JP5590313B2 - 蒸気システム - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプおよび蒸気圧縮機の一方または双方と、ボイラとを備えた蒸気システムに関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されるように、ヒートポンプ(10)、蒸気圧縮機(30)、および排ガスボイラ(130)を備えた蒸気システム(S1)が提案されている。
特開2008−45807号公報
しかしながら、従来技術では、その[0025]に記載のとおり、蒸気圧縮機(30)は、タンク(47)内の圧力に基づき制御される。従って、蒸気使用設備における蒸気の使用負荷の変化に応じて、蒸気圧縮機(30)からの蒸気量や、排ガスボイラ(130)からの蒸気量を調整できるものではない。また、蒸気圧縮機(30)からの蒸気圧と、排ガスボイラ(130)からの蒸気圧とに差がある場合に、これを是正する手段がない。
本発明が解決しようとする課題は、蒸気の使用負荷の変化に対応できる蒸気システムを提供することにある。また、ヒートポンプまたは蒸気圧縮機からの蒸気圧と、ボイラからの蒸気圧とに差があっても、蒸気使用設備へ安定した蒸気圧の蒸気を供給可能とすることを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、ヒートポンプまたは蒸気圧縮機と、エゼクタと、第一センサおよび第二センサとを備え、前記ヒートポンプは、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が順次環状に接続されて冷媒を循環させ、前記凝縮器において前記冷媒と水とを熱交換して蒸気を発生させ、前記蒸気圧縮機は、蒸気を吸入し圧縮して吐出し、前記エゼクタは、ボイラからの蒸気をノズルから噴出させることで、前記凝縮器または前記蒸気圧縮機からの蒸気を吸引して、前記ノズルからの蒸気と混合して吐出し、前記第一センサは、前記エゼクタの出口側の蒸気の圧力を検出し、前記第二センサは、前記エゼクタの吸引部への蒸気の圧力を検出し、前記第一センサの検出値に基づき前記ノズルへの給蒸を制御し、前記第二センサの検出値に基づき前記圧縮機または前記蒸気圧縮機を制御することを特徴とする蒸気システムである。
請求項1に記載の発明によれば、凝縮器または蒸気圧縮機からの蒸気を、エゼクタで昇圧して蒸気使用設備へ供給することができる。そのため、エゼクタでの昇圧がない場合と比較して、凝縮器または蒸気圧縮機の出口における蒸気圧を下げることができ、ヒートポンプの効率を向上したり、ヒートポンプまたは蒸気圧縮機の大型化を防止したりすることができる。しかも、蒸気の使用負荷の変化に応じた蒸気を、蒸気使用設備へ供給することができる。
請求項2に記載の発明は、前記第一センサの検出値に基づき、前記ノズルへの給蒸路に設けた給蒸弁を制御するか、および/または前記ノズルのノド部の大きさを変更するノド部調整機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の蒸気システムである。
請求項2に記載の発明によれば、給蒸弁および/またはノド部調整機構を用いて、エゼクタのノズルへの給蒸、ひいてはエゼクタの作動を制御することができる。
請求項3に記載の発明は、前記ノズルへの給蒸路と前記エゼクタからの排蒸路とを結ぶバイパス路と、このバイパス路に設けられるバイパス弁とを備え、前記ノズルへの給蒸路には、前記給蒸弁が設けられる場合、その給蒸弁より上流側から分岐するよう前記バイパス路が設けられ、前記給蒸弁または前記ノド部調整機構は、前記第一センサの検出値を第一設定値に維持するよう制御され、前記バイパス弁は、それより下流側の圧力を第二設定値に維持するよう開閉または開度が調整され、前記第二設定値は、前記第一設定値よりも低く設定されることを特徴とする請求項2に記載の蒸気システムである。
請求項3に記載の発明によれば、蒸気使用設備へは、ヒートポンプまたは蒸気圧縮機からエゼクタを介した蒸気の他、ボイラからエゼクタを介することなくバイパス弁を介した蒸気が供給可能とされる。これにより、蒸気使用設備へ安定して蒸気を供給することができる。しかも、バイパス弁の設定圧力を、エゼクタの制御圧力よりも下げておくことで、ヒートポンプまたは蒸気圧縮機からエゼクタを介した蒸気供給を、ボイラからバイパス弁を介した蒸気供給よりも優先することができる。
請求項4に記載の発明は、前記ヒートポンプおよび前記蒸気圧縮機の双方を備え、前記蒸気圧縮機は、前記凝縮器からの蒸気を吸入し圧縮して吐出し、前記エゼクタは、前記ボイラからの蒸気を前記ノズルから噴出させることで、前記蒸気圧縮機からの蒸気を吸引して、前記ノズルからの蒸気と混合して吐出し、前記第二センサの検出値に基づき前記蒸気圧縮機を制御し、前記凝縮器の冷媒の圧力、またはその凝縮器から前記蒸気圧縮機へ送られる蒸気の圧力に基づき前記圧縮機を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸気システムである。
請求項4に記載の発明によれば、ヒートポンプで発生させた蒸気を、蒸気圧縮機で昇圧して、エゼクタの吸引部へ供給することができる。しかも、エゼクタの吸引部側の圧力を基準に制御することで、エゼクタの作動を安定させることができる。
請求項5に記載の発明は、前記第二センサに代えてまたはこれに加えて、第三センサを備え、この第三センサは、前記蒸発器に通されるか通された前記ヒートポンプの熱源流体の圧力または温度を検出するか、前記蒸気圧縮機入口側の流体の圧力または温度を検出し、前記第三センサの検出値に基づき前記圧縮機または前記蒸気圧縮機を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸気システムである。
請求項5に記載の発明によれば、ヒートポンプの熱源流体の圧力または温度、あるいは蒸気圧縮機の入口側の流体の圧力または温度に基づき、ヒートポンプや蒸気圧縮機を制御することができる。これにより、たとえば蒸発器に通される流体を所望温度まで冷却することも可能となる。
請求項6に記載の発明は、前記ヒートポンプおよび前記蒸気圧縮機の双方を備え、前記蒸気圧縮機は、前記凝縮器からの蒸気を吸入し圧縮して吐出し、前記エゼクタは、前記ボイラからの蒸気を前記ノズルから噴出させることで、前記蒸気圧縮機からの蒸気を吸引して、前記ノズルからの蒸気と混合して吐出し、前記第三センサの検出値に基づき前記圧縮機を制御し、前記凝縮器の冷媒の圧力、またはその凝縮器から前記蒸気圧縮機へ送られる蒸気の圧力に基づき前記蒸気圧縮機を制御することを特徴とする請求項5に記載の蒸気システムである。
請求項6に記載の発明によれば、ヒートポンプで発生させた蒸気を、蒸気圧縮機で昇圧して、エゼクタの吸引部へ供給することができる。しかも、ヒートポンプの熱源流体の圧力または温度を基準に制御することで、その圧力または温度を調整することができる。
請求項7に記載の発明は、前記第二センサの検出値に基づき、第三上限値と第三下限値との範囲で、且つその第三上限値を設定値として、前記圧縮機または前記蒸気圧縮機を比例制御またはPID制御するか、前記第三センサの検出値に基づき、第四上限値と第四下限値との範囲で、且つその第四下限値を設定値として、前記圧縮機または前記蒸気圧縮機を比例制御またはPID制御し、設定タイミングで前記各センサによる現在値に基づき、次式により第一偏差率と第二偏差率とを求め、前記第二センサによる制御と前記第三センサによる制御との内、偏差率の小さい方で制御することを特徴とする請求項5に記載の蒸気システムである。
第一偏差率=(第三上限値−現在値)/(第三上限値−第三下限値)
第二偏差率=(現在値−第四下限値)/(第四上限値−第四下限値)
偏差率が小さいほど、目標値に近いので、圧縮機または蒸気圧縮機の操作量は小さくなる。仮に、偏差率が大きい方、つまり操作量が大きい方で圧縮機または蒸気圧縮機を制御しようとすると、偏差率が小さい方、つまり操作量が小さい方は目標値にすぐに到達してしまうことになる。ところが、請求項7に記載の発明によれば、偏差率の小さい方の制御に適宜切り替えて制御することで、圧縮機または蒸気圧縮機が停止する頻度を少なくすることができる。また、停止するにしても、停止状態へ緩やかに移行することができる。さらに、圧力制御か温度制御かを手動設定する必要もない。
請求項8に記載の発明は、前記第二センサの検出値に基づき、第三上限値と第三下限値との範囲で、且つその第三上限値を設定値として、前記圧縮機または前記蒸気圧縮機を比例制御またはPID制御するか、前記第三センサの検出値に基づき、第四上限値と第四下限値との範囲で、且つその第四下限値を設定値として、前記圧縮機または前記蒸気圧縮機を比例制御またはPID制御し、設定タイミングで前記各センサによる現在値に基づき、前記第二センサによる制御における前記圧縮機または前記蒸気圧縮機の操作量と、前記第三センサによる制御における前記圧縮機または前記蒸気圧縮機の操作量とを求め、前記第二センサによる制御と前記第三センサによる制御との内、操作量の小さい方で制御することを特徴とする請求項5に記載の蒸気システムである。
仮に、操作量が大きい方で圧縮機または蒸気圧縮機を制御しようとすると、操作量が小さい方は目標値にすぐに到達してしまうことになる。ところが、請求項8に記載の発明によれば、操作量の小さい方の制御に適宜切り替えて制御することで、圧縮機または蒸気圧縮機が停止する頻度を少なくすることができる。また、停止するにしても、停止状態へ緩やかに移行することができる。さらに、圧力制御か温度制御かを手動設定する必要もない。
請求項9に記載の発明は、前記ヒートポンプおよび前記蒸気圧縮機の双方を備え、前記蒸気圧縮機は、前記凝縮器からの蒸気を吸入し圧縮して吐出し、前記エゼクタは、前記ボイラからの蒸気を前記ノズルから噴出させることで、前記蒸気圧縮機からの蒸気を吸引して、前記ノズルからの蒸気と混合して吐出し、前記凝縮器の冷媒の圧力、またはその凝縮器から前記蒸気圧縮機へ送られる蒸気の圧力を検出する第四センサを備え、前記第二センサの検出値に基づき、第三上限値と第三下限値との範囲で、且つその第三上限値を設定値として、前記蒸気圧縮機を比例制御またはPID制御するか、前記第三センサの検出値に基づき、第四上限値と第四下限値との範囲で、且つその第四下限値を設定値として、前記圧縮機を比例制御またはPID制御し、前記第二センサの検出値に基づき前記蒸気圧縮機を制御する場合、前記第四センサの検出値に基づき前記圧縮機を制御し、前記第三センサの検出値に基づき前記圧縮機を制御する場合、前記第四センサの検出値に基づき前記蒸気圧縮機を制御し、設定タイミングで前記各センサによる現在値に基づき、次式により第一偏差率と第二偏差率とを求め、前記第二センサによる制御と前記第三センサによる制御との内、偏差率の小さい方で制御することを特徴とする請求項5に記載の蒸気システムである。
第一偏差率=(第三上限値−現在値)/(第三上限値−第三下限値)
第二偏差率=(現在値−第四下限値)/(第四上限値−第四下限値)
請求項9に記載の発明によれば、ヒートポンプで発生させた蒸気を、蒸気圧縮機で昇圧して、エゼクタの吸引部へ供給することができる。そして、この場合においても、偏差率に応じて、第二センサによる制御と第三センサによる制御とを適宜切り替えて制御することができる。
さらに、請求項10に記載の発明は、前記ヒートポンプおよび前記蒸気圧縮機の双方を備え、前記蒸気圧縮機は、前記凝縮器からの蒸気を吸入し圧縮して吐出し、前記エゼクタは、前記ボイラからの蒸気を前記ノズルから噴出させることで、前記蒸気圧縮機からの蒸気を吸引して、前記ノズルからの蒸気と混合して吐出し、前記凝縮器の冷媒の圧力、またはその凝縮器から前記蒸気圧縮機へ送られる蒸気の圧力を検出する第四センサを備え、前記第二センサの検出値に基づき、第三上限値と第三下限値との範囲で、且つその第三上限値を設定値として、前記蒸気圧縮機を比例制御またはPID制御するか、前記第三センサの検出値に基づき、第四上限値と第四下限値との範囲で、且つその第四下限値を設定値として、前記圧縮機を比例制御またはPID制御し、前記第二センサの検出値に基づき前記蒸気圧縮機を制御する場合、前記第四センサの検出値に基づき前記圧縮機を制御し、前記第三センサの検出値に基づき前記圧縮機を制御する場合、前記第四センサの検出値に基づき前記蒸気圧縮機を制御し、設定タイミングで、前記第二センサによる制御における前記蒸気圧縮機の第一操作量(y1)と、前記第三センサによる制御における前記圧縮機の第二操作量(y2)とから、前記第一操作量(y1)の前記第二操作量(y2)に対する比の値(y1/y2)を求め、この値が予め設定された定数未満なら、前記第二センサによる制御を行う一方、前記定数以上なら前記第三センサによる制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の蒸気システムである。
請求項10に記載の発明によれば、ヒートポンプで発生させた蒸気を、蒸気圧縮機で昇圧して、エゼクタの吸引部へ供給することができる。そして、この場合においても、操作量に応じて、第二センサによる制御と第三センサによる制御とを適宜切り替えて制御することができる。
本発明によれば、蒸気の使用負荷の変化に対応できる蒸気システムを実現することができる。また、ヒートポンプまたは蒸気圧縮機からの蒸気圧と、ボイラからの蒸気圧とに差があっても、エゼクタを用いることで、蒸気使用設備へ安定した蒸気圧の蒸気を供給可能とできる。
本発明の蒸気システムの実施例1を示す概略図である。 第一センサの検出圧力、給蒸弁の開閉状態、およびバイパス弁の開閉状態の対応関係を示す概略図である。 図2の変形例を示す図である。 第二センサの検出圧力、および圧縮機の動作状態の対応関係を示す概略図である。 図4の変形例を示す図である。 第三センサの検出圧力または検出温度、および圧縮機の動作状態の対応関係を示す概略図である。 図6の変形例を示す図である。 本発明の蒸気システムの実施例2を示す概略図である。 本発明の蒸気システムの実施例3を示す概略図である。 本発明の蒸気システムの実施例4を示す概略図である。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の蒸気システムの実施例1を示す概略図である。
本実施例の蒸気システム1は、ヒートポンプ2とボイラ3とエゼクタ4とを備える。
ヒートポンプ2は、蒸気圧縮式のヒートポンプであり、圧縮機5、凝縮器6、膨張弁7および蒸発器8が順次環状に接続されて構成される。そして、圧縮機5は、ガス冷媒を圧縮して高温高圧にする。また、凝縮器6は、圧縮機5からのガス冷媒を凝縮液化する。さらに、膨張弁7は、凝縮器6からの液冷媒を通過させることで、冷媒の圧力と温度とを低下させる。そして、蒸発器8は、膨張弁7からの冷媒の蒸発を図る。
従って、ヒートポンプ2は、蒸発器8において、冷媒が外部から熱を奪って気化する一方、凝縮器6において、冷媒が外部へ放熱して凝縮することになる。これを利用して、ヒートポンプ2は、蒸発器8において、温水(たとえば工場などから排出される排温水)、空気(外気の他、空気圧縮機からの吐出空気のように熱を持った空気を含む)、または排ガスなどから熱をくみ上げ、凝縮器6において、水を加温して蒸気を発生させる。凝縮器6への給水としては、凝縮器6を構成する熱交換器内へのスケール(水中の硬度分が析出したもの)の付着を防止するために、純水または軟水であるのが好ましい。
ヒートポンプ2に用いる冷媒は、特に問わないが、炭素数が4以上のハイドロフルオロカーボン(HFC)またはこれに水および/または消火液を加えたもの、アルコール(たとえばエチルアルコールまたはメチルアルコール)またはこれに水および/または消火液を加えたもの、または水(たとえば純水または軟水)が好適に用いられる。
ヒートポンプ2は、単段に限らず、複数段でもよい。ヒートポンプ2が複数段の場合も、それを構成する各段のヒートポンプ2は、基本的には図1に示される単段のヒートポンプ2と同様である。ヒートポンプ2を複数段にする場合、隣接する段のヒートポンプ2,2同士は、間接熱交換器を用いて接続されてもよいし、直接熱交換器(中間冷却器)を用いて接続されてもよい。前者の場合、下段ヒートポンプ2の圧縮機5からの冷媒と上段ヒートポンプ2の膨張弁7からの冷媒とを受けて、両冷媒を混ぜることなく熱交換する間接熱交換器を備え、この間接熱交換器が下段ヒートポンプ2の凝縮器6であると共に上段ヒートポンプ2の蒸発器8となる。一方、後者の場合、下段ヒートポンプ2の圧縮機5からの冷媒と上段ヒートポンプ2の膨張弁7からの冷媒とを受けて、両冷媒を直接に接触させて熱交換する中間冷却器を備え、この中間冷却器が下段ヒートポンプ2の凝縮器6であると共に上段ヒートポンプ2の蒸発器8となる。
このように、複数段(多段)のヒートポンプ2には、複数元(多元)のヒートポンプ、一元多段のヒートポンプ、あるいはそれらの組合せのヒートポンプが含まれる。いずれにしても、ヒートポンプ2が複数段の場合、最下段のヒートポンプ2の蒸発器8において、外部から熱をくみ上げ、最上段のヒートポンプ2の凝縮器6において、水を加温して蒸気を発生させる。以下、特に明示のない限り、単に蒸発器8というときは、ヒートポンプ2が複数段の場合は最下段のヒートポンプ2の蒸発器8をいい、また単に凝縮器6というときは、ヒートポンプ2が複数段の場合は最上段のヒートポンプ2の凝縮器6をいう。
単段のヒートポンプ2、または複数段のヒートポンプ2の内の一部または全部のヒートポンプ2において、凝縮器6から膨張弁7への冷媒と蒸発器8から圧縮機5への冷媒とを混ぜることなく熱交換する液ガス熱交換器(図示省略)を設けてもよい。液ガス熱交換器を設けることで、蒸発器8から圧縮機5への冷媒は、凝縮器6から膨張弁7への冷媒で過熱される。このようにして、圧縮機5の入口側のエンタルピを高めて、そしてそれにより圧縮機5の出口側のエンタルピも高めることで、ヒートポンプ2の成績係数(COP)を高めることができる。しかも、圧縮機5へ液冷媒が供給される不都合も防止できる。但し、複数段のヒートポンプ2の場合、最上段のヒートポンプ2には液ガス熱交換器を設けない方がよい。高温高圧となる最上段のヒートポンプ2には液ガス熱交換器を設けないことで、圧縮機5の出口側の温度上昇を防止することができ、圧縮機5の潤滑油の劣化を防止することができる。
単段のヒートポンプ2、または複数段のヒートポンプ2の内の最上段のヒートポンプ2において、凝縮器6と膨張弁7との間に、所望によりサブクーラ9を設けてもよい。サブクーラ9は、凝縮器6から膨張弁7への冷媒と、凝縮器6への給水とを混ぜることなく熱交換する間接熱交換器である。サブクーラ9により、凝縮器6への給水で、凝縮器6から膨張弁7への冷媒を過冷却することができると共に、凝縮器6から膨張弁7への冷媒で、凝縮器6への給水を加温することができる。また、冷媒と水との熱交換は、顕熱による熱交換部としてのサブクーラ9と、主として潜熱による熱交換部としての凝縮器6とに分けられるので、伝熱効率を向上することができる。
液ガス熱交換器とサブクーラ9との双方を設ける場合、凝縮器6からの冷媒は、液ガス熱交換器を通過後にサブクーラ9に通してもよいし、サブクーラ9を通過後に液ガス熱交換器に通してもよいし、液ガス熱交換器とサブクーラ9とに並行に通してもよい。
圧縮機5は、圧縮機本体とその駆動装置とを備え、駆動装置はエンジン(典型的にはガスエンジンまたはディーゼルエンジン)および/またはモータから構成される。圧縮機5の制御の具体的態様としては、たとえば、駆動装置がオンオフ制御される。あるいは、圧縮機本体と駆動装置との間に、駆動装置から圧縮機本体への動力伝達装置(クラッチおよび/または変速機)を設けておき、駆動装置から圧縮機本体への動力伝達の有無や量を変更するように、動力伝達装置が制御される。あるいは、駆動装置を構成するモータをインバータで制御して、モータの回転数(回転速度ともいえる)を変える。あるいは、駆動装置を構成するエンジンのアクセルを制御して、エンジンの出力を変える。あるいは、圧縮機本体の冷媒吐出流量(吸込側を調整することにより吐出流量を変える場合も含む)を機械的に調整するために、圧縮機本体が制御される。これらの内、複数のものを組み合わせて、圧縮機5を制御してもよい。なお、駆動装置としてモータを用いる場合、後述するSOFC(固体酸化物形燃料電池)の電力でモータを駆動してもよい。
凝縮器6は、冷媒と水とを混ぜることなく熱交換する構成であれば、その具体的構成を特に問わない。たとえば、プレート式熱交換器またはシェルアンドチューブ式熱交換器が用いられる。また、蒸発器8も同様に、温水、空気または排ガスなどの熱源流体と、ヒートポンプ2の冷媒とを混ぜることなく熱交換する構成であれば、その具体的構成を特に問わない。
凝縮器6には給水路10を介して水が供給可能とされ、凝縮器6には所望量の水が貯留される。本実施例では、給水路10には、給水ポンプ11、給水弁12、逆止弁13、さらに所望によりサブクーラ9が設けられており、これらを順に介して凝縮器6に水が供給される。この場合、給水ポンプ11を作動させた状態で、凝縮器6内の水位に基づき給水弁12の開閉を制御すればよい。たとえば、下限水位になれば給水弁12を開け、上限水位になれば給水弁12を閉じればよい。但し、給水弁12の設置を省略する代わりに、水位に比例した信号を得ることができる静電容量式の水位検出器を用いて、給水ポンプ11をインバータ制御して、凝縮器6内に所望量の水を貯留してもよい。
ボイラ3は、典型的には燃料焚きボイラまたは電気ボイラである。燃料焚きボイラは、燃料の燃焼により水を蒸気化する装置であり、蒸気圧を所望に維持するように、燃焼の有無や量が調整される。また、電気ボイラは、電気ヒータにより水を蒸気化する装置であり、蒸気圧を所望に維持するように、電気ヒータへの給電の有無や量が調整される。
但し、ボイラ3は、燃料焚きボイラまたは電気ボイラに限らず、廃熱ボイラであってもよい。廃熱ボイラは、廃熱を用いて水を蒸気化する装置であり、蒸気圧を所望に維持するように、廃熱ボイラへの廃熱の供給の有無や量が調整可能とされるのがよい。廃熱ボイラの場合、その熱源は特に問わず、たとえば、圧縮機5のエンジンなどからの排ガス、またはSOFC(固体酸化物形燃料電池)からの廃熱を用いることができる。
ボイラ3からの第一蒸気路14と、凝縮器6からの第二蒸気路15とは、エゼクタ4を介して合流するよう構成される。エゼクタ4は、周知のとおりノズル16とディフューザ17とを備え、高圧の蒸気をノズル16からディフューザ17へ向けて噴出させることで、吸引部18から低圧の蒸気を吸引して、両蒸気を混合して吐出する。ここでは、第一蒸気路14がノズル16に接続され、第二蒸気路15が吸引部18に接続される。よって、第一蒸気路14を、ノズル16への給蒸路ということができ、第二蒸気路15を、エゼクタ4への吸引路ということができる。
このような構成であるから、ボイラ3からの蒸気がノズル16へ吹き込まれることで、凝縮器6からの蒸気がエゼクタ4へ吸引される。そして、両蒸気は、混合され、エゼクタ4から第三蒸気路19へ吐出される。よって、第三蒸気路19を、エゼクタ4からの排蒸路ということができる。
エゼクタ4において、第一蒸気路14からの蒸気は減圧される一方、第二蒸気路15からの蒸気は昇圧される。そして、第三蒸気路19の蒸気は、一または複数の各種の蒸気使用設備20(図10)へ送られる。
ノズル16からの蒸気の噴出の有無や量は、調整可能とされる。たとえば、第一蒸気路14に給蒸弁21を設け、この給蒸弁21の開閉または開度が調整可能とされる。あるいは、ノズル16のノド部の大きさを変更可能にノド部調整機構22を設け、このノド部調整機構22を操作することで、ノド部を通る蒸気の有無や量が調整可能とされる。ノド部調整機構22は、その具体的構成を特に問わないが、たとえばニードル弁のように、ノズル16のノド部に対しニードルを進退させて、ノド部の断面積を変更可能に構成される。これらの内、複数のものを組み合わせて、ノズル16への給蒸を制御してもよい。
第一蒸気路14と第三蒸気路19とは、エゼクタ4を介して接続されると共に、好ましくはバイパス路23を介しても接続される。第一蒸気路14に給蒸弁21が設けられる場合、給蒸弁21より上流側の第一蒸気路14と、第三蒸気路19とが、バイパス路23で接続される。
バイパス路23には、バイパス弁24が設けられる。バイパス弁24は、本実施例では自力式の減圧弁(二次圧力調整弁)とされる。なお、バイパス弁24より上流側は、下流側よりもボイラ3により高圧に維持される。
エゼクタ4からの蒸気とバイパス弁24からの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置には、圧力センサからなる第一センサ25が設けられる。第一センサ25は、図示例では、第三蒸気路19の内、バイパス路23が接続される箇所よりも上流側に設けられているが、バイパス路23が接続される箇所よりも下流側に設けたり、バイパス路23の内、バイパス弁24より下流側に設けたりしてもよい。また、エゼクタ4からの蒸気とバイパス路23からの蒸気とを蒸気ヘッダで合流させる場合、その蒸気ヘッダに第一センサ25を設けてもよい。
第二蒸気路15にも、圧力センサからなる第二センサ26が設けられる。第二センサ26は、凝縮器6にて発生させた蒸気の圧力、言い換えれば、エゼクタ4へ吸引される蒸気の圧力を検出する。
蒸発器8には温水、空気または排ガスなどの熱源流体が通されるが、その熱源流体の蒸発器8への供給路27または蒸発器8からの排出路28には、圧力センサまたは温度センサからなる第三センサ29が設けられる。たとえば、蒸発器8において温水の冷却を図ろうとする場合、蒸発器8からの排出路28に温度センサからなる第三センサ29を設けるのが好ましい。
本実施例では、第一センサ25の検出値に基づき、給蒸弁21および/またはノド部調整機構22が制御される。さらに、第二センサ26と第三センサ29との一方または双方の検出値に基づき、圧縮機5が制御される。なお、給蒸弁21とノド部調整機構22との内、一方は適宜その設置と制御を省略することができる。以下では、ノド部調整機構22の設置を省略して、給蒸弁21を制御する場合について説明するが、ノド部調整機構22を設置して、給蒸弁21の制御に代えてまたはそれに加えて、ノド部調整機構22を同様に制御してもよい。
以下、(1)第一センサ25による制御、(2)第二センサ26による制御、(3)第三センサ29による制御、(4)第二センサ26と第三センサ29との切替制御、について順に説明する。この内、第一センサ25による制御は、第二センサ26による制御や第三センサ29による制御と並行して行うことができる。なお、第二センサ26による制御を行う場合には、所望により第三センサ29の設置を省略することができ、逆に、第三センサ29による制御を行う場合には、所望により第二センサ26の設置を省略することができる。
〈(1)第一センサ25による制御〉
図2は、第一センサ25の検出圧力、給蒸弁21の開閉状態、およびバイパス弁24の開閉状態の対応関係を示す概略図である。ここでは、給蒸弁21は、第一設定値(第一設定圧力)P1で開閉され、バイパス弁24は、第二設定値(第二設定圧力)P2で開閉される。
具体的には、バイパス弁24の下流側の圧力が第二設定値P2未満であると、給蒸弁21およびバイパス弁24の双方が開放している。これにより、エゼクタ4およびバイパス路23からの蒸気が蒸気使用設備20へ供給される。そして、第二設定値P2以上になると、バイパス弁24が閉鎖し、バイパス路23からの蒸気供給は停止され、エゼクタ4から蒸気供給される。第一センサ25の検出圧力が第一設定値P1以上になると、給蒸弁21が閉鎖し、エゼクタ4からの蒸気供給も停止される。そして、第一センサ25の検出圧力が第一設定値P1未満になると、給蒸弁21が開放してエゼクタ4が作動し、その後、エゼクタ4からの蒸気だけでは賄い切れず、第二設定値P2未満になると、バイパス弁24が開放してバイパス路23からも蒸気供給される。なお、バイパス弁24が自力式の減圧弁の場合、バイパス弁24は、これらの動作を機械的に自力で行う。
第一設定値P1および第二設定値P2には、所望によりそれぞれディファレンシャル(動作隙間)が設定されるのは言うまでもない。また、給蒸弁21は、その開閉だけでなく、比例制御やPID制御により開度調整されてもよい。さらに、バイパス弁24は、電磁弁や電動弁により構成されてもよく、その場合、第一センサ25の検出圧力に基づき、開閉されてもよいし、比例制御やPID制御により開度調整されてもよい。
これらの場合について、図3に基づき説明する。なお、図3では、第一設定値P1のディファレンシャル(または比例帯)P1H〜P1Lと、第二設定値P2のディファレンシャル(または比例帯)P2H〜P2Lとはオーバーラップしていないが、一部をオーバーラップさせてもよい。つまり、第二上限圧力P2Hは、第一下限圧力P1Lよりも高圧に設定されてもよい。
まず、第一設定値P1および第二設定値P2に、それぞれディファレンシャルが設定されたオンオフ制御を説明する。この場合、第一設定値P1については、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとが設定され、圧力上昇時、第一センサ25の検出圧力が第一上限圧力P1H以上になると給蒸弁21が閉鎖し、圧力下降時、第一センサ25の検出圧力が第一下限圧力P1L未満になると給蒸弁21が開放する。また、第二設定値P2については、第二上限圧力P2Hと第二下限圧力P2Lとが設定され、圧力上昇時、第二上限圧力P2H以上になるとバイパス弁24が閉鎖し、圧力下降時、第二下限圧力P2L未満になるとバイパス弁24が開放する。
次に、給蒸弁21やバイパス弁24を比例制御する場合の一例について説明する。この場合、第一センサ25の検出圧力に基づき、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとの範囲で、且つその第一上限圧力P1Hを設定値(目標値)として給蒸弁21を比例制御する。また、第一センサ25の検出圧力に基づき、第二上限圧力P2Hと第二下限圧力P2Lとの範囲で、且つその第二上限圧力P2Hを設定値(目標値)としてバイパス弁24を比例制御する。ここで、第一上限圧力P1H以上では、給蒸弁21は全閉し、第一下限圧力P1L未満では、給蒸弁21は全開する。また、第二上限圧力P2H以上では、バイパス弁24は全閉し、第二下限圧力P2L未満では、バイパス弁24は全開する。なお、比例制御ではなくPID制御を行ってもよい。
いずれにしても、第二設定値P2を第一設定値P1よりも低く設定しておくことで、エゼクタ4からの蒸気供給、言い換えればヒートポンプ2からの蒸気供給を優先しつつ、蒸気使用設備20へ蒸気を安定して供給することができる。つまり、エゼクタ4からの蒸気供給を優先させつつ、それでは足りない場合にバイパス路23からの蒸気を蒸気使用設備20へ送ることができる。
〈(2)第二センサ26による制御〉
図4は、第二センサ26の検出圧力、および圧縮機5の動作状態の対応関係を示す概略図である。ここでは、圧縮機5は、第三設定値(第三設定圧力)P3でオンオフされる。具体的には、第二センサ26の検出圧力が第三設定値P3未満であると、圧縮機5を駆動して、ヒートポンプ2で蒸気を発生させる一方、第二センサ26の検出圧力が第三設定値P3以上になると、圧縮機5を停止して、ヒートポンプ2からの蒸気発生を停止する。
第三設定値P3には、所望によりディファレンシャル(動作隙間)が設定されるのは言うまでもない。また、圧縮機5は、その駆動と停止のオンオフ制御でなく、たとえば回転数を調整されることで、比例制御やPID制御されてもよい。この場合について、図5に基づき説明する。なお、図5において、第三上限圧力P3Hと第三下限圧力P3Lとの範囲が、第三設定値P3のディファレンシャルまたは比例帯である。
まず、第三設定値P3に、ディファレンシャルが設定されたオンオフ制御を説明する。この場合、第三設定値P3については、第三上限圧力P3Hと第三下限圧力P3Lとが設定され、圧力上昇時、第三上限圧力P3H以上になると圧縮機5が停止し、圧力下降時、第三下限圧力P3L未満になると圧縮機5が駆動する。
次に、圧縮機5を比例制御する場合の一例について説明する。この場合、第二センサ26の検出圧力に基づき、第三上限圧力P3Hと第三下限圧力P3Lとの範囲で、且つその第三上限圧力P3Hを設定値(目標値)として圧縮機5を比例制御する。ここで、第三上限圧力P3H以上では、圧縮機5は停止し、第三下限圧力P3L未満では、圧縮機5は全負荷運転する。なお、比例制御ではなくPID制御を行ってもよい。
ところで、ヒートポンプ2が複数段の場合において、第二センサ26の検出圧力に基づき制御する場合、たとえば、最上段のヒートポンプ2の圧縮機5は、第二センサ26の検出圧力に基づき制御され、それより下段の各ヒートポンプ2の圧縮機5は、それぞれ対応する段のヒートポンプ2の凝縮器6における冷媒(または一つ上段のヒートポンプ2の蒸発器8における冷媒)の圧力または温度に基づき制御すればよい。このような制御は、後述する第二センサ26と第三センサ29との切替制御において、第二センサ26による制御を実施する際にも同様である。
〈(3)第三センサ29による制御〉
図6は、第三センサ29の検出圧力または検出温度、および圧縮機5の動作状態の対応関係を示す概略図である。ここでは、圧縮機5は、第四設定値(第四設定圧力P4または第四設定温度T4)でオンオフされる。
なお、以下では、第三センサ29が圧力センサとされ、第四設定値が圧力値P4として設定され、圧縮機5が圧力制御される場合について説明するが、第三センサ29が温度センサとされ、第四設定値が温度値T4として設定され、圧縮機5が温度制御されてもよい。その場合、P4をT4、PHをTHと読み替えれば、同様に制御可能である。
第三センサ29の検出圧力が第四設定値P4未満であると、ヒートポンプ2を運転しても所望の蒸気を得られないとして、圧縮機5を停止している。そして、第三センサ29の検出圧力が第四設定値P4以上になると、圧縮機5を駆動させ、ヒートポンプ2で蒸気を発生させる。その後、万一、第三センサ29の検出圧力がさらに上昇して上端値PH以上になると、圧縮機5を強制停止してもよい。一方、第三センサ29の検出圧力が第四設定値P4未満になると、圧縮機5を停止させる。
第四設定値P4には、所望によりディファレンシャル(動作隙間)が設定されるのは言うまでもない。また、圧縮機5は、その駆動と停止のオンオフ制御でなく、たとえば回転数を調整されることで、比例制御やPID制御されてもよい。この場合について、図7に基づき説明する。なお、図7において、第四上限圧力P4Hと第四下限圧力P4Lとの範囲が、第四設定値P4のディファレンシャルまたは比例帯である。
まず、第四設定値P4に、ディファレンシャルが設定されたオンオフ制御を説明する。この場合、第四設定値P4については、第四上限圧力P4Hと第四下限圧力P4Lとが設定され、圧力上昇時、第四上限圧力P4H以上になると圧縮機5が駆動し、圧力下降時、第四下限圧力P4L未満になると圧縮機5が停止する。
次に、圧縮機5を比例制御する場合の一例について説明する。この場合、第三センサ29の検出圧力に基づき、第四上限圧力P4Hと第四下限圧力P4Lとの範囲で、且つその第四下限圧力P4Lを設定値(目標値)として圧縮機5を比例制御する。ここで、第四下限圧力P4L未満では、圧縮機5は停止し、第四上限圧力P4H以上では、圧縮機5は全負荷運転する。なお、比例制御ではなくPID制御を行ってもよい。
ところで、ヒートポンプ2が複数段の場合において、第三センサ29の検出圧力または検出温度に基づき制御する場合、たとえば、最下段のヒートポンプ2の圧縮機5は、第三センサ29の検出圧力または検出温度に基づき制御され、それより上段の各ヒートポンプ2の圧縮機5は、それぞれ対応する段のヒートポンプ2の蒸発器8における冷媒(または一つ下段のヒートポンプ2の凝縮器6における冷媒)の圧力または温度に基づき制御すればよい。このような制御は、後述する第二センサ26と第三センサ29との切替制御において、第三センサ29による制御を実施する際も同様である。
〈(4)第二センサ26と第三センサ29との切替制御〉
第二センサ26と第三センサ29との切替制御は、図5による制御と、図7による制御との組合せといえる。具体的には、まず、圧縮機5は、第二センサ26の検出圧力に基づき、第三上限圧力P3Hと第三下限圧力P3Lとの範囲で、且つその第三上限圧力P3Hを設定値として比例制御可能とされる。また、圧縮機5は、第三センサ29の検出圧力に基づき、第四上限圧力P4Hと第四下限圧力P4Lとの範囲で、且つその第四下限圧力P4Lを設定値として比例制御可能とされる。そして、設定タイミング(たとえば設定時間ごと)で、次式により第一偏差率η1と第二偏差率η2とを求め、第二センサ26による制御と第三センサ29による制御との内、偏差率の小さい方の制御に適宜切り替えて、圧縮機5を制御すればよい。具体的には、η1<η2の関係にある場合、第二センサ26の検出圧力に基づき圧縮機5を比例制御すればよく、η1>η2の関係にある場合、第三センサ29の検出圧力に基づき圧縮機5を比例制御すればよい。なお、次式において、現在圧力Pは、第二センサ26により検出され、現在圧力P´は、第三センサ29により検出される。
第一偏差率η1=(第三上限圧力P3H−現在圧力P)/(第三上限圧力P3H−第三下限圧力P3L)
第二偏差率η2=(現在圧力P´−第四下限圧力P4L)/(第四上限圧力P4H−第四下限圧力P4L)
偏差率が小さいほど、目標値に近いので、圧縮機5の操作量は小さくなる。仮に、偏差率が大きい方、つまり操作量が大きい方で圧縮機5を制御しようとすると、偏差率が小さい方、つまり操作量が小さい方は目標値にすぐに到達してしまうことになる。ところが、偏差率の小さい方の制御に適宜切り替えて制御することで、圧縮機5が停止する頻度を少なくすることができる。また、停止するにしても、停止状態へ緩やかに移行することができる。さらに、圧力制御か温度制御かを手動設定する必要もない。
なお、第三センサ29による制御では、第三センサ29が圧力センサとされ、第四設定値が圧力値P4(第四上限圧力P4H,第四下限圧力P4L)で設定される場合について説明したが、第三センサ29が温度センサとされ、第四設定値が温度値T4(第四上限温度T4H,第四下限温度T4L)で設定されてもよい。その場合、現在温度T´を第三センサ29により検出して、次式を用いて第二偏差率η2を算出して、同様に制御すればよい。
第二偏差率η2=(現在温度T´−第四下限温度T4L)/(第四上限温度T4H−第四下限温度T4L)
なお、第三上限圧力P3Hを第三上限値、第三下限圧力P3Lを第三下限値、第四上限圧力P4Hおよび第四上限温度T4Hを第四上限値、第四下限圧力P4Lおよび第四下限温度T4Lを第四下限値、第二センサ26および第三センサ29の各検出値を現在値ということで、第一偏差率η1と第二偏差率η2の算定式を次のようにまとめることができる。
第一偏差率η1=(第三上限値−現在値)/(第三上限値−第三下限値)
第二偏差率η2=(現在値−第四下限値)/(第四上限値−第四下限値)
第二センサ26による制御と第三センサ29による制御とは、上述したように偏差率に基づき切り替える以外に、圧縮機5の操作量に基づき切り替えてもよい。この場合も、圧縮機5は、第二センサ26の検出圧力に基づき、第三上限圧力P3Hと第三下限圧力P3Lとの範囲で、且つその第三上限圧力P3Hを設定値として比例制御またはPID制御可能とされる。また、圧縮機5は、第三センサ29の検出圧力(または検出温度)に基づき、第四上限圧力P4H(または第四上限温度T4H)と第四下限圧力P4L(または第四下限温度T4L)との範囲で、且つその第四下限圧力P4L(または第四下限温度T4L)を設定値として比例制御またはPID制御可能とされる。そして、設定タイミング(たとえば設定時間ごと)で、第二センサ26による制御における圧縮機5の操作量と、第三センサ29による制御における圧縮機5の操作量とを求め、第二センサ26による制御と第三センサ29による制御との内、操作量の小さい方で圧縮機5を制御すればよい。たとえば、第二センサ26による制御では操作量Xとする必要がある一方、第三センサ29による制御では操作量Yとする必要がある場合において、X<Yの関係にある場合、第二センサ26の検出圧力に基づき圧縮機5を制御すればよく、X>Yの関係にある場合、第三センサ29の検出圧力(または検出温度)に基づき圧縮機5を制御すればよい。
なお、操作量に基づき切替制御する場合において、ヒートポンプ2が複数段の場合、設定タイミング(たとえば設定時間ごと)で、第二センサ26による制御における最上段の圧縮機5の操作量(第一操作量y1)と、第三センサ29による制御における最下段の圧縮機5の操作量(第二操作量y2)とから、第一操作量y1の第二操作量y2に対する比の値y1/y2を求め、この値が予め設定された定数未満なら、第二センサ26による制御を行う一方、前記定数以上なら第三センサ29による制御を行えばよい。
図8は、本発明の蒸気システム1の実施例2を示す概略図である。本実施例2の蒸気システム1も、基本的には前記実施例1と同様である。そこで、以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
前記実施例1では、蒸気システム1はヒートポンプ2を備えたが、本実施例2では、ヒートポンプ2に代えて蒸気圧縮機30を備える。そして、前記実施例1では、エゼクタ4は、ヒートポンプ2の凝縮器6からの蒸気を吸引して吐出したが、本実施例2では、エゼクタ4は、蒸気圧縮機30からの蒸気を吸引して吐出する。
蒸気圧縮機30は、蒸気を吸入し圧縮して吐出する装置である。蒸気圧縮機30は、その構成を特に問わないが、たとえばスクリュ式の蒸気圧縮機とされる。スクリュ式の蒸気圧縮機は、互いにかみ合って回転するスクリュロータ間に蒸気を吸入して、スクリュロータの回転により圧縮して吐出する装置である。但し、蒸気圧縮機30は、蒸気を圧縮して吐出するものであれば、スクリュ式に限らず、レシプロ式などであってもよい。
蒸気圧縮機30は、蒸気圧縮機本体とその駆動装置とを備え、駆動装置はエンジン(典型的にはガスエンジンまたはディーゼルエンジン)および/またはモータから構成される。蒸気圧縮機30の制御の具体的態様としては、たとえば、駆動装置がオンオフ制御される。あるいは、蒸気圧縮機本体と駆動装置との間に、駆動装置から蒸気圧縮機本体への動力伝達装置(クラッチおよび/または変速機)を設けておき、駆動装置から蒸気圧縮機本体への動力伝達の有無や量を変更するように、動力伝達装置が制御される。あるいは、駆動装置を構成するモータをインバータで制御して、モータの回転数を変える。あるいは、駆動装置を構成するエンジンのアクセルを制御して、エンジンの出力を変える。これらの内、複数のものを組み合わせて、蒸気圧縮機30を制御してもよい。なお、駆動装置としてモータを用いる場合、SOFC(固体酸化物形燃料電池)の電力でモータを駆動してもよい。
本実施例2では、蒸気圧縮機30は、供給路27を介して蒸気を吸入し、圧縮して吐出する。より具体的には、図示例の場合、蒸気圧縮機30は、供給路27を介して、中空容器状のセパレータタンク31と接続されている。そして、セパレータタンク31には、流入路32を介して蒸気(たとえばフラッシュ蒸気、未利用蒸気、低圧蒸気)が供給される。その蒸気の凝縮水は、セパレータタンク31からの排出路33を介して適宜排水され、蒸気が供給路27を介して蒸気圧縮機30へ供給される。このように、セパレータタンク31は、気液分離部として機能する。
本実施例2では、第二センサ26は、蒸気圧縮機30からエゼクタ4の吸引部18への第二蒸気路15に設けられる。また、第三センサ29は、セパレータタンク31、またはセパレータタンク31から蒸気圧縮機30への供給路27に設けられる。
本実施例2でも、第一センサ25の検出値に基づき、給蒸弁21および/またはノド部調整機構22が制御される。また、第二センサ26と第三センサ29との一方または双方の検出値に基づき、蒸気圧縮機30が制御される。具体的には、(1)第一センサ25による制御の他、(2)第二センサ26による制御、(3)第三センサ29による制御、(4)第二センサ26と第三センサ29との切替制御のいずれかが行われる。この内、第一センサ25による制御は、前記実施例1と同様であり、また、第二センサ26や第三センサ29を用いた制御やその切替制御は、前記実施例1におけるヒートポンプ2の圧縮機5を制御することに代えて、本実施例2では蒸気圧縮機30を制御する点が異なる。その他の構成および制御は、前記実施例1と同様のため、説明を省略する。
ところで、蒸気圧縮機30は、単段に限らず複数段としてもよく、その場合、最下段の蒸気圧縮機30は、セパレータタンク31からの蒸気を吸入し圧縮して吐出し、それより上段の各蒸気圧縮機30は、一つ下段の蒸気圧縮機30からの蒸気を吸入し圧縮して吐出し、最上段の蒸気圧縮機30からの蒸気がエゼクタ4の吸引部18へ送られる。そして、第二センサ26の検出圧力に基づき制御する場合、たとえば、最上段の蒸気圧縮機30は、第二センサ26の検出圧力に基づき制御され、それより下段の各蒸気圧縮機30は、その出口側の蒸気圧に基づき制御すればよい。また、第三センサ29の検出圧力または検出温度に基づき制御する場合、たとえば、最下段の蒸気圧縮機30は、第三センサ29の検出圧力または検出温度に基づき制御され、それより上段の各蒸気圧縮機30は、その入口側の蒸気圧に基づき制御すればよい。この場合も、前記実施例1におけるヒートポンプ2の圧縮機5を制御することに代えて、本実施例2では蒸気圧縮機30を制御する点が異なるだけで、前記実施例1におけるヒートポンプ2が複数段の場合と同様に制御できる。
図9は、本発明の蒸気システム1の実施例3を示す概略図である。本実施例3の蒸気システム1も、基本的には前記実施例1および前記実施例2と同様である。そこで、以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。また、前記実施例1や前記実施例2と同様の構成および制御については、説明を省略する。
前記実施例1では、蒸気システム1はヒートポンプ2を備え、前記実施例2では、蒸気システム1は蒸気圧縮機30を備えたが、本実施例3では、ヒートポンプ2と蒸気圧縮機30との双方を備える。具体的には、前記実施例1において、第二蒸気路15に蒸気圧縮機30を設け、ヒートポンプ2の凝縮器6からの蒸気を蒸気圧縮機30で昇圧して、エゼクタ4の吸引部18へ吐出する構成である。
本実施例3では、前記実施例1と同様に、エゼクタ4からの第三蒸気路19に第一センサ25が設けられると共に、蒸気圧縮機30からエゼクタ4の吸引部18への第二蒸気路15に第二センサ26が設けられる。また、ヒートポンプ2の蒸発器8への供給路27または蒸発器8からの排出路28に、第三センサ29が設けられる。さらに、ヒートポンプ2の凝縮器6から蒸気圧縮機30への第四蒸気路34に第四センサ35が設けられる。なお、第一センサ25、第二センサ26および第四センサ35は、圧力センサとされ、第三センサ29は、圧力センサまたは温度センサとされる。但し、第四センサ35は、ヒートポンプ2の凝縮器6の冷媒の圧力を検出するセンサであってもよい。その際、凝縮器6の冷媒の圧力は、圧縮機5出口から膨張弁7入口までのいずれの箇所で検出してもよい。
本実施例3でも、第一センサ25の検出値に基づき、給蒸弁21および/またはノド部調整機構22が制御される。また、第二センサ26と第三センサ29との一方または双方の検出値に基づき、圧縮機5や蒸気圧縮機30が制御される。具体的には、(1)第一センサ25による制御の他、(2)第二センサ26による制御、(3)第三センサ29による制御、(4)第二センサ26と第三センサ29との切替制御のいずれかが行われる。この内、第一センサ25による制御は、前記実施例1と同様であり、また、第二センサ26や第三センサ29を用いた制御やその切替制御は、前記実施例1におけるヒートポンプ2が複数段の場合において、最上段のヒートポンプ2に代えて蒸気圧縮機30が設置され、最上段のヒートポンプ2の圧縮機5を制御することに代えて蒸気圧縮機30を同様に制御すればよい。
すなわち、第二センサ26による制御では、蒸気圧縮機30は、第二センサ26の検出圧力に基づき制御され、ヒートポンプ2の圧縮機5は、第四センサ35の検出圧力に基づき制御される。また、第三センサ29による制御では、ヒートポンプ2の圧縮機5は、第三センサ29の検出圧力または検出温度に基づき制御され、蒸気圧縮機30は、第四センサ35の検出圧力に基づき制御される。
そして、第二センサ26による制御では、前記実施例1と同様に、蒸気圧縮機30を第三設定値P3でオンオフ制御したり、第三設定値P3に維持するように比例制御またはPID制御したりすればよい。この際、上述したように、ヒートポンプ2の圧縮機5は、第四センサ35の検出圧力に基づき制御される。
また、第三センサ29による制御では、前記実施例1と同様に、圧縮機5を第四設定値P4(T4)でオンオフ制御したり、第四設定値P4(T4)に維持するように比例制御またはPID制御したりすればよい。この際、上述したように、蒸気圧縮機30は、第四センサ35の検出圧力に基づき制御される。
その他の構成および制御は、前記実施例1と同様のため、説明を省略する。
図10は、本発明の蒸気システム1の実施例4を示す概略図である。本実施例4の蒸気システム1も、基本的には前記実施例1と同様である。そこで、以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
本実施例4では、ヒートポンプ2の熱源として、蒸気使用設備20のドレンが用いられる。具体的構成について説明すると、まず、蒸気使用設備20のドレンは、第一蒸気トラップ36を介して、セパレータタンク31に排出される。セパレータタンク31には、上部に蒸発器8への供給路27が接続され、下部に排出路33が接続される。
セパレータタンク31は、供給路27を介して蒸発器8が設けられる。また、蒸発器8からの排出路28には、第二蒸気トラップ37が設けられる。このような構成であるから、蒸気使用設備20のドレンは、第一蒸気トラップ36により低圧下に排出された後、蒸発器8を通過後に、第二蒸気トラップ37によりさらに低圧の大気圧下に排出される。つまり、蒸気使用設備20のドレンは、第一蒸気トラップ36を介して排出されることにより、フラッシュ蒸気およびその凝縮水となり、蒸発器8においてさらに凝縮を図られた後、第二蒸気トラップ37から排出される。このような構成の場合、蒸発器8において冷媒に熱を与える流体は、大気圧を超える圧力で、100℃を超える温度に維持できる。
第二蒸気トラップ37からの排水は、凝縮器6やボイラ3への給水タンク38に戻される。この際、サブヒータ39により、第二蒸気トラップ37からの排水で、膨張弁7から蒸発器8への冷媒の加温を図ってもよい。サブヒータ39は、膨張弁7から蒸発器8への冷媒と、第二蒸気トラップ37からの排水とを混ぜることなく熱交換する間接熱交換器である。なお、給水タンク38の水は、給水ポンプ11、給水弁12、逆止弁13およびサブクーラ9を介して凝縮器6へ供給可能とされると共に、給水ポンプ40と逆止弁41とを介してボイラ3へ供給可能とされる。
一方、セパレータタンク31からの排出路33には、排出弁42が設けられ、排出弁42からの流体は、給水タンク38へ戻される。排出弁42は、本実施例では自力式の減圧弁(一次圧力調整弁)とされるが、第三センサ29の検出値に基づき開閉または開度調整される弁であってもよい。なお、排出弁42と並行に、蒸気トラップ(図示省略)を設けてもよい。この場合、この蒸気トラップから液体だけを排出することで、蒸発器8への供給路27に蒸気だけを送ることができる。
第三センサ29の検出値に基づき圧縮機5を制御するための第四設定圧力P4は、排出弁42の設定圧力(開弁圧力)よりも低く設定される。排出弁42は、それより上流側の圧力が設定圧力以上で開放することで、ヒートポンプ2の保護が図られる。
緊急時や停電時のために、蒸発器8への供給路27には、ノーマルクローズド型の電磁弁43を設ける一方、セパレータタンク31からの排出路33には、排出弁42と並行に、ノーマルオープン型の電磁弁44を設けるのが好ましい。この場合、通常時には、供給路27の電磁弁43は開かれた状態に維持され、排出路33の電磁弁44は閉じられた状態に維持される。そして、緊急時や停電時には、供給路27の電磁弁43が閉じられ、排出路33の電磁弁44が開かれるので、蒸気使用設備20からのドレンは、蒸発器8を介さずに排出される。
蒸発器8の入口側または出口側において、熱源流体の圧力または温度を検出可能に、圧力センサまたは温度センサからなる第三センサ29が設けられる。本実施例では、第三センサ29は、セパレータタンク31と蒸発器8との間に設けられるが、蒸発器8と第二蒸気トラップ37との間に設けたり、セパレータタンク31に設けたりしてもよい。その他の構成および制御は、前記実施例1と同様のため、説明を省略する。
ところで、本実施例4において、図示例では、第二蒸気トラップ37を設けて、蒸発器8内を流れる流体を大気圧以上に保持したが、場合により、第二蒸気トラップ37を省略して、蒸発器8からの排出路28の先端を大気圧にそのまま開口してもよい。その場合、第三センサ29は、蒸発器8の出口側において、凝縮水の温度を計測する温度センサとするのがよい。
また、蒸発器8に通す流体の流量を調整可能であれば、図示例の構成に限らず適宜変更可能である。たとえば、第一蒸気トラップ36に代えて、ドレンを溜めるバッファタンクと導入弁とを設けてもよい。導入弁は、自力式の減圧弁(二次圧力調整弁)とされるが、第三センサ29の検出値に基づき開閉または開度調整される弁であってもよい。そして、蒸気使用設備20のドレンは、バッファタンクから導入弁を介して、供給路27により蒸発器8へ供給可能とされると共に、バッファタンクから導入弁や蒸発器8を介することなく排出可能とされる。このような構成の場合、第三センサ29の検出値に基づき圧縮機5を制御するための第四設定値P4は、導入弁の設定圧力(閉弁圧力)よりも低く設定される。導入弁は、それより下流側の圧力が設定圧力以上で閉鎖することで、ヒートポンプ2の保護が図られる。
さらに、本実施例4では、前記実施例1の応用例として、ヒートポンプ2の蒸発器8への熱源として、蒸気使用設備20のドレンの廃熱を用いる例を説明したが、前記実施例2の応用例として、蒸気圧縮機30の入口側に設けたセパレータタンク31に、蒸気使用設備20のドレンを供給して、そのフラッシュ蒸気を蒸気圧縮機30で昇圧してもよい。
本発明の蒸気システム1は、前記各実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。たとえば、第三センサ29の検出値が低いために、ヒートポンプ2や蒸気圧縮機30が停止している場合には、給蒸弁21を閉鎖するよう制御してもよい。
また、前記実施例3では、単段のヒートポンプ2と単段の蒸気圧縮機30とを組み合わせた例を説明したが、前記実施例1および前記実施例2で述べたのと同様に、一方または双方を複数段としてもよい。その場合も、実施例1で述べたヒートポンプ2が複数段の場合と同様に制御することができる。つまり、制御については、蒸気圧縮機30を、ヒートポンプ2の圧縮機5と同等にとらえることができる。
また、前記各実施例において、蒸気圧縮機30またはその入口もしくは出口において、適宜注水を図ってもよい。この際、その蒸気圧縮機30の回転数に基づき、あるいは蒸気圧縮機30の入口側または出口側の蒸気圧と蒸気圧縮機30の回転数とに基づき、注水量を調整するのがよい。たとえば、前記実施例2では、蒸気圧縮機30の回転数、および所望によりさらに第二センサ26または第三センサ29の検出値に基づき、蒸気圧縮機30への注水量を調整すればよい。
1 蒸気システム
2 ヒートポンプ
3 ボイラ
4 エゼクタ
5 圧縮機
6 凝縮器
7 膨張弁
8 蒸発器
14 第一蒸気路
15 第二蒸気路
16 ノズル
18 吸引部
19 第三蒸気路
21 給蒸弁
22 ノド部調整機構
23 バイパス路
24 バイパス弁
25 第一センサ
26 第二センサ
29 第三センサ
30 蒸気圧縮機
P1 第一設定値
P2 第二設定値
P3H 第三上限圧力(第三上限値)
P3L 第三下限圧力(第三下限値)
P4H 第四上限圧力(第四上限値)
P4L 第四下限圧力(第四下限値)
T4H 第四上限温度(第四上限値)
T4L 第四下限温度(第四下限値)

Claims (10)

  1. ヒートポンプまたは蒸気圧縮機と、エゼクタと、第一センサおよび第二センサとを備え、
    前記ヒートポンプは、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が順次環状に接続されて冷媒を循環させ、前記凝縮器において前記冷媒と水とを熱交換して蒸気を発生させ、
    前記蒸気圧縮機は、蒸気を吸入し圧縮して吐出し、
    前記エゼクタは、ボイラからの蒸気をノズルから噴出させることで、前記凝縮器または前記蒸気圧縮機からの蒸気を吸引して、前記ノズルからの蒸気と混合して吐出し、
    前記第一センサは、前記エゼクタの出口側の蒸気の圧力を検出し、
    前記第二センサは、前記エゼクタの吸引部への蒸気の圧力を検出し、
    前記第一センサの検出値に基づき前記ノズルへの給蒸を制御し、
    前記第二センサの検出値に基づき前記圧縮機または前記蒸気圧縮機を制御する
    ことを特徴とする蒸気システム。
  2. 前記第一センサの検出値に基づき、前記ノズルへの給蒸路に設けた給蒸弁を制御するか、および/または前記ノズルのノド部の大きさを変更するノド部調整機構を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の蒸気システム。
  3. 前記ノズルへの給蒸路と前記エゼクタからの排蒸路とを結ぶバイパス路と、
    このバイパス路に設けられるバイパス弁とを備え、
    前記ノズルへの給蒸路には、前記給蒸弁が設けられる場合、その給蒸弁より上流側から分岐するよう前記バイパス路が設けられ、
    前記給蒸弁または前記ノド部調整機構は、前記第一センサの検出値を第一設定値に維持するよう制御され、
    前記バイパス弁は、それより下流側の圧力を第二設定値に維持するよう開閉または開度が調整され、
    前記第二設定値は、前記第一設定値よりも低く設定される
    ことを特徴とする請求項2に記載の蒸気システム。
  4. 前記ヒートポンプおよび前記蒸気圧縮機の双方を備え、
    前記蒸気圧縮機は、前記凝縮器からの蒸気を吸入し圧縮して吐出し、
    前記エゼクタは、前記ボイラからの蒸気を前記ノズルから噴出させることで、前記蒸気圧縮機からの蒸気を吸引して、前記ノズルからの蒸気と混合して吐出し、
    前記第二センサの検出値に基づき前記蒸気圧縮機を制御し、
    前記凝縮器の冷媒の圧力、またはその凝縮器から前記蒸気圧縮機へ送られる蒸気の圧力に基づき前記圧縮機を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸気システム。
  5. 前記第二センサに代えてまたはこれに加えて、第三センサを備え、
    この第三センサは、前記蒸発器に通されるか通された前記ヒートポンプの熱源流体の圧力または温度を検出するか、前記蒸気圧縮機入口側の流体の圧力または温度を検出し、
    前記第三センサの検出値に基づき前記圧縮機または前記蒸気圧縮機を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸気システム。
  6. 前記ヒートポンプおよび前記蒸気圧縮機の双方を備え、
    前記蒸気圧縮機は、前記凝縮器からの蒸気を吸入し圧縮して吐出し、
    前記エゼクタは、前記ボイラからの蒸気を前記ノズルから噴出させることで、前記蒸気圧縮機からの蒸気を吸引して、前記ノズルからの蒸気と混合して吐出し、
    前記第三センサの検出値に基づき前記圧縮機を制御し、
    前記凝縮器の冷媒の圧力、またはその凝縮器から前記蒸気圧縮機へ送られる蒸気の圧力に基づき前記蒸気圧縮機を制御する
    ことを特徴とする請求項5に記載の蒸気システム。
  7. 前記第二センサの検出値に基づき、第三上限値と第三下限値との範囲で、且つその第三上限値を設定値として、前記圧縮機または前記蒸気圧縮機を比例制御またはPID制御するか、
    前記第三センサの検出値に基づき、第四上限値と第四下限値との範囲で、且つその第四下限値を設定値として、前記圧縮機または前記蒸気圧縮機を比例制御またはPID制御し、
    設定タイミングで前記各センサによる現在値に基づき、次式により第一偏差率と第二偏差率とを求め、前記第二センサによる制御と前記第三センサによる制御との内、偏差率の小さい方で制御する
    ことを特徴とする請求項5に記載の蒸気システム。
    第一偏差率=(第三上限値−現在値)/(第三上限値−第三下限値)
    第二偏差率=(現在値−第四下限値)/(第四上限値−第四下限値)
  8. 前記第二センサの検出値に基づき、第三上限値と第三下限値との範囲で、且つその第三上限値を設定値として、前記圧縮機または前記蒸気圧縮機を比例制御またはPID制御するか、
    前記第三センサの検出値に基づき、第四上限値と第四下限値との範囲で、且つその第四下限値を設定値として、前記圧縮機または前記蒸気圧縮機を比例制御またはPID制御し、
    設定タイミングで前記各センサによる現在値に基づき、前記第二センサによる制御における前記圧縮機または前記蒸気圧縮機の操作量と、前記第三センサによる制御における前記圧縮機または前記蒸気圧縮機の操作量とを求め、前記第二センサによる制御と前記第三センサによる制御との内、操作量の小さい方で制御する
    ことを特徴とする請求項5に記載の蒸気システム。
  9. 前記ヒートポンプおよび前記蒸気圧縮機の双方を備え、
    前記蒸気圧縮機は、前記凝縮器からの蒸気を吸入し圧縮して吐出し、
    前記エゼクタは、前記ボイラからの蒸気を前記ノズルから噴出させることで、前記蒸気圧縮機からの蒸気を吸引して、前記ノズルからの蒸気と混合して吐出し、
    前記凝縮器の冷媒の圧力、またはその凝縮器から前記蒸気圧縮機へ送られる蒸気の圧力を検出する第四センサを備え、
    前記第二センサの検出値に基づき、第三上限値と第三下限値との範囲で、且つその第三上限値を設定値として、前記蒸気圧縮機を比例制御またはPID制御するか、
    前記第三センサの検出値に基づき、第四上限値と第四下限値との範囲で、且つその第四下限値を設定値として、前記圧縮機を比例制御またはPID制御し、
    前記第二センサの検出値に基づき前記蒸気圧縮機を制御する場合、前記第四センサの検出値に基づき前記圧縮機を制御し、
    前記第三センサの検出値に基づき前記圧縮機を制御する場合、前記第四センサの検出値に基づき前記蒸気圧縮機を制御し、
    設定タイミングで前記各センサによる現在値に基づき、次式により第一偏差率と第二偏差率とを求め、前記第二センサによる制御と前記第三センサによる制御との内、偏差率の小さい方で制御する
    ことを特徴とする請求項5に記載の蒸気システム。
    第一偏差率=(第三上限値−現在値)/(第三上限値−第三下限値)
    第二偏差率=(現在値−第四下限値)/(第四上限値−第四下限値)
  10. 前記ヒートポンプおよび前記蒸気圧縮機の双方を備え、
    前記蒸気圧縮機は、前記凝縮器からの蒸気を吸入し圧縮して吐出し、
    前記エゼクタは、前記ボイラからの蒸気を前記ノズルから噴出させることで、前記蒸気圧縮機からの蒸気を吸引して、前記ノズルからの蒸気と混合して吐出し、
    前記凝縮器の冷媒の圧力、またはその凝縮器から前記蒸気圧縮機へ送られる蒸気の圧力を検出する第四センサを備え、
    前記第二センサの検出値に基づき、第三上限値と第三下限値との範囲で、且つその第三上限値を設定値として、前記蒸気圧縮機を比例制御またはPID制御するか、
    前記第三センサの検出値に基づき、第四上限値と第四下限値との範囲で、且つその第四下限値を設定値として、前記圧縮機を比例制御またはPID制御し、
    前記第二センサの検出値に基づき前記蒸気圧縮機を制御する場合、前記第四センサの検出値に基づき前記圧縮機を制御し、
    前記第三センサの検出値に基づき前記圧縮機を制御する場合、前記第四センサの検出値に基づき前記蒸気圧縮機を制御し、
    設定タイミングで、前記第二センサによる制御における前記蒸気圧縮機の第一操作量(y1)と、前記第三センサによる制御における前記圧縮機の第二操作量(y2)とから、前記第一操作量(y1)の前記第二操作量(y2)に対する比の値(y1/y2)を求め、この値が予め設定された定数未満なら、前記第二センサによる制御を行う一方、前記定数以上なら前記第三センサによる制御を行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の蒸気システム。
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