JP5581192B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、生理用ナプキンや使い捨ておむつ、失禁パンツ等の吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品においては、各部材の材料や構造を改良し、その機能や着用感の向上が図られてきた。吸収体についても、使用状況や物品の種類に応じた機能性のものが種々提案されている。
例えば、表面シート、裏面シート及び吸収体を有するナプキンにおいて、吸収体の裏面シート側から陥没する多数の圧縮部が点在するように配置されたものが開示されている(特許文献1参照)。該圧縮部と圧縮されていない非圧縮部とはゆるやかに厚みを変化させて連続した起伏をなし、非圧縮部から圧縮部へと高まる密度勾配が形成される。これにより、表面シートから吸収体に導かれた液が素早く引き込まれ、液体の十分な吸収保持量を実現しつつ、液戻り防止性やモレ防止性を良化することができる。また、縦方向に筋状に延びる高密度部と低密度部とが交互に区画された吸収体を有する吸収性物品が開示されている(特許文献2参照)。この吸収体により、液の縦方向への液拡散が促進され、液の引き込み性に優れ、幅方向からの圧力にも柔軟に変形可能である。
特開2006−55352号公報 特開2010−136899号公報
本発明は、前記の従来の吸収性物品の吸収性能をさらに高め、表面シートへの液残りや液戻りをより効果的に抑制し、ムレにくくし、さらに体液の排泄がいっきに多くあったときにもすばやく対応可能であり、かつ装着者の身体にフィットし、その動きによく追随する柔軟性に優れる吸収性物品を提供することを課題とする。
本発明は、肌当接面側に配置される表面シート、非肌当接面側に配置される裏面シート、及び両シート間に配置される吸収体を有する吸収性物品であって、前記吸収体は縦方向とこれに直交する幅方向とを有し、該吸収体は、排泄部対応領域の非肌当接面側に、平面方向に非連続に点在する突出吸収部と、該突出吸収部の間で縦方向及び幅方向のそれぞれの方向に配される通液構造とを有し、前記通液構造は、吸収体の非肌当接面側から厚み方向に窪んだ溝状の凹部と該凹部の肌当接面側の底部に位置する凹部吸収部とで構成され、該凹部吸収部の密度が前記突出吸収部の密度よりも低く、前記突出吸収部は、その非肌当接面側の下部よりも肌当接面側の上部の面の面積が大である吸収性物品により上記の課題を解決するものである。
本発明の吸収性物品は、表面シートへの液残りや液戻りをより効果的に抑制し、ムレにくくし、さらに体液の排泄がいっきに多くあったときにもすばやく対応可能であり、かつ装着者の身体にフィットし、その動きによく追随する柔軟性に優れるという作用効果を奏する。
本発明における吸収性物品の一実施形態としての生理用ナプキンを肌当接面方向から示した一部切欠斜視図である。 図1に示すII−II線断面である。 本実施形態に係る吸収体のみを模式的に示す図であり、(A)は吸収体をその肌当接面側からみた平面図であり、(B)は(A)のB−B線断面図であり、(C)は吸収体をその非肌当接面側からみた平面図である。 (a)は図3(B)における吸収体断面の一部を拡大して示す部分拡大図であり、(b)は、吸収体の突出吸収部及び凹部吸収部の一部を拡大して示す部分拡大斜視図である。 本実施形態の生理用ナプキンに係る吸収体の変形例としての、断面形状の一部を拡大して示す部分拡大図である。 本実施形態の生理用ナプキンに係る吸収体の別の変形例としての、断面形状の一部を拡大して示す部分拡大図である。 本実施形態の生理用ナプキンに係る吸収体のさらに別の変形例としての、断面形状の一部を拡大して示す部分拡大図である。 本実施形態に係る吸収体の好ましい製造方法について、製造時におけるプレスロール加工前後の状態を概略化して示す工程説明図である。 本実施形態における吸収体の好ましい製造方法について、回転ロール表面の集積用凹部に吸収体前駆体が形成される過程を模式的に示す断面図である。
図1は、本発明における吸収性物品の一実施形態としての生理用ナプキンを肌当接面方向から示した一部切欠斜視図であり、図2は図1に示すII−II線断面である。図3は本実施形態に係る吸収体のみを模式的に示す図であり、(A)は吸収体をその肌当接面側からみた平面図であり、(B)は(A)のB−B線断面図であり、(C)は吸収体をその非肌当接面側からみた平面図である。なおこれらの図において煩雑さを避けるため、吸収体のコアラップシートを省略して示す。また図3において、吸収体の形状の理解のため防漏溝は省略して示す。
本実施形態の生理用ナプキン10においては、裏面シート2の肌当接面側に吸収体3が接着剤等で接合され配設されている。さらにその裏面シート2の肌当接面側における前記吸収体3の縦方向左右両側の外方ではサイドシート4が裏面シート2に当接して接合されている。その裏面シート2とサイドシート4とが当接した部分では表面シート1が裏面シート2とサイドシート4とで挟持され、さらにその幅方向(X方向)内方向に向け表面シート1が吸収体3よりも肌当接面側に位置されるように配されている。このように積層された前記の各シート部材が吸収体3の外方で吸収体3を介在させずにヒートシール等により接合され、ナプキン10の外周縁部6を形成している。この外周縁部6は、全体的な伸縮性を阻害せず、一度吸収した液が漏れない程度に接合されている。サイドシート4の自由端41には外周縁部6へ向うポケット(図示せず)が形成され、液等の横モレを防ぐ効果を有する。なお、本実施形態における生理用ナプキン10の幅方向左右両側部には、サイドシート4を有してなるウイング部42が生理用ナプキン10の幅方向外方に向って延出し、この部分をショーツにおける股下部の非肌当接面側に巻き込んで生理用ナプキン10をショーツに固定する。
生理用ナプキン10の肌当接面側には表面シート1の肌当接面側から吸収体3にかけて圧搾した防漏溝5が施されている(図1及び2参照)。防漏溝5の平面視形状は、吸収体3の縦方向中央部分において、経血等の排泄部対応領域の幅方向左右両側に縦方向に長さを持つ圧搾部分が配置され、該左右それぞれの圧搾部分が吸収体3の前後端に近づくにつれ徐々に吸収体3の中央方向に向かい湾曲し、前端、後端が一致している。つまり、防漏溝5は、平面視において生理用ナプキン10の縦方向の両側部においてその肌当接面側に配された2本の圧搾部分が前後方向に延びて無端環状に連続した形状である(図1参照)。このようにすることで、ナプキンを装着して使用する際の排泄液の横漏れを効果的に防止することができる。なお、排泄部対応領域とは経血もしくはおりもの等の排泄を直接受ける部分及びその近傍であり、本実施形態のナプキン10においては縦方向の中央部分でありウイング部42が配される位置である。また、本実施形態における防漏溝5の平面視形状は、前述の形状に限定されず、無端環状の前端、後端で互いに交差していてもよく、用途に合わせ適宜決められることが好ましい。
表面シート1、裏面シート2、サイドシート4、及び吸収体3の材料や寸法等に関する詳細は後述する。本実施形態において表面シート1は、排泄された液体を速やかに吸収し、吸収体に伝達する観点と、肌触りのよさの観点から親水性のエアスルー不織布を用いる。また、裏面シート2としては、薄くて液の防漏製に優れた非透湿性フィルムを単層で用いている。また、通気性をより一層高めたい場合には、裏面シート2として、透湿性フィルムを単層で用いてもよい。吸収体3としてはパルプ繊維等と高吸水性ポリマーとを紙などのコアラップシート(図示せず)で被覆してなるものである。また、裏面シート2の非肌当接面側には、生理用ナプキン10を着衣に固定するための粘着剤(図示せず)が塗布されている。該粘着剤によって、生理用ナプキン10が使用者の着衣に接着固定される。本実施形態の生理用ナプキン10は、その表面シート側を着用者の肌当接面側に向け、かつ、その縦方向を下腹部から臀部にかけて配し、その幅方向を左右の足をつなぐラインの方向に向けて配して着用する。
本発明においては、特に断らない限り、人体に接触する側の面を肌側面ないし肌当接面あるいは表面といい、これと反対側の面を非肌面ないし非肌当接面あるいは裏面という。この2つの面において、肌側面に近い方ないしその延長方向を肌面側、肌当接面側又は表面側といい、非肌面に近い方ないしその延長方向を非肌面側、非肌当接面側又は裏面側という。装着時に人体の前側に位置する方向を前方といいその端部を前端部とし、後側に位置する方向を後方といいその端部を後端部として説明する。吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向といいその量を厚さという。更に、吸収性物品の平面視において腹側部から股下部を亘り背側部に至る方向を縦方向といい、この縦方向と直交する方向を幅方向という。なお、前記縦方向は典型的には装着状態において人体の前後方向と一致する。
本実施形態の吸収体3は、パルプ繊維と高吸水性ポリマーとの混合積繊物をコアラップシートで被覆したものである。吸収体3は、その非肌当接面側において、平面方向に非連続に点在する突出吸収部33を有する(図2、図3(C)参照)。点在する突出吸収部33の間には、吸収体3の非肌当接面側から肌当接面側へと厚み方向に窪んだ凹部31とその肌当接面側の底部に位置する吸収体の一部である凹部吸収部34とがある(図2、図3(A)及び(C)参照)。この凹部吸収部34や突出吸収部33を含む吸収体3全体は継ぎ目のない一体構造をなしている。
凹部31は、吸収体3の吸収性素材(パルプ繊維、高吸水性ポリマーなど)の量を非肌当接面側から厚み方向に少なくして形成された空隙部分であり、突出吸収部33を囲むように、吸収体の非肌当接面側で平面方向に縦方向及び幅方向のそれぞれに配されている。(図3(B)及び(C)参照)。この縦方向及び幅方向の配置とは、吸収体3の平面視において複数条の凹部31が所定間隔で配置されていることであり、縦方向に延在する凹部の列が幅方向に所定の間隔で整列配置され、幅方向に延在する凹部の列が縦方向に所定間隔で整列配置されていることである。なお、凹部31の列は、連続的なものであっても断続的なものであってもよい。凹部吸収部34は、突出吸収部33の肌当接面側を囲むように、吸収体3の肌当接面側で平面方向に連続して配されている(図3(A)及び(B)参照)。この凹部31と凹部吸収部34とが、突出吸収部33の間で、吸収体3の肌面側の液を素早く厚み方向に引き込んで、液戻りさせずに突出吸収部33への液保持・固定を効果的に促す通液構造となる。この点については後述する。
一方、突出吸収部33は、裏面シート2側へ突出した吸収体の一部分として区画される(図3(B)及び(C)参照)。また突出吸収部33は、角錘台を逆さにした形状の部分とそれより肌当接面側にある角柱形状の部分とからなる(図4参照。以下、角柱部分を上部33a、角錘台部分を下部33bとして説明する。)。突出吸収部33は、その肌当接面側の上面33i(上部33aの肌当接面側の面)の面積が非肌当接面側の下面33j(下部33bの非肌当接面側の面)よりも大きい(図4(b)参照)。その上面33i及び下面33jはいずれも縦方向に長さを持つ略長方形の形状である(図3(A)、(C)及び図4参照)。各突出吸収部33の配置は、吸収体3の非肌当接面側から見た平面視において、自然状態で互いに所定の隙間s,r(図3(C)参照)を有するように縦横方向に整列配置されている。この配置は、多数の突出吸収部33を縦方向及び幅方向に投影したときにいずれの方向にもその投影像が重なる配置である。
突出吸収部33の下部33bの縦方向及び横方向の断面は、肌当接面側から非肌当接面側にかけて緩やかに細くなる台形形状であり、下部33bは四角錘の先端部が底面と平行となる面で切り落とされた四角錐台形状となる。このような突出吸収部33と、凹部吸収部34が周期的に配置された吸収体3を圧縮すると、突出吸収部33は、凹部吸収部34よりも吸収性素材の密度が高くなるため毛管力が高く、且つ凹部吸収部34よりも厚みのある高坪量の部分となるため液の吸収保持量も高い。
特に、突出吸収部33の吸収性素材の密度は、凹部吸収部34と接する四角錐台形状の下部33bの底面をなす長方形の各辺部分である周囲部33cから、長方形の中心部33dにかけて密度勾配を有し(図4(a)矢印g)、且つ突出吸収部33の吸収部材坪量は、周囲部33cから、中心部33dにかけて徐々に増加するように分布する。この周囲部33cと中心部33dとは、突出吸収部33の厚み断面である図4(a)で見ると、仮想面tで切断した傾斜を有する部分と長方形の部分とに区分される。即ち、突出吸収部33は、その周囲に接する凹部吸収部34から液を素早く引き抜き、吸収部材の坪量が最も高い中心部33dへ液を移行させ固定化させる機能を担う。このように吸収部材坪量が最も高い中心部33dに液が素早く移行し固定されることで、着用者に優れたドライ感を提供することができる。
この機能を有効に発揮させるために、突出吸収部33内において周囲部33cよりも中心部33dの密度が高められていることが好ましく、両者間に密度差又は密度勾配があることが好ましい。そのため周囲部33c近傍の密度(m)と中心部33d近傍の密度(m)との密度差(m−m)は、0.03〜0.15g/cmが好ましく、0.06〜0.12g/cmがさらに好ましい。上記下限以上とすることで突出吸収部33の周囲部33cから中心部33dに向い密度勾配が形成され、強い毛管力が働き、液を素早く移行させることが可能となり、上限以下とすることで突出吸収部33の中心部33dが高密化することによる過度の硬化を防止し、着用者に着用による不快感を与えないことが可能となる。
また、突出吸収部33の上部33aは凹部吸収部34とともに、吸収体33の連続部35を構成して表面シート1側からの液を素早く引き込む。上部33aと凹部吸収部34とは、密度が実質的に均等であることが好ましいが、後述の通液構造を利用して吸収体の肌当接面側の液残りを抑えて液戻り抑制効果を高めるために前記両者間に密度差あるいは密度勾配があることがさらに好ましい(図4(a)矢印g)。そのため上部33aの密度(m)と凹部吸収部の密度(m)との密度差(m−m)は、0.01〜0.06g/cmが好ましく、0.02〜0.05g/cmがさらに好ましい。上記下限以上とすることで凹部吸収部34から突出吸収部33に向い密度勾配が形成され、液を素早く移行することが可能となり、上限以下とすることで凹部吸収部34と突出吸収部33の圧縮仕事量に大きな差異が生じることを防止し、吸収体3の肌当接面側の感触を均質とし、着用者に違和感を与えず、優れた着用感を提供することが可能となる。
凹部吸収部34は、突出吸収部33よりも相対的に密度が低くされており、かつ突出吸収部33よりも厚みの薄い低坪量の部分である。そのため、凹部吸収部34は、突出吸収部33よりも通液抵抗が低く、液の圧力損失を損なわずに液を素早く吸収体3の厚み方向に透過させることができる。この点について図3(B)を参照して説明すれば、突出吸収部33が配される吸収体3の領域38に比し、凹部31及び凹部吸収部34が配される吸収体3の領域39の坪量は低く、密度も低くされている。凹部吸収部34が液を素早く引き込み(図3(B)矢印a)、これに隣接する複数の突出吸収部33がその毛管力で液をさらに引き抜いて(図3(B)矢印c)、その結果、液は吸収部材坪量が最も高い突出吸収部33の中央部33dで保持・固定され得る。
本実施形態において、凹部吸収部34が突吸収部33よりも相対的に密度が低くされているとは、上部33a及び下部33bの周囲部33c及び中央部33dを含めた突吸収部33全体の平均密度((m+m+mavg)よりも凹部吸収部の密度(m)が低いことを意味する。その差((m+m+mavg−m)は、0.03〜0.15g/cmが好ましく、0.05〜0.12g/cmがさらに好ましい。上記下限以上とすることで凹部吸収部34と突出吸収部33の間に適切な密度勾配が形成され、凹部吸収部34から突出吸収部33に向って液が素早く移行し、凹部吸収部34に液が残留することを防ぎ、凹部吸収部34の通液抵抗を低い状態で保つことで、排泄が繰り返されても吸収体3の液の吸収速度を高い状態で保つことが可能となり、上限以下とすることで吸収体3の肌当接面側の感触を均質とし、着用者に違和感を与えず、優れた着用感を提供することが可能となる。
また前記密度差を前提に、凹部吸収部34から突出吸収部33の下部33bの下面33jへと向って高まる密度勾配があってもよい(図4(a)矢印g)。これにより凹部吸収部34に引き込まれた液が、突出吸収部33の下面33jへと引き抜かれ易く好ましい。この場合、突出吸収部33の下面33j近傍の密度(m)と凹部吸収部34の密度(m)との密度差(m−m)は、0.05〜0.15g/cmが好ましく、0.08〜0.15g/cmがさらに好ましい。上記下限以上とすることで凹部吸収部34から突出吸収部33の下部33bの下面33jに向い適切な密度勾配が形成され、液が素早く移行し凹部吸収部34に液が残留することを防ぎ、排泄が繰り返されても吸収体3の液吸収速度を高い状態で保つことが可能となり、上限以下とすることで突出吸収部33の下部33bの下面33jが高密化することによる過度の硬化を防止し、着用者に着用による不快感を与えないことが可能となる。
[密度の測定方法]
突出吸収部33や凹部吸収部33の密度とは、吸収体3の吸収性素材であるパルプ繊維と高吸水性ポリマーとを併せた密度である。
凹部吸収部34の密度mの測定方法は以下の通りである。吸収体3を、突出吸収部33と凹部吸収部34との境界線p−p(図4(b)参照)から厚み方向に延ばした仮想面t(図4(b)参照)で切断して、突出吸収部33と凹部吸収部34とに分離し、凹部吸収部34をそれぞれ長さ50mm、幅5mmの大きさに切り出しサンプルを調製する。次いで、電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いサンプルの質量を測定する。さらに、吸収体3の図4(a)相当の断面をKEYENCE社製マイクロスコープVHX−1000を用いることで凹部吸収部34のサンプル厚みを測定し、測定したサンプルの質量を、サンプルの体積(厚み×長さ×幅)で除して各々の領域における部位の全材料の密度を算出する。前述の密度は、サンプルを任意の箇所で10個調整して、その平均で求められる。
突出吸収部33の周囲部33cの密度m、中央部34dの密度mの測定方法は以下の通りである。突出部吸収体33を仮想面t(図4(b)参照)で切断して、周囲部33cと中央部33dとに分離し、それぞれ切り出しサンプルを調製する。次いで、電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いサンプルの質量を測定する。さらに、吸収体3の図4(a)相当の断面をKEYENCE社製マイクロスコープVHX−1000を用いることで周囲部33c、中央部34dの厚み、長さ、幅寸法をそれぞれ測定し、算出した体積でサンプル質量を除して全材料の密度を算出する。前述の密度は、サンプルを任意の箇所で10個調整して、その平均で求められる。
突出吸収部33の上部33aの密度mは、突出吸収部33の上部33aと下部33bとを、両者の境界面t(図4(b)参照)で切断して分離し、上述の方法で測定することができる。また、突出吸収部33の下面33j近傍の密度mは、突出吸収部33の下部33bを厚み方向で二等分し、上述の方法で測定することができる。
さらに凹部吸収部34と突出吸収部33の上部33aとが平面方向に連なって、吸収体3の肌当接面側における連続部35となる(図3(B)参照)。連続部35は、表面シート1に対して平坦な形状である。平坦な連続部35が吸収体3の肌当接面側をなすことで、表面シート1と吸収体3との接触が良く、表面シート1を通過した液が吸収体3に導かれやすい(図3(A)参照)。この連続部35全体としても通液抵抗を抑えた導液作用を奏して、表面シート1から透過される液を広げ、広い範囲で厚み方向に引き込むことができる(図3(A)矢印b)。その中でも凹部吸収部34は、その坪量の低さと非肌当接面側の凹部31へと繋がる構造とにより、液を保持し難く液を厚み方向に素早く透過させやすい。そのため、できるだけ凹部吸収部34で液を引き込むことが好ましく、凹部吸収部34の密度を突出吸収部33の上部33aの密度よりも低くする密度差あるいは密度勾配があることが好ましい(図4(a)矢印g)。これにより多量の液が一度に排泄された場合でも、凹部吸収部34が、その非肌当接面側に広がる凹部31との連携により液を非肌当接面側に素早く引き込んで、吸収体3の表面シート1側での液残りを効果的に抑えることができる。
以下に、凹部吸収部34へ引き込まれた液の移行について詳述する。凹部吸収部34を通過した液は、一方で複数の突出吸収部33に分散して引き抜かれ、突出吸収部33の密度勾配により周囲部33cから中心部33dへ移行して保持・固定される(図3(B)矢印c)。他方で液は凹部31に一旦取り込まれる(図3(B)矢印c)。凹部31に取り込まれた液は、一旦そこに保持されるとともに徐々に突出吸収部33の壁面から吸収され突出吸収部の内部で保持される(図3(B)矢印c)。この液の移行においては、突出吸収部33の周囲部33cから中心部33dへと高まる密度勾配によって生じる毛管力が作用する。もちろん突出吸収部33の上部33a(連続部35の部分)からも液は直接吸収保持され得る。しかし、経血等などの高粘性の液が一度に多量に排泄されたり繰り返し排泄されたりした場合に、一度に突出吸収部33で吸収保持できなくとも、凹部吸収部34が素早く引き込んで凹部31が一時的に液を保持する緩衝機能を果たす。しかも、前述のとおり、吸収体3の非肌当接面側で凹部31が連接されていることによって(図3(C)参照)、表面シート1よりも遠い位置で液を平面方向に移動させて(図3(C)矢印d)、広い範囲に点在する複数の突出吸収部33で確実に吸収保持させることができる(図3(C)矢印d)。このように凹部吸収部34と凹部31とからなる通液構造によって、液が表面シート1側から吸収体3内部に素早く取り込まれて突出吸収部33で確実に吸収保持され得る。
本実施形態のナプキン10において、装着中にかかる厚み方向の圧力があても、経血等の排泄液が表面シート1側へ液戻りしにくくなる。このことは、連続部35、特に凹部吸収部34が表面シート1や吸収体3の肌当接面側に液を残さず、素早く厚み方向に引き込んで複数の突出吸収部33に保持・固定することが1つの要因である。これに加え、前述の凹部吸収部34と凹部31とからなる通液構造が、液の引き込みと移動とを促し液戻り抑制に効果的に作用する。具体的には、凹部吸収部34が液を保持することなく素早く凹部31へ引き込むこと、凹部31へ一旦引き込まれた液が吸収体3の肌当接面側よりも比較的遠い位置となること、凹部31を有する通液構造で吸収体3の非肌当接面側で液を素早く移動させて突出吸収部33に吸収保持させるので凹部31自体の貯蔵量も多くならないことなどの複数の作用により生じるものと考えられる。また、凹部吸収部34の存在で凹部31にかかる圧力が和らげられるとともに、この圧力で凹部31を有する通液構造での液の移動が促されることも要因のひとつと考えられる。さらに、吸収体3の非肌当接面側が、突出吸収部33の下面33j側の高密度部分で支えられる形態であるため、厚み方向の圧力に対しての変形が起こり難く、液戻り抑制やヨレ防止に効果的である。このように吸収体3の表面シート1側に液を残さずに凹部31に素早く引き込むことで、厚み方向の圧力でも液の表面シート1側への戻りが効果的に抑制され、良好なドライ感が獲得られる。また、吸収体3の非肌面側が縦横の凹部31によって区画される凹凸形状であることによりその部分において縦方向や幅方向の可撓性を有し、生理用ナプキン10が肌面の起伏にフィットする「身体適合性」、及び着用者の動きにも良好に追随し、肌に対して部分的な隙間が生じたりすることが防止される「動作追随性」が極めて高くなる。
本発明において、突出吸収部33の配置は、本実施形態のもののほか適宜用途や機能に応じて配列を選択することができ、例えば千鳥状配列(上記投影像が縦方向及び/又は幅方向にみて略半ピッチずれのある配置)であってもよい。また、突出吸収部33、上部33a、下部33b、上面33i、下面33jの形状は、本実施形態のものに限定されず、上面33i>下面33jの面積比であれば適宜用途や機能に応じて任意の形状のものを採用可能である。例えば、上面33i及び下面33jの両方又はいずれかが、円形や多角形であってもよい。本発明において、下面33jよりも上面33iの面積が大きい(上面33i>下面33jの面積比)とは、下面33jの面積を極限まで低減して下部33bが錐体形状で平面部分のない仮想接平面に接する接点のみである場合を含む意味である。
このように凹部吸収部34が液の保持量を抑えて液を素早く凹部31へ移動させ、凹部31が排泄液の一時貯蔵の機能を有して表面シート1側へ液を逆戻りさせないために、凹部吸収部34及び凹部31を有する領域39(図3(B)参照)の坪量(w)は、10〜150g/mであることが好ましく、20〜140g/mであることがさらに好ましい。突出吸収部33を有する領域38(図3(B)参照)の坪量(w)は、160〜400g/mであることが好ましく、200〜350g/mであることがさらに好ましい。さらに、両者の坪量比(w/w)は、0.01〜0.90であることが好ましく、0.10〜0.70であることがさらに好ましい。凹部31の深さ(h)の吸収体3の厚み(突出吸収部33の厚み)(h)に対する割合(%)(図2参照)は、20〜80%であることが好ましく、30〜70%であることがさらに好ましい。
[領域38及び領域39の坪量の測定方法]
領域38の坪量(w)と領域39の坪量(w)の測定方法は、測定するそれぞれの領域の面積を予め測定し、測定領域をカッターで切断してその切断部の質量を測定する。測定した質量を面積で除して、各々の密度領域の平均坪量を測定する。平均坪量は、サンプルを任意の箇所で10個調整して、その平均で求められる。
[突出吸収部33と凹部吸収部34(及び凹部31)の厚みの測定]
凹部31は吸収体3の底部から肌当接面側に窪んで空隙部分とし、2つの突出吸収部33に挟まれた部分や4つの突出吸収部33に囲まれた部分として認識できる。また凹部吸収部34は、凹部31の上部に位置する吸収体3の吸収性素材からなる部分として区分できる。図4(a)の断面図で見れば、凹部31は向かい合う2つの突出吸収部33,33の頂点p−p−p−pで囲まれた部分であり、凹部吸収部34は頂点p,pそれぞれを厚み方向に延ばして区画される部分である。図4(b)の斜視図で見れば、凹部31はそれぞれ4個ずつある頂点p,pを結んでできる立体空間部分であり、凹部吸収部34は仮想面tで分離される部分である。
突出吸収部33は、厚み方向に並ぶ凹部31及び凹部吸収部34に隣接して囲まれる吸収体3の素材からなる上部から底部までの部分として区分できる。図4(a)の断面図で見れば、それぞれ2個ずつある頂点p,p,pを結んでできる部分であり、上部33aは頂点p,pを結んだ部分であり、下部33bは頂点p,pを結んだ部分である。図4(b)の斜視図で見れば、突出吸収部33は仮想面tで分離される部分であり、上部33a及び下部33bは仮想面tで分離される部分である。
このように区分される凹部吸収部34の厚み(h=h−h)と突出吸収部33の厚み(h)の測定は、大きさ37mm×37mm、厚み3mmのアクリルプレートを吸収体3の上に置き、KEYENCE社製非接触式レーザー変位計(レーザーヘッドLK−G30、変位計LK−GD500を用い吸収部33の厚み(h)を計測し、凹部部34の厚み(h)を吸収体の図2相当の断面をKEYENCE社製マイクロスコープVHX‐1000を用いることで計測した。
本実施形態のナプキン10においては、表面シート1は非肌当接面に部分的に突出した構造を有していても良く(図示せず)、このような構造によって表面シート1における液を集中させながら移動させる事ができるため、表面シート1における液残り量を低減(ドライ感向上)でき、吸収体3と直接接する部分が少ないため液戻りを抑制することができる。
次に、本実施形態の生理用ナプキン10における吸収体3の形状の変形例について、図5〜7を参照して説明する。
図5には、吸収体3の変形例としての吸収体3aの断面図を示す。この吸収体3aの断面図では、突出吸収部33と凹部吸収部34との境界である頂点pを有しない。突出吸収部33の頂点pから他の突出吸収部33の頂点pへと放物線を描いて吸収体3の肌面側へ湾曲した空隙が形成されており、その空間の壁面には前記放物線の頂点pを有する。この場合、凹部吸収部34と突出吸収部33との明確な境界はないが、吸収体3の部材を少なくした空隙部分が凹部31となりその肌当接面側にある頂点pから厚み方向に向かう仮想線sの周辺を凹部吸収部34としてみることができる。また突出吸収部33の上面33iは、圧密の影響を受ける部分として機能的に決めるのがよく、例えば仮想線s,sで区切られる領域とみなして下面33jと面積の対比をすることができる。この場合の凹部吸収部34と突出吸収部33との密度差は、p周辺の吸収体3aの部分をサンプルとして切り出し測定した密度と、突出吸収部33の下面33j近傍の密度との差とみなすことができる。この形状においては、凹部吸収部34に引き込まれた液が、頂点p−pを結ぶ曲面に沿ってより円滑に突出吸収部33へ引き取られ易くなるので好ましい。また、厚み方向の圧力もこの放物線の曲線で分散されるので、凹部31内の保持された液もさらに戻り難くなり好ましい。
図6には、吸収体3の変形例としての吸収体3bの断面図を示す。この吸収体3bでは、突出吸収部33の平面状の下面33jがなく頂点pがあるのみである。突出吸収部33と凹部吸収部34との区別は、上述の吸収体3の場合と同様にすることができる。この吸収体3bの形態の場合、突出吸収部33の非肌当接面側の外形に角がなく曲面からなるため凹部31との接触面積が広い。これにより凹部31に一時保持された液が突出吸収部33の広い面積で素早く引きこまれるので好ましい。また、突出吸収部33が曲面を有することにより、より可撓性に優れ体へのフィット感が増すので好ましい。
図7には、吸収体3の変形例としての吸収体3cの断面図を示す。この吸収体3cでは、突出吸収部33の平面状の下面33jがなく接点pがあり、突出吸収部33と凹部吸収部34との境界である頂点pがなく放物線の頂点pがあるのみである。つまり、吸収体3cは前述の吸収体3aと吸収体3bとを併せた形状である。吸収体3cにおいては突出吸収部33と凹部吸収部34との明確な境界はないが、仮想線sの周辺を凹部吸収部34としてみることができる。凹部吸収部34からの液を速やかに突出吸収部33へと引き取らせ易く、凹部31に一時保持された液も突出吸収部33へ円滑に引き取らせ易いので好ましい。また吸収体3cの非肌当接面側がこのように角を有さない曲線からなる凹凸形状であることで、可撓性に優れ厚み方向の圧力も分散し易いので好ましい。この吸収部3cの凹部吸収部34と突出吸収部33との密度差は、上述の吸収部3bと同様に、頂点pを垂直に通る仮想線s近傍の凹部吸収部34の部分の密度、頂点pを垂直に通る仮想線s近傍の突出吸収部33の非肌当接面側に近い部分の密度との差とみなすことができる。
次に、上述した本実施形態の生理用ナプキン10における吸収体3の好ましい製造方法について図8及び9を参照して説明する。なお、吸収体3の形状、凹部31及び突出吸収部33数や形状、配置等は模式化して図示しており、必ずしも図1,2で説明した形状と同じでなくてもよい。
図8は、生理用ナプキン10の吸収体3の製造に好ましく用いられる吸収体の製造装置60を示す図である。製造装置60は、図8に示すように、外周面に複数の集積用凹部9(堆積部)が所定の間隔で形成された回転ドラム62と、回転ドラム62の外周面に向けて、繊維材料Sを飛散状態にて供給するダクト63と、ダクト63に繊維材料Sを供給する繊維材料供給部64と、集積用凹部9にあふれるように堆積させた過剰量の繊維材料を掻き取るスカッフィングロール65と、集積用凹部9から離型した堆積体(吸収体前駆体)70の上下面をコアラップシート3bで被覆する被覆機構(図示せず)と、吸収体前駆体70をコアラップシート3bで被覆して得られる吸収体連続体を、一対のプレスロール66a,66b間で加圧して圧縮する圧縮装置66と、圧縮後の吸収体連続体を、個々の生理用ナプキンに使用される寸法に切断して加工後の吸収体3とする切断装置(図示せず)を備えている。
回転ドラム62は、円筒状をなし、図8中の矢印A方向に一定速度で回転駆動される。回転ドラム62の外周面には、複数個の集積用凹部9,9・・が形成されている。回転ドラム62の内側(回転軸側)の非回転部分には、吸気ファン(図示せず)が接続されており、該吸気ファンの駆動により、回転ドラム内側の仕切られた空間B及びEが負圧に維持される。個々の集積用凹部9の底面部は、メッシュプレートにより構成され、多数の細孔を有している。個々の集積用凹部9が、負圧に維持された空間B,E上を通過している間、各集積用凹部9の底面部の細孔が吸引孔として機能する。
ダクト63は、回転ドラム62の外周面の一部を覆う吹き出し端部63aと、繊維材料供給装置64に接続された吹き込み端部63bとを有しており、空間B上に位置する集積用凹部9の底面部からの吸引により、ダクト63内に、回転ドラム62の外周面に向けて流れる空気流が生じさせるように構成されている。繊維材料供給部64は、解繊機64eを備えており、パルプシート等のシート状の原料S’を、原料供給用のニップローラ64dにより解繊機64eに導入し、解繊された繊維材料Sをダクト63内に供給するように構成されている。
スカッフィングロール65は、周囲にブラシを有しており、該ブラシにより、集積用凹部62内からあふれた繊維材料Sを掻き取る。スカッフィングロール65に掻き取られず集積用凹部9内に残った堆積体(吸収体前駆体)70は、回転ドラム62の下方において集積用凹部9から離型される。集積用凹部9からの離型は、回転ドラム62内の仕切られた空間Dを図示しない加圧手段により陽圧に維持して、集積用凹部9の底面部の細孔から空気を吹き出させると共に、バキュームコンベア67側から吸引することにより行う。前記被覆機構は、バキュームコンベア67上に、コアラップシート3bを供給する公知の搬送機構と、コアラップシート上に堆積体(吸収体前駆体)70が載置された後に、該コアラップシートの両側部を、該堆積体(吸収体前駆体)70上に折り返し、その折り返しにより、堆積体(吸収体前駆体)3aの上下両面をコアラップシート3bで被覆するように構成されている。なお、図8において折り返しの工程の詳細は省略しており、折り返されたコアラップシート3bの状態も2本の線として単純に示している。
図8に示す吸収体の製造装置60を用いて、上述した吸収体3を製造する方法について説明する。
先ず、回転ドラム62及びスカッフィングロール65を回転させると共に、上記吸気ファン及び上記加圧手段を作動させて、空間B及びEを負圧にし、空間Dを陽圧にする。また、バキュームコンベア67、圧縮装置66及び上記切断装置を作動させる。吸気ファンの作動により、空間B上に位置する集積用凹部9の底面部に吸引力が生じると共に、ダクト63内に、回転ドラム62の外周面に向けて流れる空気流が生じる。そして、繊維材料供給装置64を作動させて、ダクト63内に繊維材料S(パルプ繊維41及び高吸水性ポリマー42)を供給すると、該繊維材料Sは、飛散状態となって、ダクト63内を流れる空気流に載って、回転ドラム62の外周面に向けて供給される。
個々の集積用凹部9が、負圧に維持された空間B上を通過している間、ダクト63から供給される繊維材料Sが各集積用凹部9に吸引されて堆積する。各集積用凹部9には、やや過剰量の繊維材料を堆積させ、集積用凹部9内からあふれる繊維材料がスカッフィングロール65で掻き取られる。スカッフィングロール65に掻き取られず集積用凹部9内に残った堆積体(吸収体前駆体)70は、バキュームコンベア67上に供給されたコアラップシート3b上に離型される。
この吸収体前駆体70の形成について図9を参照して説明する。図9では、吸収体形状の起伏の理解のため、集積用凹部9全体ではなく、突起部51が2つ配される部分を切り取って例示する。
図9(a)に示す集積用凹部9内部には、突起部51が配されている。突起部51は、その側面が傾斜角度Θを有するテーパ状になっており、上方に凸な角錘台の形状である。図9(a)の突起部51をより分けてパルプ繊維41と高吸水性ポリマー42との混合物である繊維材料Sが積繊され、徐々に堆積すると、図9(b)のように突起部51の高さを超えて積繊されて、図9(c)吸収体前駆体70となる。突起部51上に堆積した部分74が吸収体3の凹部吸収部34となり、突起部51があった部分71が吸収体3の凹部31となる。前記突起間の集積用凹部9に堆積した部分73(突出前駆体部73)が圧縮されて突出吸収部33となる。そして、突起部51よりも高く積繊された部分75が吸収体3の連続部35となる。突出前駆体部73は、集積用凹部9内部の突起部51の側面の傾斜角度Θに沿って上方に広がる逆円錐台の形状である。
コアラップシート3b上の堆積体(吸収体前駆体)70は、折り返されたコアラップシート3bの両側部により被覆された後、圧縮装置66に導入されて一対のプレスロール66a,66b間で加圧される。これにより、突出前駆体部73が圧縮されて高密度領域の突出吸収部33として成形される。その際、突出前駆体部73が傾斜角度Θを有する逆円錐台形状であるため、その下面73jに加えられる圧力は分散されて、突出前駆体73の中心部73dから外側周囲部73cに行くほど弱められる。このように圧縮されてなる突出吸収部33には周囲部33cから中央部33dに向けて高まる密度の勾配が形成される。この勾配は、集積用凹部9内部の突起部51の側面の傾斜角度Θによって調節でき、傾斜角度Θが広がるほど密度の勾配が急になり易い。その後、図示しない切断手段で切断されて、個々の生理用ナプキンに使用される寸法の吸収体3となる。この傾斜角度Θとしては、1〜15°が好ましく、2〜10°がさらに好ましい。
このように吸収体3は一体成形され、集積用凹部内の突起部51の形状と配置に併せて凹凸が形成される。凹部吸収部34は、その厚みの薄さのために坪量が突出吸収部33よりも低く、エンボス等の圧搾によって形成されるのとは異なり、凹部吸収部34は通液抵抗が低く、液の厚さ方向への移行が素早くなされ易い。
本発明のような突出吸収部に従来にない密度勾配を形成できるのは、上述したように、圧縮ロールが、前駆体で既に台形形状の表面73j(突出吸収部の33jとなる面)を圧縮することで得ることができる。ロールの圧縮に変えて、台形形状表面73j(33jとなる面)を平面状のプレス機で圧縮しても良い。従来技術では、平坦な吸収体前駆体に凹凸形状表面ロールをプレスして、圧縮により凹凸形状を付与するものであるが、このような凹凸では、本発明の密度勾配を有する吸収体は得られない。本発明の密度勾配を形成するため、圧縮手段に係らず、加圧する条件は、0.5〜5kgf/cmが好ましく、1〜3kgf/cmがさらに好ましい。
本実施形態において、吸収体3内部の高吸水性ポリマーは均一に存在するが、液戻りをより効果的に抑制するため、該高吸水性ポリマーは、凹部吸収部34を含む連続部35よりも突出吸収部33の下部33bに多く偏倚して配されるのが好ましく、凹部吸収部34を含む連続部35に配されずに突出吸収部33においてその下面33jに多く偏倚して配されることがさらに好ましい。また、凹部31の非肌面側に高吸水性ポリマーを配することも同様の観点から好ましい。
さらに本実施形態の吸収体3において、通液構造が防漏溝5の幅方向外方の部分にまで及んで配設されることが好ましい。この配置によって、横漏れを起こし易い吸収体3両側部にも可撓性を付与し、着用者の足の内側を取り囲むように変形し、着用者の股下にフィットさせることができ、着用者の体の動きにも追従して隙間が生じるのを防ぐことができる。
本実施形態による突出吸収部33及び凹部31の大きさ及び形状は特に限定されないが、使用する吸収性物品の用途によっても多少異なるが、突出吸収部33の縦方向長さk(図3(C)参照)は5〜40mmが好ましく、10〜25mmがより好ましい。その幅方向長さkは3〜40mmが好ましく、5〜15mmがより好ましい。また、凹部31の縦方向長さsは1〜5mmが好ましく、1〜3mmがより好ましい。幅方向長さrは1〜5mmが好ましく、1〜3mmがより好ましい。
以下に本実施形態の生理用ナプキン10を構成する部材の形成素材について説明する。
表面シート1、裏面シート2、吸収体3、サイドシート4の形成材料としては、この種の物品に採用されるものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート1としては、各種不織布(たとえば、エアスルー不織布やスパンボンド不織布など)の重ね合わせた構成や、不織布とフィルムとのラミネートからなり多数の開孔が形成されている複合シート等が用いられる。また、表面シートとして上層・中層・下層の3層からなり、上層及び下層を突出部とエンボスによる圧密化させた部分との起伏のある形状として、平坦な中層に接合させたものであってもよい。また表面シート1は、前記の突起のある上層と下層とからなるものであってもよく、起伏のある上層と平坦な中層との2層からなるものであってもよい。この場合、表面シートに繊維の密度勾配ができ、表面シート1上の液を素早く吸収体3側へ透過させることができるので好ましい。上層及び下層の部材として、カード法によって形成されたウェブや嵩高な不織布などの繊維同士が極めて緩く絡んでいる状態の繊維集合体を用いることができ、中層の部材としてカード法によって形成されたウェブや熱収縮性を有する不織布を用いることができる。
サイドシート4は撥水性の不織布が好ましく、カード法により製造された不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、ニードルパンチ不織布等の中から撥水性の物、または撥水処理した種々の不織布を用いることができる。特に好ましくは、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン(SM)不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布等が用いられる。
吸収体3の構成材料としては、特に制限はないが繊維材料、多孔質体、それらの組み合わせなどを用いることができる。繊維素材としては例えば、木材パルプ、コットン、麻などの天然繊維、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオフィレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の合成樹脂からなる単繊維、これらの樹脂を2種以上含む複合繊維、アセテートやレーヨンなどの半合成繊維を用いることができる。合成繊維からなる繊維を用いる場合、該繊維は熱によって形状が変化する熱収縮繊維であってもよい。例えば、熱によって繊度は大きくなるが繊維長は短くなるものや、熱によって繊度はほとんど変化しないが、形状がコイル状に変化することでみかけの繊維の占有する長さが短くなるものであってもよい。多孔質体としては、スポンジ、不織布、高吸水性ポリマーの凝集物(高吸水性ポリマーと繊維とが凝集したもの)などを用いることができる。
裏面シート2は、透湿性フィルム単独、透湿性フィルム単独、又はフィルムと不織布との貼り合わせ、撥水性の不織布(SMSやSMMS等)を用いることができる。コスト面やズレ止め粘着剤とのマッチング、製品の曲げ剛性を低減し装着者の動きに合わせて製品が柔軟に変形し易い観点などから、薄くて液の防漏製に優れた非透湿性フィルムを単層で用いている。また、通気性をより一層高めたい場合には、裏面シート2として、透湿性フィルムを単層で用いてもよい。この場合のフィルム材としては、熱可塑性樹脂と、これと相溶性のない無機フィラーを溶融混練して押し出したフィルムを所定の寸法に延伸して微細孔をあけたフィルム、または、本質的に水分の相溶性が高く、浸透膜のように水蒸気排出可能な無孔性のフィルムが挙げられる。本発明に関わる湿度排出の性能を十分に発現し、かつ、水分のにじみ出しがない防漏層を具現化するには、透湿度は、0.7〜3.0g/100cmhrの範囲にあることが好ましく、1.0〜2.5の範囲にあることが更に好ましい。さらっと感を十分に高める観点からは1.5〜2.5にあることが最も好ましい。また、フィルムの破れ等のトラブルなく使用可能であるためには、フィルム坪量は18〜70g/m、より好ましくは25〜60g/mである。また好ましい無機フィラー配合量は、フィルム全体の質量に対するフィラーの質量%として30〜65質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
本発明において、吸収体の高密度領域及び低密度領域、凹部及び凹部吸収部からなる通液構造は、本実施形態のように縦方向全体に配されるものに限らず、排泄部対応領域のみに配されてもよい。本発明の生理用ナプキンは、上記の実施形態に制限されるものではなく、この種の生理用ナプキン、例えば失禁パッド、失禁ライナ等に本発明を適応することができる。また、経血に限らずその他、尿、オリモノ、軟便等に対しても効果的である。また、表面シート1、吸収体3、裏面シート2及びサイドシート4の他にも用途や機能に合わせ適宜部材を組み込んでもよい。なお、上記実施形態の生理用ナプキンの表面シート1、吸収体3及び裏面シート2の材料、製法における条件や、製品の寸法諸言は特に限定されず、通常の生理用ナプキン等において用いられている各種材料を用いることができる。
以下に、本発明について実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
[実施例1]
積繊機の積繊ドラムの周面上に設けられた縦横に等間隔に配列され、側面が傾斜角度を2°であるテーパ状突起部を有する集積部に、パルプ繊維と高吸水性ポリマーとの混合物を吸引堆積させ、吸収部の坪量240g/m、凹部吸収部の坪量112g/mのパルプ繊維及び高吸水性ポリマーの積繊体を得た(図9(c))。この積繊体をコアラップシートで被覆し、一対のプレスロール間に通して、3.0kgf/cmの圧力で圧縮し、得た吸収体を実施例1のサンプル1とした。このサンプル1における、突出吸収部33の密度(m、m、mの平均値)は、0.12g/cmであり、凹部吸収部34の密度(m)は、0.08g/cmであった。領域38の坪量(w)は240g/mであり、領域39の坪量(w)は112g/mであった。また、凹部吸収部34の厚み(h)は1.4mmであり、突出吸収部33の厚み(h)は2.0mmであった。突出吸収部33の縦方向長さkは20mmであり幅方向長さkは10mmであり、凹部31の縦方向長さsは2.0mmであり幅方向長さrは1.0mmであった。
花王株式会社の市販の生理用ナプキン(商品名「ロリエエフ 多い昼〜ふつうの日用」)から吸収体を取り除き、取り除いた吸収体の位置に上述した吸収体のサンプル1を配置し、他を復元して、評価用の生理用ナプキンを得た。上記市販の生理用ナプキンの表面シートは、下記構成の不織布からなる。
不織布:上下の繊維層を有する2層構造の積層不織布、上層は、ポリエチレンテレフタレートを芯、ポリエチレンを鞘とする芯鞘型複合繊維100%からなり、下層は、潜在螺旋状捲縮性繊維(大和紡績株式会社製のNBF−L(V)繊維、ポリエチレンを芯、ポリプロピレンを鞘とし、加熱により螺旋状の捲縮を発現する芯鞘型の複合繊維である)100%からなる。上下層の重量比(上層/下層)は50/50である。上下層間は、散点状に配置されたドット状のエンボス部で接合されており、下層の潜在捲縮性繊維は、加熱により収縮を発現した状態にある。
[実施例2]
積繊機の積繊ドラムの周面上に設けられた縦横に等間隔に配列された側面が傾斜角度を2°であるテーパ状突起部を有する集積部に、パルプ繊維と高吸水性ポリマーとの混合物を吸引堆積させ、吸収部の坪量245g/m、凹部吸収部の坪量116g/mのパルプ繊維及び高吸水性ポリマーの積繊体を得た(図9(c))。この積繊体をコアラップシートで被覆し、一対のプレスロール間に通して、3.0kgf/cmの圧力で圧縮し、得た吸収体を実施例1のサンプル1とした。このサンプル1における、突出吸収部33の密度(m、m、mの平均値)は、0.12g/cmであり、凹部吸収部34の密度(m)は、0.08g/cmであった。領域38の坪量(w)は245g/mであり、領域39の坪量(w)は116g/mであった。また、凹部吸収部34の厚み(h)は1.5mmであり、突出吸収部33の厚み(h)は2.1mmであった。突出吸収部33の縦方向長さkは20mmであり幅方向長さkは15mmであり、凹部31の縦方向長さsは2.0mmであり幅方向長さrは2.0mmであった。
[比較例1]
花王株式会社の上記の市販の生理用ナプキンを、比較例の生理用ナプキンとして用いた。この市販の生理用ナプキンの吸収体には、直径2mmの円形のエンボス部が全域に亘って千鳥状に形成されていた。エンボス部の中心点間のピッチは7mmである。坪量(目付)は250g/m2であった。
[比較例2]
積繊機の積繊ドラムの周面上に設けられた縦横に等間隔に配列され、側面が傾斜角度をもたない突起部を有する集積部に、パルプ繊維と高吸水性ポリマーとの混合物を吸引堆積させ、吸収部の坪量242g/m、凹部吸収部の坪量113g/mのパルプ繊維及び高吸水性ポリマーの積繊体を得た。この積繊体をコアラップシートで被覆し、一対のプレスロール間に通して、3.0kgf/cmの圧力で圧縮し、得た吸収体を実施例1のサンプル1とした。このサンプル1における、突出吸収部33の密度(m、m、mの平均値)は、0.12g/cmであり、凹部吸収部34の密度(m)は、0.08g/cmであった。領域38の坪量(w)は242g/mであり、領域39の坪量(w)は113g/mであった。また、凹部吸収部34の厚み(h)は1.4mmであり、突出吸収部33の厚み(h)は2.1mmであった。突出吸収部33の縦方向長さkは20mmであり幅方向長さkは10mmであり、凹部31の縦方向長さsは2.0mmであり幅方向長さrは1.0mmであった。
[評価]
生理用ナプキンを水平に置き、底部に直径1cmの注入口がついた円筒つきアクリル板を重ねて、注入口から脱繊維馬血〔日本バイオテスト(株)製〕3gを注入し1分間放置後更に脱繊維馬血3gを注入し(累計注入量6g)、注入後その状態を保持した。
次いで、注入後30秒、1分、2分、3分経過時に下記の方法で自由水量(g)を計測した。自由水量の測定方法は以下の通りである。所定時間経過後、予め重量を測定しておいたティッシュ20枚を重ねたものを、液を吸収させた生理用ナプキンの上に置き、更にその上からビニールシートを重ね、ビニールシート上を重さ5kgのローラーを一往復転がし固定されていない液を搾り出す。ローラーでの加圧後、ティッシュ20枚重ねたものの重量を測定し、初期重量との差分を自由水量とする。この自由水量とは、吸収体内部に保持・固定されず厚み方向の圧力で表面シート上に戻ってくる液量を示す。この液量が多いほど、吸収体内部での液固定保持が進んでおらず、ナプキン表面から肌側に戻る液量が増大すると考えられる。このため、自由水量が少ないほど優れたドライ感を着用者に提供できると考えられる。
上記の評価結果を下記表1に示す。
[表1]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
吸収体中の自由水量
(馬血6g吸収時)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
30秒後 1.48g 1.52g 1.62g 1.58g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1分後 1.40g 1.42g 1.49g 1.43g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
2分後 1.25g 1.27g 1.40g 1.32g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
3分後 1.12g 1.15g 1.40g 1.20g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
表1に示す結果から明らかなように、実施例1及び2の吸収体は、自由水量が少なく肌へのウエットバックが起きにくいことが分かった。比較例1の吸収体では素早い液の引き込みが見られたが、吸収体中での液の固定については、実施例1及び2の吸収体に比べ遅く、実施例1及び2に比べてドライ感に劣ることが示唆された。また、比較例2の吸収体については、比較例1の吸収体に比べて液の固定化速度が速いものの、実施例1及び2に比べ遅い結果であった。これは、突出吸収部33の側面に傾きが設けられておらず、突出吸収部33内での密度勾配が実施例1及び2の吸収体に比べ小さいことに起因すると考えられる。
〔柔軟性〕
実施例1,2および比較例1の生理用ナプキンを、ショーツに固定し、女性の人体モデルに装着した。人体モデルの鼠蹊部に圧力センサー(PPS社(Pressure Profile System社)製の「圧力センサー素子」)を挿入し、女性の人体モデルの足を内側に曲げた時に25mm×25mmの圧力検出範囲内で検知された圧力の最大値を求めた。
結果は、実施例1,2の生理用ナプキンのモデル鼠蹊部にかかる最大圧力は7.0kPa、比較例の生理用ナプキンのモデル鼠蹊部にかかる最大圧力は8.4kPaであった。
この結果から、比較例の生理用ナプキンに比べ、実施例1,2の生理用ナプキンは装着時に足を閉じる動作を行った時に着用者の鼠蹊部にかかる圧力が低く、生理用ナプキン装着によって着用者が感じる違和感が少なく、より快適な着用感を提供することが判った。
〔ヨレ防止性〕
実施例1,2および比較例1の生理用ナプキンを、ショーツに固定し、人体の動的モデルに装着した。動的モデルに30分間歩行運動をさせた後の生理用ナプキンの幅方向に沿う断面を観察したところ、比較例1の生理用ナプキンの吸収体は、断面がM字状に屈曲していたのに対して、実施例の生理用ナプキンの吸収体は、幅方向の中央部が比較的平らに維持された状態で略台形状に屈曲しており、比較例1のような幅方向中央の落ち込みが殆どなかった。
これらの結果から、実施例1,2の生理用ナプキンの方が、比較例1の生理用ナプキンに比較して、ヨレ防止性が高く、着用者の肌に対するフィット性の点においても優れていることが判った。
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
31 凹部
33 突出吸収部
34 凹部吸収部
4 サイドシート
5 防漏溝
10 生理用ナプキン

Claims (5)

  1. 肌当接面側に配置される表面シート、非肌当接面側に配置される裏面シート、及び両シート間に配置される吸収体を有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は縦方向とこれに直交する幅方向とを有し、該吸収体は、排泄部対応領域の非肌当接面側に、平面方向に非連続に点在する突出吸収部と、該突出吸収部の間で縦方向及び幅方向のそれぞれの方向に配される通液構造とを有し、
    前記通液構造は、吸収体の非肌当接面側から厚み方向に窪んだ溝状の凹部と該凹部の肌当接面側の底部に位置する凹部吸収部とで構成され、該凹部吸収部の密度が前記突出吸収部の密度よりも低く、
    前記突出吸収部は、その非肌当接面側の下部よりも肌当接面側の上部の面の面積が大であり、
    前記突出吸収部の肌当接面側の部分の密度が前記凹部吸収部の密度より高い吸収性物品。
  2. 前記突出吸収部は、その肌当接面側から非肌当接面側へ向けて高まる密度勾配を有する請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記吸収体は高吸水性ポリマーを含有し、該高吸水性ポリマーが前記突出吸収部の非肌当接面側に偏倚して配されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記通液構造の凹部吸収部に高吸水性ポリマーが配されている請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収性物品には前記表面シートから前記吸収体までを圧搾した防漏溝が吸収体の左右両側付近に配設されており、前記通液構造が前記防漏溝の幅方向外方にまで及ぶ請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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