JP3114286B2 - X線露光用マスク及びそれの製造方法 - Google Patents

X線露光用マスク及びそれの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はX線露光用マスク及びそ
れの製造方法に関し、例えば波長2Å〜150Å程度の
X線を用いてマスク面上の電子回路パターンをウエハ面
上に転写し、IC,LSI等の半導体素子を製造する所
謂X線リソグラフィーにおいて高精度な露光転写が可能
なX線露光用マスク及びそれの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】最近IC,LSI等の半導体素子製造用
の露光装置においては、半導体素子の高集積化に伴って
より高分解能の焼付けが可能なX線を利用した露光装置
が種々と提案されている。
【0003】このX線を利用した露光装置で使用される
X線露光用マスクの材料及び構成に関する研究は数多く
発表されている。
【0004】図4は従来の一般的なX線露光用マスクの
要部断面図である。
【0005】図中21はX線透過膜の支持枠でありシリ
コンより成っている。22はX線透過膜、23はX線吸
収体でありX線透過膜22面に設けている。X線透過膜
22の材料としてはシリコン(Si),窒化シリコン
(SiN),炭化シリコン(SiC)等が、X線吸収体
23の材料としては金(Au),タンタル(Ta),タ
ングステン(W)等が用いられる。
【0006】一方、X線リソグラフィーを半導体素子の
量産に適用するには、X線露光用マスクの量産が重要に
なってくる。しかしながらX線露光用マスクの量産はこ
れまで技術的に大変困難であった。それはレジストパタ
ーン露光を通常、電子線描画で行うため多大な時間がか
かるためである。
【0007】一方、半導体素子の量産生産では同一デバ
イスのラインを複数持ち、しかも1ラインで露光用マス
クを複数組必要とする。従って同一パターンの露光マス
クが多数枚必要となる。これらをひとつひとつ電子線描
画装置で描画していては時間がかかりすぎ、又コストの
点で不利となる。
【0008】そこで従来はX線露光用マスターマスクは
電子線描画装置で作り、ワーキングマスクはマスターマ
スクを用いたX線露光によって製造しようという方法が
例えば特開昭58−194338号公報や特開昭58−
194339号公報等で提案されている。これらは、ワ
ーキングマスクの製造工程におけるレジストへのパター
ン露光工程にマスターマスクによるX線露光を使用する
というものである。
【0009】図5に従来のX線吸収体としてAuメッキ
膜を用いた場合のX線露光用マスクの作成方法の一例の
概略図を示す。
【0010】同図においてはまず1〜5mm厚のSi基
板31上にCVD法によりX線透過膜32を1〜3μm
厚形成する(図5(A))。次いで裏面を水酸化カリウ
ム水溶液等によってエッチングを行い、窓開けを行う
(図5(B))。X線透過膜32面上にメッキ用電極3
3を形成した後レジストパターン34を形成する(図5
(C))。X線透過膜32面上にAuメッキを0.7〜
1.0μm行い、これによりX線吸収体35を形成する
(図5(D))。レジストパターン34及びメッキ電極
33を剥離し、これによりX線露光用マスクが完成され
る(図5(E))。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図4に示す構成のX線
露光用マスクでは、X線吸収体23の内部応力によるX
線吸収体23の位置ずれ、パターンの欠陥及びX線露光
時のフレネル回折によるパターン像のボケ、X線照射に
よるX線吸収体の発熱等の問題点があった。
【0012】X線露光時のフレネル回折によるボケはマ
スクとレジストの間にギャップがあるためにその間でフ
レネル回折により像がボケてしまう現象である。X線照
射によるX線吸収体の発熱とは、X線照射によって吸収
体がX線を吸収して発熱し、この発熱によって吸収体が
位置ひずみを起こす現象である。
【0013】一方、従来のX線露光用マスク、特にX線
露光用ワーキングマスクの製造方法では前述の如くX線
吸収体の内部応力による吸収体の位置ずれ、パターンの
欠陥等の問題点を有していた。X線吸収体の内部応力の
制御は非常に困難であり、これによって引き起こされる
X線吸収体の位置ずれによって歩留りは非常に低いもの
となっていた。
【0014】又、パターンの欠陥は白欠陥と黒欠陥とが
あるが、黒欠陥の修正は集束イオンビームエッチング法
等により比較的容易にできるが、白欠陥の修正は非常に
難しく、高コスト化、歩留り低下をきたしていた。
【0015】これらの問題点を解決するために従来より
種々な提案がなされている。X線吸収体の内部応力によ
る吸収体の位置ずれ、パターンの白欠陥に対してはX線
透過膜の両面に同一形状の吸収体を形成することによっ
て解決する方法が特開昭59−116749号公報で提
案されている。ここでは表裏のX線吸収体によって内部
応力を相殺させると同時に、パターン欠陥の発生がラン
ダムであり同一場所に起こらないだろうことを利用して
欠陥密度を低減させることにより解決している。
【0016】しかしながらこの方法では、X線露光時の
フレネル回折を抑えられなかった。又、X線露光時のフ
レネル回折はX線吸収体とレジスト層との間にギャップ
が存在するために発生し、これによりX線がボケ、解像
度が低下する。この問題点をX線吸収体の形状を制御し
てX線の位相を変えてフレネル回折の影響を低減させて
解決する方法が、特開平2−52416号公報で提案さ
れている。しかしながら従来のワーキングマスクの製造
方法ではX線吸収体の形状制御は困難であった。
【0017】一方、X線露光用マスクはX線照射によっ
てX線を吸収する。特にX線吸収体は照射されたX線の
ほとんどを吸収するために発熱する。この発熱により吸
収体は膨張して位置ひずみを発生させる。この問題点を
X線吸収体をX線多層膜にしてX線を反射させ解決する
方法が特開平2−165615号公報で提案されてい
る。しかしながらこの方法は、垂直入射のX線の反射率
が非常に低い為その効果が低かった。
【0018】本発明はX線吸収体の内部応力によって引
き起こされる位置ひずみ及び欠陥の修正に起因する歩留
りの低下、高コスト化を改善すると共に、フレネル回折
及び熱発生の影響がなく、高解像度の露光転写が可能な
X線露光用マスク及びそれの製造方法の提供を目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のX線露
光用マスクは、X線透過膜の両面にX線吸収体のパター
ンがその対向するパターンの線幅が互いに異なるように
形成され、且つ細い側のパターンが太い側のパターンの
形成範囲内の反対側に実質的に収まるように配置されて
いることを特徴としている。
【0020】請求項2の発明は請求項1の発明におい
て、前記X線透過膜が支持枠に保持されていることを特
徴としている。
【0021】請求項3の発明は請求項1又は2の発明に
おいて、前記X線透過膜の両面に形成したパターンは一
方の面のパターンの線幅が他方の面のパターンの線幅に
比べて全て細くなるように構成されていることを特徴と
している。
【0022】請求項4の発明のX線露光用マスクの製造
方法は、X線透過膜の両面にX線感光用のレジスト層を
形成し、該両面のレジスト層にX線用マスターマスクを
介してX線を同時に照射した後、現像して処理してレジ
ストパターンを形成し、次いで該X線透過膜の両面にX
線吸収体をメッキ処理する工程を利用して該X線透過膜
の両面のレジストパターンの線幅が互いに異なるX線露
光用マスクを製造したことを特徴としている。
【0023】請求項5の発明のX線露光用マスクの製造
方法は、X線透過膜の両面にX線感光用のレジスト層を
形成し、該両面のレジスト層にX線用マスターマスクを
介して一方向からX線を同時に照射した後、両面のレジ
スト層を現像処理しレジストパターンを形成し、このと
き両面のレジストパターンの線幅が互いに異なるように
各要素を設定し、次いで該X線透過膜の両面にX線の吸
収体をメッキ処理した後、該レジスト層を剥離してX線
露光用マスクを製造したことを特徴としている。
【0024】請求項6の発明は請求項5の発明におい
て、前記X線透過膜の両面に形成したレジストパターン
はX線照射側の線幅がその反対側の面の線幅よりも細く
なるように各要素を設定していることを特徴としてい
る。
【0025】
【0026】
【実施例】図1は本発明のX線露光用マスクの実施例1
の要部断面概略図である。
【0027】図中1はX線透過膜、2はX線吸収体であ
り、X線透過膜1の両面に設けている。X線吸収体2よ
りパターンを形成している。3はX線透過膜支持枠であ
り、X線透過膜1を保持している。
【0028】本実施例ではX線透過膜1の両面にX線吸
収体2を各々対向するように設けている。このとき一方
の面のX線吸収体2の線幅が他方の面の線幅と異なるよ
うにしている。同図では上面(X線照射側)のX線吸収
体2の線幅が下面のX線吸収体の線幅よりも太くならな
いようにしている。
【0029】このように本実施例ではX線吸収体2の内
部応力による位置ずれをX線透過膜1の両面にX線吸収
体2を形成することによって相殺させ、X線吸収体の白
欠陥をX線透過膜1の両面にX線吸収体2を形成するこ
とによって欠陥密度を低減させてX線露光用マスク(X
線露光用ワーキングマスク)の製造時の歩留り向上及び
低コスト化を実現している。
【0030】又、X線のフレネル回折の影響をX線透過
膜の両面に形成したX線吸収体の線幅をわずかに変える
ことによって抑えている。
【0031】又、X線照射によるX線吸収体の発熱をX
線吸収体をX線透過膜の両面に分けて形成することによ
り、表面積を増加させて放熱を効率的に行わせると同時
にX線透過膜の両面(2方向)に熱を放出させて抑える
ことにより、X線吸収体の位置ひずみや白欠陥を露光に
よるフレネル回折の無い高性能な露光転写が可能なX線
露光用マスクを低コスト、高歩留りに達成している。
【0032】本発明のX線露光用マスクに用いるX線吸
収体はどのような形状でも良く、矩形であっても台形で
あっても、又逆台形であっても良く、又両面のX線吸収
体がそれぞれ形状が異なっていても良い。
【0033】又、厚さは両面の吸収体の合計の厚さでも
ってX線露光用マスクとして機能すれば特に制限は無い
が、白欠陥密度を低減させるにはそれよりも厚い方が良
い。X線透過膜の両面に形成されたX線吸収体のそれぞ
れの太さはどちらが太くても目的に対する効果が有る
が、X線の半影ぼけの為に好ましくはX線源側の吸収体
が被露光基板側の吸収体よりも細くした方が良い。
【0034】図2は本発明のX線露光用マスクの製造方
法を示す実施例1の説明図である。
【0035】本実施例ではX線透過膜の両面にメッキ用
電極層及びレジスト層を形成する工程、該レジスト層を
両面同時にX線露光用マスターマスクを用いてX線露
光、現像してレジストパターンを形成する工程、X線吸
収体をメッキする工程、X線露光時に両面の露光量を変
える、或はレジストの感度を変える工程とを利用するこ
とによって両面のレジストパターンの線幅、即ちX線吸
収体の線幅を異ならしめていることを特徴としている。
【0036】本実施例におけるメッキ材料としては、X
線を吸収してメッキ可能な材料ならばどのようなもので
も良いが、好ましくは金,銅,ニッケル,プラチナ等が
用いられる。又厚さは両面の吸収体の合計の厚さでもっ
てX線露光用マスクとして機能すれば特に制限は無い
が、白欠陥密度を制限させるには、それよりも厚い方が
良く、マスクを作りやすくするには薄い方が良い。
【0037】次に図2を用いて本実施例のX線露光用の
マスクの製造方法について説明する。
【0038】0.3〜5mm厚のSi基板11上にCV
D又はスパッター法によりX線透過膜12、例えば窒化
シリコン(SiN),炭化シリコン(SiC)膜を1〜
2μm厚形成する(図2(A))。
【0039】次いで裏面を水酸化カリウム水溶液又は硝
フッ酸水溶液によってエッチングを行い、窓開けを行う
(図2(B))。X線透過膜の両面にメッキ用電極13
を形成する。X線透過膜の両面のメッキ用電極13上に
X線露光用ポジレジスト層14,15を形成する(図2
(C))。
【0040】シンクロトロン放射光16をX線露光用マ
スターマスク(不図示)を通してレジスト層にパターン
転写し(図2(D))、その後レジストを現像する17
(図2(E))。このとき例えばレジスト14,15の
感度が同一で放射X線がレジスト層14及びX線透過膜
12に50%程度吸収されるとすれば、放射X線量をレ
ジスト感度の2倍にする。
【0041】これは通常の露光量をレジスト15に到達
させる為であると同時にレジスト層14をオーバー露光
することによりレジスト層14側の線幅をレジスト層1
5側の線幅と異ならせる為である。この両面のレジスト
パターンの線幅の差の制御は、レジスト層14,15の
X線感度を異ならせれば容易に達成できる。つまり線幅
の差を大きくしたければレジスト15の感度をより落と
し、小さくしたければ上げれば良い。
【0042】次にX線透過膜の両面を同時にメッキを行
い、X線吸収体パターン18を形成する(図2
(F))。メッキは片面づつ行っても良いが内部応力制
限の為には両面同時に行うのが好ましい。膜厚はワーキ
ングマスクを使用する際のX線の波長によって異なり、
長波長になるほど薄くなるが、例えば0.5〜1.5n
m位の波長では両面合わせて0.5〜1.0μmであ
る。レジスト及びメッキ電極を剥離し、これによりX線
露光用マスク(X線露光用ワーキングマスク)を得てい
る(図2(G))。
【0043】次に本実施例のX線露光用マスクの製造方
法における実施例の具体的な数値例を用いて説明する。
【0044】2mm厚のSi基板11上にCVD法によ
りSiN膜12を2μm厚形成した(図2(A))。次
いで裏面を水酸化カリウム水溶液によってエッチングを
行い、窓開けを行った(図2(B))。X線透過膜の両
面にメッキ用電極13を形成した。X線透過膜の両面の
メッキ用電極上にX線露光用ポジレジスト層(RAY−
PF,ヘキスト社製)14,15を形成した(図2
(C))。シンクロトロン放射光16をX線露光用マス
ターマスク(不図示)を通してレジスト層にパターン転
写し(図2(D))、レジストを現像した17(図2
(E))。このとき露光量は150mJ/cm であ
り通常の2倍の照射量であった。
【0045】これは第1のレジスト層14及びX線透過
膜12に照射X線は50%程度吸収され、第2のレジス
ト層15に通常の露光量を到達させる為であると同時
に、第1のレジスト層14をオーバー露光することによ
り線幅を第2のレジスト層15と異ならせる為である。
【0046】この第1層と第2層の線幅の差の制御は、
第1層と第2層のレジストのX線感度を異ならせれば容
易に達成できる。つまり線幅の差を大きくしたければ第
2のレジストの感度をより落とせば良い。
【0047】次にX線透過膜の両面を同時に電解金メッ
キを行ない、X線吸収体パターン18を形成した(図2
(F))。金メッキは亜硫酸系メッキ液(Newtro
nex309,EEJA社製)で行った。金メッキの膜
圧はそれぞれ0.35μmであった。レジスト及びメッ
キ電極を剥離し、X線露光用マスクを得た(図2
(G))。
【0048】作製したX線露光用マスクのX線透過膜の
両面に形成されたX線吸収体の線幅を測定したところ、
第1の面が0.25μmであったのに対して、第2の面
は0.17μmであった。このX線露光用マスクの長寸
法の位置精度を測定したところ、X線透過膜30mm角
内で0.02μm以内であった。又、欠陥検査をしたと
ころ両面合わせての白欠陥は無かった。
【0049】次にこのX線露光用マスクを用いてX線露
光を行った。X線の波長は0.6〜1.0nm、マスク
−レジスト間距離40ミクロン、被露光レジストはシリ
コン基板上に形成された1μm厚のポリメチルメタクリ
レートである。露光雰囲気はヘリウム150torrで
あった。
【0050】X線露光後、レジストを現像し形状を走査
型電子顕微鏡で観察したところ、従来フレネル回折等の
影響で現れるパターントップの窪みは見られず、矩形の
0.25μm線幅のパターンが形成できた。このレジス
トパターンの長寸法の位置精度を測定したところ、30
mm角内で0.02μm以内であり、X線露光によって
もX線吸収体の温度が上昇することなく高精度な転写を
実現することができた。
【0051】図3は本発明のX線露光用マスクの製造方
法を示す実施例2の説明図である。本実施例の特徴を具
体的な数値を用いて順次説明する。
【0052】2mm厚のSi基板51上にCVD法によ
り窒化シリコン膜52を2μm厚形成した(図3
(A))。次にこの窒化シリコン上にスパッター法を用
いてタンタル53を約0.7μmの厚さで成膜した。こ
の上層にスパッター法を用いて酸化シリコン膜54を
0.3μm成膜し、更にこの上層に電子線用レジスト層
55を形成した(図3(B))。
【0053】続いてこのレジスト層55を電子線で露
光、現像してレジストパターンを得た。このレジストパ
ターンをマスクとして酸化シリコン54をリアクティブ
イオンエッチングし、更にこの酸化シリコン54をマス
クとしてタンタル53をパターニングした。
【0054】次に基板51の裏面を水酸化カリウム水溶
液によってエッチングを行い、窓開けを行ない(図3
(C))、続いてメッキ用電極層57を形成した後、X
線露光用ネガレジスト層(AZ−PN100,ヘキスト
社製)58を形成した。
【0055】次にシンクロトロン放射光59をタンタル
パターン側からタンタルパターン56をマスクとしてレ
ジスト層58に照射した(図3(D))。これを現像し
てレジストパターン5aを得た(図3(E))。このと
き露光量は250mJ/cm であった。
【0056】次にこのレジストパターン5aに対して金
メッキ5bを0.7μmの厚さ施した(図3(F))。
レジスト及びメッキ用電極を剥離してX線露光用マスク
を得た(図3(G))。
【0057】作製したX線露光用マスクのX線透過膜の
両面に形成されたX線吸収体の線幅を測定したところ第
1の面(タンタル)が0.25μmであったのに対し
て、第2の面(金)は0.19μmであった。このマス
クの長寸法の位置精度を測定したところ、X線透過膜3
0mm角内で0.03μm以内であった。
【0058】次にこのマスクを用いてX線露光を行っ
た。X線の波長は0.6〜1.0nm、マスク−レジス
ト間距離40ミクロン、被露光レジストはシリコン基板
上に形成された1μm厚のポリメチルメタクリレートで
ある。露光雰囲気はヘリウム150torrであった。
【0059】X線露光後、レジストを現像し形状を走査
型電子顕微鏡で観察したところ、従来フレネル回折等の
影響で現れるパターントップの窪みは見られず、矩形の
0.25μm線幅のパターンが形成できた。このレジス
トパターンの長寸法の位置精度を測定したところ、30
mm角内で0.03μmであり、X線露光によってもX
線吸収体の温度が上昇することなく高精度な転写を実現
することができた。
【0060】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば従来のX線露光用マスクにおいて問題であったX線
吸収体の内部応力による吸収体の位置ずれ、パターンの
欠陥及びX線露光時のフレネル回折によるボケ、X線照
射によるX線吸収体の発熱等の問題点をX線透過膜の両
面にX線吸収体を同一に形成すると共に、両面のX線吸
収体の線幅を異ならせることによって解決している。
【0061】即ち、X線吸収体の内部応力による位置ず
れをX線透過膜の両面にX線吸収体を形成することによ
って相殺させ、X線吸収体の白欠陥はX線透過膜の両面
にX線吸収体を形成することによって欠陥密度を低減さ
せ、X線のフレネル回折の影響をX線透過膜の両面に形
成されたX線吸収体の線幅をわずかに変えることによっ
て抑え、X線照射によるX線吸収体の発熱をX線吸収体
をX線透過膜の両面に分けて形成することにより、表面
積を増加させて放熱を効率的に行わせると同時にX線透
過膜の両面(2方向)に熱を放出させて抑えることによ
ってX線吸収体の位置ひずみや露光によるフレネル回折
が無く、欠陥密度の低い実用性の非常に高い露光転写が
可能なX線露光用マスク及びそれの製造方法を達成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のX線露光用マスクの実施例1の要
部断面概略図
【図2】 本発明のX線露光用マスクの製造方法の実
施例1の説明図
【図3】 本発明のX線露光用マスクの製造方法の実
施例2の説明図
【図4】 従来のX線露光用マスクの要部断面概略図
【図5】 従来のX線露光用マスクの製造方法の説明
【符号の説明】
1 X線透過膜 2 X線吸収体 3 X線透過膜支持枠 11,51 Si基板 12,52 X線透過膜 13,57 メッキ用電極 14,15,58 レジスト層 16,59 シンクロトロン放射光 17,5a レジストパターン 18,5b X線吸収体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 1/16 G03F 7/20 503 G03F 7/20 521

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線透過膜の両面にX線吸収体のパター
    ンがその対向するパターンの線幅が互いに異なるように
    形成され、且つ細い側のパターンが太い側のパターンの
    形成範囲内の反対側に実質的に収まるように配置されて
    いることを特徴とするX線露光用マスク。
  2. 【請求項2】 前記X線透過膜が支持枠に保持されてい
    ることを特徴とする請求項1のX線露光用マスク。
  3. 【請求項3】 前記X線透過膜の両面に形成したパター
    ンは一方の面のパターンの線幅が他方の面のパターンの
    線幅に比べて全て細くなるように構成されていることを
    特徴とする請求項1又は2のX線露光用マスク。
  4. 【請求項4】 X線透過膜の両面にX線感光用のレジス
    ト層を形成し、該両面のレジスト層にX線用マスターマ
    スクを介してX線を同時に照射した後、現像して処理し
    てレジストパターンを形成し、次いで該X線透過膜の両
    面にX線吸収体をメッキ処理する工程を利用して該X線
    透過膜の両面のレジストパターンの線幅が互いに異なる
    X線露光用マスクを製造したことを特徴とするX線露光
    用マスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 X線透過膜の両面にX線感光用のレジス
    ト層を形成し、該両面のレジスト層にX線用マスターマ
    スクを介して一方向からX線を同時に照射した後、両面
    のレジスト層を現像処理しレジストパターンを形成し、
    このとき両面のレジストパターンの線幅が互いに異なる
    ように各要素を設定し、次いで該X線透過膜の両面にX
    線の吸収体をメッキ処理した後、該レジスト層を剥離し
    てX線露光用マスクを製造したことを特徴とするX線露
    光用マスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記X線透過膜の両面に形成したレジス
    トパターンはX線照射側の線幅がその反対側の面の線幅
    よりも細くなるように各要素を設定していることを特徴
    とする請求項のX線露光用マスクの製造方法。
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