JP2014106510A - 反射型スクリーンおよび表示システム - Google Patents

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潤 近藤
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覚 岡垣
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Abstract

【課題】簡単な構成で、コントラストが高い映像を表示することができる反射型スクリーンおよび表示システムを提供することを目的とする。
【解決手段】反射型スクリーン(1)は、支持層(11)と、支持層(11)の表面にバインダ層(13)によって固定された複数の微小カプセル(2)とを有する。各微小カプセル(2)は、映像光が入射する側に光拡散領域(2a)を有し、もう一方の側に光吸収領域(2b)を有する。微小カプセル(2)の光拡散領域(2a)と光吸収領域(2b)により、映像光(61)と外光(81)とを分離し、映像のコントラストを向上することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反射型スクリーンおよび表示システムに関し、特に、投影される映像のコントラストを向上する技術に関する。
近年、短焦点プロジェクタの発達に伴い、大画面の映像を投影するために必要なスクリーンとプロジェクタとの距離は、大幅に短縮されている。また、プロジェクタを、できるだけ鑑賞者の視界に入らないように、スクリーンの下方あるいは上方などに設置することが多い。そのため、プロジェクタは、映像光をスクリーン面に対して鋭角に入射させるような条件で使用されることが多くなっている。
一般的な反射型スクリーンとしては、平坦な表面に拡散材を塗布したものが知られている。このような一般的な反射型スクリーンでは、室内に配置された蛍光灯や、窓から入射する太陽光などの外光(映像光以外の光)によって、スクリーンに映し出された黒などの映像が影響を受け、映像のコントラストの低下を生じる。ここでのコントラストとは、白画像の輝度と黒画像の輝度との比を意味している。また、上記の外光がスクリーンによって拡散反射されるため、鑑賞者に映像をはっきり認識させるために、より多くの映像光の光量(輝度)が必要となる。その結果、プロジェクタの大型化および消費電力の増加を招く。
そこで、映像光と外光とを分離するために、スクリーンの表面に凹凸構造を形成し、その上方向(天井方向)を向く面に光吸収領域を設け、下方向を向く面に光反射層を設けた構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。天井の蛍光灯などからの照明光を光吸収領域で吸収しつつ、映像光を光反射層で反射することにより、コントラストを向上することができる。
特開2007−94047号公報(図1参照)
しかしながら、特許文献1に記載された構成では、スクリーンの表面に階段状の凹凸構造を形成し、その凹凸構造の表面に、金属蒸着により光反射層を形成しているため、スクリーンの構成が複雑である。
また、凹凸構造の表面に均一な厚さに金属を蒸着することは難しいため、光反射層の厚さにばらつきが生じやすい。さらに、金属蒸着により形成される光反射層の反射率は高くても80%であるため、反射型スクリーンとしては不十分であり、高い光利用効率が得られない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で、映像光と外光とを分離し、コントラストを向上することができる反射型スクリーンおよび表示システムを提供することを目的とする。
本発明に係る反射型スクリーンは、支持層と、支持層の表面にバインダ層によって固定された複数の微小カプセルとを有し、各微小カプセルが、映像光が入射する側に光拡散領域を有し、もう一方の側に光吸収領域を有することを特徴とする。
本発明に係る表示システムは、上記の反射型スクリーンと、反射型スクリーンに映像を投影するプロジェクタとを有する。
本発明によれば、微小カプセルの光拡散領域と光吸収領域により、映像光と外光とを分離することができ、簡単な構成で、コントラストを向上することができる。
本発明の実施の形態1における反射型スクリーンを含む表示システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態1における反射型スクリーンの微小カプセルの構成を示す図である。 本発明の実施の形態1における反射型スクリーンの微小カプセルの配列を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における反射型スクリーンの作用を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1における反射型スクリーンの作用を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1における反射型スクリーンと対比するための比較例を示す模式図である。 本発明の実施の形態1における反射型スクリーンのカプセルの製造方法を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1における反射型スクリーンを含む表示システムを、車載用の表示システムとして使用する例を示す模式図である。
<表示システムの全体構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る反射型スクリーン1を含む表示システムの構成を模式的に示す図である。図1に示す表示システムは、反射型スクリーン1と、この反射型スクリーン1に映像を投影する投写型表示装置としてのプロジェクタ6とを備えている。
図1において、反射型スクリーン1のスクリーン面をXY面とし、このXY面に直交する方向をZ方向とする。Z方向については、鑑賞者5に向かう方向を+Z方向とし、その反対方向を−Z方向とする。
プロジェクタ6(すなわち投写型表示装置)は、大きく分けて、光源を含む照明光学系と、映像表示素子としてのライトバルブと、ライトバルブで変調された映像光を反射型スクリーン1に拡大投影する投写光学系とを備えている。ここでは、光源として、発光ダイオード(LED)またはレーザダイオード(LD)を用いるが、これらに限定されるものではない。
映像表示素子(映像構築素子とも称する)としてのライトバルブは、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)、または、レーザー光源を用いたプロジェクタで用いられるMEMS(Micro Electro Mechanical System)等で構成される。但し、これらに限定されるものではない。投写光学系は、例えば投写レンズである。
プロジェクタ6は、映像光61の出射部が反射型スクリーン1のX方向中央部に対向するように配置されている。プロジェクタ6は、ここでは短焦点プロジェクタであるが、これに限定されるものではない。
<反射型スクリーンの構成>
図1に示すように、実施の形態1に係る反射型スクリーン1は、支持層11と、微小カプセル2と、支持層11に対して微小カプセル2を保持するバインダ層13(保持層とも称する)とを有している。
支持層11は、反射型スクリーン1を支持する支持体(基体)であり、また、微小カプセル2を保持するものである。支持層11は、バインダ層13との接着性や製造性を考慮し、例えば、PMMA(Poly Methyl methacrylate)、PET(Polyethtlene Terephthalate)、またはPC(Polycarbonate)などの樹脂材料で形成することが望ましい。
なお、反射型スクリーン1の強度を確保するために、支持層11の他に別の支持体を設けることも可能である。また、支持層11は、後述するように映像光や外光が入射する部分ではない。そのため、支持層11の材料は、光学特性に関する制約はなく、主に機械的特性あるいはデザイン性などを考慮して選択することができる。
支持層11の表面(平坦面)には、多数の微小カプセル2が平面的(XY面上)に配列され、バインダ層13により保持されている。
図2は、微小カプセル2の構成を示す模式図である。図2に示すように、微小カプセル2は、例えば球状のカプセルである。カプセル膜21の内側には、第1の領域である光拡散領域2aと、第2の領域である光吸収領域2bとが設けられている。光拡散領域2aには分散媒22が充填され、その中に光拡散粒子23が分散されている。光吸収領域2bには分散媒24が充填され、その中に光吸収体(光吸収粒子とも称する)25が分散されている。微小カプセル2の粒径は、数十μm〜数百μmが望ましい。
カプセル膜21は、例えばゼラチンとアラビアゴムの混合物、ウレタン樹脂、メラミン樹脂および尿素−ホルマリン樹脂などにより構成される。カプセル膜21の材質は、低屈折率の材質が望ましい。映像光が空気とカプセル膜21との界面において、鑑賞者に視認されない方向(例えばプロジェクタ6に向かう方向)に反射される割合を、できるだけ抑えるためである。また、カプセル膜21の材質は、バインダ層13との接着性が良好なものを選定する。
分散媒22,24の材質は、比重、および、それぞれの光拡散粒子23および光吸収体25の分散性などによって選定する。分散媒22,24としては、例えば、イソパラフィン系のオイルまたはシリコンオイル等を用いる。これらのオイルは、グレードによって比重が異なる。本実施の形態では、分散媒22の比重が分散媒24の比重よりも重く(大きく)なるように、分散媒22,24の各オイルのグレードを決定している。
分散媒22と分散媒24との比重差(密度差)を適切に設定することにより、光吸収体25が分散された分散媒24は微小カプセル2の上方に集まり、光拡散粒子23が分散された分散媒22は微小カプセル2の下方に集まる。このようにして、微小カプセル2の内部には、上側の光吸収領域2bと、下側の光拡散領域2aとが形成される。
分散媒22と分散媒24との比重差は、特に限定されるものではないが、できるだけ比重差が大きい方が、重力によって分散媒22,24の分離が速やかに進行するため、望ましい。
なお、微小カプセル2内の分散媒22,24は、微小カプセル2をバインダ層13により支持層11に固定して反射型スクリーン1を構成した状態で、液状(あるいはゲル状)であっても良い。また、微小カプセル2を支持層11に固定したのちに、分散媒22,24を固化してもよい。この場合、分散媒22,24を、例えば光硬化性樹脂で形成すれば、微小カプセル2を支持層11に固定してから光照射することにより、分散媒22,24を固化することができる。
光拡散粒子23は、光をよく拡散反射する材料で形成される。具体的には、光拡散粒子23は、例えば、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンなどの高屈折材料で形成することが望ましい。光拡散粒子23は、また、例えば、アクリル、ウレタン、シリコンなどのポリマー、あるいはシリカなどの屈折率の低い材料で構成することもできる。この場合には、光拡散粒子23の粒子径を数ミクロンメートル以下とすることによって、ミー散乱もしくはレイリー散乱作用によって高い拡散反射性を得ることができる。
また、光拡散粒子23は、光拡散特性として、主に後方散乱特性(光の散乱方向が、光の入射方向に戻るような散乱特性)を有することが望ましい。そのため、光拡散粒子23は、分散媒22との屈折率の差が大きく、光拡散粒子径が小さい形状を有することが望ましい。光拡散粒子23の形状は、できるだけ簡単な工程で、比較的低い製造コストで製造されるものであることが望ましい。
光拡散粒子23は、光拡散領域2aに入射した光を全て拡散反射することが望ましく、また、分散媒22にできるだけ均等に分散されていることが望ましい。しかしながら、光拡散粒子23の分散媒22内での含有状態はこれに限定されない。例えば、光拡散粒子23が分散媒22内で沈殿していても、映像光の反射率を大きく低下させなければよい。
光吸収体25は、光を吸収する材料、例えばカーボンブラックなどの光吸収材料で形成される。光吸収体25は、分散媒24に均一に分散されていることが望ましいが、光吸収体25が分散媒24内で沈殿していても、例えば反射型スクリーン1の上方から入射する外光を十分に吸収することができればよい。
微小カプセル2において、分散媒22に包有される光拡散粒子23と、分散媒24に包有される光吸収体25との比率は、特に限定されるものではない。例えば、外光の影響が大きい場所(例えば屋外)での使用が想定される場合には、分散媒24および光吸収体25の含有量が、分散媒22および光拡散粒子23の含有量と比較して多いことが望ましい。この場合には、光吸収領域2bの体積が、光拡散領域2aの体積よりも大きい構成となる。
一方、外光の影響が小さい場所(例えば照明の少ない室内)での使用が想定される場合には、分散媒22および光拡散素子23の含有量が、分散媒24および光吸収体25の含有量と比較して多いことが望ましい。この場合には、光拡散領域2aの体積が、光吸収領域2bの体積よりも大きい構成となる。
また、光拡散粒子23および光吸収体25は、それぞれ分散媒22,24中にできるだけ多く含有されている方が、映像のコントラストや輝度を向上する上で有利である。
図1に戻り、バインダ層13は、微小カプセル2を支持層11に対して接着するものであり、微小カプセル2が支持層11から脱落しないように保持するものである。
微小カプセル2は、支持層11の表面に平面的に配列されており、カプセル層12をなしている。ここでは、カプセル層12の厚さTは、微小カプセル2の外径とほぼ同じである。すなわち、カプセル層12は、単一層である。但し、2層以上のカプセル層12に重なっている構成も可能である。
図3は、反射型スクリーン1を拡大して正面から見た図である。微小カプセル2は、支持層11の表面に沿って、すなわちXY面に隙間なく配列されている。微小カプセル2の配列は、反射型スクリーン1の表面を微小カプセル2でほぼ埋めることができるような配列、すなわち、プロジェクタ6から投写された映像光61ができるだけバインダ層13に直接入射しないような配列が望ましい。この例では、例えば球形状の微小カプセル2が、六方稠密で配置されている。なお、微小カプセル2の形状および配列は、図3に示した例に限定されない。
<反射型スクリーンの作用>
図4に、本実施の形態1に反射型スクリーン1の作用を模式的に表したものを示す。反射型スクリーン1には、主に、プロジェクタ6から投写される映像光61と、例えば蛍光灯8や窓からの光など、映像光61以外の光である外光81とが入射する。一般的な反射型スクリーンは、表面に白色塗料や拡散材料を塗布したものであるため、映像光61と外光81とを同じように拡散反射し、コントラストの低下など、映像品質の低下を生じる。
これに対し、本発明の実施の形態1に係る反射型スクリーン1は、以下で説明するように、プロジェクタ6からの映像光71を拡散反射する一方、不要な外光81を微小カプセル2の光吸収体25(光吸収領域2b)によって吸収するよう構成されている。
ここでは、プロジェクタ6は、反射型スクリーン1の下側に設置されている。図4には、反射型スクリーン1のX方向中心に入射する映像光61と外光81とを模式的に示す。プロジェクタ6から投写された映像光61は、反射型スクリーン1に対して下方向から入射する。一方、例えば蛍光灯8からの外光81は、反射型スクリーン1に対して上方向から入射する。
反射型スクリーン1の表面に配列したそれぞれの微小カプセル2では、光拡散粒子23が分散媒22に分散され、光吸収体25が分散媒24に分散されており、分散媒22,24の比重差(密度差)のため、光拡散粒子23は微小カプセル2内の下方(−Y方向)に集まり、光吸収体25は微小カプセル2内の上方(+Y方向)に集まっている。すなわち、微小カプセル2は、下側に光拡散領域2a(分散媒22および光拡散粒子23)を有し、上側に光吸収領域2b(分散媒24および光吸収体25)を有するようになっている。
プロジェクタ6から投写された映像光61は、主に、微小カプセル2の下側の光拡散領域2aの光拡散粒子23によって拡散反射される。従って、微小カプセル2(光拡散素子23)からの反射光のうち、より多くの割合の光が、プロジェクタ6を正面から見ている鑑賞者5に向かう。
一方、プロジェクタ6を家庭やオフィスで使用する際、外光81の光源として最も一般的なものは、例えば蛍光灯8である。蛍光灯8は、反射型スクリーン1の上方(+Y方向)に設置されることが多い。そのため、蛍光灯8からの外光81は、主に、微小カプセル2の上側の光吸収領域2bの光吸収体25によって吸収される。
このように、反射型スクリーン1の表面に微小カプセル2を配列し、各微小カプセル2が光拡散領域2aと光吸収領域2bとを有しているため、映像光61を光拡散領域2a(光拡散素子2)で拡散反射すると共に、外光81を光吸収領域2bで吸収し、これにより映像光61と外光81とを分離することができる。
すなわち、反射型スクリーン1に入射した映像光61と外光81のうち、映像光61のみを鑑賞者5に向けて反射することができる。その結果、鑑賞者5は、外光81の影響を受けずに、十分な明るさの映像を観賞することができる。
なお、図3に示した例では、反射型スクリーン1を、表面(XY面)が鉛直面となるように設置している。しかしながら、例えば、反射型スクリーン1を、微小カプセル2の光拡散領域2aで反射された映像光61がより多く鑑賞者5に向かうように、鑑賞者5側に傾けて設置してもよい。
図5は、反射型スクリーン1の一部分を拡大して示す断面図である。図5に示すように、微小カプセル2は、バインダ層13から+Z方向に突出するように固定されていることが望ましい。図5に示した状態で、映像光61の正反射は、光拡散領域2aの光拡散粒子23の表面のほかに、3つの界面で発生する。すなわち、空気とバインダ層13との界面C1、バインダ層13とカプセル膜21との界面C2、および、カプセル膜21と分散媒22との界面C3である。なお、「正反射」とは、屈折率が異なる2つの物質の境界に光が入射したときの光反射を意味するものであり、鏡面反射とも呼ばれる。
図5では、空気とバインダ層13との界面C1、バインダ層13とカプセル膜21との界面C2、カプセル膜21と分散媒22との界面C3でそれぞれ正反射される映像光を、映像光611,612,613として示している。これらの映像光611,612,613は、球形状の微小カプセル2の下半分に入射することになるため、各界面C1,C2,C3に対する入射光の角度が小さい。そのため、各界面C1,C2,C3を透過する光の割合が大きくなるのに加えて、界面C1,C2,C3で反射された映像光611,612,613は、天井や壁などに向かわず、主に鑑賞者5の方向に拡散反射される。そのため、天井や壁などの映像光が投写されるという問題は生じない。
これに対し、例えば図6に示す比較例では、微小カプセル2がバインダ層13内に完全に埋まるように保持されている。そのため、映像光61が微小カプセル2に入射する面よりも前方(入射側)に、空気とバインダ層13との界面C4が形成されてしまう。この空気とバインダ層13との界面C4を平面と仮定すると、当該界面C4で正反射された映像光61は、上方に反射されて天井や壁などに映像光61が投写される。その結果、鑑賞者に不快感や違和感を与えることとなる。同じことは、一般的な反射型スクリーンでも、傷つき防止や表面のツヤ感を出す目的でハードコートを施した場合に生じ得る。空気とハードコートとの界面で正反射が生じ、天井や壁などに映像光が投写されるためである。
これに対し、本実施の形態では、図5に示したように、微小カプセル2の少なくとも一部をバインダ層13から突出させる構成により、映像光61が天井や壁に向かうことを抑制し、鑑賞者に不快感や違和感を与えないようにしている。
<反射型スクリーンの製造方法>
次に、反射型スクリーン1の製造方法について説明する。支持層11は、上記のようにPMMA、PETまたはPCなどの樹脂材料からなる平板部材で形成する。また、微小カプセル2は、以下のように形成する。
図7に、微小カプセル2の形成方法の一例を示す。ここでは、滴下法と呼ばれる方法について説明する。ここでは、小径の内管91と大径の外管92とを同軸に組み合わせた二重ノズル9を使用する。内管91の内側には内側流路9aが形成され、内管91と外管92との間には外側流路9bが形成されている。内側流路9aには、光拡散粒子23を分散した分散媒22と、光吸収体25を分散した分散媒24とを混合した溶液Aを流す。また、外側流路9bには、カプセル膜21を形成する液状の樹脂B(例えばゼラチン)を流す。
これにより、二重ノズル9の内側流路9aから吐出された溶液Aの周囲を、外側流路9bから吐出された樹脂Bで包み込む。これにより、溶液Aの周囲を、カプセル膜21となる樹脂Bで包み込んだ微小カプセル2が形成される。なお、溶液Aは、上述した比重差により、光拡散粒子23が分散された分散媒22と、光吸収体25が分散された分散媒24とに分離する。
なお、ここでは、滴下法による微小カプセル2の形成方法について説明したが、滴下法以外の方法、例えばコアセルベーション法という方法を用いてもよい。
コアセルベーション法では、光拡散粒子23を分散した分散媒22と、光吸収体25を分散した分散媒24とを混合した溶液を、水中で撹拌する。分散媒22,24は疎水性を有しているため、集まって液滴を形成する。この液滴の周囲に、例えばゼラチンを析出させ、凝固させることにより、カプセル膜21を形成する。
次に、このようにして形成された微小カプセル2を、バインダ層13を形成する材料と混合し、平板である支持層11の表面に均一に塗布する。さらに、バインダ層13を光照射によって硬化させる。これにより、微小カプセル2がバインダ層13によって支持層11に固定された反射型スクリーン1が得られる。
微小カプセル2内では、光吸収体25が分散された分散媒24と、光拡散粒子23が分散された分散媒22とが、重力によって自然に上下に分離される。
また、図5に示したように微小カプセル2の一部がバインダ層13から突出する構成は、主として、バインダ層13を形成する材料の硬化前の粘度を、所定の範囲に設定することにより実現することができる。なお、図1では、微小カプセル2が支持層11の表面に接するように描かれているが、微小カプセル2は、バインダ層13の表面から一部が突出するように(すなわち、バインダ層13の中に沈み込まないように)保持されていればよい。
<車載用の表示システムの構成例>
図8は、本実施の形態における表示システムを、車載用の表示システムとして使用する場合の構成例を示す模式図である。本実施の形態の表示システムのプロジェクタ6は、自動車等の車両7の例えばダッシュボード71の内部に取り付けられている。
反射型スクリーン1は、ダッシュボード71上において、運転者Pの前方(すなわちフロントガラス72側)に取り付けられている。プロジェクタ6は、反射型スクリーン1に向けて、下方から上方に、映像光61を投影する。運転者Pは、フロントガラス72を介して車両7の前方を観察しながら、視線を僅かに下方にずらすことにより、反射型スクリーン1に投影される映像(例えばナビゲーション情報等の、絵や文字の情報)を視認することができる。
車外からは、フロントガラス72を介して、太陽光等の特に強い外光81が侵入する。しかしながら、本実施の形態における反射型スクリーン1は、下側に光拡散領域2aを有し、上側に光吸収領域2bを有する微小カプセル2を有しているため、車外からの強い外光81を吸収して、プロジェクタ6からの映像光を拡散反射する。従って、運転車Pは、強い外光81の影響を受けずに、十分な明るさの映像を観察することができる。
なお、図8には、車載用の表示システムの例を示したが、本実施の形態の表示システムが、車載用以外の表示システムとしても利用できることは言うまでもない。
<実施の形態の効果>
以上説明したように、本実施の形態によれば、反射型スクリーン1の表面に微小カプセル2を配列し、各微小カプセル2が光拡散領域2aと光吸収領域2bとを有し、映像光61を光拡散領域2aで拡散反射すると共に、外光81を光吸収領域2bで吸収することができる。従って、反射型スクリーン1に入射した光のうち、映像光61のみを鑑賞者5に向けて反射することができる。その結果、鑑賞者5は、外光81の影響を受けずに、高いコントラストで、十分な明るさの映像を観賞することができる。
また、上記のような映像のコントラストと明るさの向上に伴い、消費電力の増加を抑制することができる。
また、反射型スクリーン1に凹凸構造を加工した場合(特許文献1参照)と比較して、反射型スクリーン1の構成が簡単になる。そのため、製造コストを低減することができる。さらに、凹凸構造の上に光拡散層や光吸収層を形成した場合(特許文献1参照)と比較して、均一な光拡散反射特性および光吸収特性を得ることができ、光の利用効率を向上することができる。
また、光拡散粒子23を分散媒22に分散し、光吸収体25を分散媒24に分散するとともに、分散媒22,24の比重差を設定することにより、微小カプセル2内で、分散媒22と分散媒24とが重力によって上下に分離する。そのため、プロジェクタ6からの映像光61が入射する側に光拡散領域2aを配置し、外光81が入射する側に光吸収領域2bを配置することが可能になる。
また、分散媒22および分散媒24を光硬化性樹脂で形成することにより、微小カプセル2を支持層11に固定した状態で、分散媒22および分散媒24を固化させることができる。そのため、微小カプセル2を支持層11に固定して反射型スクリーン1を構成し、その反射型スクリーン1を実際の使用状態(図1)で保持し、重力により分散媒22と分散媒24とが分離してから、分散媒22,24を固化させることができる
また、各微小カプセル2を、バインダ層13から突出するように固定することにより、図6に示したようにバインダ層13と空気等の界面で正反射した映像光61が天井や壁等に投写されること(これにより鑑賞者5に不快感や違和感を与えること)が防止される。
また、微小カプセル2において、光拡散領域2aを下側に配置し、光吸収領域2bを上側に配置することにより、プロジェクタ6の映像光61を反射型スクリーン1の下方から投写する使用態様において、反射型スクリーン1に下方から入射する映像光61を反射し、主に上方から入射する外光81を吸収することができる。
なお、上記の実施の形態では、微小カプセル2の粒径を数十μm〜数百μmとしたが、この粒径範囲に限定されるものではない。また、微小カプセル2は、必ずしも微小でなくてもよく、反射型スクリーン1の表面に緻密に配列できればよい。
また、上記の実施の形態では、微小カプセル2を六方稠密に配列することにより、できるだけ映像光61や外光81がバインダ層13に入射しないようにしたが、映像光61や外光81がバインダ層13に入射する構成であってもよい。この場合には、バインダ層13に、拡散反射特性または光吸収特性を付与すればよい。
すなわち、反射型スクリーン1に映し出される映像が鑑賞者5によってやや暗いと判断される場合には、バインダ層13に拡散反射粒子を混合して拡散反射特性を付与し、鑑賞者5に届く映像光61の光量を増加させることができる。バインダ層13に混合する拡散反射粒子としては、例えば、微小カプセル2の光拡散粒子23と同じものを用いることができる。
また、外光81の影響により、反射型スクリーン1に映し出される映像のコントラストが低いと判断される場合には、バインダ層13に光吸収体を混合して光吸収特性を付与し、バインダ層13で反射された外光81が観賞者5に向かわないようにすることができる。バインダ層13に混合する光吸収体としては、例えば、微小カプセル2の光吸収体25と同じものを用いることができる。
また、上記の実施の形態では、プロジェクタ6が、反射型スクリーン1に対して下方から映像光を投写するように配置されていたが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば車両の天井等にプロジェクタ6を設置し、反射型スクリーン1に対して上方から映像光を投写するようにしてもよい。この場合には、例えば、微小カプセル2の光拡散領域2aの分散媒22の比重を、光吸収領域2bの分散媒24の比重よりも軽く(小さく)することにより、微小カプセル2の上側に光拡散領域2aを設け、下側に光吸収領域2bを設けることができる。
また、本発明に係る反射型スクリーンは、短焦点プロジェクタに限らず、他のプロジェクタと共に用いてもよい。
1 反射型スクリーン、 11 支持層、 12 カプセル層、 13 バインダ層、 2 微小カプセル、 2a 光拡散領域、 2b 光吸収領域、 21 カプセル膜、 22 分散媒、 23 光拡散粒子、 24 分散媒、 25 光吸収体、 5 鑑賞者、 6 プロジェクタ(投射型表示装置)、 61 映像光、 611,612,613 映像光、 8 外光光源(蛍光灯)、 81 外光。

Claims (10)

  1. 支持層と、
    前記支持層の表面にバインダ層によって固定された複数の微小カプセルと
    を有し、
    前記各微小カプセルが、映像光が入射する側に光拡散領域を有し、もう一方の側に光吸収領域を有すること
    を特徴とする反射型スクリーン。
  2. 前記光吸収領域は、第1の分散媒に、光吸収体を分散または沈殿させて構成されていることを特徴とする請求項1の反射型スクリーン。
  3. 前記第1の分散媒は、光硬化性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1の反射型スクリーン。
  4. 前記光拡散領域は、第2の分散媒に、光拡散粒子を分散または沈殿させて構成されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の反射型スクリーン。
  5. 前記第2の分散媒は、光硬化性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項4の反射型スクリーン。
  6. 前記光吸収領域は、第1の分散媒に、光吸収体を分散または沈殿させて構成され、
    前記光拡散領域は、第2の分散媒に、光拡散粒子を分散または沈殿させて構成され、
    前記第1の分散媒の比重と、前記第2の分散媒の比重とが異なることを特徴とする請求項1に記載の反射型スクリーン。
  7. 各微小カプセルの一部が、前記バインダ層から突出していることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の反射型スクリーン。
  8. 各微小カプセルにおいて、下側に光拡散領域を有し、上側に光吸収領域を有することを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の反射型スクリーン。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンと、
    前記反射型スクリーンに映像光を投写する投写型表示装置と
    を備えた表示システム。
  10. 車載用の表示システムであることを特徴とする請求項9に記載の表示システム。
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