まず、本発明に関る印刷システム1について図1を参照して説明を行う。
図1は、印刷システム1について示す構成図である。
印刷システム1は、パーソナルコンピュータ10と印刷装置20とが通信回線5によって通信可能に接続されて構成される。
印刷装置20は、給紙トレイに収納される用紙のサイズを検知する用紙サイズ検知機能を有していない、簡易な印刷装置である。
通信回線5は、USB(Universal Serial Bus)接続などのローカル接続であっても良いし、LAN(Local Area Network)等のネットワーク接続であっても良いし、有線、無線の形態は問わない。
パーソナルコンピュータ10(以下、図面と共に「PC10」と略す)は、印刷ジョブを作成して印刷装置20に印刷ジョブを送信するホストコンピュータである。
PC10は、CPU(Central Processing Unit)により構成される制御部14、HDD(Hard disk drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等により構成される記憶部11、液晶ディスプレイにより構成される表示部12、キーボードやマウスにより構成される入力部13を備える。
記憶部11には、印刷装置20のプリンタドライバが記憶され、制御部14による制御によって印刷装置20で印刷される印刷ジョブが生成される。
印刷装置20は、コントローラ21、操作パネル22、印刷エンジン23を備える。
また、コントローラ21は、通信ポート24、RAM25、CPU26、ROM27、操作パネルインタフェース(以下、図面と共に「操作パネルI/F」と略す)28、エンジンインタフェース(以下、図面と共に「エンジンI/F」と略す)29を備え、各々はバス40を介して互いに通信可能に接続される。
通信ポート24は、通信回線5に接続され、PC10から送信される印刷ジョブを受信する。
RAM25は、書き換え可能な揮発性の記憶装置であり、ROM27に記憶される画像形成プログラムを動作させるためにシステム変数や、印刷ページの用紙情報や、受信した印刷ジョブ等を一時記憶する。
用紙情報とは、A4、A5、B4等の用紙の用紙サイズを意味している。
印刷されたページの用紙情報とは、そのページが画像形成された用紙の用紙サイズを意味する。
印刷予定ページの用紙情報とは、そのページの画像データに設定されている印刷予定となる用紙の用紙サイズを意味する。
つまり、用紙情報は用紙サイズと同じ意味として使用する。
但し、用紙情報Aは「直近に印刷されたページの用紙サイズ」を意味し、用紙情報Bは「次に印刷予定であるページの用紙サイズ」を意味する。
このような用紙情報の意味合いは他の実施例においても同様である。
RAM25は、特定の記憶場所に、用紙情報に対応した数字を記憶することにより、直近(前回)に印刷(画像形成)されたページの用紙情報を記憶する。
例えば、RAM25は、用紙情報がA4の場合には数字の「1」を記憶して、用紙情報がA5の場合には数字の「2」を記憶する。
RAM25は、また、用紙情報が不定の状態の場合には数字の「0」を記憶する。
RAM25が用紙情報として数字の「0」を記憶する状態は、「RAM25の用紙情報が初期化された状態」とも呼ぶ。
RAM25の用紙情報が初期化された状態では、RAM25に用紙情報Aとして不定の「0」が記憶されている。
そして、CPU26は、ROM27に記憶される画像形成プログラムをRAM25に呼び出し、印刷装置20を統括的に制御する。 また、CPU26は、RAM25に記憶される用紙情報に基づき印刷処理を制御する。
ROM27は、不揮発性メモリであり、印刷装置20を動作させる画像形成プログラムや、印刷装置の製造番号等の固定データ等を記憶する。
操作パネルI/F28は、操作パネル22とのインタフェースである。
エンジンI/F29は、印刷エンジン23とのインタフェースである。
操作パネル22は、印刷装置20を操作するユーザとのインタフェースであり、ユーザから指示を受け付け、ユーザに情報を表示する。
印刷エンジン23は、印刷装置20が受信する印刷ジョブの画像データを用紙に印刷する機能を有し、給紙トレイ、用紙搬送機構、感光体、露光装置、定着装置等を含む。
この印刷エンジン23に含まれる印刷装置20の給紙トレイは、収納している用紙の用紙サイズを検知する用紙サイズ検知機能を有しておらず、また、収納する用紙の有無を確認する用紙有無確認機能も有していない。
このように構成される印刷装置20は、用紙サイズ検知機能を有していないので、画像データが正常に用紙に印刷される毎に、印刷された用紙の用紙サイズを「直近に印刷されたページの用紙情報(用紙情報A)」としてRAM25に記憶する。そして、次に画像データの印刷が行われる際、印刷装置20は、印刷予定ページの用紙情報(用紙サイズ)を印刷データより取得して、取得した印刷予定ページの用紙情報(用紙サイズ)と、直近に印刷されてRAM25に記憶された用紙情報(用紙サイズ)とを比較する。
直近に印刷されたページの用紙サイズを用紙情報Aと呼び、次に印刷予定であるページの用紙サイズを用紙情報Bと呼ぶ。
比較の結果、用紙情報が異なる場合(用紙情報Aと用紙情報Bとが異なる場合)には、直近に印刷されたページの用紙サイズと次に印刷予定であるページの用紙サイズとが異なることになるので、印刷装置20は、ユーザに用紙の入れ替えを促す為に、印刷処理を一時停止して操作パネル22を介してユーザに用紙の入れ替えを促すメッセージを表示する。
印刷装置20は、更に、様々なタイミングで、RAM25に記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」を初期化する処理を行う(この場合、RAM25は数字の「0」を記憶する。)。
その為(用紙情報が初期化される為)、印刷装置20では、直近に印刷されたページの用紙サイズと異なる用紙サイズが設定されている印刷ジョブを印刷指示する際に、その印刷指示する前にユーザが直近の印刷ジョブで使用された用紙を給紙トレイから取り出して、次に印刷指示する印刷ジョブで印刷される用紙を入れる作業(用紙の入れ替え作業)を行った後にその新しい印刷ジョブの印刷開始の指示をPC10より行っても、前述の「用紙情報の比較に基づく用紙の入れ替えをユーザに促す為の印刷処理の一時停止」が発生することはない。
なお、「RAM25に記憶される用紙情報が初期化される」とは、RAM25に記憶される用紙情報Aが初期化されることを意味する。
次に、コントローラ21の機能について、図2を参照して説明する。
図2は、コントローラ21の機能ブロック図である。
コントローラ21は、図2に示すように、その機能として、用紙情報記憶手段30、用紙情報クリア手段31、印刷手段32、用紙情報比較手段33、受信手段34を有する。
用紙情報記憶手段30は、印刷データの印刷が正常に行われると、直近に印刷されたページの用紙サイズを用紙情報AとしてRAM25に記憶する。
用紙情報記憶手段30が記憶する用紙情報Aは、画像データのページが印刷されるページ毎に更新される。 すなわち、用紙情報記憶手段30は、画像データが用紙に印刷されると、その用紙の用紙サイズを用紙情報Aとして記憶する。
用紙情報クリア手段31は、用紙情報記憶手段30で記憶される用紙情報を初期化する。 具体的には、用紙情報クリア手段31は、RAM25の「直近に印刷されたページの用紙情報」を記憶する個所に、具体的な用紙サイズに対応する数字(例えばA4の場合には「1」)を記憶する代わりに数字の「0」を記憶する。
印刷手段32は、受信する印刷ジョブのページ記述言語に基づき画像データを生成して、印刷エンジン23により画像データの印刷を実行させる。
用紙情報比較手段33は、CPU26によって、用紙情報記憶手段30で記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報(用紙情報A)」と、次に印刷予定のページの用紙サイズ(用紙情報B)とが同じ内容であるか否かが比較される機能である。
受信手段34は、PC10から送られる印刷データを通信ポート24で受信する機能である。
印刷装置20では、基本的に、受信手段34が印刷ジョブを受信した順番で印刷ジョブの印刷順番となって印刷されるが、印刷順番が設定される各種アプリケーションにより印刷順番が設定された場合には、その設定された印刷順番に従って印刷処理が行われる。
次に、印刷装置20において用紙情報記憶手段30で記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」が自動的に初期化される時機の設定について、図3を参照して説明する。
図3は、操作パネル22に表示される「自動的に用紙情報が初期化される時機の選択或いは用紙情報を自動的に初期化しないことの選択」が行われる用紙情報初期化タイミング設定画面301の画面構成図である。
用紙情報記憶手段30で記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」が自動的に初期化される時機の設定は、図3に示すように、「印刷ジョブの印刷終了後」或いは「印刷ジョブの印刷開始前」或いは「キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷された後」或いは「キューに0から蓄積された印刷ジョブが印刷開始する前」に設定することができる。
また、印刷装置20では、図3に示すように、「直近に印刷されたページの用紙情報」が自動的に初期化されないようにも設定され得る。
印刷装置20では、自動的に用紙情報が初期化される前述の4つの時機の選択或いは自動的に初期化されないことの選択は、印刷装置20に備えられる図示しないディップスイッチの操作若しくは操作パネル22の用紙情報初期化タイミング設定画面301での操作より行われ、選択された内容が設定される。
印刷装置20の電源がオフからオンにされる際には、印刷装置20のディップスイッチで設定された内容に従って印刷装置20は動作する。
また、印刷装置20の電源がオンになっている状態で操作パネル22の用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に用紙情報が初期化される時機若しくは自動的に初期化されないこと」の選択が行われると、選択された内容が設定され、印刷装置20で設定された内容に従って処理が行われる。
すなわち、ディップスイッチ若しくは用紙情報初期化タイミング設定画面301で用紙情報が自動的に初期化される時機が「印刷ジョブの印刷終了後」として選択された場合には、印刷装置20では、印刷装置20で印刷ジョブの印刷が終了する毎に、用紙情報記憶手段30でRAM25に記憶した「直近に印刷されたページの用紙情報」が初期化される。
また、ディップスイッチ若しくは用紙情報初期化タイミング設定画面301で用紙情報が自動的に初期化される時機が「印刷ジョブの印刷開始前」として選択された場合には、印刷装置20では、印刷装置20の受信手段34で受信された印刷ジョブの印刷が開始される前に、用紙情報記憶手段30でRAM25に記憶した「直近印刷されたページの用紙情報」が初期化される。
また、ディップスイッチ若しくは用紙情報初期化タイミング設定画面301で用紙情報が自動的に初期化される時機が「キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷された後」として選択された場合には、印刷装置20では、印刷装置20の受信手段34で受信されてキューに蓄積された全ての印刷ジョブが印刷手段32によって印刷されてキューに蓄積される印刷ジョブがなくなった後に、用紙情報記憶手段30でRAM25に記憶した「直近に印刷されたページの用紙情報」が初期化される。
また、ディップスイッチ若しくは用紙情報初期化タイミング設定画面301で用紙情報が自動的に初期化される時機が「キューに0から蓄積された印刷ジョブが印刷開始する前」として選択された場合には、印刷装置20では、キューに印刷ジョブが蓄積されていない状態から最初に受信手段34で受信した印刷ジョブがキューに登録されて印刷開始される前に、用紙情報記憶手段30でRAM25に記憶した「直近に印刷されたページの用紙情報」が初期化される。
また、ディップスイッチ若しくは用紙情報初期化タイミング設定画面301で用紙情報が自動的に初期化されないと選択された場合には、印刷装置20では、用紙情報記憶手段30でRAM25に記憶した「直近に印刷されたページの用紙情報」が自動的に初期化されない。
用紙情報初期化タイミング設定画面301で選択された内容が適用されるのは、印刷ジョブと印刷ジョブとの間であって、印刷ジョブが実行されている間には適用されない。
このように、印刷装置20では、用紙情報が自動的に初期化される時機の設定と、用紙情報が自動的に初期化されないことの設定とが可能であるので、ユーザの所望のパターンに応じた設定が可能である。
すなわち、直近に印刷されたページの用紙情報と次に印刷指示する印刷ジョブの最初のページの用紙情報とが異なる印刷指示をユーザがする場合に、用紙情報が自動的に初期化されるように印刷装置20で設定された状態で、次に印刷指示を行う印刷ジョブの最初のページで使用される用紙へと用紙を入れ替えた後、その印刷指示が行われると、直近に印刷されたページの用紙情報と次に印刷指示される印刷ジョブの最初のページの用紙情報とが異なる場合でも、用紙情報が初期化されているので、印刷処理が一時停止されてユーザに用紙入れ替えが促されることはない。
また、直近に印刷されたページの用紙情報と次に印刷指示する印刷ジョブの最初のページの用紙情報とが異なる印刷指示をユーザが行う場合に、用紙情報が自動的に初期化されないことが設定された状態で、その次の印刷ジョブの印刷指示が行われると、印刷指示が行われた後の印刷ジョブの最初の1ページ目が印刷される前に、印刷装置20では印刷処理が一時停止してユーザに用紙入れ替えが促される。
次に、自動的に用紙情報を初期化する時機が「印刷ジョブの印刷終了後」に設定された場合おける印刷装置20での処理について図4を参照して説明する。
図4は、自動的に用紙情報を初期化する時機が「印刷ジョブの印刷終了後」に設定された場合における、印刷装置20で行われる処理について示したフローチャートである。
図4を参照して説明する内容は、ディップスイッチによって、「自動的に用紙情報を初期化する時機」が設定された場合であるが、印刷装置20の電源がオンされた状態で用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に用紙情報を初期化する時機」が「印刷ジョブの印刷終了後」に設定された場合には、図4で示すフローチャートの途中から処理が開始されるが、詳しくは後述する。
印刷装置20の電源がオフからオンにされると(ステップ401)、印刷装置20のRAM25の用紙情報が初期化される(ステップ402)。
印刷装置20は、受信手段34で印刷ジョブを受信し、印刷手段32がその印刷ジョブを解析して画像データを生成する。
印刷手段32で印刷される画像データのページが決定されると、CPU26は、用紙情報比較手段33により、次に印刷予定であるページの用紙情報(用紙情報B)を取得する(ステップ403)。
そして、CPU26は、用紙情報比較手段33により、RAM25に用紙情報記憶手段30で記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」(以下、この用紙情報を用紙情報Aとする。)を取得する。
そして、CPU26は、用紙情報比較手段33により、用紙情報B(次に印刷されるページの用紙情報)と用紙情報A(直近に印刷されたページの用紙情報)とが同じが否かを比較する(ステップ404)。
CPU26が用紙情報Aと用紙情報Bとを取得して比較した結果、「用紙情報Aが初期化された状態」或いは「用紙情報Aの内容と用紙情報Bの内容とが同じ」である場合に(ステップ404でYES)、次のページの印刷が行われる(ステップ405)。
そして、ステップ405で画像データの1ページの印刷が成功すると、印刷されたページの用紙情報であって、先ほど用紙情報比較手段33によって比較された用紙情報Bの用紙情報が、RAM25に「直近に印刷されたページの用紙情報」として用紙情報記憶手段30により記憶される(ステップ406)。 すなわち、1ページ分の印刷が成功すると(ステップ405)、ステップ404で比較された用紙情報Bの内容が、用紙情報Aの内容としてRAM25に記憶される(ステップ406)。
また、ステップ404で比較された結果、「用紙情報Aが初期化された状態」でなく、かつ「用紙情報Aの内容と用紙情報Bの内容とが同じ」でない場合には(ステップ404でNO)、印刷装置20は、印刷処理を一時停止し、ユーザに対して用紙の入れ替えを促すメッセージを操作パネル22に表示する(ステップ408)。 操作パネル22に表示されるメッセージは、例えば、「給紙トレイに収納される用紙を、印刷予定の用紙に入れ替えてください」や「ヨウシヲイレカエテクダサイ」等である。
ユーザは、操作パネル22に表示されるメッセージに従い、給紙トレイに収納される用紙を、印刷予定となるページの用紙サイズを有する用紙に入れ替える作業を行う。
ユーザは、給紙トレイにおける用紙を入れ替える作業が終了すると、操作パネル22を介して、印刷装置20に対し印刷再開の指示を入力する。
印刷装置20は、用紙の入れ替え作業が終了したユーザから、印刷再開の指示を受け付けると(ステップ409でYES)、1ページ分の画像データの印刷を実行する(ステップ405)。
そして、1ページ分の画像データの印刷が正常終了されると、正常に印刷終了されたページの用紙情報が、RAM25に、「直近に印刷されたページの用紙情報(用紙情報A)」として記憶される(ステップ406)。
1ページ分の画像データの印刷が行われて、印刷ジョブが終了していない場合には(ステップ407でNO)、用紙情報比較手段33により、次に印刷予定であるページの用紙情報(用紙情報B)が取得される(ステップ403)。
そして、用紙情報比較手段33により、RAM25に記憶されて「直近に印刷されたページの用紙情報(用紙情報A)」と、次に印刷されるページについての用紙情報Bとが比較される処理が行われる(ステップ404)。
また、1ページ分の画像データの印刷が行われて、印刷ジョブが終了した場合には(ステップ407でYES)、RAM25に記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」が初期化される処理が、印刷情報クリア手段31によって行われる(ステップ402)。
また、印刷装置20の電源がオンされた状態で用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に初期化する時機」が「印刷ジョブの印刷終了後」に設定された場合には、印刷装置20では、図4を参照して説明したステップ402の処理である、RAM25の用紙情報が初期化される処理から開始され、その後の処理は、図4を参照して説明した処理と同じである。
このように、印刷装置20において、自動的に用紙情報を初期化する時機が「印刷ジョブの印刷終了後」に設定された場合には、電源がONされた後や、印刷ジョブの印刷が終了した後に、RAM25に記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」が初期化される。
印刷ジョブの印刷終了後に用紙情報が初期化されるので、印刷ジョブの最終ページの用紙情報は次の印刷ジョブの印刷開始時に引き継がれない。
次に、自動的に用紙情報を初期化する時機が「印刷ジョブの印刷終了後」に設定された場合における印刷装置20で処理された結果について、図5を参照して説明する。
図5は、自動的に用紙情報を初期化する時機が「印刷ジョブの印刷終了後」に設定された場合における、印刷装置20で処理される画像データが印刷される用紙の用紙サイズ(画像データに設定されている用紙サイズ)と、RAM25に記憶された「直近に印刷されたページの用紙情報」とを示す図である。
印刷装置20において、自動的に用紙情報を初期化する時機が「印刷ジョブの印刷終了後」に設定された場合に、図5に示すように、ジョブ1の印刷ジョブとジョブ2の印刷ジョブとが処理される場合について説明する。
ここで、ジョブ1の画像データに設定されている用紙サイズは、1ページ目がA4サイズで、2ページ目がA4サイズである。 また、ジョブ2の画像データに設定されている用紙サイズは、1ページ目がA5サイズで、2ページ目がA5サイズで、3ページ目がA4サイズである。
印刷装置20でジョブ1が処理される前には、図5に示すように、RAM25に記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」である用紙情報Aが、初期化された状態である(参照番号501)。
そして、印刷装置20がジョブ1の印刷ジョブとして1ページ目の画像をA4サイズの用紙で印刷すると、RAM25には「直近に印刷されたページの用紙情報」としてA4サイズが記憶される(参照番号502)。
そして、印刷装置20がジョブ1の印刷ジョブとして2ページ目の画像をA4サイズの用紙で印刷すると、RAM25には「直近に印刷されたページの用紙情報」として一旦A4サイズが記憶されるが(図4のステップ406)、ジョブ1の2ページ目はジョブ1の最終ページであるのでジョブ1は終了したことになり(図4のステップ407でYES)、RAM25の用紙情報は初期化される(図4のステップ402、参照番号503)。
ジョブ1の印刷が終了した後に、ジョブ2の印刷を指示するユーザは、ジョブ2の1ページ目はジョブ1の最終ページが印刷された用紙であるA4とは異なるA5サイズの用紙に印刷されるので、印刷装置20の給紙トレイの用紙をジョブ1で使用されたA4サイズの用紙からジョブ2で使用されるA5サイズの用紙に交換する。
印刷装置20は、ジョブ1の印刷が終了した後に、ユーザによって、給紙トレイに収納される用紙がA4サイズの用紙からA5サイズの用紙に交換される。
ユーザは、印刷装置20の用紙をA4サイズの用紙からA5サイズの用紙に交換した後に、PC10から、印刷装置20でジョブ2の印刷が行われるように印刷指示を行う。
印刷装置20では、ジョブ1の印刷が終了した時点で、RAM25に記憶される用紙情報は初期化されているので、ユーザがPC10からジョブ2の印刷指示を行って印刷装置20でジョブ2の印刷が開始される際に、前に印刷終了したジョブ1の最終ページが印刷された用紙(A4)とジョブ2の最初のページで印刷に使用される用紙(A5)とが異なる場合でも、印刷装置20が一時停止されてユーザに用紙交換を促す処理が行われない。
印刷装置20では、ジョブ2の最初のページが印刷される際に、RAM25の用紙情報が初期化されているので、ステップ404でYESとなり、印刷処理が一時停止されることなく、ジョブ2の最初のページの印刷が行われる(図4のステップ405)。
そして、印刷装置20がジョブ2の印刷ジョブとして1ページ目の画像をA4サイズの用紙で印刷すると、RAM25には「直近に印刷されたページの用紙情報」としてA5サイズが記憶される(参照番号504)。
そして、次に、印刷装置20がジョブ2の印刷ジョブとして2ページ目の画像をA4サイズの用紙で印刷すると、RAM25には「直近に印刷されたページの用紙情報」としてA5サイズが記憶される(参照番号505)。
そして、次に、印刷装置20がジョブ2の印刷ジョブとして3ページ目の画像を印刷する際には、その3ページ目の用紙サイズはA4サイズであり、直近に印刷された2ページ目の用紙サイズであるA5サイズと異なっている。
それで、ジョブ2の3ページ目が印刷される前に、印刷装置20において、RAM25に記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」(用紙情報A)とジョブ2の3ページ目の用紙サイズ(用紙情報B)とが異なっているので(図4のステップ404でNO)、印刷装置20は、印刷処理を一時停止し、ユーザに用紙入れ替えを促すメッセージを操作パネル22に表示する(図4のステップ408)。
操作パネル22に表示されたメッセージを確認したユーザは、印刷装置20の給紙トレイに収納される用紙をA5サイズの用紙からA4サイズの用紙に入れ替える。
用紙の入れ替えを行ったユーザは、操作パネル22より、印刷を再開する指示を入力する。
操作パネル22より印刷再開の指示を受け付けた印刷装置20は(ステップ409でYES)、ジョブ2の3ページ目の印刷を実行する。
ジョブ2の3ページ目の印刷がA4サイズの用紙に行われると、一旦、RAM25に「直近に印刷されたページの用紙情報」としてA4サイズが記憶されるが、ジョブ2の3ページ目はジョブ2の最終ページであるのでジョブ2は終了したことになり(図4のステップ407でYES)、その記憶の後にRAM25の用紙情報は初期化される(図4のステップ402、参照番号506)。
このように、印刷装置20においては、自動的に用紙情報を初期化する時機が「印刷ジョブの印刷終了後」に設定された場合、印刷ジョブの印刷終了後にRAM25の用紙情報が初期化されるので、前述の説明のジョブ1とジョブ2のように、前回のジョブの最終ページと次に印刷指示するジョブの最初のページの用紙サイズが異なって、ジョブ1の印刷終了後にユーザが用紙を入れ替えてジョブ2の印刷指示が行われても、ジョブ2の最初のページが印刷される前に印刷処理が一時停止して用紙入れ替えが促されることはない。
次に、自動的に用紙情報を初期化する時機が「印刷ジョブの印刷開始前」に設定された場合における印刷装置20での処理について図6を参照して説明する。
図6は、自動的に用紙情報を初期化する時機が「印刷ジョブの印刷開始前」に設定された場合における、印刷装置20で行われる処理について示したフローチャートである。
図6を参照して説明する内容は、ディップスイッチによって、「自動的に用紙情報を初期化する時機」が設定された場合であるが、印刷装置20の電源がオンされた状態で用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に用紙情報を初期化する時機」が「印刷ジョブの印刷開始前」に設定された場合には、図6で示すフローチャートの途中から処理が開始されるが、詳しくは後述する。
印刷装置20の電源がオフからオンにされると(ステップ601)、印刷装置20のRAM25の用紙情報が初期化される(ステップ602)。
印刷装置20は、受信手段34で印刷ジョブを受信し(ステップ603でYES)、印刷手段32がその印刷ジョブを解析して画像データを生成する。
受信した印刷ジョブの最初に印刷される画像データが生成されると、RAM25の用紙情報が初期化される(ステップ604)。
そして、CPU26は、用紙情報比較手段33により、次に印刷予定であるページの用紙情報(用紙情報B)を取得する(ステップ605)。
また、CPU26は、用紙情報比較手段33により、RAM25に用紙情報記憶手段30で記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」(用紙情報A)を取得する。
そして、CPU26は、用紙情報比較手段33により、用紙情報B(次に印刷されるページの用紙情報)とRAM25に記憶される用紙情報A(直近に印刷されたページの用紙情報)とが同じか否かを比較する(ステップ606)。
CPU26が用紙情報Aと用紙情報Bとを取得して比較した結果、「用紙情報Aが初期化された状態」或いは「用紙情報Aの内容と用紙情報Bの内容とが同じ」である場合に(ステップ606でYES)、次のページの印刷が行われる(ステップ607)。
そして、ステップ607で画像データの1ページの印刷が成功すると、印刷されたページの用紙情報であって、先ほど用紙情報比較手段33によって比較された用紙情報Bの用紙情報が、RAM25に「直近に印刷されたページの用紙情報」として用紙情報記憶手段30に記憶される(ステップ608)。
また、ステップ606で比較された結果、「用紙情報Aが初期化された状態」でなく、かつ「用紙情報Aの内容と用紙情報Bの内容とが同じ」でない場合には(ステップ606でNO)、印刷装置20は、印刷処理を一時停止し、ユーザに用紙入れ替えを促すメッセージを操作パネル22に表示する(ステップ610)。
ユーザは、操作パネル22に表示されるメッセージに従い、給紙トレイに収納される用紙を、次に印刷予定のページの用紙サイズである用紙に入れ替える作業を行う。
ユーザは、給紙トレイにおける用紙を入れ替える作業が終了すると、操作パネル22を介して、印刷装置20に対し印刷再開の指示を入力する。
印刷装置20は、用紙の入れ替え作業が終了したユーザから、印刷再開の指示を受け付けると(ステップ611でYES)、1ページ分の画像データの印刷を実行する(ステップ607)。
そして、1ページ分の画像データの印刷が正常終了すると、正常に印刷終了したページの用紙情報が、RAM25に、「直近に印刷されたページの用紙情報(用紙情報A)」として記憶される(ステップ608)。
1ページ分の画像データの印刷が行われて、印刷ジョブが終了していない場合には(ステップ609でNO)、用紙情報比較手段33により、次に印刷予定であるページの用紙情報(用紙情報B)が取得される(ステップ605)。
そして、用紙情報比較手段33により、RAM25に記憶されて「直近に印刷されたページの用紙情報(用紙情報A)」と、次に印刷されるページについての用紙情報Bとが比較される処理が行われる(ステップ606)。
また、1ページ分の画像データの印刷が行われて、印刷ジョブが終了した場合には(ステップ609でYES)、受信手段34が印刷ジョブの受信を待機している状態となる(ステップ603でNO)。
このように、印刷装置20において、自動的に用紙情報を初期化する時機が「印刷ジョブの印刷開始前」に設定された場合には、印刷ジョブの印刷開始前に用紙情報が初期化されるので、印刷ジョブが印刷開始されると前回の印刷ジョブの最終ページの用紙情報は引き継がれない。
また、印刷装置20の電源がオンされた状態で用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に初期化する時機」が「印刷ジョブの印刷開始前」に設定された場合には、印刷装置20では、図6を参照して説明したステップ602の処理である、RAM25の用紙情報が初期化される処理から開始され、その後の処理は、図6を参照して説明した処理と同じである。
このように、印刷装置20において、自動的に用紙情報を初期化する時機が「印刷ジョブの印刷開始前」に設定された場合には、受信手段34が印刷ジョブを受信して、生成された画像データの最初のページの印刷が開始される前に、RAM25に記憶される用紙情報が初期化されるので、前回の印刷ジョブで印刷された最終ページの用紙サイズと、受信手段34が受信して印刷を開始する予定の最初のページの用紙サイズとが異なっていたとしても、受信手段34が受信した印刷ジョブの印刷開始前に、印刷処理が一時停止されてユーザに用紙入れ替えが促されるということが発生しない。
それで、前回の印刷ジョブで印刷された最終ページの用紙サイズ(直近に印刷されたページの用紙サイズ)と、次に印刷指示する印刷ジョブの最初のページの用紙サイズとが異なる場合に、ユーザがその印刷指示の前に給紙トレイの用紙を入れ替える処理を行ってその印刷指示をすれば、印刷装置20の印刷処理が一時停止されることなく、その印刷指示に基づく印刷が印刷装置20で行われる。
次に、自動的に用紙情報を初期化する時機が「キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷された後」に設定された場合おける印刷装置20での処理について図7を参照して説明する。
図7は、自動的に用紙情報を初期化する時機が「キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷された後」に設定された場合における、印刷装置20で行われる処理について示したフローチャートである。
図7を参照して説明する内容は、ディップスイッチによって、「自動的に用紙情報を初期化する時機」が設定された場合であるが、印刷装置20の電源がオンされた状態で用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に用紙情報を初期化する時機」が「キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷された後」に設定された場合には、図7で示すフローチャートの途中から処理が開始されるが、詳しくは後述する。
印刷装置20の電源がオフからオンにされると(ステップ701)、印刷装置20のRAM25の用紙情報が初期化される(ステップ702)。
印刷装置20は、受信手段34で印刷ジョブを受信し、印刷手段32がその印刷ジョブを解析して画像データを生成する。
印刷手段32で印刷される画像データのページが決定されると、CPU26は、用紙情報比較手段33により、次に印刷予定であるページの用紙サイズ(用紙情報B)を取得する(ステップ703)。
そして、CPU26は、用紙情報比較手段33により、RAM25に用紙情報記憶手段30で記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報(用紙情報A)」を取得する。
そして、CPU26は、用紙情報比較手段33により、用紙情報B(次に印刷されるページの用紙情報)と用紙情報A(直近に印刷されたページの用紙情報)とが同じか否かを比較する(ステップ704)。
CPU26が用紙情報Aと用紙情報Bとを取得して比較した結果、「用紙情報Aが初期化された状態」或いは「用紙情報Aの内容と用紙情報Bの内容とが同じ」である場合に(ステップ704でYES)、次のページの印刷が行われる(ステップ705)。
そして、ステップ705で画像データの1ページの印刷が成功すると、印刷されたページの用紙情報であって、先ほど用紙情報比較手段33によって比較された用紙情報Bの用紙情報が、RAM25に「直近に印刷されたページの用紙情報」として用紙情報記憶手段30により記憶される(ステップ706)。 すなわち、1ページ分の印刷が成功すると(ステップ705)、ステップ704で比較された用紙情報Bの内容が、用紙情報Aの内容としてRAM25に記憶される(ステップ706)。
また、ステップ704で比較された結果、「用紙情報Aが初期化された状態」でなく、かつ「用紙情報Aの内容と用紙情報Bの内容とが同じ」でない場合には(ステップ704でNO)、印刷装置20は、印刷処理を一時停止し、ユーザに対して用紙の入れ替えを促すメッセージを操作パネル22に表示する(ステップ708)。
ユーザは、操作パネル22に表示されるメッセージに従い、給紙トレイに収納される用紙を、印刷予定の画像データに設定されている印刷予定となる用紙に入れ替える作業を行う。
ユーザは、給紙トレイにおける用紙を入れ替える作業が終了すると、操作パネル22を介して、印刷装置20に対して印刷再開の指示を入力する。
印刷装置20は、用紙の入れ替え作業が終了したユーザから、印刷再開の指示を受け付けると(ステップ709でYES)、1ページ分の画像データの印刷を実行する(ステップ705)。
そして、1ページ分の画像データの印刷が行われた後も、キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷された状態でないならば(印刷される画像データが残っている状態)(ステップ707でNO)、次に印刷予定であるページの用紙サイズ(用紙情報B)が取得される(ステップ703)。
ここで、「キュー」とは、印刷装置20において、印刷の順番待ちの印刷ジョブを蓄積して、印刷待ちの印刷ジョブを待機させる機構である。
そして、用紙情報比較手段33により、RAM25に記憶されて「直近に印刷されたページの用紙情報(用紙情報A)」と、次に印刷されるページについての用紙情報Bとが比較される処理が行われる(ステップ704)。
また、ステップ705で、1ページ分の画像データの印刷が行われて、キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷された状態(キューに印刷ジョブが蓄積されない状態でもある)である場合には(ステップ707でYES)、RAM25に記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」が初期化される処理が、印刷情報クリア手段31によって行われる(ステップ702)。
また、印刷装置20の電源がオンされた状態で用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に初期化する時機」が「キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷された後」に設定された場合には、印刷装置20では、図7を参照して説明したステップ702の処理である、RAM25の用紙情報が初期化される処理から開始され、その後の処理は、図7を参照して説明した処理と同じである。
このように、印刷装置20において、自動的に用紙情報を初期化する時機が「キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷された後」に設定された場合には、キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷されてキューに印刷ジョブの蓄積がなくなった後に、RAM25に記憶される用紙情報が初期化されるので、キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷されてキューに印刷ジョブの蓄積がない場合にPC10から印刷指示を送る際に、直近に印刷されたページの用紙サイズとPC10から行われるその印刷指示で印刷される最初のページの用紙サイズとが異なっていたとしても、PC10から行われるその印刷指示によって送られて受信手段34が受信する印刷ジョブの印刷開始前に、印刷処理が一時停止されてユーザに用紙入れ替えが促されるということが発生しない。
それで、直近に印刷されたページの用紙サイズと、キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷されてキューに印刷ジョブの蓄積がない場合にPC10から印刷指示が行われて印刷装置20に送られる印刷ジョブで最初に印刷される印刷予定であるページの用紙サイズとが異なっていて、ユーザがPC10からのその印刷指示の前に印刷装置20の給紙トレイの用紙を入れ替える処理を行ってその印刷指示をすれば、印刷装置20の印刷処理が一時停止されることなく、その印刷指示に基づく印刷が印刷装置20で行われる。
次に、自動的に用紙情報を初期化する時機が「キューに0から蓄積された印刷ジョブが印刷開始する前」に設定された場合における印刷装置20での処理について図8を参照して説明する。
図8は、自動的に用紙情報を初期化する時機が「キューにゼロから蓄積された印刷ジョブを印刷開始する前」に設定された場合における、印刷装置20で行われる処理について示したフローチャートである。
図8を参照して説明する内容は、ディップスイッチによって、「自動的に用紙情報を初期化する時機」が設定された場合であるが、印刷装置20の電源がオンされた状態で用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に用紙情報を初期化する時機」が「キューにゼロから蓄積された印刷ジョブを印刷開始する前」に設定された場合には、図8で示すフローチャートの途中から処理が開始されるが、詳しくは後述する。
印刷装置20の電源がオフからオンにされると(ステップ801)、印刷装置20のRAM25の用紙情報が初期化される(ステップ802)。
印刷装置20は、受信手段34で印刷ジョブを受信し(ステップ803でYES)、印刷手段32がその印刷ジョブを解析して画像データを生成する。
受信した印刷ジョブの最初に印刷される画像データが生成されると、RAM25の用紙情報が初期化される(ステップ804)。
そして、CPU26は、用紙情報比較手段33により、次に印刷予定であるページの用紙サイズ(用紙情報B)を取得する(ステップ805)。
また、CPU26は、用紙情報比較手段33により、RAM25に用紙情報記憶手段30で記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報(用紙情報A)」を取得する。
そして、CPU26は、用紙情報比較手段33により、用紙情報B(次に印刷される画像データの用紙情報)とRAM25に記憶される用紙情報A(直近に印刷されたページの用紙情報)とが同じか否かを比較する(ステップ806)。
CPU26が用紙情報Aと用紙情報Bとを取得して比較した結果、「用紙情報Aが初期化された状態」或いは「用紙情報Aの内容と用紙情報Bの内容とが同じ」である場合に(ステップ806でYES)、次のページの印刷が行われる(ステップ807)。
そして、ステップ807で画像データの1ページの印刷が成功すると、印刷されたページの用紙情報であって、先ほど用紙情報比較手段33によって比較された用紙情報Bの用紙情報が、RAM25に「直近に印刷されたページの用紙情報」として用紙情報記憶手段30に記憶される(ステップ808)。
また、ステップ806で比較された結果、「用紙情報Aが初期化された状態」でなく、かつ「用紙情報Aの内容と用紙情報Bの内容とが同じ」でない場合には(ステップ806でNO)、印刷装置20は、印刷処理を一時停止し、ユーザに用紙入れ替えを促すメッセージを操作パネル22に表示する(ステップ810)。
ユーザが、操作パネル22に表示されるメッセージに従い、給紙トレイに収納される用紙を、次に印刷予定のページの用紙サイズである用紙に入れ替える作業を行う。
ユーザは、給紙トレイにおける用紙を入れ替える作業が終了すると、操作パネル22を介して、印刷装置20に対し印刷再開の指示を入力する。
印刷装置20は、用紙の入れ替え作業が終了したユーザから、印刷再開の指示を受け付けると(ステップ811でYES)、1ページ分の画像データの印刷を実行する(ステップ807)。
そして、1ページ分の画像データの印刷が正常終了すると、正常に印刷終了したページの用紙情報が、RAM25に、「直近に印刷されたページの用紙情報(用紙情報A)」として記憶される(ステップ808)。
1ページ分の画像データの印刷がステップ807で行われて、キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷されていない場合には(ステップ809でNO)、用紙情報比較手段33により、次に印刷予定であるページの用紙サイズ(用紙情報B)が取得される(ステップ805)。
そして、用紙情報比較手段33により、RAM25に記憶されて「直近に印刷されたページの用紙情報(用紙情報A)」と、次に印刷されるページについての用紙情報Bとが比較される処理が行われる(ステップ806)。
また、1ページ分の画像データの印刷が行われて、キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷された場合には(ステップ809でYES)、受信手段34が印刷ジョブの受信を待機している状態となる(ステップ803でNO)。
また、印刷装置20の電源がオンされた状態で用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に初期化する時機」が「キューにゼロから蓄積された印刷ジョブを印刷開始する前」に設定された場合には、印刷装置20では、図8を参照して説明したステップ802の処理である、RAM25の用紙情報が初期化される処理から開始され、その後の処理は、図8を参照して説明した処理と同じである。
このように、印刷装置20において、自動的に用紙情報を初期化する時機が「キューに0から蓄積された印刷ジョブが印刷開始する前」に設定された場合には、キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷終了された状態から新たに印刷ジョブを受信してその受信した印刷ジョブの印刷が開始される前に、RAM25に記憶される用紙情報が初期化されるので、キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷されてキューに印刷ジョブの蓄積がない場合にPC10から印刷指示を送る際に、直近に印刷されたページの用紙サイズとPC10から行われるその印刷指示で最初に印刷予定であるページの用紙サイズとが異なっていたとしても、PC10から行われるその印刷指示によって送られて受信手段34が受信する印刷ジョブの印刷開始前に、印刷処理が一時停止されてユーザに用紙入れ替えが促されるということが発生しない。
それで、直近に印刷されたページの用紙サイズと、キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷されてキューに印刷ジョブの蓄積がない場合にPC10から印刷指示が行われて印刷装置20に送られる印刷ジョブで最初に印刷されるページの用紙サイズとが異なっていて、ユーザがPC10からのその印刷指示の前に印刷装置20の給紙トレイの用紙を入れ替える処理を行ってその印刷指示をすれば、印刷装置20の印刷処理が一時停止されることなく、その印刷指示に基づく印刷が印刷装置20で行われる。
なお、印刷装置20において、印刷装置に「用紙情報を自動的に初期化しない」が設定されている状態から、用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に用紙情報が初期化される時機」の選択が行われた場合には、「自動的に用紙情報が初期化される時機」の選択が行われた後に、RAM25の用紙情報の初期化が行われて、各種印刷処理が行われる。
なお、印刷装置20は、PC10から送られる印刷データの印刷機能だけでなく、複写機能、ファクシミリ機能等を有する複合機であってもよい。
なお、印刷装置20の給紙トレイは、用紙の出し入れを検知する用紙有無確認機能を有していないと説明したが、複数の給紙トレイを有してそれら複数の給紙トレイで共通の用紙有無センサを有している場合であってもよい。 なぜなら、複数の給紙トレイで共通の用紙有無センサを有している場合には、一方の給紙トレイに用紙が入っている状態でもう一方の給紙トレイに用紙を入れても用紙が入ったことが検知されないので、実質、用紙の入れ替えが検知されない場合があるからである。
本発明の画像形成プログラムを通信手段で提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に記録して提供することもできる。
本発明の画像形成プログラムを通信手段で提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に記録して提供することもできる。
第3実施例では、第1実施例で説明した印刷装置20のコントローラ21にNVRAM(Non-volatile memory)53が更に備えられた印刷装置20bについて説明する。
第1実施例で説明した各構成部と同じ参照番号を有する各構成部は、第3実施例においても同じ機能を有するものとして説明を省略する。 但し、第1実施例で説明された構成部と同じ参照番号を有する構成部の説明は、第3実施例においては、第3実施例で説明する内容を優先するものとする。
まず、NVRAM53を有する印刷装置20bについて図11を参照して説明を行う。
図11は、印刷装置20bとPC10を備える印刷システム3について示す構成図である。
図11に示すように、印刷装置20bは、コントローラ52、操作パネル22、印刷エンジン23を備える。
そして、印刷装置20bは、印刷ジョブを送信するPC10と通信回線5で接続されている。
印刷装置20bは、図11に示すように、NVRAM53を備えるコントローラ52を有している。
コントローラ52は、通信ポート24、RAM25、CPU26、ROM27、NVRAM53、パネルI/F26、エンジンI/F29を備えている。
RAM25は、書き換え可能な揮発性の記憶装置であり、ROM27に記憶される画像形成プログラムを動作させるためにシステム変数等を一時記憶する。
NVRAM53は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、特定の記憶場所に、用紙情報(用紙の用紙サイズ)に対応した数字を記憶することにより、直近に印刷されたページの用紙情報を記憶する。
例えば、NVRAM53は、用紙情報がA4の場合には数字の「1」を記憶して、用紙情報がA5の場合には数字の「2」を記憶する。
NVRAM53は、また、用紙情報が不定の状態の場合には数字の「0」を記憶する。
NVRAM53が用紙情報として数字の「0」を記憶する状態は、「NVRAM53の用紙情報が初期化された状態」とも呼ぶ。
コントローラ52は、第1実施例で図2を参照して説明したコントローラ21と同様の機能を有する。
すなわち、コントローラ52は、用紙情報記憶手段30、用紙情報クリア手段31、印刷手段32、用紙情報比較手段33、受信手段34を有する。
用紙情報記憶手段30は、印刷データの印刷が正常に行われると、直近に印刷されたページの用紙サイズを用紙情報AとしてNVRAM53に記憶する。
用紙情報クリア手段31は、用紙情報記憶手段30で記憶される用紙情報を初期化する。 具体的には、用紙情報クリア手段31は、NVRAM53の「直近に印刷されたページの用紙情報」を記憶する個所に、具体的な用紙サイズに対応する数字(例えばA4の場合には「1」)を記憶する換わりに数字の「0」を記憶する。
印刷装置20bでは、用紙情報記憶手段30で記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」が自動的に初期化される時機の設定は、第1実施例で説明した内容と同じで、「印刷ジョブの印刷終了後」或いは「印刷ジョブの印刷開始前」或いは「キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷された後」或いは「キューに0から蓄積された印刷ジョブが印刷開始する前」に設定することができるが、第1実施例のようにディップスイッチによって設定されるように構成されてもよいし、また、設定内容を操作パネル22より受け付けてNVRAM53に記憶させ次回電源投入後にNVRAM53に記憶される設定内容を反映させるように構成されてもよい。
次に、印刷装置20bで行われる処理について図12を参照して説明を行う。 但し、用紙情報記憶手段30で記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」が自動的に初期化される時機の設定は、「印刷ジョブの印刷開始前」に設定された場合について説明する。
印刷装置20bの電源がオフからオンにされると(ステップ1201)、CPU26は、印刷装置20bが印刷途中であるか否かを判断する(ステップ1202)。
印刷装置20bは未印刷の画像データをNVRAM53に記憶しているので、CPU26は、NVRAM53に未印刷の画像データが存在する場合に、印刷装置20bが印刷途中であると判断する。
すなわち、ステップ1202で判断される内容は、印刷装置20bの電源が切られる前には印刷ジョブの印刷途中であったか否かである。
印刷途中でないと判断された場合には(ステップ1202でNO)、受信手段34が印刷ジョブの受信を待機している状態となる(ステップ1203でNOからステップ1202でNO)。
印刷装置20bは、受信手段34が印刷ジョブを受信すると(ステップ1203でYES)、印刷手段32がその印刷ジョブを解析して画像データを生成する。
受信した印刷ジョブの最初に印刷される画像データが生成されると、NVRAM53の用紙情報が初期化される(ステップ1204)。
そして、CPU26は、用紙情報比較手段33により、次に印刷予定であるページの用紙サイズ(用紙情報B)を取得する(ステップ1205)。
また、CPU26は、用紙情報比較手段33により、NVRAM53に用紙情報記憶手段30で記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」(用紙情報A)を取得する。
そして、CPU26は、用紙情報比較手段33により、用紙情報B(次に印刷されるページの用紙情報)とNVRAM53に記憶される用紙情報A(直近に印刷されたページの用紙情報)とが同じか否かを比較する(ステップ1206)。
また、ステップ1202において、印刷装置20bが印刷途中であったと判断された場合にも(ステップ1202でYES)、CPU26は、ステップ1205の処理を行い、更に用紙情報Aを取得してステップ1206の処理を行う。
ステップ1206でCPU26が用紙情報Aと用紙情報Bとを取得して比較した結果、「用紙情報Aが初期化された状態」或いは「用紙情報Aの内容と用紙情報Bの内容とが同じ」である場合に(ステップ1206でYES)、ページの印刷が行われる(ステップ1207)。
そして、ステップ1207で画像データの1ページの印刷が成功すると、印刷されたページの用紙情報であって、先ほど用紙情報比較手段33によって比較された用紙情報Bの用紙情報が、NVRAM53に「直近に印刷されたページの用紙情報」として用紙情報記憶手段30に記憶される(ステップ1208)。
また、ステップ1206で比較された結果、「用紙情報Aが初期化された状態」でなく、かつ「用紙情報Aの内容と用紙情報Bの内容とが同じ」でない場合には(ステップ1206でNO)、印刷装置20bは、印刷処理を一時停止し、ユーザに用紙入れ替えを促すメッセージを操作パネル22に表示する(ステップ1210)。
ユーザは、操作パネル22に表示されるメッセージに従い、給紙トレイに収納される用紙を、次に印刷予定のページの用紙サイズの用紙に入れ替える作業を行う。
ユーザは、給紙トレイにおける用紙を入れ替える作業が終了すると、操作パネル22を介して、印刷装置20bに対し印刷再開の指示を入力する。
印刷装置20bは、用紙の入れ替え作業が終了したユーザから、印刷再開の指示を受け付けると(ステップ1211でYES)、1ページ分の画像データの印刷を実行する(ステップ1207)。
そして、1ページ分の画像データの印刷が正常終了すると、正常に印刷終了したページの用紙情報が、NVRAM25に、「直近に印刷されたページの用紙情報」(用紙情報A)として記憶される(ステップ1208)。
1ページ分の画像データの印刷が行われて、印刷ジョブが終了していない場合には(ステップ1209でNO)、用紙情報比較手段33により、次に印刷予定であるページの用紙サイズ(用紙情報B)が取得される(ステップ1205)。
そして、用紙情報比較手段33により、RAM25に記憶されて「直近に印刷されたページの用紙情報(用紙情報A)」と、次に印刷されるページについての用紙情報Bとが比較される処理が行われる(ステップ1206)。
また、1ページ分の画像データの印刷が行われて、印刷ジョブが終了した場合には(ステップ1209でYES)、受信手段34が印刷ジョブの受信を待機している状態となる(ステップ1203でNOからステップ1202でNO)。
印刷装置20bでは、電源がオフの状態から電源がオンの状態にされた場合には、ディップスイッチで設定された内容に従って処理が行われるが、印刷装置20bの電源がオンされた状態で用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に初期化する時期」が設定された場合にはステップ1202より処理が開始される。
また、印刷装置20の電源がオンされた状態で用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に初期化する時機」が「印刷ジョブの印刷開始前」に設定された場合には、印刷装置20では、図6を参照して説明したステップ602の処理である、RAM25の用紙情報が初期化される処理から開始され、その後の処理は、図6を参照して説明した処理と同じである。
このように構成される印刷装置20bにおいて、具体的なジョブが実行される様子を図13を参照して説明する。
図13は、1枚目がA4、2枚目がA5、3枚目がA4であるジョブ3が、印刷装置20bで実行される様子を示した模式図である。
印刷装置20bに電源がオンされて、ジョブ3の1枚目が印刷されると、用紙情報記憶手段30に「A5」が記憶される(参照番号1301)。
そして、印刷装置20bでジョブ3の2枚目が印刷されると、用紙情報記憶手段30に「A5」が記憶される(参照番号1302)。
印刷装置20bにジョブ3の2枚目の「A5」が用紙情報記憶手段30に記憶された後に、印刷装置20bの電源がオフにされて、その後、印刷装置20bの電源がオンにされる(参照番号1303)。
電源がオンにされた(参照番号1303)後に、ジョブ3の3枚目を印刷する印刷装置20bは、次に印刷される3枚目の用紙サイズ(用紙情報B)として「A4」を取得し(図12のステップ1205)、NVRAM53に記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」である「A5」を用紙情報Aとして読み出し、用紙情報Bと用紙情報Aとを比較する(図12のステップ1206)。
そして、比較の結果、用紙情報Bと用紙情報Aとが「A4」と「A5」とで異なるので(図12のステップ1206でNO)、印刷装置20bは、印刷処理を一時停止し、ユーザに用紙の入れ替えを促すメッセージを操作パネル22に表示する(図12のステップ1210)。
ユーザは、用紙の入れ替えを行った後に印刷再開の指示を印刷装置20bに入力する。
印刷再開の指示の入力を受け付けた印刷装置20bは、ジョブ3の3枚目の印刷をA4サイズの用紙に行う。
このように、第1実施例で説明した印刷装置20のコントローラ21にNVRAM53を更に備えるように構成した印刷装置20bで、不揮発性メモリであるNVRAM53に用紙情報Aを記憶させた印刷処理が行われる。
それで、印刷装置20bでは、印刷されるページの用紙サイズがジョブの実行中に変化する場合であって(前述のジョブ3における2枚目の「A5」から3枚目の「A4」への変化)、その変化の手前で電源のオフ・オンが行われても、NVRAM53に記憶される用紙情報Aが使用されて用紙入れ替えを促す処理が行われ、それでいて印刷装置20bは、新しく受信する印刷ジョブの印刷開始前にNVRAM53の用紙情報を初期化するので(図12のステップ1205)、印刷装置20と同様な効果が得られる(直近に印刷されたページの用紙サイズと、PC10から印刷指示する印刷ジョブの最初のページの用紙サイズとが異なる場合に、ユーザがその印刷指示の前に給紙トレイの用紙を入れ替える処理を行ってその印刷指示をすれば、印刷装置20の印刷処理が一時停止されることなく、その印刷指示に基づく印刷が印刷装置20で行われる、という効果)。
印刷装置20bでは、用紙情報記憶手段30で記憶される「直近に印刷されたページの用紙情報」が自動的に初期化される時機の設定は、「印刷ジョブの印刷終了後」或いは「印刷ジョブの印刷開始前」或いは「キューに蓄積された印刷ジョブが全て印刷された後」或いは「キューに0から蓄積された印刷ジョブが印刷開始する前」が可能なので、それぞれの時機に応じた印刷装置20と同様の効果(第1実施例で説明した、それぞれの時機に設定された印刷装置20における効果と同じ効果)が得られる。
なお、印刷装置20bは、PC10から送られる印刷データの印刷機能だけでなく、複写機能、ファクシミリ機能等を有する複合機であってもよい。
なお、印刷装置20bの給紙トレイは、複数の給紙トレイを有してそれら複数の給紙トレイで共通の用紙有無センサを有している場合であってもよい。 なぜなら、複数の給紙トレイで共通の用紙有無センサを有している場合には、一方の給紙トレイに用紙が入っている状態でもう一方の給紙トレイに用紙を入れても用紙が入ったことが検知されないので、実質、用紙の入れ替えが検知されない場合があるからである。
なお、印刷装置20bにおいて、印刷装置に「用紙情報を自動的に初期化しない」が設定されている状態から、用紙情報初期化タイミング設定画面301より「自動的に用紙情報が初期化される時機」の選択が行われた場合には、「自動的に用紙情報が初期化される時機」の選択が行われた後に、NVRAM53の用紙情報の初期化が行われて、各種印刷処理が行われる。
本発明の画像形成プログラムを通信手段で提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に記録して提供することもできる。