JP2015112340A - 吸収性物品の表面シート及び吸収性物品 - Google Patents

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陽子 真鍋
裕美 立川
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裕美 立川
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Abstract

【課題】吸収性物品の着用時にヨレや皺が発生し難く、肌対向面の状態が安定していて横漏れ防止性に優れ、高い液吸収力を有し、且つ柔らかさを視覚的に実感し得る外観を有する吸収性物品の表面シートを提供すること。【解決手段】第1不連続線7Pは、互いに近接している2本の該第1不連続線7P,7Pと、それら2本間の間隔7Pdとからなる、第1融着線75Pを複数本構成しており、第2不連続線7Qも、互いに近接している2本の該第2不連続線7Q,7Qと、それら2本間の間隔7Qdとからなる、第2融着線75Qを複数本構成している。第1繊維シート20の肌対向面に、第1融着線75P及び第2融着線75Qによって包囲された平面視平行四辺形形状の非エンボス加工部80が複数配されている。【選択図】図3

Description

本発明は、パンティーライナー(おりものシート)、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる表面シートに関する。
従来、生理用ナプキン等の吸収性物品の表面シートとして、熱融着性繊維を含む2層以上の繊維層を、エンボス加工によるエンボス凹部によって一体化した構成を有するものが知られている。例えば特許文献1には、表面シートと吸収体との間に、該表面シートよりも親水性に富み体液透過性を有する導液用繊維層を備えた吸収性物品が記載されている。特許文献1記載の吸収性物品においては、前記表面シートと導液用繊維層とは、相異なる二方向に延在する融着線及び間欠的に並ぶ多数の融着点の何れかによって互いに熱融着されており、それら融着線及び融着点が全体として格子状模様をなしている。尚、特許文献1記載の吸収性物品においては、前記格子状模様を構成する複数の格子は、互いに形状及び大きさ(面積)が同じであり、且つ各格子は平面視菱形形状を有し、その菱形の格子の長軸は、吸収性物品の横方向、即ち、吸収性物品の縦方向(長手方向)と直交する方向(幅方向)に延びている。特許文献1によれば、前記表面シートと導液用繊維層とが、その厚みの如何にかかわらず互いに剥がれることがなく密着するので、着用中に吸収性物品が折れ曲がったり、しわが入ったりしても、体液は表面シートの肌対向面から吸収体へと速やかに移行し、横漏れを生じることがないとされている。
特開平7−328060号公報
吸収性物品の表面シートには、液戻りを防止し得る高い液吸収力に加えて更に、横漏れ防止の観点から、着用中にヨレ(吸収性物品あるいはその構成部材の意図しない変形)や縦方向に延びる縦皺が発生せず、該表面シートの肌対向面の中央部(着用者の液排泄部に対向する部位)の状態が安定していることが望まれる。また、吸収性物品の表面シートには、外観が良好であることも望まれており、特に、柔らかさを視覚的に実感し得る外観が望まれている。これらの要望特性を満たした吸収性物品の表面シートは未だ提供されていない。
従って本発明は、吸収性物品の着用時にヨレや皺が発生し難く、肌対向面の状態が安定していて横漏れ防止性に優れ、高い液吸収力を有し、且つ柔らかさを視覚的に実感し得る外観を有する吸収性物品の表面シート及びそれを具備する吸収性物品に関する。
本発明は、着用者の肌に近い側に位置する第1繊維シートと、着用者の肌から遠い側に位置する第2繊維シートとを含む、吸収性物品の表面シートであって、前記第1繊維シート及び前記第2繊維シートは何れも熱融着性繊維を含み、且つ両繊維シートは、該第1繊維シートの肌対向面側から施されたエンボス加工による複数のエンボス凹部によって一体となっており、前記複数のエンボス凹部は、第1方向及びこれに交差する第2方向それぞれに間欠的に配されており、それによって前記第1繊維シートの肌対向面に、該第1方向に延びる複数本の第1不連続線が該第2方向に所定間隔を置いて互いに平行に配されていると共に、該第2方向に延びる複数本の第2不連続線が該第1方向に所定間隔を置いて互いに平行に配されており、前記第1不連続線は、隣接する2本の該第1不連続線の間隔が該2本の幅の合計値以下となるように、互いに近接している複数本の該第1不連続線と、それら複数本間の間隔とからなる、第1融着線を複数本構成しており、前記第2不連続線は、互いに近接している複数本の該第2不連続線と、それら複数本間の間隔とからなる、第2融着線を複数本構成しており、前記第1繊維シートの肌対向面に、前記第1融着線及び前記第2融着線によって包囲された平面視平行四辺形形状の非エンボス加工部が複数配されている吸収性物品の表面シートである。
また本発明は、吸収体と該吸収体の肌対向面側に配された表面シートとを備え、該表面シートが、前記表面シートである吸収性物品である。
本発明によれば、吸収性物品の着用時にヨレや皺が発生し難く、肌対向面の状態が安定していて横漏れ防止性に優れ、高い液吸収力を有し、且つ柔らかさを視覚的に実感し得る外観を有する吸収性物品の表面シート、及び該表面シートを具備する吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンティーライナーの肌対向面側(表面シート側)を示す平面図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す断面図である。 図3は、図1に示すパンティーライナーにおける表面シートの肌対向面の一部を拡大して模式的に示す平面図である。 図4は、比較例1の表面シートの肌対向面(エンボスパターン)を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の表面シートを、これを具備する本発明の吸収性物品と共に、それらの好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。図1及び図2には、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンティーライナー1(以下、ライナー1ともいう)が示されている。本実施形態のライナー1は、液保持性の吸収体4と、該吸収体4の肌対向面側に配された表面シート2と、該吸収体4の非肌対向面側に配された裏面シート3とを具備している。
本明細書において、肌対向面は、ライナー1及びその構成部材(例えば吸収体4)における、着用状態において着用者の肌側に向けられる面(相対的に着用者の肌に近い側)であり、非肌対向面は、ライナー1及びその構成部材における、着用状態において着用者の肌側とは反対側に向けられる面(相対的に着用者の肌から遠い側)である。
ライナー1は、着用時に着用者の液排泄部(膣口等)に対向配置される領域である排泄部領域A、該排泄部領域Aより着用者の腹側に配される前方領域B、及び該排泄部領域Aよりも着用者の背中側に配される後方領域Cを有している。また、ライナー1は、着用時に着用者の前後方向に相当する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有している。ライナー1の縦方向Xは、前方領域Bと後方領域Cとの間を排泄部領域Aを介して延びる方向である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置(当該吸収性物品の正しい着用位置)が維持された状態を意味し、吸収性物品が該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。ライナー1は、図1に示す如き平面視において、縦方向Xに長く且つ排泄部領域A(縦方向Xの中央)において横方向Yの内方に括れた形状を有している。
表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4よりも大きな寸法を有し、吸収体4の周縁から外方に延出し、それらの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されて周縁シール部5を形成している。吸収体4は、前方領域Bから後方領域Cに亘って延在しており、平面視して縦方向Xに長い矩形形状を有している。表面シート2及び裏面シート3と吸収体4との間は接着剤によって接合されていても良い。また図2に示すように、ライナー1の非肌対向面(裏面シート3の非肌対向面)には、該ライナー1をショーツ等の着衣(図示せず)に固定する粘着部6が設けられている。粘着部6は、不使用時には剥離シート(図示せず)によって被覆されている。
本実施形態のライナー1の主たる特徴部分である表面シート2について説明すると、表面シート2は、図2に示すように、ライナー1の着用時において着用者の肌に近い側に位置する第1繊維シート20と、着用者の肌から遠い側に位置する第2繊維シート21とを含んで構成されている。両繊維シート20,21は、平面視において互いに同形状同寸法である。
図1及び図2に示すように、両繊維シート20,21は、第1繊維シート20の肌対向面側から施されたエンボス加工による複数のエンボス凹部7によって一体となっている。エンボス凹部7を形成するエンボス加工としては、両繊維シート20,21の構成繊維を溶融し加圧し得るものであれば良く、例えば、熱エンボス加工、超音波エンボス加工等が挙げられる。エンボス凹部7においては、両繊維シート20,21が融着により一体化している。両繊維シート20,21は、エンボス凹部7のみにおいて互いに接合しており、接着剤によっては接合されておらず、両繊維シート20,21間には接着剤は存していない。本実施形態においては、複数のエンボス凹部7は、平面視形状及び寸法が互いに同一であり、それぞれ、平面視真円形状を有している。但し、エンボス凹部7の平面視形状は円形形状に制限されず、例えば楕円形形状、多角形形状等であっても良く、また、複数のエンボス凹部7の平面視形状及び寸法は、互いに異なっていても良い。
図3には、エンボス凹部7が形成されている表面シート2(第1繊維シート20)の肌対向面の一部が示されている。図1及び図3に示すように、複数のエンボス凹部7は、第1方向P及びこれに交差する第2方向Qそれぞれに間欠的に配されており、それによって第1繊維シート20の肌対向面(ライナー1の肌対向面)に、第1方向Pに延びる複数本の第1不連続線7Pが第2方向Qに所定間隔を置いて互いに平行に配されていると共に、第2方向Qに延びる複数本の第2不連続線7Qが第1方向Pに所定間隔を置いて互いに平行に配されている。本実施形態においては、第1方向P及び第2方向Qは、それぞれ、ライナー1の縦方向X及び横方向Yの両方向に交差する方向である。
また、本実施形態においては、第1方向Pと第2方向Qとのなす角の2等分線が、ライナー1の縦方向Xに一致している。より具体的には、第1方向Pと第2方向Qとは、互いに直交せずに交差しており、両方向P,Qのなす角、即ち、第1不連続線7Pと第2不連続線7Qとのなす角は、図1に示すように、相対的に小さい角αと、相対的に大きい角βと含んでいる。そして、相対的に小さい角αの2等分線が、ライナー1の縦方向Xに一致し、相対的に大きい角βの2等分線が、ライナー1の横方向Yに一致している。
図1及び図3に示すように、第1不連続線7Pは、互いに近接している複数本(本実施形態では2本)の該第1不連続線7P,7Pと、それら複数本(2本)間の間隔7Pdとからなる、第1融着線75Pを複数本構成している。即ち、第1不連続線7Pは、隣接する2本の第1不連続線7P,7Pの間隔7Pdが該2本(7P,7P)の幅の合計値以下となるように、互いに近接している複数本(2本)の該第1不連続線7P,7Pと、それら複数本(2本)間の間隔7Pdとからなる、第1融着線75Pを複数本構成している。
また、第2不連続線7Qも、互いに近接している複数本(本実施形態では2本)の該第2不連続線7Q,7Qと、それら複数本(2本)間の間隔7Qdとからなる、第2融着線75Qを複数本構成している。本実施形態における第2融着線75Qは、第1融着線75Pと同様に、隣接する2本の第2不連続線7Q,7Qの間隔7Qdが該2本(7Q,7Q)の幅の合計値以下となるように、互いに近接している複数本(2本)の該第2不連続線7Q,7Qと、それら複数本(2本)間の間隔7Qdとからなる。本実施形態においては、間隔7Pdと間隔7Qdとは同一である。尚、不連続線7Q,7Q各々の幅は、当該不連続線の長さ方向と直交する方向の長さであり、本実施形態においては、平面視円形形状のエンボス凹部7の直径と同じである。
そして、図1及び図3に示すように、第1繊維シート20の肌対向面に、第1融着線75P及び第2融着線75Qによって包囲された平面視平行四辺形形状の非エンボス加工部80が複数配されている。複数本の第1融着線75Pは、第2方向Qに等間隔に配されており、また、複数本の第2融着線75Qは、第1方向Pに等間隔に配されている。
表面シート2において、両融着線75P,75Qによって包囲された非エンボス加工部は、この非エンボス加工部80のみであり、表面シート2の肌対向面の複数の非エンボス加工部80は、互いに同一形状且つ同一寸法である。本実施形態における平面視平行四辺形形状の非エンボス加工部80は、その四辺をなす不連続線7P,7Qの長さが互いに同一であり、平面視菱形形状を有している。平面視菱形形状の非エンボス加工部80の長軸は縦方向Xに一致し、横軸は横方向Yに一致している。本実施形態における複数の非エンボス加工部80は、それぞれ、9個以上のエンボス凹部7によって画成されている。
前述したように、複数の非エンボス加工部80は、それぞれ、互いに平行な複数本(2本)の不連続線7P又は7Qを含んで構成される融着線75P,75Qによって包囲された部分であり、これに起因して、隣接する2個の非エンボス加工部80,80どうしは、それらの辺をなす不連続線7P,7Qを共有しておらず、また、それらの頂点をなすエンボス凹部7も共有していない。つまり、表面シート2の肌対向面に配された平面視平行四辺形形状の複数の非エンボス加工部80は、それぞれ、それを画成するエンボス凹部7を当該非エンボス加工部80以外の他の非エンボス加工部80と共有することなく、独立して配されている。
図3に示すように、1個の非エンボス加工部80の二辺を構成する、相対向する一対の第1融着線75P,75Pの幅W1の合計値(2W1)は、該一対(75P,75P)を構成する一方と他方との間隔D1に比して小さくなされている。同様に、1個の非エンボス加工部80の他の二辺を構成する、相対向する一対の第2融着線75Q,75Qの幅W2の合計値(2W2)は、該一対(75Q,75Q)を構成する一方と他方との間隔D2に比して小さくなされている。本実施形態においては、幅W1と幅W2とは同一であり、また、間隔D1と間隔D2とも同一である。
表面シート2の非エンボス加工部80は、着用者の肌側に向けて突出するように、第1繊維シート20の表面側に凸部を形成しており、表面シート2の肌対向面は、非エンボス加工部80に対応する凸部と、不連続線7P,7Q(融着線75P,75Q)に対応する凹部とからなる凹凸を有し、その全域が凹凸面となっている。前記凸部(非エンボス加工部80)の内部には、表面シート2の形成材料(熱融着性繊維等)が充填されており、該凸部は中実である。
このように、本実施形態においては、表面シート2(第1繊維シート20)の肌対向面の周縁シール部5を除く全域に、複数のエンボス凹部7が所定方向(第1方向P又は第2方向Q)に所定間隔を置いて配されてなる、2種の第1融着線75P及び第2融着線75Qが格子状に配され、その複数の格子の目の部分は、同一形状且つ同一寸法(面積)の非エンボス加工部80となっている。また、斯かる格子状のエンボスパターン(非エンボス加工部の配置パターン)において、隣接する非エンボス加工部80どうしは、仮想的にそれらの辺をなす融着線75P,75Qを共有しているものの、実質的にそれらの辺をなす不連続線7P,7Q及び実質的にそれらの頂点をなすエンボス凹部7を共有しておらず、複数の非エンボス加工部80はそれぞれ独立している。
本実施形態のライナー1によれば、表面シート2のエンボスパターンが、ライナー1を横方向Yに二分する縦方向中心軸(長軸)に対して所定の角度で斜めに延びる2種の不連続線7P,7Qが互いに交差してなる格子状のエンボスパターンであるため、ライナー1の着用時に着用者の身体の動きに対して不連続線7P,7Qが可撓軸になりやすく、そのため、表面シート2にヨレや縦皺が発生し難い。しかも、各非エンボス加工部80の頂点部分が潰れにくいため、非エンボス加工部80の凸部の形状が安定して、潰れにくい。このため、下層側へ移行した体液が表面側に戻り難くなる。
また、表面シート2のエンボスパターンにおいては、各非エンボス加工部80を包囲する融着線75P,75Qは、それぞれ、互いに近接し且つ平行な複数本の不連続線7P又は7Qを含んで構成されており、各非エンボス加工部80の周囲にはエンボス凹部7が密集して存在しているため、表面シート2を肌対向面側(第1繊維シート20側)から目視したときの陰影から該肌対向面の凹凸が強調され、その結果、該肌対向面の観察者に、表面シート2の柔らかさを視覚的に実感させることが可能となる。
また、エンボス凹部7は、非エンボス加工部80に比して繊維材料が高密度に存在している部分であり、それに起因して液の引き込み性に優れる部分であるところ、そのような高い液引き込み性を有するエンボス凹部7が、複数の非エンボス加工部80の周囲に密集するパターンで、表面シート2に規則的に配されていることにより、表面シート2全体として液の引き込み性が向上し、液戻りを効果的に防止し得る。
また、本実施形態においては、複数のエンボス凹部7が、第1方向P及び第2方向Qに間隔を空けて配置されて不連続線7P,7Qを形成しているので、各線7P,7Qによって表面シート2が硬くなり過ぎない。
さらに、本実施形態においては、第1不連続線7Pを構成する複数のエンボス凹部7それぞれの、第1方向P(不連続線7Pの長さ方向)と直交する方向の長さ、即ち凹部7の幅が、第1方向Pにおいて一定ではなく、凹部7の平面視形状は、第1方向Pにおいて最大幅と最小幅を持つような形状となっている。第2不連続線7Qを構成する複数のエンボス凹部7についても同様であり、各凹部7の幅(第2方向Qと直交する方向の長さ)は第2方向Q(不連続線7Qの長さ方向)において一定ではなく、凹部7の平面視形状は、第2方向Qにおいて最大幅と最小幅を持つような形状となっている。より具体的には、不連続線7P又は7Qを構成する複数のエンボス凹部7は、それぞれ平面視において、不連続線7P又は7Qの長さ方向(第1方向P又は第2方向Q)の両端部が最小幅、該長さ方向の中央部が最大幅となっている形態が好ましい。図3に示す本実施形態のエンボス凹部7は平面視円形となっており、斯かる凹部7の好ましい形態を満たしているが、凹部7の平面視形状はこれに限られず、菱形、楕円形、長円形等の形状を好ましい形態として採用することができる。
複数のエンボス凹部7それぞれの平面視形状が、このような、それらによって構成される不連続線7P,7Qの長さ方向において幅が非一定となる形状であると、凹部7の幅が不連続線7P又は7Qの長さ方向において一定である場合に比して、各不連続線7P,7Qの凹部総面積を小さくすることが可能となるため、表面シート2が硬くなり過ぎず、着用中の風合いに優れる。また、各不連続線7P,7Qの長さ方向においてエンボス凹部7の幅が非一定であると、各不連続線7P,7Qそれぞれにおける隣り合ったエンボス凹部7,7の間の非エンボス部分面積が広くなるが、確実に不連続線7P,7Qが形成されるので、各不連続線7P,7Qで囲まれた非エンボス加工部80に形成された凸部の形状安定性が高いにも関わらず、ライナー1は着用者の動きに柔軟に追従し易く、ヨレが生じ難く、かつ、体液吸収性が高い。
また、エンボス凹部7は、必ず各非エンボス加工部80で形成された四角形の頂点に位置している。このために、各不連続線7P,7Qによって表面(肌対向面)の柔らかさを実現しながらも、非エンボス加工部80からなる凸部の形状が、着用者の激しい動きに対しても潰れにくい。したがって、ライナー1の着用中に表面シート2と着用者肌との接触面積が増加することが妨げられる。このために、着用中に激しい動きがなされた場合であっても、本実施形態のライナー1は、着用感が良好で、しかも、ムレ難いという効果が得られやすい。
前述した表面シート2の作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、表面シート2の各部の寸法等は次のように設定することが好ましい。
第1方向Pと第2方向Qとのなす角(第1不連続線7Pと第2不連続線7Qとのなす角、第1融着線75Pと第2融着線75Qとのなす角)のうち、相対的に小さい角α(図1及び図3参照)は、好ましくは50°以上、更に好ましくは55°以上、そして、好ましくは70°以下、更に好ましくは65°以下、より具体的には、好ましくは50°以上70°以下、更に好ましくは55°以上65°以下である。
非エンボス加工部80の面積は表面シート2を平面視して、好ましくは40mm2/個以上、更に好ましくは50mm2/個以上、そして、好ましくは300mm2/個以下、更に好ましくは200mm2/個以下、より具体的には、好ましくは40mm2/個以上300mm2/個以下、更に好ましくは50mm2/個以上200mm2/個以下である。
隣接する2本の第1不連続線7P,7Pの間隔7Pd(図3参照)と、該2本(7P,7P)の幅の合計値との差(該合計値−間隔7Pd)は、好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.5mm以上、そして、好ましくは4.0mm以下、更に好ましくは1.5mm以下、より具体的には、好ましくは0.1mm以上4.0mm以下、更に好ましくは0.5mm以上1.5mm以下である。隣接する2本の第2不連続線7Q,7Qの間隔7Qd(図3参照)と、該2本(7Q,7Q)の幅の合計値との差(該合計値−間隔7Qd)も、前記と同様の範囲に設定し得る。
間隔7Pd(図3参照)は、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1.0mm以上、そして、好ましくは3.0mm以下、更に好ましくは2.0mm以下、より具体的には、好ましくは0.5mm以上3.0mm以下、更に好ましくは1.0mm以上2.0mm以下である。第2融着線75Qにおける2本の第2不連続線7Q,7Qの間隔7Qd(図3参照)も、間隔7Pdと同様の範囲に設定し得る。
1個の非エンボス加工部80の二辺を構成する、相対向する一対の第1融着線75P,75Pそれぞれの幅W1の合計値(2W1)と、該一対(75P,75P)を構成する一方と他方との間隔D1との比(2W1/D1)は、好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.4以上、そして、好ましくは1未満、更に好ましくは0.9以下、より具体的には、好ましくは0.2以上1未満、更に好ましくは0.4以上0.9以下である。1個の非エンボス加工部80の他の二辺を構成する、相対向する他の一対の第2融着線75Q,75Qそれぞれの幅W2の合計値(2W2)と、該一対(75Q,75Q)を構成する一方と他方との間隔D2との比(2W2/D2)も、2W1/D1と同様の範囲に設定し得る。
第1融着線75Pの幅W1(図3参照)は、好ましくは2mm以上、更に好ましくは3mm以上、そして、好ましくは5mm以下、更に好ましくは4mm以下、より具体的には、好ましくは2mm以上5mm以下、更に好ましくは3mm以上4mm以下である。第2融着線75Qの幅W2(図3参照)も、幅W1と同様の範囲に設定し得る。
1個の非エンボス加工部80の二辺を構成する、相対向する一対の第1融着線75P,75Pの間隔D1(図3参照)は、好ましくは6mm以上、更に好ましくは8mm以上、そして、好ましくは16mm以下、更に好ましくは10mm以下、より具体的には、好ましくは6mm以上16mm以下、更に好ましくは8mm以上10mm以下である。1個の非エンボス加工部80の他の二辺を構成する、相対向する他の一対の第2融着線75Q,75Qの間隔D2(図3参照)も、間隔D1と同様の範囲に設定し得る。
平面視円形形状のエンボス凹部7の直径(第1不連続線7Pの幅)は、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは0.8mm以上、そして、好ましくは3mm以下、更に好ましくは2mm以下、より具体的には、好ましくは0.5mm以上3mm以下、更に好ましくは0.8mm以上2mm以下である。
不連続線7P,7Qにおける互いに隣接するエンボス凹部7,7の間隔(一方の凹部の端部と該端部に近接する他方の凹部の端部との間隔)は、好ましくは1mm以上、更に好ましくは0.5mm以上、そして、好ましくは3mm以下、更に好ましくは2mm以下、より具体的には、好ましくは0.5mm以上3mm以下、更に好ましくは1mm以上2mm以下である。尚、このエンボス凹部7,7の間隔は、均一でも不均一でも良い。
表面シート2のエンボス凹部7の直径(幅)は、肉眼で定規等を使って測定しても良いが、好ましくは、高速・高精度CCDレーザー変位形を設置した高精度形状測定システムKS−1100(KEYENCE製)を用いて測定する。測定ピッチ5μm、移動速度10cm/sとし、測定対象のエンボス凹部及びその近傍の非エンボス加工部を含むように測定範囲を指定し測定する。測定したデータを、前記KS−1100付属の形状解析アプリケーションKS−Analyzer(KEYENCE製)を用いて解析することにより、凹部の幅を算出することができる。
表面シート2に高いクッション性を付与する観点から、非エンボス加工部80の厚みは、好ましくは1.5mm以上、更に好ましくは1.8mm以上、そして、好ましくは2.3mm以下、更に好ましくは2mm以下、より具体的には、好ましくは0.5mm以上 1.8mm以下、更に好ましくは1.2mm以上1.5mm以下である。
尚、ここでいう非エンボス加工部80の厚みは、当該非エンボス加工部における厚みが最大部分の厚み(最大厚み)を意味し、この最大厚みは、当該非エンボス加工部の中央部(対角線の交点及びその近傍)の厚みである。表面シート2(非エンボス加工部)の厚みは次のようにして測定される。
<表面シートの厚みの測定方法>
測定対象物の表面シートを水平な場所に皺シワや折れ曲がりがないように静置し、 0.5cN/cm2の荷重下での厚みを測定する。斯かる厚みの測定には、厚み計CCDレーザー変位計LK−G82(KEYENCE製)を用いる。このとき、厚み計の先端部と測定対象物における測定部分との間に、平面視円形状又は正方形状のプレート(厚さ2mm程度のアルミ板)を配置して、荷重が0.5cN/cm2となるようにプレートの大きさを調整する。
表面シート2を構成する第1繊維シート20の坪量は、好ましくは10g/m2以上、更に好ましくは20g/m2以上、そして、好ましくは60g/m2以下、更に好ましくは 50g/m2以下、より具体的には、好ましくは10g/m2以上60g/m2以下、更に好ましくは20g/m2以上50g/m2以下である。表面シート2を構成する第2繊維シート21の坪量は、第1繊維シート20の坪量と同様の範囲に設定し得る。
表面シート2の坪量は、好ましくは20g/m2以上、更に好ましくは40g/m2以上、そして、好ましくは120g/m2以下、更に好ましくは70g/m2以下、より具体的には、好ましくは20g/m2以上120g/m2以下、更に好ましくは40g/m2以上 70g/m2以下である。
ライナー1における各部の形成材料について説明すると、第1繊維シート20及び第2繊維シート21は何れも熱融着性繊維を含んでいる。熱融着性繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド等の熱可塑性ポリマー材料からなる繊維が挙げられる。熱融着性繊維は、短繊維でも長繊維でも良く、親水性でも撥水性でも良い。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
両繊維シート20,21は、熱融着性繊維として、捲縮が発現した潜在捲縮性の熱融着性繊維を含んでいても良い。潜在捲縮性の熱融着性繊維としては、例えば、収縮率の異なる2種の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維等が挙げられる。収縮率の異なる2種の熱可塑性ポリマー材料の好ましい一例としては、例えば、エチレン−プロピレンランダム共重合体(EP)とポリプロピレン(PP)との組み合わせが挙げられる。
両繊維シート20,21は、組成的に互いに同一であっても良く、異なっていても良い。ここで、組成的に同一とは、両者の形成材料及びその含有量が同一であることを意味し、各部の寸法、平面視形状等の外観的要素の異動は問わない。
両繊維シート20,21が組成的に互いに同一である形態として、両繊維シート20,21が何れも、芯部がポリエチレンテレフタレート(PET)、鞘部がポリエチレン(PE)の熱可塑性ポリマー材料からなる熱融着性芯鞘型複合繊維を構成繊維とする形態が挙げられる。斯かる形態によれば、ヒートシール性が高く熱エンボス加工が容易であること、明瞭なエンボス加工ができることでヨレにくくなること、汎用性の高い樹脂のためコストが安いという効果が奏される。
両繊維シート20,21が組成的に互いに異なる形態として、第1繊維シート20が第2繊維シート21よりも熱捲縮性が低い形態が挙げられる。換言すれば、第2繊維シート21は、第1繊維シート20よりも熱捲縮性の高い繊維を含んでいて、熱風吹き付け等の加熱処理によって捲縮している形態が挙げられる。斯かる形態において、第2繊維シート21は熱捲縮性の繊維を含んでいる。より具体的には、第1繊維シート20が、芯部がPET、鞘部がPEの熱可塑性ポリマー材料からなる熱融着性芯鞘型複合繊維を構成繊維とするシートであり、第2繊維シート21が、鞘部がエチレン−プロピレンランダム共重合体、芯部がPETの熱可塑性ポリマー材料からなる熱融着性芯鞘型複合繊維を構成繊維とするシートである形態が挙げられる。表面シート2の製造方法は、第2繊維シート21に熱風吹き付け等の加熱処理を施す工程の後、両繊維シート20,21を積層してなり且つエンボス加工による複数のエンボス凹部7が形成された複合シート体を作製する。即ち、両繊維シート20,21の斯かる形態によれば、第2繊維シート21への加熱処理によって、該複合シート体における第2繊維シート21の構成繊維が捲縮し、それによって第2繊維シート21の非エンボス加工部(エンボス凹部7の非形成部)が第1繊維シート20側に突出する。このため、表面シート2は着用者肌との接触面積をより一層少なくすることが可能となるので、蒸れをより効果的に抑制することができる。また、表面シート2に弾性の高い繊維が配合されているため、さらにヨレにくくなるという効果が奏される。
また、ヨレを低減できる観点から、各非エンボス加工部80においては、第2繊維シート21の方が第1繊維シート20よりも繊維密度が低いことが好ましい。斯かる繊維密度の大小関係は、表面シート2の全域で成立している必要は無く、各非エンボス加工部80において成立していればよい。斯かる繊維密度の大小関係を有する表面シート2は、前述した、熱捲縮性繊維を第2繊維シート21に含ませる方法によって作製することは可能であるが、より繊維密度差を確実に設けるためには、以下のような方法を採用することができる。第1繊維シート20には、構成繊維として繊維径が細い(具体的には2.2dtex以下)熱融着性繊維を用いて、繊維密度が相対的に高い構造を形成し、第2繊維シート21には、構成繊維として繊維径が第1繊維シート20で使用したものよりも太く嵩高い熱捲縮性繊維を用いて、繊維密度が相対的に低い構造を形成する。これによって、第1繊維シート20では、繊維同士の熱融着点が多く形成されるため、安定的に凹凸形状を保持できる構造になり、さらに、第2繊維シート21に弾性の高い繊維で嵩高構造を形成できることで、外部圧力がかかっても安定的な凹凸構造を維持することができ、ヨレにくく、縦皺の発生を防ぐ効果を発現できる。さらに、第1繊維シート20に細い繊維径の熱融着性繊維を用いることは、風合いや摩擦が低減できる観点においても効果を奏する。
裏面シート3としては、パンティーライナー等の吸収性物品に通常用いられるものであれば特に制限なく用いることができ、例えば、透湿性フィルム単独、又は透湿性フィルムと不織布との積層体、撥水性不織布等を用いることができる。パンティーライナー等の吸収性物品と身体との間にこもる湿度(いわゆる着装内湿度)を速やかに取り除く観点から、裏面シート3に透湿性を付与し、更に通気性を付与することが最も効果的である。ここで「透湿性」とは、JIS Z0208やASTM E398に開示された概念の如く、気流移動を伴わず、熱力学の第二法則に従って、高湿度側から低湿度側に水蒸気拡散する性質であり、極微小の開孔を有する多孔フィルムや、水と相溶性の高い無孔フィルムで発現する性質である。一方「通気性」とは、文字通り通気する性質であり、典型的には各種布地のように気流が通る性質である。
吸収体4としては、パンティーライナー等の吸収性物品に通常用いられるものであれば特に制限なく用いることができ、例えば、木材パルプ、親水化処理された合繊繊維等の繊維集合体、又は該繊維集合体に粒子状の吸水性ポリマーを保持させたもの等を用いることができる。吸収体4は、前記繊維集合体等からなる液保持性の吸収性コアと、該吸収性コアを被覆する液透過性のコアラップシートとを含んで構成されていても良く、このコアラップシートとしては、例えば、透水性の薄紙、各種不織布、開孔フィルム等を用いることができる。
また、吸収体4としては、ライナー1の薄型化、低剛性化の観点から、前記の繊維集合体(繊維材料を積繊してなる積繊体)ではなく、該繊維集合体に比して厚みが薄く低剛性の吸収性シートを用いることもできる。この吸収性シートとしては、湿潤状態の吸水性ポリマーに生じる粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを介して、構成繊維間や構成繊維と吸水性ポリマーとの間を結合させてシート状としたもの等を好ましく用いることができる。吸収性シートの好ましい形態として、パルプ繊維の集合体に吸水性ポリマーを固定させたもの、エアレイド法で製造された乾式パルプシート、2枚の不織布間に粒子状の吸水性ポリマーを散布したものが挙げられる。吸収体4を構成する吸収性シートは1枚でも複数枚でも良く、また、吸収性シートは折り畳んで用いることができる。例えば、ライナー1よりも横方向Yの長さが長い、1枚の平面視矩形形状の吸収性シートを用い、その縦方向Xに沿う両側部を該吸収性シートの非肌対向面側に折り返し、その折り返しによって形成された2枚の吸収性シートの積層構造を有する、折り畳まれた吸収性シートを、吸収体4として用いることができる。吸収性シートの1枚あたりの厚みとしては、好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.3mm以上、そして、好ましくは2mm以下、更に好ましくは1.5mm以下、より具体的には、好ましくは0.1mm以上2mm以下、更に好ましくは0.3mm以上1.5mm以下である。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。本発明の吸収性物品には、パンティーライナー(おりものシート)の他、生理用ナプキン、失禁パッド、使い捨ておむつ等が含まれる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1〜図3に示すライナー1と同様の基本構成を有するパンティーライナーを作製した。表面シートを構成する第1繊維シートとして、芯部がPET、鞘部がPEの熱可塑性ポリマー材料からなる熱融着性芯鞘型複合繊維を構成繊維とする坪量25g/m2のシートを用い、第2繊維シートとして、鞘部がエチレン−プロピレンランダム共重合体、芯部がPETの熱可塑性ポリマー材料からなる熱融着性芯鞘型複合繊維を構成繊維とする坪量40g/m2のシートを用いた。また、裏面シートとして、坪量35g/m2の透湿性フィルムを用いた。また吸収体として、坪量35g/m2の紙(吸収性シート)を適宜折り畳んだものを用い、該吸収体には吸水性ポリマーを含有させなかった。
実施例1の表面シートにおけるエンボスパターンの詳細は次の通り。
非エンボス加工部80の面積85mm2/個、厚み(最大厚み)1.5mm。
第1方向Pと第2方向Qとのなす角(第1不連続線7Pと第2不連続線7Qとのなす角、第1融着線75Pと第2融着線75Qとのなす角)のうち、相対的に小さい角α(図1参照)は60°。
隣接する2本の第1不連続線7P,7Pの間隔7Pd(図3参照)と、該2本(7P,7P)の幅の合計値との差(該合計値−間隔7Pd)は1.3mm。
隣接する2本の第2不連続線7Q,7Qの間隔7Qd(図3参照)と、該2本(7Q,7Q)の幅の合計値との差(該合計値−間隔7Qd)は1.3mm。
間隔7Pd及び間隔7Qdは、それぞれ1.1mm。
1個の非エンボス加工部80の二辺を構成する、相対向する一対の第1融着線75P,75Pそれぞれの幅W1の合計値(2W1)と、該一対(75P,75P)を構成する一方と他方との間隔D1との比(2W1/D1)は0.77。
1個の非エンボス加工部80の他の二辺を構成する、相対向する他の一対の第2融着線75Q,75Qそれぞれの幅W2の合計値(2W2)と、該一対(75Q,75Q)を構成する一方と他方との間隔D2との比(2W2/D2)は0.77。
第1融着線75Pの幅W1及び第2融着線75Qの幅W2は、それぞれ3.3mm。
1個の非エンボス加工部80の二辺を構成する、相対向する一対の第1融着線75P,75Pの間隔D1及び他の一対の第2融着線75Q,75Qの間隔D2は、それぞれ8.6mm。
平面視円形形状のエンボス凹部7の直径1.0mm、不連続線7P,7Qにおける互いに隣接するエンボス凹部7,7の間隔1.3mm(該間隔は均一)。
〔参考例1〕
表面シートにおけるエンボス凹部7のパターンを、図4に示すパターンに準じるエンボスパターンに変更した以外は実施例1と同様にして、パンティーライナーを作製した。この「図4に示すパターンに準じるエンボスパターン」は、1個の非エンボス加工部80の一辺を構成するエンボス凹部7の数を4個とした以外は、図4に示すパターンと同じパターンである(図4に示すパターンにおいては、1個の非エンボス加工部80の一辺を構成するエンボス凹部7の数は6個)。図4に示すパターンに準じるエンボスパターンは、図4に示すように、第1方向Pにおいて、互いに隣接する2本の第2不連続線7Q,7Qの間隔が1種しか存在せず、複数本の第2不連続線7Qは第1方向Pに等間隔72Pに配されており、また、第2方向Qにおいても、互いに隣接する2本の第1不連続線7P,7Pの間隔が1種しか存在せず、複数本の第1不連続線7Pは第2方向Qに等間隔72Qに配されており、隣接する非エンボス加工部85どうしは、それらの辺をなす不連続線7P,7Q及び頂点をなすエンボス凹部7を共有しており、複数の非エンボス加工部85はそれぞれ独立していない。複数の非エンボス加工部85は互いに同形状(平面視菱形形状)且つ同寸法であり、非エンボス加工部85の面積は48mm2/個であった。
〔比較例1〕
表面シートにエンボス加工を施さず、その肌対向面にエンボス凹部を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、パンティーライナーを作製した。尚、比較例1においては、表面シートを構成する第1繊維シートと第2繊維シートとの接合は、両繊維シート間に接着剤を塗布することによって行った。
〔評価〕
実施例、比較例及び参考例のパンティーライナーについて、下記方法によりヨレ率、液戻り(ウエットバック)量、風合い及び外観をそれぞれ評価した。それらの結果を下記表1に示す。
<ヨレ率の評価方法>
パンティーライナーのヨレ率は、駆動式の女性用下半身人体モデルを用いて評価した。まず、評価対象のパンティーライナーの中央幅を測定し、該パンティーライナーをショーツに貼りつけて女性用人体モデルに装着させた。次に、このモデルを100歩/分の速度で30分間歩行させた。歩行後、パンティーライナーの中央幅を測定し、歩行前の中央幅と歩行後の中央幅から、次式によりヨレ率を算出した。ヨレ率の数値が小さいほど、パンティーライナーがヨレ難く、高評価となる。
ヨレ率=[{(歩行前の中央幅)−(歩行後の中央幅)}÷(歩行前の中央幅)]×100
<液戻り量の評価方法>
評価対象のパンティーライナーの肌対向面(表面シート側)の全域に対して5g/cm2の荷重を加えた状態で、該肌対向面の中央部から疑似血液0.5gを注入し、そのまま1分間放置する。1分後、荷重を取り外し、パンティーライナーの肌対向面における疑似血液の吸収注入部を中心とする部分に、60×80mmの大きさにカットした平面視矩形形状の濾紙とを載せ、更に該濾紙の上からパンティーライナー(吸収体)に対して3g/cm2の荷重を加え、その状態で10秒間放置する。10秒後、パンティーライナーから濾紙を取り除いてその重量(液吸収後の濾紙重量)を測定し、予め測定した液吸収前の濾紙重量(初期濾紙重量)から次式により、目的とする液戻り量を算出した。液戻り量は、着用時に着用者が感じるサラッと感の指標となるものであり、液戻り量の数値が小さいほど、表面シートの液吸収性が高く、サラッと感が得られやすく、高評価となる。
液戻り量(mg)=吸収後の濾紙重量−初期濾紙重量
<表面シートの風合いの評価方法>
着用時に着用者が感じるクッション性のあるふんわりとした風合いを評価すべく、評価対象のパンティーライナーの表面シートの風合いを、カトーテック社KES−G5ハンディー圧縮試験機を用いて圧縮仕事量WCにより評価した。評価対象のパンティーライナーにおける表面シートから5cm四方のサンプルを切り出し、試験台に取り付けた。そのサンプルの全面を、面積2cm2の円形平面を持つ鋼板間で厚み方向に圧縮した。圧縮速度は20μm/sec、圧縮最大荷重は4.9kPaとし、所定荷重時のサンプルの厚みを測定した。また、前記銅板によりサンプルに最大荷重をかけて圧縮した状態から、該銅板による荷重を徐々に減らしてサンプルの厚みを回復させた。斯かる回復過程において、荷重の減少速度(前記銅板の除去速度)は前記圧縮速度と同一速度とし、所定荷重時のサンプルの厚みを測定した。これらの測定値を用いて下記式(1)により圧縮仕事量WCを算出した。下記式(1)中、Tmは4.9kPa(50gf/cm2)荷重時のサンプルの厚み、T0は49Pa(0.5gf/cm2)荷重時の厚み、Pは測定時の荷重を示す。圧縮仕事量WCの数値が大きいほど、表面シートがクッション性のあるふんわりとした風合いを有することを意味し、高評価となる。
Figure 2015112340
<表面シートの外観の評価方法>
評価対象のパンティーライナーの表面シートの肌対向面を目視観察し、表面シートの凹凸の陰影から柔らかさを目視で特に実感できた場合を3点、凹凸の陰影から柔らかさを目視でやや実感できた場合を2点、凹凸の陰影は確認できないが柔らかさを目視で実感できた場合を1点、凹凸の陰影もなく柔らかさも目視で実感できない場合を0点(実用不可)とした。5名のパネラーによって評価を行い、平均点が2.5点以上の場合をA、1.5点以上2.5点未満の場合をB、1.5点未満の場合をCとした。
Figure 2015112340
表1から明らかなように、実施例1のパンティーライナーは、比較例1に比して、ヨレ率及び液戻り量の数値が小さく且つ風合いの数値(圧縮仕事量WC)が大きく、更には表面シートの外観は最高評価であった。このことから、吸収性物品の着用時にヨレや皺が発生し難く、肌対向面の状態が安定していて横漏れ防止性に優れ、高い液吸収力を有し、且つ柔らかさを視覚的に実感し得る外観を有する吸収性物品の表面シートを得るためには、エンボス凹部7を特定のパターンで形成することが有効であることがわかる。そして、その特定のパターンの一例としては、図1及び図3に示す如きエンボスパターン、即ち、「第1不連続線7Pは、互いに近接し且つ平行な2本の該第1不連続線7P,7Pと、それら2本間の間隔7Pdとからなる、第1融着線75Pを複数本構成しており、第2不連続線7Qも、互いに近接し且つ平行な2本の該第2不連続線7Q,7Qと、それら2本間の間隔7Qdとからなる、第2融着線75Qを複数本構成しており、第1繊維シート20の肌対向面に、第1融着線75P及び第2融着線75Qによって包囲された平面視平行四辺形形状の非エンボス加工部80が複数配されているエンボスパターン」が挙げられる。
1 パンティーライナー(吸収性物品)
2,2A,2B 表面シート
20 第1繊維シート
21 第2繊維シート
3 裏面シート
4 吸収体
7 エンボス凹部
7P 第1不連続線
75P 第1融着線
7Pd 第1融着線における隣接する2本の第1不連続線の間隔
7Q 第2不連続線
75Q 第2融着線
7Qd 第2融着線における隣接する2本の第2不連続線の間隔
80、85 非エンボス加工部
P 第1方向
Q 第2方向
X 縦方向
Y 横方向

Claims (5)

  1. 着用者の肌に近い側に位置する第1繊維シートと、着用者の肌から遠い側に位置する第2繊維シートとを含む、吸収性物品の表面シートであって、
    前記第1繊維シート及び前記第2繊維シートは何れも熱融着性繊維を含み、且つ両繊維シートは、該第1繊維シートの肌対向面側から施されたエンボス加工による複数のエンボス凹部によって一体となっており、
    前記複数のエンボス凹部は、第1方向及びこれに交差する第2方向それぞれに間欠的に配されており、それによって前記第1繊維シートの肌対向面に、該第1方向に延びる複数本の第1不連続線が該第2方向に所定間隔を置いて互いに平行に配されていると共に、該第2方向に延びる複数本の第2不連続線が該第1方向に所定間隔を置いて互いに平行に配されており、
    前記第1不連続線は、隣接する2本の該第1不連続線の間隔が該2本の幅の合計値以下となるように、互いに近接している複数本の該第1不連続線と、それら複数本間の間隔とからなる、第1融着線を複数本構成しており、
    前記第2不連続線は、互いに近接している複数本の該第2不連続線と、それら複数本間の間隔とからなる、第2融着線を複数本構成しており、
    前記第1繊維シートの肌対向面に、前記第1融着線及び前記第2融着線によって包囲された平面視平行四辺形形状の非エンボス加工部が複数配されている吸収性物品の表面シート。
  2. 前記第2融着線は、隣接する2本の前記第2不連続線の間隔が該2本の幅の合計値以下となるように、互いに近接している複数本の該第2不連続線と、それら複数本間の間隔とからなる請求項1記載の吸収性物品の表面シート。
  3. 1個の前記非エンボス加工部の二辺を構成する、相対向する一対の前記第1融着線の幅の合計値は、該一対を構成する一方と他方との間隔に比して小さい請求項1又は2記載の吸収性物品の表面シート。
  4. 吸収体と該吸収体の肌対向面側に配された表面シートとを備え、該表面シートが、請求項1〜3の何れか一項に記載の表面シートである吸収性物品。
  5. 着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、前記第1方向と前記第2方向とのなす角の2等分線が該縦方向に一致している請求項4記載の吸収性物品。
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