JP5792997B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
表面シート1の繊維密度は、KEYENCE社製マイクロスコープVHX−1000を用い観察し、上層11,下層12各々の厚みを測定し、設計した坪量を各々の厚みで除して算出できる。
また、抑制構造と繊維の粗密構造とによる素早い液の引き込み性の観点から、突部14aの平均密度(m1)、突部14bの平均密度(m2)、及びエンボス部15の平均密度(m3)の比率(m1/m2/m3)は、3/4/5〜1/20/30が好ましく、2/4/5〜1/10/20がさらに好ましい。上記の下限以上とすることで、表面シート1の突部14aからエンボス部15へ毛管勾配が形成され、速やかに肌当接面側から体液を移行させることができ、上限以下とすることでエンボス部15が過度に圧縮され、硬くなることを防止することができる。
まず、吸収体3には、少なくとも排泄部対応領域において、吸収性素材(パルプ繊維、吸収性ポリマーなど)を非肌当接面側から厚み方向に少なくして空隙部分とした凹部31が配されている。凹部31は、その非肌当接面側の平面視、幅方向(X方向)及び縦方向(Y方向)に沿ってそれぞれ複数条を格子状に配して形成されている。そして、この凹部31の肌当接面側の底部にはパルプ繊維を含む凹部吸収部34が配されている。つまり凹部吸収部34は、吸収体3の肌当接面側に偏倚して配されている。この吸収体3の非肌当接面側で格子状に連続的に配される凹部31とこれに対応して吸収体3の肌当接面側で平面方向に連続的に広がる凹部吸収部34とが厚み方向に連係して吸収体内で液を素早く透過させる通液構造となる。
凹部31及び凹部吸収部34に囲まれた吸収体3の部分が非肌当接面側に突出したブロック状の突出吸収部33として区画されて形成されている。第1実施形態においては、突出吸収部33が凹部吸収部34よりも厚みがあり、その厚みの差により凹部吸収部34が低坪量部とされ突出吸収部33が高坪量部とされている。また、吸収体3の詳細な製造方法は後述するが、第1実施形態における突出吸収部33は凹部吸収部34より相対的に高密度である。吸収体3は、高密度な高坪量部としての突出吸収部33とこれより相対的に低密度な低坪量部としての凹部吸収部34とを有し、凹部吸収部34が吸収体3の肌当接面側に偏倚して突出吸収部33を囲むよう平面方向に連続的に配置されている。つまり、吸収体3の平面視、突出吸収部33からなる高密度な高坪量部が凹部吸収部34からなる低密度な低坪量部の中に存在する海−島構造である。また、吸収体3の肌当接面側において、凹部吸収部34と突出吸収部33の肌当接面側の部分とが平坦な形状をなし、凹部吸収部34や突出吸収部33を含む吸収体3全体は継ぎ目のない一体構造となる。
さらに凹部31の深さ(h2)の吸収体3の厚み(突出吸収体33の厚み)(h1)に対する割合(%)(図2参照)は、20〜80%であることが好ましく、30〜70%であることがさらに好ましい。上記下限以上とすることで、表面シートへの液残りや液戻りをより効果的に抑制することができ、上限以下とすることで表面シートより受け取った液を広げすぎずに突出吸収部33へと移動させることができる。
突出吸収部33及び凹部吸収部34の密度とは、吸収体3の構成部材であるパルプ繊維と高吸水性ポリマーとを併せた密度である。吸収体3を、凹部31の壁面底部31a,31aから厚み方向に延ばした仮想線t,t(図5(B)参照)で切断して、突出吸収部33と凹部吸収部34とし、これらをそれぞれ長さ50mm、幅5mmの大きさに切り出しサンプルを調製する。次いで、電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いサンプルの質量を測定する。定圧式厚み計を用い、サンプル厚みを測定し、測定したサンプルの質量を、サンプルの体積(厚み×長さ×幅)で除して各々の領域における部位の全材料の密度を算出する。なお、低圧式厚み計の測定時圧力は0.5g/cm2で行う。平均密度は、サンプルを任意の箇所で10個調整して、その平均で求められる。
突出吸収部33の平均坪量(w2)及び凹部吸収部34の平均坪量(w1)の測定方法は、測定するそれぞれの部位の面積を予め測定し、その測定領域を前述の仮想線t,t(図5(B)参照)でカッターで切断してその切断部の質量を測定する。測定した質量を面積で除して、各々の密度領域の平均坪量を測定する。平均坪量は、サンプルを任意の箇所で10個調整して、その平均で求められる。
まず、凹部31は吸収体3の底部から肌当接面側に窪んで空隙のある部分とし、凹部吸収部34は凹部31の上部に位置する吸収体3の素材からなる部分として区分できる(図5(B))。突出吸収部33は、厚み方向に並ぶ凹部31及び凹部吸収部34の低密度領域39に隣接して囲まれる吸収体3の素材からなる上部から底部までの部分として区分できる(図5(B))。この突出吸収部33と凹部吸収部34及び凹部31との境界は、凹部31の壁面底部31a,31aから厚み方向に延ばした仮想線t,tとして規定できる(図5(B))。
このように区分される凹部吸収部34の厚み(h3=h1−h2)(図2参照)と突出吸収部33の厚み(h1)(図2参照)の測定は、大きさ37mm×37mm、厚み3mmのアクリルプレートを吸収体3の上に置き、KEYENCE社製非接触式レーザー変位計(レーザーヘッドLK−G30、変位計LK−GD500を用い突出吸収部33の厚み(h1)を計測し、凹部吸収部34の厚み(h3)を吸収体の図2相当の断面をKEYENCE社製マイクロスコープVHX‐1000を用いることで計測できる。
本発明において吸収体は、第1実施形態のように突出吸収部33と凹部吸収部34とによる整列配置の構造に限定されず、低密度な低坪量部が高密度な高坪量部を取り囲み、肌当接面側から素早く液を透過させて液戻りや液残りなく吸収保持させる構造であれば任意の形状や配置を採用することができる。その場合、前記の寸法と同様の趣旨で、吸収体の肌当接面側において、低密度な低坪量部の面積(q3)と高密度な高坪量部の面積(q4)との比率(q3/q4)が、2/3〜1/6であることが好ましく、1/2〜1/5であることが好ましい。
生理用ナプキン10に液a1が排泄されると、表面シート1においては上層11の突部14aと下層の突部14bとの繊維の粗密構造によって液a1が表面シート1の非肌当接面側へと引き込まれる(矢印b1)。また、抑制部としてのエンボス部15を含む抑制構造により液の平面方向への拡散が抑えられ、突部14aの側面からエンボス部15へと高まる密度差又は密度勾配によりエンボス部15へ向かって液が吸引され表面シート1の非肌当接面側へと素早く引き込まれる(矢印b2)。この構造により、少ない液量であっても吸収体3へと導かれやすく効果的に吸収体3へと受け渡される。また、吸収体3の肌当接面側が平坦な形状であることで、表面シート1の非肌当接面側にある液a1が吸収体3と広い面で接触しやすく引き込まれやすい。特に吸収体3の導液部である凹部吸収部34において、液が過度な拡散なく素早く引き込まれる。つまり液a1は、通液抵抗が低い凹部吸収部34をチャンバーとして素早く吸収体3の厚み方向に向かって吸収される。そして液a1は、その一部が密度の高い突出吸収部33,33へ向かって移行し(矢印b3)、他の一部が凹部31に一時保持される(矢印b4)。このように、表面シート1から引き渡された液が凹部吸収部34で引き込まれ、矢印b3やb4へと分散されることで、吸収体の表面側での保持量を減少させ通液抵抗が更に低くなることとなる。これにより表面シート1への液戻りも効果的に抑制され得る。
このように第1実施形態における生理用ナプキン10は、厚み方向への液の高い引き込み性を有した表面シート1の性能を、吸収体3の高い厚み方向への液の透過性によって十分に発揮させることができ、これにより取り込んだ水分の肌への液戻りを抑え、好適なドライ感を使用者に与える効果を奏する。
本発明における条溝7では、表面シート1と吸収体における固定をおこなうことができるため、特に条溝7間において上記効果に加えて、表面シート1と吸収体3に隙間が生じにくい。また、従来は表面シート1と吸収体3の間にホットメルト型粘着剤等を用いて固定して吸収性(特に液通過性)を高めることが通常実施されているが、表面シート1が伸縮機能を有する場合、装着者の肌と表面シート1のこすれを起こし易くなるため、本発明の条溝7によって固定された形態を用いると、粘着剤等の使用量を減少することができる。具体的には粘着剤の塗工ピッチを大きくすることで固定面積を減少したり、粘着剤を使用しないようにしながら、フィット性と吸収性を維持することが可能となる。
図7は、吸収体3の肌当接面側に表面シート80を配した生理用ナプキン20の所定の断面の一部を拡大して示した一部断面図であり、第1実施形態の図6に相当する図である。表面シート80は、単層の繊維構造からなり、肌当接側面が多数のドーム状の突部84と厚み方向に窪んで谷部となるエンボス部85とを有する凹凸形状であり、非肌当接側面が平坦な形状である。
この表面シート80の抑制構造が、前記の粗密構造と協働して、排泄液を過大に拡散させることなく素早く透過させて吸収体3へと効率よく引き渡すことができる。これにより、表面シート80の肌側面では液残りと液戻りが抑制され、着用者に良好な装着感が提供される。そしてこの表面シート80を有する生理用ナプキン20においても、生理用ナプキン10と同様に、表面シート1の繊維の粗密構造及び液拡散の抑制構造と、吸収体3の高密度な高坪量部とこれを囲んで平面方向に広がる低密度な低坪量部を有する構造とによって、液残りなく表面シート80から吸収体3へと液を素早く効率よく引き渡し、吸収体3内で表面シート80から遠い位置で液を素早く吸収保持することができる。
また、抑制構造と繊維の粗密構造とによる素早い液の透過性の観点から、突部84の平均密度(m31)、平坦部82の平均密度(m32)、及びエンボス部85の平均密度(m33)の比率(m31/m32/m33)は、4/5/12〜1/10/30が好ましく、3/4/6〜1/5/20がさらに好ましい。上記の下限以上とすることで、表面シート80の突部14aからエンボス部15へ毛管勾配が形成され、速やかに肌当接面側から体液を移行させることができ、条件以下とすることでエンボス部15が過度に圧縮され、硬くなることを防止することができる。
図8は、生理用ナプキン10の吸収体3の製造に好ましく用いられる吸収体の製造装置60を示す図である。製造装置60は、外周面に複数のポケット9(堆積部)がます目状に区切られた積繊プレートを有する回転ドラム62(図9(a−1)参照)と、回転ドラム62の外周面に向けて、繊維材料Sを飛散状態にて供給するダクト63と、ダクト63に繊維材料Sを供給する繊維材料供給部64と、ポケット9にあふれるように堆積させた過剰量の繊維材料を掻き取るスカッフィングロール65と、ポケット9から離型した堆積体(吸収体前駆体)70の上下面をコアラップシートで被覆する被覆機構(図示せず)と、吸収体前駆体70をコアラップシートで被覆して得られる吸収体連続体を、一対のプレスロール66a,66b間で加圧して圧縮する圧縮装置66と、圧縮後の吸収体連続体を、個々の生理用ナプキンに使用される寸法に切断して加工後の吸収体3とする切断装置(図示せず)を備えている。
まず、回転ドラム62及びスカッフィングロール65を回転させると共に、上記吸気ファン及び上記加圧手段を作動させて、空間B及びEを負圧にし、空間Dを陽圧にする。また、バキュームコンベア67、圧縮装置66及び上記切断装置を作動させる。吸気ファンの作動により、空間B上に位置するポケット9の底面部に吸引力が生じると共に、ダクト63内に、回転ドラム62の外周面に向けて流れる空気流が生じる。そして、繊維材料供給装置64を作動させて、ダクト63内に繊維材料S(パルプ繊維41及び高吸水性ポリマー42)を供給すると、該繊維材料Sは、飛散状態となって、ダクト63内を流れる空気流に載って、回転ドラム62の外周面に向けて供給される。
コアラップシート上の堆積体(吸収体前駆体)70は、折り返されたコアラップシートの両側部により凸状部33Aを有する面も被覆された後、ベルトコンベアにより吸収体全躯体70が反転し、の表裏が圧縮装置6に導入されて一対のプレスロール66a,66b間で加圧される(図9(c)参照)。これにより、凸状部33Aがつぶされて圧蜜化し、高密度な部分となる。凸状部33Aがつぶされた後の吸収体連続体は、図示しない切断手段で切断されて、個々の生理用ナプキンに使用される寸法の吸収体3となる。得られた吸収体3においては、吸収体全躯体70の凸状部33Aを圧蜜化した部分が、高密度な高坪量部としてのブロック状の突出吸収部33となる。
生理用ナプキン10及び20は、このようにして得られる吸収体3を、表面シート1の帯状原反と裏面シート2の帯状原反との間に間欠的に配置した後、吸収体3の周囲において、それらの表裏面シート間を接合し、次いで、個々の生理用ナプキンの寸法に切断することにより得られる。
上層11としては、例えば、カード法によって形成されたウェブや嵩高な不織布が好ましく用いられる。カード法によって形成されたウェブとは、不織布化される前の状態の繊維集合体のことである。つまり、不織布を製造する際に用いられるカードウエブに加えられる後処理、例えばエアスルー法やカレンダー法による加熱融着処理が施されていない状態にある、繊維同士が極めて緩く絡んでいる状態の繊維集合体のことである。カード法によって形成されたウェブを上層11として用いる場合には、上層11と下層12とを接合させると同時に又は接合させた後、上層11及び下層12中の繊維同士を熱融着させる。また、嵩高な不織布としては、エアスルー不織布、エアレイド不織布、レジンボンド不織布等が挙げられる。上層11の構成繊維は、実質的に熱収縮性を有しないものか、又は下層12の構成繊維の熱収縮温度以下で熱収縮しないものであることが好ましい。上層11の坪量は、充分な密度勾配を形成する観点及び表面シート1の肌触りを良好にする観点から、好ましくは10〜50g/m2、更に好ましくは15〜40g/m2である。
また本発明の吸収性物品は、上記の実施形態に制限されるものではなく、例えば失禁パッド、失禁ライナ等に本発明を適応することができる。また、経血に限らずその他、尿、オリモノ、軟便等に対しても効果的である。また、表面シート1、吸収体3、裏面シート2及びサイドシート4の他にも用途や機能に合わせ適宜部材を組み込んでもよい。なお、上記実施形態の生理用ナプキンの表面シート1、吸収体3及び裏面シート2の材料、製法における条件や、製品の寸法諸言は特に限定されず、通常の吸収性物品において用いられている各種材料を用いることができる。
花王株式会社の市販の生理用ナプキン(商品名「ロリエエフ 多い昼〜ふつうの日用」)から表面シート及び吸収体を取り除き、下記の表面シート及び吸収体を配置し、他を復元して、評価用の生理用ナプキンのサンプルとした。
(1)表面シート(第1実施形態における表面シート)の製造
(上層)
非熱収縮性融着繊維として、大和紡績株式会社製の芯鞘型複合繊維(商品名NBF−SH、芯:ポリエチレンテレフタレート、鞘:ポリエチレン、芯/鞘重量比=5/5、繊度2.2dtex、繊維長51mm)を用いた。この繊維をカード機を用いて解繊しウエブとなし、次いでこれをエアスルー方式で熱処理(120℃)し坪量20g/m2のエアスルー不織布を得た。
(下層)
潜在捲縮性繊維(エチレン−プロピレンランダム共重合体を芯成分とし、ポリプロピレンを鞘成分とした熱収縮性を示す芯鞘型複合繊維、繊度2.2dtex、大和紡績株式会社製、捲縮開始温度90℃)を原料として用いて、上層繊維層と同様にカードウエブを製造した。得られたカードウエブの坪量は20g/m2であった。
(表面シート)
前記上層と下層を重ね合わせ、彫刻ロールと平滑ロールとの組合せからなる熱エンボスロール装置に通し、両層を部分的に接合し一体化し不織布を得た。この際、彫刻ロールを第2繊維層に当接させ、第2繊維層の側からエンボス加工が行われるようにした。彫刻ロールは175℃に、平滑ロールは125℃に設定されていた。彫刻ロールのエンボスパターンは、いわゆる千鳥格子状のパターンであり、個々のエンボス点が円形(エンボス面積0.047cm2)で且つ機械方向に沿うエンボス点の距離(ピッチ)は7mm、横方向に沿うエンボス点の距離(ピッチ)は7mm、斜め45°の方向に沿うエンボス点の距離は5mmであった。この時点でのエンボス面積率は7.2%であった。
得られた不織布を130℃に加熱した熱乾燥機内にて1〜3分間熱処理することで両面に突部を有する表面シートを得た。肌当接面側にある突部の繊維密度(m1)は0.04g/cm3であり、非肌当接面側にある突部の繊維密度(m2)は0.10g/cm3であり、エンボス部の繊維密度は0.70g/cm3であった。また表面シートの表面積(q1)に対するエンボス部の合計面積(q2)の割合(q2/q1)は、0.29であった。
図8で示した製造装置を用いて、突出吸収部の坪量200g/m2、凹部吸収部の坪量52g/m2のパルプ繊維及び高吸水性ポリマーの積繊体を得た(図5(c))。この積繊体をコアラップシートで被覆し、一対のプレスロール間に通して、3.0kgf/cm2の圧力で圧縮して吸収体を得た。この吸収体における、突出吸収部の平均密度(m5)は、0.12g/cm3であり、凹部吸収部の平均密度(m4)は、0.08g/cm3であった。高密度領域38の平均坪量(w2)は240g/m2であり、低密度領域39の平均坪量(w1)は100g/m2であった。また、凹部吸収部34の厚み(h3)は1.2mmであり、突出吸収部33の厚み(h1)は2.0mmであった。突出吸収部33の縦方向長さk1は20mmであり幅方向長さk2は10mmであり、凹部31の縦方向長さsは2.0mmであり幅方向長さrは1.0mmであった。
実施例1におけるサンプルの表面シートを下記のものに変えたサンプルとした。
・表面シート(第2実施形態における表面シート)の製造
繊維径4dtex熱伸長率8%の芯鞘型複合繊維(芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレン)をカード機に通してウェブとし、該ウエブを、ヒートエンボス装置に導入して、該ウエブに線状の格子柄エンボスを形成した。次いで、そのウエブを、熱風吹き付け装置に導入し、エアスルー加工による熱風処理を行い、繊維は熱伸長して、線状のエンボスの近傍に繊維並列起立部を有する表面シートであった。
実施例1におけるサンプルの吸収体を下記のものに変えたサンプルとした。
花王株式会社の上記の市販の生理用ナプキンを、比較例の生理用ナプキンとして用いた。この市販の生理用ナプキンの吸収体には、直径2mmの円形のエンボス部が全域に亘って千鳥状に形成されていた。エンボス部の中心点間のピッチは7mmである。坪量(目付)は200g/m2であった。
実施例2におけるサンプルの吸収体を下記のものに変えたサンプルとした。
花王株式会社の上記の市販の生理用ナプキンを、比較例の生理用ナプキンとして用いた。この市販の生理用ナプキンの吸収体には、直径2mmの円形のエンボス部が全域に亘って千鳥状に形成されていた。エンボス部の中心点間のピッチは7mmである。坪量(目付)は200g/m2であった。
<吸収速度の測定方法>
吸収速度(D/W法)の測定方法は次のとおりである。測定には図11に示す装置を用いる。この装置は、横コック付きビュレットを備えている。ビュレットの内径は10.4mm、容積は50mLであり、目盛りが付されている。ビュレットの上端開口部にはゴム栓(シリコン栓でも可)が取り付けられて、該開口部を封止できるようになっている。ビュレットの下端には、内径6mmのビニール管の一端が接続されている。ビニール管の他端は、試料載置台の底面に接続されている。試料載置台は浅底のシャーレ状の形状のものである。試料載置台の底面は開口しており、その開口にビニール管の他端が接続されている。試料載置台の内径は53mmであり、深さは6mmである。試料載置台内にはガラスフィルター(JIS G1、直径52mmφ、厚さ4.3mm)が設置されている。ガラスフィルター上には濾紙(No.2、直径70mm)が載置される。
図11に示す装置を用いた単位時間当たりの吸収量の測定手順は次のとおりである。
(1)コックBを閉じ、コックAを開く。ビニール管内に空気が残らないように注意しながら、生理食塩水をビュレット内に注入する。注入は、試料載置台上のガラスフィルター(G1グレード)が十分に濡れるまで行う。
(2)コックAを閉じ、生理食塩水をビュレットの10mlの標線まで注入する。ビュレットの上端開口部のゴム栓を閉じ、更にコックAを開く。
(3)コックBを開き、コックBの管内に液が溜まらないように注意しながら、試料載置台上のガラスフィルターの上面の位置と、コックBの中心線の位置とを合わせる。
(4)ガラスフィルターの余分な水分をふき取る。また、ビュレットの液面を20mlの標線に合わせる。
(5)試料をガラスフィルター上に乗せる。このとき、試料載置台に置く試料は、吸収性物品中で肌側となる面が、ガラスフィルターと対向するようにする。
(6)コックBから気泡が出た時点でストップウォッチを作動させ、ビュレット内の生理食塩水の液面の経時変化を10分間測定する。液面の経時変化が、試料に吸収された生理食塩水の量に相当する。発生する気泡が少ないか、又は発生する気泡が小さいために測定しづらい場合には、試料のサイズを任意に変更してもよい。ビュレット内の生理食塩水の液面変化を読み取り、1分後、3分後、5分後、10分後の吸収量を求め、単位時間当たりの吸収量として表す。
表層液戻り量の測定方法を以下に説明する。この表層液戻り量とは、吸収体に吸収された液が加圧によってどれだけ表層(表面シート)側へ戻るかを示したものである。この量が少ないほど、吸収体の液保持性が高く、装着時のドライ感が得られ易い。
まず生理用ナプキンを水平に置いた。この生理用ナプキン上に、底部に直径1cmの注入口がついた円筒つきアクリル板を重ねて、サンプルの排泄部対向領域(サンプルの長手方向前端から40mmの位置)に注入口から粘度を8.0±0.1cPに調整した3gの脱繊維馬血を注入した。注入後、その状態を1分間保持した。次に、円筒つきアクリル板を取り除き、表面シートの表面上に、縦6cm×横9.5cmで坪量13g/m2の予め質量を測定しておいた吸収紙(市販のティッシュペーパー)を載せた。さらにその上に圧力が4.5×102Paになるように錘を載せて5秒間加圧した。加圧後、吸収紙を取り出し、加圧前後の吸収紙の質量変化を測定し、吸収紙に吸収された脱繊維馬血の質量を表面液戻り量とした。
次いで、試験後のサンプルに再び上記のアクリル板を重ね、1回目の注入から3分後に再び注入口から3gの脱繊維馬血を追加して注入した。生理用ナプキンへの馬血の注入位置は、最初の3gを注入した位置と同じとした。そして、注入後1分間その状態を保持したままにした後、アクリル板を取り除き、前回と同様にして2回目の表面液戻り量を測定した。
上記の評価結果を下記表1に示す。
14 突部
2 裏面シート
3 吸収体
31 凹部
33 突出吸収部
34 凹部吸収部
4 サイドシート
5 防漏溝
7 条溝
10 生理用ナプキン
Claims (6)
- 肌当接面側に配置される液透過性の表面シート、非肌当接面側に配置される裏面シート、及び該両シートの間に配置される吸収体を有する吸収性物品であって、
前記表面シートは、その厚み方向に見て非肌当接面側よりも相対的に繊維密度の低い低密度部を肌当接面側に備える繊維の粗密構造と、平面方向への液の拡散を抑えるエンボス部とを有し、
前記吸収体は、高坪量部と低坪量部とを有し、前記高坪量部は前記低坪量部よりも相対的に高密度であり、前記低坪量部が前記高坪量部を囲むようにして平面方向に連続配置され、前記低坪量部と前記エンボス部との厚み方向の重なりを有する吸収性物品。 - 前記表面シートのエンボス部は、繊維の圧縮によって形成される請求項1記載の吸収性物品。
- 前記表面シートのエンボス部は、前記吸収体の低坪量部及び高坪量部に亘って配設されている請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品の着用者の排泄部に対応する領域において、少なくとも物品幅方向の中央部分に、前記表面シートのエンボス部が複数、物品長手方向に列をなすように配されており、かつ該エンボス部の列と前記吸収体の低坪量部とが物品厚み方向に重なる部分を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記表面シートと前記吸収体とを表面シート側から圧搾して形成される条溝が物品幅方向の左右両側縁寄りにあり、該条溝は、物品の長手方向に沿って前記吸収体の低坪量部と記高坪量部に亘り配設されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体の前記低坪量部は、肌当接面側に偏在した凹部吸収部である請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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