JP4491516B2 - 活性化プロテアーゼインジケーター - Google Patents

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Description

本発明は、活性化プロテアーゼの検出のための活性化プロテアーゼインジケーター、及びプロテアーゼ活性化の非侵襲的・高感度・リアルタイム検出を可能とするプロテアーゼ活性化インジケーターに関するものである。
真核細胞には多数のプロテアーゼが含まれており、それらは細胞の増殖、分裂、分化、転位ならびに細胞内外のシグナル伝達に関与している。複雑なタンパク質分解性シグナル伝達の一つが用いられて、プログラム細胞死すなわちアポトーシスが決定される。不適切なアポトーシスが原因となり、アルツハイマー病、ハンチントン病、虚血、自己免疫疾患、癌細胞の不死化など、多数の疾患が生じる(Nijhawan, D. et al. (2000) Annu. Rev. Neurosci. 23, 73-87; Rideout, H. J. & Stefanis, L. (2001) Histol. Histopathol. 16, 895-908)。例えば、細胞質内のプロテアーゼのひとつ、カスパーゼはアポトーシスの開始と伝播を媒介する際に主要な役割を果たしているため、カスパーゼ活性を阻害または加速しうる化学物質に大きな関心が持たれている。生体内での生理学的なタンパク質分解過程について知ることも正常状態と疾患状態におけるプロテアーゼの役割を評価するためには非常に重要な点である。従って所与のプロテアーゼ活性を検出する高速スクリーニング系やアポトーシスを非侵襲的に可視化する方法を開発することが、治療用化学物質になりうる新規化合物を発見するために必須である(Neefjes, J. & Dantuma, N. P. (2004) Nat. Rev. Drug Discov. 3, 58-69)。この開発によってアポトーシスのメカニズムに対する新しい見解が得られる可能性がある。
プロテアーゼ活性のモニター方法がいくつか開発されており、フルオレセインおよびテトラメチルローダミンといった蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ペアを含むペプチド基質を用いる手法は、タンパク質分解活性検出を行うための簡易な戦略となっている(Reits, E. et al. (2003) Immunity. 18, 97-108)。またD-ルシフェリンにカスパーゼに対するペプチド基質を結合させることによって、in vitroでのカスパーゼ活性を高感度検出することが出来る。しかしこれらの化学プローブは膜を介して拡散しない。従ってこの手法では複雑なアッセイ手順が必要となり、例えば細胞内プロテアーゼの分析時には細胞可溶化物を調製して夾雑物を除去しなければならない。
一方、緑色蛍光タンパク質(GFP)誘導体を用いる遺伝子にコードされた蛍光インジケーターによってこの欠点は解消される。このインジケーターの発展性のある利点を挙げるとすれば、ペプチド基質を生細胞内に導入する必要がない点である(Nagai, T. & Miyawaki, A. (2004) Biochem. Biophys. Res. Commun. 319, 72-7; Takemoto, K. et al. (2003) J. Cell. Biol. 160, 235-43; Xu, X. et al. (1998) Nucleic Acids Res. 26, 2034-5; Mahajan, N. P. et al. (1999) Chem. Biol. 6, 401-9)。このインジケーターは単一の生細胞内において時間的なカスパーゼ活性を調べるための有用なツールになるが、得られた結果は定量的というよりも定性的なものである。これは蛍光シグナルの変化が非常に小さく、分析する細胞数が限定されているためである。さらにこのインジケーターを生きた動物に適用することは難しいが、これは蛍光団の励起光がほとんど動物組織により吸収されるためである(Weissleder, R. & Ntziachristos, V. (2003) Nat. Med. 9, 123-8)。
さらに、Photinus pyralisルシフェラーゼ(ホタルルシフェラーゼ;Fluc)を用いて、カスパーゼ活性のモニターに用いる組換え生物蛍光 発光インジケーターが開発されている(Laxman, B. et al. (2002) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 99, 16551-5)。このインジケーターは、カスパーゼ-3により消化されるAsp-Gln-Val-Asp(DEVD)配列を保有するエストロゲン受容体調節領域に挟まれたFlucによって構成されている。この生物発光インジケーターの有用性は証明されている。すなわち生きた動物におけるカスパーゼ-3の活性が時間経過と共に非侵襲的にモニターされた。しかしながら、このインジケーター分子はかなりかさ高く、アポトーシス中にはDEVD配列の消化が不十分であることからその発光シグナル変化が大きくない、という問題点が残されている。
なお、本発明者らは、インテインによるタンパク質スプライシングを介したレポーター分子の再構成を利用して、生細胞における各種標的分子に結合するプローブや、標的分子の活性を検出するためのインジケーターを発明し、特許出願している(例えば、特開2004-108943号公報; 再表2004/104222号公報; 再表02/088766号公報; 国際公開WO2005/085439パンフレット)。
前記のとおり、生細胞(特に、動物個体内の細胞)におけるプロテアーゼの活性化を検出することの重要性は十分に認識されている。しかしながら、従来の技術では、生細胞(特に、動物個体内の生細胞)におけるプロテアーゼの活性を、非侵襲的にリアルタイムで、かつ高感度に検出することは不可能であった。
本発明は、活性化プロテアーゼの検出、及びプロテアーゼ活性化の非侵襲的・高感度・リアルタイム検出を可能とする新しい手段を提供することを課題としている。
本発明は、ルシフェラーゼのCハーフ断片(Luc-C)とルシフェラーゼのNハーフ断片(Luc-N)とがプロテアーゼ基質ペプチドによって連結された環状体であり、プロテアーゼによる基質ペプチドの切断によって、Luc-NとLuc-Cが活性化ルシフェラーゼを再構成することを特徴とする活性化プロテアーゼインジケーターを提供する。
すなわち、本発明のインジケーターは、環状体として存在する場合には、そのルシフェラーゼは歪曲された状態でありシグナルを生じない。しかし、活性化プロテアーゼによってその基質ペプチドが切断されると、ルシフェラーゼは連続した直鎖状となり酵素活性が回復する。
ルシフェラーゼのCハーフ断面(Luc-C)とルシフェラーゼのNハーフ断面(Luc-N)は、一つのルシフェラーゼを切断して2分割した分子である。この場合の「一つのルシフェラーゼ」とは、ルシフェラーゼの全長またはその発光機能に必要なルシフェラーゼの一部であってもよい。また、これらの「ハーフ断片」とは、後述するインテインのタンパク質スプライシングによってLuc-NのC末端アミノ酸残基とLuc-CのN末端残基とがペプチド結合で連結して発光機能を回復するような位置でルシフェラーゼを分割した状態を意味する。
本発明におけるプロテアーゼとは、ペプチドを切断する際に特異的配列を認識する配列特異的プロテアーゼ(例えば、カスパーゼなど)を意味し、ペプチドの配列末端から順に分解したり、配列非特異的に切断したりするタンパク質分解酵素(例えば、トリプシンなど)は包含しない。認識される特異的配列は、ルシフェラーゼが有さない配列であれば良く、特に長さは限定されないが、特異性の点から、4残基以上であることが好ましい。また、認識部位と切断部位は近いほうが好ましい。また、「活性化プロテアーゼ」とは、活性を有するプロテアーゼのことであり、不活性状態が存在してもしなくても良い。
「プロテアーゼ基質ペプチド」とは、活性化プロテアーゼがタンパク質を切断する際に、認識するアミノ酸配列からなるペプチドである。
なお、前記の活性化プロテアーゼインジケーターが、プロテアーゼ活性化をモニターするためのプロテアーゼ活性化インジケーターであることは本発明の一態様である。
さらに本発明は、in vitroまたは細胞において前記活性化プロテアーゼインジケーターを発現する発現ベクターであって、発現カセット内に、Luc-CをコードするDNA、Luc-NをコードするDNA、基質ペプチドをコードするDNA、インテインのCハーフ断片(Int-C)をコードするDNA、インテインのNハーフ断片(Int-N)をコードするDNAを含むことを特徴とする発現ベクターを提供する。
この発現ベクターによって、前記インジケーターをin vitroで、または生細胞内に発現させることが可能となる。すなわち、この発現ベクターにおける発現カセットは[Luc-C/基質ペプチド/Luc-N]をコードするキメラDNAの両端にそれぞれInt-NをコードするDNAおよびInt-CをコードするDNAを連結しており、in vitroの適切な条件の下で、または生細胞内においてこの発現カセットから融合タンパク質が発現すると、Int-NおよびInt-Cによるタンパク質スプライシングによって[Luc-C/基質ペプチド/Luc-N]が切出されるのと同時に、Luc-NのC末端アミノ酸残基とLuc-CのN末端アミノ酸残基がペプチド結合して環状体を形成する。
この発現ベクターにおける具体的態様の一つは、発現カセットが、5’から3’方向に、Int-CをコードするDNA、Luc-CをコードするDNA、基質ペプチドをコードするDNA、Luc-NをコードするDNA、Int-NをコードするDNAの順番で連結されていることである。
なお、Int-CとInt-Nは、一つのインテインを任意の位置で切断して2分割したハーフ断片からなる分子である。この「ハーフ断片」とは、Int-CとInt-Nが共存した場合にタンパク質スプライシング反応活性を有するような位置でインテインが分割されている状態を意味する。
また前記発現ベクターの好ましい態様は、発現カセット内の5’側または3’側に、PEST配列をコードするDNAが連結されていることである。すなわちPEST配列を付加した場合には、タンパク質スプライシングを受けなかった直鎖状融合タンパク質はこのPEST配列によって迅速に分解されるようになり、環状体のインテインと基質ペプチドのみからなるインジケーターのみを細胞内に存在させることが可能となる。
前記発明において、「生細胞」とは、それ本来の機能の少なくとも一部を保持した状態で人工的な環境下に置かれた細胞(例えば培養細胞)、あるいは動物個体内の細胞であって、本来の機能の少なくとも一部を保持している細胞を意味する。後者において、インジケーターが導入された生細胞は、多細胞生物個体の一部又は全部を構成してもよい。
なお、前記の活性化プロテアーゼインジケーターを発現する発現ベクターが、プロテアーゼ活性化をモニターするためのプロテアーゼ活性化インジケーターを発現することは本発明の一態様である。
さらに本発明は、in vitroのアッセイ系または細胞内において活性化プロテアーゼを検出する方法であって、前記いずれかの活性化プロテアーゼインジケーターをin vitroのアッセイ系または細胞内に導入し、基質ペプチドが分解された際に生じる活性化ルシフェラーゼのシグナルを測定することを特徴とする活性化プロテアーゼ検出方法を提供する。
ここで、in vitroのアッセイ系とは、活性化プロテアーゼ及び活性化ルシフェラーゼが酵素活性を有することができる条件であれば、バッファーの種類、含有されている塩、pHなど、特に限定されず、ルシフェラーゼの基質を含んだ適当な緩衝液、細胞の抽出液などが例として挙げられる。
前記の細胞内での検出方法においては、前記いずれかの発現ベクターを細胞内に導入し、この発現ベクターから、インテインのタンパク質スプライシングによって最終的に環状化した活性化プロテアーゼインジケーターを発現させることによって、細胞内に活性化プロテアーゼインジケーターを導入することを態様の一つとしている。
このように、本発明の前記インジケーターは、特定の活性化プロテアーゼが存在した場合にそのルシフェラーゼにより発光シグナルが生じる。従って、このインジケーターをin vitroのアッセイ系、または生細胞に導入し、発光シグナルの有無や増減を指標として、活性化プロテアーゼを検出することができる。
この活性化プロテアーゼの量と発光シグナルの強さには、ある一定の範囲で比例関係にあるため、in vitroのアッセイ系、または細胞内で、活性化プロテアーゼを検出できるだけでなく、活性化プロテアーゼの定量も可能であり、このような活性化プロテアーゼの定量方法も、本発明の態様の一つである。
また、プロテアーゼが非活性状態と、外からのシグナルで活性化される活性化状態を有する場合、本発明の前記インジケーターは活性化プロテアーゼのみを検出できるので、非活性化プロテアーゼの活性化とともにシグナルが生じるため、プロテアーゼの活性化をモニターすることができる。このようなプロテアーゼ活性化の検出方法も、本発明の態様の一つである。
さらに本発明は、in vitroのアッセイ系または細胞内においてプロテアーゼの活性化に影響を及ぼす因子をスクリーニングする方法であって、前記いずれかの活性化プロテアーゼインジケーターを不活性化プロテアーゼ及び/又は活性化プロテアーゼを含有するin vitroのアッセイ系または細胞内に導入し、このin vitroのアッセイ系または細胞に候補因子を接触させる工程を含み、候補因子の接触前後で、基質ペプチドが分解された際に生じる活性化ルシフェラーゼのシグナルを測定し、接触前後でシグナルが増加した場合には候補因子がプロテアーゼを活性化させる因子であると判定し、接触前後でシグナルが減少した場合には候補因子がプロテアーゼを不活性化させる物質であると判定することを特徴とするスクリーニング方法を提供する。
前記の細胞内でのスクリーニング方法においては、前記いずれかの発現ベクターを細胞内に導入し、この発現ベクターから、インテインのタンパク質スプライシングによって最終的に環状化した活性化プロテアーゼインジケーターを発現させることによって、細胞内に活性化プロテアーゼインジケーターを導入することを態様の一つとしている。また、細胞が真核細胞であり、または動物個体内の細胞であることを態様の一つとしている。
すなわち本発明の前記インジケーターは、特定のプロテアーゼが活性化した場合にそのルシフェラーゼにより発光シグナルが生じる。従って、このインジケーターをin vitroのアッセイ系、または生細胞に導入し、発光シグナルの有無や増減を指標として、in vitroのアッセイ系に導入された各種因子や細胞に接触させた各種因子がプロテアーゼ活性化因子であるか、不活性化因子であるかを判定することができる。なお、この場合の「因子」とは、例えば生細胞における特定プロテアーゼの活性化に影響を及ぼす可能性のある環境因子や生細胞における内在性または外来性のタンパク質など、あるいはプロテアーゼの活性化または非活性化を薬理機序とする薬剤候補物質等である。
本発明におけるその他の用語や概念は、発明の実施形態の説明や実施例において詳しく規定する。なお、用語は基本的にはIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによるものであり、あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものである。また発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。例えば、遺伝子工学および分子生物学的技術はJ. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis, "Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd edition)", Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (1989); D. M. Glover et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995); Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, N.Y, 1995;日本生化学会編、「続生化学実験講座1、遺伝子研究法II」、東京化学同人 (1986);日本生化学会編、「新生化学実験講座2、核酸 III(組換えDNA技術)」、東京化学同人 (1992); R. Wu ed., "Methods in Enzymology", Vol. 68 (Recombinant DNA), Academic Press, New York (1980); R. Wu et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 100 (Recombinant DNA, Part B) & 101 (Recombinant DNA, Part C), Academic Press, New York (1983); R. Wu et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 153 (Recombinant DNA, Part D), 154 (Recombinant DNA, Part E) & 155 (Recombinant DNA, Part F), Academic Press, New York (1987)などに記載の方法あるいはそこで引用された文献記載の方法またはそれらと実質的に同様な方法や改変法により行うことができる。また、本発明で使用する各種蛋白質やペプチド、あるいはそれらをコードするDNAについては、既存のデータベース(URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/等)から入手することができる。
また本発明は、タンパク質スプライシングによるレポーター分子の再構成に係る特開2004-108943号公報; 再表2004/104222号公報; 再表02/088766号公報; 国際公開WO2005/085439パンフレットの開示内容を含むものである。
また、本願は、平成19年5月9日を出願日とする日本国特願2007124924に基づく優先権を主張し、当該明細書を引用することにより、本明細書に含めるものとする。
本発明の活性化プロテアーゼインジケーターの基本原理。上段は、発現ベクターから発現される融合タンパク質[Int-C/Luc-C/基質ペプチド/Luc-N/Int-N]、中段はインテインによるタンパク質スプライシングによって切出された環状体のインジケーター、下段はプロテアーゼによる基質ペプチドの切断によって直鎖状となり発光機能を回復したルシフェラーゼ[Luc-N/Luc-C]。 環状ホタルルシフェラーゼ(Fluc)を用いてカスパーゼ-3活性をモニターするための原理。プロテアーゼ基質(DEVD)を用いて、FlucのC末端断片(濃い灰色)をFlucのN末端断片(薄い灰色)に結合する。このFlucの両端にDnaEのC-ならびにN末端断片を結合させる(青色のDnaEcと赤色のDnaEn)。タンパク質スプライシングを受けていない精製物を分解するため、PEST配列(緑)がC末端に取り付けられている。融合タンパク質が細胞質中で発現される場合、DnaEcはDnaEnと相互作用し、断片はタンパク質スプライシングを受け、その結果不活性な環状Flucが生じる。カスパーゼ-3が細胞質中で活性化される場合、それがDEVD配列を開裂してFluc活性が回復する。 cDNAの構造模式図。イタリック体は全て対応するタンパク質の遺伝子を意味する。Proはプロモーターを意味する。 pcFluc-DEVDをトランスフェクションしてから48時間後のCOS-7細胞のウエスタンブロット分析。細胞は2時間にわたり1・/SUB>M STSで処理し、回収した。カスパーゼ-3活性の評価は、消化されたPARPならびに抗PARP抗体を用いて行った。電気泳動されたタンパク質量の参照として、特異的抗体を用いて・/SUB>-アクチンを染色した。 環状ならびに線形形態のFlucに対するウエスタンブロット分析。pcFluc-DEVDをトランスフェクションしたCOS-7細胞を、2時間にわたり表示濃度のSTSで処置してから回収した。試料を電気泳動し、ニトロセルロース膜上に転写し、特異的抗体を用いて染色した。 STSとZ-VAD-FMKに対するFluc活性の定量的分析。pcFluc-DEVDをCOS-7細胞にトランスフェクションさせた後、細胞を100・/SUB>M Z-VAD-FMKまたは溶媒(0.1% DMSO)で1時間にわたり処置し、その後2時間にわたり各種濃度のSTSを用いて刺激した。 カスパーゼ-3欠損性MCF-7細胞におけるFluc活性の分析。MCF-7細胞にpcFluc-DEVDのみ(左)またはpcFluc-DEVDとpCaspase-3の両者(右)をトランスフェクションした。細胞は48時間にわたり培養し、100・/SUB>M STSによる刺激後の表示した時点で発光強度を評価した。 STSに対するFluc活性の定量的分析。HeLa細胞にpcFluc-DEVDをトランスフェクションした後、細胞を2時間にわたり各種濃度のSTSで処理した。 Z-VAD-FMKに対するFluc活性の定量的分析。HeLa細胞にpcFluc-DEVDをトランスフェクションした後、異なる濃度のZ-VAD-FMKまたは溶媒(0.1% DMSO)により細胞を処理し、その後2時間にわたり各種濃度のSTSで刺激した。 カスパーゼ-3活性のリアルタイムin vitro分析。pcFluc-DEVDをトランスフェクションしたHeLa細胞を異なる濃度のSTSを用いて処理し、5分ごとに生物発光強度を調べた。表示された時間は各物質添加後の時間を示す。 ActDを用いて図9と同様に測定した結果。 トランスフェクションされたHeLa細胞を保有するマウスに対するin vivo発光測定。マウスには環状Fluc(右側)と全長Fluc(左側)を発現するHeLa細胞を皮下移植した。STS腹腔内注射後の表示した時点でマウスからの発光を撮影した。3例の代表的なマウスを示す。 図11における埋め込み部位より生じたフォトン計測数の時間依存的変化。縦軸は相対発光単位(RLU)を示すが、ここでは(A)において示される右側からの発光強度(LumR)を左側からの発光強度(LumL)により割ってRLU=LumR/LumLとしている。
本発明の活性化プロテアーゼインジケーターは、ルシフェラーゼのC末端側ハーフ断片(Luc-C)とルシフェラーゼのN末端側ハーフ断片(Luc-N)とがプロテアーゼ基質ペプチドによって連結された環状体である。
ルシフェラーゼとしては、公知の、例えば、ホタルルシフェラーゼ、レニラ(ウミシイタケ)ルシフェラーゼ、クリックビートル(コメツキムシ)ルシフェラーゼ、ガウシアルシフェラーゼ等を使用することができる。これらのルシフェラーゼは、アミノ酸配列や遺伝子(cDNA)の塩基配列が公知である(例えば、ホタルルシフェラーゼはGenBank/AB062786等、コメツキムシルシフェラーゼはGenBank/AY258592.1等)。これらのルシフェラーゼを2分割する位置は公知の情報等を参考に適宜に設定することができる。例えば、ホタルルシフェラーゼ(FLuc)の場合には、後記実施例に示したようにアミノ酸配列415/416部位で切断することができる。またレニラルシフェラーゼの場合には、文献(Kim, S. B.; Ozawa, T.; Watanabe, S.; Umezawa, Y. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 2004, 101, 11542-7)に記載のとおり適当な部位での切断が可能であるが、そのアミノ酸配列91/92で切断した場合に、再構成後の発光強度が最も強くなる。さらに、コメツキムシルシフェラーゼ(CBLuc)の場合には、そのアミノ酸配列の439/440、412/413の位置等で2分割することができる。
また、こられのルシフェラーゼは、Nハーフ断片とCハーフ断片の一部が重複したり、または欠失したりしたものを使用することもできる。
プロテアーゼ基質ペプチドは、目的とするプロテアーゼの種類によって、それが特異的に認識するアミノ酸配列からなるペプチドとする。例えば、プロテアーゼとしてカスパーゼを対象とする場合には、カスパーゼ−3の基質ペプチドのアミノ酸配列はAsp-Glu-Val-Asp(DEVD)である。また、カスパーゼ−8の場合にはLeu-Glu-Thr-Asp(LETD)、カスパーゼ−9の場合にはLeu-Glu-His-Asp(LEHD)である。またカルパインIおよびIIの基質配列はLeu-Leu-Val-Tyr(LLVY)である。もちろん、本発明のインジケーターにおける基質ペプチドは、以上の例に限定されるものではなく、活性化検出対象となるプロテアーゼに応じて、適宜に選択することができる。例えばプロテアーゼの基質ペプチドの配列情報は、既存のデータベース(例えば「MEROPS-the peptidase database」URL:http://merops.sanger.ac.uk/index.htmなど)から容易に入手することができる。また、この基質ペプチドは、プロテアーゼが認識する配列そのものであってもよく、あるいは認識配列の前および/または後に1または複数の任意アミノ酸残基を含むものであってもよい。
このようなインジケーターを生細胞内に発現させるためには、本発明の発現ベクターを使用する。この発現ベクターは、その発現カセット内に「Luc-CをコードするDNA」、「Luc-NをコードするDNA」、「基質ペプチドをコードするDNA」、「インテインのCハーフ断片(Int-C)をコードするDNA」、「インテインのNハーフ断片(Int-N)」をコードするDNAを有している。
この発現ベクターは、図1A上段に例示したような融合タンパク質[Int-C/Luc-C/基質ペプチド/Luc-N/Int-N]を発現する。そして、この融合タンパク質が生細胞内で発現すると、Int-CとInt-Nとのタンパク質スプライシング作用によって融合タンパク質[Luc-C/基質ペプチド/Luc-N]が切出され、図1A中段に示したような環状体が構築される。この時、Luc-NのC末端とLuc-CのN末端とがペプチド結合するが、この融合タンパク質は歪んだ環状の立体構造であるために、結合したLuc-N/Luc-Cは発光機能を持たない。ところがこのインジケーターがプロテアーゼと共存した場合には、プロテアーゼが基質ペプチドを切断するため、図1A下段に示したように、Luc-N/Luc-Cは直鎖状となり歪みを解消するため発光機能を有するルシフェラーゼとして再構成される。そしてこの再構成されたルシフェラーゼは、その基質であるルシフェリン(luciferin)の存在下で発光シグナルを発する。
インテインとしては、酵母VMA由来のものや、藍藻由来のDnaEインテイン等を例示することができるが、これらの限定されるものではなく、既存のインテインデータベース(例えば「InBase」URL:http://www.neb.com/neb/inteins.html)等から必要な配列情報や分割位置等を入手して本発明に使用することができる。
また、融合タンパク質[Int-C/Luc-C/基質ペプチド/Luc-N/Int-N]のいずれかの端部に「PEST配列」を融合させるようにすることも有効である。PEST配列はプロリン、グルタミン酸、セリンおよびトレオニンに富む配列であり、このPEST配列を含むタンパク質は細胞内での分解が促進される。PEST配列は、文献(Rogers, S et al. (1986) Science. 234, 364-8; Ghoda L. et al. (1989) Science. 243, 1493-5; Rechsteiner, M. & Rogers, S. (1996) Trends Biochem. Sci. 21, 267-71.)の記載を参考として適宜なものを使用することができる。
本発明の発現ベクターの基本ベクターは、公知のベクター(真核細胞用ベクター)を特段の制限なく使用することができる。発現カセットの構成要素である各DNAは、それぞれの公知の塩基配列情報に基づいて作成したプローブによってcDNAライブラリーから取得したり、あるいは配列情報に基づいて作成したプライマーを用いたPCRやRT-PCR法によって取得したりすることができる。また、基質ペプチドをコードするDNAは、例えば文献(Carruthers(1982)Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 47:411-8; Adams(1983)J. Am. Chem. Soc. 105:661; Belousov(1997)Nucleic Acids Res. 25:3440-4; Frenkel(1995)Free Radical Biol. Med. 19:373-80; Blommers(1994)Biochemistry 33:7886-96; Narang(1979)Methods Enzymol. 68:90; Brown(1979)Methods Enzymol. 68:109; Beaucage(1981)Tetrahedron Lett. 22:1859; 米国特許第4,458,066号)に記載されているような周知の化学合成技術により、in vitroにおいて合成することができる。
またこの発現ベクターは、融合タンパク質の発現を制御するため(例えば、生物個体における特定組織での発現)、公知の組織特異的プロモーター配列を組込むようにしてもよい。
このような発現ベクターは、例えばマイクロインジェクション法やエレクトロポーレーション法等の公知のトランスフェクション法により細胞内に導入することができる。あるいは脂質による細胞内導入法(BioPORTER(Gene Therapy Systems社、米国)、Chariot(Active Motif社、米国)等)を採用することもできる。また本発明の発現ベクターは、インジケーターを生細胞内に導入するためのウイルスベクターとして構築することができる。例えば、哺乳動物細胞や哺乳動物個体への遺伝子導入に適したレトロウイルスベクター、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)をベースとするベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクターなどである(例えば、Miller et al. BioTechniques 7:980-90, 1992; Anderson et al. Nature 392:25-30 Suppl., 1998; Verma and Somia, Nature 389:239-42, 1997;Wilson, N. Engl. J. Med. 334:1185-87, 1996等を参照)。本発明の方法を動物個体で用いる場合、上記発現ベクターをゲノム中に有するトランスジェニック動物を作製し、発現ベクターを親から子の細胞に遺伝的に導入してもよい。
なお、この発現ベクターに、T7プロモーターやSP6プロモーターなどのin vitro転写用のプロモーターを持たせることによって、公知のin vitro転写系で転写させることができる。そして、得られたmRNAをコムギ胚芽抽出液などの公知のin vitro翻訳系で翻訳させることにより、図1A上段に例示したような融合タンパク質[Int-C/Luc-C/基質ペプチド/Luc-N/Int-N]を得ることができる。さらに、in vitroでInt-CとInt-Nとのタンパク質スプライシングを行うことにより、図1A中段に示したような環状体ペプチドを製造することができる。この環状体ペプチドを公知の方法により精製すれば、活性化プロテアーゼインジケーターとして用いることが可能になる。
本発明の活性化プロテアーゼ検出方法は、活性化プロテアーゼインジケーターを目的のin vitroのアッセイ系または細胞内に導入し、基質ペプチドが分解された際に生じる活性化ルシフェラーゼのシグナルを測定する。
活性化プロテアーゼインジケーターをin vitroのアッセイ系に導入するには、単離した活性化プロテアーゼインジケーターをin vitroのアッセイ系に添加してもよい。活性化プロテアーゼインジケーターの単離は、前記発現ベクターを細胞内に導入し、この発現ベクターからインテインのタンパク質スプライシングによって最終的に環状化したインジケーターを発現させ、公知の方法で細胞からインジケーターを精製してもよく、上述したように、in vitroで転写・翻訳・タンパク質スプライシングを行い、得られたインジケーターを精製してもよい。
また、活性化プロテアーゼインジケーターを細胞内に導入するには、前記発現ベクターを細胞内に導入し、この発現ベクターからインテインのタンパク質スプライシングによって最終的に環状化したインジケーターを発現させればよい。あるいは、膜透過ペプチドを用い、in vitroで合成した[Int-C/Luc-C/基質ペプチド/Luc-N/Int-N]を細胞内に導入した後に、タンパク質スプライシングを起こさせることもできる。この場合、スプライシングと同時に膜透過ペプチドも除去できるように発現ベクターを構築しておく。
ルシフェラーゼ活性の検出方法は、系によって適切な公知の方法を選択すればよく、例えば、in vitroのアッセイ系の場合、アッセイ系に基質であるルシフェリンを添加し、ルミノメーターで検出できる。また、培養細胞の場合、ルシフェリンを培地に加え、フォトカウンターで検出できる。また、動物個体の場合、静脈注射や腹腔内注射などによってルシフェリンを個体に投与し、CCDカメラを装備した実体顕微鏡で発光を検出できる。
このように、本発明の活性化プロテアーゼインジケーターによって、活性化プロテアーゼを検出できることから、本発明の活性化プロテアーゼインジケーターを用いれば、プロテアーゼが不活性型から活性型に活性化する事象をリアルタイムで検出することができる。本明細書では、このようなプロテアーゼの活性化の検出に用いるためのインジケーターを、プロテアーゼ活性化インジケーターと呼ぶ。
本発明のスクリーニング方法は、先ず、プロテアーゼ活性化インジケーターを不活性化プロテアーゼ及び/又は活性化プロテアーゼを含有するin vitroのアッセイ系または細胞内に導入する。この導入は上述の方法と同様にして行うことができる。次に、このin vitroのアッセイ系または細胞に候補因子を接触させ、候補因子の接触前後でプロテアーゼによって基質ペプチドが分解された際に生じる活性化ルシフェラーゼのシグナルを測定する。接触前後でシグナルが増加した場合には候補因子がプロテアーゼを活性化させる因子であると判定することができ、接触前後でシグナルが減少した場合には候補因子がプロテアーゼを不活性化させる物質であると判定することができる。
これらのスクリーニング方法の対象となる候補因子としては、in vitroのアッセイ系または生細胞のプロテアーゼの活性化または不活性化に影響することが想定されるあらゆるものが含まれる。in vitroのアッセイ系を用いた場合、主に、プロテアーゼ自体の活性に影響を及ぼすような因子を同定できることが想定されるが、生細胞を用いた場合、間接的にプロテアーゼ自体の活性に影響を及ぼすような因子もまた同定できることが想定される。例えば、プロテアーゼの活性を制御するシグナル伝達系に影響を及ぼすような因子も含まれる。
特に、本スクリーニング方法において、プロテアーゼの活性化や不活性化を原因とする各種疾患の治療薬物等の有効成分をスクリーニング対象とすることができる。すなわち、プロテアーゼは細胞のアポトーシスに密接に関与しており、不適切なアポトーシスは、アルツハイマー病、ハンチントン病、虚血、自己免疫疾患、癌細胞の不死化など、多数の疾患の原因となっている。従って、薬剤候補物質あるいはその有効成分が生細胞のプロテアーゼ活性に及ぼす影響を高精度で測定することは、有効な治療薬の開発に大きく貢献する。
スクリーニング対象としての候補因子には、例えば、有機または無機の化合物(特に低分子量の化合物)、タンパク質、ペプチド等が含まれる。これらの物質は、機能や構造が既知のものであっても未知のものであってもよい。また、「コンビナトリアルケミカルライブラリー」は、目的物質を効率的に特定するための被験物質群として有効な手段である。コンビナトリアルケミカルライブラリーの調製およびスクリーニングは、当該技術分野において周知である(例えば、米国特許第6,004,617号;5,985,365号を参照)。さらには、市販のライブラリー(例えば、米国ComGenex社製、ロシアAsinex社製、米国Tripos, Inc.社製、ロシアChemStar, Ltd社製、米国3D Pharmaceuticals社製、Martek Biosciences社製などのライブラリー)を使用することもできる。また、コンビナトリアルケミカルライブラリーを、本インジケーターを発現する細胞の集団に適用することによって、いわゆる「ハイスループットスクリーニング」を実施することもできる。
本発明の活性化プロテアーゼ検出キットは、前記いずれかの活性化プロテアーゼインジケーターまたは前記いずれかの発現ベクターを含有し、そのキットを用いれば、活性化プロテアーゼを容易に検出することができる。検出方法は、上述の通りである。本キットは、活性化プロテアーゼインジケーターまたは発現ベクター以外に、緩衝液、ルシフェラーゼの基質(ルシフェリン)、解説書など、活性化プロテアーゼの検出のためのものを含んでいても構わない。また、本キットは、プロテアーゼ活性化検出キット、あるいは上述したようなスクリーニングに用いるためのスクリーニング用キットとして利用されてもよい。
以下、実施例を示して本願発明についてさらに詳細かつ具体的に説明するが、本願発明は以下の例によって限定されるものではない。
1.方法
1-1.プラスミドの構築
大腸菌DH5・/SUB>株を宿主に用いて全てのプラスミドを構築した。DnaEのC末端断片cDNAをPCRにより開始コドンと酵素部位BamHIおよびMunIをそれぞれ導入した。FlucのC末端断片(399-550aa)cDNAをSalI部位を用いてFlucのN末端断片(2-416aa)のcDNAに繋ぎ、MunIおよびHindIII部位をこのキメラDNAの5'-ならびに3'-末端にそれぞれ導入した。DnaEのN末端断片cDNAをPCRによりPEST配列と酵素部位HindIIIおよびXhoIを導入した。PCR産物はDNAシーケンサーABI prism 310(PE Biosystems, Tokyo, Japan)を用いて配列解析し、忠実性を確認した。これらの断片を結合させ、発現ベクターpcDNA3.1(+)(Invitrogen, Carlsbad, CA)中のBamHIとXhoI部位にサブクローニングした。カスパーゼ-3 cDNAは高橋良輔氏
(RIKEN, Japan)からの供与を受けた。pRL-TKはPromega Co.(Madison, WI)より入手した。pX8lucは既報(Kanno, A. et al. (2006) Anal. Chem. 78, 556-60)に従って構築した。
1-2.細胞培養とトランスフェクション
HeLaならびにCOS-7細胞の培養は、10%ウシ胎児血清(FBS)(Gibco BRL)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco BRL)を添加したダルベッコ変法イーグル培地(Gibco BRL, Rockville, MD)中、5% CO2、37条件下で行った。MCF-7細胞の培養は、10% FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1 mMピルビン酸ナトリウム(Gibco BRL)、0.1 mM非必須アミノ酸溶液(Gibco BRL)を添加した基礎培地(Gibco BRL)中、5% CO2、37条件下で行った。細胞へのcDNAのトランスフェクションは、TransIT-LT1試薬(Mirus Bio Co. Madison, WI)を用いて行った。
1-3.ウエスタンブロット分析
COS-7細胞にpcFluc-DEVDをトランスフェクションし、48時間にわたり培養した。細胞はスタウロスポリン(STS; Sigma, St. Louis, MO)を用いて刺激し、溶解緩衝液(1% SDS、10%グリセロール、10% 2-メルカプトエタノール、0.001%ブロモフェノールブルー、50 mM Tris/HCl、pH 6.8)中で細胞破砕した。試料は10% SDSポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動により分離し、ニトロセルロース膜(Hybond-ECL, GE Healthcare, Buckinghamshire, England)上に転写した。ポリクローナル抗ルシフェラーゼ抗体(Promega)を用いてFlucを検出し、免疫反応性の評価は抗ヤギIgG抗体に結合させた西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)(Promega)を用いて行った。HRP活性の可視化は、ECL advance western blotting detection kit(GE Healthcare)を用いて、LAS-1000 plus image analyzer(Fuji Film Co., Tokyo, Japan)により行った。
1-4.ホタルルシフェラーゼ活性のin vitro測定
COS-7またはHeLa細胞にpcFluc-DEVDとpRL-TKをトランスフェクションし、48時間にわたり培養した。この細胞をSTSまたはカスパーゼ阻害剤であるZ-VAD-FMKで処理し、既報(Ozawa, T. et al. (2001) Anal. Chem. 73, 2516-21;Kanno, A. et al. (2006) Anal. Chem. 78, 556-60)のとおりルシフェラーゼ活性を測定した。FlucならびにRenilla reniformisルシフェラーゼ(Rluc)活性の測定時間は20秒であった。Flucからの発光(LF)をRlucからの発光(LR)に対して正規化した値を相対発光単位と名付けた(RLU; RLU=LF/LR)。全ての測定はMiniLumat LB9506ルミノメーター(Berthold GmbH & Co. KG, Wildbad, Germany)を用いて行い、培養プレートの異なるウェルを用いて3重に測定した。結果は溶媒(0.1% DMSO)で処理した細胞のRLU値に対するRLU値の平均比率として、標準偏差と共に示した。
1-5.ルシフェラーゼ活性の時間経過
10 cm皿中でHeLa細胞にpcFluc-DEVDをトランスフェクションし、24時間にわたり培養した。細胞をはぎ取り、5個の3 cm皿に取り分け、24時間にわたり培養した。培地を、500 ・ D-ルシフェリンと5% FBSを含むハンクス平衡塩類溶液(Gibco)に置換した。5個の3 cm皿をフォトカウンター(CRONOS, ATTO, Tokyo, Japan)にセットしてから、STSまたはアクチノマイシンD(ActD, Sigma)を用いて細胞を刺激した。蛍光強度の測定を、皿ごとに累積時間45秒で5分ごとに行った。
1-6.生体マウスにおけるカスパーゼ活性のin vivoイメージング
HeLa細胞にpX8lucまたはpcFluc-DEVDをトランスフェクションし、48時間にわたり培養した。緩衝液セルスクレイパーで細胞を回収し、リン酸緩衝液(PBS)中に懸濁し、1.0 x 106個の細胞を、BALB/c-ヌードマウス(メス、5週齢、体重約17〜20 g)の背中の異なる2箇所の部位に移植した。細胞の移植後にDMSOに溶かしたSTSを腹腔内注射した。すぐにD-ルシフェリン(600 mg/kg体重)を含むPBS緩衝液を腹腔内注入し、CCDカメラ(IVIS200 system, Xenogen, Alameda, CA)を用いてマウスの発光測定を行った。移植細胞から放射されたフォトンを収集し、1分間にわたり積算した。画像処理はLIVING IMAGEソフトウェア(Xenogen)を用いて行った。測定した発光を定量するため、細胞移植領域から興味の対象となる領域を抜き出し、発光強度(フォトン・秒-1・cm-2)を評価した。
2.結果
2-1.カスパーゼ-3活性検出に用いる環状ルシフェラーゼの設計
Flucの結晶構造によるとルシフェラーゼは折り畳まれて2個の緻密な領域、すなわち大きなN末端領域と小さなC末端領域、とになる(図1B)(Conti, E. et al. (1996) Structure. 4, 287-98)。これらの領域は大きな裂け目により分割されており、その中にFlucの活性中心が位置している。結晶構造中に位置するFlucのN末端とC末端はあまり近接していない(Asp3とLys544残基間の距離が約4 nm)。FlucのN末端とC末端はいずれも活性中心の裏側の同じ面に位置している。本実施例では、Flucの構造情報を元に、カスパーゼ-3の基質配列であるDEVDによってFlucのN末端とC末端が結合しており、その結果Fluc活性が大きく減弱していると考えた。N末端とC末端を結合させるため、ここではSynechocystis sp. PCC6803に由来するもともと分割しているDnaEインテイン(Wu, H. et al. (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 95, 9226-31)を選んだが、その理由は、このDnaEインテインにより高収率で環状ペプチドやタンパク質が得られることが既に報告されているからである(Scott, C. P. et al. (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 96, 13638-43;1Scott, C. P. et al. (2001) Chem. Biol. 8, 801-15;Nichols, N. M. & Evans, T. C., Jr. (2004) Biochemistry. 43, 10265-76;Evans, T. C., Jr. et al. (2000) J. Biol. Chem. 275, 9091-4)。DnaEのC末端とN末端の断片をルシフェラーゼのC末端とN末端にそれぞれ結合させた(図2)。またPEST配列はタンパク質の分解を加速することが知られているが(Rogers, S. et al. (1986) Science. 234, 364-8; Ghoda, L. et al. (1989) Science. 243, 1493-5)、これを融合DNAのC末端に接続した。このPEST配列によってタンパク質スプライシングを受けていない未反応物のみが分解することになる一方、環状FlucはこのPEST配列を保有していない。結果的に環状Flucのみが細胞内に蓄積する。カスパーゼ-3が環状Flucを発現している細胞内で活性化されれば、それは活性型に変化して発光活性を回復する。従って、環状Flucを発現する細胞は、発光シグナルに基づいてカスパーゼ-3活性をモニターすることを可能とする。
2-2.カスパーゼ-3活性検出に用いる環状ホタルルシフェラーゼの機能評価
pcFluc-DEVDから発現された融合タンパク質がタンパク質スプライシングにより環状Flucを産生しているかどうかを評価するため、ここではCOS-7細胞にpcFluc-DEVDをトランスフェクションし、48時間にわたってキメラタンパク質を一過性発現させた。タンパク質スプライシングを受けた生成物をウエスタンブロットにより調べた(図3)。アポトーシスを誘導するためにここではアポトーシス誘導試薬のスタウロスポリン(STS)を用いたが、これはカスパーゼ-3によるDEVDアミノ酸配列分解のきっかけになる物質である。細胞内のカスパーゼ-3活性の確認は、DEVD配列を含むポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)をブロッティングすることにより行った。STS非存在下の細胞破砕物において、60 kDa付近に2種類の成分がルシフェラーゼ抗体により認識されたが、その主要生成物の分子量は環状Flucに対応しており、もう一つの生成物の分子量より大きかった。STSの存在下でルシフェラーゼ抗体は直鎖状Flucに対応する低分子量の生成物を強く認識したが、高分子量の生成物は非常に弱かった。直鎖状Flucの形成はSTS濃度に依存していた(図4)。この結果から直鎖状Flucはカスパーゼ-3の活性化により生じ、環状のDEVD配列が消化されたことが示される。
本実施例では、続いてSTSによる刺激後に環状Flucの酵素活性が回復するかどうかを調べた。pcFluc-DEVDをトランスフェクションしたCOS-7細胞について、STSまたはカスパーゼ阻害剤(Z-VAD-FMK)のいずれか、あるいはSTSとZ-VAD-FMKの両方を用いて処理した。細胞を収集してそれらの破砕液をFluc基質であるD-ルシフェリンと混合した。発光シグナルはSTS濃度が増加すると共に増大し、最大反応は十分に大きくSTS非存在時のシグナルと区別可能な程度であった(図5)。100 ・ Z-VAD-FMKを添加した細胞は、1 ・ STSの存在・非存在にかかわらず発光量の増加を示さなかった。Z-VAD-FMK存在下の発光シグナルは、STSとZ-VAD-FMK非存在時の細胞から生じたシグナルより小さかった。これは刺激を受けていない細胞のカスパーゼ-3活性がわずかに存在することを示している。
環状Flucの消化が実際にカスパーゼ-3により媒介されている証拠を示すために、ここではカスパーゼ-3-欠損MCF-7細胞(Janicke, R. U. et al. (1998) J. Biol. Chem. 273, 9357-60)を用いた。pcFluc-DEVDをトランスフェクションした細胞を2時間にわたり100 ・ STSで刺激したところ、生物発光強度の変化はほとんど観察されなかった(図6)。対照的にMCF-7細胞にpcFluc-DEVDとpCaspase-3を同時にトランスフェクションしたところ、STSを用いた刺激による細胞からの発光量は有意に増加した。この結果から不活性の環状Flucが細胞内のタンパク質スプライシングにより生成され、カスパーゼ-3がDEVD配列を消化した時点でFluc活性が回復するという結論が得られた。
環状Flucを用いてアポトーシス物質の特定化を行う実現可能性を示すため、HeLa細胞を用いて環状Flucの感度を調べた。細胞にpcFluc-DEVDをトランスフェクションしキメラタンパク質を一過性発現させ、2時間にわたり異なる濃度のSTSを用いて刺激した。すると濃度範囲1.0 x 10-8 Mから1.0 x 10-6 MにおいてSTSが生物発光強度の増加を誘導することが分かった(図7)。次にカスパーゼ-3阻害剤の一例であるZ-VAD-FMKを用いてカスパーゼ-3活性に対する阻害効果について調べた(図8)。Z-VAD-FMKが環状Flucの開裂に及ぼす阻害効果は、Z-VAD-FMK濃度が10 ・以上の条件で観察された。100 ・ Z-VAD-FMK条件では、環状Flucの開裂は完全に抑制された。これらの結果から、環状Flucを発現する細胞を用いて生細胞内におけるアポトーシス誘導性ならびにアポトーシス阻害性の化学物質を定量的に分析できることが示された。
2-3.カスパーゼ-3活性のリアルタイムin vitro分析
細胞外刺激に応じたカスパーゼ-3活性化に必要とされる時間は、化学物質のタイプと濃度により変化することが知られている。スクリーニング時間を決定するためにはアポトーシス薬剤を用いた刺激後にカスパーゼ-3活性が最大反応を生じる時間を知ることが重要である。本実施例では、以下の一連の実験で生細胞内におけるカスパーゼ-3活性のリアルタイム分析を示す。まずHeLa細胞内で環状Flucインジケーターを一過的に発現させ、各種濃度のSTSを用いた刺激に応じて5分ごとに時間経過に沿った発光強度をモニターした(図9)。細胞は最初25分間にわたり発光シグナルのゆるやかな増加を示した。発光の増加率はSTSの濃度に依存していた。発光シグナルはSTSによる刺激後100分の時点で最大反応に達することが分かったが、特筆すべきことにシグナルは徐々に減少した。この発光シグナルの減少は、HeLa細胞中でのタンパク質分解による活性ルシフェラーゼの減弱を示している。環状Flucを含むHeLa細胞を強力な抗腫瘍剤であるアクチノマイシンD(ActD)を用いて刺激した場合にも、発光シグナルは同様に25分から120分まで増加して徐々に減少した(図10)。これらの全てのデータから、最大の発光を示す時間は化学物質を用いた刺激後およそ120分間であり、これが化学物質のハイスループットスクリーニングを行う場合に最も適した時間となる。
2-4.生体マウス中でのカスパーゼ-3活性のリアルタイムin vivoイメージング
環状Flucのさらなる応用を示すため、ここではこのインジケーターを用いて生体マウスの臓器内における化学物質の分布を調べ、またカスパーゼ-3活性に対する影響を定量した。一般的な関心としては、化学物質と薬剤候補物質が血流により標的臓器に運ばれるかどうか、マウスが物質に曝露された時に臓器内にその物質が豊富であるかまたは代謝されているか、また標的臓器内でその物質が実際にカスパーゼ-3活性に影響しているかどうかという問題が挙げられる。今回の生物発光イメージング技術を用いてこのような情報を得ることが可能である。
本実施例では、環状Flucを発現するHeLa細胞をマウス背中の右側に移植した(図11)。対照実験として全長Flucを発現するHeLa細胞を左側に移植した。マウスにSTS(100 ・/kg体重)を腹腔内(i.p.)注射した場合に観察されるマウスのイメージでは、環状Flucを移植した右側より生じる発光シグナルのみ有意な増加が見られた。注射3時間後のこの発光の増加は急速であり、以後徐々に減少した。マウス背中の左側では、STS注射後にも有意な発光シグナルの変化は無かった。ここからデータ収集期間中のマウス体内のD-ルシフェリン濃度は一定に保たれていることが示されている。
カスパーゼ-3活性にSTSが及ぼす影響を定量的に評価するため、ここでは相対発光単位(RLU)を定義し、右側からの発光強度(LumR)を左側からの値(LumL)により割ってRLU
(%)=LumR/LumLとした。この計算ではトランスフェクション効率、移植細胞の分解、マウス循環中の注入D-ルシフェリン量などの実験条件に見られるばらつきは排除されている。図12に示すのはRLUの時間的変化であり、表示時点における生物発光イメージを元に評価したものである。STSの腹腔内注射の2時間後に、RLU比率はSTSによる刺激前のバックグラウンドRLUと比較して約300〜400%という最大値に達した。従って外因性化学物質を用いた刺激時のカスパーゼ-3活性が、環状Flucを用いた光学的イメージングによりリアルタイムにうまく検出された。

3.考察
本実施例では、タンパク質スプライシングにより生成された環状Flucという、遺伝子コードされた新規のインジケーターを用いて、in vitroならびにin vivoでカスパーゼ-3活性を検出する方法を示した。このインジケーターを用いた細胞ベースのセンシング方法によって、細胞外刺激に応答するカスパーゼ-3活性の程度を定量的かつリアルタイムに測定することができた。さらに環状Flucインジケーターによって、生体マウス内におけるカスパーゼ-3活性を時間依存的な方法で非侵襲的にイメージングすることが出来た。
これまでの方法は、カスパーゼ-3活性の分析はその大部分を一対の蛍光性の有機化学物質やGFP誘導体を用いて、FRETを利用したインジケーターであった(Reits, E. et al. (2003) Immunity. 18, 97-108; Nagai, T. & Miyawaki, A. (2004) Biochem. Biophys. Res. Commun. 319, 72-7; Takemoto, K. et al. (2003) J. Cell. Biol. 160, 235-43; Xu, X. et al. (1998) Nucleic Acids Res. 26, 2034-5; Mahajan, N. P. et al. (1999) Chem. Biol. 6, 401-9)。FRETベースの方法によって、単一の生細胞中のカスパーゼ-3活性について空間時間的な情報が得られる。しかしFRETベースの方法には化学物質のスクリーニングやin vivoイメージングに関していくつかの限界がある。すなわちこの方法で得られるのは半定量的な情報であり、またFRETプローブはスペクトル変化が少ないため感度に限界があることがその理由である。アポトーシス性試薬や薬剤候補物質の中には、アポトーシスを誘導するアクチノマイシンDやワートマニン分解産物などのような蛍光物質または吸光物質が存在する。これらの物質が観察される蛍光シグナルを妨害する可能性がある。蛍光顕微鏡により得られる蛍光観察値の精度はさほど高いものではない。これは統計分析により調べる細胞数が非常に限られているためである。生体マウスに適用する場合には、ヘモグロビン、脂質、色素などの生体材料がFRETに用いる短波長励起光を吸収または散乱することから、蛍光の検出が妨害される。今回の環状Flucを用いた方法によりこれらの限界を克服することが可能であり、アポトーシス中に生じるバックグラウンドの無い発光シグナルを用いてカスパーゼ-3活性を検出することが可能になる。環状Flucの活性はかなり低いことが分かったため、これを用いてカスパーゼ-3活性の高感度検出が可能になる。さらに単一ウェルにより分析される細胞数は104〜106個であり、これは細胞外刺激により誘導されるカスパーゼ-3活性の程度を精度良く評価するために十分な数である。従ってこのインジケーターを用いて、バックグラウンド発光のない精度・確度の良い高感度の検出を行うことが可能であり、そのことは生きた細胞や動物におけるアポトーシスの程度を定量的に評価するための大き
な利点になる。
インテインに媒介されたペプチド主鎖の環状化を用いて、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)やGFPのタンパク質折り畳みを分析できることが示されている(Scott, C. P. et al. (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 96, 13638-43; Iwai, H. et al. (2001) J. Biol. Chem. 276, 16548-54)。ランダムに変化するアミノ酸を用いて短いペプチドを環状化させる方法により、細胞内シグナル伝達の潜在的な阻害因子が得られることが示されている(Kinsella, T. M. et al. (2002) J. Biol. Chem. 277, 37512-8)。これらの既存の環状化技術と比べて今回の環状Flucに見られる最も独特な特徴は、環状形態と線状形態を比べて、分子量やアミノ酸配列の類似性とは無関係に発光シグナルに大きな違いが見られることである。今回はFlucのN末端とC末端にカスパーゼ-3の基質ペプチドを結合させた結果、酵素活性が低下し、これがカスパーゼ-3による基質消化後に急速に回復することを示した。C末端のPEST配列はタンパク質スプライシングを受けていない前駆体を分解させる役割を果たした。このPEST配列の存在は高感度検出を行うために重要であるが、これはタンパク質スプライシングを受けていない前駆体によって高いバックグラウンド発光が生じるためである。環状ルシフェラーゼを利用したインジケーターに見られるこれらの独特な性質は、これまでに報告された改変ルシフェラーゼインジケーターとは全く異なっている。すなわち既報ではルシフェラーゼを用いて、分割したルシフェラーゼの補完または再構成を基礎として、タンパク質間相互作用や核内へのタンパク質の移動を分析している(Paulmurugan, R. et al. (2002) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 99, 15608-13; Ozawa, T. et al. (2001) Anal. Chem. 73, 2516-21; Kim, S. B. et al. (2004) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 101, 11542-7; Luker, K. E. et al. (2004) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 101, 12288-93; Remy, I. & Michnick, S. W. (2006) Nat. Methods. 3, 977-9)。
またFlucをレポーターとして用いたNF-鵤シグナル伝達の検出が報告されており、ここでFlucはI鵤痰ノ結合し、ユビキチン修飾後にタンパク質分解されている(Gross, S. & Piwnica-Worms, D. (2005) Nat. Methods. 2, 607-14)。従って環状Flucをタンパク質スプライシングにより作り出す方法は、方法論的に独自のものであり、これを用いて他のプロテアーゼを検出するためのルシフェラーゼインジケーターをさらに設計することが可能である。
今回はアポトーシス誘導性ならびに阻害性の化学物質がカスパーゼ-3活性に定量的影響を与えることを示した。予想外のことに、100・ Z-VAD-FMKで処理した細胞から生じた発光シグナルは、溶媒のみで処理した細胞から得られるシグナルの50%まで減少した(図5)。この結果から、トランスフェクション時に細胞が穏やかな虚血環境にあるとカスパーゼ-3の活性化が生じ、Z-VAD-FMKはそのカスパーゼ-3の活性化を完全に阻害することが示される。また、環状Flucによって生体マウスにおけるカスパーゼ-3活性の空間的・時間的パターンに関する情報が得られた。従って完全に定量的な方法で、潜在的な治療用化学物質を急速評価することが可能である。
まとめると、本実施例では、生きた細胞と動物においてカスパーゼ-3活性を定量的に検出するために環状Flucが有用であることを示した。ここで示した環状Flucによるアッセイを用いた細胞ベースの分析によって、カスパーゼ-3活性を正確かつ定量的に測定することが可能であるが、これは統計的に有意な数の細胞を分析できるためである。カスパーゼ-3活性化時の環状Flucの反応は非常に速く、これによって治療用の抗癌剤やカスパーゼ阻害剤に対するハイスループットスクリーニングと特定化が可能になる。従来の安定発現技術またはウイルス感染技術を用いた場合、一般的にプローブ量は調節可能であるため、このようなトランスフェクション技術により今回の方法の仕様が改善する可能性がある。ここでは生体マウスにおけるカスパーゼ-3活性のin vivoリアルタイムイメージングを示した。生体マウス中で化学物質は代謝されるか化学修飾される場合が多い。今回の方法を用いると物質の有効濃度を非侵襲的に評価することが可能である。従って、特定の組織中で調節可能なプロモーターと共に環状Flucを発現する遺伝子組み換え動物を開発することが容易になる。ここではカスパーゼ-3活性のみに関する実現可能性を示したが、この環状Flucの基質との結合領域のアミノ酸配列を改変することにより、他のプロテアーゼ活性をモニターすることが出来るだろう。この基本的概念は、D-ルシフェリン存在時に異なる波長の光を放出する他のルシフェラーゼにも適用可能である。詰まるところ、今回のアプローチを用いて生体中の広範囲のプロテアーゼ活性に対し、高速センシングならびにリアルタイムイメージングを行うことが可能である。
本願発明のインジケーターは分子量が小さく、in vitroで、または生細胞内で活性化プロテアーゼの検出ができることからプロテアーゼの活性化をリアルタイムで非侵襲的に検出できる。また再構成されたルシフェラーゼのシグナル強度は十分に強く、動物組織にも吸収されずに外部から観察可能であるから、動物個体内の細胞を対象として、プロテアーゼの活性化を検出することができる。
特にこのインジケーターは、生細胞内のプロテアーゼの活性化や不活性化に影響を及ぼす因子をスクリーニングするのに効果を発揮する。対象が薬剤候補物質等である場合は、高処理(ハイスループット)スクリーニング等も可能である。

Claims (10)

  1. ルシフェラーゼのCハーフ断片(Luc-C)とルシフェラーゼのNハーフ断片(Luc-N)とがプロテアーゼ基質ペプチドによって連結された環状体であり、プロテアーゼによる基質ペプチドの切断によって、Luc-NとLuc-Cが活性化ルシフェラーゼを再構成することを特徴とする活性化プロテアーゼインジケーター。
  2. プロテアーゼ活性化をモニターするためのプロテアーゼ活性化インジケーターであることを特徴とする請求項1に記載の活性化プロテアーゼインジケーター。
  3. 請求項1記載の活性化プロテアーゼインジケーターを発現する発現ベクターであって、発現カセット内に、N末端側からインテインのCハーフ断片(Int-C)、Luc-C、基質ペプチド、Luc-N、インテインのNハーフ断片(Int-N)をこの順番で含む融合タンパク質をコードするDNAを含むことを特徴とする発現ベクター。
  4. 前記活性化プロテアーゼインジケーターが、細胞におけるプロテアーゼ活性化をモニターするためのプロテアーゼ活性化インジケーターであることを特徴とする請求項3に記載の発現ベクター。
  5. 発現カセット内の前記融合タンパク質がInt-CのN末端側またはInt-NのC末端側にPEST配列を含む請求項3の発現ベクター。
  6. in vitroのアッセイ系または細胞内において活性化プロテアーゼを検出する方法であって、
    請求項1に記載の活性化プロテアーゼインジケーターをin vitroのアッセイ系または細胞内に導入し、
    基質ペプチドが分解された際に生じる活性化ルシフェラーゼのシグナルを測定することを特徴とする活性化プロテアーゼ検出方法。
  7. 請求項3の発現ベクターを細胞内に導入し、この発現ベクターから、インテインのタンパク質スプライシングによって最終的に環状化した請求項1に記載の活性化プロテアーゼインジケーターを発現させることによって、細胞内に活性化プロテアーゼインジケーターを導入することを特徴とする請求項に記載の活性化プロテアーゼ検出方法。
  8. in vitroのアッセイ系または細胞内においてプロテアーゼの活性化に影響を及ぼす因子をスクリーニングする方法であって、
    請求項1に記載の活性化プロテアーゼインジケーターを不活性化プロテアーゼ及び/又は活性化プロテアーゼを含有するin vitroのアッセイ系または細胞内に導入し、このin vitroのアッセイ系またはこの細胞に候補因子を接触させる工程を含み、
    候補因子の接触前後で、基質ペプチドが分解された際に生じる活性化ルシフェラーゼのシグナルを測定し、
    シグナルが増加した場合には候補因子がプロテアーゼを活性化させる因子であると判定し、
    シグナルが減少した場合には候補因子がプロテアーゼを不活性化させる因子であると判定することを特徴とするスクリーニング方法。
  9. 請求項3の発現ベクターを細胞内に導入し、この発現ベクターから、インテインのタンパク質スプライシングによって最終的に環状化した請求項1に記載の活性化プロテアーゼインジケーターを発現させることによって、細胞内に活性化プロテアーゼインジケーターを導入することを特徴とする請求項8に記載のスクリーニング方法。
  10. 活性化プロテアーゼを検出するキットであって、
    請求項1に記載の活性化プロテアーゼインジケーターまたは請求項3に記載の発現ベクターを含有することを特徴とするキット。
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