JP5698872B2 - 撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 - Google Patents

撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子上に被写体の光学像を結像させる固定焦点の撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して撮影を行うデジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話機および情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistance)、スマートフォン、タブレット型端末および携帯型ゲーム機等の撮像装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータの一般家庭等への普及に伴い、撮影した風景や人物像等の画像情報をパーソナルコンピュータに入力することができるデジタルスチルカメラが急速に普及している。また、携帯電話、スマートフォン、またはタブレット型端末に画像入力用のカメラモジュールが搭載されることも多くなっている。このような撮像機能を有する機器には、CCDやCMOSなどの撮像素子が用いられている。近年、これらの撮像素子のコンパクト化が進み、撮像機器全体ならびにそれに搭載される撮像レンズにも、コンパクト性が要求されている。また同時に、撮像素子の高画素化も進んでおり、撮像レンズの高解像、高性能化が要求されている。例えば5メガピクセル以上、よりさらに好適には8メガピクセル以上の高画素に対応した性能が要求されている。
このような要求を満たすために、撮像レンズをレンズ枚数が比較的多い5枚または6枚構成とすることが考えられる。例えば、特許文献1および2には、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズからなる6枚構成の撮像レンズを提案している。また、特許文献3には、全長の短縮化を実現するために第1レンズの正の屈折力を相対的に大きくするとともに、諸収差を補正して高性能化を図るために第3、第4レンズを接合面を非球面形状とした接合レンズとして構成した5枚構成の撮像レンズを提案している。
韓国公開特許第10−2010−0040357号公報 中国実用新案第202067015号明細書 特開2011−197254号公報
一方、特に携帯端末、スマートフォンまたはタブレット端末のような薄型化が進む装置に用いられる撮像レンズには、レンズ全長の短縮化の要求が益々高まっている。このため、上記全ての要求を満たすために、十分な高解像度を得られる撮像素子のサイズに対応可能な大きなイメージサイズを実現しつつ、レンズ全長をより短縮化することが好ましい。このために、上記特許文献1乃至3に記載の撮像レンズは全長をさらに短縮化することが求められる。また、特許文献3の撮像レンズは、さらなる高解像化が求められる。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、その目的は、全長の短縮化を図りつつ、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を実現することができる撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して高解像の撮像画像を得ることができる撮像装置を提供することにある。
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズと、負の屈折力を有し、第1レンズと接合された像側に凹面を向けた第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと、第5レンズと、第6レンズとから構成される実質的に6個のレンズからなり、下記条件式(1)および(2−1)を満足することを特徴とする。
0.4<f/f12<1.3 (1)
1.5<f/R6r<5 (2−1)
ただし、
f:全系における焦点距離
f12:第1レンズおよび第2レンズの合成焦点距離
R6r:第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
とする。
なお、上記本発明の撮像レンズにおいて、「実質的に6個のレンズからなり、」とは、本発明の撮像レンズが、6個のレンズ以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、開口絞りやカバーガラス等レンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手振れ補正機構等の機構部分、等を持つものも含むことを意味する。
本発明の撮像レンズにおいて、さらに次の好ましい構成を採用して満足することで、光学性能をより良好なものとすることができる。
本発明の撮像レンズにおいて、第1レンズと第2レンズの接合面が非球面形状であることが好ましい。
また、本発明の撮像レンズにおいて、第6レンズが負の屈折力を有することが好ましい。
また、本発明の撮像レンズにおいて、第4レンズが正の屈折力を有することが好ましい。
また、本発明の撮像レンズにおいて、第3レンズが正の屈折力を有することが好ましい。
また、本発明の撮像レンズにおいて、開口絞りが第1レンズの物体側の面よりも物体側に配置されていることが好ましい。
また、本発明の撮像レンズは、以下の条件式(1−1)から(5−1)のいずれかを満足することが好ましい。なお、好ましい態様としては、条件式(1−1)から(5−1)のいずれか一つを満たすものでもよく、あるいは任意の組合せを満たすものでもよい。
0.5<f/f12<1.1 (1−1)
0.1<T2/T1<1.0 (3)
0.1<T2/T1<0.3 (3−1)
−5<f/f6<−0.7 (4)
−2<f/f6<−0.9 (4−1)
0.15<T12/f<0.35 (5)
0.2<T12/f<0.3 (5−1)
ただし、
f:全系における焦点距離
f12:第1レンズおよび第2レンズの合成焦点距離
T2:第2レンズの中心厚
T1:第1レンズの中心厚
f6:第6レンズの焦点距離
T12:第1レンズと第2レンズからなる接合レンズの光軸上の総厚
とする。
本発明による撮像装置は、本発明の撮像レンズを備えている。
本発明の撮像レンズによれば、全体として6枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化し、特に第1レンズと第2レンズの形状を好適に構成したので、全長を短縮化しながらも、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
また、本発明の撮像装置によれば、上記本発明の高い結像性能を有する撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、高解像の撮影画像を得ることができる。
本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示すものであり、実施例1に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第2の構成例を示すものであり、実施例2に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第3の構成例を示すものであり、実施例3に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第4の構成例を示すものであり、実施例4に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第5の構成例を示すものであり、実施例5に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第6の構成例を示すものであり、実施例6に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第7の構成例を示すものであり、実施例7に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第8の構成例を示すものであり、実施例8に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第9の構成例を示すものであり、実施例9に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第10の構成例を示すものであり、実施例10に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第11の構成例を示すものであり、実施例11に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第12の構成例を示すものであり、実施例12に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第13の構成例を示すものであり、実施例13に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの光路図である。 本発明の実施例1に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例2に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例3に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例4に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例5に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例6に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例7に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例8に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例9に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例10に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例11に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例12に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例13に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明に係る撮像レンズを備えた携帯電話端末である撮像装置を示す図。 本発明に係る撮像レンズを備えたスマートフォンである撮像装置を示す図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(表1、表2)のレンズ構成に対応している。同様にして、後述の第2乃至第13の数値実施例(表3〜表26)のレンズ構成に対応する第2乃至第13の構成例の断面構成を、図2〜図13に示す。図1〜図13において、符号Riは、最も物体側のレンズ要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお、各構成例共に基本的な構成は同じであるため、以下では、図1に示した撮像レンズの構成例を基本にして説明し、必要に応じて図2〜図13の構成例についても説明する。また、図14は図1に示す撮像レンズLにおける光路図であり、無限遠の距離にある物点からの軸上光束2の各光路を示す。
本発明の実施の形態に係る撮像レンズLは、CCDやCMOS等の撮像素子を用いた各種撮像機器、特に、比較的小型の携帯端末機器、例えばデジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末およびPDA等に用いて好適なものである。この撮像レンズLは、光軸Z1に沿って、物体側から順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズL6とを備えている。
図28に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置1である携帯電話端末の概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置1は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1参照)とを備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(撮像面)に配置される。
図29に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置501であるスマートフォンの概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置501は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1参照)とを有するカメラ部541を備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(撮像面)に配置される。
第6レンズL6と撮像素子100との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、種々の光学部材CGが配置されていても良い。例えば撮像面保護用のカバーガラスや赤外線カットフィルタなどの平板状の光学部材が配置されていても良い。この場合、光学部材CGとして例えば平板状のカバーガラスに、赤外線カットフィルタやNDフィルタ等のフィルタ効果のあるコートが施されたものを使用しても良い。
また、光学部材CGを用いずに、第6レンズL6にコートを施す等して光学部材CGと同等の効果を持たせるようにしても良い。これにより、部品点数の削減と全長の短縮を図ることができる。
この撮像レンズLはまた、第3レンズL3の物体側の面より物体側に配置された開口絞りStを備えている。このように、開口絞りを第3レンズL3の物体側の面よりも物体側に配置したことにより、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。この効果をより高めるために、開口絞りStが光軸方向において第1レンズの物体側の面よりも物体側に配置されることがさらに好ましい。なお、「第3レンズの物体側の面より物体側に配置」とは、光軸方向における開口絞りの位置が、軸上マージナル光線と第3レンズL3の物体側の面の交点と同じ位置かそれより物体側にあることを意味する。また、「第1レンズの物体側の面より物体側に配置」とは、光軸方向における開口絞りの位置が、軸上マージナル光線と第1レンズL1の物体側の面の交点と同じ位置かそれより物体側にあることを意味する。
さらに、開口絞りStを光軸方向において第1レンズの物体側の面よりも物体側に配置した場合において、後述の第1乃至第5および第7乃至第13の実施形態のレンズ(図1乃至5および図7乃至13参照)のように、開口絞りStを第1レンズL1の面頂点よりも像側に配置することが好ましい。このように、開口絞りStを第1レンズL1の面頂点よりも像側に配置した場合には、開口絞りStを含めた撮像レンズの全長を短縮化することができる。ただし、これに限定されず、開口絞りStを第1レンズL1の面頂点よりも物体側に配置してもよい。開口絞りStが第1レンズL1の面頂点よりも物体側に配置されている場合には、開口絞りStが第1レンズL1の面頂点よりも像側に配置されている場合より周辺光量の確保の観点からはやや不利であるが、結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのをさらに好適に抑制することができる。
また、第6の実施形態(図6参照)に示すように、開口絞りStを第2レンズL2の像側の面上に配置してもよい。この場合には、第1レンズL1より物体側に開口絞りStの支持機構を配置する必要がないため、開口絞りStを支持する機構を含めた撮像レンズの光軸方向の長さを短縮化する効果が期待できる。また、第1レンズL1と第2レンズL2からなる接合レンズの像側の面上に開口絞りStを配置しているため、1つの支持機構で接合レンズと開口絞りStを一体的に支持することができ、接合レンズを支持する機構と開口絞りStを支持する機構を別々に設けた場合よりも全長の短縮化を実現しやすい。
この撮像レンズLにおいて、第1レンズL1は光軸近傍において正の屈折力を有している。また、第1レンズL1は、光軸近傍において物体側に凸面を向けている。第1レンズL1が光軸近傍で物体側に凸面を向けていることにより、第1レンズL1の後側主点位置を物体側に寄せることができ、好適に全長を短縮化できる。また、この効果をさらに高めるために、第1の実施形態に示すように、第1レンズL1を光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることがより好ましい。
第2レンズL2は、光軸近傍において負の屈折力を有している。第2レンズL2が光軸近傍において負の屈折力を有することにより、球面収差、像面湾曲および軸上色収差を良好に補正することができる。
また、第2レンズL2は、第1レンズL1と接合されている。第1レンズL1と第2レンズL2を接合レンズとすることにより、第1レンズL1と第2レンズL2との間に空気間隔を必要としないため、第1レンズL1の物体側の面から第2レンズL2の像側の面までの距離を短くすることができ、全長の短縮化を図りやすい。また、一般に、撮像レンズLを製造するために、レンズの中心厚もしくはコバ厚(レンズの縁肉の厚み)を製造上必要な強度を確保できる所定の厚み以上の厚さにする必要がある。第1レンズL1と第2レンズL2を接合レンズとし、この接合レンズが全体として製造上必要な強度を確保できる所定の厚み以上になるように構成することにより、レンズの強度を確保しつつ、少なくとも一方のレンズ中心厚もしくはコバ厚を単独のレンズよりも薄くすることができるため、全長の短縮化を図りやすい。
また、光軸近傍で正の屈折力を有し、光軸近傍で物体側に凸面を向けた第1レンズL1と、光軸近傍で負の屈折力を有し、光軸近傍で像側に凹面を向けた第2レンズL2を接合することにより、後側主点位置を好適に物体側に寄せることができ、全長の短縮化に有利である。
また、第1レンズL1と第2レンズL2の接合面を非球面形状とすることが好ましい。正の屈折力を有する第1レンズL1の像側に隣接して、非球面形状の第1レンズL1と第2レンズL2の接合面を配置することにより、第1レンズL1の物体側の面を光線が通過する際に発生した球面収差、コマ収差、非点収差等の諸収差を好適に補正することができる。これに対し、特許文献3のように、第1レンズの正の屈折力を相対的に大きくするとともに、第3レンズと第4レンズを接合面を非球面形状とした接合レンズとした場合には、第1レンズと接合レンズとの距離が離れているので、第1レンズを光線が通過した際に発生した諸収差を接合レンズにより補正する効果が弱くなってしまう。
また、上記接合レンズは、個別に成型(または研磨)した2枚のレンズを貼り合わせる方法により製造されたものでもよく、成型(または研磨)した一方のレンズの一方の面上に、他方のレンズを成型等の手法で形成する方法により製造されたものでもよい。後者の場合、2枚のレンズが互いに所望の位置から偏心して接合されてしまうという問題が原理的に発生せず、2つのレンズの接合面が非球面形状の場合にも一方のレンズの接合される側の面の形状に一致するように他方のレンズの接合される側の面の形状を形成することが容易であるため、接合レンズを高精度かつ容易に製造することができる。
第3レンズL3は、光軸近傍において正の屈折力を有していることが好ましい。これにより、良好にコマ収差を補正することができる。また、第3レンズL3を光軸近傍において物体側に凸面を向けていることが好ましい。第3レンズL3が光軸近傍において物体側に凸面を向けている場合には、第3レンズL3が光軸近傍で物体側に凹面を向けている場合よりも、第3レンズL3の後側主点位置を物体側に寄せることができ、好適に全長の短縮化を実現することができる。また、この効果をさらに高めるために、第1の実施形態に示すように、第3レンズL3を光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることがより好ましい。
また、第1の実施形態のように、物体側から順に、光軸近傍において正の屈折力を有する第1レンズL1と、光軸近傍において負の屈折力を有する第2レンズL2と、光軸近傍において正の屈折力を有する第3レンズL3を配置した場合には、コマ収差をさらに良好に補正することができる。
第4レンズL4は、光軸近傍において正の屈折力を有していることが好ましい。特に携帯電話等に用いられるレンズ全長の短い撮像レンズにおいては、画角が大きくなるにつれて撮像素子への入射角度が大きくなる傾向が顕著であるため、中心画角から周辺画角にわたって撮像素子に対する入射角度を大きくなりすぎないように抑制して、撮像素子に対する入射角度の増大に起因する受光効率の低下や混色などの諸問題の発生を防ぐことが好適である。第4レンズL4が光軸近傍で正の屈折力を有するものである場合には、中間画角で撮像素子への入射角度が大きくなりすぎることを好適に抑制でき、中心画角から周辺画角にわたって撮像素子への入射角度が大きくなることを好適に抑制できる。また、第1の実施形態に示すように、第4レンズL4を光軸近傍で像側に凸面を向けたメニスカス形状とすることが好ましい。これにより、良好に非点収差を補正することができる。
第5レンズL5は、第1レンズL1乃至第4レンズL4を光線が通過する間に発生した諸収差をバランスよく補正できるものであれば、光軸近傍において負の屈折力を有するものとしてもよく、正の屈折力を有するものとしてもよい。例えば、第1の実施形態に示すように、第5レンズL5を光軸近傍で負の屈折力を有し、光軸近傍で物体側に凹面を向けたメニスカス形状とすることができ、この場合には、像面湾曲を良好に補正することができる。また、第5レンズL5は両面を非球面形状とすることが好ましく、この場合には、中間画角と周辺画角の非点収差、倍率色収差等をバランス良く補正することが容易である。
また、第6レンズL6は、光軸近傍において負の屈折力を有することが好ましい。第6レンズL6を光軸近傍において負の屈折力を有するものとすることにより、全長の短縮化を図りつつ、像面湾曲を良好に補正できる。また、第6レンズL6が光軸近傍で像側に凹面を向けていることが好ましい。第6レンズL6が光軸近傍で像側に凹面を向けている場合には、好適に全長を短縮化できる。この効果を更に高めるために、第6レンズL6が像側の面を光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状とすることがさらに好ましい。また、第6レンズL6の像側の面が光軸近傍で像側に凹面を向けている場合に、第6レンズL6の像側の面が変曲点を有する非球面形状であることが好ましい。第6レンズL6の像側の面を像側に凹面を向けている場合に、第6レンズL6の像側の面を変曲点を有する非球面形状とすることより、好適に像面湾曲を補正することができ、かつ、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。この効果を更に高めるために、第6レンズL6を、光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状とし、かつ、両側の面を変曲点を有する非球面形状とすることが好ましい。第1の実施形態は、第6レンズL6を、負の屈折力を有し、像側に凹面を向けたメニスカス形状とし、かつ、両側の面を変曲点を有する非球面形状とした構成例である。
この撮像レンズLは、高性能化のために、第1レンズL1乃至第6レンズL6のそれぞれのレンズの少なくとも一方の面に、非球面を用いることが好適である。
次に、以上のように構成された撮像レンズLの条件式に関する作用および効果をより詳細に説明する。
まず、第1レンズL1と第2レンズL2の合成焦点距離f12および全系の焦点距離fは、以下の条件式(1)を満足する。
0.4<f/f12<1.3 (1)
条件式(1)は、第1レンズL1と第2レンズL2の合成焦点距離f12に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。条件式(1)の下限を下回る場合には、全系の屈折力に対して第1レンズL1と第2レンズL2からなる接合レンズの正の屈折力が強くなりすぎて、全長の短縮化に不利となる。また、条件式(1)の上限を上回る場合には、全系の屈折力に対して第1レンズL1と第2レンズL2からなる接合レンズの屈折力が弱くなりすぎて、球面収差や軸上色収差の補正が困難となる。このため、条件式(1)を満足することで、好適に全長の短縮化を図りつつ、良好に球面収差や軸上色収差を補正できる。上記観点から、下記条件式(1−1)を満たすことがより好ましく、条件式(1−2)を満たすことがよりさらに好ましい。
0.5<f/f12<1.1 (1−1)
0.6<f/f12<1.0 (1−2)
また、第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rおよび全系の焦点距離fは、以下の条件式(2)を満足する。
0.5<f/R6r<6 (2)
条件式(2)は、第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径R6rに対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。条件式(2)の下限を下回る場合には、全長の短縮化に不利となり、像面湾曲を十分に補正することが難しい。条件式(2)の上限を上回る場合には、特に中間画角で撮像素子への入射角度の増大を十分に抑制することが難しい。このため、条件式(2)を満足することで、中間画角で撮像素子への入射角度が大きくなりすぎることを好適に抑制できる。また、好適に全長の短縮化を図りつつ、良好に像面湾曲を補正できる。上記観点から、下記条件式(2−1)を満たすことがより好ましく、条件式(2−2)を満たすことがよりさらに好ましい。
1.5<f/R6r<5 (2−1)
2.0<f/R6r<4 (2−2)
また、第2レンズL2の中心厚および第1レンズL1の中心厚は、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.1<T2/T1<1.0 (3)
条件式(3)は、第2レンズL2の中心厚および第1レンズL1の中心厚の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(3)の下限を下回る場合には、第2レンズL2の物体側の面(接合面)と像側の面の間隔が狭くなり、特に軸外光線に対して、第2レンズの物体側の面(接合面)と像側の面との2つの面の形状を異ならせることによる補正の効果を十分得ることができないため、球面収差とコマ収差のバランスを取るのに不利である。また、条件式(3)の上限を上回る場合には、全長の短縮化に不利である。条件式(3)を満足することで、好適に全長の短縮化を図りつつ、良好に球面収差およびコマ収差を補正できる。上記観点から、下記条件式(3−1)を満たすことがより好ましく、条件式(3−2)を満たすことがよりさらにより好ましい。なお、後掲の表1〜26に示すレンズデータおいて、開口絞りStが第1レンズL1の物体側の面よりも物体側にある構成例では、D2がT1に相当し、D3がT2に相当する。また、開口絞りStが第2レンズL2の像側の面上に位置する構成例では、D1がT1に相当し、D2がT2に相当する。
0.1<T2/T1<0.3 (3−1)
0.15<T2/T1<0.25 (3−2)
また、全系の焦点距離fおよび第6レンズL6の焦点距離f6は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
−5<f/f6<−0.7 (4)
条件式(4)は、第6レンズの焦点距離f6に対する全系の焦点距離fの好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(4)の下限を下回る場合には、全系の屈折力に対して第6レンズL6の負の屈折力が強くなりすぎて、特に中間画角で撮像素子への入射角度の増大を十分に抑制することが難しい。また、条件式(4)の上限を上回る場合には、全系の屈折力に対して第6レンズL6の負の屈折力が弱くなりすぎて、全長の短縮化、像面湾曲の補正に不利である。条件式(4)を満足することで、好適に全長の短縮化を図りつつ、像面湾曲を良好に補正することができる。また、中間画角で撮像素子への入射角度が大きくなりすぎることを好適に抑制でき、中心画角から周辺画角にわたって撮像素子への入射角度が大きくなることを好適に抑制できる。上記観点から、下記条件式(4−1)を満たすことがより好ましく、条件式(4−2)を満たすことがよりさらにより好ましい。
−2<f/f6<−0.9 (4−1)
−1.5<f/f6<−0.95 (4−2)
また、第1レンズL1と第2レンズL2からなる接合レンズの光軸上の総厚T12および全系の焦点距離fは、以下の条件式(5)を満足する。
0.15<T12/f<0.35 (5)
条件式(5)は、全系の焦点距離fに対する第1レンズL1と第2レンズL2からなる接合レンズの光軸上の総厚T12の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(5)の下限を下回る場合には、第1レンズL1と第2レンズL2からなる接合レンズによる後側主点位置を物体側に寄せる効果が弱くなり、全長の短縮化に不利である。上限を上回る場合には、全系の焦点距離fに対して第1レンズL1および第2レンズL2の接合レンズの光軸上の総厚T12の占める割合が大きくなるため、やはり全長の短縮化には不利となる。条件式(5)を満足することで、好適に全長の短縮化を実現できる。上記観点から、下記条件式(5−1)を満たすことがより好ましく、条件式(5−2)を満たすことがよりさらに好ましい。
0.2<T12/f<0.3 (5−1)
0.22<T12/f<0.3 (5−2)
次に、図2〜13を参照しながら、本発明の第2から第13の実施形態にかかる撮像レンズについて詳細に説明する。図1から図13に示す第1から第13の実施形態に係る撮像レンズは、第1レンズL1から第6レンズL6の全ての面が非球面形状とされている。また、本発明の第2から第13の実施形態にかかる撮像レンズは、第1の実施形態と同様に、物体側から順に、正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズL1と、負の屈折力を有し、像側に凹面を向け、第1レンズL1と接合された第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、第6レンズから構成される。このため、以下の第2から第13の実施形態においては、各レンズ群を構成する各レンズの他の詳細な構成についてのみ説明する。また、第1から第13の実施形態の間で互いに共通する構成の作用効果はそれぞれ同じ作用効果を有するため、実施形態の順番が早いものについて構成及びその作用効果を説明し、その他の実施形態の共通する構成及びその作用効果の重複説明を省略する。
図2に示す第2の実施形態および図3に示す第3の実施形態にかかる各撮像レンズLは、第1の実施形態と第1レンズL1ないし第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図4に示す第4の実施形態のように、第5レンズL5を光軸近傍で負の屈折率を有し、光軸近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状とし、かつ、第5レンズL5の両側の面を変曲点を有する非球面形状としてもよい。この場合には、第4の実施形態における第5レンズL5は、第1の実施形態の第5レンズL5と両面における光軸近傍の凹凸の向きが逆であるが、第5レンズL5を像側に凹面を向けたメニスカス形状とし、かつ、第5レンズL5の両側の面を変曲点を有する非球面形状とすることにより、良好に像面湾曲を補正できる。また、第4の実施形態にかかる撮像レンズは、第1の実施形態と第1レンズL1から第4レンズL4および第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図5に示す第5の実施形態のように、第5レンズL5を光軸近傍で正の屈折力を有し、光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状とし、かつ、第5レンズの両側の面を変曲点を有する非球面形状としてもよい。第5レンズL5が光軸近傍で正の屈折力を有する場合にも、第5レンズL5を光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状とし、第5レンズの両側の面を変曲点を有する非球面形状とすることにより、良好に像面湾曲を補正できる。また、第5の実施形態にかかる撮像レンズは、第1の実施形態と第1レンズL1ないし第4レンズL4および第6レンズL6のレンズ構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図6に示す第6の実施形態のように、開口絞りStを第2レンズL2の像側の面と同形状に構成して、第2レンズL2の像側の面上に配置し、第3レンズL3を光軸近傍で正の屈折力を有し、光軸近傍で像側に凸面を向けたメニスカス形状とするように構成してもよい。この開口絞り位置及び形状の効果は先述の通りである。また、第3レンズL3が光軸近傍で像側に凸面を向けたメニスカス形状とした場合にも、コマ収差を良好に補正できる。また、第6の実施形態にかかる撮像レンズは、第1の実施形態と第1レンズL1および第4レンズL4から第6レンズL6のレンズ構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図7に示す第7の実施形態にかかる撮像レンズは、第1の実施形態と第1レンズL1ないし第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図8に示す第8の実施形態にかかる撮像レンズLのように、第1レンズL1と第2レンズL2との接合面を光軸近傍で像側に凸形状とし、第5レンズL5を光軸近傍で両凹形状とし、かつ、第5レンズL5の両側の面を変曲点を有する非球面形状としてもよい。第1レンズL1と第2レンズL2との接合面を光軸近傍で像側に凸形状としたことにより、良好に球面収差を補正できる。また、第1の実施形態とは第5レンズL5の物体側の面の光軸近傍の凹凸の向きが逆であるが、第5レンズL5を光軸近傍で両凹形状とした場合にも、第5レンズL5の両側の面を変曲点を有する非球面形状とすることにより、良好に像面湾曲を補正できる。また、第8の実施形態にかかる撮像レンズLは、第1の実施形態と第3レンズL3、第4レンズL4および第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第1の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図9に示す第9の実施形態および図10に示す第10の実施形態にかかる撮像レンズLは、第4の実施形態と第1レンズL1ないし第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第4の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図11に示す第11の実施形態のように、第8の実施形態と同様に第1レンズL1と第2レンズL2の接合面を光軸近傍で像側に凸形状とし、第4の実施形態と第3レンズL3から第6レンズL6のレンズの構成を共通として撮像レンズLを構成してもよい。第11の実施形態の上記第1から第6レンズの各構成によれば、第8および第4の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図12に示す第12の実施形態にかかる撮像レンズLは、第11の実施形態と第1レンズL1ないし第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第11の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
また、図13に示す第13の実施形態にかかる撮像レンズLは、第4の実施形態と第1レンズL1ないし第6レンズL6のレンズの構成を共通としており、これらのレンズの各構成によれば第4の実施形態のそれぞれ対応する構成と同じ作用効果が得られる。
上記第1から第8の実施形態においては、第1レンズL1と第2レンズL2からなる接合レンズの厚みが製造上要求される所定の厚さを維持しつつ、第2レンズL2の中心厚T2が相対的に薄く構成されている。また、第9から第13の実施形態においては、第1レンズL1と第2レンズL2からなる接合レンズの厚みが製造上要求される所定の厚さを維持しつつ、第1レンズL1のコバ厚が相対的に薄く構成されている。第1から第7の実施形態の第2レンズL2の中心厚および第8から第13の実施形態の第1レンズのコバ厚は、単レンズとしては、強度が十分でなく製造時に組み立て工程などに耐えられない恐れがあるが、接合レンズの厚みが製造上要求される所定の厚さを維持しているため、好適に撮像レンズの製造に適用することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る撮像レンズLによれば、全体として6枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化し、特に第1レンズおよび第2レンズの形状を好適に構成したので、全長を短縮化しながらも、高解像性能を有するレンズ系を実現できる。
また、適宜好ましい条件を満足することで、より高い結像性能を実現できる。また、本実施の形態に係る撮像装置によれば、本実施の形態に係る高性能の撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、中心画角から周辺画角まで高解像の撮影画像を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態に係る撮像レンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、複数の数値実施例をまとめて説明する。
後掲の表1および表2は、図1に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを示している。特に表1にはその基本的なレンズデータを示し、表2には非球面に関するデータを示す。表1に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係る撮像レンズについて、最も物体側のレンズ要素の面を1番目(開口絞りStを1番目)として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線(587.56nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。また、表1には、諸データとして、全系の焦点距離f(mm)と、バックフォーカスBf(mm)をそれぞれ示す。なお、上記バックフォーカスBfは空気換算した値を表し、レンズ全長TLについてバックフォーカスBf分は空気換算した値を用いるものとする。
この実施例1に係る撮像レンズは、第1レンズL1乃至第6レンズL6の両面がすべて非球面形状となっている。表1の基本レンズデータには、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径(近軸曲率半径)の数値を示している。
表2には実施例1の撮像レンズにおける非球面データを示す。非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数Ai,Kの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
Z=C・h2/{1+(1−K・C2・h21/2}+ΣAi・hi (A)
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
K:非球面係数
以上の実施例1の撮像レンズと同様にして、図2に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例2として、表3および表4に示す。また同様にして、図3〜図13に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例3乃至実施例13として、表5〜26に示す。これらの実施例1〜13に係る撮像レンズでは、第1レンズL1乃至第6レンズL6の両面がすべて非球面形状となっている。
図15(A)〜(E)はそれぞれ、実施例1の撮像レンズにおける球面収差、非点収差、正弦条件違反量(図中では正弦条件と記載)、ディストーション(歪曲収差)、倍率色収差(倍率の色収差)図を示している。球面収差、正弦条件違反量、非点収差(像面湾曲)、ディストーション(歪曲収差)を表す各収差図には、d線(波長587.56nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図、倍率色収差図には、F線(波長486.1nm)、C線(波長656.27nm)についての収差も示す。また、球面収差図には、g線(波長435.83nm)についての収差も示す。非点収差図において、実線はサジタル方向(S)、破線はタンジェンシャル方向(T)の収差を示す。また、Fno.はFナンバーを、ωは半画角をそれぞれ示す。
同様に、実施例2の撮像レンズについての諸収差を図16(A)〜(E)に示す。同様にして、実施例3乃至実施例13の撮像レンズについての諸収差を図17(A)〜(E)乃至図27(A)〜(E)に示す。
また、表27には、本発明に係る各条件式(1)〜(5)に関する値を、各実施例1〜13についてそれぞれまとめたものを示す。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、全長を短縮化しながらも小さなFナンバーと高い結像性能が実現されている。
なお、本発明の撮像レンズには、上記実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数の値などは、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
また、上記各実施例では、すべて固定焦点で使用する前提での記載とされているが、フォーカス調整可能な構成とすることも可能である。例えばレンズ系全体を繰り出したり、一部のレンズを光軸上で動かしてオートフォーカス可能な構成とすることも可能である。
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Claims (14)

  1. 物体側から順に、
    正の屈折力を有し、物体側に凸面を向けた第1レンズと、
    負の屈折力を有し、前記第1レンズと接合され、像側に凹面を向けた第2レンズと、
    第3レンズと、
    第4レンズと、
    第5レンズと、
    第6レンズと、
    から構成される実質的に6個のレンズからなり、下記条件式(1)および(2)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    0.4<f/f12<1.3 (1)
    1.5<f/R6r<5 (2−1)
    ただし、
    f:全系における焦点距離
    f12:前記第1レンズおよび前記第2レンズの合成焦点距離
    R6r:前記第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
    とする。
  2. 前記第1レンズと前記第2レンズの接合面が非球面形状であることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  3. さらに以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1または2記載の撮像レンズ。
    0.1<T2/T1<1.0 (3)
    ただし、
    T2:前記第2レンズの中心厚
    T1:前記第1レンズの中心厚
    とする。
  4. 前記第6レンズが負の屈折力を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  5. さらに以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    −5<f/f6<−0.7 (4)
    ただし、
    f6:前記第6レンズの焦点距離
    とする。
  6. 前記第4レンズが正の屈折力を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  7. 前記第3レンズが正の屈折力を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  8. さらに以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.15<T12/f<0.35 (5)
    ただし、
    T12:前記第1レンズと前記第2レンズからなる接合レンズの光軸上の総厚
    とする。
  9. さらに以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.5<f/f12<1.1 (1−1)
  10. さらに以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.1<T2/T1<0.3 (3−1)
    ただし、
    T2:前記第2レンズの中心厚
    T1:前記第1レンズの中心厚
    とする。
  11. さらに以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    −2<f/f6<−0.9 (4−1)
    ただし、
    f6:前記第6レンズの焦点距離
    とする。
  12. さらに以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.2<T12/f<0.3 (5−1)
    ただし、
    T12:前記第1レンズと前記第2レンズからなる接合レンズの光軸上の総厚
    とする。
  13. 開口絞りが前記第1レンズの物体側の面よりも物体側に配置されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載された撮像レンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
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