JP5766074B2 - 通信装置 - Google Patents
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Description
この場合、受信側の車両において、受信した交通安全情報に基づいた不適切な運転支援が実施される可能性がある。例えば、実在しない前方車両が誤検知されて前方追突注意が誤って提示され、この前方追突注意に従って急ブレーキを掛けた場合、かえって後方車両との衝突事故を誘発する可能性がある。
さらに、特許文献3に記載の通信相手特定装置では、車両に設けた車載カメラを用いて周辺画像を撮影し、この周辺画像から抽出した他装置の外観形状を利用する。すなわち、特許文献3の発明を車車間通信に適用した場合に、送信元は、自装置を搭載する自車両の外観形状を送信データに付加して送信する。受信側は、車載カメラを用いて撮影した周辺画像から当該車両の外観形状を抽出し、受信したデータに含まれる外観形状と比較して、その比較結果から送信元の車両を特定することになる。
さらに、特許文献2には、車両IDが車両を識別するための情報と記載されているが、具体的にどのような情報であるかが記載されておらず、車両IDが改竄されたり、偽造される可能性が否めない。
また、車両の外観形状に関する特徴点抽出や画像マッチングなどの画像解析が必要であるため、不可避的に演算量が多大となる。この他、車両の色などを外観形状として求める場合は、天候の影響によって正確な色を抽出できない可能性があり、信頼性の高い検証を行うことができない。
図1は、この発明の実施の形態1に係る通信装置を利用した車車間通信システムの構成を示すブロック図であり、車両3,4にそれぞれ搭載された実施の形態1に係る通信装置間で車車間通信を行う場合を示している。また、図2は、実施の形態1に係る通信装置の構成を示すブロック図である。なお、実際には、図1に示す通信装置1,2についても、図2に示す構成を有している。つまり、図1では、車両3に搭載された通信装置1から、車両4に搭載された通信装置2へ車車間通信で車両データを送信する場合を示しており、図1を用いた説明の簡単のため、通信装置1は、車車間通信でデータを送信する構成のみを示し、通信装置2は、車車間通信で通信装置1からのデータを受信する構成のみを示している。
なお、実施の形態1では、車載カメラ5が撮影した車両4の周辺画像から、車両4の周辺車両の車両ナンバーを抽出して通信装置1と同様の方法で車両IDを生成し、この車両IDと、受信した通信データに付随している車両IDとを比較して、当該通信データが、実在する車両から送信されたものであるか否かを検証する。
通信装置2は、上述のようなデータ受信および検証を行う構成として、図1および図2に示すように、データ記憶部20、車両ID生成部21、通信部22、車両ナンバー取得部23、受信データ判断部24および車両データ取得提供部25を備える。
自車両ナンバー記憶部11は、通信装置1を搭載する車両3の車両ナンバーおよびその車両IDを記憶する記憶部であり、車車間通信の際に、通信部13によって当該車両IDが適宜読み出される。
なお、ハッシュ関数は、与えられたメッセージに対してハッシュ値を容易に算出でき、ハッシュ値から元のメッセージを得ることが事実上不可能であり、ハッシュ値を変えずにメッセージを改竄することが事実上不可能であり、同じハッシュ値を持つ2つのメッセージを求めることが事実上不可能であるので、車両ナンバーから車両IDを生成するために必要な演算量を低減しかつ信頼性の高い車両IDを得ることができる。
なお、車両ID生成部12と車両ID生成部21は、図2に示すように1つの車両ID生成部で兼用してもよい。例えば、実施の形態1に係る車両ID生成部は、データを送信する場合、車両ID生成部12として自車の車両ナンバーから車両IDを生成し、データを受信した場合には、車両ID生成部21として周辺画像から抽出された車両4の周辺車両の車両ナンバーから車両IDを生成する。
なお、通信部13および通信部22についても、図2に示すように、1つの通信部で兼用してもよい。例えば、実施の形態1に係る通信部は、通信部13として通信データを送信し、通信部22としてデータを受信する。
まず、所定の輝度レベルを基準として、周辺映像(周辺画像)を二値化画像に変換し、二値化画像を水平方向に順に走査していき、車両ナンバープレートの画像領域に対応する濃淡変化を抽出する。抽出した画像領域に数字や文字のパターンとパターンマッチングを行って、車両ナンバーを特定する。特定された車両ナンバーは、車両ナンバー取得部23から車両ID生成部21へ出力される。
図3は、実施の形態1に係る車車間通信を示すフローチャートであり、図3に沿って通信装置1と通信装置2が車車間通信で車両データ(車両3の車両データ)をやり取りする動作について説明する。
まず、通信装置1の通信部13が、自車両(車両3)の車両データをデータ記憶部10から読み出し、自車両の車両IDを自車両ナンバー記憶部11から読み出す(ステップST1)。なお、この車両IDは、車両ID生成部12が所定のハッシュ関数を用いて自車両の車両ナンバーを処理して算出しておいたハッシュ値である。また、車両データは、車両データ取得提供部14が一定周期ごとに取得した車速、ブレーキ信号、ウィンカ信号等である。
次に、通信部13は、データ記憶部10から読み出された車両3の車両データに自車両の車両IDを付随させた通信データを通信装置2へ送信する(ステップST2)。
次いで、通信部22が、通信装置1が送信した通信データを受信すると、当該通信データから車両IDを取り出して受信データ判断部24に出力し、当該通信データの残りのデータ(車両3の車両データ)をデータ記憶部20に記憶する(ステップST3a)。
双方の車両IDが一致した場合(ステップST4a;YES)、受信データ判断部24は、ステップST3aでデータ記憶部20に記憶した車両データが、実在する車両に搭載された通信装置が送信したデータであると判断し、当該通信データから取得された車両IDを、当該車両データに対応付けてデータ記憶部20に記憶する(ステップST5a)。
次に、車両データ取得提供部25は、データ記憶部20に記憶された通信データ(車両3の車両データ)を外部の他機器へ提供する(ステップST6a)。例えば、自車両(車両4)の車両制御装置への入力データとして利用する。
このように、車両ごとに固有な車両ナンバーを実際に取得して、この車両ナンバーから生成した車両IDを通信データの真偽判断に利用するので、特許文献1のように通信相手のIDを最初から持つ必要がない。また、車両ID同士の比較で検証することから、特許文献2のように解読処理を行う必要がなく、さらに車両に固有な情報(車両ナンバー)を使用するので、通信相手の検証に要する負荷が軽減され、かつその信頼性を向上できる。
実施の形態2は、上記実施の形態1の構成に、GPS(Global Positioning System)位置情報取得部およびテレマティクス通信部を追加した態様について述べる。
図4は、この発明の実施の形態2に係る通信装置(車両データの送信側)の構成を示すブロック図である。図5は、実施の形態2に係る通信装置(車両データの受信側)の構成を示すブロック図である。また、図6は、実施の形態2に係る通信装置の構成を示すブロック図である。なお、実際には、図4および図5に示す通信装置1A,2Aについても、図6に示す構成を有している。
つまり、図4では、車両3に搭載された通信装置1Aが、車車間通信で車両データを送信する場合を示しており、図5では、車両4に搭載された通信装置2Aが、車車間通信で車両データを受信する場合を示している。
そこで、図4および図5を用いた説明の簡単のために、通信装置1Aは、車車間通信でデータを送信する構成のみを示し、通信装置2Aは、車車間通信でデータを受信する構成のみを示している。なお、図4、図5および図6において、図1〜3と同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
また、GPS位置情報取得部26は、GPS衛星から、自車両(車両4)の現在座標位置(GPS位置情報)を取得する。なお、GPS位置情報取得部15,26は、通信装置1A,2Aと同一筐体ではなく、GPS受信機として別筐体で設けてもよい。
以降では、GPS位置情報で車両位置を特定する場合を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、車両の位置を特定することができる情報であれば、ジャイロなどの情報を利用してもかまわない。
テレマティクス通信部27は、サーバ装置6から受信したプローブ情報(GPS位置情報と車両ナンバー)およびGPS位置情報取得部26が取得したGPS位置情報に基づいて、自車両(車両4)の周辺に存在する車両の車両ナンバーを取得する。
なお、テレマティクス通信部16およびテレマティクス通信部27は、図6に示すように、1つのテレマティクス通信部で兼用してもよい。
例えば、実施の形態2に係るテレマティクス通信部は、テレマティクス通信部16としてプローブ情報をサーバ装置6へアップリンクし、テレマティクス通信部27としてプローブ情報をサーバ装置6からダウンリンクする。
図7は、実施の形態2に係る車車間通信を示すフローチャートであり、図7に沿って通信装置1Aと通信装置2Aが車車間通信で車両データ(車両3の車両データ)をやり取りする動作について説明する。
まず、通信装置1AのGPS位置情報取得部15は、GPS衛星から、自車両(車両3)の現在座標位置(GPS位置情報)を取得する(ステップST1b)。
テレマティクス通信部16は、GPS位置情報取得部15が取得したGPS位置情報と、自車両ナンバー記憶部11から読み出した自車両(車両3)の車両ナンバーとをサーバ装置6へアップリンクする(ステップST2b)。
次に、通信部13は、データ記憶部10から読み出された車両3の車両データに自車両の車両IDを付随させた通信データを、通信装置2Aへ送信する(ステップST4b)。
次に、サーバ装置6は、GPS位置情報を含む周辺車両の車両ナンバー要求を受信すると、当該要求に含まれるGPS位置情報に基づいて、ステップST1cで記憶した車両ナンバーを検索し、当該要求に応じた車両ナンバーを抽出する(ステップST2c)。
例えば、検索要求に含まれるGPS位置情報が示す地点(緯度経度)を中心として所定の距離範囲内にある地点に対応する車両ナンバーを抽出する。なお、所定の距離範囲は、運転支援サービスの内容に依存する。
また、サーバ装置6が、逐次アップリンクされる車両のGPS位置情報およびその車両ナンバーと地図データを用いて、車両ごとの道路上での移動方向を把握することにより、車両4(要求元の通信装置2Aを搭載する車両)が走行可能な道のりに位置する車両の車両ナンバーを検索するようにしてもよい。
この後、サーバ装置6は、検索結果の車両ナンバーを要求元の通信装置へ送信する(ステップST3c)。
次に、テレマティクス通信部27は、GPS位置情報取得部26が取得したGPS位置情報に基づいて、自車両(車両4)の周辺に存在する車両の車両ナンバーを要求する(ステップST2d)。ここでは、テレマティクス通信部27が、車両4のGPS位置情報を含む車両ナンバー要求を生成してサーバ装置6へ送信する。
車両ID生成部21は、テレマティクス通信部27にダウンリンクされた車両ナンバーを所定のハッシュ関数で処理してハッシュ値(車両ID)を算出する(ステップST3d)。算出されたハッシュ値は、受信データ判断部24に出力される。
次いで、通信部22が、ステップST4bで通信装置1Aが送信した通信データを受信すると、当該通信データから車両IDを取り出して受信データ判断部24に出力し、当該通信データの残りのデータ(車両3の車両データ)をデータ記憶部20に記憶する(ステップST4d)。
双方の車両IDが一致した場合(ステップST5d;YES)、受信データ判断部24は、ステップST4dでデータ記憶部20に記憶した車両データが、実在する車両に搭載された通信装置が送信したデータであると判断し、当該通信データから取得された車両IDを、当該車両データに対応付けてデータ記憶部20に記憶する(ステップST6d)。
次に、車両データ取得提供部25は、データ記憶部20に記憶された通信データ(車両3の車両データ)を外部の他機器へ提供する(ステップST7d)。例えば、自車両(車両4)の車両制御装置への入力データとして利用する。
この実施の形態3では、上記実施の形態1の構成に、電子ナンバープレートを追加した態様について述べる。
図8は、この発明の実施の形態3に係る通信装置(車両データの受信側)の構成を示すブロック図である。図8では、車両4に搭載された通信装置2Bが、車車間通信で通信装置1Bから車両データを受信する場合を示している。実際には、通信装置1Bおよび通信装置2Bも同一の構成を有している。すなわち、上記実施の形態1で示した図2における車両ナンバー取得部23の代わりに、電子ナンバー取得部28が設けられる。
以降では、図8を用いた説明の簡単のために、図8の通信装置2Bについては、車車間通信でデータを受信する構成のみを示している。なお、図8において、図1〜3と同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
電子ナンバー取得部28は、DSRC(5.8GHz帯)などの無線通信を介して電子ナンバープレート7からその車両ナンバーを取得する構成部である。電子ナンバー取得部28に取得された車両ナンバーは、車両ID生成部21に入力されて車両IDが生成される。
図9は、実施の形態3に係る車車間通信を示すフローチャートであり、図9に沿って通信装置1Bと通信装置2Bが車車間通信で車両データ(車両3の車両データ)をやり取りする動作について説明する。
まず、車両3の電子ナンバープレート7が、無線通信を介して車両3の車両ナンバーを送信する(ステップST1e)。
次に、車両3が搭載する通信装置1Bの通信部13が、車両3の車両データをデータ記憶部10から読み出し、自車両の車両IDを自車両ナンバー記憶部11から読み出す(ステップST2e)。車両IDは、車両ID生成部12が自車両の車両ナンバーを所定のハッシュ関数で処理して算出したハッシュ値である。また、車両データは、車両データ取得提供部14が一定周期ごとに取得した車速、ブレーキ信号、ウィンカ信号等である。
続いて、通信部13は、データ記憶部10から読み出された車両3の車両データに自車両の車両IDを付随させた通信データを通信装置2Bへ送信する(ステップST3e)。
次に、車両ID生成部21が、電子ナンバー取得部28が取得した車両ナンバーを所定のハッシュ関数で処理して得られるハッシュ値(車両ID)を算出する(ステップST2f)。算出されたハッシュ値は、受信データ判断部24に出力される。
双方の車両IDが一致した場合(ステップST4f;YES)、受信データ判断部24は、ステップST3fでデータ記憶部20に記憶した車両データが、実在する車両に搭載された通信装置が送信したデータであると判断し、当該通信データから取得された車両IDを、当該車両データに対応付けてデータ記憶部20に記憶する(ステップST5f)。
次に、車両データ取得提供部25は、データ記憶部20に記憶された通信データ(車両3の車両データ)を外部の他機器へ提供する(ステップST6f)。例えば、自車両(車両4)の車両制御装置への入力データとして利用する。
この実施の形態4では、上記実施の形態1および上記実施の形態2の構成を組み合わせた態様について述べる。
図10は、この発明の実施の形態4に係る通信装置(車両データの受信側)の構成を示すブロック図である。図10では、車両4に搭載された通信装置2Cが、車車間通信で通信装置1Cから車両データを受信する場合を示している。実際には、通信装置1Cおよび通信装置2Cも同一の構成を有している。すなわち、実施の形態4に係る通信装置1C,2Cは、上記実施の形態1で図2を用いて示した構成と上記実施の形態2で図6を用いて示した構成とを組み合わせている。
以降では、図10を用いた説明の簡単のため、図10の通信装置2Cについては、車車間通信でデータを受信する構成のみを示している。なお、図10において図1〜3と同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
図11は、実施の形態4に係る車車間通信を示すフローチャートであり、図11に沿って通信装置1Cと通信装置2Cが車車間通信で車両データ(車両3の車両データ)をやり取りする動作について説明する。
まず、通信装置1CのGPS位置情報取得部15が、GPS衛星から、自車両(車両3)の現在座標位置(GPS位置情報)を取得する(ステップST1g)。
テレマティクス通信部16は、GPS位置情報取得部15が取得したGPS位置情報と自車両ナンバー記憶部11から読み出した自車両(車両3)の車両ナンバーとをサーバ装置6へアップリンクする(ステップST2g)。
次に、通信部13は、データ記憶部10から読み出された車両3の車両データに自車両の車両IDを付随させた通信データを、通信装置2Cへ送信する(ステップST4g)。
例えば、検索要求に含まれるGPS位置情報が示す地点(緯度経度)を中心として所定の距離範囲内にある地点に対応する車両ナンバーを抽出する。なお、所定の距離範囲は、運転支援サービスの内容に依存する。また、サーバ装置6が、ナビゲーションシステムが使用する地図データとGPS位置情報に基づいて、車両4(要求元の通信装置2Cを搭載する車両)が走行可能な道のりに位置する車両の車両ナンバーを検索してもよい。
この後、サーバ装置6は、検索結果の車両ナンバーを要求元の通信装置へ送信する(ステップST3h)。
次に、テレマティクス通信部27は、GPS位置情報取得部26が取得したGPS位置情報に基づいて、車両4の周辺に存在する車両の車両ナンバーを要求する(ステップST2i)。ここでは、テレマティクス通信部27が、車両4のGPS位置情報を含む周辺車両の車両ナンバー要求を生成してサーバ装置6へ送信する。
また、通信装置2Cの車両ナンバー取得部23は、車載カメラ5が撮影した自車両(車両4)の周辺映像(周辺画像)から、周辺車両の車両ナンバーを特定して収集する(ステップST3i)。
次いで、通信部22は、ステップST4gで通信装置1Cが送信した通信データを受信すると、当該通信データから車両IDを取り出して受信データ判断部24に出力し、当該通信データの残りのデータ(車両データ)をデータ記憶部20に記憶する(ステップST5i)。
車両IDが一致した場合(ステップST6i;YES)、受信データ判断部24は、ステップST5iでデータ記憶部20に記憶した車両データが、実在する車両に搭載された通信装置が送信したデータであると判断し、当該通信データから取得された車両IDを、当該車両データに対応付けてデータ記憶部20に記憶する(ステップST7i)。
通信データから取り出した車両IDと一致した車両IDが複数ある場合(ステップST8i;YES)、受信データ判断部24は、車両ID生成部21が当該車両IDを生成する際に利用した車両ナンバーが取得された情報ソースから想定される自車両と他車両との位置関係に応じて、通信データ(車両データ)の提供順序に関する優先度を付与する。
車両データ取得提供部25は、受信データ判断部24が付与した優先度に従ってデータ記憶部20から通信データ(車両データ)を読み出し、優先度の高い車両データから外部の他機器へ提供する(ステップST9i)。
ここでは、車両ナンバーを取得した情報ソースが、車載カメラ5に撮影された周辺画像であると、この周辺画像から車両ナンバー取得部23が取得した車両IDと一致する車両IDとともに送信されてきた通信データに対して最も高い優先度が付与され、車両データ取得提供部25は、この通信データを優先して他機器(例えば、自車両の安全運転支援を行う車両制御装置)へ提供する。
これは、車両ナンバーを取得した情報ソースが周辺画像である場合、当該通信データを送信してきた通信装置を搭載する車両が、自車両の車載カメラ5の撮影範囲内にあって、自車両の近辺に存在する確率が高いため、自車両の安全運転支援に有用な通信データ(車両データ)を提供していると考えられるからである。例えば、自車両と他車両との位置関係として当該他車両が自車両の車載カメラ5の撮影範囲内にあると、当該他車両が自車両にかなり接近しており、当該他車両の通信装置1Cが衝突の危険を示す車両データを送信している可能性がある。
また、もう一つの情報ソースであるサーバ装置6は、アップリンクされた車両ナンバーを、車両のGPS位置情報に対応付けて記憶している。GPS位置情報はその誤差を考慮すると、他車両と自車両との大まかな位置関係を判別できるが、上述のように自車両の車載カメラ5の撮影範囲に他車両があるかどうかを判別できるほどの精度を有していない。このため、確実に他車両が自車両の近傍に存在することを特定できる周辺画像を、最も優先度が高い情報ソースとする。
すなわち、実施の形態4のように車両ナンバーの取得手段が複数ある場合に、これらの取得手段が車両ナンバーをそれぞれ取得する情報ソースから想定される自車両と他車両との位置関係をあらかじめ判別しておき、他車両が自車両から近い順に高い優先度を設定しておく。
また、通信部22が受信した通信データから取り出した車両IDと、ステップST4iで車両ID生成部21が生成した車両IDとが一致しなかった場合(ステップST6i;NO)、受信データ判断部24は、ステップST5iでデータ記憶部20に記憶した車両データが実在する車両に搭載された通信装置が送信したデータではないと判断して、当該車両IDを破棄するとともに、データ記憶部20に記憶しておいた車両データを破棄する(ステップST11i)。
このように構成することで、車車間通信で複数の実在する車両から通信データが送信された場合、自車両にとって優先すべきと予想される通信データを提供することができる。
この場合も、受信データ判断部24が、周辺車両の車両ナンバーの取得手段(車両ナンバー取得部23、テレマティクス通信部27、電子ナンバー取得部28)のうち、これらの取得手段が車両ナンバーをそれぞれ取得する情報ソース(周辺画像、GPS位置情報、電子ナンバープレート7)が自車両の近傍に関するものであるか否かを判別して、自車両からの近さに応じて優先度を設定しておく。
例えば、安全運転支援を行う場合に、自車両からの近さに応じて、車載カメラ5の撮影範囲内で車両ナンバーを取得する車両ナンバー取得部23、電子ナンバープレート7との無線通信が可能な範囲内で車両ナンバーを取得する電子ナンバー取得部28、GPS位置情報で自車両との位置関係が特定される車両の車両ナンバーをサーバ装置6から取得するテレマティクス通信部27の順で、これらの取得手段が取得した車両ナンバーから生成した車両IDと一致する車両IDとともに送信されてきた通信データに優先度を付与する。
Claims (6)
- 自車両に搭載され、他車両に搭載された通信装置と車車間通信を行う通信装置において、
前記他車両の車両ナンバーを取得するナンバー取得部と、
車両ナンバーから、少なくとも自車両の周辺を走行する他車両を一意に特定可能な車両IDを生成する車両ID生成部と、
前記車両ID生成部が前記自車両の車両ナンバーから生成した車両IDを通信データに加えて送信する通信部と、
前記通信部が受信した通信データにおける通信相手の他車両の車両IDと、前記ナンバー取得部が取得した車両ナンバーから前記車両ID生成部が生成した車両IDとを比較した結果に応じて、前記通信データの真偽を判断する受信データ判断部とを備え、
前記車両ID生成部は、数字および文字を含む車両ナンバーをハッシュ関数で処理して得られるハッシュ値であって、前記自車両および前記他車両ごとに固有なハッシュ値を車両IDとして算出する
ことを特徴とする通信装置。 - 自車両周辺を撮影する撮影部を備え、
前記ナンバー取得部は、前記撮影部が撮影した画像から自車両周辺の他車両の車両ナンバーを取得する
ことを特徴とする請求項1記載の通信装置。 - 自車両の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、
前記ナンバー取得部は、
自車両および他車両の位置情報を車両ナンバーに対応付けて記憶するサーバ装置とテレマティクス通信を行う機能を有し、
テレマティクス通信を介して、前記位置情報取得部が取得した自車両の位置情報を含む車両ナンバー要求を行い、当該車両ナンバー要求に含まれる自車両の位置情報に基づいて前記サーバ装置により検索された自車両周辺の他車両の車両ナンバーを取得する
ことを特徴とする請求項1記載の通信装置。 - 前記ナンバー取得部は、無線通信を介して通信相手の他車両に搭載された電子ナンバープレートから前記通信相手の他車両の車両ナンバーを取得することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
- 前記受信データ判断部により真と判断された通信データを、当該通信データを利用する外部機器へ提供するデータ提供部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の通信装置。
- 前記受信データ判断部により真と判断された通信データを、当該通信データを利用する外部機器へ提供するデータ提供部を備え、
前記ナンバー取得部は、
複数の情報ソースから前記他車両の車両ナンバーをそれぞれ取得し、
前記受信データ判断部は、
前記通信部が受信した通信データにおける通信相手の他車両の車両IDが、前記ナンバー取得部が前記複数の情報ソースからそれぞれ取得した車両ナンバーを基に前記車両ID生成部が生成した複数の車両IDと一致する場合、前記ナンバー取得部が当該車両ナンバーを取得した情報ソースから想定される前記自車両と前記他車両との位置関係に応じて、前記通信データを提供する順序に関する優先度を付与し、
前記データ提供部は、
前記受信データ判断部が付与した優先度に従って前記通信データを外部機器へ提供する
ことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
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