JP2015022145A - 撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広画角化および高解像化を実現した撮像レンズおよびこの撮像レンズを備えた撮像装置を実現する。
【解決手段】撮像レンズが、物体側から順に、負の屈折力を有し、像側に凹面を向けたメニスカス形状である第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、正の屈折力を有する第5レンズL5と、負の屈折力を有し、像側に凹面を向け、像側の面が少なくとも1つの変曲点を有する第6レンズL6と、から構成される実質的に6個のレンズからなり、所定の条件式を満足することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】撮像レンズが、物体側から順に、負の屈折力を有し、像側に凹面を向けたメニスカス形状である第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、正の屈折力を有する第5レンズL5と、負の屈折力を有し、像側に凹面を向け、像側の面が少なくとも1つの変曲点を有する第6レンズL6と、から構成される実質的に6個のレンズからなり、所定の条件式を満足することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子上に被写体の光学像を結像させる固定焦点の撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して撮影を行うデジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話機および情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistance)、スマートフォン、タブレット型端末および携帯型ゲーム機等の撮像装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータの一般家庭等への普及に伴い、撮影した風景や人物像等の画像情報をパーソナルコンピュータに入力することができるデジタルスチルカメラが急速に普及している。また、携帯電話、スマートフォン、またはタブレット型端末に画像入力用のカメラモジュールが搭載されることも多くなっている。このような撮像機能を有する機器には、CCDやCMOSなどの撮像素子の高画素化が進んでおり、撮像レンズの高解像、高性能化が要求されている。例えば5メガピクセル以上、よりさらに好適には8メガピクセル以上の高画素に対応した性能が要求されている。
このような要求を満たすために、レンズ枚数が比較的多い5枚構成の撮像レンズが提案されており、さらなる高性能化のためにレンズ枚数をより多くした6枚構成の撮像レンズも提案されている。例えば、特許文献1乃至3には、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、負の屈折力を有する第6レンズからなる6枚構成の撮像レンズを提案している。
一方、特に携帯端末、スマートフォンまたはタブレット端末のような装置に用いられる撮像レンズにおいて、所望の画像部分を含むようにできるだけ広い画角を高解像度で撮像した画像を取得し、撮像された画像から所望の画像部分を拡大等して用いたいという要求がある。この要求に応えるために、撮像レンズの広画角化が求められる。しかしながら、上記特許文献1乃至3に記載された撮像レンズでは要求される画角を実現できず、さらなる広画角化が必要である。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、その目的は、広画角化を実現し、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を実現することができる撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して高解像の撮像画像を得ることができる撮像装置を提供することにある。
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有し、像側に凹面を向けたメニスカス形状である第1レンズと、第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズと、負の屈折力を有し、像側に凹面を向け、像側の面が少なくとも1つの変曲点を有する第6レンズと、から構成される実質的に6個のレンズからなり、下記条件式を満足することを特徴とする。
1.5<f・tanω/R6r<20 (1)
ただし、
f:全系の焦点距離
ω:半画角
R6r:第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
とする。
1.5<f・tanω/R6r<20 (1)
ただし、
f:全系の焦点距離
ω:半画角
R6r:第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
とする。
なお、本発明の撮像レンズにおいて、「実質的に6個のレンズからなり、」とは、本発明の撮像レンズが、6個のレンズ以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞りやカバーガラス等レンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手振れ補正機構等の機構部分、等を持つものも含むことを意味する。また、上記のレンズの面形状や屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては近軸領域で考えるものとする。
本発明の撮像レンズにおいて、さらに、次の好ましい構成を採用して満足することで、光学性能をより良好なものとすることができる。
本発明の撮像レンズにおいて、第2レンズが正の屈折力を有することが好ましい。また、本発明の撮像レンズにおいて、第2レンズが両凸形状であることがさらに好ましい。
本発明の撮像レンズにおいて、第3レンズが負の屈折力を有することが好ましい。
また、本発明の撮像レンズにおいて、第1レンズの物体側の面と第2レンズの像側の面の間に配置された開口絞りをさらに備えることが好ましい。
本発明の撮像レンズは、以下の条件式(1−1)から(7−1)のいずれかを満足することが好ましい。なお、本発明の好ましい態様としては、条件式(1−1)から(7−1)のいずれか一つを満たすものでもよく、あるいは任意の組合せを満たすものでもよい。
2<f・tanω/R6r<15 (1−1)
3<f・tanω/R6r<10 (1−2)
−0.7<f/R4f<0 (2)
−0.7<f/R4f<−0.1 (2−1)
−0.65<f/f4<0.55 (3)
−0.4<f/f4<0.5 (3−1)
TTL/f<2.2 (4)
0.8<TTL/f<2 (4−1)
0.4<f/f12<1.25 (5)
0.7<f/f12<1.2 (5−1)
1.1<f/f5<1.95 (6)
1.3<f/f5<1.95 (6−1)
0.7<f/f2<1.8 (7)
0.9<f/f2<1.5 (7−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
ω:半画角
R6r:第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
R4f:第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
f2:第2レンズの焦点距離
f4:第4レンズの焦点距離
f5:第5レンズの焦点距離
f12:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離
TTL:バックフォーカス分を空気換算長とした場合の第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離
とする。
2<f・tanω/R6r<15 (1−1)
3<f・tanω/R6r<10 (1−2)
−0.7<f/R4f<0 (2)
−0.7<f/R4f<−0.1 (2−1)
−0.65<f/f4<0.55 (3)
−0.4<f/f4<0.5 (3−1)
TTL/f<2.2 (4)
0.8<TTL/f<2 (4−1)
0.4<f/f12<1.25 (5)
0.7<f/f12<1.2 (5−1)
1.1<f/f5<1.95 (6)
1.3<f/f5<1.95 (6−1)
0.7<f/f2<1.8 (7)
0.9<f/f2<1.5 (7−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
ω:半画角
R6r:第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
R4f:第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
f2:第2レンズの焦点距離
f4:第4レンズの焦点距離
f5:第5レンズの焦点距離
f12:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離
TTL:バックフォーカス分を空気換算長とした場合の第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離
とする。
本発明による撮像装置は、本発明の撮像レンズを備えたものである。
本発明に係る撮像レンズによれば、全体として6枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化したので、広画角化を実現し、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
また、本発明の撮像装置によれば、本発明の高い結像性能を有する撮像レンズのいずれかによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、高解像の撮影画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(表1、表2)のレンズ構成に対応している。同様にして、後述の第2乃至第6の実施形態に係る数値実施例(表3〜表12)のレンズ構成に対応する第2乃至第6の構成例の断面構成を、図2〜図6に示す。図1〜図6において、符号Riは、最も物体側のレンズ要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお、各構成例共に基本的な構成は同じであるため、以下では、図1に示した撮像レンズの構成例を基本にして説明し、必要に応じて図2〜図6の構成例についても説明する。また、図7は図1に示す撮像レンズLにおける光路図であり、無限遠の距離にある物点からの軸上光束2および最大画角の光束3の各光路を示す。
本発明の実施の形態に係る撮像レンズLは、CCDやCMOS等の撮像素子を用いた各種撮像機器、特に、比較的小型の携帯端末機器、例えばデジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末およびPDA等に用いて好適なものである。この撮像レンズLは、光軸Z1に沿って、物体側から順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6を備えている。
図14に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置1である携帯電話端末の概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置1は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1参照)とを備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(図1〜6における像面R16)に配置される。
図15に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置501であるスマートフォンの概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置501は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1参照)とを有するカメラ部541を備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(撮像面)に配置される。
第6レンズL6と撮像素子100との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、種々の光学部材CGが配置されていても良い。例えば撮像面保護用のカバーガラスや赤外線カットフィルタなどの平板状の光学部材が配置されていてもよい。この場合、光学部材CGとして例えば平板状のカバーガラスに、赤外線カットフィルタやNDフィルタ等のフィルタ効果のあるコートが施されたもの、あるいは同様の効果を有する材料を使用しても良い。
また、光学部材CGを用いずに、第6レンズL6にコートを施す等して光学部材CGと同等の効果を持たせるようにしてもよい。これにより、部品点数の削減と全長の短縮を図ることができる。
この撮像レンズLはまた、第1レンズL1の物体側の面と第2レンズL2の像側の面との間に配置された開口絞りStを備えることが好ましい。開口絞りStを第1レンズL1の物体側の面より像側に配置した場合には、第1レンズL1の負の屈折力の作用を好適に確保することができるため、広画角化の実現に有利である。また、開口絞りStを第2レンズL2の像側の面よりも物体側に配置した場合には、射出瞳の位置を物体側に寄せることができ、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。本実施の形態において、第1〜第6の構成例のレンズ(図1〜6)が、開口絞りStが第1レンズL1の物体側の面と第2レンズL2の像側の面との間に配置された構成例である。なお、ここに示す開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z1上の位置を示すものである。
この撮像レンズLにおいて、第1レンズL1は、光軸近傍で負の屈折力を有する。このため、第1レンズL1を通過した光線と光軸との角度が大きくなることを抑制することができ、広画角化を実現するために有利である。また、第1レンズL1は、光軸近傍で負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けたメニスカス形状である。このことにより、第1レンズL1を負の屈折力を有するものとした場合に生じやすい歪曲収差を好適に抑制できる。
第2レンズL2は、光軸近傍において正の屈折力を有することが好ましい。この場合には、好適に全長の短縮化を実現することができる。また、各実施形態に示されるように、第2レンズL2は光軸近傍で両凸形状とすることが好ましく、この場合には、球面収差を良好に補正することができる。
第3レンズL3は、光軸近傍において負の屈折力を有することが好ましい。この場合には、球面収差と、軸上の色収差と、倍率の色収差とを良好に補正することができる。また、各実施形態に示されるように、第3レンズL3は、光軸近傍において両凹形状とされていることが好ましく、この場合には、球面収差を良好に補正することができる。また、第3レンズL3を、光軸近傍において曲率の絶対値の小さい面を物体側に向けた両凹形状とすることが更に好ましく、この場合には、非点収差を良好に補正することができる。
第4レンズL4は、所望の性能を実現できるものであれば、光軸近傍において正の屈折力を有するものであってもよく負の屈折力を有するものであってもよい。第4レンズL4が正の屈折力を有する場合には、球面収差を良好に補正することができる。また、第1乃至第3および第5乃至6の実施形態に示すように、第4レンズL4を像側に凸面を向けたメニスカス形状とすることができ、この場合には、非点収差を良好に補正することができる。また、第4の実施形態に示すように、第4レンズL4を物体側に曲率半径の絶対値の小さい面を向けた両凹レンズとすることもができ、この場合には、高次の球面収差の発生を好適に抑制することができる。
第5レンズL5は、光軸近傍において正の屈折力を有する。このことにより、全長の短縮化を実現しつつ、倍率の色収差を良好に補正することができる。また、第1乃至第5の実施形態に示すように、第5レンズL5を光軸近傍において両凸形状とすることが好ましい。この場合には、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制しつつ、非点収差をバランスよく補正することができる。また、第1乃至第5の実施形態に示すように、第5レンズL5を光軸近傍において像側に曲率半径の絶対値の小さい面を向けた両凸形状とすることが好ましく、この場合には、非点収差をより好適に補正することができる。また、第6の実施形態に示すように、第5レンズL5を、光軸近傍において像側に凸面を向けたメニスカス形状としてもよい。この場合にも、非点収差を好適に補正することができる。
第6レンズL6は、光軸近傍において負の屈折力を有する。撮像レンズの最も像側に光軸近傍において負の屈折力を有するレンズを配置することにより、全長を好適に短縮化することができる。また、第6レンズL6を光軸近傍において負の屈折力を有するものとすることにより、ペッツバール和を低減して像面湾曲を良好に補正することで、広画角化を実現しやすい。
また、第6レンズL6は光軸近傍において像側に凹面を向けている。第6レンズL6が光軸近傍において像側に凹面を向けていることにより、より好適に全長の短縮化を実現しつつ、像面湾曲を良好に補正することができる。また、第1乃至第6の実施形態に示すように、第6レンズL6を光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状とすることが好ましく、この場合には、第6レンズL6の負の屈折力を過度に強くする必要が生じにくいため全長の短縮化に有利である。
また、例えば、第6レンズL6を像側に凹面を向けた球面レンズとし、第6レンズL6の像側の面の曲率半径の絶対値を小さくした場合には、周辺画角の光線の像面への入射角が大きくなる、周辺画角の光線が全反射を起こして像面に到達しないなどの不具合の発生が懸念される。しかしながら、各実施形態に示すように、第6レンズL6を、光軸近傍で像側に凹面を向け、像側の面が有効径内に少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状に構成することにより、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができ、上記のような周辺画角の光線の全反射による不具合の発生を抑えることができる。なお、第6レンズL6の像側の面における「変曲点」とは、第6レンズL6の像側の面形状が像側に対して凸形状から凹形状(または凹形状から凸形状)に切り替わる点を意味する。変曲点の位置は、第6レンズL6の像側の面の有効径内であれば光軸から半径方向外側の任意の位置に配置することができる。
上記撮像レンズLによれば、全体として6枚というレンズ構成において、第1ないし第6レンズの各レンズ要素の構成を最適化したので、広画角で高解像性能を有するレンズ系を実現できる。
この撮像レンズLは、高性能化のために、第1レンズL1乃至第6レンズL6のそれぞれのレンズの少なくとも一方の面に、非球面を用いることが好適である。
また、撮像レンズLを構成する各レンズL1乃至L6は接合レンズでなく単レンズとすることが好ましい。各レンズL1乃至L6のいずれかを接合レンズとした場合よりも、非球面数が多いため、各レンズの設計自由度が高くなり、好適に全長の短縮化を図ることができるからである。
次に、以上のように構成された撮像レンズLの条件式に関する作用および効果をより詳細に説明する。なお、撮像レンズLは、下記各条件式について、各条件式のいずれか1つまたは任意の組合せを満足することが好ましい。満足する条件式は撮像レンズLに要求される事項に応じて適宜選択されることが好ましい。
まず、全系の焦点距離f、半画角ω、第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rは、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
1.5<f・tanω/R6r<20 (1)
条件式(1)は、第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rに対する近軸像高(f・tanω)の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(1)の下限以下とならないように、第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rに対する近軸像高(f・tanω)を設定することで、近軸像高(f・tanω)に対して撮像レンズの最も像側の面である第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rの絶対値が大きくなりすぎず、全長の短縮化を実現しつつ、像面湾曲を良好に補正することができる。なお、各実施形態の撮像レンズに示すように、第6レンズL6を像側に凹面を向け、少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状とし、条件式(1)の下限を満たした場合には、中心画角から周辺画角まで像面湾曲を良好に補正することができるため、広画角化の実現に好適である。また、条件式(1)の上限以上とならないように、第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rに対する近軸像高(f・tanω)を設定することで、近軸像高(f・tanω)に対して撮像レンズの最も像側の面である第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rの絶対値が小さくなりすぎず、特に周辺画角において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができ、像面湾曲が補正過剰になることを抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(1−1)を満たすことが好ましく、条件式(1−2)を満たすことがさらに好ましい。
2<f・tanω/R6r<15 (1−1)
3<f・tanω/R6r<10 (1−2)
1.5<f・tanω/R6r<20 (1)
条件式(1)は、第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rに対する近軸像高(f・tanω)の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(1)の下限以下とならないように、第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rに対する近軸像高(f・tanω)を設定することで、近軸像高(f・tanω)に対して撮像レンズの最も像側の面である第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rの絶対値が大きくなりすぎず、全長の短縮化を実現しつつ、像面湾曲を良好に補正することができる。なお、各実施形態の撮像レンズに示すように、第6レンズL6を像側に凹面を向け、少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状とし、条件式(1)の下限を満たした場合には、中心画角から周辺画角まで像面湾曲を良好に補正することができるため、広画角化の実現に好適である。また、条件式(1)の上限以上とならないように、第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rに対する近軸像高(f・tanω)を設定することで、近軸像高(f・tanω)に対して撮像レンズの最も像側の面である第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rの絶対値が小さくなりすぎず、特に周辺画角において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができ、像面湾曲が補正過剰になることを抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(1−1)を満たすことが好ましく、条件式(1−2)を満たすことがさらに好ましい。
2<f・tanω/R6r<15 (1−1)
3<f・tanω/R6r<10 (1−2)
また、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径R4fに対する全系の焦点距離fは、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
−0.7<f/R4f<0 (2)
条件式(2)は、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径R4fに対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。条件式(2)の下限以下とならないように、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径R4fに対する全系の焦点距離fの比を設定することで、球面収差の発生を抑制することができる。条件式(2)の上限以上とならないように、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径R4fに対する全系の焦点距離fの比を設定することで、非点収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、下記条件式(2−1)を満たすことがより好ましい。
−0.7<f/R4f<−0.1 (2−1)
−0.7<f/R4f<0 (2)
条件式(2)は、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径R4fに対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。条件式(2)の下限以下とならないように、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径R4fに対する全系の焦点距離fの比を設定することで、球面収差の発生を抑制することができる。条件式(2)の上限以上とならないように、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径R4fに対する全系の焦点距離fの比を設定することで、非点収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、下記条件式(2−1)を満たすことがより好ましい。
−0.7<f/R4f<−0.1 (2−1)
また、第4レンズL4の焦点距離f4および全系の焦点距離fは、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
−0.65<f/f4<0.55 (3)
条件式(3)は、第4レンズL4の焦点距離f4に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(3)の下限以下とならないように、第4レンズL4の屈折力を維持することにより、全系の正の屈折力に対して第4レンズL4の負の屈折力が強くなりすぎず、全長の短縮化に有利である。条件式(3)の上限以上とならないように、第4レンズL4の屈折力を確保することにより、全系の屈折力に対して第4レンズL4の屈折力が強くなりすぎず、第4レンズL4による球面収差の発生を抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(3−1)を満たすことがより好ましい。
−0.4<f/f4<0.5 (3−1)
−0.65<f/f4<0.55 (3)
条件式(3)は、第4レンズL4の焦点距離f4に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(3)の下限以下とならないように、第4レンズL4の屈折力を維持することにより、全系の正の屈折力に対して第4レンズL4の負の屈折力が強くなりすぎず、全長の短縮化に有利である。条件式(3)の上限以上とならないように、第4レンズL4の屈折力を確保することにより、全系の屈折力に対して第4レンズL4の屈折力が強くなりすぎず、第4レンズL4による球面収差の発生を抑制することができる。この効果をより高めるために、条件式(3−1)を満たすことがより好ましい。
−0.4<f/f4<0.5 (3−1)
また、第1レンズL1の物体側の面から像面までの光軸上の距離TTLと全系の焦点距離fは、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
TTL/f<2.2 (4)
条件式(4)は、全系の焦点距離fに対する第1レンズL1の物体側の面から像面までの光軸上の距離TTL(レンズ全長)の比の好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。なお、第1レンズL1の物体側の面から像面までの光軸上の距離TTLのうちのバックフォーカス分(第6レンズL6の像側の面頂点から像面までの光軸上の距離)は空気換算長とする。条件式(4)の上限以上とならないように、全系の焦点距離fに対して第1レンズL1の物体側の面から像面までの光軸上の距離TTLを維持することで、全長の短縮化を図りつつ、全系の焦点距離fを広画角化のために必要とされる大きさに確保できる。この効果をさらに高めるために、下記条件式(4−1)の上限を満たすことがより好ましく、条件式(4−2)の上限を満たすことがさらに好ましい。また、条件式(4−1)の下限以下とならないように、第1レンズL1の物体側の面から像面までの光軸上の距離TTLを確保することが好ましい。この場合には、全長を短縮化しつつ諸収差、特に像面湾曲と歪曲収差の補正を容易にできる。この効果をさらに高めるために、条件式(4−2)の下限を満たすことがさらに好ましい。
0.8<TTL/f<2 (4−1)
1<TTL/f<1.8 (4−2)
TTL/f<2.2 (4)
条件式(4)は、全系の焦点距離fに対する第1レンズL1の物体側の面から像面までの光軸上の距離TTL(レンズ全長)の比の好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。なお、第1レンズL1の物体側の面から像面までの光軸上の距離TTLのうちのバックフォーカス分(第6レンズL6の像側の面頂点から像面までの光軸上の距離)は空気換算長とする。条件式(4)の上限以上とならないように、全系の焦点距離fに対して第1レンズL1の物体側の面から像面までの光軸上の距離TTLを維持することで、全長の短縮化を図りつつ、全系の焦点距離fを広画角化のために必要とされる大きさに確保できる。この効果をさらに高めるために、下記条件式(4−1)の上限を満たすことがより好ましく、条件式(4−2)の上限を満たすことがさらに好ましい。また、条件式(4−1)の下限以下とならないように、第1レンズL1の物体側の面から像面までの光軸上の距離TTLを確保することが好ましい。この場合には、全長を短縮化しつつ諸収差、特に像面湾曲と歪曲収差の補正を容易にできる。この効果をさらに高めるために、条件式(4−2)の下限を満たすことがさらに好ましい。
0.8<TTL/f<2 (4−1)
1<TTL/f<1.8 (4−2)
また、第1レンズL1と第2レンズL2の合成焦点距離f12および全系の焦点距離fは、以下の条件式(5)を満足することがより好ましい。
0.4<f/f12<1.25 (5)
条件式(5)は、第1レンズL1と第2レンズL2の合成焦点距離f12に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(5)の下限以下とならないように、第1レンズL1と第2レンズL2の合成屈折力を確保することにより、全系の屈折力に対して第1レンズL1と第2レンズL2の合成屈折力が弱くなりすぎず、好適に全長を短縮化することできる。条件式(5)の上限以上とならないように、第1レンズL1と第2レンズL2の合成屈折力を維持することにより、全系の屈折力に対して第1レンズL1と第2レンズL2の合成屈折力が強くなりすぎず、球面収差の発生を抑制することができ好適である。この効果をより高めるために、条件式(5−1)を満たすことがより好ましい。
0.7<f/f12<1.2 (5−1)
0.4<f/f12<1.25 (5)
条件式(5)は、第1レンズL1と第2レンズL2の合成焦点距離f12に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(5)の下限以下とならないように、第1レンズL1と第2レンズL2の合成屈折力を確保することにより、全系の屈折力に対して第1レンズL1と第2レンズL2の合成屈折力が弱くなりすぎず、好適に全長を短縮化することできる。条件式(5)の上限以上とならないように、第1レンズL1と第2レンズL2の合成屈折力を維持することにより、全系の屈折力に対して第1レンズL1と第2レンズL2の合成屈折力が強くなりすぎず、球面収差の発生を抑制することができ好適である。この効果をより高めるために、条件式(5−1)を満たすことがより好ましい。
0.7<f/f12<1.2 (5−1)
また、第5レンズL5の焦点距離f5および全系の焦点距離fは、以下の条件式(6)を満足することがより好ましい。
1.1<f/f5<1.95 (6)
条件式(6)は、第5レンズL5の焦点距離f5に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(6)の下限以下とならないように、第5レンズL5の屈折力を確保することにより、全系の屈折力に対して第5レンズL5の正の屈折力が弱くなりすぎず、好適に全長を短縮化することできる。条件式(6)の上限以上とならないように、第5レンズL5の屈折力を維持することにより、全系の屈折力に対して第5レンズL5の正の屈折力が強くなりすぎず、歪曲収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(6−1)を満たすことがより好ましい。
1.3<f/f5<1.95 (6−1)
1.1<f/f5<1.95 (6)
条件式(6)は、第5レンズL5の焦点距離f5に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(6)の下限以下とならないように、第5レンズL5の屈折力を確保することにより、全系の屈折力に対して第5レンズL5の正の屈折力が弱くなりすぎず、好適に全長を短縮化することできる。条件式(6)の上限以上とならないように、第5レンズL5の屈折力を維持することにより、全系の屈折力に対して第5レンズL5の正の屈折力が強くなりすぎず、歪曲収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(6−1)を満たすことがより好ましい。
1.3<f/f5<1.95 (6−1)
また、第2レンズL2の焦点距離f2および全系の焦点距離fは、以下の条件式(7)を満足することがより好ましい。
0.7<f/f2<1.8 (7)
条件式(7)は、第2レンズL2の焦点距離f2に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(7)の下限以下とならないように、第2レンズL2の屈折力を確保することにより、全系の屈折力に対して第2レンズL2の正の屈折力が弱くなりすぎず、好適に全長を短縮化することできる。条件式(7)の上限以上とならないように、第2レンズL2の屈折力を維持することにより、全系の屈折力に対して第2レンズL2の正の屈折力が強くなりすぎず、球面収差の発生を抑制することができ好適である。この効果をより高めるために、条件式(7−1)を満たすことがより好ましい。
0.9<f/f2<1.5 (7−1)
0.7<f/f2<1.8 (7)
条件式(7)は、第2レンズL2の焦点距離f2に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(7)の下限以下とならないように、第2レンズL2の屈折力を確保することにより、全系の屈折力に対して第2レンズL2の正の屈折力が弱くなりすぎず、好適に全長を短縮化することできる。条件式(7)の上限以上とならないように、第2レンズL2の屈折力を維持することにより、全系の屈折力に対して第2レンズL2の正の屈折力が強くなりすぎず、球面収差の発生を抑制することができ好適である。この効果をより高めるために、条件式(7−1)を満たすことがより好ましい。
0.9<f/f2<1.5 (7−1)
次に、図2〜6を参照しながら、本発明の第2乃至第6の実施形態にかかる撮像レンズについて詳細に説明する。図1乃至図6に示す第1乃至第6の実施形態に係る撮像レンズは、第1レンズL1から第6レンズL6の全ての面が非球面形状とされている。また、本発明の第2乃至第6の実施形態にかかる撮像レンズは、第1の実施形態と同様に、物体側から順に、負の屈折力を有し、像側に凹面を向けたメニスカス形状である第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、正の屈折力を有する第5レンズL5と、負の屈折力を有し、像側に凹面を向け、像側の面が少なくとも1つの変曲点を有する第6レンズL6とから構成される。このため、以下の第1から第6の実施形態においては、各レンズ群を構成する各レンズの他の詳細な構成についてのみ説明する。また、第1から第6の実施形態の間で互いに共通する構成の作用効果はそれぞれ同じ作用効果を有するため、実施形態の順番が早いものについて構成及びその作用効果を説明し、その他の実施形態の共通する構成及びその作用効果の重複説明を省略する。
図2、図3に示す第2、第3の実施形態にかかる撮像レンズLは、第1の実施形態と第1レンズL1ないし第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図4に示す第4の実施形態のように、第4レンズL4を光軸近傍において物体側に曲率半径の絶対値の小さい面を向けた両凹レンズとしてもよい。この場合には、高次の球面収差の発生を好適に抑制することができる。また、第4の実施形態においては、第1の実施形態と第1レンズL1ないし第3レンズL3のレンズおよび第5レンズないし第6レンズL6の構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図5に示す第5の実施形態のように、第5レンズL5を、光軸近傍において像側に凸面を向けたメニスカス形状としてもよい。この場合には、非点収差を好適に補正することができる。また、第5の実施形態においては、第1の実施形態と第1レンズL1ないし第4レンズL4のレンズおよび第6レンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図6に示す第6の実施形態のように、第4レンズL4を、光軸近傍において負の屈折力を有し、像側に凸面を向けたメニスカス形状としてもよい。この場合には、非点収差を好適に補正することができる。また、第6の実施形態においては、第1の実施形態と第1レンズL1ないし第3レンズLのレンズおよび第5レンズないし第6レンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る撮像レンズによれば、全体として6枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化したので、広画角化を実現し、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を実現することができる
また、第1〜第6の実施形態に係る撮像レンズのように全画角が80度以上となるように、上記撮像レンズLの第1レンズL1乃至第6レンズL6の各レンズ構成を設定した場合には、携帯電話端末などに撮像レンズLを好適に適用することができ、広い画角を高解像度で撮像した画像を取得し、撮像された画像から所望の画像部分を拡大等して取得したいという要求に応えることができる。
また、適宜好ましい条件を満足することで、より高い結像性能を実現できる。また、本実施の形態に係る撮像装置によれば、本実施の形態に係る高性能の撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、中心画角から周辺画角まで高解像の撮影画像を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態に係る撮像レンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、複数の数値実施例をまとめて説明する。
後掲の表1および表2は、図1に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを示している。特に表1にはその基本的なレンズデータを示し、表2には非球面に関するデータを示す。表1に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係る撮像レンズについて、最も物体側のレンズ要素の面を1番目(開口絞りStを1番目)として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線(587.56nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。なお、各レンズデータには、諸データとして、全系の焦点距離f(mm)とバックフォーカスBf(mm)の値をそれぞれ示す。なお、このバックフォーカスBfは空気換算した値を表している。
この実施例1に係る撮像レンズは、第1レンズL1乃至第6レンズL6の両面がすべて非球面形状となっている。表1の基本レンズデータには、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径(近軸曲率半径)の数値を示している。
表2には実施例1の撮像レンズにおける非球面データを示す。非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数Ai,KAの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
Z=C・h2/{1+(1−KA・C2・h2)1/2}+ΣAi・hi ……(A)
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
KA:非球面係数
とする。
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
KA:非球面係数
とする。
以上の実施例1の撮像レンズと同様にして、図2〜図6に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例2乃至実施例6として、表3〜表12に示す。これらの実施例1〜6に係る撮像レンズでは、第1レンズL1乃至第6レンズL6の両面がすべて非球面形状となっている。
図8(A)〜(D)はそれぞれ、実施例1の撮像レンズにおける球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)、倍率色収差(倍率の色収差)図を示している。球面収差、非点収差(像面湾曲)、ディストーション(歪曲収差)を表す各収差図には、d線(波長587.56nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図、倍率色収差図には、F線(波長486.1nm)、C線(波長656.27nm)についての収差も示す。また、球面収差図には、g線(波長435.83nm)についての収差も示す。非点収差図において、実線はサジタル方向(S)、破線はタンジェンシャル方向(T)の収差を示す。また、Fno.はFナンバーを、ωは半画角をそれぞれ示す。
同様に、実施例2乃至実施例6の撮像レンズについての諸収差を図9(A)〜(D)乃至図13(A)〜(D)に示す。
また、表13には、本発明に係る各条件式(1)〜(7)に関する値を、各実施例1〜6についてそれぞれまとめたものを示す。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、歪曲収差を好適に補正し、広画角化を実現しながらも高い結像性能が実現されている。
なお、本発明の撮像レンズには、実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数の値などは、各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
また、各実施例では、すべて固定焦点で使用する前提での記載とされているが、フォーカス調整可能な構成とすることも可能である。例えばレンズ系全体を繰り出したり、一部のレンズを光軸上で動かしてオートフォーカス可能な構成とすることも可能である。
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
St 開口絞り
Ri 物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径
Di 物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔
Z1 光軸
100 撮像素子(像面)
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
St 開口絞り
Ri 物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径
Di 物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔
Z1 光軸
100 撮像素子(像面)
Claims (20)
- 物体側から順に、
負の屈折力を有し、像側に凹面を向けたメニスカス形状である第1レンズと、
第2レンズと、
第3レンズと、
第4レンズと、
正の屈折力を有する第5レンズと、
負の屈折力を有し、像側に凹面を向け、像側の面が少なくとも1つの変曲点を有する第6レンズと、
から構成される実質的に6個のレンズからなり、下記条件式を満足することを特徴とする撮像レンズ。
1.5<f・tanω/R6r<20 (1)
ただし、
f:全系の焦点距離
ω:半画角
R6r:前記第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
とする。 - さらに以下の条件式を満足する請求項1に記載の撮像レンズ。
−0.7<f/R4f<0 (2)
ただし、
R4f:前記第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
とする。 - さらに以下の条件式を満足する請求項1または2に記載の撮像レンズ。
−0.65<f/f4<0.55 (3)
ただし、
f4:前記第4レンズの焦点距離
とする。 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
TTL/f<2.2 (4)
ただし、
TTL:バックフォーカス分を空気換算長とした場合の前記第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離
とする。 - 前記第2レンズが正の屈折力を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- さらに以下の条件式を満足する請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0.4<f/f12<1.25 (5)
ただし、
f12:前記第1レンズと前記第2レンズの合成焦点距離
とする。 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
1.1<f/f5<1.95 (6)
ただし、
f5:前記第5レンズの焦点距離
とする。 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0.7<f/f2<1.8 (7)
ただし、
f2:前記第2レンズの焦点距離
とする。 - 前記第3レンズが負の屈折力を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- さらに以下の条件式を満足する請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
2<f・tanω/R6r<15 (1−1) - さらに以下の条件式を満足する請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−0.7<f/R4f<−0.1 (2−1)
ただし、
R4f:前記第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
とする。 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から11のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−0.4<f/f4<0.5 (3−1)
ただし、
f4:前記第4レンズの焦点距離
とする。 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0.8<TTL/f<2 (4−1)
ただし、
TTL:バックフォーカス分を空気換算長とした場合の前記第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離
とする。 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から13のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0.7<f/f12<1.2 (5−1)
ただし、
f12:前記第1レンズと前記第2レンズの合成焦点距離
とする。 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から14のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
1.3<f/f5<1.95 (6−1)
ただし、
f5:前記第5レンズの焦点距離
とする。 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から15のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0.9<f/f2<1.5 (7−1)
ただし、
f2:前記第2レンズの焦点距離
とする。 - 前記第1レンズの物体側の面と前記第2レンズの像側の面の間に配置された開口絞りをさらに備えた請求項1から16のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- さらに以下の条件式を満足する請求項1から17のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
3<f・tanω/R6r<10 (1−2) - 前記第2レンズが両凸形状である請求項1から18のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- 請求項1に記載の撮像レンズを備えた撮像装置。
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