JP5750092B2 - コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、ポーラスコンデンサに関する。
近年、新しいタイプのコンデンサとしてポーラスコンデンサが開発されている。ポーラスコンデンサは、アルミニウム等の金属表面に形成される金属酸化物がポーラス(細孔の貫通孔)構造を形成する性質を利用してポーラス内に内部電極を形成し、金属酸化物を誘電体としてコンデンサとしたものである。
誘電体の表面及び裏面にはそれぞれ外部導電体が積層され、ポーラス内に形成される内部電極は表面の外部導電体と裏面の外部導電体のいずれか一方に接続される。内部電極と接続されない側の外部導電体との間は、空隙又は絶縁性材料によって絶縁される。これにより内部電極は、誘電体を介して対向する対向電極(正極又は負極)として機能する。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、このような構成を有するポーラスコンデンサが開示されている。いずれの特許文献においても、ポーラス内に内部電極が形成され、内部電極の一端は一方の導電体に接続され、他端は他方の導電体と絶縁されている。
特許4493686号公報 特開2009−76850号公報
上述のようなポーラスコンデンサにおいては、熱応力(接続された異なる材質の間で温度差と熱膨張係数の差異で発生するもの)に対する機械的あるいは電気的特性の維持が求められる。特に、内部電極の両端部は熱応力によって誘電体から剥がれてしまうことがあり、容量値が低下する懸念があった。特に外部導電体に接続される側で内部電極の端部が誘電体から剥がれがれてしまうと、内部電極が不安定になり、さらに外部導電体との接続からも外れてしまうことがある。この場合容量値の低下はさらに大きくなる懸念があった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、内部電極が剥がれにくく、容量値の変動が少ないポーラスコンデンサを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るコンデンサは、誘電体層と、第1の外部電極層と、第2の外部電極層と、第1の内部電極と、第2の内部電極とを具備する。
上記誘電体層は、第1の面と、上記第1の面と反対側の第2の面と、上記第1の面と上記第2の面に連通する複数の貫通孔とを備える。
上記第1の外部電極層は、上記第1の面に配設されている。
上記第2の外部電極層は、上記第2の面に配設されている。
上記第1の内部電極は、上記複数の貫通孔の一部に形成された第1の内部電極であって、第1の導電性材料からなる第1の電極部分と、上記第1の導電性材料よりヤング率が小さい第2の導電性材料からなり上記第1の電極部分と上記第1の外部電極層とを接続する第2の電極部分から構成されている。
上記第2の内部電極は、上記複数の貫通孔の他の一部に形成され、上記第2の外部電極層に接続されている。
本発明の実施形態に係るコンデンサの斜視図である。 同コンデンサの断面図である。 同コンデンサが備える誘電体層の斜視図である。 同コンデンサが備える誘電体層の断面図である。 同コンデンサが備える第1内部電極及び第2内部電極の模式図である。 同コンデンサが備える第1内部電極及び第2内部電極を構成する各電極部分の材料として利用できる元素と物性値を示す表である。 同コンデンサの製造プロセスを示す模式図である。 同コンデンサの製造プロセスを示す模式図である。 同コンデンサの製造プロセスを示す模式図である。 同コンデンサの製造プロセスを示す模式図である。 同コンデンサの製造プロセスを示す模式図である。 同コンデンサの製造プロセスを示す模式図である。 同コンデンサの製造プロセスを示す模式図である。 同コンデンサの製造プロセスを示す模式図である。 本発明の実施形態の変形例に係るコンデンサが備える第1内部電極及び第2内部電極の模式図である。 本発明の実施例に係るコンデンサの構造と実験結果を示す表である。 本発明の実施例及び比較例に係るコンデンサの構造と実験結果を示す表である。
本発明の一実施形態に係るコンデンサは、誘電体層と、第1の外部電極層と、第2の外部電極層と、第1の内部電極と、第2の内部電極とを具備する。
上記誘電体層は、第1の面と、上記第1の面と反対側の第2の面と、上記第1の面と上記第2の面に連通する複数の貫通孔とを備える。
上記第1の外部電極層は、上記第1の面に配設されている。
上記第2の外部電極層は、上記第2の面に配設されている。
上記第1の内部電極は、第1の導電性材料からなる第1の電極部分と、上記第1の導電性材料よりヤング率が小さい第2の導電性材料からなり上記第1の電極部分と上記第1の外部電極層とを接続する第2の電極部分と、から構成されていて、上記複数の貫通孔の一部に形成されている。
上記第2の内部電極は、上記複数の貫通孔の他の一部に形成され、上記第2の外部電極層に接続されている。
この構成によれば、誘電体層を介して対向する第1の内部電極と第2の内部電極が、コンデンサの対向電極として機能する。第1の内部電極は第1の外部電極層に、第2の内部電極は第2の外部電極層にそれぞれ接続され、これらを介して外部(接続端子等)と接続される。ここで、第1の内部電極において、第1の外部電極層との接続箇所に、ヤング率が小さい第2の導電性材料からなる第2の電極部分を配置することにより、第1の内部電極と誘電体層の間で生じる応力を緩衝することが可能となる。これにより、例えば熱応力によって生じる構造的な不具合(第1の内部電極と誘電体層との剥がれや第1の内部電極と第1の外部電極層との接続不良)によるコンデンサの容量値特性の低下を防止することができる。また、第1の内部電極は、ヤング率が大きい第1の電極部分を有しているため、第1の内部電極の電気抵抗率を小さいものすることが可能である。ヤング率が大きい導電性材料は一般に、小さい電気抵抗率を有するためである。即ち、本実施形態に係るコンデンサは、第1の内部電極がヤング率が大きい材料(第1の導電性材料)からなる第1の電極部分とヤング率が小さい材料(第2の導電性材料)からなる第2の電極部分から構成されていることにより、ESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)のような素子特性を維持しつつ熱応力耐性を向上させることが可能である。
上記第2の内部電極は、第3の導電性材料からなる第3の電極部分と、上記第3の導電性材料よりヤング率が小さい第4の導電性材料からなり上記第3の電極部分と上記第2の外部電極層とを接続する第4の電極部分から構成されていてもよい。
この構成によれば、上述した第1の内部電極と同様に、第2の内部電極においても誘電体層との間に生じる応力を緩衝することが可能となる。即ち、第1の内部電極と第2の内部電極の両方において応力の緩衝が可能となり、コンデンサの熱応力耐性をさらに向上させることが可能である。
上記第2の導電性材料及び上記第4の導電性材料は、In、Sn、Pb、Cd、Bi及びAlから選択される少なくとも一つの元素を含む材料であってもよい。
これらの材料はヤング率が小さく、本実施形態に係る第2の導電性材料及び第4の導電性材料として好適である。なお、第2の導電性材料と第4の導電性材料は同一の材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
上記第1の導電性材料及び上記第3の導電性材料は、Cu、Ni、Au、Ag、Pt、Pd、Co、Cr、Fe及びZnから選択される少なくとも一つの元素を含む材料であってもよい。
これらの材料は電気抵抗率が小さく、本実施形態に係る第1の導電性材料及び第3の導電性材料として好適である。なお、第1の導電性材料と第3の導電性材料は同一の材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
上記第2の導電性材料及び上記第4の導電性材料は、ヤング率が70GPa以下の材料であってもよい。
第2の導電性材料と第4の導電性材料のヤング率を70GPa以下とすることにより、十分に応力を緩衝することが可能である。なお、上述した第2の導電性材料及び第4の導電性材料として利用できる元素(In、Sn、Pb、Cd、Bi及びAl)の純金属は、いずれもヤング率が70GPa以下である。
上記誘電体層は、陽極酸化作用によって貫通孔を生じる材料からなるものであってもよい。
この構成によれば、陽極酸化プロセスによって貫通孔を有する誘電体層を形成することが可能であり、上記構造のコンデンサを製造することが可能である。
上記誘電体層は、酸化アルミニウムからなるものであってもよい。
アルミニウムを陽極酸化すると生じる酸化アルミニウムは、酸化の過程において自己組織化作用による貫通孔を生じる。即ち、アルミニウムを陽極酸化することによって、貫通孔を有する誘電体層を形成することが可能である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[コンデンサの構成]
図1は本発明の一実施形態に係るコンデンサ100の斜視図であり、図2はコンデンサ100の断面図である。これらの図に示すように、コンデンサ100は、誘電体層101、第1外部電極層102、第2外部電極層103、第1内部電極104及び第2内部電極105を有する。
第1外部電極層102、誘電体層101及び第2外部電極層103はこの順で積層され、即ち誘電体層101は、第1外部電極層102及び第2外部電極層103によって挟まれている。第1内部電極104及び第2内部電極105は、図2に示すように誘電体層101に形成された貫通孔101aの内部に形成されている。なお、コンデンサ100には、ここに示す以外の構成、例えば、第1外部電極層102及び第2外部電極層103にそれぞれ接続された配線等が設けられていてもよい。
誘電体層101は、コンデンサ100の誘電体として機能する層である。誘電体層101は、後述する貫通孔(ポーラス)を形成することが可能な誘電性材料からなるものとすることができ、特に陽極酸化されると自己組織化作用によってポーラスを生じる材料が好適である。このような材料としては、酸化アルミニウム(Al)を挙げることができる。また、この他に誘電体層101は、弁金属(Al、Ta、Nb、Ti、Zr、Hf、Zn、W、Sb)の酸化物からなるものとすることが可能である。誘電体層101の厚みは特に限定されないが、例えば数μm〜数百μmとすることができる。
図3は誘電体層101の斜視図であり、図4は誘電体層101の断面図である。これらの図に示すように、誘電体層101には、複数の貫通孔101aが形成されている。誘電体層101の層面方向に平行な表面を第1の面101bとし、その反対側の面を第2の面101cとすると、貫通孔101aは第1の面101b及び第2の面101cに垂直な方向(誘電体層101の厚み方向)に沿って形成され、第1の面101b及び第2の面101cに連通するように形成されている。なお、図3等に示す貫通孔101aの数や大きさは便宜的なものであり、実際のものはより小さく、多数である。
第1外部電極層102は図2に示すように、誘電体層101の第1の面101b上に配設されている。第1外部電極層102は導電性材料、例えば、Cu、Ni、Cr、Ag、Pd、Fe、Sn、Pb、Pt、Ir、Rh、Ru、Al、Ti等の純金属やこれらの合金であるものとすることができる。第1外部電極層102の厚さは例えば数十nm〜数μmであるものとすることができる。また、第1外部電極層102は、複数層の導電性材料が積層されるように配設されたものとすることも可能である。
第2外部電極層103は図2に示すように、誘電体層101の第2の面101c上に配設されている。第2外部電極層103は、第1外部電極層102と同様の導電性材料からなるものとすることができ、その厚さは例えば数nm〜数μmであるものとすることができる。第2外部電極層103の構成材料は第1外部電極層102の構成材料と同一でもよく異なっていてもよい。また、第2外部電極層103も、複数層の導電性材料が積層されるように配設されたものとすることが可能である。
第1内部電極104は、コンデンサ100の一方の対向電極として機能する。図2に示すように第1内部電極104は、貫通孔101a内に形成され、第1外部電極層102に接続されている。また、第1内部電極104は、第2外部電極層103とは離間して形成され、第2外部電極層103と絶縁されている。また、第1内部電極104と第2外部電極層103の間の間隙には、絶縁体(図示せず)が充填されていてもよい。なお、図2等に示す第1内部電極104及び第2内部電極105は1つおきに交互に描かれているが、これらは便宜的なものであり、実際には交互に存在しなくてもよい。
図5は、第1内部電極104及び第2内部電極105を示す拡大図である。同図に示すように第1内部電極104は、第1電極部分104aと第2電極部分104bの二つの部分から構成されている。第1電極部分104aと第2電極部分104bはそれぞれ異なる導電性材料からなる。
第1電極部分104aは、第1内部電極104の第2外部電極層103側の部分であり、第2電極部分104bを介して第1外部電極層102に接続されている。第1電極部分104aの長さ(誘電体層101の厚み方向)は、図5に示すように、第1内部電極104の大部分(例えば90%程度)を占めるものが好適である。以下、第1電極部分104aの構成材料を第1導電性材料とする。第1導電性材料の詳細については後述する。
第2電極部分104bは、第1内部電極104の第1外部電極層102側の部分であり、第1電極部分104aを第1外部電極層102に接続する。第2電極部分104bの長さ(誘電体層101の厚み方向)は、図5に示すように、第1内部電極104の大部分ではなく、一部(例えば10%程度)であるものが好適である。以下、第2電極部分104bの構成材料を第2導電性材料とする。第2導電性材料の詳細については後述する。
第2内部電極105は、コンデンサ100の他方の対向電極として機能する。図2に示すように第2内部電極105は、貫通孔101a内に形成され、第2外部電極層103に接続されている。また、第2内部電極105は第1外部電極層102とは離間して形成され、第1外部電極層102と絶縁されている。また、第2内部電極105と第1外部電極層102の間の間隙には、絶縁体(図示せず)が充填されていてもよい。
第2内部電極105は、図5に示すように、第3電極部分105aと第4電極部分105bの二つの部分から構成されている。第3電極部分105aと第4電極部分105bはそれぞれ異なる導電性材料からなる。
第3電極部分105aは、第2内部電極105の第1外部電極層102側の部分であり、第4電極部分105bを介して第2外部電極層103に接続されている。第3電極部分105aの長さ(誘電体層101の厚み方向)は、図5に示すように、第2内部電極105の大部分(例えば90%程度)を占めるものが好適である。以下、第3電極部分105aの構成材料を第3導電性材料とする。第3導電性材料の詳細については後述する。
第4電極部分105bは、第2内部電極105の第2外部電極層103側の部分であり、第3電極部分105aを第2外部電極層103に続する。第4電極部分105bの長さ(誘電体層101の厚み方向)は、図5に示すように、第2内部電極105の大部分ではなく、一部(例えば10%程度)であるものが好適である。以下、第4電極部分105bの構成材料を第4導電性材料とする。第4導電性材料の詳細については後述する。
コンデンサ100は以上のような構成を有する。誘電体層101を介して第1内部電極104と第2内部電極105が対向し、コンデンサを形成する。即ち、第1内部電極104と第2内部電極105は、コンデンサの対向電極(正極又は負極)として機能する。なお、第1内部電極104と第2内部電極105のどちらが正極であってもよい。第1内部電極104は第1外部電極層102を介して、第2内部電極105は第2外部電極層103を介して、それぞれ外部への配線や端子等と接続される。
[内部電極の材料について]
上述のように、一形態として第1内部電極104は、第1導電性材料からなる第1電極部分104aと第2導電性材料からなる第2電極部分104bから構成されている。また、第2内部電極105は、第3導電性材料からなる第3電極部分105aと第4導電性材料からなる第4電極部分105bから構成されている。図6は、第1導電性材料、第2導電性材料、第3導電性材料及び第4導電性材料として利用可能な元素とその物性を示す表である。
なお、第1導電性材料と第3導電性材料は、同一の材料であってもよく、異なる材料であってもよい。また、第2導電性材料と第4導電性材料も、同一の材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
第1導電性材料及び第3導電性材料は、図6に示すように、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Co(コバルト)、Cr(クロム)、Fe(鉄)及びZn(亜鉛)のうち少なくとも一種の元素を含む材料とすることができる。具体的には、第1導電性材料及び第3導電性材料は、上記各元素の純金属又は、上記各元素のいずれか一種又は複数種を含む合金であるものとすることができる。
また、第1導電性材料及び第3導電性材料は、電気抵抗率が小さい材料が好適である。上述のように第1内部電極104及び第2内部電極105は、それぞれ2種類の材料で構成される。第2電極部分104bと第4電極部分105bの材質を後述の効果が得られるように決めた上で、第1電極部分104aと第3電極部分105aは、その長さをより長く取り、電気抵抗率のより小さい材料を使うことにより、コンデンサ100の素子抵抗(ESR特性)を小さくすることが可能である。このように第1導電性材料は第2導電性材料より電気抵抗が小さく、第3導電性材料は第4導電性材料より電気抵抗が小さいことが好ましい。さらに、第1導電性材料及び第3導電性材料は、後述するコンデンサ100の製造方法において説明するが、メッキによって形成することが可能な材料が好適である。
第2導電性材料は、第1導電性材料よりヤング率(Young's modulus:縦弾性係数)が小さい材料であり、第4導電性材料は、第3導電性材料よりヤング率が小さい材料である。第2導電性材料及び第4導電性材料は、図6に示すように、In(インジウム)、Sn(スズ)、Pb(鉛)、Cd(カドミウム)、Bi(ビスマス)及びAl(アルミニウム)のうち少なくとも一種の元素を含む材料とすることができる。具体的には、第2導電性材料及び第4導電性材料は、上記各元素の純金属又は、上記各元素のいずれか一種又は複数種を含む合金であるものとすることができる。
また、第2導電性材料及び第4導電性材料は、金属又は合金に限られず、導電性高分子であるものとすることも可能であり、特に電解重合が可能なものが好適である。この他にも、第2導電性材料及び第4導電性材料は、導電性粒子を含有する高分子材料等とすることも可能である。
さらに、第2導電性材料及び第4導電性材料は、ヤング率が70GPa以下のものが好適である。詳細は後述するが、第2導電性材料及び第4導電性材料のヤング率を70GPa以下とすることにより、応力を十分に緩衝させることができる。図6に示すように、上記各元素(In、Sn、Pb、Cd、Bi及びAl)の純金属はいずれも70GPa以下のヤング率を有する。加えて、第2導電性材料及び第4導電性材料は、後述するコンデンサ100の製造方法において説明するが、メッキによって形成することが可能な材料が好適である。
以上のように、一形態として第1内部電極104及び第2内部電極105は、それぞれがヤング率が異なる二種類の材料からなるものとすることができる。ここで、ヤング率の比較は図6に示すような元素の一般的な物性値に基づいて比較を行えばよい。なぜなら、第1内部電極104及び第2内部電極105は、貫通孔101a内に近似条件でメッキによって形成することができるが、こうした製造過程からすれば、形成された各電極部分のヤング率を比較しようとした場合、一般物性値に基づいた値を示すことは明らかだからである。
一般的なポーラスコンデンサにおいては、温度の変動によって内部電極と誘電体層の間に応力が発生したときに、両者の密着が損なわれて内部電極が剥がれてしまうことがある。内部電極の両端部は応力が集中しやすい箇所となるので部分的に剥がれやすい。さらに内部電極の両端部のうち外部電極層との接続側では前記の剥がれが原因となって外部電極層との接続部を断線させてしまうことがある。このような剥がれや断線が生じると容量値の低下が起こり、コンデンサ製品としての容量値許容差:±5%を満足できなくなるという不具合のおそれがある。
しかしながら、本実施形態に係るコンデンサ100においては、第1電極部分104aと第1外部電極層102が、ヤング率が小さい(即ち軟質な)第2導電性材料からなる第2電極部分104bによって接続されている。また、第3電極部分105aと第2外部電極層103も、ヤング率が小さい第4導電性材料からなる第4電極部分105bによって接続されている。これにより、熱応力を第2電極部分104bや第4電極部分105bによって緩衝することが可能となり、上述のような不具合の発生を防止することができる(実施例参照)。
一方で、ヤング率が小さい導電性材料は、一般的に電気抵抗率が大きい。このため、内部電極をヤング率が小さい導電性材料のみからなるものとすると、コンデンサの抵抗値(ESR特性)が大きくなり、素子特性が損なわれるおそれがある。
しかしながら、本実施形態に係るコンデンサ100においては、ヤング率が小さい導電性材料からなる第2電極部分104b及び第4電極部分105bはそれぞれ、第1内部電極104及び第2内部電極105の一部を構成するのみである。第1内部電極104及び第2内部電極105の大部分は、ヤング率が大きい(電気抵抗率が小さい)第1電極部分104a及び第3電極部分105aによって構成されている。これにより、ヤング率が小さい導電性材料を使用することによるESR特性への影響が防止される。
なお第1内部電極104と第2内部電極105のいずれか一方だけをヤング率が異なる二種類の材料とする構成としても良い。このような構成はコンデンサ100が温度変動を受けやすい方向があるとき(たとえば一方の面に半田付けするなど)に有効となる。
[コンデンサの効果]
以上のように、本実施形態においては、第1内部電極104と第2内部電極105を、それぞれヤング率が異なる2種類の導電性材料からなるものとすることによって、例えば熱履歴などに対して素子容量値特性を損なうことなく、品質の高いコンデンサが実現されている。
[コンデンサの製造方法]
本実施形態に係るコンデンサ100の製造方法について説明する。なお、以下に示す製造方法は一例であり、コンデンサ100は、以下に示す製造方法とは異なる製造方法によって製造することも可能である。図7乃至図14は、コンデンサ100の製造プロセスを示す模式図である。
図7(a)は、誘電体層101の元となる基材301を示す。誘電体層101を金属酸化物(例えば酸化アルミニウム)からなるものとする場合、基材301はその酸化前の金属(例えばアルミニウム)である。
例えば15℃〜20℃に調整されたシュウ酸(0.1mol/l)溶液中で基材301を陽極として電圧を印加すると、図7(b)に示すように基材301が酸化(陽極酸化)され、基材酸化物302が形成される。この際、基材酸化物302の自己組織化作用によって、基材酸化物302に孔Hが形成される。孔Hは酸化の進行方向、即ち基材301の厚み方向に向かって成長する。
なお、陽極酸化の前に基材301に規則的なピット(凹部)を形成しておき、このピットを基点として孔Hを成長させてもよい。このピットの配置により孔Hの配列を制御することが可能となる。ピットは、例えば基材301にモールド(型)を押圧することによって形成することが可能である。
陽極酸化の開始から所定時間経過後、基材301に印加されている電圧を増加させる。自己組織化によって形成される孔Hのピッチは、印加電圧の大きさによって決定されるため、孔Hのピッチが拡大するように自己組織化が進行する。これにより、図7(c)に示すように一部の孔Hについて孔の形成が継続すると共に、孔径が拡大する。一方で、孔Hのピッチが拡大したことによって、他の孔Hについては孔の形成が停止する。以下、孔の形成が停止した孔Hを孔H1とし、孔の形成が継続した(拡大した)孔Hを孔H2とする。
陽極酸化の条件は適宜設定可能であり、例えば、図7(b)に示す1段階目の陽極酸化の印加電圧は数V〜数100V、処理時間は数分〜数日に設定することができる。図7(c)に示す2段階目の陽極酸化の印加電圧では、電圧値を1段階目の数倍とし、処理時間は数分〜数十分に設定することができる。
例えば、1段階目の印加電圧を40Vとすることにより孔径が100nmの孔Hが形成され、2段階目の印加電圧を80Vとすることにより孔H2の孔径が200nmに拡大される。2段階目の電圧値を上述した範囲内とすることにより、孔H1と孔H2の数を概ね同等とすることが可能である。また、2段階目の電圧印加の処理時間を上述の範囲内とすることにより、孔H2のピッチ変換が十分に完了しつつ、2段階目の電圧印加によって底部に形成される基材酸化物302の厚さを小さくすることができる。2段階目の電圧印加で形成される基材酸化物302は、後の工程で除去されるため、できるだけ薄いことが好ましい。
続いて、図8(a)に示すように、酸化されていない基材301を除去する。基材301の除去は、例えばウェットエッチングによってすることができる。以降、基材酸化物302の孔H1及び孔H2が形成された側の面を表面302aとし、その反対側の面を裏面302bとする。
続いて、図8(b)に示すように、基材酸化物302を裏面302b側から所定の厚さで除去する。これは反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)によってすることができる。この際、孔H2が裏面302bに連通し、孔H1は裏面302bに連通しない程度の厚さで、基材酸化物302を除去する。
続いて、図8(c)に示すように、表面302aに導電性材料からなる第1導体層303を成膜する。第1導体層303は、スパッタ法、真空蒸着法等、任意の方法によって成膜することが可能である。
続いて、図9(a)に示すように、孔H2内に第1メッキ導体304を埋め込む。第1メッキ導体304は、上記第3導電性材料からなるものとすることができる。第1メッキ導体304は、第1導体層303をシード層として基材酸化物302に電解メッキを施すことによって埋め込むことが可能である。孔H1にはメッキ液が侵入しないため、孔H1内には第1メッキ導体304は形成されない。
続いて、図9(b)に示すように、基材酸化物302を裏面302bから所定の厚さで再度除去する。これは、反応性イオンエッチングによってすることができる。この際、孔H1が裏面302bに連通する程度の厚さで基材酸化物302を除去する。
続いて、図9(c)に示すように、孔H1内に第2メッキ導体305を埋め込み、孔H2内に第3メッキ導体306を埋め込む。第2メッキ導体305は上記第1導電性材料からなり、第3メッキ導体306は上記第3導電性材料からなるものとすることができる。なお、この製造工程によれば、第1導電性材料と第3導電性材料は同一の材料となるが、他の製造工程を利用して第1導電性材料と第3導電性材料を異なる材料とすることも可能である。
第2メッキ導体305及び第3メッキ導体306は、第1導体層303をシード層として基材酸化物に電解メッキを施すことによって埋め込むことが可能である。この際、孔H2には、先の工程によって第1メッキ導体304が形成されているため、第3メッキ導体306の先端は第2メッキ導体305の先端より突出する。以下、第1メッキ導体304と第3メッキ導体306とを合わせて第4メッキ導体307とする。
続いて、図10(a)に示すように、基材酸化物302を裏面302bから所定の厚さで再度除去する。これは、機械研磨等によってすることができる。この際、第4メッキ導体307が裏面302bに露出し、第2メッキ導体306が裏面302bに露出しない程度の厚さで基材酸化物302を除去する。
続いて、図10(b)に示すように、裏面302bに導電性材料からなる第2導体層308を成膜する。第2導体層308は、スパッタ法、真空蒸着法等、任意の方法によって成膜することが可能である。
続いて、図10(c)に示すように、第1導体層303を除去する。第1導体層303の除去は、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、イオンミリング法、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等によってすることができる。
続いて、図11(a)に示すように、第2導体層308をシード層として、基材酸化物302に電解エッチングを施す。第4メッキ導体307は第2導体層308に導通しているため、電解エッチングによりエッチングされる。これにより、孔H2において第4メッキ導体307が除去された空隙が形成される。一方、第2メッキ導体305は第2導体層308に導通していないため、電解エッチングによりエッチングされない。
続いて、図11(b)に示すように、孔H2の空隙に絶縁体309を埋め込む。絶縁体309は、当該空隙に任意の絶縁性材料を充填することによって埋め込むことが可能である。
続いて、図11(c)に示すように、表面302a側から第2メッキ導体305をエッチングする。第4メッキ導体307は、絶縁体309によってエッチングが防止されている。
続いて、図12(a)に示すように、孔H1内に第5メッキ導体310を埋め込む。第5メッキ導体310は、上記第2導電性材料からなるものとすることができる。第5メッキ導体310は、基材酸化物302に無電解メッキを施すことによって埋め込むことが可能である。第4メッキ導体307は絶縁体309によって被覆されているため、メッキされない。
続いて、図12(b)に示すように、表面302aに導電性材料からなる第3導体層311を成膜する。第3導体層311は、スパッタ法、真空蒸着法等、任意の方法によって成膜することが可能である。
続いて、図12(c)に示すように、第2導体層308を除去する。第2導体層308の除去は、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、イオンミリング法、CMP法等によってすることができる。
続いて、図13(a)に示すように、孔H1の空隙に絶縁体312を埋め込む。絶縁体312は、当該空隙に任意の絶縁材料を充填することによって埋め込むことが可能である。なお、このあとに図14のように裏面302bに導電性材料からなる第4導体層314をスパッタ法、真空蒸着法など任意の方法で成膜すれば、第1の内部電極だけが熱応力耐性優れたコンデンサの構成とすることができる。
続いて、図13(b)に示すように、裏面302b側から第4メッキ導体307をエッチングする。第2メッキ導体305は、絶縁体312によってエッチングが防止されている。
続いて、図13(c)に示すように、孔H2内に第6メッキ導体313を埋め込む。第6メッキ導体313は、上記第4導電性材料からなるものとすることができる。第6メッキ導体313は、基材酸化物302に無電解メッキを施すことによって埋め込むことが可能である。第2メッキ導体305は絶縁体312によって被覆されているため、メッキされない。
続いて、図14に示すように、裏面302bに導電性材料からなる第4導体層314を成膜する。第4導体層314は、スパッタ法、真空蒸着法等、任意の方法によって成膜することが可能である。
以上のようにして、コンデンサ100を製造することが可能である。なお、基材酸化物302は誘電体層101に、第3導体層311は第1外部電極層102に、第4導体層314は第2外部電極層103にそれぞれ対応する。また第2メッキ導体305は第1電極部分104aに、第5メッキ導体310は第2電極部分104bにそれぞれ対応し、第4メッキ導体307は第3電極部分105aに、第6メッキ導体313は第4電極部分105bにそれぞれ対応する。なお、絶縁体309及び絶縁体312は、図2及び図5においては図示されていない。
[コンデンサの変形例]
本実施形態に係るコンデンサ100の変形例について説明する。
上述のように本実施形態に係るコンデンサ100は、第1外部電極層102に接続された第1内部電極104と、第2外部電極層103に接続された第2内部電極105を有し、これらの内部電極はそれぞれ二つの電極部分から構成されている。
しかし、第1内部電極104と第2内部電極105のいずれか一方のみが二つの電極部分から構成されていてもよい。この場合であっても、二つの電極部分から構成されている内部電極については熱応力耐性が向上する。例えば、コンデンサ100を半田付けするときの半田付け側からの熱伝導による温度変動が大きければ半田付け側の内部電極のみを二つの電極部分から構成されるものとすることも可能である。また、複数の第1内部電極104の一部のみ、又は複数の第2内部電極105の一部のみが二つの電極部分から構成されていてもよい。
また、第1内部電極104と第2内部電極105は3つ以上の電極部分から構成されるものとすることも可能である。図15は、この変形例に係るコンデンサ100の、第1内部電極104及び第2内部電極105を示す模式図である。
同図に示すように、第1内部電極104は、第1電極部分104a及び第2電極部分104bに加え、第5電極部分104cを有する。第5電極部分104cは、第1電極部分104aに接続されている。また、第2内部電極105は、第3電極部分105a及び第4電極部分105bに加え、第6電極部分105cを有する。第6電極部分105cは、第3電極部分105aに接続されている。
第5電極部分104c及び第6電極部分105cは、それぞれ第1電極部分104a及び第3電極部分105aよりヤング率の低い導電性材料、即ち図6の第2導電性材料又は第4導電性材料から選択される材料とすることができる。このような構成とすれば、第1内部電極104の第5電極部分104c及び第2内部電極105の第6電極部分105cで剥がれが発生しにくくなるため、さらに容量値の低下を防止することが出来る。
また、第5電極部分104c及び第6電極部分105cは、それぞれ第1電極部分104a及び第3電極部分105aより電気抵抗率の大きい導電性材料、例えばPt(白金)やニクロム等の比較的抵抗率の大きな金属材料や電解重合が可能な導電性高分子からなるものとすることができる。このような構成とすることにより、第1内部電極104及び第2内部電極105の先端で絶縁破壊が発生した場合において、第5電極部分104c及び第6電極部分105cを過電流のパスに直列に設けられた保護抵抗として作用させることが可能となる。
上述のように第1内部電極104及び第2内部電極105は、第1外部電極層102又は第2外部電極層103との間が空隙又は絶縁体によって絶縁されている。このため、これらの内部電極の先端は電界が集中して絶縁破壊の起点となりやすく、内部電極の先端近傍の誘電体層101の絶縁性が素子絶縁性を支配することになる。破壊のモードが短絡であることから、絶縁破壊が生じた時には過電流が流れるため、コンデンサ100が搭載された回路の周辺素子にダメージを与えてしまうおそれがある。
ここで、第5電極部分104c及び第6電極部分105cを設け、それぞれ第1電極部分104a及び第3電極部分105aより電気抵抗率の大きい導電性材料とすることによって、これらの電極部分(即ち、内部電極の先端部)が絶縁破壊の起点になることを防止することが可能である。また、仮に絶縁破壊が生じた場合であっても、第5電極部分104c及び第6電極部分105cが保護抵抗として作用することにより、このような絶縁破壊による過電流を防止することが可能となる。加えて、それぞれの内部電極において第5電極部分104c及び第6電極部分105cは部分的にのみ設けられる。これは第5電極部分104c及び第6電極部分105cの高い電気抵抗率によってコンデンサの抵抗値(ESR特性)が影響を受け、素子のESR特性が低化することを防止するためである。
なお、第5電極部分104c及び第6電極部分105cは、上述したコンデンサ100の製造プロセスにおいて、第1内部電極104又は第2内部電極105が露出している状態で材料をメッキすることによって形成することが可能である。例えば絶縁体が形成される直前の図11(a)工程の後や図12(c)工程の後に第5電極部分104c及び第6電極部分105cを形成する事ができる。
各種コンデンサを作成し、実験により容量値の変動を確認した。図16及び図17は、実施例及び比較例に係るコンデンサの構造と実験結果を示す表である。
図16及び図17において、実施例1乃至12に係るコンデンサは、上記実施形態において説明した構造を有する。即ち、第1内部電極が第1電極部分と第2電極部分から構成され、第2内部電極が第3電極部分と第4電極部分から構成された構造である。図16及び図17には第1電極部分、第2電極部分、第3電極部分及び第4電極部分それぞれの材料を示す。なお、比較例1及び2に係るコンデンサは、単一材料からなる内部電極を有する。
図16及び図17に示すように、実施例1乃至12に係るコンデンサはいずれも、第2電極部分及び第4電極部分の材料のヤング率が、第1電極部分及び第3電極部分の材料のヤング率より小さい。即ち、実施例1乃至12に係るコンデンサは、上記実施形態において示した各電極部分の材料のヤング率の大小関係を満たすものである。
実施例1乃至12及び比較例1、2に係るコンデンサを各1000個ずつ作成し、各コンデンサに対して半田付けを想定した熱履歴を繰り返しかけた。具体的には、各コンデンサを、20℃→260℃→20℃の熱履歴を1回として5回の熱履歴環境に曝した。各コンデンサの初期容量値を測定し、5回の熱履歴をかけたあと、それぞれ同一コンデンサの容量値を測定して容量値変動率が±5%以上となったものの数をカウントした。これを1000個ずつ実施し、容量値変動率が±5%以の発生率を図16及び図17に示した。なお今回の試験で範囲外となったコンデンサはすべて−5%側に変動するものであった。
実施例1乃至12においてはいずれも、容量変動率が−5%をこえるコンデンサはほとんど発生しなかった。一方、比較例1及び2では容量値変動率が−5%を超えるコンデンサがそれぞれ1.4%、1.2%の割合で発生した。
この結果から、比較例1及び2に係るコンデンサのように内部電極をヤング率が高い導電性材料のみからなるものとすると、熱履歴の負荷によって内部電極と誘電体層の剥がれが生じ、さらに内部電極と外部電極層との接続が損なわれて容量値変動率を大きくするといえる。一方で、実施例1乃至12に係るコンデンサのように、内部電極と外部電極層の接合部にヤング率が小さい導電性材料を配置することによって内部電極と誘電体層の剥がれが防止され、容量値の変動が低減されるものといえる。
100…コンデンサ
101…誘電体層
101a…貫通孔
101b…第1の面
101c…第2の面
102…第1外部電極層
103…第2外部電極層
104…第1内部電極
104a…第1電極部分
104b…第2電極部分
105…第2内部電極
105a…第3電極部分
105b…第4電極部分

Claims (5)

  1. 第1の面と、前記第1の面と反対側の第2の面と、アルミニウムの陽極酸化による自己組織化によって形成され、前記第1の面と前記第2の面に連通する複数の貫通孔とを備える、酸化アルミニウムからなる誘電体層と、
    前記第1の面に配設された第1の外部電極層と、
    前記第2の面に配設された第2の外部電極層と、
    第1の導電性材料からなる第1の電極部分と、前記第1の導電性材料よりヤング率が小さい第2の導電性材料からなり前記第1の電極部分と前記第1の外部電極層とを接続する第2の電極部分と、から構成されていて、前記複数の貫通孔の一部に形成された第1の内部電極と、
    前記複数の貫通孔の他の一部に形成され、前記第2の外部電極層に接続された第2の内部電極と、
    を具備するコンデンサ。
  2. 請求項1に記載のコンデンサであって、
    前記第2の内部電極は、第3の導電性材料からなる第3の電極部分と、前記第3の導電性材料よりヤング率が小さい第4の導電性材料からなり前記第3の電極部分と前記第2の外部電極層とを接続する第4の電極部分から構成されている
    コンデンサ。
  3. 請求項2に記載のコンデンサであって、
    前記第2の導電性材料及び前記第4の導電性材料は、In、Sn、Pb、Cd、Bi及びAlから選択される少なくとも一つの元素を含む材料である
    コンデンサ。
  4. 請求項3に記載のコンデンサであって、
    前記第1の導電性材料及び前記第3の導電性材料は、Cu、Ni、Au、Ag、Pt、Pd、Co、Cr、Fe及びZnから選択される少なくとも一つの元素を含む材料である
    コンデンサ。
  5. 請求項4に記載のコンデンサであって、
    前記第2の導電性材料及び前記第4の導電性材料は、ヤング率が70GPa以下の材料である
    コンデンサ。
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