離性シートを貼り合せる。その後、もう一方の面と、別途剥離性シート上に形成した保護層とを重ねてラミネートする方法、等が挙げられる。
まず、コプレーナ回路を用意する。
コプレーナ回路とはポリイミドフィルム等の絶縁性基材の片面側に信号配線がプリントされた平面伝送回路のひとつであり、本発明において、コプレーナ回路はポリイミドフィルム上に2本の信号配線を挟む形でグランド配線が並行に形成された回路を用いる。尚、前述したコプレーナ回路は、対向する面にグランド接地用のグランドパターンが、スルーホールを介して設置されている。
コプレーナ回路の信号配線と反対側の絶縁性基材面に電磁波シールドシートの導電接着剤層を貼り合せ、熱プレスによって電磁波シールドシートを積層する。この時電磁波シールドシートは一部露出しているグランドパターンと導通する。前述の方法により、伝送特性評価用のテストピースを得ることができる。
電磁波シールド性配線回路基板は、本発明の電磁波シールドシートから形成してなる電磁波シールド層、カバーコート層、ならびに信号配線とグランド配線とを有する回路パターンおよび絶縁性基材を有する配線回路基板を備える。
配線回路基板は、絶縁性基材の表面に信号配線とグランド配線とを有する回路パターンを有し、前記配線回路基板上に、信号配線とグランド配線とを絶縁保護し、グランド配線上の少なくとも一部にビアを有するカバーコート層を形成し、電磁波シールドシートの導電接着剤層面を、前記カバーコート層上に配置させた後、前記電磁波シールドシートを熱プレスし、ビア内部に導電接着剤層を流入させグランド配線と接着させることにより、製造することができる。
電磁波シールド層12は、導電接着剤層1、金属層2、保護層3を含む構成である。
配線回路基板がリジッド配線板の場合、絶縁性基材の構成材料は、ガラスエポキシが好ましい。これらのような絶縁性基材を備えることで配線回路基板は高い耐熱性が得られる。
なお、硬化を促進させるため、熱プレス後に150〜190℃で30〜90分間ポストキュアを行う場合もある。
ビアの形状は特に限定されず、円、正方形、長方形、三角形および不定形等用途に応じていずれも用いることができる。
酸価はJIS K0070に準じて測定した。共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密
に量り採り、テトラヒドロフラン/エタノール(容量比:テトラヒドロフラン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定し、指示薬が淡紅色を30秒間保持した時を終点とした。酸価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)=(5.611×a×F)/S
ただし、
S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
重量平均分子量(Mw)の測定は東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーである。本発明における測定は、カラムに「LF−604」(昭和電工株式会社製:迅速分析用GPCカラム:6mmID×150mmサイズ)を直列に2本接続して用い、流量0.6ml/min、カラム温度40℃の条件で行い、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
Tgの測定は、示差走査熱量測定(メトラー・トレド社製「DSC−1」)によって測定した。
D50平均粒子径は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS13320(ベックマン・コールター社製)を使用し、トルネードドライパウダーサンプルモジュールにて、導電性フィラーを測定して得た数値であり、粒子径累積分布における累積値が50%の粒子径である。なお、屈折率の設定は1.6とした。
《原料》
導電性フィラー:複合微粒子(核体の銅100重量部に対して銀が10重量部被覆されたデンドライト状の微粒子)平均粒径D50:11.0μm 福田金属箔粉工業社製
バインダー樹脂1:酸価5mgKOH/g、重量平均分子量は70,000、Tgは−5℃のポリウレタンウレア樹脂(トーヨーケム社製)
バインダー樹脂2:酸価5mgKOH/g、重量平均分子量は2,000、Tgは−14℃のポリウレタンウレア樹脂(トーヨーケム社製)
バインダー樹脂3:酸価5mgKOH/g、重量平均分子量は10,500、Tgは−11℃のポリウレタンウレア樹脂(トーヨーケム社製)
バインダー樹脂4:酸価5mgKOH/g、重量平均分子量は32,000、Tgは−9℃のポリウレタンウレア樹脂(トーヨーケム社製)
エポキシ化合物:「JER828」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エポキシ当量=189g/eq)三菱ケミカル社製
アジリジン化合物:「ケミタイトPZ−33」日本触媒社製
顔料:カーボンブラック「MA100」三菱ケミカル社製
キャリア材:「エンブレットS25」ユニチカ社製
これらのキャリア材付銅箔は、キャリア材上に形成された銅箔上にパターンレジスト層を形成し銅箔をエッチングして開口部を形成する方法により、表1に示す厚み、および開口率等を有するものとした銅箔である。
固形分換算でバインダー樹脂1を100部、導電性フィラーを47部、エポキシ化合物を10部、アジリジン化合物を0.5部容器に仕込み、不揮発分濃度が40%になるように混合溶剤(トルエン:イソプロピルアルコール=2:1(重量比))を加えディスパーで10分攪拌して導電性樹脂組成物を得た。
導電性フィラーの添加量を変えた以外は導電接着剤層1と同様の方法で表2〜5に示す導電接着剤層2〜8を作製した。
固形分換算でバインダー樹脂1を100部、エポキシ化合物30部およびアジリジン硬化剤7.5部を加えディスパーで10分攪拌することで樹脂組成物1を得た。得られた樹脂組成物1をバーコーターを使用して乾燥厚みが5μmになるように、キャリア材付銅箔A1に塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥して保護層1を形成し、保護層1に微粘着剥離性シートを貼り合わせた。
表1〜5に示すように、導電接着剤層、保護層、および銅箔の種類を変更した以外は、実施例1と同様に行うことで、実施例2〜32、比較例1〜4の電磁波シールドシートをそれぞれ得た。銅箔表面のFIの目標値が、キャリア材の値と異なる場合には、適宜バフ研磨によって表面を磨く、あるいは荒らすなどにより、FIを調整した。
電磁波シールドシートの導電接着剤層、金属層、および保護層の厚みは、以下の方法により測定した。
電磁波シールドシートの導電接着剤層側の剥離性シートを剥がし、露出した導電接着剤層とポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)を貼り合せ、2MPa、170℃の条件で30分熱プレスした。これを幅5mm、長さ5mm程度の大きさに切断した後、エポキシ樹脂(ペトロポキシ154、マルトー社製)をスライドガラス状に0.05g滴下し、電磁波シールドシートを接着させ、スライドガラス/電磁波シールドシート/ポリイミドフィルムの構成の積層体を得た。得られた積層体をクロスセクションポリッシャー(日本電子社製、SM−09010)を用いてポリイミドフィルム側からイオンビーム照射により切断加工して、熱プレス後の電磁波シールドシートの測定試料を得た。
電磁波シールドシートの金属層のFIは、以下の方法により測定した。
電磁波シールドシートの導電接着剤層側の剥離性シートを剥がし、露出した導電接着剤層に粘着テープ(ニチバン社製「CT1835」)を、粘着テープの端部を残して貼り合せ、粘着テープの端部から剥離を行い、導電接着剤層/粘着テープを剥離した。導電接着剤層が除去され、露出した金属層の表面を多角度測色計(BYK社製、BYK‐mac i23mm測定口径)を用いてL* 15°、L* 45°、L* 110°を測定し、式(1)に基づいてFIを算出した。なお、測定は多角度測色計の長軸方向と電磁波シールドシートのMD方向が一致するよう多角度測色計を配置し測定を行った。MD方向とは、樹脂組成物を塗工する際の、塗工方向を指す。光源はD50、視野は2°視野の条件にて測定を行った。
積層硬化物の損失正接は、以下の方法により測定した。
まず、幅50mm・長さ50mmの電磁波シールドシートを2枚用意し、それぞれの導電接着剤層側の剥離性シートを剥がし、露出した導電接着剤層同士を貼り合せ、170℃、2.0MPa、30分の条件で圧着し、熱硬化させて積層硬化物を得た。その後、積層硬化物の中心部分を幅5mm・長さ30mmに切出し、試料とした。この試料を、動的粘弾性測定装置(動的粘弾性測定装置DVA−200、アイティー計測制御社製)にセットし、昇温速度:10℃/分、測定周波数:1Hz、歪:0.08%、の条件にて動的粘弾性測定を行い、得られた動的粘弾性曲線より、125℃における損失弾性率E´´、貯蔵弾性率E´を読取り、積層硬化物の損失正接を算出した。
ハンダリフロー耐性は、電磁波シールドシートと溶融半田とを接触させた後の、外観変化の有無により評価した。ハンダリフロー耐性が高い電磁波シールドシートは、外観が変化しないが、ハンダリフロー耐性が低い電磁波シールドシートは、発泡や剥がれが発生する。
まず、幅25mm・長さ70mmの電磁波シールドシートの導電接着剤層の剥離性シートを剥がし、露出した導電接着剤層と、総厚64μmの金メッキ処理された銅張積層板(金メッキ0.3μm/ニッケルメッキ1μm/銅箔18μm/接着剤20μm/ポリイミドフィルム25μm)の金メッキ面を170℃、2.0MPa、30分の条件で圧着し、熱硬化させて積層体を得た。得られた積層体を幅10mm・縦65mmの大きさに切り取り試料を作製した。得られた試料を40℃、90%RHの雰囲気下で72時間放置した。その後、試料のポリイミドフィルム面を下にして250℃の溶融半田上に1分間浮かべ、次いで試料を取り出し、その外観を目視で観察し、発泡、浮き、剥がれ等の異常の有無を次の基準で評価した。
◎:外観変化全く無し。 極めて良好である。
〇:小さな発泡がわずかに観察される。 良好である。
△:小さな発泡が多数観察される。 実用可。
×:激しい発泡や剥がれが観察される。 実用不可。
伝送特性は、図4に示す電磁波シールドシート付きコプレーナ回路を有する配線板21を用いて評価した。
◎:15GHzにおける伝送損失が7.0dB未満 極めて良好である。
〇:15GHzにおける伝送損失が7.0dB以上、7.5dB未満 良好である。
△:15GHzにおける伝送損失が7.5dB以上、8.0dB未満 実用可。
×:15GHzにおける伝送損失が8.0dB以上 実用不可。
高周波シールド性は、ASTM D4935に準拠し、キーコム社製の同軸管タイプのシールド効果測定システムを用いて、100MHz〜15GHz条件で電磁波の照射を行い、電磁波が電磁波シールドシートで減衰する減衰量を測定し、以下の基準に従って表記を行う。なお、減衰量の測定値は、デシベル(単位;dB)である。
◎:15GHzの電磁波照射時の減衰量が、−55dB未満 極めて良好である。
〇:15GHzの電磁波照射時の減衰量が、−55dB以上、−50dB未満 良好。
△:15GHzの電磁波照射時の減衰量が、−50dB以上、−45dB未満 実用可。
×:15GHzの電磁波照射時の減衰量が、−45dB以上 実用不可。
幅40mm・長さ40mmの電磁波シールドシートの接着層の剥離性シートを剥がし、露出した接着層と、幅50mm・長さ50mmカプトン500Hを170℃、2.0MPa、30分の条件で圧着し、熱硬化させて試料を得た。得られた試料の電磁波シールドシートの保護層側に、JISK5400に準じてクロスカットガイドを使用し、間隔が1mmの碁盤目を100個作成した。その後、溶剤型洗浄液「Zestoron FA+」(Zestoron社製)に20分浸漬させ、超音波洗浄機「UT−205HS」(SHARP社製)を用い出力100%に設定して、2分間超音波処理を行った後に、試料を取り出し蒸留水で洗浄した後乾燥させた。碁盤目部に粘着テープを強く圧着させ、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がし、碁盤目の状態を下記の基準で判断した。
◎:どの格子の目も剥がれない。
〇:カットの交差点における塗膜の小さな剥がれ。明確に5%を上回らない。
△:塗膜がカットの線に沿って部分的、全面的に剥がれている。15%以上35%未満。×:塗膜がカットの線に沿って部分的、全面的に剥がれている。35%以上。
冷熱サイクル信頼性は、冷熱サイクル前後の小開口ビアを介した接続抵抗値を測定することで評価した。以下に評価の具体的方法を示す。
電磁波シールドシートを幅20mm、長さ50mmの大きさに準備し試料25とした。図7(1)、(4)の平面図を示して説明すると試料25から剥離性シートを剥がし、露出した導電接着剤層25bを、別に作製したフレキシブルプリント配線板(厚み25μmのポリイミドフィルム21上に、互いに電気的に接続されていない厚み18μmの銅箔回路22A、および銅箔回路22Bが形成されており、銅箔回路22A上に、厚み37.5μmの、直径1.1mm(ビア面積が1.0mm2)の円形ビア24を有する接着剤付きポリイミドカバーレイ23が積層された配線板)に170℃、2MPa、30分の条件で圧着し、電磁波シールドシートの導電接着剤層25bおよび保護層25aを硬化させることで試料を得た。次いで、試料の保護層25a側の剥離性シートを除去し、図7(4)の平面図に示す22A−22B間の初期接続抵抗値を、三菱化学アナリテック製「ロレスターGP」のBSPプローブを用いて測定した。なお、図7(2)は、図7(1)のD−D’断面図、図7(3)は図7(1)のC−C’断面図である。同様に図7(5)は、図7(4)のD−D’断面図、図7(6)は図7(4)のC−C’断面図である。試料を冷熱衝撃装置(「TSE‐11‐A」、エスペック社製)に投入し、高温さらし:125℃、15分、低温さらし:−50℃、15分の曝露条件にて交互曝露を200回実施した。その後、試料の接続抵抗値を、初期と同様に測定した。
冷熱サイクル信頼性の評価基準は以下の通りである。
◎:(交互曝露後の接続抵抗値)/(初期接続抵抗値)が1.5未満 極めて良好である。
○:(交互曝露後の接続抵抗値)/(初期接続抵抗値)が1.5以上、3.0未満 良好。
△:(交互曝露後の接続抵抗値)/(初期接続抵抗値)が3.0以上、5.0未満 実用可。
×:(交互曝露後の接続抵抗値)/(初期接続抵抗値)が5.0以上 実用不可。
2 金属層
3 保護層
4 開口部
5 グランド配線
6 信号配線
7 電磁波シールド性配線回路基板
8 カバーコート層
9 絶縁性基材
10 電磁波シールドシート
11 ビア
12 電磁波シールド層
20 コプレーナ回路を有する配線板
21 電磁波シールドシート付きコプレーナ回路を有する配線板
50 ポリイミドフィルム
51 スルーホール
52 銅メッキ膜
53 信号配線
54 グランド配線
55 グランドパターン(i)
56 裏面側グランドパターン(ii)
Claims (6)
- 導電接着剤層、金属層、保護層をこの順に備えた積層体を有し、
導電接着剤層と接する前記金属層の面は式(1)により算出されたFlop Index(FI)が10〜90であり、
前記金属層は複数の開口部を有し、かつ開口率が0.10〜20%であることを特徴とする電磁波シールドシート。
(L* 15°、L* 45°、L* 110°は、それぞれ、導電接着剤層と接する金属層の界面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光からのオフセット角15°、45°、110°におけるJIS Z8729で規定されるL*a*b*表色系のL*である。) - 前記積層体を、170℃30分熱プレスしてなる積層硬化物は、125℃における損失正接が0.10以上であることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールドシート。
- 前記金属層の厚みは、0.3〜5.0μmであることを特徴とする請求項1または2記載の電磁波シールドシート。
- 前記保護層はバインダー樹脂を含有し、前記バインダー樹脂の重量平均分子量は10,000以上であることを特徴する請求項1〜3いずれか1項記載の電磁波シールドシート。
- 前記導電接着剤層は、バインダー樹脂、および導電性フィラーを含有し、
前記導電接着剤層中の前記導電性フィラーの含有率は、35〜90質量%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の電磁波シールドシート。 - 請求項1〜5いずれか1項記載の電磁波シールドシートから形成してなる電磁波シールド層、カバーコート層、ならびに信号配線および絶縁性基材を有する配線板を備えることを特徴とする電磁波シールド性配線回路基板。
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