JP2542652B2 - X線露光用マスクの製造方法 - Google Patents

X線露光用マスクの製造方法

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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、X線露光用マスクの改良に係わり、特に、
反射型のX線露光用マスクの製造方法に関する。
(従来の技術) 近年、集積回路の高集積化に伴い、回路パターンの微
細加工技術の中でも、感光剤にパターンを形成するリソ
グラフィ技術の重要性が高まっている。現在、光を露光
媒体とするフォトリソグラフィ技術が量産ラインで使用
されているが、この技術には使用する波長によって決ま
る所像力限界があり、これに代わる新しいリソグラフィ
技術として、光よりも波長の短いX線を用いるX線露光
技術の研究開発が急速な進展を見せている。
従来よく知られたX線露光では、透過性マスクを用い
る。即ち、X線を透過する、軽元素を原料としてメンブ
レン(Si,Sic,SiN,BN等)をマスク基板として、その上
にX線を吸収するAuなどの重金属でパターンを形成す
る。転写方法としてはマスクと試料とを10μmオーダー
の間隔で平行に保持し、マスク背面よりX線を照射する
ことにより、マスク基板を透過したX線が試料上の感光
剤を感光する。しかしながら、このような透過型マスク
には実用上困難な点が多い。
まず第一に、マスク基板の強度の問題がある。マスク
基板透過後のX線の強度が感光剤の感光領域のエネルギ
ーを所持するためには、前述のSi,SiN,等の物質をマス
ク基板に用いても、基板の厚さは1〜2μmと非常に薄
くしなければならない。このような薄膜は、マスク基板
の面積に比例して製造上の歩留まりが悪くなり、接触に
よって簡単に破れてしまうため、取り扱いには常に厳重
な注意を要する。また、薄膜の上に重金属のパターンが
存在するため、薄膜の応力で基板に歪みが生じて、マス
クパターンの配列にずれが生じやすい。このパターン配
列精度の低下は、パターン転写精度の低下を引き起こ
す。
その他に、X線の波長の問題がある。X線の物質透過
率は波長が長くなるほど低下する。透過型マスクでも、
マスク基板を透過することのできるX線の波長は10Å以
下である。しかし、通常の感光剤の感度はもっと波長の
長い領域でピークを示す。また、X線源として考えられ
るシンクロトロンやプラズマX線源も10Å以下の短い波
長より、100Å前後の長い波長出力のものの方が容易に
得られる。
このような観点から、最近になって、X線反射型の転
写方式の検討がなされはじめた。これまで、X線の反射
は斜入射以外はほとんど不可能とされていたのが、薄膜
形成技術の進歩などにより、高精度の多層膜反射鏡の形
成が可能となりつつあることが動機となっている。多層
膜反射鏡によれば、X線の直入射反射が可能となる。反
射するX線の波長や帯域巾は、設計によって比較的自由
に選択することができる。現在、実験レベルで最大50%
に近い直入射反射率が得られたという報告がある。(参
考文献:Applied Optics,Vol.24,No.6,P.883) X線反射型の転写方式では、このような多層膜反射鏡
の曲面鏡を用いて、マスクからの反射X線を試料上に結
像させる。この場合、マスク自身もX線反射型である必
要がある。したがって、反射型のX線マスクは多層膜反
射鏡によって形成される。パターンは、反射の有無によ
って構成される。この反射の有無を、第2図(a)に示
すごとく、基板9上の多層膜10の表面を集束イオンビー
ム11によって加工することによって得ようという提案が
なされている。第2図(b)では加工されたパターン12
によってX線13がどのように反射するため状態を示して
いる。(参考文献:Extended Abstracts of the 18th Co
nference on Solid State Devices and Materials,198
6,P.17〜20) しかしこの方法では、イオンビーム照射による熱の発
生、および、エッチング物質の再付着などが予想され、
多層膜の構造に悪い影響を与えると考えられる。また、
パターンの描画ミスが生じると、良好に形成された多層
膜反射鏡が最終段階で不良品となるので、歩留まりの点
から言っても不経済である。
この反射型マスクを用いて1対1の転写を行なうに
は、第3図に示すように、SOR光5をシリコン基板1の
多層膜4のパターンに反射させ円筒面鏡6を介して試料
7に転写すれば良い。
(発明が解決しようとする問題点) このように、X線反射型の転写方式は、従来のX線透
過型の転写方式の欠点である、マスク強度の問題、マス
ク歪みの問題、長波長光カットの問題を解決するもので
ある。しかしながら、これを実現する鍵となる多層膜反
射鏡の構造は非鶴な高精度であるため、パターニングの
工程は反射鏡製造の前段階で行なっておく方が有利であ
る。
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目
的とするところは、マスク基板上に先にパターンを製造
しておき、その上に多層膜反射鏡を製造することによ
り、多層膜構造を良好に保ち、製造上のロスを少なくし
た反射型X線マスクを提供することにある。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明の骨子は、マスク基板上に所望のパターンをエ
ッチングによって構成し、凹凸をつけた上に多層膜を製
造することにある。これによって、凸の部分の上に製造
された多層膜がX線の反射体となり、凹の部分はX線の
吸収体となる。
(作用) 多層膜反射鏡は、設計によって決まったある波長範囲
のX線に対して、ある入射角範囲内で入射した場合に限
り、有効な反射率を有する。したがって、表面が凹凸形
状をした多層膜では、凹の部分に入りこんだX線は側壁
に当たって吸収され、外部に散乱されることはない。即
ち、反射型のX線マスクとして機能する。
(実施例) 以下、本発明の詳細を実施例によって説明する。
第1図は本発明の一実施例に係わるX線露光用マスク
の製造工程を示す断面図である。
まず、第1図(a)に示す如く、3′φ,厚さ400μ
mのシリコン基板1の表面に、SiN膜2を2000Åの厚さ
に形成する。
次いで、第1図(b)に示す如く、表面にレジスト3
を塗布し、EB描画装置にて0.5μmのL&Sパターンを
描画した。次いで第1図(c)に示す如く、レジスト3
をマスクとして、SiN膜2をRINにてドライエッチングし
た。次いで、第1図(d)に示す如く、SiN膜をマスク
としてSi基板をKOH水溶液にてエッチング除去し、その
上に、第1図(e)に示すごとくEB蒸着装置にて、Auと
Cの多層膜4をそれぞれ18Å,40Åの厚さで交互に28層
蒸着した。これによって、44.7ÅのCkαの波長のX線に
ついて、傾入射角23°をピークに、20%の反射率が得ら
れた。このマスクを用い、円筒面鏡にて第3図に示すよ
うに1対1の転写を行なったところ、良好なパターンが
得られた。
かくして本実施例によれば、シリコン基板をあらかじ
めエッチングによってパターニングしておき、多層膜を
その上に構成することにより、X線の直入射反射率が良
好なX線マスクを製造することができた。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでは
ない。例えば、Si基板のエッチング方法はKOHに限るも
のではなく、RIEや光励起エッチングなどが考えられ
る。さらに基板はSiに限らず、石英、SiC,BNなどが考え
られる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種
々変形して実施することができる。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明によれば、反射型X線マ
スクの基板物質にあらかじめ凹凸のパターンをつけてお
き、その上に多層膜を形成し、特定の波長のX線の直入
射反射率を向上することにより、多層膜構造を破壊する
ことなく、製造工程でロスの少ない反射型X線マスクを
製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係わるX線露光用反射型マ
スクの製造工程を示す断面図、第2図は既知の反射型マ
スクの製造を示す断面図、第3図は反射型マスクを用い
て0.5μmのL&Sを試料上に1:1で転写する方法を示す
図である。 1……シリコン基板、2……SiN膜 3……レジスト、4……多層膜 5……SOR光、6……円筒面鏡 7……試料

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスク基板の表面を所望のパターンに応じ
    て所定の深さにエッチング除去してX線反射型マスクの
    X線吸収部となるべき部分を形成したのち、前記マスク
    基板表面上にX線多層膜反射鏡を設けることを特徴とす
    るX線露光用マスクの製造方法。
  2. 【請求項2】前記マスク基板をSiとし、エッチング除去
    をKOH水溶液にて行なうことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のX線露光用マスクの製造方法。
  3. 【請求項3】前記マスク基板をSiとし、エッチング除去
    をRIEにて行なうことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載のX線露光用マスクの製造方法。
  4. 【請求項4】前記マスク基板をSiとし、エッチング除去
    を光励起エッチングで行なうことを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載のX線露光用マスクの製造方法。
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