JP2012245770A - アクチュエータ用駆動装置、液体吐出装置、及び、液体吐出装置の製造方法 - Google Patents

アクチュエータ用駆動装置、液体吐出装置、及び、液体吐出装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配線間に生じる浮遊容量が駆動信号に与える影響を均一にする。
【解決手段】基材51には、紙送り方向にそれぞれ延びているとともに、走査方向に配列された複数の駆動配線53、最も外側に配置された最外駆動配線53aよりも外側に配置されたグランド配線54、最外駆動配線53aとグランド配線54との間に配置され、最外駆動配線53aに沿って延びた調整用配線55が形成されている。調整用配線55は、それぞれが、最外駆動配線53aに沿って延びているとともに、最外駆動配線53aに沿って配列された1つの配線片61と3つの配線片62とからなる。導電性接着剤69を、配線片61の接続部64aと配線片62の接続部66a、及び、隣接する配線片62の接続部66aと66bにまたがるように塗布することにより、配線片61と配線片62、及び、配線片62同士を電気的に接続することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、アクチュエータを駆動するためのアクチュエータ用駆動装置、アクチュエータ用駆動装置によって駆動されるアクチュエータを備えた液体吐出装置、及び、このような液体吐出装置の製造方法に関する。
アクチュエータを備えた装置として、特許文献1には、圧電アクチュエータによりインクに圧力を付与して、ノズルからインクを吐出させるインクジェットヘッドが記載されている。特許文献1に記載のインクジェットプリンタにおいては、圧電アクチュエータの複数の圧力室と対向する部分に、複数の第2電極が設けられているとともに、複数の圧力室の外側に位置する部分に第1、第3電極が設けられている。複数の第2電極には、フレキシブル配線基板に設けられているとともに一方向に配列された複数の駆動配線を介して駆動回路が接続されており、駆動回路から複数の第2電極に駆動電位が付与される。第1、第3電極には、フレキシブル配線基板の外縁部に、駆動配線に沿って設けられた定電位配線が接続されており、第1、第3電極は、例えば接地されているなど、一定の電位に保持されている。
特開2008−195047号公報
ここで、特許文献1に記載されているような、一方向に配列された複数の駆動配線においては、隣接する駆動配線など周囲の配線との間に浮遊容量が生じ、この浮遊容量が、圧電アクチュエータの駆動信号に影響を与え、ノズルからのインクの吐出特性が変動する。
一方、複数の駆動配線のうち一方向に関して最も外側に位置する駆動配線(最外駆動配線)においては、一方向に関する片側にのみ他の駆動配線が配置されているのに対して、それ以外の駆動配線においては、一方向に関する両側に他の駆動配線が配置されている。そのため、最外駆動配線と、それ以外の駆動配線とでは、周囲の配線との間による浮遊容量が駆動信号に与える影響に違いが生じる。さらに、最外駆動配線の一方向に関する外側には、一定電位に保持された定電位配線が配置されており、最外駆動配線と定電位配線との間に浮遊容量が生じるため、最外駆動配線とそれ以外の駆動配線との間の浮遊容量が駆動信号に与える影響の違いはさらに大きなものとなる。
そして、最外駆動配線とそれ以外の駆動配線とで、上記浮遊容量が駆動信号に与える影響の違いが大きくなると、最外駆動配線に対応する駆動素子と、それ以外の駆動配線に対応する駆動素子とで、浮遊容量による駆動特性の変動にばらつきが生じ、その結果、複数のノズルからのインクの吐出特性にばらつきが生じる。
本発明の目的は、複数の駆動配線において周囲の配線との浮遊容量が駆動信号に与える影響を均一にすることが可能なアクチュエータ用駆動装置、アクチュエータ用駆動装置によって駆動されるアクチュエータを備えた液体吐出装置、及び、このような液体吐出装置の製造方法を提供することである。
第1の発明に係るアクチュエータ用駆動装置は、アクチュエータの複数の駆動素子に駆動信号を付与する駆動ICと、前記駆動ICと前記複数の駆動素子とを接続するための配線基板と、を備え、前記配線基板は、基材と、前記基材に所定の一方向に配列されており、前記駆動ICと前記複数の駆動素子とをそれぞれ接続する、前記駆動信号が伝送される複数の駆動配線と、前記基材に設けられ、前記所定の一方向に関して、前記複数の駆動配線のうち最も外側に位置する最外駆動配線よりも外側の領域に位置し、一定電位に保持された定電位配線と、前記基材に設けられ、前記最外駆動配線と前記定電位配線との間に位置するとともに、電位が付与される、前記最外駆動配線における周囲の配線との間に生じる浮遊容量の影響を調整するための調整用配線とを有することを特徴とする。
最外駆動配線以外の駆動配線には、その両側に他の駆動配線が配置されているのに対して、最外駆動配線には、その片側にのみ他の駆動配線が配置されているため、最外駆動配線とそれ以外の駆動配線とで、周囲の配線との間に生じる浮遊容量が駆動信号に与える影響に違いが生じる。また、最外駆動配線の外側に定電位配線が配置されているため、上記浮遊容量が駆動信号に与える影響の違いはさらに大きなものとなる。
しかしながら、本発明によると、最外駆動配線と定電位配線との間に電位が付与される調整用配線が設けられているため、調整用配線の最外駆動配線と並行する部分の長さや、調整用配線に付与される電位を調整することにより、複数の駆動配線における周囲の配線間に生じる浮遊容量が駆動信号に与える影響を均一にすることができる。
第2の発明に係るアクチュエータ用駆動装置は、第1の発明に係るアクチュエータ用駆動装置において、前記調整用配線は、前記配線基板に、前記最外駆動配線と前記定電位配線との間に配置されているとともに、前記最外駆動配線に沿って配列された、前記調整用配線を形成するための複数の配線片と、前記配線片に接続し、隣接する前記配線片との電気的接続を行うための接続部とを有しているとともに、1つの前記配線片、又は、前記接続部において互いに接続された複数の前記配線片に前記電位が付与され、互いに接続される前記配線片の数を変更することによって、前記調整用配線の前記最外駆動配線と並行し、且つ、前記電位が付与される部分の長さが調整可能となっていることを特徴とする。
本発明によると、調整用配線の最外駆動配線と並行し、且つ、電位が付与される部分の長さを調整することによって、複数の駆動配線における周囲の配線との間に生じる浮遊容量が駆動信号に与える影響を均一にすることができる。
第3の発明に係るアクチュエータ用駆動装置は、第2の発明に係るアクチュエータ用駆動装置において、前記配線基板が、前記アクチュエータと対向するように配置されており、前記配線片の一部分が、前記基材の前記アクチュエータと対向する対向面に配置されているとともに、前記配線片の他の一部分が、前記基材の前記対向面と反対側の面に引き出されて前記接続部となっていることを特徴とする。
本発明によると、調整用配線同士の接続を行うための接続部が、配線基板のアクチュエータとの対向面と反対側の面に設けられているため、配線基板をアクチュエータに取り付けた後でも、容易に、接続部同士を接続させて、調整用配線の最外駆動配線と並行し、且つ、電位が付与される部分の長さを調整することができる。
第4の発明に係るアクチュエータ用駆動装置は、第1〜第3のいずれかの発明に係るアクチュエータ用駆動装置において、前記調整用配線は、前記一定電位に保持されていることを特徴とする。
本発明によると、定電位配線よりも最外駆動配線に近い位置に、定電位配線と同じ一定電位に保持された調整用配線が配置されているため、最外駆動配線と調整用配線との間に生じる浮遊容量が大きくなり、これにより、最外駆動配線における周囲の配線との間に生じる浮遊容量が駆動信号に与える影響を調整することができる。
第5の発明に係るアクチュエータ用駆動装置は、第1〜第4のいずれかの発明に係るアクチュエータ用駆動装置において、前記調整用配線は、前記駆動ICに接続されており、前記駆動ICから前記調整用配線に、前記駆動信号が伝送されることを特徴とする。
本発明によると、調整用配線に、駆動配線を伝送されるのと同じ駆動信号を伝送することにより、最外駆動配線における周囲の配線との間に生じる浮遊容量が駆動信号に与える影響を調整することができる。
第6の発明に係るアクチュエータ用駆動装置は、第5の発明に係るアクチュエータ用駆動装置において、前記駆動ICから前記調整用配線に、前記最外駆動配線と同じタイミングで前記駆動信号が伝送されることを特徴とする。
本発明によると、調整用配線に最外駆動配線と同じタイミングで駆動信号が伝送されるため、最外駆動配線と調整用配線とが同電位となり、最外駆動配線における、調整用配線との間に生じる静電容量の影響を小さくすることができ、これにより、最外駆動配線における周囲の配線との間に生じる浮遊容量が駆動信号に与える影響を調整することができる。
第7の発明に係るアクチュエータ用駆動装置は、第1〜第6のいずれかの発明に係るアクチュエータ用駆動装置において、前記定電位配線の幅が、前記最外駆動配線の幅よりも大きく、前記調整用配線の幅が、前記最外駆動配線の幅と等しくなっていることを特徴とする。
本発明によると、最外駆動配線に隣接して配置される調整用配線の幅が最外駆動配線の幅と等しくなっているため、複数の駆動配線における周囲の配線間に生じる浮遊容量の影響を均一にしやすい。
第8の発明に係る液体吐出装置は、第1〜第7のいずれかの発明に係るアクチュエータ用駆動装置と、ノズルをそれぞれ含む複数の個別液体流路と、前記複数の個別液体流路内の液体に吐出エネルギーを付与する前記複数の駆動素子を有する前記アクチュエータとを備えていることを特徴とする。
本発明によると、複数のノズルからの液体の吐出特性を均一にすることができる。
第9の発明に係る液体吐出装置の製造方法は、第2又は第3の発明に係るアクチュエータ用駆動装置と、ノズルをそれぞれ含む複数の個別液体流路と、前記複数の個別液体流路内の液体に吐出エネルギーを付与する前記複数の駆動素子を有する前記アクチュエータとを備えた液体吐出装置の製造方法であって、前記最外駆動配線に対応する前記ノズルにおける液体の吐出特性を検査する検査工程と、前記検査工程における検査結果に基づいて、互いに接続される前記配線片の数を調整することによって、前記調整用配線の前記最外駆動配線と並行し、且つ、前記電位が付与される部分の長さを調整する調整工程と、を備えていることを特徴とする。
本発明によると、最外駆動配線に対応するノズルからの液体の吐出特性に応じて、調整用配線の最外駆動配線と並行し、且つ電位が付与される部分の長さを調整することにより、複数の駆動配線における、周囲の配線との間に生じる浮遊容量の影響を均一にすることができる。
第10の発明に係る液体吐出装置の製造方法は、第9の発明に係る液体吐出装置の製造方法において、前記液体吐出ヘッドは、前記ノズルから記録媒体に向けてインクを吐出するものであって、前記検査工程において、前記複数のノズルから記録媒体にインクを吐出させることによって、前記吐出特性として、前記記録媒体におけるインクの着弾位置を検査し、前記調整工程において、前記着弾位置の検査結果に応じて、前記調整用配線の前記最外駆動配線と並行し、且つ、前記電位が付与される部分の長さを調整することを特徴とする。
記録媒体にインクを吐出する液体吐出装置においては、上記浮遊容量の影響により、記録媒体におけるインクの着弾位置が変動する。そこで、本発明では、検査工程において上記着弾位置を検査し、着弾位置の検査結果に応じて、調整用配線の最外駆動配線と並行し、且つ電位が付与される部分の長さを調整することにより、複数の駆動配線における、周囲の配線との間に生じる浮遊容量の影響を均一にすることができる。
本発明によれば、調整用配線の最外駆動配線と並行する部分の長さや、調整用配線に付与される電位を調整することにより、複数の駆動配線における周囲の配線間に生じる浮遊容量の影響を均一にすることができる。
本発明の実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 下方から見たCOFの平面図である。 図4の一点鎖線で囲んだ部分の部分拡大図であり、(a)が下面に形成された配線などの位置、(b)が上面に形成された配線などの位置をそれぞれ示している。 (a)が図5(a)のA−A線断面図、(b)が図5(b)のB−B線断面図である。 (a)が最外駆動配線を伝送される駆動信号を示す図であり、(b)が調整用配線を伝送される信号を示す図である。 駆動配線における浮遊容量による電位の立ち上がり及び立ち下がりの遅れを示す図である。 プリンタの製造工程を示すフローチャートである。 変形例1の図4相当の図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るプリンタ1(液体吐出装置)は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3、用紙搬送ローラ4などを備えている。キャリッジ2は、ガイド部材5に沿って走査方向(図1の左右方向)に往復移動する。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2に搭載されており、その下面に形成された複数のノズル15(図2参照)からインクを吐出する。用紙搬送ローラ4は、記録用紙Pを走査方向と直交する紙送り方向(図1の手前方向)に搬送する。
そして、プリンタ1においては、用紙搬送ローラ4により紙送り方向に搬送される記録用紙Pに、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド3からインクを吐出することにより、記録用紙Pに印刷を行う。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。インクジェットヘッド3は、圧力室10、ノズル15などのインク流路が形成された流路ユニット21と、圧力室10内のインクに圧力(吐出エネルギー)を付与するための圧電アクチュエータ22とを備えている。
流路ユニット21は、キャビティプレート31、ベースプレート32、マニホールドプレート33及びノズルプレート34の4枚のプレートが互いに積層されることによって形成されている。4枚のプレート31〜34のうち、ノズルプレート34を除く3枚のプレート31〜34は、ステンレスなどの金属材料からなり、ノズルプレート34は、ポリイミドなどの合成樹脂材料からなる。あるいは、ノズルプレート34も他のプレート31〜33と同様、金属材料によって構成されていてもよい。
キャビティプレート31には、複数の圧力室10が形成されている。圧力室10は、走査方向を長手方向とする略楕円の平面形状を有しており、紙送り方向に沿って配列されることによって圧力室列8を形成している。また、キャビティプレート31には、このような圧力室列8が、走査方向に沿って4列形成されている。ベースプレート32には、複数の圧力室10の長手方向に関する両端部と対向する部分に、それぞれ、略円形の貫通孔12、13が形成されている。
マニホールドプレート33には、上記4つの圧力室列8に対応して4つのマニホールド流路11が形成されている。各マニホールド流路11は、紙送り方向に延びており、対応する圧力室列8の図2における略右半分と対向している。マニホールド流路11には、その下端部に設けられたインク供給口9からインクが供給される。また、マニホールドプレート33には、複数の貫通孔13と対向する部分に、略円形の複数の貫通孔14が形成されている。ノズルプレート34には、複数の貫通孔14と対向する部分に複数のノズル15が形成されている。
そして、流路ユニット21においては、マニホールド流路11が貫通孔12を介して圧力室10と連通しており、圧力室10が貫通孔13、14を介してノズル15に連通している。これにより、流路ユニット21には、マニホールド流路11の出口から圧力室10を経てノズル15に至る複数の個別インク流路16(個別液体流路)が形成されている。
圧電アクチュエータ22は、振動板41、圧電層42、共通電極43、表面電極44、及び、複数の個別電極45などを備えている。振動板41は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、複数の圧力室10を覆うように、流路ユニット21(キャビティプレート31)の上面に接合されている。なお、振動板41は、以下に説明する圧電層42とは異なり、金属材料など圧電材料とは異なる材料によって構成されていてもよい。圧電層42は、振動板41と同様の圧電材料からなり、振動板41の上面に、複数の圧力室10にまたがって連続的に延びている。
共通電極43は、振動板41と圧電層42との間に、その全域にわたって形成されている。表面電極44は、圧電層42の上面の、図2の最も右側の圧力室列8よりも右側、及び、最も左側の圧力室列8よりも左側の部分に配置されており、それぞれ、紙送り方向に延びている。共通電極43と表面電極44とは、圧電層42の共通電極43と表面電極44とに挟まれた部分に形成されたスルーホール47を介して互いに導通している。表面電極44の上面には、バンプ48が設けられており、表面電極44は、バンプ48、及び、後述のCOF50に形成されたグランド配線54を介して、図示しない電源のグランド端子に接続されており、常にグランド電位に保持されている。そして、表面電極44と導通した共通電極43も常にグランド電位に保持されている。
複数の個別電極45は、圧力室10よりも一回り小さい略楕円の平面形状を有しており、圧電層42の上面の、複数の圧力室10の略中央部と対向する部分にそれぞれ配置されている。また、個別電極45の長手方向に関するノズル15と反対側(図2の右側)の端部は、圧力室10と対向しない部分まで延びており、その先端部が接続端子45aとなっている。
接続端子45aには、バンプ49が形成されており、複数の個別電極45は、バンプ49、及び、後述のCOF50に形成された駆動配線53を介して、ドライバIC52に接続されている。そして、複数の個別電極45には、ドライバIC52により、グランド電位及び駆動電位(例えば、20V程度)のいずれかが選択的に付与される。
また、上述したように共通電極43と複数の個別電極45とが配置されていることにより、圧電層42の複数の圧力室10の略中央部と対向する部分が、それぞれ、共通電極43と個別電極45とに挟まれており、圧電層42のこれらの部分は、それぞれ、その厚み方向に分極されている。
ここで、インクジェットヘッド3において、圧電アクチュエータ22を駆動して、ノズル15からインクを吐出させる方法について説明する。圧電アクチュエータ22においては、共通電極43及び全ての個別電極45が、予めグランド電位に保持されている。そして、あるノズル15からインクを吐出させるためには、ドライバIC52により当該ノズル15に対応する個別電極45に駆動電位を付与する。
すると、圧電層42の当該個別電極45と共通電極43とに挟まれた部分には、共通電極43と個別電極45との電位差により、その厚み方向の電界が生じる。この電界の向きは圧電層42の分極方向と平行であるので、圧電層42のこの部分は、電界の方向と直交する面方向に収縮する。これにより、振動板41及び圧電層42の圧力室10と対向する部分が、全体として圧力室10側に凸となるように変形し、圧力室10の容積が減少する。この圧力室10の容積の減少により、圧力室10内のインクの圧力が上昇し、この圧力室10に連通するノズル15からインクが吐出される。
なお、本実施の形態では、振動板41及び圧電層42の各圧力室10に対向する部分、当該圧力室10に対応する個別電極45、及び、共通電極43のうち当該個別電極45に対向する部分を合わせたものが、それぞれ、本発明に係る駆動素子に相当する。
次に、COF(Chip On Film)50(アクチュエータ用駆動装置)について、図4〜図6を用いて説明する。ただし、図5においては、配線の位置関係をわかりやすくするため、下方から見たときの配線の位置を示している。
COF50は、基材51、2つのドライバIC52、複数の駆動配線53、グランド配線54、調整用配線55などを備えている。なお、本実施の形態では、COF50からドライバIC52を除いた、基材51、複数の駆動配線53、グランド配線54及び調整用配線55を合わせたものが、本発明に係る配線基板に相当する。
基材51は、紙送り方向に長尺のフィルムなどであり、圧電アクチュエータ22(圧電層42)の上方に配置されている。なお、基材51は、インクジェットヘッド3に取り付けられキャリッジ2に組み付けられた状態では、途中部分において図4の紙面手前側に折り曲げられているが、図4では基材51を延ばした状態で図示している。2つのドライバIC52(駆動IC)は、基材51の長手方向に関する両端部近傍の下面にそれぞれ実装されている。また、ドライバIC52は、基材51に形成された複数の配線60を介して、基材51の長手方向に関する両端部に設けられた接続端子70aに接続されている。接続端子70aは、ドライバIC52を制御するための図示しない制御基板に接続されている。
複数の駆動配線53は、基材51の下面に、複数のノズル15に対応して形成されており、その一端部が、それぞれ、対応するバンプ49と対向している。バンプ49と対向する駆動配線53の一端部の表面にはランド56が形成されており、バンプ49とランド56とが接合されることによって、個別電極45と駆動配線53とが接続されている。
また、図2のインクジェットヘッド3の略上半分に配置されたノズル15に対応する駆動配線53は、ランド56が形成された部分から、基材51の長手方向に沿って図4の上方に延びており、ランド56と反対側の端部(図4における上端部)が、図4の上側のドライバIC52に接続されている。
一方、図2のインクジェットヘッド3の略下半分に位置するノズル15に対応する駆動配線53は、ランド56が形成された部分から、基材51の長手方向に沿って図4の下方に延びており、ランド56反対側の端部(図4における下端部)が、図4の下側のドライバIC52に接続されている。
また、図4の上側のドライバIC52に接続された複数の駆動配線53、及び、図4の下側のドライバIC52に接続された複数の駆動配線は、それぞれ、基材51の長手方向と直交する幅方向(所定の一方向)に配列されている。そして、図4の上側のドライバIC52に接続された複数の駆動配線53のうち、基材51の幅方向に関して最も外側に配置された2つの駆動配線53、及び、図4の下側のドライバIC52に接続された複数の駆動配線53のうち、基材51の幅方向に関して最も外側に配置された2つの駆動配線53が、それぞれ、最外駆動配線53aとなっている。また、複数の駆動配線53の幅は、全て同じWaとなっている。
グランド配線54(定電位配線)は、基材51の、幅方向に関して、最外駆動配線53aよりも外側の部分に、表面電極44と対向するように配置されている。グランド配線54の下面には、複数のバンプ48と対向する部分にランド57が形成されており、バンプ48とランド57とが接合されることによって、表面電極44とグランド配線54とが接続されている。また、グランド配線54は、基材51の長手方向に沿って、基材51の全長にわたって延びており、その両端部が、基材51の長手方向に関する両端部に設けられた接続端子70bに接続されている。接続端子70bは、図示しない電源のグランド端子に接続されている。また、グランド配線54の幅Wbは駆動配線53の幅Waよりも大きくなっている。
また、基材51の、グランド配線54と対向する部分には、基材51の長手方向に沿って配列された4つのスルーホール58が形成されており、グランド配線54は、スルーホール58を介して基材51の上面に引き出されている。そして、グランド配線54の基材51の上面に引き出された部分が、接続部59となっている。
調整用配線55は、基材51の下面の、最外駆動配線53aとグランド配線54との間に位置する部分に設けられており、それぞれ、配線片61と3つの配線片62とによって構成されている。なお、配線片62の数は3つであることには限られず、1つ、2つあるいは4つ以上であってもよい。
配線片61は、最外駆動配線53aと並行して延びており、その一端部がドライバIC52に接続されているとともに、他端部が、グランド配線54に向かって約90°折れ曲がっている。また、配線片61の幅Wcは、駆動配線53の幅Waと等しくなっている。
また、基材51の、配線片61の折れ曲がりの角の部分、及び、折れ曲がった部分の先端部と対向する部分には、それぞれ、スルーホール63が形成されており、配線片61のこれらの部分は、スルーホール63を介して、基材51の上面に引き出されている。そして、これら引き出された部分が、それぞれ、接続部64a、64bとなっている。
3つの配線片62は、配線片61とともに、最外駆動配線53aに沿って配列されており、それぞれが、最外駆動配線53aと並行して延びているとともに、基材51の長手方向に関する、ドライバIC52と反対側の端部において、グランド配線54に向かって約90°折れ曲がっている。また、配線片62の幅は配線片61と同じWcであり、駆動配線53(最外駆動配線53a)の幅Waと等しくなっている。
また、基材51の各配線片62のドライバIC52側の端部、各配線片62の折れ曲がりの角の部分、及び、折れ曲がった部分の先端部と対向する部分には、それぞれ、スルーホール65が形成されており、配線片62のこれらの部分は、スルーホール65を介して、基材51の上面に引き出されている。そして、これら引き出された部分が、それぞれ、接続部66a〜66cとなっている。
ここで、配線片61の接続部64aと、配線片61に隣接する配線片62の接続部66a、及び、互いに隣接する配線片62の接続部66aと接続部66bは、それぞれ、互いに近接して基材51の長手方向に並んでいる。また、配線片61の接続部64b、及び、配線片62の接続部66cと、グランド配線54の接続部59とは、互いに近接して基材51の幅方向に並んでいる。
そして、COF50においては、基材51の上面に、接続部64aと接続部66aとの間、接続部66aと接続部66bとの間、接続部64bと接続部59との間、及び、接続部66cと接続部59との間にそれぞれまたがるように導電性接着剤69を塗布することにより、配線片61と配線片62、配線片62同士、配線片61とグランド配線54、及び、配線片62とグランド配線54を、それぞれ電気的に接続することができるようになっている。図5、図6では、これらのうち、配線片61とこれに隣接する配線片62、及び、当該配線片62とグランド配線54とをそれぞれ接続した場合を示している。
図7(a)、(b)は、それぞれ、ドライバIC52から最外駆動配線53aへの出力電位Voの変化、及び、ドライバIC52から調整用配線55への出力電位Vaの変化を示す図である。本実施の形態においては、図7(a)に示すように、ドライバIC52から最外駆動配線53aに電位がV1、幅がW1のパルス状の駆動信号A1が出力されるとともに、図7(b)に示すように、ドライバIC52から調整用配線55(配線片61と1つの配線片62)に、上記駆動信号A1が、最外駆動配線53aに付与されるのと同じタイミングで付与される。これにより、調整用配線55には、駆動信号A1が、最外駆動配線53aと同じタイミングで伝送される。
なお、本実施の形態では、互いに接続された配線片61と1つの配線片62とによって構成される配線が、駆動信号と同じ信号を出力するドライバIC52とグランド配線54とに接続されているが、ドライバIC52の内部には、当該配線が接続された部分に抵抗が設けられているので、ドライバIC52とグランド配線54とがショートすることはない。
ここで、最外駆動配線53aにおいては、その片側にのみ他の駆動配線53が配置されているのに対して、最外駆動配線53a以外の駆動配線53においては、その両側に他の駆動配線53が配置されている。そのため、最外駆動配線53aとそれ以外の駆動配線53とでは、周囲の配線との間により生じる浮遊容量が、駆動信号に与える影響に違いが生じる。
さらに、基材51の最外駆動配線53aよりも外側には、常にグランド電位に保持されたグランド配線54が配置されており、最外駆動配線53aとグランド配線54との間にも浮遊容量が生じるため、浮遊容量が駆動信号に与える影響の違いは、さらに大きなものとなる。
具体的に説明すると、ドライバIC52から駆動配線53に図8(a)に示すようなパルス状の駆動信号A1が出力された場合、駆動配線53の電位Vwは、周囲の配線との間に生じる浮遊容量の影響により、図8(b)に示すように、駆動信号A1が立ち上がるタイミングT1からΔTだけ遅れて立ち上がり、駆動信号A1が立ち下がるタイミングT2からΔTだけ遅れて立ち下がる。そして、この電位Vwの電位が立ち上がるタイミング及び立ち下がるタイミングの遅れによって、ノズル15からインクが吐出されるタイミングがずれる。このとき、上記ΔTは、周囲の配線との間に生じる浮遊容量が駆動配線53を伝送される信号に与える影響の大きさ、具体的には、浮遊容量の大きさや、周囲の配線との電位差などによって変わってくる。
そのため、最外駆動配線53aとそれ以外の駆動配線53との間に、周囲の配線との間に生じる浮遊容量の影響に大きな違いがあると、最外駆動配線53aとそれ以外の駆動配線53とで、対応するノズル15からインクが吐出されるタイミングのずれが大きく異なる。その結果、記録用紙Pにおけるインクの着弾位置がずれて、印刷品質の低下につながる。
そこで、本実施の形態では、最外駆動配線53aとグランド配線54との間に、最外駆動配線53aと並行する調整用配線55を設けることにより、最外駆動配線53aにおける、周囲の配線との間に生じる浮遊容量が駆動信号に与える影響を調整し、これにより、最外駆動配線53aとそれ以外の駆動配線53とで、周囲の配線との間に生じる浮遊容量が、駆動信号に与える影響を均一となるようにしている。
具体的に説明すると、最外駆動配線53aと並行する調整用配線55に最外駆動配線53aを伝送されるのと同じ駆動信号A1が、最外駆動配線53aと同じタイミングで伝送されるため、最外駆動配線53aと、調整用配線55の駆動信号A1が伝送される部分の電位が等しくなり、最外駆動配線53aと、調整用配線55の最外駆動配線53aと並行し、且つ、駆動信号A1が伝送される部分との間に生じる浮遊容量が、最外駆動配線53aを伝送される駆動信号A1に与える影響、すなわち、上記ΔTが小さくなる。
さらに、配線片61の接続部64aと、これに隣接する配線片62接続部66aとを接続するか否か、及び、互いに隣接する配線片62の接続部66aと接続部66bとを接続するか否かを変えることによって、互いに接続する配線片61、62の数を調整することができる。そして、これにより、調整用配線55の、最外駆動配線53aと並行し、且つ、駆動信号A1が伝送される部分の長さを調整し、最外駆動配線53aを伝送される信号に与える影響、つまり、上記ΔTをどの程度小さくするかを調整することができる。このとき、調整用配線55の、最外駆動配線53aと並行する部分の長さを長くするほど、上記ΔTを小さくすることができる。
また、このとき、調整用配線55の幅Wcが、駆動配線53(最外駆動配線53a)の幅Waと等しくなっているため、最外駆動配線53aとそれ以外の駆動配線53とで、周囲の配線との間に生じる浮遊容量が駆動信号に与える影響を均一にしやすい。
次に、プリンタ1の製造方法について、図8のフローチャートを用いて説明する。プリンタ1を製造するためには、まず、インクジェットヘッド3を作製し(ステップS101、以下、単にS101などとする)、インクジェットヘッド3にCOF50を取り付け(S102)、COF50を取り付けたインクジェットヘッド3を、キャリッジ2に組み付けるとともに、プリンタ1に取り付ける(S103)。なお、上記S101〜S103の工程は、従来と同様であるので、ここでは、詳細な説明を省略する。
次に、インクジェットヘッド3にインクを充填し、プリンタ1において、上述したように、キャリッジ2を走査方向に往復移動させつつ、ノズル15からインクを吐出させることにより、記録用紙Pに所定の検査パターンを印刷し、印刷された検査パターンを用いてインクの着弾位置のずれ量(吐出特性)を検査する(S104、検査工程)。
次に、上記検査の結果に応じて、導電性接着剤69により、配線片61の接続部64aと、配線片62の接続部66a、互いに隣接する配線片62の接続部66aと接続部66bのいずれかを接続することによって、配線片61、62を互いに接続して、調整用配線55の最外駆動配線53aと並行し、且つ、ドライバIC52から信号が伝送される部分の長さを調整する(S105、調整工程)。なお、検査結果によっては、導電性接着剤69により、接続部64aと接続部66a、及び、接続部66aと接続部66bのいずれをも接続しないこともある。
さらに、配線片61と配線片62とを接続しなかった場合には、配線片61の接続部64bとグランド配線の接続部59とを、導電性接着剤69により接続し、配線片61と配線片62を接続した場合、さらには配線片62同士を接続した場合には、互いに接続された配線片61、62のうち、ドライバIC52から最も遠い配線片62の接続部66cと、グランド配線54の接続部59とを導電性接着剤69により接続する。あるいは、互いに接続した配線片61の接続部64b及び配線片62の接続部66cと、対応する接続部59とを接続してもよい。
そして、このS105において、調整用配線55のうち、最外駆動配線53aと並行し、且つ、駆動信号A1が伝送される部分の長さを調整することにより、最外駆動配線53aとそれ以外の駆動配線53とで、対応するノズル15から吐出されるインクの着弾位置のずれを均一にすることができる。
このとき、COF50はインクジェットヘッド3に取り付けられているが、接続部59、64a、64b、66a〜66cが、基材51の上面(圧電アクチュエータ22との対向面と反対側の面)に設けられているため、導電性接着剤69を塗布する際に、インクジェットヘッド3が邪魔にならず、導電性接着剤69による、上述した接続部64aと接続部66a、接続部66aと接続部66b、接続部64b、66cと接続部59の接続を容易に行うことができる。
なお、上記S105における導電性接着剤69の塗布は、COF50が取り付けられたインクジェットヘッド3をキャリッジ2から取り外した上で行ってもよいし、COF50が取り付けられたインクジェットヘッド3をキャリッジ2に組み付けた状態で行ってもよい。
そして、S105の後、プリンタ1の製造のための次の工程に進むが、これ以降の工程は従来と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成については、適宜その説明を省略する。
上述の実施の形態では、ドライバIC52から調整用配線55に、最外駆動配線53aに出力されるのと同じ駆動信号A1が、最外駆動配線53aに出力されるのと同じタイミングで出力されていたが、これには限られない。例えば、ランダムなタイミングなど、ドライバIC52から最外駆動配線53aに駆動信号A1が出力されるのと異なるタイミングで、ドライバIC52から調整用配線55に駆動信号A1が出力されるようにしていてもよい。
プリンタ1による印刷時には、ドライバIC52から複数の駆動配線53に、互いに同じタイミングで駆動信号が出力される場合もあれば、互いに異なるタイミング駆動信号が出力される場合もある。したがって、ドライバIC52から最外駆動配線53aに駆動信号A1が出力されるのと異なるタイミングで、ドライバIC52から調整用配線55に駆動信号A1が出力されるようにした場合でも、調整用配線55の、最外駆動配線53aと並行し、且つ、駆動信号A1が伝送される部分の長さを調整すれば、最外駆動配線53aとそれ以外の駆動配線53とで、周囲の配線との間に生じる浮遊容量が、駆動信号に与える影響を均一にすることができる。
さらには、調整用配線55に駆動信号A1を伝送することにも限られない。一変形例(変形例1)では、図10に示すように、調整用配線55(配線片61)が、ドライバIC52とは接続されておらず、グランド配線54に接続された調整用配線55(図10では、配線片61と1つの配線片62)が、常にグランド電位に保持されている(電位が付与される)。
この場合には、最外駆動配線53aの、グランド配線54よりも近い位置に、グランド電位に保持された調整用配線55が配置されており、最外駆動配線53aと調整用配線55との間に浮遊容量が生じるため、調整用配線55がない場合と比べて、最外駆動配線53aと周囲の配線との間に生じる浮遊容量は大きなものとなる。
さらに、互いに接続する配線片61、62の数を増やして、調整用配線55の最外駆動配線53aと並行する部分の長さを長くするほど、最外駆動配線53aと調整用配線55との浮遊容量は大きくなる。
したがって、この場合でも、調整用配線55の、最外駆動配線53aと並行し、且つ、グランド電位に保持される部分の長さを調整することにより、上記浮遊容量が駆動信号に与える影響を均一にすることができる。
また、変形例1では、調整用配線55がグランド配線54に接続されることによって、グランド電位に保持されていたが、これには限られず、調整用配線55は、例えば、ドライバIC52のグランド端子に接続されるなどして、グランド電位に保持されていてもよい。
また、上述の実施の形態では、グランド電位に保持されたグランド配線54が設けられていたが、グランド配線54の代わりに、例えば所定の正の一定電位に保持された配線(定電位配線)が設けられていてもよい。なお、この場合には、変形例1において、調整用配線55が上記正の一定電位に保持されるようにすればよい。
また、上述の実施の形態では、駆動配線53、グランド配線54が基材51の下面に配置されていたのに合わせて、調整用配線55(配線片61、62)のうち、接続部64a、64b、66a〜66cを除いた部分が、基材51の下面に配置され、接続部64a、64b、66a〜66cが基材51の上面に引き出されていたが、これには限られない。
例えば、駆動配線53、グランド配線54及び調整用配線55が基材51の上面に配置されており、ランド56、57のみが基材51の下面に配置されていてもよい。そして、この場合には、配線片61、62の折れ曲がりの角の部分、及び、配線片62の折れ曲がっているのと反対側の端部が、それぞれ、本発明に係る接続部となり、基材51の上面に形成された接続部に導電性接着剤69を塗布することによって、接続部同士を電気的に接続することができる。
また、上述の実施の形態では、基材51の上面に、グランド配線54及び配線片61、62の接続部が設けられていたが、接続部は基材51の下面に形成されていてもよい。
この場合、インクジェットヘッド3にCOF50を取り付け、検査パターンの印刷結果に応じて、基材51の下面に導電性接着剤69を塗布して配線片61、62の接続を行うことは困難である。しかしながら、この場合でも、例えば、インクジェットヘッド3をノズル15の位置精度などによりランク付けするような場合には、予め、実験により、各ランクのインクジェットヘッド3において、配線片61、62のうち、いずれを互いに接続した場合に、最外駆動配線53aに対応するノズル15と、それ以外の駆動配線53に対応するノズル15とで、インクの着弾位置のずれ量が最も均一になるかを調べておき、各ランクのインクジェットヘッド3にCOF50を取り付ける前に、上記実験結果に応じて、配線片61、62の接続を行うなどすれば、上記浮遊容量が駆動信号に与える影響を均一にして、ノズル15からのインクの着弾位置のずれ量を均一にすることは可能である。
また、上述の実施の形態では、グランド配線54の幅Wbが、駆動配線53の幅Waよりも大きく、調整用配線55(配線片61、62)の幅Wcが、駆動配線53の幅Waと等しくなっていたが、駆動配線53の幅Wa、グランド配線54の幅Wb及び調整用配線55の幅Wcの大小関係はこれには限られない。
また、上述の実施の形態では、調整用配線55が、最外駆動配線53aに沿って配列され、互いに電気的に接続可能となった複数の配線片61、62によって構成されていたがこれには限られない。例えば、調整用配線55は、最外駆動配線53aと並行して延びた1つの配線であってもよい。
この場合でも、例えば、実験により、最外駆動配線53aに対応するノズル15と、それ以外の駆動配線53に対応するノズル15とで、吐出されるインクの着弾位置のずれ量が最も均一になるときの調整用配線55の長さを調べておき、COF50の製造時に、上記実験により得られた長さの調整用配線55を形成することにより、上記浮遊容量の影響によるインクの着弾位置のずれ量を均一にすることができる。
また、上記のようにインクジェットヘッド3をランク付けする場合には、各ランクに応じた、調整用配線55の最外駆動配線53aと並行する部分の長さが異なる複数種類のCOF50を製造しておき、インクジェットヘッド3に、そのランクに対応したCOF50を取り付けることによって、上記浮遊容量の影響によるインクの着弾位置のずれ量を均一にすることも可能である。
また、上述の実施の形態では、検査パターンを印刷することにより、ノズル15からのインクの吐出特性として、記録用紙Pにおけるインクの着弾位置のずれ量を検査し、その結果に応じて、互いに接続する配線片61、62の数を調整したが、これには限られず、インクの着弾位置のずれ量以外のインクの吐出特性を検査し、その検査結果に応じて、互いに接続する配線片61、62の数を調整するなどしてもよい。
例えば、駆動配線53を伝送される駆動信号は、周囲の配線との間に生じる浮遊容量の影響を受けてなまり(図8(b)参照)、駆動信号がどの程度なまるかによって、対応するノズル15からのインクの吐出速度や、吐出されるインクの体積が変動する。したがって、ノズル15からのインクの吐出特性として、ノズル15からのインクの吐出速度、あるいは、ノズル15から単位時間当たりに吐出されるインクの体積を検査し、その検査結果に応じて、互いに接続する配線片61、62の数を調整するなどしてもよい。なお、単位時間当たりのインクの吐出体積は、例えば、ガーゼにインクを吐出させ、ガーゼに染み込んだインクの量を測定するなどすれば、測定が可能である。
さらには、インクの吐出特性を検査することにも限られず、テスターによってCOF50の配線間の静電容量を計測し、その結果に応じて、互いに接続する配線片61、62の数を調整するなどしてもよい。なお、この場合、COF50を圧電アクチュエータ22に取り付けてから静電容量の計測を行ってもよいし、アクチュエータ22に取り付ける前に静電容量の計測を行ってもよい。
また、以上では、ノズルからインクを吐出することによって印刷を行うプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。インク以外の液体を吐出する液体吐出装置に本発明を適用することも可能である。さらに、アクチュエータによって駆動される液体吐出装置以外の装置に本発明を適用することも可能である。また、圧電アクチュエータ以外のアクチュエータと駆動ICとを接続するため配線基板に本発明を適用することも可能である。
1 プリンタ
15 ノズル
22 圧電アクチュエータ
50 COF
51 基材
52 ドライバIC
53 駆動配線
53a 最外駆動配線
54 グランド配線
55 調整用配線
61、62 配線片
64a、64b 接続部
66a〜66c 接続部

Claims (10)

  1. アクチュエータの複数の駆動素子に駆動信号を付与する駆動ICと、
    前記駆動ICと前記複数の駆動素子とを接続するための配線基板と、を備え、
    前記配線基板は、
    基材と、
    前記基材に所定の一方向に配列されており、前記駆動ICと前記複数の駆動素子とをそれぞれ接続する、前記駆動信号が伝送される複数の駆動配線と、
    前記基材に設けられ、前記所定の一方向に関して、前記複数の駆動配線のうち最も外側に位置する最外駆動配線よりも外側の領域に位置し、一定電位に保持された定電位配線と、
    前記基材に設けられ、前記最外駆動配線と前記定電位配線との間に位置するとともに、電位が付与される、前記最外駆動配線における周囲の配線との間に生じる浮遊容量の影響を調整するための調整用配線とを有することを特徴とするアクチュエータ用駆動装置。
  2. 前記調整用配線は、
    前記配線基板に、前記最外駆動配線と前記定電位配線との間に配置されているとともに、前記最外駆動配線に沿って配列された、前記調整用配線を形成するための複数の配線片と、
    前記配線片に接続し、隣接する前記配線片との電気的接続を行うための接続部とを有しているとともに、
    1つの前記配線片、又は、前記接続部において互いに接続された複数の前記配線片に前記電位が付与され、
    互いに接続される前記配線片の数を変更することによって、前記調整用配線の前記最外駆動配線と並行し、且つ、前記電位が付与される部分の長さが調整可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ用駆動装置。
  3. 前記配線基板が、前記アクチュエータと対向するように配置されており、
    前記配線片の一部分が、前記基材の前記アクチュエータと対向する対向面に配置されているとともに、前記配線片の他の一部分が、前記基材の前記対向面と反対側の面に引き出されて前記接続部となっていることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ用駆動装置。
  4. 前記調整用配線は、前記一定電位に保持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアクチュエータ用駆動装置。
  5. 前記調整用配線は、前記駆動ICに接続されており、
    前記駆動ICから前記調整用配線に、前記駆動信号が伝送されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアクチュエータ用駆動装置。
  6. 前記駆動ICから前記調整用配線に、前記最外駆動配線と同じタイミングで前記駆動信号が伝送されることを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ用駆動装置。
  7. 前記定電位配線の幅が、前記最外駆動配線の幅よりも大きく、
    前記調整用配線の幅が、前記最外駆動配線の幅と等しくなっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のアクチュエータ用駆動装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のアクチュエータ用駆動装置と、
    ノズルをそれぞれ含む複数の個別液体流路と、
    前記複数の個別液体流路内の液体に吐出エネルギーを付与する前記複数の駆動素子を有する前記アクチュエータとを備えていることを特徴とする液体吐出装置。
  9. 請求項2又は3に記載のアクチュエータ用駆動装置と、
    ノズルをそれぞれ含む複数の個別液体流路と、
    前記複数の個別液体流路内の液体に吐出エネルギーを付与する前記複数の駆動素子を有する前記アクチュエータとを備えた液体吐出装置の製造方法であって、
    前記最外駆動配線に対応する前記ノズルにおける液体の吐出特性を検査する検査工程と、
    前記検査工程における検査結果に基づいて、互いに接続される前記配線片の数を調整することによって、前記調整用配線の前記最外駆動配線と並行し、且つ、前記電位が付与される部分の長さを調整する調整工程と、を備えていることを特徴とする液体吐出装置の製造方法。
  10. 前記液体吐出ヘッドは、前記ノズルから記録媒体に向けてインクを吐出するものであって、
    前記検査工程において、前記複数のノズルから記録媒体にインクを吐出させることによって、前記吐出特性として、前記記録媒体におけるインクの着弾位置を検査し、
    前記調整工程において、前記着弾位置の検査結果に応じて、前記調整用配線の前記最外駆動配線と並行し、且つ、前記電位が付与される部分の長さを調整することを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置の製造方法。
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