JP2009220371A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロストークを減少させて液体の吐出特性を向上すると共に小型化した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を噴射するノズル開口21に連通する圧力発生室12を有する個別流路が設けられた流路形成基板10と、該流路形成基板10の一方面側の前記圧力発生室12に相対向する領域に設けられた圧力発生素子300とを具備すると共に、前記流路形成基板10の前記圧力発生素子300側の面には、前記圧力発生素子300に相対向する領域に前記個別流路の共通の液体室となるリザーバ100が設けられたリザーバ形成基板30が、前記圧力発生素子300との間に所定の間隔で設けられたコンプライアンス基板40を介して接合され、当該コンプライアンス基板40の前記リザーバ100を封止する領域には可撓部が設けられたヘッドチップを具備し、前記個別流路と前記リザーバ100とを連通する流路45の一部を封止部材120で封止している。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液体噴射ヘッドであるインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室とこの圧力発生室の長手方向一端部側に圧力発生室の短手方向に亘って設けられて各圧力発生室に連通する連通部とが形成される流路形成基板と、この流路形成基板の一方面側に形成される圧電素子と、流路形成基板の圧電素子側の面に接着剤を介して接合されて、連通部と共にリザーバの一部を構成するリザーバ部を有するリザーバ形成基板とを具備するものがある(例えば、特許文献1参照)。
このような特許文献1の構成では、リザーバとして、圧力発生室の長手方向一端部側にリザーバの一部を構成する連通部が設けられているため、インクジェット式記録ヘッドが圧力発生室の長手方向で大型化してしまうという問題がある。
また、流路形成基板に接合されたリザーバ形成基板の圧電素子保持部に相対向する領域にリザーバを設けたものがある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この構造を採用すると、圧力発生室の長手方向で多少の小型化ができるが、圧力発生室の長手方向一端部側にリザーバの一部を構成する連通部が設けられていることに起因してインクジェット式記録ヘッドが圧力発生室の長手方向で大型化してしまうという問題は解消されていない。
特開2005−219243号公報(第3〜5図、第6〜8頁) 特開2001−105611号公報(第6〜8図、第8〜9頁)
本発明はこのような事情に鑑み、クロストークを減少させて液体の吐出特性を向上すると共に小型化した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室を有する個別流路が設けられた流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側の前記圧力発生室に相対向する領域に設けられた圧力発生素子とを具備すると共に、前記流路形成基板の前記圧力発生素子側の面には、前記圧力発生素子に相対向する領域に前記個別流路の共通の液体室となるリザーバが設けられたリザーバ形成基板が、前記圧力発生素子との間に所定の間隔で設けられたコンプライアンス基板を介して接合され、当該コンプライアンス基板の前記リザーバを封止する領域には可撓部が設けられたヘッドチップを具備し、前記個別流路と前記リザーバとを連通する流路の一部を封止部材で封止していることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、個別流路とリザーバとを連通する流路の一部を流路形成基板とは別部材の封止部材で封止するようにしたので、個別流路の長手方向での小型化を図ることができる。また、流路形成基板の圧力発生素子側にリザーバを設けるようにしたため、液体噴射ヘッドの圧力発生室の長手方向の幅を小さくすることができ、小型化を図ることができる。また、リザーバ形成基板と流路形成基板との間にリザーバを封止するコンプライアンス基板を設け、コンプライアンス基板のリザーバに相対向する領域に可撓部を設けるようにしたため、広い面積で可撓部を形成することができ、液体を吐出した際の圧力発生室の応力変化によるクロストークを可撓部によって低減させることができる。また、液体が貯留された貯留手段からリザーバに液体が供給された際の動圧を可撓部によって吸収させることができる。これにより、液体吐出特性を向上することができる。
ここで、前記個別流路の長手方向の一端部に前記リザーバと連通する流路が形成され、当該流路の前記個別流路との反対側の隔壁が前記封止部材で構成されているのが好ましい。これによれば、流路の個別流路との反対側の隔壁が封止部材で形成されるので、流路形成基板を個別流路の長手方向で小型化でき、ウェハでの取り数の向上を図ることができる。
また、前記封止部材が、前記ヘッドチップを固定するヘッドケースに一体的に設けられているのが好ましい。これによれば、封止部材での封止をヘッドチップをヘッドケースに固定する際に同時に行えるので、部品点数及び作業工程を低減することができる。
また、前記コンプライアンス基板が、前記流路形成基板側に接合される固定板と、該固定板に接合された可撓性材料からなる封止膜とを具備し、前記固定板の前記リザーバに相対向する領域には厚さ方向に貫通する開口部が設けられ、該開口部によって前記リザーバが前記封止膜のみで封止された領域が前記可撓部となっているのが好ましい。これによれば、コンプライアンス基板に可撓部を広い面積で容易に設けることができる。
また、前記コンプライアンス基板には、前記リザーバと前記個別流路とを連通する流路を個別流路毎に区画する区画壁が設けられているのが好ましい。これによれば、リザーバからの液体を区画壁の間を間隙を介して個別流路に供給することができる。
また、前記リザーバ形成基板の前記コンプライアンス基板とは反対側の面には、前記圧力発生素子を駆動する駆動回路が実装されているのが好ましい。これによれば、リザーバ形成基板上に駆動回路を実装することで、液体噴射ヘッドの圧力発生室の長手方向である幅方向の小型化をさらに図ることができる。
さらに、本発明の他の態様は、上述した何れかの態様に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様によれば、小型化及び液体噴射特性を向上した液体噴射装置を実現できる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図である。図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化によって二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12がその幅方向(短手方向)に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向一端部側には、圧力発生室12と共に詳しくは後述するノズル開口毎に個別流路を構成する液体供給路の一例であるインク供給路14と連通部13とが隔壁11によって区画されている。
インク供給路14は、詳しくは後述するリザーバ100と圧力発生室12との間でインクに流路抵抗を生じさせるものであり、圧力発生室12の長手方向一端部側に連通し且つ圧力発生室12より小さい断面積を有する。例えば、本実施形態では、インク供給路14は、圧力発生室12の流路を幅方向に絞ることで、圧力発生室12の幅より小さい幅で形成されている。なお、このように、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。さらに、各連通部13は、インク供給路14の圧力発生室12とは反対側に連通し、インク供給路14の幅方向(短手方向)より大きい断面積を有する。本実施形態では、連通部13を圧力発生室12と同じ断面積で形成した。
すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12と、圧力発生室12の短手方向の断面積より小さい断面積を有するインク供給路14と、このインク供給路14に連通すると共にインク供給路14の短手方向の断面積よりも大きい断面積を有する連通部13とからなる個別流路が複数の隔壁11により区画されて設けられている。
流路形成基板10の圧力発生室12等の個別流路が開口する面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズル形成部材の一例でノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等からなる。
一方、このような流路形成基板10のノズルプレート20とは反対側の面には、上述したように弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、例えば、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、下電極膜60と圧電体層70と上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。本実施形態では、下電極膜60を圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。すなわち、本実施形態では、圧力発生室12内のインク(液体)に圧力変化を生じさせる圧力発生素子として、圧電素子300を設けるようにした。
また、このような各圧電素子300の上電極膜80には、流路形成基板10のインク供給路14とは反対側の端部近傍まで延設された金(Au)等のリード電極90がそれぞれ接続されている。このリード電極90を介して各圧電素子300に選択的に電圧が印加される。
また、流路形成基板10の圧電素子300側の面には、個別流路の共通のインク室(液体室)となるリザーバ100が設けられたリザーバ形成基板30がコンプライアンス基板40を介して設けられている。すなわち、流路形成基板10の圧電素子300側の面には、接着剤35を介して接合されたコンプライアンス基板40と、コンプライアンス基板40上に接着剤36を介して接合されたリザーバ形成基板30とが設けられている。
リザーバ形成基板30には、複数の圧電素子300に相対向する領域に、流路形成基板10側に開口する凹形状を有するリザーバ100が設けられており、リザーバ100の開口はコンプライアンス基板40によって封止されている。本実施形態では、リザーバ100を、連通部13に相対向する領域から複数の圧電素子300に相対向する領域に達するまで連続して設けるようにした。
また、リザーバ形成基板30のコンプライアンス基板40とは反対側の面には、リザーバ100と図示しない外部のインクが貯留されたインクタンク等の貯留手段とを連通する導入孔31が設けられている。導入孔31は、詳しくは後述するコンプライアンス基板40の流路45とは反対側の端部側に設けられており、これにより、貯留手段から導入されたインクの動圧による影響が流路45を介して圧力発生室12に及ぼされるのを低減している。
なお、リザーバ形成基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料であるシリコン単結晶基板を用いている。このように、リザーバ形成基板30を流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料を用いることで、インクジェット式記録ヘッドがインク吐出時や製造時などに加熱されても、熱膨張率の違いにより反りが生じてクラック等の破壊が発生するのを防止することができる。
コンプライアンス基板40は、流路形成基板10側に接着剤35を介して接合された固定板41と、固定板41上に接合された封止膜42とで構成されている。
固定板41は、例えば、厚さが数十μm程度、本実施形態では、厚さが30μmの板状部材からなり、連通部13に相対向する領域からリード電極90上に達する幅で、且つ圧力発生室12の並設方向外側に達する長さを有する。
なお、固定板41の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と同一材料で形成するのが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料であるシリコン単結晶基板を用いている。このように、コンプライアンス基板40の流路形成基板10と接合される固定板41に流路形成基板10と同一材料であるシリコン単結晶基板を用いることで、インクジェット式記録ヘッドがインク吐出時や製造時などに加熱されても、熱膨張率の違いにより反りが生じてクラック等の破壊が発生するのを確実に防止することができる。また、固定板41は流路形成基板10の厚さに対して薄い部材であるため、固定板41の材料としてステンレス鋼(SUS)を用いたとしても、熱による反りが生じる可能性は低い。
また、封止膜42は、剛性が低く可撓性を有する樹脂などの可撓性材料、例えば、厚さが数μm程度、本実施形態では、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム等からなる。勿論、可撓性材料として、ポリフェニレンサルファイド以外に、ポリイミドやポリアミドなどを用いることができる。
さらに、固定板41には、リザーバ100に相対向する領域に厚さ方向に完全に除去された開口部43が設けられている。このような開口部43は、複数の圧電素子300に相対向する領域に設けられている。
そして、コンプライアンス基板40には、固定板41の開口部43によって、リザーバ100の開口を封止膜42のみで封止する撓み変形可能な可撓部44が設けられている。すなわち、固定板41の開口部43を複数の圧電素子300に相対向する領域に設けることで、リザーバ100の開口を封止する封止膜42と圧電素子300との間に所定の空間を設け、且つリザーバ100の開口を封止する封止膜42を撓み変形可能な可撓部44としている。
なお、このような封止膜42は、可撓部44として用いられるため、少なくとも固定板41の開口部43を封止する大きさで設けられていればよい。本実施形態では、封止膜42を固定板41の外周と同じ大きさで設けるようにした。
また、コンプライアンス基板40の圧力発生室12の長手方向の寸法は、インク供給路14が形成された領域に対応するようにし、その外側の側面(端面)が、連通部13とリザーバ100とを連通する流路45の内壁面の一部を画成するようになっている。
一方、この流路45の外側の内壁は、封止部材120により画成されている。かかる封止部材120は、下面が接着剤37を介してノズルプレート20に接着され且つ下端部及び上端部の側面が接着剤38を介して流路形成基板10及びリザーバ形成基板30の側面(端面)にそれぞれ接着されることにより固定されている。これにより、連通部13及びリザーバ100とを連通する流路45は、コンプライアンス基板40の側面と封止部材120とで画成される。
この流路45は、本実施形態では、複数の個別流路である連通部13に亘って1つ設けられている。そして、リザーバ100からのインクは、流路45を介して各個別流路である連通部13、インク供給路14及び圧力発生室12に供給される。すなわち、リザーバ100は、各個別流路の共通の液体室(インク室)として機能する。
また、リザーバ形成基板30の上には、図示は省略するが、圧電素子300を駆動するための駆動回路が実装されていてもよい。駆動回路としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、この場合には、各圧電素子300から引き出された引き出し配線である各リード電極90の先端部と、駆動回路とがボンディングワイヤ等からなる駆動配線を介して電気的に接続されるように構成される。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部のインクが貯留された貯留手段から導入孔31を介してインクを取り込み、リザーバ100から流路45を介してノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、圧電素子300及び振動板をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインクが吐出する。
このように、流路形成基板10の圧電素子300に相対向する領域にリザーバ100を設けるようにしたため、インクジェット式記録ヘッドの圧力発生室12の長手方向の幅を小さくすることができ、小型化を図ることができる。
また、流路形成基板10とリザーバ形成基板30との間にコンプライアンス基板40を設け、コンプライアンス基板40の圧電素子300に相対向する領域に可撓部44を設けることで、導入孔31からリザーバ100にインクが供給された際のリザーバ100内の圧力変動を可撓部44によって低減させることができる。また、ヘッドの小型化のために、リザーバ形成基板30の導入孔31を圧電素子300に相対向する領域に形成しても、導入孔31に相対向する領域に可撓部44が形成されているため、リザーバ100内の圧力変動を可撓部44によって低減させることができる。すなわち、導入孔31からリザーバ100に供給されたインクは、供給方向に設けられた可撓部44に当接し、可撓部44が撓み変形することによって、リザーバ100内の圧力変動を低減させることができる。これにより、リザーバ100にインクが供給された際に圧力発生室12に圧力変動が影響するのを低減させて、インク吐出特性を向上することができる。
また、流路形成基板10とリザーバ形成基板30との間に可撓部44を有するコンプライアンス基板40を設けることで、可撓部44を広い面積で形成することができ、リザーバ100内の圧力変動を低減させて、圧力変動の悪影響によるクロストークの発生を確実に低減させることができる。
さらに、流路形成基板10とリザーバ形成基板30との間に可撓部44を有するコンプライアンス基板40を設けることで、リザーバ形成基板30上に圧電素子300を駆動する駆動回路を実装することもでき、駆動回路を実装するための部品等が不要となり、部品点数を増大させることなく小型化することができる。
なお、本実施形態では、圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14からなる個別流路の内壁表面と、コンプライアンス基板40と封止部材120とで画成される流路45の内壁表面と、流路45に連続する接着剤35、36、37、38の内面とに亘って、耐インク性(耐液体性)を有する材料、例えば、五酸化タンタル(Ta)等の酸化タンタルからなる保護膜200が、約50nmの厚さで設けられている。なお、ここで言う耐インク性とは、例えば、アルカリ性のインクに対する耐エッチング性のことである。なお、このような保護膜200の材料は、酸化タンタルに限定されず、使用するインクのpH値によっては、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等を用いてもよい。
このように、保護膜200を設けることで、流路形成基板10及びコンプライアンス基板40がインクにより侵食されるのを防止して、耐久性及び信頼性を向上することができる。
以下、このような本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの製造方法について説明する。なお、図3〜図4は、インクジェット式記録ヘッドの製造工程を説明する断面図であり、圧力発生室の長手方向の断面図である。
まず、図3(a)に示すように、複数のヘッドチップに対応する流路形成基板10となるシリコンウェハである流路形成基板用ウェハ110を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン膜52を形成した後、順次、酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜55、例えば、白金とイリジウムとからなる下電極膜60、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70、例えば、イリジウム(Ir)からなる上電極膜80を成膜及びパターニングし、各圧力発生室12となる領域に圧電素子300を形成し、さらに、リード電極90を形成する。
次に、図3(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ110の圧電素子300側に、各ヘッドチップに対応する領域にコンプライアンス基板40を接着する。
次に、シリコンウェハであり複数のリザーバ形成基板30となるリザーバ形成基板用ウェハ130を接合する。なお、このリザーバ形成基板用ウェハ130には、予め、リザーバ100となる凹部等が形成してある。
次に、図3(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ110上に、所定形状にパターニングしたマスク膜を新たに形成し、マスク膜を介して流路形成基板用ウェハ110をアルカリ性のエッチング溶液により異方性エッチングすることにより、圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14等を形成する。このとき、リザーバ形成基板用ウェハ130の表面は封止シートなどによって保護しておく。
次に、図4(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ110及びリザーバ形成基板用ウェハ130を図1に示すような一つのヘッドチップのサイズに分割する。このとき、流路45を画成する隔壁の一方は、流路形成基板用ウェハ110及びリザーバ形成基板用ウェハ130から切り出す必要がないので、ヘッドチップの取り数を10〜20%程度は増大することができる。
次いで、図4(b)に示すように、各ヘッドチップに対応する流路形成基板10及びリザーバ形成基板30にノズルプレート20及び封止部材120を接着して固定することにより、上述した流路45を封止し、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドとする。
このように、本実施形態では、流路45を封止する封止部材120をウェハから形成する流路形成基板10及びリザーバ形成基板30とは別部材として、ヘッドチップ毎に分割した後、接着するようにしたので、ウェハでの取り数が増大し、低コスト化を図ることができる。
また、封止部材120は、流路45を封止するための部材としてもよいが、ヘッドチップを固定するケースヘッドに一体的に設けられたものとするのが好ましい。これによれば、ヘッドチップをケースヘッドに固定する工程で、流路45を封止することができ、工程数を省くことができる。
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの概略斜視図である。
図示するように、本実施形態のコンプライアンス基板40Aには、流路45の連通部13側を、個別流路毎に設けられた連通部13にそれぞれ連通する流路47とする区画壁46を具備する。すなわち、流路45の一部が区画壁46により個別流路毎に区画された流路47となる。このような構成としても、上述した実施形態1と同様に、部品点数を増加させることなく、インクジェット式記録ヘッドの小型化を図ることができると共に、可撓部44を広い面積で形成することができ、リザーバ100へのインク供給時及びインク吐出時のクロストークを低減することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1及び2では、個別流路として、圧力発生室12、インク供給路14及び連通部13を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、連通部13を設けないようにしてもよい。また、上述した実施形態2のように、各個別流路毎に独立した流路47を設けた場合には、流路47を圧力発生室12とリザーバ100との間のインクに流路抵抗を生じさせるインク供給路として機能させることで、流路形成基板10にインク供給路14及び連通部13を設けないようにしてもよい。これにより、流路形成基板10に圧力発生室12のみを形成すればよく、さらに圧力発生室12の長手方向の幅を小さくすることができると共に、コストを低減することができる。勿論、流路形成基板10に各個別流路に連通してリザーバ100の一部を構成するリザーバ部等を設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態1では、流路45を全ての個別流路に連通するように設け、実施形態2では、流路47を各個別流路毎に独立して設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、流路を複数の個別流路からなる個別流路群毎に設けるようにしてもよい。これにより、インク吐出時に流路によってインクに流路抵抗を生じさせることができると共に、コンプライアンス基板と流路形成基板10との接合時に位置決めを容易に行うことができる。
さらに、上述した実施形態1及び2では、コンプライアンス基板40、40Aを封止膜42と固定板41とで構成し、固定板41の開口部43によって可撓部44を形成するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、一枚の板状部材の厚さを部分的に薄くすることで可撓部44等を形成するようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態1及び2では、コンプライアンス基板40、40Aに1つの可撓部44を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、固定板41に複数の開口部43を設けることで、複数の可撓部44を設けるようにしてもよい。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図6は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図6に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
上述した実施形態においては、圧力発生素子として圧電素子を用いて説明したが、振動板と電極を所定の隙間を開けて配置し、静電気力で振動板の振動を制御する、いわゆる静電アクチュエータを圧力発生素子として用いてもよい。また、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
実施形態1に係る記録ヘッドの概略斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を説明する断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を説明する断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの概略斜視図である。 一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 リザーバ形成基板、 31 導入孔、 40、40A コンプライアンス基板、 41 固定板、 42 封止膜、 43 開口部、 44 可撓部、 45、47 流路、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 100 リザーバ、 300 圧電素子

Claims (7)

  1. 液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室を有する個別流路が設けられた流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側の前記圧力発生室に相対向する領域に設けられた圧力発生素子とを具備すると共に、前記流路形成基板の前記圧力発生素子側の面には、前記圧力発生素子に相対向する領域に前記個別流路の共通の液体室となるリザーバが設けられたリザーバ形成基板が、前記圧力発生素子との間に所定の間隔で設けられたコンプライアンス基板を介して接合され、当該コンプライアンス基板の前記リザーバを封止する領域には可撓部が設けられたヘッドチップを具備し、
    前記個別流路と前記リザーバとを連通する流路の一部を封止部材で封止していることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記個別流路の長手方向の一端部に前記リザーバと連通する流路が形成され、当該流路の前記個別流路との反対側の隔壁が前記封止部材で構成されていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記封止部材が、前記ヘッドチップを固定するヘッドケースに一体的に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記コンプライアンス基板が、前記流路形成基板側に接合される固定板と、該固定板に接合された可撓性材料からなる封止膜とを具備し、前記固定板の前記リザーバに相対向する領域には厚さ方向に貫通する開口部が設けられ、該開口部によって前記リザーバが前記封止膜のみで封止された領域が前記可撓部となっていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記コンプライアンス基板には、前記リザーバと前記個別流路とを連通する流路を個別流路毎に区画する区画壁が設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記リザーバ形成基板の前記コンプライアンス基板とは反対側の面には、前記圧力発生素子を駆動する駆動回路が実装されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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