JP5781216B2 - スクリーン、光学素子及び表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は表示装置等で用いられる、スクリーンの構造に関する。
プロジェクタ等の投射型表示装置は、光源から出射した光線をスクリーンに投射してスクリーン上に画像を表示する。しかし、映像を映し出すスクリーンの光拡散層で散乱した光線が視聴者等の鑑賞者側で干渉する。この干渉により、鑑賞者にはスクリーン全体がぎらついて見える。この光線の干渉に伴う輝度ムラはシンチレーションと呼ばれる。このシンチレーションが、画質を劣化させてしまうという問題点があった。
この問題を解決するため、特許文献1は、マイクロカプセルを支持シートの上に配置した光学素子を開示している。マイクロカプセルは、内部に光拡散粒子を含む分散液を有している。光拡散粒子がマイクロカプセルの中で移動することで、光の干渉を時間的に変化させて、シンチレーションを低減している。
国際公開公報WO01/070777号
しかしながら、複数のマイクロカプセルをスクリーンに固定する際、マイクロカプセルの膜厚が厚いと、マイクロカプセル内部の粒子に光が照射される割合が少なくなる。これにより、表示領域内に輝度のムラが生じるという問題があった。一方で、マイクロカプセルの膜厚が薄いと、スクリーンに固定する際にマイクロカプセルが破壊しやすくなる。マイクロカプセルが破壊された場合も輝度のムラが生じるという問題もあった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、マイクロカプセルを固定したスクリーンにおいて表示領域内の輝度ムラを小さくすることを目的とする。
この発明に係るスクリーンは、カプセル膜の内部の領域である内包領域に内包液を有するマイクロカプセルと、前記マイクロカプセルが面状に配列されている基材とを備え、前記内包液は光を散乱する光拡散粒子と前記光拡散粒子を分散させる分散媒とを有し、前記マイクロカプセルが面状に配列されている前記基材の面に垂直な方向で投影された前記マイクロカプセルの断面における、前記マイクロカプセルの面積に対する前記内包領域の面積の割合が0.9025〜0.990の範囲内である。
この発明は、マイクロカプセルを固定したスクリーンにおいて輝度ムラを小さくすることができる。
実施の形態1に係るスクリーンの構成図である。 実施の形態1に係る透明基材上のマイクロカプセルの状態を示す模式図である。 実施の形態1に係るマイクロカプセルが透明基材上で乾燥後に均一に並んでいる状態を示す模式図である。 実施の形態1に係るマイクロカプセルの構造を示した模式図である。 実施の形態1に係るスクリーンの比率b/aと分散値Vとの関係を示した図である。 実施の形態1に係るスクリーンの比率b/aとカプセル膜の破壊しやすさDとの関係を示した図である。 実施の形態1に係るスクリーンの分散値Vと画質の劣化度合いQとの関係を示した図である。 実施の形態2に係る表示装置の構成を表した構成図である。 実施の形態2に係る表示装置の構成を表した構成図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるスクリーン1の構成図である。スクリーン1は、2枚の透明基材2の間にマイクロカプセル11が配置された構成となっている。マイクロカプセル11は、カプセル膜12の中に、分散媒13と光拡散粒子15とを有している。分散媒13と光拡散粒子15とを合わせて内包液16とする。マイクロカプセル11は、カプセル膜12の内部に内包液16を有する。内包液16は、光を散乱する光拡散粒子15と光拡散粒子15を分散させる分散媒13とを有する。半径aは、マイクロカプセル11の半径である。半径bは、半径aからカプセル膜12の厚みを差し引いた内包領域の半径である。本構成において、半径aと半径bとの比率が0.95〜0.995の間とすることで、スクリーン1において表示領域内の輝度ムラを小さくできることを説明する。これを面積で表すと、半径aの二乗と半径bの二乗との比率となるため、マイクロカプセル11が面状に配列されている基材2の面に垂直な方向で投影されたマイクロカプセル11の断面で、マイクロカプセル11の面積に対する内包領域の面積の割合が0.9025〜0.990の範囲内となる。なお、「内包領域」とは、カプセル膜12の内側の領域である。つまり、「内包領域」とは、内包液16の存在する領域である。
また、ここでは簡単のため、スクリーン1の画像表示面に対してほぼ垂直な平行光が画像光として投射され、スクリーン1で透過した光を鑑賞者が映像として認識する事として説明する。なお、「画像光」とは、画像情報を有する光のことである。
スクリーン1の作製方法を説明する。図2は、透明基材2上のマイクロカプセル11の状態を示す模式図である。図2(A)は、マイクロカプセル11を透明基材2に塗布した状態を示している。図2(B)は、マイクロカプセル11と透明基材2とを乾燥した後の状態を示している。図2(A)のようにマイクロカプセル11を含んだインクを透明基材2の面上で均一に引き伸ばす。「インク」とは、バインダ材料にマイクロカプセル11を混ぜたものである。なお、バインダ材料は図が複雑になるため、図2では省略している。透明基材2には、マイクロカプセル11が面状に配列されている。
マイクロカプセルは、製造方法で分けて大きく2種類ある。第1は水系のマイクロカプセルで、第2は油系のマイクロカプセルである。水系のマイクロカプセルは、水系の分散媒の中で作製される。油系のマイクロカプセルは、油系の分散媒の中で作製される。
例えば、水系のマイクロカプセル11を採用した場合には、カプセル膜12は多くの水分を含む。また、バインダ材料も親水性のものを採用する。このため、インクは多くの水分を有する。図2(A)の状態から水分を蒸発させて乾燥させると、図2(B)の状態になる。図2(B)の状態では、マイクロカプセル11は重力で楕円体に変形している。このマイクロカプセル11の変形は、マイクロカプセル11を透明基材2の上に置いた際の重力によるものである。また、マイクロカプセル11のカプセル膜12の水分は蒸発する。そして、カプセル膜12は収縮する。そして、マイクロカプセル11はバインダによって透明基材2に固定される。さらにもう一枚の透明基材2を図2中上側から貼り合せることでスクリーン1が作成される。
マイクロカプセル11を水系の分散媒の中で作製する例を説明する。この場合、マイクロカプセル11の作製方法として、例えばコアセルベーション法、複合コアセルベーション法及び界面反応法などが挙げられる。水系の分散媒の中で作製されたマイクロカプセル11のカプセル膜12は水分を含んでおり、乾燥工程においてカプセル膜12の水分は蒸発する。このため、乾燥工程においてカプセル膜12は収縮する。また、マイクロカプセル11の膜材料は、例えばゼラチンや、ゼラチンとアラビアゴムの重合体などである。このため、図2(B)に示すように乾燥工程においてマイクロカプセル11は変形しやすい。
油系のマイクロカプセル11の製造は、油系の分散媒の中で行われる。例えば、イソパラフィンといった油系の溶剤などを使用する。この場合には、カプセル膜12の材料は、重合開始剤、温度又は紫外線等で硬化する樹脂等が使用される。油系のマイクロカプセル11は、上述のような乾燥工程におけるカプセル膜12の収縮は発生しない。厳密には、樹脂は硬化時に収縮することがあるが、水分の蒸発による収縮量に比べれば無視出来る程度である。
透明基材2の材料は、例えば透光性のよい樹脂やガラスを採用し得る。これにより、スクリーン1は良好な光透過性と透明性とを得ることができる。樹脂の材料としては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン又はアクリル等が挙げられる。
次に、透明機材2の面上に固定されたマイクロカプセル11のカプセル膜12の厚みによって光拡散粒子15に照射される光の割合が変化して、スクリーン上で輝度ムラが発生することについて説明する。図3は、マイクロカプセル11が透明基材2の面上で乾燥後に均一に並んでいる状態を示す模式図である。
図3に示すマイクロカプセル11の配置は、1つのマイクロカプセル11の周りに6個のマイクロカプセル11が取り囲む配置である。6つのマイクロカプセル11は、正六角形を形成している。図3に示すようにマイクロカプセル11を配置することで、球状のマイクロカプセル11は透明基材2の面上に隙間を最小にして配置される。
マイクロカプセル11を分散させたインクは流動性を持つ。このため、マイクロカプセル11は自然に図3に示すように配置される。水系のマイクロカプセル11は、乾燥工程でカプセル膜12の水分が蒸発する。しかし、マイクロカプセル11の配置は、この乾燥工程では変わらない。このため、マイクロカプセル11は図3に示す配置で固定される。なお、上述のように、マイクロカプセル11は、重力による変形とカプセル膜12の収縮による変形を受けながら乾燥される。このため、マイクロカプセル11は、図3の破線110で示すような六角形に近い形状に変形する。
仮に、透明基材2の面上に、分散媒13の中に均一に分散した光拡散粒子15がムラなく存在した状態とすれば、スクリーン1上の輝度ムラは無視できる程度に小さくなる。逆に、透明基材2の面上に光拡散粒子15が存在せず、光を拡散する構造が無ければ、画像光はスクリーン1で拡散されずに透過する。この場合には、鑑賞者は、画像光を映像として認識できず、鑑賞者は極端に明るい光を観察する。この状態は、鑑賞者がスクリーン1への投射光を直接観察している状態である。例えば、鑑賞者がフロントプロジェクタから、スクリーンに投射された光をさえぎるようにフロントプロジェクタを眺める状態と同じである。すなわち、スクリーン1上に光を拡散しない領域がある場合、鑑賞者は、光を拡散しない領域を極端に明るい領域と認識する。そして、鑑賞者は光を拡散しない領域を透過した画像光を映像として認識できない。
スクリーン1の面上において、マイクロカプセル11の間に形成される隙間は、光拡散粒子15が存在しない領域である。また、カプセル膜12の部分は、光拡散粒子15が存在しない領域である。これらの領域に照射された画像光は、光拡散粒子15に当たることなく、スクリーン1を透過する。「これらの領域」とは、マイクロカプセル11の間に形成される隙間及びカプセル膜12の領域である。このため、これらの画像光は、ほとんど拡散されない状態で鑑賞者に届く。このため、鑑賞者は、マイクロカプセル11の間に形成される隙間やカプセル膜12の部分を極端に明るい領域として認識する。
一方、マイクロカプセル11のカプセル膜12の内部に投射された画像光は、光拡散粒子15で拡散され、鑑賞者に届く。そして、鑑賞者は、拡散された画像光を映像として認識する。このように、スクリーン1の表示領域内に光を拡散しない領域と光拡散粒子15で光を拡散する領域とが混在した場合には、鑑賞者はスクリーン1上の輝度ムラとして認識する。
マイクロカプセル11の比率b/aと画面上の輝度のムラとの関係を説明する。半径aは、マイクロカプセル11の外径に対する半径である。内包領域の半径bは、マイクロカプセル11の半径aから膜厚を差し引いた半径である。「内包領域」とは、カプセル膜12の内側の領域である。マイクロカプセル11の半径aは、マイクロカプセル11の外径の半分に対応する半径である。
図4は、マイクロカプセル11の構造を示した模式図である。図4に示すように、マイクロカプセル11の半径を半径aとする。半径aからカプセル膜12の厚みを差し引いた半径を半径bとする。ここで、マイクロカプセル11の半径aと、半径aからカプセル膜12の厚みを差し引いた内包領域の半径bの比率を比率b/aとする。比率b/aは、マイクロカプセル11の外径に対する内径の比率である。マイクロカプセル11の内径とは、外形からカプセル膜12の厚みを2倍した値を差し引いた値である。
さらに、図3に示すように、透明基材2の面上にマイクロカプセル11が並んでいる状態において、単位面積当たりの光を拡散する領域の面積を有効面積比として算出する。つまり、有効面積比は、一定の範囲の面積を分母として、その範囲内で光を拡散する領域の面積を分子として求めた値である。この有効面積比は、光を拡散する領域と光を拡散しない領域との面積比と捉えることもできる。ここで、マイクロカプセル11の内包領域を、光を拡散する領域とする。有効面積比は、図3に破線111で示した六角形の面積の中で計算する。有効面積比は、マイクロカプセル11のカプセル膜12を除いた面積を図3に破線111で示した六角形の面積で割って算出する。上述のように、マイクロカプセル11は破線110のように六角形に変形する。有効面積比の導出では、カプセル膜12の面積の値を用いているが、カプセル膜12の面積の値は、円形として計算しても大きく変わらないため、ここでは、マイクロカプセル11が円形を保っているとして計算する。マイクロカプセル11のカプセル膜12を除いた面積有効面積比は、次の式1で表される。
Figure 0005781216
ここで、光拡散粒子15で拡散した光が鑑賞者に届く場合と、拡散せずに直接鑑賞者に届く場合の輝度の割合を説明する。スクリーン1に投射される平行な光は、1[度](0.017[ラジアン])の広がりを持っていると仮定する。また、光拡散粒子15で拡散した光は、スクリーン1を透過する方向に、全方向に同じ光強度で広がると仮定する。「全方向に同じ光強度で広がる」とは、半球状に同じ光強度で広がることである。拡散せずに直接観察者に届く光の輝度を1[カンデラ/平方メートル](以下、カンデラ/平方メートルを「nit」と表す。)と仮定する。この場合、光拡散粒子15で拡散した光が鑑賞者に届く輝度Lは、次の式2で表される。なお、円周率をπで表す。
Figure 0005781216
式2による計算値は、3.1e−5[nit]である。この値は、1[nit]に比べて十分小さい。つまり、拡散して届く光の輝度は、拡散せずに届く光の輝度に比べ十分小さい。
さらに、画面輝度のムラを推定するため、輝度の分散値Vを指標として説明する。一般的な標本分散の求め方から、輝度の分散値Vを以下の式3で評価する。なお、「e」は、指数表記であり、例えば、1e−1=1×10-1である。
分散値V=(有効面積比×3.1e−5+(1−有効面積比)×1−3.1e−5)^2×有効面積比+(有効面積比×3.1e−5+(1−有効面積比)×1−1)^2×(1−有効面積比)・・・(3)
式3で求めた分散値Vと画像の官能評価を行った。官能評価の方法では、分散値Vが0.10〜0.16までの範囲のスクリーンを用いた。レーザー光源を用いた投射型表示装置で画像光を各分散値Vのスクリーンに投射した。約40人の鑑賞者が分散値Vの異なるスクリーンで画質の劣化度合いQを10段階に分けて評価した。10段階の中での評価基準は、0は「気にならない」とした。評価値が大きくなるに従って輝度ムラの気になる度合いを大きくして、最大の9は「非常に気になる」とした。
図7は、分散値Vと画質の劣化度合いQとの関係を示した図である。横軸は分散値Vである。縦軸は画質の劣化度合いQである。グラフは、スクリーンの分散値に対する、鑑賞者の評価値の平均値を示している。つまり、分散値Vが0.145のスクリーンでは、鑑賞者の画質の劣化度合いQの平均値は4.9であることを示している。この結果より、輝度ムラVが0.145を超えると、輝度ムラによる鑑賞者の画質の劣化度合いQの認識は、急激に大きくなることが分かる。
図5は、比率b/aと輝度の分散値Vとの関係を示した図である。横軸は、比率b/aである。半径aは、マイクロカプセル11の半径である。半径bは、半径aからカプセル膜12の厚みを差し引いた内包領域の半径である。縦軸は分散値Vである。
図5で、横軸の数値が大きくなるほど、スクリーン1上で光を拡散しない領域は減少する。図5より、カプセル膜12が相対的に薄くなると、輝度の分散値Vは小さくなることが分かる。輝度の分散値Vは0.15以下であれば鑑賞者に知覚されにくい事が試験結果より得られている。このことから、分散値Vは0.145以下であることが望ましい。比率b/aを0.95以上とすることで、輝度は鑑賞者に知覚されにくくなる。好ましくは0.97以上とすれば、分散値Vは0.125以下となり、さらに輝度のムラを抑えることができる。好ましくは0.98以上とすれば、分散値Vは0.105以下となり、さらに輝度のムラを抑えることができる。また、さらに好ましくは0.99以上とすれば、分散値Vは0.10となり、さらに輝度のムラを抑えることができる。分散値Vが0.125の点は、分散値Vが0.125以下よりも分散値Vが0.125以上の方が画質の劣化度合いQの増加度合いが大きくなっている。また、分散値Vが0.105の点は、分散値Vが0.105以下よりも分散値Vが0.105以上の方が画質の劣化度合いQの増加度合いが大きくなっている。
以上の説明は、水系のマイクロカプセルを用いた場合について説明した。しかし、油系のマイクロカプセルの場合でも同様である。つまり、油系のマイクロカプセルでも柔軟なカプセル膜を用いた場合には、図3を用いて説明した水系のマイクロカプセルと同様に、油系のマイクロカプセルも六角形に近い形状に変形する。
ここで、有効面積比は、光を拡散する領域と光を拡散しない領域との面積比である。有効面積比は、半径aと半径bとから算出される。このことから、光を拡散する領域と光を拡散しない領域とは、ある領域内で均一に存在していることが前提である。つまり、ある領域の一部に光を拡散しない領域が集中している場合は考慮していない。
次に、カプセル12が破壊した場合のスクリーン1で発生する輝度ムラを説明する。カプセル12が破壊すると、内包液16がマイクロカプセル11の外部に流れ出す。そして、分散媒13は蒸発する。そして、破壊したマイクロカプセル11の部分には、光拡散粒子15が残る。また、破壊したマイクロカプセル11の部分には、破壊されたカプセル膜12が残る。
光拡散粒子15は光を拡散する。また、光拡散粒子15は光を反射する。カプセル膜12も光を拡散する。また、光拡散粒子15は光を反射する。光拡散粒子15による光拡散の程度は、光拡散粒子15と光拡散粒子15の界面に存在する物体との屈折率差に依存する。
本来、光拡散粒子15が分散媒13に覆われている状態で、マイクロカプセル11は所望の光拡散性能を有していた。しかし、分散媒13が蒸発した場合には、光拡散粒子15の周りにはバインダ材料又は空気が存在する。このため、光拡散粒子15の界面における屈折率差が大きくなる。そして、光拡散粒子15は光を強く拡散する。
また、本来、カプセル膜12は球形である。しかし、カプセル膜12が破壊された状態では、カプセル膜12の破れた面の凹凸の形状及び破れた面のエッジの形状などの形状が生じる。これらの形状は、光を拡散しやすい構造である。このため、カプセル膜12は、カプセル膜12は光を強く拡散する。マイクロカプセル11は基材2に配列する前は球形をしている。
これらの原因により、破壊されたマイクロカプセル11の領域は、光の透過率が低下する。その領域において、スクリーン1上の輝度が小さくなる。その結果、スクリーン1の表示領域内で輝度のムラが発生する。
ここで、カプセル膜12の厚みとマイクロカプセル膜12の破壊しやすさDとの関係について説明する。マイクロカプセル11に内包された内包液16は流体である。また、カプセル膜12は高分子である。そして、カプセル膜12は弾性体として考えられる。このため、マイクロカプセル11は最も安定な形状を取ろうとする。
インクを透明基材2の面上で均一に塗布する際には、インクは液体なので、透明基材2を水平に置き、その上にインクと塗布する。このため、マイクロカプセル11の重力方向は透明基材2の方向となる。前述のように内包液16は流体である。このことから、透明基材2にマイクロカプセル11が塗布された際には、マイクロカプセル11は重力によって、球形状から、透明基材2の平面形状に沿って変形しようとする。仮にカプセル膜12が無い状態を考える。すなわち、内包液16の液滴を透明基材2に滴下したとする。この場合には、一般的に液滴は重力によって透明基材2の平面形状に沿って広がる。
このように、内包液16が平面形状に広がろうとした際には、カプセル膜12は内包液16の変形を抑制する。つまり、カプセル膜12は、内包液16が広がらないようにする。ここで、カプセル膜12は、球形状で内部が空洞の殻状の弾性体として考える。弾性率は、外力によって生じる応力を、変形によって生じるひずみ量で割った値である。
カプセル膜12の弾性率が大きい場合には、内包液16が平面形状に広がろうとしても、カプセル膜12が変形しない。このため、マイクロカプセル11は球形状から変化しない。一方、カプセル膜12の弾性率が小さい場合には、内包液16が平面形状に広がろうとすると、カプセル膜12は大きく変形する。このため、マイクロカプセル11は平面に近い形状に変化する。ここで、弾性率とは、変形のしにくさを表す物性値である。
マイクロカプセル11は、インクの中に分散した状態では、球形の形状をとっている。インクの中に分散した状態とは、透明基材2に塗布される前の状態である。しかし、マイクロカプセル11は、塗布後に重力で変形する。そして、マイクロカプセル11は、楕円体に近い形状となる。最初、マイクロカプセル11の中に内包液16を充填して球形にしている。つまり、マイクロカプセル11は、マイクロカプセル11の中にマイクロカプセル11の容積相当の内包液16で満たして、カプセル膜12にたわみが無い状態としている。この場合、マイクロカプセル11が楕円体に近い形状となると、マイクロカプセル11の表面積は大きくなる。なぜなら、球形は同じ体積でもっとも表面積の小さな形状であるからである。
また、実際は内包液16だけでなく、球形のカプセル膜12も重力で変形しようとする。しかし、現象を簡単にするために、内包液16の重力による変形のみを考慮して説明する。すなわち、重力は一定であるため、マイクロカプセル11が平面形状に広がろうとする力はカプセル膜12の厚みによらず一定とする。
この現象は、フックの法則に置き換えて考えられる。フックの法則は、次の式4で示される。
弾性体の変形量=弾性体に加わる力/弾性体のバネ定数・・・(4)
ここでは、弾性体の変形量をマイクロカプセル11がどれだけ変形するかを示す量と考える。また、弾性体に加わる力を内包液16が平面形状に広がろうとする力と考える。弾性体のバネ定数をカプセル膜12の弾性と考える。
次に、カプセル膜12の厚みとカプセル膜12の弾性係数との関係について説明する。まず、引っ張りの力または圧縮の力が、ある物体に加わった場合を考える。物体に力が加わった際、物体に発生する応力は、物体の断面積に反比例する。また、物体に発生する変形量も、物体の断面積に反比例する。すなわち、引っ張りの力に対する物体のバネ定数は、物体の断面積に比例する。バネ定数は、弾性係数とも呼ばれる。ここでカプセル膜12について考える。カプセル膜12は、球体の殻のような形状であり、その断面積はカプセル膜12の厚みに比例する。つまり、カプセル膜12の厚みとカプセル膜12の弾性係数とは比例する。
マイクロカプセル11を含んだインクを透明基材2に塗布すると、マイクロカプセル11の内包液16は、重力により平面形状に変形しようとする。マイクロカプセル11の変形する量は、カプセル膜12の弾性係数に反比例する。つまり、マイクロカプセル11の変形する量は、カプセル膜12の厚みに反比例する。マイクロカプセル11の変形する量はカプセル膜12の伸び量ととらえることができる。つまり、カプセル膜12の伸び量は、カプセル膜12の厚みに反比例する。
さらに、カプセル膜12の伸び量は、カプセル膜12が変形した際の引っ張り応力に比例する。カプセル膜12の応力が一定の値以上に達すると、カプセル膜12は破壊する。このことから、マイクロカプセル11が透明基材2に塗布された際の、重力によるマイクロカプセル膜12の破壊しやすさDは、カプセル膜12の厚みに反比例する。
図6は、カプセル膜12の厚みとカプセル膜12に発生する応力との関係を表した図である。横軸は図5と同様に、比率b/aである。半径aは、マイクロカプセル11の半径である。半径bは、半径aからカプセル膜12の厚みを差し引いた内包領域の半径である。縦軸は、カプセル膜12の破壊しやすさDを示している。ここで、縦軸のカプセル膜12の破壊しやすさDは、カプセル膜12の厚み(半径a−半径b)に反比例することからa−bの逆数の比で表し、比率b/aが0.999の場合を1とした。比率b/aの値は、カプセル膜12の厚みが厚くなると、小さくなる。図6より、比率b/aが0.995より小さくなると、急峻にカプセル膜12の破壊しやすさDが小さくなる。つまり、比率b/aが0.995より小さくなると、カプセル膜12は破壊されやすくなる。
この現象を抑制するため、比率b/aを0.995以下とすることでマイクロカプセル11の破壊の発生を抑えることができる。好ましくは0.9925とすることでマイクロカプセル11の破壊の発生を抑えることができる。さらに好ましくは0.991以下とすることでマイクロカプセル11の破壊の発生を抑えることができる。
スクリーン1は、マイクロカプセル11の半径aに対するマイクロカプセル11の半径aからカプセル膜12の厚みを差し引いた半径bの値の割合(b/a)が0.95〜0.995の範囲内である。これを面積で表すと、半径aの二乗と半径bの二乗との比率となるため、マイクロカプセル11が面状に配列されている基材2の面に垂直な方向で投影されたマイクロカプセル11の断面で、マイクロカプセル11の面積に対する内包領域の面積の割合が0.9025〜0.990の範囲内となる。
カプセル膜12が破壊されると、光拡散粒子15はマイクロカプセル11の外部に流れ出てしまう。また、カプセル膜12が破壊されると、内包液16もマイクロカプセル11の外部に流れ出てしまう。カプセル膜12が破壊されると、画像光は、光拡散粒子15により拡散する。また、カプセル膜12が破壊されると、画像光は、カプセル膜12によっても拡散する。つまり、スクリーン1を透過せずに反射する画像光が発生する。そのため、スクリーン1上に輝度のムラが発生する。それだけでなく、光拡散粒子15は分散媒13に分散した状態でなくなる。このため、光拡散粒子15は自在に動くことができず、シンチレーションを低減する効果は得られなくなる。
さらに、乾燥時においても、カプセル膜12の厚みが薄いとマイクロカプセル11が破壊する可能性がある。乾燥時にカプセル膜12から水分が蒸発する。そして、カプセル膜12は収縮する。その際、前述のように、隣り合ったマイクロカプセル11は、隙間を埋めながら六角形に近い形状に変形する。
マイクロカプセル11は、マイクロカプセル11の中に内包液16を充填して球形になる。つまり、マイクロカプセル11は、マイクロカプセル11の中にマイクロカプセル11の容積相当の内包液16で満たして、カプセル膜12にたわみが無い状態としている。この際、マイクロカプセル11の内包液16の体積は変化せず、同じ体積でもっとも表面積の小さな形状が球形である。つまり、マイクロカプセル11の変形によりカプセル膜12の表面積は大きくなる。そのため、カプセル膜12に発生する応力が大きくなり、カプセル膜12が破壊される可能性は高くなる。
以上、説明したように、カプセル膜12は、次の2つの理由により破壊される可能性がある。第1の理由は、重力により球形から六角柱への形状変化により表面積が増加してカプセル膜12に発生する応力が大きくなる。第2の理由は、乾燥時にカプセル膜12が収縮することにより、カプセル膜12に発生する応力が大きくなる。
以上、説明したように、比率b/aをある範囲に制御することで、スクリーン1の輝度ムラを抑えることができる。半径aは、マイクロカプセル11の半径である。半径bは、半径aからカプセル膜12の厚みを差し引いた内包領域の半径である。
以上、スクリーン1の画像表示面に対して垂直な平行光が画像光として投射され、スクリーン1で拡散し透過した光を鑑賞者が映像として認識する構成について述べた。ただし、スクリーン1に対して、角度を持った画像光が投射される場合においても同様な効果を得られる。角度を持った画像光とは、画像光が広がりながら投射される場合などである。又は、スクリーン1に対して、角度を持って入射する平行光である。
例えば、スクリーン1に対して画像光が広がりながら投射される場合を考える。スクリーン1の表示領域内に光が拡散しない領域があると、画像光の一部は、拡散されずスクリーン1を透過する。この場合には、鑑賞者、スクリーン1および光学系などの位置関係によっては、鑑賞者は輝度のムラを認識する。光学系とは、画像光を投射するプロジェクタなどである。また、マイクロカプセル11が破壊した領域があった場合でも同様に、輝度のムラが発生する。
なお、マイクロカプセル11は、直径が20um〜150umであれば製造が容易である。このことから、マイクロカプセル11は、直径が20um〜150umであることが望ましい。マイクロカプセル11は、直径が50um〜120umであればさらに製造が容易である。このことから、マイクロカプセル11は、直径が50um〜120umであることがさらに望ましい。なお、「um」は単位であるマイクロメートルの表記である。
また、作製したマイクロカプセル11の直径を20um〜300umの範囲で選別する。選別されたマイクロカプセル11を使用することで、透明基材2の面上で隣接するマイクロカプセル11の間の隙間を小さくすることができる。選別されたマイクロカプセル11の間の隙間は、鑑賞者が認識できる輝度のムラを低減できるレベルである。
また、マイクロカプセル11の選別は、好ましくは、20um〜200umの範囲である。つまり、マイクロカプセルの直径は20um〜300umの範囲である。マイクロカプセル11の選別は、さらに好ましくは、40um〜150umの範囲である。このように狭い範囲でマイクロカプセル11の選別がされれば、マイクロカプセル11の間の隙間は、さらに小さくなる。狭い範囲の選別によって、鑑賞者が認識できる輝度のムラを低減できる。
なお、実施の形態において、基材を透明基材2として説明した。これは、基材が光を通すという意味である。つまり、基材が光を透過するという意味である。このため、透明度に関しては、使用目的に応じて選択できる。ここで、透明度とは光を透過する割合を示す。
実施の形態2.
実施の形態1では、マイクロカプセル11を使用した映像投射用のスクリーンを説明した。実施の形態2では、マイクロカプセル11を使用した表示装置300,310について説明する。図8は、表示装置300の構成を示す構成図である。
光源30は、投射光37aを発する。光源30から発せられた投射光37aは、照明光学系31を透過して画像表示素子32を照明する。画像表示素子32は、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(Digital Micromirror Device、以下、DMDと呼ぶ。)である。
DMDは、集積回路上に可動式のマイクロミラーを形成している。各マイクロミラーは鏡面を傾斜させることができる。ミラーが「オン」のときは光源からの光を外部(例えば、スクリーン)に投射する、「オフ」のときは光を吸収体に反射し外部には投射されない。「ミラーがオン」とは、画像を表示するときのミラーの状態をいう。「オフのとき」とは、画像を表示しないときのミラーの状態をいう。従って、各ミラーを個別に駆動することにより、表示画素ごとに光の投射を制御することができる。つまり、DMDは、画像光を生成する。「画像光」とは、画像情報を有する光のことである。なお、図8では、構成図を簡略とするために、投射光37aは、画像表示素子32を透過して画像光37bとなるように表している。投射光37aと画像光37bとをまとめて光37と呼ぶ。
画像表示素子32で生成された画像光37bは、投射光学系34を透過してスクリーン25に投射される。表示装置300では、画像表示素子32の後段に微小光学素子33を配置している。「後段」とは、光学的に後ろという意味である。ここでは、画像表示素子32で画像光37bが生成された後という意味である。
微小光学素子33は、実施の形態1で説明したスクリーン1と同一の構成をしている。つまり、マイクロカプセル11は、カプセル膜12の内部に内包液16を有する。基材11は、マイクロカプセル11が面状に配列されている。内包液16は、光を散乱する光拡散粒子15と光拡散粒子15を分散させる分散媒13とを有する。マイクロカプセル11は基材2に配列する前は球形をしている。マイクロカプセル11の半径aに対するマイクロカプセル11の半径aからカプセル膜12の厚みを差し引いた半径bの値の割合(b/a)が0.95〜0.995の範囲内である。これを面積で表すと、半径aの二乗と半径bの二乗との比率となるため、マイクロカプセル11が面状に配列されている基材2の面に垂直な方向で投影されたマイクロカプセル11の断面で、マイクロカプセル11の面積に対する内包領域の面積の割合が0.9025〜0.990の範囲内となる。有効面積比を単位面積当たりの光を拡散する領域の面積の比率として、分散値Vは、実施の形態1で示した式3で表される。式3は下記のとおりである。
分散値V=(有効面積比×3.1e−5+(1−有効面積比)×1−3.1e−5)^2×有効面積比+(有効面積比×3.1e−5+(1−有効面積比)×1−1)^2×(1−有効面積比)
作製したマイクロカプセル11の直径は、20um〜300umの範囲で選別される。つまり、マイクロカプセルの直径は20um〜300umの範囲である。画像光37bが、微小光学素子33を透過することで、映像のシンチレーションを軽減できる。
「シンチレーション」とは、投射された光がスクリーンを通り、鑑賞者の眼へと伝播する際に、鑑賞者の眼の網膜上で異なる光路を経由した光が干渉し、干渉縞が形成される現象である。シンチレーションが発生すると、鑑賞者にとって、映し出された映像はぎらついて見える。
画像表示素子32の後段に微小光学素子33を配置することで、シンチレーションが低減する理由は、画像表示素子32とスクリーン25とは光学的に共役な関係にあるからである。「光学的に共役」とは、1つの点から発した光が他の1つの点に結像する関係のことを言う。画像表示素子32の後段近くで、微小光学素子33により画像光37bを拡散する。スクリーン36と光学的に共役な関係にあるため、微小光学素子33から出射する画像光37bの発散角が大きいほど、スクリーン36へ入射する光の集光角は大きくなる。スクリーン36へ入射する光の集光角が大きいほど、スクリーン36を出射する光も拡散されることとなる。このように、スクリーン36へ入射する光の集光角が大きいほど、拡散性が高くなり、ぎらつき現象は緩和される。つまり、スクリーン36を通った後の画像光37bの干渉を低減できる。
この場合においても、マイクロカプセル11の直径と、カプセル膜12の関係を実施の形態1と同様とすることで、鑑賞者が認識できる輝度のムラを軽減できる。つまり、分散値Vは0.15以下であることが望ましため、比率b/aは0.95以上とすることが望ましい。好ましくは0.98以上とすることが望ましい。また、さらに好ましくは0.99以上とすることが望ましい。
また、比率b/aが0.995より小さくなると、カプセル膜12は破壊されやすくなる。この現象を抑制するため、比率b/aを0.995以下とすることでマイクロカプセル11の破壊の発生を抑えることができる。好ましくは0.9925とすることでマイクロカプセル11の破壊の発生を抑えることができる。さらに好ましくは0.991以下とすることでマイクロカプセル11の破壊の発生を抑えることができる。
マイクロカプセル11は、直径が20um〜150umであれば製造が容易である。このことから、マイクロカプセル11は、直径が20um〜150umであることが望ましい。マイクロカプセル11は、直径が50um〜120umであればさらに製造が容易である。このことから、マイクロカプセル11は、直径が50um〜120umであることがさらに望ましい。
なお、ここでは、画像表示素子32で生成された画像光37bが、微小光学素子33を透過する構成とした。しかし、微小光学素子33を透過した投射光27aが画像表示素子32に照射される構成をとっても良い。また、実施の形態2では、画像表示素子32は反射型を採用している。しかし、透過型の素子としても同様の効果が得られる。透過型の画像表示素子32は、例えばエルコス(LCOS:Liquid Crystal On Silicon)である。「エルコス」とは、プロジェクタ又はリアプロジェクションテレビに使われるマイクロプロジェクション技術又はマイクロディスプレイ技術である。よく似た反射型デバイス技術としてディーエルピー(DLP:Digital Light Processing:登録商標)プロジェクタがある。しかしディーエルピーとは違い、独立したミラーの代わりに液晶を使っている点が異なる。
画像表示素子32の前後にそれぞれ1つの微小光学素子33を配置すると、更にシンチレーションの低減効果が向上できる。微小光学素子33を2つ使用することで、光の干渉の時間的な変化が増し、輝度ムラが平均化されることから、鑑賞者が認識できる輝度のムラも軽減できる事は明らかである。
また、加えて、表示装置300に、実施の形態1で説明したスクリーン25を使用することで、さらにシンチレーションを低減することができる。ただし、部品点数を減らし、コストの低減をする場合には、スクリーン25は一般的なタイプのものを使用し、微小光学素子33のみ使用しても良い。
スクリーン25に映像を映し出す投射型の表示装置300を説明した。本発明はこれに限らず、図9のようなスクリーン25を用いない表示装置310に使用しても同様の効果を有する。図9は、表示装置310の構成を示す構成図である。図9は、画像表示素子32の像を、虚像として鑑賞者38が知覚するタイプの表示装置である。表示装置310は、例えば、ヘッドアップディスプレイが挙げられる。
表示装置310の光源30、照明光学系31、画像表示素子32及び微小光学素子33のそれぞれは、表示装置300と同様である。投射光学系35は、投射光学系34と、実像としてスクリーン25に映像を映しださず、虚像を映す光学系という点で異なっている。
この場合、鑑賞者38は画像表示素子32の虚像を見ることになる。つまり、画像表示素子32から出射する画像光37bの指向性が高い場合には、光線どうしが干渉して高い輝度となり、シンチレーションが発生する。微小光学素子33が画像光37bを拡散することにより、画像光37bの干渉を低減できる。このため、画像表示素子32で発生したシンチレーションを、低減することができる。
また、上述の各実施の形態においては、球形、楕円体、六角柱などの形状に関して示している。「球形」とは、マイクロカプセル11の中をマイクロカプセル11の容積相当の内包液16で満たして、カプセル膜12にたわみが無い状態としたときの形状を表している。「楕円体」とは、マイクロカプセル11が変形した場合の最もイメージし易い形状例として示している。「六角柱」とは、マイクロカプセル11の直径のばらつきやマイクロカプセル11の配置のばらつきを考慮した範囲の形状であることを示している。また、「均一」とは、鑑賞者が輝度のムラを画像の劣化と認識しない程度に均一であるという意味で用いている。「平行光」とは、光学部品のばらつき等を考慮した範囲を含む平行光を示している。このため、請求の範囲に球形、楕円体、六角柱、均一及び平行光を記載した場合も上記の範囲内を考慮して解釈する。
なお、以上のように本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限るものではない。
1 スクリーン、 11 マイクロカプセル、 12 カプセル膜、 13 分散媒、 15 光拡散粒子、 16 内包液、 2 透明基材、 300,310 表示装置、 30 光源、 31 照明光学系、 32 画像表示素子、 33 微小光学素子、 34,35 投射光学系、 36 スクリーン、 37 光、37a 投射光、 37b 画像光、 38 鑑賞者、 110,111 破線、 a,b 半径、 b/a 比率、 D カプセル膜の破壊しやすさ、 V 分散値、 Q 画質の劣化度合い。

Claims (7)

  1. カプセル膜の内部の領域である内包領域に内包液を有するマイクロカプセルと、
    前記マイクロカプセルが面状に配列されている基材と
    を備え、
    前記内包液は光を散乱する光拡散粒子と前記光拡散粒子を分散させる分散媒とを有し、
    前記マイクロカプセルが面状に配列されている前記基材の面に垂直な方向で投影された前記マイクロカプセルの断面における、前記マイクロカプセルの面積に対する前記内包領域の面積の割合が0.9025〜0.990の範囲内であるスクリーン。
  2. 有効面積比を単位面積当たりの光を拡散する領域の面積の比率として、
    分散値Vを
    分散値V=
    (有効面積比×3.1×10−5+(1−有効面積比)×1−3.1×10−5×有効面積比
    +(有効面積比×3.1×10−5+(1−有効面積比)×1−1)×(1−有効面積比)
    とする場合に、
    前記光を拡散する領域の面積を前記内包領域の前記面積として算出された前記分散値Vが0.15以下である請求項1に記載のスクリーン。
  3. 前記マイクロカプセルの直径が20um〜300umの範囲である請求項1または2に記載のスクリーン。
  4. カプセル膜の内部の領域である内包領域に内包液を有するマイクロカプセルと、
    前記マイクロカプセルが面状に配列されている基材と
    を備え、
    前記内包液は光を散乱する光拡散粒子と前記光拡散粒子を分散させる分散媒とを有し、
    前記マイクロカプセルが面状に配列されている前記基材の面に垂直な方向で投影された前記マイクロカプセルの断面における、前記マイクロカプセルの面積に対する前記内包領域の面積の割合が0.9025〜0.990の範囲内である光学素子。
  5. 有効面積比を単位面積当たりの光を拡散する領域の面積の比率として、
    分散値Vを
    分散値V=
    (有効面積比×3.1×10−5+(1−有効面積比)×1−3.1×10−5×有効面積比
    +(有効面積比×3.1×10−5+(1−有効面積比)×1−1)×(1−有効面積比)
    とする場合に、
    前記光を拡散する領域の面積を前記内包領域の前記面積として算出された前記分散値Vが0.15以下である請求項4に記載の光学素子。
  6. 前記マイクロカプセルの直径が20um〜300umの範囲である請求項4または5に記載の光学素子。
  7. 請求項1から3のいずれか1項に記載のスクリーン又は請求項4から6のいずれか1項に記載の光学素子を有する表示装置。
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