JP5765275B2 - 圧電アクチュエータの性能検査方法及び液体吐出装置 - Google Patents

圧電アクチュエータの性能検査方法及び液体吐出装置 Download PDF

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Description

本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置に用いられる圧電アクチュエータの性能検査方法、及び、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置に関する。
特許文献1に記載のインクジェットヘッドでは、キャビティユニットが、内部にノズルやノズルに連通する圧力室などのインク流路と、インク流路とは別に設けられた空所と、圧力室及び上記空所を覆う振動板としての圧電層とを有している。また、圧電アクチュエータが、上記圧電層の上面に積層された第1、第2の圧電層と、第1の圧電層と第2の圧電層との間に複数の圧力室及び上記空所にまたがって連続的に形成された共通電極と、第1の圧電層の上面の圧力室と対向する部分にそれぞれ形成された複数の個別電極と、第2圧電層の下面、第1の圧電層と第2の圧電層との間の上記空間と重なる部分、及び、第1の圧電層の上面の上記空間と重なる部分に、それぞれ設けられた、検査用駆動電極と、を備えている。
特許文献1に記載されているような、キャビティユニットと圧電アクチュエータとが積層されたインクジェットでは、振動板としての圧電層の厚みのばらつき、第1、第2圧電層の厚みのばらつき、キャビティユニットと圧電アクチュエータとを接合する接着剤の厚みのばらつきなどによって、圧電アクチュエータの駆動特性が変動することがある。そこで、特許文献1では、圧電アクチュエータの、振動板としての圧電層、第1、第2の圧電層の上記空所と重なる部分、及び、検査用駆動電極を用いて、第1、第2圧電層の静電容量を測定する、あるいは、圧電アクチュエータの上記空所と重なる部分の共振周波数を測定するなどして、圧電アクチュエータの合否を判定している。
特開2010−155407号公報
ここで、特許文献1において、圧電アクチュエータの上記空所と重なる部分の共振周波数を測定することによって、圧電アクチュエータの合否を判定する場合には、検査用電極に、圧電アクチュエータの当該部分を共振させるための電圧を印加する必要がある。このとき、例えば、電源などに接続されたプローブを検査用電極と導通したパッドに接触させることによって、検査用電極に電圧を印加する。なお、検査用駆動電極に直接プローブを接触させずに、検査用電極と導通したパッドにプローブを接触させるのは、仮に、検査用駆動電極に直接プローブを接触させて検査用電極に電圧を印加すると、プローブによって圧電アクチュエータの当該部分の共振が妨げられてしまい、共振周波数を正確に測定することができないためである。
そして、この場合には、第1の圧電層の上面に、検査用駆動電極と導通した、プローブを接触させるためのパッドを形成する必要がある。この場合、第1の圧電層の上面にこのようなパッドを設けるスペースを設けると、圧電アクチュエータの大きさが大きくなってしまう。
本発明の目的は、圧電アクチュエータを大型化させることなく、共振周波数を検出して圧電アクチュエータの性能検査を行うことが可能な圧電アクチュエータの性能検査方法、及び、圧電アクチュエータの大型化させることなく、共振周波数を検出して圧電アクチュエータの性能検査を行うことが可能な液体吐出装置を提供することである。
第1の発明に係る液体吐出装置は、ノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室と別に設けられた検査用空間と、を有する流路ユニットと、前記圧力室と前記検査用空間とを覆う第1の層と、圧電材料からなり、前記第1の層の前記圧力室と反対側の面に配置されており、前記圧力室と前記検査用空間とにまたがって連続的に延びた第2の層と、前記第2の層の前記第1の層と反対側の面の前記圧力室と重なる部分に形成された駆動用電極と、前記第2のの前記第1の層と反対側の面の前記検査用空間と重なる部分に形成されているとともに、前記駆動用電極と導通した検査用電極と、前記第2の層の前記第1の層と反対側の面の前記駆動用電極と前記検査用電極との間に配置されており、前記駆動用電極と前記検査用電極とを導通させる導通部と、を有する圧電アクチュエータと、を備えており、前記第2の層の前記第1の層と反対側の面において前記駆動用電極と前記検査用電極とを結ぶ方向と直交する方向に関して、前記導通部の長さは前記検査用電極の長さよりも短いことを特徴とする。
第3の発明に係る液体吐出装置は、ノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室と別に設けられた検査用空間と、を有する流路ユニットと、前記圧力室と前記検査用空間とを覆う第1の層と、圧電材料からなり、前記第1の層の前記圧力室と反対側の面に配置されており、前記圧力室と前記検査用空間とにまたがって連続的に延びた第2の層と、 前記第2の層の前記第1の層と反対側の面の前記圧力室と重なる部分に形成された駆動用電極と、前記第2の層の前記検査用空間と重なる部分に形成されているとともに、前記駆動用電極と導通した検査用電極と、を有する圧電アクチュエータと、を備えており、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記圧力室のサイズと前記検査用空間のサイズとが互いに異なっていることにより、前記圧電アクチュエータの前記圧力室と重なる部分である駆動部の共振周波数と、前記圧電アクチュエータの前記検査用空間と重なる部分である検査部の共振周波数とが異なっており、前記検査部の1次振動モードにおける共振周波数が、前記駆動部の1次振動モードにおける共振周波数と2次振動モードにおける共振周波数との中間の周波数となることを特徴とする。
の発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法は、ノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、を有する流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、を備えた液体吐出装置における圧電アクチュエータの性能検査方法であって、前記流路ユニットは、前記圧力室とは別に設けられた検査用空間、をさらに備え、前記圧電アクチュエータは、前記圧力室と前記検査用空間とを覆う第1の層と、圧電材料からなり、前記第1の層の前記圧力室と反対側の面に配置されており、前記圧力室と前記検査用空間とにまたがって連続的に延びた第2の層と、前記第2の層の前記第1の層と反対側の面の前記圧力室と重なる部分に形成された駆動用電極と、前記第2の層の前記検査用空間と重なる部分に形成されているとともに、前記駆動用電極と導通した検査用電極と、を備え、前記検査用電極に電圧を印加するとともに、当該電圧の周波数を変化させることによって、前記圧電アクチュエータの前記検査用空間と重なる部分である検査部の共振周波数を検出する共振周波数検出工程と、前記共振周波数検出程において検出した共振周波数から、前記圧電アクチュエータの前記圧力室と重なる部分である駆動部が所定の性能を有するものであるか否かを判定する判定工程と、を備え、前記共振周波数検出工程において、前記検査用電極に電圧を印加するためのプローブを前記駆動電極に接触させることによって、前記検査用電極に電圧を印加することを特徴とする。
これらの発明によると、駆動用電極にプローブを接触させて、駆動用電極と導通した検査用電極に電圧を印加することによって、圧電アクチュエータの検査用空間と重なる部分である検査部の共振周波数を検出することができ、検出された共振周波数に基づいて、圧電アクチュエータの圧力室と重なる部分である駆動部が所定の性能を有するものであるか否かの判定を行うことができる。
また、このとき、駆動用電極を、プローブを接触させるためのパッドとして用いているため、別途専用のパッドを設ける必要がなく、圧電アクチュエータの大型化を抑制することができる。特に、圧電アクチュエータが駆動部を複数有するものであり、駆動部に対して個別に検査部が設けられる場合には、別途専用のパッドを設けると、圧電アクチュエータの大型化は顕著なものとなる。しかしながら、本発明では、このような場合に、駆動用電極をパッドとして利用することにより、圧電アクチュエータの大型化を特に効果的に抑制することができる。
第2の発明に係る液体吐出装置は、第1の発明に係る液体吐出装置において、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記圧力室のサイズと前記検査用空間のサイズとが互いに異なっていることにより、前記圧電アクチュエータの前記圧力室と重なる部分である駆動部の共振周波数と、前記圧電アクチュエータの前記検査用空間と重なる部分である検査部の共振周波数とが異なっていることを特徴とする。
の発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法は、第の発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法において、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記圧力室のサイズと前記検査用空間とのサイズが異なっていることによって、前記駆動部の共振周波数と前記検査部の共振周波数とが異なっていることを特徴とする。
これらの発明によると、駆動部の共振周波数と検査部の共振周波数とが異なっているため、検査部を共振させたときに駆動部が共振してしまうのを防止することができる。これにより、検査部の共振周波数を検出する際に、第2の層の駆動部を形成する部分にクラックが入ってしまうのを防止することができる。
10の発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法は、第又は第の発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法において、前記共振周波数検出工程において、前記検査部の共振周波数を含み、且つ、前記駆動部の共振周波数を含まない範囲で前記検査用電極に印加する電圧の周波数を変化させることを特徴とする。
本発明によると、検査部の共振周波数を検出する際に、駆動部が共振してしまうのを確実に防止することができる。なお、駆動部や検査部の共振周波数は、圧力室及び検査用空間のサイズや、第1の層及び第2の層の厚みなどから、予めどの程度の値になるかを推定することができる。したがって、検査用電極に印加する電圧の周波数を推定される共振周波数の近傍で変化させれば、検査部の共振周波数を含み、且つ、駆動部の共振周波数を含まない範囲で検査用電極に印加する電圧の周波数を変化させることができる。
第1の発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法は、第〜第10のいずれかの発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法において、前記検査用電極が、前記第2の層の前記第1の層と反対側の面に形成されており、前記共振周波数検出工程の後、前記検査用電極の前記第1の層と反対側の面に、配線部材との接続を行うためのバンプを形成するバンプ形成工程をさらに備えていることを特徴とする。
本発明によると、検査用電極を、検査部の共振周波数を検出した後に、配線部材との接続を行うためのバンプが形成される接続端子として利用するため、別途接続端子を設ける必要がなく、圧電アクチュエータの大型化を抑えることができる。特に、圧電アクチュエータが駆動部を複数有するものであり、駆動部に対して個別に検査部を設けるような場合には、別途接続端子を設けると、圧電アクチュエータの大型化は顕著なものとなる。しかしながら、本発明では、このような場合に、検査用電極を接続端子として利用することにより、圧電アクチュエータの大型化を特に効果的に抑制することができる
の発明に係る液体吐出装置は、第13のいずれかの発明に係る液体吐出装置において、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記検査用空間が円形であることを特徴とする。
第1の発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法は、第〜第1のいずれかの発明に係る圧電アクチュエータの性能検査において、検査用空間が、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て円形であることを特徴とする。
これらの発明によると、検査用電極に印加する電圧の周波数を変化させて検査部の共振周波数を検出するときに出力される電流値のピークが鋭くなる。したがって、検査部の共振周波数を検出しやすい。
の発明に係る液体吐出装置は、第1〜第のいずれかの発明に係る液体吐出装置において、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記検査用空間の形状と、前記検査用電極の形状とが相似になっていることを特徴とする。
第1の発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法は、第〜第1のいずれかの発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法において、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記検査用空間の形状と、前記検査用電極の形状とが相似になっていることを特徴とする。
これらの発明によると、検査用電極に印加する電圧の周波数を変化させて検査部の共振周波数を検出するときに出力される電流値のピークが鋭くなる。したがって、検査部の共振周波数を検出しやすい。
の発明に係る液体吐出装置は、第1〜第のいずれかの発明に係る液体吐出装置において、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記検査用電極は、前記検査用空間よりも小さいことを特徴とする。
第1の発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法は、第〜第1のいずれかの発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法において、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記検査用電極が、前記検査用空間よりも小さいことを特徴とする。
これらの発明によると、検査部を共振させたときの検査部の変形量を大きくすることができる。したがって、検査部の共振周波数を検出しやすい。
第1の発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法は、第又は第10の発明に係る圧電アクチュエータの性能検査において、前記検査部の1次振動モードにおける共振周波数が、前記駆動部の1次振動モードにおける共振周波数と2次振動モードにおける共振周波数との間の周波数となるものであって、前記共振周波数検出工程において、前記検査部の1次振動モードにおける共振周波数を検出することを特徴とする。
本発明によると、検査部の1次振動モードにおける共振周波数が、駆動部の1次振動モードにおける共振周波数と2次振動モードにおける共振周波数の間の周波数となっているため、検査部の共振周波数として、1次振動モードにおける共振周波数を検出することにより、駆動部が共振してしまうことがない。
の発明に係る液体吐出装置は、第1〜第のいずれかの発明に係る液体吐出装置において、複数の前記圧力室が、一方向に沿って配列されており、前記検査用空間は、前記一方向と直交する方向に関して、前記圧力室に隣接する位置に設けられていることを特徴とする。
第1の発明に係る圧電アクチュエータの性能検査は、第〜第1のいずれかの発明に係る圧電アクチュエータの性能検査方法において、前記流路ユニットが、前記圧力室を複数備え、前記圧電アクチュエータが、複数の前記圧力室に対応する複数の駆動用電極を備えており、複数の前記圧力室が、一方向に沿って配列されており、前記検査用空間は、前記一方向と直交する方向に関して、複数の前記圧力室のうち少なくとも1つに隣接する位置に設けられていることを特徴とする。
これらの発明によると、検査用空間が複数の圧力室が配列される一方向と直交する方向に関して圧力室に隣接する位置に設けられるため、検査用空間を形成した場合でも、複数の圧力室の配列間隔が大きくなることはない。
本発明によれば、駆動用電極にプローブを接触させて、駆動用電極と導通した検査用電極に電圧を印加することによって、圧電アクチュエータの検査用空間と重なる部分である検査部の共振周波数を検出することができ、検出された共振周波数に基づいて、圧電アクチュエータの圧力室と重なる部分である駆動部が所定の性能を有するものであるか否かの判定を行うことができる。
また、このとき、駆動用電極を、プローブを接触させるためのパッドとして用いているため、別途専用のパッドを設ける必要がなく、圧電アクチュエータの大型化を抑制することができる。特に、圧電アクチュエータが駆動部を複数有するものであり、駆動部に対して個別に検査部が設けられる場合には、別途専用のパッドを設けると、圧電アクチュエータの大型化は顕著なものとなる。しかしながら、本発明では、このような場合に、駆動用電極をパッドとして利用することにより、圧電アクチュエータの大型化を特に効果的に抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 プリンタの製造工程を示すフローチャートである。 検査部の共振周波数を検出しているときの状態を示す図である。 駆動用電極及び検査用電極に印加される電圧の周波数と、出力される電流との関係を示す図である。 図5の圧電アクチュエータの性能を判定する工程を示すフローチャートである。 一変形例における図2相当の図である。 図8の変形例における図3相当の図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るプリンタ1は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3、用紙搬送ローラ4などを備えている。キャリッジ2は、ガイドバー5に沿って走査方向に往復移動する。インクジェットヘッド3はキャリッジ2に搭載されており、その下面に形成された複数のノズル15(図2参照)からインクを吐出する。用紙搬送ローラ4は、記録用紙Pを走査方向と直交する紙送り方向に搬送する。
そして、プリンタ1においては、用紙搬送ローラ4によって紙送り方向に搬送される記録用紙Pに、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッドからインクを吐出することによって、記録用紙Pに印刷を行う。また、印刷が完了した記録用紙Pは、用紙搬送ローラ4によって排出される。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。インクジェットヘッド3は、図2、図3に示すように、ノズル15や後述の圧力室10などのインク流路が形成された流路ユニット21と、圧力室10内のインクに圧力を付与するための圧電アクチュエータ22とを備えている。
流路ユニット21は、4枚のプレート31〜34が、上からこの順に積層された状態で、接着剤により互いに接合されることによって形成されている。ここで、4枚のプレート31〜34のうち、最も下方に配置されたプレート34を除く3枚のプレート31〜33はステンレスなどの金属材料などからなる。また、プレート34は合成樹脂材料からなる。あるいは、プレート34もプレート31〜33と同じ金属材料からなるものであってもよい。
プレート31には、複数の圧力室10が形成されている。圧力室10は走査方向を長手方向とする略長方形の平面形状を有している。また、複数の圧力室10は、紙送り方向に配列されることによって圧力室列9を形成しており、プレート31には、このような圧力室列9が走査方向に2列に配列されている。また、プレート31には、各圧力室10の走査方向の外側に隣接する部分に、それぞれ、略円形の平面形状を有する検査用空間17が形成されている。
プレート32には、圧力室10の長手方向外側及び内側の端部と重なる部分に、それぞれ、略円形の貫通孔12、13aが形成されている。プレート33には、マニホールド流路11が形成されている。マニホールド流路11は、圧力室列9に沿って紙送り方向に2列に延びており、圧力室10の走査方向に関する貫通孔12側の略半分と重なっている。また、2列に延びたマニホールド流路11は、その基端部において互いに連通しており、マニホールド流路11には、その基端部に連通するインク供給口8からインクが供給される。また、プレート33には、貫通孔13aと重なる部分に略円形の貫通孔13bが形成されている。プレート34には、貫通孔13bと重なる部分にノズル15が形成されている。
そして、以上のような流路ユニット21においては、マニホールド流路11が貫通孔12を介して複数の圧力室10と連通しており、各圧力室10は、対応する貫通孔13a、13bによって形成されるディセンダ流路13を介してノズル15に連通している。これにより、流路ユニット21には、マニホールド流路11と、マニホールド流路11の出口から圧力室10を経てノズル15に至る複数の個別インク流路が形成されている。なお、検査用空間17は、これらのインク流路とは連通しない独立した空間となっている。
圧電アクチュエータ22は、インク分離層41、セラミックス層42、圧電層43、共通電極44、複数の個別電極45、複数の検査用電極46などを備えている。
インク分離層41は、ステンレスなどの金属材料からなる板状の部材で、圧力室10及び検査用空間17を覆うように、接着剤によってプレート31の上面に接合されている。インク分離層41は、圧力室10内のインクがセラミックス層42に接触しないようにするためのものである。セラミックス層42は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、インク分離層41の上面に接着剤26によって接合されている。圧電層43は、セラミックス層42と同様の圧電材料からなり、セラミックス層42の上面に配置されている。また、セラミックス層42及び圧電層43は、複数の圧力室10及び複数の検査用空間17にまたがって連続的に延びている。
なお、セラミックス層42は、圧電層43とは異なり、圧電材料以外の材料によって構成されていてもよい。また、互いに積層されたインク分離層41及びセラミックス層42の代わりに1つの部材、あるいは互いに積層された3以上の部材が配置されていてもよい。
ここで、インクジェットヘッド3では、プレート31〜34の間や、プレート31とインク分離層41との間にも接着剤が存在しているが、図4では、図面をわかりやすくするために、上述の接着剤26以外の接着剤については、図示を省略している。
共通電極44は、セラミックス層42と圧電層43との間に形成されており、そのほぼ全域にわたって延びている。共通電極44は、圧電層43に形成されたスルーホール39を介して圧電層43の上面に形成された表面電極38に引き出されている。表面電極38の上面には、圧電層43の上面から上方に突出したバンプ37が形成されている。バンプ37は導電性材料からなり、圧電アクチュエータ22の上方に配置されたFPC50の配線51に接続されている。配線51には、図示しないドライバICが接続されており、共通電極44は、配線51、バンプ37、表面電極38及びスルーホール39を介してドライバICと接続されている。そして、共通電極44は、ドライバICにより、常にグランド電位に保持されている。
複数の個別電極45は、圧力室10よりも一回り小さい略長方形の平面形状を有しており、圧電層43の上面の複数の圧力室10の略中央部と重なる部分に配置されている。複数の検査用電極46は、検査用空間17よりも一回り小さい略円形の平面形状を有しており、圧電層43の上面の複数の検査用空間17の略中央部と重なる部分に配置されている。
ここで、共通電極44、複数の個別電極45及び複数の検査用電極46がこのように配置されているのに対応して、圧電層43の、各個別電極45と共通電極44とに挟まれた部分、及び、各検査用電極46と共通電極44とに挟まれた部分は、その厚み方向に分極されている。
また、圧電層43の上面には、複数の導通部47が設けられている。複数の導通部47は、互いに対応する個別電極45と検査用電極46との間に配置されており、走査方向に延びて個別電極45と検査用電極46とを導通させている。
検査用電極46の上面には、圧電層43の上面から上方に突出したバンプ48が形成されている。バンプ48は導電性材料からなり、圧電アクチュエータ22の上方に配置されたFPC50の配線51に接続されている。配線51には、図示しないドライバICが接続されており、複数の個別電極45は、それぞれ、配線51、バンプ48、導通部47を介してドライバICと接続されている。そして、複数の個別電極45には、ドライバICにより、グランド電位及び駆動電位のいずれかの電位が選択的に付与される。
そして、以上のような構成の圧電アクチュエータ22は、複数の圧力室10と重なる部分が、それぞれ、圧力室10内のインクに圧力を付与するための駆動部22aとなっている。また、検査用空間17と重なる部分が、対応する駆動部22aの性能を検査するための検査部22bとなっている。
ここで、インクジェットヘッド3において、圧電アクチュエータ22を駆動してノズル15からインクを吐出させる方法について説明する。圧電アクチュエータ22においては、予め、ドライバICにより、全ての個別電極45がグランド電位に保持されている。あるノズル15からインクを吐出させる際には、対応する個別電極45の電位を駆動電位に切り換える。すると、圧電層43の当該個別電極45と共通電極44とに挟まれた部分に電圧が印加され、圧電層のこの部分に分極方向と平行な電界が発生する。そして、この電界により、圧電層43のこの部分は、分極方向と直交する水平方向に収縮し、インク分離層41及びセラミックス層42及び圧電層43の圧力室10と重なる部分が全体として圧力室10側に凸となるように変形して、圧力室10の容積が減少する。これにより、圧力室10内のインクの圧力が上昇し、圧力室10に連通するノズル15からインクが吐出される。
次に、プリンタ1の製造方法について図4のフローチャートを用いて説明する。プリンタ1を製造するためには、まず、インクジェットヘッド3を製造する(ステップS101、以下、単にS101などとする)。
次に、S101で製造されたインクジェットヘッド3において、圧電アクチュエータ22の検査部22bの共振周波数を検出する(S102)。具体的には、例えば、図5に示すように、共通電極44に電流検出装置61を接続するとともに、ある検査用電極46に対応する個別電極45に、電圧印加装置62に接続されたプローブ63を接触させる。そして、電圧印加装置62により、プローブ63から個別電極45及び導通部47を介して検査用電極46に電圧を印加するとともに、その周波数を順次変化させ、電流検出装置61により、共通電極44から出力される電流値Ieを検出する。
このとき、図6に示すように、検査用電極46に印加された電圧の周波数が検査部22bの共振周波数となったときに、当該周波数が検査部22bの共振周波数以外の周波数であるときよりも、共通電極44から出力される電流値Ieが極端に大きくなる。このことを利用して、電流値Ieのピークが得られたときに、検査用電極46に印加された電圧の周波数を、検査部22bの共振周波数として検出する。
ここで、駆動部22aについても、上述したのと同様、図6に示すように、個別電極45に印加された電圧の周波数が駆動部22aの共振周波数となったときに、当該周波数が駆動部22aの共振周波数以外の周波数であるときよりも、共通電極44から出力される電流値Idが極端に大きくなる。
そして、本実施の形態では、検査用空間17は圧力室10と平面形状が異なっているため、検査部22bの共振周波数は、駆動部22aの共振周波数とは異なっている。より詳細には、図6に示すように、検査部22bの1次振動モードにおける共振周波数Fe1が、駆動部22aの1次振動モードにおける共振周波数Fd1と、2次振動モードにおける共振周波数Fd2のほぼ中間の周波数となっている。
具体的には、例えば、流路ユニット21において、圧力室10の平面形状が、走査方向に関する長さが800μm程度で、紙送り方向の長さが350μm程度の略矩形となっており、検査用空間17の平面形状が、直径が440μm程度の略円形となっている。また、圧電アクチュエータ22において、インク分離層41の厚みが10μm程度、セラミックス層42及び圧電層43の厚みが、それぞれ、20μm程度となっている。そして、この場合、駆動部22aの1次振動モード及び2次振動モードにおける共振周波数Fd1、Fd2が、それぞれ、1MHz程度、1.5MHz程度となる。これに対して、検査部22bの1次振動モードにおける共振周波数が1.25MHz程度となる。
そして、本実施の形態では、検査部22bの共振周波数として1次振動モードでの共振周波数を検出する。
また、上述の通り、駆動部22aの共振周波数は、圧力室10の形状やサイズ、インク分離層41やセラミックス層42及び圧電層43の厚みなどによって、予め、どの程度の値になるのかを推定することができる。一方、検査部22bの共振周波数も、検査用空間17の形状やサイズ、インク分離層41やセラミックス層42及び圧電層43の厚みなどによって、予め、どの程度の値になるのかを推定することができる。
したがって、上述したように、検査用電極46に印加する電圧の周波数を変化させて、検査部22bの共振周波数を検出する際には、検査部22bの共振周波数が含まれ、且つ、駆動部22aの共振周波数は含まれないと推定される範囲で周波数を変化させる。具体的には、例えば、推定された検査部22bの共振周波数の近傍で検査用電極46に印加する電圧の周波数を変化させる。
上述した方法により、全ての検査部22bについて、共振周波数を順に検出する。そして、次に、検出した共振周波数に応じて、駆動部22aが所定の性能を有しているか否かを判定する(S103)。
上記S103における処理について図7のフローチャートを用いて説明する。S103では、上記S102において検出した複数の検査部22bの共振周波数Fe1が、所定範囲Rに収まっているか否かをそれぞれ判定する(S201)。そして、いずれかの検査部22bの共振周波数が上記所定範囲Rから外れている場合には(S201:NO)、圧電アクチュエータ22が不良品であるとして、当該圧電アクチュエータ22を有するインクジェットヘッド3を廃棄し、又は、当該インクジェットヘッド3を分解してリサイクルするための工程に送り(S202)、フローを終了する。
一方、全ての検査部22bの共振周波数が、上記所定範囲Rに収まっている場合には(S201:YES)、さらに、検査部22bの共振周波数に応じて圧電アクチュエータ22を分類する(S203)。具体的には、例えば、上記所定範囲Rを互いに重ならない複数の範囲に分割し、複数の検査部22bの共振周波数Fe1の平均が、これら複数の範囲のいずれに収まるかによって、圧電アクチュエータ22を分類する。そして、圧電アクチュエータ22の、個別電極45に付与する駆動電位の値や駆動波形は、この分類に応じて予め設定された電位や波形に設定される。そして、S203の後、S104に進む。
S104では、検査用電極46の上面にバンプ48を形成する。続いて、バンプ48に配線部材50の配線51を接続する(S105)。そして、この後、FPC50を接続したインクジェットヘッド3を、インクジェットヘッド3と並行して製造したキャリッジ2に組み付けるなど、プリンタ1の製造のための以降の製造工程に進み(S106)、プリンタ1の完成によってフローを終了する。
以上に説明した実施の形態によると、個別電極45にプローブ63を接触させて、個別電極45と導通した検査用電極46に電圧を印加することによって、検査部22bの共振周波数を検出することができる。そして、検出された共振周波数に基づいて、圧電アクチュエータ22が所定の性能を有するものであるか否かの判定を行うことができる。
また、このとき、個別電極45を、プローブ63を接触させるためのパッドとして用いているため、別途専用のパッドを設ける必要がなく、圧電アクチュエータ22の大型化を抑制することができる。
特に、本実施の形態では、圧電アクチュエータ22が駆動部22aを複数有しており、これら複数の駆動部22aに対して個別に検査部22bが設けられている。そのため、本実施の形態とは異なり、個別電極45と別に専用のパッドを設けると、パッドが複数設けることとなり、圧電アクチュエータ22の大型化は顕著なものとなる。これに対して、本実施の形態では、個別電極45をパッドとして利用することにより、圧電アクチュエータ22の大型化を特に効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態では、個別電極45と検査用電極46とが導通しており、個別電極45を、プローブ63を接触させるためのパッドとして利用しているため、検査用電極46にある周波数の電圧が印加されるときには、個別電極45にも同じ周波数の電圧が印加される。
しかしながら、本実施の形態では、平面視で、圧力室10のサイズと、検査用空間17のサイズとが異なっていることにより、駆動部22aの共振周波数と、検査部22bの共振周波数とが異なっている。具体的には、検査部22bの1次振動モードにおける共振周波数Fe1が、駆動部22aの1次振動モードにおける共振周波数Fd1と、2次振動モードにおける共振周波数Fd2のほぼ中間の周波数となっている。
そして、検査部22bの共振周波数を検出する際に、検査部22bの1次振動モードにおける共振周波数Fe1を含み、且つ、駆動部22aの1次振動モード及び2次振動モードにおける共振周波数Fd1、Fd2は含まない範囲で、プローブ63から個別電極45及び検査用電極46に印加する電圧の周波数を変化させている。
そのため、検査部22bの共振周波数を検出する際に、個別電極45に印加される電圧の周波数が、駆動部22aの共振周波数となることがない。すなわち、駆動部22aが共振してしまうことがない。したがって、セラミックス層42及び圧電層43の駆動部22aを形成する部分にクラックが入って、駆動部22aが正常に駆動できなくなってしまうのを防止することができる。なお、セラミックス層42及び圧電層43の検査部22bを形成する部分については、万一、検査部22bを共振させたときにクラックが入ってしまったとしても、その後の駆動部22aの駆動に支障をきたすことはない。
また、本実施の形態では、検査用空間17の平面形状が円形であることによっても、共通電極44から出力される電流値Ieピークが鋭くなる。また、本実施の形態では、検査用空間17の平面形状及び検査用電極46の平面形状がともに円形であり、相似の関係にあることによっても、電流値Ieのピークが鋭くなる。また、本実施の形態では、平面視で、検査用電極46が検査用空間17よりも小さいことから、検査用電極46に電圧を印加したときの検査部22bの変形量は大きくなる。そして、本実施の形態では、これらのことから、共振周波数を検出しやすい。
また、本実施の形態では、検査部22bの共振周波数を形成した後に、検査用電極46の上面にバンプ48を形成することにより、検査用電極46をFPC50の配線51との接続を行うための接続端子として利用している。したがって、圧電層43の上面に別途接続端子を形成する場合と比較して、圧電アクチュエータ22の大型化を抑制することができる。
特に、本実施の形態では、圧電アクチュエータ22が駆動部22aを複数有しているため、これら複数の駆動部22aの個別電極45に対して個別に接続端子を設ける必要がある。そのため、本実施の形態とは異なり、検査用電極46とは別に接続端子を設けると、圧電アクチュエータ22の大型化は顕著なものとなる。これに対して、本実施の形態では、検査用電極46を接続端子として利用することにより、圧電アクチュエータ22の大型化を特に効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態では、複数の圧力室10、すなわち、複数の駆動部22aが、紙送り方向に配列されているのに対して、検査用空間17が、各圧力室10の紙送り方向と直交する走査方向に隣接する位置に設けられているため、検査用空間17及び検査部22bを設けた場合でも、複数の圧力室10及び駆動部22aの配列間隔が大きくなることはない。
なお、本実施の形態では、インクジェットヘッド3が、本発明に係る液体吐出装置に相当する。また、インク分離層41とセラミックス層42とを合わせたものが、本発明に係る第1の層に相当し、圧電層43が、本発明に係る第2の層に相当する。また、圧電層43の上面が、本発明に係る第2の層の第1の層と反対側の面に相当する。また、個別電極45が、本発明に係る駆動用電極に相当する。
また、複数の圧力室10が配列された紙送り方向が、本発明に係る一方向に相当する。また、流路ユニット21と圧電アクチュエータ22とが積層される上下方向が、本発明に係る積層方向に相当する。また、上記S102の工程が、本発明に係る共振周波数検出工程に相当する。また、上記S103の工程が、本発明に係る判定工程に相当する。また、上記S104の工程が、本発明に係るバンプ形成工程に相当する。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成を有するものについては、適宜その説明を省略する。
上述の実施の形態では、検査用空間17の平面形状が略円形であり、検査用電極46の平面形状が、検査用空間17よりも小さい略円形であったが、これには限られない。
例えば、検査用空間17や検査用電極46の平面形状は、略矩形など円形以外の形状であってもよい。また、検査用空間17の平面形状が略矩形であるのに対して、検査用電極46の平面形状が略円形であるなど、検査用空間17の平面形状と検査用電極46の平面形状とは相似でなくてもよい。また、平面視で、検査用電極46が検査用空間17よりも大きく、検査用空間17からはみ出していてもよい。
また、上述の実施の形態では、検査部22bの共振周波数を検出する際に、検査部22bの共振周波数を含み、且つ、駆動部22aの共振周波数は含まないと推定される範囲で、検査用電極46に印加する電圧の周波数を変化させたがこれには限られない。検査部22bの共振周波数を検出する際に、駆動部22aの共振周波数、及び、検査部22bの共振周波数の両方を含む範囲で、検査用電極46に印加する電圧を変化させてもよい。
また、上述の実施の形態では、検査部22bの1次振動モードにおける共振周波数Fe1が、駆動部22aの1次振動モードにおける共振周波数Fd1と、2次振動モードにおける共振周波数Fd2の中間の周波数となっており、検査部22bの共振周波数として、1次振動モードにおける共振周波数Fe1を検出したが、これには限られない。
例えば、検査部22bの1次振動モードにおける共振周波数が、駆動部22aの2次振動モードにおける共振周波数と3次振動モードにおける共振周波数の間など、駆動部22aの他の隣接する2つの振動モードにおける共振周波数の間の周波数となっていてもよい。また、検査部22bの1次振動モード以外の他の振動モードにおける共振周波数が、駆動部22aの隣接する2つの振動モードにおける共振周波数の間の周波数であり、検査部22bの共振周波数として、当該他の振動モードにおける共振周波数を検出してもよい。
さらには、駆動部22aの共振周波数と、検査部22bの共振周波数とが異なっていることにも限られず、駆動部22aの共振周波数と、検査部22bの共振周波数とが同じであってもよい。
また、上述の実施の形態では、複数の圧力室10及び複数の駆動部22aが紙送り方向に配列されているのに対して、検査用空間17及び検査部22bが、圧力室10の走査方向に隣接する位置に配置されていたが、これには限られない。例えば、検査用空間17及び検査部22bが、平面視で、隣接する圧力室10及び駆動部22aの間など他の位置に配置されていてもよい。
また、上述の実施の形態では、複数の駆動部22aに対して個別に検査部22bが設けられていたが、これには限られない。例えば、1つの圧力室列9に対応する駆動部22aに対して1つの検査部22bが設けられている、あるいは、全ての駆動部22aに対して1つの検査部22bが設けられているなど、複数の駆動部22aに対して1つの検査部22bが設けられていてもよい。
また、上述の実施の形態では、検査用電極46が、個別電極45と同じく圧電層43の上面に形成されており、圧電層43の上面において、個別電極45と検査用電極46とが導通部47を介して導通されていたが、これには限られない。例えば、検査用電極46が、セラミックス層42と圧電層43との間の検査用空間17と重なる部分に設けられており、個別電極45と対応する検査用電極46とが、圧電層43に形成されたスルーホールなどを介して導通していてもよい。なお、この場合には、共通電極44とは別に、圧電層43の上面の検査用空間17と重なる部分に電極を設けるなどし、電流検出装置61によりこの電極から出力される電流を検出するなどして、検査部22bの共振周波数を検出すればよい。
また、上述の実施の形態では、セラミックス層42及び圧電層43が全ての圧力室10及び全ての検査用空間17にまたがって連続的に延びたものであったが、これには限られない。例えば、一変形例では、図8、図9に示すように、インク分離層41の上面に、1組の互いに対応する圧力室10と検査用空間17の組にのみまたがって延びた、複数のセラミックス層42及び圧電層43が設けられている。
また、共通電極44は、圧電アクチュエータ22の側面に形成された導電性接着剤71を介して、インク分離層41の上面に形成された表面電極72に引き出されている。そして、表面電極72がバンプ73を介してFPC50の配線51に接続されている。
また、上記変形例では、セラミックス層42及び圧電層43は、1組の圧力室10と検査用空間17の組にのみまたがって延びていたが、これには限られない。セラミックス層42及び圧電層43は2組の圧力室10と検査用空間17の組など、複数の圧力室10と検査用空間17の組にまたがって延びたものであってもよい。
また、以上では、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドに本発明を適用したが、これには限られない。ノズルからインク以外の液体を吐出するインクジェットヘッド以外の液体吐出装置や、液体吐出装置に用いられる圧電アクチュエータの性能検査方法に本発明を適用することも可能である。
3 インクジェットヘッド
10 圧力室
15 ノズル
17 検査用空間
21 流路ユニット
22 圧電アクチュエータ
22a 駆動部
22b 検査部
41 インク分離層
42 セラミックス層
43 圧電層
45 個別電極
46 検査用電極
47 導通部
48 バンプ
50 FPC

Claims (16)

  1. ノズルと、
    前記ノズルに連通する圧力室と、
    前記圧力室と別に設けられた検査用空間と、を有する流路ユニットと、
    前記圧力室と前記検査用空間とを覆う第1の層と、
    圧電材料からなり、前記第1の層の前記圧力室と反対側の面に配置されており、前記圧力室と前記検査用空間とにまたがって連続的に延びた第2の層と、
    前記第2の層の前記第1の層と反対側の面の前記圧力室と重なる部分に形成された駆動用電極と、
    前記第2のの前記第1の層と反対側の面の前記検査用空間と重なる部分に形成されているとともに、前記駆動用電極と導通した検査用電極と、
    前記第2の層の前記第1の層と反対側の面の前記駆動用電極と前記検査用電極との間に配置されており、前記駆動用電極と前記検査用電極とを導通させる導通部と、を有する圧電アクチュエータと、を備えており、
    前記第2の層の前記第1の層と反対側の面において前記駆動用電極と前記検査用電極とを結ぶ方向と直交する方向に関して、前記導通部の長さは前記検査用電極の長さよりも短いことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記圧力室のサイズと前記検査用空間のサイズとが互いに異なっていることにより、前記圧電アクチュエータの前記圧力室と重なる部分である駆動部の共振周波数と、前記圧電アクチュエータの前記検査用空間と重なる部分である検査部の共振周波数とが異なっていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. ノズルと、
    前記ノズルに連通する圧力室と、
    前記圧力室と別に設けられた検査用空間と、を有する流路ユニットと、
    前記圧力室と前記検査用空間とを覆う第1の層と、
    圧電材料からなり、前記第1の層の前記圧力室と反対側の面に配置されており、前記圧力室と前記検査用空間とにまたがって連続的に延びた第2の層と、
    前記第2の層の前記第1の層と反対側の面の前記圧力室と重なる部分に形成された駆動用電極と、
    前記第2の層の前記検査用空間と重なる部分に形成されているとともに、前記駆動用電極と導通した検査用電極と、を有する圧電アクチュエータと、を備えており、
    前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記圧力室のサイズと前記検査用空間のサイズとが互いに異なっていることにより、前記圧電アクチュエータの前記圧力室と重なる部分である駆動部の共振周波数と、前記圧電アクチュエータの前記検査用空間と重なる部分である検査部の共振周波数とが異なっており、
    前記検査部の1次振動モードにおける共振周波数が、前記駆動部の1次振動モードにおける共振周波数と2次振動モードにおける共振周波数との中間の周波数となることを特徴とする液体吐出装置。
  4. 前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記検査用空間が円形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記検査用空間の形状と、前記検査用電極の形状とが相似になっていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液体吐出装置。
  6. 前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記検査用電極は、前記検査用空間よりも小さいことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液体吐出装置。
  7. 複数の前記圧力室が、一方向に沿って配列されており、
    前記検査用空間は、前記一方向と直交する方向に関して、前記圧力室に隣接する位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液体吐出装置。
  8. ノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、を有する流路ユニットと、
    前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、を備えた液体吐出装置における圧電アクチュエータの性能検査方法であって、
    前記流路ユニットは、
    前記圧力室とは別に設けられた検査用空間、をさらに備え、
    前記圧電アクチュエータは、
    前記圧力室と前記検査用空間とを覆う第1の層と、
    圧電材料からなり、前記第1の層の前記圧力室と反対側の面に配置されており、前記圧力室と前記検査用空間とにまたがって連続的に延びた第2の層と、
    前記第2の層の前記第1の層と反対側の面の前記圧力室と重なる部分に形成された駆動用電極と、
    前記第2の層の前記検査用空間と重なる部分に形成されているとともに、前記駆動用電極と導通した検査用電極と、を備え、
    前記検査用電極に電圧を印加するとともに、当該電圧の周波数を変化させることによって、前記圧電アクチュエータの前記検査用空間と重なる部分である検査部の共振周波数を検出する共振周波数検出工程と、
    前記共振周波数検出程において検出した共振周波数から、前記圧電アクチュエータの前記圧力室と重なる部分である駆動部が所定の性能を有するものであるか否かを判定する判定工程と、を備え、
    前記共振周波数検出工程において、前記検査用電極に電圧を印加するためのプローブを前記駆動電極に接触させることによって、前記検査用電極に電圧を印加することを特徴とする圧電アクチュエータの性能検査方法。
  9. 前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記圧力室のサイズと前記検査用空間とのサイズが異なっていることによって、前記駆動部の共振周波数と前記検査部の共振周波数とが異なっていることを特徴とする請求項に記載の圧電アクチュエータの性能検査方法。
  10. 前記共振周波数検出工程において、前記検査部の共振周波数を含み、且つ、前記駆動部の共振周波数を含まない範囲で前記検査用電極に印加する電圧の周波数を変化させることを特徴とする請求項に記載の圧電アクチュエータの性能検査方法。
  11. 前記検査用電極が、前記第2の層の前記第1の層と反対側の面に形成されており、
    前記共振周波数検出工程の後、前記検査用電極の前記第1の層と反対側の面に、配線部材との接続を行うためのバンプを形成するバンプ形成工程をさらに備えていることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の圧電アクチュエータの性能検査方法。
  12. 検査用空間が、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て円形であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の圧電アクチュエータの性能検査方法。
  13. 前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記検査用空間の形状と、前記検査用電極の形状とが相似になっていることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の圧電アクチュエータの性能検査方法。
  14. 前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータとの積層方向から見て、前記検査用電極が、前記検査用空間よりも小さいことを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の圧電アクチュエータの検査方法。
  15. 前記検査部の1次振動モードにおける共振周波数が、前記駆動部の1次振動モードにおける共振周波数と2次振動モードにおける共振周波数との間の周波数となるものであって、
    前記共振周波数検出工程において、前記検査部の1次振動モードにおける共振周波数を検出することを特徴とする請求項9又は10に記載の圧電アクチュエータの性能検査方法。
  16. 前記流路ユニットが、前記圧力室を複数備え、
    前記圧電アクチュエータが、複数の前記圧力室に対応する複数の駆動用電極を備えており、
    複数の前記圧力室が、一方向に沿って配列されており、
    前記検査用空間は、前記一方向と直交する方向に関して、複数の前記圧力室のうち少なくとも1つに隣接する位置に設けられていることを特徴とする請求項8〜15のいずれかに記載の圧電アクチュエータの性能検査方法。
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