JP5760156B1 - 衝撃吸収柵 - Google Patents

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Abstract

【課題】防護ネットの斜面谷側へ向けた過大な変形を抑制して安全性を保証しつつ、簡易な構造で以て防護ネット全体に衝撃エネルギーを分散伝達でき、併せて柵の資材コストの低廉化を実現できる衝撃吸収柵を提供すること。【解決手段】防護ネットを、支柱10間に摺動可能に配索した波形ロープ20と、波形ロープ20に一体に付設し、複数の支柱10間に横架したネット30とにより構成し、支柱10の上部に形成した係留部11と、隣り合う支柱の間に設けた地表係留部50との間に波状に配索した波形ロープ20の端部を斜面側方アンカー41に固定した。【選択図】図6

Description

本発明は雪崩や落石等を受け止める衝撃吸収柵に関し、小さい落石の衝撃エネルギーを効率良く減衰する簡易型の衝撃吸収柵に関する。
特許文献1には比較的小さい衝撃エネルギーに対応した簡易型の衝撃吸収柵が開示されている。
この簡易型の衝撃吸収柵は、防護ネットを簡略化したもので、隣り合う二本の支柱の上下間にX状に配置した交差ロープと、隣り合う支柱間に横架した金網とを具備し、交差ロープの両端部近くに緩衝具を取り付けた構造になっている。
又、特許文献2には、斜面谷側へ向けた防護ネットの過大な変形(はら孕み出し)を抑制する手段として、隣り合う支柱間に多段的に巻き掛けた緩衝具付きの複数のループ状ロープと、複数のループ状ロープの片面に付設した金網とを組み合せた防護ネットが開示されている。
特開2007−32032号公報 特開2002−363921号公報
従来の衝撃吸収柵にあってはつぎのような問題点がある。
<1>特許文献1に記載の衝撃吸収柵は、支柱や防護ネット等の構成資材が低廉で施工しやすい利点がある反面、受撃時に支柱間の交差ロープが大きく摺動することで、斜面谷側へ向けた防護ネットの変形量が大きくなるとともに、防護柵の高さが減少し、後続の落石を停止させることができない。
このように防護ネットが斜面谷側へ向けて大きく変形すると、近隣の住宅、道路、鉄道等の安全性が脅かされる。
<2>特許文献2の衝撃吸収柵は、防護ネットの過大な変形を抑制できる反面、一本のループ状ロープの全長がスパン長の2倍以上の長さを有するだけでなく、隣り合う支柱間に多数本のループ状ロープを架け渡さなければならない。
そのため、衝撃吸収柵の資材コストが高くつくだけでなく、施工にも多くの時間と労力を要する。
<3>防護ネットの上下辺を支柱の上下に固定した衝撃吸収柵は、防護ネットの一部に衝突した落石の衝撃エネルギーを、受撃したスパン内の防護ネットの強度と変形抵抗で以て吸収するだけであって、防護ネットの非受撃区間は衝撃吸収にほとんど機能しない。
そのため、ロープに高強度のものを使用する必要性があり、衝撃吸収柵の低廉化に限界があった。
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、防護ネットの斜面谷側へ向けた過大な変形を抑制して安全性を保証しつつ、簡易な構造で以て防護ネット全体に衝撃エネルギーを分散伝達でき、併せて柵の資材コストの低廉化を実現できる衝撃吸収柵を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、比較的小さい衝撃エネルギーに対応可能な簡易型の衝撃吸収柵を提供することにある。
本発明は、所定の間隔を隔てて立設した複数の支柱間に防護ネットを取り付けた衝撃吸収柵であって、前記防護ネットは、並列する支柱の上部と地表近くで交互に折り返して波状に配索するとともに、ロープ端部を固定した単数の波形ロープと、前記波形ロープに一体に付設し、複数の支柱間に横架したネットとにより構成し、前記波形ロープを支柱の上部に形成した係留部と、隣り合う2本の支柱の中間位置に設けた斜面中間アンカーに接続した地表係留部に交互に折り返して摺動可能に係留して配索したことを特徴とする。
本発明の他の形態において、前記斜面中間アンカーと地表係留部との間に緩衝装置を配置し、該緩衝装置は設定した張力以上の張力が作用したときに波形ロープを摺動させて張力を吸収するように構成してもよい。
本発明の他の形態において、前記波形ロープの端部を斜面側方アンカーに固定してもよい。
本発明の他の形態において、前記波形ロープの端部と斜面側方アンカーとの間に緩衝装置を配置し、該緩衝装置は設定した張力以上の張力が作用したときに波形ロープを摺動させて張力を吸収するように構成してもよい。
本発明の他の形態において、前記波形ロープの端部を端末支柱に固定してもよい。
本発明の他の形態において、前記防護ネットを構成する波形ロープを、支柱の上部に形成した係留部と、斜面山側アンカーに設けた地表係留部との間に交互に折り返して摺動可能に係留して配索し、前記防護ネットの下辺を斜面山側アンカーに支持させるように構成してもよい。
本発明の他の形態において、前記防護ネットを構成する波形ロープを、支柱の上部に形成した係留部と、斜面谷側アンカーに設けた地表係留部との間に交互に折り返して摺動可能に係留して配索し、前記防護ネットの下辺を斜面谷側アンカーに支持させるように構成してもよい。
本発明の他の形態において、前記ネットに水平方向へ向けて単数又は複数の中間補強ロープを付設してもよい。
本発明は次の効果を奏する。
<1>防護ネットの斜面谷側へ向けた過大な変形を抑制して安全性を保証しつつ、簡易な構造で以て防護ネット全体に衝撃エネルギーを分散伝達でき、併せて衝撃吸収柵の資材コストの低廉化を実現することができる。
<2>比較的小規模の落石衝撃エネルギーに対応可能な簡易型の衝撃吸収柵を提供することができる。
<3>衝撃吸収柵の構成資材の種類が少なく、しかも各構成資材が軽量であるため、施工が容易である。
本発明の実施例1に係る衝撃吸収柵の斜視図 図1に示した衝撃吸収柵を斜面山側から見た正面図 係留部を設けた支柱上部の斜視図 地表係留部の斜視図 受撃時における衝撃吸収柵の断面モデル図 本発明の実施例2に係る衝撃吸収柵の断面モデル図
図面を参照しながら本発明を実施するための好適な形態について説明する。
[実施例1]
<1>衝撃吸収柵の概要
図1を参照して説明すると、衝撃吸収柵は所定の間隔を隔てて立設した複数の支柱10と、複数の支柱10の上部と地表近くで交互に折り返して波状に配索した波形ロープ20と、複数の支柱10間に横架したネット30とを具備する。
本例では波形ロープ20とネット30からなる防護ネットを支柱10と平行で、かつ支柱10に対して斜面山側に配置する場合について説明する。
必要に応じて、複数の支柱10の頭部間に間隔保持用の上部ロープ21を接続したり、複数の支柱10の下部間を下部ロープ22で連結したり、或いはネット30の中間部に水平方向へ向けて単数または複数の中間補強ロープ23を一体に配索したりしてもよい。
上部ロープ21及び下部ロープ22の両端は支柱10の上下部に摺動不能に連結してある。
これら複数のロープ22〜23は必須ではなく省略してもよい。
以降に主要な構成部材について詳述する。
<2>支柱
斜面、又は斜面の裾部に所定の間隔を隔てて立設する支柱10は、例えば、鋼管、コンクリート充填鋼管、コンクリート柱、H鋼等の公知の支柱を適用できる。
<2.1>支柱の立設手段
図5に示した本例の支柱10の立設手段について説明すると、支柱10の下端部に底板12と軸棒13とを設け、軸棒13を地中に貫入させると共に、底板12を地面に接面させて位置決めすることができる。
支柱10の他の立設手段としては、支柱10の下部を地面やコンクリート基礎に傾倒不能に埋設したり、斜面の適宜の位置に定着したアンカーに支柱10を連結したりして立設することもできる。
更に、支柱10はヒンジ機構等を介して傾倒可能に構成してもよい。
<2.2>控ロープ
支柱10の頭部と斜面山側アンカー40との間には単数又は複数の控ロープ25が配索してある。
尚、控ロープ25の端部、又は中間部に摩擦抵抗式、変形抵抗式等の公知の緩衝装置24を介在させておくと、控ロープ25に作用する張力を緩衝装置24により吸収することができる。
又、必要に応じて支柱10の頭部と斜面谷側アンカーとの間にも控ロープ25を追加して配索してもよい。
<2.3>波形ロープの係留手段
支柱10はその上部に波形ロープ20の途中を摺動自在に係留するための係留部11を有する。
図3に支柱10の頭部に設けた係留部11を示す
本例では係留部11を波形ロープ20との係留面を湾曲面として形成した回転不能な突起体11aと、突起体11aの端部に形成したストッパ11bと、ストッパ11bから支柱10本体へ向けて延出した外れ止め片11cとにより構成する。
波形ロープ20は突起体11aの湾曲面に当接して係留し、ストッパ11b及び外れ止め片11cは協働して波形ロープ20の係留の外れを防止する。
係留部11は、支柱10の頭部位置で波形ロープ20を折り返して摺動自在に係留できる構造体であればよく、本例で例示した回転不能な構造体に限定されるものではなく、支柱10に回転可能に枢支したシーブ等の回転構造体であってもよい。
他の係留部11としては、両端を支柱10に固着したU字形のフック等に係留させてもよい
<3>波形ロープ
波形ロープ20は、ネット30の補強作用と、荷重をそのロープ全長に伝達可能な1本の連続ロープであり、複数の支柱10の間に亘ってV字状に配索し、防護ネット正面から見たときに全体として波形(ジグザク)となるように配索してある。
<3.1>波形ロープの素材例
波形ロープ20の素材は引張耐力に優れた例えば鋼製ロープ、繊維製ロープ、又は樹脂製ロープ等を適用できる。
<3.2>波形ロープの配索
図1,2に示した波形ロープ20の配索形態について説明すると、波形ロープ20の端部近くを端末支柱10aの頭部の係留部11に係留し、これと隣り合う支柱10の下部の係留部11に係留する。
以降も支柱10の頭部の係留部11と下部の係留部11を順次交互に波形ロープ20を係留して波状(ジグザグ)に配索する。
本例では端末支柱10aの頭部に係留した波形ロープ20の各端部は、端末支柱10aの側方の斜面側方アンカー41に固定した形態について説明するが、波形ロープ20の端部を端末支柱10aに固定してもよい。
<3.3>連続したロープを波形に配索した理由
連続した一本もののロープを連続した波形状に配索したのは、波形ロープ20の一部に作用した荷重を支柱10のスパン長を超えて広く分散して伝達するためと、防護ネットの斜面谷側へ向けた変形量を抑制するためである。
<3.4>緩衝装置
必要に応じて、端末支柱10aと斜面側方アンカー41との間に位置する波形ロープ20の端部、又は中間部に緩衝装置24を介在させると、波形ロープ20へ伝播した衝撃力を緩衝装置24により吸収することができる。
緩衝装置24は、設定した張力以上の張力が作用したときに波形ロープ20を摺動させて張力を吸収できる摩擦抵抗式の緩衝具の他に、変形抵抗式の緩衝具を適用することもできる。
<4>斜面中間アンカー
斜面中間アンカー42は地表係留部50を地表近くで支持するためのアンカーであり、隣り合う支柱10,10の底部を結ぶ線の中間位置の斜面に設ける。
<5>地表係留部
地表係留部50は波形ロープ20の途中を地表近くの位置で摺動自在に係留する部材である。
図3を参照して説明すると、本例の地表係留部50は波形ロープ20との係留面を湾曲面として形成したシーブ51と、支軸52を貫通してシーブ51を支持するフレーム53と、フレーム53に突設したフック54とを具備する。
斜面中間アンカー42の露出部をフック54に連結することで、地表係留部50を斜面中間アンカー42に接続する。
シーブ51はフレーム53に対して回転可能、又は回転不能な構造になっている。
<6>波形ロープの配索
斜面側方アンカー41に固定し、各支柱10の上部の係留部11と地表係留部50との間に、波形ロープ20を交互に係留して、波状(ジグザグ)に配索する。
波形ロープ20の各端部は端末支柱10aの斜面側方アンカー41、又は端末支柱10aに固定する。
>ネット
ネット30は耐衝撃性と耐候性に優れた高強度のネットであり、その全長に亘って連続性を有している。
ネット30としては、例えば金属製ネット、繊維製ネット、樹脂製ネット等を適用できる。
.1>ネットの素材例
実用上は、直径2.6mmの3本の鋼線を撚り合わせて束ね、この撚り線を波形に曲げ加工して50mmの目合いで編成した高強度(破断荷重が80kN以上)の特殊菱形金網を用いる。
.2>ネットの取付け
ネット30は波形ロープ20に対して斜面山側に配置してあり、ネット30と波形ロープ20との交差部に沿って連結コイル等の連結具を巻き付けて一体化してある。
尚、上部ロープ21、下部ロープ22、又は中間補強ロープ23が追加配置してある場合は、これらの各ロープ21〜23とネット30との交差部を連結具で取り付ける。
図2に示すように、端末支柱10aの上部の係留部11と斜面側方アンカー41との間を結ぶ波形ロープ20の両端部にもネット30を延長して一体に取り付けると、防護ネットの捕捉範囲を拡張することができる。
[衝撃エネルギーの吸収作用]
図2,5を参照しながら衝撃吸収柵による衝撃エネルギーの吸収作用について説明する。
<1>衝撃エネルギーの吸収
図2に示すように落石fが防護ネットの一部に衝突すると、防護ネットを構成するネット30と波形ロープ20が斜面谷側へ向けて変形し、防護ネット及び支柱10の強度により落石fの衝撃エネルギーを吸収する。
ネット30が単独で突き破られるほど落石fの衝突速度が大きいときでも、ネット30に水平補強ロープ23が付設してあれば、落石fによる突き破りを確実に防止できる。
この場合、ネット30と水平補強ロープ23の交差部は緊結することなく、互いに滑りが可能な状態で結合しておく。
<2>防護ネットによる衝撃エネルギーの吸収作用
防護ネットによる衝撃エネルギーの吸収作用について詳しく説明する。
<2.1>防護ネットの荷重伝達特性
本発明に係る衝撃吸収柵は、ネット30が波形ロープ20に対して荷重伝達を可能に付設されており、更に波形ロープ20が隣り合うすべての支柱10の係留部11間に亘ってそのロープの全長に亘って荷重を伝達可能なように、縦向きのジグザク状に配索してある。
<2.2>ネットによる衝撃力の拡散吸収
そのため、防護ネットの一部に落石fが衝突すると、衝撃力が最初にネット30に作用し、ネット30を通じて衝撃力が拡散して吸収される。
ネット30に高強度(破断荷重が80kN以上)の特殊菱形金網を使用している場合は、ネット30による斜面谷側への変形抵抗が大きくなるために、従来の一般的な菱形金網と比べて衝撃吸収性能が大きいだけでなく、斜面谷側への変形量も小さく抑えることができる。
ネット30に中間補強ロープ23が付設してある場合は、補強用の中間補強ロープ23を通じて衝撃力を広範囲に拡散するため、防護ネット全体による衝撃吸収性能が向上する。
<2.3>波形ロープによる衝撃力の拡散吸収
最終的にネット30に作用した衝撃力は、波形ロープ20の一部に伝わる。
波形ロープ20の一部に大きい張力が発生するが、波形ロープ20の一部に発生した張力は、複数の支柱10の係留部11及び地表係留部50を通じて波形ロープ20の端部の斜面側方アンカー41へ伝播し、波形ロープ20の全体にほぼ均等な張力が発生する。
最終的に波形ロープ20の一部に作用した荷重は、斜面側方アンカー41及び複数の斜面中間アンカー42に分散して支持される。
波形ロープ20の全体に張力が伝達されるのは、支柱10の係留部11で波形ロープ20が摺動するためである。
すなわち、支柱10の係留部11及び地表係留部50で折り返された波形ロープ20に張力が作用すると、波形ロープ20が係留部11及び地表係留部50に沿って僅かに摺動するため、折り返された他方の波形ロープ20へ張力が伝達されるためである。
したがって、防護ネットの一部に落石fが衝突しても、落石fの非衝突領域に位置する波形ロープ20、ネット30、及び落石fの非衝突領域に位置する複数の支柱10へ衝撃力を拡散して伝播できるから、効率よく衝撃力を吸収することができる。
更に、斜面側方アンカー41と波形ロープ20の間に緩衝装置24が介在してある場合は、波形ロープ20へ伝播した衝撃力の吸収性能が更に高くなる。
本発明では、比較的小規模の落石衝撃エネルギー(50kJ〜100kJの範囲)に対応可能な簡易型の衝撃吸収柵を提供することができる
さらに本実施例にあっては、支柱10から独立した地表係留部50を用いることで、隣り合う複数の支柱10の間に波形ロープ20を波状に配索できるので、支柱10の立設間隔を広げることができて、衝撃吸収柵の工費の削減と工期の短縮を図ることが可能となる。
更に、斜面側方アンカー41と地表係留部50との間に緩衝装置24が介在してある場合は、波形ロープ20へ伝播した衝撃力の吸収性能が更に高くなる。
<3>防護ネットの変形量が小さい理由
上記したように本発明に係る衝撃吸収柵は、従来の簡易型の衝撃吸収柵と比べて衝撃力の吸収性能が高いだけでなく、防護ネットの斜面谷側へ向けた変形量(張出量)も小さくなる。以降にその理由について説明する。
<3.1>従来柵の防護ネットの変形量
隣り合う支柱間にX状に交差ロープを配置し、各交差ロープの各端部近くに緩衝具を夫々取り付けた従来の簡易型の衝撃吸収柵は、スパン単位で想定した衝撃力を吸収できる構造になっている。
そのため、交差ロープに高強度のロープ材を使用する必要があるだけでなく、交差ロープの摺動長(スリップ長)が長く設定してあることから、斜面谷側へ向けた防護ネットの変形量が大きくなるとともに、落石を捕捉する防護ネットの有効高さが減少する。
<3.2>本発明の防護ネットの変形量
これに対して、本発明では、波形ロープ20及びネット30を通じて防護ネット全体へ衝撃力を拡散して効率よく吸収できる構造である。
そのため、波形ロープ20やネット30の素材として低強度のものが使用できるから、衝撃吸収柵の資材コストを大幅に低減できて経済的である。
更に本発明では、波形ロープ20の固定端部に緩衝装置24を設けてあっても、波形ロープ20の摺動長(スリップ長)を従来と比べて小さくできるから、斜面谷側へ向けた防護ネットの変形量を小さく抑制できるうえに、落石を捕捉する防護ネットの有効高さの減少を小さく抑制できる。
このように本発明に係る衝撃吸収柵は、防護ネットの一部に作用した衝撃を防護ネットの全体へ分散できるため、防護ネットの張出量を小さく抑制しつつ、衝撃力を効率的に吸収できる。
したがって、住宅、道路、鉄道等の既設構造物に接近して衝撃吸収柵を設置しても、従来と比べて安全性が向上する。
<4>実施例1の変形例
形ロープ20とネット30からなる防護ネットは、支柱10と平行で、かつ支柱10に対して斜面谷側に配置する場合もある。
衝撃吸収柵の作用効果については、既述した実施例と同様である。
以降に他の実施例について説明するが、その説明に際し、前記した実施例と同一の部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
[実施例
を参照して本実施例に係る衝撃吸収柵について説明する。
本実施例に係る衝撃吸収柵は所定の間隔を隔てて立設し、支柱本体の上部に係留部11を形成した複数の支柱10と、隣り合う支柱10の間の斜面山側アンカー40に設けた地表係留部50と、支柱10の上部の係留部11と地表係留部50との間に摺動可能に係留して配索した波形ロープ20と、複数の支柱10間に横架したネット30とを具備する。
すなわち、本実施例では、防護ネットを構成する波形ロープ20を、支柱10の上部に形成した係留部11と、斜面山側アンカー40に設けた地表係留部50との間に交互に折り返して摺動可能に係留して配索し、防護ネットの上辺を支柱10の上部の係留部11に支持させ、防護ネットの下辺を斜面山側アンカー40に支持させた、待受け式の衝撃吸収柵に適用することも可能である。
本実施例において斜面山側アンカー40とは、隣り合う支柱10,10の中間位置であって斜面山側に設けたアンカーを指す。
[実施例
先の実施例では防護ネットの下辺を斜面山側に設けた地表係留部50に支持させた衝撃吸収柵について説明したが、防護ネットの下辺を斜面谷側に設けた地表係留部50に支持させた、ポケット式の衝撃吸収柵に適用することも可能である。
すなわち、本実施例では、図に示した防護ネットを構成する波形ロープ20を、支柱の上部に形成した係留部11と、図示しない斜面谷側アンカーに設けた地表係留部50との間に交互に折り返して摺動可能に係留して配索し、防護ネットの上辺を支柱10の上部の係留部11に支持させ、防護ネットの下辺を斜面谷側アンカーに支持させる。
本実施例において斜面谷側アンカーとは、隣り合う支柱10,10の中間位置であって斜面谷側に設けたアンカーを指す。
f・・・・・・落石
10・・・・・支柱
10a・・・・端末支柱
11・・・・・係留部
20・・・・・波形ロープ
21・・・・・上部ロープ
22・・・・・下部ロープ
23・・・・・中間補強ロープ
24・・・・・緩衝装置
30・・・・・ネット
40・・・・・斜面山側アンカー
41・・・・・斜面側方アンカー
42・・・・・斜面中間アンカー
50・・・・・地表係留部

Claims (8)

  1. 所定の間隔を隔てて立設した複数の支柱間に防護ネットを取り付けた衝撃吸収柵であって、
    前記防護ネットは、並列する支柱の上部と地表近くで交互に折り返して波状に配索するとともに、ロープ端部を固定した単数の波形ロープと、
    前記波形ロープに一体に付設し、複数の支柱間に横架したネットとにより構成し
    前記波形ロープを支柱の上部に形成した係留部と、隣り合う2本の支柱の中間位置に設けた斜面中間アンカーに接続した地表係留部に交互に折り返して摺動可能に係留して配索したことを特徴とする、
    衝撃吸収柵。
  2. 前記斜面中間アンカーと地表係留部との間に緩衝装置を配置し、該緩衝装置は設定した張力以上の張力が作用したときに波形ロープを摺動させて張力を吸収することを特徴とする、請求項に記載の衝撃吸収柵。
  3. 前記波形ロープの端部を斜面側方アンカーに固定したことを特徴とする、請求項1又は2に記載の衝撃吸収柵。
  4. 前記波形ロープの端部と斜面側方アンカーとの間に緩衝装置を配置し、該緩衝装置は設定した張力以上の張力が作用したときに波形ロープを摺動させて張力を吸収することを特徴とする、請求項に記載の衝撃吸収柵。
  5. 前記波形ロープの端部を端末支柱に固定したことを特徴とする、請求項1又は2に記載の衝撃吸収柵。
  6. 前記防護ネットを構成する波形ロープを、支柱の上部に形成した係留部と、斜面山側アンカーに設けた地表係留部との間に交互に折り返して摺動可能に係留して配索し、前記防護ネットの下辺を斜面山側アンカーに支持させたことを特徴とする、請求項又はに記載の衝撃吸収柵。
  7. 前記防護ネットを構成する波形ロープを、支柱の上部に形成した係留部と、斜面谷側アンカーに設けた地表係留部との間に交互に折り返して摺動可能に係留して配索し、前記防護ネットの下辺を斜面谷側アンカーに支持させたことを特徴とする、請求項又はに記載の衝撃吸収柵。
  8. 前記ネットに水平方向へ向けて単数又は複数の中間補強ロープを付設したことを特徴とする、請求項1乃至の何れか一項に記載の衝撃吸収柵。
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