JP5735712B2 - 撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 - Google Patents

撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子上に被写体の光学像を結像させる固定焦点の撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して撮影を行うデジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話機および情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistance)、スマートフォン、タブレット型端末および携帯型ゲーム機等の撮像装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータの一般家庭等への普及に伴い、撮影した風景や人物像等の画像情報をパーソナルコンピュータに入力することができるデジタルスチルカメラが急速に普及している。また、携帯電話、スマートフォン、またはタブレット型端末に画像入力用のカメラモジュールが搭載されることも多くなっている。このような撮像機能を有する機器には、CCDやCMOSなどの撮像素子が用いられている。近年、これらの撮像素子のコンパクト化が進み、撮像機器全体ならびにそれに搭載される撮像レンズにも、コンパクト性が要求されている。また同時に、撮像素子の高画素化も進んでおり、撮像レンズの高解像、高性能化が要求されている。例えば5メガピクセル以上、よりさらに好適には8メガピクセル以上の高画素に対応した性能が要求されている。
これらの要求を満たすために、撮像レンズをレンズ枚数が比較的多い6枚構成とすることが考えられる。例えば、特許文献1には、物体側から正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、第4レンズと、第5レンズと、第6レンズとを備えた6枚構成の撮像レンズを提案しており、特許文献2には、物体側から負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、負の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズを含む、全体として正の第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群を備えた6枚構成の撮像レンズを提案している。また、特許文献4乃至6には、高性能な変倍レンズを実現するために、物体側から、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、負の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、第5レンズと、第6レンズとを備えた6枚構成の撮像レンズを提案している。
また、特に、撮影した画像をデジタルズーム機能で拡大して用いる機会が多い携帯電話、スマートフォン、およびタブレット端末などの撮像機器では、より広い撮影範囲を実現するために広角な撮像レンズが求められている。特許文献3は、広角化を実現するために、物体側から負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、負の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズとを備えた5枚構成の撮像レンズを提案している。
中国実用新案第202067015号明細書 特開2004−102083号公報 特開平4−250408号公報 特開昭63−180927号公報 特開平2−181714号公報 特開平2−187716号公報
一方、特に携帯端末、スマートフォンまたはタブレット端末のような薄型化が進む装置に用いられる撮像レンズには、レンズ全長の短縮化の要求が益々高まっている。このため、上記全ての要求を満たすために、特許文献1、2および特許文献4乃至6に記載された撮像レンズは、さらなる広角化の実現が求められ、特許文献3の撮像レンズは、所望の高解像度を得られる撮像素子のサイズに対応できるように、大きなイメージサイズを実現しつつ、レンズ全長をより短縮化することが求められる。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、その目的は、広角化および全長の短縮化を図りつつ、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を実現することができる撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して高解像の撮像画像を得ることができる撮像装置を提供することにある。
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けた第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、負の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第4レンズと、第5レンズと、像側に凹面を向け、像側の面が少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状である第6レンズとから構成される実質的に6個のレンズからなり、第3レンズの物体側の面よりも物体側に配置された開口絞りをさらに備えたことを特徴とする。
なお、上記本発明の撮像レンズにおいて、「実質的に6個のレンズからなり、」とは、本発明の撮像レンズが、6個のレンズ以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、開口絞りやカバーガラス等レンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手振れ補正機構等の機構部分、等を持つものも含むことを意味する。また、上記のレンズの面形状や屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては近軸領域で考えるものとする。
本発明の撮像レンズにおいて、さらに次の好ましい構成を採用して満足することで、光学性能をより良好なものとすることができる。
本発明の撮像レンズにおいて、第1レンズが物体側に凹面を向けたメニスカス形状であることが好ましい。
また、本発明の撮像レンズにおいて、開口絞りが第2レンズの物体側の面よりも物体側に配置されていることがさらに好ましい。
また、本発明の撮像レンズは、以下の条件式(1)から(11)のいずれかを満足することが好ましい。なお、好ましい態様としては、条件式(1)から(11)のいずれか一つを満たすものでもよく、あるいは任意の組合せを満たすものでもよい。
−1<(R1f−R1r)/(R1f+R1r)<0 (1)
−0.5<(R1f−R1r)/(R1f+R1r)<−0.05 (1−1)
1<f/f2<3 (2)
1.3<f/f2<2.5 (2−1)
0<f3/f1<0.5 (3)
0<f3/f1<0.3 (3−1)
0<f3/f4<1.2 (4)
0<f3/f4<0.8 (4−1)
1<f/R6r<4 (5)
−0.5<(R4f−R4r)/(R4f+R4r)<0 (6)
40<νd1 (7)
1.0<TTL/f<3.0 (8)
4.0<TTL<6.0 (9)
0.28<BFL/f<0.42 (10)
0.75<BFL<1.2 (11)
ただし、
R1f:第1レンズの物体側の面の近軸曲率半径
R1r:第1レンズの像側の面の近軸曲率半径
f:全系の焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
f3:第3レンズの焦点距離
f4:第4レンズの焦点距離
R6r:第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
R4f:第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
R4r:第4レンズの像側の面の近軸曲率半径
νd1:第1レンズのd線に関するアッベ数
TTL:第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離(ただし、バックフォーカス分は光軸上の空気換算長とする。)
BFL:第6レンズの像側の面頂点から像面までの光軸上の距離(空気換算長)
とする。
なお、TTLは、物体距離が無限大時の第1レンズの物体側の面から結像面までの光軸上の長さ(レンズ全長)を意味し、このうちバックフォーカス分は空気換算した長さを用いるものとする。例えば、最も像側のレンズと結像面との間にフィルタやカバーガラス等の屈折力を持たない部材が挿入されているときは、この部材の厚みを空気換算して算出するものとする。また、BFLは、物体距離が無限大時の第6レンズの像側の面頂点から像面までの光軸上の距離(バックフォーカス)を空気換算した長さを意味する。
本発明による撮像装置は、本発明の撮像レンズを備えている。
本発明の撮像レンズによれば、全体として6枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化し、特に第1レンズの形状を好適に構成したので、広角化と全長の短縮化を実現し、さらに、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
また、本発明の撮像装置によれば、上記本発明の高い結像性能を有する撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、高解像の撮影画像を得ることができる。
本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示すものであり、実施例1に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第2の構成例を示すものであり、実施例2に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第3の構成例を示すものであり、実施例3に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第4の構成例を示すものであり、実施例4に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第5の構成例を示すものであり、実施例5に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第6の構成例を示すものであり、実施例6に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第7の構成例を示すものであり、実施例7に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第8の構成例を示すものであり、実施例8に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第9の構成例を示すものであり、実施例9に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第10の構成例を示すものであり、実施例10に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの光路図である。 本発明の実施例1に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差、(D)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例2に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差、(D)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例3に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差、(D)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例4に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差、(D)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例5に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差、(D)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例6に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差、(D)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例7に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差、(D)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例8に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差、(D)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例9に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差、(D)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例10に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差、(D)は倍率色収差を示す。 本発明に係る撮像レンズを備えた携帯電話端末である撮像装置を示す図。 本発明に係る撮像レンズを備えたスマートフォンである撮像装置を示す図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(表1、表2)のレンズ構成に対応している。同様にして、後述の第2乃至第10の数値実施例(表3〜表20)のレンズ構成に対応する第2乃至第10の構成例の断面構成を、図2〜図10に示す。図1〜図10において、符号Riは、最も物体側のレンズ要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお、各構成例共に基本的な構成は同じであるため、以下では、図1に示した撮像レンズの構成例を基本にして説明し、必要に応じて図2〜図10の構成例についても説明する。また、図11は図1に示す撮像レンズLにおける光路図であり、無限遠の距離にある物点からの軸上光束2の各光路を示す。
本発明の実施の形態に係る撮像レンズLは、CCDやCMOS等の撮像素子を用いた各種撮像機器、特に、比較的小型の携帯端末機器、例えばデジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末およびPDA等に用いて好適なものである。この撮像レンズLは、光軸Z1に沿って、物体側から順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6とを備えている。
図22に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置1である携帯電話端末の概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置1は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1参照)とを備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(撮像面)に配置される。
図23に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置501であるスマートフォンの概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置501は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1参照)とを有するカメラ部541を備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(撮像面)に配置される。
第6レンズL6と撮像素子100との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、種々の光学部材CGが配置されていても良い。例えば撮像面保護用のカバーガラスや赤外線カットフィルタなどの平板状の光学部材が配置されていても良い。この場合、光学部材CGとして例えば平板状のカバーガラスに、赤外線カットフィルタやNDフィルタ等のフィルタ効果のあるコートが施されたものを使用しても良い。
また、光学部材CGを用いずに、第6レンズL6にコートを施す等して光学部材CGと同等の効果を持たせるようにしても良い。これにより、部品点数の削減と全長の短縮を図ることができる。
この撮像レンズLはまた、第3レンズL3の物体側の面より物体側に配置された開口絞りStを備えている。このように、開口絞りStを第3レンズL3の物体側の面よりも物体側に配置したことにより、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。この効果をより高めるために、開口絞りStが光軸方向において第2レンズの物体側の面よりも物体側に配置されることがさらに好ましい。なお、「第3レンズの物体側の面より物体側に配置」とは、光軸方向における開口絞りの位置が、軸上マージナル光線と第3レンズL3の物体側の面の交点と同じ位置かそれより物体側にあることを意味する。また、「第2レンズの物体側の面より物体側に配置」とは、光軸方向における開口絞りの位置が、軸上マージナル光線と第2レンズL2の物体側の面の交点と同じ位置かそれより物体側にあることを意味する。
この撮像レンズLにおいて、第1レンズL1は光軸近傍において負の屈折力を有している。また、第1レンズL1は光軸近傍で物体側に凹面を向けている。第1レンズL1が光軸近傍で負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けていることにより、第1レンズL1の周辺部を通過した周辺画角における光束が第2レンズL2に入射するときの光軸に対する角度(光軸を法線とする面に対する入射角)を低減することができるため、高次収差の発生を抑えることができ、広角化を実現しやすい。また、第1レンズL1が光軸近傍において物体側に凹面を向けていることにより、第1レンズL1の後側主点を像側に位置させることができ、必要なバックフォーカスを確保することが容易になる。また、この効果をさらに高めるために、第1レンズL1が光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状であることが好ましい。
第2レンズL2は、光軸近傍において正の屈折力を有している。このことにより、全長を好適に短縮化することができる。また、第2レンズL2は撮像レンズの主たる正の屈折力を構成している。また、第1の実施形態に示すように、第2レンズL2を光軸近傍において両凸形状にすることが好ましい。第2レンズL2を光軸近傍において両凸形状にした場合には、十分な正の屈折力を維持しつつ球面収差を良好に補正することができる。
第3レンズL3は、光軸近傍において負の屈折力を有している。これにより、球面収差、軸上の色収差を良好に補正することができる。また、第1の実施形態に示すように、第3レンズL3を光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状とすることが好ましい。第3レンズL3を光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状とした場合には、第3レンズL3が光軸近傍において負の屈折力を有する面を物体側に配置し、光軸近傍において正の屈折力を有する面を像側に配置しているため、第3レンズL3の後側主点を像側に寄せて位置させやすく、必要なバックフォーカスを確保することが容易になる。
第4レンズL4は、光軸近傍において負の屈折力を有している。これにより、非点収差を良好に補正することができる。この効果をさらに高めるために、第4レンズL4は、光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状である。第4レンズL4が光軸近傍において物体側に凹面を向けていることにより、非点収差を好適に補正することができ、広角化を好適に実現することができる。
第5レンズL5は、第1レンズL1乃至第4レンズL4を光線が通過する間に発生した諸収差をバランスよく補正できるものであれば、光軸近傍において負の屈折力を有するものとしてもよく、正の屈折力を有するものとしてもよい。例えば、第1の実施形態に示すように、第5レンズL5は両面を両凸形状とすることが好ましく、この場合には、全長を良好に短縮化でき、かつ、特に中間画角で撮像素子への入射角度が大きくなりすぎることを好適に抑制でき、中心画角から周辺画角にわたって撮像素子への入射角度が大きくなることを好適に抑制できる。特に携帯電話等に用いられるレンズ全長の短い撮像レンズにおいては、画角が大きくなるにつれて撮像素子への入射角度が大きくなる傾向が顕著であり、撮像素子に対する入射角度の増大に起因する受光効率の低下や混色などの諸問題の発生を防ぐことが重要であるため、このように中心画角から周辺画角にわたって撮像素子に対する入射角度を大きくなりすぎないように抑制することが非常に好ましい。
また、第6レンズL6は、光軸近傍において負の屈折力を有することが好ましい。第6レンズL6を負の屈折力を有するものとすることにより、全長の短縮化を図りつつ、像面湾曲を良好に補正できる。また、この効果を更に高めるために、第6レンズL6が光軸近傍で像側に凹面を向けていることがさらに好ましい。また、第6レンズL6が光軸近傍において像側に凹面を向けたメニスカス形状であることがよりさらに好ましく、この場合には、第6レンズL6が光軸近傍で両凹形状である場合に比べ、良好に像面湾曲を補正することができる。第6レンズL6は、像側に凹面を向け、像側の面が少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状である。第6レンズL6が光軸近傍で像側に凹面を向けている場合に、第6レンズL6の像側の面を少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状とすることにより、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。この効果を更に高めるために、第6レンズL6を、光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状とし、かつ、第6レンズL6の両面を変曲点を有する非球面形状とすることが好ましい。第1の実施形態は、第6レンズL6を、光軸近傍で負の屈折力を有し、光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状とし、かつ、第6レンズL6の両面を変曲点を有する非球面形状とした構成例である。
次に、以上のように構成された撮像レンズLの条件式に関する作用および効果をより詳細に説明する。
まず、第1レンズL1の物体側の面の近軸曲率半径R1fと第1レンズL1の像側の面の近軸曲率半径R1rは、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
−1<(R1f−R1r)/(R1f+R1r)<0 (1)
条件式(1)は、第1レンズL1の物体側の面の近軸曲率半径R1fと第1レンズL1の像側の面の近軸曲率半径R1rの好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。条件式(1)の下限を下回る場合には、第1レンズL1を配置するための光軸上の長さが増大してしまうため、全長の短縮化に不利となる。また、条件式(1)の上限を上回る場合には、歪曲収差と倍率色収差の十分な補正が難しくなりやすい。このため、条件式(1)を満足することで、好適に全長の短縮化を図りつつ、良好に歪曲収差および倍率色収差を補正できる。上記観点から、下記条件式(1−1)を満たすことがより好ましく、条件式(1−2)を満たすことがよりさらに好ましい。
−0.5<(R1f−R1r)/(R1f+R1r)<−0.05 (1−1)
−0.4<(R1f−R1r)/(R1f+R1r)<−0.1 (1−2)
さらに、開口絞りStを第3レンズL3の物体側の面より物体側かつ第1レンズL1の物体側の面より像側に配置した場合に、条件式(1)の下限を下回ると、開口絞りStによる第3レンズL3の周辺光束の口径食が大きくなり、第3レンズL3の周辺を通過する光量を十分確保することが難しくなる。このため、開口絞りStを第3レンズL3の物体側の面より物体側かつ第1レンズL1の物体側の面より像側に配置した場合に、条件式(1)の下限を満足することが好ましく、条件式(1−1)の下限を満足することがさらに好ましく、条件式(1−2)の下限を満足することがよりさらに好ましい。
また、全系の焦点距離fおよび第2レンズL2の焦点距離f2は、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
1<f/f2<3 (2)
条件式(2)は、第2レンズの焦点距離f2に対する全系の焦点距離fの好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(2)の下限を下回る場合には、全系の屈折力に対して第2レンズL2の正の屈折力が弱くなりすぎて、全長の短縮化が難しくなる。また、条件式(2)の上限を上回る場合には、全系の屈折力に対して第2レンズL2の正の屈折力が強くなりすぎて、球面収差の補正に不利である。条件式(2)を満足することで、好適に全長の短縮化を図りつつ、球面収差を良好に補正することができる。上記観点から、下記条件式(2−1)を満たすことがより好ましく、条件式(2−2)を満たすことがよりさらにより好ましい。
1.3<f/f2<2.5 (2−1)
1.4<f/f2<2.2 (2−2)
また、第3レンズL3の焦点距離f3および第1レンズL1の焦点距離f1は、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0<f3/f1<0.5 (3)
条件式(3)は、第1レンズL1の焦点距離f1に対する第3レンズL3の焦点距離f3の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(3)の下限を下回る場合には、歪曲収差と倍率色収差を十分に補正することが難しくなり、広角化を実現しにくくなる。また、条件式(3)の上限を上回る場合には、第3レンズL3の屈折力に対して第1レンズL1の負の屈折力が強くなりすぎて、全長の短縮化に不利である。条件式(3)を満足することで、歪曲収差と倍率色収差を良好に補正して、全長の短縮化と広角化を実現することができる。上記観点から、下記条件式(3−1)を満たすことがより好ましく、条件式(3−2)を満たすことがよりさらにより好ましい。
0<f3/f1<0.3 (3−1)
0.05<f3/f1<0.2 (3−2)
また、第3レンズL3の焦点距離f3および第4レンズL4の焦点距離f4は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
0<f3/f4<1.2 (4)
条件式(4)は、第4レンズL4の焦点距離f4に対する第3レンズL3の焦点距離f3の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(4)の下限を下回る場合には、非点収差を十分に補正することが難しい。また、条件式(4)の上限を上回る場合には、第3レンズL3の屈折力に対して第4レンズL4の負の屈折力が強くなりすぎて、倍率色収差の補正に不利である。条件式(4)を満足することで、良好に非点収差と倍率色収差補正することができる。上記観点から、下記条件式(4−1)を満たすことがより好ましく、条件式(4−2)を満たすことがよりさらにより好ましい。
0<f3/f4<0.8 (4−1)
0<f3/f4<0.6 (4−2)
また、第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rに対する全系の焦点距離fは、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
1<f/R6r<4 (5)
条件式(5)は、第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rに対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。条件式(5)の下限を下回る場合には、全長の短縮化に不利である。また、第6レンズL6は光軸近傍において像側に凹面を向け、第6レンズL6の像側の面が変曲点を有しているため、条件式(5)の上限を上回る場合には、周辺画角での撮像素子への入射角度の増大を抑制するために、第6レンズL6の像側の面を、光軸近傍における正の屈折力から周辺に向かって負の屈折力に変化するように屈折力を変化させる度合いを大きくする必要が生じる。しかしながら、条件式(5)の上限を上回る場合に、第6レンズL6の像側の面の屈折力を変化させる度合いを大きくした場合には、中間画角で像面湾曲と歪曲収差を十分に補正することが難しくなる。このため、条件式(5)を満足することで、好適に全長の短縮化を図りつつ、中間画角における像面湾曲と歪曲収差を良好に補正できる。上記観点から、下記条件式(5−1)を満たすことがより好ましく、条件式(5−2)を満たすことがよりさらに好ましい。
1.5<f/R6r<3 (5−1)
1.8<f/R6r<2.8 (5−2)
また、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径R4fと第4レンズL4の像側の面の近軸曲率半径R4rは、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
−0.5<(R4f−R4r)/(R4f+R4r)<0 (6)
条件式(6)は、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径R4fと第4レンズL4の像側の面の近軸曲率半径R4rの好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。条件式(6)の下限を下回る場合には、非点収差の補正に不利である。条件式(6)の上限を上回る場合には、全長の短縮化に不利である。このため、条件式(6)を満足することで、好適に全長の短縮化を図りつつ、非点収差を良好に補正できる。上記観点から、下記条件式(6−1)を満たすことがより好ましい。
−0.3<(R4f−R4r)/(R4f+R4r)<−0.05 (6−1)
また、第1レンズL1のd線に関するアッベ数νd1は、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
40<νd1 (7)
条件式(7)は、第1レンズL1のd線に関するアッベ数νd1の好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。条件式(7)の上限を上回る場合には、倍率の色収差の補正に不利である。このため、条件式(7)を満足することで、好適に倍率色収差を補正できる。
また、第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離TTLと全系の焦点距離fは、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
1.0<TTL/f<3.0 (8)
条件式(8)は、全系の焦点距離fに対する第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離TTL(レンズ全長)の比の好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。なお、第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離TTLのうちのバックフォーカス分(第6レンズの像側の面頂点から像面までの光軸上の距離)は光軸上の空気換算長とする。条件式(8)の下限を下回る場合には、諸収差、特に像面湾曲と歪曲収差の補正が難しくなる。条件式(8)の上限を上回る場合には、レンズ全長が長くなることで、レンズ系全体の大型化を招いてしまうため好ましくない。このため、条件式(8)を満足することで、好適にレンズ系全体のコンパクト化を図りつつ、諸収差、特に像面湾曲と歪曲収差を良好に補正できる。上記観点から、下記条件式(8−1)を満たすことがより好ましい。
1.3<TTL/f<2.6 (8−1)
また、第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離TTLは、以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
4.0<TTL<6.0 (9)
条件式(9)は、第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離TTLの好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。なお、第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離TTLのうちのバックフォーカス分(第6レンズL6の像側の面頂点から像面までの光軸上の距離)は光軸上の空気換算長とする。条件式(9)の下限を下回る場合には、諸収差、特に像面湾曲と歪曲収差の補正が難しくなる。条件式(9)の上限を上回る場合には、レンズ全長が長くなることで、レンズ系全体の大型化を招いてしまうため好ましくない。このため、条件式(9)を満足することで、好適にレンズ系全体のコンパクト化を図りつつ、諸収差、特に像面湾曲と歪曲収差を良好に補正できる。上記観点から、下記条件式(9−1)を満たすことがより好ましい。
4.5<TTL<5.8 (9−1)
また、全系の焦点距離fと第6レンズの像側の面頂点から像面までの光軸上の距離BFLは、以下の条件式(10)を満足することが好ましい。
0.28<BFL/f<0.42 (10)
条件式(10)は、全系の焦点距離fに対する第6レンズの像側の面頂点から像面までの光軸上の距離BFL(バックフォーカス)の比の好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。なお、第6レンズの像側の面頂点から像面までの光軸上の距離BFLは光軸上の空気換算長とする。条件式(10)の下限を下回る場合には、第6レンズL6の像側の面に異物が付着した場合に、結像した画像中に写りこみやすくなってしまう。条件式(10)の上限を上回る場合には、全長が長くなってしまうため好ましくない。このため、条件式(10)を満足することで、好適に全長の短縮化を図りつつ、諸収差、特に像面湾曲と歪曲収差を良好に補正できる。上記観点から、下記条件式(10−1)を満たすことがより好ましい。
0.30<BFL/f<0.40 (10−1)
また、第6レンズの像側の面頂点から像面までの光軸上の距離BFLは、以下の条件式(11)を満足することが好ましい。
0.75<BFL<1.2 (11)
条件式(11)は、第6レンズの像側の面頂点から像面までの光軸上の距離BFL(バックフォーカス)の好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。なお、第6レンズの像側の面頂点から像面までの光軸上の距離BFLは光軸上の空気換算長とする。条件式(11)の下限を下回る場合には、第6レンズL6の像側の面に異物が付着した場合に、結像した画像中に写りこみやすくなってしまう。条件式(11)の上限を上回る場合には、全長が長くなってしまうため好ましくない。このため、条件式(11)を満足することで、好適に全長の短縮化を図りつつ、諸収差、特に像面湾曲と歪曲収差を良好に補正できる。上記観点から、下記条件式(11−1)を満たすことがより好ましい。
0.8<BFL<1.1 (11−1)
また、特に、撮影した画像をデジタルズーム機能で拡大して用いる機会が多い携帯電話端末などの撮像機器では、より広い撮影範囲を実現するために広角な撮像レンズが求められている。このため、全画角2ωが85度以上となるように、上記撮像レンズLの第1〜第6レンズの各構成を設定することが好ましい。特許文献1は全画角が71.8度である撮像レンズを開示しており、特許文献2は全画角が83.2度である撮像レンズを開示している。また、特許文献4は、全画角が34度〜42度である変倍レンズを開示しており、特許文献5は、全画角が30.2度〜40.8度の変倍レンズを開示しており、特許文献6は、全画角が31.2度〜40.8度の変倍レンズを開示している。これに対し、第1〜第10の実施形態における撮像レンズは、いずれも全画角2ωが85度以上となるこのため、広い画角で撮影画像を得ることができ、撮像レンズLを上記のようなデジタルズーム機能を搭載した撮像機器に好適に適用することができる。
次に、図2〜10を参照しながら、本発明の第2乃至第10の実施形態にかかる撮像レンズについて詳細に説明する。図1に示す第1の実施形態および図5乃至図10に示す第5乃至第10の実施形態に係る撮像レンズは、第1レンズL1から第6レンズL6の全ての面が非球面形状とされている。図2乃至図4に示す第2乃至第4の実施形態に係る撮像レンズは、第2レンズL2から第6レンズL6の全ての面が非球面形状とされている。また、本発明の第2乃至第10の実施形態にかかる撮像レンズは、第1の実施形態と同様に、物体側から順に、負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けた第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、負の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第4レンズと、第5レンズと、像側に凹面を向け、像側の面が少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状である第6レンズとから構成される。このため、以下の第2から第10の実施形態においては、各レンズ群を構成する各レンズの他の詳細な構成についてのみ説明する。また、第1から第10の実施形態の間で互いに共通する構成の作用効果はそれぞれ同じ作用効果を有するため、実施形態の順番が早いものについて構成及びその作用効果を説明し、その他の実施形態の共通する構成及びその作用効果の重複説明を省略する。
図2に示す第2の実施形態のように、第3レンズL3を光軸近傍で両凹形状としてもよい。第3レンズL3を光軸近傍で両凹形状とすることにより、高次の球面収差の発生を抑制することができる。また、第2の実施形態においては、第1の実施形態と第1レンズL1、第2レンズL2および第4ないし第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図3に示す第3の実施形態にかかる撮像レンズおよび図4に示す第4の実施形態にかかる撮像レンズは、それぞれ第2の実施形態と第1レンズL1ないし第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第2の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図5に示す第5の実施形態のように、第5レンズL5を光軸近傍で正の屈折力を有し、光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状としてもよい。これにより、好適に全長を短縮化できる。また、第5の実施形態にかかる撮像レンズは、第1の実施形態と第1レンズL1ないし第4レンズL4および第6レンズL6のレンズ構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図6に示す第6の実施形態のように、第6レンズL6を光軸近傍で正の屈折力を有し、光軸近傍において像側に凹面を向けたメニスカス形状としてもよい。これにより、好適に全長を短縮化できる。また、第6の実施形態にかかる撮像レンズは、第1の実施形態と第1レンズL1ないし第5レンズL5のレンズ構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図7に示す第7の実施形態にかかる撮像レンズLは、第6の実施形態と第1レンズL1ないし第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第6の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図8に示す第8の実施形態のように、第5レンズL5を光軸近傍で負の屈折力を有し、光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状としてもよい。第5レンズL5が光軸近傍において負の屈折力を有し、光軸近傍において像側に凹面を向けている場合には、良好に非点収差を補正することができる。また、第5レンズL5を像側に凹面を向けたメニスカス形状とすることにより、全長を好適に短縮化できる。また、第8の実施形態における撮像レンズは、第6の実施形態と第1レンズL1ないし第4レンズL4および第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図9に示す第9の実施形態にかかる撮像レンズLは、第8の実施形態と第1レンズL1ないし第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第8の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図10に示す第10の実施形態にかかる撮像レンズLは、第1の実施形態と第1レンズL1ないし第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る撮像レンズLによれば、全体として6枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化し、特に第1レンズの形状を好適に構成したので、全長の短縮化と広角化を実現しながらも、高解像性能を有するレンズ系を実現できる。
また、適宜好ましい条件を満足することで、より高い結像性能を実現できる。また、本実施の形態に係る撮像装置によれば、本実施の形態に係る高性能の撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、中心画角から周辺画角まで高解像の撮影画像を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態に係る撮像レンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、複数の数値実施例をまとめて説明する。
後掲の表1および表2は、図1に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを示している。特に表1にはその基本的なレンズデータを示し、表2には非球面に関するデータを示す。表1に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係る撮像レンズについて、最も物体側のレンズ要素の面を1番目(開口絞りStを1番目)として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線(587.56nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。また、表1には、諸データとして、全系の焦点距離f(mm)と、バックフォーカスBFL(mm)をそれぞれ示す。なお、上記バックフォーカスBFLは空気換算した値を表すものとする。
この実施例1に係る撮像レンズは、第1レンズL1乃至第6レンズL6の両面がすべて非球面形状となっている。表1の基本レンズデータには、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径(近軸曲率半径)の数値を示している。
表2には実施例1の撮像レンズにおける非球面データを示す。非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数Ai,Kの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
Z=C・h2/{1+(1−K・C2・h21/2}+ΣAi・hi (A)
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
K:非球面係数
とする。
以上の実施例1の撮像レンズと同様にして、図2に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例2として、表3および表4に示す。また同様にして、図3〜図10に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例3乃至実施例10として、表5〜20に示す。これらの実施例1および実施例5〜10に係る撮像レンズでは、第1レンズL1乃至第6レンズL6の両面がすべて非球面形状となっており、実施例2〜4に係る撮像レンズでは、第2レンズL2乃至第6レンズL6の両面がすべて非球面形状となっている。
図12(A)〜(D)はそれぞれ、実施例1の撮像レンズにおける球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)、倍率色収差(倍率の色収差)図を示している。球面収差、非点収差(像面湾曲)、ディストーション(歪曲収差)を表す各収差図には、d線(波長587.56nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図、倍率色収差図には、F線(波長486.1nm)、C線(波長656.27nm)についての収差も示す。また、球面収差図には、g線(波長435.83nm)についての収差も示す。非点収差図において、実線はサジタル方向(S)、破線はタンジェンシャル方向(T)の収差を示す。また、Fno.はFナンバーを、ωは半画角をそれぞれ示す。
同様に、実施例2の撮像レンズについての諸収差を図13(A)〜(D)に示す。同様にして、実施例3乃至実施例10の撮像レンズについての諸収差を図14(A)〜(D)乃至図21(A)〜(D)に示す。
また、表21には、本発明に係る各条件式(1)〜(11)に関する値を、各実施例1〜10についてそれぞれまとめたものを示す。なお、表21において、条件式(1)および(6)における、第1レンズの物体側の面の近軸曲率半径R1f、第1レンズの像側の面の近軸曲率半径R1r、第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径R4fおよび第4レンズの像側の面の近軸曲率半径R4rは、図1〜10および表1、3、5、…、19におけるR1、R2、R8およびR9にそれぞれ相当する。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、全長を短縮化しながらも小さなFナンバーと高い結像性能が実現されている。
なお、本発明の撮像レンズには、上記実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数の値などは、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
また、上記各実施例では、すべて固定焦点で使用する前提での記載とされているが、フォーカス調整可能な構成とすることも可能である。例えばレンズ系全体を繰り出したり、一部のレンズを光軸上で動かしてオートフォーカス可能な構成とすることも可能である。

Claims (19)

  1. 物体側から順に、
    負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けた第1レンズと、
    正の屈折力を有する第2レンズと、
    負の屈折力を有する第3レンズと、
    負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第4レンズと、
    第5レンズと、
    像側に凹面を向け、像側の面が少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状である第6レンズと
    から構成される実質的に6個のレンズからなり、
    前記第3レンズの物体側の面よりも物体側に配置された開口絞りをさらに備えたことを特徴とする撮像レンズ。
  2. 前記第1レンズが物体側に凹面を向けたメニスカス形状であることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  3. さらに以下の条件式を満足する請求項1または2記載の撮像レンズ。
    −1<(R1f−R1r)/(R1f+R1r)<0 (1)
    ただし、
    R1f:前記第1レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    R1r:前記第1レンズの像側の面の近軸曲率半径
    とする。
  4. さらに以下の条件式を満足する請求項1から3のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    1<f/f2<3 (2)
    ただし、
    f:全系の焦点距離
    f2:前記第2レンズの焦点距離
    とする。
  5. さらに以下の条件式を満足する請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0<f3/f1<0.5 (3)
    ただし、
    f3:前記第3レンズの焦点距離
    f1:前記第1レンズの焦点距離
    とする。
  6. さらに以下の条件式を満足する請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0<f3/f4<1.2 (4)
    ただし、
    f3:前記第3レンズの焦点距離
    f4:前記第4レンズの焦点距離
    とする。
  7. さらに以下の条件式を満足する請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    1<f/R6r<4 (5)
    ただし、
    f:全系の焦点距離
    R6r:前記第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
    とする。
  8. さらに以下の条件式を満足する請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    −0.5<(R4f−R4r)/(R4f+R4r)<0 (6)
    ただし、
    R4f:前記第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    R4r:前記第4レンズの像側の面の近軸曲率半径
    とする。
  9. さらに以下の条件式を満足する請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    40<νd1 (7)
    ただし、
    νd1:前記第1レンズのd線に関するアッベ数
    とする。
  10. さらに以下の条件式を満足する請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    1.0<TTL/f<3.0 (8)
    ただし、
    TTL:前記第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離(ただし、バックフォーカス分は光軸上の空気換算長とする)
    f:全系の焦点距離
    とする。
  11. さらに以下の条件式を満足する請求項1から10のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    4.0<TTL<6.0 (9)
    ただし、
    TTL(mm):前記第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離(ただし、バックフォーカス分は光軸上の空気換算長とする。)
    とする。
  12. さらに以下の条件式を満足する請求項1から11のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.28<BFL/f<0.42 (10)
    ただし、
    BFL:前記第6レンズの像側の面頂点から像面までの光軸上の距離(空気換算長)
    f:全系の焦点距離
    とする。
  13. さらに以下の条件式を満足する請求項1から12のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.75<BFL<1.2 (11)
    ただし、
    BFL(mm):前記第6レンズの像側の面頂点から像面までの光軸上の距離(空気換算長)
    とする。
  14. 前記開口絞りが前記第2レンズの物体側の面よりも物体側に配置されている請求項1から13のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  15. さらに以下の条件式を満足する請求項1から14のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    −0.5<(R1f−R1r)/(R1f+R1r)<−0.05 (1−1)
    ただし、
    R1f:前記第1レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    R1r:前記第1レンズの像側の面の近軸曲率半径
    とする。
  16. さらに以下の条件式を満足する請求項1から15のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    1.3<f/f2<2.5 (2−1)
    ただし、
    f:全系の焦点距離
    f2:前記第2レンズの焦点距離
    とする。
  17. さらに以下の条件式を満足する請求項1から16のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0<f3/f1<0.3 (3−1)
    ただし、
    f3:前記第3レンズの焦点距離
    f1:前記第1レンズの焦点距離
    とする。
  18. さらに以下の条件式を満足する請求項1から17のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0<f3/f4<0.8 (4−1)
    ただし、
    f3:前記第3レンズの焦点距離
    f4:前記第4レンズの焦点距離
    とする。
  19. 請求項1から18のいずれか1項に記載された撮像レンズを備えた撮像装置。
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