JP2008221766A - 液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電素子の変位のバラツキが大きなチップを用いても、各ノズル開口から吐出されるインク滴の吐出速度が均一化された液体噴射ヘッドを容易に作製することができる液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】流路形成基板上に圧力発生手段が形成され且つ流路形成基板に圧力発生室が形成された状態で、複数の圧力発生室の共振周波数又は圧力発生手段の変位量を測定する工程と、圧力発生室の列設方向における各圧力発生室の共振周波数又は圧力発生手段の変位量の変化の度合に応じて予め設定した複数のランクに、この測定結果に応じて流路形成基板をランク分けする工程を有する一方、各ランクに応じて開口径の異なる複数種類のノズル開口を配列したノズルプレートを作製する工程を有し、流路形成基板のランクに応じて所定のノズルプレートを流路形成基板に接合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、液滴を吐出するノズル開口が複数設けられたノズルプレートと、ノズル開口のそれぞれに連通する圧力発生室が列設された流路形成基板と、流路形成基板の圧力発生室に対応する領域ごとに設けられて圧力発生室内に液滴吐出のための圧力を付与する圧力発生手段とを具備する液体噴射ヘッドの製造方法に関する。
ノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置としては、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置があり、具体的には、例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写機等が挙げられる。インクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、液滴が充填された圧力室の容積を、圧電素子を駆動させたときの振動板の変位によって膨張又は収縮させることでノズルから液滴を吐出させるものや、静電気力を利用して圧力室の容積を変化させることで、ノズルから液滴を吐出させるようにしたものなどがある。
これらのうち、例えば圧電素子を用いたインクジェット記録ヘッドでは、ウエハごとに、形成された圧電素子の変位にバラツキがあることが問題となっている。また、同時に同一ウエハ上又は同一チップ(チップとは、1つのインクジェット記録ヘッドを構成する圧電素子の集合体のことである)上に形成された圧電素子であっても、各圧電素子の変位にバラツキがあることも問題となっている。さらに、同一チップ上に形成された圧電素子の変位のバラツキは、ヘッド起動時におけるインク吐出量やインク滴の吐出速度のバラツキに影響し、結果として印刷された画像に色ムラなどを生じさせるという問題があった。
そして、インク滴の吐出速度が異なると、紙面へのインク滴の着弾位置が想定していた位置からズレてしまうために、印刷された画像の画質を低下させてしまう(例えば、水平方向の位置が揃った状態で画像が印刷されない)という問題があった。
このような圧電素子の変位のバラツキに対しては、圧力発生室内に設けられる耐インク保護膜の膜厚を変化させたり、振動板を構成する膜の膜厚を均一化することにより、結果的に圧電素子の変位を均一化する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−7548号公報
しかしながら、上述したような方法では、同一チップ上の各圧電素子の変位を均一化するには不充分であり、各ノズル開口から吐出されるインク滴の吐出速度を均一化することができなかった。その結果、高品質の画像を印刷することができる液体噴射ヘッドを製造することができないという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑み、圧電素子の変位のバラツキが大きなチップを用いても、各ノズル開口から吐出されるインク滴の吐出速度が均一化された液体噴射ヘッドを容易に作製することができる液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、流路形成基板上に圧力発生手段が形成され且つ流路形成基板に圧力発生室が形成された状態での圧力発生室の共振周波数と、その流路形成基板にノズルプレートを接合させた状態での各ノズル開口から吐出されるインク滴の吐出速度との間に相関関係があることを見出し、本発明に至った。
本発明の態様は、液滴を吐出するノズル開口が複数設けられたノズルプレートと、該ノズル開口のそれぞれに連通する圧力発生室が列設された流路形成基板と、該流路形成基板上に設けられて前記圧力発生室内に液滴吐出のための圧力を付与する圧力発生手段とを具備する液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記流路形成基板上に前記圧力発生手段が形成され且つ当該流路形成基板に前記圧力発生室が形成された状態で、複数の前記圧力発生室の共振周波数又は前記圧力発生手段の変位量を測定する工程と、前記圧力発生室の列設方向における各圧力発生室の共振周波数の変化の度合又は前記圧力発生手段の変位量の変化の度合に応じて予め設定した複数のランクに、この測定結果に応じて前記流路形成基板をランク分けする工程を有する一方、各ランクに対応して開口径の異なる複数種類のノズル開口を配列したノズルプレートを作製する工程を有し、前記流路形成基板のランクに応じて所定の前記ノズルプレートを前記流路形成基板に接合することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる態様では、インク滴の吐出速度を均一化することができる液体噴射ヘッドを容易に作製することができる。
また、前記ノズルプレートを、前記圧力発生室の列設方向における各圧力発生室の共振周波数の変化の傾向と逆の傾向で各ノズル開口の開口径が変化し、且つその共振周波数の変化の度合とその開口径の変化率とが正の相関を有するように作製することが好ましい。これによれば、迅速かつ容易に液体噴射ヘッドを製造することができる。
また、前記ノズルプレートを、前記圧力発生室の列設方向における各圧力発生手段の変位量の変化の傾向と同じ傾向で各ノズル開口の開口径が変化し、且つその変位量の変化の度合とその開口径の変化率とが正の相関を有するように作製することが好ましい。これによれば、迅速かつ容易に液体噴射ヘッドを製造することができる。
また、前記圧力発生手段が圧電素子であることが好ましい。これによれば、液体噴射ヘッドをより容易に製造することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図である。
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では結晶面方位が(110)面のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化によって二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12がその幅方向(短手方向)に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向一端部側には、インク供給路14と連通路15とが隔壁11によって区画されている。また、連通路15の一端には、各圧力発生室12の共通のインク室(液体室)となるリザーバ100の一部を構成する連通部13が形成されている。すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15からなる液体流路が設けられている。
インク供給路14は、圧力発生室12の長手方向一端部側に連通し且つ圧力発生室12より小さい断面積を有する。さらに、各連通路15は、インク供給路14の圧力発生室12とは反対側に連通し、インク供給路14の幅方向(短手方向)より大きい断面積を有する。本実施形態では、連通路15を圧力発生室12と同じ断面積で形成した。
すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12と、圧力発生室12の短手方向の断面積より小さい断面積を有するインク供給路14と、このインク供給路14に連通すると共にインク供給路14の短手方向の断面積よりも大きい断面積を有する連通路15とが複数の隔壁11により区画されて設けられている。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が列状に穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。ここで、ノズルプレート20に穿設された各ノズル開口21の開口径は、すべて同じであってもよいし、一部が異なっていてもよく、さらにはすべて異なっていてもよい。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等からなる。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、絶縁体膜55が積層形成されている。また、この絶縁体膜55上には、下電極膜60と、厚さが例えば、圧電体層70と、上電極膜80とが、圧力発生手段である圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室12毎に圧電体能動部320が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエータ装置と称する。なお、圧電素子300の個別電極である各上電極膜80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出され、絶縁体膜55上まで延設されるリード電極90が接続されている。また、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び下電極膜60が振動板として作用するが、弾性膜50、絶縁体膜55を設けずに、下電極膜60のみを残して下電極膜60を振動板としてもよい。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有する接合基板(保護基板30)が接着剤35を介して接合されている。リザーバ部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通の液体室となるリザーバ100を構成している。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。保護基板30は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
さらに、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路120が固定されている。この駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、ボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以下、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について説明する。まず、図3に示すように、流路形成基板10の表面に弾性膜50、絶縁体膜55及び下電極膜60を順次形成し、下電極膜60を所定の形状にパターニングする。
次に、図4に示すように、圧電体層70と上電極膜80とを流路形成基板10に順次形成し、圧電体層70及び上電極膜80をパターニングして、各圧力発生室12となる領域に圧電素子300を形成する。
そして、リード電極90を形成した後、図5に示すように、パターニングされた複数の圧電素子300を保持する保護基板30を、流路形成基板10上に接着剤35によって接合する。なお、保護基板30には、リザーバ部31、圧電素子保持部32等が予め形成されている。
次いで、図6に示すように、流路形成基板10上に、圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15などを形成する。
その後、流路形成基板10の保護基板30とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板30にコンプライアンス基板40を接合することによって上述した構造のインクジェット式記録ヘッドが作製される。
ここで、本発明は、各ノズル開口21から吐出するインク滴の吐出速度に関連する数値を測定し、その数値に基づいて流路形成基板10を予め設定されたランクにランク分けする一方、ノズルプレート20を各ランクごとに作製し、流路形成基板10のランクに対応するノズルプレート20を流路形成基板10に接合することに特徴がある。
そして、本実施形態の液体噴射ヘッドの製造方法は、複数の圧力発生室12の列設方向(圧力発生室12が複数列設されている方向)における共振周波数を測定する工程と、圧力発生室12の列設方向における共振周波数の変化の度合に応じて予め設定されたランクに、この測定結果に応じて流路形成基板10をランク分けする工程と、各ランクに応じて開口径の異なる複数種類のノズル開口21を配列したノズルプレート20を作製する工程とを有し、流路形成基板10のランクに応じて所定のノズルプレート20を流路形成基板10に接合することに特徴がある。
ここで、図7に示すように、流路形成基板10上に圧電素子300が形成され且つ流路形成基板10に圧力発生室12が形成された状態での圧力発生室12の共振周波数と、その流路形成基板10にノズルプレートを接合させた状態でのノズル開口から吐出されるインク滴の吐出速度との間には、(一次関数的な)負の相関がある。また、図8に示すように、ノズル開口21の開口径が大きさと、そのノズル開口21から吐出されるインク滴の吐出速度との間には、(一次関数的な)負の相関がある。これらのことから、共振周波数が相対的に小さな圧力発生室12に対してノズル開口21の開口径を相対的に大きくすることによって、各ノズル開口21から吐出されるインク滴の吐出速度を均一化することができることになる。
以下に、本実施形態の液体噴射ヘッドの製造方法の各工程について説明する。まず、複数の圧力発生室12の共振周波数を測定する工程について説明する。図6に示すような状態のインクジェット式記録ヘッドを作製した後、インピーダンスアナライザーなどを用いて、圧力発生室12の共振周波数を測定する。ここで、流路形成基板10に形成されたすべての圧力発生室12の共振周波数を測定してもよいし、複数の圧力発生室12の共振周波数のみを測定してもよい。例えば、前もって共振周波数が一次関数的に変化することが分かっている場合には、流路形成基板10の両端の圧力発生室12の共振周波数のみを測定するようにしてもよい。また、前もって共振周波数が中央部を頂点として二次関数的に変化することが分かっている場合には、流路形成基板10の両端の圧力発生室12と及びその中央に位置する圧力発生室12の共振周波数を測定するようにしてもよい。
次に、圧力発生室12の列設方向における共振周波数の変化の度合に応じて予め設定されたランクに、上述した測定結果に応じて流路形成基板10をランク分けする工程について説明する。ここで、流路形成基板の中には、圧力発生室12の列設方向における共振周波数が、流路形成基板10の一端側から他端側に向かって一定の割合で(一次関数的に)増加するものがある。また、圧力発生室12の列設方向における共振周波数は、流路形成基板10の一端側から他端側に向かって一定の割合で(一次関数的に)減少するものがある。さらに、圧力発生室12の列設方向における共振周波数は、中央に位置する圧力発生室12が最も高く、一端側及び他端側に向かうにつれて所定の割合で(二次関数的に)減少するものがある。そこで、以下では、説明を簡単にするために、図9に示すように、流路形成基板10の一端側から他端側に向かうにつれて各圧力発生室12の共振周波数が一次関数的に増加する場合について説明する。なお、上述したように、圧力発生室12の列設方向における各圧力発生室12の共振周波数が流路形成基板10の一端側から他端側に向かって一次関数的に減少するとしても、上述したように二次関数的に減少するとしても以下の説明は同様に考えることができる。
ここで、共振周波数の変化の度合とは、圧力発生室12の列設方向における共振周波数のバラツキの大きさ、例えば図9に示す直線の傾きをいう。したがって、本実施形態では、共振周波数の変化の度合を、最も低い最低共振周波数(一端側の圧力発生室12の共振周波数)hminに対して、最も高い最高共振周波数(他端側の圧力発生室12の共振周波数)hmaxから最低共振周波数hminを引いた増加分の増加割合R〔(hmax−hmin)/hmin〕とする。
そして、ランクをこの共振周波数の変化の度合に応じて設定する。本実施形態では、0%≦R<4%のものをランク0、4%≦R<6%、6%≦R<8%、8%≦R<10%のものをそれぞれランク1、2、3とする。このことから、例えば圧力発生室12の列設方向における共振周波数のバラツキが大きいほど、その流路形成基板10はより大きなランクにランク分けされることになる。
以上のことから、この工程では、測定して得られた圧力発生室12の列設方向における共振周波数から増加割合Rを算出し、その増加割合Rに基づいて流路形成基板10を上述したランクにランク分けすることになる。例えば、流路形成基板10の増加割合が5%の場合には、その流路形成基板10をランク1にランク分けすることになる。
さらに、各ランクに応じて開口径の異なる複数種類のノズル開口21を配列したノズルプレート20を作製する工程について説明する。この工程では、圧力発生室12の列設方向における各圧力発生室12の共振周波数の変化の傾向と逆の傾向で各ノズル開口21の開口径が変化し、且つその共振周波数の変化の度合とその開口径の変化率とが正の相関を有するようにノズルプレート20を作製する。すなわち、本実施形態では、上述したように各圧力発生室12の共振周波数が流路形成基板10の一端側から他端側に向かうにつれて一次関数的に増加しているので、各ノズル開口21の開口径が流路形成基板10の一端側から他端側に向かうにつれて一次関数的に小さくなるようにノズルプレート20を作製する。そして、共振周波数の変化の度合がより大きいランクに対しては、そのノズル開口21の開口径の変化率がより大きくなるような(一端側のノズル開口21の開口径に対して他端側のノズル開口21の開口径がより小さくなるような)ノズル開口21を有するようにノズルプレート20を作製する。
具体的には、例えば共振周波数の変化の度合が相対的に小さいランク1に対しては、図10に示すように、流路形成基板10の一端側から他端側にむかうにつれてノズル開口21の開口径が小さくなるノズル開口21を有するノズルプレート20が作製されるが、そのノズル開口21の開口径の変化率は相対的に小さい。一方、共振周波数の変化の度合が相対的に大きなランク3に対しては、図11に示すように、図10に示すノズルプレート20と同様に、流路形成基板10の一端側から他端側にむかうにつれてノズル開口21の開口径が小さくなるノズル開口21を有するノズルプレート20Aが作製されるが、そのノズル開口21の開口径の変化率は、図10に示すノズルプレート20のものよりも相対的に大きくなる。
なお、ノズルプレート20に穿設するノズル開口21の大きさは、圧力発生室12の共振周波数に応じてそれぞれ異なるようにしてもよいが、以下に説明するように、所定の共振周波数の範囲(以下、規格範囲という)内に含まれる共振周波数を有する圧力発生室12に対しては同じ大きさとしてもよい。
例えば、図12に示すように、インク滴の吐出速度の範囲を所定の吐出速度範囲Uで分割し、各吐出速度の範囲に対応する規格範囲w1〜wn(nは整数)を割り当てる。なお、この吐出速度範囲Uは任意に設定すればよい。次に、各規格範囲w1〜wnに対応するノズル開口21の開口径a1〜an(nは整数)をそれぞれ設定する。そして、規格範囲w1〜wn内に含まれる共振周波数を有する圧力発生室12に対しては、その規格範囲w1〜wnに対応する開口径a1〜anをその圧力発生室12に対応するノズル開口21の開口径とする。この場合には、同じ開口径のノズル開口21が列なって複数穿設されたノズルプレート20が作製されることになる。
そして、上述した各工程の後、流路形成基板10のランクに対応するノズルプレート20を流路形成基板10に接合する。このようにして作製されたインクジェット式記録ヘッドからは、吐出速度が均一化されたインク滴が各ノズル開口21から吐出されることになる。
以上説明したようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法によれば、圧電素子300の変位のバラツキが大きなチップを用いても、各ノズル開口21から吐出されるインク滴の吐出速度が均一化された液体噴射ヘッドを容易に作製することができる。
なお、圧力発生室12の共振周波数と圧力発生室12から吐出されるインク滴の吐出量との間には、共振周波数が小さくなるほどインク滴の吐出量が大きくなるという負の相関がある。これは、圧電素子300の変位量が大きいことは圧力発生室12の一部を構成する振動板が柔らかいことを意味し、結果として共振周波数が低くなると考えられるからである。また、上述したようにして製造されたインクジェット式記録ヘッドでは、より小さい共振周波数を有する圧力発生室12に対して、より大きな開口径を有するノズル開口がノズルプレート20に穿設される。
したがって、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、ノズル開口21から吐出されるインク滴の吐出量が多くなるほど開口径のより大きなノズル開口21からインクが吐出されることになるので、紙面に表示される画像はより濃くなる。一方、ノズル開口21から吐出されるインク滴の吐出量が少なくなるほどより開口径のより小さなノズル開口21からインクが吐出されることになるので、紙面に表示される画像はより薄くなる。
そこで、以下に説明するように、インクジェット式記録ヘッドの操作方法を補正すればよい。例えば通常のインクジェット式記録ヘッドでは、図13に示すように、一度インクを吐出(駆動1)させた後、インクジェット式記録ヘッドを紙面に対して所定の距離Lだけ移動させてから再度インクを吐出(駆動2)させている。そして、これらの動作を複数回行うことによって、紙面に画像を表示するようにしている。
これに対して、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図14に示すように、一度インクを吐出(駆動1A)させた後、インクジェット式記録ヘッドを紙面に対して所定の距離l(l<L)だけ移動させてから、重ね塗りするように再度インクを吐出(駆動2A)させればよい。すなわち、結果的に、インクジェット式記録ヘッドパス数を増加するような補正をすればよい。
(実施形態2)
実施形態1では、ランク分けにおいて、圧力発生室12の共振周波数を測定し、圧力発生室12の列設方向における各共振周波数の変化の度合に応じて予め設定した複数のランクに、この測定結果に応じて流路形成基板10をランク分けしたが、圧力発生室12の共振周波数に代えて圧電素子300の変位量をレーザードップラー装置などで測定し、圧力発生室12の列設方向における各圧電素子300の変位量の変化の度合に応じて予め設定した複数のランクに、この測定結果に応じて流路形成基板10をランク分けしてもよい。
ここで、実施形態1の共振周波数の場合とは逆に、流路形成基板10上に圧電素子300が形成され且つ流路形成基板10に圧力発生室12が形成された状態での圧電素子300の変位量と、その流路形成基板10にノズルプレートを接合させた状態でのノズル開口から吐出されるインク滴の吐出速度との間には(一次関数的な)正の相関がある。また、上述したように、ノズル開口21の開口径が大きさと、そのノズル開口21から吐出されるインク滴の吐出速度との間には(一次関数的な)負の相関がある。これらのことから、圧電素子300の変位量が相対的に大きな圧力発生室12に対してノズル開口21の開口径を相対的に大きくすることによって、各ノズル開口21から吐出されるインク滴の吐出速度を均一化することができることになる。
したがって、各ランクに応じて開口径の異なる複数種類のノズル開口21を配列したノズルプレート20を作製する工程では、圧力発生室12の列設方向における各圧電素子300の変位量の変化の傾向と同じ傾向で各ノズル開口21の開口径が変化し、且つその圧電素子300の変位量の変化の度合とその開口径の変化率とが正の相関を有するようにノズルプレート20を作製する。すなわち、本実施形態において、各圧電素子300の変位量が流路形成基板10の一端側から他端側に向かうにつれて一次関数的に減少しているとすると、各ノズル開口21の開口径が流路形成基板10の一端側から他端側に向かうにつれて一次関数的に小さくなるようにノズルプレート20を作製する。そして、圧電素子300の変位量の度合がより大きいランクに対しては、そのノズル開口21の開口径の変化率がより大きくなるような(一端側のノズル開口21の開口径に対して他端側のノズル開口21の開口径がより小さくなるような)ノズル開口21を有するようにノズルプレート20を作製することになる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1及び2を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、実施形態1及び2では、圧力発生手段として、圧電素子300を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、圧力発生室の一部となる振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエータなどを使用することができる。なお、この場合における圧力発生手段の変位量は振動板の変位量に該当する。
なお、上述した実施形態1及び2では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
実施形態1に係る記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 共振周波数と吐出速度との関係を示すグラフである。 開口径と吐出速度との関係を示すグラフである。 実施形態1に係るノズル開口の位置と共振周波数との関係を示すグラフである。 実施形態1に係るノズルプレートの概略図である。 実施形態1に係る他のノズルプレートの概略図である。 実施形態1に係る共振周波数の範囲と吐出速度の範囲との関係を示すグラフである。 従来の操作方法により吐出されたインク滴のインク画像を示す図である。 補正された操作方法により吐出されたインク滴のインク画像を示す図である。
符号の説明
1 液体噴射ヘッド、 10 流路形成基板、 11 隔壁、 12 圧力発生室、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 15 連通路、20,20A ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 リザーバ部、 32 圧電素子保持部、 33 貫通孔、 35 接着剤、 40 コンプライアンス基板、 41 封止膜、 42 固定板、 43 開口部、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 100 リザーバ、 120 駆動回路、 121 接続配線、300 圧電素子、 320 圧電体能動部

Claims (4)

  1. 液滴を吐出するノズル開口が複数設けられたノズルプレートと、該ノズル開口のそれぞれに連通する圧力発生室が列設された流路形成基板と、該流路形成基板上に設けられて前記圧力発生室内に液滴吐出のための圧力を付与する圧力発生手段とを具備する液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    前記流路形成基板上に前記圧力発生手段が形成され且つ当該流路形成基板に前記圧力発生室が形成された状態で、複数の前記圧力発生室の共振周波数又は前記圧力発生手段の変位量を測定する工程と、
    前記圧力発生室の列設方向における各圧力発生室の共振周波数の変化の度合又は前記圧力発生手段の変位量の変化の度合に応じて予め設定した複数のランクに、この測定結果に応じて前記流路形成基板をランク分けする工程を有する一方、各ランクに対応して開口径の異なる複数種類のノズル開口を配列したノズルプレートを作製する工程を有し、前記流路形成基板のランクに応じて所定の前記ノズルプレートを前記流路形成基板に接合することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  2. 前記ノズルプレートを、前記圧力発生室の列設方向における各圧力発生室の共振周波数の変化の傾向と逆の傾向で各ノズル開口の開口径が変化し、且つその共振周波数の変化の度合とその開口径の変化率とが正の相関を有するように作製することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  3. 前記ノズルプレートを、前記圧力発生室の列設方向における各圧力発生手段の変位量の変化の傾向と同じ傾向で各ノズル開口の開口径が変化し、且つその変位量の変化の度合とその開口径の変化率とが正の相関を有するように作製することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  4. 前記圧力発生手段が圧電素子であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
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JP2013188931A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Brother Industries Ltd 液体吐出装置

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