JPH0666251B2 - X線マスクおよびその製造方法 - Google Patents

X線マスクおよびその製造方法

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JPH0666251B2
JPH0666251B2 JP7044687A JP7044687A JPH0666251B2 JP H0666251 B2 JPH0666251 B2 JP H0666251B2 JP 7044687 A JP7044687 A JP 7044687A JP 7044687 A JP7044687 A JP 7044687A JP H0666251 B2 JPH0666251 B2 JP H0666251B2
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博雄 木下
秀雄 吉原
豊樹 北山
隆司 金子
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体集積回路の製造工程の中で、ウェハ上
に微細な回路パターンを形成するリソグラフィ工程用の
X線投影露光に使用するX線マスクに関するものであ
る。
〔従来の技術〕
半導体集積回路のパターン寸法が年々小さくなるに伴っ
て、回路パターンをウェハ上に転写する装置には益々高
い解像力が求められている。波長400nm前後の紫外線を
用いてマスク上にパターンを光学的に縮小してウェハ上
に転写する縮小投影露光法が広く用いられ、光源をより
短波長化すること、および投影レンズのN.A.(開口数)
を大きくすることにより、更に解像力を向上する改良が
進められている。しかし、波長300nm以下になると適当
なレンズ材料がなくなること、N.A.を大きくすると焦点
深度が急激に浅くなってしまうという問題がある。
そこで、波長が0.4〜4nmと同幅に短い軟X線を用いる転
写法が提案され、その高い解像力が期待されている。こ
の提案は例えば(スミス:ソリッド・ステート・テクノ
ロジー,15巻21号,1972(H.I.Smith:Solid State Techno
l.,15,21,1972))に記載されている。このX線露光法
は、第5図に示すような1:1のプロキシミティ露光であ
る。すなわち、シリコンウェハを基板1とし軟X線を透
過する薄いメンブレン2上に軟X線を吸収する重元素の
吸収体パターン3を形成したX線マスクをウェハ4に近
接して置き、上方より軟X線6を照射して、ウェハ4上
に塗布したレジスト5を露光することにより、パターン
の転写を行なう。このマスクはメンブレンマスクである
ため、こわれやすく取扱いが難しい上に、メンブレンマ
スクそのものの製作が難しく、かつパターンの縮小がで
きないため、ウェハパターンと同寸法の微細なマスクパ
ターンの精度確保が難しいという問題がある。もし、X
線露光においても紫外線露光と同様に縮小投影が可能と
なり、反射形のレチクルマスクを用いることができれ
ば、上記のようなX線マスク製作の困難さを克服でき
る。
あらゆる物質の垂直入射に対する光の反射率は入射光の
波長が短くなるにつれて急速に低下し、波長30nm以下の
軟X線に対しては実用上ほとんどゼロとなる。しかし、
境界面で互いに拡散せず、しかも吸収係数の大きく異な
る2種類の物質の薄膜を交互に形成した多層膜を用いる
と、このような波長領域でも反射鏡を作ることができ
る。これは例えば(スピラー:アプライド・フィジック
ス・レター20巻,365頁,1972(E.Spiller:Appl.Phys.Let
t.20,365,1972))に記載されている。実際、近年の半
導体産業における薄膜形成技術の進展を背景に多層薄膜
形成技術が進歩し、反射率数%〜十数%の多層膜反射鏡
も製作が可能となっている。このような背景のもとで、
X線縮小投影光学系の設計も可能となり(例えば、松
村:固体素子・材料会議の別刷,17頁,1986,東京(H.Mat
sumura:Extended Abstract of SSDM,17,Tokyo1986)に
記載)、さらに、多層膜球面鏡を組み合わせたX線縮小
光学系と波長10nm前後の放射光を用いて縮小パターンの
転写が行なわれている(例えば、木下ら:第47回応物学
会別刷,1986年秋季大会,28p−ZF−15に記載)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、上記X線マスクは、マスクとしては透過形を用
いているため、さきに述べたメンブレンマスク製作の困
難さを解決するには至っていない。
そこで、第6図に示すような反射形マスクを用いるX線
縮小投影露光方式を実現すれば、上記メンブレンマスク
製作の困難さというX線マスクの問題が解決される。す
なわち、マスク基板1a上にX線を反射するパターン3aを
形成し、このパターン3a上に照射X線束7を照射し、そ
の反射光(反射X線束)8をX線縮小光学系9を用い
て、ウェハ4上に塗布したレジスト5上に結像してレジ
ストを露光することにより、マスクパターン3aをウェハ
に縮小転写する。このようなX線縮小投影露光を実現す
るには、光源,露光装置共に取扱いが容易で高精度の反
射形X線マスクが必要となる。
X線反射形マスクは、X線を反射する部分と反射しない
部分から構成され、X線を反射する部分は多層膜を用い
る。多層膜をパターニングした構成として、第7図,第
8図に示すものが考えられる。
第7図に示すマスクは、基板1a上に形成された多層膜10
と、その上にX線を吸収する材料で形成したパターン11
とから構成される。多層膜10剥出しの部分ではX線が反
射され、X線吸収材料のパターン11ではX線が反射しな
い。このようなX線反射形マスクは、多層膜10を形成し
た基板1a上に通常のリソグラフィおよびエッチングによ
りX線吸収パターン11を形成することにより作製でき
る。しかし、第7図にも示すようにX線をマスクに対し
て斜めに入射させる場合には、パターン11の段差がある
ために、パターン11の側壁でX線反射光を遮ってしまう
という欠点がある。実際、マスクのX線反射率を高くと
ろうとすると、X線を浅い角度で入射させることにな
り、この影の部分は大きくなってしまう。
第8図に示すマスクは、基板1a上に多層膜自体のパター
ン10を形成した構成である。多層膜パターン10のある部
分はX線を反射し、多層膜パターン10のない部分は反射
しない。この多層膜パターン10は、基板1a上に部分的に
多層膜を堆積するか、全面に堆積した多層膜を通常のリ
ソグラフィおよびエッチングによりパターニングするこ
とになる。この場合は、上述のようにパターンの側壁で
影を生じることはないが、多層膜のパターニングが難し
いという欠点がある。例えば、LSIパターンのような複
雑なパターンに沿って部分的に多層膜を堆積することは
非常に難しいし、また、重元素と軽元素からなる材料が
交互に堆積された多層膜を精度良くエッチングすること
は難しい。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、半導体集積回路の製造等におい
て微細なパターンを形成するために用いるX線領域の光
に対するX線マスクの構造とその製造方法を提供するこ
とにある。
〔問題点を解決するための手段〕
このような目的を達成するために本発明によるX線マス
クは、所定の厚さの重元素を主とする薄膜と所定の厚さ
の軽元素を主とする薄膜とを交互に重ねた多層膜反射鏡
をX線の反射部分とし、多層膜が変質せられてX線反射
率が低下した膜を吸収部分としたものである。
また、本発明よるX線マスクの製造方法は、基板上に所
定の厚さの重元素を主とする薄膜と所定の厚さの軽元素
を主とする薄膜とを交互に堆積して多層膜反射鏡を形成
する工程と、多層膜を変質させる工程とを含むようにし
たものである。
〔作用〕
本発明においては、製造・取扱の困難を大幅に改善で
き、マスクパターン精度の大幅な向上を図ることができ
る。
〔実施例〕
本発明によるX線マスクは、多層膜部分と所定の図形パ
ターンにそって変質した膜部分とから構成されることを
特徴とする。そして、変質膜部分をイオン照射によるイ
オンミキシング効果により形成することを特徴とする。
本発明に係わるX線マスクの一実施例を第1図に示す。
X線を反射する部分14は所定の厚さの重元素薄膜と所定
の厚さの軽元素薄膜を交互に重ねた多層膜反射鏡であ
り、X線を反射しない部分13は2種の多層膜間の界面又
は多層構造が不明瞭で干渉効果を失った変質膜である。
多層膜材料対としては、例えば、軽元素としてカーボ
ン,シリコン,ベリリウム、重元素としてタングステ
ン,モリブデン,金,タンタル等を用いる。それぞれの
膜厚は、使用する波長帯を基本にブラッグの反射条件に
より設計される。このような膜を数十層堆積することに
より、膜の界面におけるX線の多重反射・干渉現象によ
り、数%〜十数%の反射率を得ることができる。一方、
多層膜間の界面又は多層構造、とくに表層に近い部分が
破壊された変質膜部分では、上記多重反射・干渉現象が
ないため、このような波長領域では反射は殆どゼロとな
る。X線非反射部13内の点線の膜13aはイオンビームが
侵入した最深部の膜である。
本実施例は、第1図の多層膜10で示すされるように、多
層膜によるX線反射部14と、多層膜の界面が不明瞭又は
多層構造を失った変質膜からなるX線非反射部13とを有
することに特徴がある。また、多層膜10がこのような構
造になっているので、例えば第1図に示す幅の狭い多層
膜パターン10aは安定に基板1a上に存在し得る。これ
は、第8図に示す幅の狭い多層膜パターン10aの基板1a
との密着部が多層膜パターン10aの下部のみであるのと
比較すると容易に理解し得る。
このことは、X線マスクのパターン精度・安定性を向上
し得るという効果、あるいは取扱いを容易にし得るとい
う効果を生ずる。例えば、第1図の構造では、前述のよ
うにパターンの基板1aに対する密着性が良いので、以下
のような効果がある。
非常に幅の狭いあるいは小さい孤立したパターンを形
成する際に、第8図の場合には基板への密着面積が小さ
くなるために困難さが増すが、第1図の構成では全く問
題がない。
X線マスクの一部あるいは全部に照射光のエネルギー
が吸収されるとX線マスクの温度が上昇する。また、こ
の照射が繰り返されると、X線マスク内部には熱サイク
ルが起こる。パターン10aと基板1aの熱膨張率の差によ
り、その界面に応力特に繰返し応力が発生し、第8図の
構成ではパターン10aが基板1aからはがれてしまうとい
う不安定性のおそれがあるが、第1図の構成では全面密
着しているので安定である。
X線マスクを使用して半導体集積回路等を製造する際
に、多数回使用するX線マスクを清浄に保つ必要があり
洗浄工程を余儀なくされるが、本実施例のX線マスクは
特にこの洗浄工程において密着性が良いため損傷を受け
ない。
第8図の構造のX線マスクは、場合によっては、基板
との密着力を確保したり、多層膜パターン10aの機械的
強度を増強するために、保護膜を必要とするが、第1図
の構造のX線マスクでは不要である。軟X線から真空紫
外領域の比較的長波長領域での物質の光吸収係数は大き
いため、極く薄い膜による吸収も大きく無視できぬもの
となる。
第2図は、本発明に係わるX線マスクの製造方法の一実
施例を示すもので、変質膜部形成法の一実施例である。
多層膜10の上に集束イオンビーム15で所望のパターンを
描くことにより(第2図(a)参照)、イオンの照射され
た部分の多層膜境界面では2種の材料が混合するいわゆ
るイオンミキシング現象がおこり、2種の材料の境界面
が破壊され、多層膜間の界面又は多層構造が不明瞭とな
る(第2図(b)参照)。集束イオンビームとしては、液
体金属イオン源からの金属イオン(例えば、Au−Si共晶
合金イオン源によるAu+,Si+,あるいはAlイオン源を用い
るAl+など)を用いる。多層膜の界面が不明瞭になれば
よいので、イオンの加速エネルギーは40〜100keV、照射
量は1013〜108個/cm2程度あればよい。加速されたイオ
ンが侵入することにより、膜内に欠陥が発生するととも
に、イオンミキシングが起こり、多層膜の界面が破壊さ
れた結果、イオンの照射された領域ではX線を反射する
機能が失われてしまう。
第3図は本発明に係わるX線マスクの製造方法の第2の
実施例を示す断面図である。第3図(a)に示すように、
多層膜上に、イオンの侵入を阻止するためのイオン阻止
マスクパターン16を通常のホトプロセスで形成する。そ
して、上方より一様にイオン17を照射する。イオン阻止
マスクパターン16のない部分では、先の実施例と同様に
多層膜が変質するが、イオン阻止パターン16の部分では
イオンの多層膜への侵入が阻止されるため、多層膜は保
護される。その後、イオン阻止パターン16を除去すれ
ば、表面に凹凸のない反射形X線マスクが得られる(第
3図(b)参照)。この場合、イオンとしてH+,He+などの
軽イオンを加速エネルギー2〜20keVで用い、イオン阻
止パターンの材料としてSiO2,SiN,レジストなどの厚さ
0.5〜1μmの膜を用いれば、イオン照射量1013〜1018
個/cm2によりイオン直接照射部分のみ多層膜の改質が
できる。また、照射イオンとして、Ar+,Kr+,Xe+などの
重イオンを用いる場合には、侵入深さが浅いので、加速
エネルギー50〜100keVで、上記のイオン阻止パターン16
を用いて、同様の部分的多層膜改質ができる。このよう
な方法を用いれば、第1の実施例の集束イオンビームを
用いる場合に比べて高い生産性が期待できる。
第4図は本発明に係わるX線マスクの製造方法の第3の
実施例を示す断面図である。第3図の第2の実施例の場
合のイオン阻止パターン16の代わりに、段差を持ったパ
ターン18を用いる(第4図(a)参照)。パターン18はSiO
2,SiN等の材料を用い、膜厚の厚い部分は1μm程度、
薄い部分は0.2μm程度の厚さを持たせる。これは、一
様な膜厚の一部をエッチングで除去しても良いし、ある
いは、膜厚の0.2μm程度のSi膜の上に膜厚0.8μm程度
のSiO2を付け、SiをエッチングマスクにSiO2をエッチン
グしても良い。これに、5〜100keVに加速された軽イオ
ンH+あるいはHe+などを一様に照射する。パターン18の
膜厚の薄い部分ではイオンがこれを突き抜けて多層膜内
部まで侵入して多層膜の界面を波壊するが、膜厚の厚い
部分ではイオンの多層膜への侵入が阻止され、多層膜は
保護される。このようにイオンを照射した後に、段差パ
ターン18を除去すれば、表面に凹凸のないX線マスクを
得ることができる(第4図(b)参照)。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は、反射形X線マスクを採用
したことにより、従来のメンブレンX線マスクにおける
ような取扱・製造の困難さを除去できると共に、縮小投
影が可能なことによりマスクパターン精度の大幅な向上
が期待できるという効果がある。
また、本発明による製造方法は、重元素を主とする薄膜
と軽元素を主とする薄膜とが交互に堆積された多層膜を
変質させる工程を含むことにより、表面に凹凸がないX
線マスクを製造でき、斜め入射でも影が生じないという
効果があり、また、多層膜をエッチングするという製造
上の困難さがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わるX線マスクの一実施例を示す断
面図、第2図,第3図および第4図は本発明に係わるX
線マスクの製造方法の第1,第2および第3の実施例を示
す断面図、第5図〜第8図は従来のX線マスクを示す断
面図である。 1a……基板、7……照射X線束、8……反射X線束、10
……多層膜、10a……多層膜パターン、13……X線非反
射部、14……X線反射部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北山 豊樹 神奈川県厚木市森の里若宮3番1号 日本 電信電話株式会社厚木電気通信研究所内 (72)発明者 金子 隆司 神奈川県厚木市森の里若宮3番1号 日本 電信電話株式会社厚木電気通信研究所内 (72)発明者 竹内 信行 神奈川県厚木市森の里若宮3番1号 日本 電信電話株式会社厚木電気通信研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の厚さの重元素を主とする薄膜と所定
    の厚さの軽元素を主とする薄膜とを交互に重ねた多層膜
    反射鏡をX線の反射部分とし、前記多層膜が変質せられ
    てX線反射率が低下した膜を吸収部分としたことを特徴
    とするX線マスク。
  2. 【請求項2】基板上に所定の厚さの重元素を主とする薄
    膜と所定の厚さの軽元素を主とする薄膜とを交互に堆積
    して多層膜反射鏡を形成する工程と、前記多層膜を変質
    させる工程とを含むことを特徴とするX線マスクの製造
    方法。
JP7044687A 1987-03-26 1987-03-26 X線マスクおよびその製造方法 Expired - Lifetime JPH0666251B2 (ja)

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