JP5742300B2 - 反射型マスクブランク及びその製造方法、反射型マスク - Google Patents

反射型マスクブランク及びその製造方法、反射型マスク Download PDF

Info

Publication number
JP5742300B2
JP5742300B2 JP2011043883A JP2011043883A JP5742300B2 JP 5742300 B2 JP5742300 B2 JP 5742300B2 JP 2011043883 A JP2011043883 A JP 2011043883A JP 2011043883 A JP2011043883 A JP 2011043883A JP 5742300 B2 JP5742300 B2 JP 5742300B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reflective mask
region
layer
mask blank
thermal expansion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011043883A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012182289A (ja
Inventor
福上 典仁
典仁 福上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2011043883A priority Critical patent/JP5742300B2/ja
Publication of JP2012182289A publication Critical patent/JP2012182289A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5742300B2 publication Critical patent/JP5742300B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

本発明は、反射型マスクブランク、及び反射型マスクブランクの製造方法に関する。特に、極端紫外線(Extreme Ultra Violet;EUV)を光源とするEUVリソグラフィを用いた半導体製造装置などに利用される、反射型マスクブランク及びその製造方法、反射型マスクに関する。
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、波長が13.5nm近傍のEUVを光源に用いたEUVリソグラフィが提案されている。EUVリソグラフィは、光源波長の特性のため、真空中で行われる必要がある。
EUV光は、その波長領域において、ほとんどの物質の屈折率が1よりもわずかに小さい値であり、非常に光吸収性されやすい。このため、EUVリソグラフィにおいては従来から用いられてきた透過型の屈折光学系を使用することができず、反射光学系となる。従って、原版となるフォトマスク(以下、マスクと呼ぶ)も、従来の透過型のマスクは使用できないため、反射型マスクとする必要がある。
このような反射型マスクの元となる反射型マスクブランクは、低熱膨張基板の上に露光光源波長に対して高い反射率を示す多層反射層と、露光光源波長の吸収層が順次形成されており、更に基板の裏面には露光機内における静電チャックのための裏面導電膜が形成されている。また、前記多層反射層と、吸収層の間に緩衝層を有する構造を持つEUVマスクもある。反射形マスクブランクから反射形マスクへ加工する際には、EBリソグラフィとエッチング技術により吸収層を部分的に除去し、緩衝層を有する構造の場合はこれも同じく除去し、吸収部と反射部からなる回路パターンを形成する。このように作製された反射型マスクによって反射された光像が反射光学系を経て半導体基板上に転写される。
反射光学系を用いた露光方法では、マスク面に対して垂直方向から所定角度傾いた入射角(通常6°)で照射されるため、吸収層の膜厚が厚い場合、パターン自身の影が生じてしまい、この影となった部分における反射強度は、影になっていない部分よりも小さいため、コントラストが低下し、転写パターンのエッジ部のぼやけや設計寸法からのずれが生じてしまう。これはシャドーイングと呼ばれ、反射マスクの原理的課題の一つである。
このようなパターンエッジ部のぼやけや設計寸法からのずれを防ぐためには、吸収層の膜厚は小さくし、パターンの高さを低くすることが有効であるが、吸収層の膜厚が小さくなると、吸収層における遮光性が低下し、転写コントラストが低下し、転写パターンの精度低下となる。つまり、吸収層を薄くし過ぎると転写パターンの精度を保つための必要なコントラストが得られなくなってしまう。従って、吸収層の膜厚は、厚すぎても薄すぎても問題になるので、現在は、概ね50〜90nmの間になっており、EUV光の吸収層での反射率は0.5〜2%程度である。
一方、反射型マスクを用いて半導体基板上に転写回路パターンを形成する際、一枚の半導体基板上には複数の回路パターンのチップが形成される。隣接するチップ間において、チップ外周部が重なる領域が存在する場合がある。これは、ウェハ1枚あたりに取れるチップを出来るだけ増やしたいという生産性向上の要求のために、チップを高密度に配置するためである。この場合、この領域については、複数回(最大で4回)に渡り露光(多重露光)されることになる。この転写パターンのチップ外周部はマスク上でも外周部であり、通常、吸収層の部分である。
しかしながら、上述したように吸収層上でのEUV光の反射率は、0.5〜2%程度あるために、多重露光によりチップ外周部が感光してしまう問題があった。このため、マスク上のチップ外周部は通常の吸収層よりもEUV光の遮光性の高い領域(以下、遮光枠と呼ぶ)の必要性が出てきた。
このような問題を解決する技術として、反射型マスクの吸収層から多層反射層までを掘り込んだ溝を形成することや、回路パターン領域の吸収層の膜厚よりも厚い膜を形成することや、反射型マスク上にレーザ照射もしくはイオン注入することで多層反射層の反射率を低下させることにより、露光光源波長に対する遮光性の高い遮光枠を設けた反射型マスクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2009−212220号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載される技術では、吸収層から多層反射層までを掘り込んだ溝を形成することや、回路パターン領域の吸収層の膜厚よりも厚い膜を形成することで遮光枠を形成する場合、遮光枠の形成にリソグラフィによるパターニング工程が新たに発生し、反射型マスクを製造する工程が複雑となるため、歩留まりの悪化が懸念される。特にマスク作製工程における多層反射層の掘り込みはSiとMoの合計80層を加工する必要があり、加工面からのパーティクル発生は避けられず、欠陥面でのマスク品質の低下を招くとうい不都合を有する。さらに、この方法では、上層の吸収層を除去した後に、多層反射層を除去することから、多層反射層がほんの数層残ってしまった場合は、逆に反射率を高くしてしまう懸念がある。
また、反射型マスク上にレーザ照射もしくはイオン注入することで遮光枠を形成する場合、多層反射層以外によるレーザ光もしくはイオンの損失があるため、この損失分を考慮したレーザ光もしくはイオンを照射しなくてはならない。また多層反射層以外の膜にはレーザ光もしくはイオンの照射によるダメージが生じ、吸収層の露光光源波長の吸収率の低下してしまうことが懸念される。
そこで、本発明は、遮光枠の形成において、マスク作製時のリソグラフィ、エッチングなどによるパターニング工程を必要とせず、且つ欠陥面でのマスク品質低下を防ぎ、且つ吸収層へのダメージや光学的性質の変化のない、遮光性の高い遮光枠を有する反射型マスクブランク及びその製造方法、反射型マスクを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明による反射型マスクブランクは、低熱膨張基板と、前記低熱膨張基板表面に形成された多層反射層と、前記多層反射層の上に形成された吸収層とを具備し、前記吸収層には転写回路パターンが形成され、ブランク作製時に前記転写回路パターン領域の外側に、前記低熱膨張基板の表面が高さ2.5〜4.5nm、周期30nm以下の凹凸形状を有するEUV光の反射率の低い遮光枠を設け、前記凹凸形状が、多層反射層、吸収層まで引き継がれた構成である
請求項に係る発明による反射型マスクブランクの製造方法は、後に遮光枠となる領域の低熱膨張基板の表面に、多層反射層を形成する工程と、前記多層反射層を形成する工程に先だって、前記低熱膨張基板の表面が高さ2.5〜4.5nm、周期30nm以下の凹凸形状を形成する工程とを備えて構成した。
請求項に係る発明による反射型マスクブランクの製造方法は、前記遮光枠となる領域の低熱膨張基板の表面に前記多層反射層の形成に先立ち凹凸形状を形成する工程に、少なくともリソグラフィとエッチング工程を備えて構成した。
請求項に係る発明による反射型マスクブランクの製造方法は、前記遮光枠となる領域の低熱膨張基板の表面に凹凸形状を形成する工程に、少なくとも自己組織化単分子膜による工程を備えて構成した。
請求項に係る発明による反射型マスクブランクの製造方法は、前記遮光枠となる領域の低熱膨張基板の表面に凹凸形状を形成する工程に、少なくともプラズマ処理による工程を備えて構成した。
請求項に係る発明による反射型マスクブランクの製造方法は、前記遮光枠となる領域の低熱膨張基板の表面に凹凸形状を形成する工程に、少なくともウェット処理による工程を備えて構成した。
請求項に係る発明による反射型マスクブランクの製造方法は、前記遮光枠となる領域の低熱膨張基板の表面に凹凸形状を形成する工程に、少なくともサンドブラスト処理による工程を備えて構成した。
請求項に係る発明による反射型マスクは、請求項1に記載の反射型マスクブランクを用いて構成した。
本発明によれば、反射型マスクの製造工程を変更する必要が無いため、マスクの欠陥品質を低下することなく、マスク上のチップ外周部に従来の吸収層よりも遮光性の高い遮光枠を形成することができる。このため、本発明の反射型マスクを用いることで、高い精度で転写パターンを形成できるという効果を奏する。
本発明の一実施の形態に係る反射型マスクブランクの構成を説明するために示した概略断面図である。 図1を上面側から見た状態を示した概略平面図である。 本発明の他の実施の形態に係る反射型マスクブランクの構成を説明するために示した概略断面図である。 図3を上面側から見た状態を示した概略平面図である。 本発明による実施例の作製手順を説明するために示した概略断面図である。 図5により作製した反射型マスクブランクのEUV反射率を示した特性図である。 本発明による反射型マスクの作製手順を説明するために示した概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る反射型マスクブランク及びその製造方法、反射型マスク及びその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の反射型マスクブランクの構成について説明する。図1(a)〜(d)は、本発明の反射型マスクブランク100、200、300、400の断面を示している。即ち、本発明のブランクの構成は、100、200、300、400のいずれを用いてもよい。図2は、図1(a)〜(d)の本発明の反射型マスクブランク100、200、300、400を上面から見た図である。
図1(a)に示す反射型マスクブランク100は、基板11の表面に、多層反射層21、吸収層51が順次形成されている。図1(b)に示す反射型マスクブランク200は、基板11の表面に、多層反射層21、吸収層51が順次形成されていると共に、基板11の裏面に導電膜71が形成された構造となっている。つまり、図1(b)の反射型マスクブランク200は、図1(a)の反射型マスクブランク100の基板11の裏面に導電膜71が形成されている。図1(c)の反射型マスクブランク300は、基板11の表面に多層反射層21、緩衝層41、吸収層51が順次形成されている。図1(d)の反射型マスクブランク400は、図1(c)の反射型マスクブランク300の基板11の裏面に導電膜71が形成された構造となっている。
前記基板11の多層反射層側の表面で、後にチップ周辺部の遮光枠に相当する領域には、微細な凹凸パターンが形成された凹凸領域11aが存在しており、次いで形成された多層反射層21には多層反射層の凹凸領域21aが、次いで形成された吸収層51には、吸収層の凹凸領域51aが形成されている。図1(c)、(d)の場合は、緩衝層41の凹凸領域41aも形成されている。図1(a)〜(d)の反射型マスクブランク100、200、300、400を上面から見ると図2のように、通常の吸収層領域80と遮光枠領域90が形成されている。
ここで、前記基板11の凹凸領域11aの凹凸パターンについて説明する。即ち、基板11は、後にパターン周辺部の遮光枠領域となる部分が、高さ2.5〜4.5nm、周期30nm以下の凹凸領域11aを有している。基板11の凹凸領域11aの凹凸は、ドット、ホール、ライン&スペースのいずれでも良い。また、上述した高さと周期の条件を満たせば、ランダムな配置であっても良い。
次に、前記基板11に凹凸領域11aを形成する方法について説明する。まず、図1に示す基板11を用意し、その表面に対し、リソグラフィ、エッチング、レジスト剥離洗浄工程を経て、基板11の凹凸領域11aを形成する。このときのパターンの周期が30nm以下であれば、パターンの種類はドット、ホール、ライン&スペースのいずれでも良い。
エッチングの掘り込み深さは、2.5〜4.5nmになるように、エッチング条件と処理時間を設定する。エッチング方法は、ウェットエッチングであればエッチング液にフッ酸を用い、ドライエッチングであれば、基板のエッチングに適している塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子を含むガスを用いたプラズマエッチング法が可能である。
また、基板11に凹凸領域11aを形成する別の方法としては、凹凸領域となる部分の基板表面に自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayers:SAM)によって、周期30nm以下のドットパターンを形成し、次いでSAMをエッチングマスクとしてドライエッチングにより、基板11に深さ2.5〜4.5nmの凹凸パターンを形成しても良い。
さらに、基板11に凹凸領域11aを形成する別の方法としては、上述したようなリソグラフィや自己組織化単分子膜による所望の周期や大きさを有する微細パターン(後にエッチングマスクとなるもの)を形成せずに、基板に直接プラズマやウェット処理をすることで、表面にラフネスを形成しても良い。リソグラフィや自己組織化単分子膜に比べ、パターンの周期や大きさなどの制御性は、低いが、周期30nm以下、且つ深さ2.5〜4.5nmの凹凸パターンは、エッチング条件と時間を適宜設定して形成することも可能である。ただし、この場合、凹凸領域以外の領域は、エッチングによって処理されないように保護される必要があるので、あらかじめリソグラフィやフィルムにより保護膜を形成しておく。
また、さらに基板11に凹凸領域11aを形成する別の方法としては、基板11に対して直接サンドブラスト処理を施すことによって所望の周期や高さを有するラフネスを形成しても良い。ただし、この場合も、凹凸領域以外の領域は、サンドブラストによって処理されないように保護される必要があるので、あらかじめリソグラフィやフィルムにより保護膜を形成しておく。
次に、基板以外のブランクの構成(多層反射層21、緩衝層41、吸収層51、裏面導電膜71)について説明する。これらの膜は、いずれもスパッタリング法により形成する。
このうち、図1(a)、(b)の多層反射層21は、13.5nm近傍のEUV光に対して60%程度の反射率を達成できるように設計されており、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)が交互に40〜50ペア積層した積層膜で、さらに最上層はルテニウム(Ru)で構成されている。Ru層の下に隣接する層はSi層である。MoやSiが使われている理由は、EUV光に対する吸収(消衰係数)が小さく、且つMoとSiのEUV光での屈折率差が大きいために、SiとRuの界面での反射率を高く出来るためである。多層反射層の最上層のRuは、吸収層の加工におけるストッパーやマスク洗浄時の薬液に対する保護層としての役割を果たしている。
そして、図1(c)、(d)の多層反射層21は、13.5nm近傍のEUV光に対して60%程度の反射率を達成できるように設計されており、MoとSiが交互に40〜50ペア積層した積層膜で、最上層はSi層で構成されている。この場合の多層反射層の最上層のSiも、上述したRuと同様の役割を果たす。
また、図1(c)、(d)の緩衝層41は、吸収層51のエッチングやパターン修正時に、緩衝層の下に隣接する多層反射層21の最上層であるSi層を保護するために設けられており、クロム(Cr)の窒素化合物(CrN)で構成されている。
そして、図1(a)〜(d)の吸収層51は、13.5nm近傍のEUVに対して吸収率の高いタンタル(Ta)の窒素化合物(TaN)で構成されている。他の材料として、タンタルホウ素窒化物(TaBN)、タンタルシリコン(TaSi)、タンタル(Ta)や、それらの酸化物(TaBON、TaSiO、TaO)でも良い。
そして、図1(a)〜(d)の吸収層51は、上層に波長190〜260nmの紫外光に対して反射防止機能を有する低反射層を設けた2層構造から成る吸収層であっても良い。低反射層は、マスクの欠陥検査機の検査波長に対して、コントラストを高くし、検査性を向上させるためのものである。
また、図1(b)及び図1(d)の導電膜71は、一般にはCrNで構成されているが、導電性があれば良いので、金属材料からなる材料であれば良い。
前記反射型マスクブランク100,200,300,400は、基板11の凹凸領域11aが形成された表面に、スパッタリング法により多層反射層21、吸収層51、緩衝層41が形成されるため、基板11の凹凸領域11aの凹凸形状は、最上層の吸収層51まで引き継がれる。したがって、多層反射層21、吸収層51、緩衝層41それぞれの凹凸領域21a、51a、41aは、別段の処理をしなくとも、自動的に形成される。
ここで、重要なことは、基板11の凹凸形状によって、多層反射層21にも同様の高さ2.5〜4.5nm、周期30nm以下の凹凸形状が形成されることである。これによって、EUV光を露光し、反射されるEUV光の位相が凹凸の凹部と凸部でほぼ180度反転するために、打ち消しあい、反射率を大幅に低下させることが可能となる。本来、凹凸部の高低差は、EUV光の波長13.5nmの1/4波長の奇数倍(3.375nm、10.125nm、16.875nm)で、丁度180度反転する計算になるが、実験によれば、概ね2.5〜4.5nmの範囲で充分な効果が見られた。周期に関しては、EUV波長13.5nmにおいて、反転した位相が効果を発揮する距離を、周期を振った実験によって調べたところ、概ね30nm以下で効果が見られた。
次に、この発明の一実施の形態に係る反射型マスク及びその製造方法について詳細に説明する。
ここで、図3(a)には、前記図1(a)の反射型マスクブランク100から作製した反射型マスク101を示し、図3(b)には、前記図1(b)の反射型マスクブランク200から作製した反射型マスク201を示す。そして、図3(c)には、前記図1(c)の反射型マスクブランク300から作製した反射型マスク301を示し、図3(d)には、前記図1(d)の反射型マスクブランク400から作製した反射型マスク401を示す。いずれも、多層反射層21の上部の吸収層51及び緩衝層41がある場合は緩衝層41を掘り込むことによって、回路パターン領域85を有する反射型マスクが形成される。これら図3(a)〜(d)の反射型マスク101、201、301、401は,いずれも図4に示すように通常の吸収層領域80と遮光枠領域90と回路パターン領域85から構成されている。
このようにして、EUV光に対する反射率が吸収層領域80よりも充分に小さい遮光枠領域90を有する反射型マスクブランクを得る。
ここで、上記反射マスクを作製する場合には、まず、図1に示す反射型マスクブランク100もしくは200を用意し、電子線リソグラフィによりレジストパターンを形成後、フルオロカーボンプラズマもしくは塩素プラズマ、必要な場合はその両方のプラズマより吸収層51をエッチングし、レジスト剥離洗浄することで、吸収層51に回路パターン領域85を形成して図3に示す反射型マスク101もしくは201を作製する。
また、図1に示す反射型マスクブランク300もしくは400を用意し、電子線リソグラフィによりレジストパターンを形成後、フルオロカーボンプラズマもしくは塩素プラズマ、必要な場合はその両方のプラズマより吸収層51をエッチングし、次いで塩素プラズマにより緩衝層41をエッチングし、レジスト剥離洗浄することで、吸収層51および緩衝層41に回路パターン領域85を形成して図3(a)に示す反射型マスク301もしくは401を作製する。
このようにして、EUV光に対する反射率が吸収層領域よりも充分に小さい遮光枠領域を有する反射型マスク101,201,301,401を作製する。
次に、本願発明による実施例1として反射型マスクブランクを作成し、実施例2として実施例1で作製した反射型マスクブランクを用いて反射型マスクを作製して、その特性を確認する。
(実施例1)
図5(a)に示すように基板として低熱膨張ガラス基板111を用意して、後に遮光枠となる領域(チップ外周部を取り囲むように幅2mmの帯状の領域)に、電子線レジスト131(ZEP520、日本ゼオン製)を膜厚20nmでコートする(図5(b)参照)。次に、EB描画機(JBX9000、日本電子製)により、ドーズ100μC/cm2で、パターン線幅15nm、周期30nmのパターンを描画し、有機現像によりレジストドットパターン131aを形成した(図5(c)参照)。
続いて、CF4/Ar混合ガスプラズマによるドライエッチングと、残ったレジストの剥膜洗浄を経て、基板111の一部にドットからなる凹凸パターン111aを形成する(図5(d)参照)。
次に、波長13.5nmのEUV光に対して反射率が64%程度となるように設計されたMoとSiの40ペアの積層及び最上層にRuをもつ多層反射層121とTaNからなる吸収層151をスパッタリング装置により順次形成する(図5(d)、(e)参照)。このときの吸収層151の膜厚は、50nmとした。このようにして、外周部に遮光領域90(図2参照)を有する反射型マスクブランク100が完成される(図5(f)参照)。
そして、この実施例1にて作製した反射型マスクブランク100の吸収層側のEUV光(波長13.5nm)の反射率を測定した。この結果、遮光枠以外の領域(通常の吸収層部)での反射率が1.24%であるのに対し、遮光枠領域(遮光枠部)の反射率が0.21%となり、遮光枠以外に比べて、概ね1/6に低減していることが確認された(図6参照)。網掛け
(実施例2)
実施例1にて作製した反射型マスクブランク100から反射型マスク101を作製し、露光テストを図7に示す手順で実施した。即ち、反射型マスクブランク100に電子線リソグラフィとドライエッチング、レジスト剥離洗浄を行い、吸収層151に回路パターン185を形成し、本発明の遮光枠を有する反射型マスク101を作製した。電子線リソグラフィには、化学増幅型ポジレジストFEP171(富士フィルムエレクトニクスマテリアルズ製)を用いて、描画機JBX9000(日本電子製)によってドーズ15μC/cm描画した後に、TMAH2.38%現像液によりレジストパターン184を形成した(図7(c)参照)。吸収層51のエッチングには、Clの誘導結合型プラズマを適用した。
そして、この実施例2にて作製した反射型マスク101を用いて13.5nmのEUVを光源とした露光を行い、半導体基板上に隣接した4つのチップを転写した。隣接したチップにおいて、作製した反射型マスク上の遮光枠に相当する領域の一部は重なっていたにもかかわらず、半導体基板上の当該領域におけるレジストの感光は確認されなかった。
本発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより、種々の発明が抽出され得る。
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本発明によれば、遮光枠の形成において、マスク作製時のリソグラフィ、エッチングなどによるパターニング工程を必要とせず、且つ欠陥面でのマスク品質低下を防ぎ、且つ吸収層へのダメージや光学的性質の変化のない、遮光性の高い遮光枠を有する反射型マスクブランク及びその製造方法、反射型マスクを提供することができる。
11・・・基板
11a・・・基板の凹凸領域
21・・・多層反射層
21a・・・多層反射層の凹凸領域
41・・・緩衝層
41a・・・緩衝層の凹凸領域
51・・・吸収層
51a・・・吸収層の凹凸領域
71・・・裏面導電膜
80・・・非遮光枠領域
85・・・回路パターン領域
90・・・遮光枠領域
100、200、300、400・・・反射型マスクブランク
101、201、301、401・・・反射型マスク
111・・・低熱膨張基板
111a・・・低熱膨張基板の凹凸領域
121・・・多層反射層
121a・・・多層反射層の凹凸領域
151・・・吸収層
151a・・・吸収層の凹凸領域
131・・・基板の凹凸パターン形成のためのレジスト
131a・・・基板の凹凸パターン形成のためのレジストパターン
161・・・回路パターン形成のためのレジスト
184・・・回路パターン形成のためのレジストパターン
185・・・吸収枠の回路パターン

Claims (8)

  1. 低熱膨張基板と、
    前記低熱膨張基板表面に形成された多層反射層と、
    前記多層反射層の上に形成された吸収層と、
    を具備し、
    前記吸収層には転写回路パターンが形成され、ブランク作製時に前記転写回路パターン領域の外側に、前記低熱膨張基板の表面が高さ2.5〜4.5nm、周期30nm以下の凹凸形状を有するEUV光の反射率の低い遮光枠を設け、前記凹凸形状が、多層反射層、吸収層まで引き継がれた構成である、
    ことを特徴とする反射型マスクブランク。
  2. 後に遮光枠となる領域の低熱膨張基板の表面に、多層反射層を形成する工程と、
    前記多層反射層を形成する工程に先だって、前記低熱膨張基板の表面が高さ2.5〜4.5nm、周期30nm以下の凹凸形状を形成する工程と、
    を具備することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
  3. 前記遮光枠となる領域の低熱膨張基板の表面に前記多層反射層の形成に先立ち凹凸形状を形成する工程は、少なくともリソグラフィとエッチング工程を備えることを特徴とする請求項2記載の反射型マスクブランクの製造方法。
  4. 前記遮光枠となる領域の低熱膨張基板の表面に凹凸形状を形成する工程は、少なくとも自己組織化単分子膜による工程を備えることを特徴とする請求項2記載の反射型マスクブランクの製造方法。
  5. 前記遮光枠となる領域の低熱膨張基板の表面に凹凸形状を形成する工程は、少なくともプラズマ処理による工程を備えることを特徴とする請求項2記載の反射型マスクブランクの製造方法。
  6. 前記遮光枠となる領域の低熱膨張基板の表面に凹凸形状を形成する工程は、少なくともウェット処理による工程を備えることを特徴とする請求項2記載の反射型マスクブランクの製造方法。
  7. 前記遮光枠となる領域の低熱膨張基板の表面に凹凸形状を形成する工程は、少なくともサンドブラスト処理による工程を備えることを特徴とする請求項2記載の反射型マスクブランクの製造方法。
  8. 請求項1に記載の反射型マスクブランクの上面に吸収層領域、遮光枠領域、回路パターン領域を形成したことを特徴とする反射型マスク。
JP2011043883A 2011-03-01 2011-03-01 反射型マスクブランク及びその製造方法、反射型マスク Expired - Fee Related JP5742300B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011043883A JP5742300B2 (ja) 2011-03-01 2011-03-01 反射型マスクブランク及びその製造方法、反射型マスク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011043883A JP5742300B2 (ja) 2011-03-01 2011-03-01 反射型マスクブランク及びその製造方法、反射型マスク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012182289A JP2012182289A (ja) 2012-09-20
JP5742300B2 true JP5742300B2 (ja) 2015-07-01

Family

ID=47013243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011043883A Expired - Fee Related JP5742300B2 (ja) 2011-03-01 2011-03-01 反射型マスクブランク及びその製造方法、反射型マスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5742300B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6413390B2 (ja) * 2014-06-27 2018-10-31 凸版印刷株式会社 反射型位相シフトマスクおよびその製造方法
JP7005129B2 (ja) * 2016-08-12 2022-01-21 凸版印刷株式会社 反射型露光用マスク
JP2018044979A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 大日本印刷株式会社 反射型マスクおよびその製造方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2542652B2 (ja) * 1987-12-10 1996-10-09 株式会社東芝 X線露光用マスクの製造方法
JPH0588355A (ja) * 1991-09-25 1993-04-09 Canon Inc 反射型マスク及びそれを用いた露光装置
JPH05134385A (ja) * 1991-11-11 1993-05-28 Nikon Corp 反射マスク
JP3240189B2 (ja) * 1992-10-12 2001-12-17 株式会社日立製作所 光学素子及び光学素子の製造方法
JP3416373B2 (ja) * 1996-02-20 2003-06-16 キヤノン株式会社 反射型x線マスク構造体、x線露光装置、x線露光方法ならびに該反射型x線マスク構造体を用いて作製されるデバイス
CA2287671A1 (en) * 1999-10-27 2001-04-27 Jacques Beauvais Method for using sub-micron silicide structures formed by direct-write electron beam lithography for fabricating masks for extreme ultra-violet and deep ultra-violet lithography
JP5377857B2 (ja) * 2004-11-22 2013-12-25 ウィスコンシン・アラムナイ・リサーチ・ファウンデーション 非周期的パターン共重合体フィルムのための方法及び組成
JP4463775B2 (ja) * 2006-02-14 2010-05-19 パナソニック株式会社 X線リソグラフィー用マスク、その製造方法、それを用いた光反射防止構造体の製造方法、光反射防止構造を有する光学素子を製造するための成形型の製造方法、並びに光反射防止構造を有するガラス被成形物若しくは樹脂被成形物の製造方法
US7759022B2 (en) * 2006-09-21 2010-07-20 Intel Corporation Phase shift mask structure and fabrication process
WO2009041373A1 (ja) * 2007-09-28 2009-04-02 Toray Industries, Inc. 微細形状転写シートの製造方法及び製造装置
JP5295553B2 (ja) * 2007-12-07 2013-09-18 株式会社東芝 反射型マスク
JP5117234B2 (ja) * 2008-03-21 2013-01-16 旭化成イーマテリアルズ株式会社 感光性樹脂組成物および積層体
US8361697B2 (en) * 2008-03-21 2013-01-29 Asahi Kasei E-Materials Corporation Photosensitive resin composition, photosensitive resin laminate, method for forming resist pattern and process for producing printed circuit board, lead frame, semiconductor package and concavoconvex board
WO2009122972A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 Hoya株式会社 反射型マスクブランク、反射型マスク及びその製造方法
JP5347617B2 (ja) * 2008-03-31 2013-11-20 東レ株式会社 微細形状転写シートの製造方法及び製造装置
WO2009136564A1 (ja) * 2008-05-09 2009-11-12 Hoya株式会社 反射型マスク、反射型マスクブランク及びその製造方法
KR101096248B1 (ko) * 2009-05-26 2011-12-22 주식회사 하이닉스반도체 극자외선 위상반전마스크의 제조 방법
JP2012054412A (ja) * 2010-09-01 2012-03-15 Dainippon Printing Co Ltd 遮光領域を有する反射型マスク、反射型マスクブランクス、および反射型マスクの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012182289A (ja) 2012-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009212220A (ja) 反射型マスク及びその作製方法
JP5953833B2 (ja) 反射型フォトマスクおよびその製造方法
EP2693458B1 (en) Method for repairing mask for euv exposure, and mask for euv exposure
US9448468B2 (en) Reflective mask blank and reflective mask, and methods for manufacturing reflective mask blank and reflective mask
JP6287046B2 (ja) 反射型マスク及び反射型マスクブランク並びにその製造方法
JP2011187746A (ja) 反射型マスクブランクス、反射型マスク、およびその製造方法
JP5790073B2 (ja) 反射型マスクブランクの製造方法
JP5742300B2 (ja) 反射型マスクブランク及びその製造方法、反射型マスク
JP5990961B2 (ja) 反射型マスク
JP2014090132A (ja) 反射型マスクおよびその製造方法
JP5909964B2 (ja) 反射型マスクブランクおよび反射型マスク
JP2014232844A (ja) 反射型マスクの製造方法
JP5970901B2 (ja) 反射型マスクおよび反射型マスクの製造方法
JP2014183075A (ja) 反射型マスクおよびその製造方法
JP6260149B2 (ja) 反射型マスクブランクおよび反射型マスク
JP5754592B2 (ja) 反射型マスクの製造方法および反射型マスク
JP5970910B2 (ja) 反射型マスクの製造方法
JP5803517B2 (ja) 反射型マスクおよびマスクブランク、その製造方法
US20170306475A1 (en) Reflective mask, reflective mask blank, and manufacturing method therefor
JP2017227702A (ja) 反射型フォトマスク
JP6070109B2 (ja) 反射型マスクおよびその製造方法
JP5796307B2 (ja) 反射型マスクブランク、及びその製造方法
JP6281205B2 (ja) 反射型マスク
JP2013243354A (ja) 半導体回路の露光方法及び露光装置
JP5765666B2 (ja) 反射型マスク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5742300

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees