JP4265981B2 - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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本発明は、インクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの製造方法に関する。
インクジェットプリンタは被印刷物にインクを吐出するインクジェットヘッドを備えている。インクジェットヘッドとしては、インクが供給される複数の圧力室と、これに対応する圧電素子とを備え、圧電素子に電位を印加して駆動させることにより圧力室内に圧力を発生させ、圧力室に対応する各ノズルからインクを吐出するものが知られている。このようなインクジェットヘッドは、開口加工等を施された金属薄板が積層されることによって内部に圧力室やノズルを含むインク流路が形成された流路部材と、電極に挟持された圧電素子とを接合して製作されるのが一般的である。そして、ノズルからインクを吐出させるときは、制御装置によりFPC(Flexible Printed Circuit)等の給電部材を介して圧電素子を挟持する電極に電位が印加される。
インクジェットヘッドの製造工程の1つに、流路部材と圧電素子との接合不良を判定するための判定工程がある。この判定工程では、組み立てが完了したインクジェットヘッドからインクを吐出させてこれらの不良を判定する。しかしながらインクジェットヘッドの組み立てが完了した後に判定工程を行うと、不良なインクジェットヘッドに対して部品コスト及び製造コストをかけなければならないという問題がある。そこで、圧電素子に給電部材を接続した段階で、給電部材であるFPCを介して電極に電位を印加することにより圧電素子の固有振動数を測定し、その測定結果に基づいて流路部材と圧電素子との接合状態の不良を判定する技術が知られている(特許文献1参照)。この技術によると、インクを吐出させることなくこれらの不良を発見することができるため、無駄な部品コスト及び製造コストを削減することができる。
特開平11−64175号公報(図5)
上述した技術は、固有振動数に基づいて圧電素子の機械的拘束状態を検査することで各部材の接合状態の不良を判定するものであるが、固有振動数のみでは圧電素子の圧電特性を十分に把握することができないため、圧電特性の異常を高い精度で発見することができない。従って、圧電素子の圧電特性に異常がある場合には、組み立てが完了したインクジェットヘッドからインクを吐出させなければその異常を発見することができない。このため、インクジェットヘッドに無駄な部品コスト及び製造コストをかけなければならない。
そこで、本発明の主たる目的は、無駄な部品コスト及び製造コストを削減することができるインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、圧力室を経てインクを吐出するノズルに至る複数の個別インク流路が形成された流路ユニットを作製する流路ユニット作製工程と、前記流路ユニットに接合されていると共に、変形に伴って前記圧力室の容積を変化させる圧電体を含むアクチュエータユニットを作製するアクチュエータユニット作製工程と、前記流路ユニットと前記アクチュエータユニットとを接合することによって、前記流路ユニットと前記アクチュエータユニットとの接合体を作製する接合体作製工程と、前記接合体に含まれる前記圧電体について、一又は複数の前記圧力室に対向する領域ごとに、インピーダンスの周波数特性を測定する測定工程と、複数の前記領域に関する、インピーダンスが極大となる周波数である反共振周波数Faとインピーダンスが極小となる周波数である共振周波数Frとの差Fa−Frの分布に基づいて、前記接合体が良品であるか否かを判定する判定工程とを備えていることを特徴とする。
本発明の発明者は、Fa−Frの分布が、圧電素子の圧電特性に対して相関を有することを新たに見出した。本発明は、この発明者の新たな知見に基づいてなされたものであり、Fa−Frの分布を比較することにより異常な分布が含まれているか否かを判定することができる。つまり、分布の一部に異常がある場合でも容易にこれを検知することで、圧電素子の不良を高い精度で判定することができる。これにより、無駄な部品コスト及び製造コストを削減することができる。
また、本発明においては、前記判定工程で良品であると判定された前記接合体の前記アクチュエータユニットに、前記アクチュエータユニットに駆動信号を供給するための給電部材を接合する給電部材接合工程をさらに備えていることが好ましい。これによると、給電部材の接合前に判定工程を行うため、給電部材自体の抵抗や浮遊容量等に影響を受けることがなく、圧電素子の不良を高い精度で判定することができるため、無駄な部品コスト及び製造コストをさらに削減することができる。また、不良な接合体に給電部材が接合されることがないため、給電部材を無駄にすることがない。
さらに、本発明では、前記判定工程において、前記接合体内の複数の前記領域に対応した複数の差Fa−Frの偏差のすべてが所定値以下である場合に、当該接合体が良品であると判定することが好ましい。これによると、画一的な処理で圧電素子の不良を高い精度で判定することができる。
加えて、本発明においては、前記所定値が、差Fa−Frの平均値の30%であることがより好ましい。これによると、より高い精度で圧電素子の不良を判定することができる。
さらに、本発明においては、前記接合体作製工程において、前記流路ユニットと複数の前記アクチュエータユニットとを接合し、前記判定工程において、前記接合体内の各アクチュエータユニットにおける複数の前記領域に対応した複数の差Fa−Frの偏差のすべてが当該アクチュエータユニットについて設定された個別所定値以下であり、且つ、前記接合体内の複数の前記アクチュエータユニットにおける複数の前記領域に対応した複数の差Fa−Frの前記アクチュエータユニットごとの平均値の偏差のすべてが前記接合体について設定された全体所定値以下である場合に、当該接合体が良品であると判定することが好ましい。これによると、複数のアクチュエータユニットを備えている場合でも各部材の接合状態、及び圧電素子の不良を高い精度で判定することができる。
加えて、本発明においては、前記判定工程において、複数の前記領域に関する、差Fa−Frの分布と、共振周波数Frの分布とに基づいて、前記接合体が良品であるか否かを判定することが好ましい、または、前記判定工程において、前記接合体内の複数の前記領域に対応した複数の差Fa−Frの偏差のすべてが第1所定値以下であり、且つ、前記接合体内の複数の前記領域に対応した複数の共振周波数Frの偏差のすべてが第2所定値以下である場合に、当該接合体が良品であると判定することが好ましい。これらによると、各部材の接合状態、及び圧電素子の不良をより高い精度で判定することができる。
または、本発明においては、前記判定工程において、複数の前記領域に関する、差Fa−Frの分布と、共振周波数Frの分布と、共振周波数Frにおけるインピーダンスの分布とに基づいて、前記接合体が良品であるか否かを判定してもよい。このとき、前記判定工程において、前記接合体内の複数の前記領域に対応した複数の差Fa−Frの偏差のすべてが第1所定値以下であり、前記接合体内の複数の前記領域に対応した複数の共振周波数Frの偏差のすべてが第2所定値以下であり、且つ、前記接合体内の複数の前記領域に対応した共振周波数Frにおけるインピーダンスの偏差のすべてが第3所定値以下である場合に、当該接合体が良品であると判定することが好ましい。これによると、各部材の接合状態、及び圧電素子の不良をより一層高い精度で判定することができる。
本発明のインクジェットヘッド製造方法は、前記判定工程で良品であると判定された前記接合体を、前記測定工程で得られた測定結果に基づいて複数の等級のいずれかに分類する工程をさらに備えていることが好ましい。これによると、予め判別された等級に対応するインクジェットヘッドに対するインクの吐出制御を行うことにより、インクジェットヘッド間のインクの吐出特性を均一化することができる。
本発明においては、前記測定工程においてネットワークアナライザを用いて測定を行うことが好ましい。これによると、インピーダンスアナライザを用いて測定を行う場合と比較して測定を迅速に行うことができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
<ヘッド全体構造>
本発明の一実施の形態に係る製造方法によって製造されたインクジェットヘッドについて説明する。図1は、本実施の形態によるインクジェットヘッド1の斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。インクジェットヘッド1は、用紙に対してインクを吐出するための主走査方向に延在した矩形平面形状を有するヘッド本体70と、ヘッド本体70の上方に配置され且つヘッド本体70に供給されるインクの流路である2つのインク溜まり3が形成されたリザーバユニットであるベースブロック71とを備えている。
ヘッド本体70は、インク流路が形成された流路ユニット4と、流路ユニット4の上面にエポキシ系の熱硬化性接着剤によって接着された複数のアクチュエータユニット21とを含んでいる。これら流路ユニット4及びアクチュエータユニット21は共に、複数の薄板を積層して互いに接着させた構成である。また、アクチュエータユニット21の上面には、給電部材であるフレキシブルプリント配線板(FPC)50が半田によって接着され、左又は右に引き出されている。
図3は、ヘッド本体70の平面図である。図3に示すように、流路ユニット4は、一方向(主走査方向)に延在した矩形平面形状を有している。図3において、流路ユニット4内に設けられた共通インク室であるマニホールド流路5が破線で描かれている。マニホールド流路5内へは、複数の開口3aを介してベースブロック71のインク溜まり3からインクが供給される。マニホールド流路5は、流路ユニット4の長手方向と平行に延在する複数の副マニホールド流路5aに分岐している。
流路ユニット4の上面には、平面形状が台形である4つのアクチュエータユニット21が、開口3aを避けるように、千鳥状になって2列に配列された状態で接着されている。各アクチュエータユニット21は、その平行対向辺(上辺及び下辺)が流路ユニット4の長手方向に沿うように配置されている。そして、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士が、流路ユニット4の幅方向に部分的にオーバーラップしている。
アクチュエータユニット21の接着領域と対向した流路ユニット4の下面は、多数のノズル8(図5参照)がマトリクス状に配列されたインク吐出領域となっている。アクチュエータユニット21に対向する流路ユニット4の表面には、多数の圧力室10(図5参照)がマトリクス状に配列された圧力室群9が形成されている。言い換えると、アクチュエータユニット21は、多数の圧力室10に跨る寸法を有している。
図2に戻って、ベースブロック71は、例えばステンレスなどの金属材料からなる。ベースブロック71内のインク溜まり3は、ベースブロック71の長手方向に沿って形成された略直方体の中空領域である。インク溜まり3は、その一端に設けられた開口(図示せず)を介してインクタンク(図示せず)に連通しており、常にインクで満たされている。インク溜まり3には、その延在方向に沿って開口3bが、2つずつ対になって、アクチュエータユニット21が設けられていない領域において開口3aと接続されるように千鳥状に設けられている。
ベースブロック71の下面73は、開口3bの近傍において周囲よりも下方に飛び出している。そして、ベースブロック71は、下面73の開口3b近傍部分73aにおいてのみ流路ユニット4と接触している。そのため、ベースブロック71の下面73の開口3b近傍部分73a以外の領域は、ヘッド本体70から離隔しており、この離隔部分にアクチュエータユニット21が配されている。
ベースブロック71は、ホルダ72の把持部72aの下面に形成された凹部内に接着固定されている。ホルダ72は、把持部72aと、把持部72aの上面からこれと直交する方向に所定間隔をなして延出された平板状の一対の突出部72bとを含んでいる。アクチュエータユニット21に接着されたFPC50は、スポンジなどの弾性部材83を介してホルダ72の突出部72b表面に沿うようにそれぞれ配置されている。そして、ホルダ72の突出部72b表面に配置されたFPC50上にドライバIC80が設置されている。FPC50は、ドライバIC80から出力された駆動信号をヘッド本体70のアクチュエータユニット21に伝達するように、両者とハンダ付けによって電気的に接合されている。
ドライバIC80の外側表面には略直方体形状のヒートシンク82が密着配置されているため、ドライバIC80で発生した熱を効率的に散逸させることができる。ドライバIC80及びヒートシンク82の上方であって、FPC50の外側には、基板81が配置されている。ヒートシンク82の上面と基板81との間、及び、ヒートシンク82の下面とFPC50との間は、それぞれシール部材84で接着されている。
図4は、図3内に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。図4に示すように、アクチュエータユニット21に対向した流路ユニット4内には、流路ユニット4の長手方向と平行に4本の副マニホールド流路5aが延在している。各副マニホールド流路5aには、その出口からノズル8に至る多数の個別インク流路が接続されている。図5は、個別インク流路を示す断面図である。図5から分かるように、各ノズル8は、圧力室10及びアパーチャすなわち絞り13を介して副マニホールド流路5aと連通している。このようにして、ヘッド本体70には、副マニホールド流路5aの出口からアパーチャ13、圧力室10を経てノズル8に至る個別インク流路7が圧力室10ごとに形成されている。
<ヘッド断面構造>
ヘッド本体70は、図5からも分かるように、上から、アクチュエータユニット21、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28、カバープレート29及びノズルプレート30の合計10枚のシート材が積層された積層構造を有している。これらのうち、アクチュエータユニット21を除いた9枚のプレートから流路ユニット4が構成されている。
アクチュエータユニット21は、後で詳述するように、4枚の圧電シート41〜44(図7参照)が積層され且つ電極が配されることによってそのうちの最上層だけが電界印加時に活性部となる部分を有する層(以下、単に「活性部を有する層」というように記する)とされ、残り3層が活性部を有しない非活性層とされたものである。キャビティプレート22は、圧力室10の空隙を構成するほぼ菱形の孔が、アクチュエータユニット21の貼付範囲内に多数設けられた金属プレートである。ベースプレート23は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、圧力室10とアパーチャ13との連絡孔23a及び圧力室10からノズル8への連絡孔23bがそれぞれ設けられた金属プレートである。
アパーチャプレート24は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、アパーチャ13となる孔のほかに圧力室10からノズル8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。サプライプレート25は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、アパーチャ13と副マニホールド流路5aとの連絡孔及び圧力室10からノズル8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。マニホールドプレート26、27、28は、副マニホールド流路5aに加えて、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、圧力室10からノズル8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。カバープレート29は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、圧力室10からノズル8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。ノズルプレート30は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、ノズル8がそれぞれ設けられた金属プレートである。
これら10枚のシート21〜30は、図5に示すような個別インク流路7が形成されるように、互いに位置合わせして積層されている。この個別インク流路7は、副マニホールド流路5aからまず上方へ向かい、アパーチャ13において水平に延在し、それからさらに上方に向かい、圧力室10において再び水平に延在し、それからしばらくアパーチャ13から離れる方向に斜め下方に向かってから垂直下方にノズル8へと向かう。
図5から明らかなように、各プレートの積層方向において圧力室10とアパーチャ13とは異なるレベルに設けられている。これにより、図4に示すように、アクチュエータユニット21に対向した流路ユニット4内において、1つの圧力室10と連通したアパーチャ13を、当該圧力室に隣接する別の圧力室10と平面視で同じ位置に配置することが可能となっている。この結果、圧力室10同士が密着して高密度に配列されるため、比較的小さな占有面積のインクジェットヘッド1により高解像度の画像印刷が実現される。
ベースプレート23及びマニホールドプレート28の上下面と、サプライプレート25及びマニホールドプレート26、27の上面と、カバープレート29の下面には、余分な接着剤を流すための逃し溝14が、各プレートの接合面に形成された開口を取り囲むように設けられている。この逃し溝14があることによって、プレートどうしを接着する際の接着剤が個別インク流路内にはみ出して流路抵抗が変動することが防止される。
<流路ユニットの詳細>
図4に戻って、アクチュエータユニット21の貼付範囲内には、多数の圧力室10からなる圧力室群9が形成されている。圧力室群9は、アクチュエータユニット21の貼付範囲とほぼ同じ大きさの台形形状を有している。圧力室群9は、各アクチュエータユニット21について1つずつ形成されている。
図4から明らかなように、圧力室群9に属する各圧力室10は、その長い対角線の一端においてノズル8に連通されていると共に、長い対角線の他端においてアパーチャ13を介して副マニホールド流路5aに連通されている。後述するように、アクチュエータユニット21上には、平面形状がほぼひし形で圧力室10よりも一回り小さい個別電極35(図6及び図7参照)が、圧力室10と対向するようにマトリクス状に配列されている。なお、図4において、図面を分かりやすくするために、流路ユニット4にあって破線で描くべき、ノズル8、圧力室10及びアパーチャ13等を実線で描いている。
圧力室10は、配列方向A(第1の方向)及び配列方向B(第2の方向)の2方向にマトリクス状に隣接配置されている。配列方向Aは、インクジェットヘッド1の長手方向、すなわち流路ユニット4の延在方向であって、圧力室10の短い方の対角線と平行である。配列方向Bは、配列方向Aと鈍角θをなす圧力室10の一斜辺方向である。そして、圧力室10の両方の鋭角部は、隣接する別の2つの圧力室の間に位置している。
配列方向A及び配列方向Bの2方向にマトリクス状に隣接配置された圧力室10は、配列方向Aに沿って37.5dpiに相当する距離ずつ離隔している。また、圧力室10は、1つのアクチュエータユニット21内において、配列方向Bに16個並べられている。
マトリクス状に配置された多数の圧力室10は、図4に示す配列方向Aに沿って、複数の圧力室列を形成している。圧力室列は、図4の紙面に対して垂直な方向(第3の方向)から見て、副マニホールド流路5aとの相対位置に応じて、第1の圧力室列11a、第2の圧力室列11b、第3の圧力室列11c、及び、第4の圧力室列11dに分けられる。これら第1〜第4の圧力室列11a〜11dは、アクチュエータユニット21の上辺から下辺に向けて、11c→11d→11a→11b→11c→11d→…→11bという順番で周期的に4個ずつ配置されている。
第1の圧力室列11aを構成する圧力室10a及び第2の圧力室列11bを構成する圧力室10bにおいては、第3の方向から見て、配列方向Aと直交する方向(第4の方向)に関して、ノズル8が図4の紙面下側に偏在している。そして、ノズル8が、それぞれ対応する圧力室10の下端部付近と対向している。一方、第3の圧力室列11cを構成する圧力室10c及び第4の圧力室列11dを構成する圧力室10dにおいては、第4の方向に関して、ノズル8が図4の紙面上側に偏在している。そして、ノズル8が、それぞれ対応する圧力室10の上端部付近と対向している。第1及び第4の圧力室列11a、11dにおいては、第3の方向から見て、圧力室10a、10dの半分以上の領域が、副マニホールド流路5aと重なっている。第2及び第3の圧力室列11b、11cにおいては、第3の方向から見て、圧力室10b、10cのほぼ全領域が、副マニホールド流路5aと重なっていない。そのため、いずれの圧力室列に属する圧力室10についてもこれに連通するノズル8が副マニホールド流路5aと重ならないようにしつつ、副マニホールド流路5aの幅を可能な限り広くして各圧力室10にインクを円滑に供給することが可能となっている。
図4に示すように、ヘッド本体70には、台形である圧力室群9の対となる平行辺のうちの長辺に沿って、圧力室10と同じ形状及び同じ大きさを有する多数の周縁空隙15が長辺の全域に亘って一直線状に配列されている。周縁空隙15は、キャビティプレート22に形成された圧力室10と同じ形状及び同じ大きさを有する孔がアクチュエータユニット21及びベースプレート23によって塞がれることによって画定されている。つまり、周縁空隙15にはインク流路が接続されておらず、しかも周縁空隙15には対向する個別電極35が設けられていない。つまり、周縁空隙15はインクで満たされることがない。
また、ヘッド本体70には、台形である圧力室群9の対となる平行辺のうちの短辺に沿って、多数の周縁空隙16が短辺の全域に亘って一直線状に配列されている。さらに、ヘッド本体70には、台形である圧力室群9の両斜辺に沿って、多数の周縁空隙17が両斜辺の全域に亘って一直線状に配列されている。周縁空隙16、17は、共に平面視正三角形の領域においてキャビティプレート22を貫通している。周縁空隙16、17にはインク流路が接続されておらず、しかも周縁空隙16、17には対向する個別電極35が設けられていない。つまり、周縁空隙15と同様、周縁空隙16、17はインクで満たされることがない。
<アクチュエータユニットの詳細>
次に、アクチュエータユニット21の構成について説明する。アクチュエータユニット21上には、圧力室10と同じパターンで多数の個別電極35がマトリクス状に配置されている。各個別電極35は、平面視において圧力室10と対向する位置に配置されている。
図6は個別電極35の平面図である。図6に示すように、個別電極35は、圧力室10と対向する位置に配置されて平面視において圧力室10内に収容される主電極領域35aと、主電極領域35aにつながっており且つ圧力室10外に対向する位置に配置された補助電極領域35bとから構成されている。
図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図である。図7に示すように、アクチュエータユニット21は、それぞれ厚みが15μm程度で同じになるように形成された4枚の圧電シート41、42、43、44を含んでいる。これら圧電シート41〜44は、ヘッド本体70内の1つのインク吐出領域内に形成された多数の圧力室10に跨って配置されるように連続した層状の平板(連続平板層)となっている。圧電シート41〜44が連続平板層として多数の圧力室10に跨って配置されることで、例えばスクリーン印刷技術を用いることにより圧電シート41上に個別電極35を高密度に配置することが可能となっている。そのため、個別電極35に対応する位置に形成される圧力室10をも高密度に配置することが可能となって、高解像度画像の印刷ができるようになる。圧電シート41〜44は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなるものである。
最上層の圧電シート41上に形成された個別電極35の主電極領域35aは、図6に示すように、圧力室10とほぼ相似である略菱形の平面形状を有している。略菱形の主電極領域35aにおける下方鋭角部は延出されて、圧力室10外に対向する補助電極領域35bにつながっている。補助電極領域35bの先端には、個別電極35と電気的に接続された円形のランド部36が設けられている。図7に示すように、ランド部36は、キャビティプレート22において圧力室10が形成されていない領域に対向している。ランド部36は、例えばガラスフリットを含む金からなり、図6に示すように、補助電極領域35bにおける延出部表面上に接着されている。図7ではFPC50の図示を省略しているものの、ランド部36は、FPC50に設けられた接点と電気的に接合されている。この接合を行う際に、FPC50の接点を、ランド部36に対して押圧する必要がある。ランド部36に対向するキャビティプレート22の領域に、圧力室10が形成されていないため、十分な押圧により確実な接合を行うことができる。
最上層の圧電シート41とその下側の圧電シート42との間には、圧電シート41と同じ外形及び略2μmの厚みを有する共通電極34が介在している。個別電極35及び共通電極34は共に、例えばAg−Pd系などの金属材料からなる。
共通電極34は、図示しない領域において接地されている。これにより、共通電極34は、すべての圧力室10に対応する領域において等しく一定の電位、本実施の形態ではグランド電位に保たれている。また、個別電極35は、各圧力室10に対応するものごとに電位を制御することができるように、各個別電極35ごとに独立した別のリード線を含むFPC50及びランド部36を介してドライバIC80に接続されている。
<アクチュエータユニットの駆動方法>
次に、アクチュエータユニット21の駆動方法について述べる。アクチュエータユニット21における圧電シート41の分極方向はその厚み方向である。つまり、アクチュエータユニット21は、上側(つまり、圧力室10とは離れた)1枚の圧電シート41を活性部が存在する層とし且つ下側(つまり、圧力室10に近い)3枚の圧電シート42〜44を非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。従って、個別電極35を正又は負の所定電位とすると、例えば電界と分極とが同方向であれば圧電シート41中の電極に挟まれた電界印加部分が活性部として働き、圧電横効果により分極方向と直角方向に縮む。
本実施の形態では、圧電シート41において主電極領域35aと共通電極34とによって挟まれた部分は、電界が印加されると圧電効果によって歪みを発生する活性部として働く。一方、圧電シート41の下方にある3枚の圧電シート42〜44は、外部から電界が印加されることが無く、そのために活性部としてほとんど機能しない。したがって、圧電シート41において主に主電極領域35aと共通電極34とによって挟まれた部分が、圧電横効果により分極方向と直角方向に縮む。
一方、圧電シート42〜44は、電界の影響を受けないため自発的には変位しないので、上層の圧電シート41と下層の圧電シート42〜44との間で、分極方向と垂直な方向への歪みに差を生じることとなり、圧電シート41〜44全体が非活性側に凸となるように変形しようとする(ユニモルフ変形)。このとき、図7に示したように、圧電シート41〜44で構成されたアクチュエータユニット21の下面は圧力室を区画する隔壁(キャビティプレート)22の上面に固定されているので、結果的に圧電シート41〜44は圧力室側へ凸になるように変形する。このため、圧力室10の容積が低下して、インクの圧力が上昇し、ノズル8からインクが吐出される。その後、個別電極35を共通電極34と同じ電位に戻すと、圧電シート41〜44は元の形状になって圧力室10の容積が元の容積に戻るので、インクを副マニホールド流路5a側から吸い込む。
なお、他の駆動方法として、予め個別電極35を共通電極34と異なる電位にしておき、吐出要求があるごとに個別電極35を共通電極34と一旦同じ電位とし、その後所定のタイミングにて再び個別電極35を共通電極34と異なる電位にすることもできる。この場合は、個別電極35と共通電極34とが同じ電位になるタイミングで、圧電シート41〜44が元の形状に戻ることにより、圧力室10の容積は初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加し、インクが副マニホールド流路5a側から圧力室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35を共通電極34と異なる電位にしたタイミングで、圧電シート41〜44が圧力室10側へ凸となるように変形し、圧力室10の容積低下によりインクへの圧力が上昇し、インクが吐出される。
<インクジェットヘッドの製造方法>
次にインクジェットヘッド1の製造方法について図8を参照しつつ説明する。図8はインクジェットヘッド1の製造方法を示したブロック図である。図8に示すように、インクジェットヘッド1は、流路ユニット作製工程、アクチュエータユニット作製工程、ヘッド本体(接合体)作製工程、測定工程、判定工程、FPC(給電部材)接合工程、及び等級分類工程が含まれている。
流路ユニット作製工程は、図5に示す流路ユニット4を作製するための工程である。流路ユニット作製工程においては、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28、カバープレート29及びノズルプレート30の各プレート22〜30が、個別インク流路7を内部に形成するように位置合わせされた状態で接着剤で接合される。
アクチュエータユニット作製工程は、アクチュエータユニット21を作製するための工程である。アクチュエータユニット作製工程においては、複数の個別電極35、圧電シート41、共通電極34、圧電シート42〜44が順に焼成により焼結される。
ヘッド本体作製工程は、ヘッド本体70を作製するための工程である。ヘッド本体作製工程においては、流路ユニット作製工程において作製された流路ユニット4と、アクチュエータユニット作製工程において作製されたアクチュエータユニット21とが、接着剤により接合される。このとき、各個別電極35に対応する活性部を含むアクチュエータユニット21の部分領域と、個別電極35に対応する個別インク流路7を構成する流路ユニット4の部分領域とが接合された複数の接合体がヘッド本体70内に作製されている。
測定工程は、ヘッド本体作製工程において作製されたヘッド本体70における、各接合体の活性部のインピーダンスの周波数特性を測定する工程である。活性部のインピーダンスの周波数特性は、後述するように、当該活性部に対応する接合体の接合状態に基づいて変化する。測定工程におけるインピーダンスの周波数特性の測定方法について図9を参照しつつ説明する。図9は、活性部におけるインピーダンスの周波数特性の測定方法を示す図である。図9に示すように、活性部におけるインピーダンスの周波数特性の測定にはネットワークアナライザ200が用いられる。そして、インピーダンスの周波数特性の測定は、ネットワークアナライザ200のプローブを、ロボット等を用いて測定対象の活性部に対応する個別電極35に順次接触させて行われる。
図10に活性部におけるインピーダンスの周波数特性の一例を示す。尚、縦軸はインピーダンスを、横軸は周波数を示している。図10に示すように、活性部におけるインピーダンスの周波数特性は、インピーダンスが極小となる周波数である共振周波数Frと、インピーダンスが極大となる周波数である反共振周波数Faとを有しているとともに、反共振周波数Faが共振周波数Frよりも高くなっていることを特徴としている。尚、共振周波数Frにおけるインピーダンスの値を共振インピーダンスZrとする。
判定工程は、測定工程において測定された各接合体の活性部のインピーダンスの周波数特性に基づいて、ヘッド本体70が良品か否かを判定する工程である。ヘッド本体70が良品か否かは、(a)全アクチュエータユニット21において、各個別電極35に対応する活性部の反共振周波数Faと共振周波数Frとの差の偏差(以下Fa−Fr偏差と称す)が平均値の30%(第1所定値)以内であるとともに、各ヘッド本体70において、各アクチュエータユニット21におけるFa−Fr偏差の平均値が、各アクチュエータユニット21におけるFa−Fr偏差の平均値をさらに全ユニットにわたって平均化した平均値の15%以内であり、(b)全アクチュエータユニット21において、各個別電極35に対応する活性部の共振周波数Frの偏差(以下Fr偏差と称す)が平均値の10%(第2所定値)以内であるとともに、各ヘッド本体70において、各アクチュエータユニット21におけるFr偏差の平均値が、各アクチュエータユニット21におけるFr偏差の平均値を更に全てのアクチュエータユニット21にわたって平均化した平均値の5%以内であり、且つ、(c)全アクチュエータユニット21において、各個別電極35に対応する活性部の共振インピーダンスZrの偏差(以下Zr偏差と称す)が平均値の30%(第3所定値)以内であるとともに、各ヘッド本体70において、各アクチュエータユニット21におけるZr偏差の平均値が、各アクチュエータユニット21におけるZr偏差の平均値を更に全てのアクチュエータユニット21にわたって平均化した平均値の15%以内であるか否かにより判定する。判定工程において良品と判定されたヘッド本体70のみが次のFPC接合工程に進められる。
FPC接合工程は、判定工程において良品と判定されたヘッド本体70のアクチュエータユニット21の各個別電極35に対応するFPC50の端子を半田により接合する工程である。
等級分類工程は、FPC接合工程によりFPC50が接合されたヘッド本体70を、測定工程により得られた測定結果に基づいて等級付けすることにより、分類する工程である。1つのインクジェットプリンタには、同じ等級付けされたヘッド本体70が組み込まれたインクジェットヘッド1が使用される。
<判定工程における判定基準>
次に、判定工程における判定基準(a)〜(c)について順に詳細に説明する。
(判定基準(a)について)
前述したように、活性部は個別電極35から電位が印加されると圧電横効果により分極方向と直角方向つまり個別電極35の長辺方向に歪んで縮む。このような薄板状の圧電部材において、圧電部材に印加される電圧に対する伸縮量を示す定数は圧電定数d31として次式で表される。
Figure 0004265981
ここで電気機械結合定数k31は活性部に印加した電気エネルギーが活性部の長辺方向に関する機械的エネルギーに変換される効率を示す定数(k31<1)であり、活性部の圧電的な活性度を示している。誘電率ε33は分極のしやすさを示す定数であり、コンプライアンスSは応力に対する歪み率を示す定数である。従って、電気機械結合定数k31を把握することにより各個別電極35に対応する活性部の駆動状態、つまり各ノズル8から吐出されるインクの吐出速度、体積などの吐出状態を把握することができる。そして、電気機械結合定数k31は、共振周波数Fr及び反共振周波数Faと次式に示す関係にある。
Figure 0004265981
このように、上述した圧電部材においては、電気機械結合定数k31が大きくなると反共振周波数fa/共振周波数frの値が大きくなり、逆に、電気機械結合定数k31が小さくなると反共振周波数fa/共振周波数frの値が小さくなる関係にある。反共振周波数fa/共振周波数frの値が大きくなる場合の多くは、反共振周波数Faと共振周波数Frとの差が大きくなる場合である。従って、反共振周波数Faと共振周波数Frとの差が大きくなると、圧電定数d31が大きくなるため、インクの吐出速度が高くなるとともに吐出されるインクの体積が大きくなる。逆に、反共振周波数fa/共振周波数frの値が小さくなる場合の多くは、反共振周波数Faと共振周波数Frとの差が小さくなる場合である。反共振周波数Faと共振周波数Frとの差が小さくなると、圧電定数d31が小さくなるため、インクの吐出速度が低くなるとともに吐出されるインクの体積が小さくなる。このように、アクチュエータユニット21における各活性部間の反共振周波数Faと共振周波数Frとの差を比較することにより圧電特性を知ることができるので各ノズル8から吐出されるインクの吐出速度、体積などの吐出状態の傾向を把握することができる。これにより、各接合体が良品か否かを引いてはヘッド本体70が良品か否かを判定することができる。
複数の接合体の測定結果として、Fa−Fr偏差(判定基準(a)参照)毎の、インクの吐出速度の平均値、インクの吐出速度の3σ値、吐出されたインクの体積の平均値、及びインクの体積の平均値に対する3σ値の割合を表1に示す。
Figure 0004265981
ヘッド本体70においては、インクの吐出速度及びインクの液滴の体積のばらつきが少ないものほど吐出状態が良好と判定される。ここで、インクの吐出速度においては、インクの吐出速度の3σ値の比較によりばらつきを判定するが、インクの体積においては、体積が大きいほど吐出時にインクの液滴にともなって発生する小滴インクの体積の量が増えるため、インクの体積が大きいほどそのバラツキ絶対量も大きくなってしまうことを考慮し、インクの体積の平均値に対する3σ値の割合の比較によりばらつきを判定する。さらにこの測定結果を図11に示す。横軸はFa−Fr偏差(%)を、縦軸左側はインクの吐出速度(m/sec)を、縦軸右側は吐出されたインクの体積(pl)を示している。図中の菱形印は偏差毎に分類された活性部に対応するノズル8からのインクの吐出速度の平均値を示しており、四角印は偏差毎に分類された活性部に対応するノズル8から吐出されたインクの体積の平均値を示している。また、インクの吐出速度のばらつきは±3σ値の範囲で、インクの体積のばらつきは平均値に対する3σ値の割合(%)で示している。図11に示すように、アクチュエータユニット21においても、反共振周波数Faと共振周波数Frとの差の偏差であるFa−Fr偏差が大きくなるとインクの吐出速度が高くなり、吐出されるインクの体積が大きくなる。逆に、Fa−Fr偏差が小さくなるとインクの吐出速度が低くなり、吐出されるインクの体積が小さくなる。ここで、Fa−Fr偏差が+方向に35%以上大きくなると、インクの吐出速度が急激に高くなるとともに、吐出されるインクの体積が急激に小さく且つばらつきが大きくなる。これはインクを吐出するための圧力が高くなりすぎ、吐出されたインクの液滴が分離するためである。逆にFa−Fr偏差が−方向に35%以上大きくなると、インクの吐出速度及び体積のばらつきが急激に大きくなる。
よって、全ての活性部においてFa−Fr偏差が−30%〜30%の範囲外にあるヘッド本体70は不良品と判定される。尚、ヘッド本体70に複数のアクチュエータユニット21が接合される場合は、各アクチュエータユニット21の間でも吐出特性が均一化されることが望ましく、そのためには、上述した判定基準に加えて、各アクチュエータユニット21におけるFa−Fr偏差の平均値が、各アクチュエータユニット21におけるFa−Fr偏差の平均値を更に全てのアクチュエータユニット21にわたって平均化した平均値の15%以内とするのが好ましい。
さらに、インクの吐出速度及び体積が安定しているFa−Fr偏差の範囲は20%以内である。よって、より高品質のヘッド本体70が要求される場合には、全ての活性部においてFa−Fr偏差が−20%〜20%の範囲外にあるヘッド本体70を不良品と判定することが好ましい。尚、ヘッド本体70に複数のアクチュエータユニット21が接合される場合は、各アクチュエータユニット21の間でも吐出特性が均一化されることが望ましく、そのためには、上述した判定基準に加えて、各アクチュエータユニット21におけるFa−Fr偏差の平均値が、各アクチュエータユニット21におけるFa−Fr偏差の平均値を更に全てのアクチュエータユニット21にわたって平均化した平均値の10%以内とするのが好ましい。
加えて、インクの吐出速度及び体積がさらに安定しているFa−Fr偏差の範囲は10%以内である。よって、より一層高品質のヘッド本体70が要求される場合には、全ての活性部においてFa−Fr偏差が−10%〜10%の範囲外にあるヘッド本体70を不良品と判定することが好ましい。尚、ヘッド本体70に複数のアクチュエータユニット21が接合される場合は、各アクチュエータユニット21の間でも吐出特性が均一化されることが望ましく、そのためには、上述した判定基準に加えて、各アクチュエータユニット21におけるFa−Fr偏差の平均値が、各アクチュエータユニット21におけるFa−Fr偏差の平均値を更に全てのアクチュエータユニット21にわたって平均化した平均値の5%以内とするのが好ましい。
(判定基準(b)について)
共振周波数Frは活性部の拘束状態、つまり、各接合体における各層の接合状態と流路ユニット4内における各プレートの接合状態と各接合体及び流路ユニット4の接合状態とが影響する。活性部の拘束状態が強い場合は活性部の共振周波数Frが高くなる。この場合、吐出されるインクの速度が低くなるとともに、体積が小さくなる傾向にある。これは各接合状態における積層方向の厚みが厚くなるためである。逆に、活性部の拘束状態が弱い場合は活性部の共振周波数Frが低くなる。この場合、吐出されるインクの速度が高くなるとともに、体積が大きくなる傾向にある。これは各接合状態における積層方向の厚みが薄くなるためである。このように、活性部間の共振周波数Frを比較することにより各活性部に関与する部材の接合状態を判定することができる。これにより、各接合体が良品か否かを引いてはヘッド本体70が良品か否かを判定することができる。
複数の接合体の測定結果として、Fr偏差(判定基準(b)参照)毎の、インクの吐出速度の平均値、インクの吐出速度の3σ値、吐出されたインクの体積の平均値、及びインクの体積の平均値に対する3σ値の割合を表2に示す。
Figure 0004265981
さらにこの測定結果を図12に示す。横軸はFr偏差(%)を、縦軸左側はインクの吐出速度(m/sec)を、縦軸右側は吐出されたインクの体積(pl)を示している。図中の菱形印は偏差毎に分類された活性部に対応するノズル8からのインクの吐出速度の平均値を示しており、四角印は偏差毎に分類された活性部に対応するノズル8から吐出されたインクの体積の平均値を示している。また、インクの吐出速度のばらつきは±3σ値の範囲で、インクの体積のばらつきは平均値に対する3σ値の割合(%)で示している。図12に示すように、アクチュエータユニット21においても、共振周波数Frの偏差であるFr偏差が大きくなるとインクの吐出速度が低くなり、吐出されるインクの体積が小さくなる。逆に、Fr偏差が小さくなるとインクの吐出速度が高くなり、吐出されるインクの体積が高くなる。そして、Fr偏差が+方向に12%以上大きくなると、インクの吐出速度が急激に低くなるとともに、吐出されるインクの体積が急激に小さく且つばらつきが大きくなる。これは接着剤の充填過多により各接合状態の積層方向の厚みが部分的に極端に厚くなるためである。逆にFr偏差が−方向に12%以上大きくなると、インクの吐出速度及び体積のばらつきが大きくなる。特にFr偏差が−方向に12%以上大きくなると、逆にインクの吐出速度が低くなり、吐出されるインクの体積も小さくなる。これは各接合状態の少なくともいずれかに不良があるためである。
よって、全ての活性部においてFr偏差が−10%〜10%の範囲外にあるヘッド本体70は不良品と判定される。尚、ヘッド本体70に複数のアクチュエータユニット21が接合される場合は、各アクチュエータユニット21の間でも吐出特性が均一化されることが望ましく、そのためには、上述した判定基準に加えて、各アクチュエータユニット21におけるFr偏差の平均値が、各アクチュエータユニット21におけるFr偏差の平均値を更に全てのアクチュエータユニット21にわたって平均化した平均値の5%以内とするのが好ましい。
さらに、インクの吐出速度及び体積が安定しているFr偏差の範囲は6%以内となる。よって、より高品質のヘッド本体70が要求される場合には、全ての活性部においてFr偏差が−6%〜6%の範囲外にあるヘッド本体70を不良品と判定することが好ましい。尚、ヘッド本体70に複数のアクチュエータユニット21が接合される場合は、各アクチュエータユニット21の間でも吐出特性が均一化されることが望ましく、そのためには、上述した判定基準に加えて、各アクチュエータユニット21におけるFr偏差の平均値が、各アクチュエータユニット21におけるFr偏差の平均値を更に全てのアクチュエータユニット21にわたって平均化した平均値の3%以内とするのが好ましい。
加えて、インクの吐出速度及び体積がさらに安定しているFr偏差の範囲は3%以内となる。よって、より一層高品質のヘッド本体70が要求される場合には、全ての活性部においてFr偏差が−3%〜3%の範囲外にあるヘッド本体70を不良品と判定することが好ましい。尚、ヘッド本体70に複数のアクチュエータユニット21が接合される場合は、各アクチュエータユニット21の間でも吐出特性が均一化されることが望ましく、そのためには、上述した判定基準に加えて、各アクチュエータユニット21におけるFr偏差の平均値が、各アクチュエータユニット21におけるFr偏差の平均値を更に全てのアクチュエータユニット21にわたって平均化した平均値の1.5%以内とするのが好ましい。
(判定基準(c)について)
共振インピーダンスZrは活性部の分極率が影響する。活性部の分極率が低い場合は活性部の共振インピーダンスZrが高くなる。この場合、吐出されるインクの速度が低くなるとともに、体積が小さくなる傾向にある。逆に、活性部の分極率が高い場合は活性部の共振インピーダンスZrが低くなる。この場合、吐出されるインクの速度が高くなるとともに、体積が大きくなる傾向にある。このように、活性部間の共振インピーダンスZrを比較することにより圧電シート41における材料特性の均一性を判定することができる。
複数の接合体の測定結果として、Zr偏差(判定基準(c)参照)毎の、インクの吐出速度の平均値、インクの吐出速度の3σ値、吐出されたインクの体積の平均値、及びインクの体積の平均値に対する3σ値の割合を表3に示す。
Figure 0004265981
さらにこの測定結果を図13に示す。横軸はZr偏差(%)を、縦軸左側はインクの吐出速度(m/sec)を、縦軸右側は吐出されたインクの体積(pl)を示している。図中の菱形印は偏差毎に分類された活性部に対応するノズル8からのインクの吐出速度の平均値を示しており、四角印は偏差毎に分類された活性部に対応するノズル8から吐出されたインクの体積の平均値を示している。また、インクの吐出速度のばらつきは±3σ値の範囲で、インクの体積のばらつきは平均値に対する3σ値の割合(%)で示している。図13に示すように、アクチュエータユニット21においても、共振インピーダンスZrの偏差であるZr偏差が大きくなるとインクの吐出速度が低くなり、吐出されるインクの体積が小さくなる傾向にある。逆に、Zr偏差が小さくなるとインクの吐出速度が高くなり、吐出されるインクの体積が高くなる傾向にある。そして、Zr偏差が+方向に35%以上大きくなると、インクの吐出速度が急激に低くなるとともに、吐出されるインクの体積が急激に小さく且つばらつきが大きくなる。逆にZr偏差が−方向に35%以上大きくなると、インクの吐出速度が急激に高くなるとともに、吐出されるインクの体積が急激に小さく且つばらつきが大きくなる。これはインクを吐出するための圧力が高くなりすぎ、吐出されたインクが分離するためである。
よって、全ての活性部においてZr偏差が−30%〜30%の範囲外にあるヘッド本体70は不良品と判定される。尚、ヘッド本体70に複数のアクチュエータユニット21が接合される場合は、各アクチュエータユニット21の間でも吐出特性が均一化されることが望ましく、そのためには、上述した判定基準に加えて、各アクチュエータユニット21におけるZr偏差の平均値が、各アクチュエータユニット21におけるZr偏差の平均値を更に全てのアクチュエータユニット21にわたって平均化した平均値の15%以内とするのが好ましい。
さらに、インクの吐出速度及び体積が安定しているZr偏差の範囲は20%以内となる。よって、より高品質のヘッド本体70が要求される場合には、全ての活性部においてZr偏差が−20%〜20%の範囲外にあるヘッド本体70を不良品と判定することが好ましい。尚、ヘッド本体70に複数のアクチュエータユニット21が接合される場合は、各アクチュエータユニット21の間でも吐出特性が均一化されることが望ましく、そのためには、上述した判定基準に加えて、各アクチュエータユニット21におけるZr偏差の平均値が、各アクチュエータユニット21におけるZr偏差の平均値を更に全てのアクチュエータユニット21にわたって平均化した平均値の10%以内とするのが好ましい。
加えて、インクの吐出速度及び体積がさらに安定しているZr偏差の範囲は10%以内となる。よって、より一層高品質のヘッド本体70が要求される場合には、全ての活性部においてZr偏差が−10%〜10%の範囲外にあるヘッド本体70を不良品と判定することが好ましい。尚、ヘッド本体70に複数のアクチュエータユニット21が接合される場合は、各アクチュエータユニット21の間でも吐出特性が均一化されることが望ましく、そのためには、上述した判定基準に加えて、各アクチュエータユニット21におけるZr偏差の平均値が、各アクチュエータユニット21におけるZr偏差の平均値を更に全てのアクチュエータユニット21にわたって平均化した平均値の5%以内とするのが好ましい。
以上説明した好適な実施の形態においては、判定工程が、Fa−Fr偏差、Fr偏差、及び、Zr偏差の全てが良品の範囲にあるヘッド本体70のみを良品と判定するため、高い精度で各部材の接合状態の不良、及びアクチュエータユニット21の不良を判定することができる。これにより、不良なヘッド本体70に対する無駄な部品コスト及び製造コストを削減することができる。
また、FPC50が接合されていない状態で判定工程を行うため、FPC50自体の抵抗や浮遊容量等に影響を受けることがなくヘッド本体70における接合体が良品か否かを精度良く判定することができる。このため、無駄な部品コスト及び製造コストを削減することができる。また、判定工程において全ての接合体が良品と判定されたヘッド本体70に対してのみFPC50を接合するため、ヘッド本体70が不良であってもFPC50を無駄にすることがない。
さらに、本実施の形態においては、判定工程において良品と判定されたヘッド本体70を吐出特性に応じて等級付けされるため、複数のヘッド本体70においても吐出特性を均一化することができる。
加えて、本実施の形態においては、ネットワークアナライザ200により活性部におけるインピーダンスの周波数特性を測定するため、インピーダンスアナライザを用いて測定を行う場合と比較して測定を迅速に行うことができる。
尚、本実施の形態では、判定工程において、ヘッド本体70が判断基準(a)〜(c)の全てを満たす場合にのみヘッド本体70が良品と判定される構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、少なくとも判断基準(a)を満たす場合、つまり、判断基準(a)のみ、判断基準(a)及び(b)のみ、又は、判断基準(a)及び(c)のみを満たす場合にヘッド本体70が良品と判定される構成でもよい。この場合、判断基準(a)〜(c)の全てを判断する場合と比較して迅速にヘッド本体70が良品か否かの判定を行うことができる。
また、本実施の形態では、活性部におけるインピーダンスの周波数特性をネットワークアナライザ200で測定する構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、インピーダンスアナライザで測定する構成でもよい。この場合ネットワークアナライザ200で測定する場合と比較してより精密な測定結果を得ることができる。
また、本実施の形態では、FPC50が接合されていない状態で測定工程と判定工程とを行う構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、FPC50の接合工程の後に測定工程と判定工程とを行う構成でも良い。例えば、FPC50の接合工程の後に、Fa−Fr偏差を測定し、判断基準(a)に基づいた判定を行ってもよく、または、FPC50の接合後に測定工程を行い、少なくとも判断基準(a)を含む判定を行うようにしても良い。FPC50の接合後であっても、本発明の発明者が見出したFa−Frとインクジェットヘッドの吐出特性との相関関係に変化はないため、インクジェットヘッドの良品判定は十分可能である。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、本実施の形態においては、ヘッド本体70が良品か否かを、共振周波数Fr、反共振周波数Fa、及び共振インピーダンスZrに対して所定の基準を設定して判定する構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、活性部におけるインピーダンスの周波数特性の波形パターンから直接判定する構成でもよい。
本発明の一実施の形態によって製造されたインクジェットヘッドの外観斜視図である。 図1に示すインクジェットヘッドの断面図である。 図1に示すインクジェットヘッドに含まれるヘッド本体の平面図である。 図3の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 図3に示すヘッド本体の圧力室に対応した部分断面図である。 図3に描かれたアクチュエータユニット上に形成された個別電極の平面図である。 図3に描かれたアクチュエータユニットの部分断面図である。 図1に示すインクジェットヘッドの製造方法を示したブロック図である。 図8に示された測定工程におけるインピーダンスの周波数特性の測定方法を示す図である。 図8に示された測定工程において測定された、活性部におけるインピーダンスの周波数特性の例である。 図5に描かれたアクチュエータユニットにおける各接合体の活性部のFa−Fr偏差とインクの吐出速度及び体積との関係を示した図である。 図5に描かれたアクチュエータユニットにおける各接合体の活性部のFr偏差とインクの吐出速度及び体積との関係を示した図である。 図5に描かれたアクチュエータユニットにおける各接合体の活性部のZr偏差とインクの吐出速度及び体積との関係を示した図である。
1 インクジェットヘッド
4 流路ユニット
5 マニホールド
7 個別インク流路
8 ノズル
10 圧力室
12 アパーチャ
17 インク流路
21 アクチュエータユニット
34 共通電極
35 個別電極
41〜44 圧電シート
50 FPC
70 ヘッド本体
101 インクジェットプリンタ
200 ネットワークアナライザ

Claims (11)

  1. 圧力室を経てインクを吐出するノズルに至る複数の個別インク流路が形成された流路ユニットを作製する流路ユニット作製工程と、
    前記流路ユニットに接合されていると共に、変形に伴って前記圧力室の容積を変化させる圧電体を含むアクチュエータユニットを作製するアクチュエータユニット作製工程と、
    前記流路ユニットと前記アクチュエータユニットとを接合することによって、前記流路ユニットと前記アクチュエータユニットとの接合体を作製する接合体作製工程と、
    前記接合体に含まれる前記圧電体について、一又は複数の前記圧力室に対向する領域ごとに、インピーダンスの周波数特性を測定する測定工程と、
    複数の前記領域に関する、インピーダンスが極大となる周波数である反共振周波数Faとインピーダンスが極小となる周波数である共振周波数Frとの差Fa−Frの分布に基づいて、前記接合体が良品であるか否かを判定する判定工程とを備えていることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記判定工程で良品であると判定された前記接合体の前記アクチュエータユニットに、前記アクチュエータユニットに駆動信号を供給するための給電部材を接合する給電部材接合工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記判定工程において、前記接合体内の複数の前記領域に対応した複数の差Fa−Frの偏差のすべてが所定値以下である場合に、当該接合体が良品であると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 前記所定値が、差Fa−Frの平均値の30%であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 前記接合体作製工程において、前記流路ユニットと複数の前記アクチュエータユニットとを接合し、
    前記判定工程において、前記接合体内の各アクチュエータユニットにおける複数の前記領域に対応した複数の差Fa−Frの偏差のすべてが当該アクチュエータユニットについて設定された個別所定値以下であり、且つ、前記接合体内の複数の前記アクチュエータユニットにおける複数の前記領域に対応した複数の差Fa−Frの前記アクチュエータユニットごとの平均値の偏差のすべてが前記接合体について設定された全体所定値以下である場合に、当該接合体が良品であると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 前記判定工程において、複数の前記領域に関する、差Fa−Frの分布と、共振周波数Frの分布とに基づいて、前記接合体が良品であるか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 前記判定工程において、前記接合体内の複数の前記領域に対応した複数の差Fa−Frの偏差のすべてが第1所定値以下であり、且つ、前記接合体内の複数の前記領域に対応した複数の共振周波数Frの偏差のすべてが第2所定値以下である場合に、当該接合体が良品であると判定することを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  8. 前記判定工程において、複数の前記領域に関する、差Fa−Frの分布と、共振周波数Frの分布と、共振周波数Frにおけるインピーダンスの分布とに基づいて、前記接合体が良品であるか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 前記判定工程において、前記接合体内の複数の前記領域に対応した複数の差Fa−Frの偏差のすべてが第1所定値以下であり、前記接合体内の複数の前記領域に対応した複数の共振周波数Frの偏差のすべてが第2所定値以下であり、且つ、前記接合体内の複数の前記領域に対応した共振周波数Frにおけるインピーダンスの偏差のすべてが第3所定値以下である場合に、当該接合体が良品であると判定することを特徴とする請求項8に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 前記判定工程で良品であると判定された前記接合体を、前記測定工程で得られた測定結果に基づいて複数の等級のいずれかに分類する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  11. 前記測定工程においてネットワークアナライザを用いて測定を行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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