JP5742079B2 - 蒸気システム - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気使用設備からのドレンを熱源に蒸気を発生させるヒートポンプを備えた蒸気システムに関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されるように、工場から排出される50〜95℃程度の排温水を熱源に蒸気を発生させるヒートポンプが提案されている。このヒートポンプは、蒸発器である熱交換器(10)において、工場の排温水などから熱を吸収し、凝縮器である熱交換器(5)において、給水を加熱し蒸気を発生させる。
特開2010−38391号公報
しかしながら、従来技術は、蒸気使用設備からのドレンを用いるものではない。一般に、蒸気使用設備からのドレンの方が単なる排温水よりも高温であるが、従来、ドレンは、ボイラへの給水タンクに戻して再利用される程度であった。
本発明が解決しようとする課題は、蒸気使用設備からのドレンの廃熱を有効利用して、蒸気を発生させることを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、単段または複数段のヒートポンプを備え、このヒートポンプは、蒸気使用設備からのドレンが蒸発器に通される一方、凝縮器において水を加熱して蒸気を発生させ、前記蒸気使用設備のドレンは、第一ドレン排出機構により低圧下に排出された後、前記蒸発器を通過後に、第二ドレン排出機構によりさらに低圧下に排出され、前記蒸発器を通過後のドレンの一部を、大気圧下へ開放することなく、前記第二ドレン排出機構より上流側から、給水ポンプを介して前記凝縮器へ供給して蒸気化することを特徴とする蒸気システムである。
請求項1に記載の発明によれば、蒸気使用設備からのドレンの廃熱を用いて、蒸気を発生させることができる。
請求項1に記載の発明によれば、蒸気使用設備からのドレンを凝縮器に供給して蒸気化するので、ドレンの廃熱をさらに回収することができる。しかも、ドレンは、純水に近いので、凝縮器を構成する熱交換器へのスケールの付着を防止することができる
請求項1に記載の発明によれば、蒸気使用設備からのドレンを、蒸発器に通した後、一部を凝縮器へ供給して蒸気化するので、ヒートポンプで熱回収後、凝縮器でさらに熱回収を図ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、蒸気使用設備からのドレンを、大気圧下へ開放することなく凝縮器へ供給するので、100℃を超える状態で凝縮器へ供給することができ、効率的に蒸気を発生させることができる。
さらに、請求項2に記載の発明は、前記凝縮器内の水位、または前記凝縮器からの蒸気の過熱度に基づき、前記凝縮器への給水を制御することを特徴とする請求項1に記載の蒸気システムである。
請求項2に記載の発明によれば、凝縮器内の水位、または凝縮器からの蒸気の過熱度に基づき、凝縮器への給水を制御して、所望の蒸気を得ることができる。
本発明によれば、蒸気使用設備からのドレンの廃熱を有効利用して、蒸気を発生させることができる。
本発明の蒸気システムの実施例1を示す概略図である。 第一センサの検出圧力、ボイラ蒸気供給弁の開閉状態、および圧縮機の動作状態の対応関係を示す概略図である。 図2の変形例を示す図である。 第二センサの検出圧力または検出温度、排出弁の開閉状態、および圧縮機の動作状態の対応関係を示す概略図である。 図4の変形例を示す図である。 実施例1の蒸気システムの変形例を示す図であり、変更箇所のみを示している。 本発明の蒸気システムの実施例2を示す概略図である。 第二センサの検出圧力または検出温度、導入弁の開閉状態、および圧縮機の動作状態の対応関係を示す概略図である。 図8の変形例を示す図である。 本発明の蒸気システムの実施例3を示す概略図である。 本発明の蒸気システムの実施例4を示す概略図である。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の蒸気システムの実施例1を示す概略図である。
本実施例の蒸気システム1は、ヒートポンプ2とボイラ3とを備える。
ヒートポンプ2は、蒸気圧縮式のヒートポンプであり、圧縮機4、凝縮器5、膨張弁6および蒸発器7が順次環状に接続されて構成される。そして、圧縮機4は、ガス冷媒を圧縮して高温高圧にする。また、凝縮器5は、圧縮機4からのガス冷媒を凝縮液化する。さらに、膨張弁6は、凝縮器5からの液冷媒を通過させることで、冷媒の圧力と温度とを低下させる。そして、蒸発器7は、膨張弁6からの冷媒の蒸発を図る。
従って、ヒートポンプ2は、蒸発器7において、冷媒が外部から熱を奪って気化する一方、凝縮器5において、冷媒が外部へ放熱して凝縮することになる。これを利用して、本実施例では、ヒートポンプ2は、蒸発器7において、蒸気使用設備8のドレンから熱をくみ上げ、凝縮器5において、水(後述するようにドレンを含む)を加温して蒸気を発生させる。
凝縮器5への給水としては、凝縮器5を構成する熱交換器内へのスケール(水中の硬度分が析出したもの)の付着を防止するために、たとえば純水または軟水が用いられる。たとえば、純水または軟水が貯留された給水タンク10内の水を、適宜、給水ポンプ11で凝縮器5へ供給すればよい。なお、給水タンク10内の水は、凝縮器5への給水に代えてまたはこれに加えて、ボイラ3への給水として用いてもよい。
また、凝縮器5への給水として、蒸気使用設備8からのドレンを用いることもできる。ドレンは純水に近いので、ドレンを凝縮器5に供給する場合も、凝縮器5を構成する熱交換器内へのスケールの付着を防止することができる。
さらに、凝縮器5への給水として、純水または軟水と、ドレンとの混合水を用いてもよい。たとえば、純水または軟水を適宜補給可能な給水タンク10に、蒸気使用設備8からのドレンを排出し、その給水タンク10内の水を、適宜、給水ポンプ11で凝縮器5へ供給すればよい。または、蒸気使用設備8からのドレンを凝縮器5へ供給する管路に、純水または軟水の供給管路(図示省略)を合流させてもよい。
凝縮器5への給水として蒸気使用設備8からのドレンを用いる場合、蒸気使用設備8からのドレンを、たとえば開放タンクとしての給水タンク10に排出するなどして大気圧下に開放後に、その水(ドレンのみまたはこれに純水または軟水を混ぜたもの)を凝縮器5へ供給してもよいし、蒸気使用設備8からのドレンを、大気圧下に開放することなく、凝縮器5へ供給してもよい。後者の場合、100℃を超える状態で凝縮器5へ供給することができ、効率的に蒸気を発生させることができる。蒸気使用設備8からのドレンを一旦、給水タンク10に排出した後、凝縮器5へ供給する場合でも、給水タンク10が上方へ開口せず大気圧を超える圧力でドレンを貯留可能に構成すれば、蒸気使用設備8からのドレンを、100℃を超える温度で凝縮器5へ供給することもできる。なお、ここでは、凝縮器5への給水系統について説明したが、ボイラ3への給水系統を同様に構成することもできる。
ヒートポンプ2に用いる冷媒は、特に問わないが、炭素数が4以上のハイドロフルオロカーボン(HFC)またはこれに水および/または消火液を加えたもの、アルコール(たとえばエチルアルコールまたはメチルアルコール)またはこれに水および/または消火液を加えたもの、または水(たとえば純水または軟水)が好適に用いられる。
ヒートポンプ2は、単段に限らず、複数段でもよい。複数段の場合は、基本的には、最下段のヒートポンプ2の蒸発器7において、外部から熱をくみ上げ、最上段のヒートポンプ2の凝縮器5において、水を加温して蒸気を発生させる。ここでは、特に明示のない限り、単に蒸発器7というときは、ヒートポンプ2が複数段の場合は最下段のヒートポンプ2の蒸発器7をいい、また単に凝縮器5というときは、ヒートポンプ2が複数段の場合は最上段のヒートポンプ2の凝縮器5をいう。
単段のヒートポンプ2、または複数段のヒートポンプ2の内の一部または全部のヒートポンプ2において、凝縮器5から膨張弁6への冷媒と蒸発器7から圧縮機4への冷媒とを混ぜることなく熱交換する液ガス熱交換器(図示省略)を設けてもよい。
単段のヒートポンプ2、または複数段のヒートポンプ2の内の最上段のヒートポンプ2において、凝縮器5から膨張弁6への冷媒と凝縮器5への給水とを混ぜることなく熱交換するサブクーラ(図示省略)を設けてもよい。
圧縮機4は、圧縮機本体とその駆動装置とを備え、駆動装置はエンジン(典型的にはガスエンジンまたはディーゼルエンジン)および/またはモータから構成される。圧縮機4の制御の具体的態様としては、たとえば、駆動装置がオンオフ制御される。あるいは、圧縮機本体と駆動装置との間に、駆動装置から圧縮機本体への動力伝達装置(クラッチおよび/または変速機)を設けておき、駆動装置から圧縮機本体への動力伝達の有無や量を変更するように、動力伝達装置が制御される。あるいは、駆動装置を構成するモータをインバータで制御して、モータの回転数(回転速度ともいえる)を変える。あるいは、駆動装置を構成するエンジンのアクセルを制御して、エンジンの出力を変える。あるいは、圧縮機本体の冷媒吐出流量(吸込側を調整することにより吐出流量を変える場合も含む)を機械的に調整するために、圧縮機本体が制御される。これらの内、複数のものを組み合わせて、圧縮機4を制御してもよい。なお、駆動装置としてモータを用いる場合、後述するSOFC(固体酸化物形燃料電池)の電力でモータを駆動してもよい。
凝縮器5は、冷媒と水(ドレンを含む)とを混ぜることなく熱交換する構成であれば、その具体的構成を特に問わない。たとえば、プレート式熱交換器またはシェルアンドチューブ式熱交換器が用いられる。また、蒸発器7も同様に、蒸気使用設備8からのドレンと、ヒートポンプ2の冷媒とを混ぜることなく熱交換する構成であれば、その具体的構成を特に問わない。
凝縮器5には給水ポンプ11により水が供給可能とされ、凝縮器5には所望量の水が貯留される。本実施例では、給水タンク10からの純水または軟水、あるいはこれに代えてまたはこれに混ぜられて、蒸気使用設備8からのドレンが、給水ポンプ11、給水弁12、逆止弁13を介して、凝縮器5に供給される。この場合、給水ポンプ11を作動させた状態で、凝縮器5内の水位に基づき給水弁12を制御すればよい。たとえば、下限水位になれば給水弁12を開け、上限水位になれば給水弁12を閉めればよい。
但し、凝縮器5内の水位に基づき、給水弁12を制御するのではなく、給水ポンプ11をインバータ制御してもよい。この場合、給水弁12の設置を省略することもできる。また、凝縮器5への給水は、凝縮器5内の水位に基づき制御する以外に、凝縮器5からの蒸気の過熱度に基づき制御してもよい。この場合、凝縮器5からの蒸気路16(逆止弁18より上流側)に、圧力センサ(図示省略)と温度センサ(図示省略)とを設け、その検出圧力と検出温度とから蒸気の過熱度を把握し、所望の過熱度になるように給水弁12または給水ポンプ11を同様に制御すればよい。
ボイラ3は、典型的には燃料焚きボイラまたは電気ボイラである。燃料焚きボイラは、燃料の燃焼により水を蒸気化する装置であり、蒸気圧を所望に維持するように、燃焼の有無や量が調整される。また、電気ボイラは、電気ヒータにより水を蒸気化する装置であり、蒸気圧を所望に維持するように、電気ヒータへの給電の有無や量が調整される。
但し、ボイラ3は、燃料焚きボイラまたは電気ボイラに限らず、廃熱ボイラであってもよい。廃熱ボイラは、廃熱を用いて水を蒸気化する装置であり、蒸気圧を所望に維持するように、廃熱ボイラへの廃熱の供給の有無や量が調整可能とされるのがよい。廃熱ボイラの場合、その熱源は特に問わず、たとえば、圧縮機4のエンジンなどからの排ガス、またはSOFC(固体酸化物形燃料電池)からの廃熱を用いることができる。
いずれにしても、ボイラ3には、給水ポンプ14と逆止弁15とを介して水が供給可能とされ、ボイラ3の缶体内の水位は所望に維持される。
凝縮器5からの蒸気路16と、ボイラ3からの蒸気路17とは、合流するよう構成される。この合流は、蒸気ヘッダを用いて行うこともできる。また、本実施例では、凝縮器5からの蒸気路16には、合流部よりも上流側に、逆止弁18が設けられる。これにより、ヒートポンプ2が停止中、ボイラ3からの蒸気が凝縮器5へ逆流するのが防止される。
さらに、本実施例では、ボイラ3からの蒸気路17には、合流部よりも上流側に、ボイラ蒸気供給弁19が設けられる。ボイラ蒸気供給弁19は、本実施例では自力式の減圧弁(二次圧力調整弁)とされる。なお、ボイラ蒸気供給弁19より上流側は、下流側よりもボイラ3により高圧に維持される。
凝縮器5からの蒸気とボイラ3からの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置には、圧力センサからなる第一センサ20が設けられる。本実施例では、凝縮器5からの蒸気路16とボイラ3からの蒸気路17とが合流された後の蒸気路21に、第一センサ20が設けられるが、ヒートポンプ2からの蒸気とボイラ3からの蒸気とを蒸気ヘッダで合流させる場合、その蒸気ヘッダに第一センサ20を設けてもよい。また、合流蒸気の圧力を検出可能であれば、凝縮器5からの蒸気路16であって合流部よりも上流側に設けてもよいし、ボイラ3からの蒸気路17であって合流部よりも上流側に設けてもよい。但し、凝縮器5からの蒸気路16に逆止弁18を設ける場合には、逆止弁18より下流側に設けられ、ボイラ3からの蒸気路17にボイラ蒸気供給弁19または後述する逆止弁が設けられる場合には、ボイラ蒸気供給弁19または逆止弁より下流側に設けられる。
ボイラ3やヒートポンプ2からの蒸気は、一または複数の蒸気使用設備(たとえば食品機械)8へ送られる。蒸気使用設備8のドレンは、ドレン排出機構としての第一蒸気トラップ22を介して、中空容器状のセパレータタンク23へ排出される。セパレータタンク23には、上部に第一流路24が接続され、下部に第二流路25が接続される。
第一流路24には、セパレータタンク23の側から順に、蒸発器7と第二蒸気トラップ26とが設けられる。このような構成であるから、蒸気使用設備8のドレンは、第一蒸気トラップ22により低圧下に排出された後、蒸発器7を通過後に、第二蒸気トラップ26によりさらに低圧下(典型的には大気圧下)に排出される。つまり、蒸気使用設備8のドレンは、第一蒸気トラップ22を介して排出されることにより、フラッシュ蒸気およびその凝縮水となり、蒸発器7においてさらに凝縮を図られた後、第二蒸気トラップ26から排出される。このような構成の場合、蒸発器7において冷媒に熱を与える流体は、大気圧を超える圧力で、100℃を超える温度に維持できる。なお、第二蒸気トラップ26からの排水は、そのまま捨ててもよいし、ボイラ3および/または凝縮器5への給水タンク10へ供給してもよいし、このような給水タンク10を介さずに凝縮器5への給水として用いてもよい。
一方、第二流路25には、排出弁28が設けられる。排出弁28は、本実施例では自力式の減圧弁(一次圧力調整弁)とされる。このような構成であるから、蒸気使用設備8のドレンは、第一蒸気トラップ22により低圧下に排出された後、排出弁28によりさらに低圧下(典型的には大気圧下)に排出可能とされる。そして、排出弁28からの流体は、そのまま捨ててもよいし、ボイラ3および/または凝縮器5への給水タンク10へ供給してもよいし、このような給水タンク10を介さずに凝縮器5への給水として用いてもよい。なお、排出弁28と並行に、蒸気トラップ(図示省略)を設けてもよい。この場合、この蒸気トラップから液体だけを排出することで、第一流路24に蒸気だけを送ることができる。
前述したように、凝縮器5へは、純水もしくは軟水、蒸気使用設備8からのドレン、またはこのようなドレンと純水もしくは軟水との混合水が供給される。そのための給水系統は特に問わないが、たとえば、以下の構成とすることができる。なお、蒸気使用設備8からのドレンは、液体のみの状態の他、気液二相の状態(大気圧を超える状態のドレンをそれより低圧下に放出した場合に生じるフラッシュ蒸気とその凝縮水)であってもよい。
(A)二点鎖線Aで示すように、セパレータタンク23で分離された液体からなるドレンを、排出弁28より上流側から、給水ポンプ11の入口側へ供給する。
(B)二点鎖線Bで示すように、蒸発器7を通過後のドレンを、第二蒸気トラップ26より上流側から、給水ポンプ11の入口側へ供給する。
(C)二点鎖線Cで示すように、蒸発器7を通過後のドレンを、第二蒸気トラップ26より下流側から、給水ポンプ11の入口側へ供給する。
(D)図1下部の破線領域に示すように、第二蒸気トラップ26からのドレン、および/または、排出弁28からのドレンなどを、一旦、給水タンク10に溜め、この給水タンク10内の水を、給水ポンプ11の入口側へ供給する。給水タンク10には、蒸気使用設備8からのドレンの他、純水または軟水が適宜供給されてもよい。
(E)前記A〜Dのいずれか二以上の組合せでもよい。この場合、二以上の給水路が合流して凝縮器5へ給水されるが、各給水路内の圧力が異なる場合には、各給水路が合流した後に給水ポンプ11を設けるのではなく、合流部より手前において各給水路に給水ポンプ11を設ければよい。
ところで、仮にヒートポンプ2を設置せず、蒸気使用設備8からのドレンを単にボイラ3への給水として回収する場合には、蒸気使用設備8からボイラ3への距離が長いと、ドレンがボイラ3へ戻るまでに放熱してしまい熱回収率が下がるし、逆に蒸気使用設備8からボイラ3への距離が短くても、給水タンク10においてフラッシュ蒸気を逃がしていたのでは、その分だけ熱回収率が下がることになる。ところが、本実施例のように、蒸気使用設備8からのドレンの少なくとも一部をヒートポンプ2の熱源として用いることで、そのような不都合を防止することができる。つまり、蒸気使用設備8の近くで比較的高温のドレンからヒートポンプ2で熱回収して、蒸気を発生させることができる。しかも、ヒートポンプ2の熱源として用いることで、フラッシュ蒸気による大気中への放熱を抑制して、熱回収率を向上することもできる。
また、仮にヒートポンプ2を設置せず、蒸気使用設備8からのドレンを単にボイラ3への給水として回収する場合には、ドレンを大気圧下に開放することなく回収するよう構成しても、次のような不都合がある。すなわち、ボイラ3にエコノマイザ(図示省略)を設けて、ボイラ3からの排ガス熱でボイラ3への給水を予熱しようとすると、ドレン回収により給水が高温になり過ぎると、ボイラ3の効率の向上が望めない。ところが、本実施例のように、蒸気使用設備8からのドレンをヒートポンプ2の熱源として用いた後に、ボイラ3への給水に用いれば、エコノマイザにおいて有効に熱回収を図ることができる。
さらに、仮にヒートポンプ2を設置せず、蒸気使用設備8からのドレンを単にボイラ3への給水として回収する場合には、ドレンを大気圧下に開放するか否かに拘わらず、ボイラ3への給水路に、フラッシュ蒸気が混ざりやすく、配管内の圧損が大きくなるおそれがある。ところが、本実施例のように、蒸気使用設備8からのドレンをヒートポンプ2の熱源として用いた後に、ボイラ3への給水に用いれば、ボイラ3への給水路へのフラッシュ蒸気の混入を防止して、圧損を低減することもできる。
緊急時や停電時のために、第一流路24には、セパレータタンク23と蒸発器7との間に、ノーマルクローズド型の電磁弁29を設ける一方、第二流路25には、排出弁28と並行に、ノーマルオープン型の電磁弁30を設けるのが好ましい。この場合、通常時には、第一流路24の電磁弁29は開かれた状態に維持され、第二流路25の電磁弁30は閉じられた状態に維持される。そして、緊急時や停電時には、第一流路24の電磁弁29が閉じられ、第二流路25の電磁弁30が開かれるので、蒸気使用設備8からのドレンは、蒸発器7を介さずに排出される。
蒸発器7の入口側または出口側において、第一流路24内を通る流体(前述したように気液二相流)の圧力または温度を検出可能に、圧力センサまたは温度センサからなる第二センサ31が設けられる。本実施例では、第二センサ31は、第一流路24の内、セパレータタンク23と蒸発器7との間に設けられるが、蒸発器7と第二蒸気トラップ26との間に設けたり、セパレータタンク23に設けたりしてもよい。
本実施例では、ヒートポンプ2は、第一センサ20と第二センサ31との一方または双方の検出値に基づき圧縮機4が制御される。具体的には、(1)第一センサ20による制御、(2)第二センサ31による制御、(3)第一センサ20と第二センサ31との切換制御のいずれかが行われる。以下、それぞれの制御について、順に説明する。なお、第一センサ20による制御を行う場合には、所望により第二センサ31の設置を省略することができ、逆に、第二センサ31による制御を行う場合には、所望により第一センサ20の設置を省略することができる。
〈(1)第一センサ20による制御〉
図2は、第一センサ20の検出圧力、ボイラ蒸気供給弁19の開閉状態、および圧縮機4の動作状態の対応関係を示す概略図である。ここでは、圧縮機4は、第一設定値(第一設定圧力)P1でオンオフされ、ボイラ蒸気供給弁19は、第三設定値(第三設定圧力)P3で開閉される。
具体的には、第一センサ20の検出圧力が第三設定値P3未満であると、圧縮機4は駆動されていると共にボイラ蒸気供給弁19は開放している。これにより、ヒートポンプ2およびボイラ3からの蒸気が蒸気使用設備8へ供給される。そして、第三設定値P3以上になると、ボイラ蒸気供給弁19が閉鎖し、ボイラ3からの蒸気供給は停止され、ヒートポンプ2から蒸気供給される。第一センサ20の検出圧力が第一設定値P1以上になると、圧縮機4が停止し、ヒートポンプ2からの蒸気供給も停止される。そして、第一センサ20の検出圧力が第一設定値P1未満になると、圧縮機4が駆動され、その後、ヒートポンプ2による蒸気だけでは賄い切れず、第三設定値P3未満になると、ボイラ蒸気供給弁19が開いてボイラ3からも蒸気が供給される。なお、ボイラ蒸気供給弁19が自力式の減圧弁の場合、ボイラ蒸気供給弁19は、これらの動作を機械的に自力で行う。
第一設定値P1および第三設定値P3には、所望によりそれぞれディファレンシャル(動作隙間)が設定されるのは言うまでもない。また、圧縮機4は、その駆動と停止のオンオフ制御でなく、たとえば回転数を調整されることで、比例制御やPID制御されてもよい。さらに、ボイラ蒸気供給弁19を電磁弁や電動弁により構成し、第一センサ20の検出圧力に基づき、第三設定値P3でボイラ蒸気供給弁19を開閉したり、第三設定値P3に維持するようにボイラ蒸気供給弁19を開度調整したりしてもよい。
これらの場合について、図3に基づき説明する。なお、図3では、第一設定値P1のディファレンシャル(または比例帯)P1H〜P1Lと、第三設定値P3のディファレンシャル(または比例帯)P3H〜P3Lとはオーバーラップしていないが、一部をオーバーラップさせてもよい。つまり、第三上限圧力P3Hは、第一下限圧力P1Lよりも高圧に設定されてもよい。
まず、第一設定値P1および第三設定値P3に、それぞれディファレンシャルが設定されたオンオフ制御を説明する。この場合、第一設定値P1については、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとが設定され、圧力上昇時、第一センサ20の検出圧力が第一上限圧力P1H以上になると圧縮機4が停止し、圧力下降時、第一センサ20の検出圧力が第一下限圧力P1L未満になると圧縮機4が駆動する。また、第三設定値P3については、第三上限圧力P3Hと第三下限圧力P3Lとが設定され、圧力上昇時、第三上限圧力P3H以上になるとボイラ蒸気供給弁19が閉鎖し、圧力下降時、第三下限圧力P3L未満になるとボイラ蒸気供給弁19が開放する。
次に、圧縮機4とボイラ蒸気供給弁19を比例制御する場合の一例について説明する。この場合、第一センサ20の検出圧力に基づき、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとの範囲で、且つその第一上限圧力P1Hを設定値(目標値)として圧縮機4を比例制御する。また、第一センサ20の検出圧力に基づき、第三上限圧力P3Hと第三下限圧力P3Lとの範囲で、且つその第三上限圧力P3Hを設定値(目標値)としてボイラ蒸気供給弁19を比例制御する。ここで、第一上限圧力P1H以上では、圧縮機4は停止し、第一下限圧力P1L未満では、圧縮機4は全負荷運転する。また、第三上限圧力P3H以上では、ボイラ蒸気供給弁19は全閉し、第三下限圧力P3L未満では、ボイラ蒸気供給弁19は全開する。なお、比例制御ではなくPID制御を行ってもよい。
いずれにしても、第三設定値P3を第一設定値P1よりも低く設定しておくことで、ヒートポンプ2の運転を優先しつつ、蒸気使用設備8へ蒸気を安定して供給することができる。つまり、ヒートポンプ2の運転を優先させつつ、それでは足りない場合にボイラ3からの蒸気を蒸気使用設備8へ送ることができる。なお、いずれの場合も、第二センサ31の検出値が下端値未満になると、ヒートポンプ2を運転しても所望の蒸気を得られないとして、圧縮機4を停止させてもよい。
ところで、ボイラ蒸気供給弁19の設置を省略する代わりに、第一センサ20の検出圧力に基づき、ボイラ3を制御してもよい。この場合、図2において、圧縮機4は、第一設定値P1でオンオフされ、ボイラ3は、第三設定値P3でオンオフされる。
具体的には、第一センサ20の検出圧力が第三設定値P3未満であると、圧縮機4は駆動されていると共にボイラ3も駆動されている。これにより、ヒートポンプ2およびボイラ3からの蒸気が蒸気使用設備8へ供給される。そして、第三設定値P3以上になると、ボイラ3が停止し、ヒートポンプ2から蒸気供給される。第一センサ20の検出圧力が第一設定値P1以上になると、圧縮機4が停止し、ヒートポンプ2からの蒸気供給も停止される。そして、第一センサ20の検出圧力が第一設定値P1未満になると、圧縮機4が駆動され、その後、ヒートポンプ2による蒸気だけでは賄い切れず、第三設定値P3未満になると、ボイラ3が作動してボイラ3からも蒸気が供給される。
この場合も、図3と同様に、第一設定値P1および第三設定値P3には、所望によりそれぞれディファレンシャル(動作隙間)が設定されるのは言うまでもない。また、圧縮機4は、その駆動と停止のオンオフ制御でなく、たとえば回転数を調整されることで、比例制御やPID制御されてもよい。また、ボイラ3も、オンオフ制御(たとえば燃料焚きボイラでは燃焼とその停止)ではなく、三位置制御(たとえば燃料焚きボイラでは高燃焼、低燃焼、停止)、または比例制御やPID制御(たとえば燃料焚きボイラでは燃焼量の調整)されてもよい。なお、燃料焚きボイラを三位置制御する場合、低燃焼時の設定圧が第三設定値P3に相当し、高燃焼時の設定圧はそれより低圧に設定される。
まず、第一設定値P1および第三設定値P3に、それぞれディファレンシャルが設定されたオンオフ制御を説明する。この場合、第一設定値P1については、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとが設定され、圧力上昇時、第一センサ20の検出圧力が第一上限圧力P1H以上になると圧縮機4が停止し、圧力下降時、第一センサ20の検出圧力が第一下限圧力P1L未満になると圧縮機4が駆動する。また、第三設定値P3については、第三上限圧力P3Hと第三下限圧力P3Lとが設定され、圧力上昇時、第三上限圧力P3H以上になるとボイラ3が停止し、圧力下降時、第三下限圧力P3L未満になるとボイラ3が作動する。
次に、圧縮機4とボイラ3を比例制御する場合の一例について説明する。この場合、第一センサ20の検出圧力に基づき、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとの範囲で、且つその第一上限圧力P1Hを設定値(目標値)として圧縮機4を比例制御する。また、第一センサ20の検出圧力に基づき、第三上限圧力P3Hと第三下限圧力P3Lとの範囲で、且つその第三上限圧力P3Hを設定値(目標値)としてボイラ3を比例制御する。これには、燃料焚きボイラの場合には燃焼量を調整し、電気ボイラの場合には電気ヒータへの給電量を調整し、廃熱ボイラの場合には供給熱量を調整すればよい。ここで、第一上限圧力P1H以上では、圧縮機4は停止し、第一下限圧力P1L未満では、圧縮機4は全負荷運転する。また、第三上限圧力P3H以上では、ボイラ3は停止し、第三下限圧力P3L未満では、ボイラ3は全負荷運転する。なお、比例制御ではなくPID制御を行ってもよい。
いずれの場合も、第二センサ31により圧力または温度を監視し、この圧力または温度が下端値以下になると、ヒートポンプ2を運転しても所望の蒸気を得られないので、圧縮機4を停止させるのがよい。
ところで、ボイラ蒸気供給弁19の設置を省略する代わりに、第一センサ20の検出圧力に基づきボイラ3を制御する場合、ボイラ3からの蒸気路17には、凝縮器5からの蒸気路16との合流部よりも上流側に、逆止弁を設けておくのが好ましい。これにより、ボイラ3が停止中、凝縮器5からの蒸気がボイラ3へ逆流するのが防止される。
〈(2)第二センサ31による制御〉
図4は、第二センサ31の検出圧力または検出温度、排出弁28の開閉状態、および圧縮機4の動作状態の対応関係を示す概略図である。ここでは、圧縮機4は、第二設定値(第二設定圧力P2または第二設定温度T2)でオンオフされ、排出弁28は、第四設定値(第四設定圧力P4または第四設定温度T4)で開閉される。
なお、以下では、第二センサ31が圧力センサとされ、第二設定値および第四設定値が圧力値P2,P4として設定され、圧力制御される場合について説明するが、第二センサ31が温度センサとされ、第二設定値および第四設定値が温度値T2,T4として設定され、温度制御されてもよい。その場合、P2をT2、P4をT4、PHをTHと読み替えれば、同様に制御可能である。
第二センサ31の検出圧力が第二設定値P2未満であると、ヒートポンプ2を運転しても所望の蒸気を得られないとして、圧縮機4は停止されていると共に排出弁28は閉鎖している。この状態では、ボイラ3からの蒸気が蒸気使用設備8へ供給される。そして、第二センサ31の検出圧力が第二設定値P2以上になると、圧縮機4が作動し、ヒートポンプ2から蒸気供給される。また、第四設定値P4以上になると、排出弁28が開放し、ヒートポンプ2の保護が図られる。その後、万一、第二センサ31の検出圧力がさらに上昇して上端値PH以上になると、圧縮機4を強制停止してもよい。一方、第四設定値P4未満になると、排出弁28が閉じられ、その後、第二設定値P2未満になると、圧縮機4が停止する。なお、排出弁28が自力式の減圧弁の場合、排出弁28は、これらの動作を機械的に自力で行う。
第二設定値P2および第四設定値P4には、所望によりそれぞれディファレンシャル(動作隙間)が設定されるのは言うまでもない。また、圧縮機4は、その駆動と停止のオンオフ制御でなく、たとえば回転数を調整されることで、比例制御やPID制御されてもよい。さらに、排出弁28を電磁弁や電動弁により構成し、第二センサ31の検出圧力に基づき、第四設定値P4で排出弁28を開閉したり、第4設定値P4に維持するように排出弁28を開度調整したりしてもよい。
これらの場合について、図5に基づき説明する。なお、図5では、第二設定値P2のディファレンシャル(または比例帯)P2H〜P2Lと、第四設定値P4のディファレンシャル(または比例帯)P4H〜P4Lとはオーバーラップしていないが、一部をオーバーラップさせてもよい。つまり、第二上限圧力P2Hは、第四下限圧力P4Lよりも高圧に設定されてもよい。
まず、第二設定値P2および第四設定値P4に、それぞれディファレンシャルが設定されたオンオフ制御を説明する。この場合、第二設定値P2については、第二上限圧力P2Hと第二下限圧力P2Lとが設定され、圧力上昇時、第二センサ31の検出圧力が第二上限圧力P2H以上になると圧縮機4が作動し、圧力下降時、第二センサ31の検出圧力が第二下限圧力P2L未満になると圧縮機4が停止する。また、第四設定値P4については、第四上限圧力P4Hと第四下限圧力P4Lとが設定され、圧力上昇時、第四上限圧力P4H以上になると排出弁28が開放し、圧力下降時、第四下限圧力P4L未満になると排出弁28が閉鎖する。
次に、圧縮機4と排出弁28を比例制御する場合の一例について説明する。この場合、第二センサ31の検出圧力に基づき、第二上限圧力P2Hと第二下限圧力P2Lとの範囲で、且つその第二下限圧力P2Lを設定値(目標値)として圧縮機4を比例制御する。また、第二センサ31の検出圧力に基づき、第四上限圧力P4Hと第四下限圧力P4Lとの範囲で、且つその第四下限圧力P4Lを設定値(目標値)として排出弁28を比例制御する。ここで、第二下限圧力P2L未満では、圧縮機4は停止し、第二上限圧力P2H以上では、圧縮機4は全負荷運転する。また、第四下限圧力P4L未満では、排出弁28は全閉し、第四上限圧力P4H以上では、排出弁28は全開する。なお、比例制御ではなくPID制御を行ってもよい。
いずれの場合も、第一センサ20により蒸気圧を監視し、この圧力が上端値以上になると、ヒートポンプ2を運転して蒸気を発生させる必要はないので、圧縮機4を停止させるのがよい。
第二センサ31の検出圧力に基づき圧縮機4を制御する場合、第一センサ20の検出圧力に基づき圧縮機4を制御する場合のように、凝縮器5にて発生させる蒸気量を直接には制御できないが、前述したようにボイラ蒸気供給弁19などにより、ボイラ3からの給蒸を調整することで、蒸気使用設備8へは安定して蒸気を供給することができる。
〈(3)第一センサ20と第二センサ31との切換制御〉
第一センサ20と第二センサ31との切換制御は、図3による制御と、図5による制御との組合せといえる。具体的には、まず、圧縮機4は、第一センサ20の検出圧力に基づき、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとの範囲で、且つその第一上限圧力P1Hを設定値として比例制御可能とされる。また、圧縮機4は、第二センサ31の検出圧力に基づき、第二上限圧力P2Hと第二下限圧力P2Lとの範囲で、且つその第二下限圧力P2Lを設定値として比例制御可能とされる。そして、設定タイミング(たとえば設定時間ごと)で、次式により第一偏差率η1と第二偏差率η2とを求め、第一センサ20による制御と第二センサ31による制御との内、偏差率の小さい方の制御に適宜切り替えて、圧縮機4を制御すればよい。具体的には、η1<η2の関係にある場合、第一センサ20の検出圧力に基づき圧縮機4を比例制御すればよく、η1>η2の関係にある場合、第二センサ31の検出圧力に基づき圧縮機4を比例制御すればよい。なお、次式において、現在圧力Pは、第一センサ20により検出され、現在圧力P´は、第二センサ31により検出される。
第一偏差率η1=(第一上限圧力P1H−現在圧力P)/(第一上限圧力P1H−第一下限圧力P1L)
第二偏差率η2=(現在圧力P´−第二下限圧力P2L)/(第二上限圧力P2H−第二下限圧力P2L)
偏差率が小さいほど、目標値に近いので、圧縮機4の操作量は小さくなる。仮に、偏差率が大きい方、つまり操作量が大きい方で圧縮機4を制御しようとすると、偏差率が小さい方、つまり操作量が小さい方は目標値にすぐに到達してしまうことになる。ところが、偏差率の小さい方の制御に適宜切り替えて制御することで、圧縮機4が停止する頻度を少なくすることができる。また、停止するにしても、停止状態へ緩やかに移行することができる。さらに、圧力制御か温度制御かを手動設定する必要もない。
この制御中、第二センサ31の検出圧力が下端値未満になったり、第二センサ31の検出圧力が上端値以上になったり、第一センサ20の検出圧力が上端値以上になったりすると、圧縮機4を停止させるのがよい。なお、比例制御ではなくPID制御を行ってもよい。
また、第二センサ31による制御では、第二センサ31が圧力センサとされ、第二設定値が圧力値P2(第二上限圧力P2H,第二下限圧力P2L)で設定される場合について説明したが、第二センサ31が温度センサとされ、第二設定値が温度値T2(第二上限温度T2H,第二下限温度T2L)で設定されてもよい。その場合、現在温度T´を第二センサ31により検出して、次式を用いて第二偏差率η2を算出して、同様に制御すればよい。
第二偏差率η2=(現在温度T´−第二下限温度T2L)/(第二上限温度T2H−第二下限温度T2L)
なお、第一上限圧力P1Hを第一上限値、第一下限圧力P1Lを第一下限値、第二上限圧力P2Hおよび第二上限温度T2Hを第二上限値、第二下限圧力P2Lおよび第二下限温度T2Lを第二下限値、第一センサ20および第二センサ31の各検出値を現在値ということで、第一偏差率η1と第二偏差率η2の算定式を次のようにまとめることができる。
第一偏差率η1=(第一上限値−現在値)/(第一上限値−第一下限値)
第二偏差率η2=(現在値−第二下限値)/(第二上限値−第二下限値)
第一センサ20による制御と第二センサ31による制御とは、上述したように偏差率に基づき切り替える以外に、圧縮機4の操作量に基づき切り替えてもよい。この場合も、圧縮機4は、第一センサ20の検出圧力に基づき、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとの範囲で、且つその第一上限圧力P1Hを設定値として比例制御またはPID制御可能とされる。また、圧縮機4は、第二センサ31の検出圧力(または検出温度)に基づき、第二上限圧力P2H(または第二上限温度T2H)と第二下限圧力P2L(または第二下限温度T2L)との範囲で、且つその第二下限圧力P2L(または第二下限温度T2L)を設定値として比例制御またはPID制御可能とされる。そして、設定タイミング(たとえば設定時間ごと)で、第一センサ20による制御における圧縮機4の操作量と、第二センサ31による制御における圧縮機4の操作量とを求め、第一センサ20による制御と第二センサ31による制御との内、操作量の小さい方で圧縮機4を制御すればよい。たとえば、第一センサ20による制御では操作量Xとする必要がある一方、第二センサ31による制御では操作量Yとする必要がある場合において、X<Yの関係にある場合、第一センサ20の検出圧力に基づき圧縮機4を制御すればよく、X>Yの関係にある場合、第二センサ31の検出圧力(または検出温度)に基づき圧縮機4を制御すればよい。
なお、操作量に基づき切替制御する場合において、ヒートポンプ2が複数段の場合、設定タイミング(たとえば設定時間ごと)で、第一センサ20による制御における最上段の圧縮機4の操作量(第一操作量y1)と、第二センサ31による制御における最下段の圧縮機4の操作量(第二操作量y2)とから、第一操作量y1の第二操作量y2に対する比の値y1/y2を求め、この値が予め設定された定数未満なら、第一センサ20による制御を行う一方、前記定数以上なら第二センサ31による制御を行えばよい。
図6は、本実施例1の蒸気システム1の変形例を示す図であり、変更箇所のみを示している。前記実施例では、ドレン排出機構として蒸気トラップ22を用いたが、この図に示すように、水位検出器32と排水弁33とから構成してもよい。具体的には、蒸気使用設備8のドレンは、ドレンタンク34と排水弁33とを順に介して、セパレータタンク23へ排出可能とされる。ドレンタンク34には水位検出器32が設けられており、水位検出器32の検出信号に基づき排水弁33の開閉が制御される。たとえば、電極式水位検出器を用いて、上限水位になれば排水弁33を開け、下限水位になれば排水弁33を閉じればよい。なお、図6では、第一蒸気トラップ22の変形例として示しているが、第二蒸気トラップ26についても同様に変更可能である。
その他、前記実施例およびその変形例において、セパレータタンク23に代えて、単にT字継手を用いてもよい。また、セパレータタンク23と排出弁28に代えて、第一流路24と第二流路25との分岐部に三方弁を設け、この三方弁を排出弁28と同様に制御してもよい。つまり、第一蒸気トラップ22からのドレンを、第一流路24へ流すか、第二流路25へ流すかを、排出弁28に代えて三方弁で調整することもできる。
図7は、本発明の蒸気システム1の実施例2を示す概略図である。本実施例2の蒸気システム1も、基本的には前記実施例1(その変形例を含む)と同様である。そこで、以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
本実施例2では、蒸気使用設備8のドレンは、一旦、ドレン貯留部としてのバッファタンク35に溜められる。そして、バッファタンク35のドレンは、第一流路24により蒸発器7へ供給可能とされると共に、第三流路36により蒸発器7を介することなく排出可能とされる。
具体的には、バッファタンク35には、下部に第一流路24が接続され、それより上部に第三流路36が接続される。第一流路24には、バッファタンク35の側から順に、導入弁37、蒸発器7および第二蒸気トラップ26が設けられる。導入弁37は、本実施例では自力式の減圧弁(二次圧力調整弁)とされる。本実施例2では、蒸気使用設備8からのドレン排出機構は、バッファタンク35と導入弁37とを備えて構成される。
このような構成であるから、蒸気使用設備8のドレンは、導入弁37により低圧下に排出された後、蒸発器7を通過後に、第二蒸気トラップ26によりさらに低圧下(典型的には大気圧下)に排出される。そして、第二蒸気トラップ26からの排水は、そのまま捨ててもよいし、ボイラ3および/または凝縮器5への給水タンク10へ供給してもよいし、このような給水タンク10を介さずに凝縮器5への給水として用いてもよい。
一方、第三流路36には、第三蒸気トラップ38が設けられる。バッファタンク35に対して第三流路36は第一流路24よりも上方に接続されているので、バッファタンク35からオーバーフローするドレンが第三流路36から排出される。そして、その排水は、第三蒸気トラップ38を介して排出される。そして、第三蒸気トラップ38からの排水は、そのまま捨ててもよいし、ボイラ3および/または凝縮器5への給水タンク10へ供給してもよいし、このような給水タンク10を介さずに凝縮器5への給水として用いてもよい。
本実施例2の場合も、凝縮器5へは、純水もしくは軟水、蒸気使用設備8からのドレン、またはこのようなドレンと純水もしくは軟水との混合水が供給される。そのための給水系統は特に問わないが、たとえば、前記実施例1と同様に、以下の構成とすることができる。
(A)二点鎖線Aで示すように、バッファタンク35からのドレンを、導入弁37より上流側(後述する電磁弁39を設ける場合は、それより上流側または下流側のいずれでもよい。)から、給水ポンプ11の入口側へ供給する。
(B)二点鎖線Bで示すように、蒸発器7を通過後のドレンを、第二蒸気トラップ26より上流側から、給水ポンプ11の入口側へ供給する。
(C)二点鎖線Cで示すように、蒸発器7を通過後のドレンを、第二蒸気トラップ26より下流側から、給水ポンプ11の入口側へ供給する。
(D)図7下部の破線領域に示すように、第二蒸気トラップ26からのドレン、および/または、第三蒸気トラップ38からのドレンなどを、一旦、給水タンク10に溜め、この給水タンク10内の水を、給水ポンプ11の入口側へ供給する。給水タンク10には、蒸気使用設備8からのドレンの他、純水または軟水が適宜供給されてもよい。なお、給水タンク10は、前記実施例1と同様に、上方へ開口せず大気圧を超える圧力でドレンを貯留可能としてもよい。
(E)前記A〜Dのいずれか二以上の組合せでもよい。この場合、二以上の給水路が合流して凝縮器5へ給水されるが、各給水路内の圧力が異なる場合には、各給水路が合流した後に給水ポンプ11を設けるのではなく、合流部より手前において各給水路に給水ポンプ11を設ければよい。
緊急時や停電時のために、第一流路24には、導入弁37とバッファタンク35との間に、ノーマルクローズド型の電磁弁39を設けるのが好ましい。この場合、通常時には、第一流路24の電磁弁39は開かれた状態に維持される。そして、緊急時や停電時には、第一流路24の電磁弁39が閉じられるので、蒸気使用設備8のドレンは、第三流路36により蒸発器7を介さずに排出される。
蒸発器7の入口側または出口側において、第一流路24内を通る流体の圧力または温度を検出可能に、圧力センサまたは温度センサからなる第二センサ31が設けられる。本実施例では、第二センサ31は、第一流路24の内、導入弁37と蒸発器7との間に設けられるが、蒸発器7と第二蒸気トラップ26との間に設けてもよい。
ところで、図示例では、第三流路36を第一流路24よりも上方においてバッファタンク35に接続することで、バッファタンク35からオーバーフローするドレンを第三流路36の第三蒸気トラップ38を介して排出する例を示したが、バッファタンク35内の水位によりドレンを適宜排出してもよい。具体的には、第三流路36もバッファタンク35の下部(または第一流路24の内、導入弁37や電磁弁39より上流側から分岐するよう設けてもよい)に接続し、その第三流路36に電磁弁または電動弁を設け、バッファタンク35内の水位が所定以上にならないように適宜、この弁を開けるように制御してもよい。
本実施例でも、ヒートポンプ2は、第一センサ20と第二センサ31との一方または双方の検出値に基づき圧縮機4が制御される。具体的には、(1)第一センサ20による制御、(2)第二センサ31による制御、(3)第一センサ20と第二センサ31との切換制御のいずれかが行われる。この内、第一センサ20による制御は、前記実施例1と同様であるから、ここでは、第二センサ31による制御について説明する。
図8は、第二センサ31の検出圧力または検出温度、導入弁37の開閉状態、および圧縮機4の動作状態の対応関係を示す概略図である。ここでは、圧縮機4は、第二設定値(第二設定圧力P2または第二設定温度T2)でオンオフされ、導入弁37は、第四設定値(第四設定圧力P4または第四設定温度T4)で開閉される。
なお、以下では、第二センサ31が圧力センサとされ、第二設定値および第四設定値が圧力値P2,P4として設定され、圧力制御される場合について説明するが、第二センサ31が温度センサとされ、第二設定値および第四設定値が温度値T2,T4として設定され、温度制御されてもよい。その場合、P2をT2、P4をT4、PHをTHと読み替えれば、同様に制御可能である。
第二センサ31の検出圧力が第二設定値P2未満であると、ヒートポンプ2を運転しても所望の蒸気を得られないとして、圧縮機4は停止されていると共に導入弁37は開放している。この状態では、ボイラ3からの蒸気が蒸気使用設備8へ供給される。そして、第二センサ31の検出圧力が第二設定値P2以上になると、圧縮機4が作動し、ヒートポンプ2から蒸気供給される。また、第四設定値P4以上になると、導入弁37が閉鎖し、ヒートポンプ2の保護が図られる。その後、万一、第二センサ31の検出圧力がさらに上昇して上端値PH以上になると、圧縮機4を強制停止してもよい。一方、第四設定値P4未満になると、導入弁37が開かれ、その後、第二設定値P2未満になると、圧縮機4が停止する。なお、導入弁37が自力式の減圧弁の場合、導入弁37は、これらの動作を機械的に自力で行う。
第二設定値P2および第四設定値P4には、所望によりそれぞれディファレンシャル(動作隙間)が設定されるのは言うまでもない。また、圧縮機4は、その駆動と停止のオンオフ制御でなく、たとえば回転数を調整されることで、比例制御やPID制御されてもよい。さらに、導入弁37を電磁弁や電動弁により構成し、第二センサ31の検出圧力に基づき、第四設定値P4で導入弁37を開閉したり、第4設定値P4に維持するように導入弁37を開度調整したりしてもよい。
これらの場合について、図9に基づき説明する。なお、図9では、第二設定値P2のディファレンシャル(または比例帯)P2H〜P2Lと、第四設定値P4のディファレンシャル(または比例帯)P4H〜P4Lとはオーバーラップしていないが、一部をオーバーラップさせてもよい。つまり、第二上限圧力P2Hは、第四下限圧力P4Lよりも高圧に設定されてもよい。
まず、第二設定値P2および第四設定値P4に、それぞれディファレンシャルが設定されたオンオフ制御を説明する。この場合、第二設定値P2については、第二上限圧力P2Hと第二下限圧力P2Lとが設定され、圧力上昇時、第二センサ31の検出圧力が第二上限圧力P2H以上になると圧縮機4が作動し、圧力下降時、第二センサ31の検出圧力が第二下限圧力P2L未満になると圧縮機4が停止する。また、第四設定値P4については、第四上限圧力P4Hと第四下限圧力P4Lとが設定され、圧力上昇時、第四上限圧力P4H以上になると導入弁37が閉鎖し、圧力下降時、第四下限圧力P4L未満になると導入弁37が開放する。
次に、圧縮機4と導入弁37を比例制御する場合の一例について説明する。この場合、第二センサ31の検出圧力に基づき、第二上限圧力P2Hと第二下限圧力P2Lとの範囲で、且つその第二下限圧力P2Lを設定値(目標値)として圧縮機4を比例制御する。また、第二センサ31の検出圧力に基づき、第四上限圧力P4Hと第四下限圧力P4Lとの範囲で、且つその第四下限圧力P4Lを設定値(目標値)として導入弁37を比例制御する。ここで、第二下限圧力P2L未満では、圧縮機4は停止し、第二上限圧力P2H以上では、圧縮機4は全負荷運転する。また、第四下限圧力P4L未満では、導入弁37は全開し、第四上限圧力P4H以上では、導入弁37は全閉する。なお、比例制御ではなくPID制御を行ってもよい。その他の構成および制御は、前記実施例1と同様のため、説明を省略する。
図10は、本発明の蒸気システム1の実施例3を示す概略図である。本実施例3の蒸気システム1も、基本的には前記実施例1(その変形例を含む)と同様である。そこで、以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
本実施例3では、セパレータタンク23からの第一流路24には、第二蒸気トラップ26が設けられず、第一流路24の先端はそのまま大気圧下に開口されている。従って、蒸気使用設備8のドレンは、第一蒸気トラップ22を介して直接に大気圧下(管路の圧力損失は無視)に排出されることになる。この場合、蒸気使用設備8のドレンは、第一蒸気トラップ22を介して排出されることで、フラッシュ蒸気およびその凝縮水となり、蒸発器7において凝縮を図られた後、排出される。
また、本実施例3では、第二蒸気トラップ26の設置が省略されて、セパレータタンク23および第一流路24内が大気圧下に開放されるので、第二センサ31として、圧力センサではなく温度センサが用いられる。また、第二センサ31の設置位置は、第一流路24の内、蒸発器7の出口側とするのがよい。さらに、排出弁28は、自力式の減圧弁ではなく、電磁弁または電動弁とされる。
本実施例3の場合も、凝縮器5へは、純水もしくは軟水、蒸気使用設備8からのドレン、またはこのようなドレンと純水もしくは軟水との混合水が供給される。そのための給水系統は特に問わないが、たとえば、前記実施例1と同様に、以下の構成とすることができる。
(A)二点鎖線Aで示すように、セパレータタンク23で分離された液体からなるドレンを、排出弁28より上流側から、給水ポンプ11の入口側へ供給する。
(B)二点鎖線Bで示すように、蒸発器7を通過後のドレンを、給水ポンプ11の入口側へ供給する。
(C)図10下部の破線領域に示すように、蒸発器7からのドレン、および/または、排出弁28からのドレンなどを、一旦、給水タンク10に溜め、この給水タンク10内の水を、給水ポンプ11の入口側へ供給する。給水タンク10には、蒸気使用設備8からのドレンの他、純水または軟水が適宜供給されてもよい。
(D)前記A〜Cのいずれか二以上の組合せでもよい。この場合、二以上の給水路が合流して凝縮器5へ給水されるが、各給水路内の圧力が異なる場合には、各給水路が合流した後に給水ポンプ11を設けるのではなく、合流部より手前において各給水路に給水ポンプ11を設ければよい。
そして、第二センサ31の検出温度に基づき、圧縮機4や排出弁28が制御される。そのため、本実施例3では、第二設定値および第四設定値は、温度値T2,T4として設定される。但し、排出弁28は、第二センサ31の検出温度に基づき制御される以外に、この制御と同様に開閉される自力式の温調弁とされてもよい。その他の構成および制御は、前記実施例1と同様のため、説明を省略する。
図11は、本発明の蒸気システム1の実施例4を示す概略図である。本実施例4の蒸気システム1は、基本的には前記実施例2(その変形例を含む)と同様である。そこで、以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
本実施例4では、バッファタンク35からの第一流路24には、第二蒸気トラップ26が設けられず、第一流路24の先端はそのまま大気圧下に開口されている。従って、蒸気使用設備8のドレンは、導入弁37を介して直接に大気圧下(管路の圧力損失は無視)に排出されることになる。この場合、蒸気使用設備8のドレンは、導入弁37を介して排出されることで、フラッシュ蒸気およびその凝縮水となり、蒸発器7において凝縮を図られた後、排出される。
また、本実施例4では、第二蒸気トラップ26の設置が省略されて、導入弁37より下流側の第一流路24内が大気圧下に開放されるので、第二センサ31として、圧力センサではなく温度センサが用いられる。また、第二センサ31の設置位置は、第一流路24の内、蒸発器7の出口側とするのがよい。さらに、導入弁37は、自力式の減圧弁ではなく、電磁弁または電動弁とされる。
本実施例4の場合も、凝縮器5へは、純水もしくは軟水、蒸気使用設備8からのドレン、またはこのようなドレンと純水もしくは軟水との混合水が供給される。そのための給水系統は特に問わないが、たとえば、前記実施例2と同様に、以下の構成とすることができる。
(A)二点鎖線Aで示すように、バッファタンク35からのドレンを、導入弁37より上流側(電磁弁39を設ける場合は、それより上流側または下流側のいずれでもよい。)から、給水ポンプ11の入口側へ供給する。
(B)二点鎖線Bで示すように、蒸発器7を通過後のドレンを、給水ポンプ11の入口側へ供給する。
(C)図11下部の破線領域に示すように、蒸発器7からのドレン、および/または、第三蒸気トラップ38からのドレンなどを、一旦、給水タンク10に溜め、この給水タンク10内の水を、給水ポンプ11の入口側へ供給する。給水タンク10には、蒸気使用設備8からのドレンの他、純水または軟水が適宜供給されてもよい。
(D)前記A〜Cのいずれか二以上の組合せでもよい。この場合、二以上の給水路が合流して凝縮器5へ給水されるが、各給水路内の圧力が異なる場合には、各給水路が合流した後に給水ポンプ11を設けるのではなく、合流部より手前において各給水路に給水ポンプ11を設ければよい。
そして、第二センサ31の検出温度に基づき、圧縮機4や導入弁37が制御される。そのため、本実施例4では、第二設定値および第四設定値は、温度値T2,T4として設定される。但し、前記実施例3で述べた排出弁28の場合と同様に、本実施例4の導入弁37は、第二センサ31の検出温度に基づき制御される以外に、この制御と同様に開閉される自力式の温調弁とされてもよい。その他の構成および制御は、前記実施例2と同様のため、説明を省略する。
本発明の蒸気システム1は、前記各実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。特に、ヒートポンプ2は、単段に限らず複数段とすることもできる。ヒートポンプ2を複数段にする場合、隣接する段のヒートポンプ2,2同士は、間接熱交換器を用いて接続されてもよいし、直接熱交換器(中間冷却器)を用いて接続されてもよい。後者の場合、下段ヒートポンプの圧縮機4からの冷媒と上段ヒートポンプの膨張弁6からの冷媒とを受けて、両冷媒を直接に接触させて熱交換する中間冷却器を備え、この中間冷却器が下段ヒートポンプの凝縮器5であると共に上段ヒートポンプの蒸発器7とされる。このように、複数段(多段)のヒートポンプには、一元多段のヒートポンプの他、複数元(多元)のヒートポンプ、あるいはそれらの組合せのヒートポンプが含まれる。
複数段のヒートポンプ2を用いる場合、隣接する段のヒートポンプ2,2同士が間接熱交換器を用いて接続されることにより、上下のヒートポンプ2,2の冷媒同士が混ざらないのであれば、上下のヒートポンプ2,2で互いに異なる冷媒を用いてもよい。この際、下段ヒートポンプは、上段ヒートポンプよりも沸点の低い冷媒を用いるのが好ましい。
第一センサ20の検出圧力に基づき複数段のヒートポンプ2を制御する場合、たとえば、最上段のヒートポンプ2の圧縮機4は、第一センサ20の検出圧力に基づき制御され、それより下段の各ヒートポンプ2の圧縮機4は、それぞれ対応する段のヒートポンプ2の凝縮器5における冷媒(または一つ上段のヒートポンプ2の蒸発器7における冷媒)の圧力または温度に基づき制御すればよい。
第二センサ31の検出圧力または検出温度に基づき複数段のヒートポンプ2を制御する場合、たとえば、最下段のヒートポンプ2の圧縮機4は、第二センサ31の検出値に基づき制御され、それより上段の各ヒートポンプ2の圧縮機4は、それぞれ対応する段のヒートポンプ2の蒸発器7における冷媒(または一つ下段のヒートポンプ2の凝縮器5における冷媒)の圧力または温度に基づき制御すればよい。
単段または複数段の各ヒートポンプ2は、図示例の構成に限らず、適宜に変更可能である。たとえば、蒸発器7を並列に設置したり、膨張弁6と蒸発器7とのセットを並列に設置したりしてもよい。また、圧縮機4の出口側に油分離器を設置したり、凝縮器5の出口側に受液器を設置したりしてもよい。さらに、圧縮機4の入口側にアキュムレータを設置してもよい。
また、前記各実施例では、蒸気システム1は、ヒートポンプ2とボイラ3との双方を備えたが、所望によりボイラ3は省略することができる。その場合、第一センサ20は、凝縮器5またはそこからの蒸気路16,21などにおいて、凝縮器5からの蒸気の圧力を検出することになる。そして、この場合も、第一センサ20と第二センサ31との一方または双方を備えて、そのセンサの検出値に基づき圧縮機4を制御すればよい。
さらに、前記各実施例では、純水もしくは軟水、蒸気使用設備8からのドレン、またはこのドレンと純水もしくは軟水との混合水を、凝縮器5に供給して蒸気化する例を説明したが、純水または軟水を凝縮器5へ供給する場合、その純水または軟水と、蒸気使用設備8からのドレンとを熱交換器で間接熱交換して、純水または軟水を予熱してから凝縮器5に供給するようにしてもよい。ドレンを直接に凝縮器5に供給する場合には、配管内の状況によっては、錆などがドレンと共に凝縮器5へ供給されて、凝縮器5を構成する熱交換器を詰まらせるおそれがあるが、ドレンの熱で加温した純水または軟水を凝縮器5へ供給することで、錆などで凝縮器5を詰まらせることが防止される。
1 蒸気システム
2 ヒートポンプ
3 ボイラ
4 圧縮機
5 凝縮器
6 膨張弁
7 蒸発器
8 蒸気使用設備
19 ボイラ蒸気供給弁
20 第一センサ
22 第一蒸気トラップ(ドレン排出機構)
24 第一流路
25 第二流路
26 第二蒸気トラップ
28 排出弁
31 第二センサ
35 バッファタンク(ドレン貯留部)
36 第三流路
37 導入弁
38 第三蒸気トラップ

Claims (2)

  1. 単段または複数段のヒートポンプを備え、
    このヒートポンプは、蒸気使用設備からのドレンが蒸発器に通される一方、凝縮器において水を加熱して蒸気を発生させ
    前記蒸気使用設備のドレンは、第一ドレン排出機構により低圧下に排出された後、前記蒸発器を通過後に、第二ドレン排出機構によりさらに低圧下に排出され、
    前記蒸発器を通過後のドレンの一部を、大気圧下へ開放することなく、前記第二ドレン排出機構より上流側から、給水ポンプを介して前記凝縮器へ供給して蒸気化する
    ことを特徴とする蒸気システム。
  2. 前記凝縮器内の水位、または前記凝縮器からの蒸気の過熱度に基づき、前記凝縮器への給水を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の蒸気システム。
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