JP5482519B2 - 蒸気システム - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプとボイラとを備えた蒸気システムに関するものである。
従来、下記特許文献1において、ヒートポンプ(10)と排ガスボイラ(130)とを用いた蒸気発生システム(S1)が提案されている。この蒸気発生システム(S1)は、ヒートポンプ(10)と、第1蒸気発生装置(ST1)と、ガスタービン装置(100)と、第2蒸気発生装置(ST2)とを備える。そして、第1蒸気発生装置(ST1)は、ヒートポンプ(10)からの熱伝達によって蒸気を発生させ、第2蒸気発生装置(ST2)は、ガスタービン装置(100)からの排熱を用いて蒸気を発生させる。
特開2008−45807号公報(請求項1、請求項2、段落番号0015、図1)
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、圧縮機(30)による昇圧と、ノズル(35)による注水とにより、所望の蒸気を得ようとするものであり、各蒸気発生装置(ST1,ST2)による蒸気との関係では、ヒートポンプ(10)は実質的に制御されない。しかも、ヒートポンプ(10)を用いた第1蒸気発生装置(ST1)からの蒸気には、排ガスボイラ(130)を用いた第2蒸気発生装置(ST2)からの蒸気も合流される。従って、圧縮機(30)による昇圧や、ノズル(35)による注水を制御しても、所望の蒸気を得にくいものである。
特に、蒸気使用設備における蒸気の使用負荷の変化に応じて、蒸気発生量を調整することができない。そのため、蒸気使用設備における蒸気の使用量が増えれば、所望の蒸気圧の蒸気を供給できなくなるし、逆に、蒸気使用設備における蒸気の使用量が減るか無くなれば、蒸気が余ることになる。
ところで、ヒートポンプの熱源として、工場などからの排温水を用いようとする場合、排温水の温度や流量などの変化に応じて、蒸気発生量は変化してしまうが、この点からも蒸気使用設備へ安定して蒸気を供給できるものではない。
本発明が解決しようとする課題は、ヒートポンプとボイラとを備える蒸気システムにおいて、蒸気の使用負荷の変化に対応可能とすることにある。また、熱源の温度が変化した場合にも、蒸気使用設備へ安定して蒸気を供給可能とすることを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が順次環状に接続されて冷媒を循環させ、前記凝縮器において前記冷媒と水とを熱交換して蒸気を発生させるヒートポンプと、蒸気を発生させ、この蒸気を前記凝縮器からの蒸気に合流させるボイラと、前記凝縮器からの蒸気と前記ボイラからの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置に設けられる圧力センサとを備え、前記蒸発器において、前記冷媒と被冷却流体とを熱交換して被冷却流体の冷却を図り、前記圧力センサの検出圧力に基づき、前記圧縮機および前記ボイラを制御可能であると共に、前記蒸発器の出口側に設けた温度センサの検出温度に基づき、前記圧縮機を制御可能であり、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御とを切り替えて前記圧縮機を制御し、前記圧力センサによる制御では、前記圧縮機は、前記圧力センサの検出圧力を第一設定圧力に維持するよう制御され、前記ボイラは、前記圧力センサの検出圧力を第二設定圧力に維持するよう制御され、前記第二設定圧力は、前記第一設定圧力よりも低く設定され、前記温度センサによる制御では、前記温度センサの検出温度を第二設定温度に維持するよう前記圧縮機が制御され、前記温度センサの検出温度を第一設定温度に維持するよう前記蒸発器への被冷却流体供給量が制御され、前記第二設定温度は、前記第一設定温度よりも低く設定されることを特徴とする蒸気システムである。
請求項1に記載の発明によれば、ヒートポンプからの蒸気とボイラからの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置に設けた圧力センサの検出圧力に基づき圧縮機とボイラとを制御することで、ヒートポンプおよびボイラの一方または双方から所望の蒸気を得ることができる。これにより、蒸気使用設備における蒸気の使用負荷の変化に対応することも可能となる。
請求項1に記載の発明によれば、ボイラの設定圧力を、ヒートポンプの制御圧力よりも下げておくことで、ヒートポンプの運転を優先することができる。また、ヒートポンプの熱源の温度が低下したり、ヒートポンプの熱源が一時的になくなったりしても、ボイラから蒸気使用設備へ安定して蒸気を供給することができる。
請求項1に記載の発明によれば、工場などから排出される排温水など、被冷却流体の熱をくみ上げて蒸気を発生させることができる。また、蒸発器を通された後の被冷却流体の温度に基づき圧縮機を制御することができる。
請求項1に記載の発明によれば、蒸発器出口温度を所望に維持することで、ヒートポンプの効率を安定させることができる。
請求項2に記載の発明は、前記圧力センサの検出圧力に基づき、第一上限圧力と第一下限圧力との範囲で、且つその第一上限圧力を設定値として前記圧縮機を比例制御またはPID制御するか、前記温度センサの検出温度に基づき、第二上限温度と第二下限温度との範囲で、且つその第二下限温度を設定値として前記圧縮機を比例制御またはPID制御し、設定タイミングで次式により第一偏差率と第二偏差率とを求め、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御との内、偏差率の小さい方で前記圧縮機を制御することで、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御とを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気システムである。
第一偏差率=(第一上限圧力−現在圧力)/(第一上限圧力−第一下限圧力)
第二偏差率=(現在温度−第二下限温度)/(第二上限温度−第二下限温度)
偏差率が小さいほど、目標値に近いので、圧縮機の操作量は小さくなる。仮に、偏差率が大きい方、つまり操作量が大きい方で圧縮機を制御しようとすると、偏差率が小さい方、つまり操作量が小さい方は目標値にすぐに到達してしまうことになる。ところが、請求項2に記載の発明によれば、偏差率の小さい方の制御に適宜切り替えて制御することで、圧縮機が停止する頻度を少なくすることができる。また、停止するにしても、停止状態へ緩やかに移行することができる。さらに、圧力制御か温度制御かを手動設定する必要もない。
請求項3に記載の発明は、前記圧力センサの検出圧力に基づき、第一上限圧力と第一下限圧力との範囲で、且つその第一上限圧力を設定値として前記圧縮機を比例制御またはPID制御するか、前記温度センサの検出温度に基づき、第二上限温度と第二下限温度との範囲で、且つその第二下限温度を設定値として前記圧縮機を比例制御またはPID制御し、設定タイミングで、前記圧力センサによる制御における前記圧縮機の操作量と、前記温度センサによる制御における前記圧縮機の操作量とを求め、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御との内、操作量の小さい方で前記圧縮機を制御することで、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御とを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気システムである。
仮に、操作量が大きい方で圧縮機を制御しようとすると、操作量が小さい方は目標値にすぐに到達してしまうことになる。ところが、請求項3に記載の発明によれば、操作量の小さい方の制御に適宜切り替えて制御することで、圧縮機が停止する頻度を少なくすることができる。また、停止するにしても、停止状態へ緩やかに移行することができる。さらに、圧力制御か温度制御かを手動設定する必要もない。
請求項4に記載の発明は、複数段のヒートポンプを備え、最下段のヒートポンプの蒸発器において、冷媒と被冷却流体とを熱交換し、最上段のヒートポンプの凝縮器において、蒸気を発生させ、前記圧力センサの検出圧力に基づき、第一上限圧力と第一下限圧力との範囲で、且つその第一上限圧力を設定値として最上段のヒートポンプの圧縮機を比例制御またはPID制御するか、前記温度センサの検出温度に基づき、第二上限温度と第二下限温度との範囲で、且つその第二下限温度を設定値として最下段のヒートポンプの圧縮機を比例制御またはPID制御し、前記圧力センサの検出圧力に基づき最上段のヒートポンプの圧縮機を制御する場合、それより下段の各ヒートポンプの圧縮機は、その段の凝縮器または一つ上段の蒸発器の冷媒の圧力に基づき制御され、前記温度センサの検出温度に基づき最下段のヒートポンプの圧縮機を制御する場合、それより上段の各ヒートポンプの圧縮機は、その段の蒸発器または一つ下段の凝縮器の冷媒の圧力に基づき制御され、設定タイミングで次式により第一偏差率と第二偏差率とを求め、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御との内、偏差率の小さい方の制御に切り替えることで、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御とを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気システムである。
第一偏差率=(第一上限圧力−現在圧力)/(第一上限圧力−第一下限圧力)
第二偏差率=(現在温度−第二下限温度)/(第二上限温度−第二下限温度)
偏差率が小さいほど、目標値に近いので、各圧縮機の操作量は小さくなる。仮に、偏差率が大きい方、つまり操作量が大きい方で各圧縮機を制御しようとすると、偏差率が小さい方、つまり操作量が小さい方は目標値にすぐに到達してしまうことになる。ところが、請求項4に記載の発明によれば、偏差率の小さい方の制御に適宜切り替えて制御することで、各圧縮機が停止する頻度を少なくすることができる。また、停止するにしても、停止状態へ緩やかに移行することができる。さらに、圧力制御か温度制御かを手動設定する必要もない。
請求項5に記載の発明は、複数段のヒートポンプを備え、最下段のヒートポンプの蒸発器において、冷媒と被冷却流体とを熱交換し、最上段のヒートポンプの凝縮器において、蒸気を発生させ、前記圧力センサの検出圧力に基づき、第一上限圧力と第一下限圧力との範囲で、且つその第一上限圧力を設定値として最上段のヒートポンプの圧縮機を比例制御またはPID制御するか、前記温度センサの検出温度に基づき、第二上限温度と第二下限温度との範囲で、且つその第二下限温度を設定値として最下段のヒートポンプの圧縮機を比例制御またはPID制御し、前記圧力センサの検出圧力に基づき最上段のヒートポンプの圧縮機を制御する場合、それより下段の各ヒートポンプの圧縮機は、その段の凝縮器または一つ上段の蒸発器の冷媒の圧力に基づき制御され、前記温度センサの検出温度に基づき最下段のヒートポンプの圧縮機を制御する場合、それより上段の各ヒートポンプの圧縮機は、その段の蒸発器または一つ下段の凝縮器の冷媒の圧力に基づき制御され、設定タイミングで、前記圧力センサによる制御における最上段のヒートポンプの圧縮機の第一操作量(y1)と、前記温度センサによる制御における最下段のヒートポンプの圧縮機の第二操作量(y2)とから、前記第一操作量(y1)の前記第二操作量(y2)に対する比の値(y1/y2)を求め、この値が予め設定された定数未満なら、前記圧力センサによる制御を行う一方、前記定数以上なら前記温度センサによる制御を行うことで、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御とを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気システムである。
仮に、操作量が大きい方で各圧縮機を制御しようとすると、操作量が小さい方は目標値にすぐに到達してしまうことになる。ところが、請求項5に記載の発明によれば、操作量の小さい方の制御に適宜切り替えて制御することで、各圧縮機が停止する頻度を少なくすることができる。また、停止するにしても、停止状態へ緩やかに移行することができる。さらに、圧力制御か温度制御かを手動設定する必要もない。
請求項6に記載の発明は、前記凝縮器からの蒸気と前記ボイラからの蒸気とは、それぞれ逆止弁を介して互いに合流するよう構成され、前記圧力センサは、前記各逆止弁よりも下流に設置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蒸気システムである。
請求項6に記載の発明によれば、ヒートポンプが停止中、ボイラからの蒸気が凝縮器へ逆流するのが防止され、逆に、ボイラが停止中、ヒートポンプからの蒸気がボイラへ逆流するのが防止される。
請求項7に記載の発明は、前記ヒートポンプを複数台備え、前記各ヒートポンプの凝縮器からの蒸気と前記ボイラからの蒸気とが互いに合流するよう構成され、前記各ヒートポンプの凝縮器からの蒸気と前記ボイラからの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置に、前記圧力センサが設けられ、互いに異なる複数の前記第一設定圧力を用いて、前記各ヒートポンプの圧縮機を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蒸気システムである。
請求項7に記載の発明によれば、圧力上昇時、複数のヒートポンプを順に停止させ、圧力下降時、複数のヒートポンプを順に作動させることができる。
請求項8に記載の発明は、前記ボイラを複数台備え、前記ヒートポンプの凝縮器からの蒸気と前記各ボイラからの蒸気とが互いに合流するよう構成され、前記ヒートポンプの凝縮器からの蒸気と前記各ボイラからの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置に、前記圧力センサが設けられ、互いに異なる複数の前記第二設定圧力を用いて、前記各ボイラを制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の蒸気システムである。
請求項8に記載の発明によれば、圧力上昇時、複数のボイラを順に停止させ、圧力下降時、複数のボイラを順に作動させることができる。
請求項9に記載の発明は、前記圧力センサの検出圧力が上限値を超えるか、前記蒸発器の入口または出口の被冷却流体の温度が上限値を超えると、前記圧縮機を強制停止させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の蒸気システムである。
請求項9に記載の発明によれば、蒸気圧や被冷却流体の温度が上限値を超えると圧縮機を強制停止させることで、安全性を高めることができる。
さらに、請求項10に記載の発明は、工場などからの排温水、前記圧縮機の潤滑油の冷却水、前記圧縮機の冷却水、前記圧縮機のエンジンのジャケット冷却水、および前記ボイラからの排ガスの冷却水の内、少なくとも一つは、前記凝縮器への給水、前記蒸発器への給水、または前記ボイラへの給水とされるか、これら給水と熱交換されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の蒸気システムである。
請求項10に記載の発明によれば、工場などからの排温水や、各種冷却水として用いることで加温された水を、凝縮器への給水、蒸発器への給水、またはボイラへの給水として用いたり、これら給水と熱交換して給水の加温を図ったりすることができる。
本発明によれば、ヒートポンプとボイラとを備える蒸気システムにおいて、蒸気の使用負荷の変化に対応可能となる。また、蒸気発生用ヒートポンプに燃料焚きボイラなどを併設して、ヒートポンプによる蒸気発生を優先させつつ、蒸気使用設備へ安定して蒸気を供給することができる。
本発明の蒸気システムの一実施例を示す概略図である。 図1の蒸気システムにおける、蒸気圧とボイラおよび圧縮機の状態とを示す概略図である。 図2の変形例を示す図である。 図2において、ボイラおよび圧縮機が複数台の場合を示す図である。 図1の蒸気システムにおける、水温とバイパス弁および圧縮機の状態とを示す概略図である。 図5の変形例を示す図である。 圧力センサによる制御と温度センサによる制御とが切り替えられる複数段のヒートポンプを備える蒸気システムの一例を示す概略図である。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の蒸気システムの一実施例を示す概略図である。
本実施例の蒸気システム1は、ヒートポンプ2とボイラ3とを備える。
ヒートポンプ2は、蒸気圧縮式のヒートポンプであり、圧縮機4、凝縮器5、膨張弁6および蒸発器7が順次環状に接続されて構成される。そして、圧縮機4は、ガス冷媒を圧縮して高温高圧にする。また、凝縮器5は、圧縮機4からのガス冷媒を凝縮液化する。さらに、膨張弁6は、凝縮器5からの液冷媒を通過させることで、冷媒の圧力と温度とを低下させる。そして、蒸発器7は、膨張弁6からの冷媒の蒸発を図る。
従って、ヒートポンプ2は、蒸発器7において、冷媒が外部から熱を奪って気化する一方、凝縮器5において、冷媒が外部へ放熱して凝縮することになる。これを利用して、ヒートポンプ2は、蒸発器7において、温水(たとえば工場などから排出される排温水)、空気(空気圧縮機からの吐出空気のように熱を持った空気を含む)、または排ガスなどから熱をくみ上げ、凝縮器5において、水を加温して蒸気を発生させる。凝縮器5への給水としては、凝縮器5を構成する熱交換器内へのスケール(水中の硬度分が析出したもの)の付着を防止するために、純水または軟水であるのが好ましい。
ヒートポンプ2に用いる冷媒は、特に問わないが、炭素数が4以上のハイドロフルオロカーボン(HFC)またはこれに水および/または消火液を加えたもの、アルコール(たとえばエチルアルコールまたはメチルアルコール)またはこれに水および/または消火液を加えたもの、または水(たとえば純水または軟水)が好適に用いられる。
ヒートポンプ2は、単段に限らず、複数段でもよい。複数段の場合は、最下段のヒートポンプ2の蒸発器7において、温水、空気、排ガスなどから熱をくみ上げ、最上段のヒートポンプ2の凝縮器5において、水を加温して蒸気を発生させる。以下、特に明示のない限り、単に蒸発器7というときは、ヒートポンプ2が複数段の場合は最下段のヒートポンプ2の蒸発器7をいい、また単に凝縮器5というときは、ヒートポンプ2が複数段の場合は最上段のヒートポンプ2の凝縮器5をいう。
凝縮器5は、冷媒と水とを混ぜることなく熱交換する構成であれば、その具体的構成を特に問わない。たとえば、プレート式熱交換器またはシェルアンドチューブ式熱交換器が用いられる。凝縮器5への給水を制御して、凝縮器5内には所望量の水が貯留される。
単段のヒートポンプ2、または複数段のヒートポンプ2の内の一部または全部のヒートポンプ2において、凝縮器5から膨張弁6への冷媒と蒸発器7から圧縮機4への冷媒とを混ぜることなく熱交換する液ガス熱交換器(図示省略)を設置してもよい。これにより、蒸発器7から圧縮機4への冷媒は、液ガス熱交換器により、凝縮器5から膨張弁6への冷媒で過熱される。このようにして、圧縮機4の入口側のエンタルピを高めて、そしてそれにより圧縮機4の出口側のエンタルピも高めることで、ヒートポンプ2の成績係数(COP)を高めることができる。しかも、圧縮機4へ液冷媒が供給される不都合も防止できる。但し、複数段のヒートポンプ2の場合、最上段のヒートポンプ2には液ガス熱交換器を設けない方が好ましい。高温高圧となる最上段のヒートポンプ2には液ガス熱交換器を設けないことで、圧縮機4の出口側の温度上昇を防止することができ、圧縮機4の潤滑油の劣化を防止することができる。
単段のヒートポンプ2、または複数段のヒートポンプ2の内の最上段のヒートポンプ2において、凝縮器5と膨張弁6との間に、所望によりサブクーラ(図示省略)を設けてもよい。サブクーラは、凝縮器5から膨張弁6への冷媒と、凝縮器5への給水との間接熱交換器である。サブクーラにより、凝縮器5への給水で、凝縮器5から膨張弁6への冷媒を過冷却することができると共に、凝縮器5から膨張弁6への冷媒で、凝縮器5への給水を加温することができる。また、冷媒と水との熱交換は、顕熱による熱交換部としてのサブクーラと、主として潜熱による熱交換部としての凝縮器5とに分けられるので、伝熱効率を向上することができる。
圧縮機4は、圧縮機本体とその駆動装置とを備え、駆動装置はエンジン(典型的にはガスエンジンまたはディーゼルエンジン)および/またはモータから構成される。圧縮機4の制御の具体的態様としては、たとえば、駆動装置がオンオフ制御される。あるいは、圧縮機本体と駆動装置との間に、駆動装置から圧縮機本体への動力伝達装置(クラッチおよび/または変速機)を設けておき、駆動装置から圧縮機本体への動力伝達の有無や量を変更するように、動力伝達装置が制御される。あるいは、駆動装置を構成するモータをインバータで制御して、モータの回転数(回転速度ともいえる)を変える。あるいは、駆動装置を構成するエンジンのアクセルを制御して、エンジンの出力を変える。あるいは、圧縮機本体の冷媒吐出流量(吸込側を調整することにより吐出流量を変える場合も含む)を機械的に調整するために、圧縮機本体が制御される。これらの内、複数のものを組み合わせて、圧縮機4を制御してもよい。
ボイラ3は、典型的には燃料焚きボイラまたは電気ボイラである。燃料焚きボイラは、燃料の燃焼により水を蒸気化する装置であり、蒸気圧(後述する圧力センサ8の検出圧力)を所望に維持するように、燃焼の有無や量が調整される。また、電気ボイラは、電気ヒータにより水を蒸気化する装置であり、蒸気圧(後述する圧力センサ8の検出圧力)を所望に維持するように、電気ヒータへの電力供給の有無や量が調整される。
但し、ボイラ3は、燃料焚きボイラまたは電気ボイラに限らず、廃熱ボイラなどであってもよい。廃熱ボイラは、廃熱を用いて水を蒸気化する装置であり、蒸気圧(後述する圧力センサ8の検出圧力)を所望に維持するように、廃熱ボイラへの廃熱の供給の有無や量が調整される。廃熱ボイラの場合、その熱源は特に問わず、たとえば、圧縮機4のエンジンなどからの排ガス、またはSOFC(固体酸化物形燃料電池)からの廃熱を用いることができる。
凝縮器5からの蒸気路9と、ボイラ3からの蒸気路10とは、合流するよう構成(たとえば合流するよう配管)される。この合流は、蒸気ヘッダを用いて行うこともできる。なお、凝縮器5からの蒸気路9と、ボイラ3からの蒸気路10とには、合流部よりも手前に、それぞれ逆止弁11,12が設けられている。これにより、ヒートポンプ2が停止中、ボイラ3からの蒸気が凝縮器5へ逆流するのが防止され、逆に、ボイラ3が停止中、ヒートポンプ2からの蒸気がボイラ3へ逆流するのが防止される。
ヒートポンプ2(具体的にはその凝縮器5)からの蒸気とボイラ3からの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置には、圧力センサ8が設けられる。図示例では、凝縮器5およびボイラ3からの蒸気が合流された後の蒸気路13に、圧力センサ8が設けられているが、ヒートポンプ2からの蒸気とボイラ3からの蒸気とを蒸気ヘッダで合流させる場合、その蒸気ヘッダに圧力センサ8を設けてもよい。また、合流蒸気の圧力を検出可能であれば、凝縮器5からの蒸気路9であって合流部よりも上流側でもよいし、ボイラ3からの蒸気路10であって合流部よりも上流側に設けてもよい。但し、逆止弁11,12を設ける場合には、逆止弁11,12より下流側に設けられる。
いずれにしても、この圧力センサ8の検出圧力に基づき、ヒートポンプ2とボイラ3が制御される。典型的には、ヒートポンプ2の圧縮機4と、ボイラ3の燃焼とが制御される。
ところで、図1ではヒートポンプ2は一台のみを示しているが、ヒートポンプ2は並列に複数台であってもよい。その場合、各ヒートポンプ2の凝縮器5からの蒸気と、ボイラ3からの蒸気とが互いに合流するよう構成される。また、各ヒートポンプ2の凝縮器5からの蒸気とボイラ3からの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置に、圧力センサ8が設けられる。そして、その圧力センサ8の検出圧力に基づき、各ヒートポンプ2の圧縮機4とボイラ3が制御される。
また、図1ではボイラ3は一台のみを示しているが、ボイラ3は複数台であってもよい。その場合、ヒートポンプ2の凝縮器5からの蒸気と、各ボイラ3からの蒸気とが互いに合流するよう構成される。また、ヒートポンプ2の凝縮器5からの蒸気と各ボイラ3からの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置に、圧力センサ8が設けられる。そして、その圧力センサ8の検出圧力に基づき、ヒートポンプ2の圧縮機4と各ボイラ3が制御される。
さらに、ヒートポンプ2とボイラ3の双方がそれぞれ複数台であってもよい。その場合、各ヒートポンプ2の凝縮器5からの蒸気と、各ボイラ3からの蒸気とが互いに合流するよう構成される。また、各ヒートポンプ2の凝縮器5からの蒸気と各ボイラ3からの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置に、圧力センサ8が設けられる。そして、その圧力センサ8の検出圧力に基づき、各ヒートポンプ2の圧縮機4と各ボイラ3が制御される。
いずれにしても、圧力センサ8の検出圧力に基づき、ヒートポンプ2の圧縮機4と、ボイラ3が制御される。典型的には、圧縮機4は、圧力センサ8の検出圧力を第一設定圧力P1に維持するよう制御され、ボイラ3は、圧力センサ8の検出圧力を第二設定圧力P2に維持するよう制御される。この際、第二設定圧力P2を第一設定圧力P1よりも低く設定しておけば、ヒートポンプ2による蒸気発生を、ボイラ3による蒸気発生に優先させることができる。
図2は、圧力センサ8の検出圧力、ボイラ3の動作状態、およびヒートポンプ2の動作状態を示す概略図である。ここでは、ヒートポンプ2が第一設定圧力P1でオンオフされ、ボイラ3が第二設定圧力P2でオンオフされる例について説明する。
圧力センサ8の検出圧力が第二設定圧力P2未満であると、ヒートポンプ2の圧縮機4が駆動されると共にボイラ3も駆動される。これにより、ヒートポンプ2およびボイラ3からの蒸気が蒸気使用設備へ供給される。そして、第二設定圧力P2以上になると、ボイラ3が停止し、ヒートポンプ2から蒸気供給される。圧力センサ8の検出圧力が第一設定圧力P1以上になると、圧縮機4が停止し、ヒートポンプ2からの蒸気供給も停止される。そして、圧力センサ8の検出圧力が第一設定圧力P1未満になると、圧縮機4が駆動され、その後、ヒートポンプ2による蒸気だけでは賄い切れず、第二設定圧力P2未満になると、ボイラ3が作動してボイラ3からも蒸気が供給される。
第一設定圧力P1および第二設定圧力P2には、所望によりそれぞれディファレンシャル(動作隙間)が設定されるのは言うまでもない。また、圧縮機4は、その駆動と停止のオンオフ制御でなく、たとえば回転数を調整することで、比例制御やPID制御されてもよい。また、ボイラ3も、オンオフ制御(たとえば燃料焚きボイラでは燃焼とその停止)ではなく、三位置制御(たとえば燃料焚きボイラでは高燃焼、低燃焼、停止)、または比例制御やPID制御(たとえば燃料焚きボイラでは燃焼量の調整)されてもよい。なお、燃料焚きボイラを三位置制御する場合、低燃焼時の設定圧が第二設定圧力P2に相当し、高燃焼時の設定圧はそれより低圧に設定される。
図3に基づきさらに詳細に説明する。なお、図3では、第一設定圧力P1のディファレンシャル(または比例帯)P1H〜P1Lと、第二設定圧力P2のディファレンシャル(または比例帯)P2H〜P2Lとはオーバーラップしていないが、一部をオーバーラップさせてもよい。つまり、第二上限圧力P2Hは、第一下限圧力P1Lよりも高圧に設定されてもよい。
まず、第一設定圧力P1および第二設定圧力P2に、それぞれディファレンシャルが設定されたオンオフ制御を説明する。この場合、第一設定圧力P1については、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとが設定され、圧力上昇時、圧力センサ8の検出圧力が第一上限圧力P1H以上になると圧縮機4が停止し、圧力下降時、圧力センサ8の検出圧力が第一下限圧力P1L未満になると圧縮機4が駆動する。また、第二設定圧力P2については、第二上限圧力P2Hと第二下限圧力P2Lとが設定され、圧力上昇時、第二上限圧力P2H以上になるとボイラ3が停止し、圧力下降時、第二下限圧力P2L未満になるとボイラ3が作動する。
次に、圧縮機4とボイラ3を比例制御する場合の一例について説明する。この場合、圧力センサ8の検出圧力に基づき、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとの範囲で、且つその第一上限圧力P1Hを設定値(目標値)として圧縮機4を比例制御する。典型的には圧縮機4の回転数を変える。また、圧力センサ8の検出圧力に基づき、第二上限圧力P2Hと第二下限圧力P2Lとの範囲で、且つその第二上限圧力P2Hを設定値(目標値)としてボイラ3を比例制御する。これには、燃料焚きボイラの場合には燃焼量を調整し、電気ボイラの場合には電気ヒータへの給電量を調整し、廃熱ボイラの場合には供給熱量を調整すればよい。ここで、第一上限圧力P1H以上では、圧縮機4は停止し、第一下限圧力P1L未満では、圧縮機4は全負荷運転する。また、第二上限圧力P2H以上では、ボイラ3は停止し、第二下限圧力P2L未満では、ボイラ3は全負荷運転する。なお、比例制御ではなくPID制御を行ってもよい。
いずれの場合も、後述する温度センサ14により蒸発器7の出口側の水温を監視し、この温度が下限値未満になると、ヒートポンプ2を運転しても所望の蒸気を得られないとして、圧縮機4を停止させてもよい。
第二設定圧力P2を第一設定圧力P1よりも低く設定しておくことで、ヒートポンプ2の運転を優先しつつ、蒸気使用設備へ蒸気を安定して供給することができる。つまり、ヒートポンプ2の運転を優先させつつ、それでは足りない場合にボイラ3からの蒸気を蒸気使用設備へ送ることができる。
図4は、図2の変形例を示す図であり、ボイラ3およびヒートポンプ2の双方が複数台である例を示している。
ヒートポンプ2が複数台の場合、互いに異なる複数の第一設定圧力P1(P1´,P1´´,…)を用いて、各ヒートポンプ2(2A,2B,…)の圧縮機4を制御すればよい。これにより、圧力上昇時、複数のヒートポンプ2は順に停止され、圧力下降時、複数のヒートポンプ2は順に作動を開始することになる。
図示例では、第一ヒートポンプ2Aの第一設定圧力P1´と、第二ヒートポンプ2Bの第一設定圧力P1´´とが互いにずらして設定されて、各ヒートポンプ2A,2Bの圧縮機4,4が制御される。具体的には、圧力上昇時、まずP1´以上になると第一ヒートポンプ2Aが停止し、P1´´以上になると第二ヒートポンプ2Bも停止する。また、圧力下降時、P1´´未満になると第二ヒートポンプ2Bが運転を開始し、P1´未満になると第一ヒートポンプ2Aも運転を開始する。
ヒートポンプ2を複数台備え、互いに異なる複数の第一設定圧力P1を用いて、ヒートポンプ2の運転台数を変更する場合、発停させるヒートポンプ2は次のようにして切り替えるのが好ましい。すなわち、いずれか1台を停止させる際には、稼働時間の長い圧縮機4を停止させ、いずれか1台を駆動する際には、稼働時間の短い圧縮機4を駆動するのがよい。なお、稼働時間として、各圧縮機4の積算回転数を用いてもよい。
一方、ボイラ3が複数台の場合、互いに異なる複数の第二設定圧力P2(P2´,P2´´,…)を用いて、各ボイラ3(3A,3B,…)を制御すればよい。これにより、圧力上昇時、複数のボイラ3は順に停止され、圧力下降時、複数のボイラ3は順に作動を開始することになる。
図示例では、第一ボイラ3Aの第二設定圧力P2´と、第二ボイラ3Bの第二設定圧力P2´´とが互いにずらして設定されて、各ボイラ3A,3Bが制御される。具体的には、圧力上昇時、まずP2´以上になると第一ボイラ3Aが停止し、P2´´以上になると第二ボイラ3Bも停止する。また、圧力下降時、P2´´未満になると第二ボイラ3Bが運転を開始し、P2´未満になると第一ボイラ3Aも運転を開始する。
ボイラ3を複数台備え、互いに異なる複数の第二設定圧力P2を用いて、ボイラ3の運転台数を変更する場合、発停させるボイラ3は次のようにして切り替えるのが好ましい。すなわち、いずれか1台を停止させる際には、稼働時間の長いボイラ3を停止させ、いずれか1台を駆動する際には、稼働時間の短いボイラ3を駆動するのがよい。
なお、図4では、ボイラ3およびヒートポンプ2の双方が2台の例を示したが、ボイラ3およびヒートポンプ2の一方が一台の場合、およびボイラ3およびヒートポンプ2の一方または双方が3台以上の場合も、同様にして制御可能である。また、ここでは、オンオフ制御する場合を例に説明したが、前述したように比例制御やPID制御してもよいことは言うまでもない。
ところで、本実施例の蒸気システム1は、凝縮器5からの蒸気圧に基づき圧縮機4を制御する以外に、蒸発器7を通された後の水温に基づき圧縮機4を制御してもよい。具体的には、蒸発器7にて冷却後の水温を検出するために、蒸発器7またはそこからの排水路15には温度センサ14が設けられ、この温度センサ14の検出信号に基づきヒートポンプ2の圧縮機4が制御される。このような構成の場合、蒸発器7において、所望温度まで確実に温水を冷却することができる。
蒸発器7を通された後の水温に基づき圧縮機4を制御する場合、凝縮器5にて発生させる蒸気量を直接には制御できないが、前述したように蒸気システム1にボイラ3を併設して、圧力センサ8の検出信号に基づきボイラ3を制御することで、蒸気使用設備へは安定して蒸気を供給することができる。
蒸発器7を通された後の水温に基づき圧縮機4を制御する場合、蒸発器7に対する給排水は図1のような構成とするのが好ましい。すなわち、蒸発器7への給水路16と蒸発器7からの排水路15とがバイパス路17で接続され、排水路15には、バイパス路17との合流部より上流側に温度センサ14が設けられる。この温度センサ14により、蒸発器7の出口側の水温が監視される。
また、蒸発器7を介することなくバイパス路17を介して排水路15へ流すバイパス流量を調整可能に構成される。具体的には、図示例の場合、給水路16とバイパス路17との分岐部に、三方弁からなるバイパス弁18が設けられる。但し、分岐部に三方弁を設置する代わりに、分岐部より下流の給水路16および/またはバイパス路17に弁を設けて、バイパス流量を調整可能としてもよい。いずれにしても、バイパス流量を調整することで、蒸発器7を通す流量が調整される。
図5は、温度センサ14の検出温度、バイパス弁18の開閉状態、および圧縮機4の動作状態を示す概略図である。ここでは、バイパス弁18が第一設定温度T1で開閉され、圧縮機4が第二設定温度T2でオンオフされる例について説明する。なお、バイパス弁18をオンオフ制御する場合、バイパス弁18が閉鎖されると、バイパス路17への給水が完全に停止される一方、バイパス弁18が開放されると、バイパス路17への給水が開始される。この際、蒸発器7とバイパス路17とに所定割合で給水してもよいし、蒸発器7への給水は停止してもよい。
温度センサ14の検出温度が第二設定温度T2未満であると、ヒートポンプ2を運転しても所望の蒸気を得られないとして、圧縮機4が停止されると共にバイパス弁18は閉鎖している。この状態では、ボイラ3からの蒸気が蒸気使用設備へ供給される。そして、第二設定温度T2以上になると、圧縮機4が作動し、ヒートポンプ2から蒸気が供給される。温度センサ14の検出温度が第一設定温度T1以上になると、バイパス弁18が開放し、ヒートポンプ2の保護が図られる。なお、温度センサ14の検出温度がさらに上昇して上限値TH以上になると、圧縮機4を強制停止するのがよい。
第一設定温度T1および第二設定温度T2には、所望によりそれぞれディファレンシャル(動作隙間)が設定されるのは言うまでもない。また、圧縮機4およびバイパス弁18は、オンオフ制御だけでなく、比例制御されてもよい。
これらの場合について、図6に基づき説明する。なお、図6では、第一設定温度T1のディファレンシャル(または比例帯)T1H〜T1Lと、第二設定温度T2のディファレンシャル(または比例帯)T2H〜T2Lとはオーバーラップしていないが、一部をオーバーラップさせてもよい。つまり、第二上限温度T2Hは、第一下限温度T1Lよりも高温に設定されてもよい。
まず、第一設定温度T1および第二設定温度T2に、それぞれディファレンシャルが設定されたオンオフ制御を説明する。この場合、第一設定温度T1については、第一上限温度T1Hと第一下限温度T1Lとが設定され、温度上昇時、温度センサ14の検出温度が第一上限温度T1H以上になるとバイパス弁18が開き、温度下降時、温度センサ14の検出温度が第一下限温度T1L未満になるとバイパス弁18が閉じる。また、第二設定温度T2については、第二上限温度T2Hと第二下限温度T2Lとが設定され、温度上昇時、第二上限温度T2H以上になると圧縮機4が作動し、温度下降時、第二下限温度T2L未満になると圧縮機4が停止する。
次に、圧縮機4とバイパス弁18を比例制御する場合の一例について説明する。この場合、温度センサ14の検出温度に基づき、第一上限温度T1Hと第一下限温度T1Lとの範囲で、且つその第一下限温度T1Lを設定値(目標値)としてバイパス弁18を比例制御する。また、温度センサ14の検出温度に基づき、第二上限温度T2Hと第二下限温度T2Lとの範囲で、且つその第二下限温度T2Lを設定値(目標値)として圧縮機4を比例制御する。ここで、第一下限温度T1L未満では、バイパス弁18は全閉し、第一上限温度T1H以上では、バイパス弁18は全開する。また、第二下限温度T2L未満では、圧縮機4は停止し、第二上限温度T2H以上では、圧縮機4は全負荷運転する。なお、比例制御ではなくPID制御を行ってもよい。
いずれの場合も、前述した圧力センサ8により蒸気圧を監視し、この圧力が上限値以上になると、ヒートポンプ2を運転して蒸気を発生させる必要はないので、圧縮機4を停止させるのがよい。また、バイパス弁18は、温度センサ14の検出温度に基づき制御される以外に、この制御と同様に開閉される自力式の温調弁とされてもよい。
これまで述べたように、圧縮機4は、圧力センサ8の検出圧力に基づき制御される(図2,図3)他、これに代えて温度センサ14の検出温度に基づき制御される(図5,図6)。但し、圧縮機4は、圧力センサ8と温度センサ14の双方に基づき、制御されてもよい。その一例について、次に説明する。これは、図3による制御と、図6による制御との組合せといえる。
まず、圧縮機4は、圧力センサ8の検出圧力に基づき、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとの範囲で、且つその第一上限圧力P1Hを設定値として比例制御可能とされる。また、圧縮機4は、温度センサ14の検出温度に基づき、第二上限温度T2Hと第二下限温度T2Lとの範囲で、且つその第二下限温度T2Lを設定値として比例制御可能とされる。そして、設定タイミング(たとえば設定時間ごと)で、次式により第一偏差率η1と第二偏差率η2とを求め、圧力センサ8による制御と温度センサ14による制御との内、偏差率の小さい方の制御に切り替えて、圧縮機4を制御すればよい。具体的には、η1<η2の関係にある場合、圧力センサ8の検出圧力に基づき圧縮機4を比例制御すればよく、η1>η2の関係にある場合、温度センサ14の検出温度に基づき圧縮機4を比例制御すればよい。なお、現在圧力Pとは、圧力センサ8による検出圧力であり、現在温度Tとは、温度センサ14による検出温度である。
第一偏差率η1=(第一上限圧力P1H−現在圧力P)/(第一上限圧力P1H−第一下限圧力P1L)
第二偏差率η2=(現在温度T−第二下限温度T2L)/(第二上限温度T2H−第二下限温度T2L)
偏差率が小さいほど、目標値に近いので、圧縮機4の操作量は小さくなる。仮に、偏差率が大きい方、つまり操作量が大きい方で圧縮機4を制御しようとすると、偏差率が小さい方、つまり操作量が小さい方は目標値にすぐに到達してしまうことになる。ところが、偏差率の小さい方の制御に適宜切り替えて制御することで、圧縮機4が停止する頻度を少なくすることができる。また、停止するにしても、停止状態へ緩やかに移行することができる。さらに、圧力制御か温度制御かを手動設定する必要もない。
この制御中、温度センサ14の検出温度が下限値未満になったり、温度センサ14の検出温度が上限値以上になったり、圧力センサ8の検出圧力が上限値以上になったりすると、圧縮機4を強制停止させるのがよい。なお、比例制御ではなくPID制御を行ってもよい。
圧力センサ8による制御と温度センサ14による制御とは、上述したように偏差率に基づき切り替える以外に、圧縮機4の操作量に基づき切り替えてもよい。この場合も、圧縮機4は、圧力センサ8の検出圧力に基づき、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとの範囲で、且つその第一上限圧力P1Hを設定値として比例制御またはPID制御可能とされる。また、圧縮機4は、温度センサ14の検出温度に基づき、第二上限温度T2Hと第二下限温度T2Lとの範囲で、且つその第二下限温度T2Lを設定値として比例制御またはPID制御可能とされる。そして、設定タイミング(たとえば設定時間ごと)で、圧力センサ8による制御における圧縮機4の操作量と、温度センサ14による制御における圧縮機4の操作量とを求め、圧力センサ8による制御と温度センサ14による制御との内、操作量の小さい方で圧縮機4を制御すればよい。たとえば、圧力センサ8による制御では操作量Xとする必要がある一方、温度センサ14による制御では操作量Yとする必要がある場合において、X<Yの関係にある場合、圧力センサ8の検出圧力に基づき圧縮機4を制御すればよく、X>Yの関係にある場合、温度センサ14の検出温度に基づき圧縮機4を制御すればよい。
ところで、蒸気システム1が複数段のヒートポンプ2を備える場合、蒸気システム1は複数の圧縮機4を備えることになる。その他、複数の圧縮機4を備える場合として、単段または複数段の各ヒートポンプ2の蒸発器7と凝縮器5との間に、圧縮機4を並列に複数台設置する場合もある。また、複数のヒートポンプ2を並列に設置する場合もある。いずれの場合も、複数の圧縮機4は、それぞれ圧縮機本体とその駆動装置とから構成し、複数の圧縮機本体をベルト伝動装置などにより共通の駆動装置で駆動してもよい。
また、複数の圧縮機4は、共通の制御器および/または個別の制御器で制御することができる。この際、ヒートポンプ2の蒸発器7と凝縮器5との間に複数の圧縮機4を並列に設置している場合、または蒸気発生用ヒートポンプ2を並列に設置して蒸気を合流させる場合、凝縮器5にて発生させた蒸気圧、および/または蒸発器7を通された後の水温に基づき、複数の圧縮機4の内の運転台数を変更してもよい。
また、凝縮器5にて発生させた蒸気圧、および/または蒸発器7を通された後の水温に基づき、複数の圧縮機4の内、少なくとも一の圧縮機4について、冷媒の吐出流量を調整してもよい。少なくとも一台の圧縮機4で、冷媒の吐出流量を調整すれば、例えば運転台数の変更を滑らかに行うことができる。なお、冷媒の吐出流量の調整は、たとえば、圧縮機本体を駆動するモータをインバータ制御することで実現できる。
また、圧縮機4の駆動装置として、エンジンおよびモータの双方を備える場合、このエンジンおよびモータの内、いずれを用いて圧縮機4を運転するか、または双方を用いて圧縮機4を運転するかを、凝縮器5にて発生させた蒸気圧、または蒸発器7を通された後の水温に基づき変更してもよい。なお、エンジンとモータとを備え、圧縮機4の制御をクラッチで行う場合、クラッチを切り離した状態でもエンジンは駆動したままであるから、その間はエンジンにより発電機で発電するのに適する。
さらに、凝縮器5にて発生させた蒸気圧は、前述したように設定範囲内に維持されるが、万一、その範囲を超えて設定上限値PHに達すると、ヒートポンプ2の圧縮機4を強制停止させるよう構成しておけば、安全性を高めることができる。なお、水側の蒸気圧ではなく、冷媒側の蒸気圧を監視してもよい。その他、蒸発器7の入口または出口における被冷却流体(排温水など)の温度、またはヒートポンプサイクル内の冷媒の圧力または温度(たとえば、圧縮機4、膨張弁6または中間冷却器の入口または出口における冷媒の圧力または温度)を監視して、それが上限値を超えるとヒートポンプ2の運転にインターロックをかけるよう構成してもよい。
本発明の蒸気システム1は、前記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。特に、ヒートポンプ2は、単段に限らず複数段とすることもできる。ヒートポンプ2を複数段にする場合、隣接する段のヒートポンプ2,2同士は、間接熱交換器を用いて接続されてもよいし、直接熱交換器(中間冷却器)を用いて接続されてもよい。後者の場合、下段ヒートポンプの圧縮機4からの冷媒と上段ヒートポンプの膨張弁6からの冷媒とを受けて、両冷媒を直接に接触させて熱交換する中間冷却器を備え、この中間冷却器が下段ヒートポンプの凝縮器5であると共に上段ヒートポンプの蒸発器7とされる。このように、複数段(多段)のヒートポンプには、一元多段のヒートポンプの他、複数元(多元)のヒートポンプ、あるいはそれらの組合せのヒートポンプが含まれる。
複数段のヒートポンプ2を用いる場合、隣接する段のヒートポンプ2,2同士が間接熱交換器を用いて接続されることにより、上下のヒートポンプ2,2の冷媒同士が混ざらないのであれば、上下のヒートポンプ2,2で互いに異なる冷媒を用いてもよい。この際、下段ヒートポンプは、上段ヒートポンプよりも沸点の低い冷媒を用いるのが好ましい。仮に上下のヒートポンプ2,2に同一冷媒を用いる場合、下段ヒートポンプの方が低温になるので、冷媒の比容積が大きくなる。そのため、上下段の熱交換を行う熱交換器で上段冷媒の蒸発に必要な熱量を供給するために必要な下段冷媒の質量流量を作り出すためには、下段圧縮機の吸込み体積流量を大きくする必要があり、圧縮機が大型になる。ところが、複数段のヒートポンプにおいて、上段よりも下段の方が沸点の低い冷媒を用いることで、下段の冷媒の比容積を小さくできるので、圧縮機の大型化を防止することができる。
圧力センサ8の検出圧力に基づき複数段のヒートポンプ2を制御する場合、たとえば、最上段のヒートポンプ2の圧縮機4は、圧力センサ8の検出圧力に基づき制御され、それより下段の各ヒートポンプ2の圧縮機4は、それぞれ対応する段のヒートポンプ2の凝縮器5における冷媒(または一つ上段のヒートポンプ2の蒸発器7における冷媒)の圧力または温度に基づき制御すればよい。
温度センサ14の検出温度に基づき複数段のヒートポンプ2を制御する場合、たとえば、最下段のヒートポンプ2の圧縮機4は、温度センサ14の検出温度に基づき制御され、それより上段の各ヒートポンプ2の圧縮機4は、それぞれ対応する段のヒートポンプ2の蒸発器7における冷媒(または一つ下段のヒートポンプ2の凝縮器5における冷媒)の圧力または温度に基づき制御すればよい。
圧力センサ8による制御と温度センサ14による制御とを、偏差率または操作量に基づき切替制御する場合において、図7に示すように、ヒートポンプ2は複数段であってもよい。なお、図7では、2段のヒートポンプ2X,2Yを示しているが、3段以上も同様に制御可能である。また、図7では、液ガス熱交換器やサブクーラなどを設けていないが、これらを設けてもよいことは言うまでもない。
この場合、最上段のヒートポンプ2Yの圧縮機4Yは、圧力センサ8の検出圧力に基づき、第一上限圧力P1Hと第一下限圧力P1Lとの範囲で、且つその第一上限圧力P1Hを設定値として比例制御またはPID制御可能とされる。また、最下段のヒートポンプ2Xの圧縮機4Xは、温度センサ14の検出温度に基づき、第二上限温度T2Hと第二下限温度T2Lとの範囲で、且つその第二下限温度T2Lを設定値として比例制御またはPID制御可能とされる。
そして、破線で示すように、圧力センサ8の検出圧力に基づき最上段のヒートポンプ2Yの圧縮機4Yを制御する場合、それより下段の各ヒートポンプ2Xの圧縮機4Xは、その段の凝縮器5Xまたは一つ上段の蒸発器7Yの冷媒の圧力(冷媒圧センサ20の検出圧力)に基づき制御される。また、一点鎖線で示すように、温度センサ14の検出温度に基づき最下段のヒートポンプ2Xの圧縮機4Xを制御する場合、それより上段の各ヒートポンプ2Yの圧縮機4Yは、その段の蒸発器7Yまたは一つ下段の凝縮器5Xの冷媒の圧力(冷媒圧センサ20の検出圧力)に基づき制御される。なお、凝縮器5の冷媒の圧力は、圧縮機4出口から膨張弁6入口までのいずれの箇所で検出してもよく、蒸発器7の冷媒の圧力は、膨張弁6出口から圧縮機4入口までのいずれの箇所で検出してもよい。
そして、偏差率に基づき切替制御する場合、設定タイミングで、上述したのと同様に第一偏差率η1と第二偏差率η2とを求め、圧力センサ8による制御と温度センサ14による制御との内、偏差率の小さい方の制御に切り替えればよい。
あるいは、操作量に基づき切替制御する場合、設定タイミングで、圧力センサ8による制御における最上段の圧縮機4Yの操作量(第一操作量y1)と、温度センサ14による制御における最下段の圧縮機4Xの操作量(第二操作量y2)とから、第一操作量y1の第二操作量y2に対する比の値y1/y2を求め、この値が予め設定された定数未満なら、圧力センサ8による制御を行う一方、前記定数以上なら温度センサ14による制御を行えばよい。
単段または複数段の各ヒートポンプ2は、図1の構成に限らず、適宜に変更可能である。たとえば、蒸発器7を並列に設置したり、膨張弁6と蒸発器7とのセットを並列に設置したりしてもよい。また、圧縮機4の出口側に油分離器を設置したり、凝縮器5の出口側に受液器を設置したりしてもよい。さらに、圧縮機4の入口側にアキュムレータを設置してもよい。
前記実施例では、ヒートポンプ2では、温水から熱をくみ上げて蒸気を発生させる例について説明したが、温水に代えて、空気や排ガスなどを用いてもよい。また、凝縮器5やボイラ3の各出口に、気水分離器を設けて蒸気の乾き度を向上するようにしてもよい。
その他、凝縮器5は、断熱材で囲ってもなお放熱があるので、この放熱を用いて加温した水を、凝縮器5において蒸気化してもよい。
また、圧縮機4からも放熱があるので、この放熱を用いて加温した水を、凝縮器5へ供給して蒸気化してもよい。凝縮器5への給水で圧縮機4を冷却するには、圧縮機本体のケーシングに設けた水冷壁に水を通せばよい。
また、単段または最下段のヒートポンプ2の蒸発器7へは、凝縮器5および/または圧縮機4の熱で加温された水を供給してもよい。
さらに、工場などから排出される排温水、圧縮機4の冷却水として用いた水、エンジン(圧縮機4の駆動装置)のオイルクーラにおいて冷却水として用いた水、エンジンのジャケットの冷却水として用いた水、および、ボイラ3からの排ガスの冷却水として用いた水の内、一または複数を用いて、凝縮器5への給水の加温、蒸発器7への給水の加温、またはボイラ3への給水の加温ができる他、前記各冷却水として用いた水自体を凝縮器5やボイラ3への給水に用いたり、蒸発器7に通したりしてもよい。たとえば、凝縮器5への給水路19(給水路19にサブクーラを設ける場合にはそれより上流側)に、間接熱交換器を設置して、工場などからの排温水またはオイルクーラなどを通過後の水で、凝縮器5への給水の加温を図ることができる。
また、図1では、蒸発器7への給水路16と蒸発器7からの排水路15とをバイパス路17で接続し、給水路16とバイパス路17との分岐部に設けたバイパス弁18により蒸発器7に通す給水量を調整する構成としたが、蒸発器7を通過する水量を調整可能であれば適宜に変更可能である。たとえば、蒸発器7への給水路16に三方弁を設けて、給水の一部を分岐させる点は図1と同じであるが、その分岐水を排水路15に合流させずに、別系統としたり、クーリングタワーに戻したり、あるいはそのまま排水したりしてもよい。あるいは、図1において、バイパス路17およびバイパス弁18の設置を省略する代わりに、給水路16に弁を設けて、その弁の開閉または開度を調整してもよい。なお、いずれの場合も、排水路15からの排水は、そのまま捨てられるか、クーリングタワーなどに戻されるか、あるいは蒸発器7にて冷却された水なら設備へ戻してもよい。
ところで、ヒートポンプ2の運転に伴い、凝縮器5内の水が濃縮するので、適宜、排水弁(図示省略)を開けて排水(ブロー)し、凝縮器5内の水の一部または全部が入れ替えるのがよい。この排水のタイミングは、電気伝導度センサにより水の濃縮度を検知してもよいが、圧縮機4の積算回転数を利用するのが簡易である。具体的には、直前のブローからの圧縮機4の積算回転数で、次回のブローのタイミングを決定することができる。発生させた蒸気量で濃縮度が変化すること、および蒸気量は圧縮機4の回転数に比例することを考慮したものである。
1 蒸気システム
2 ヒートポンプ
3 ボイラ
4 圧縮機
5 凝縮器
6 膨張弁
7 蒸発器
8 圧力センサ
11 逆止弁
12 逆止弁
14 温度センサ
15 排水路
16 給水路
17 バイパス路
18 バイパス弁
P1 第一設定圧力
P1H 第一上限圧力
P1L 第一下限圧力
P2 第二設定圧力
T1 第一設定温度
T2 第二設定温度
T2H 第二上限温度
T2L 第二下限温度

Claims (10)

  1. 圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が順次環状に接続されて冷媒を循環させ、前記凝縮器において前記冷媒と水とを熱交換して蒸気を発生させるヒートポンプと、
    蒸気を発生させ、この蒸気を前記凝縮器からの蒸気に合流させるボイラと、
    前記凝縮器からの蒸気と前記ボイラからの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置に設けられる圧力センサとを備え、
    前記蒸発器において、前記冷媒と被冷却流体とを熱交換して被冷却流体の冷却を図り、
    前記圧力センサの検出圧力に基づき、前記圧縮機および前記ボイラを制御可能であると共に、前記蒸発器の出口側に設けた温度センサの検出温度に基づき、前記圧縮機を制御可能であり、
    前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御とを切り替えて前記圧縮機を制御し、
    前記圧力センサによる制御では、前記圧縮機は、前記圧力センサの検出圧力を第一設定圧力に維持するよう制御され、
    前記ボイラは、前記圧力センサの検出圧力を第二設定圧力に維持するよう制御され、
    前記第二設定圧力は、前記第一設定圧力よりも低く設定され
    前記温度センサによる制御では、前記温度センサの検出温度を第二設定温度に維持するよう前記圧縮機が制御され、
    前記温度センサの検出温度を第一設定温度に維持するよう前記蒸発器への被冷却流体供給量が制御され、
    前記第二設定温度は、前記第一設定温度よりも低く設定される
    ことを特徴とする蒸気システム。
  2. 前記圧力センサの検出圧力に基づき、第一上限圧力と第一下限圧力との範囲で、且つその第一上限圧力を設定値として前記圧縮機を比例制御またはPID制御するか、
    前記温度センサの検出温度に基づき、第二上限温度と第二下限温度との範囲で、且つその第二下限温度を設定値として前記圧縮機を比例制御またはPID制御し、
    設定タイミングで次式により第一偏差率と第二偏差率とを求め、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御との内、偏差率の小さい方で前記圧縮機を制御することで、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御とを切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の蒸気システム。
    第一偏差率=(第一上限圧力−現在圧力)/(第一上限圧力−第一下限圧力)
    第二偏差率=(現在温度−第二下限温度)/(第二上限温度−第二下限温度)
  3. 前記圧力センサの検出圧力に基づき、第一上限圧力と第一下限圧力との範囲で、且つその第一上限圧力を設定値として前記圧縮機を比例制御またはPID制御するか、
    前記温度センサの検出温度に基づき、第二上限温度と第二下限温度との範囲で、且つその第二下限温度を設定値として前記圧縮機を比例制御またはPID制御し、
    設定タイミングで、前記圧力センサによる制御における前記圧縮機の操作量と、前記温度センサによる制御における前記圧縮機の操作量とを求め、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御との内、操作量の小さい方で前記圧縮機を制御することで、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御とを切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の蒸気システム。
  4. 複数段のヒートポンプを備え、
    最下段のヒートポンプの蒸発器において、冷媒と被冷却流体とを熱交換し、
    最上段のヒートポンプの凝縮器において、蒸気を発生させ、
    前記圧力センサの検出圧力に基づき、第一上限圧力と第一下限圧力との範囲で、且つその第一上限圧力を設定値として最上段のヒートポンプの圧縮機を比例制御またはPID制御するか、
    前記温度センサの検出温度に基づき、第二上限温度と第二下限温度との範囲で、且つその第二下限温度を設定値として最下段のヒートポンプの圧縮機を比例制御またはPID制御し、
    前記圧力センサの検出圧力に基づき最上段のヒートポンプの圧縮機を制御する場合、それより下段の各ヒートポンプの圧縮機は、その段の凝縮器または一つ上段の蒸発器の冷媒の圧力に基づき制御され、
    前記温度センサの検出温度に基づき最下段のヒートポンプの圧縮機を制御する場合、それより上段の各ヒートポンプの圧縮機は、その段の蒸発器または一つ下段の凝縮器の冷媒の圧力に基づき制御され、
    設定タイミングで次式により第一偏差率と第二偏差率とを求め、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御との内、偏差率の小さい方の制御に切り替えることで、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御とを切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の蒸気システム。
    第一偏差率=(第一上限圧力−現在圧力)/(第一上限圧力−第一下限圧力)
    第二偏差率=(現在温度−第二下限温度)/(第二上限温度−第二下限温度)
  5. 複数段のヒートポンプを備え、
    最下段のヒートポンプの蒸発器において、冷媒と被冷却流体とを熱交換し、
    最上段のヒートポンプの凝縮器において、蒸気を発生させ、
    前記圧力センサの検出圧力に基づき、第一上限圧力と第一下限圧力との範囲で、且つその第一上限圧力を設定値として最上段のヒートポンプの圧縮機を比例制御またはPID制御するか、
    前記温度センサの検出温度に基づき、第二上限温度と第二下限温度との範囲で、且つその第二下限温度を設定値として最下段のヒートポンプの圧縮機を比例制御またはPID制御し、
    前記圧力センサの検出圧力に基づき最上段のヒートポンプの圧縮機を制御する場合、それより下段の各ヒートポンプの圧縮機は、その段の凝縮器または一つ上段の蒸発器の冷媒の圧力に基づき制御され、
    前記温度センサの検出温度に基づき最下段のヒートポンプの圧縮機を制御する場合、それより上段の各ヒートポンプの圧縮機は、その段の蒸発器または一つ下段の凝縮器の冷媒の圧力に基づき制御され、
    設定タイミングで、前記圧力センサによる制御における最上段のヒートポンプの圧縮機の第一操作量(y1)と、前記温度センサによる制御における最下段のヒートポンプの圧縮機の第二操作量(y2)とから、前記第一操作量(y1)の前記第二操作量(y2)に対する比の値(y1/y2)を求め、この値が予め設定された定数未満なら、前記圧力センサによる制御を行う一方、前記定数以上なら前記温度センサによる制御を行うことで、前記圧力センサによる制御と前記温度センサによる制御とを切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の蒸気システム。
  6. 前記凝縮器からの蒸気と前記ボイラからの蒸気とは、それぞれ逆止弁を介して互いに合流するよう構成され、
    前記圧力センサは、前記各逆止弁よりも下流に設置される
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蒸気システム。
  7. 前記ヒートポンプを複数台備え、
    前記各ヒートポンプの凝縮器からの蒸気と前記ボイラからの蒸気とが互いに合流するよう構成され、
    前記各ヒートポンプの凝縮器からの蒸気と前記ボイラからの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置に、前記圧力センサが設けられ、
    互いに異なる複数の前記第一設定圧力を用いて、前記各ヒートポンプの圧縮機を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蒸気システム。
  8. 前記ボイラを複数台備え、
    前記ヒートポンプの凝縮器からの蒸気と前記各ボイラからの蒸気とが互いに合流するよう構成され、
    前記ヒートポンプの凝縮器からの蒸気と前記各ボイラからの蒸気との合流蒸気の圧力を検出可能な位置に、前記圧力センサが設けられ、
    互いに異なる複数の前記第二設定圧力を用いて、前記各ボイラを制御する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の蒸気システム。
  9. 前記圧力センサの検出圧力が上限値を超えるか、前記蒸発器の入口または出口の被冷却流体の温度が上限値を超えると、前記圧縮機を強制停止させる
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の蒸気システム。
  10. 工場などからの排温水、前記圧縮機の潤滑油の冷却水、前記圧縮機の冷却水、前記圧縮機のエンジンのジャケット冷却水、および前記ボイラからの排ガスの冷却水の内、少なくとも一つは、前記凝縮器への給水、前記蒸発器への給水、または前記ボイラへの給水とされるか、これら給水と熱交換される
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の蒸気システム。
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