JP5741874B1 - 連続鋳造の二次冷却方法 - Google Patents

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Abstract

連続鋳造装置で鋳造される鋳片に向けて、噴射ノズルの噴射口から冷却水を扇状に噴射し、連続鋳造中の前記鋳片を冷却する二次冷却方法において、前記噴射ノズルの噴射方向の中心軸を、前記噴射ノズルの中心軸線に対して傾斜させる。

Description

本発明は、連続鋳造の二次冷却方法に関する。
鉄鋼業において、溶鋼を凝固させて鋳片を製造する際、一般に、連続鋳造設備が用いられる。図1に示すように、連続鋳造設備において、鋳型1で一次冷却されて表面が凝固した鋳片2が、鋳型1の下方に少しずつ引き出される。この鋳片2が、ガイドロール3で挟まれながら連続的に送り出されることにより、鋳片2が連続的に製造される。鋳片2がガイドロール3で送り出される間、ロール帯4において、鋳片2の表面が二次冷却される。具体的には、図2に示すように、鋳片2の引き抜き方向に隣接する一対のガイドロール3間に、噴射ノズル5が配置されており、噴射ノズル5から気液混合ミストが噴射されて、鋳片2が二次冷却される。
例えば下記特許文献1には、鋳片2の二次冷却に利用される噴射ノズルが開示されている。この噴射ノズルは、ノズル本体と、このノズル本体の先端部に形成された複数のスリット状吐出口と、この吐出口の上流側に形成された第1の流路と、第1の流路の上流側に形成され、かつ第1の流路よりも流路幅が小さい第2の流路と、第2の流路の上流側に形成され、かつ第2の流路よりも流路幅が大きな第3の流路とを備えている。この噴射ノズルは、スリット状吐出口の厚み方向での噴霧分布の均等性を向上できる。
しかし、この特許文献1に記載の噴射ノズルを鋳片2の二次冷却に用いると、対称な噴霧パターンでミストが噴霧される。その結果、鋳片2の搬送域(又はガイド域)4a及び4b(図1参照)、特に鋳片2が鉛直方向の下方に引き出される搬出域4aで、鋳片2の表面に噴射された冷却水の一部が排水されずに、ガイドロール3の上部と鋳片2との間に滞留し、溜まり水6が発生する(図2参照)。溜まり水6は、鋳片2の幅方向の中央に噴射された水が側方に拡がるので、鋳片2の幅方向の中央部で最も少なく、両側方に向かって増加する分布を示す。このように、鋳片2の幅方向で溜まり水6の分布が異なる場合、鋳片2を均一に冷却するのが困難である。
また、ガイドロール3で鋳片2を狭圧する場合には、ガイドロール3の剛性を増大させるために、鋳片2の幅方向に複数のガイドロール3が配設される。このような場合、隣接するガイドロール3は、軸受け部によって互いに結合されている。この軸受け部と鋳片2との間には隙間が存在するので、隣接するガイドロール3の間に噴射された冷却水は、上記の隙間から排水される。従って、隣接するガイドロール3の間(つまり軸受け部)では、溜まり水6は発生せず、鋳片2とガイドロール3との接触部のみで溜まり水6が発生する。その結果、鋳片2の幅方向に冷却むらができる。鋳片2の冷却が不均一になると、鋳片2の表面性状や内部品質に欠陥が生じる。
上記のような二次冷却時における鋳片2の冷却むらを低減させるために、例えば下記特許文献2には、連続鋳造装置内に、二次冷却用の噴射ノズルとは別に、溜まり水を除去するための高圧気体を噴射する専用ノズルを設ける技術が開示されている。また、下記特許文献3には、連続鋳造装置内に、溜まり水を吸引する吸引管を設ける技術が開示されている。
また、下記特許文献4には、エアミストの噴射面を傾斜させた冷却方法が開示されている。
日本国特開2008−168167号公報 日本国特開2010−253528号公報 日本国特開2010−253529号公報 日本国特開2009−255127号公報
しかしながら、上記特許文献2および3に開示された技術では、二次冷却時における鋳片の冷却むらを低減させるための専用装置(高圧気体を噴射するノズルや吸引管など)を新たに設けるので、それら専用装置の設置のためのコストやスペースが必要になるという問題がある。
また、上記特許文献4に開示された技術は、隣り合うノズルから噴霧されるエアミストが互いに重なり合わないようにして均一な冷却を実現するものであり、ガイドロール部分の溜まり水を低減させることについては考慮されていない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鋳片の冷却むらを低減させるための専用装置を設けることなく、鋳片の冷却むらを低減可能な連続鋳造の二次冷却方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために、以下のような手段を採用する。すなわち、
(1)本発明の一態様に係る連続鋳造の二次冷却方法は、連続鋳造装置で鋳造される鋳片に向けて、噴射ノズルの噴射口から冷却水を扇状に噴射し、連続鋳造中の前記鋳片を冷却する二次冷却方法であって、前記噴射ノズルの噴射方向の中心軸を、前記噴射ノズルの中心軸線に対して傾斜させ、かつ前記噴射ノズルの噴射方向を前記鋳片の面内方向に回転させて、前記冷却水が連続鋳造の上流側から下流側へ向けて噴射されるように、前記冷却水の前記鋳片への噴射面の長軸方向を傾けるものである。
(2)上記(1)に記載の二次冷却方法において、前記噴射ノズルの噴射方向が、前記噴射ノズルの噴射口の正面から、片側に隣接する噴射ノズルの噴射口の正面までの幅に亘るように、前記噴射ノズルの噴射方向の中心軸を傾斜させもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の二次冷却方法において、前記噴射ノズルの噴射方向を、前記鋳片の鋳造方向の上流側に3°〜30°傾斜させてもよい。
(4)上記(1)(3)のいずれか一つに記載の二次冷却方法において、前記噴射ノズルの噴射方向を、前記鋳片の幅方向の列毎に、交互に左右逆向きとしてもよい。
(5)上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の二次冷却方法において、前記噴射ノズルの噴射方向を、前記鋳片の幅方向中央を境界として左右対称の向きとし、各噴射ノズルが前記鋳片の側方に向けて前記冷却水を噴射してもよい。
(6)上記(1)(5)のいずれか一つに記載の二次冷却方法において、前記噴射ノズルが二流体ノズルであり、前記冷却水は、水に空気を混合した気液混合ミストであってもよい。
さらに、本発明に係る連続鋳造の二次冷却方法に使用するに好適な噴射ノズルの各態様の例を、(a)〜(j)に示す。
(a)一態様に係る噴射ノズルは、ノズル本体と;前記ノズル本体の先端部に形成された溝部と;前記溝部において長細状に開口する吐出口と;前記吐出口に連なる流路と;を備え、前記溝部の一方の端部よりも他方の端部のほうが深く形成されており、しかも前記溝部における前記吐出口の中心の位置が、前記ノズル本体の軸芯からずれて、前記溝部の他方の端部側に位置している。
この態様の噴射ノズルでは、吐出口からの流体は、溝部を構成する吐出壁に沿って流れ、しかも吐出口の中心が、溝部の他方の端部(深溝部)側に位置しているため、深溝部側に吐出口からの流体がより多く流れ込み、そのため、一方の端部(吐出壁の薄肉部又は浅溝部)側からの噴射量を規制しつつ、他方の端部(吐出壁の肉厚部又は深溝部)側からの噴射量を増大できる。その結果、冷却水(気液混合ミスト)が、ノズル先端の斜め前方域に重点的に噴射される。従って、上記態様に係る噴射ノズルによれば、連続鋳造設備におけるガイドロールと鋳片との接触部に発生する溜まり水を効率よく掻き出すことができ、二次冷却時における鋳片の冷却むらを低減できる。つまり、二次冷却時において、鋳片を均一に冷却することができる。
(b)上記(a)に記載の噴射ノズルにおいて、前記ノズル本体の先端部に前記溝部が複数形成されていても良い。
(c)上記(a)、(b)のいずれか一つに記載の噴射ノズルにおいて、前記溝部が、前記ノズル本体の軸芯に対して直交する方向を基準として3〜30°傾斜していても良い。
すなわち、少なくとも1つの溝部(例えば、各溝部)において、一方の端部(浅溝部)の底部下端と、他方の端部(深溝部)の底部下端とを結ぶ線は、ノズル本体の軸芯に対して直交する方向を基準にして3〜30°程度傾斜していてもよい。この傾斜角度により、溝部の各端部への流量配分(各端部側からの噴射量配分)を調整できる。なお、上記傾斜角度は、噴射方向の中心軸を、ノズル本体の軸芯に対して他方の端部(深溝部)側に傾斜させる角度に対応させてもよい。
(d)上記(a)〜(c)のいずれか一つに記載の噴射ノズルが、ノズル本体と;前記ノズル本体の先端部に、前記ノズル本体の軸芯を避けて並列に形成された2つの溝部と;前記溝部のそれぞれにおいて長細状に開口する吐出口と;前記吐出口の双方に連なる第1の流路と;前記第1の流路よりも上流側に形成され、かつ前記第1の流路よりも流路幅が小さい第2の流路と;前記第2の流路よりも上流側に形成され、かつ第2の流路よりも流路幅が大きな第3の流路と;を備えていても良い。
(e)上記(d)に記載の噴射ノズルにおいて、前記第1の流路が、前記ノズル本体の軸芯に対して直交する方向に延びていても良い。また、前記第2の流路及び前記第3の流路が、前記ノズル本体の軸芯に沿って延びていても良い。さらに、前記第1の流路、前記第2の流路及び前記第3の流路が、それぞれ、断面が円形、楕円形又は涙形の筒状であっても良い。
(f)上記(d)または(e)に記載の噴射ノズルにおいて、2つの前記溝部が、前記ノズル本体の軸芯に対して直交する方向に沿って、互いに徐々に離れるように形成されていても良い。
例えば、ノズル本体の軸芯に対して傾斜した2つの溝部の延びる方向は、軸芯を通る(横切る)直線を中心線として、溝部の傾斜面の下部にいくにつれて、上記中心線から拡がる方向であり、中心線を中心として対称であってもよい。
(g)上記(f)に記載の噴射ノズルにおいて、前記ノズル本体の軸芯に対して直交する方向において、2つの前記溝部間の対向する角度(各溝部の延びる方向に延長した直線が交差する角度)が3〜30°であっても良い。
(h)上記(a)〜(g)のいずれか一つに記載の噴射ノズルが、水と空気とが混合した二流体を噴射しても良い。
(i)上記(a)〜(h)のいずれか一つに記載の噴射ノズルが、連続鋳造ラインの鋳片を挟むロールが配設されたロール帯において、前記ロール間に配設され、気液混合ミストを噴射して、前記鋳片を冷却するために用いられても良い。
(j)上記(i)に記載の噴射ノズルが、前記溝部の他方の端部を、前記鋳片の側部方向から前記鋳片の下流方向に至る所定の方向に向けて配設され、前記気液混合ミストを噴射して前記鋳片を冷却しても良い。
これらの態様の噴射ノズルによれば、ノズル本体の先端部に、少なくとも1つの溝部が、一方の端部よりも他方の端部を深く切り欠いて形成されており、しかも前記溝部における前記吐出口の中心の位置が、前記ノズル本体の軸芯からずれて、前記溝部の他方の端部側に位置しているので、ノズル先端の前方斜め域により多くの流体を噴射又は噴霧できる。そのため、上記態様に係る噴射ノズルを連続鋳造設備のロール帯に配設すると、ロールと鋳片との間に発生する溜まり水に向けて流体(冷却水)を多く噴射できる。その結果、溜まり水を効率よく掻き出すことができ、二次冷却時における鋳片の冷却むらを低減できる。つまり、二次冷却時において、鋳片を均一に冷却できる。
特に、上記態様に係る噴射ノズルは、鋳片が鉛直方向の下方に搬出される搬出域や、ロールの剛性を増大させるために複数のロールが鋳片の幅方向に配設された搬出域にあっても、溜まり水を低減し鋳片を均一に冷却できる。このような均一な冷却により、鋳片の表面性状や内部品質も向上できる。
本発明の連続鋳造の二次冷却方法によれば、噴射方向を傾斜させ、しかも噴射ノズルの噴射方向を前記鋳片の面内方向に回転させて、前記冷却水が連続鋳造の上流側から下流側へ向けて噴射されるように、前記冷却水の前記鋳片への噴射面の長軸方向を傾けることにより、冷却水が、ガイドロール位置の溜まり水を掻き出す方向に噴射される。その結果、溜まり水が、鋳片の幅方向の側方に向けて排水される。つまり、冷却水の噴射とともに溜まり水を排除することができるので、専用装置等を設けることなく、鋳片の幅方向の冷却むらを低減させることができ、優れた品質の鋳片を製造することができる。
従来の連続鋳造装置を示す概略図である。 従来の噴射ノズルの配置状態を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る噴射ノズルの概略斜視図である。 図3に示す噴射ノズルの吐出口を示す部分概略斜視図である。 図3に示す噴射ノズルのV−V線概略断面図である。 図3に示す噴射ノズルのVI−VI線概略断面図である。 図3に示す噴射ノズルの概略平面図である。 図3に示す噴射ノズルのVIII−VIII線断面図である。 本実施形態に係る噴射ノズルの変形例を示す概略断面図である。 図9に示す噴射ノズルの他の概略断面図である。 図9に示す噴射ノズルの概略平面図である。 本実施形態に係る噴射ノズルの噴射方向の一例を示す概略図(正面図)である。 本実施形態に係る噴射ノズルの噴射方向の一例を示す概略図(斜視図)である。 本実施形態に係る噴射ノズルの噴射方向の他の例を示す概略図(正面図)である。 本実施形態に係る噴射ノズルの噴射方向の他の例を示す概略図(斜視図)である。 本実施形態に係る噴射ノズルの噴射方向のさらに他の例を示す概略図(正面図)である。 本実施形態に係る噴射ノズルの噴射方向のさらに他の例を示す概略図(斜視図)である。 連続鋳造設備の概要を示す側面図である。 本実施形態における冷却水噴射の様子を示す側面図である。 本実施形態における噴射ノズル(二流体ノズル111)の噴射方向の一例を示す正面図である。 本実施形態における噴射ノズル(二流体ノズル111)の噴射方向の一例を示す斜視図である。 本実施形態における噴射ノズル(二流体ノズル111)の噴射方向の異なる例を示す正面図である。 本実施形態における噴射ノズル(二流体ノズル111)の噴射方向の異なる例を示す斜視図である。 本実施形態における噴射ノズル(二流体ノズル111)の噴射方向のさらに異なる例を示す正面図である。 本実施形態における噴射ノズル(二流体ノズル111)の噴射方向のさらに異なる例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す正面図である。 図20の冷却方法を実施したときの鋳片の温度分布を示すグラフである。 本発明の異なる実施の形態を示す正面図である。 図22の冷却方法を実施したときの鋳片の温度分布を示すグラフである。 従来の二次冷却方法の例を示す正面図である。 図24の冷却水噴射の様子を示す側面図である。 噴射面を全て同方向に傾けた二次冷却方法の例を示す正面図である。 噴射ノズルの中心からの距離と、幅方向の噴霧量との関係を示すグラフである。 噴射ノズルの中心からの距離と、厚み方向の噴霧量との関係を示すグラフである。 互いに隣接する噴射ノズルの噴領域が重なり合って形成されるラップ領域の中心からの距離と、幅方向の噴霧量との関係を示すグラフである。 実施例2の噴射ノズルの配置例と、鋳片の幅方向の温度分布とを示す概略図である。 比較例2の噴射ノズルの配置例と、鋳片の幅方向の温度分布とを示す概略図である。 比較例3の噴射ノズルの配置例と、鋳片の幅方向の温度分布とを示す概略図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
〔噴射ノズル〕
まず、本発明に係る連続鋳造の二次冷却方法に使用するに好適な噴射ノズルの一実施形態について説明する。図3は、本実施形態に係る噴射ノズルの概略斜視図である。図4は、図3に示す噴射ノズルの吐出口を示す部分概略斜視図である。図5は、図3に示す噴射ノズルのV−V線概略断面図である。図6は、図3に示す噴射ノズルのVI−VI線概略断面図である。図7は、図3に示す噴射ノズルの概略平面図である。図8は、図3に示す噴射ノズルのVIII−VIII線概略断面図である。
本実施形態に係る噴射ノズルは、筒状のノズル本体11と、軸芯を避けてノズル本体11の先端に、並列に形成された2つの溝部12,12’と、それぞれの溝部で楕円状に開口する吐出口13,13’と、これらの吐出口の双方に連なり、かつノズル本体11の軸線方向に対して直交する方向に形成された断面円形の筒状体(第1の流路14)と、この第1の流路の上流側で、ノズル本体11の軸芯方向に形成され、かつ第1の流路14よりも流路幅が狭まった断面円形の筒状体(第2の流路15)と、この第2の流路の上流側で、第2の流路15と同軸にノズル本体11の軸芯方向に形成され、かつ第2の流路15よりも流路幅が大きな断面円形の筒状体(第3の流路16)とを備えている。
前記第3の流路16の下流端からは、断面形状が半円弧状の切り欠き凹溝が、第2の流路15に隣接して(又は第2の流路の内壁を切削して)、第2の流路15の途中部まで軸方向に延びて形成され、連通流路17を形成している。前記切り欠き凹溝は、第2の流路15の内壁が対向する対向壁に形成され、互いに対向する一対の連通流路17を形成している。さらに、各切り欠き凹溝の下流端は、上流からの流体が衝突可能な衝突壁(又は段部)18を形成している。
図4〜図6に示されるように、ノズル本体11の軸芯を中心とする噴霧量分布に異方性を付与するため、溝部12,12’において、一方の端部(A側端部、浅溝部)よりも他方の端部(B側端部、深溝部)が深く形成されている。より詳細には、溝部12,12’は、底壁12a,12a’と、前記底壁から互いに対峙して起立する側壁(吐出壁)12b,12b’及び12c,12c’とを備えており、各底壁は、溝に沿って一方の端部から他方の端部に向かって後方方向(上流側)に傾斜し、各吐出壁は、一方の端部で高さ(壁厚)が小さく浅溝部(薄肉部)を形成し、他方の端部で高さ(壁厚)が大きく深溝部(肉厚部)を形成している。そのため、溝部12,12’の底壁12a,12a’で楕円状に開口する吐出口13,13’から噴出し、吐出壁に沿って流れる流体は、溝部12,12’の一方の端部側(浅溝のA側)よりも他方の端部側(深溝のB側)で流量が増大するため、ノズル先端の斜め前方域に多くの流体を噴霧できる。
また、溝部12,12’は、ノズル本体11の軸芯に対して直交する方向を基準として3〜30°程度傾斜している。上記傾斜角度は、溝部12,12’の一方の端部(浅溝部の底部下端)と他方の端部(深溝部の底部下端)とを結ぶ線の傾斜角度(底壁12a,12a’又は吐出口13,13’の傾斜角度)に対応している。上記傾斜により、溝部12,12’の他方の端部側(深溝のB側)からの噴霧量を増大できるとともに、噴霧方向の中心軸をノズル本体11の軸芯に対して他方の端部側(深溝のB側)に傾斜させることができる。
図7に示されるように、並列する溝部12,12’(吐出口13,13’)は、軸芯を通って溝部の列方向に延びる線を中心として対称に位置している。また、吐出口13,13’の中心は、軸芯からずれて、溝部12,12’の他方の端部側(深溝のB側)に位置している。そのため、吐出口13,13’からの流体は、溝部12,12’の一方の端部側(浅溝のA側)よりも他方の端部側(深溝のB側)に多く配分され、他方の端部側(深溝のB側)で噴射量をより一層増大できる。
図8に示されるように、2つの溝部12,12’の向き(深さ方向)は、前方方向(下流側)にいくにつれてノズル本体11の軸線方向に互いに近付く方向(内方)である。すなわち、溝部12,12’を構成する吐出壁12b,12b’及び12c,12c’は、ノズル本体11の軸芯に近づくにつれて前方方向に傾斜(ノズル本体11の側部又は周縁部に向かって後方方向に傾斜)している。そのため、吐出口13,13’からの流体は、ノズル本体11の軸線方向から外方向への噴射が規制され、ノズル本体11の軸線方向(又は内方)への噴射が許容されており、ノズル本体11の先端部の斜め前方域又は衝突混合域で、各吐出口からの流体を衝突混合させて、噴射流の液滴を微細化及び均質化できる。
本実施形態に係る噴射ノズルは、気体と液体との混合流体(二流体)を噴射するのに有用である。すなわち、本実施形態に係る噴射ノズルは、通常、気体供給路と液体供給路とを備えた供給ユニット(供給管など)に気密および液密に装着される。この供給ユニットは、気体と液体とを衝突混合して噴射ノズルに供給するため、混合室を備えていてもよい。
このような噴射ノズルでは、供給ユニットからの気液混合流体は、第3の流路16から第2の流路15に流通する過程で、流路径の小さな第2の流路15において、連通流路17の下流端の衝突壁(又は段部)18で衝突するため、攪乱性又は撹拌性(又は衝突混合性)を向上でき、混合流体(気液混合ミスト)の液滴を微細化できる。さらに、衝突壁18で撹拌混合された混合流体は、流路径の小さな第2の流路15から流路径の大きな第1の流路14に導入されて開放されるため、さらに混合流体(気液混合ミスト)の混合性を向上できるとともに、液滴を微細化及び均質化できる。
そして、第1の流路14内で均質化された混合流体(気液混合ミスト)は、ノズル本体の軸芯を基準にして対称な位置関係にある2つの吐出口13,13’に等しく(又はほぼ等しく)分配できる。また、各吐出口からの混合流体(気液混合ミスト)は、一方の端部が低く、かつ他方の端部が高い吐出壁に沿って流れるため、吐出壁が延びる延出方向の流量分布において、他方の端部(深溝部)側の流量を増加できる。このような流量分布でノズル先端部から噴射されると、各吐出口からの混合流体(気液混合ミスト)が、ノズル先端部の斜め前方域で交差して合流又は衝突するため、さらに均一化及び均質化された混合流体(混合ミスト)を被処理体に噴射又は噴霧できる。
図9及び図10は、本実施形態に係る噴射ノズルの変形例を示す概略断面図である。なお、図9は、図3のVI−VI線方向の概略断面図に相当し、図10は、図3のVIII−VIII線方向の概略断面図に相当する。図11は、図9及び図10に示す噴射ノズルの概略平面図である。
図9〜図11に示す噴射ノズルは、平面形状(又はノズル本体の軸芯に対して直交する面)において、2つの溝部22,22’が、ノズル本体11の軸芯に対して直交する方向に沿って、互いに徐々に離れるように形成されている(いわゆるハの字状に形成されている)点及び第1の流路24が断面涙形の筒状体である点を除き、図3〜図8に示す噴射ノズルと同様に構成されている。
このような噴射ノズルは、第1の流路24が前方方向(下流側)に向かって先細る形態であるため、第2の流路25からの混合流体がさらに絞られて均一化及び均質化される。また、2つの溝部22,22’が、軸芯を通る直線を中心線として、溝部の傾斜面(切欠面)の下部に向かって、上記中心線から徐々に拡がるように形成されているため、混合流体を広域に噴霧できる。特に、図9〜図11に示す噴射ノズルを連続鋳造設備に利用する場合、1つのノズルで鋳片の両側部方向に同時に噴霧できるため、極めて効率よく溜まり水を掻き出すことができる点で有利である。
なお、ノズル本体の形状は筒状に特に制限されず、種々の形状のノズル本体が利用できる。また、必要であれば、ノズル本体には気体供給口及び/又は液体供給口を形成してもよい。さらに、ノズル本体の上流側には、気体供給路及び/又は液体供給路を形成してもよい。
ノズル本体の先端部には、少なくとも1つの溝部(凹部)を形成すればよく、噴射厚み方向の広がりを大きくして、噴射分布の均等性を向上させるという観点から、複数の溝部を形成することが好ましい。溝部の数は、例えば、2〜5程度であってもよいが、通常、2〜4(特に2又は3)程度である場合が多い。
少なくとも1つの溝部は、一方の端部よりも他方の端部を深く形成すればよい。すなわち、溝部の側壁(吐出壁)の高さ(壁厚)は、一方の端部に対して他方の端部が大きければよく、溝部は、一方の端部から他方の端部に向かって、不規則的又は規則的に(直線的に又は湾曲して)深くなっていてもよい。吐出口からの流体は、溝部の吐出壁に沿って流通するため、高さ(壁厚)が小さな浅溝部(薄肉部)では流量を低減でき、高さ(壁厚)が大きな深溝部(肉厚部)では流量を増加できる。このように、吐出壁が延びる延出方向での流量は、吐出壁の高さ(壁厚)によって簡便に調整でき、一方の端部(浅溝部又は吐出壁の薄肉部)よりも他方の端部(深溝部又は吐出壁の肉厚部)から多くの流体を噴射できる。
一方の端部よりも他方の端部が深く形成された溝部は、ノズル本体の軸芯に対して直交する方向を基準として傾斜している。例えば、溝部の一方の端部(浅溝部の底部下端)と他方の端部(深溝部の底部下端)とを結ぶ線(又は溝部の底部)は、ノズル本体の軸芯に対して直交する方向を基準にして傾斜[一方の端部から他方の端部にいくにつれて後方方向(上流側)に傾斜]している。傾斜角度(図12A及び12Bに示す角度αに対応する角度)は、例えば、1〜50°、好ましくは2〜40°、さらに好ましくは3〜30°、特に5〜25°程度である。また、上記傾斜角度は、複数のノズルを間隔をおいて配置する場合には、隣接するノズルの噴射口正面まで噴霧可能な角度とするのが好ましい。上記傾斜角度が大きすぎると、溝部の一方の端部(浅溝部)側の噴射量が低減しすぎ、上記傾斜角度が小さすぎると、溝部の一方の端部(浅溝部)側と他方の端部(深溝部)側の噴射量差が低減して、噴射量分布がノズル本体の軸芯を中心として対称になる。
溝部の深さ方向(吐出壁の厚み方向)は、ノズル本体の軸芯方向であってもよく、ノズル本体の軸芯に対して傾斜する方向[ノズル本体の前方方向(下流側)又は後方方向(上流側)に向かって、ノズル本体の軸芯から離れる方向]であってもよい。ノズル本体の軸芯に対する傾斜角度は、例えば、5〜30°、好ましくは7〜28°、さらに好ましくは10〜25°程度であってもよい。
溝部は、ノズル本体の軸芯を通過して延びていてもよいが、通常、ノズル本体の軸芯を避けて延びている場合が多い。また、溝部は、直線的に又は湾曲して延びていてもよい。さらに、溝部は、ノズル本体の先端を横断していてもよく、ノズル本体の先端を横断することなく軸芯又は軸芯近傍から周縁部に向かって延びていてもよい。
溝部の平面形状(又は溝部の底壁の形状)は、特に制限されず、例えば、矩形、円形、楕円形、砲弾形などであってもよい。また、溝部の断面形状は、特に制限されず、例えば、コ字状、U字状、V字状などであってもよい。
ノズル本体の先端部に複数の溝部を形成する場合、少なくとも1つの溝部(通常、全ての溝部)において、一方の端部よりも他方の端部が深く形成されている。各々の溝部の形態は、同一であってもよく、異なっていてもよい。各々の溝部の形態は、通常、ノズル本体の軸芯を中心として対称である場合が多い。
複数の溝部は、交差して延びていてもよいが、通常、交差することなく延びている。複数の溝部のうち、任意の2つの溝部は、ノズル本体の軸芯に対して直交する方向において、平行に又はハの字状に形成されていてもよい。例えば、ノズル本体の軸芯に対して傾斜した2つの溝部の延びる方向は、ノズル本体の軸芯を通過する直線を中心線として、各溝部の傾斜面の上部又は下部に向かって、中心線から拡がるハの字状であってもよく、中心線を中心として対称であってもよい。ノズル本体の軸芯に対して直交する方向において、ハの字状に形成された2つの溝部間の対向する角度(各溝部の延びる方向に延長した直線の交差する角度)は、例えば、1〜40°、好ましくは2〜35°、さらに好ましくは3〜30°程度であってもよい。
複数の溝部の深さ方向は、平行方向、衝突方向(内方)、開放方向(外方)であってもよい。すなわち、各溝部の深さ方向は、互いに同一又は異なって、ノズル本体の軸芯方向であってもよく、ノズル本体の軸芯に対して傾斜していてもよい。噴霧幅を拡げたり、噴霧流を衝突させて微細化及び均一化したりする点から、任意の2つの溝部のうち、少なくとも一方の溝部の深さ方向がノズル本体の軸芯に対して傾斜していてもよく、任意の2つの溝部の深さ方向は、ノズル本体の軸芯を中心線として、前方方向(下流側)又は後方方向(上流側)に向かって中心線から拡がるハの字状であってもよく、中心線を中心として対称であってもよい。
なお、複数の溝部は、第2の流路の軸方向の投影域と少なくとも部分的に重複していてもよく、前記投影域から外れた領域に形成されていてもよい。さらに、複数の溝部のうち、少なくとも1つの溝部は、ノズル本体の軸芯を通過してもよいが、複数の溝部は、通常、軸芯を避けて形成されている場合が多い。
吐出口は、溝部で開口している限り、特に制限されず、溝部の側壁(吐出壁)で開口してもよいが、溝部の底部又は底壁で開口している場合が多い。
吐出口の中心は、ノズル本体の軸芯上にあってもよいが、軸芯から離れて位置している場合が多い。また、吐出口の中心は、溝部の一方の端部と他方の端部との中央にあってもよいが、溝部の一方の端部側又は他方の端部側に寄って位置していてもよい。特に、複数の吐出口を形成する場合、複数の吐出口(例えば、2つの吐出口)の中心は、それぞれ、軸芯から離れ、かつ一方の端部(浅溝部)側又は他方の端部(深溝部)側(特に、深溝部側)に位置してもよい。また、複数の吐出口(例えば、2つの吐出口)は、軸芯を避けて並列に形成され、かつ軸芯を通る直線を中心として対称に位置していてもよい。このように、複数の吐出口が位置していると、深溝側にいくにつれて流体の噴射量を大きく増加させることができる。
吐出口の形状は、長細状である限り特に制限されず、例えば、矩形、楕円形、砲弾形などであってもよい。吐出口の大きさ(開口径など)は、流体の噴射量に応じて適宜選択できる。なお、複数の吐出口を形成する場合、各吐出口の形状及び大きさは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。各吐出口の大きさを変えることで、各吐出口に分配される混合流体の流量も調整できる。
溝部(及び吐出口)の形成方法は、特に制限されず、例えば、ノズル本体の軸芯に対して直交する方向を基準として、所定の角度だけ前方方向(下流側)又は後方方向(上流側)に傾斜させた方向に従って、直線的に又は湾曲してノズル先端を切り欠くことにより形成してもよい。なお、ノズル本体のみならず流路も切り欠くことにより、溝部と吐出口とを同時に形成してもよい。
吐出口に連なる流路(第1の流路)の形状は、混合流体を開放して微細化できる限り特に制限されず、例えば、断面が円形、楕円形又は涙形(又は液滴形)である筒状であってもよく、球体状、楕円体状、卵状、角柱状などであってもよい。また、流路は、ノズル本体の軸線方向に沿って形成してもよく、ノズル本体の軸線方向に対して直交する方向に形成してもよい。加工性の点から、ノズル本体の軸線方向に対して直交する方向に延びる流路を形成する場合が多い。
なお、吐出口に連なる流路は、少なくとも1つの吐出口に連なっていればよく、複数の吐出口に連なっていてもよい。すなわち、吐出口に連なる流路の数は、吐出口の数と同一又はそれより少ない数であってもよい。
吐出口に連なる流路には、さらに少なくとも1つの(例えば、複数の)流路が連通していてもよい。例えば、吐出口に連なる流路(第1の流路)の上流側に、前記流路とは流路幅が異なる第2の流路が形成され、第2の流路の上流側に、第2の流路とは流路幅が異なる第3の流路が形成されている場合が多い。
第2の流路の形状は、混合流体を絞ることができる限り特に制限されず、例えば、断面が円形、楕円形又は涙形(又は液滴形)である筒状であってもよく、球体状、楕円体状、卵状、角柱状などであってもよい。また、第2の流路の形状は、第1の流路に向かって流路が狭まる形状(例えば、円錐状、角錐状などの錐状)であってもよい。さらに、第2の流路は、第1の流路に比べて流路幅が狭まっていればよく、オリフィス状であってもよい。第2の流路は、通常、ノズル本体の軸線方向、特にノズル本体の軸芯方向に形成する場合が多い。
第3の流路の形状は、特に制限されず、例えば、断面が円形、楕円形又は涙形(又は液滴形)である筒状であってもよく、球体状、楕円体状、卵状、角柱状などであってもよい。また、第3の流路の形状は、第2の流路に向かって流路が狭まる形状(例えば、円錐状、角錐状などの錐状)であってもよい。第3の流路は、第2の流路よりも流路幅が大きく、第3の流路の流路径(平均径)を100としたとき、第2の流路の流路径(平均径)は、例えば、5〜85程度の範囲から選択してもよく、通常、10〜80、好ましくは20〜75、さらに好ましくは30〜70程度であってもよい。さらに、第3の流路は、ノズル本体の軸線方向に形成する場合が多い。例えば、第3の流路は、第2の流路と同軸、特にノズル本体の軸芯方向に形成する場合が多い。
ノズル本体には、第1の流路、第2の流路及び第3の流路で構成された流路が軸芯を同じくして形成してもよく、第1の流路をノズル本体の軸芯に対して直交する方向に形成し、第2の流路及び第3の流路をノズル本体の軸芯に沿って形成してもよい。
噴射ノズルは、第3の流路と第2の流路とを連通するとともに、第3の流路を周方向の少なくとも一箇所で半径方向に狭め、かつ第3の流路からの流体が衝突可能な段部(又は衝突段部、衝突壁)が下流端に形成された連通流路を備えていてもよい。このような連通流路はスプレーの分布形成に有用である。また、連通流路において、段部(又は衝突段部、衝突壁)を形成することにより、段部に衝突して撹拌混合された流体は流路幅の狭い第2の流路でさらに混合撹拌され、第1の流路で解放(特に急激に解放)されて均質化できる。そのため、噴射ノズルには、少なくとも1つの連通流路を形成してもよい。また、噴射ノズルには、周方向の複数箇所(例えば、少なくとも1つの対向する箇所)で連通流路を形成してもよく、例えば、周方向に等間隔毎に形成された2〜6程度の部位で連通流路を形成してもよい。
連通流路の衝突壁(段部)は、半径方向に第3の流路を狭めればよく、通常、周方向の複数箇所(例えば、少なくとも1つの対向する箇所)で第3の流路を半径方向に狭める場合が多く、例えば、周方向に等間隔毎に形成された2〜6程度の部位で第3の流路を半径方向に狭めてもよい。
連通流路は、第2の流路に隣接している(又は第2の流路内壁を軸方向に切削している)場合が多く、第3の流路の下流端から第2の流路の途中部まで下流方向に延びる切り欠き凹溝(切り欠き凹部)で構成してもよい。この切り欠き凹溝の下流端(切り欠き凹溝の下流側の端面)は、通常、前記段部(衝突壁)を形成する。切り欠き凹溝(又は切り欠き凹部)の断面形状は、半円弧状、U字状、コ字状、V字状などであってもよい。さらに、連通流路は、上流方向から下流方向に向かって多段に形成してもよい。
上記の噴射ノズルは、種々の流体(水などの気体、空気などの気体)を噴射するのに有用であり、水などの液体を単独で噴射させてもよいが、液体(特に水)と気体(特に空気)とを混合した二流体を噴射するのに有用である。そのため、噴射ノズルに流体を供給し、吐出口から噴射する。特に、噴射ノズルに気体と液体とを供給し、ノズル内で混合された混合流体を吐出口から噴射する。
上記の噴射ノズルにおいて、気体の圧力は、通常、0.01〜1MPa(例えば、0.02〜0.8MPa)、好ましくは0.03〜0.7MPa程度である。液体は、通常、加圧液体(又は高圧液)として供給され、圧力は、0.01〜2MPa、好ましくは0.02〜1.5MPa、さらに好ましくは0.03〜1MPa程度であってもよい。気体と液体との流量比(体積割合)は、例えば、気体/液体(気液体積比)が2〜500、好ましくは3〜400、さらに好ましくは4〜300程度であってもよい。
上記の噴射ノズルは、単純な構造であっても、微粒子化されたミスト(気液混合ミスト)を生成できる。ミスト粒子の粒子径は、気体及び液体の流量などにより変動するが、例えば、平均粒子径(平均液滴径)が10〜500μm、好ましくは15〜400μm(例えば、20〜300μm)、さらに好ましくは50〜250μm(例えば、60〜200μm)程度であってもよい。
上記の噴射ノズルによると、噴射ノズルを斜方に取り付けることなく、ノズル先端から斜め前方域により多くの流体を噴射又は噴霧できる。噴射方向の中心軸は、ノズル本体の軸芯に対して他方の端部(深溝部)側に傾斜しており、傾斜角度(図12A及び12Bに示す角度α)は、例えば、1〜50°、好ましくは2〜40°、さらに好ましくは3〜30°、特に5〜25°程度である。
また、上記の噴射ノズルは、ノズル本体の軸芯を中心として非対称な噴射パターンで流体を噴射できる。例えば、溝部の長手方向において、流体の噴射角度(スプレー角度)は、ノズル本体の軸芯を基準として、狭角側(浅溝側の角度、図12Bに示す角度θ)が10〜50°(好ましくは15〜45°、さらに好ましくは20〜40°)程度であり、広角側(深溝側の角度、図12Bに示す角度θ)が20〜70°(好ましくは25〜65°、さらに好ましくは30〜60°)程度であってもよい。
なお、複数の溝部(2個1組の溝部など)の向き(深さ方向)が、前方方向(下流側)にいくにつれて、ノズル本体の軸線方向に対して互いに狭まる方向(衝突方向)である場合、各溝部からの噴出流の交差角度は、10〜60°程度の範囲から選択でき、通常、15〜55°、好ましくは20〜50°、さらに好ましくは25〜45°程度である。
上記の噴射ノズルは、ノズル本体の軸芯に対して特定の方向に流体を多く噴射又は噴霧できるため、連続鋳造設備の鋳片の両側にロールが配設されたロール帯において、鋳片を二次冷却するのに有効に利用できる。特に、上記の噴射ノズルは、複雑な取り付け方をすることなく、図12A及び12Bに示すように、流体の噴射方向の中心軸をノズル本体の軸芯に対して特定の方向に傾斜させることができるため、ガイドロール位置の溜まり水を効率よく掻き出して、鋳片を均一に冷却できる。なお、図12A及び12Bにおいて、矢印は鋳造方向(鋳片の進行方向)を表す。
図12A及び12Bでは、ノズルの軸芯は鋳片の進行方向に対して直交する方向に向いているものの、ノズルの溝部の他方の端部(深溝部)を鋳片の側方に向けて配設しているため、噴霧方向の中心軸が、ノズルの軸芯に対して鋳片の側方に角度α傾斜している。なお、傾斜角度α(斜行角α)は、鋳片の幅方向に隣接する一対のノズル間隔に応じて適宜選択できる。
この例では、鋳片の幅方向に間隔(250〜350mm程度)をおいて隣接する一対のノズルにおいて、一方のノズルから噴射される流体の噴射面を、そのノズルの軸芯から、他方のノズルの軸芯に至る範囲にしている。このように、流体の噴射方向の中心軸を鋳片の側方に傾けることにより、溜まり水が鋳片の側方へ排出されやすくなる。
なお、必要に応じて、図13A及び13Bと図14A及び14Bとに示すように、噴射ノズルを回転及び/又は傾斜させて、流体の噴射方向の中心軸を特定方向に向けて使用することもできる。図13A及び13Bと図14A及び14Bにおいて、矢印は鋳造方向を表す。
図13A及び13Bでは、図12A及び12Bと同様に、噴射ノズルの軸芯は鋳片の進行方向に対して直交する方向に向いているものの、噴射ノズルの溝部の他方の端部(深溝部)を、鋳片の進行方向にいくにつれて鋳片の側方にいく方向に配設しているため、図12A及び12Bに示す噴霧方向の中心軸が、鋳片の面内方向に角度β回転している。そのため、噴射角度の大きい側(θ)をロール上部の水溜まり部に近づけることができ、ロール上部の水溜まり部に多くの流体を噴霧でき、溜まり水の排出性を向上できる。なお、回転角度β(捻り角β)は、鋳造方向に隣接する一対のロール間隔(40〜50mm程度)、噴射ノズルの吐出口と鋳片との距離に応じて、適宜選択でき、1〜50°(好ましくは2〜40°、さらに好ましくは3〜30°、特に5〜25°)程度である。回転角度βが小さすぎると、溜まり水に向けた斜め下方向の噴射が十分でなく、溜まり水の排出効果が小さくなり、回転角度βが大きすぎると、下流側のロールに衝突して鋳片まで到達できず、冷却効率が低下する。
図14A及び14Bでは、ノズル本体を鋳造方向の上流側に傾斜させることにより、図13A及び13Bに示す噴霧方向の中心軸を鋳造方向の上流側に角度γ傾斜させている。そのため、回転角度βを大きくしても、流体が鋳造方向の下流側のロールに干渉するのを防止でき、溜まり水の排出性を向上できる。なお、傾斜角度γ(迎え角γ)は、鋳造方向に隣接する一対のロール間隔、噴射ノズルの吐出口と鋳片との距離、及び鋳片の面内方向における噴霧方向の中心軸の回転角度βに応じて、適宜選択でき、1〜50°(好ましくは2〜40°、さらに好ましくは3〜30°、特に5〜25°)程度である。
このように、上記の噴射ノズルは、噴射方向の中心軸をノズル本体の軸芯に対して任意の角度で傾斜させることができるため、ロール位置の溜まり水を効率よく低減(又は鋳片の幅方向に亘る溜まり水の分布を均一化)でき、鋳片を均一に冷却して鋳片の表面性状や内部品質を向上できる。
〔連続鋳造の二次冷却方法〕
次に、本発明に係る連続鋳造の二次冷却方法の一実施形態について説明する。
図15は、連続鋳造設備100の概要を示す。鋳型102の上側から、タンディッシュ(図示せず)内の溶鋼が注入され、鋳型102で一次冷却されて表面が凝固した状態の鋳片103が、鋳型102の下方から少しずつ引き出される。鋳型102の下方において、鋳片103は、それぞれ対向して設置された複数対のガイドロール104で挟み込まれながら連続的に送り出され、これにより、連続した鋳片103が生産される。図15は連続鋳造設備100の一例であり、鋳片103の両側のガイドロール104により、鋳片103が鋳型102のほぼ鉛直下方へ引き抜かれた後、徐々に90°程度曲げられて、水平方向へ移動していく彎曲型のものである。本発明は、彎曲型の連続鋳造設備に限らず、垂直型などでも同様に適用できる。
鋳片103は、冷却水を噴射する二次冷却手段によって冷却されながら、ガイドロール104で連続的に送り出される。二次冷却手段は、図16に示すように、各ガイドロール104同士の隙間から鋳片103に向けてエアミスト112(気液混合ミスト)を噴射する二流体ノズル111(上述した噴射ノズル)からなり、二流体ノズル111内で空気と水が混合されて、エアミスト112が噴射される。二流体ノズル111は、鋳片103の幅方向に均一な水量密度分布を有する噴射パターンとなるように、鋳片103の幅方向に適宜間隔で複数、例えば2200mm程度の幅の鋳片3に対して、幅方向の1列につき7〜8本配置される。そして、通常、1本のノズル当たり5〜20リットル/分程度の水量が噴射される。
エアミスト112は、二流体ノズル111の噴射口121から扇状に広がって噴射され、エアミスト112が鋳片103に衝突する噴射面122は、楕円形状になっている。図24に示すように、二流体ノズル111の噴射方向を傾斜させない場合、すなわち、噴射方向が二流体ノズル111の中心軸線方向であり、エアミスト112が噴射口121を中心とした楕円形状に噴射された場合、図25に示すように、鋳片103に接触しているガイドロール104の上部に、エアミスト112の排水が滞留して溜まり水113ができる。ガイドロール104が、図24に示すように鋳片103の幅方向に分割されている場合には、ガイドロール104と鋳片103とが接触する部分には溜まり水113ができるが、軸受け部105には溜まり水ができない。その結果、鋳片103の幅方向に温度むらが生じ、均一な冷却ができなくなる。
そこで、本実施形態では、先ず、図17A及び17Bに示すように、エアミスト112の噴射方向の中心軸を、二流体ノズル111の中心軸線に沿った方向から傾斜させる。すなわち、噴射口121から噴射されるエアミスト112の噴射方向を、噴射口121の正面から、左右いずれか一方に隣接する二流体ノズル111の噴射口121の正面までの幅に亘る範囲とする。なお、鋳片103の幅方向の最端に配置された二流体ノズル111の噴射口121も、他の噴射口121と同様に噴射方向を傾斜させる。こうして、エアミスト112の噴射方向を鋳片103の側方に向けることで、溜まり水113が鋳片103の側方へ排出されやすくなる。
さらに、図18A及び18Bに示すように、ガイドロール104部分の溜まり水113を掻き出す方向にエアミスト112が噴射されるように、二流体ノズル111の噴射方向を回転させる。すなわち、噴射口121から、鋳造の下流方向に向かって斜め方向にエアミスト112が噴射されるように、噴射方向を鋳片103の表面の面内方向に回転させて、噴射面122の長軸方向を傾ける。なお、図18A及び18Bの矢印は鋳造方向を示す。これにより、図16に示すように、エアミスト112が、ガイドロール104の上部の溜まり水113を鋳片103の側方に向けてかき出す。この回転角度は、ガイドロール104同士の上下の間隔、および、二流体ノズル111の噴射口121と鋳片103との距離に応じて設定される。ガイドロール104の上下方向の隙間は、通常40〜50mm程度であり、二流体ノズル111の噴射口121から噴射されたエアミスト112が、下流側のガイドロール104に遮られることなく鋳片103に到達できる範囲とする。傾き角度が小さすぎると、溜まり水113に向けた斜め下向きのエアミスト112の噴射が十分でなく、溜まり水113の排出効果が低くなる。また、傾き角度が大きすぎると、エアミスト112の一部がガイドロール104に当たって鋳片103まで到達せず、冷却効率が低下する。
さらに、図18A及び18Bに示す噴射方向の回転により、エアミスト12が下流側のガイドロールに干渉されないように、図19A及び19Bに示すように、噴射方向を、ガイドロール104の上下方向の隙間の中心付近になるように鋳造方向の上流側に傾斜させてもよい。この傾斜角度は、3°〜30°程度とし、ガイドロール104同士の上下の間隔、二流体ノズル111の噴射口121と鋳片103との距離、および、前述の図18A及び18Bの回転角度に応じて設定される。なお、図19A及び19Bの矢印は鋳造方向を示す。
各噴射口121からの噴射方向は、図17A及び17B、図18A及び18B、図19A及び19Bに示す上記の傾斜および回転を全て組み合わせたものでもよいし、図17A及び17Bの傾斜のみ、または図17A及び17Bと図18A及び18Bを組み合わせたものでもよい。
図20は、図17A及び17B、図18A及び18B、図19A及び19Bに示すような傾斜および回転をさせた各噴射面122の噴射方向を、鋳片103の幅方向の列毎に、交互に左右逆向きにした例である。すなわち、図20の上から1列目は、噴射口121aから図の左下に向けて噴射し、上から2列目は、噴射口121bから右下に向けて噴射するように、噴射方向が傾けられている。3列目は1列目と同様であり、4列目は2列目と同様である。同列に配置された噴射口21は同じ噴射方向であり、図20に示すように、それぞれの列で、噴射方向に沿った方向に、溜まり水113が多く排出される。そして、列毎に交互に噴射方向を逆向きにすることにより、全体では均等に溜まり水113が排出される。図21のグラフの実線は、図20の二次冷却方法を実施した場合の、鋳片103の幅方向による温度分布を示す。破線は、図26に示すように噴射面122の長軸方向のみを全て同方向に傾けて二次冷却を実施した場合の鋳片103の温度分布であり、本実施形態において、均一な冷却効果が得られるようになった。
図22は、図17A及び17B、図18A及び18B、図19A及び19Bに示すような傾斜および回転をさせた各噴射面122の傾きが、鋳片103の幅方向の中央を境界として、左右互いに逆向き、つまり左右対称であり、それぞれの噴射方向は、下流側且つ鋳片103の側方に向けて噴射するように傾いている例である。すなわち、図22では、いずれの列も、鋳片103の幅方向中央から両側方へ向けて溜まり水113がかき出されるように、噴射方向が傾斜している。なお、この場合、図22に示すように、幅方向中央に、噴射方向を幅方向に傾斜させず鋳造下流側に向けて傾けた噴射口121cを設けてもよい。図22に示す中央の噴射口121cは、噴射方向を鋳造下流側に傾けているため、下流側のガイドロール104部分の溜まり水113をかき出す効果がある。図23のグラフの実線は、図22の二次冷却方法を実施した場合の、鋳片103の幅方向による温度分布を示す。破線は、図26に示すように噴射面122の長軸方向のみを全て同方向に傾けて二次冷却を実施した場合の鋳片103の温度分布であり、本実施形態において、均一な冷却効果が得られるようになった。
以上のように、本実施形態によれば、二流体ノズル111の噴射方向を傾斜させることにより、溜まり水113の鋳片103側方への排出が促進される。したがって、溜まり水113が要因となる二次冷却むらが低減し、優れた品質の鋳片を製造することができる。また、鋳片103の進行方向に配置された各ガイドロール104間の隙間の限られたスペースに、新たな専用装置を設けることなく、二流体ノズル111として前述の本実施形態に係る噴射ノズルを利用することにより、二次冷却と同時に溜まり水113の排出を行うことができる。
なお、上記実施形態では、ガイドロール104は、鋳片103を強く拘束する高い剛性を確保するために、幅方向に分割され軸受け部105で各ガイドロール104が連結されたものとしたが、鋳片103の幅方向全体を押さえ付ける幅を有するガイドロールでも、同様に溜まり水を排出する効果を発揮することができる。

以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。

(1)噴射ノズル単体の水量分布
実施例1
図3に示す噴射ノズルから、表1に示す空気量及び水量、噴射距離155mmの条件で、気液混合ミストを噴霧した。なお、噴霧角度は、噴射ノズルの中心軸に対してθは35°及びθは60°である。ノズルセンターからの距離と噴霧量(水量密度(%))との関係を示すグラフを作成した。幅方向の噴霧量分布(図3に示すVI−VI線方向の噴霧量分布)を図27の実線に示し、厚み方向の噴霧量分布(図3に示すVIII−VIII線方向の噴霧量分布)を図28の実線に示す。図27及び図28の実線に示されるように、実施例1の噴射ノズルは、厚み方向の噴霧量分布がノズルセンターを中心として対称であるのに対して、幅方向の噴霧量分布がノズルセンターを中心として非対称であり、ノズルセンターからの距離が50〜100mm程度オフセットさせた位置を中心としてほぼ対称な噴霧量分布を示す。また、実施例1の噴射ノズルは、水量を大きく変化させても均一な分布を保てる。
Figure 0005741874

比較例1
特許文献1の図1〜5に記載のノズルを用い、実施例1と同様の条件で気液混合ミストを噴霧し、ノズルセンターからの距離と噴霧量(水量密度(%))との関係を示すグラフを作成した。幅方向の噴霧量分布を図27の破線に示し、厚み方向の噴霧量分布を図28の破線に示す。図27及び図28の破線に示されるように、比較例1のノズルは、幅方向及び厚み方向の噴霧量分布がノズルセンターを中心として対称である。

(2)ラップ水量分布
実施例2
図3に示す噴射ノズルを、捻り角(β)を0°とし、270mmの間隔をおいて列状に配置した。各々の噴射ノズルから、表1に示す空気量及び水量、噴射距離155mmの条件で、気液混合ミストを噴霧した。互いに隣接する噴射ノズルの噴霧領域が重なり合って形成されるラップ領域の中心部(ラップセンター)からの距離と噴霧量(水量密度(%))との関係を示すグラフを作成した。結果を図29の実線に示す。図29の実線に示されるように、実施例2の噴射ノズルセットは、幅方向の噴霧量分布がラップセンターを中心として非対称である。

比較例2
特許文献1の図1〜5に記載のノズルを用い、実施例2と同様の条件で気液混合ミストを噴霧し、互いに隣接する噴射ノズルの噴霧領域が重なり合って形成されるラップ領域の中心部(ラップセンター)からの距離と噴霧量(水量密度(%))との関係を示すグラフを作成した。結果を図29の破線に示す。図29の破線に示されるように、比較例2のノズルセットは、幅方向の噴霧量分布がラップセンターを中心として対称である。

(3)鋳片の冷却効果
実施例3
図3に示すノズル本体11を用い、図30に示すノズルの配置例に従って、連続鋳造装置に設置した。すなわち、ロールの溜まり水が鋳片の中央を境にして左右の両側に掻き出されるように、非対称スプレー角度の大きい側を鋳片中央部を境にして外向きに配置した。この装置を用いて、表1の噴霧条件3に従って気液混合ミストを噴霧して、鋳片を冷却し、鋳片の幅方向の温度を測定した。結果を図30に示す。図30に示されるように、ノズルから気液ミストを斜方噴射することにより、ロールの溜まり水が排除され、溜まり水の影響が低減したため、鋳片の幅方向の温度が均一になった。

比較例3
特許文献1の図1〜5に記載のノズル31を用い、図31に示すノズルの配置例に従って、連続鋳造装置に設置した。この装置を用いて、実施例3と同様の条件で気液混合ミストを噴霧して、鋳片の幅方向の温度を測定した。結果を図31に示す。図31に示されるように、隣接するノズルのスプレーが両サイドで干渉するため、ロールの溜まり水をほとんど掻き出すことができず、鋳片温度は両サイドで高く、不均一であった。
比較例4
特許文献1の図1〜5に記載のノズル31を用い、図32に示すノズルの配置例に従って、連続鋳造装置に設置した。この装置を用いて、実施例3と同様の条件で気液混合ミストを噴霧して、鋳片の幅方向の温度を測定した。結果を図32に示す。図32に示されるように、ロールの溜まり水はほとんど掻き出されることがなく、鋳片の両サイドでの溜まり水が冷却に強く影響するため、噴霧量分布は均一であるにも拘わらず、鋳片温度は両サイドで高く、不均一であった。
本発明に係る連続鋳造の二次冷却方法は、連続鋳造装置(彎曲型、垂直型など)において、鋳片を均一に冷却するために好適に利用できる。特に、本発明に係る連続鋳造の二次冷却方法は、溜まり水を効率よく掻き出すこと(又は溜まり水の分布を均一にすること)ができるため、鋳片が鉛直下方に引き抜かれる搬出域に配置する場合や、ロールを鋳片に狭圧するためにロールを鋳片の幅方向に分割した形態で利用する場合にも適用できる。

1、102 鋳型
2、103 鋳片
3、104 ガイドロール
4 ロール帯
5 噴射ノズル
6、113 溜まり水
7、105 軸受け部
11,21,31 ノズル本体
12,12’,22,22’ 溝部
13,13’,23,23’ 吐出口
14,24 第1の流路
15,25 第2の流路
16,26 第3の流路
17,27 連通流路
18,28 衝突壁
111 二流体ノズル
112 エアミスト
121 噴射口
122 噴射面

Claims (6)

  1. 連続鋳造装置で鋳造される鋳片に向けて、噴射ノズルの噴射口から冷却水を扇状に噴射し、連続鋳造中の前記鋳片を冷却する二次冷却方法において、
    前記噴射ノズルの噴射方向の中心軸を、前記噴射ノズルの中心軸線に対して傾斜させ、かつ前記噴射ノズルの噴射方向を前記鋳片の面内方向に回転させて、前記冷却水が連続鋳造の上流側から下流側へ向けて噴射されるように、前記冷却水の前記鋳片への噴射面の長軸方向を傾けることを特徴とする連続鋳造の二次冷却方法。
  2. 前記噴射ノズルの噴射方向が、前記噴射ノズルの噴射口の正面から、片側に隣接する噴射ノズルの噴射口の正面までの幅に亘るように、前記噴射ノズルの噴射方向の中心軸を傾斜させることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造の二次冷却方法。
  3. 前記噴射ノズルの噴射方向を、前記鋳片の鋳造方向の上流側に3°〜30°傾斜させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連続鋳造の二次冷却方法。
  4. 前記噴射ノズルの噴射方向を、前記鋳片の幅方向の列毎に、交互に左右逆向きとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の連続鋳造の二次冷却方法。
  5. 前記噴射ノズルの噴射方向を、前記鋳片の幅方向中央を境界として左右対称の向きとし、各噴射ノズルが前記鋳片の側方に向けて前記冷却水を噴射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の連続鋳造の二次冷却方法。
  6. 前記噴射ノズルが二流体ノズルであり、前記冷却水は、水に空気を混合した気液混合ミストであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の連続鋳造の二次冷却方法。
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