JP2015175875A - 撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズ全長の短縮化と広画角化を達成しながらも、小さなFナンバーを有する撮像レンズおよびこの撮像レンズを備えた撮像装置を実現する。
【解決手段】撮像レンズが、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズL1と、負の屈折力を有する第2レンズL2と、第3レンズL3と、正の屈折力を有する第4レンズL4と、両凹形状である第5レンズL5と、両凹形状である第6レンズL6とから構成される実質的に6個のレンズからなり、所定の条件式を満足することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】撮像レンズが、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズL1と、負の屈折力を有する第2レンズL2と、第3レンズL3と、正の屈折力を有する第4レンズL4と、両凹形状である第5レンズL5と、両凹形状である第6レンズL6とから構成される実質的に6個のレンズからなり、所定の条件式を満足することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子上に被写体の光学像を結像させる固定焦点の撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して撮影を行うデジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話機および情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistance)、スマートフォン、タブレット型端末および携帯型ゲーム機等の撮像装置に関する。
パーソナルコンピュータの一般家庭等への普及に伴い、撮影した風景や人物像等の画像情報をパーソナルコンピュータに入力することができるデジタルスチルカメラが急速に普及している。また、携帯電話、スマートフォン、またはタブレット型端末に画像入力用のカメラモジュールが搭載されることも多くなっている。このような撮像機能を有する機器には、CCDやCMOSなどの撮像素子が用いられている。近年、これらの撮像素子のコンパクト化が進み、撮像機器全体ならびにそれに搭載される撮像レンズにも、コンパクト性が要求されている。また同時に、撮像素子の高画素化も進んでおり、撮像レンズの高解像、高性能化が要求されている。例えば5メガピクセル以上、よりさらに好適には8メガピクセル以上の高画素に対応した性能が要求されている。
このような要求を満たすために、レンズ枚数が比較的多い5枚構成の撮像レンズが提案されており、さらなる高性能化のためにレンズ枚数をより多くした6枚以上のレンズを備えた撮像レンズも提案されている。例えば、下記特許文献1および2には6枚構成の撮像レンズが提案されている。
一方で、特に携帯端末、スマートフォン、またはタブレット型端末などに用いられるようなレンズ全長が比較的短い撮像レンズにおいては、高画素化の要求を満たす大きなイメージサイズを有する撮像素子に対応できるように、レンズ全長の短縮化の要求に加え、広画角化と小さなFナンバーの実現の要求も高まっている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された撮像レンズは、上記要求に対してFナンバーが大きく、画角が狭すぎるものであり、レンズ全長についてもさらなる短縮化が求められる。また、上記特許文献2に記載された撮像レンズは、上記要求の全てに同時に応えることが難しい。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、その目的は、レンズ全長の短縮化と広画角化を達成しながらも、Fナンバーが小さく、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を実現することができる撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して高解像の撮像画像を得ることができる撮像装置を提供することにある。
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、両凹形状である第5レンズと、両凹形状である第6レンズとから構成される実質的に6個のレンズからなり、下記条件式を満足することを特徴とする。
−2<f/f6<−0.25 (1)
ただし、
f:全系の焦点距離
f6:第6レンズの焦点距離
−2<f/f6<−0.25 (1)
ただし、
f:全系の焦点距離
f6:第6レンズの焦点距離
なお、本発明の撮像レンズにおいて、「実質的に6個のレンズからなり、」とは、本発明の撮像レンズが、6個のレンズ以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞りやカバーガラス等レンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手振れ補正機構等の機構部分、等を持つものも含むことを意味する。また、上記のレンズの面形状や屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては近軸領域で考えるものとする。
本発明の撮像レンズにおいて、さらに、次の好ましい構成を採用して満足することで、光学性能をより良好なものとすることができる。
また、本発明の撮像レンズにおいて、第1レンズの物体側の面より物体側に配置された開口絞りをさらに備えることが好ましい。
本発明の撮像レンズは、以下の条件式(1−1)〜(1−2)、条件式(2)〜(2−1)、条件式(3)〜(3−1)、条件式(4)〜(4−1)、条件式(5)〜(5−1)、条件式(6)〜(6−1)、条件式(7)〜(7−1)および条件式(8)〜(8−1)のいずれか一つを満たすものでもよく、あるいは任意の組合せを満たすものでもよい。
−1.52<f/f6<−0.37 (1−1)
−1.4<f/f6<−1.1 (1−2)
−3.5<f/f5<0 (2)
−2.5<f/f5<0 (2−1)
−4<f4/f5<0 (3)
−2<f4/f5<0 (3−1)
−2<f/f2<0 (4)
−1<f/f2<−0.3 (4−1)
0<f/f4<3 (5)
0.8<f/f4<2.5 (5−1)
0.7<f/f1<2 (6)
0.81<f/f1<1.5 (6−1)
−3<f・P34<0 (7)
−1.5<f・P34<−0.2 (7−1)
−10<(L4r+L4f)/(L4r−L4f)<4 (8)
−5<(L4r+L4f)/(L4r−L4f)<0 (8−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
f4:第4レンズの焦点距離
f5:第5レンズの焦点距離
f6:第6レンズの焦点距離
L4f:第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
L4r:第4レンズの像側の面の近軸曲率半径
P34:第3レンズの像側の面と第4レンズの物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力であり、空気レンズの屈折力は以下の式(P)で求められる。
ここで、
Nd3:第3レンズのd線に対する屈折率
Nd4:第4レンズのd線に対する屈折率
L3r:第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
L4f:第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
D7:第3レンズと第4レンズの光軸上の空気間隔
−1.52<f/f6<−0.37 (1−1)
−1.4<f/f6<−1.1 (1−2)
−3.5<f/f5<0 (2)
−2.5<f/f5<0 (2−1)
−4<f4/f5<0 (3)
−2<f4/f5<0 (3−1)
−2<f/f2<0 (4)
−1<f/f2<−0.3 (4−1)
0<f/f4<3 (5)
0.8<f/f4<2.5 (5−1)
0.7<f/f1<2 (6)
0.81<f/f1<1.5 (6−1)
−3<f・P34<0 (7)
−1.5<f・P34<−0.2 (7−1)
−10<(L4r+L4f)/(L4r−L4f)<4 (8)
−5<(L4r+L4f)/(L4r−L4f)<0 (8−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
f1:第1レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
f4:第4レンズの焦点距離
f5:第5レンズの焦点距離
f6:第6レンズの焦点距離
L4f:第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
L4r:第4レンズの像側の面の近軸曲率半径
P34:第3レンズの像側の面と第4レンズの物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力であり、空気レンズの屈折力は以下の式(P)で求められる。
ここで、
Nd3:第3レンズのd線に対する屈折率
Nd4:第4レンズのd線に対する屈折率
L3r:第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
L4f:第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
D7:第3レンズと第4レンズの光軸上の空気間隔
本発明による撮像装置は、本発明の撮像レンズを備えたものである。
本発明の撮像レンズによれば、全体として6枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化し、特に第1〜2および第4〜6レンズの構成を最適化したので、レンズ全長の短縮化と広画角化を達成しながらも、Fナンバーが小さく、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
また、本発明の撮像装置によれば、本発明の高い結像性能を有する撮像レンズのいずれかによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、高解像の撮影画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(表1、表2)のレンズ構成に対応している。同様にして、後述の第2乃至第7の実施形態に係る数値実施例(表3〜表14)のレンズ構成に対応する第2乃至第7の構成例の断面構成を、図2〜図7に示す。図1〜図7において、符号Riは、最も物体側のレンズ要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお、各構成例共に基本的な構成は同じであるため、以下では、図1に示した撮像レンズの構成例を基本にして説明し、必要に応じて図2〜図7の構成例についても説明する。また、図8は図1に示す撮像レンズにおける光路図であり、無限遠物体に合焦した状態における軸上光束2、最大画角の光束3の各光路および最大画角の半値ωを示す。なお、最大画角の光束3において、最大画角の主光線4を一点鎖線で示す。
本発明の実施の形態に係る撮像レンズLは、CCDやCMOS等の撮像素子を用いた各種撮像機器、特に、比較的小型の携帯端末機器、例えばデジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末およびPDA等に用いて好適なものである。この撮像レンズLは、光軸Z1に沿って、物体側から順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6を備えている。
図16に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置1である携帯電話端末の概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置1は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1参照)とを備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(図1〜7における像面R16)に配置される。
図17に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置501であるスマートフォンの概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置501は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1参照)とを有するカメラ部541を備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(撮像面)に配置される。
第6レンズL6と撮像素子100との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、種々の光学部材CGが配置されていても良い。例えば撮像面保護用のカバーガラスや赤外線カットフィルタなどの平板状の光学部材が配置されていてもよい。この場合、光学部材CGとして例えば平板状のカバーガラスに、赤外線カットフィルタやNDフィルタ等のフィルタ効果のあるコートが施されたもの、あるいは同様の効果を有する材料を使用しても良い。
また、光学部材CGを用いずに、第6レンズL6にコートを施す等して光学部材CGと同等の効果を持たせるようにしてもよい。これにより、部品点数の削減と全長の短縮を図ることができる。
この撮像レンズLはまた、第1レンズL1の物体側の面より物体側に配置された開口絞りStを備えることが好ましい。開口絞りStをこのように配置した場合には、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。なお、「第1レンズL1の物体側の面より物体側に配置」とは、光軸方向における開口絞りの位置が、軸上マージナル光線と第1レンズL1の物体側の面の交点と同じ位置かそれより物体側にあることを意味する。本実施の形態において、第1〜7の構成例のレンズ(図1〜7)が、開口絞りStが第1レンズL1より物体側に配置された構成例である。また、ここに示す開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z1上の位置を示すものである。
この撮像レンズLにおいて、第1レンズL1は、光軸近傍で正の屈折力を有する。このため、レンズ全長の短縮化を実現するために有利である。また、第1レンズL1を、光軸近傍において両凸形状としてもよい。この場合には、第1レンズL1の正の屈折力を好適に確保しつつ、球面収差の発生を抑制することができる。また、第1レンズL1を、光軸近傍において物体側に凸面を向けたメニスカス形状としてもよい。この場合には、第1レンズL1の後側主点位置を物体側に寄せやすく、好適に全長の短縮化を実現することができる。
また、第2レンズL2は、光軸近傍において負の屈折力を有する。このことにより、軸上色収差と球面収差を良好に補正することができる。また、第2レンズL2を光軸近傍で像側に凹面を向けたものとすることが好ましい。この場合には、第2レンズL2の後側主点位置を物体側に寄せやすく、好適にレンズ全長を短縮化できる。また、第2レンズL2を光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状とすることができ、この場合には、より好適にレンズ全長を短縮化できる。さらに、第2レンズL2を光軸近傍で両凹形状とすることもでき、この場合には、第2レンズL2の負の屈折力を十分確保して、正の屈折力を有する第1レンズL1において発生する諸収差を好適に補正できるため、レンズ全長の短縮化のために有利である。
第3レンズL3は、所望の性能を実現可能であれば、光軸近傍で正の屈折力を有するものであってもよく、光軸近傍で負の屈折力を有するものであってもよい。第3レンズL3が光軸近傍で正の屈折力を有する場合には、球面収差を良好に補正することができる。第3レンズL3が光軸近傍で負の屈折力を有する場合には、軸上色収差、倍率の色収差の補正に有利となる。また、また、第3レンズL3を光軸近傍において物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることが好ましい。この場合には、第3レンズL3の後側主点位置をより好適に物体側に寄せることができるため、好適にレンズ全長の短縮化を実現することができる。
また、第4レンズL4は、光軸近傍において正の屈折力を有する。このことにより、レンズ全長の短縮化を好適に実現することができる。また、第4レンズを光軸近傍において像側に凸面を向けたメニスカス形状とすることが好ましい。この場合には、第4レンズL4の物体側の面に入射する入射角を小さくすることができ、諸収差の発生を抑制することができる。このため、レンズ全長の短縮化に伴って発生しやすくなるディストーション(歪曲収差)、倍率の色収差および非点収差を好適に補正することができる。
第5レンズL5は、光軸近傍において負の屈折力を有する。ここで、第1レンズL1〜第4レンズL4を正の第1レンズ群、第5レンズL5と後述の負の屈折力を有する第6レンズL6を負の第2レンズ群とみなすと、撮像レンズLはテレフォト型に配置されている。このため、第5レンズL5と後述の負の屈折力を有する第6レンズL6とで負の屈折力を分担することにより、撮像レンズLの第5レンズL5と第6レンズL6からなる第2レンズ群を十分な負の屈折力を有するように構成することができ、レンズ全長を好適に短縮化することができる。また、第5レンズL5は、光軸近傍において両凹形状である。このため、第5レンズL5が物体側に凹面を向けていることにより、非点収差の補正が容易になり、広画角化に有利である。また、第5レンズL5が、光軸近傍において像側に凹面を向けていることにより、レンズ全長の短縮化に有利である。
第6レンズL6は、光軸近傍において負の屈折力を有する。このことにより、撮像レンズLの後側主点位置を物体側に寄せやすく、好適にレンズ全長の短縮化を実現することができる。また、第6レンズL6が光軸近傍において負の屈折力を有することにより、像面湾曲を良好に補正することができる。また、第6レンズL6は、光軸近傍において像側に凹面を向けている。このため、より好適に全長の短縮化を実現しつつ、像面湾曲を良好に補正することができる。
また、第6レンズL6は、光軸近傍において両凹形状である。このため、第6レンズL6の物体側の面と像側の面の両方で第6レンズL6の負の屈折力を好適に確保しつつ、第6レンズL6の各面における負の屈折力の負担が大きくなりすぎることを抑制できるため、歪曲収差を良好に補正することができ、特に中間画角において、撮像レンズLを通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを好適に抑制することができる。
また、第6レンズL6は、像側の面が像側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状であることが好ましい。このことにより、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。また、第6レンズL6を、像側の面が像側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に少なくとも1つの変曲点を有する非球面形状とすることにより、歪曲収差を良好に補正することができる。なお、第6レンズL6の像側の面における「変曲点」とは、第6レンズL6の像側の面形状が像側に対して凸形状から凹形状(または凹形状から凸形状)に切り替わる点を意味する。また、本明細書中において、「像側の面と最大画角の主光線との交点から光軸に向かって半径方向内側に」とは、像側の面と最大画角の主光線との交点と同じ位置かそれより光軸に向かって半径方向内側を意味する。また、第6レンズL6の像側の面に設けられた変曲点は、第6レンズL6の像側の面と最大画角の主光線との交点と同じ位置かそれより光軸に向かって半径方向内側の任意の位置に配置することができる。
また、上記撮像レンズLを構成する第1レンズL1乃至第6レンズL6を単レンズとした場合には、第1レンズL1乃至第6レンズL6のいずれかのレンズを接合レンズとした場合よりも、レンズ面数が多いため、各レンズの設計自由度が高くなり、好適に全長の短縮化を図ることができる。
上記撮像レンズLによれば、全体として6枚というレンズ構成において、第1ないし第6レンズの各レンズ要素の構成を最適化したので、レンズ全長の短縮化と広画角化を達成しながらも、Fナンバーが小さく、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
この撮像レンズLは、高性能化のために、第1レンズL1乃至第6レンズL6のそれぞれのレンズの少なくとも一方の面を非球面形状とすることが好適である。
次に、以上のように構成された撮像レンズLの条件式に関する作用および効果をより詳細に説明する。なお、撮像レンズLは、下記各条件式について、各条件式のいずれか1つまたは任意の組合せを満足することが好ましい。満足する条件式は撮像レンズLに要求される事項に応じて適宜選択されることが好ましい。
まず、第6レンズL6の焦点距離f6および全系の焦点距離fは、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
−2<f/f6<−0.25 (1)
条件式(1)は、第6レンズL6の焦点距離f6に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(1)の下限以下とならないように、全系の屈折力に対する第6レンズL6の負の屈折力を抑制することが好ましい。この場合には、全系の屈折力に対する第6レンズL6の負の屈折力が強くなりすぎず、特に中間画角において、撮像レンズLを通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを好適に抑制することができる。また、条件式(1)の上限以上とならないように、全系の屈折力に対する第6レンズL6の負の屈折力を確保することにより、全系の屈折力に対する第6レンズL6の負の屈折力が弱くなりすぎず、レンズ全長の短縮化を実現しつつ、像面湾曲を良好に補正することができる。この効果を更に高めるために、条件式(1−1)を満たすことが好ましく、条件式(1−2)を満たすことがさらに好ましい。
−1.52<f/f6<−0.37 (1−1)
−1.4<f/f6<−1.1 (1−2)
−2<f/f6<−0.25 (1)
条件式(1)は、第6レンズL6の焦点距離f6に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(1)の下限以下とならないように、全系の屈折力に対する第6レンズL6の負の屈折力を抑制することが好ましい。この場合には、全系の屈折力に対する第6レンズL6の負の屈折力が強くなりすぎず、特に中間画角において、撮像レンズLを通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを好適に抑制することができる。また、条件式(1)の上限以上とならないように、全系の屈折力に対する第6レンズL6の負の屈折力を確保することにより、全系の屈折力に対する第6レンズL6の負の屈折力が弱くなりすぎず、レンズ全長の短縮化を実現しつつ、像面湾曲を良好に補正することができる。この効果を更に高めるために、条件式(1−1)を満たすことが好ましく、条件式(1−2)を満たすことがさらに好ましい。
−1.52<f/f6<−0.37 (1−1)
−1.4<f/f6<−1.1 (1−2)
また、第5レンズL5の焦点距離f5および全系の焦点距離fは、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
−3.5<f/f5<0 (2)
条件式(2)は第5レンズL5の焦点距離f5に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(2)の下限以下とならないように、第5レンズL5の屈折力を抑制することにより、第5レンズL5の負の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、歪曲収差を良好に補正することができる。条件式(2)の上限以上とならないように、第5レンズL5の屈折力を確保することにより、第5レンズL5の負の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、第1レンズL1〜第4レンズL4を正の第1レンズ群、第5レンズL5と第6レンズL6を負の第2レンズ群とみなして、撮像レンズLをテレフォト型に配置したことによるレンズ全長の短縮化の効果を奏するために好適である。この効果をより高めるために、条件式(2−1)を満たすことが好ましく、条件式(2−2)を満たすことがより好ましい。
−2.5<f/f5<0 (2−1)
−1.7<f/f5<−0.19 (2−2)
−3.5<f/f5<0 (2)
条件式(2)は第5レンズL5の焦点距離f5に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(2)の下限以下とならないように、第5レンズL5の屈折力を抑制することにより、第5レンズL5の負の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、歪曲収差を良好に補正することができる。条件式(2)の上限以上とならないように、第5レンズL5の屈折力を確保することにより、第5レンズL5の負の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、第1レンズL1〜第4レンズL4を正の第1レンズ群、第5レンズL5と第6レンズL6を負の第2レンズ群とみなして、撮像レンズLをテレフォト型に配置したことによるレンズ全長の短縮化の効果を奏するために好適である。この効果をより高めるために、条件式(2−1)を満たすことが好ましく、条件式(2−2)を満たすことがより好ましい。
−2.5<f/f5<0 (2−1)
−1.7<f/f5<−0.19 (2−2)
また、第4レンズL4の焦点距離f4および第5レンズL5の焦点距離f5は、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
−4<f4/f5<0 (3)
条件式(3)は第5レンズL5の焦点距離f5に対する第4レンズL4の焦点距離f4の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(3)の下限以下とならないように、第5レンズL5の負の屈折力に対する第4レンズL4の正の屈折力を確保することにより、第4レンズL4の正の屈折力が第5レンズL5の負の屈折力に対して弱くなりすぎず、球面収差を良好に補正することができる。条件式(3)の上限以上とならないように、第5レンズL5の負の屈折力に対する第4レンズL4の正の屈折力を抑制することにより、第4レンズL4の正の屈折力が第5レンズL5の屈折力に対して強くなりすぎず、好適にレンズ全長の短縮化を実現することができる。この効果をより高めるために、条件式(3−1)を満たすことがより好ましく、条件式(3−2)を満たすことがより好ましい。
−2<f4/f5<0 (3−1)
−0.9<f4/f5<−0.1 (3−2)
−4<f4/f5<0 (3)
条件式(3)は第5レンズL5の焦点距離f5に対する第4レンズL4の焦点距離f4の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(3)の下限以下とならないように、第5レンズL5の負の屈折力に対する第4レンズL4の正の屈折力を確保することにより、第4レンズL4の正の屈折力が第5レンズL5の負の屈折力に対して弱くなりすぎず、球面収差を良好に補正することができる。条件式(3)の上限以上とならないように、第5レンズL5の負の屈折力に対する第4レンズL4の正の屈折力を抑制することにより、第4レンズL4の正の屈折力が第5レンズL5の屈折力に対して強くなりすぎず、好適にレンズ全長の短縮化を実現することができる。この効果をより高めるために、条件式(3−1)を満たすことがより好ましく、条件式(3−2)を満たすことがより好ましい。
−2<f4/f5<0 (3−1)
−0.9<f4/f5<−0.1 (3−2)
また、第2レンズL2の焦点距離f2および全系の焦点距離fは、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
−2<f/f2<0 (4)
条件式(4)は第2レンズL2の焦点距離f2に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(4)の下限以下とならないように、第2レンズL2の屈折力を抑制することにより、第2レンズL2の負の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、球面収差が補正過剰になることを抑制しつつ、小さなFナンバーを実現するために有利である。条件式(4)の上限以上とならないように、第2レンズL2の屈折力を確保することにより、第2レンズL2の負の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、軸上色収差を好適に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(4−1)を満たすことがより好ましく、条件式(4−2)を満たすことがより好ましい。
−1<f/f2<−0.3 (4−1)
−0.8<f/f2<−0.4 (4−2)
−2<f/f2<0 (4)
条件式(4)は第2レンズL2の焦点距離f2に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(4)の下限以下とならないように、第2レンズL2の屈折力を抑制することにより、第2レンズL2の負の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、球面収差が補正過剰になることを抑制しつつ、小さなFナンバーを実現するために有利である。条件式(4)の上限以上とならないように、第2レンズL2の屈折力を確保することにより、第2レンズL2の負の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、軸上色収差を好適に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(4−1)を満たすことがより好ましく、条件式(4−2)を満たすことがより好ましい。
−1<f/f2<−0.3 (4−1)
−0.8<f/f2<−0.4 (4−2)
また、第4レンズL4の焦点距離f4および全系の焦点距離fは、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
0<f/f4<3 (5)
条件式(5)は全系の焦点距離fに対する第4レンズL4の焦点距離f4の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(5)の下限以下とならないように、第4レンズL4の屈折力を確保することにより、第4レンズL4の正の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、レンズ全長の短縮化を好適に実現することができる。条件式(5)の上限以上とならないように、第4レンズL4の屈折力を抑制することにより、第4レンズL4の正の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、倍率色収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(5−1)を満たすことがより好ましく、条件式(5−2)を満たすことがより好ましい。
0.8<f/f4<2.5 (5−1)
1.2<f/f4<1.95 (5−2)
0<f/f4<3 (5)
条件式(5)は全系の焦点距離fに対する第4レンズL4の焦点距離f4の比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(5)の下限以下とならないように、第4レンズL4の屈折力を確保することにより、第4レンズL4の正の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、レンズ全長の短縮化を好適に実現することができる。条件式(5)の上限以上とならないように、第4レンズL4の屈折力を抑制することにより、第4レンズL4の正の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、倍率色収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(5−1)を満たすことがより好ましく、条件式(5−2)を満たすことがより好ましい。
0.8<f/f4<2.5 (5−1)
1.2<f/f4<1.95 (5−2)
まず、第1レンズL1の焦点距離f1および全系の焦点距離fは、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
0.7<f/f1<2 (6)
条件式(6)は第1レンズL1の焦点距離f1に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(6)の下限以下とならないように、第1レンズL1の屈折力を確保することにより、第1レンズL1の正の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、レンズ全長の短縮化を好適に実現することができる。条件式(6)の上限以上とならないように、第1レンズL1の屈折力を抑制することにより、第1レンズL1の正の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、球面収差を良好に補正することができ、小さなFナンバーを実現するために有利である。また、条件式(6)の上限以上とならないようにすることにより、非点収差を良好に補正することができ、広画角化を実現するために有利である。この効果をより高めるために、条件式(6−1)を満たすことが好ましく、条件式(6−2)を満たすことがさらに好ましい。
0.81<f/f1<1.5 (6−1)
0.9<f/f1<1.3 (6−2)
0.7<f/f1<2 (6)
条件式(6)は第1レンズL1の焦点距離f1に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(6)の下限以下とならないように、第1レンズL1の屈折力を確保することにより、第1レンズL1の正の屈折力が全系の屈折力に対して弱くなりすぎず、レンズ全長の短縮化を好適に実現することができる。条件式(6)の上限以上とならないように、第1レンズL1の屈折力を抑制することにより、第1レンズL1の正の屈折力が全系の屈折力に対して強くなりすぎず、球面収差を良好に補正することができ、小さなFナンバーを実現するために有利である。また、条件式(6)の上限以上とならないようにすることにより、非点収差を良好に補正することができ、広画角化を実現するために有利である。この効果をより高めるために、条件式(6−1)を満たすことが好ましく、条件式(6−2)を満たすことがさらに好ましい。
0.81<f/f1<1.5 (6−1)
0.9<f/f1<1.3 (6−2)
また、全系の焦点距離fと第3レンズL3の像側の面と第4レンズL4の物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力P34は、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
−3<f・P34<0 (7)
ここで、P34は、第3レンズL3のd線に対する屈折率Nd3、第4レンズL4のd線に対する屈折率Nd4、第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径L3r、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径L4f、第3レンズL3と第4レンズL4の光軸上の空気間隔D7を用いて以下の式(P)で求められるものである。
−3<f・P34<0 (7)
ここで、P34は、第3レンズL3のd線に対する屈折率Nd3、第4レンズL4のd線に対する屈折率Nd4、第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径L3r、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径L4f、第3レンズL3と第4レンズL4の光軸上の空気間隔D7を用いて以下の式(P)で求められるものである。
屈折力は焦点距離の逆数であるから、第3レンズL3の像側の面と第4レンズL4の物体側の面とにより形成される空気レンズの焦点距離をf34aとすると、条件式(7)は、このf34aに対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(7)の下限以下とならないように構成することで、第3レンズL3の像側の面と第4レンズL4の物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力が強くなりすぎず、歪曲収差を良好に補正することができる。条件式(7)の上限以上とならないように構成することで、第3レンズL3の像側の面と第4レンズL4の物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力が弱くなりすぎず、非点収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(7−1)を満たすことがより好ましく、条件式(7−2)を満たすことがよりさらに好ましい。
−1.5<f・P34<−0.2 (7−1)
−1<f・P34<−0.6 (7−2)
−1.5<f・P34<−0.2 (7−1)
−1<f・P34<−0.6 (7−2)
また、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径L4fと第4レンズL4の像側の面の近軸曲率半径L4rは、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
−10<(L4r+L4f)/(L4r−L4f)<4 (8)
条件式(8)は、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径L4fと第4レンズL4の像側の面の近軸曲率半径L4rに関する好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(8)の下限以下とならないように構成することで、第4レンズL4の像側の面の近軸曲率半径L4rの絶対値が小さくなりすぎるのを抑制することができ、球面収差を良好に補正することができる。条件式(8)の上限以上とならないように構成することで、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径L4fの絶対値が小さくなりすぎるのを抑制することができ、非点収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(8−1)を満たすことが好ましく、条件式(8−2)を満たすことがより好ましい。
−5<(L4r+L4f)/(L4r−L4f)<0 (8−1)
−2.5<(L4r+L4f)/(L4r−L4f)<−1.5 (8−2)
−10<(L4r+L4f)/(L4r−L4f)<4 (8)
条件式(8)は、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径L4fと第4レンズL4の像側の面の近軸曲率半径L4rに関する好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(8)の下限以下とならないように構成することで、第4レンズL4の像側の面の近軸曲率半径L4rの絶対値が小さくなりすぎるのを抑制することができ、球面収差を良好に補正することができる。条件式(8)の上限以上とならないように構成することで、第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径L4fの絶対値が小さくなりすぎるのを抑制することができ、非点収差を良好に補正することができる。この効果をより高めるために、条件式(8−1)を満たすことが好ましく、条件式(8−2)を満たすことがより好ましい。
−5<(L4r+L4f)/(L4r−L4f)<0 (8−1)
−2.5<(L4r+L4f)/(L4r−L4f)<−1.5 (8−2)
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る撮像レンズLによれば、全体として6枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化したので、レンズ全長の短縮化と広画角化を達成しながらも、Fナンバーが小さく、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
また、本発明の実施の形態に係る撮像レンズLは、各実施形態に示すように、例えば無限遠物体に合焦した状態における最大画角が80度以上となるように広画角化を実現することができ、高画素化の要求を満たす撮像素子を有する携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等などの撮像装置に撮像レンズLを好適に適用することができる。また、本発明の実施の形態に係る撮像レンズLは、各実施形態に示すように、例えば2.1より小さなFナンバーを有することが可能であり、やはり、高画素化の要求を満たす撮像素子を有する携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等などの撮像装置に撮像レンズLを好適に適用することができる。これに対し、特許文献1、2に記載された撮像レンズは、小さなFナンバーと広画角化とレンズ全長の短縮化の全ての要求を満たすものはなく、高画素化に対応可能な撮像素子に対応することが難しい。
また、適宜好ましい条件を満足することで、より高い結像性能を実現できる。また、本実施の形態に係る撮像装置によれば、本実施の形態に係る高性能の撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、中心画角から周辺画角まで高解像の撮影画像を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態に係る撮像レンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、複数の数値実施例をまとめて説明する。
後掲の表1および表2は、図1に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを示している。特に表1にはその基本的なレンズデータを示し、表2には非球面に関するデータを示す。表1に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係る撮像レンズについて、最も物体側の光学要素の物体側の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。
表1には開口絞りStと光学部材CGも含めて示している。表1では開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号と(St)という語句を記載しており、像面に相当する面の面番号の欄には面番号と(IMG)という語句を記載している。曲率半径の符号は、物体側に凸面を向けた面形状のものを正とし、像側に凸面を向けた面形状のものを負としている。また、各レンズデータの枠外上部には、諸データとして、全系の焦点距離f(mm)と、バックフォーカスBf(mm)と、FナンバーFno.と、無限遠物体に合焦した状態における最大画角2ω(°)の値をそれぞれ示す。なお、このバックフォーカスBfは空気換算した値を表している。
この実施例1に係る撮像レンズは、第1レンズL1乃至第6レンズL6の両面がすべて非球面形状となっている。表1の基本レンズデータには、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径(近軸曲率半径)の数値を示している。
表2には実施例1の撮像レンズにおける非球面データを示す。非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数Ai,KAの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
KA:非球面係数
とする。
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
KA:非球面係数
とする。
以上の実施例1の撮像レンズと同様にして、図2〜図7に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例2乃至実施例7として、表3〜表14に示す。これらの実施例1〜7に係る撮像レンズでは、第1レンズL1乃至第6レンズL6の両面がすべて非球面形状となっている。
図8は、左から順に実施例1の撮像レンズにおける球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)、倍率色収差(倍率の色収差)を表す収差図をそれぞれ示している。球面収差、非点収差(像面湾曲)、ディストーション(歪曲収差)を表す各収差図には、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示すが、球面収差図にはF線(波長486.1nm)、C線(波長656.3nm)、g線(波長435.8nm)についての収差も示し、倍率色収差図には、F線、C線、g線についての収差を示す。非点収差図において、実線はサジタル方向(S)、破線はタンジェンシャル方向(T)の収差を示す。また、Fno.はFナンバーを、ωは無限遠物体に合焦した状態における最大画角の半値をそれぞれ示す。
同様に、実施例2乃至実施例7の撮像レンズについての諸収差を図10乃至図15に示す。図10乃至図15に示す収差図は全て物体距離が無限遠の場合のものである。
また、表15には、本発明に係る各条件式(1)〜(8)に関する値を、各実施例1〜7についてそれぞれまとめたものを示す。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、レンズ全長の短縮化と広画角化を実現しながらも高い結像性能が実現されている。
なお、本発明の撮像レンズには、実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数の値などは、各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
また、各実施例では、すべて固定焦点で使用する前提での記載とされているが、フォーカス調整可能な構成とすることも可能である。例えばレンズ系全体を繰り出したり、一部のレンズを光軸上で動かしてオートフォーカス可能な構成とすることも可能である。
なお、上述した近軸曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数はいずれも光学測定に係わる専門家が以下の方法により測定して求めたものである。
近軸曲率半径は、超高精度三次元測定機UA3P(パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社製)を用いてレンズを測定し、以下の手順により求める。近軸曲率半径Rm(mは自然数)と円錐係数Kmを仮に設定してUA3Pに入力し、これらと測定データからUA3P付属のフィッティング機能を用いて非球面形状の式の第n次の非球面係数Anを算出する。上述した非球面形状の式(A)において、C=1/Rm、KA=Km−1と考える。Rm、Km、Anと非球面形状の式から、光軸からの高さhに応じた光軸方向の非球面の深さZを算出する。光軸からの各高さhにおいて、算出された深さZと実測値の深さZ’との差分を求め、この差分が所定範囲内であるか否かを判別し、所定範囲内の場合は設定したRmを近軸曲率半径とする。一方、差分が所定範囲外の場合は、光軸からの各高さhにおいて算出された深さZと実測値の深さZ’との差分が所定範囲内になるまで、その差分の算出に用いられたRmおよびKmの少なくとも一方の値を変更してRm+1とKm+1として設定してUA3Pに入力し、上記同様の処理を行い、光軸からの各高さhにおいて算出された深さZと実測値の深さZ’との差分が所定範囲内であるかを判別する処理を繰り返す。なお、ここで言う所定範囲内は、200nm以内とする。また、hの範囲としてはレンズ最大外径の0〜1/5以内に対応する範囲とする。
面間隔は、組レンズ測長用の中心厚・面間隔測定装置OptiSurf(Trioptics製)を用いて測定して求める。
屈折率は、精密屈折計KPR-2000(株式会社島津製作所製)を用いて、被検物の温度を25°Cの状態にして測定して求める。d線(波長587.6nm)で測定したときの屈折率をNdとする。同様に、e線(波長546.1nm)で測定したときの屈折率をNe、F線(波長486.1nm)で測定したときの屈折率をNF、C線(波長656.3nm)で測定したときの屈折率をNC、g線(波長435.8nm)で測定したときの屈折率をNgとする。d線に対するアッベ数νdは、上記の測定により得られたNd、NF、NCをνd=(Nd−1)/(NF−NC)の式に代入して算出することにより求める。
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
St 開口絞り
Ri 物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径
Di 物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔
Z1 光軸
100 撮像素子(像面)
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
St 開口絞り
Ri 物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径
Di 物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔
Z1 光軸
100 撮像素子(像面)
Claims (19)
- 物体側から順に、
正の屈折力を有する第1レンズと、
負の屈折力を有する第2レンズと、
第3レンズと、
正の屈折力を有する第4レンズと、
両凹形状である第5レンズと、
両凹形状である第6レンズとから構成される実質的に6個のレンズからなり、下記条件式を満足することを特徴とする撮像レンズ。
−2<f/f6<−0.25 (1)
ただし、
f:全系の焦点距離
f6:前記第6レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1に記載の撮像レンズ。
−3.5<f/f5<0 (2)
ただし、
f5:前記第5レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1または2に記載の撮像レンズ。
−4<f4/f5<0 (3)
ただし、
f4:前記第4レンズの焦点距離
f5:前記第5レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−2<f/f2<0 (4)
ただし、
f2:前記第2レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0<f/f4<3 (5)
ただし、
f4:前記第4レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0.7<f/f1<2 (6)
ただし、
f1:前記第1レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−3<f・P34<0 (7)
ただし、
P34:前記第3レンズの像側の面と前記第4レンズの物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力であり、空気レンズの屈折力は以下の式(P)で求められる。
ここで、
Nd3:前記第3レンズのd線に対する屈折率
Nd4:前記第4レンズのd線に対する屈折率
L3r:前記第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
L4f:前記第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
D7:前記第3レンズと前記第4レンズの光軸上の空気間隔 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−10<(L4r+L4f)/(L4r−L4f)<4 (8)
ただし、
L4f:前記第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
L4r:前記第4レンズの像側の面の近軸曲率半径 - 前記第1レンズの物体側の面より物体側に配置された開口絞りをさらに備えた請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- さらに以下の条件式を満足する請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−1.52<f/f6<−0.37 (1−1) - さらに以下の条件式を満足する請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−2.5<f/f5<0 (2−1)
ただし、
f5:前記第5レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から11のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−2<f4/f5<0 (3−1)
ただし、
f4:前記第4レンズの焦点距離
f5:前記第5レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−1<f/f2<−0.3 (4−1)
ただし、
f2:前記第2レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から13のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0.8<f/f4<2.5 (5−1)
ただし、
f4:前記第4レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から14のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
0.81<f/f1<1.5 (6−1)
ただし、
f1:前記第1レンズの焦点距離 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から15のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−1.5<f・P34<−0.2 (7−1)
ただし、
P34:前記第3レンズの像側の面と前記第4レンズの物体側の面とにより形成される空気レンズの屈折力であり、空気レンズの屈折力は以下の式(P)で求められる。
ここで、
Nd3:前記第3レンズのd線に対する屈折率
Nd4:前記第4レンズのd線に対する屈折率
L3r:前記第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
L4f:前記第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
D7:前記第3レンズと前記第4レンズの光軸上の空気間隔 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から16のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−5<(L4r+L4f)/(L4r−L4f)<0 (8−1)
ただし、
L4f:前記第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
L4r:前記第4レンズの像側の面の近軸曲率半径 - さらに以下の条件式を満足する請求項1から17のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
−1.4<f/f6<−1.1 (1−2) - 請求項1から18のいずれか1項に記載の撮像レンズを備えた撮像装置。
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