JP5746125B2 - 順列置換及び非順列置換ルシフェラーゼバイオセンサー - Google Patents

順列置換及び非順列置換ルシフェラーゼバイオセンサー Download PDF

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Description

本出願は、2006年4月3日付の米国特許出願第60/788608号、2007年1月10日付の米国特許出願第60/879771号、及び2007年2月14日付の米国特許出願第60/901133号の、米国法典第35編119条(e)項に基づく利益を請求し、これらの開示をその全体において、参照により本明細書に組み込む。
本発明は、生化学的アッセイ及び試薬の分野に関する。より具体的には、本発明は、改変ルシフェラーゼ及びその使用法に関する。
ルシフェラーゼは、基質(例えば、ルシフェリン)の酸化を触媒するとともに光子を放出する酵素である。ルシフェラーゼは、鞘翅目の節足動物及び多くの海洋生物を含む多数の種から単離されている。検出が容易で、その活性が高精度で定量可能であるため、ルシフェラーゼは、遺伝子発現及びタンパク質局在化の研究に広く用いられている。発色団を形成するのに最長30分間を要する緑色蛍光タンパク質(GFP)と異なり、ルシフェラーゼ産物は、ポリペプチド鎖の合成終了直後に検出することができる(基質及び酸素も存在する場合)。加えて、酵素活性に翻訳後修飾を必要とせず、該酵素は、補欠分子族、補因子の結合、又はジスルフィド結合を含まない。ルシフェラーゼは、多数の種及び多種多様な細胞において有用なレポーターである。
ルシフェラーゼは、これらをバイオセンシング用のレポーター分子、すなわち、系の分子特性を明らかにする分子として特に有用とする付加的な特徴を有する。バイオセンサー(すなわち、生物学的要素を含むセンサー)は、一般に、生物学的要素を介するシグナル発生、及び電気的要素を介するシグナル伝達及び/又はシグナル増幅という、2段階の過程により機能する。シグナル発生は、結合、エネルギー移動、又は触媒作用を介して達成されるのが通例である。酵素触媒作用によるシグナル発生は、これらの化学過程に内在的な効率及び特異性のために、特に有用でありうる。大半の触媒反応は、ATP2分子分の加水分解エネルギー、又は約70kJ/モル未満を生じる。しかし、ルシフェラーゼが引き起こす発光は、より高いエネルギー含量を有する。例えば、ホタルルシフェラーゼが触媒する反応(560nm)は、214kJ/モルのエネルギーを放出する。さらに、ルシフェラーゼは、化学エネルギーの光子への変換においても高効率である、すなわち、高量子収率を有する。こうして、ルシフェラーゼは、検出可能なシグナルの発生にきわめて効率的である。
ルシフェラーゼバイオセンサーには、既報が存在する。例えば、Sala−Newbyら(1991)は、フォチヌス・ピラリスのルシフェラーゼcDNAを改変して、サイクリックAMP依存性プロテインキナーゼのリン酸化部位を産生することを開示する。特に、配列位置217のバリンをアルギニンに突然変異させて部位RRFS(配列番号117)を生じ、ブタピルビン酸キナーゼのリン酸化部位であるヘプタペプチドのケンプチドを該ルシフェラーゼのN末端又はC末端に付加した。Sala−Newbyらは、リン酸化部位を持つ該タンパク質が、その特異的活性である発光、放出される光の色に対するpHの効果、及びATP存在下におけるプロテインキナーゼAの触媒サブユニットの効果で特徴づけられたことを述べる。彼らは、組み換えタンパク質のうちただ1つ(RRFS、配列番号117)が野生型のルシフェラーゼと著明に異なること、及び該RRFS(配列番号117)突然変異体の方が、特異的活性が低く、最適pHが低く、低pH時により緑色の強い光を放出し、リン酸化時にはその活性を最大で80%低下させることを見出した。
後者の効果は、ホスファターゼにより可逆化されることが開示された。
Waudら(1996)は、フォチヌス・ピラリスのルシフェラーゼcDNA内にプロテインキナーゼ認識配列及びプロテイナーゼ部位を組み込んだ。Waudらは、該ルシフェラーゼの2つのドメインを改変した。1つはアミノ酸209と同227との間のドメインであり、もう1つはC末端のアミノ酸537と同550との間である。Waudらは、残基209と同227の間のアミノ酸の突然変異が、野生型の組み換え体の1%未満まで生物発光活性を低下させたのに対し、C末端におけるペプチド配列の組み込みは、野生型の組み換えルシフェラーゼの0.06%〜120%の範囲に及ぶ特異的活性をもたらしたことを開示する。Waudらは、アミノ酸配列位置543がセリンであるキナーゼ認識配列LRRASLG(配列番号1)を組み込む、変異体ルシフェラーゼにサイクリックAMP依存性プロテインキナーゼの触媒サブユニットを付加することによって、活性が30%低下したことをも開示する。アルカリホスファターゼによる処理が、活性を回復させた。Waudらは、アミノ酸542と同543との間に開裂部位が位置するトロンビン認識配列LVPRES(配列番号2)を含む変異体ルシフェラーゼの生物発光活性が、トロンビン存在下でインキュベートすると50%低下したことをさらに開示する。
Ozawaら(2001)は、ホタルルシフェラーゼの合理的に設計された断片に対する、タンパク質スプライシングによって誘導される相補性に基づいて、バイオセンサーについて述べる。タンパク質スプライシングは、インテイン(介在タンパク質)を前駆体融合タンパク質から切り出し、隣接するエクステイン(隣接タンパク質)を連続的なポリペプチドに連結する翻訳後のタンパク質修飾である。シネコシスチス種PCC6803株由来のN末端インテインDnaE及びC末端インテインDnaEをそれぞれ、ルシフェラーゼのN末端及びC末端断片に融合したことが開示される。タンパク質間相互作用によりDnaEインテインのフォールディングが始動し、タンパク質スプライシングが生じ、これによって連結されたルシフェラーゼのエクステインが酵素活性を回復する。Ozawaらは、既知の結合パートナーであるリン酸化したインスリン受容体基質1(IRS−1)とその標的であるPI3キナーゼのN末端SH2ドメインとの間の相互作用を、インスリン存在下における分断されたルシフェラーゼを用いてモニターした。
Paulmuruganら(2001)は、分断されたホタルルシフェラーゼに基づくアッセイにより、相補性戦略及びインテインを介する再構成戦略をともに用いて、細胞培養及びマウスにおける2つのタンパク質、すなわちMyoD及びIdの相互作用をモニターした。レポーター活性を保持するために、相補性戦略では、融合タンパク質がタンパク質相互作用を必要とする、すなわち、タンパク質パートナーMyoD及びIdの相互作用によるのに対し、インテインを介するスプライシングにより形成される新規の完全な甲虫ルシフェラーゼは、該タンパク質パートナー間の連続的な相互作用の不在下においてもその活性を維持する。
Michnickら(米国特許出願第6,270,964号、同第6,294,330号、同第6,428,951号)では、タンパク質断片相補性アッセイが開示される。具体的には、Michnickは、分断されたマウスジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子に基づき、DHFRのN末端断片及びDHFRのC末端断片をそれぞれGCN4ロイシンジッパー配列に融合させるアッセイについて述べる。DHFR活性は、両方の融合タンパク質を発現する細胞において検出した。Michnickらは、ネスト化した一連のS1ヌクレアーゼがアミノグリコシドキナーゼ(AK)遺伝子内に産生する欠失をロイシンジッパー構築物に導入し、結果として生じる一連の構築物を細胞に導入し、AK活性についてスクリーニングする別の相補性法についても述べている。
必要なことは、例えば、タンパク質間相互作用、細胞内シグナル伝達、又は生理学的変換などの細胞事象を検出するに際し、特異性が高くシグナル感度の高いバイオセンサーとして、改良組み換えルシフェラーゼを用いることである。
本発明は、cAMP、cGMP、キナーゼ、ホスファターゼ、又はカルシウムなど1つ又は複数の対象の分子の存在下において、1つ又は複数の変化した活性を有する改良遺伝子産物、例えば、ホタルルシフェラーゼ又はヒカリコメツキルシフェラーゼなどの改変甲虫ルシフェラーゼ、レニラルシフェラーゼなどの花虫類ルシフェラーゼ、又は甲殻類ルシフェラーゼなどの改変ルシフェラーゼを提供する。
ヒカリコメツキルシフェラーゼ中のTn5挿入物(太字)の配列位置(アミノ酸配列は配列番号3に対応する)を示す表である。 親(未改変)ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列(luc+)(配列番号210)を示す表である。 円順列置換ルシフェラーゼでの発光cAMP結合アッセイを示す模式図である。 IIβ型PKA調節サブユニット(RIIβB)。ラットRIIβB 264〜412アミノ酸(PDB 1CX4)のX線結晶構造を示す図である。RIIβBは、赤リボンで表されており、cAMPは、球と棒で表されている。ラット(264〜412アミノ酸)とヒト(266〜414アミノ酸)RIIβBの間の一次配列類似性は、96.6%(program Megallign,DNAStar)である。 円順列置換ホタルルシフェラーゼ(CPM−FF Luc)発現プラスミドを示す図である。HSV−TK又はT7プロモーターを、円順列置換ホタルルシフェラーゼを哺乳類細胞又は可溶化物で発現するためにそれぞれ利用した。ホタルルシフェラーゼのアミノ酸544及び4をGly/Serリッチ42アミノ酸ペプチド(配列番号196)で結合させた。 RIIβBに融合させたCPM−FF Luc(CPM−FF Luc/RIIβB)のための発現ペプチドを示す図である。制限酵素の特有の組合せは、RIIβBをコードするDNAが、様々なX/Yペプチドリンカー長(GSTGは、配列番号122対応;GSSGは、配列番号197に対応;GSSGGSGGSGは、配列番号198に対応;GSGGSGGSSGは、配列番号199に対応;GSSGGSGGSGGGSGGSGGSGは、配列番号200に対応;及びGSGGSGGSGGTSGGSGGSSGは、配列番号201に対応)を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質をコードするプラスミドを生成するために、フレーム単位でつなぎ合わされることを可能にする。 大腸菌発現のために改変されたEpac DNA配列(配列番号15)を示す表である。 円順列置換レニラルシフェラーゼ(CPM−hRL)発現プラスミド及びRIIβBと融合したCPM−hRL(CPM−hRL/RIIβB)を発現する構築物を示す図である。制限酵素の特有の組合せは、RIIβBをコードするDNAが、様々なX/Yペプチドリンカー長(GSTGは、配列番号122に対応;GSSGは、配列番号197に対応;GSSGGSGGSGは、配列番号198に対応;GSGGSGGSGGTSGGSGGSSGは、配列番号201に対応)を有するCPM−hRL/RIIβB融合タンパク質をコードするプラスミドを生成するために、フレーム単位でつなぎ合わされることを可能にする。Gly/Serリッチ42アミノ酸ペプチドは、配列番号196に対応する。 cAMP結合部位を有する円順列置換甲虫ルシフェラーゼのin vitro転写/翻訳産物のSDS−PAGE分析を示す図である。(X=4、Y=4)、(X=10、Y=10)及び(X=20、Y=20)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質の発現。 (X=4、Y=4)、(X=10、Y=10)及び(X=20、Y=20)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーの機能評価を示すグラフである。 (X=4、Y=4)、(X=10、Y=10)及び(X=20、Y=20)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーを使用する用量反応実験を示すグラフである。 (X=10、Y=10)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーの選択性を示すグラフである。 (X=10、Y=10)のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB cAMPバイオセンサーでの反応からの同種cAMPアッセイデータを示すグラフである。 (X=10、Y=10)のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB cAMPバイオセンサーでの反応からの同種cAMPアッセイデータを示すグラフである。 円順列置換レニラルシフェラーゼを含有するcAMP結合部位についてのRLU活性の比較を示すグラフである。 円順列置換レニラルシフェラーゼを含有するcAMP結合部位についてのRLU活性の比較を示すグラフである。 2種の異なるCPM−FF Luc/RIIβB cAMPバイオセンサーを有する、フォルスコリン処理したHEK293細胞の可溶化物中のcAMP濃度の測定を示すグラフである。 2種の異なるCPM−FF Luc/RIIβB cAMPバイオセンサーを有する、フォルスコリン処理したHEK293細胞の可溶化物中のcAMP濃度の測定を示すグラフである。 (X=10、Y=0)のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPルシフェラーゼバイオセンサーをコードするDNAを一過性にトランスフェクトしたHEK293細胞における経時的RLUを示すグラフである。 [2x(x=0〜5)、2y(y=0〜5)]アミノ酸残基のセットで、X/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB cAMPバイオセンサーの機能評価を示すグラフである。100μM cAMPの存在下及び非存在下でのルシフェラーゼ活性。リンカー組合せ(10、2)及び(10、6)は未記載。 [2x(x=0〜5)、2y(y=0〜5)]アミノ酸残基のセットで、X/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサーの機能評価を示すグラフである。100μM cAMPの存在下でのルシフェラーゼ活性の発光量比。リンカー組合せ(10、2)及び(10、6)は未記載。 [10、−2n(n=1〜7)]、[10、2n(n=1〜5)]及び[10+2n(n=1〜5)、0]アミノ酸残基のセットで、X/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサーの機能評価を示すグラフである。100μM cAMPの存在下又は非存在下でのルシフェラーゼ活性。 [10、−2n(n=1〜7)]、[10、2n(n=1〜5)]及び[10+2n(n=1〜5)、0]アミノ酸残基のセットで、X/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサーの機能評価を示すグラフである。100μM cAMPの存在下でのルシフェラーゼ活性の発光量比。 (X=4、Y=4)及び(X=10、Y=4)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPMヒカリコメツキLuc/RIIβB cAMPセンサー並びに対応するCPM−FFルシフェラーゼを使用する用量反応実験の比較を示すグラフである。 (X=4、Y=4)及び(X=10、Y=4)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPMヒカリコメツキLuc/RIIβB cAMPセンサー並びに対応するCPM−FFルシフェラーゼを使用する用量反応実験の比較を示すグラフである。 (X=4、Y=4)及び(X=20、Y=20)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサー並びに対応するCPM−FF Luc/RIIβBを使用する用量反応実験の比較を示すグラフである。 (X=4、Y=4)及び(X=20、Y=20)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサー並びに対応するCPM−FF Luc/RIIβBを使用する用量反応実験の比較を示すグラフである。 (X=4、Y=4)及び(X=20、Y=20)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM熱安定性Luc/RIIβB cAMPセンサー並びに対応するCPM−FFルシフェラーゼを使用する用量反応実験の比較を示すグラフである。 (X=4、Y=4)及び(X=20、Y=20)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM熱安定性Luc/RIIβB cAMPセンサー並びに対応するCPM−FFルシフェラーゼを使用する用量反応実験の比較を示すグラフである。 (X=4、Y=20)のX/Yリンカー長を有するCPM−hRL/RIIβB cAMPバイオセンサーを使用するHEK293細胞中のcAMP濃度変化のモニタリングを示すグラフである。 CPM−FF Lucの配列(配列番号16)を示す表である。 CPM−FF Luc GAF構築物の模式図である。GSTGは、配列番号122に対応;GSSGは、配列番号197に対応;GSSGGSGGSGは、配列番号198に対応;GSGGSGGSSGは、配列番号199に対応;GSSGGSGGSGGGSGGSGGSGは、配列番号200に対応;GSGGSGGSGGTSGGSGGSSGは、配列番号201に対応;及び42RT対照ペプチドは、配列番号196に対応。 cGMP存在下及び非存在下における様々なCPM−FF Luc GAF構築物についてのRLUを示すグラフである。 CPM−FF Luc GAF構築物についてのcGMP又はcAMPの濃度の増大に伴う発光量比を示すグラフである。 CPM−FF Lucカルシウムバイオセンサーの模式図である。GSTGは、配列番号122に対応;GSSGは、配列番号197に対応;GSSGGSGGSGは、配列番号198に対応;GSGGSGGSSGは、配列番号199に対応;GSSGGSGGSGGGSGGSGGSGは、配列番号200に対応;及びGSGGSGGSGGTSGGSGGSSGは、配列番号201に対応;42RT対照ペプチドは、配列番号196に対応;LEGSGGGGは、配列番号202に対応;及びGGGGSGPWは、配列番号203に対応。 CaCl2又はEDTA及びEGTA存在下における様々なCPM−FF LucカルシウムバイオセンサーについてのRLUを示すグラフである。 ホタルルシフェラーゼの改変のための追加的部位を示す表である。 様々な部位でのCPM−FF Luc cAMPバイオセンサーについてのin vitro RLU及び発光量比を示すグラフである。 様々な部位でのCPM−FF Luc cAMPバイオセンサーについてのin vitro RLU及び発光量比を示すグラフである。 様々な部位でのCPM−FF Luc cAMPバイオセンサーについてのin vivo RLU及び発光量比を示すグラフである。 円順列置換されていないレニラルシフェラーゼ中にRIIβBの挿入を有する構築物を示す表である。 図29に示す構築物についてのRLU及び発光量比を示すグラフである。 図29に示す構築物についてのRLU及び発光量比を示すグラフである。 円順列置換レニラルシフェラーゼ中のRIIβB及び様々なリンカー長を有する構築物を示す表である。 図31の構築物についてのRLU及び発光量比を示すグラフである。 図31の構築物についてのRLU及び発光量比を示すグラフである。 円順列置換レニラルシフェラーゼ中のRIαBを有する構築物を示す表である。 図33の構築物についてのRLU及び発光量比を示すグラフである。 図33の構築物についてのRLU及び発光量比を示すグラフである。 in vitroでの活性検査を表すグラフである。構築物pBFB287を91部位について使用した。TnT T7 Coupled Rabbit Reticulocyte Lysate Systemを使用した発現の後、TnT反応物8.5μLを、1mM cAMP保存液又はdH2O 1.7μLを補充した300mM HEPES/200mMチオ尿素(pH約7.5)8.5μLと混合した;反応物を室温で10分間程度インキュベートした。各試料の5μLを96ウェルプレートのウェルに3回反復で加え、発光をRenilla luciferase assay reagent 100μLを使用してGlomax luminometerで測定した。 in vitroでの活性検査を表すグラフである。構築物pBFB287を91部位について使用した。TnT T7 Coupled Rabbit Reticulocyte Lysate Systemを使用した発現の後、TnT反応物8.5μLを、1mM cAMP保存液又はdH2O 1.7μLを補充した300mM HEPES/200mMチオ尿素(pH約7.5)8.5μLと混合した;反応物を室温で10分間程度インキュベートした。各試料の5μLを96ウェルプレートのウェルに3回反復で加え、発光をRenilla luciferase assay reagent 100μLを使用してGlomax luminometerで測定した。 in vitroでの活性検査を表すグラフである。構築物201325.44.H6を91部位について使用した。TnT T7 Coupled Wheat Germ Extract Systemを使用した発現の後、TnT反応物15μLに、1mM cAMP保存液又はdH2O 1.5μLを補充した;反応物を室温で10分間程度インキュベートした。次いでこの混合物15μLを1×Renilla Lysis Buffer 75μlに加え、各試料20μLを96ウェルプレートのウェルに3回反復で加え、91及び223構築物について発光をRenilla luciferase assay reagent 100μLを使用してGlomax luminometerで測定した。229構築物については、cAMP誘導を図35に記載の通り測定した。 in vitroでの活性検査を表すグラフである。構築物201325.44.H6を91部位について使用した。TnT T7 Coupled Wheat Germ Extract Systemを使用した発現の後、TnT反応物15μLに、1mM cAMP保存液又はdH2O 1.5μLを補充した;反応物を室温で10分間程度インキュベートした。次いでこの混合物15μLを1×Renilla Lysis Buffer 75μlに加え、各試料20μLを96ウェルプレートのウェルに3回反復で加え、91及び223構築物について発光をRenilla luciferase assay reagent 100μLを使用してGlomax luminometerで測定した。229構築物については、cAMP誘導を図35に記載の通り測定した。 CPM RLuc cAMPバイオセンサーについての一過性トランスフェクションデータを示すグラフである。 CPM FF Luc cAMPバイオセンサーを有するGPCRについてのシングルステップアッセイの模式図である。CPM FF Luc cAMPアッセイにおけるRLU対フォルスコリン濃度の増大を示すグラフである。 CPM FF Luc cAMPバイオセンサーでの化合物ライブラリーのスクリーニングのデータを示す図である。 CPM FF Luc cAMPバイオセンサーを使用する具体的な化合物の用量反応を示すグラフである。 CPM FF Luc cAMPバイオセンサーを使用する具体的な化合物の用量反応を示すグラフである。 例示的にカイアシ類ルシフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号204;Genbank ID AAG54095)を示す表である。 CPM FF Luc/RIIβB cAMPバイオセンサーの室温時及び37℃における経時的相対反応の比較を示すグラフである。 様々なアゴニスト(A)の存在下における室温及び37℃での、CREリポーター及びCPM FF Luc/RIIβB cAMPバイオセンサーのRLUを示すグラフである。 様々なアンタゴニスト(B)の存在下における室温及び37℃での、CREリポーター及びCPM FF Luc/RIIβB cAMPバイオセンサーのRLUを示すグラフである。 CPM−FF Luc/RIIβBで安定にトランスフェクトされ、且つ異なる量のドーパミンに37℃でさらされた細胞での経時的発光量比を示すグラフである。 37℃におけるRLU対log M ドーパミンを示すグラフである。 37℃における様々なアゴニストについての作用強度順位を示すグラフである。 37℃における様々なアンタゴニストについての作用強度順位を示すグラフである。 HEK293/CPM−FF Luc/RIIβBを使用する、ベータ2アドレナリン受容体のアゴニストの作用強度順位を示すグラフである。CPM−FF Luc/RIIβBを安定に発現するHEK293細胞を、内因性ベータ2アドレナリン受容体のアゴニストで刺激した。室温、26分間のインキュベーションの後に発光を測定した。 HEK293を使用する、ベータ2アドレナリン受容体のアゴニストの作用強度順位を示すグラフである。CPM−FF Luc/RIIBを安定に発現するHEK293細胞を、0.033μMイソプレテレノールの存在下でアンタゴニストとインキュベートした。室温、31分間のインキュベーションの後に発光を測定した。 様々なアゴニストでの生物発光のGPCRアッセイの比較を示すグラフである。 様々なアンタゴニストでの生物発光のGPCRアッセイの比較を示すグラフである。 CPM RLuc/RIIβB cAMPバイオセンサーでのcAMPの細胞内変化の検出を示すグラフである。A)異なるプロモーターでの検出の比較。B)フォルスコリン誘導。C)SK38393誘導。D)ドーパミン誘導。 CPM RLuc/RIIβB cAMPバイオセンサーでのcAMPの細胞内変化の検出を示すグラフである。A)異なるプロモーターでの検出の比較。B)フォルスコリン誘導。C)SK38393誘導。D)ドーパミン誘導。 CPM RLuc/RIIβB cAMPバイオセンサーでのcAMPの細胞内変化の検出を示すグラフである。A)異なるプロモーターでの検出の比較。B)フォルスコリン誘導。C)SK38393誘導。D)ドーパミン誘導。 CPM RLuc/RIIβB cAMPバイオセンサーでのcAMPの細胞内変化の検出を示すグラフである。A)異なるプロモーターでの検出の比較。B)フォルスコリン誘導。C)SK38393誘導。D)ドーパミン誘導。 CPM RLuc/RIIβB cAMPバイオセンサーでの細胞におけるcAMPの細胞内変化の検出を示すグラフである。 RIIβB及び様々なリンカー長を有するFLuc構築物についてのRLUを示すグラフである。 RIIβB及び様々なリンカー長を有するFLuc構築物についてのRLUを示すグラフである。 ヒオドシエビルシフェラーゼ及びその融合構築物についての核酸配列(配列番号205、206、207、208、209)を示す表である。 ヒオドシエビルシフェラーゼ及びその融合構築物についての核酸配列(配列番号205、206、207、208、209)を示す表である。 in vitroタンパク質相補性アッセイ(PCA)におけるヒオドシエビルシフェラーゼ融合物についてのRLUを示すグラフである。発光量比は、バックグラウンド減算後に決定した。 ヒオドシエビルシフェラーゼ(OpLuc)融合物のSDS−PAGE分析を示す図である。レーン1)全長OpLuc;レーン2)同時発現させた50−FRBとFKBP−51;レーン3)50−FRB;レーン4)FKBP−51;及びレーン5);DNA不含有対照。 in vitro PCAにおけるヒオドシエビルシフェラーゼ融合物についてのRLUを示すグラフである。発光量比は、バックグラウンド減算後に決定した。 ヒオドシエビルシフェラーゼ融合物のSDS−PAGE分析を示す図である。レーン1)全長OpLuc;レーン2)同時発現させた84−FRBとFKBP−85;レーン3)84−FRB;レーン4)FKBP−85;及びレーン5);DNA不含有対照。 細胞に基づくPCAにおけるヒオドシエビルシフェラーゼ融合物についてのRLUを示すグラフである。N=3。ss=分断部位。発光量比は、バックグラウンド減算後に決定した。 in vitro PCAにおけるヒオドシエビルシフェラーゼ円順列置換様融合物についてのRLUを示すグラフである。発光量比は、バックグラウンド減算後に決定した。 ヒオドシエビルシフェラーゼ円順列置換様融合物のSDS−PAGE分析を示す図である。レーン1)全長OpLuc;レーン2)同時発現させた51−FKBP及びFRB−50;レーン3)同時発現させた85−FKBP及びFRB−84;レーン4)FRB−50;レーン5)FRB−84;レーン5)51−FKBP;レーン7)85−FKBP;及びレーン8)DNA不含有対照。 84−FRB;レーン4)FKBP−85;及びレーン5)DNA不含有対照。 CP ヒオドシエビルシフェラーゼに基づくベクターを示す図である。 RIIbetaB CP ヒオドシエビルシフェラーゼに基づくベクターでの結果を示すグラフである。左カラムは、未改変のルシフェラーゼ(対照)の活性を示す。左から二番目のカラムは、4aaリンカーを有する対応する構築物。左から三番目のカラムは、10aaリンカーを有する−’’−である。左から四番目のカラムは、20aaリンカーを有する−’’−である。 RIIbetaB CP ヒオドシエビルシフェラーゼに基づくベクターでの結果を示すグラフである。左カラムは、未改変のルシフェラーゼ(対照)の活性を示す。左から二番目のカラムは、4aaリンカーを有する対応する構築物。左から三番目のカラムは、10aaリンカーを有する−’’−である。左から四番目のカラムは、20aaリンカーを有する−’’−である。 RIIbetaB CP ヒオドシエビルシフェラーゼに基づくベクターでの結果を示すグラフである。左カラムは、未改変のルシフェラーゼ(対照)の活性を示す。左から二番目のカラムは、4aaリンカーを有する対応する構築物。左から三番目のカラムは、10aaリンカーを有する−’’−である。左から四番目のカラムは、20aaリンカーを有する−’’−である。 RIIbetaB CP ヒオドシエビルシフェラーゼに基づくベクターでの結果を示すグラフである。左カラムは、未改変のルシフェラーゼ(対照)の活性を示す。左から二番目のカラムは、4aaリンカーを有する対応する構築物。左から三番目のカラムは、10aaリンカーを有する−’’−である。左から四番目のカラムは、20aaリンカーを有する−’’−である。 セリン/スレオニンキナーゼ/ホスファターゼ構築物を示す表である。表中で具体的に同定されるペプチド配列はEIYGEFGSSG(配列番号267)、EIYGEFGSSGGSGGSG(配列番号268)、EIYGEFGSSGGSGGSGGGSGGSGGSG(配列番号269)、GSSG(配列番号270)、GSTSGSGKPGSGEGSEIYGEFGSSG(配列番号271)、GSTSGSGKPGSGEGSEIYGEFGSGGSGGSSG(配列番号272)、GSTSGSGKPGSGEGSEIYGEFGSGGSGGSGGGSGGSGGSSG(配列番号273)、GSTSGSGKPGSGEGSEIYGEFGSGSGGSGGSSG(配列番号274)、GSTG(配列番号275)、GSSGGSGGSG(配列番号276)、GSSGGSGGSGGGSGGSGGSG(配列番号277)、GSGGSGGSGGTSGGSGGSSG(配列番号278)、GSSGRKRDRLGTLGIGGSSGGGSGGGGSGG(配列番号279)、GGSGGSGSSGRKRDRLGTLGIGGSSGGGSGGGGSGG(配列番号280)、GSGGSGGSGG(配列番号281)、GSSGGSGGSGGGSGGSGSSGRKRDRLGTLGIGGSSGGGSGGGGSGG(配列番号282)、RKRDRLGTLGIGGSSGGGSGGGGSGG(配列番号283)、GGSSGRKRDRLGTLGIGGSSG(配列番号284)、GGSSGRKRDRLGTLGIGSSGSGGSGG(配列番号285)、GGSSGRKRDRLGTLGIGSGGSGGSGGTSGGSGGSSG(配列番号287)、GSSGGSGGSGGGSGGSG(配列番号288)、GGSSGRKRDRLGTLGIGSSGSGGSGGTSGGSGGSSG(配列番号289)、GSSGGSGGSGGGRKRDRLGTLGIGGSSGGGSGGGGSGG(配列番号290)、GSGGSGGSSG(配列番号291)、GSSGGSGGSGGGSGGSGGSGRKRDRLGTLGIGGSSGGGSGGGGSGG(配列番号292)、GSGG(配列番号293)、及びGGSGGGGSGG(配列番号294)である。 in vitro Flucセリン/スレオニンキナーゼアッセイを示すグラフである。 代表的核酸配列67−1から67−120を示す表である。
一実施形態において、改変ルシフェラーゼのアミノ酸配列は、改変、例えば、挿入、欠失、円順列置換、又はその任意の組合せに対して耐性である部位(残基)又は領域における1つ又は複数の改変の結果として、対応する非改変ルシフェラーゼ(天然ルシフェラーゼ、野生型ルシフェラーゼ、又は親ルシフェラーゼ、例えば、1つ又は複数の置換を含む突然変異ルシフェラーゼ)のアミノ酸配列とは異なる。一実施形態において、改変に対して耐性である領域は、天然ルシフェラーゼ、野生型ルシフェラーゼにおいて見出される、ベータシート又はアルファヘリックスなどの二次構造間の表面ループを含む。1つ又は複数の改変は、非改変ルシフェラーゼのN末端若しくはC末端に対して内部、及び/又は非改変ルシフェラーゼのN末端及び/若しくはC末端であってよく、例えば、ルシフェラーゼ配列の欠失、及び/又は、改変部位におけるルシフェラーゼ配列を場合によっては含む1つ若しくは複数のアミノ酸残基の挿入であってよく、これによって改変ルシフェラーゼを産生する。本発明の適用範囲内における欠失は、欠失に対して耐性であるルシフェラーゼ配列の部位又は領域における1つ又は複数のアミノ酸残基の欠失を含む。改変は、結果として生じる改変ルシフェラーゼが、対象の分子との相互作用前及び/又は相互作用後において生物発光活性を有する、例えば、対象の分子との相互作用後において生物発光活性が変化する限りで、例えば、非改変ルシフェラーゼのN末端及び/又はC末端を含む改変に対して耐性である1つ又は複数の部位又は領域において、少なくともその1つが対象の分子と直接又は間接に相互作用する1つ又は複数の分離された(単離された)異種アミノ酸配列の円順列置換及び導入(挿入)を含んでもよく、場合によっては、1つ又は複数のアミノ酸の欠失を含んでもよい。一実施形態において、改変は、対応する非改変ルシフェラーゼではペプチド結合により結合される2つのアミノ酸の間の、改変ルシフェラーゼにおけるペプチド結合の不在であってよく、これが、対応する非改変ルシフェラーゼのN末端残基及びC末端残基又はその近傍に見出される残基の間の、改変ルシフェラーゼにおけるペプチド結合と組み合わさることにより、少なくともその1つが対象の分子と直接又は間接に相互作用する1つ又は複数の単離された異種のアミノ酸配列を場合によっては含む、円順列置換ルシフェラーゼを産生する。一実施形態において、対象の分子と直接又は間接に相互作用する1つ又は複数の異種アミノ酸配列は、対応する非改変ルシフェラーゼのN末端残基及び/又はC末端残基に対応する配列或いはその近傍における円順列置換ルシフェラーゼ中に存在する。別の実施形態において、対象の分子と直接又は間接に相互作用する1つ又は複数の異種アミノ酸配列は、円順列置換又は非円順列置換ルシフェラーゼのN末端残基及び/又はC末端残基或いはその近傍に存在する。一実施形態において、円順列置換ルシフェラーゼ内の、対象の分子と直接又は間接に相互作用する1つ又は複数の異種アミノ酸配列は、円順列置換ルシフェラーゼのN末端残基及び/又はC末端残基或いはその近傍に存在しない改変に対して耐性である1つ若しくは複数の部位又は1つ若しくは複数の領域に存在する、すなわち、該異種配列はN末端及びC末端に対して内部に存在する。一実施形態において、円順列置換ルシフェラーゼを改変して2つ以上の異種アミノ酸配列を含むようにすると、これらの異種アミノ酸配列は、対応する非改変ルシフェラーゼのN末端残基及び/若しくはC末端残基に対応する配列又はその近傍に、円順列置換ルシフェラーゼのN末端残基及び/若しくはC末端残基又はその近傍に、改変に対して耐性であり、円順列置換又は非円順列置換ルシフェラーゼのN末端残基及び/若しくはC末端残基又はその近傍に存在しない1つ若しくは複数の部位又は1つ若しくは複数の領域に、或いはその任意の組合せにおいて個別に存在する。一実施形態において、異種アミノ酸配列は、各々、異なる対象の分子と直接又は間接に相互作用する。さらなる実施形態において、円順列置換ルシフェラーゼは、特定の外因性作用物質の存在下又は不在下において相互作用し合う、少なくとも2つの異種アミノ酸配列を含む。2つの異種アミノ酸配列は、同一の配列又は異なる配列を含んでよい。
さらに、改変ルシフェラーゼは、非改変ルシフェラーゼのN末端又はC末端に対応する1〜約10若しくは約30、又はその間の任意の整数、例えば15のN末端残基及びC末端残基における欠失を含んでよい。欠失の長さは、特定のルシフェラーゼに応じて30残基を超えてもよく、望ましい欠失の長さは所定の欠失分析により決定してよい。改変ルシフェラーゼを用いて、例えば、2つ以上の分子の結合、ジスルフィド結合の形成若しくはその他の立体構造変化、pH、温度、若しくは溶媒の疎水性などの状態変化といった可逆的相互作用、又は、発光強度、色、若しくは反応速度プロファイルの変化など、改変ルシフェラーゼの活性変化による不可逆的相互作用を検出してよい。改変ルシフェラーゼを用いて、改変ルシフェラーゼの構造的修飾、例えばキナーゼによるリン酸化又はプロテアーゼによる結合開裂をもたらす相互作用をも検出してよい。
以下に記載の通り、検出可能な活性を示す改変ヒカリコメツキルシフェラーゼをもたらすインフレームでの挿入は、ヒカリコメツキルシフェラーゼの残基21、25、117、358、376、379、398、399、400、401、402、403、405、406、407、409、又は490においてであった、すなわち、これらの残基及び/又はこれらの残基近傍の領域は、改変に対して耐性である。これも以下に記載の通り、検出可能な活性を示す改変ホタルルシフェラーゼをもたらすインフレームでの挿入は、ホタルルシフェラーゼの残基7、121、233、267、294、303、361、540、又は541においてであった、すなわち、これらの残基及び/又はこれらの残基近傍の領域は、改変に対して耐性である。改変に対して耐性である付加的な残基又は領域も、以下の本明細書に記載する。
こうして、甲虫ルシフェラーゼは、例えば、ヒカリコメツキルシフェラーゼの残基21、25、117、358、376、379、398、399、400、401、402、403、405、406、407、409、若しくは490、或いは残基15〜30に対応する領域では、例えば、残基21若しくは25、残基112〜122では、例えば、残基117、残基352〜362では、例えば、残基358、残基371〜384では、例えば、残基379、残基393〜414、又は残基485〜495、或いはまた、ホタルルシフェラーゼの残基7、37、47、75、83、107、121、144、160、174、188、198、205、225、233、242、255、268、308、316、358、377、403、435、490、若しくは540、或いは残基2〜12に対応する領域、残基32〜53では、例えば、残基32〜43若しくは残基42〜52、残基70〜88では、例えば、残基70〜80若しくは残基78〜88、残基102〜126では、例えば、残基102〜112若しくは残基116〜126、残基139〜165、残基183〜203、残基220〜247では、例えば、残基228〜238、残基262〜273、残基303〜313、残基353〜408、残基485〜495、又は残基535〜546において改変してよい。対応する配列位置は、例えば、配列アライメントプログラムを用いてルシフェラーゼ配列を整列することにより同定してよい。改変に対して耐性であるルシフェラーゼ中の残基又は領域を部位として用いて、該ルシフェラーゼを円順列置換するか、該ルシフェラーゼに挿入するか、又はタンパク質相補性アッセイ若しくはタンパク質スプライシングアッセイにおいて用いうる2つの分子に該ルシフェラーゼを「分断」してよい。
本発明は、レニラルシフェラーゼ(Genbank ID AF025843)の残基2、30、31、42、45、46、68、69、90、91、92、110、111、150、151、168、169、193、207、208、223、224、251、259、274、若しくは311に対応する残基、或いは同残基2〜12、残基26〜36、残基37〜47、残基64〜74、残基86〜97、例えば、残基90若しくは91、残基96〜116、残基147〜157、残基218〜234、例えば、残基223、234、228、229、若しくは230、又は残基301〜311に対応する領域を含むがこれに限定されない、改変に対して耐性である部位又は領域において少なくとも1つの改変を有する、改変花虫類ルシフェラーゼをさらに含む。対応する配列位置は、例えば、配列アライメントプログラムを用いてルシフェラーゼ配列を整列することにより同定してよい。改変に対して耐性であるルシフェラーゼ中の残基又は領域を部位として用いて、該ルシフェラーゼを円順列置換するか、該ルシフェラーゼに挿入するか、又はタンパク質相補性アッセイ若しくはタンパク質スプライシングアッセイにおいて用いうる2つの分子に該ルシフェラーゼを「分断」してよい。
さらに、ガウシアルシフェラーゼ(例えば、図41を参照)の残基43〜53、残基63〜73、残基79〜89、残基95〜105、残基105〜115、残基109〜119、残基121〜131、又は残基157〜168に対応する領域、或いは成体ヒオドシエビルシフェラーゼの残基45〜55、残基79〜89に対応する領域を含むがこれに限定されない、改変に対して耐性である部位又は領域において少なくとも1つの改変を有する、改変甲殻類ルシフェラーゼ、例えば、カイアシ類ルシフェラーゼを含む。対応する配列位置は、例えば、配列アライメントプログラムを用いてルシフェラーゼ配列を整列することにより同定してよい。改変に対して耐性であるルシフェラーゼ中の残基又は領域を部位として用いて、該ルシフェラーゼを円順列置換するか、該ルシフェラーゼに挿入するか、又はタンパク質相補性アッセイ若しくはタンパク質スプライシングアッセイにおいて用いうる2つの分子に該ルシフェラーゼを「分断」してよい。
一実施形態において、改変ルシフェラーゼは、検出可能な活性を有し、改変に対して耐性である部位又は領域において対応する非改変ルシフェラーゼと比べて1つ又は複数のアミノ酸の挿入を含み、この挿入が、例えば、対象の分子の認識配列を含む挿入であるなど、対象の分子と直接に相互作用するアミノ酸配列を含む、又は、例えば、別の分子を介するなど、対象の分子と間接に相互作用するアミノ酸配列を含む。一実施形態において、改変ルシフェラーゼは、2つ以上、例えば、3、4、5、10、20、50、100、200、300以上であるが約1000未満、又はその間の任意の整数個のアミノ酸残基の挿入を含む。例えば、IP3配列の挿入は、約700アミノ酸残基を含んでよい。一実施形態において、挿入を含む改変ルシフェラーゼは、ルシフェラーゼ配列の欠失、例えば、1つ又は複数であるが約100未満、例えば、50、40、30、20、10、若しくは5、又はその間の任意の整数個の残基の欠失をさらに含む。
一実施形態において、本発明は、例えば、対象の分子の認識配列を含む挿入など、対象の分子と直接に相互作用するアミノ酸配列の挿入を含む、又は、例えば、別の分子を介するなど、対象の分子と間接に作用するアミノ酸配列を含むようにさらに改変した円順列置換ルシフェラーゼを提供する。例えば、本明細書で以下に記載する通り、改変に対して耐性であるN末端及び/又はC末端のほか内部の残基又は領域をも有するルシフェラーゼを、耐性である残基又は領域、及び耐性である別の残基又は領域において円順列置換し、1つ又は複数の異種アミノ酸配列を挿入すると、少なくともその1つが対象の分子と直接又は間接に相互作用する。結果として得られる改変ルシフェラーゼは、対象の分子の存在下において、検出可能な活性の変化を有することが示された。
一実施形態において、cAMP又はcGMP結合部位を有する円順列置換甲虫ルシフェラーゼ、円順列置換十脚甲殻類ルシフェラーゼ(例えば、ヒオドシエビルシフェラーゼ)、又は円順列置換レニラルシフェラーゼは、サイクリックヌクレオチド、例えばcAMP又はcGMPの存在下において、ルシフェラーゼ活性を変化させることが示された。本発明のルシフェラーゼにおいて有用なサイクリックヌクレオチドの結合部位は、G(E/Q/K)(L/K/S/I)(A/I/C/G)(L/I)X(P/V/T/R/E)R(A/T/H/S)(A/S)(V/T/S/N/W)(配列番号118)を有し、ここでXは2〜6アミノ酸であってよい。本発明の円順列置換ルシフェラーゼにおいて有用なcAMP結合部位(ドメイン)は、Epac 2B、Epac 1、Epac IIAを含むcAMPに直接活性化される交換タンパク質(Epac)(Bosら、2003;及び、例えば、NCBIアクセッション番号AF115480を参照のこと)、過分極作動性サイクリックヌクレオチド調節型チャネル(Zagottaら、2003)などのサイクリックヌクレオチド作動性イオンチャネル、神経障害標的エステラーゼ(Dremierら、2003)、IIβ型PKA調節サブユニット(例えば、NCBIアクセッション番号M124921を参照のこと)、例えば、PKA IIβA及びPKA IIβB、Iα型PKA調節サブユニット、例えば、PKA IαA及びPKA IαB、PKG IIA、PKG IIB、並びにカタボライト活性化タンパク質中のcAMP結合部位を含むがこれに限定されない。本明細書では、cAMP結合部位を有する非円順列置換レニラルシフェラーゼ及び非円順列置換十脚甲殻類ルシフェラーゼが、cAMP存在下においてルシフェラーゼ活性を変化させたことも記載する。本発明の円順列置換ルシフェラーゼにおいて有用なcGMP結合部位は、cGMP依存性プロテインキナーゼ(GK)、例えば、GK1中のcGMP結合部位、或いはホスホジエステラーゼ(PDE)、例えば、PDE2若しくはPDE5、アデニルシクラーゼ、又はFnlA中のGAF調節領域を含むがこれに限定されない。一実施形態において、本発明のルシフェラーゼを含むサイクリックヌクレオチド結合ドメインは、サイクリックヌクレオチドの細胞内局在化及び/又は細胞内濃度を検出するのに有用な細胞内局在化シグナルをさらに含む。
本明細書で以下に記載の通り、ルシフェラーゼバイオセンサーは、少なくとも4つの異なる構造的折りたたみのクラスをなす各種配列の挿入により調製する。特に、折りたたみクラスの1つが、様々な小分子相互作用を介して、多数の酵素の調節に関与する。さらに、本発明のルシフェラーゼ中へのアロステリックドメイン、すなわち、別の分子と結合すると立体構造を変化させるドメインの挿入を用いることで、立体構造変化、例えば、リン酸化又はプロテアーゼ開裂を検出してよい。
したがって、一実施形態において、本発明の改変ルシフェラーゼは、非改変の野生型ルシフェラーゼなど、対応するルシフェラーゼのアミノ酸配列と比べて円順列置換したアミノ酸配列を含む結果、円順列置換ルシフェラーゼにおける新規のN末端及びC末端であって、少なくともその1つが改変に対して耐性である部位又は領域に存在し、例えば、サイクリックヌクレオチドと直接又は間接に相互作用する異種アミノ酸配列を導入することにより、加工され機能性を有するようになる、新規のN末端及びC末端をもたらす。別の実施形態において、円順列置換ルシフェラーゼは、円順列置換ルシフェラーゼのN末端又はC末端に対して内部の挿入及び/又は欠失、例えば、対応する非改変ルシフェラーゼのN末端の1〜約10若しくは約30又はその間の任意の整数個の残基に対応する、及び/又は同C末端の最終残基若しくは最終の約30残基、例えば、最終の15残基、若しくは最終の1〜30の間の任意の整数個の残基に対応する残基など、対応する非改変ルシフェラーゼのN末端及びC末端又はその近傍における別の挿入及び/又は欠失を含むがこれに限定されない他の改変を含む。
一実施形態では、対象の分子の不在下において、本発明の改変ルシフェラーゼの活性は、対応する非改変ルシフェラーゼの活性を下回り、例えば、改変ルシフェラーゼのレポーター活性は、対応する非改変ルシフェラーゼの場合の約0.001%、0.01%、0.1%、1%、10%、20%、50%、70%以上であるが100%未満であり、この改変ルシフェラーゼの活性は、場合によって検出可能である。別の実施形態では、対象の分子の不在下において、本発明の改変ルシフェラーゼの活性は、対応する非改変ルシフェラーゼの活性と実質的に同じであるかこれを上回り、例えば、本発明の改変ルシフェラーゼのレポーター活性は、対応する非改変ルシフェラーゼの場合の約1.5倍、例えば、少なくとも2倍、3倍、又は5倍以上である。対象の分子の存在下では、本発明の改変ルシフェラーゼの活性が、検出可能に変化する。例えば、対象の分子の存在下における改変ルシフェラーゼ活性の検出可能な変化は、対象の分子の不在下における改変ルシフェラーゼの活性と比べ、少なくとも0.001%、0.01%、0.1%、1%、10%、又は100%で、多くとも2倍、4倍、10倍、100倍、1,000倍、10,000倍以上の変化である。こうして、改変ルシフェラーゼにおいては存在するが対応する非改変ルシフェラーゼには存在しない改変と相互作用する対象の分子の物理的近接性が、改変ルシフェラーゼの活性を変化させる、例えば、低下、消滅、又は上昇させる。例えば、改変甲虫ルシフェラーゼ、同花虫類ルシフェラーゼ、又は同十脚甲殻類ルシフェラーゼは、cAMP結合部位を含む円順列置換甲虫ルシフェラーゼ、同花虫類ルシフェラーゼ、又は同十脚甲殻類ルシフェラーゼであってよい。cAMP存在下におけるこうした改変ルシフェラーゼの発光シグナルは、cAMP不在下における改変ルシフェラーゼの発光シグナル、又はcAMP存在下若しくは不在下における対応する非改変甲虫ルシフェラーゼ、同花虫類ルシフェラーゼ、又は同十脚甲殻類ルシフェラーゼの発光シグナルと比べ、低下、消滅、又は上昇してよい。
したがって、本発明の改変ルシフェラーゼをバイオセンサーとして用いてよい。
本発明は、本発明の改変ルシフェラーゼをコードする核酸配列を含む、単離核酸分子(ポリヌクレオチド)をも提供する。さらに、改変ルシフェラーゼ、並びに、改変ルシフェラーゼのN末端(N末端融合パートナー)及び/又はC末端(C末端融合パートナー)における1つ又は複数のアミノ酸残基を含む融合タンパク質をコードする核酸配列を含む、単離核酸分子をも提供する。こうして、本明細書で用いる「融合タンパク質」とは、本発明の改変ルシフェラーゼのN末端及び/又はC末端における1つ又は複数のアミノ酸残基を含むポリペプチドである。融合タンパク質中に1つ又は複数の融合パートナーが存在しても、融合タンパク質の検出可能な活性が、対応する改変ルシフェラーゼと比べて実質的に変化しないことが好ましい。N末端又はC末端の融合パートナーは、精製に用いる配列、例えば、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)又はポリHis配列、改変ルシフェラーゼの特性を変化させることを目的とする配列、例えば、タンパク質不安定化配列、タンパク質又は核酸相互作用配列(例えば、結合配列)、細胞内局在化配列、又は融合タンパク質中のルシフェラーゼの1つ又は複数の特性と識別可能な特性を有する配列であってよい。一実施形態において、融合タンパク質は、改変ルシフェラーゼと、ルシフェラーゼとは異なるレポータータンパク質であって、分子内対照、例えば、蛍光タンパク質又は別のルシフェラーゼとして有用なレポータータンパク質である融合パートナーとを含む。別の実施形態において、本発明は、本発明の改変ルシフェラーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸配列と、改変ルシフェラーゼにおけるルシフェラーゼとは異なるレポータータンパク質をコードする核酸断片とを含むベクターを含む。少なくともルシフェラーゼを、及び好ましくは、改変ルシフェラーゼ又は改変ルシフェラーゼを含む融合タンパク質をコードする最適化した核酸配列、例えば、ヒトコドンに最適化した配列は、ルシフェラーゼに対するシグナルの強度を増大させることができるので、場合によって、これらの最適化した配列を本発明の核酸分子において用いる。核酸配列の最適化は当技術分野において知られており、例えば、国際特許公開第02/16944号を参照のこと。
本発明は、本発明の改変ルシフェラーゼ又は融合タンパク質を発現する安定的な細胞系のほか、本発明の改変ルシフェラーゼ又は融合タンパク質をコードする核酸分子と、宿主細胞において本発明の核酸分子を発現することのできるベクター(例えば、プラスミド、ウイルス、又は失活したウイルス粒子)とを含む発現カセットをも含む。発現カセットは、プロモーター、例えば、核酸配列に機能的に結合した構成的プロモーター又は調節的プロモーターを含むことが好ましい。一実施形態において、発現カセットは、誘導的プロモーターを含む。本発明の発現カセット又はベクターを含む宿主細胞、例えば、原核細胞又は植物細胞若しくは脊椎動物細胞、例えば、ヒト細胞、非ヒト霊長類細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、ウシ細胞、ウマ細胞、ヒツジ細胞、又はげっ歯類(例えば、ウサギ、ラット、フェレット、又はマウス)細胞を含むがこれに限定されない哺乳類細胞などの真核細胞、及び、本発明の核酸分子、発現カセット、ベクター、宿主細胞、又は改変ルシフェラーゼ若しくは融合タンパク質を含むキットをも提供する。
本発明の改変ルシフェラーゼは、各種の状態又は対象の分子、例えば、ホルモン受容体結合部位、例えば、エストロゲン結合ドメイン、カルシウム結合ドメインの挿入によるステロイド、プロテアーゼ認識部位の挿入によるプロテアーゼ、又はサイクリックヌクレオチド結合部位の挿入によるサイクリックヌクレオチドを測定又は検出する機能的なレポーターとしてなど、非改変ルシフェラーゼを用いることのできない適用において用いてよい。例えば、cAMP結合部位の挿入を含む改変ルシフェラーゼをコードするベクター、又はcAMP結合部位の挿入を含む改変ルシフェラーゼを、試料、例えば、細胞、細胞溶解物、in vitroにおける転写/翻訳混合物、又は上清と混合し、試料中の改変ルシフェラーゼ活性を、例えば、場合によっては、1つ若しくは複数の時点において、また場合によっては、対応する非改変ルシフェラーゼ、又はcAMPとの相互作用が低下した類似の改変ルシフェラーゼ(例えば、特定のアミノ酸に対する突然変異によりさらに修飾され、cAMPとの結合親和性を低下させる)、又はcAMPを有さない若しくは異なる量のcAMPを有する対照試料と比べて検出又は定量する。試料中の発光活性の変化、例えば、経時的な変化及び/又は対照、例えば、特定量のcAMPを有する細胞と比べた変化が、試料中のcAMPの存在若しくはcAMP量、又は実験条件に関連するcAMP量の変化を示す。一実施形態において、細胞を、プロモーター、例えば、調節的プロモーター又は構成的プロモーターと、サイクリックヌクレオチドと相互作用する挿入を含む本発明の改変ルシフェラーゼをコードする核酸配列とを含むベクターと接触させる。一実施形態において、トランスフェクトした細胞は、プロモーターが改変ルシフェラーゼの一過性発現を誘導する条件下で培養し、発光の存在を判定する又は発光量を定量する。別の実施形態では、サイクリックヌクレオチドと相互作用する挿入を含む本発明の改変ルシフェラーゼと、サイクリックヌクレオチドを有すると推定される試料とを混合する。次いで、発光量を測定する。こうして、本発明は、サイクリックヌクレオチド量の検出法を提供する。
一実施形態において、改変ルシフェラーゼは、改変レニラルシフェラーゼなどの改変花虫類ルシフェラーゼである。一実施形態において、改変花虫類ルシフェラーゼは、円順列置換レニラルシフェラーゼなどの円順列置換花虫類ルシフェラーゼである。別の実施形態において、改変花虫類ルシフェラーゼは円順列置換しない。改変花虫類ルシフェラーゼは、対象の分子と直接又は間接に相互作用する少なくとも1つの配列を含む、1つ又は複数の異種アミノ酸配列を有する。一実施形態において、該アミノ酸配列は、対象の分子との相互作用中又は相互作用後において立体構造変化を受ける配列であり、これが、該ルシフェラーゼの活性を変化させる、例えば、こうしたアミノ酸配列を含む改変レニラルシフェラーゼが、アロステリック相互作用を検出するのに有用である。
一実施形態において、改変ルシフェラーゼは、改変ヒオドシエビルシフェラーゼなどの改変十脚甲殻類ルシフェラーゼである。一実施形態において、改変十脚甲殻類ルシフェラーゼは、円順列置換ヒオドシエビルシフェラーゼなどの円順列置換十脚甲殻類ルシフェラーゼである。別の実施形態において、改変十脚甲殻類ルシフェラーゼは円順列置換しない。改変十脚甲殻類ルシフェラーゼは、対象の分子と直接又は間接に相互作用する少なくとも1つの配列を含む、1つ又は複数の異種アミノ酸配列を有する。一実施形態において、該アミノ酸配列は、対象の分子との相互作用中又は相互作用後において立体構造変化を受ける配列であり、これが、該ルシフェラーゼの活性を変化させる、例えば、こうしたアミノ酸配列を有する改変ヒオドシエビルシフェラーゼが、アロステリック相互作用を検出するのに有用である。
本発明の改変花虫類ルシフェラーゼ又は改変十脚甲殻類ルシフェラーゼに融合する例示的な対象のアミノ酸配列は、エンテロキナーゼ部位、プロテアーゼ開裂部位、例えば、カスパーゼ開裂部位、例えば、カスパーゼ3開裂部位、カスパーゼ8開裂部位、PSA、又は、ライノウイルスプロテアーゼ開裂部位、SARSプロテアーゼ開裂部位、若しくはTEVプロテアーゼ開裂部位(NLYFQG、配列番号119)などのウイルス性プロテアーゼ開裂部位、サイクリックヌクレオチド結合部位、ホルモン結合部位、EGTA及びCaCl2により調節されるカルモジュリンなどのカルシウム結合ドメイン、或いは相互作用し合い、場合によっては外因性作用物質、例えば、ラパマイシンが結合を誘導し、FK506が結合の解離を促進するFKBP及びFRBによって調節される配列を有する二重融合;cAMPにより調節しうるPKA−R由来のドメイン及びPKA−C由来のドメイン;例えば、チロシンキナーゼ又はホスファターゼにより調節しうる、SH2由来のドメイン及びリン酸化可能なドメイン;例えば、cAMP−PKAにより調節しうる、14−3−3t由来のドメイン及びリン酸化可能なドメイン;例えば、Ser−Thrキナーゼにより調節しうる、WW由来のドメイン及びリン酸化可能なドメイン;メトトレキサート(MTX)又はBisMTXにより調節しうる、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)由来のドメイン;クメルマイシン又はノボビオシンにより調節しうる、ジャイレースB(GyrB)由来のドメイン;或いは、同一のドメイン由来の配列を有する二重融合を含むがこれに限定されない。こうして、一実施形態において、円順列置換花虫類ルシフェラーゼ又は改変十脚甲殻類ルシフェラーゼを改変して、2つ以上の異種配列を含むようにし、これらの異種配列が、対応する非改変ルシフェラーゼのN末端残基及び/若しくはC末端残基に対応する配列又はその近傍、円順列置換ルシフェラーゼのN末端残基及び/若しくはC末端残基又はその近傍、円順列置換ルシフェラーゼのN末端残基及び/若しくはC末端残基又はその近傍には存在しない改変に対して耐性である1つ若しくは複数の部位又は1つ若しくは複数の領域、或いはその任意の組合せにおいて単独で存在し、この場合2つの異種アミノ酸配列が異なる対象の分子と相互作用してよい。
さらに、対象の分子を直接又は間接に調節する1つ又は複数の作用物質を同定する方法を提供する。
一実施形態において、本発明は、細胞中の対象の分子を検出する、又は該分子の活性を定量する方法を提供する。該方法は、改変ルシフェラーゼ、例えば、改変甲虫ルシフェラーゼのオープンリーディングフレームを含む核酸配列を有するベクターを伴う細胞を含む発光反応混合物を提供するステップを含む。改変ルシフェラーゼは、対応する非改変ルシフェラーゼと比べて挿入を有し、この挿入が、改変に対して耐性であるルシフェラーゼ配列中の残基又は領域に存在する。該挿入は、対応する非改変ルシフェラーゼと比べて、対象の分子と直接又は間接に相互作用するアミノ酸配列を含む。混合物は、約20℃〜約47℃、例えば、約37℃〜約45℃である。次いで、混合物における発光を検出又は定量し、これにより、細胞中の分子の存在、量、又は活性を検出又は判定する。本明細書で以下に述べる通り、被験作用物質の添加以前の時間にわたり、生理学的温度及び/又は条件、例えば、約37℃及び/又は約5%CO2でcAMPのバイオセンサーであるルシフェラーゼをコードする細胞とともに発光反応混合物をインキュベートすることで、より迅速な反応及びより大きなダイナミックレンジを提供した。
細胞又は多細胞生物、例えば、生体哺乳類におけるイメージングにも、本発明のバイオセンサーの使用を提供する。
定義
本明細書で用いる「核酸分子」、「ポリヌクレオチド」、又は「核酸配列」という用語は、ポリペプチド又はタンパク質前駆体の産生に必要な配列をコードすることを含む核酸、DNA又はRNAを指す。コードされるポリペプチドは、全長ポリペプチド、その断片(全長より短い)、又は、融合ポリペプチドを産生する、全長ポリペプチド若しくはその断片のいずれかと別のポリペプチドとの融合でよい。
本明細書で用いる「核酸」とは、1つのヌクレオチドの五炭糖の3’位が、ホスホジエステル基により、隣接するヌクレオチドの五炭糖の5’位に結合され、ヌクレオチド残基(塩基)が特定の配列、すなわち、ヌクレオチドの線形順序に結合される、ヌクレオチドの共有結合配列である。本明細書で用いる「ポリヌクレオチド」とは、約100ヌクレオチドを超える長さの配列を含む核酸である。本明細書で用いる「オリゴヌクレオチド」又は「プライマー」とは、短いポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドの部分である。オリゴヌクレオチドは、約2〜約100塩基の配列を含むのが通例である。「オリゴヌクレオチド」という言葉の代わりに、「オリゴ」という言葉を用いることもある。
核酸のホスホジエステル結合が置換基であるモノヌクレオチドのペントース環の5’位の炭素と3’位の炭素とに生じるため、核酸分子は「5’末端」(5’端)及び「3’末端」(3’端)を有するという。新規の結合が5’炭素に生じるようなポリヌクレオチドの端部が、その5’末端ヌクレオチドである。新規の結合が3’炭素に生じるようなポリヌクレオチドの端部が、その3’末端ヌクレオチドである。本明細書で用いる末端ヌクレオチドとは、3’末端又は5’末端の端位にあるヌクレオチドである。
1つのモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸が、隣接するヌクレオチドの3’酸素に、ホスホジエステル結合を介して1方向的に付く形で、モノヌクレオチドが反応してオリゴヌクレオチドを形成するため、DNA分子は、「5’端」及び「3’端」を有するという。したがって、オリゴヌクレオチドの端部は、その5’リン酸が、モノヌクレオチドペントース環の3’酸素に結合していない場合は「5’端」を指し、その3’酸素が後続のモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸に結合していない場合は「3’端」を指す。
本明細書で用いる核酸配列は、より大型のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの内部にある場合であっても、やはり5’端及び3’端を有するといってよい。線状又は環状のDNA分子において、分離された要素を、「下流」要素又は3’要素の「上流」要素又は5’要素であるという。この用語法は、DNAらせんに沿って5’〜3’方向に転写が進行する事実を反映する。結合された遺伝子(例えば、オープンリーディングフレーム又はコード領域)の転写を導くプロモーター及びエンハンサー要素は、一般に、コード領域の5’側又は上流側に位置することが通例である。ただし、エンハンサー要素は、プロモーター要素及びコード領域の3’側に位置する場合でも、その効果を及ぼすことができる。転写終結及びポリアデニル化のシグナルは、コード領域の3’側又は下流側に位置する。
本明細書で用いる「コドン」という用語は、ポリペプチド鎖に組み込まれる特定のアミノ酸を指定する3つのヌクレオチド配列からなる遺伝子コードの基本単位、又は開始若しくは終止のシグナルである。構造遺伝子を指して用いる「コード領域」という用語は、mRNA分子の翻訳の結果として新生ポリペプチド中に見出されるアミノ酸をコードする、ヌクレオチド配列を指す。コード領域は、開始メチオニンをコードするヌクレオチドトリプレット「ATG」が5’側の、終止コドン(例えば、TAA、TAG、TGA)が3’側の境界となるのが通例である。場合によって、コード領域は、ヌクレオチドトリプレット「TTG」により開始することも知られる。
「遺伝子」という用語は、コード配列と、場合によっては、DNA配列からのポリペプチドの産生に必要な制御配列とを含むDNA配列を指す。
本明細書で用いる「異種」核酸配列又はタンパク質とは、基準配列と比べて異なる源泉を有する、例えば、外来種に由来する、又は、同一種に由来する場合でも、もとの形態から実質的に改変されうる配列を指す。
核酸は、異なる種類の突然変異を含むことが知られる。「点(point)」突然変異とは、野生型配列からの、単一塩基位置におけるヌクレオチド配列の変化を指す。突然変異とは、1つ又は複数の塩基の挿入又は欠失により、核酸配列が基準配列、例えば、野生型配列と異なることをも指す。
本明細書で用いる「ハイブリッド形成する」及び「ハイブリッド形成」という用語は、標的核酸に対する相補的な配列のアニーリング、すなわち、相補的な配列を含む2つの核酸ポリマー(ポリヌクレオチド)が、塩基対合によりアニールする能力を指す。「アニールした」及び「ハイブリッド形成した」という用語は、本明細書全体において互換的に用い、部分的な相補性を有するに過ぎない領域の結合を含む、相補的配列と標的核酸との間の特異的で再現可能な相互作用を含むことを意図する。本発明の核酸に、天然の核酸において通常は見出されないある種の塩基を含めてよく、例えば、イノシン及び7−デアザグアニンを含める。核酸技術における当業者は、例えば、相補的配列の長さ、オリゴヌクレオチドの塩基組成及び塩基配列、ミスマッチ塩基対のイオン強度及び発生を含む多くの変数を経験的に考慮して、二本鎖の安定性を判定することができる。核酸二本鎖の安定性は、溶融温度、又は「Tm」により測定する。特定の条件下における特定の核酸二本鎖のTmは、平均で塩基対の半分が解離した温度である。
「組み換えDNA分子」という用語は、通常天然ではともに見出されない少なくとも2つのヌクレオチド配列を含む、ハイブリッドDNA配列を意味する。
「ベクター」という用語は、その内部にDNAの断片を挿入又はクローンしうる核酸分子を指して用い、1つ又は複数のDNA断片を細胞に導入するのに用いることができ、細胞内での複製が可能である。ベクターは、プラスミド、バクテリオファージ、ウイルス、コスミドなどに由来してよい。
本明細書で用いる「組み換えベクター」及び「発現ベクター」という用語は、所望のコード配列と、特定の宿主生物内において機能的に結合したコード配列の発現に必要な、適切なDNA配列又はRNA配列とを含む、DNA配列又はRNA配列を指す。原核発現ベクターは、プロモーター、リボゾーム結合部位、宿主細胞内における自己複製の複製起点、及びおそらくはその他の配列、例えば、任意のオペレーター配列、任意の制限酵素部位を含む。プロモーターは、RNAポリメラーゼをDNAに結合させ、RNA合成を開始させる、DNA配列と定義される。真核発現ベクターは、プロモーター、場合によっては、ポリアデニル化シグナル、及び、場合によっては、エンハンサー配列を含む。
タンパク質又はポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドとは、遺伝子のコード領域を含む核酸配列を意味する、又は別の言い方をすれば、該核酸配列が遺伝子産物をコードする。コード領域は、cDNA、ゲノムDNA、又はRNAのいずれの形態で存在してもよい。DNA形態で存在する場合、オリゴヌクレオチドは、一本鎖(すなわち、センス鎖)又は二本鎖でよい。適正な転写の開始及び/又は一次RNA転写物の正確なプロセシングを可能とするのに必要な場合は、遺伝子のコード領域のごく近傍に、エンハンサー/プロモーター、スプライス部位、ポリアデニル化シグナルなどの適切な制御要素を置いてよい。或いは、コード領域。他の調節要素は、転写因子結合部位、スプライシングシグナル、ポリアデニル化シグナル、終止シグナル、及びエンハンサー要素を含むがこれに限定されない。
真核生物における転写制御シグナルは、「プロモーター」要素及び「エンハンサー」要素を含む。プロモーター及びエンハンサーは、転写に関与する細胞内タンパク質と特異的に相互作用する一連の短いDNA配列からなる。プロモーター要素及びエンハンサー要素は、酵母細胞、昆虫細胞、及び哺乳類細胞中の遺伝子を含めて、各種の真核生物の供給源から単離されている。プロモーター要素及びエンハンサー要素は、ウイルスからも単離されており、原核生物においてもプロモーターなど類似の制御要素が見出されている。特定のプロモーター及びエンハンサーの選択は、対象のタンパク質を発現するのに用いる細胞型に依存する。真核生物のプロモーター及びエンハンサーには、宿主域の広いものもあるが、細胞型の限られた一部において機能的であるものもある。例えば、SV40初期遺伝子エンハンサーは、多くの哺乳類種を始めとする広範な細胞型においてきわめて活性であり、哺乳類細胞におけるタンパク質の発現に広く用いられている。広範な哺乳類細胞型において活性であるプロモーター/エンハンサー要素の他の2つの例は、ヒト伸長因子1遺伝子及びラウス肉腫ウイルスの長い末端反復に由来する要素、並びにヒトサイトメガロウイルスに由来する要素である。
「プロモーター/エンハンサー」という用語は、プロモーター機能及びエンハンサー機能の両方(すなわち、上述のプロモーター要素及びエンハンサー要素が提供する機能)を提供することのできる配列を含むDNA断片を意味する。例えば、レトロウイルスの長い末端反復は、プロモーター機能及びエンハンサー機能の両方を含む。エンハンサー/プロモーターは、「内因性」でも「外因性」でも「異種」でもよい。「内因性」エンハンサー/プロモーターとは、ゲノム中の所与の遺伝子と天然に結合したエンハンサー/プロモーターである。「外因性」又は「異種」エンハンサー/プロモーターとは、遺伝子操作(すなわち、分子生物学的技術)により遺伝子に並置することで、結合したエンハンサー/プロモーターが該遺伝子の転写を導くエンハンサー/プロモーターである。
発現ベクターにおける「スプライシングシグナル」の存在は、真核宿主細胞における組み換え転写の発現レベルを上昇させることが多い。スプライシングシグナルは、一次RNA転写物からのイントロンの除去を媒介し、スプライスドナー部位及びスプライス受容部位からなる。通常用いられるスプライスドナー部位及びスプライス受容部位は、SV40の16S RNA由来のスプライス部位である。
真核細胞における組み換えDNA配列の効率的な発現には、効率的な終結及び結果として得られる転写産物の効率的なポリアデニル化を導くシグナルの発現が必要である。転写終結シグナルは、一般に、ポリアデニル化シグナルの下流に見出され、数百ヌクレオチド長である。本明細書で用いる「ポリA部位」又は「ポリA配列」という用語は、終結及び新生RNA転写産物のポリアデニル化の両方を導くDNA配列を意味する。ポリAテイルを欠く転写産物は不安定で即座に分解するので、組み換え転写産物の効率的なポリアデニル化が望ましい。発現ベクターにおいて用いるポリAシグナルは、「異種」でも「内因性」でもよい。内因性ポリAシグナルとは、ゲノム内における所与の遺伝子のコード領域の3’端において天然に見出される。異種ポリAシグナルとは、ある遺伝子から単離され、別の遺伝子の3’側に位置するシグナルである。通常用いられる異種ポリAシグナルは、SV40ポリAシグナルである。SV40ポリAシグナルは、237 bp BamH I/Bcl I制限断片に含まれ、終結及びポリアデニル化の両方を導く。
真核発現ベクターは、「ウイルス複製」又は「ウイルス複製起点」をも含んでよい。ウイルス複製とは、適切な複製因子を発現する宿主細胞内におけるベクターの染色体外複製を可能にするウイルスDNA配列である。SV40又はポリオーマウイルスの複製起点を含むベクターは、適切なウイルスT抗原を発現する細胞内において、高コピー数(最大104コピー/細胞)まで複製する。これに対して、ウシパピロウイルス又はエプスタインバーウイルス由来のレプリコンを含むベクターは、低コピー数(約100コピー/細胞)で染色体外複製する。
「in vitro」という用語は、人工環境及び人工環境内で生じる過程又は反応を指す。in vitroの環境は、試験管及び細胞溶解物を含むがこれに限定されない。「in vivo」という用語は、天然環境(例えば、動物又は細胞)及び天然環境内で生じる過程又は反応を指す。
「発現系」という用語は、対象の遺伝子の発現を判定する(例えば、検出する)任意のアッセイ又は系を指す。細胞生物学の当業者は、広範な発現系のいずれを用いてもよいことを理解するであろう。広範にわたる適切な哺乳類細胞が、広範な源泉(例えば、メリーランド州、ロックランド、American Type Culture Collection)から入手できる。形質転換又はトランスフェクションの方法及び発現媒体の選択は、選択した宿主系によって決まる。形質転換又はトランスフェクションの方法は、当技術分野でよく知られている。発現系は、対象の遺伝子(例えば、レポーター遺伝子)を調節的配列に結合し、該遺伝子の発現を阻害又は誘導する作用物質による処理に続いて該遺伝子の発現をモニターする、in vitroの遺伝子発現アッセイを含む。遺伝子発現の検出は、発現したmRNA又はタンパク質(例えば、レポーター遺伝子の検出可能な産物)の検出を含むがこれに限定されない任意の適切な手段により、又は対象の遺伝子を発現する細胞の表現型における検出可能な変化により可能である。発現系は、開裂事象又は他の核酸若しくは細胞の変化を検出するアッセイをも含んでよい。
本明細書で用いる「野生型の」という用語は、遺伝子又は該遺伝子の特性を有する遺伝子産物又は自然発生の源泉から単離した遺伝子産物を指す。野生型の遺伝子とは、集団内で最も高頻度に観察されるため、適宜、該遺伝子の「野生型の」形態と指定される遺伝子である。これに対して、「突然変異の」という用語は、野生型の遺伝子又は遺伝子産物と比べると、配列及び/又は機能的な特性の修飾(すなわち、特性の変化)を示す遺伝子又は遺伝子産物を指す。自然発生の突然変異体を単離できることが指摘されている。これらは、野生型の遺伝子又は遺伝子産物と比べると、特性の変化を有する事実により同定される。
「単離オリゴヌクレオチド」又は「単離ポリヌクレオチド」における通り、核酸に関して用いる場合の「単離」という用語は、その源泉においては通常関連する少なくとも1つの不純物から識別され分離された核酸配列を指す。こうして、単離核酸とは、天然に見出される形態又は状況とは異なる形態又は状況において存在する。これに対して、非単離核酸(例えば、DNA及びRNA)は、天然に存在する状態で見出される。例えば、所与のDNA配列(例えば、遺伝子)は、宿主細胞染色体において、隣接する遺伝子のごく近傍に見出される。RNA配列(例えば、特定のタンパク質をコードする特定のmRNA)は、細胞内において、多数のタンパク質をコードする多数の他のmRNAとの混合物として見出される。一方、単離核酸は、例えば、核酸を通常発現する細胞内における核酸であって、天然細胞の場合とは異なる染色体位置にあるか、又は天然に見出されるのとは異なる核酸配列が別様に隣接する核酸を含む。単離核酸又は単離オリゴヌクレオチドは、一本鎖又は二本鎖の形態で存在してよい。単離核酸又は単離オリゴヌクレオチドをタンパク質の発現に用いようとする場合、該オリゴヌクレオチドは、最小限でもセンス鎖又はコード鎖を含むが(すなわち、該オリゴヌクレオチドは一本鎖でよい)、センス鎖及びアンチセンス鎖の両方を含んでもよい(すなわち、該オリゴヌクレオチドは二本鎖でよい)。
「ペプチド」、「タンパク質」、及び「ポリペプチド」とは、長さ又は翻訳後修飾(例えば、グリコシル化又はリン酸化)に関わらず、任意のアミノ酸鎖を意味する。本発明の核酸分子は、由来元である自然発生の(天然の又は野生型の)タンパク質のアミノ酸配列と少なくとも85%、90%、95%、又は99%同一であるアミノ酸配列を有する、自然発生のタンパク質又はそのポリペプチド断片の変異体をコードしてよい。「融合ポリペプチド」又は「融合タンパク質」という用語は、N末端及び/又はC末端において1つ又は複数の異種配列(例えば、非ルシフェラーゼポリペプチド)と結合した基準タンパク質(例えば、ルシフェラーゼ)を含むキメラタンパク質を指す。一部の実施形態において、本発明の改変ポリペプチド、融合ポリペプチド、又は全長ポリペプチドの一部は、対応する機能的な(非キメラ)全長ポリペプチドの活性の少なくとも一部を保持してよい。他の実施形態では、外因性作用物質又は対象の分子の不在下において、本発明の改変ポリペプチド、融合ポリペプチド、又は機能的な全長ポリペプチドの一部は、対応する機能的な全長ポリペプチドと比べて、活性を欠いてよい。他の実施形態では、本発明の改変ポリペプチド、融合ポリペプチド、又は機能的な全長ポリペプチドの一部は、外因性作用物質の存在下において、対応する機能的な全長ポリペプチドと比べて、少なくとも一部の活性を保持するか又は実質的に同一の活性を有してよく、或いは活性を欠いてよい。
ペプチド結合が、第1のアミノ酸残基の主鎖アミノ基と、第2のアミノ酸残基の主鎖カルボキシル基との間で生じるので、ポリペプチド分子は、「アミノ末端」(N末端)及び「カルボキシ末端」(C末端)を有するという。ポリペプチド配列に関する「N末端」及び「C末端」という用語は、それぞれ、該ポリペプチドのN末端領域及びC末端領域の一部を含むポリペプチド領域を指す。ポリペプチドのN末端領域の一部を含む配列は、おもに、ポリペプチド鎖のN末端側の半分に由来するアミノ酸を含むが、こうした配列に限定されない。例えば、N末端配列は、ポリペプチドのN末端側の半分及びC末端側の半分の両方に由来する塩基を含むポリペプチド配列の内部を含んでよい。同じことは、C末端領域にも当てはまる。N末端領域及びC末端領域は、それぞれ、ポリペプチドの究極のN末端及びC末端を定めるアミノ酸を含んでよいが含まなくてもよい。
本明細書で用いる「組み換えタンパク質」又は「組み換えポリペプチド」という用語は、組み換えDNA分子から発現されたタンパク質分子を指す。これに対して、「天然タンパク質」という用語は、本明細書において、自然発生の(例えば、非組み換えの)源泉から単離したタンパク質を指す際に用いる。分子生物学的技術を用いて、タンパク質の天然形態と比べて同一の特性を有するタンパク質の組み換え形態を産生してよい。
本明細書で用いる「細胞」、「細胞系」、「宿主細胞」という用語は互換的に用い、こうした全ての呼称対象は、これらの呼称対象の子孫細胞又は潜在的な子孫細胞を含む。「形質転換細胞」とは、本発明の核酸分子を導入した細胞(又はその原細胞)を意味する。場合によっては、本発明の核酸分子を適切な細胞系に導入して、該遺伝子がコードするタンパク質又はポリペプチドを産生することのできる、安定的にトランスフェクトされた細胞系を作製してよい。このような細胞系を構築するベクター、細胞、及び方法は、当技術分野においてよく知られている。「形質転換体」又は「形質転換細胞」という語は、遺伝子導入の回数と無関係に、もとの形質転換細胞に由来する初代の形質転換細胞を含む。意図的な又は不慮の突然変異ゆえに、全ての子孫細胞は、DNA含量が正確には同一でなくてよい。にもかかわらず、もとの形質転換細胞においてスクリーニングしたのと同じ機能性を有する突然変異体の子孫細胞を、形質転換体の定義に含める。
「相同性」という用語は、2つ以上の配列間の相補性の程度を指す。部分的な相同性又は完全な相同性(すなわち、同一性)があってよい。相同性は、配列解析ソフトウェア(例えば、1710 University Avenue.Madison,WI 53705、University of Wisconsin Biotechnology Center、Genetics Computer Group作製のSequence Analysis Software Package)を用いて測定することが多い。こうしたソフトウェアは、各種の置換、欠失、挿入、及びその他の改変に対する相同性の程度を決定することにより、類似の配列をマッチさせる。既存の置換は、以下の群内における置換を含むことが通例である。グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リシン、アルギニン;及びフェニルアラニン、チロシン。
「単離タンパク質」又は「単離ポリペプチド」における通り、ポリペプチドに関して用いる場合の「単離」という用語は、その源泉においては通常関連する少なくとも1つの不純物から識別され分離されたポリペプチドを指す。こうして、単離ポリペプチドとは、天然に見出される形態又は状況とは異なる形態又は状況において存在する。これに対して、非単離ポリペプチド(例えば、タンパク質及び酵素)は、天然に存在する状態で見出される。
「精製した」又は「精製する」という用語は、タンパク質又は核酸などの対象の成分から不純物の一部を除去する任意の処理の結果を意味する。これにより、試料中における精製した成分の百分率が上昇する。
本明細書で用いる「純粋な」は、対象種が、存在する主要な種であり(すなわち、モルベースで、組成物中他のいずれの個別種よりも多量である)、実質的に精製した部分が組成物であり、対象種が、存在する全ての高分子種の少なくとも約50%(モルベースで)を占めることが好ましい。一般に、「実質的に純粋な」組成物とは、組成物中に存在する全ての高分子種の約80%超を占め、約85%超、約90%超、約95%超、及び約99%超を占めることがより好ましい。対象種が基本的な均一性(既存の検出法により、組成物中に不純物種が検出できない)まで精製され、組成物が基本的に単一の高分子種からなることが最も好ましい。
本明細書で用いる「機能的に結合した」という用語は、所与の遺伝子の転写及び/又は所望のタンパク質分子の合成を導くことのできる核酸分子が産生される形の核酸配列の結合を指す。該用語は、機能的な(例えば、酵素活性である、結合パートナーに対する結合能がある、阻害能がある、など)タンパク質又はポリペプチドが産生される形でアミノ酸をコードする配列の結合をも指す。
本明細書で用いる「ポリヒスチジントラクト」(又はHisタグ)という用語は、2〜10のヒスチジン残基を含む分子、例えば5〜10残基のポリヒスチジントラクトを指す。ポリヒスチジントラクトは、固定化金属、例えば、ニッケル、亜鉛、コバルト、若しくは銅によるキレートカラム上の、又は別の分子(例えば、Hisタグと反応性の抗体)との相互作用による、共有結合分子の親和性精製を可能にする。
「タンパク質不安定化配列」は、PEST配列、例えば、サイクリン、例えば、有糸分裂サイクリン由来のPEST配列、ウラシル透過酵素又はODC、ODCなどの短命タンパク質のC末端領域由来の配列、サイトカイン、リンホカインなどの初期反応タンパク質、癌原遺伝子、例えば、c−myc若しくはc−fos、MyoD、HMG CoA還元酵素、又はS−アデノシルメチオニン脱炭酸酵素、CL配列、サイクリン破壊ボックス、又はN−デグロンを含むがこれに限定されない。
本明細書で用いる「マーカー遺伝子」又は「レポーター遺伝子」は、該遺伝子を発現する細胞に異なる表現型を与えることで、該遺伝子を有する細胞を、該遺伝子を有さない細胞から識別することを可能にする遺伝子である。このような遺伝子は、マーカーが、化学的手段、すなわち選択剤(例えば、除草剤、抗生剤など)の使用により「選択する」ことのできる特性を与えるマーカーであるか、又は単に観察又は試験により、すなわち「スクリーニング」により同定することのできる「レポーター」特性であるかに応じて、選択マーカー又はスクリーニングマーカーのいずれかをコードしてよい。本開示の要素は、特定のマーカー遺伝子の使用により詳細に例示される。当然ながら、適切なマーカー遺伝子又はレポーター遺伝子の多くの例が当技術分野では知られており、本発明の実施において用いることができる。したがって、以下の考察は、悉皆的というよりもむしろ例示的であることを理解されたい。本明細書で開示される技術及び当技術分野で知られる一般的な組み換え技術に照らして、本発明は、任意の遺伝子の変更を可能にする。例示的なレポータータンパク質は、neo遺伝子、β−gal遺伝子、gus遺伝子、cat遺伝子、gpt遺伝子、hyg遺伝子、hisD遺伝子、ble遺伝子、mprt遺伝子、bar遺伝子、ニトリラーゼ遺伝子、ガラクトピラノシド遺伝子、キシロシダーゼ遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子、アラビノシダーゼ遺伝子、突然変異アセト乳酸シンターゼ遺伝子(ALS)若しくは突然変異アセト酸シンターゼ遺伝子(AAS)、メトトレキサート耐性dhfr遺伝子、ダラポン脱ハロゲン酵素遺伝子、5−メチルトリプトファンに耐性を与える突然変異アントラニレートシンターゼ遺伝子(国際特許公開第97/26366号)、R−遺伝子座遺伝子、β−ラクタマーゼ遺伝子、xylE遺伝子、α−アミラーゼ遺伝子、チロシナーゼ遺伝子、ルシフェラーゼ(luc)遺伝子(例えば、ウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子、ホタルルシフェラーゼ遺伝子、又はヒカリコメツキ(Pyrophorus plagiophthalamus)ルシフェラーゼ遺伝子)、エクオリン遺伝子、赤色蛍光タンパク質遺伝子、又は緑色蛍光タンパク質遺伝子の改変を含むがこれに限定されない、改変レポーター遺伝子を含む核酸分子によりコードされる。
本明細書で同定される全てのアミノ酸残基は、天然のL型立体配置にある。標準的なポリペプチド命名法に従い、アミノ酸残基の略記法は、以下の対応表に示す通りである。
Figure 0005746125
I.改変に対して耐性であるルシフェラーゼの残基又は領域を同定する方法
改変可能な、例えば、分断されても転写及び翻訳されると、望ましい、例えば、容易に検出可能な遺伝子産物を産生する、ルシフェラーゼ遺伝子内の部位及び/又は領域を同定する多数の方法を用いることができる。例えば、増幅反応を用いて、ルシフェラーゼ遺伝子内の1つ又は複数のアミノ酸残基に対応するヌクレオチドを欠失及び/又は挿入してよい。或いは、トランスポゾンを用いて、挿入による突然変異ライブラリーを調製してよい。トランスポゾンは、原核生物及び真核生物のゲノム中に見出される可動性DNA配列である。トランスポゾン標識法は、プライマーの結合部位を無作為に分配し、遺伝子「ノックアウト」を作製し、大型の標的DNA内に物理的標識又は遺伝子標識を導入する強力な研究ツールとして長く認知されている。本発明の改変ルシフェラーゼを調製するのに有用なレポーター遺伝子における挿入は、ルシフェラーゼのコード領域内部のインフレームでの挿入である。
よく用いられる転移システムの1つが、グラム陰性菌から単離されたTn5システムである。Tn5トランスポザーゼは、高度の特異的活性にまでクローン化され精製されている小型の単一サブユニット酵素で、宿主細胞因子を必要とせずに転移を遂行する。さらに、標的DNAへのTn5トランスポゾンの挿入は、高度に無作為であり、単純な過程により進行する。Tn5トランスポザーゼは、短い19塩基対のMosaic End(ME)Tn5トランスポザーゼ認識配列間に含まれる任意のDNA配列を転移する。
GPS−M Mutagenesis Systemは、TnsABC*トランスポザーゼを用いて、DNA標的にTn7に基づくトランスポゾンを無作為に挿入する。標的DNAは、プラスミドでも、コスミドでも、BACでも、精製染色体DNAでもよい。挿入部位が翻訳される遺伝子断片内にある場合は、これは通常、ヌル(機能喪失)突然変異をもたらす。挿入には部位選好がほとんど存在しないので、任意のオープンリーディングフレームの分断が可能である。標的の免疫性により、約190kbの距離にわたり、in vivoにおけるDNA分子当たり1つの挿入のみが生じる。したがって、in vitroにおける反応は、標的DNA分子の集団を産生し、各々が異なる配列位置における転移因子を含む。
抗生剤、例えば、カナマイシンの耐性マーカーに付加、又は該マーカーを置換することにより、トランスポゾンドナーを改変することができる。該ドナープラスミドは、標準的な実験用大腸菌株中で成長させてよく、該ベクター骨格は、該トランスポゾン及び複製起点とは異なる抗生剤マーカー、例えば、Amprを擁する。非反応ドナー分子を破壊し、望ましくない反応産物を回避するため、まれな配列で切断する酵素、例えば、P1−Sce1(配列VDE)での消化により、該ドナーを破壊することができる。突然変異を生じたDNAを、天然のコンピテント生物(単一のDNA鎖を受け入れる)に形質転換する適用では、ギャップを埋め合わせ、連結する。
ルシフェラーゼ配列中で改変に対して耐性である部位を同定したら、配列の挿入、欠失、及び順列置換、又はこれらの組合せを調製してよい。順列置換配列について、Plainkumら(2003)は、新規のN末端及びC末端と、プロテアーゼ認識部位を含みもとのN末端及びC末端を結合するペプチドリンカーとを有するリボヌクレアーゼAの円順列置換形態が、活性部位の立体障害により、リボヌクレアーゼ活性を低下させることを報告した。Plainkumらは、プロテアーゼによる円順列置換リボヌクレアーゼAの開裂が、おそらく活性部位への障害を除去することにより、該タンパク質の活性を上昇させることを見出した。ルシフェラーゼの場合、N末端とC末端とは、5〜6アミノ酸に相当する距離である約40オングストローム離れている。円順列置換ホタルルシフェラーゼを調製したところ、その1つは、Asp(234)における新規のN末端と、Pro(233)における新規のC末端と、Asp(4)Lysのカルボキシル末端側において開裂するプロテアーゼであるエンテロキナーゼの認識部位とを有した(米国公開出願第20050153310号及び特許協力条約/米国特許第2004/032705号を参照のこと)。融合突然変異体タンパク質の活性は、エンテロキナーゼでの処理により約90〜約150倍上昇した(図3)。他のバイオセンサーは、円順列置換ホタルルシフェラーゼ又はヒカリコメツキルシフェラーゼ(CP1:R=Asn401及びCP2:R=Arg223)に挿入した、カスパーゼ3 DEVD開裂部位(図3)、PSA開裂部位、例えば、Ala−Asn−Lys−Ile−Ser−Tyr−Gln−Ser−Ser−Ser−Thr−Glu(配列番号17)、ライノウイルスプロテアーゼ部位、例えば、Leu−Glu−Val−Leu−Phe−Gln−Gly−Pro(配列番号19)、及びSARSウイルスプロテアーゼ部位、例えば、TSAVLQSGFR(配列番号20)を含んだ(米国公開出願第20050153310号及び特許協力条約/米国特許第2004/032705号を参照のこと)。CP2は、ホタルルシフェラーゼ中の配列位置234に対応する、ヒカリコメツキルシフェラーゼ中の配列位置に挿入を有する。本明細書で以下に記す通り、円順列置換レニラルシフェラーゼを調製した。
本発明のバイオセンサーは、異種アミノ酸配列が、IL−17RAに結合するドメイン、例えば、IL−17A、若しくは、IL−17RAのIL−17A結合ドメイン、ErgのJun結合ドメイン、又はJunのEG結合ドメインなどのタンパク質結合ドメイン;カリウムチャネル電位感知ドメイン、例えば、タンパク質の立体構造変化を検出するのに有用な該ドメイン、Cdc42又はracの標的であるGTPase結合ドメイン、若しくは他のGTPase結合ドメイン、キナーゼ若しくはホスファターゼ活性に関連するドメイン、例えば、ミオシン調節軽鎖、PKCδ、PH及びDEPドメインを含むプレクストリン、他のリン酸化認識ドメイン及び基質;グルコース結合タンパク質ドメイン、グルタミン酸/アスパラギン酸結合タンパク質ドメイン、PKA若しくはcAMP依存性結合基質、InsP3受容体、GKI、PDE、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン、apoK1−er、又はカルモジュリン結合ドメインを含むバイオセンサーを含むがこれに限定されない。
一実施形態において、該バイオセンサーは、GTPase、例えば、Cdc42又はRacの、EBFP、EGFP PAK断片、Raichu−Rac、Raichu−Cdc42、インテグリンアルファvベータ3、インポルチン−aのIBB、CRaf1のDMCA又はNBD−Ras(Ras活性化の場合)、Rasプレニル化配列を含むRas/Rap Ral RBDの結合ドメインに対する結合を検出するのに有用である。一実施形態において、該バイオセンサーは、PI(4,5)P2(例えば、PH−PCLデルタ1、PH−GRP1を使用)、PI(4,5)P2、又はPI(4)P(例えば、PH−OSBP)、PI(3,4,5)P3(例えば、PH−ARNO、又はPH−BTK、又はPH−サイトヘシン1を使用)、PI(3,4,5)P3若しくはPI(3,4)P2(例えば、PH Aktを使用)、PI(3)P(例えば、FYVE−EEA1を使用)、又はCa2+(細胞質)(例えば、カルモジュリン、又はPKCのC2ドメインを使用)を検出する。
一実施形態において、該ドメインは、ErbB2のリン酸化、Src、Abl及びEGFRにおけるチロシンのリン酸化、MKA2の活性化(例えば、MK2を使用)、cAMPが誘導するリン酸化、PKAの活性化、例えば、CREGのKIDを使用、CrkIIのリン酸化、例えば、SH2ドメインのpTyrペプチドを使用、bZIP転写因子とRELタンパク質との結合、例えば、bFosとbJun ATF2及びJun、若しくはp65 NFカッパBとの結合、又は微小管結合、例えば、キネシンを使用、を検出する、リン酸化チロシン(例えば、Src、Abl及びEGFRにおける)を含むドメインである。
こうして、本発明は、ルシフェラーゼ配列が、もとの(野生型の)N末端若しくはC末端、又はその両方における残基の欠失、例えば、N末端における1〜3残基以上及びC末端における1〜6残基以上のほか、対象の分子と直接又は間接に相互作用する配列の欠失を含みうる、円順列置換ルシフェラーゼを含むルシフェラーゼバイオセンサーを含む。
II.例示的なポリヌクレオチドとタンパク質
本発明は、検出可能な活性、例えば、発光活性を有するポリペプチドを提供する任意のアミノ酸配列を含む改変ルシフェラーゼのほか、組み換え又は合成によって合成されるそのタンパク質断片を含む。改変ルシフェラーゼのルシフェラーゼ配列は、対応する非改変ルシフェラーゼのアミノ酸配列と同一であるか、又は実質的に同一である。実質的に同一の配列を有するポリペプチド又はペプチドとは、アミノ酸配列が、大部分同一であるが完全に同一でなくともよく、関連する配列の機能的な活性を保持することを意味する。一般に、2つのアミノ酸配列は、少なくとも70%同一であれば、例えば、少なくとも80%、90%、95%以上の同一性を有するなら、実質的に同一又は実質的に相同である。
相同性又は同一性は、配列解析ソフトウェア(例えば、1710 University Avenue.Madison,WI 53705、University of Wisconsin Biotechnology Center、Genetics Computer Group作製のSequence Analysis Software Package)を用いて測定することが多い。こうしたソフトウェアは、各種の置換、欠失、挿入、及びその他の改変に対する相同性の程度を決定することにより、類似の配列をマッチさせる。2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈における「相同性」及び「同一性」という用語は、同一である2つ以上の配列又は部分配列、又は任意の数の配列比較アルゴリズムを用いて、若しくは手作業によるアライメント及び目視検査により測定する、比較ウインドウ若しくは指定領域にわたる最大限の対応性について比較し整列するときに同一である特定の割合のアミノ酸残基又はヌクレオチドを有する、該配列又は部分配列を指す。
配列比較では、通常1つの配列が基準配列として働き、被験配列をこれと比較する。配列比較アルゴリズムを用いる場合、被験配列及び基準配列をコンピュータに入力し、必要ならば部分配列座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムのパラメータを指定する。デフォルトのプログラムパラメータを用いることもでき、別のパラメータを指定することもできる。次いで、プログラムパラメータに基づき、配列比較アルゴリズムが、基準配列と比べた被験配列について、百分率による配列同一性を計算する。
比較のための配列アライメント法は、当技術分野においてよく知られている。比較のための最適な配列アライメントは、Smithら(1981)の局所的相同性アルゴリズム、Needlemanら(1970)の相同性アライメントアルゴリズム、Personら(1988)の類似性検索法、これらのアルゴリズムのコンピュータへの実装(575 Science Dr.,Madison,WI、Genetics Computer Group作製のWisconsin Genetics Software Package中の、GAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)、又は手作業によるアライメント及び目視検査により実施することができる。
これらの数学的アルゴリズムのコンピュータへの実装を配列の比較に用いて、配列の同一性を判定することができる。このような実装は、PC/Geneプログラム中のCLUSTAL(カリフォルニア州、マウンテンビュー、Intelligenetics社製);ALIGNプログラム(Version 2.0)並びにWisconsin Genetics Software Package、Version 8中のGAP、BESTFIT、BLAST、FASTA、及びTFASTA(575 Science Drive,Madison,Wisconsin,USA、Genetics Computer Group(GCG)作製)を含むがこれに限定されない。これらのプログラムを用いるアライメントは、デフォルトのパラメータを用いて実行することができる。CLUSTALプログラムは、Higginsら(1988)、Higginsら(1989)、Corpetら(1988)、Huangら(1992)、及びPearsonら(1994)により十分に説明されている。ALIGNプログラムは、Myers及びMiller(1988)のアルゴリズムに基づく。Altschulら(1990)のBLASTプログラムは、Karlin及びAltschul(1990)のアルゴリズムに基づく。
BLAST解析を実行するソフトウェアは、国立バイオテクノロジー研究センター(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)から一般に入手できる。このアルゴリズムは、データベース配列中の同一の長さのワードにより整列したとき、ある正の値の閾値スコアTだけマッチするか、又は該スコアTを満たす、クエリー配列における長さWの短いワードを同定することにより、まず、高スコアの配列対(HSP)を同定するステップを含む。Tを、隣接ワードスコア閾値という(Altschulら、1990)。これらの初回の隣接ワードヒットは、これらを含むより長いHSPを見出す検索を開始するきっかけとして働く。次いで、累積アライメントスコアが上昇する限りで、各配列の双方向にワードヒットを拡張する。ヌクレオチド配列の場合、パラメータM(マッチする残基対に対する加点スコア、常に>0)及びパラメータN(ミスマッチする残基に対する減点スコア、常に<0)を用いて、累積スコアを計算する。アミノ酸配列の場合は、スコアリングマトリックスを用いて累積スコアを計算する。累積アライメントスコアが、最大到達値から量Xだけ減少する場合、1つ又は複数の負のスコアの残基アライメントの累積により累積スコアがゼロ以下になる場合、又はいずれかの配列の端部に到達する場合は、各方向へのワードヒットの拡張を停止する。
百分率による配列の同一性に加え、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性に関する統計学的解析をも実行する(例えば、Karlin及びAltschul、1993を参照のこと)。BLASTアルゴリズムが提供する類似性の1つの尺度は、最小合計確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列の間のマッチが、偶然に生じる確率の指標を与える。例えば、被験核酸配列を基準核酸配列と比較する場合の最小合計確率が、約0.1未満である場合、より好ましくは約0.01未満である場合、最も好ましくは約0.001未満である場合、該被験核酸配列は、基準配列に類似すると考える。
比較の目的でギャップを含むアライメントを得るには、Altschulら(1997)に記載の通り、Gapped BLAST(BLAST 2.0中の)を用いることができる。或いは、PSI−BLAST(BLAST 2.0中の)を用いて、分子間の距離関係を検出する反復検索を実行することができる。前出のAltschulらを参照のこと。BLAST、Gapped BLAST、PSI−BLASTを用いる場合、各プログラムのデフォルトパラメータ(例えば、ヌクレオチド配列にはBLASTN、タンパク質にはBLASTX)を用いることができる。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、ワード長(W)11、期待値(E)10、カットオフ100、M=5、N=4、及び両鎖の比較をデフォルトとして用いる。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムが、ワード長(W)3、期待値(E)10、及びBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff及びHenikoff、1989)をデフォルトとして用いる。http://www.ncbi.nlm.nih.govを参照のこと。
特に、ポリペプチドは、保存的変異を除き実質的に同類である場合がある。保存的変異とは、アミノ酸残基を、別の生物学的に類似の残基で置換することを意味する。保存的変異の例は、イソロイシン、バリン、ロイシン、又はメチオニンなどの1つの疎水性残基を別の疎水性残基に置換する、又は、アルギニンをリシンに、グルタミン酸をアスパラギン酸に、若しくはグルタミンをアスパラギンに置換するなど、1つの極性残基を別の極性残基に置換することを含む。保存性置換の他の例示的な例は、アラニンからセリンへ;アルギニンからリシンへ;アスパラギンからグルタミン又はヒスチジンへ;アスパラギン酸からグルタミン酸へ;システインからセリンへ;グルタミンからアスパラギンヘ;グルタミン酸からアスパラギン酸へ;グリシンからプロリンへ;ヒスチジンからアスパラギン又はグルタミンへ;イソロイシンからロイシン又はバリンへ;ロイシンからバリン又はイソロイシンへ;リシンからアルギニン、グルタミン、又はグルタミン酸へ;メチオニンからロイシン又はイソロイシンへ;フェニルアラニンからチロシン、ロイシン、又はメチオニンへ;セリンからスレオニンへ;スレオニンからセリンへ;トリプトファンからチロシンへ;チロシンからトリプトファン又はフェニルアラニンへ;バリンからイソロイシン、ロイシンへの変化を含む。
一実施形態において、本発明のポリヌクレオチドは、特定の宿主における発現に最適化される。本明細書で用いる最適化は、コドン最適化のほか、真核細胞においては、コザック配列、及び/又は1つ若しくは複数のイントロンの導入を含む。こうして、核酸分子は、コドンの30%、35%、40%を超える、又は45%を超える、例えば、50%、55%、60%以上において、非改変ルシフェラーゼをコードする野生型の核酸配列のコドンと異なるコドン組成を有してよい。本発明における使用に好ましいコドンは、特定の生物における同一のアミノ酸に対する他の少なくとも1つのコドンよりも高頻度で用いられるコドンであり、該生物中の低使用コドンでなく、該核酸分子の発現のためのクローニング又はスクリーニングに用いる生物中の低使用コドンでないことがより好ましい。さらに、特定のアミノ酸(すなわち、3つ以上のコドンを有するアミノ酸)に対する好ましいコドンは、他の(好ましくない)1つ又は複数のコドンよりも高頻度で用いられる2つ以上のコドンを含んでよい。核酸分子中に1つの生物において別の生物におけるよりも高頻度で用いられるコドンが存在する結果、これらのコドンをより高頻度で用いる生物の細胞に導入すると、これらの細胞中の野生型の核酸配列又は親核酸配列の発現よりも高いレベルで発現する核酸分子が、これらの細胞中において得られる。
本発明の一実施形態において、異なるコドンは、哺乳類においてより高頻度に用いられるコドンであるが、別の実施形態において、異なるコドンは、植物においてより高頻度に用いられるコドンである。哺乳類の特定の種類、例えば、ヒトは、哺乳類の別の種類とは異なる、好ましいコドンのセットを有してよい。同様に、植物の特定の種類は、植物の別の種類とは異なる、好ましいコドンのセットを有してよい。本発明の一実施形態において、異なるコドンの大多数は、所望の宿主細胞中で好ましいコドンである。哺乳類(例えば、ヒト)及び植物にとって好ましいコドンは、当技術分野で知られている(例えば、Wadaら、1990)。例えば、好ましいヒトコドンは、CGC(Arg)、CTG(Leu)、TCT(Ser)、AGC(Ser)、ACC(Thr)、CCA(Pro)、CCT(Pro)、GCC(Ala)、GGC(Gly)、GTG(Val)、ATC(Ile)、ATT(Ile)、AAG(Lys)、AAC(Asn)、CAG(Gln)、CAC(His)、GAG(Glu)、GAC(Asp)、TAC(Tyr)、TGC(Cys)、及びTTC(Phe)を含むがこれに限定されない(Wadaら、1990)。こうして、本発明の好ましい「ヒト化」合成核酸分子は、より多数の好ましいヒトコドン、例えば、CGC、CTG、TCT、AGC、ACC、CCA、CCT、GCC、GGC、GTG、ATC、ATT、AAG、AAC、CAG、CAC、GAG、GAC、TAC、TGC、TTC、又はこれらの任意の組合せを有することで、野生型の核酸配列と異なるコドン組成を有する。例えば、本発明の核酸分子は、野生型の核酸配列と比べて、より多数のCTG又はTTGのロイシンをコードするコドン、GTG又はGTCのバリンをコードするコドン、GGC又はGGTのグリシンをコードするコドン、ATC又はATTのイソロイシンをコードするコドン、CCA又はCCTのプロリンをコードするコドン、CGC又はCGTのアルギニンをコードするコドン、AGC又はTCTのセリンをコードするコドン、ACC又はACTのスレオニンをコードするコドン、GCC又はGCTのアラニンをコードするコドン、又はこれらの任意の組合せを有してよい。同様に、植物においてより高頻度に用いられるコドンのより多数を有する核酸分子は、CGC(Arg)、CTT(Leu)、TCT(Ser)、TCC(Ser)、ACC(Thr)、CCA(Pro)、CCT(Pro)、GCT(Ser)、GGA(Gly)、GTG(Val)、ATC(Ile)、ATT(Ile)、AAG(Lys)、AAC(Asn)、CAA(Gln)、CAC(His)、GAG(Glu)、GAC(Asp)、TAC(Tyr)、TGC(Cys)、TTC(Phe)又はこれらの任意の組合せを含むがこれに限定されない多数の植物コドンを有することで、野生型の核酸配列とは異なるコドン組成を有する(Murrayら、1989)。好ましいコドンは、植物の異なる種類に応じて異なる(Wadaら、1990)。
本発明の改変ルシフェラーゼタンパク質又は融合タンパク質は、組み換え法又は固相化学ペプチド合成法により調製してよい。こうした方法は、当技術分野では1960年代初頭から知られており(Merrifield、1963)(Stewartら、『固相ペプチド合成(Solid Phase Peptide Synthesis)』、第2版、Pierce Chemical Co.、ロックフォード、第III巻、11〜12頁をも参照のこと)、近年では、市販の実験用ペプチド設計及び合成キット(Cambridge Research Biochemicals社製)においても用いられている。こうした市販の実験用キットは、一般に、Geysenら(1984)の教示を用い、単一のプレートに接続された多数の「ロッド」又は「ピン」の先端においてペプチドの合成を提供する。こうしたシステムを用いる場合、ロッド又はピンのプレートを反転して、適切なアミノ酸をピン又はロッドの先端に付着させる又は固定する溶液を含む、対応のウェル又は容器からなる別のプレートに挿入する。こうした工程段階、例えば、ロッド及びピンの先端を反転して適切な溶液内に挿入することを反復することにより、アミノ酸を所望のペプチド内に構成する。加えて、多数のFMOCペプチド合成システムが入手できる。例えば、ポリペプチド又は断片の構築は、Applied Biosystems社の431A型自動ペプチド合成機を用いる固相担体において行うことができる。こうした装置は、直接の合成、又は他の既知の技術を用いて組み合わせることのできる一連の断片の合成により、本発明のペプチドを容易に入手する機会を与える。
III.本発明の改変ルシフェラーゼに有用な融合パートナー
改変ルシフェラーゼをコードする本発明のポリヌクレオチドは、他の核酸配列、例えば、cDNAなどの天然の配列、又はin vitroにおいて操作された配列、例えば、N末端との融合タンパク質、C末端との融合タンパク質、又はN末端及びC末端との融合タンパク質、例えば、選択マーカーを含む異なるレポーター遺伝子がコードするタンパク質との融合と併用してよい。適切な融合パートナーの多くの例が当技術分野に知られており、本発明の実施において用いることができる。
融合パートナーは、酵素活性を有する配列など、親和性ドメイン又はその他の機能的なタンパク質配列を含むがこれに限定されない。例えば、機能的なタンパク質配列は、キナーゼ触媒ドメイン(Hanks及びHunter、1995)をコードすることで、特定のアミノ酸にリン酸部分を酵素的に付加することのできる融合タンパク質を産生してもよく、Src相同性2(SH2)ドメイン(Sadowskiら、1986;Mayer及びBaltimore、1993)をコードすることで、リン酸化したチロシンに特異的に結合する融合タンパク質を産生してもよい。
親和性ドメインは、一般に、例えば、固相担体上に固定したパートナーなどの結合パートナーと相互作用することのできるペプチド配列である。ヒスチジンなど単一のアミノ酸を複数個連続してコードするDNA配列は、発現するタンパク質と融合させる場合、ニッケルセファロースなどの樹脂カラムへの高親和性結合により、組み換えタンパク質の1段階精製に用いてよい。キチン結合ドメイン(キチンに結合する)、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(グルタチオンに結合する)、ビオチン(アビジン及びストレプトアビジンに結合する)などのペプチドをコードする配列も、対象のタンパク質の生成を容易とするのに用いることができる。親和性ドメインは、インテイン(タンパク質の自己スプライシング要素[Chongら、1997])の使用を含む、当技術分野でよく知られた方法により、対象のタンパク質から分離することができる。例示的な親和性ドメインは、HisV5(HHHHH)(配列番号4)、HisX6(HHHHHH)(配列番号5)、C−myc(EQKLISEEDL)(配列番号6)、Flag(DYKDDDDK)(配列番号7)、SteptTag(WSHPQFEK)(配列番号8)、ヘマグルチニン、例えば、HAタグ(YPYDVPDYA)(配列番号9)、GST、チオレドキシン、セルロース結合ドメイン、RYIRS(配列番号10)、Phe−His−His−Thr(配列番号11)、キチン結合ドメイン、S−ペプチド、T7ペプチド、SH2ドメイン、C端RNAタグ、WEAAAREACCRECCARA(配列番号12)、金属結合ドメイン、例えば、亜鉛結合ドメイン又はカルシウム結合タンパク質由来のドメイン、例えば、カルシウム結合ドメイン、例えば、カルモジュリン、トロポニンC、カルシネウリンB、ミオシン軽鎖、レコベリン、S−モジュリン、ビシニン、VILIP、ニューロカルシン、ヒポカルシン、フレクエニン、カルトラクチン、カルパイン大サブユニット、S100タンパク質、パルブアルブミン、カルビンジンD9K、カルビンジンD28K、及びカルレチニンなどのカルシウム結合ドメイン、インテイン、ビオチン、ストレプトアビジン、MyoD、Id、ロイシンジッパー配列、及びマルトース結合タンパク質を含む。一実施形態において、融合パートナーは、融合タンパク質、例えば、Hisタグ又はGSTタグを精製するのに有用な配列であり、また、一実施形態において、精製タグは、円順列置換ルシフェラーゼのN末端又はC末端に融合される。
融合パートナーの別のクラスは、neo遺伝子、β−gal遺伝子、gus遺伝子、cat遺伝子、gpt遺伝子、hyg遺伝子、hisD遺伝子、ble遺伝子、mprt遺伝子、bar遺伝子、ニトリラーゼ遺伝子、ガラクトピラノシド遺伝子、キシロシダーゼ遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子、アラビノシダーゼ遺伝子、突然変異アセト乳酸シンターゼ遺伝子(ALS)又は突然変異アセト酸シンターゼ遺伝子(AAS)、メトトレキサート耐性dhfr遺伝子、ダラポン脱ハロゲン酵素遺伝子、5−メチルトリプトファンに耐性を与える突然変異アントラニレートシンターゼ遺伝子(国際特許公開第97/26366号)、R−遺伝子座遺伝子、β−ラクタマーゼ遺伝子、xylE遺伝子、α−アミラーゼ遺伝子、チロシナーゼ遺伝子、花虫類ルシフェラーゼ(luc)遺伝子(例えば、ウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子)、エクオリン遺伝子、赤色蛍光タンパク質遺伝子、又は緑色蛍光タンパク質遺伝子を含むがこれに限定されないレポーター遺伝子がコードするタンパク質を含む。選択マーカー遺伝子又はスクリーニングマーカー遺伝子という用語には、形質転換した細胞の同定又は選択の手段としてその分泌を検出することのできる「分泌マーカー」をコードする遺伝子をも含む。例は、抗体の相互作用により同定することのできる分泌抗原をコードするマーカー、又はその触媒活性により検出することのできる分泌酵素をコードするマーカーさえも含む。分泌タンパク質は、例えば、ELISA法で検出可能な小型で拡散性のタンパク質、及び細胞膜内に挿入される又は取り込まれるタンパク質を含む多数のクラスに分かれる。
IV.改変ルシフェラーゼ又はその融合をコードするベクター及び宿主細胞
改変ルシフェラーゼ又はその融合をコードする望ましい核酸分子を調製したら、改変ルシフェラーゼ又は改変ルシフェラーゼを含む融合タンパク質をコードする発現カセットを調製する。例えば、改変ルシフェラーゼをコードする核酸配列を含む核酸分子は、場合によって、転写調節配列、例えば、1つ又は複数のエンハンサー、プロモーター、転写終結配列、又はこれらの組合せに機能的に結合させることで、発現カセットを形成する。核酸分子又は発現カセットは、ベクター、例えば、場合によっては選択マーカー遺伝子を含むプラスミド又はウイルスベクターに導入してよく、該ベクターは、対象の細胞、例えば、大腸菌、ストレプトマイセス属種、バチルス属種、ブドウ球菌種などの原核細胞のほか、植物(双子葉又は単子葉)細胞、真菌細胞、酵母細胞、例えば、ピキア、サッカロマイセス、若しくはシゾサッカロマイセス、又は哺乳類細胞を含む真核細胞などの対象の細胞に導入してよい。好ましい哺乳類細胞は、ウシ細胞、ヤギ細胞、ヒツジ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、非ヒト霊長類細胞、例えば、サル細胞、及びヒト細胞を含む。好ましい哺乳類細胞系は、CHO細胞、COS細胞、293細胞、Hela細胞、CV−1細胞、SH−SY5Y細胞、HEK293細胞、及びNIH3T3細胞を含むがこれに限定されない。
コードされた改変ルシフェラーゼの発現は、原核細胞又は真核細胞中で発現することのできる任意のプロモーターにより制御してよい。好ましい原核プロモーターは、SP6プロモーター、T7プロモーター、T5プロモーター、tacプロモーター、blaプロモーター、trpプロモーター、galプロモーター、lacプロモーター、又はマルトースプロモーターを含むがこれに限定されない。好ましい真核プロモーターは、構成的プロモーター、例えば、CMVプロモーター、SV40プロモーター、及びRSVプロモーターなどのウイルスプロモーターのほか、調節的プロモーター、例えば、tetプロモーター、hsp70プロモーターなどの誘導的プロモーター又は抑制的プロモーター、及びCREにより調節される合成的プロモーターを含むがこれに限定されない。カルシウムを介する形質転換法、電気穿孔法、微量注入法、リポフェクション法などを含むがこれに限定されない任意の方法により、本発明の核酸分子、発現カセット、及び/又はベクターを細胞に導入してよい。
V.例示的使用
改変ルシフェラーゼ又はその融合は、特定の分子(バイオセンサー)の量若しくは存在を検出すること、特定の分子を単離すること、特定の分子における立体構造変化を、例えば、結合、リン酸化、若しくはイオン化により検出すること、ハイスループット若しくはロースループットのスクリーニングを容易にすること、タンパク質間相互作用、タンパク質−DNA間相互作用、若しくはその他のタンパク質に基づく相互作用を検出すること、又はバイオセンサーを選択若しくは展開することを含むがこれに限定されないいずれの目的にも有用である。例えば、改変ルシフェラーゼ又はその融合は、例えば、in vitro又は細胞に基づくアッセイにおいて、特定のキナーゼ(例えば、レポータータンパク質にキナーゼ部位を挿入することによる)、RNAi(レポータータンパク質のコード配列にRNAiが認識すると推定される配列を挿入し、次いで、RNAiの添加後におけるレポーター活性をモニターすることによる)、又はウイルス若しくは抗体の存在の指標である特定のウイルスプロテアーゼの存在を検出するプロテアーゼなどのプロテアーゼの量、存在、若しくは活性を検出する;阻害剤、例えば、プロテアーゼ阻害剤をスクリーニングする;認識部位を同定する若しくは基質特異性を検出する、例えば、選択された認識配列を含む改変ルシフェラーゼ、若しくは単一の対象の分子を含む複数の異なる配列を有する改変ルシフェラーゼのライブラリー、若しくは複数の(例えば、ライブラリー)分子を用いる;バイオセンサー若しくは対象の分子、例えば、プロテアーゼを選択若しくは展開する;又は相補性若しくは結合を介して、例えば、in vitro若しくは細胞に基づく手法によりタンパク質間相互作用を検出するのに有用である。一実施形態では、挿入を含む改変ルシフェラーゼを、分子の無作為ライブラリー又は突然変異ライブラリーと接触させて、該挿入と相互作用する分子を同定する。別の実施形態では、複数の挿入を有する改変ルシフェラーゼのライブラリーを分子と接触させ、該分子と相互作用する改変ルシフェラーゼを同定する。一実施形態において、改変ルシフェラーゼ又はその融合は、例えば、in vitro又は細胞に基づくアッセイにおいて、cAMP若しくはcGMPの量若しくは存在を検出すること(例えば、円順列置換ルシフェラーゼにcAMP若しくはcGMP結合部位を挿入することによる)、阻害剤若しくは活性剤、例えば、cAMP若しくはcGMPの阻害剤若しくは活性剤、cAMP結合部位に対するcAMP結合の阻害剤若しくは活性剤、又はGタンパク質共役受容体(GPCR)の阻害剤若しくは活性剤をスクリーニングすること、認識部位を同定する若しくは基質特異性を検出すること、例えば、選択された認識配列を含む改変ルシフェラーゼ、若しくは単一の対象の分子を含む複数の異なる配列を有する改変ルシフェラーゼのライブラリー、若しくは複数の(例えば、ライブラリー)分子を用いること、cAMP若しくはcGMP結合部位を選択若しくは展開すること、或いは全ての動物イメージングに有用である。
本発明は、改変ルシフェラーゼ又はその融合タンパク質を用いて、細胞における分子の発現、場所、及び/又はトラフィキングをモニターする方法のほか、細胞内の微環境の変化をモニターする方法をも提供する。一実施形態において、改変ルシフェラーゼは、分子の認識部位を含み、該分子が該認識部位と相互作用すると該ルシフェラーゼの活性が上昇し、このため、該分子の存在又は量を検出又は定量するのに用いることができる。例えば、一実施形態において、改変ルシフェラーゼは、特定の条件下で相互作用し合う2つのドメインを含む内部挿入を含む。一実施形態では、該挿入における1つのドメインがリン酸化することのできるアミノ酸を含み、他のドメインがホスホアミノ酸結合ドメインである。適切なキナーゼ又はホスファターゼの存在下で、挿入における2つのドメインは相互作用し、改変ルシフェラーゼの立体構造を変化させ、改変ルシフェラーゼの検出可能な活性を変化させる。別の実施形態において、改変ルシフェラーゼは、分子の認識部位を含み、該分子が該認識部位と相互作用すると該ルシフェラーゼの活性が上昇し、このため、他の分子の存在又は量を検出又は定量するのに用いることができる。
2−ハイブリッドシステムは、in vivoにおけるタンパク質間相互作用を検出するほか、タンパク質間相互作用に関与する残基/ドメインを同定するのにきわめて強力な方法である。2−ハイブリッドシステムの基盤は、一部の転写因子中に見出される以下のモジュラードメイン、特定のDNA配列に結合するDNA結合ドメイン、及び基本転写装置(Sadowski、1988)と相互作用する転写活性化ドメインである。DNA結合ドメインと関連する転写活性化ドメインは、TATAボックスにおけるRNAポリメラーゼII複合体の構築を促進し、転写を増大させうる。CheckMate(登録商標)哺乳類2−ハイブリッドシステム(ウィスコンシン州、マジソン、Promega社製)において、別個のプラスミドが産生するDNA結合ドメインと転写活性化ドメインとは、DNA結合ドメインに融合した1つのタンパク質(X)が、転写活性化ドメインに融合した別のタンパク質(Y)と相互作用する場合に密接に関連する。このシステムでは、タンパク質Xとタンパク質Yとの間の相互作用が、レポーター遺伝子又は選択マーカー遺伝子のいずれかの転写をもたらす。特に、pBINDベクターが、複数のクローニング領域の上流にある酵母GAL4DNA結合ドメインを含み、pACTベクターが、複数のクローニング領域の上流にある単純ヘルペスウイルスVP16活性化ドメインを含む。加えて、pBINDベクターは、ウミシイタケルシフェラーゼを発現する。2つの相互作用する可能性のある対象のタンパク質をコードする2つの遺伝子を、pBINDベクター及びpACTベクターにクローンすることにより、GAL4のDNA結合ドメイン及びVP16の活性化ドメインをそれぞれ含む融合タンパク質を産生する。pG5lucベクターは、最小限のTATAボックスの上流にある5つのGAL4結合部位を含み、これらの結合部位が、ホタルルシフェラーゼ遺伝子(luc+)の上流にある。pGAL4とpVP16との融合構築物を、pG5lucベクターとともに哺乳類細胞にトランスフェクトする。トランスフェクションの2〜3日後に細胞を溶解し、Dual−Luciferase(登録商標)レポーターアッセイシステム(Promega社製、型番E1910)を用いて、レニラルシフェラーゼ及びホタルルシフェラーゼの量を定量化することができる。GAL4とVP16との融合構築物など、2つの被験タンパク質の間の相互作用が、陰性対照に対するホタルルシフェラーゼ発現の上昇をもたらす。本発明の改変ルシフェラーゼ、例えば、改変に対して耐性である部位又は領域において欠失されるルシフェラーゼ(N末端断片)をDNA結合ドメインに融合する一方、該ルシフェラーゼの残余(C末端断片)を転写活性化ドメインに融合する。
本発明は、サイクリックヌクレオチドなどの対象の分子の量を調節することのできる作用物質(「被験」作用物質)をスクリーニングする方法をも提供する。「調節」とは、特性の変更、すなわち、生物学的又は化学的活性の促進又は阻害であって、シグナル伝達経路の活性化など特定の事象の発生に付随することがある、及び/又は特定の細胞型においてのみ明らかとなることがある特性の変更を指す。「調節因子」とは、例えば、生体高分子(例えば、核酸、タンパク質、非ペプチド、又は有機分子)、生体小分子、細菌細胞、植物細胞、真菌細胞、若しくは動物(特に哺乳類)細胞又は組織、或いはその他の作用物質などの生体物質由来の抽出物など、作用物質(自然発生又は非自然発生)を指す。本明細書に記載のスクリーニングアッセイに組み込むことにより、1つ又は複数の生物学的過程の(直接の又は間接の)阻害剤又は活性剤(例えば、アゴニスト、部分アンタゴニスト、部分アゴニスト、又はアンタゴニスト)としての潜在的活性について、調節因子を評価する。調節因子の複数の活性(又は1つの活性)は、既知、未知、又は部分的に既知である。本発明の方法を用いて、こうした調節因子をスクリーニングすることができる。「被験作用物質」という用語は、本発明の1つ又は複数のスクリーニング法により推定調節因子として調べる作用物質を指す。通例、0.01μM、0.1μM、1.0μM、及び10.0μMなど、各種所定の濃度をスクリーニングに用いる。対照は、被験作用物質の不在下におけるシグナルの測定、標的を調節することが知られている作用物質との比較、又は被験作用物質との接触前、接触中、及び/又は接触後における試料(例えば、細胞、組織、又は生体)との比較を含む。
一実施形態において、該方法は、プロテアーゼ活性を調節する作用物質をスクリーニングするステップを含む。例えば、一実施形態において、アポトーシスを調節することのできる作用物質の同定法を提供する。カスパーゼファミリーのプロテアーゼが、アポトーシスと関連している。こうして、該方法は、カスパーゼファミリーのプロテアーゼを含むと推定される試料を、カスパーゼ活性を調節すると推定される作用物質、及びカスパーゼにより開裂可能な開裂部位を有する改変ルシフェラーゼと接触させるステップを含む。改変ルシフェラーゼの活性は、被験作用物質との接触の前後に、試料中において検出する。作用物質との接触後における活性の上昇は、アポトーシスを阻害する作用物質を示し、低下は、アポトーシスを活性化させる作用物質を示す。
したがって、本発明は、本発明の改変ルシフェラーゼタンパク質中に存在する認識配列の開裂を調節する作用物質を同定すること、及びその活性を検出することに有用である。これにより、プロテアーゼ活性調節物質のスクリーニングを迅速に行うことが可能となる。本明細書に記載のスクリーニングシステムの使用は、プロテアーゼ、例えば、カスパーゼファミリーのプロテアーゼを調節する(例えば、阻害する又は活性化する)作用物質の高感度で迅速な同定手段を提供する。
こうして、本発明の改変ルシフェラーゼタンパク質は、改変ルシフェラーゼタンパク質への挿入と対象の分子との相互作用を調節する作用物質又は条件を調べる基質として有用である。特に、本発明は、挿入が、対象の酵素の開裂部位であるアミノ酸配列を含む、改変ルシフェラーゼタンパク質を意図する。こうして、対象の分子がプロテアーゼである場合、該挿入は、該プロテアーゼの開裂認識配列を含むペプチドを含む。プロテアーゼの開裂認識配列は、タンパク質分解による開裂中にプロテアーゼが認識する、特定のアミノ酸配列である。したがって、本発明は、試料を本発明の改変ルシフェラーゼポリペプチドと接触させ、ルシフェラーゼ活性の変化を測定することにより、試料中のプロテアーゼ量を定量する方法を提供する。本発明の改変ルシフェラーゼタンパク質は、とりわけ、改変ルシフェラーゼを発現する細胞内部におけるプロテアーゼ活性をモニターするのに用いることができる。
一実施形態において、本発明の改変ルシフェラーゼは、こうして、改変ルシフェラーゼ中のサイクリックヌクレオチド結合部位とサイクリックヌクレオチドなどの対象の分子との間の相互作用を調節する作用物質若しくは条件、サイクリックヌクレオチドの存在若しくは量を調節する作用物質若しくは条件、又は細胞内のサイクリックヌクレオチド濃度と関連する受容体などの分子を調節する作用物質若しくは条件を調べる基質として有用である。特に、本発明は、挿入がcAMP又はcGMP結合部位を含む改変ルシフェラーゼタンパク質を意図する。こうして、対象の分子がcAMP又はcGMPである場合、本発明は、試料を本発明の改変ルシフェラーゼポリペプチドに接触させ、ルシフェラーゼ活性の変化を測定することにより、試料中のcAMP又はcGMPの存在又は量を定量する方法を提供する。本発明の改変ルシフェラーゼタンパク質は、とりわけ、cAMP若しくはcGMP又は改変ルシフェラーゼを有する細胞内部におけるcAMP若しくはcGMPの量若しくは存在を変化させる分子の量又は存在をモニターするのに用いることができる。
本発明のアッセイを用いて、例えば、サイクリックヌクレオチドの量を変化させる化合物、又はサイクリックヌクレオチド結合部位に対するサイクリックヌクレオチドの結合を変化させる化合物を同定する薬剤をスクリーニングすることができる。一実施形態において、該アッセイは、cAMPを含むin vitroの試料に対して実施する。既知量のcAMPを含む試料を本発明の改変ルシフェラーゼ及び被験作用物質と混合する。次いで、試料中のルシフェラーゼ活性量を定量する。次いで、被験作用物質存在下におけるcAMPモルあたりの活性量を、被験作用物質不在下におけるcAMPモルあたりの活性量と比べてよい。差は、被験作用物質が、cAMP量又はcAMP結合部位に対するcAMPの結合を変化させることを示す。
一実施形態では、例えば、cAMPの量又は結合を直接又は間接に調節すると推定される作用物質により細胞を条件づけるか、又は細胞を該作用物質と接触させる。細胞又は培養内の細胞を溶解し、cAMP量を測定する。例えば、既知量又は未知量のcAMPを含む溶解細胞試料を、本発明の改変ルシフェラーゼと混合する。次いで、対照又は非処理試料中及び処理済み溶解細胞試料中の改変ルシフェラーゼ活性の程度を測定することにより、試料中のcAMP量を前述の通りに定量する。活性又は阻害は、試料中のマイクログラム又はミリグラムあたりのタンパク質に基づいて計算することができる。差は、cAMPの絶対量を算出する基準測定値で標準化するのが通例である。
本発明のアッセイで用いる材料及び組成物は、キットの調製に適切であることが理想的である。こうしたキットは、各容器手段が、該方法において用いる個別の要素の1つを含むバイアル、試験管など1つ又は複数の容器手段を含む担体手段を含んでよい。該容器の1つは、本発明の改変ルシフェラーゼ又はポリペプチド(例えば、ベクターの形態による)を含む。別の容器は、改変ルシフェラーゼの基質を含んでよい。
以下の非限定的実施例により、本発明についてさらに説明する。
(実施例1)
ヒカリコメツキ及びホタルのルシフェラーゼにおける改変に寛容な部位
ヒカリコメツキ及びホタルのルシフェラーゼにおいて改変に寛容である配列位置並びに特定の改変ルシフェラーゼは、米国特許公開出願第20050153310号及びPCT/US2004/032705において開示されており、その開示を本明細書に参考として組み込む(図1及び表1も参照)。
Figure 0005746125
(実施例2)
cAMP結合部位に融合した円順列置換ホタルルシフェラーゼ
cAMPは細胞内シグナル伝達のための最も重要なセカンドメッセンジャーの1つである。cAMPアッセイは、Gタンパク質共役受容体(GPCR)創薬について非常に重要である。cAMPに対するバイオセンサーを同定するために、cAMP結合部位を、円順列置換ホタルルシフェラーゼ(CPM−FF Luc)に融合した(図5A〜B)(pBFB8、pBFB9、pBFB10、pBFB11、pBFB22、pBFB40、pBFB41、pBFB42)。1つのCPM−FF Luc cAMP結合部位融合物は、ヒトEpac1(cAMPに直接活性化される交換タンパク質)由来のcAMP結合部位を採用した(Bos、2003年)。先行研究は、ヒトEpac1由来の一本鎖断片(157から316残基)がcAMPに結合することを示した(Nikolaev、J.Biol.chem.、279、37215(2004年))。第2のCPM−FF Luc cAMP結合部位融合物は、ヒトIIB型PKA調節サブユニット(CPM−FF Luc/RIIβB)由来のBドメインを採用した。
材料と方法
ヒトEpac1の157〜316残基をコードするDNA断片を合成した、それは、大腸菌(E.coli)中での発現を増大させる可能性があるいくつかのサイレントヌクレオチドの変更を含有していた(図5C)。5’末端及び3’末端にそれぞれXhoI及びNcoI部位を有するEPAC1のPCR断片を生成するために、2種類のプライマーを使用した、5’プライマー:atgcctcgagGAAGAAGAACTTGCTGAAGCTG(配列番号22)、3’プライマー:atgccatggAACTCCATGTTCTTCTAAACGC(配列番号23)。得られたPCR断片を消化し、円順列置換甲虫ルシフェラーゼ構築物のXhoI及びNcoI部位にクローニングした。得られたプラスミドは、本来のN末端とC末端の間に挿入されたEPAC1を有する改変ホタル(pSPLuc+、Promega Corporation)ルシフェラーゼを発現した。適正な大きさの融合タンパク質が、TnT無細胞発現及びSDS−PAGE(図6)によって確認された。本構築物を、FF105と同定した。
RIIβBをコードするDNAを、CPM−FF Luc/RIIβB融合物[Luc2.0(234〜544)−リンカーX−ヒトRIlβ(266−414残基)−リンカーY−Luc(4〜233)]をコードする新規発現ベクターに挿入した。制限酵素の特有の組合せを使用することによって、様々なX/Yペプチドリンカー長を有するCPM−FF Lucに融合したRIIβBを有する様々な構築物を生成した。
続くRIIβBの挿入のためのCPM−FF Luc発現プラスミドの合成
CPM−FF Luc(DNA2.0;配列番号16、図20を参照)をコードする合成1816bp断片を、HindIII/XbaIで消化し、pGL4.74(Promega Corp.)の3265bp HindIII/XbaI断片に連結した。得られたプラスミドは、42アミノ酸のGly/Serリッチペプチドによって接続されたホタルルシフェラーゼの544及び4アミノ酸を有する合成ルシフェラーゼ(Luc2.0;Promega Corp.)の円順列置換突然変異体をコードする[Luc2.0(234〜544)−42aaGly/Serリッチペプチド−Luc2.0(4〜233)](pBFB8)。図5Aは、この親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)及び様々なリンカー長を作製し且つcAMPドメインを挿入するために使用する特有の制限酵素部位を示す。本融合タンパク質は、T7又はHSV−TKプロモーターをそれぞれ使用してin vitro又はin vivoで発現できる。加えて、追加的プラスミド(Flexi vector system;Promega Corp.)への本オープンリーディングフレームの続く遺伝子導入を促進するために、SgfI及びPmeI制限酵素部位が5’及び3’末端に含まれた。
(X=4、Y=4;pBFB9)、(X=10、Y=10;pBFB10)及び(X=20、Y=20;pBFB11)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質をコードするプラスミドの合成
上記プラスミドDNA構築物を、(X=4、Y=4)、(X=10、Y=10)及び(X=20、Y=20)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβBの発現構築物の合成を可能にするために、Luc2.0(233〜544)及びLuc2.0(4〜233)をコードするDNA断片に結合しているマルチクローニング部位(MCS)に存在する特有の制限酵素で消化した。図5Bは、pBFB9(X=4、Y=4)、pBFB10(X=10、Y=10)及びpBFB11(X=20、Y=20)を作製するためにRIIβBドメインに隣接するリンカー長を表す。
リンカー長(X=4、Y=4)を有する構築物を合成するために、プライマー5’−AAA AAA GTC GAC CGG AAT GTA TGA AAG CTT TAT TGA GTC ACT GCC−3’(配列番号25;BFB51)及び5’−AAA AAA GAG CTC CCA ACA ATA TCC ATG TTC GTT CCA AAC−3’(配列番号26;BFB20)を、ATCC10625233(Genbank ID BC075800)からRIIβB DNAを増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素SalI/SacIで消化し、XhoI/SacIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。本新規構築物をpBFB9と同定する。
リンカー長(X=10、Y=10)を有する構築物を合成するために、プライマー5’−AAA AAA TCC GGA ATG TAT GAA AGC TTT ATT GAG TCA CTG CC−3’(配列番号211;BFB21)及び5’−AAA AAA AGG CCT ACA ATA TCC ATG TTC GTT CCA AAC−3’(配列番号27;BFB22)を、ATCC10625233(Genbank ID BC075800)からRIIβB DNAを増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素BspEI/StuIで消化し、BspEI/ZraIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。本新規構築物をpBFB10と同定する。
リンカー長(X=20、Y=20)を有する構築物を合成するために、プライマー5’−AAA AAA CCC GGG ATG TAT GAA AGC TTT ATT GAG TCA CTG CC−3’(配列番号28;BFB23)及び5’−AAA AAA TCC GGA CCC AAC AAT ATC CAT GTT CGT TCC AAA C−3’(配列番号29;BFB24)を、ATCC10625233(Genbank ID BC075800)からRIIβB DNAを増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素BspEI/SmaIで消化し、AgeI/NruIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。本新規構築物をpBFB11と同定する。
(X=4、Y=4)、(X=10、Y=10)及び(X=20、Y=20)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質の発現 予想される大きさの融合タンパク質の合成を、TNT(登録商標)T7 Coupled Wheat Germ Extract System(Promega Corp.)をFluoroTect GreenLys in vitro Translation Labeling System(Promega Corp.)と共に使用して、(X=4、Y=4;pBFB9)、(X=10、Y=10;pBFB10)及び(X=20、Y=20;pBFB11)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質について確認した。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合した:
400ng プラスミドDNA
10μL TnT Wheat Germ Extract
0.8μL TNT反応緩衝液
0.4μL T7ポリメラーゼ
0.4μL アミノ酸混合物
0.4μL rRNasin
0.4μL FluoroTect GreenLys label
dH2Oを合計容量20μLまで
30℃、1.5時間のインキュベーションに続いて、TNT反応物5μLを、製造者の手順書に従ってSDS−PAGE(NuPAGE Novex4〜12% bis−tris gel、Invitrogen Corp.)によって解析した。翻訳されたタンパク質は、続いてfluorimager(Typhoon Variable Mode Imager、Amersham Biosciences)によって可視化した。デンシトメトリー分析(ImageQuant、GE Healthcare)は、可変X/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質が、42アミノ酸Gly/Serリッチペプチド(pBFB8)及びEpac1(FF105)を有するCPM−FF Luc融合タンパク質と同様に発現されたことを示した。
(X=4、Y=4;pBFB9)、(X=10、Y=10;pBFB10)及び(X=20、Y=20;pBFB11)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質の機能評価
100μM cAMPの存在下及び非存在下でのルシフェラーゼ活性を、(X=4、Y=4;pBFB9)、(X=10、Y=10;pBFB10)及び(X=20、Y=20;pBFB11)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質についてTNT(登録商標)T7 Coupled Reticulocyte Lysate System(Promega Corp.)を使用する発現に続いて測定した。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合した:
400ng プラスミドDNA
10μL ウサギ網状赤血球抽出物
0.8μL TNT反応緩衝液
0.4μL T7ポリメラーゼ
0.4μL アミノ酸混合物
0.4μL rRNasin
dH2Oを合計容量20μLまで
30℃、1.5時間のインキュベーションに続いて、各融合タンパク質を、TNT(登録商標)反応物9μLと1mM cAMP保存液又はdH2O 1μLとを組み合わせることにより100μM cAMPの存在下又は非存在下でインキュベートした。10分間、室温でのインキュベーションに続いて、試料1μLをLuciferase Assay Reagent(LAR;Promega Corp.)溶液100μL+/−100μM cAMP(90μL LAR+10μL 1mM cAMP保存液又はdH2O)に加えた。発光をVeritas Microplate Luminometer(Turner Biosystems;program Bright−Glo)を使用して測定した。
(X=4、Y=4;pBFB9)、(X=10、Y=10;pBFB10)及び(X=20、Y=20;pBFB11)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質を使用する用量反応実験
(X=4、Y=4;pBFB9)、(X=10、Y=10;pBFB10)及び(X=20、Y=20;pBFB11)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質のcAMP用量反応を、TNT(登録商標)T7 Coupled Reticulocyte Lysate System(Promega Corp.)を使用する発現に続いて測定した。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合した:
2000ng プラスミドDNA
50μL ウサギ網状赤血球抽出物
4μL TNT反応緩衝液
2μL T7ポリメラーゼ
2μL アミノ酸混合物
2μL rRNasin
dH2Oを合計容量100μLまで
30℃、2時間のインキュベーションに続いて、それぞれの融合タンパク質を、TNT(登録商標)反応物9μLとcAMP保存溶液1μLとを組み合わせることにより様々な濃度のcAMP(最終濃度0、0.01、0.025、0.1、0.25、1、2.5、10、25又は100μM cAMP)と共にインキュベートした。室温、≧25分間のインキュベーションに続いて、試料1μLを各濃度のcAMP(90μL LAR+10μL cAMP保存溶液)を含むLuciferase Assay Reagent(LAR;Promega Corp.)100μLに加えた。発光をVeritas Microplate Luminometer(Turner Biosystems;program Bright−Glo)を使用して測定した。
(X=10、Y=10;pBFB10)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質の選択性
他の環状ヌクレオチドと比較した、cAMP活性化について(X=10、Y=10;pBFB10)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質の選択性を、TNT(登録商標)T7 Coupled Reticulocyte Lysate System(Promega Corp.)を使用する発現に続いて測定した。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合した:
6000ng プラスミドDNA
150μL ウサギ網状赤血球抽出物
12μL TNT反応緩衝液
6μL T7ポリメラーゼ
6μL アミノ酸混合物
6μL rRNasin
dH2Oを合計容量300μLまで
30℃、2.3時間のインキュベーションに続いて、融合タンパク質を、TNT(登録商標)反応物9μLと環状ヌクレオチド保存溶液1μLとを組み合わせることにより、様々な濃度(最終濃度0、0.01、0.025、0.1、0.25、1、2.5、10、25又は100μM cAMP)のcAMP、cGMP又はN6−ベンゾイルcAMPとインキュベートした。室温、≧29分間のインキュベーションに続いて、試料1μLをそれぞれの濃度の環状ヌクレオチド(90μL LAR+10μL 環状ヌクレオチド保存溶液)を含むLuciferase Assay Reagent(LAR;Promega Corp.)100μLに加えた。発光をVeritas Microplate Luminometer(Turner Biosystems;program Bright−Glo)を使用して測定した。
結果
IIβ型プロテインキナーゼA調節サブユニット(PRKAR2B)は、A及びB、2個のcAMP結合部位を有する。Bドメイン由来のcAMP結合部位(RIIβB)を、円順列置換ルシフェラーゼ(CPM−FF Luc)でRIIβBを有するもの(CPM−FF Luc/RIIβB)を調製するために使用した。(X=4、Y=4;pBFB9)、(X=10、Y=10;pBFB10)及び(X=20、Y=20;pBFB11)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有する各CPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質は、100μM cAMPの存在下で、それぞれ23倍、58倍及び39倍のルシフェラーゼ活性の誘導を示した(図7)。予想される通り、42アミノ酸Gly/Serリッチペプチドを有するCPM−FF Luc融合タンパク質(pBFB8)についてcAMP調節は観察されなかった。RIIβBに加えて、Epac1由来のcAMP結合部位をcAMPセンサー(FF105)を生成するために使用した。しかし、ルシフェラーゼ活性の発光量比はRIIβBに基づくセンサーより低かった(図7)。
各CPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質は、50%最大発光量比に対する効果濃度について様々な値を有する特有の用量反応を示した(図8A)。(X=10、Y=10;pBFB10)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質は、他の環状ヌクレオチドと比較してcAMPへの結合について増強された選択性を示した(図8B)。
(実施例3)
cAMP結合部位を有する円順列置換レニラルシフェラーゼ
材料と方法
4つのヒト化レニラルシフェラーゼDNA断片を、pF5RK又はphRL−nullベクター(Promega Corp.)のいずれかから増幅し、Ser91/Tyr92又はIle223/Pro224のいずれかの配列位置の間で分断した円順列置換レニラルシフェラーゼオープンリーディングフレーム(CPM−hRL)(図5D)を生成するためにCPM−FF Luc融合タンパク質構築物[Luc2.0(234〜544)−42アミノ酸Gly/Serリッチペプチド−Luc2.0(4〜233)](pBFB8;図5A)にクローニングした。4つのヒト化レニラルシフェラーゼDNA断片を生成するために使用した配列決定用プライマーは、5’−ATGGGCGATCGCCatgtatcgcctcctggatcactacaag−3’(hRL92 SgfI;FF273;配列番号110);5’−ATGGGCGATCGCCatgcctctcgttaagggaggcaagc−3’(hRL224 SgfI;FF277;配列番号111);5’−gcatCTCGAGccctgctcgttcttcagcacgcgc−3’(hRL311/XhoI;FF294;配列番号112);5’−atgcGAGCTCaggagcttccaaggtgtacgacccg−3’(hRL2 ScaI;FF295;配列番号113);5’−TTGTGTTTAAACtgagccattcccgctcttgccg−3’(hRL91/PmeI;FF276;配列番号114)及び5’−TTGTGTTTAAACgatctcgcgaggccaggagagg−3’(hRL223 PmeI;FF278;配列番号115);であった。プライマー対FF273/FF294及びFF277/FF294を、ヒト化レニラルシフェラーゼDNAのC末端断片(それぞれhRL92〜311及びhRL224〜311)を増幅するために使用した。得られた産物を、制限酵素SgfI/XhoIで消化し、SgfI/XhoIで消化した親CPM−FF Luc融合タンパク質構築物[Lus2.0(234〜544)−42アミノ酸Gly/Serリッチペプチド−Luc2.0(4〜233)]pBFB8、に連結した。プライマー対FF276/FF295及びFF278/FF295を、ヒト化レニラルシフェラーゼDNAのN末端断片(それぞれhRL2〜91及びhRL2〜223)を増幅するために使用した。得られた産物を、制限酵素SacI/PmeIで消化し、SacI/PmeIで消化した[hRL(92〜311又は224〜311)−42アミノ酸Gly/Serリッチペプチド−Luc2.0(4〜233)]をコードする中間体CPM−FF Luc/hRLプラスミドに連結した。これは、円順列置換hRLルシフェラーゼ断片に42アミノ酸Gly/Serリッチペプチド(図5AのGly/Serリッチペプチドと同じ、201325.15.A1(CPM91);201325.15.B6(CPM223))が融合しているCPM−hRL発現ベクターの生成を生じた。ヒトRIIβB 266〜414アミノ酸(Genbank ID BC075800)をコードする本配列を、CPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサー(図5D)について既に記載の通り、Gly/Serリッチペプチド中に存在するアミノ酸をコードする特有の制限酵素部位のサブセットにクローニングした。得られた構築物は、X=4、Y=20(201325.44.H6(CPM91);201325.33.C9(CPM223))、X=10、Y=4(201325.50.D12(CPM91);201325.54.E2(CPM223))、又はX=10、Y=20(201325.58.E11(CPM91);201325.54.E12(CPM223))のいずれかを有するCPM−hRL/RIIβB融合物をコードする。Gly/Serリッチリンカーは、RIIβBのN及びC末端のそれぞれに融合した(図5D)。加えて、全長hRLオープンリーディングフレームは、Luc2.0(234〜544)−42アミノ酸Gly/Serリッチペプチド−Luc2.0(4〜233)(201325.50.A7、図5A)をコードするCPM−FF Luc発現プラスミドのSgfI/PmeI部位にクローニングした。
Wheat Germ TnT(登録商標)(Promega cat#L4140)の反応物50μl当たり、精製プラスミドDNA1μgを、タンパク質産物を発現するために使用した。Wheat Germ TnT(登録商標)反応は、FluoroTect(商標)GreenLYStRNA(Promega cat#L5001)の存在下で30℃、1時間実施した。CPM−hRL構築物は、以下のコントロールと共に発現させた:X=10、Y=4を有するCPM−FF Luc/RIIβB(pBFB41)、全長レニラルシフェラーゼ(2013225.50.A7)及び「DNA不含有」(ネガティブコントロール)。各可溶化物15μlを、1mM cAMP(Promega cat#V642A、最終濃度100μM)又は水(Promega cat#P119C)1.5μlのいずれかと混合し、10分間、室温でインキュベートした。1×Renilla Luciferase Assay Lysis Buffer(5×Renilla Luciferase Assay Lysis Buffer(Promega cat#E291A)加える水(Promega cat#P119C)の75μLを、レニラルシフェラーゼ反応及び「DNA不含有」試料に加え、混合し、各混合物20μlを3回反復で96ウェル白平底プレートに入れた。X=10、Y=4リンカーを有するCPM−FF Luc/RIIβB試料(pBFB41)2μlを、3回反復で96ウェル白平底プレートに入れた。Renilla Luciferase Assay Buffer 100μL加える1×Renilla Luciferase Assay Substrate(Promega Corp.;cat#E2820)の100μlを、レニラルシフェラーゼ及び「DNA不含有」の各ウェルに加えた。Luciferase Assay Buffer加えるLuciferase Assay Substrate(Promega Corp.;cat#E1500)の100μlを、X=10、Y=4リンカーを有するCPM−FF Luc/RIIβB(pBFB41)を含む各ウェルに加えた。Veritas Luminometerを使用して発光を測定した。cAMPインキュベーションの前に、各可溶化物10μlをSDS−PAGEゲルで大きさによって分画した。蛍光タンパク質産物をTyphoon imagerで可視化した。
結果
Wheat Germ TnT(登録商標)反応は、等量程度の各構築タンパク質を生じた。「DNA不含有」試料からは、可視化されるタンパク質は生じなかった。全長レニラルシフェラーゼ構築物(201325.50.A7)は、CPM−hRL91〜42aa構築物(201325.15.A1)よりも約100倍強い発光を、及びCPM−hRL223〜42aa構築物(201325.15.B6)よりも約100000倍強い発光を生じた。RIIβB構築物CPM−hRL91−4aa−RIIβB−20aa(201325.44.H6)及びCPM−hRL91−10aa−RIIβB−20aa(201325.58.E11)は、100μM cAMPと共にインキュベートした場合に水との場合よりも強い発光(それぞれ115から146倍及び100倍)を生じた。RIIβB構築物CPM−hRL223−4aa−RIIβB−20aa(201325.33.C9)、CPM−hRL223−10aa−RIIβB−4aa(201325.54.E2)及びCPM−hRL223−10aa−RIIβB−20aa(201325.54.E12)は、100μM cAMPと共にインキュベートした場合に水との場合よりも1.7から2.1倍強い発光を生じた。全長レニラルシフェラーゼ(201325.50.A7)、CPM−hRL91−42aa(201325.15.A1)及びCPM−hRL223−42aa構築物(201325.15.B6)は、水と比較したcAMPとのインキュベーションにおいて1.3倍を超えては変化しなかった。X=10、Y=4リンカーを有するCPM−FF Luc/RIIβBセンサー構築物(pBFB41)は、cAMPの存在下で85〜90倍強い発光を生じた。「DNA不含有」反応は、弱い発光であり(全長レニラルシフェラーゼの1000000分の1)、且つcAMPとのインキュベーションで変化しなかった(図10参照)。
(実施例4)
CPM−FF Luc/RIIβB cAMPバイオセンサーでのcAMPのin vitro検出
材料と方法
細胞可溶化物中及び細胞溶解界面活性剤の存在下でのcAMP測定の有効性を示すために、TNT(登録商標)T7 Coupled Reticulocyte Lysate System(Promega Corp.)を使用して(X=10、Y=10;pBFB10)のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質を発現させた。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合し、30℃、1.5時間インキュベートした:
1000ng プラスミドDNA
25μL ウサギ網状赤血球抽出物
2μL TNT反応緩衝液
1μL T7ポリメラーゼ
1μL アミノ酸混合物
1μL rRNasin
dH2Oを合計容量50μLまで
細胞の界面活性剤介在の溶菌に続くcAMP測定の実験条件を模倣するために以下の成分を最終濃度0、0.01、0.025、0.1、0.25、1、2.5、10及び25μM cAMPと室温で混ぜた:
0.5μL TNT(登録商標)発現cAMPセンサー
19.5μL Wheat Germ Extract(Promega Corp.;cat#L4140、part#L411A)
5μL cAMP保存溶液
25μL Bright−Glo assay reagent(Promega Corp.、cat#E2610)
混ぜた反応物をただちに混合し、ルシフェラーゼ活性を、Turner 20/20N luminometer(Turner Biosystems)を使用して1秒当たり1回測定で継続的に測定した。
いくつかの実験において、シグナルの安定性及び発光を増強するために、反応混合物は、4mMルシフェリン(Promega Bioscience)、2mM コエンザイムA(Sigma)、10mM ATP(Pharmacia)、10mM DTT(Promega)、16mM 硫酸マグネシウム、150mM HEPES、pH8.0(Fisher)、1% Tergitol N101(Sigma)、1% Mazu DF101及び1mM CDTA(Sigma)を含有する。in vitroで翻訳されたCPM−FF Luc/RIIβB cAMPバイオセンサーは、合計反応容量50μlについてプラスミドDNA 1μgを使用して、TnT(登録商標)Coupled Rabbit Reticulocyte System(Promega)を使用して合成し、cAMPアッセイの直前に反応混合物に加えた(100μlアッセイ試薬当たり1μlの翻訳産物の添加)。センサーを加えたアッセイ試薬100μlを、細胞培養液100μl又は完全培地(DMEM/F12+10%FBS)に希釈したcAMP 100μlのいずれかに加えた。
細胞培養
in vitro分析のために、HEK−293細胞を96ウェルプレートに蒔き、50〜90%コンフルエンスまで、10%FBS(Hyclone)を含むDMEM/F12(Invitrogen)100μlで37℃、5%CO2で増殖させた。細胞は、0.02から250μMフォルスコリン(Sigma)で刺激し、ここでフォルスコリンは、完全培地中で2倍に希釈した。
cAMPでの標準曲線
1mM cAMP(Promega)を10%FBSを含む完全DMEM/F12培地に、0.005から50μM cAMPの濃度範囲で希釈した、ここでcAMPは、2倍系列希釈する。cAMP 100μlを同種のcAMP発光アッセイ試薬100μlと混合した。
結果
CPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサーは、様々なルシフェラーゼ試薬を含む様々なリシス緩衝液中で機能した。さらに、CPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサーを、in vitroでのcAMPの検出のための同種アッセイ形式において採用した(図9、11A及び11B)。例えばコムギ胚芽抽出物を使用して、ルシフェラーゼ活性の用量依存値は、0.025から25μM cAMPの間のcAMP検出のダイナミックレンジで3分間程度以内に展開した(図9)。最適化した試薬処方を使用する追加的例において、cAMPのin vitro検出は、バックグラウンド比20のシグナル及び1.28μMのEC50を、X=10、Y=4(pBFB41)のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサーについて示した(図11A)。同様に、同じ最適化された試薬処方を使用して、cAMPのin vitro検出は、バックグラウンド比11のシグナル及び0.64μMのEC50を、(X=10、Y=10)(pBFB10)のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサーについて示した(図11A)。本cAMPアッセイは、以下の利点:化合物の干渉を低減する生物発光の読み取り;同種のワンステップ形式;並びに結合及び立体構造変化を誘導する能力の両方を必要とする特異性。
(実施例5)
CPM−FF Luc/RIIβB cAMPバイオセンサーを使用するcAMP濃度変化の細胞内検出
細胞培養
細胞は、HEPES緩衝液(Invitrogen)、10%FBSを含むDMEM/F12 60ml中で37℃、5%CO2で培養した。
プラスミド
(X=10、Y=0)のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPバイオセンサーをコードするORFをFlexiベクターpF4K(Flexi vector system;Promega Corp.)に遺伝子導入した。得られたプラスミド構築物(pBFB141)は、哺乳類細胞内での付随するcAMPバイオセンサーの発現のために上流CMVプロモーターを利用する。
トランスフェクション
細胞を、TransIt(登録商標)−LT1 Reagent(MIRUS)で、96ウェルプレートの1ウェル当たり、TransIt(登録商標)−LT1 reagent 0.3μl及びDNA 0.15μgを使用してトランスフェクトした。細胞は、一晩増殖させ、翌日アッセイした。
バイオセンサーの調節
トランスフェクションの1日程度後、細胞をインキュベーターから出し、室温に平衡化した。最終濃度5mM程度のルシフェリンを得るために100mM ルシフェリンEFの5μl一定分量を、細胞培養物加えるトランスフェクション試薬の合計90μlに加えた。次いで、細胞を室温で少なくとも90分間インキュベートした。室温での90分後、発光のベースライン測定を96ウェルVeritas Luminometer(Turner Biosystems;1ウェル当たり0.5秒間の積分時間)を使用して測定した。次いで、細胞を10μMイソプレテレノール(CalBiochem)、50mMフォルスコリン(Sigma)で誘導したか、又は、誘導せず(0.1%DMSO、Sigma)、発光を約30分間継続的に測定した。30分後、10mMプロプラノロール(Sigma)をイソプレテレノールでの細胞に加え、他の全ての試料には、0.1%DMSOを加えた。次いで続く30分間、発光を継続的に測定した。50μM フォルスコリンの最終添加をイソプレテレノール/プロプラノロール試料に加え、他の全ての試料に0.1%DMSOを加えた。次いで、続く半時間、発光を継続的に測定した。試料は、12回反復のセットで測定した。イソプレテレノール、プロプラノロール、フォルスコリン及びDMSOの10×保存物は、1×PBS(Invitrogen)中に作製した。
結果
cAMPの細胞内濃度の変化を測定するために、HEK293細胞をCPM−FF Luc/RIIβB(X=10、Y=0、pBFB141)構築物で一過性にトランスフェクトし、GPCR活性化を通じて細胞内cAMP濃度を増大させる(イソプレテレノール、β−アドレナリン受容体アゴニスト)、GPCR阻害を通じて細胞内cAMP濃度を減少させる(プロプラノロール、β−アドレナリン受容体アンタゴニスト)又はアデニルシクラーゼの活性化を通じて細胞内cAMP濃度を増大させる(フォルスコリン)ことが既知である化合物で処理した。イソプレテレノール及びフォルスコリン処理の両方は、細胞内cAMP濃度の増大を反映して、トランスフェクトした細胞からの光出力を単独で2倍程度増大させた(図11C)。加えて、cAMP濃度の変化の一時的反応に続いてトランスフェクトした細胞を、イソペルテレノール、プロプラノロールに続いてフォルスコリンで処理した(図11C)。野生型ルシフェラーゼ及び42アミノ酸Gly/Serリッチペプチドを発現しているCPM−FF Luc/RIIβB融合タンパク質(pBFB8)も、検査し、細胞内cAMP濃度の既知の調節因子の添加に特異的な反応を示さなかった。
(実施例6)
光出力及び発光量比は、CPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーについてX/Yペプチドリンカー長の関数として変化する
A.可変X/Yペプチドリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドの合成
可変X/Yペプチドリンカー長[2x(x=0〜5)、2y(y=0〜5)]を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーのセットを生成するために、(X=0、Y=0、pBFB89)、(X=2、Y=2、pBFB96)、(X=6、Y=6、pBFB108)、及び(X=8、Y=8、pBFB115)のセンサーをコードするプラスミドを、スプライスオーバーラップ伸長PCR(SOE PCR)を使用して合成した。一度得られれば、標準的分子クローニング技術を、本セットにおける残りの全てのクローンを生成するために、(X=0、Y=0)、(X=2、Y=2)、(X=4、Y=4)、(X=6、Y=6)、(X=8、Y=8)及び(X=10、Y=10)ペプチドリンカーを有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミド間のDNA断片の交換に使用した。追加的に、SOE PCRを[10+2n(n=0〜5)、0]及び[10、−2n(n=1〜7)]セットで、クローンを合成するために使用した(表2)。
Figure 0005746125

Figure 0005746125
i.ペプチドリンカー(X=0、Y=0;pBFB89)を欠失しているCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドの合成
ペプチドリンカー(X=0、Y=0)を欠失している構築物を合成するために、3種の別々のPCR産物を生成するための3種の別々のプライマー対をRIIβB DNAを増幅するために使用した。プライマー対5’−CCT CGA ACA CCG AGC GAC C−3’(配列番号31)及び5’−GCA GTG ACT CAA TAA AGC TTT CAT ACA TCT TCT TGG CCT TAA TGA GAA TCT CG−3’(配列番号18)を産物#1を生成するために使用し;プライマー対5’−CGA GAT TCT CAT TAA GGC CAA GAA GAT GTA TGA AAG CTT TAT TGA GTC ACT GC−3’(配列番号32)及び5’−GGC CCT TCT TAA TGT TTT TGG CTA CAA TAT CCA TGT TCG TTC CAA ACA G−3’(配列番号33)を産物2を生成するために使用し;プライマー対5’−CTG TTT GGA ACG AAC ATG GAT ATT GTA GCC AAA AAC ATT AAG AAG GGC C−3’(配列番号34)及び5’−GTA TCT TAT CAT GTC TGC TCG AAG CG−3’(配列番号35)を産物3を生成するために使用した。3種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物を産生し、それを続いて制限酵素SgfI/XbaIで消化し、SgfI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
ii.ペプチドリンカー長(X=2、Y=2;pBFB96)を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドの合成
ペプチドリンカー(X=2、Y=2)を有する構築物を合成するために、3種の別々のPCR産物を生成するための3種の別々のプライマー対をRIIβBを増幅するために使用した。プライマー対5’−CCT CGA ACA CCG AGC GAC C−3’(配列番号36;BFB31)及び5’−CAA TAA AGC TTT CAT ACA TCG AGC CCT TCT TGG CCT TAA TGA GAA TCT CG−3’(配列番号37;BFB120)を産物1を生成するために使用し;プライマー対5’−CGA GAT TCT CAT TAA GGC CAA GAA GGG CTC GAT GTA TGA AAG CTT TAT TG−3’(配列番号38;BFB119)及び5’−CTT CTT AAT GTT TTT GGC ACC GGA TAC AAT ATC CAT GTT CGT TCC AAA CAG−3’(配列番号39;BFB122)を産物2を生成するために使用し;プライマー対5’−CTG TTT GGA ACG AAC ATG GAT ATT GTA TCC GGT GCC AAA AAC ATT AAG AAG−3’(配列番号40;BFB122)及び5’−GTA TCT TAT CAT GTC TGC TCG AAG CG−3’(配列番号41;BFB34)を産物3を生成するために使用した。3種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物をもたらし、それを続いて制限酵素SgfI/XbaIで消化し、SgfI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
iii.ペプチドリンカー長(X=6、Y=6;pBFB108)を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドの合成
ペプチドリンカー(X=6、Y=6)を有する構築物を合成するために、プライマー5’−AAA AAA AAA GTC GAC CGG AGG TTC AAT GTA TGA AAG CTT TAT TGA GTC ACT GC−3’(配列番号42;BFB123)及び5’−AAA AAA GAG CTC CCT CCA GAT ACA ATA TCC ATG TTC GTT CCA AAC AG−3’(配列番43;BFB124)をRIIβB DNAを増幅するPCRに使用した。得られた産物を制限酵素SalI/SacIで消化し、XhoI/SacIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
iv.ペプチドリンカー長(X=8、Y=8;pBFB115)を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドの合成
ペプチドリンカー(X=8、Y=8)を有する構築物を合成するために、プライマー5’−AAA AAA GTC GAC CGG AGG TTC AGG CGG TAT GTA TGA AAG CTT TAT TGA GTC ACT GC−3’(配列番号44;BFB125)及び5’−AAA AAA GAG CTC CCT CCA GAT CCA CCT ACA ATA TCC ATG TTC GTT CCA AAC AG−3’(配列番116;BFB126)をRIIβB DNAを増幅するPCRに使用した。得られた産物を制限酵素SalI/SacIで消化し、XhoI/SacIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
v.[2x(x=0〜5)、2y(y=0〜5)]のセットのペプチドリンカー長を有する残りのCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドの合成
(X=0、Y=0)、(X=2、Y=2)、(X=4、Y=4)、(X=6、Y=6)、(X=8、Y=8)及び(X=10、Y=10)のペプチドリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドについて、XhoI/XbaI又はXmnI/XbaI制限酵素消化を実施した。それぞれについて、制限酵素消化は2個の断片:RIIβBのC末端部分、リンカーY及びLuc2.0 4〜233断片をコードする小断片;並びに、Luc2.0 234〜544をコードする配列、リンカーX及びRIIβBのN末端部分を含むもとのプラスミドの残り全ての要素を含む大断片;を生成する。[2x(x=0〜5)、2y(y=0〜5)]のセットの36個全てのクローンを生成するために小断片を、様々な制限酵素消化由来の大断片に連結した。
vi.[10+2n(n=1〜5)、0]のセットのペプチドリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドの合成 ペプチドリンカー長(X=12、Y=0;pBFB135)を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドを合成するために、2種の別々のPCR産物を生成するための2種の別々のプライマー対をRIIβBを増幅するために使用した。プライマー対5’−AAA AAA TCC GGA GGA GGT ATG TAT GAA AGC TTT ATT GAG TCA CTG C−3’(配列番号46;BFB142)及び5’−GGC CCT TCT TAA TGT TTT TGG CTA CAA TAT CCA TGT TCG TTC CAA ACA G−3’(配列番号47;BFB118)を産物#1を生成するために使用し;プライマー対5’−CTG TTT GGA ACG AAC ATG GAT ATT GTA GCC AAA AAC ATT AAG AAG GGC C−3’(配列番号48;BFB117)及び5’−GTA TCT TAT CAT GTC TGC TCG AAG CG−3’(配列番号49;BFB34)を産物2を生成するために使用した。2種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物をもたらし、それを続いて制限酵素BspEI/XbaIで消化し、BspEI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
ペプチドリンカー長(X=14、Y=0;pBFB136)を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドを合成するために、2種の別々のPCR産物を生成するための2種の別々のプライマー対をRIIβBを増幅するために使用した。プライマー対5’−AAA AAA TCC GGA GGA GGT TCT GGC ATG TAT GAA AGC TTT ATT GAG TCA CTG C−3’(配列番号45;BFB143)及び5’−GGC CCT TCT TAA TGT TTT TGG CTA CAA TAT CCA TGT TCG TTC CAA ACA G−3’(配列番号21;BFB118)を産物1を生成するために使用し;プライマー対5’−CTG TTT GGA ACG AAC ATG GAT ATT GTA GCC AAA AAC ATT AAG AAG GGC C−3’(配列番号24;BFB117)及び5’−GTA TCT TAT CAT GTC TGC TCG AAG CG−3’(配列番号30;BFB34)を産物2を生成するために使用した。2種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物をもたらし、それを続いて制限酵素BspEI/XbaIで消化し、BspEI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
ペプチドリンカー長(X=16、Y=0;pBFB137)を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドを合成するために、2種の別々のPCR産物を生成するための2種の別々のプライマー対をRIIβBを増幅するために使用した。プライマー対5’−ATA AAT TCC GGA GGA GGT TCT GGC GGA TCA ATG TAT GAA AGC TTT ATT GAG TCA CTG C−3’(配列番号50;BFB144)及び5’−GGC CCT TCT TAA TGT TTT TGG CTA CAA TAT CCA TGT TCG TTC CAA ACA G−3’(配列番号51;BFB118)を産物1を生成するために使用し;プライマー対5’−CTG TTT GGA ACG AAC ATG GAT ATT GTA GCC AAA AAC ATT AAG AAG GGC C−3’(配列番号52;BFB117)及び5’−GTA TCT TAT CAT GTC TGC TCG AAG CG−3’(配列番号53;BFB34)を産物2を生成するために使用した。2種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物をもたらし、それを続いて制限酵素BspEI/XbaIで消化し、BspEI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
ペプチドリンカー長(X=18、Y=0;pBFB138)を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドを合成するために、2種の別々のPCR産物を生成するための2種の別々のプライマー対をRIIβBを増幅するために使用した。プライマー対5’−AAA AAT TCC GGA GGA GGT TCT GGC GGA TCA GGC GGT ATG TAT GAA AGC TTT ATT GAG TCA CTG C−3’(配列番号54;BFB145)及び5’−GGC CCT TCT TAA TGT TTT TGG CTA CAA TAT CCA TGT TCG TTC CAA ACA G−3’(配列番号55;BFB118)を産物1を生成するために使用し;プライマー対5’−CTG TTT GGA ACG AAC ATG GAT ATT GTA GCC AAA AAC ATT AAG AAG GGC C−3’(配列番号56;BFB117)及び5’−GTA TCT TAT CAT GTC TGC TCG AAG CG−3’(配列番号57;BFB34)を産物2を生成するために使用した。2種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物をもたらし、それを続いて制限酵素BspEI/XbaIで消化し、BspEI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
vii.[10、−2n(n=1〜7)]のセットのペプチドリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミドの合成 (X=10)のN末端ペプチドリンカー長を有し、C末端ペプチドリンカーを欠失しており、RIIβB 266〜412残基を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミド(10、−2;pBFB128)を合成するために、2種の別々のPCR産物を生成するための2種の別々のプライマー対をRIIβB DNAを増幅するために使用した。プライマー対5’−AAA AAA GTC GAC CGG AGG TTC AGG CGG TTC−3’(配列番号58;BFB127)及び5’−GGC CCT TCT TAA TGT TTT TGG CAT CCA TGT TCG TTC CAA ACA GG−3’(配列番号59;BFB128)を産物1を生成するために使用し;プライマー対5’−CCT GTT TGG AAC GAA CAT GGA TGC CAA AAA CAT TAA GAA GGG CC−3’(配列番号60;BFB129)及び5’−GTA TCT TAT CAT GTC TGC TCG AAG CG−3’(配列番号61;BFB34)を産物2を生成するために使用した。2種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物をもたらし、それを続いて制限酵素SalI/XbaIで消化し、XhoI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
(X=10)のN末端ペプチドリンカー長を有しC末端ペプチドリンカーを欠失しており、RIIβB 266〜410残基を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミド(10、−4;pBFB129)を合成するために、2種の別々のPCR産物を生成するための2種の別々のプライマー対をRIIβB DNAを増幅するために使用した。プライマー対5’−AAAAAAGTCGACCGGAGGTTCAGGCGGTTC−3’(配列番号62;BFB127)及び5’−GGCCCTTCTTAATGTTTTTGGCGTTCGTTCCAAACAGGGCAACTAAC−3’(配列番号63;BFB130)を産物#1を生成するために使用し;プライマー対5’−GTTAGTTGCCCTGTTTGGAACGAACGCCAAAAACATTAAGAAGGGCC−3’(配列番号64;BFB131)及び5’−GTATCTTATCATGTCTGCTCGAAGCG−3’(配列番号65;BFB34)を産物2を生成するために使用した。2種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物をもたらし、それを続いて制限酵素SalI/XbaIで消化し、XhoI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
(X=10)のN末端ペプチドリンカー長を有し、C末端ペプチドリンカーを欠失しており、RIIβB 266〜408残基を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミド(10、−6;pBFB130)を合成するために、2種の別々のPCR産物を生成するための2種の別々のプライマー対をRIIβB DNAを増幅するために使用した。プライマー対5’−AAAAAAGTCGACCGGAGGTTCAGGCGGTTC−3’(配列番号66;BFB127)及び5’−GGCCCTTCTTAATGTTTTTGGCTCCAAACAGGGCAACTAACTGTTCTTC−3’(配列番号67;BFB132)を産物1を生成するために使用し;プライマー対5’−GAAGAACAGTTAGTTGCCCTGTTTGGAGCCAAAAACATTAAGAAGGGCC−3’(配列番号68;BFB133)及び5’−GTATCTTATCATGTCTGCTCGAAGCG−3’(配列番号69;BFB34)を産物2を生成するために使用した。2種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物をもたらし、それを続いて制限酵素SalI/XbaIで消化し、XhoI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
(X=10)のN末端ペプチドリンカー長を有し、C末端ペプチドリンカーを欠失しており、RIIβB 266〜406残基を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミド(10、−8;pBFB131)を合成するために、2種の別々のPCR産物を生成するための2種の別々のプライマー対をRIIβB DNAを増幅するために使用した。プライマー対5’−AAAAAAGTCGACCGGAGGTTCAGGCGGTTC−3’(配列番号70;BFB127)及び5’−GGCCCTTCTTAATGTTTTTGGCCAGGGCAACTAACTGTTCTTCATAGG−3’(配列番号71;BFB134)を産物1を生成するために使用し;プライマー対5’−CCTATGAAGAACAGTTAGTTGCCCTGGCCAAAAACATTAAGAAGGGCC−3’(配列番号72;BFB135)及び5’−GTATCTTATCATGTCTGCTCGAAGCG−3’(配列番号73;BFB34)を産物2を生成するために使用した。2種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物をもたらし、それを続いて制限酵素SalI/XbaIで消化し、XhoI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
(X=10)のN末端ペプチドリンカー長を有し、C末端ペプチドリンカーを欠失しており、RIIβB 266〜404残基を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミド(10、−10;pBFB132)を合成するために、2種の別々のPCR産物を生成するための2種の別々のプライマー対をRIIβB DNAを増幅するために使用した。プライマー対5’−AAAAAAGTCGACCGGAGGTTCAGGCGGTTC−3’(配列番号74;BFB127)及び5’−GGCCCTTCTTAATGTTTTTGGCAACTAACTGTTCTTCATAGGTAGCGATG−3’(配列番号75;BFB136)を産物1を生成するために使用し;プライマー対5’−CATCGCTACCTATGAAGAACAGTTAGTTGCCAAAAACATTAAGAAGGGCC−3’(配列番号76;BFB137)及び5’−GTATCTTATCATGTCTGCTCGAAGCG−3’(配列番号77;BFB34)を産物2を生成するために使用した。2種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物をもたらし、それを続いて制限酵素SalI/XbaIで消化し、XhoI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
(X=10)のN末端ペプチドリンカー長を有し、C末端ペプチドリンカーを欠失しており、RIIβB 266〜402残基を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミド(10、−12;pBFB133)を合成するために、2種の別々のPCR産物を生成するための2種の別々のプライマー対をRIIβB DNAを増幅するために使用した。プライマー対5’−AAAAAAGTCGACCGGAGGTTCAGGCGGTTC−3’(配列番号78;BFB127)及び5’−GGCCCTTCTTAATGTTTTTGGCCTGTTCTTCATAGGTAGCGATGTTCC−3’(配列番号79;BFB138)を産物1を生成するために使用し;プライマー対5’−GGAACATCGCTACCTATGAAGAACAGGCCAAAAACATTAAGAAGGGCC−3’(配列番号80;BFB139)及び5’−GTATCTTATCATGTCTGCTCGAAGCG−3’(配列番号81;BFB34)を産物2を生成するために使用した。2種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物をもたらし、それを続いて制限酵素SalI/XbaIで消化し、XhoI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
(X=10)のN末端ペプチドリンカー長を有し、C末端ペプチドリンカーを欠失しており、R2βB 266〜400残基を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードするプラスミド(10、−14;pBFB134)を合成するために、2種の別々のPCR産物を生成するための2種の別々のプライマー対をRIIβB DNAを増幅するために使用した。プライマー対5’−AAAAAAGTCGACCGGAGGTTCAGGCGGTTC−3’(配列番号82;BFB127)及び5’−GGCCCTTCTTAATGTTTTTGGCTTCATAGGTAGCGATGTTCCTTTTC−3’(配列番号83;BFB140)を産物1を生成するために使用し;プライマー対5’−GAAAAGGAACATCGCTACCTATGAAGCCAAAAACATTAAGAAGGGCC−3’(配列番号84;BFB141)及び5’−GTATCTTATCATGTCTGCTCGAAGCG−3’(配列番号85;BFB34)を産物2を生成するために使用した。2種の産物のSOE PCRは、全長PCR産物をもたらし、それを続いて制限酵素SalI/XbaIで消化し、XhoI/XbaIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
B.可変のX/Yペプチドリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーの機能評価
i.[2x(x=0〜5)、2y(y=0〜5)]のセットのX/Yペプチドリンカーを有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーの機能評価
cAMPの存在下及び非存在下におけるルシフェラーゼ活性を、TNT(登録商標)T7 Coupled Reticulocyte Lysate System(Promega Corp.)を使用する発現に続いて、[2x(x=0〜5)、2y(y=0〜5)]のセットのX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサーについて測定した。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合した:
400ng プラスミドDNA
10μL ウサギ網状赤血球抽出物
0.8μL TNT反応緩衝液
0.4μL T7ポリメラーゼ
0.4μL アミノ酸混合物
0.4μL rRNasin
dH2Oを合計容量20μLまで
30℃、1.5時間のインキュベーションに続いて、各融合タンパク質を、TNT(登録商標)反応物9μLと1mM cAMP保存液又はdH2O 1μLとを組み合わせることによって100μM cAMPの存在下又は非存在下でインキュベートした。室温、≧15分間のインキュベーションに続いて、試料1μLをLuciferase Assay Reagent(LAR;Promega Corp.)溶液+/−100μM cAMP(90μL LAR+10μL 1mM cAMP保存液又はdH2O)100μLに加えた。発光をVeritas Microplate Luminometer(Turner Biosystems;program Bright−Glo)を使用して測定した。総合的に、[2x(x=0〜5)、2y(y=0〜5)]のセットのX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB融合物において、ペプチドリンカー長の増大に伴って100μM cAMPの存在下又は非存在下におけるルシフェラーゼ活性の増大が測定される傾向が観察された(図12)。加えて、ペプチドリンカー長の増大に伴って100μM cAMPの存在下におけるルシフェラーゼ活性の発光量比が増大する第二の傾向が観察された(図13)。
ii.[10、−2n(n=1〜7)]、[10、2n(n=1〜5)]及び[10+2n(n=0〜5)、0]のアミノ酸残基のセットのX/Yペプチドリンカーを有するCPM−FF Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーの機能評価
100μM cAMPの存在下及び非存在下でのルシフェラーゼ活性を、TNT(登録商標)T7 Coupled Reticulocyte Lysate System(Promega Corp.)を使用する発現に続いて、[10、−2n(n=1〜7)]、[10、2n(n=1〜5)]及び[10+2n(n=0〜5)、0]のアミノ酸残基のセットのX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサーについて測定した。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合した:
400ng プラスミドDNA
10μL ウサギ網状赤血球抽出物
0.8μL TNT反応緩衝液
0.4μL T7ポリメラーゼ
0.4μL アミノ酸混合物
0.4μL rRNasin
dH2Oを合計容量20μLまで
30℃、1時間のインキュベーションに続いて、各融合タンパク質を、TNT(登録商標)反応物9μLと1mM cAMP保存液又はdH2O 1μLとを組み合わせることによって100μM cAMPの存在下又は非存在下でインキュベートした。室温、≧9分間のインキュベーションに続いて、試料1μLをLuciferase Assay Reagent(LAR;Promega Corp.)溶液+/−100μM cAMP(90μL LAR+10μL 1mM cAMP保存液又はdH2O)100μLに加えた。発光をVeritas Microplate Luminometer(Turner Biosystems;program Bright−Glo)を使用して測定した。一般に100μM cAMPの存在下又は非存在下におけるルシフェラーゼ活性は、C末端ペプチドリンカーを欠失しているCPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサーについてRIIβBのC末端短縮の増大と共に減少した(図14)。加えて、[10、−2n(n=1〜7)]及び[10、2n(n=1〜5)]のセットのCPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサーについて、100μM cAMPの存在下における最大の発光量比は、(X=10、Y=0;pBFB117)のペプチドリンカーを有するセンサーにおいてであった。さらに、[10+2n(n=0〜5)、0]のセットのCPM−FF Luc/RIIβB cAMPセンサーは、(X=10、Y=0;pBFB117)アミノ酸残基のペプチドリンカーを有するセンサーについて最大の発光量比を示した(図15)。
(実施例7)
円順列置換ヒカリコメツキルシフェラーゼ及びIIβ型PKA調節サブユニット由来Bドメインを有するcAMPバイオセンサー
A.続くRIIβB(pBFB53)の挿入のためのCPM−ヒカリコメツキLuc発現プラスミドの合成
実施例10、A節において合成されたプラスミドのヒカリコメツキ変異体を合成するために、プライマー5’−TATAATGCTAGCGATCGCCATGGGCGTGACTGTGCTGGTGTATC−3’(配列番号86;BFB94)及び5’−TTTTTTCTCGAGCCGCCGCCAGCTTTTTCGAGG−3’(配列番号87;BFB95)を、プラスミドpCBG68−basic(Genbank Acc#AY258593;Promega Corp)から、234〜544残基(ヒカリコメツキルシフェラーゼ231〜542アミノ酸)をコードするホタルルシフェラーゼ断片のヒカリコメツキ等価物を増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素NheI/XhoIで消化し、プラスミド中間体Iを得るために、NheI/XhoIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。続いて、プライマー5’−AAAAAAGAGCTCCGGTGAAAAGAACGTGATCTACGGCC−3’(配列番号88;BFB96)及び5’−AAAAAATCTAGAGTTTAAACAGGGATCAATTGAGTACCCACAC−3’(配列番号89;BFB97)を、プラスミドpCBG68−basic(Genbank Acc#AY258593;Promega Corp)から、4〜233残基(ヒカリコメツキルシフェラーゼ5〜230アミノ酸)をコードするホタルルシフェラーゼ断片の、ヒカリコメツキ等価物を増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素SacI/XbaIで消化し、SacI/XbaIで消化した上記プラスミド中間体Iに連結した。
B.ペプチドリンカー(X=4、Y=4;pBFB54)及び(X=10、Y=4;pBFB55)アミノ酸残基を有するCPM−ヒカリコメツキLuc/RIIβB融合タンパク質をコードするプラスミドの合成
リンカー長(X=4、Y=4)を有する構築物を合成するために、プライマー5’−AAA AAA GTC GAC CGG AAT GTA TGA AAG CTT TAT TGA GTC ACT GCC−3’(配列番号90;BFB51)及び5’−AAA AAA GAG CTC CCA ACA ATA TCC ATG TTC GTT CCA AAC−3’(配列番号91;BFB20)を、ATCC10625233(Genbank ID BC075800)からRIIβB DNAを増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素SalI/SacIで消化し、親CPM−ヒカリコメツキLuc(pBFB53)に連結した。
リンカー長(X=10、Y=4)を有する構築物を合成するために、プライマー5’−AAA AAA GAG CTC CCA ACA ATA TCC ATG TTC GTT CCA AAC−3’(配列番号92;BFB20)及び5’−AAA AAA TCC GGA ATG TAT GAA AGC TTT ATT GAG TCA CTG CC−3’(配列番号93;BFB21)を、ATCC10625233(Genbank ID BC075800)からRIIβB DNAを増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素BspI/SacIで消化し、BspI/SacIで消化した親CPM−ヒカリコメツキLuc発現プラスミド(pBFB53)に連結した。
B.ペプチドリンカー(X=4、Y=4;pBFB54)及び(X=10、Y=4;pBFB55)アミノ酸残基を有するCPM−ヒカリコメツキLuc/RIIβB融合タンパク質の機能評価
X/Yリンカー長(X=4、Y=4;pBFB54)及び(X=10、Y=4;pBFB55)アミノ酸残基を有するCPM−ヒカリコメツキLuc/RIIβB融合タンパク質のcAMP用量反応を、TNT(登録商標)T7 Coupled Reticulocyte Lysate System(Promega Corp.)を使用する発現に続いて測定した。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合した:
2400ng プラスミドDNA
60μL ウサギ網状赤血球抽出物
4.8μL TNT反応緩衝液
2.4μL T7ポリメラーゼ
2.4μL アミノ酸混合物
2.4μL rRNasin
dH2Oを合計容量120μLまで
30℃、1.5時間のインキュベーションに続いて各融合タンパク質を、TNT(登録商標)反応物9μLとcAMP保存液1μLとを組み合わせることによって様々な濃度のcAMP(最終濃度0、0.01、0.025、0.1、0.25、1、2.5、10及び25μM cAMP)とインキュベートした。20分間程度の室温への平衡化に続いて、試料1μLを各濃度のcAMP(90μL LAR+10μL cAMP保存液)を含有するLuciferase Assay Reagent(LAR;Promega Corp.)溶液100μLに加えた。発光をVeritas Microplate Luminometer(Turner Biosystems;program Bright−Glo)を使用して測定した。(X=4、Y=4;pBFB54)及び(X=10、Y=4;pBFB55)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−ヒカリコメツキLuc/RIIβB融合タンパク質は、ルシフェラーゼ活性について25μM cAMPでそれぞれ4.0及び5.5の発光量比を示した。しかし、ヒカリコメツキルシフェラーゼに基づくcAMPセンサーについての発光量比は、検査した全ての濃度においてホタルルシフェラーゼに基づくセンサーの発光量比より低かった。(図16)。
(実施例8)
円順列置換ホタルルシフェラーゼ及びIα型PKA調節サブユニット由来Bドメインを利用するcAMPバイオセンサー
ヒトIα型PKA調節サブユニット(RIαB)由来のBドメインをコードするDNAを、CPM−FF Luc/RIαB融合物[Luc2.0(234〜544)−リンカーX−ヒトRIα(245〜381残基)−リンカーY−Luc2.0(4〜233)]をコードする発現ベクターに連結した。
A.(X=4、Y=4;pBFB56)及び(X=20、Y=20;pBFB58)アミノ酸残基のペプチドリンカーを有するCPM−FF Luc/RIαB融合タンパク質の合成
リンカー長(X=4、Y=4)を有する構築物を合成するために、プライマー5’−ATATAACTCGAGCGGAATGTATGAGGAATTCCTTAGTAAAGTCTCTATTTTAG−3’(配列番号94;BFB98)及び5’−AAAAAAGAGCTCCCGACAGACAGTGACACAAAACTGTTGTAC−3’(配列番号95;BFB99)を、RIαB DNA(Genbank Acc#BC036285)を増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素XhoI/SacIで消化し、XhoI/SacIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
リンカー長(X=20、Y=20)を有する構築物を合成するために、プライマー5’−ATTAAACCCGGGATGTATGAGGAATTCCTTAGTAAAGTCTCTATTTTAG−3’(配列番号96;BFB102)及び5’−AAAAAATCCGGACCCGACAGACAGTGACACAAAACTGTTGTAC−3’(配列番号97;BFB103)を、(Genbank Acc#BC036285からRIαB DNAを増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素SmaI/BspEIで消化し、NruI/AgeIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
B.(X=4、Y=4;pBFB56)及び(X=20、Y=20;pBFB58)アミノ酸残基のペプチドリンカーを有するCPM−FF Luc/RIαB融合タンパク質の機能評価
(X=4、Y=4;pBFB56)及び(X=20、Y=20;pBFB58)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIαB融合タンパク質のcAMP用量反応を、TNT(登録商標)T7 Coupled Reticulocyte Lysate System(Promega Corp.)を使用する発現に続いて測定した。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合した:
2400ng プラスミドDNA
60μL ウサギ網状赤血球抽出物
4.8μL TNT反応緩衝液
2.4μL T7ポリメラーゼ
2.4μL アミノ酸混合物
2.4μL rRNasin
dH2Oを合計容量120μLまで
30℃、1.5時間のインキュベーションに続いて各融合タンパク質を、TNT(登録商標)反応物9μLとcAMP保存液1μLとを組み合わせることによって様々な濃度のcAMP(最終濃度0、0.01、0.025、0.1、0.25、1、2.5、10、25及び100μM cAMP)とインキュベートした。室温、≧10分間の平衡化に続いて、試料1μLを各濃度のcAMP(90μL LAR+10μL cAMP保存液)を含有するLuciferase Assay Reagent(LAR;Promega Corp.)溶液100μLに加えた。発光をVeritas Microplate Luminometer(Turner Biosystems;program Bright−Glo)を使用して測定した。(X=4、Y=4;pBFB56)及び(X=20、Y=20;pBFB58)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/RIαB融合タンパク質は、ルシフェラーゼ活性について100μM cAMPで1.8の発光量比を示した。しかし、RIαBに基づくcAMPセンサーについての発光量比は、濃度≧0.025μMにおいてRIIβBに基づくセンサーの発光量比より低かった。(図17)。
(実施例9)
円順列置換熱安定性ルシフェラーゼ及びIIβ型PKA調節サブユニット由来Bドメインを利用するcAMPバイオセンサー
A.続くRIIβBの挿入のためのCPM−熱安定性Luc発現プラスミド(pBFB45)の合成
熱安定性ルシフェラーゼ(UltraGlo luciferase、Promega Corp.)を合成するために、プライマー5’−AATTAAGCTAGCGATCGCCATGACGTCAGCAATTTTAACGGTAATACC−3’(配列番号98;BFB88)及び5’−TTTTTTCTCGAGCCATTGGTGTGTTTTTCTAACATTTGTCTTAAC−3’(配列番号99;BFB89)を、234〜544残基をコードするホタルルシフェラーゼ断片のUltraGloルシフェラーゼ等価物(UltraGloルシフェラーゼ233〜543残基)を増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素NheI/XhoIで消化し、プラスミド中間体1を得るために、NheI/XhoIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。続いて、プライマー5’−AATTTTGAGCTCCGGTGATAAGAATATTTTATATGGGCCCGAAC−3’(配列番号100;BFB90)及び5’−AAAAAATCTAGAGTTTAAACGGGATTAATTGCGTTACCAAAAGTAG−3(配列番号101;BFB91)を、4〜233残基をコードするホタルルシフェラーゼ断片のヒカリコメツキ等価物(UltraGloルシフェラーゼ3〜232残基)を増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素SacI/XbaIで消化し、SacI/XbaIで消化した上記のプラスミド中間体1に連結した。
B.(X=4、Y=4;pBFB51)及び(X=20、Y=20;pBFB52)アミノ酸残基のペプチドリンカー長を有するCPM−熱安定性Luc/RIIβB融合タンパク質をコードするプラスミドの合成
リンカー長(X=4、Y=4)を有するCPM−熱安定性Luc/RIIβB融合タンパク質をコードするプラスミドを合成するために、プライマー5’−AAA AAA GTC GAC CGG AAT GTA TGA AAG CTT TAT TGA GTC ACT GCC−3’(配列番号102;BFB51)及び5’−AAA AAA GAG CTC CCA ACA ATA TCC ATG TTC GTT CCA AAC−3’(配列番号103;BFB20)を、ATCC10625233(Genbank ID BC075800)からRIIβB DNAを増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素SalI/SacIで消化し、XhoI/SacIで消化した上記、親CPM−熱安定性Luc発現プラスミド(pBFB45)に連結した。
リンカー長(X=20、Y=20)を有するCPM−熱安定性Luc/RIIβB融合タンパク質をコードするプラスミドを合成するために、プライマー5’−AAA AAA CCC GGG ATG TAT GAA AGC TTT ATT GAG TCA CTG CC−3’(配列番号104;BFB23)及び5’−AAA AAA TCC GGA CCC AAC AAT ATC CAT GTT CGT TCC AAA C−3’(配列番号105;BFB24)を、ATCC10625233(Genbank ID BC075800)からRIIβB DNAを増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素BspEI/SmaIで消化し、AgeI/NruIで消化した上記、親CPM−熱安定性Luc発現プラスミドに連結した。
C.(X=4、Y=4;pBFB51)及び(X=20、Y=20;pBFB52)アミノ酸残基のペプチドリンカーを有するCPM−熱安定性Luc/RIIβB融合タンパク質の機能評価
(X=4、Y=4;pBFB51)及び(X=20、Y=20;pBFB52)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−熱安定性Luc/RIIβB融合タンパク質のcAMP用量反応を、TNT(登録商標)T7 Coupled Reticulocyte Lysate System(Promega Corp.)を使用する発現に続いて測定した。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合した: 2400ng プラスミドDNA
60μL ウサギ網状赤血球抽出物
4.8μL TNT反応緩衝液
2.4μL T7ポリメラーゼ
2.4μL アミノ酸混合物
2.4μL rRNasin
dH2Oを合計容量120μLまで
30℃、1.5時間のインキュベーションに続いて各融合タンパク質を、TNT(登録商標)反応物9μLとcAMP保存液1μLとを組み合わせることによって様々な濃度のcAMP(最終濃度0、0.01、0.025、0.1、0.25、1、2.5、10、25及び100μM cAMP)とインキュベートした。室温、≧19分間の平衡化に続いて、試料1μLを各濃度のcAMP(90μL LAR+10μL cAMP保存液)を含むLuciferase Assay Reagent(LAR;Promega Corp.)溶液100μLに加えた。発光をVeritas Microplate Luminometer(Turner Biosystems;program Bright−Glo)を使用して測定した。X=4、Y=4アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−熱安定性Luc/RIIβB融合タンパク質(pBFB51)は、ルシフェラーゼ活性について100μM cAMPで1.5の発光量比を示した(図18)。しかし、X=20、Y=20アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−熱安定性Luc/RIIβB融合タンパク質(pBFB52)は、cAMPに反応しなかった(図18)。どちらの場合においても、CPM−熱安定性Luc/RIαBに基づくcAMPセンサーについてのルシフェラーゼ活性での発光量比は、濃度≧0.025μMにおいてホタルルシフェラーゼに基づくセンサーの発光量比より低かった。(図18)。
(実施例10)
CPMレニラルシフェラーゼ/RIIβBバイオセンサーを使用するcAMP濃度変化の細胞内検出(フォルスコリン滴定)
細胞培養
HEK−293細胞100μlを、96ウェルプレートに蒔き、70〜90%培養密度までHEPES緩衝液(Invitrogen)、10%FBSを含むDMEM/F12中で37℃、5%CO2で増殖させた。
トランスフェクション
細胞を、TransIt(登録商標)−LT1 Reagent(MIRUS)で、96ウェルプレートの1ウェル当たり、TransIt(登録商標)−LT1 reagent 0.3μL及びDNA((X=4、Y=20)のX/Yペプチドリンカー長を有するCPM−hRL/RIIβB cAMPバイオセンサー(201325.78.E5))0.15μgを使用してトランスフェクションした。細胞は、一晩増殖させ、翌日アッセイした。
バイオセンサーの調節
トランスフェクションの1日程度後、細胞をインキュベーターから出し、室温に平衡化させた。600μM EnduRen Live Cell Substrate(Promega)の10μl一定分量を、細胞培養物に合計100μLで加え、最終濃度60μM程度のセレントラジンを得た。次いで、細胞を室温で少なくとも15分間インキュベートした。室温での15分後、発光のベースライン測定を96−well Veritas Luminometer(Turner)を使用して、1ウェル当たり0.5秒間で測定した。次いで、細胞を0.025μM〜250μMフォルスコリン(Sigma)で誘導したか、又は、しなかった(0.1%DMSO、Sigma)、発光を約30分間継続的に測定した(図19)。試料は、フォルスコリンの濃度1種類当たり5回反復のセットで測定した。EC50は、GraphPad Prism for Windows(登録商標)、Version4を使用して算出した。
結果
(X=4、Y=20)(201325.78.E5)のX/Yペプチドリンカー長を有するCPM−hRL/RIIβB cAMPバイオセンサーをコードするDNAでトランスフェクトした細胞由来の、光出力は、フォルスコリンでの刺激に続いて増大した(図19)。最高レベルのフォルスコリンは、未処理の細胞の3.6倍の光出力を誘導した。加えて、フォルスコリン反応のEC50は、0.059μMであった(図19)。
(実施例11)
円順列置換ホタルルシフェラーゼ及びcGMP活性化プロテインキナーゼ(GKI−B)由来Bドメイン又はヒトホスホジエステラーゼ2A(PDE2A)を利用するcGMPバイオセンサー
cGMPは、様々な生理学的機能を、具体的には心臓血管系及び神経系において有する重要な細胞二次メッセンジャーである。cGMPセンサーのシリーズは、円順列置換ホタルルシフェラーゼをcGMP結合ドメインに融合することによって調製した。
A.(X=4、Y=4)及び(X=10、Y=10)アミノ酸残基のペプチドリンカーを有するCPM−FF Luc/GKI−B融合タンパク質をコードするプラスミドの合成
リンカー長(X=4、Y=4)を有する構築物を合成するために、プライマー5’−AAAAAACTCGAGCGGATTAAAAAGCGTTCCAACATTCCAG−3’(配列番号106;BFB151)及び5’−AAAAAAGAGCTCCCAGACAGCTTCAGGTTGGCGAAG−3’(配列番号107;BFB163)を、ヒトGKI−B DNA(Origene、cat#TC116252;Genbank Acc#NM_006258)、すなわち、231から350残基(pBFB164、pBFB165)、又は231から373残基(pBFB171、pBFB172)に対応するDNAを増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素XhoI/SacIで消化し、XhoI/SacIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
リンカー長(X=10、Y=10)を有する構築物を合成するために、プライマー5’−AAAAAATCCGGATTAAAAAGCGTTCCAACATTCCAG−3’(配列番号108;BFB153)及び5’−AAAAAAAGGCCTGACAGCTTCAGGTTGGCGAAG−3’(配列番号109;BFB164)を、ヒトGKI−B DNA(Origene、cat#TC116252;Genbank Acc#NM_006258)を増幅するために使用した。得られた産物を制限酵素BspEI/StuIで消化し、BspEI/ZraIで消化した親CPM−FF Luc発現プラスミド(pBFB8)に連結した。
B.(X=4、Y=4)及び(X=10、Y=10)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/GKI−B融合タンパク質の機能評価
(X=4、Y=4)及び(X=10、Y=10)アミノ酸残基のX/Yリンカー長を有するCPM−FF Luc/GKI−B融合タンパク質について100μM cGMPの存在下及び非存在下でのルシフェラーゼ活性を、TNT(登録商標)T7 Coupled Reticulocyte Lysate System(Promega Corp.)を使用する発現に続いて測定した。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合した:
400ng プラスミドDNA
10μL ウサギ網状赤血球抽出物
0.8μL TNT反応緩衝液
0.4μL T7ポリメラーゼ
0.4μL アミノ酸混合物
0.4μL rRNasin
dH2Oを合計容量20μLまで
30℃、1時間のインキュベーションに続いて各融合タンパク質を、TNT(登録商標)反応物9μLと1mM cGMP保存液又はdH2O 1μLとを組み合わせることによって、100μMのcGMPの存在下又は非存在下でインキュベートした。室温、≧10分間でのインキュベーションに続いて、試料1μLをLuciferase Assay Reagent(LAR;Promega Corp.)溶液100μL+/−100μM cGMP(LAR 90μL+1mM cGMP保存液又はdH2O 10μL)に加えた。発光をVeritas Microplate Luminometer(Turner Biosystems;program Bright−Glo)を使用して測定した。リンカー長(X=4、Y=4)を有するCPM−FF Luc/GKI−B融合タンパク質(pBFB171)は、100μM cGMPの存在下でルシフェラーゼ活性について1/2倍の減少を示した。加えて、リンカー長(X=10、Y=10)を有するCPM−FF Luc/GKI−B融合タンパク質(pBFB172)は、100μM cGMPの存在下でルシフェラーゼ活性について2/3倍の減少を示した。
Figure 0005746125
C.CPM−FF Luc/ヒトホスホジエステラーゼ2Aをコードするプラスミドの合成(PDE2A;Genbank NM_002599:アミノ酸416〜549残基)
それぞれ234及び233残基で工学的に操作されたN及びC末端を有する円順列置換ホタルルシフェラーゼ構築物をコードするDNA配列を、RIIβBドメインと比較して異なるタンパク質折りたたみを有するヒトPDE2Aをコードする配列に融合した[Met−(Luc2.0 234〜544)−(リンカーX)−(ヒトPDE2A 416〜549)−(リンカーY)−(Luc2.0 4〜233)−Val]。ヒトPDE2A由来のcGMP結合ドメインは、GAFドメインと称される低分子結合単位の大きなファミリーに属している。構築物は、(pBFB167;X=4、Y=4)、(pBFB168;X=10、Y=10)及び(pBFB169;X=20、Y=20)アミノ酸残基のX/Yリンカー長で作製した(図21)。PDE2Aに基づくバイオセンサーは、T7 Coupled Reticulocyte Lysate Systemを使用するin vitroでの発現に続いて、100μM cGMPの存在下での発光活性において、(pBFB168;X=10、Y=10)及び(pBFB169;X=20、Y=20)アミノ酸リンカーを有する構築物について2及び11の発光量比で同定された(図22)。さらに、これらのバイオセンサーのcGMPによる活性化が、T7 Coupled Reticulocyte Lysate Systemを使用する発現に続く別々の実験において、cAMPよりも容量依存性であり、且つ選択的であることが見出された(pBFB169;図23)。
したがって、これらのcGMPセンサーは、in vitro cGMP濃度の変化の検出について有用であり、これらのバイオセンサーは、細胞培養実験又は動物全体をイメージングする研究における使用のための生存細胞におけるcGMPの濃度変化を検出するために有用である可能性がある。
(実施例12)
ルシフェラーゼカルシウムバイオセンサー
カルシウムセンサーは、それぞれ234残基及び233残基で工学的に操作されたN及びC末端を有する円順列置換ホタルルシフェラーゼをコードする配列を、カルシウムに結合するタンパク質ドメインをコードする配列に融合することによって調製した。1つの型のカルシウムバイオセンサーは、速筋型ニワトリ骨格筋トロポニンC(TnC)の突然変異体(アミノ酸15〜163;N109D、D111N、N145D、D147N;Genbank NM_205450)[Met−(Luc2.0 234〜544)−(リンカーX)−(TnC)−(リンカーY)−(Luc2.0 4〜233)Val]を利用し、第二の型のカルシウムバイオセンサーは、ヒトカルモジュリン(CaM)(アミノ酸5〜148;Genbank BC005137)[Met−Luc+(234〜544)−(リンカーX)−ヒトカルモジュリン(5〜148)−(リンカーY)−Luc+(4〜233)]を利用する。
様々なX/Yペプチドリンカー長を有するCPM−FF Luc/TnC及びCPM−FF Luc/CaM構築物を、T7 Coupled Reticulocyte Lysate Systemを使用してin vitroで発現させた(pBFB225、pBFB226、pBFB227、pBFB7;図24)。反応物に、次いで10mM CaCl2、又は10mM EDTAに加えて2.5mM EGTAを補充した。最大反応は、X=LEGSGGGG(配列番号306)且つY=GGGGSGPW(配列番号307)である(X=8、Y=8;pBFB7)を有するCPM−FF Luc/CaMバイオセンサーについて、カルシウム存在下で発光活性が60分の1未満に減少することで観察された。低い強度であるが、同様の反応が異なるX/Yペプチドリンカー長を有するCPM−FF Luc/CaM構築物(pBFB225、pBFB226、pBFB227)について観察された。ランダム42アミノ酸リンカーを有する対照構築物又は野生型ホタルルシフェラーゼについては、反応は、観察されなかった(pBFB8及びpBFB22;図25)。
これらのバイオセンサーは、in vitro及び生体細胞内のカルシウム濃度の変化の検出について有用である可能性がある。
(実施例13)
ホタルルシフェラーゼ中の改変の多重部位を使用するcAMPバイオセンサー
円順列置換などの改変の追加的部位を、ホタルルシフェラーゼバイオセンサー、例えばcAMPバイオセンサーの開発のために使用できる。上記cAMPバイオセンサーは、一次構造が、Met−(Luc2.0 234〜544残基)−GSSGGSGGSGGG−RIIβB−(Luc2.0 4〜233残基)−Val(配列番号184;RIIβBは、ヒトIIβ型PKA調節ドメイン266〜414アミノ酸由来のB cAMP結合ドメイン)を有するホタルルシフェラーゼの円順列置換突然変異体を使用して調製した。類似の構築物を、追加的残基で円順列置換ホタルルシフェラーゼ突然変異体を使用して調製した。結果として、以下の型:Met−(Luc2.0 X−544残基)−GSSGGSGGSGGG−RIIβB−(Luc2.0 4−Y)−Val(GSSGGSGGSGGGは、配列番号121に対応する;図26に、様々な構築物についてのX/Y値を示す)の融合タンパク質をコードする23種の独立した構築物を検査した。これらの各構築物について、255残基での円順列置換を有する構築物は除き、部位は、円順列置換のためにPDBファイル1LCI(http://www.rcsb.org/pdb/home.do)を使用して、ベータシート又はアルファヘリックスなどの二次構造によって境界付けられた、溶媒暴露表面のループ中で選択した。溶媒暴露表面のループは、円順列置換などの改変の部位として、タンパク質の核中に埋まっている部位又はアルファ若しくはベータ構造中に含まれる部位よりもさらに改変され易い可能性がある。このことは、255での円順列置換を有する構築物について観察される活性の欠失によって支持される、ここでTyr255は、タンパク質の核中に埋まっているアルファヘリックスの構成要素である。構築物のこのコレクションは、1LCI結晶構造において明らかになった多数であるが、全てではない表面を代表している。
TNT T7 Coupled Reticulocyte Lysate Systemを使用した発現に続いて、発光活性がルミノメーターのバックグラウンド検出レベルを超えており、且つ100μM cAMPの存在下での発光量比が2倍を超えていた円順列置換の多数の異なる部位を同定した(CPM部位:37、47、75、83、107、144、160、188、225、233、242、268、308、358、377、403及び490)。加えて、本実験で200倍を超える最大活性化比値を有し、発光活性における発光量比がCPM233を超えている構築物を同定した。選択された構築物をコードしているDNAを、CMVプロモーター(pF9A;Promega Corp.)を含む哺乳類発現ベクターに遺伝子導入した。構築物は、:pBFB317(CPM部位268)、pBFB318(CPM部位358)、pBFB319(CPM部位47)、pBFB321(CPM部位225)、pBFB322(CPM部位233)、pBFB325(CPM部位308)、pBFB326(CPM部位377)、pBFB327(CPM部位403)、pBFB328(CPM部位75)、pBFB329(CPM部位83)(X、Y値については図26を参照)であった。様々なMet−(Luc2.0 X−544残基)−GSSGGSGGSGGG−RIIβB−(Luc2.0 4−Y残基)−Val(GSSGGSGGSGGGは、配列番号121に対応する)構築物をコードするDNAでの一過性トランスフェクションに続いて、HEK293細胞を50μMフォルスコリンで、内在性アデニルシクラーゼを活性化するために処理した。16分間のインキュベーションに続いて、生体細胞集団からの発光を測定した。予想された通り、様々な構築物が生体細胞内でcAMPバイオセンサーとして機能した。興味深いことに、細胞内で最も高い発光量比を示した構築物は、in vitroで最も高い発光量比を有したものと同じ構築物ではなかった(図27〜28を比較)。
(実施例14)
非順列置換レニラルシフェラーゼcAMPバイオセンサー
本明細書において記載の通り、円順列置換レニラルシフェラーゼ構築物をバイオセンサーとして採用できる。改変に耐性である部位、例えば91/92、223/224又は229/230残基の間に挿入されたRIIβBを有する非順列置換レニラルシフェラーゼ構築物を調製した。構築物は、上記に記載の通り生成した。それらは、hRL(1〜91)−4アミノ酸ペプチドリンカー−RIIBetaB−4アミノ酸ペプチドリンカー−hRL(92〜311)(201360.17.A3)、hRL(1〜91)−4アミノ酸ペプチドリンカー−RIIBetaB−20アミノ酸ペプチドリンカー−hRL992〜311)(201360.17.A12)、hRL(1〜91)−10アミノ酸ペプチドリンカー−RIIBetaB−4アミノ酸リンカー−hRL(92〜311)(201360.17.D7)、hRL(1〜91)−42アミノ酸ペプチドリンカー−hRL(92〜311)(201325.165.A2)、hRL(1〜223)−4アミノ酸ペプチドリンカー−RIIBetaB−4アミノ酸リンカー−hRL(224〜311)(201360.24.A1)、hRL(1〜223)−4アミノ酸ペプチドリンカー−RIIBetaB−20アミノ酸リンカー−hRL(224〜311)(201360.24.A10)、hRL(1〜223)−10アミノ酸ペプチドリンカー−RIIBetaB−4アミノ酸リンカー−hRL(224〜311)(201360.24.C5)、hRL(1〜223)−10アミノ酸ペプチドリンカー−RIIBetaB−20アミノ酸リンカー−hRL(224〜311)(201360.24.E11)、hRL(1〜223)−42アミノ酸ペプチドリンカー−hRL(224〜311)(201325.17.B7)、hRL(1〜229)−4アミノ酸ペプチドリンカー−RIIBetaB−4アミノ酸リンカー−hRL(230〜311)(201360.19.E9)、hRL(1〜229)−4アミノ酸ペプチドリンカー−RIIBetaB−20アミノ酸リンカー−hRL(230〜311)(201360.54.A1)、hRL(1〜229)−42アミノ酸ペプチドリンカー−hRL(230〜311)(201325.165.C5)(図29)であった。
タンパク質は、TnT T7 Coupled Wheat Germ Lysate Systemを使用して構築物から発現させ、TNT反応物17μLを、1mM cAMP保存液又はdH2O 3.4μLを補充した300mM HEPES/200mMチオ尿素(pH約7.5)17μLと混合した;反応物を、10分間程度室温でインキュベートした。各試料10μLを96ウェルプレートのウェルに3回反復で加え、発光をGlomax luminometer上でRenilla luciferase assay reagent 100μLを使用して測定した。
hRL(1〜91)−リンカー−RIIbetaB−リンカー−hRL(92〜311)タンパク質は、約12から23倍誘導され、hRL(1〜223)−リンカーRIIbetaB−リンカー−hRL(224〜311)タンパク質は、誘導されず、hRL(1〜229)−リンカー−RIIBetaB−(230〜311)タンパク質は、約2から9倍誘導された。42アミノ酸リンカー構築物で誘導されたものは無く、全長レニラルシフェラーゼ構築物(201325.50.A7)又は「DNA不含有」対照も誘導されなかった(図30)。
(実施例15)
光出力及び発光量比は、CPM−hRL91 Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーについてX/Yペプチドリンカー長の関数として変化する
可変のX/Yペプチドリンカー長を有するCPM−hRL91 Luc/RIIβBに基づくcAMPセンサーをコードする構築物を生成した(図31)。タンパク質は、TnT T7 Coupled Wheat Germ Lysate Systemを使用して構築物から発現され、TNT反応物17μLを、1mM cAMP保存液又はdH2Oを3.4μL補充した300mM HEPES/200mMチオ尿素(pH約7.5)17μLと混合した;反応物を、10分間程度室温でインキュベートした。各試料10μLを96ウェルプレートのウェルに3回反復で加え、発光をGlomax luminometer上でRenilla luciferase assay reagent 100μLを使用して測定した。図32に示す通り、光出力及び発光量比は、リンカー長で変化した。発光量比は、約87から331の範囲であった。42アミノ酸リンカー構築物、全長レニラルシフェラーゼ構築物及び「DNA不含有」対照は、誘導されなかった(図32)。
(実施例16)
円順列置換レニラルシフェラーゼ及びIα型PKA調節サブユニット由来Bドメイン又はGAFドメインを利用するcAMPバイオセンサー
ヒトIα型PKA調節サブユニット由来のBドメイン(RIαB)をコードするDNAを、CPM−hRL91 Luc/RIαB融合物[hRL(92〜311)−リンカーX−ヒトRIα(245〜381残基)−リンカーY−hRL(1〜91)];(X=4、Y=20;pBFB210)、(X=4、Y=4;pBFB211)、(X=10、Y=10;pBFB212)及び(X=20、Y=20;pBFB213)をコードする発現ベクターに連結した(図33)。タンパク質は、TnT T7 Coupled Wheat Germ Lysate Systemを使用して構築物から発現させ、TNT反応物17μLを、1mM cAMP保存液又はdH2O 3.4μLを補充した300mM HEPES/200mMチオ尿素(pH約7.5)17μLと混合した;反応物を、10分間程度室温でインキュベートした。各試料10μLを96ウェルプレートのウェルに3回反復で加え、発光をGlomax luminometer上でRenilla luciferase assay reagent 100μLを使用して測定した。図34に示す通り、光出力及び発光量比は、リンカー長と共に変化した。発光量比は、約2.8から6.8の範囲であった。42アミノ酸リンカー構築物(201325.15.A1)、全長レニラルシフェラーゼ構築物(201325.50.A7)及び「DNA不含有」対照は、誘導されなかった(図34)。
追加的な型のcAMPバイオセンサーは、円順列置換レニラルシフェラーゼ(hRL)及びGAFドメインを使用して構築した。プラスミドDNA構築物は、以下の融合タンパク質をコードする:Met−(hRL92〜311)−GSSGGSGGSGGGSGGSGGSG−(トリパノソーマ ブルセイ(Trypanosoma brucei)PDE由来GAF Aドメイン;Genbank AF192755 241〜375アミノ酸)−GSGGSGGSGGTSGGSGGSSG−A−(hRL3〜91)−Val(配列番号185)[クローンpBFB232]。T7 Coupled Reticulocyte Lysate Systemを使用した発現に続いて、発光活性を外因性cAMPの存在下又は非存在下で測定した。cAMPの存在下において測定された活性は、7595RLU;cAMPの非存在下において測定された活性は298RLU(約25倍変化)であった。これらの結果は、追加的ドメインをバイオセンサーの生成においてCPM hRL構築物中で使用できることを示唆している。この型の試薬は、生体細胞中のcAMP濃度の変化のモニタリングを可能にでき、そのアッセイ形式において既存のFRETに基づくcAMPバイオセンサーを超える明確な利点も提供できる。さらに、GAFドメインは、広範な分子の結合に関与する天然において高度に保存された折りたたみであることから、この折りたたみを使用して追加的な型のCPM hRLバイオセンサーを作製できる可能性がある。
(実施例17)
レニラルシフェラーゼ中の改変の多重部位を使用するcAMPバイオセンサー
一次構造Met−(hRL92〜311)−GSTG−RIIβB−GSGGSGGSGGTSGGSGGSSG(hRL2〜91)−Val(配列番号186;RIIβBは、IIベータ型ヒトPKA調節ドメインアミノ酸266〜414由来のB cAMP結合ドメイン)を有するレニラルシフェラーゼの円順列置換突然変異体を有するcAMPバイオセンサーは、cAMPへの結合で発光活性の増大を示した。類似構築物、「分断(split)」タンパク質又は円順列置換タンパク質のいずれも、追加的な残基で改変されたレニラルシフェラーゼ突然変異体を使用して生成できる。結果として、以下の型:Met−(hRL X−311)−GSTG−RIIβB−GSGGSGGSGGTSGGSGGSSG(hRL2−Y)−Val(GSTGは、配列番号122に対応し、:GSGGSGGSGGTSGGSGGSSGは、配列番号123に対応する)の融合タンパク質をコードする14個の独立した円順列置換構築物を検査した。以下の表は、14個の構築物についてのX/Y値を提供する。
Figure 0005746125

これらの構築物のうち4つを除く全てについて、部位は、1BN6(ロドコッカスsp(Rhodococcus sp))及び2DHD(キサントバクター・アウトロフィカス(Xanthobacter autotrophicus))ハロアルカンデハロゲナーゼ結晶構造を鋳型として使用する、レニラルシフェラーゼの相同性モデルを円順列置換のために使用して、溶媒暴露表面のループ中で選択した。溶媒暴露表面のループは、例えば円順列置換などの改変の部位として、タンパク質の核中に埋まっている部位又はアルファ若しくはベータ構造中に含まれる部位よりもさらに改変され易い可能性がある。この仮説は、255での円順列置換を有するホタルルシフェラーゼ構築物について観察される活性の欠失によって支持される、ここでTyr255は、タンパク質の核中に埋まっているアルファヘリックスの構成要素である。構築物のこのコレクションは、相同性モデル構造において明らかになった、全てではないが、いくつかの表面を代表している。4つのCPM部位:91、111、223及び229は、既報(Kaiharaら、2003年、Remyら、2005年及びPaulmuruganら、2003年)に基づいて選択した。構築物は、TNT T7 Coupled Reticulocyte Lysate System又はTnT T7 Coupled Wheat Germ Extract Systemを使用して発現させ、in vitroで検査した(図35及び36)。
結果は、円順列置換の異なる多数の部位を、cAMPバイオセンサーなどのバイオサンサーを生成するために使用できることを示唆している。円順列置換の代替部位は、活性の非誘導/誘導でのレベルが91での円順列置換を有する初期構築物(CPM91)を超えたことで同定した。加えて、構築物は、発光活性における発光量比がCPM91を超えた場合に同定した。加えて、大腸菌(E.coli)中で発現された場合のCPM91の非常に低い溶解性により、追加的な構築物は、この構築物と比較して増大した溶解性について検査される。増大した溶解性は、cAMP検出試薬などのin vitroバイオセンサーの開発を促進する可能性がある。
結果は、多数の部位が、円順列置換のために有用でないことも示唆している。169から274残基の間の全ての部位は、低く誘導された及び誘導されない活性を有し、発光活性における発光量比は、約2倍又はそれより低かった。
構築物は、in vitro発現(T7プロモーター)及び哺乳類発現(CMVプロモーター)の両方を可能にするベクター骨格(pF5A;Promega Corp.)中に設計した。様々なMet−(hRL X−311残基)−GSTG−RIIβB−GSGGSGGSGGTSGGSGGSSG−(hRL 2−Y残基)−Val(GSTGは、配列番号122に対応する;GSGGSGGSGGTSGGSGGSSGは、配列番号123に対応する)構築物(pBFB276、pBFB277、pBFB278、pBFB279、pBFB280、pBFB287)をコードするDNAでの一過性トランスフェクションに続いて、HEK293細胞を内在性アデニルシクラーゼを活性化するために100μM フォルスコリンで処理した。14分間のインキュベーションに続いて、発光を生体細胞集団から測定した。予想された通り、様々な構築物が生体細胞内でcAMPバイオセンサーとして機能した。興味深いことに、構築物CPM31は、in vitroで最も高い発光量比を示したが、細胞内ではそうではなかった。しかし一般的には、光出力及び発光量比は、in vitro及びin vivoで類似の傾向を示した(図37)。
(実施例18)
多数の異なる遺伝子構築物を、分泌シグナルとして作用するN末端ペプチド17アミノ酸を欠失しているガウシアルシフェラーゼ(Gluc)(Genbank AAG54095;アミノ酸18〜185)を使用するバイオセンサーの作製の可能性を検査するために調製した。N末端シグナルペプチドを有するか又は有さないガウシアルシフェラーゼは、生体細胞から測定した場合に他のルシフェラーゼと比較してさらに強い光強度を与えると報告されている(Tannousら、2005年;Remyら、2006年)。加えて、Glucの断片は、タンパク質相補性の系において使用されており(「110アミノ酸残基でのGluc分断(Gluc split at amino acid residue 110)」Remyら、2006年);したがって、Glucもこの部位又は他の部位で円順列置換され易い可能性がある。
Gluc cAMPバイオセンサーを調製するために、タンパク質の二次構造予測を、Gluc円順列置換の様々な部位を選択するために使用した:Met−(Gluc A−185)−(リンカーX)−(ヒトRIIbetaB Genbank BC075800 266〜414アミノ酸残基)−(リンカーY)−(Gluc 18−B)。
Figure 0005746125

ここで、様々なリンカー組合せが有する配列:
Figure 0005746125
Gluc cAMPに有用な部位は、この円順列置換の部位を使用する他の分子についてのバイオセンサーを生成するために置換できる。さらに、カイアシ類ルシフェラーゼにおいて円順列置換され易い部位は、メトリディア・ロンガ(Metridia longa)由来のルシフェラーゼなどの他のカイアシ類ルシフェラーゼにおいて有用である可能性がある。
(実施例19)
細胞に基づくGPCRアッセイの方法は、細胞内シグナル伝達事象の直接検出を含みうる。最も成功したのは、細胞内カルシウムのリアルタイムモニタリングのための蛍光色素又はエクオリンを使用する方法である。しかし、類似の技術は、細胞内cAMPダイナミクスの検出が欠けている。プロテインキナーゼAのアロステリックRIIβB cAMP結合ドメインを有する円順列置換ホタルルシフェラーゼは、cAMPの濃度に比例して光を発することができるセンサーである。このセンサーを使用する生体細胞、ゼロステップGPCRアッセイは、安定に、又は一過性にトランスフェクトした細胞系を使用してcAMP濃度変化の動的な検出を可能にする。加えて、in vitroでのcAMPの検出のためのシングルステップの同種のアッセイ形式を開発することが可能である(図38)。
「CPM−FF Luc/RIIβB」と称されるバイオセンサーのクラスでの、pBFB135由来のORFを、以下に記載する一過性の及び安定な細胞系を生成するために使用した。これらの細胞系は、「CP234−Luc/RIIB」、「cAMP LucSensor」、「LucSensor」及び「FF cAMP Sensor」と称される。
CP234−Luc/RIIB(pBFB135由来ORF)を安定に発現するHEK293細胞を、完全培地に再懸濁し、5mMルシフェリン−EFと混合した。細胞を96ウェルプレートに1ウェル当たり細胞1×105個で蒔き、1.5時間、室温に平衡化した。フォルスコリンでの刺激後、15分で発光を、GloMax(商標)Luminometerを使用して測定した。結果は、本アッセイがフォルスコリンについて0.36μMのEC50値を生じたことを示した(図38)。
Z’測定のために、384ウェルプレートに1ウェル当たり細胞2×104個を分注し、同様の手順で平衡化した。プレートの半分は、20μMフォルスコリンで誘導したが、残りの半分は誘導しなかった。発光を誘導の15分後にTECAN GENios Pro(商標)luminometerを使用して捕捉した。誘導の比は、6.1であり、Z’は、0.83であった。Z’が0.5を超えるアッセイは、ハイスループットのスクリーニング(HTS)のために良い品質であると考えられることから、cAMPバイオセンサーに基づくアッセイはHTSに適している。
ドーパミンD1受容体を安定に発現するHEK293細胞を、CP234−Luc/RIIB又はR361K突然変異体(cAMP結合ドメイン中に突然変異)(それぞれpBFB135及びpBFB147由来のORF)をコードするプラスミドDNAで一過性にトランスフェクトした。細胞を既に記載の通りルシフェリン−EFと共にプレートに蒔き、平衡化し、LOPACライブラリー(プレート6)由来の化合物を各ウェルに加えた(10μM)。50分間のインキュベーションに続いて、プレートをTECAN GENios Pro(商標)luminometerで読み取った。ルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイ(CRE反応エレメント)を使用することでも同定されたヒットを赤で示す(図39)。cAMPバイオセンサーアッセイによって同定されたほとんどのヒットは、CRE−Lucレポーターアッセイによって同定されたヒットと相関しており、cAMPバイオセンサーGPCRアッセイの生物学的な妥当性を確認している。
細胞は、ルシフェリン−EFと共にプレートに蒔き、平衡化し、次いで化合物の添加後40分で発光をGloMax(商標)Luminometerを使用して測定した。cAMPバイオセンサーアッセイを使用して導いた薬物動態学的パラメータ、EC50及びIC50値は、他の方法を使用した文献における報告と良く相関し、再度cAMPバイオセンサーGPCRアッセイの生物学的な妥当性を確認している(図40)。
反応は、異なる温度で(図42)、並びに様々なアゴニスト及びアンタゴニストと共に(図43)インキュベートした細胞においても検査した。cAMP LucSensor(pBFB135由来のORF)及びドーパミンD1受容体を発現しているHEK293細胞を、ルシフェリンと共に1.5時間、室温又は37℃でインキュベートし、次いでアゴニスト又はアンタゴニストと接触させた。反応をルミノメーターで測定した。細胞を生理学的条件下、例えば37℃及びCO2でインキュベートした場合に、化合物へのさらに迅速且つ動的な反応があった。37℃での結果は、細胞内cAMP動態について予想されたものと質的に類似していた。室温では、大規模スクリーニングに有用でありうる、低いダイナミックレンジで遅い反応であった。
図44は、cAMP LucSensorで安定にトランスフェクトし、且つ異なる量のドーパミンと接触させた細胞における発光量比の時間経過を示している。結果は、系が、生体細胞中でリアルタイムでのcAMP動態のモニタリングを可能にすることを示している。さらに図45の結果は、系が、化合物の有効性の評価を可能にしており、それが異なる時点で比較的一致していることを示している。図46は、有効性順位(EC50)及び様々なアゴニストに対する結果を提供し、いくつかの化合物が部分的にアゴニストであることを示している。アンタゴニスト有効性(IC50)についてのデータを図47に示す。
cAMP LucSensorは、既に宿主細胞で発現されたGPCR(内在性GPCR)の調節の測定にも使用できる。一例を、ベータ2−アドレナリン受容体を発現しており、且つcAMP LucSensorで安定的にトランスフェクトしたHEK293細胞を使用して示す。ドーパミン受容体についての記載と同様の手順に従って、図48〜49は、様々なアゴニスト及びアンタゴニストの有効性順位をそれぞれ示した。
3種の生物発光のGPCRアッセイの比較を実施した。これらのアッセイの結果及びアゴニストを、図50に示す。アンタゴニストでの3種の生物発光のアッセイの結果を図51に示す。検査した化合物についての順位は、3種全てのアッセイにおいて同じであった。
cAMP存在下でのcAMP LucSensorの発光の増大は、「開(open)」から「閉(closed)」への立体構造変化における効率の増大の結果である可能性がある。
ドーパミンD1受容体を安定に発現しているHEK293細胞を、CMVプロモーター(201325.78.E5)又はTKプロモーター(201325.44.H6)の下でCPM−hRL Luc/RIIβB X=4、Y=20をコードするプラスミドDNAでも一過性にトランスフェクトし、次いで、フォルスコリン、SKF38393又はドーパミンのいずれかで刺激した。野生型レニラルシフェラーゼ及びRIIβBドメインを含まないCPM−hRL Lucも、検査し、cAMP調節に特異的な反応を示さなかった(データは未記載)。細胞は、T75フラスコ中でTransIt(登録商標)−LT1 Reagent(MIRUS)で、フラスコ1個当たり、TransIt(登録商標)−LT1 reagent 60μL及びDNA 30μgを使用してトランスフェクトし、一晩増殖させ、翌日にアッセイした。トランスフェクションから1日程度後、細胞をインキュベーターから出し、トリプシン処理し、カウントし、且つ1ウェル当たり細胞10000個を96ウェルプレート中の10% FBS及び60μM EnduRen Live Cell Substrateを含むDMEM/F12(HEPES緩衝液、Invitrogen)に蒔いた。EnduRen Live Cell Substrate(Promega)をDMSO 100μLに再構成し、あらかじめ温めた完全培地に最終濃度60μMで加えた。次いで細胞を少なくとも1時間、37℃でインキュベートし、次いで室温に冷ました。室温で15分後、発光のベースライン測定を、96ウェルGloMax(商標)Luminometerを使用して1ウェル当たり0.5秒間で行った。次いで、細胞をフォルスコリン(Sigma)、SKF38393(Sigma)、ドーパミン(Sigma)の完全培地中に作製した10×保存液で誘導したか、又は、誘導せず(0.1%DMSO(Sigma))、発光を約30分間継続的に測定した。フォルスコリン、ドーパミン又はSKF38393の1濃度当たり4回反復のセットで試料を測定した。EC50データは、インダクションの15分後で表しており、GraphPad Prism for Windows(登録商標)、Version4を使用して算出した。
CPM−FF Luc/RIIβBバイオセンサーと同様に、CPM−hRL Luc/RIIβB X=4、Y=20バイオセンサー(201325.44.H6及び201325.78.E5)を使用して導いたEC50値は、他の方法を使用した文献における報告と良く相関し、再度cAMPバイオセンサーGPCRアッセイの生物学的な妥当性を確認している(図52A〜D)。
(実施例20)
CPM−hRL Luc/RIIβB cAMPバイオセンサーを使用するcAMP濃度変化の細胞内検出
細胞培養
細胞は、HEPES緩衝液(Invitrogen)及び10%FBSを含むDMEM/F12 2ml中に37℃、5%CO2で6ウェルプレートで培養した。
プラスミド
実施例17に記載の3種の構築物をcAMP濃度の細胞内変化の検出に使用した。使用した構築物は、pBFB277、pBFB279及びpBFB287であった。CPM91−hRL/RIIβB(201325.44.H6由来のORFを安定的に発現するHEK293細胞をこれらの実験にも使用した。
トランスフェクション
HEK293細胞を、TransIt(登録商標)−LT1 Reagent(MIRUS)で、6ウェルプレートの1ウェル当たり、TransIt(登録商標)−LT1 reagent 6μL及びDNA(pBFB277、pBFB279及びpBFB287)2μgを使用してトランスフェクションした。細胞は、一晩増殖させ、翌日アッセイした。
バイオセンサーの調節
トランスフェクションの1日程度後、細胞をトリプシン処理し、1%FBS、HEPES緩衝液(Invitrogen)を含む新鮮DMEM/F12中に再懸濁し、1ウェル当たり細胞10000個程度で96ウェルプレートに蒔いた。別法として、CP91−hRL/RIIβBを安定に発現するHEK293細胞系を1ウェル当たり細胞10000個程度で96ウェルプレートに蒔いた。600μM EnduRenの10μL一定分量を細胞培養物の合計100μLに加え、最終濃度5.5μM程度のEnduRenを得た。細胞を次いで37℃、5%CO2でインキュベートした。5時間後、プレートをインキュベーターから出し、少なくとも20分間室温に冷却した。20分後、発光のベースライン測定値を96ウェルVeritas Luminometer(Turner Biosystems;1ウェル当たり0.5秒間の積分時間)を使用して測定した。次いで、細胞を10μMイソプレテレノール(CalBiochem)、50μMフォルスコリン(Sigma)で誘導したか、又は、誘導せず(0.1%DMSO、Sigma)、発光を約30分間継続的に測定した。30分後、10μMプロプラノロール(Sigma)を既にイソプレテレノールで誘導した細胞に加え、他の全ての試料には、0.1%DMSOを加えた。続く30分間、発光を継続的に測定した。50μM フォルスコリンの最後の添加をイソプレテレノール/プロプラノロール試料に加え、他の全ての試料に0.1%DMSOを加えた。次いで、続く半時間、発光を継続的に測定した。試料は、4〜6回反復のセットで測定した。イソプレテレノール、プロプラノロール、フォルスコリン及びDMSOの10×保存物は、HEPES緩衝液(Invitrogen)及び1%FBSを含むDMEM/F12中に作製した。
結果
cAMPの細胞内濃度の変化を測定するために、HEK293細胞を3種のCPM−hRL Luc/RIIβB(X=4、Y=20)構築物(レニラルシフェラーゼの異なる配列位置で円順列置換した)で一過性にトランスフェクトし、続いて、GPCR活性化を通じて細胞内cAMP濃度を増大させる(イソプレテレノール、β−アドレナリン受容体アゴニスト)、GPCR阻害を通じて細胞内cAMP濃度を減少させる(プロプラノロール、β−アドレナリン受容体アンタゴニスト)又はアデニルシクラーゼの活性化を通じて細胞内cAMP濃度を増大させる(フォルスコリン)ことが既知である化合物で処理した。イソプレテレノール処理及びフォルスコリン処理の両方は、細胞内cAMP濃度の増大を反映して、トランスフェクトした細胞からの光出力を単独で2倍程度増大させた(図53)。加えて、cAMP濃度の変化への時間的変化が、イソペルテレノールに続いてプロプラノロール、続いてフォルスコリンで細胞を処理することによって観察された(図53)。レニラルシフェラーゼバイオセンサーを使用するcAMP調節の検出も、CPM91−hRL/RIIβBを安定的に発現するHEK293細胞において示された。これらのデータは、イソプレテレノール及びフォルスコリンでの処理への反応において光出力の約5倍の増大を示した(図53)。一過性にトランスフェクトした細胞と同様に、cAMP濃度の変化への時間的変化が、細胞をイソペルテレノールに続いて、プロプラノロール、続いてフォルスコリンで処理することによって観察された(図53)。
(実施例21)
順列置換していないホタルルシフェラーゼcAMPバイオセンサー
改変に寛容である部位、例えば233/234、355/359、82/83及び307/308残基の間に直接挿入したRIIβBを有する、様々な順列置換していないホタルルシフェラーゼ構築物を調製した。以下の融合タンパク質をコードするDNAをベクターpF9Aにクローニングした:
Figure 0005746125
タンパク質は、これらの構築物からTnT T7 Coupled Reticulocyte Lysate Systemを使用して発現させた。発現に続いて、TNT反応物9μLを、1mM cAMP保存液又はH2O 1μLと混合し、反応物を15分間程度室温でインキュベートした。インキュベーションに続いて、溶液2μLを96ウェルプレートの個々のウェルに3回反復で分注した。発光をLuciferase Assay Reagent 100μLの注入に続いてGlomax luminometerを使用して測定した(積分時間0.5秒間)。
結果は、cAMPバイオセンサーは、選択された4つの挿入部位のいずれかへのRIIβBの直接挿入によって生成できることを示している(図54参照)。結果は、円順列置換に寛容である部位は、生存可能なバイオセンサーを生成するための直接挿入にも寛容であると明らかになったことも示している。
(実施例22)
順列置換した及び順列置換していないヒオドシエビルシフェラーゼcAMPバイオセンサー
ヒオドシエビ(Oplophorus gracilirostris)ルシフェラーゼ(OpLuc)は、セレントラジンの酸化を触媒し、青色光を発する。成熟型酵素は、18.7kDa(169aa)である。本来のORFは、分泌のためのシグナルペプチドと推定される27個の余分の残基を含む。27aa推定シグナルペプチドの除去は、ルシフェラーゼ活性の約50倍の増大を生じる。それが低分子であることから、OpLucは、バイオセンサーとして又はPCAにおける使用に特に適している。
OpLucは、TnT無細胞抽出物又は大腸菌可溶化物中に存在する場合、活性且つ安定である。しかし、精製の際に速やかに不活性化する。ゲル濾過は、ルシフェラーゼ(天然の生物中に見出された35kDタンパク質を含まずに大腸菌で発現された)が、13.7と29kDのタンパク質スタンダードの間に溶出したことを示した。酵素のMWは、18.7kDである。したがって、35kDタンパク質無しで発現された場合、ルシフェラーゼが単量体として維持されていることは、明らかである。酵素は、pH7.5〜9で活性であり、活性は、pH9.5で減少し始める。
改変に寛容である部位、例えば50/51及び84/85残基の間に直接挿入したRIIβBを有する、順列置換していない様々なヒオドシエビルシフェラーゼ(OpLuc)構築物を調製した。以下の融合タンパク質をコードするDNAをベクターpF5Kにクローニングした:
Figure 0005746125
タンパク質は、これらの構築物からTnT T7 Coupled Reticulocyte Lysate Systemを使用して発現させた。発現に続いて、TNT反応物9μLを、1mM cAMP保存液又はH2O 1μLと混合し、反応物を15分間程度室温でインキュベートした。インキュベーションに続いて、2×緩衝液(300mM HEPES、pH8.0、200mMチオ尿素)10μLを各反応物に加え、発光を、Renilla Assay Reagent 100μLの添加に続いて、得られた溶液20μLからTurner 20/20N luminometerを使用して測定した(積分時間1秒間)。結果を以下の表に示す:
Figure 0005746125
他のベクターは、T7及びCMVプロモーター下での発現を可能にするために、pF4K−CMVプラスミドにクローニングしたRIIβBドメインを有するヒオドシエビルシフェラーゼ(OpLuc)の円順列置換突然変異体を含む。改変に寛容な部位に挿入されたRIIβBを有する、様々な円順列置換ヒオドシエビルシフェラーゼ(OpLuc)構築物も調製した(CPM OpLuc/RIIβB)。図63を参照。カッコ内の数字は、成熟型ヒオドシエビルシフェラーゼにおけるアミノ酸残基に対応する。整数「4」、「10」及び「20」は、リンカーの対応する長さを示す。Met及びVal残基をルシフェラーゼのN末端に加えたことに注意されたい。したがって、円順列置換突然変異体における各分断の配列位置は、アミノ酸2残基移動する。例えば、分断マーカー「50〜51」(酵素の天然成熟型における残基順を表す)は、使用された実際のルシフェラーゼバージョンにおいては、52と53残基との間で生じる。
pF4K−CMV−[51−169]−4−RIIβB−4−[1−50]−OpLuc
pF4K−CMV−[51−169]−10−RIIβB−10−[1−50]−OpLuc
pF4K−CMV−[51−169]−20−RIIβB−20−[1−50]−OpLuc
pF4K−CMV−[85−169]−4−RIIβB−4−[1−84]−OpLuc
pF4K−CMV−[85−169]−10−RIIβB−10−[1−84]−OpLuc
pF4K−CMV−[85−169]−20−RIIβB−20−[1−84]−OpLuc
pF4K−CMV−[113−169]−4−RIIβB−4−[1−112]−OpLuc
pF4K−CMV−[113−169]−10−RIIβB−10−[1−112]−OpLuc
pF4K−CMV−[113−169]−20−RIIβB−20−[1−112]−OpLuc
pF4K−CMV−[l35−169]−4−RIIβB−4−[1−134]−OpLuc
pF4K−CMV−[135−169]−10−RIIβB−10−[1−134]−OpLuc
pF4K−CMV−[135−169]−20−RIIβB−20−[1−134]−OpLuc
全長ヒオドシエビルシフェラーゼORFでクローニングされた(DNA2.0によって)pJ15:4809−OgLuc−2.7kbプラスミド
成熟ヒオドシエビルシフェラーゼORF(27aaシグナルペプチドは除去)のORFを有する(DNA2.0によって)pJ15:4810−2.6kbプラスミド
pF1K−OgLucS−3.7kb。全長ヒオドシエビルシフェラーゼORFをpF1Kにクローニングした(FL OpLuc)。
pF1K−OgLuc−3.6kb。成熟ルシフェラーゼのORFをpF1Kにクローニングした。
pF1K−OpLucDN−3.6kb。N末端の最初の4残基を除去した以外はpF1K−OgLucと同一。
pF1K−OpLucDC−3.6kb。C末端の最後の3残基を除去した以外はpF1K−OgLucと同一。
pF1K−OpLucDNDC−3.6kb。N末端の最初の4残基及びC末端の最後の3残基を除去した以外はpF1K−OgLucと同一。
pFVDnK−OgLucS−4.4kb。HaloTagを全長ルシフェラーゼORFと融合した。
pFVDnK−OgLuc−4.5kb。HaloTagを成熟ルシフェラーゼORFと融合した。
pFN6K−opLuc−3.6kb。HQ−tagを成熟ルシフェラーゼのORFのN末端に導入した。
CPM OpLuc/RIIβB構築物の等量(反応混合物50μl当たりプラスミド0.1μg;図64)をrabbit reticulocyte TnT system(Promega #L1170)で発現させた。TnT反応終了後、cAMPを最終濃度0.1mMで加え、混合物をさらに室温で15分間インキュベートした。反応物をRenilla lysis緩衝液で10倍に希釈し、ルシフェラーゼ活性を推奨の通り、Renilla reagent中で測定した(Renilla Luciferase Assay System、#E2810、Promega Corp.)。
ルシフェラーゼ活性の誘導を4種全ての円順列置換ルシフェラーゼ構築物で観察した(図64)。84と85残基の間で分断されたルシフェラーゼを有する構築物は、最も高い誘導を示した(約250倍)。20アミノ酸リンカーは、最も有効な折りたたみを補助した。
結果は、cAMPバイオセンサーは、円順列置換又は、上記で選択した任意の挿入部位へのRIIβBの直接挿入のいずれによっても生成できることを示している。
(実施例23)
ヒオドシエビルシフェラーゼとのタンパク質相補性
タンパク質の相補性において有用であるヒオドシエビルシフェラーゼ中の部位を決定するために、N末端及びC末端融合物を調製した。ベクター骨格は、pF3Aをin vitro実験のために、及びpF5Kを細胞実験のために含んでいた。以下の構築物を調製した:「N term−FRB」、すなわちOpLuc(1〜50又は1〜84)10aa G/Sリンカー−FRB、「FKBP−C term」、すなわちFKBP−(G4S)2リンカー−OpLuc(51〜170又は85〜170)、「FRB−N term」、すなわちFRB−(G4S)2リンカー−OpLuc(1〜50又は1〜84)及び「C term−FKBP」、すなわちOpLuc(51〜170又は85〜170)−10aa G/Sリンカー−FKBP。以下の表を参照。
Figure 0005746125
タンパク質は、30℃、2時間でTnT(登録商標)SP6 High−Yield Protein Expression System、を使用して単独で発現させたか又は同時発現させた(製造者の手順書の通りの量で;Promega Corp.)。可溶化物20μLを+/−1μMラパマイシンで室温、15分間インキュベートした。10μL可溶化物を2×HEPES/チオ尿素中に1:1で希釈し、5μLを96ウェルプレートのウェルに3回反復で入れた。インジェクターでRenilla Luciferase Assay Reagent(R−LAR)100μLを添加することによって発光を測定した。配列位置50/51(50−FRB+FKBP−51)での分断についてのin vitroの結果を図56に示し、84/85(84−FRB+FKBP−85)についての結果を図58に示す。図57及び59は、それぞれのSDS−PAGE分析の結果を示す。−/+ラパマイシン可溶化物5μLは、4〜12%SDS−PAGEで大きさによって分画した。図61〜62は、51−FKBP+FRB−50及び85−FKBP+FRB−85の向きにおけるin vitroでの結果を示す。図62におけるデータについて、7.5μL+/−ラパマイシン可溶化物は、4〜12%SDS−PAGEで大きさによって分画した。
図60は、HEK293細胞を使用した細胞内での結果を表す。HEK293細胞を、ヒオドシエビルシフェラーゼの相補断片又は個々の断片で6ウェルプレートにおいて一過性にトランスフェクションし、一晩インキュベーションした。翌日、細胞をトリプシン処理し、1ウェル当たり細胞20000個で96ウェルプレートに蒔いた。同時に、1μMラパマイシン又は媒体(DMSO)を細胞に加え、それらを37℃、5%CO2で一晩回復させた。翌日、培地を除去し、1×Renilla Luciferase Assay Lysis buffer 20μLを各試料に加え、プレートを15分間、500rpmで震盪した。Renilla Luciferase Assay Reagent 100μLを各ウェルに注入し、試料を0.5秒遅延で1ウェル当たり3秒で測定した。
(実施例24)
CPMホタルルシフェラーゼ(FF Luc)及びレニラルシフェラーゼ(hRL Luc)もバイオセンサーとして、キナーゼ/ホスファターゼ活性をアッセイするために使用した。cAMP、cGMP及びカルシウムの前述のバイオセンサーと同様の方法で、円順列置換した様々な(CPM)FF Luc及びhRL Luc構築物を、チロシン、又はセリン/スレオニンキナーゼによるリン酸化(下記の構築物において、それぞれ下線を付けたTry又はThr残基でのリン酸化)を検出するために作製した。つながれたリン酸化ペプチド認識ドメインと、リン酸化されたペプチド配列との結合によって生じる立体構造変化は、融合したバイオセンサーのルシフェラーゼ活性の調節を可能にできる。これは、おそらく既存のFRETに基づくバイオセンサーと比較して増強された性能特性を有し、キナーゼの活性を測定できる新しい種類の試薬を示している。
チロシンキナーゼ及びセリン/スレオニンキナーゼについて使用されるペプチド配列及び認識ドメインは、それぞれ:リン酸化ペプチド認識ドメイン、ヒトSrc SH2ドメイン(Genbank NM_005417;151〜248aa残基)を有するペプチドGSTSGSGKPGSGEGSEIYGEF(配列番号295)又はEIYGEF(配列番号296)、及びRad53p由来リン酸化ペプチド認識ドメイン、FHA2(1717〜2186塩基を整列したGenbankアクセション#AY693009の核酸配列のコドンを最適化したバージョン;アクセション#AAT93028の573〜730aa残基)を有するRKRDRLGTLGI(配列番号297)であった。
FF Luc及びhRL Lucにおいてバイオセンサーを生成するための機能として既に同定したCPMについての多重部位を、キナーゼバイオセンサーの構築のために使用した。これらの構築物は、特有の制限酵素部位に連結したPCR産物又は、オーバーラップ伸長PCRによるスプライシング(SOE−PCR)のいずれかを使用して作製した。FF Luc構築物は、pF9A骨格に、及びhRL Luc構築物は、pF5A骨格に作製したが、実施例2において記載した改変pGL4.74骨格に作製したプラスミドpBFB174、175、176、178、179、180、181、182、228、229及び230は、除く。
以下の構築物を作製した:Met−(Luc2.0又はhRL C末端断片)−(リンカーX)−(キナーゼによってリン酸化されたペプチド)−(リンカー)−(リン酸化ペプチド認識ドメイン)−(リンカーY)−(Luc2.0又はhRL N末端断片)−Val。構築物は、キナーゼでリン酸化されたペプチドと、リン酸化ペプチド認識ドメインの順序を変えても作製した。加えて、チロシンキナーゼFF Luc バイオセンサーについて以下の構築物を作製した:Met−(キナーゼでリン酸化された短ペプチド)−(リンカーX)−(Luc2.0)−(リンカー)−(リン酸化ペプチド認識ドメイン)−Val。図65参照。
チロシンキナーゼ構築物
1)Met−(Luc2.0 234〜544)−GSSG−(ヒトSrc SH2ドメイン)−GSG−GSTSGSGKPGSGEGSEIYGEF−(リンカーY)−(Luc2.0 4〜233)−Val、ここでY=GSGGSGGSSG(配列番号291)又はGSGGSGGSGGGSGGSGGSSG(配列番号286)。(GSSGは、配列番号270に対応;GSGGSTSGSGKPGSGEGSEIYGEFは、配列番号298に対応)。クローンpBFB180、181、182、365、366、367。
2)Met−EIYGEF−(リンカーX)−(Luc2.0 4〜544)−GSSG−(ヒトSrc SH2ドメイン)、ここでX=GSSG(配列番号270)、又はGSSGGSGGSG(配列番号276)又は、GSSGGSGGSGGGSGGSGGSG(配列番号277)。(EIYGEFは、配列番号296に対応)。クローンpBFB174、175、176。
3)Met−(hRL 92〜311)−GSG−(ヒトSrc SH2ドメイン)−GSG−GSTSGSGKPGSGEGSEIYGEF−(リンカーX)−GSSG−(hRL 2〜91)−Val、ここでX=GSSG(配列番号270)、GSGGSGGSSG(配列番号291)又はGSGGSGGSGGGSGGSGGSSG(配列番号286)。(GSGGSTSGSGKPGSGEGSEIYGEFは、配列番号298に対応)。クローンpBFB228、229、230。
4)Met−(Luc2.0 A−544)−(リンカーX)−(ヒトSrc SH2ドメイン)−GSTSGSGKPGSGEGSEIYGEF−(リンカーY)−(Luc2.0 4−B)−Val、ここでX=GSTG(配列番号275)、GSSGGSGGSG(配列番号276)又は、GSSGGSGGSGGGSGGSGGSG(配列番号277)、及びY=GSSG(配列番号270)、GSGSGGSGGSSG(配列番号299)又はGSGGSGGSGGGSGGSGGSSG(配列番号286)。(GSTSGSGKPGSGEGSEIYGEFは、配列番号295に対応)。CPM部位[A、B]=[235、233]、[359、355]、[84、82]、[309、307]。クローンpBFB368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379。
5)Met−(hRL A−311)−(リンカーX)−(ヒトSrc SH2ドメイン)−GSTSGSGKPGSGEGSEIYGEF−(リンカーY)−(hRL 3−B)−Val、ここでX=GSSG(配列番号270)、GSSGGSGGSG(配列番号276)又は、GSSGGSGGSGGGSGGSGGSG(配列番号277)、及びY=GSSG(配列番号270)、GSGSGGSGGSSG(配列番号299)又はGSGGSGGSGGGSGGSGGSSG(配列番号286)(GSTSGSGKPGSGEGSEIYGEFは、配列番号295に対応)。CPM部位[A、B]=[92、91]、[42、41]、[111、110]、[31、30]、[69、68]。クローンpBFB380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394。
セリン/スレオニンキナーゼ構築物
1)Met−(Luc2.0A−544)−(リンカーX)−RKRDRLGTLGI−(GGSSGGGSGGGGSGG)−(Rad53p FHA2ドメイン)−(リンカーY)−(Luc2.0 4−B)、ここでX=GSSG(配列番号270)、GGSGGSGSSG(配列番号300)又は、GSSGGSGGSGGGSGGSGSSG(配列番号301)、Y=GSSG(配列番号270)、GSGGSGGSGG(配列番号281)又はGSGGSGGSGGTSGGSGGSSG(配列番号278)。(RKRDRLGTLGIGGSSGGGSGGGGSGGは、配列番号283に対応)。CPM部位は、[A、B]=[235、233]、[359、355]、[84、82]、[309、307]。クローンpBFB335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346。
2)Met−(hRL A−311)−(リンカーX)−RKRDRLGTLGI−(GGSSGGGSGGGGSGG)−(Rad53p FHA2ドメイン)−(リンカーY)−(hRL 3−B)、ここでX=GSSG(配列番号270)、GSSGGSGGSGGG(配列番号302)又は、GSSGGSGGSGGGSGGSGGSG(配列番号277)、及びY=GSSG(配列番号270)、GSGGSGGSSG(配列番号291)又はGSGGSGGSGGTSGGSGGSSG(配列番号278)。(RKRDRLGTLGIGGSSGGGSGGGGSGGは、配列番号283に対応)。CPM部位は、[A、B]=[92、91]、[42、41]、[111、110]、[31、30]、[69、68]。クローンpBFB350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364。
3)Met−(Luc2.0A−544)−(リンカーX)−(Rad53p FHA2ドメイン)−GGSSG−RKRDRLGTLGI−(リンカーY)−(Luc2.0 4−B)、ここでX=GSGG(配列番号293)、GGSGGGGSGG(配列番号294)又は、GSSGGSGGSGGGSGGSGGSG(配列番号277)、Y=GGSSG(配列番号304)、GSSGSGGSGG(配列番号305)又はGSGGSGGSGGTSGGSGGSSG(配列番号278)。(GGSSGRKRDRLGTLGIは、配列番号303に対応)。CPM部位は、[A、B]=[235、233]、[359、355]、クローンpBFB417、418、419、420、421、422。
4)Met−(hRL A−311)−(リンカーX)−(Rad53p FHA2ドメイン)GGSSG−RKRDRLGTLGI−(リンカーY)−(hRL 3−B)、ここでX=GSGG(配列番号293)、GGSGGGGSGG(配列番号294)又は、GSSGGSGGSGGGSGGSGGSG(配列番号277)、及びY=GGSSG(配列番号304)、GSSGSGGSGG(配列番号305)又はGSGGSGGSGGTSGGSGGSSG(配列番号278)。(GGSSGRKRDRLGTLGIは、配列番号303に対応)。CPM部位は、[A、B]=[42、41]、[111、110]。クローンpBFB423、424、425、426、427、428。
セリン/スレオニンキナーゼのサブセットのin vitro検査
構築物、pBFB335、336、338、339、340、417、418、419、422、22及び8を、in vitroでTNT(登録商標)T7 Coupled Reticulocyte Lysate System(Promega Corp.)を使用して検査した。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合した:
1μg プラスミドDNA
25μL ウサギ網状赤血球抽出物
2μL TNT反応緩衝液
1μL T7ポリメラーゼ
1μL アミノ酸混合物
1μL rRNasin
dH2Oを合計容量50μLまで
30℃、1時間のインキュベーションに続いて、それぞれの融合タンパク質を、TNT(登録商標)反応物 2μLと水8μL+5×反応緩衝液(40mM MOPS/NaOH pH7.0、1mM EDTA)4μL+5×Mg−ATP(50mM酢酸Mg、0.5mM ATP)4μL+5ng/μL 酵素(100ng/ul保存液からPKB希釈緩衝液[20mM MOPS(7.0)、1mM EDTA、5%グリセロール、0.05%DTT、1mg/ml BSA]中に希釈)2μL又はPKB希釈緩衝液2μLのみとを組み合わせることにより10ng Akt1/PKBアルファ組み換え酵素(Upstate Biotechnology)の存在下又は非存在下でインキュベートした。
次いで試料を30℃、20分間インキュベートした。試料5μLをLuciferase Assay Reagent(LAR;Promega Corp.)溶液100μLに加え、混合するために上下に4回素早くピペッティングした。発光は、Turner 20/20N luminometer(Turner Biosystems;積分時間1秒間)を使用して測定した。全ての試料は、3回反復で測定した。
結果
構築物pBFB340は、Akt1/PKB存在下で、Akt1/PKB非存在下と比較して発光の50%減少を示した。対照構築物pBFB22及びpBFB8は、Akt1/PKBの添加で変化しなかった(図66)。
他のセリン/スレオニンキナーゼセンサーについての手順は、CPM hRL Luc試料についてのものを除いて上記と同じであり、試料5μLを、界面活性剤を含まない2×Renilla lysis緩衝液(150mM HEPES、100mMチオ尿素)5μLを含む96ウェルプレートに加え、Renilla Assay Reagent(Promega Corp.)100μLをVeritas Microplate Luminometerを使用してインジェクターで加え、発光を測定する(Turner Biosystems;Bright−Glo program;積分時間3秒間)。FF Luc試料は、Luciferase Assay Reagent(LAR;Promega Corp.)100μLを試料5μLに96ウェルプレート中で、Veritas Microplate Luminometerを使用してインジェクターによって加え、発光を測定する(Turner Biosystems;Bright−Glo program;積分時間3秒間)ことにより測定した。
チロシンキナーゼセンサーは、以下の通り検査した:タンパク質は、in vitroでTNT(登録商標)T7 Coupled Reticulocyte Lysate System(Promega Corp.)を使用して発現させる。簡潔には、製造者の推奨する手順書に従って、以下の成分を混合した:
1μg プラスミドDNA
25μL ウサギ網状赤血球抽出物
2μL TNT反応緩衝液
1μL T7ポリメラーゼ
1μL アミノ酸混合物
1μL rRNasin
dH2Oを合計容量50μLまで
30℃、1時間のインキュベーションに続いて、各融合タンパク質を、以下の通り50μlキナーゼ反応に使用する:1×ProFlour反応緩衝液(Promega Corp.)+RR TnT反応物10μl+100μMバナジン酸ナトリウム+1mM MnCl2+1mM MgATP+0.5μl c−Srcキナーゼ又は水。Srcキナーゼの添加後、0、30及び60分で、10μl一定分量を採取し、アッセイまで−20℃で保存する。CPM FF Luc試料については、5μlを96ウェルプレートに移し、Luciferase Assay Reagent(LAR;Promega Corp.)100μLをVeritas Microplate Luminometerを使用してインジェクターで加え、発光を測定する(Turner Biosystems;Bright−Glo program;積分時間3秒間)。CPM hRL Luc試料については、試料5μlを界面活性剤を含まない2×Renilla lysis緩衝液(150mM HEPES、100mMチオ尿素)5μLを含む96ウェルプレートに加え、Renilla Assay Reagent(Promega Corp.)100μLをVeritas Microplate Luminometerを使用してインジェクターで加え、発光を測定した(Turner Biosystems;Bright−Glo program;積分時間3秒間)。
キナーゼセンサーを細胞内で検査するために、FF Luc及びCPM hRL Lucセリン/スレオニンキナーゼバイオセンサーを以下の通り検査する:HEK293及びNIH/3T3細胞を96ウェルプレートに1ウェル当たり細胞1〜1.5×104個の細胞密度でCO2非依存培地(Invitrogen)+10%FBS中に蒔く。次いでそれらを、1ウェル当たりTrasIt(登録商標)−LT1 reagent 4.2μL及びDNA 1.4μgを使用してTrasIt(登録商標)−LT1 Reagent(MIRUS)でトランスフェクトする。細胞を一晩37℃/10%CO2で増殖させる。翌日、細胞を血清不足にするために培地をCO2非依存培地+0.2%FBSに交換する。次いで細胞を37℃/10%CO2で一晩増殖させる。トランスフェクションの2日程度後に、細胞を、FF Lucセンサーについては最終濃度5mM Luciferin−EF(Promega Corp.)に、CPM hRL Lucセンサーについては60μM EnduRen(Promega Corp.)に平衡化する。全ての細胞は、1.5時間、37℃/10%CO2で平衡化する。1.5時間後、発光のベースライン測定をMithras LB940 Luminometer(Berthold Technologies;1ウェル当たり積分時間1秒間)を使用して37℃で測定する。次に半分の細胞をPlatelet−Derived Growth Factor(PDGF、最終濃度50ng/ml)などのキナーゼ活性化因子で処理する。次いで発光を続く30分間、37℃で継続的に測定する。
(実施例25)
三次元タンパク質構造情報を使用しない円順列置換タンパク質を作製するための適切な分断箇所の決定
方法
1)対象タンパク質のアミノ酸配列の取得。
2)適切な分断箇所の決定を支援するタンパク質構造の特徴を予測するための1つ又は複数のコンピュータプログラムの使用。適切な分断箇所は、タンパク質表面に露出している可能性がある。ヘリックス及びシートなどの通常の二次構造要素の外に位置する分断箇所は、タンパク質の構造及び機能を破壊する可能性が少ない。
表面に露出したタンパク質領域の予測:暴露領域は、親水性である可能性がある。タンパク質配列中の親水性及び疎水性残基の分布(疎水性プロット/スコア)は、オープンアクセスウェブサイト(例えば、Swiss Institute of BioinformaticsのExPASy proteomics serverからのProtScale、http://www.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)で入手可能なプログラム及び市販の配列分析パッケージの一部(例えば、DNASTARからのLasergene)を使用して一般に使用される疎水性スケールに基づいて算出できる。
タンパク質二次構造予測:このようなプログラムは、オープンアクセスウェブサイト(ExPASy Proteomics Tools website http://www.expasy.org/tools/#secondaryのリストを参照)及び市販の配列分析パッケージの一部として(例えば、DNASTARからのLasergene)入手可能である。
3)1つ又は複数の予測方法からの結果に基づく分断箇所の選択。

1)タンパク質配列:ヒオドシエビ(Oplophorus garcilorostris)成熟ルシフェラーゼ配列(Genbankアクセション BAB13776、28〜196残基)
2)表面に露出したタンパク質領域の予測:表面に露出していると推定される領域の発見のために推奨される範囲を特定する、window size 5及び7を使用するKyte−Doolittle hydrophobicity scaleに基づいて残基ごとの疎水性スコアを算出(Kyte J及びDoolittle RF:「タンパク質の疎水性親水性指標の特性を表示するための簡易な方法(A simple method for displaying the hydropathic character of a protein)」J.Mol.Biol.157:105、1982年)。
タンパク質二次構造予測:5つの異なる予測アルゴリズムを使用;
a.PSIPRED(Jones DT.(1999年)「配列位置特異的スコアリングマトリックスに基づくタンパク質二次構造予測(Protein secondary structure prediction based on position−specific scoring matrices)」J.Mol.Biol.292:195〜202.McGuffin LJ、Bryson K、Jones DT) b.JPRED(Cuff JA、Clamp ME、Siddiqui AS、Finlay M及びBarton GJ.1998年、Jpred:「共通二次構造予測サーバー(A Consensus Secondary Structure Prediction Server)」、Bioinformatics 14:892〜893)
c.PORTER(G Pollastri、A McLysaght、「Porter:タンパク質二次構造予測のための新規の正確なサーバー(Porter:a new,accurate server for protein secondary structure prediction)」Bioinformatics、21(8)、1719〜20、2005年)
d.SCRATCH(G Pollastri、D Przybylski、B Rost、P Baldi:「回帰型神経網及びプロファイルを使用する、3及び8クラスのタンパク質二次構造予測の改善(Improving the prediction of protein secondary structure in three and eight classes using recurrent neural networks and profiles)」Proteins、47、228〜335、2002年)
e.PROF(M Ouali、R King:「二次構造予測のためのカスケード多重分類(Cascaded muitiple classifiers for secondary structure prediction)」、Protein Science、9、1162〜1176、1999年)。
3)比較のためにタンパク質構造特性予測の結果を表に集計。親水性(低疎水性スコア)であり、且つ予測された通常の二次構造要素(ヘリックス及びシート)の外に位置する領域内の、適切な分断箇所を選択。表9(以下の3セクション)を参照。
表9:ヒオドシエビ(Oplophorus gracilorostris)成熟ルシフェラーゼについての、構造特性予測結果の集計。二次構造予測結果の符号は、H=ヘリックス、E=シート、C=コイル、空欄(blank)=コイル。疎水性予測スコアは、疎水性領域では、>0であり、親水性領域では、<0である。適切な分断箇所の例は、最右欄に×××を記す。
Figure 0005746125

Figure 0005746125

Figure 0005746125

したがって、例えばPCAにおいて使用されるもの又はバイオセンサーとして使用される任意のタンパク質について(分断部位の間への直接の、又は分断部位で円順列置換した円順列置換突然変異体へのドメインの挿入)分断部位は、三次構造無しで選択できる。
Figure 0005746125

Figure 0005746125
全ての出版物、特許及び特許出願を本明細書に参考として組み込む。前記明細書において、本発明をその特定の好ましい実施形態に関して記載し、多数の詳細を例示の目的で述べたが、本発明が追加的実施形態を許容し、且つ本明細書の特定の詳細を本発明の基本的原理から逸脱することなく相当に変更できることは、当業者に明らかであろう。

Claims (14)

  1. 円順列置換されていない改変ルシフェラーゼのオープンリーディングフレームを含む核酸配列を含むポリヌクレオチドであって、前記改変ルシフェラーゼが、対応する非改変ルシフェラーゼに対する内部挿入を含み、前記内部挿入が、対応する野生型ルシフェラーゼ中の改変に対して耐性である残基に存在し、かつ該内部挿入が、対象の分子と直接又は間接に相互作用する配列を含み、前記改変ルシフェラーゼの活性が検出可能であり、前記改変ルシフェラーゼが、レニラルシフェラーゼ、ホタルルシフェラーゼ及びヒオドシエビルシフェラーゼからなる群から選択され、前記残基が、以下の残基、
    (1)前記ルシフェラーゼが、レニラルシフェラーゼである場合には、残基が、91、223又は229、
    (2)前記ルシフェラーゼが、ホタルルシフェラーゼである場合には、残基が、82又は355、そして、
    (3)前記ルシフェラーゼが、ヒオドシエビルシフェラーゼである場合には、残基が、50、84、112又は134、
    から選択されることを特徴とするポリヌクレオチド。
  2. 前記改変ルシフェラーゼが、前記円順列置換されていない改変ルシフェラーゼのN末端及び/又はC末端に対応する配列においてルシフェラーゼ配列の欠失をさらに含む、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  3. 前記N末端又はC末端における欠失が、ルシフェラーゼ配列の15残基以下である、請求項2に記載のポリヌクレオチド。
  4. 前記挿入が、前記円順列置換されていない改変ルシフェラーゼのN末端及び/又はC末端に対応する配列に存在する、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  5. 前記挿入が、約4〜約200アミノ酸残基の長さである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  6. 前記挿入が、セリンキナーゼ、スレオニンキナーゼ又はチロシンキナーゼに対するペプチド基質を含む、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  7. 前記挿入が、ホスホセリンペプチド結合ドメイン、ホスホスレオニンペプチド結合ドメイン、ホスホチロシンペプチド結合ドメイン、cAMP結合ドメイン又はcGMP結合ドメインを含む、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  8. 前記cAMP結合ドメインが、RIIβB cAMP結合ドメインである、請求項7に記載のポリヌクレオチド。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  10. 請求項9に記載のベクターを含む宿主細胞。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドによってコードされている改変ルシフェラーゼ。
  12. 細胞内における対象の分子を検出する方法であって、以下の工程、
    a)細胞又はin vitroにおける転写/翻訳混合物を有する試料を請求項9に記載のベクターと接触させる工程であって、前記挿入が、前記対象の分子によって認識される工程、
    b)前記ベクターによってコードされた前記円順列置換されていない改変ルシフェラーゼの活性を検出又は定量して、前記試料中の前記対象の分子の存在又は量を検出又は定量する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  13. 円順列置換されていない改変ルシフェラーゼ中における異種配列の活性を直接又は間接に変化させる作用物質を同定する方法であって、
    a)前記円順列置換されていない改変ルシフェラーゼを発現する細胞を含む発光性反応混合物を、1つ又は複数の作用物質と接触させる工程であって、前記円順列置換されていない改変ルシフェラーゼが、該円順列置換されていない改変ルシフェラーゼのオープンリーディングフレームを含む核酸配列を有するベクターによってコードされ、前記円順列置換されていない改変ルシフェラーゼが、対応する非改変ルシフェラーゼと比べて異種配列を含み、前記異種配列が、改変に対して耐性である対応する非改変ルシフェラーゼの配列中の残基に存在し、前記異種配列が、前記対応する非改変ルシフェラーゼと比べて対象の分子と直接又は間接に相互作用するアミノ酸配列を含み、前記改変ルシフェラーゼの活性が検出可能であり、前記円順列置換されていない改変ルシフェラーゼが、レニラルシフェラーゼ、ホタルルシフェラーゼ及びヒオドシエビルシフェラーゼからなる群から選択され、前記残基が、以下の残基、
    (1)前記ルシフェラーゼが、レニラルシフェラーゼである場合には、残基が、91、223又は229、
    (2)前記ルシフェラーゼが、ホタルルシフェラーゼである場合には、残基が、82又は355、そして、
    (3)前記ルシフェラーゼが、ヒオドシエビルシフェラーゼである場合には、残基が、50、84、112又は134、
    から選択される工程、及び
    b)1つ又は複数の作用物質が、前記改変ルシフェラーゼの活性を変化させるかどうかを確認する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  14. 前記細胞が、前記ベクターで安定的にトランスフェクトされている、請求項13に記載の方法。
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