JP2015530114A - リアルタイムモニタリング - Google Patents

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Abstract

細胞内事象または反応のリアルタイムでのモニタリングを行う方法を記載する。特に、ここに記載の方法は、細胞内事象または反応の結果としての、プロ基質からタンパク質センサ用の基質への変換をモニタリングする。【選択図】図1

Description

本出願は、本明細書にその全体が参照によって引用される、2012年9月26日付け出願の米国特許仮出願第61/705,993号の優先権を主張する。
本明細書では、事象または反応のリアルタイムでのモニタリング方法を提供する。特に、本明細書に記載の方法は、事象または反応の結果として起きる、安定的なプロ基質からタンパク質センサ用の不安定な基質への変換をモニタリングする。
化学または生化学化合物によって引き起こされるさまざまな細胞損傷に対して発生する、細胞内、細胞外、またはその他の事象もしくは反応(例えば、代謝活性の低下、細胞内ラジカルにおける変化、アポトーシスの誘発、など)をモニタリングすることは、多様な生物事象の研究における重要な側面である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、事象(event)、反応(response)、条件(condition)、またはシグナルの連続的なリアルタイムでの検出および/または測定のための非侵襲的手法(例えば、生物発光アッセイ)を含む。一般的に、安定的なプロ基質(または、過剰に存在するかアッセイ中に連続的に加えられるもの)は、事象、因子、条件などに反応して連続的に基質に変換され、その基質の存在はセンサ(例えば、タンパク質センサ)との相互作用で検出される。生成される基質はその本来の不安定性(またはタンパク質センサによる急速な利用)によって急速に除去されることで結果として相当量の基質は蓄積されず、そのために事象、反応、条件またはシグナルを、リアルタイムまたはリアルタイムに近い状態で、すなわち、発生するたびに測定できるようになる。測定された事象の活性のいかなる変化は、結果的に基質生成の変化、およびその後のセンサならびに基質によって生成されるシグナルの変化を引き起こす。
本発明のさまざまな実施形態が、細胞内および/または細胞外事象、反応、条件、またはシグナルを検出/モニタリングする上で有用である。細胞可溶化物または無細胞系における事象、反応、条件、またはシグナルの検出もまた、本発明の範囲内である。いくつかの実施形態では、プロ基質および/または基質の細胞への進入および/または排出能力は、検出される事象、反応、条件、またはシグナルの位置(例えば、細胞内、細胞外、無細胞)に適合される。いくつかの実施形態では、プロ基質は細胞内で基質に変換される。いくつかの実施形態では、プロ基質は細胞外で基質に変換される。いくつかの実施形態では、プロ基質は細胞可溶化物内で基質に変換される。いくつかの実施形態では、プロ基質は、無細胞系内で基質に変換される。いくつかの実施形態では、任意の好適な機構によって細胞に進入および/または排出可能なプロ基質および/または基質は、細胞内、細胞外、および/または無細胞の事象、反応、条件、もしくはシグナルの検出で用いられる。いくつかの実施形態では、細胞に進入および/または排出不可能なプロ基質および/または基質は、細胞外および/または無細胞の事象、反応、条件、もしくはシグナルの検出に用いられる。本明細書に記載される多くの実施形態が細胞性事象の面で記載されるが、組成物および方法は細胞可溶化物および/または無細胞系にも適用することができる。本明細書に記載の多くの実施形態は、細胞内事象の検出に適用されるように記載されるが、細胞内での使用のみのためであって細胞外または無細胞での使用には用いられないと具体的に記載されない限りは、これらの実施形態はさらに細胞外および/または無細胞事象のモニタリングにも適用可能である。
本発明の実施形態の一態様であり、この技術を利用するアッセイのリアルタイム性能の少なくとも部分的に原因となるものが、事象(例えば、細胞内事象、細胞外事象)に反応したプロ基質から基質への連続的な変換であり、および、タンパク質センサ(例えば、細胞外に存在するタンパク質センサ)による、基質の不安定性および/または基質の急速な利用/分解(例えば、プロ基質に対して、アッセイの時間尺度に対して、モニタリングされる事象の時間尺度に対して、など)による連続的な除去が挙げられる。特定の実施形態では、基質はタンパク質センサによって急速に利用される。他の実施形態では、基質は本来不安定であり(例えば、化学的に不安定、容易に酵素分解される)、そのため、蓄積しない。基質の急速な利用、消費、および/または分解は、結果としてほとんどまたは全く、細胞外基質蓄積を伴わない。基質が蓄積せず、および/または比較的短期間でしか存在しないため(例えば、プロ基質に対して、アッセイ時間尺度に対して、モニタリングされる事象の時間尺度に対して、など)、基質とタンパク質センサによって生成されるシグナルは、細胞事象による基質の連続的な生成によるものであり、測定される細胞内事象の活性に直接的に比例する。いくつかの実施形態では、細胞内(または細胞外)での基質の連続的な生成およびそれをタンパク質センサによって連続的に細胞外で用いることで、事象、反応、条件または因子の大きさ、頻度、および/または濃度を反映し、主としてそのレベルにおける変化の関数として変化する定常状態シグナル出力レベルが得られるアッセイを提供する。このような実施形態では、プロ基質から基質への変換率が低下すると(例えば、変換の速度低下によって、細胞内のプロ基質の可用性不足によって)、それはシグナルにおけるリアルタイムでの低下として反映される。同様に、プロ基質から基質への変換率が上昇すると(例えば、より早い変換速度によって、細胞内プロ基質の可用性が増加することによって)、それはシグナルのリアルタイムでの増加として反映される。いくつかの実施形態では、シグナルの連続的なモニタリングは、事象、条件、活性などのリアルタイムでの読み出しを提供する。
いくつかの実施形態では、任意の所定の時間に生成されるシグナルは、モニタリングされる事象または反応と比例する。いくつかの実施形態では、シグナルの生成は、細胞内事象または生存細胞における反応に帰し得る酵素または分子の活性を測定することによる。いくつかの実施形態では、測定される事象、反応または活性が阻害されるか細胞が溶解される場合は、シグナル(または還元されたシグナル)は生成されない。いくつかの実施形態では、シグナル生成は、細胞外事象または反応に帰し得る酵素または分子の活性を測定することによる。このような実施形態では、測定される事象、反応または活性が阻害されるか主要因子の排出が阻害されると、シグナル(または還元されたシグナル)は生成されない。
いくつかの実施形態では、プロ基質は基質に、条件、事象、反応、またはその結果として得られる因子によって連続的に変換される。いくつかの実施形態では、プロ基質は細胞内で、細胞外で、細胞可溶化物にて、または無細胞系において基質に連続的に変換される。特定の実施形態では、アッセイ中に十分なプロ基質の濃度が存在することを確実にするために、プロ基質の特徴(例えば、濃度、安定性など)および/またはアッセイ条件(例えば、添加されるプロ基質の量、タンパク質センサ濃度、プロ基質添加数、など)が選択/操作される。十分なプロ基質の濃度とは、プロ基質と、細胞内の事象、条件、反応、またはそのような事象、条件、反応が発生したときにそれらに関連する因子との相互作用の結果として得られる濃度である。いくつかの実施形態では、プロ基質はアッセイの時間尺度にわたって安定している(例えば、T1/2>アッセイ実行時間)。いくつかの実施形態では、プロ基質の濃度は、プロ基質のいかなる不安定性を補償するように調節される(例えば、より安定性の低いプロ基質にはより大きなプロ基質の濃度)。いくつかの実施形態では、適切な細胞内条件、事象、反応、因子が発生するか存在する場合は、基質への変換を確実にする十分なプロ基質が提供される。いくつかの実施形態では、プロ基質はアッセイの最中に繰り返し加えられる。いくつかの実施形態では、プロ基質は連続的にアッセイに流し込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるシステムおよび方法は、(a)タンパク質センサ(例えば、ルシフェラーゼ酵素)および(b)プロ基質(例えば、タンパク質センサ用に基質に変換可能な実体)を含む。本発明の実施形態では、タンパク質センサおよびプロ基質は細胞外で導入される。プロ基質は、細胞外の空間から細胞内部の空間に、任意の好適な機構(例えば、拡散、エンドサイトーシス、受動輸送、能動輸送、など)によって移動することができる。いくつかの実施形態では、プロ基質はまた、細胞内環境から排出して細胞外空間に戻ることも可能である(例えば、任意の好適な機構によって)。好適なプロ基質としては、細胞事象に反応して生細胞内にて基質に変換される実体を含む。基質は生細胞から外に移動して、細胞の外に配置されるタンパク質センサによって利用されて、測定可能であり、細胞内事象の直接的な測定値を表すシグナルを生成する。
その他の実施形態では、細胞外で導入されたプロ基質は細胞の内部に移動することができない。このような実施形態では、プロ基質は、事象(例えば、細胞外、細胞内、など)に反応して、細胞の外で基質に変換される。いくつかの実施形態では、プロ基質は特定の因子が細胞外に排出された後に基質に変換される。いくつかの実施形態では、変換率は、因子の排出量による。これらの実施形態では、プロ基質は細胞外で導入され、細胞外で基質に変換され、細胞外でタンパク質センサによって利用されて、測定可能であり、事象または条件(例えば、細胞外、細胞内、など)の直接的な測定値を表すシグナルが生成される。
さらにその他の実施形態では、タンパク質センサおよびプロ基質は細胞可溶化物または無細胞系に導入される。プロ基質は、対象の事象または条件が発生すると基質に変換され、基質はタンパク質センサによって利用される。このような実施形態では、細胞が存在する必要はない。
いくつかの好適なプロ基質は、基質部分および官能部分(またはブロッキング部分(blocking moiety))を含む。いくつかの実施形態では、官能部分(またはブロッキング部分)は、事象(例えば、酵素切断、化学切断など)によって基質部分から切断され得る実体または官能基(例えば、ペプチド、有機分子、など)である。官能部分が基質部分から除去される(例えば、細胞内事象によって)と、タンパク質センサ用の基質は遊離される。
その他の好適なプロ基質は不完全基質である(例えば、プロ基質は部分または官能基を添加することで基質になる)。特定の実施形態では、官能部分は、事象(例えば、化学反応、酵素促進性添加、など)によってプロ基質に加えられる実体(例えば、ペプチド、有機分子、など)であり、基質を生成する。
さまざまな実施形態では、基質(例えば、ブロッキング部分から遊離された、細胞内事象によって修飾された、など)は、タンパク質センサと自由に作用することができる(例えば、細胞外空間内にて、細胞内空間内にて)。基質がタンパク質センサに暴露されると(例えば、官能エレメントから自由にされる、「プロ」形態から修飾される、など)、基質はタンパク質センサによって利用されて、検出可能なシグナルを生成する(例えば、発光)。いくつかの実施形態では、基質は、シグナル生成反応においてセンサタンパク質によって再度利用できないように、タンパク質センサによって変更、消費、および/または分解される。タンパク質センサによる基質の変更、消費、および/または分解は、結果として基質を蓄積しない。
いくつかの実施形態では、基質は、急速に分解(例えば、化学的に、酵素的に、など)、消費(例えば、タンパク質センサによって)、または生成後にプロ基質と対象の反応、事象、または条件に関連する因子との相互作用によって他の方法で除去される。基質の不安定性は、基質の本来の不安定性、基質の分解または修飾に対する感受性、タンパク質センサによる基質の利用、生理学および/または細胞内条件下での基質の不安定性などの1つもしくはそれらの組み合わせの結果として得られてもよい。結果として、アッセイの最中、基質はほとんどあるいは全く(例えば、実質的に全く)蓄積されない(例えば、細胞内にて、細胞外にて、など)。
いくつかの実施形態では、タンパク質センサは酵素である。いくつかの実施形態では、タンパク質センサは基質との相互作用で検出可能なシグナルを生成する。タンパク質センサは、急速な基質の利用に必要な量で存在する。タンパク質センサは、アッセイの時間尺度にわたって細胞外の活性を保持する。いくつかの実施形態では、タンパク質センサはルシフェラーゼ、発色タンパク質、蛍光タンパク質などである。いくつかの実施形態では、タンパク質センサは、オンファローツスオレアリウス(Omphalotus olearius)、ホタル(例えば、Photinini)、Renilla reniformis、それらの突然変異体、それらの部分、それらの変種に見出されるルシフェラーゼ、および本明細書に記載のシステムならびに方法に好適な任意のその他のルシフェラーゼ酵素から選択されるルシフェラーゼである。いくつかの実施形態では、タンパク質センサは発光エビ(Oplophorus)(例えば、プロメガ株式会社製NANOLUC酵素、配列番号1、またはそれと少なくとも70%同一性(例えば、>70%、>80%、>90%、>95%)を有する配列)からの、修飾された増強ルシフェラーゼ酵素である。いくつかの実施形態では、タンパク質センサは熱安定性を有するペンシルバニアホタル(Photuris pennsylvanica)ルシフェラーゼ(例えば、配列番号2またはそれと少なくとも70%同一性(例えば>70%、>80%、>90%、>95%)を有する配列)である。
いくつかの実施形態では、プロ基質は試料および/または細胞外空間に提供、導入、および/または投与される。いくつかの実施形態では、プロ基質は、対象酵素、目的酵素、またはその他の因子によって、タンパク質センサ用の基質に変換される。いくつかの実施形態では、プロ基質は基質部分(例えば、タンパク質センサ用の基質)および付加部分(例えば、官能部分、ブロッキング部分、など)を含み、付加部分はタンパク質センサ用の基質を生成するのにプロ基質から除去される(例えば、対象酵素によって)。いくつかの実施形態では、プロ基質は基質全体の官能基または化学部分を欠損しており、プロ基質にその基または部分を付加することによって、プロ基質が基質に変換される。いくつかの実施形態では、プロ基質の化学および/または酵素修飾は、結果として基質を形成する。いくつかの実施形態では、プロ基質構造は基質構造に変換される(例えば、化学的に、酵素的に、など)。いくつかの実施形態では、基質はルシフェラーゼ酵素用の基質である。いくつかの実施形態では、プロ基質はルシフェラーゼ酵素用のプロ基質である。いくつかの実施形態では、プロ基質は発光エビ、例えば、プロメガ株式会社製、NanoLuc酵素(例えば、配列番号1)からの、修飾された増強ルシフェラーゼ酵素用のプロ基質である。いくつかの実施形態では、プロ基質は、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、セレンテラジンの構造上または官能上の等価物、セレンテラジンと実質的に同等な分子(例えば、構造上および/または官能上)、もしくはセレンテラジンに官能上もしくは構造上に類似する分子を備える。いくつかの実施形態では、プロ基質は式Iを含む:
式中、Rは、対象酵素によって作用され得る、例えば除去または修飾され得る、有機部分、ペプチド、アミノ酸、ヌクレオチドもしくは核酸を有する。上記は、その他のセレンテラジンを利用するルシフェラーゼ、その他のルシフェラーゼ、またはその他の酵素用のその他のプロ基質のモデルを提供する、例示的なプロ基質である。
いくつかの実施形態では、対象酵素またはその他の因子の作用を受けた後に(例えば、細胞内、細胞外、無細胞環境において、など)、プロ基質はタンパク質センサ用の基質に変換される。いくつかの実施形態では、基質は、細胞から細胞外空間(例えば、媒体など)に拡散する。いくつかの実施形態では、プロ基質は生存細胞に加えられる。いくつかの実施形態では、プロ基質およびタンパク質センサは同時に加えられる。いくつかの実施形態では、プロ基質およびタンパク質センサは異なるときに加えられる。いくつかの実施形態では、プロ基質は長時間にわたって安定している(例えば、>1時間、>2時間、>6時間、>12時間、>24時間、>48時間、>72時間、>100時間)。いくつかの実施形態では、タンパク質センサは連続する長時間にわたって安定している(例えば、>1時間、>2時間、>6時間、>12時間、>24時間、>48時間、>72時間、>100時間)。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、生細胞の代謝活性、カスパーゼ活性化を測定することによるアポトーシス、過酸化水素形成、細胞の還元容量、細胞の酸化容量を測定することによる活性酸素種の生成、などを含むがこれらに限られない、多様な生理学的な事象を調査する上で用いることができる。いくつかの実施形態では、生物学的事象または細胞内事象、反応もしくは条件(例えば、還元容量、酸化容量、など)は、特定の酵素または分子、例えばタンパク質に帰していてもよい。いくつかの実施形態では、酵素は、カスパーゼ、プロテアーゼ、チトクロムP450(CYP450)酵素、またはモノアミンオキシダーゼ(MAO)、還元酵素、デヒドロゲナーゼ、酸化還元酵素、酸化的リン酸化に伴う酵素、解糖に伴う酵素などを含む。いくつかの実施形態では、明細書に記載される方法は、酵素または分子、例えばタンパク質または活性酸素種の検出、測定、例えば定量を可能とする。
本発明の実施形態は、細菌細胞(例えば、大腸菌(E.coli))、真核細胞(例えば、アフリカツメガエル(X.laevis)、線虫(C elegans)、出芽酵母(S.cerevisiae))、および哺乳類細胞(例えば、非ヒト霊長類、ニワトリ、マウス、ヒト、など)を含むがそれらに限られない、任意の好適な生存細胞において有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の実施形態に用いられる細胞は培養細胞内に、生体外(in vitro)、原位置(in situ)、または生体内(in vivo)にある。いくつかの実施形態では、基質へのプロ基質変換およびタンパク質センサによる基質利用は、共に細胞の外(例えば、細胞外で)、または生存細胞を欠損する環境(例えば、細胞可溶化物、無細胞系など)で行われる。
いくつかの実施形態では、基質は不安定である(例えば、本質的に不安定、センサタンパク質によって急速に分解される)。いくつかの実施形態では、基質の不安定性によって事象または反応(例えば、細胞内事象または反応)のリアルタイムでのモニタリングが可能になる。基質の不安定性は基質の蓄積を防ぎ、それにより対象の因子の存在を反映して、主として対象の因子の活性の濃度の変化の関数として変化する定常状態シグナル出力レベルが得られる。基質の不安定性は、基質の化学的不安定性、および/またはタンパク質センサによる基質の急速な消費に由来してもよい。基質が不安定であるために、タンパク質センサによって生成されたシグナルは最近変換された基質(例えば、プロ基質から変換されたもの)から必然的に得られる。いくつかの例では、プロ基質は安定している。いくつかの実施形態では、プロ基質を加工することで(例えば、生細胞によって)、タンパク質センサ用の不安定な活性基質を生成する。いくつかの実施形態では、細胞内事象または反応(例えば、プロ基質を基質に変換することで直接的または間接的に結果として得られる)は、プロ基質およびタンパク質センサの両方の安定性(例えば、細胞の中および/または外におけるプロ基質の安定性、ならびに/もしくは細胞の外のタンパク質センサの安定性)によって、長時間にわたってモニタリングすることができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、生存細胞の操作を必要としない(例えば、タンパク質センサは生存細胞によって発現されなくてもよい)。いくつかの実施形態では、タンパク質センサは細胞に進入しない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法はさまざまなプロ基質、例えば、プロフリマジン、プロセレンテラジン、プロセレンテラジン誘導体または類似体、もしくはプロルシフェリンなど、ならびにさまざまなタンパク質センサ、例えば、発光エビ、キタアメリカホタル(Photinus pyralis)、ペンシルバニアホタル、Renilla、またはガウシア(Gaussia)からのルシフェラーゼ酵素など、さまざまなルシフェラーゼ酵素と合わせて用いることができる。いくつかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素は、例えば、増強生物発光、増強シグナル安定性、または熱安定性を有するなど、修飾されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法はさまざまな生物学的システム、例えば、細菌、イースト、真核、例えば哺乳類の、細胞、組織、および動物モデルなどに用いることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、リアルタイムで、生体内における細胞内事象または反応を、例えばマウス、ラット、またはヒトなどの生きている動物の細胞、組織もしくは臓器の中でモニタリングするのに用いることができる。
いくつかの実施形態では、本発明は細胞内事象、条件、または反応を検出する方法を提供し、(a)(i)細胞と、(ii)基質と相互作用することで検出可能なシグナルを生成するタンパク質センサと、(iii)細胞に進入することができる安定したプロ基質と、を提供し、プロ基質と、細胞内事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用によって、プロ基質をタンパク質センサ用の不安定性基質に変換し、(b)基質およびタンパク質センサの相互作用によって生成されるシグナルを検出することを含み、そのシグナルの存在が細胞内事象、条件、または反応の発生をリアルタイムで示し、細胞内事象、条件、または反応と関連する因子の不在が結果としてリアルタイムでシグナルが不在となり、シグナルの大きさが因子の量に相関する。
いくつかの実施形態では、本発明は事象、条件、または反応を検出する方法を提供し、(a)(i)細胞と、(ii)基質と相互作用することで検出可能なシグナルを生成するタンパク質センサと、(iii)細胞内に進入することができない安定したプロ基質と、を提供し、プロ基質と、事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用によって、プロ基質をタンパク質センサ用の不安定性基質に変換し、(b)基質およびタンパク質センサの相互作用によって生成されるシグナルを検出することを含み、そのシグナルの存在が事象、条件、または反応の発生をリアルタイムで示し、細胞外事象、条件、または反応と関連する因子の不在が、結果としてシグナルのリアルタイムの不在となり、シグナルの大きさが因子の量に相関する。いくつかの実施形態では、事象、条件、または反応は細胞外もしくは細胞内である。
いくつかの実施形態では、本発明は細胞外で事象、条件、または反応を検出する方法を提供し、(a)(i)細胞と、(ii)基質と相互作用することで検出可能なシグナルを生成するタンパク質センサと、(iii)細胞内に進入することができない安定したプロ基質と、を提供し、プロ基質と、事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用によって、プロ基質をタンパク質センサ用の不安定性基質に変換し、(b)基質およびタンパク質センサの相互作用によって生成されるシグナルを検出することを含み、そのシグナルの存在が事象、条件、または反応の発生をリアルタイムで示し、細胞外事象、条件、または反応と関連する因子の不在が、結果としてシグナルのリアルタイムの不在となり、シグナルの大きさが因子の量に相関する。いくつかの実施形態では、本発明は事象、条件、または反応を細胞外にて検出する方法を提供し、(a)(i)細胞と、(ii)基質と相互作用することで検出可能なシグナルを生成するタンパク質センサと、(iii)基質に細胞内にて変換されない安定したプロ基質と、を提供し、プロ基質と、事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用によって、プロ基質をタンパク質センサ用の不安定性基質に変換し、(b)基質およびタンパク質センサの相互作用によって生成されるシグナルを検出することを含み、シグナルの存在が事象、条件、反応の発生をリアルタイムで示し、細胞外事象、条件、または反応に関連する因子の不在が、結果としてシグナルのリアルタイムの不在となり、シグナルの大きさが因子の量に相関する。
いくつかの実施形態では、本発明は、事象、条件、または反応を検出する方法を提供し、(a)(i)細胞可溶化物または無細胞媒体と、(ii)基質と相互作用することで検出可能なシグナルを生成するタンパク質センサと、(iii)プロ基質と、事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用によって、プロ基質をタンパク質センサ用の不安定性基質に変換される、安定したプロ基質と、を提供し、(b)基質およびタンパク質センサの相互作用によって生成されるシグナルを検出することを含み、シグナルの存在が事象、条件、反応の発生をリアルタイムで示し、細胞外事象、条件、または反応に関連する因子の不在が、結果としてシグナルのリアルタイムの不在となり、シグナルの大きさが因子の量に相関する。
いくつかの実施形態では、検出はリアルタイムでモニタリングすることを含む。いくつかの実施形態では、基質は不安定である。いくつかの実施形態では、プロ基質と、事象、条件、または反応に関連する因子との相互作用の後、基質は蓄積しない(例えば、細胞外にて)。いくつかの実施形態では、プロ基質と、事象、条件、または反応との相互作用によって生成された基質の実質的に全てが、分解するかタンパク質センサによって利用される。
いくつかの実施形態では、プロ基質と、事象、条件、または反応(例えば、細胞内事象、条件、または反応)と関連する因子との相互作用によって生成される実質的に全ての(例えば、アッセイ検出条件下の全ての検出可能量)の基質が、タンパク質センサによって、相互作用のリアルタイムまたはリアルタイムに近い検出に有用な時間枠内で、分解するか利用される(例えば、アッセイの種類、実験の長さ、およびモニタリングされる事象または条件によって、基質は、基質生成の後に、1秒、2秒、5秒、10秒、20秒、1分、2分、5分、10分、20分、もしくはそれ以上の時間内で分解または利用されてもよい)。いくつかの実施形態では、プロ基質と、細胞内事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用によって生成される基質の実質的に全てが、相互作用から1分以内に分解するかタンパク質センサによって利用される。いくつかの実施形態では、プロ基質と、細胞内事象、条件、または反応と関連する因子の相互作用によって生成される基質の実質的に全てが、相互作用から30秒以内に分解するかタンパク質センサによって利用される。いくつかの実施形態では、プロ基質と、細胞内事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用によって生成される基質の実質的に全てが、相互作用から10秒以内に分解するかタンパク質センサによって利用される。いくつかの実施形態では、基質はリアルタイムの基質である。
いくつかの実施形態では、基質とタンパク質センサとの相互作用によって生成されるシグナルは、基質がプロ基質および細胞内事象、条件、または反応に関連する因子と相互作用することで連続的に生成される場合にのみ持続する。いくつかの実施形態では、細胞内事象、条件、または反応に関連する因子の濃度が増加したり低下したりすることで、その結果、基質とタンパク質センサとの相互作用によって生成されるシグナルがそれに対応して増加および低下する。いくつかの実施形態では、シグナルにおける変化は、因子濃度の変化から5分以内に起きる。いくつかの実施形態では、シグナルにおける変化は、因子濃度の変化から1分以内に起きる。いくつかの実施形態では、シグナルにおける変化は、因子濃度の変化から30秒以内に起きる。いくつかの実施形態では、シグナルにおける変化は、因子濃度の変化から10秒以内に起きる。いくつかの実施形態では、シグナルはリアルタイムのシグナルである。いくつかの実施形態では、シグナルは非蓄積シグナルである。
特定の実施形態では、プロ基質は特定の速度で細胞に進入する(例えば、一定、またはアッセイにわたって操作者または実験者によって変動される)。特定の実施形態では、プロ基質は特定の速度で基質に変換される(例えば、一定またはアッセイにわたって変動される)。いくつかの実施形態では、プロ基質の進入速度は、細胞が可能ないかなる速度にて基質に変換するための、細胞内のプロ基質の貯蔵を提供するのに十分である。いくつかの実施形態では、プロ基質の細胞内への進入は、基質からシグナルの生成に対して律速でない。いくつかの実施形態では、基質の細胞からの排出は、シグナルの生成に対して律速でない。いくつかの実施形態では、プロ基質から基質への変換は、シグナルの生成に対して律速である。いくつかの実施形態では、プロ基質から基質への変換は「門番」(「gatekeeper」)(または制限因子)として作用し、検出可能な条件にされる基質の量を求める。このような実施形態では、プロ基質から基質への変換は、細胞条件、活性および/または事象によって調整される。事象、条件、または活性が変換速度を上げると、基質の量、ひいては生成されるシグナルの量が増加する。事象、条件、または活性が変換速度を低下させると(もしくは変換を止めると)、基質の量、ひいては生成されるシグナルの量が低下する。このような実施形態では、プロ基質の進入または基質の排出の速度ではなく、プロ基質から基質への変換速度が制御的である(例えば、プロ基質変換速度に影響する事象/条件のモニタリングを可能とする)。基質は、例えば、いかなる蓄積が発生する前に基質が分解するか利用されるために、細胞内に蓄積されない。細胞がプロ基質を基質に変換できないか、その変換が遅くなると(例えば、細胞条件または事象によって)、検出されるシグナルは減少する。細胞がより急速にプロ基質から基質に変換させると(例えば、細胞条件または事象によって)、検出されるシグナルは増加する。基質が蓄積する技術では、プロ基質の変換が停止しても、シグナルは持続する。本発明の実施形態では、シグナルにおける増加または低下は、対応する生成される基質の量における増加または低下、ならびにプロ基質の変換の要因となる細胞活性または因子に直接帰することができる。
特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は調査される事象、反応、または条件の最大効果、最小効果、および/または遷移点を正確に示すことを可能とする。このようなアッセイのその他の利点のうち、このような機能性を有するアッセイは、実験者に最適な時間に発生する機能性エンドポイントアッセイを設計することを可能とする。
いくつかの実施形態では、タンパク質センサは細胞外に提供される。いくつかの実施形態では、タンパク質センサは細胞内に進入することができない。いくつかの実施形態では、基質とタンパク質センサとの相互作用は細胞外で発生する。
いくつかの実施形態では、タンパク質センサはルシフェラーゼ酵素を含む。いくつかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素は、発光エビ、甲虫、Renillaまたはガウシアルシフェラーゼを含む。いくつかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素は、増強されたタンパク質安定性増強生物発光および/または増強されたシグナル安定性を有するルシフェラーゼを含む。いくつかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素は、増強されたタンパク質安定性増強生物発光および/または増強されたシグナル安定性を有する発光エビルシフェラーゼを含む。いくつかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素はキタアメリカホタルまたはペンシルバニアホタルから選択される甲虫ルシフェラーゼを含む。いくつかの実施形態では、プロ基質はプロフリマジン、プロフリマジン誘導体、プロセレンテラジン、プロセレンテラジン誘導体もしくは類似体、プロルシフェリン、またはプロルシフェリン誘導体を含む。
いくつかの実施形態では、因子(例えば、プロ基質から基質への変換の原因となる因子)は、その存在が細胞内事象または反応に相関する酵素または分子である。いくつかの実施形態では、酵素または分子は、カスパーゼ、プロテアーゼ、活性酸素種、チトクロムP450(CYP450)酵素、またはモノアミンオキシダーゼ(MAO)、還元酵素、デヒドロゲナーゼ、もしくは酸化還元酵素を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は細胞内事象または反応を検出するキットを提供し、(a)基質と相互作用されることによって検出可能なシグナルを生成するタンパク質センサと、(b)細胞内に進入することができるプロ基質とを含み、プロ基質と、細胞内事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用によって、プロ基質をタンパク質センサ用の基質に変換する。本発明の実施形態を実施するのに有用な任意の組成物(例えば、タンパク質センサ、プロ基質、バッファ、細胞、コントロール、など)は、単独またはその他の組成物と組み合わせて、キットの形態で提供されてもよい。例えば、タンパク質センサおよびプロ基質を、細胞条件(例えば、細胞生存性)を検出するためのキットとして提供してもよい。キットはさらに、適切なコントロール(例えば、マイナス、プラス)、容器、アッセイ用試薬、および/または検出用試薬を含んでいてもよい。
特定の実施形態では、シグナルは任意の好適なデバイス、検出器、装置、システムなどによって検出される。検出可能なシグナル(例えば、発光、発色、など)、および/またはアッセイ条件(例えば、複合、細胞種類、など)によって、好適な検出器としては、CCDカメラ、ビデオカメラ、写真フィルム、レーザー走査装置、蛍光光度計、フォトダイオード、量子カウンター、落射蛍光顕微鏡、走査型顕微鏡、フローサイトメータ、蛍光マイクロプレートリーダー、または蛍光顕微鏡を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、検出は、リアルタイムでのモニタリング、エンドポイント読み出し、一連の連続的な読み出し(例えば、1秒、2秒、5秒、10秒、30秒、1分、2分毎、など)、または任意のその他の好適な検出/モニタリングスキームによって行われる。
いくつかの実施形態では、コンピュータに基づく分析プログラムを用いて、検出アッセイによって生成された生のデータ(例えば、シグナルの有無または量)を、対象の因子の濃度、またはその因子に関連する事象、条件、および/または反応の大きさ、頻度ならびに/もしくは濃度に相関させる。データは、任意の好適な形式で報告されてもよい(例えば、生のシグナルデータ、変換されたシグナル、因子濃度、事象頻度、細胞条件など)。データは、保存(例えば、コンピュータ読取可能形式にて)、表示(例えば、モニター上に)、印字、報告などされてもよい。いくつかの実施形態では、方法は、データ(例えば、生、または相関された)の計算機支援解析を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は事象、条件、または反応を検出する方法を提供し、基質とタンパク質センサとの相互作用によって生成されるシグナルを検出することを含み、基質はプロ基質を事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用の生成物であり、シグナルの存在がリアルタイムでの事象、条件、または反応の発生を示し、事象、条件、または反応に関連する因子の不在が、結果としてシグナルのリアルタイムの不在となり、シグナルの大きさが因子の量に相関している。いくつかの実施形態では、事象、条件、または反応は細胞内、細胞外、もしくは無細胞である。いくつかの実施形態では、検出はリアルタイムでモニタリングすることを含む。いくつかの実施形態では、検出はエンドポイント検出を含む。いくつかの実施形態では、検出はシグナルの連続的なモニタリングを含む。いくつかの実施形態では、検出は、長時間(例えば、10分...20分...1時間...2時間...4時間...12時間...24時間...48時間...72時間、1週間、4週間、またはそれ以上)にわたって生細胞における細胞内事象を連続的にモニタリングすることを含む。いくつかの実施形態では、プロ基質は安定しており、細胞に絶えず進入する。いくつかの実施形態では、プロ基質は基質に、細胞内事象、条件または反応によって変換され、細胞から絶えず排出する。いくつかの実施形態では、基質は細胞の外に配置されるタンパク質センサとの相互作用によってシグナルを生成する。いくつかの実施形態では、基質は不安定である(例えば、<30秒、<1分、<2分、<5分、<10分、<30分、<1時間、または実験もしくはアッセイの時間尺度に対して急速な任意のその他の時間尺度内に分解および/または利用される)。いくつかの実施形態では、基質は、プロ基質と、細胞内事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用の後に蓄積しない(例えば、細胞外に)。いくつかの実施形態では、プロ基質と、細胞内事象、条件または反応と関連する因子との相互作用によって生成される基質の実質的に全てが、分解するかタンパク質センサによって利用される。いくつかの実施形態では、基質とタンパク質センサとによって生成されるシグナルは、生細胞による基質の連続的な供給次第である。いくつかの実施形態では、基質はリアルタイムの基質である。いくつかの実施形態では、基質とタンパク質センサとの相互作用によって生成されるシグナルは、基質が、プロ基質と、細胞内事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用によって連続的に生成されるときのみに持続する。いくつかの実施形態では、細胞内事象、条件、または反応に関連する因子の濃度が増加したり低下したりすることで、結果として基質とタンパク質センサとの相互作用によって生成されるシグナルがそれに対応して増加したり低下したりする。いくつかの実施形態では、シグナルはリアルタイムのシグナルである。いくつかの実施形態では、シグナルは非蓄積シグナルである。いくつかの実施形態では、基質は細胞から排出することができる。いくつかの実施形態では、タンパク質センサは細胞外に設けられる。いくつかの実施形態では、タンパク質センサは細胞内に進入することができない。いくつかの実施形態では、基質とタンパク質センサとの相互作用は細胞外で起きる。いくつかの実施形態では、生細胞はタンパク質センサを発現するために操作されない。いくつかの実施形態では、プロ基質、基質またはタンパク質センサは非侵襲的であり、細胞機能を妨げない。いくつかの実施形態では、タンパク質センサはアッセイの時間尺度にわたって活性を保持する。いくつかの実施形態では、タンパク質センサはルシフェラーゼ酵素を含む。いくつかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素は発光エビ、甲虫、Renillaまたはガウシアルシフェラーゼを含む。いくつかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素は増強されたタンパク質安定性、増強された生物発光、および/または増強されたシグナル安定性を有する発光エビルシフェラーゼを含む。いくつかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素はキタアメリカホタルまたはペンシルバニアホタルから選択される甲虫ルシフェラーゼを含む。いくつかの実施形態では、プロ基質はプロフリマジン、プロフマリジン誘導体、プロセレンテラジン、プロセレンテラジン誘導体もしくは類似体、プロルシフェリン、またはプロルシフェリン誘導体を含む。いくつかの実施形態では、因子は酵素または分子であり、その存在は細胞内事象または反応に対応する。いくつかの実施形態では、酵素または分子は、カスパーゼ、プロテアーゼ、活性酸素種、チトクロムP450(CYP450)酵素、もしくはモノアミンオキシダーゼ(MAO)、還元酵素、デヒドロゲナーゼ、または酸化還元酵素を含む。いくつかの実施形態では、細胞内事象、条件、または反応が細菌細胞において検出される。いくつかの実施形態では、細胞内事象、条件、または反応は真核細胞(例えば、哺乳類、魚類、鳥類、虫昆虫イースト、など)内で検出される。いくつかの実施形態では、細胞内事象、条件、または反応は、哺乳類細胞(例えば、ヒト、非ヒト動物、ネコ科、イヌ科、ウシ属、ウマ、ブタ、げっ歯類、など)で検出される。いくつかの実施形態では、細胞内事象、条件、または反応の発生は、組織もしくは臓器全体で検出される。いくつかの実施形態では、複数の異なる細胞内事象、条件、または反応が、多種アッセイもしくは形式において同時に検出される。
本明細書に記載の方法の実施形態を用いて、細胞内事象を、リアルタイムで非侵襲的に連続してモニタリングするためのアッセイのスキームを示す。 生細胞によるプロ基質から基質への変換が、本明細書に記載の組成物を用いて細胞の外からモニタリング可能であることを示す。 本明細書に記載の方法を用いて生成されたシグナルが、生細胞数と比例することを示す。 本明細書に記載の方法を用いて、細胞死後にシグナルの急速な低下が測定可能であることを示す。 本明細書に記載の方法を用いて、細胞死をリアルタイムでモニタリング可能であることを示す。 本明細書に記載の方法のリアルタイムで変化を測定する能力が、その他の従来のアッセイでは報告されていない特性であることを示す。 プロ基質およびタンパク質センサが細胞生存性を妨害しないことを示す。 本明細書に記載の方法を用いた細胞増殖のリアルタイムでの動的モニタリングを示す。 本明細書に記載の方法を用いた細胞生存性における誘発された変化の連続的なリアルタイムでのモニタリングを示す。 本明細書に記載の方法を用いたリアルタイムでの薬理反応のモニタリングを示す。 本明細書に記載の方法を用いた薬理反応の最適なタイミングの判定を示す。 本明細書に記載の方法を用いると、反応の最適時間は細胞の種類によることを示す。 本明細書に記載の方法における同一の試料セットを用いた薬物IC50値の経時的な変化の測定値を示す。 本明細書に記載の方法を用いて判定された反応がその他の従来の方法と一致していることを示す。 エンドポイントダウンストリーム解析を実施するための最適な時点を求めるための、リアルタイムでの細胞生存性測定値の使用を示す。 別の発光アッセイ、カスパーゼ−GLO3/7アッセイ(「カスパーゼ」)と複合化されるためのNanoLucタンパク質センサおよびプロフリマジン基質(PBI−4600)を含む、本明細書に記載の方法の能力を示す。 本明細書に記載の方法がレポーター遺伝子アッセイと複合可能であり、それによってレポーターの発現レベルが試料に存在する生細胞数に標準化可能であることを示す。 本明細書に記載の方法を用いることで、生細胞において発光アッセイが蛍光アッセイと複合可能になることを示す。 長時間にわたって、細胞生存性に対する薬効のリアルタイムでのモニタリングを示す。 本明細書に記載の方法がエンドポイント形式で用いられ得ることを示す。 プロフリマジン基質、PBI−4600の安定性を示す。 少なくとも72時間の細胞培養条件下における、NANOLUCタンパク質センサの安定性を示す。 PBI−4601、プロセレンテラジン基質を用いて、細胞増殖のリアルタイムでのモニタリングを示す。 NanoLucタンパク質とプロフリマジンカスパーゼプローブ(PBI−3741)とを含む本明細書に記載の方法を用いた、カスパーゼ活性化のリアルタイムでの測定値を示す。 NanoLucタンパク質センサとプロフリマジン過酸化水素基質(PBI−4759)とを含む本明細書に記載の方法を用いた、A549細胞における活性酸素種(ROS)のリアルタイムでのモニタリングを示す。 本明細書に記載の方法を用いた細菌増殖のリアルタイムでのモニタリングを示す。
定義
本明細書に用いられるように、用語「対象酵素または分子」は、事象または反応にその活性が帰し得る酵素または分子、例えばタンパク質を示す。
本明細書に用いられるように、用語「因子(agent)」は、その存在が、条件、事象、または反応に相関する酵素または分子を示す。
本明細書に用いられるように、用語「プロ基質」は、対象酵素または分子によってタンパク質センサ用の基質に変換され得る分子を示す。本明細書に記載のように、用語「プロフリマジン基質」は、フリマジン(例えば、不完全フリマジン、修飾フリマジン、完全フリマジンなど)に変換可能なプロ基質を示す。本明細書に用いられるように、用語「プロセレンテラジン」は、セレンテラジン(例えば、不完全セレンテラジン、修飾セレンテラジン、完全セレンテラジンなど)に変換可能なプロ基質を示す。本明細書に用いられるように、用語「プロルシフェリン」は、ルシフェリン(例えば、不完全ルシフェリン、修飾ルシフェリン、完全ルシフェリンなど)に変換可能なプロ基質を示す。
本明細書に用いられるように、用語「変換された基質」は、タンパク質センサ用の基質である分子であり、プロ基質に由来することを示す。
本明細書に用いられるように、用語「タンパク質センサ」は、対象酵素または分子によって作用される基質を利用して、検出可能および/または測定可能なシグナルを生成する酵素またはタンパク質を示す。
本明細書に用いられるように、用語「リアルタイム」は、検出可能なシグナルのタイミングが、対象事象、反応、条件または因子のタイミングに複数の時点で相関するアッセイを示す。シグナルは、対象事象、反応、条件、または因子の存在および/または発生と実質的に同時に、もしくは短いラグタイム後に、検出および/または計測される。対象事象、反応、条件、または因子のタイミングと検出可能なシグナルとの間のラグまたは遅延は、例えば、検出に必要な細胞性および/もしくはアッセイステップに必要な時間の結果である。好ましくは、このようなラグまたは遅延は、ラグまたは遅延を含めずに、30分未満、例えば25分、20分、15分、10分、5分、4分、3分、2分、1分以下、もしくはモニタリングされる時間よりも短い任意の時間(例えば、<10%、<5%、<2%、<1%)である。アッセイの時間経過にわたる一貫性のあるラグタイムによって、遅延シグナルはまだ、対象事象、反応、条件または因子のタイミングをリアルタイムで読み出すのに適している。
本明細書に用いられるように、用語「リアルタイム基質」は十分に不安定および/または十分に低い濃度で蓄積される基質であって、基質と対応するタンパク質センサとの相互作用から検出されるシグナルの実質全て(例えば>90%、>91%、>95%、>98%、>99%、>99.9%)が、リアルタイム(例えば、10分前以内、5分前以内、1分前以内、30秒前以内、10秒前以内、5秒前以内、1秒前以内、もしくは合計実験/アッセイ時間の1%未満の時間内)にて生成されるかシステムに加えられる基質の結果として得られ、それより前の追加または生成から蓄積された基質からではない。
本明細書に用いられるように、用語「リアルタイムシグナル」は、事象、条件、反応、または因子に直接的に比例するか相関する検出可能なシグナル(例えば、光放射)であり、事象、条件、反応、または因子の頻度、大きさ、または濃度における増加によって、結果としてシグナルにおける検出可能な変化(例えば、増加または低下)をリアルタイム(例えば、10分以内、5分以内、1分以内、30秒以内、10秒以内、5秒以内、1秒以内、または合計実験/アッセイ時間の<1%)で得て、事象、条件、反応、または因子の頻度、大きさ、もしくは濃度の低下によって、結果としてシグナルにおける検出可能な変化(例えば、増加または低下)をリアルタイムで(例えば、1時間以内、30分以内、20分以内、10分以内、5分以内、1分以内、30秒以内、10秒以内、5秒以内、1秒以内)で得る。
本明細書に用いられるように、用語「蓄積シグナル」は、ある時間(例えば、アッセイの時間経過)にわたる事象、条件、反応、または因子の頻度、大きさ、または濃度の合計に大きさと相関する、任意の所定の時点での検出可能なシグナルを示す。蓄積シグナルは事象、条件、反応、または因子の頻度、大きさ、もしくは濃度に実質的に比例する速度で増加する。事象、条件、反応、または因子が不在であると、蓄積シグナルは実質的に一定であり続ける。
本明細書に用いられるように、用語「非蓄積シグナル」は、所定の時点での事象、条件、反応、または因子の頻度、大きさ、もしくは濃度に対して任意の所定の時点でその大きさが相関する、検出可能なシグナルを示す。非蓄積シグナルは、事象、条件、反応、または因子の頻度、大きさ、または濃度が増加したり低下したりすると増加したり低下したりする。事象、条件、反応、または因子の存在または発生の後にシグナルが生成されるのに必要な時間によって、シグナルとそれが相互作用する事象、条件、反応、または因子との間でラグタイムが存在し得る。アッセイ条件によって、ラグタイムはその中の約10分、約5分、約1分、約30秒、約10秒、約5秒、約1秒、1秒未満の時間、または合計実験/アッセイ時間の<1%の時間であってもよい。アッセイの時間経過における一貫するラグタイムは、非蓄積シグナルを報告するアッセイを用いて、ある時間にわたって、事象、条件、反応、または因子の頻度、大きさ、または濃度をリアルタイムで連続的にモニタリングすることを可能とする。
用語「実質的に」は、記載の特徴、パラメータ、または値が必ずしも正確に得られる必要がなく、例えば、公差、測定エラー、測定精度制限およびその他の当業者に周知の因子を含む偏差または変動が、特徴が提供するように意図する効果を妨げない量で起こり得ることを意味する。
本明細書に用いられるように、用語「ルシフェリン」は式IIの分子を示す。
なお、「修飾ルシフェリン」、「プロルシフェリン」、「ルシフェリン部分」などの実体は、上記構造物の変異体である。
本明細書に用いられるように、用語「セレンテラジン」は式IIIの分子を示す。
なお、「修飾セレンテラジン」、「プロ セレンテラジン」、「セレンテラジン部分」などの実体は、上記構造物の変異体である。
本明細書に用いられるように、用語「フリマジン」は式IVの分子を示す:
なお、「修飾フリマジン」、「プロフリマジン」、「フリマジン部分」などの実体は、上記構造物の変異体である。
詳細な説明
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムおよび方法は、事象、条件、反応、因子濃度、またはシグナルのモニタリングおよび/または測定のためのアッセイ(例えば、生物発光アッセイ)を提供する(例えば、リアルタイムで、連続する時間にわたって、など)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムおよび方法は、事象に対してリアルタイムに反応して生物発光シグナルを(例えば、基質とタンパク質センサとの相互作用から)生成する(例えば、これによってプロ基質が基質に変換される)。
特定の実施形態では、本明細書で提供されるシステムおよび方法はタンパク質センサとプロ基質とを含む。いくつかの実施形態では、方法は細胞操作(例えば、細胞の遺伝子材料の改変または細胞への遺伝子材料の導入)を必要としない。いくつかの実施形態では、プロ基質は、任意の好適な機構(例えば、エンドサイトーシス、拡散、受動輸送、能動輸送など)によって、細胞膜を通過することができる(例えば、細胞に進入する、細胞から排出する)。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセス(例えば、化学的、酵素的など)によって、プロ基質(例えば、細胞内にて)がタンパク質センサ用の基質に変換される。いくつかの実施形態では、プロ基質は基質に、細胞内で変換される。いくつかの実施形態では、基質は、任意の好適な機構(例えば、エンドサイトーシス、拡散、受動輸送、能動輸送、など)によって細胞膜を通過することができる(例えば、細胞に進入する、細胞から排出する)。いくつかの実施形態では、基質とタンパク質センサとの相互作用によって、検出可能なシグナル(例えば、生物発光)を結果として得る。
本明細書に記載の多くの実施形態の一態様は、細胞内へのプロ基質の連続的な流入、そのプロ基質が細胞内事象に反応して基質に変換されること、細胞からの基質の放出、および基質をタンパク質センサと相互作用させることによるシグナル生成のシステムを備える。いかなる所定時にて、シグナルは、細胞内で発生した際に、細胞内事象の活性を反映する。システムは、基質が細胞外で蓄積していない(例えば、実質的に検出可能な度合いまで)という条件化で実行され、リアルタイムでの測定、および/または連続的な測定、および/または検出可能なシグナルを細胞事象のタイミングに相関させることを可能とする。細胞事象、反応、条件または因子によってプロ基質が基質に変換された後、その基質は完全に(例えば、実質的に完全に)タンパク質センサによって利用されるか、あるいは検出可能なシグナルを後に生成するときに利用できないようにするために修飾または分解される。基質が蓄積されないため、タンパク質センサから検出されるいかなるシグナルは、必然的にプロ基質から最近変換された基質(例えば、10分前、5分前、2分前、1分前、30秒前、10秒前、5秒前、2秒前、1秒前、またはそれ未満以内)の結果として得られるものである。基質がかなりの程度に蓄積するその他のアッセイでは、シグナルは基質から、アッセイの最中に任意の適した時間で生成され得て、これによってリアルタイム測定および/または検出可能なシグナルを細胞事象のタイミングに相関させることが妨げられる。
特定の実施形態では、対象事象、条件、反応または因子と、その大きさ、頻度、濃度などと相関可能な検出可能なシグナルとの間のラグタイムは、基質をタンパク質センサと接触させるのに必要なプロセス(例えば、拡散、細胞膜を通過して運搬する、など)の結果として生じる。関連する細胞性および/またはアッセイ条件が実質的に一定に維持されると、アッセイの最中の一定なラグタイムによって、検出可能なシグナルまたは特定のシグナル事象における変化が、対象条件、反応、事象、または因子における変化または事象との間のタイミングと直接相関される。
さまざまな機構が採用および/または開発されて、本明細書に記載のアッセイにおいて基質が蓄積されないことが確実になる。例えば、全ての基質がタンパク質センサによって急速に消費されてもよい(例えば、タンパク質センサは過剰に存在してもよい)。基質は本質的に不安定、細胞条件下で不安定(例えば、タンパク質分解に弱い)、または採用されたアッセイ条件下で不安定であってもよい。基質はまた、全ての基質が利用されるように、非常に低い濃度(例えば、タンパク質センサ濃度に比べて)で生成されてもよい。特定の実施形態では、上記方策、およびその他との組み合わせを、基質が蓄積されない(例えば、細胞内に、細胞外に)ことを確実にするために利用しており、これによってアッセイでリアルタイムでのモニタリングが可能になる。
いくつかの実施形態では、方法は、生存細胞を、発光エビルシフェラーゼ酵素(例えば、NANOLUC)を含むタンパク質センサと、細胞(例えば、プロフリマジンまたはプロフリマジン誘導体)に進入可能なタンパク質センサのプロ基質と接触させることを含む。例示的な実施形態では、タンパク質センサはNANOLUC酵素を含み、プロ基質は、R基を含むプロフリマジン基質(例、式I)を含み、式中、Rは、有機分子、ペプチド、核酸などから選択される。R基は、細胞内因子、事象、または反応に帰し得る酵素、分子、または因子によって除去または修飾されて、それによってタンパク質センサ用の基質が形成される。他の好適な発光エビルシフェラーゼ酵素(またはその修飾されたもの)用のプロ基質は、細胞事象、因子、条件などによって欠損エレメントを付加することでフリマジン基質になる不完全フリマジン(例えば、化学基または部分を欠損している)を含んでいてもよい。特定の実施形態では、プロ基質の同一性にかかわりなく、一度基質に変換されると(例えば、フリマジンまたはプロフリマジン誘導体)、基質は細胞から排出し(例えば、拡散され)、タンパク質センサによって利用されてシグナル(例えば、生物発光)が生成される。この方法によって、細胞反応は長時間にわたってリアルタイムで計測される。
いくつかの実施形態では、方法は、生存細胞を、ホタルルシフェラーゼ酵素(例えば、キタアメリカホタルまたはペンシルバニアホタルからのルシフェラーゼ酵素)を含むタンパク質センサと、プロルシフェリン(またはプロ[ルシフェリン誘導体])基質とを接触させることを含む。D−ルシフェリンの比較的高い安定性とホタルルシフェラーゼによるルシフェリンの低消費速度によって、いくつかの実施形態では、基質の蓄積は、限られた量のプロ基質を提供し(プロ基質濃度における同様の制限を、その他の基質/センサ対とその他の方法で組み合わせて利用されてもよい)、および/または急速な基質利用に必要なホタルルシフェラーゼ酵素を過剰に提供することで防止できる。他の実施形態では、より早く利用される基質(または基質をより早く利用するセンサ)またはより安定性の低い基質(例えば、ルシフェリン誘導体)が利用される。いくつかの実施形態では、ルシフェリンが蓄積されるのを防止するために、因子が加えられるか、条件が操作される。いくつかの実施形態では、プロルシフェリン基質は、タンパク質センサがルシフェリンを基質として利用されることを防止するルシフェリン部分およびブロッキング部分を含む。このような実施形態では、ブロッキング基を除去または改変することで、結果としてシグナルを生成するためにタンパク質センサによって利用される基質(例えば、ルシフェリンまたは修飾ルシフェリン)を得る。他の実施形態では、プロルシフェリン基質は修飾ルシフェリンを含む。このような実施形態では、修飾ルシフェリンを改変することで、シグナルを生成するためにタンパク質センサによって利用される基質(例えば、ルシフェリンまたは活性修飾ルシフェリン)を得る。いくつかの実施形態では、プロ基質は、プロ基質がシグナルを生成するためにタンパク質センサによって利用されることを防止するR基(例えば、有機部分、ペプチド、核酸、など)を含む。いくつかの実施形態では、R基は、ブロッキング機能(例えば、プロ基質がタンパク質センサによって利用されることを防止する)および機能的利用(例えば、何らかの細胞内因子、事象、または反応によって除去または改変可能であること)の両方を含む。R基は、事象または反応(例えば、細胞内にて、細胞外にて、など)に帰し得る酵素または分子によって除去または修飾されて、ホタルルシフェラーゼの基質を生成する。ホタルルシフェラーゼ酵素(またはその修飾されたもの)のためのいくつかの好適なプロ基質は、不完全ルシフェリン(例えば、化学基または部分を欠損している)を含んでいてもよく、これは細胞事象、因子、条件などによって欠損エレメントが付加されるとルシフェリン基質になるものである。特定の実施形態では、プロ基質の同一性にかかわらず、一度基質に変換されると(例えば、プロルシフェリンまたはプロルシフェリン誘導体)、基質は細胞から排出し(例えば、拡散され)、シグナル(例えば、生物発光)を生成するためにタンパク質センサによって利用される。この方法によって、細胞性反応はリアルタイムで長時間にわたって測定される。
いくつかの実施形態では、本方法は、生存細胞を、セレンテラジン利用ルシフェラーゼ酵素(例えば、Renillaルシフェラーゼまたは発光エビルシフェラーゼ)およびプロセレンテラジンまたはプロセレンテラジン誘導体基質を含むタンパク質センサと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、プロセレンテラジンまたはプロセレンテラジン誘導体基質は、セレンテラジン部分(またはセレンテラジン誘導体部分)と、タンパク質センサがセレンテラジンを基質として利用することを防止するブロッキング部分とを含む。このような実施形態では、ブロッキング基を除去または改変することで、シグナルを生成するためにタンパク質センサによって利用可能な基質(例えば、セレンテラジンまたは修飾セレンテラジン)を結果として得る。他の実施形態では、プロセレンテラジンまたはプロセレンテラジン誘導体基質は、修飾セレンテラジンを含む。このような実施形態では、修飾セレンテラジンを改変することで、シグナルを生成するためにタンパク質センサによって利用可能な基質(例えば、セレンテラジンまたは活性修飾セレンテラジン)を結果として得る。いくつかの実施形態では、プロ基質は、シグナルを生成するためにプロ基質がタンパク質センサによって利用されることを防止するR基(例えば、有機部分、ペプチド、核酸、など)を含む。いくつかの実施形態では、R基は、ブロッキング機能(例えば、プロ基質がタンパク質センサによって利用されることを防止する)および機能的利用(例えば、何らかの細胞内因子、事象、または反応によって除去または改変されることができるもの)の両方を含む。R基は、細胞事象または反応に帰し得る酵素または分子によって除去または修飾され、それによって、セレンテラジン利用ルシフェラーゼ酵素用の基質が生成される。セレンテラジン利用ルシフェラーゼ酵素(またはその修飾されたもの)のいくつかの好適なプロ基質は、不完全セレンテラジン(例えば、化学基または部分を欠損している)を含んでいてもよく、これは細胞事象、因子、条件などによって欠損エレメントを付加することでセレンテラジン基質となるものである。特定の実施形態では、プロ基質の同一性にかかわらず、一度基質(例えば、プロセレンテラジンまたはプロセレンテラジン誘導体)に変換されると、基質は細胞から排出し(例えば、拡散され)、シグナル(例えば、生物発光)を生成するためにタンパク質センサによって利用される。この方法を用いることで、細胞性反応をリアルタイムで、および/または長時間にわたって連続的に測定することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、細胞生存性のリアルタイムおよび/または連続的なモニタリングを提供する。いくつかの実施形態では、細胞生存性のリアルタイムモニタリングは、生存細胞を含む試料を、タンパク質センサと、タンパク質センサ用の基質として生存細胞内で変換されるプロ基質とに接触させることを含む。いくつかの実施形態では、生存細胞の還元性細胞内環境が、プロ基質を基質に変換する。タンパク質センサによって基質を利用することで生成されるシグナルは、生存細胞数と比例する。いくつかの実施形態では、細胞生存性は長時間、例えば1、2、4、24、48、72時間、もしくはそれ以上、測定される。本明細書に記載のアッセイを用いて細胞生存性を測定するとき、生存細胞における数の変化はリアルタイムでモニタリング可能である(例えば、短い(例えば、<10分、<1分、<10秒)ラグタイムを有して)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のアッセイにおいて基質が蓄積されないことによって、タンパク質センサ用に、現在生成される基質のみが利用可能となる。生存細胞数が低下すると、基質の量も低下し、これはタンパク質センサによって生成されるシグナルの低下として検出可能である。プロ基質変換と基質利用との間の予測可能なラグタイムによって、検出可能なシグナルにおける変化は容易に細胞生存性の変更のタイミングに相関される。同様に、検出可能なシグナルにおける増加は、リアルタイムで、細胞数の増加に相関する。安定性基質を利用する、および/または基質蓄積を許容するその他のアッセイは、細胞集団における増加および低下の同一のリアルタイム読み出しを提供することができない。
いくつかの実施形態では、方法は、例えば、カスパーゼ、プロテアーゼ、活性酸素種、チトクロムP450(CYP450)酵素、モノアミンオキシダーゼ(MAO)活性など、細胞内の酵素活性のリアルタイムでの測定を含む。いくつかの実施形態では、方法は、細胞内のカスパーゼ活性化、例えばカスパーゼ−2、カスパーゼ−3/7、カスパーゼ−6、カスパーゼ−8、またはカスパーゼ−9のリアルタイムでの測定を含む。いくつかの実施形態では、方法は、生存細胞を、タンパク質センサとカスパーゼ酵素用のプロ基質とに接触させることを含む、カスパーゼ活性化のリアルタイムでの測定を含む。いくつかの実施形態では、プロ基質はプロフリマジン、例えば、式Iを含み、Rはカスパーゼのペプチド認識配列、例えば、VDVAD(配列番号3)、DEVD(配列番号4)、VEID(配列番号5)、LETD(配列番号6)、またはLEHD(配列番号7)である。いくつかの実施形態では、プロ基質はプロセレンテラジンまたはプロルシフェリンを含む。いくつかの実施形態では、方法は、生存細胞をタンパク質センサとカスパーゼ酵素用のプロ基質とに接触させることを含むカスパーゼ活性化のリアルタイムでの測定を含む。
いくつかの実施形態では、方法は細胞内条件(例えば、レドックス条件、pH、など)のリアルタイム測定を含む。このような実施形態では、特定の条件(例えば、酸化ストレス)に敏感であり、このような条件の存在下で基質に変換される、プロ基質が提供される。条件に敏感なプロ基質は、細胞内条件のリアルタイム読み出しを提供する不安定性および/または非蓄積基質に変換される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、その他のアッセイ法、例えば、細胞生存性、細胞毒性、レポーター遺伝子アッセイなどと組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法はこのような機能的アッセイを実行する最適な時間を見極める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は蛍光アッセイと組み合わされる。他の実施形態では、本明細書に記載の方法は発光アッセイと組み合わされる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は自己内蔵型および/または均一アッセイを提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は2つ以上の異なる事象、条件、反応、および/または因子をリアルタイムで検出するように複合可能である(例えば、2つ以上の異なるシグナルまたは位置を用いて、もしくは他の機構を介して)。このような複合化の例は、実施例14および15に示される。本発明は、複合アッセイにて利用され得るシグナルおよび細胞事象の組み合わせによって限定されない。
いくつかの実施形態では、方法は、組織または組織試料をタンパク質センサおよびプロ基質に接触させることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、タンパク質センサおよびプロ基質を動物、例えばマウスまたはラットに投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、細菌細胞または細菌細胞培養をタンパク質センサおよびプロ基質に接触させることを含む。
本明細書に記載の実施形態では、1つ以上のプロ基質および基質が細胞に進入および/またはそこから排出可能である。このような進入および排出は、受動拡散、浸透現象、能動輸送、エンドサイトーシス、食作用、エキソサイトーシスなどを含むがそれらに限定されない、任意の好適な機構によって起こり得る。本明細書に記載の方法は細胞に進入し排出するさまざまな材料によって限定されず、どのような機構が用いられ、どのようにそれらが機能するかの理解は、本発明を実施する上で不要である。
本発明の実施形態を実行する上で便利な任意の組成物(例えば、タンパク質センサ、プロ基質、バッファ、細胞、コントロールなど)は、単独またはその他の組成物と組み合わせて、キットの形態で提供されてもよい。例えば、タンパク質センサおよびプロ基質は、細胞条件(例えば、細胞生存性)を検出するためのキットに提供されてもよい。キットはさらに、適切なコントロール(例えば、マイナス、プラス)、容器、および/または検出用試薬を含んでいてもよい。
特定の実施形態では、シグナルは任意の好適なデバイス、検出器、装置、システムなどによって検出される。検出可能なシグナル(例えば、発光、発色、など)、および、例えば、アッセイ条件(例えば、複合、診断条件など)によって、好適な検出器としては、CCDカメラ、ビデオカメラ、写真フィルム、レーザー走査装置、蛍光光度計、フォトダイオード、量子カウンター、落射蛍光顕微鏡、走査型顕微鏡、フローサイトメータ、蛍光マイクロプレートリーダー、または蛍光顕微鏡が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、検出はリアルタイムモニタリング、エンドポイント読み出し、順次読み出し(例えば、1秒、2秒、5秒、10秒、30秒、1分、2分毎、など)もしくはその他の好適な検出/モニタリングスキームによって行われる。
具体的な実施形態では、方法は、異なる細胞事象、条件、および/または反応の検出を複合的に行うために提供される。複合実験はエンドポイント検出、リアルタイム検出、連続モニタリングなどを利用し得る。いくつかの実施形態では、さまざまな検出方法が利用される(例えば、蛍光、発光)。いくつかの実施形態では、複合アッセイは多様な細胞反応(例えば、アポトーシス、レポーター遺伝子発現、代謝物アッセイなど)を測定する。このような複合法の例は実施例14および15に示される。本発明は、複合アッセイで利用され得るシグナルおよび細胞事象の組み合わせによって限定されない。
いくつかの実施形態では、コンピュータベース解析プログラムを、検出アッセイによって生成された生のデータ(例えば、シグナルの有無、またはその量)を、対象因子の濃度、またはその因子に関連する事象、条件、および/もしくは反応の大きさ、頻度ならびに/あるいは濃度に相関させるために用いる。データは任意の好適な形式(例えば、生のシグナルデータ、変換されたシグナル、因子濃度、事象頻度、細胞条件など)で報告されてもよい。データは、保存(例えば、コンピュータ読取可能形式にて)、表示(例えば、モニター上に)、印字、報告などされてもよい。いくつかの実施形態では、方法は、データ(例えば、生、または相関されたもの)の計算機支援分析を提供する。
記載の特徴および実施形態のさまざまな変形が、本発明の範疇および精神を逸脱することなく、当業者にとって明らかであろう。具体的な実施形態を記載しているが、請求されるとおりの発明はこのような具体的な実施形態によって不当に限定されるものではないと理解される。例えば、本発明は、本明細書中に明白に記載されないタンパク質センサ、基質、プロ基質、および生物学的システムとの使用も見出される。もちろん、説明される形態および実施形態のさまざまな変形例は以下の請求項の範囲内であるように意図される。
実施例1:細胞内事象の連続的、リアルタイムモニタリングのための一般的なアッセイ設定
生細胞にプロ基質およびタンパク質センサが供給される。プロ基質は細胞に進入し、細胞内事象によってタンパク質センサ用の基質に変換される。基質は、細胞から排出してタンパク質センサによって利用されるまでは検出可能なシグナルを生成しない。基質は急速にタンパク質センサによって用いられて「フラッシュシグナル」を生成するか、分解する。基質は細胞の外で蓄積されない。したがって、シグナルの連続的な生成は生細胞からの基質の連続的な流れによるものであり、生細胞にて発生するたびにリアルタイムで細胞内事象を検出することを可能にする(図1)。
実施例2:生細胞内にて生成されるシグナルのリアルタイムモニタリング
A.A549細胞を、384ウェルプレートのウェルに、2,000細胞/ウェルで入れた。細胞に、40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサと50μMのPBI−4600プロ基質を、一緒にまたは個別に加えた。いくつかの場合では、タンパク質センサとプロ基質は予め一緒に混ぜ合わされて、細胞の存在下または不在下で培養された。発光が、Tecan社製インフィニット500プレートリーダーを用いて、さまざまな時点にてモニタリングされた(図2A)。
B.40uMのPBI−4600プロ基質と100ng/mlのNANOLUCタンパク質センサを細胞培地に加えた。混合物の半分を、384ウェルアッセイプレートの培地のみを含有するウェルに加えた。混合物のもう半分は、K562細胞を2,000/ウェル含有するウェルに加えた。発光が、Tecan社製M1000プレートリーダーを用いて、複数の時点でモニタリングされた(図2B)。
その結果、生細胞によってプロ基質がタンパク質センサ用の基質に変換されると、細胞外に存在するタンパク質センサが基質と作用して、シグナルが生成されたことが示された。また、本明細書に記載の方法の両方の成分(タンパク質センサおよびプロ基質)は、生細胞の存在下で、シグナルを生成するのに必要であるという結果を示した(図2)。
実施例3:生細胞によって生成されるシグナルは生細胞数に比例する
JurkatまたはA549細胞を、384ウェルアッセイプレートのウェルにさまざまな密度で入れた。50μMのPBI−4600プロ基質と40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサとを細胞に加えた。室温にて15分間(A549)または55分間(Jurkat)培養した後に、発光が、Tecan社製インフィニット500プレートリーダーを用いて測定された。
結果は、本明細書に記載の方法を用いて生成されたシグナルが、試料に存在する生細胞数の増加に比例して増加したことを示す。
実施例4:シグナル不安定性
A549細胞を、384ウェルアッセイプレートのウェルに5,000細胞/ウェルで入れた。50μMのPBI−4600プロ基質と40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサとを細胞と共に2時間培養して、発光が測定された。細胞に1%Triton X−100を加えて、発光が添加2分後に測定された。
結果は、基質/タンパク質センサ生成シグナルが細胞死後に安定性を失うことを示す(図4)。
実施例5:リアルタイムで細胞死を測定する
A549細胞を、40μMのPBI−4600プロ基質と100ng/mlのNANOLUCタンパク質センサの存在下で、384ウェルプレートのウェルに1,000細胞/ウェルで入れた。細胞は培養され、発光シグナルが、Tecan社製M1000プレートリーダーを用いてさまざまな時点でモニタリングされた。次に、Triton X−100が、最終濃度が1%になるように加えられ、培地のみを受けたコントロール細胞と比較された。発光は連続的にモニタリングされた。
結果は、コントロール細胞がプロ基質から基質への変換を継続し、光を生成し続ける一方で、Triton X−100細胞は細胞死によって基質の生成ができなくなり、シグナルの急速な低下がモニタリングされることを示す(図5)。
実施例6:細胞生存性試薬の比較
A549細胞を384ウェルプレートのウェルに、1,000細胞/ウェルで入れた。細胞生存性試薬:1x濃度のAlamarBlueまたは40μMのPBI−4600プロ基質に加えて100ng/mlのNANOLUCタンパク質センサを加え、細胞を120分間培養した。次に、Triton X−100を、最終濃度が1%になるまで加えた。発光および蛍光(AlamarBlue:励起570nm、放射585nm、帯域幅5nm)が、Tecan社製M1000プレートリーダーを用いてさまざまな時点で測定された(図6A)。
A549細胞を、384ウェルプレートのウェルに1,000細胞/ウェルで入れた。細胞生存性試薬:1x濃度のAlamarBlueまたは40μMのPBI−4600プロ基質、および100ng/mlのNANOLUCタンパク質センサを加えた。次に細胞は培養され、生存能力が上記のとおりさまざまな時点でモニタリングされた。次に、Triton X−100を、最終濃度が1%になるように加えて、細胞生存性が連続的にモニタリングされた(図6B)。
結果は、本明細書に記載のアッセイが生細胞における変化に対してリアルタイムに反応性であることを示し、これは従来のアッセイでは報告されていない結果である(図6)。
実施例7:細胞生存性に対する試薬効果
A549細胞を、384ウェルプレートのウェルに300細胞/ウェルで入れた。細胞に、PBI−4600のプロ基質を滴定にて、および40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサを加えた。細胞生存性に対するアッセイ成分の干渉を、細胞毒性アッセイの読み出し(CellTox−Green、プロメガ株式会社)をさまざまな時点でモニタリングすることで求めた。各時点にて、細胞毒性の蛍光読み出しがTecan社製M1000プレートリーダー(励起485nm、放射520nm、帯域5nm)を用いて測定された。
結果は、本明細書に記載の方法を含む試薬の存在が細胞生存性に何ら影響を与えないことを示す(図7)。
実施例8:細胞増殖の測定
A549細胞を、384ウェルプレートのウェルに複数の密度(500、250、125、または62.5細胞/ウェル)で入れた。40μMのPBI−4600プロ基質と100ng/mlのNANOLUCタンパク質センサとを細胞に加えた。さまざまな時点で、発光が、ガスコントロールモジュール(37℃および5%CO2で設定)を有して、Tecan社製M200プレートリーダーを用いて測定された。読み出しは72時間にわたって、30分毎に行われた。
結果は、細胞が成長して増殖し続けるとシグナルがリアルタイムで増加することを示す(図8)。
実施例9:生存能力における薬物によって誘発された変化のリアルタイム測定
37℃、5%CO2恒温器における、40uMのPBI−4600プロ基質と100ng/mlのNANOLUCタンパク質センサとを含有する培地に心筋細胞を入れて、増殖させた。さまざまな時点で、発光がTecan社製M1000プレートリーダーを用いてモニタリングされた。複数日にわたって細胞を増殖させた後、ジギトニンを、最終濃度が200μg/mlになるまで加えた。発光は、ジギトニンの添加直後から連続的に読み出された。
結果は、細胞が代謝的に活性であり、複数日にわたってシグナルを生成し続けることを示す。急速な細胞死を誘発することが知られる因子であるジギトニンの添加によってシグナルが急速に低下する結果となり、生細胞に対する薬物の効果が確認される(図9)。
実施例10:薬理反応の最適なタイミングを求める
A)反応は薬物による
A549細胞を、40μMのPBI−4600プロ基質および100ng/mlのNANOLUCタンパク質センサの存在下で、384ウェルプレートのウェルに250細胞/ウェルで入れた。さまざまな薬物化合物を細胞に加え、発光が、ガスコントロールモジュール(設定:37℃および5%CO2)を有するTecan社製M200プレートリーダーによって、同一の試料セットを用いてさまざまな時点でモニタリングされた(図10)。
B)反応は投与量による
A549細胞を、40μMのPBI−4600プロ基質および100ng/mlのNANOLUCタンパク質センサの存在下で、384ウェルプレートのウェルに250細胞/ウェルで入れた。ドキソルビシンをさまざまな濃度で細胞に加えて、発光が、ガスコントロールモジュール(設定:37℃および5%CO2)を有してTecan社製M200プレートリーダーを用いて複数時点にてモニタリングされた(図11)。
C)反応は細胞の種類による
A549、JurkatおよびPC3細胞を、40μMのPBI−4600プロ基質および40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサの存在下で、384ウェルアッセイプレートのウェルに入れた。ドキソルビシン(200nM)を細胞に加えて、発光が、Tecan社製M1000プレートリーダーを用いて複数時点にて測定された(図12)。
A〜Cで得られる結果によって、細胞生存性を連続的にリアルタイムでモニタリングすることで、治療中の異なる時点での薬物化合物の効果を調査することができることが示された。反応の時間は用いられる薬物化合物(図10)、薬物濃度(図11)、および細胞の種類(図12)によって異なる。本明細書に記載の方法は、同一の試料セットを用いて繰り返しの読み取りをモニタリングすることで反応時間を求めることを可能とする。
実施例11:異なる時点でのデータを収集する
Jurkat細胞を、40μMのPBI−4600プロ基質および40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサの存在下で、384ウェルアッセイプレートのウェルに6,000細胞/ウェルで入れた。ドキソルビシンをさまざまな濃度で細胞に加えて、発光を、Tecan社製M1000プレートリーダーを用いて24、48、および72時間で測定した。GraphPad Prismバージョン5.03を用いて、データを非線形回帰S字型用量反応(可変スロープ)曲線に当てはめることで、IC50値を求めた。
結果は、本明細書に記載の方法の、同一の試料セットを用いて処置中の薬物IC50値における変化を測定する能力を示す。対照的に、従来のエンドポイントアッセイは、各個別の時点について必ず別の試料セットを生成しなければならない(図13)。
実施例12:薬理反応の比較
A549細胞を、384ウェルアッセイプレートのウェルに3,000細胞/ウェルで入れた。細胞は、ジギトニン投与によって24時間処置された。MTSおよび細胞TITER−GLO試薬(プロメガ株式会社)を、24時間処置の後に、メーカーの使用説明書にしたがって細胞に加えた。NANOLUC/4600試験ウェルについては、50μMのPBI−4600プロ基質と40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサとを、ジギトニンと合わせて、全24時間の時間経過について培養した。発光は、Tecan社製M1000プレートリーダーを用いて測定された。MTSシグナルは、Tecan社製M1000プレートリーダーを用いて490nmにおける吸収度を分析することによって測定された。
結果は、本明細書に記載の方法を用いて求められたIC50値がウェル受容エンドポイントアッセイによって得られる値にほぼ一致していることを示す(図14)。
実施例13:リアルタイムの細胞生存性アッセイを用いてダウンストリーム適用についての最適時点を求める
この例では、本明細書に記載のリアルタイム細胞生存性アッセイは、NAD生合成経路阻害剤FK866での処置後にNAD/NADHレベルの変化を測定する最適な時点を求めるのに用いられた。NAD/NADHは細胞代謝を調節して細胞増殖に影響を与える重要な補助因子である。細胞機能におけるこれらのヌクレオチドの役割をより良く理解するには、NAD/NADHレベルおよび細胞生存の関係を確立することが重要である。
K562細胞を、40ng/mlのタンパク質センサNANOLUCと40μMのプロ基質PBI−4600とを含有する25ulの培地に、0.5μMのFK866の存在下または不在下で、384ウェルプレートのウェルに1ウェルあたり6000細胞で入れた。発光を、同一の試料セットを用いて繰り返し測定した。その情報は、エンドポイントNAD/NADH検出アッセイ(プロメガ株式会社)を、細胞生存性が相当に損なわれる前の時点(21時間)、および薬物処置の終わりに設定するのに用いられた。
結果は、リアルタイムの細胞生存性アッセイを用いることによって、エンドポイントアッセイについての最適時点を1つの試料セットを用いて便利に求めることができ、各時点で複数の試料を設定する必要性を排除できることを示す(図15)。
実施例14:発光アッセイ法で複合化する
現在の生物発光アッセイを複合して行う手法は、特別なフィルタの使用、または2つ目のアッセイによって生成される光を測定するために最初の反応の活性を抑制することが必要である。本明細書に記載の方法では、シグナルは生細胞による連続的な基質生成によるものであり、細胞分解後に急速に低下し、2つ目の反応からの発光を、いかなる追加の要件(例えば、阻害剤または特別なフィルタの使用)なく、直接測定できる条件を作り上げる。
A)カスパーゼ活性化検出でリアルタイム細胞生存性モニタリングを複合化する
Jurkat細胞を、384ウェルアッセイプレートのウェルに5,000細胞/ウェルで入れた。次に、培地(カスパーゼ活性化)または40ng/mlのNANOLUC、および50μMのPBI−4600を細胞に加えた。続いて、試料はTRAIL滴定された。細胞生存性およびカスパーゼ活性化は、Tecan社製M1000プレートリーダーを用いて、最初に細胞生存性アッセイから発光を測定し、メーカーの使用説明書にしたがってカスパーゼ−GLO3/7アッセイ用試薬を加え(プロメガ株式会社、生存能力アッセイからのシグナルを消光させる)、カスパーゼ−GLO3/7アッセイからの発光を測定することによって、複数時点でモニタリングされた。
結果は、カスパーゼ活性化によるアポトーシスの誘発は細胞死を招くことを示す。細胞死は本明細書に記載の方法によってリアルタイムでモニタリングすることができ、アポトーシスの誘発はカスパーゼ−GLO3/7などのその他の発光アッセイと複合化させることで確認することができる(図16)。
B)レポーター遺伝子アッセイを用いてリアルタイム細胞生存性モニタリングを複合化する
ホタルルシフェラーゼを安定的に発現するHEK細胞の細胞滴定を、384ウェルアッセイプレートのウェルに入れた。次に、培地(レポーター遺伝子アッセイ)または40ng/mlのNANOLUCおよび50μMの4600を細胞に加えた。細胞生存性は上記のとおりに最初に測定されて、次にONE−GLOルシフェラーゼアッセイ用試薬(プロメガ株式会社)をメーカーの使用説明書にしたがって加えた。ホタルルシフェラーゼレポーターからの発光が次にTecan社製M1000プレートリーダーを用いて測定された。
結果は、本明細書に記載の方法がレポーター遺伝子アッセイと複合化可能であり(図17)、レポーターの発現レベルは試料に存在する生細胞数に標準化することができることを示す。
実施例15:蛍光アッセイ法を用いた複合化
A549細胞を、384ウェルアッセイプレートのウェルに300細胞/ウェルで入れた。40ng/mlのNANOLUCと50μMのPBI−4600に加えて、CellTOX Green細胞毒性染料(プロメガ株式会社)を細胞に加えた。次に、細胞はジギトニン投与曲線で処置されて、生存能力(発光)ならびに細胞毒性(蛍光、励起485nm、放射520nm、帯域幅5nm)がTecan社製M1000プレートリーダーを用いてモニタリングされた。
エンドポイント(溶解)発光アッセイを蛍光アッセイと複合化させることは一般的に用いられる手法である。これらの結果は、本明細書に記載の方法を用いることによって、生細胞において発光アッセイを蛍光アッセイと複合化できることを示した(図18)。
実施例16:長時間にわたって薬効をモニタリングする
A549細胞を、384ウェルアッセイプレートのウェルに500細胞/ウェルで入れた。50μMのPBI−4600プロ基質と、40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサと、さまざまな濃度のドキソルビシンまたはパノビノスタット(投与曲線を生成するため)とが細胞に加えられた。細胞生存性が、前に記載されるように、発光シグナルを測定することでさまざまな時点で求められた。
結果は、本明細書に記載の方法が長時間にわたってリアルタイムで細胞生存性における変化をモニタリングするのに使用可能であることを示す(図19)。
実施例17:エンドポイントアッセイとして方法を使用する
A549細胞を、384ウェルアッセイプレートに300細胞/ウェルで入れた。細胞はパノビノスタット投与曲線によって72時間処置された。次に、50μMのPBI−4600および40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサを細胞に加えて、1時間培養した。発光は、Tecan社製M1000プレートリーダーを用いて測定された。
結果は、記載の方法がエンドポイント形式で使用可能であることを示す(図20)。
実施例18:プロフリマジン基質、PBI−4600の安定性
PBI−4600(50μM)を、室温(RT)または37℃で、増加する時点について、190時間までRPMI細胞培地にて培養した。HPLC分析を行って、さまざまな時点でのPBI−4600の純度を求めた。
結果は、PBI−4600は190時間まで90%を超える純度を維持することを示す(図22)。プロ基質は破壊されたり、またはその他これらの条件下で不安定であるように見られたりしなかった。
実施例19:タンパク質センサの安定性
A549細胞を、384ウェルアッセイプレートのウェルに250細胞/ウェルで入れた。細胞培養に50μMのPBI−4600プロ基質と40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサとを加え、72時間培養した。培養後、40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサが細胞培養に加えられて、シグナルを1.5時間後にモニタリングした。
結果は、時間ゼロで加えられたNANOLUCタンパク質センサは、72時間後に強いシグナルを生成するのにまだ十分であったことを示す(図23)。新しいNANOLUCタンパク質センサを加えても、シグナルはさらに増加しなかった。したがって、NANOLUCは少なくとも72時間にわたって細胞培養条件で安定していた。
実施例20:プロ基質PBI−4601、セレンテラジン誘導体
A549(200細胞/ウェル)またはJurkat(6250細胞/ウェル)細胞を、384ウェルアッセイプレートのウェルに入れた。50μMのPBI−4601プロセレンテラジン基質と40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサとを細胞に加えた。発光は、Tecan社製M1000プレートリーダーを用いてさまざまな時点にて測定された。
結果は、PBI−4601のプロセレンテラジン基質を用いた細胞増殖のリアルタイムでのモニタリングを示す(図24)。
実施例21:カスパーゼ活性化のリアルタイムモニタリング
A549細胞を、384ウェルアッセイプレートのウェルに1,000細胞/ウェルで入れた。50μMのPBI−3741(プロフリマジンカスパーゼ基質)と、40ng/mlのNANOLUC酵素を細胞に加えた。アポトーシスを誘発するために、細胞にスタウロスポリンを、最終濃度が4μMとなるように加えた。アポトーシスの誘発およびカスパーゼの活性化はリアルタイムで測定された。カスパーゼ活性化後のプロ基質から基質への変換の増加は、本明細書に記載の方法を用いたスタウロスポリン処置の時間中における発光の増加によって検出された。
結果は、本明細書に記載の方法が、カスパーゼ活性化をリアルタイムでモニタリングするのに使用可能であることを示す(図25)。
実施例22:活性酸素種(ROS)のリアルタイムモニタリング
A549細胞を、384ウェルプレートのウェルに1,000細胞/ウェルで入れて、一晩培養した。次に、10、25、または50μMのプロフリマジン過酸化水素基質、PBI−4759と、40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサとを細胞に加えた。周知のROS誘導因子であるメナジオン(200μM)、または溶媒対照群(DMSO)を細胞に加えた。発光は、Tecan社製M1000プレートリーダーを用いて時間経過にわたってモニタリングされた。細胞におけるメナジオン誘発過酸化水素生成としては、背景より上の発光の増加が測定され、最大シグナルはメナジオン添加後5時間で到達した。
結果は、本明細書に記載の方法が活性酸素種をリアルタイムで使用可能であることを示す(図26)。
実施例23:細菌細胞において本明細書に記載の方法を使用する
大腸菌(ATCC25922)を37℃で一晩増殖させた。一晩培養されたものは次に、新鮮な培地で50倍に希釈されて、対数期に到達するまで数時間培養した。培地の試料は、96ウェルプレートのウェルに、40ng/mlのNANOLUCタンパク質センサおよび50μMのPBI−4600プロ基質(希釈因子「1/32、1/64、など」)の存在下で、培地に連続的に希釈された。細菌の増殖は、Tecan社製M1000プレートリーダーを用いて、複数の時点での生物発光における増加をモニタリングすることで測定された。
結果は、本明細書に記載の方法を生細菌細胞と合わせて用いて、その増殖をリアルタイムでモニタリングするために使用可能であることを示す(図27)。
実施例24:組織内の細胞生存性をモニタリングする
組織試料に対して、血液および血餅を取り除くためにヘパリンを含有するPBSによって潅流液が送られて、重量が求められた。約10mgの組織が、2mMのEDTAを含有する1〜2mlのPBSで均一化された。組織エキスを遠心機にかけ、上澄み液を収集した。組織エキスは96ウェルプレートのウェルに、50μMのPBI−4600と40ng/mlのNANOLUC酵素と一緒に滴下された。発光は、プレートリーダールミノメーターを用いてさまざまな時点で測定された。

Claims (38)

  1. 細胞内事象、条件、または反応を検出する方法であって、
    基質とタンパク質センサとの相互作用によって生成されるシグナルを検出することを含み、
    前記基質は、プロ基質と、前記細胞内事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用の生成物であり、
    前記シグナルの存在が前記細胞内事象、条件、または反応の発生をリアルタイムで示し、
    前記細胞内事象、条件、または反応に関連する因子の不在が、結果として前記シグナルのリアルタイムの不在となり、
    前記シグナルの大きさが前記因子の量と相関する、前記方法。
  2. 前記検出は、リアルタイムモニタリングを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記検出は、前記シグナルの連続的なモニタリングを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記検出は、長時間にわたって生細胞における細胞内事象を連続的にモニタリングすることを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記プロ基質は安定しており、絶えず前記細胞に進入する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記プロ基質は、細胞内事象、条件、または反応によって基質に変換されて、絶えず前記細胞から排出する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記基質は、前記細胞の外に配置されるタンパク質センサとの相互作用によってシグナルを生成する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記基質は不安定である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記基質が、前記プロ基質と、前記細胞内事象、条件、または反応と関連付けられる前記因子との前記相互作用の後に、細胞外に蓄積されない、請求項1に記載の方法。
  10. 前記プロ基質と、前記細胞内事象、条件、または反応と関連付けられる前記因子との相互作用によって生成される前記基質の実質的に全てが、分解するか前記タンパク質センサによって利用される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記基質およびタンパク質センサによって生成される前記シグナルは、生細胞による基質の連続的な供給に依存する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記基質はリアルタイムの基質である、請求項1に記載の方法。
  13. 前記基質と前記タンパク質センサとの相互作用によって生成される前記シグナルは、前記プロ基質が前記細胞内事象、条件、または反応に関連付けられる前記因子と相互作用することによって前記基質が連続的に生成されるときのみに持続する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記細胞内事象、条件、または反応に関連付けられる前記因子の濃度の増減によって、前記基質と前記タンパク質センサとの前記相互作用によって生成される前記シグナルがそれに対応して増減する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記シグナルはリアルタイムのシグナルである、請求項1に記載の方法。
  16. 前記シグナルは非蓄積シグナルである、請求項1に記載の方法。
  17. 前記基質は前記細胞から排出可能である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記タンパク質センサは細胞外に設けられる、請求項1に記載の方法。
  19. 前記タンパク質センサは前記細胞に進入することができない、請求項18に記載の方法。
  20. 前記基質と前記タンパク質センサとの前記相互作用が細胞外で発生する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記生細胞は、前記タンパク質センサを発現するために操作されない、請求項1に記載の方法。
  22. 前記プロ基質、基質またはタンパク質センサは非侵襲的であり、細胞機能を妨げない、請求項1に記載の方法。
  23. 前記タンパク質センサは、前記アッセイの時間尺度にわたって活性を保持する、請求項1に記載の方法。
  24. 前記タンパク質センサはルシフェラーゼ酵素を含む、請求項1に記載の方法。
  25. 前記ルシフェラーゼ酵素は、発光エビ、甲虫、Renilla、またはガウシアルシフェラーゼを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ルシフェラーゼ酵素は、増強されたタンパク質安定性、増強された生物発光、および/または増強されたシグナル安定性を有する発光エビルシフェラーゼを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記ルシフェラーゼ酵素は、キタアメリカホタルまたはペンシルバニアホタルから選択される甲虫ルシフェラーゼを含む、請求項25に記載の方法。
  28. 前記プロ基質は、プロフリマジン、プロフリマジン誘導体、プロセレンテラジン、プロセレンテラジン誘導体または類似体、プロルシフェリン、もしくはプロルシフェリン誘導体を含む、請求項24に記載の方法。
  29. 前記因子は酵素または分子であり、その存在が前記細胞内事象または反応と相関する、請求項1に記載の方法。
  30. 前記酵素または分子は、カスパーゼ、プロテアーゼ、活性酸素種、チトクロムP450(CYP450)酵素、もしくはモノアミンオキシダーゼ(MAO)、還元酵素、デヒドロゲナーゼ、または酸化還元酵素を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記細胞内事象、条件、または反応が細菌細胞内で検出される、請求項1に記載の方法。
  32. 前記細胞内事象、条件、または反応が真核細胞内で検出される、請求項1に記載の方法。
  33. 前記細胞内事象、条件、または反応は哺乳類細胞内で検出される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記細胞内事象、条件、または反応は、組織または臓器全体の中で検出される、請求項1に記載の方法。
  35. 複数の異なる細胞内事象、条件、または反応が、複合アッセイまたは形式にて同時に検出される、請求項1に記載の方法。
  36. 細胞内事象または反応を検出するキットであって、前記キットは、
    a)基質と相互作用することで検出可能なシグナルを生成するタンパク質センサと、
    b)細胞に進入可能なプロ基質であって、前記プロ基質が前記細胞内事象、条件、または反応に関連する因子と相互作用することで前記プロ基質が前記タンパク質センサ用の基質に変換されるプロ基質と、を備える、前記キット。
  37. 事象、条件、または反応を検出する方法であって、
    基質とタンパク質センサとの相互作用によって生成されるシグナルを検出することを含み、
    前記基質は、プロ基質と、前記事象、条件、または反応と関連する因子との相互作用の生成物であり、
    前記シグナルの存在が前記事象、条件、または反応の発生をリアルタイムで示し、
    前記事象、条件、または反応に関連する因子の不在が、結果として前記シグナルがリアルタイムの不在となり、
    前記シグナルの大きさが前記因子の量と相関する、前記方法。
  38. 前記事象、条件、または反応は、細胞内、細胞外、細胞可溶化物内、または無細胞系内にて発生する、請求項37に記載の方法。
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